(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177064
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】半導体記憶装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 99/00 20230101AFI20231206BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20231206BHJP
H01L 27/10 20060101ALI20231206BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01L27/10 495
H01L27/11582
H01L27/10
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089759
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】蘆立 浩明
(72)【発明者】
【氏名】竹石 知之
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP17
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA56
5F083MA06
5F083MA16
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】複数の半導体ウェハ同士を容易に貼合することができる半導体記憶装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態による半導体記憶装置は、第1面と第1面の反対側にある第2面とを有する第1層を備える。第1層は、第1面と第2面との間に設けられ複数の第1メモリセルを含む第1メモリセルアレイと、第1面に面しており複数の第1メモリセルに電気的に接続された第1配線層とを備える。第2層は、第3面と第3面の反対側にある第4面とを有する。第2層は、第3面と第4面との間に設けられ第1配線層に電気的に接続される複数の第2メモリセルを含む第2メモリセルアレイを含む。第1層と第2層は、第1面および第3面において接合されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と該第1面の反対側にある第2面とを有する第1層であって、前記第1面と前記第2面との間に設けられ複数の第1メモリセルを含む第1メモリセルアレイと、前記第1面に面しており前記複数の第1メモリセルに電気的に接続された第1配線層とを備える第1層、および、
第3面と該第3面の反対側にある第4面とを有する第2層であって、前記第3面と前記第4面との間に設けられ前記第1配線層に電気的に接続される複数の第2メモリセルを含む第2メモリセルアレイを含む第2層を備え、
前記第1層と前記第2層は、前記第1面および前記第3面において接合されている、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第2層は、前記第3面に面しており前記複数の第2メモリセルに電気的に接続された第2配線層をさらに含み、
前記第1配線層と前記第2配線層は、前記第1面および前記第3面において接合されている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第2層は、前記第3面に面しており前記複数の第2メモリセルに電気的に接続されたパッドをさらに含み、
前記第1配線層と前記パッドは、前記第1面および前記第3面において接合されている、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1層は、前記第1メモリセルアレイと前記第2面との間に設けられたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路をさらに含み、
前記複数の第1メモリセルおよび前記複数の第2メモリセルは、前記CMOS回路に電気的に接続されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
第5面と該第5面の反対側にある第6面とを有する第3層であって、前記第5面と前記第6面との間に設けられ前記第1および第2メモリセルおよび前記第1配線層に電気的に接続されるCMOS回路を含む第3層をさらに備え、
前記第1層と前記第3層は、前記第2面および前記第5面において接合されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1メモリセルアレイは、
第1絶縁膜と第1導電膜とを交互に第1方向に積層した第1積層体と、
前記第1積層体内を前記第1方向に延伸しており前記第1配線層に電気的に接続された第1半導体部、および、前記第1半導体部の外周面上に設けられた電荷捕獲膜を含む複数の第1柱状体とを含み、
前記第2メモリセルアレイは、
第2絶縁膜と第2導電膜とを交互に前記第1方向に積層した第2積層体と、
前記第2積層体内を前記第1方向に延伸しており前記第1配線層に電気的に接続された第2半導体部、および、前記第2半導体部の外周面上に設けられた電荷捕獲膜を含む複数の第2柱状体とを含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1配線層は、前記複数の第1柱状体の前記第1半導体部に共通に接続されており、かつ、前記複数の第2柱状体の前記第2半導体部に共通に接続されている、請求項6に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
第1基板の上方に複数の第1メモリセルを含む第1メモリセルアレイを形成し、
前記第1メモリセルアレイの上方に前記複数の第1メモリセルに電気的に接続された第1配線層を形成し、
第2基板の上方に複数の第2メモリセルを含む第2メモリセルアレイを形成し、
前記第2メモリセルアレイの上方に前記複数の第2メモリセルに電気的に接続されたパッドまたは第2配線層を形成し、
前記第1配線層と前記パッドまたは前記第2配線層とを貼り合わせて互いに電気的に接続することを具備する、半導体記憶装置の製造方法。
【請求項9】
第1基板の上方に複数の第1メモリセルを含む第1メモリセルアレイを形成し、
第2基板の上方に複数の第2メモリセルを含む第2メモリセルアレイを形成し、
第3基板上にCMOS回路を形成し、
前記第3基板と前記第1基板とを接合して、前記CMOS回路と前記第1メモリセルアレイとを電気的に接続し、
前記第1基板を除去し、
前記第1メモリセルアレイの上方に前記第1メモリセルアレイに電気的に接続される第1配線層を形成し、
前記第3基板と前記第2基板とを接合して、前記第1配線層と前記第2メモリセルアレイとを電気的に接続することを具備する、半導体記憶装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の半導体ウェハ同士を貼合させてパッドまたは配線を電気的に接合する技術が開発されている。しかし、パッドまたは配線の微細化に伴い、パッド同士あるいは配線同士を正確に位置合わせすることが困難になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の半導体ウェハ同士を容易に貼合することができる半導体記憶装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による半導体記憶装置は、第1面と第1面の反対側にある第2面とを有する第1層を備える。第1層は、第1面と第2面との間に設けられ複数の第1メモリセルを含む第1メモリセルアレイと、第1面に面しており複数の第1メモリセルに電気的に接続された第1配線層とを備える。第2層は、第3面と第3面の反対側にある第4面とを有する。第2層は、第3面と第4面との間に設けられ第1配線層に電気的に接続される複数の第2メモリセルを含む第2メモリセルアレイを含む。第1層と第2層は、第1面および第3面において接合されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図。
【
図2A】第1実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図2B】第1実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図4】
図3に続く、半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【
図5A】第1実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図5B】第1実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図7】
図6に続く、半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【
図8】
図7に続く、半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【
図9】
図8に続く、半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【
図10】
図9に続く、半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
【
図11】第2実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図。
【
図12】第2実施形態による半導体記憶装置の製造方法の一例を示す断面図。
【
図13】第3実施形態による半導体記憶装置の構成例を示す断面図。
【
図14】上記実施形態のいずれかを適用した半導体記憶装置の構成例を示すブロック図。
【
図15】メモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。以下の実施形態において、半導体基板の上下方向は、重力加速度に従った上下方向と異なる場合がある。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図である。本実施形態による半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ層10、20と、制御回路層30と、多層配線層40とを備える。半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ層10、20、制御回路層30、多層配線層40のそれぞれを含む複数の基板(ウェハ)を貼り合わせて(積層して)、ダイシングによって個片化された半導体チップである。
【0009】
メモリセルアレイ層10は、第1面10aと、第1面10aとは反対側にある第2面10bとを有する。メモリセルアレイ層10は、メモリセルアレイMCA1と、ソース層SL1と、パッド12とを備えている。メモリセルアレイMCA1は、3次元配置された複数のメモリセルを含み、第1面10aと第2面10bとの間に設けられている。メモリセルアレイMCA1のより詳細な構成については後述する。ソース層SL1は、第1面10aに面しており、多層配線層等を介してメモリセルアレイMCA1内の複数のメモリセルに電気的に接続されている。ソース層SL1は、多層配線層等を介して制御回路層30のCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路31に接続されている。これにより、ソース層SL1は、所定のソース電圧に設定され、メモリセルアレイMCA1の各メモリセルにソース電圧を印加することができる。パッド12は、第2面10bに面しており、多層配線層等を介してメモリセルアレイMCA1内の複数のメモリセルに電気的に接続されている。
【0010】
メモリセルアレイ層10の第1面10aとメモリセルアレイ層20の第3面20aは互いに貼り合わされており、貼合面となっている。ソース層SL1は、第1面10aと第3面20aとの貼合面において、メモリセルアレイ層20のソース層SL2に接合されている。これにより、ソース層SL1、SL2は、1つの共通ソース層SL1、SL2として機能する。
【0011】
メモリセルアレイ層20は、第3面20aと、第3面20aとは反対側にある第4面20bとを有する。メモリセルアレイ層20は、メモリセルアレイMCA2と、ソース層SL2と、パッド22とを備えている。メモリセルアレイMCA2は、3次元配置された複数のメモリセルを含み、第3面20aと第4面20bとの間に設けられている。メモリセルアレイMCA2のより詳細な構成については後述する。ソース層SL2は、第3面20aに面しており、多層配線層等を介してメモリセルアレイMCA2内の複数のメモリセルに電気的に接続されている。ソース層SL2は、上述の通り、第3面20aにおいてメモリセルアレイ層10のソース層SL1に接合されている。これにより、ソース層SL2は、ソース層SL1とともに所定のソース電圧に設定され、メモリセルアレイMCA2の各メモリセルにソース電圧を印加することができる。パッド22は、第4面20bに面しており、多層配線層等を介してメモリセルアレイMCA2内の複数のメモリセルに電気的に接続されている。
【0012】
制御回路層30は、第5面30aと、第5面30aとは反対側にある第6面30bとを有する。制御回路層30は、基板SUBと、CMOS回路31と、パッド32とを備えている。基板SUBは、例えば、シリコン基板である。CMOS回路31は、例えば、トランジスタ、抵抗素子、容量素子等の半導体素子で構成された回路であり、基板SUB上に設けられている。CMOS回路31は、第5面30aと第6面30bとの間に設けられている。パッド32は、第5面30aに面しており、多層配線層(
図16の34)を介してCMOS回路31に電気的に接続されている。
【0013】
メモリセルアレイ層10の第2面10bと制御回路層30の第5面30aは互いに貼り合わされており、貼合面となっている。メモリセルアレイ層10のパッド12と制御回路層30のパッド32は、第2面10bと第5面30aとの貼合面において互いに接合されている。これにより、CMOS回路31は、メモリセルアレイMCA1に電気的に接続されており、メモリセルアレイMCA1に電力を供給したり、メモリセルアレイMCA1へ指令を送ったり、メモリセルアレイMCA1からの信号を受け取ることができる。また、CMOS回路31は、メモリセルアレイ層10および多層配線層40を介してメモリセルアレイ層20にも電気的に接続されており、メモリセルアレイMCA2に電力を供給したり、メモリセルアレイMCA2へ指令を送ったり、メモリセルアレイMCA2からの信号を受け取ることができる。
【0014】
多層配線層40は、第7面40aと、第7面40aとは反対側にある第8面40bとを有する。多層配線層40は、層間絶縁膜41と、パッド42とを備えている。パッド42は、層間絶縁膜41に電気的に接続されており、メモリセルアレイ層10、20、制御回路層30に任意に接続されている。パッド42は、第8面40bに面しており、層間絶縁膜41内の配線(
図16の44)に電気的に接続されている。
【0015】
メモリセルアレイ層20の第4面20bと多層配線層40の第8面40bは互いに貼り合わされており、貼合面となっている。多層配線層40のパッド42とメモリセルアレイ層20のパッド22は、第8面40bと第4面20bとの貼合面において互いに接合されている。これにより、層間絶縁膜41内の配線は、CMOS回路31、メモリセルアレイMCA1、MCA2の間を任意に電気的に接続することができる。
【0016】
コンタクトプラグ50は、多層配線層40およびメモリセルアレイ層20を貫通してソース層SL2に接続されている。パッド60は、多層配線層40の第7面40aに設けられており、コンタクトプラグ50に電気的に接続されている。パッド60は、ソース層SL1、SL2にソース電圧を印加するために用いられる。
【0017】
本実施形態によれば、メモリセルアレイ層10、20は、第1面10aおよび第3面20aにおいて、ソース層SL1とソース層SL2とが直接接合(貼合)されており、これにより、ソース層SL1、SL2が一体の共通ソース層として機能する。ソース層SL1は、メモリセルアレイMCA1の各メモリセルに対して共通であり、ソース層SL2は、メモリセルアレイMCA2の各メモリセルに対して共通である。従って、ソース層SL1、SL2は、メモリセルアレイMCA1、MCA2の平面レイアウトに対応して広く設けられている。よって、ソース層SL1とソース層SL2との接合は、容易であり、
図1に示すように、第1面10aと第3面20aとの貼り合わせ位置が多少ずれていても、充分に電気的な接続を確保することができる。
【0018】
図2A~
図10は、第1実施形態による半導体記憶装置1の製造方法の一例を示す断面図である。
【0019】
まず、
図2Aに示すように、支持基板100上に層間絶縁膜および多層配線層13を形成する。層間絶縁膜には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁材料が用いられる。多層配線層13には、例えば、銅、タングステン等の導電材料が用いられる。次に、層間絶縁膜上にメモリセルアレイMCA1を形成する。次に、メモリセルアレイMCA1上に層間絶縁膜および多層配線層14を形成する。多層配線層14は、メモリセルアレイMCA1に電気的に接続されている。多層配線層14上には、パッド12が形成されている。パッド12は、多層配線層14に電気的に接続されており、多層配線層14を介してメモリセルアレイMCA1に電気的に接続されている。パッド12は、第2面10bから露出されている。次に、ダイシングブレード等を用いて支持基板100の端部にある層間絶縁膜等を切削し、トリミングを行う。これにより、
図2Aに示す構造が得られる。
【0020】
また、
図2Aに示す工程とは別に、あるいは、並行して、
図2Bに示すように、基板SUB上にCMOS回路31を形成する。次に、CMOS回路31上に層間絶縁膜および多層配線層33を形成する。次に、多層配線層33上に、パッド32を形成する。パッド32は、多層配線層33に電気的に接続されており、多層配線層33を介してCMOS回路31に電気的に接続されている。パッド32は、第5面30aから露出されている。これにより、
図2Bに示す構造が得られる。
【0021】
次に、
図3に示すように、支持基板100を基板SUBに対向させて、第2面10bを第5面30aに貼り合わせる。このとき、パッド12とパッド32とが接合するように位置合わして両者を貼り合わせる。これにより、パッド12とパッド32とが電気的に接続され、CMOS回路31とメモリセルアレイMCA1とが電気的に接続される。
【0022】
次に、
図4に示すように、支持基板100を剥離または研磨し、多層配線層13を露出させる。次に、多層配線層13上にソース層SL1を形成する。これにより、ソース層SL1は、メモリセルアレイMCA1に電気的に接続され、ソース電圧をメモリセルアレイMCA1に印加することができる。ソース層SL1は、メモリセルアレイMCA1の複数のメモリセルに対して共通であり、Z方向から見た平面視において、メモリセルアレイMCA1のレイアウト面積と同程度かそれ以上の面積を有する。このように、基板SUBの上方に複数のメモリセルを含むメモリセルアレイMCA1が形成される。さらに、メモリセルアレイMCA1の上方に複数のメモリセルに電気的に接続されたソース層SL1が形成される。
【0023】
また、
図2A~
図4に示す工程とは別に、あるいは、並行して、
図5Aに示すように、支持基板200上に層間絶縁膜および多層配線層23を形成する。層間絶縁膜には、例えば、シリコン酸化膜が用いられる。多層配線層23には、例えば、銅、タングステン等の導電材料が用いられる。次に、多層配線層23上にメモリセルアレイMCA2を形成する。次に、メモリセルアレイMCA2上に層間絶縁膜および多層配線層24を形成する。多層配線層24は、メモリセルアレイMCA2に電気的に接続されている。多層配線層24上には、パッド22が形成されている。パッド22は、多層配線層24に電気的に接続されており、多層配線層24を介してメモリセルアレイMCA2に電気的に接続されている。パッド22は、第4面20bから露出されている。次に、ダイシングブレード等を用いて支持基板100の端部にある層間絶縁膜等を切削し、トリミングを行う。これにより、
図5Aに示す構造が得られる。
【0024】
また、
図2A~
図5Aに示す工程とは別に、あるいは、並行して、
図5Bに示すように、支持基板400上に層間絶縁膜および多層配線層40を形成する。次に、多層配線層40上に、パッド42を形成する。パッド42は、多層配線層40と電気的に接続されている。パッド42は、第7面40aから露出されている。これにより、
図5Bに示す構造が得られる。
【0025】
次に、
図6に示すように、支持基板200を支持基板400に対向させて、第4面20bを第7面40aに貼り合わせる。このとき、パッド22とパッド42とが接合するように位置合わして両者を貼り合わせる。これにより、パッド22とパッド42とが電気的に接続され、メモリセルアレイMCA2と多層配線層40とが電気的に接続される。
【0026】
次に、
図7に示すように、支持基板200を剥離または研磨し、多層配線層23を露出させる。次に、多層配線層23上にソース層SL2を形成する。これにより、ソース層SL2は、メモリセルアレイMCA2に電気的に接続され、ソース電圧をメモリセルアレイMCA2に印加することができる。ソース層SL2は、メモリセルアレイMCA2の複数のメモリセルに対して共通であり、Z方向から見た平面視において、メモリセルアレイMCA2のレイアウト面積と同程度かそれ以上の面積を有する。このように、基板400の上方に複数のメモリセルを含むメモリセルアレイMCA2が形成される。メモリセルアレイMCA2の上方に複数のメモリセルに電気的に接続されたソース層SL2が形成される。
【0027】
次に、ダイシングブレード等を用いて支持基板400の端部を切削し、トリミングを行う。次に、
図8に示すように、
図4の基板SUBと
図7の支持基板400とを対向させて貼り合わせる。このとき、第1面10aに露出されたソース層SL1と第3面20aに露出されたソース層SL2とを接合する。ソース層SL1、SL2は、ともにメモリセルアレイMCA1、MCA2と同程度かそれ以上の面積を有するので、幾分、位置ずれが生じたとしても電気的な接続は確保され得る。よって、ソース層SL1とソース層SL2との接合のアライメントは、パッド同士の接合のアライメントに比較して容易である。
【0028】
ソース層SL1、SL2は、互いに貼り合わせて接合することによって、一体として共通ソース層SL1、SL2として機能する。これにより、ソース層SL1、SL2は、互いに電気的に接続する。
【0029】
次に、
図9に示すように、支持基板400を剥離または研磨し、多層配線層40を露出させる。
【0030】
次に、
図10に示すように、多層配線層40上にさらに層間絶縁膜41を堆積し、この層間絶縁膜41にソース層SL2に達するコンタクトプラグ50を形成する。さらに、コンタクトプラグ50上にパッド60を形成する。
【0031】
その後、ダイシング工程において、基板SUBを切削して、半導体記憶装置1をチップ状に個片化する。これにより、
図1に示す半導体記憶装置1が完成する。
【0032】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す断面図である。第2実施形態によるメモリセルアレイ層20は、ソース層SL2に代えて、パッド25を備えている。パッド25は、第3面20aに面しており、図示しない多層配線層を介してメモリセルアレイMCA2内の複数のメモリセルに電気的に接続されている。
【0033】
メモリセルアレイ層10の第1面10aとメモリセルアレイ層20の第3面20aは互いに貼り合わされており、貼合面となっている。メモリセルアレイ層20のパッド25は、第1面10aと第4面20bとの貼合面において、メモリセルアレイ層10のソース層SL1に接合されている。これにより、パッド25は、ソース層SL1に電気的に接続され、ソース電圧を伝達する。
【0034】
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、第2実施形態は、第1実施形態の効果も得ることができる。
【0035】
図12は、第2実施形態による半導体記憶装置1の製造方法の一例を示す断面図である。まず、
図2A~
図4を参照して説明したように、支持基板100と基板SUBとを貼り合わせて、基板SUB上に、制御回路層30とメモリセルアレイ層10を形成する。また、
図5A~
図6を参照して説明したように、支持基板200と支持基板400とを貼り合わせて、
図6に示す構造を得る。
【0036】
次に、支持基板200を除去した後、
図12に示すように、メモリセルアレイMCA1の上方にパッド25を形成する。パッド25は、多層配線層23の表面に形成されており、層間絶縁膜から露出されている。パッド25には、例えば、銅、タングステン等の導電材料が用いられており、多層配線層23を介してメモリセルアレイMCA1に電気的に接続されている。
【0037】
次に、
図8~
図10を参照して説明したように、支持基板400を基板SUBに貼り合わせることによって、支持基板400側のパッド25を基板SUB側のソース層SL1に貼り合わせて接合する。これにより、パッド25がソース層SL1に電気的に接続される。このとき、ソース層SL1は、メモリセルアレイMCA1と同程度かそれ以上の面積を有するので、パッド25の位置が幾分ずれたとしても電気的な接続は確保され得る。よって、ソース層SL1とパッド25との接合のアライメントは、パッド同士の接合のアライメントに比較して容易である。
【0038】
次に、第1実施形態と同様に、ソース層SL2に達するコンタクトプラグ50を多層配線層40の周囲の層間絶縁膜内に形成し、コンタクトプラグ50上にパッド60を形成する。
【0039】
その後、ダイシング工程において、基板SUBを切削して、半導体記憶装置1をチップ状に個片化する。これにより、
図11に示す半導体記憶装置1が完成する。
【0040】
尚、支持基板400側のソース層SL2を残し、基板SUB側のソース層SL1に代えてパッドを用いても同様の効果を得ることができる。
【0041】
(第3実施形態)
図13は、第3実施形態による半導体記憶装置の構成例を示す断面図である。第3実施形態によれば、制御回路層30とメモリセルアレイ層10とが一体となっており、CMOS回路31とメモリセルアレイMCA1が基板SUB上に形成されている。基板SUB上にCMOS回路が形成され、CMOS回路の上方にメモリセルアレイMCA1が形成されている。従って、第3実施形態による半導体記憶装置1は、メモリセルアレイ層10、20および多層配線層40を貼り合わせて(積層して)構成されている。CMOS回路31がメモリセルアレイ層10内に含まれていると言ってもよい。CMOS回路31は、メモリセルアレイ層10のメモリセルアレイMCA1と基板SUBの第2面10bとの間に設けられている。CMOS回路31は、図示しない多層配線層を介してメモリセルアレイMCA1に電気的に接続されている。
【0042】
第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態の対応する構成と同様でよい。従って、第3実施形態は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3実施形態は、第2実施形態と組み合わせてもよい。これにより、第3実施形態は、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
メモリセルアレイ層10は、基板SUB上にCMOS回路31を形成した後、CMOS回路31上に多層配線層を形成し、その上にメモリセルアレイMCA1を形成すればよい。
【0044】
図14は、上記実施形態のいずれかを適用した半導体記憶装置の構成例を示すブロック図である。半導体記憶装置1は、例えば、データを不揮発に記憶することが可能なNAND型フラッシュメモリ100a(以下、メモリ100a)であり、外部のメモリコントローラ1002によって制御される。メモリ100aとメモリコントローラ1002との間の通信は、例えばNANDインターフェイス規格をサポートしている。
【0045】
図14に示すように、メモリ100aは、例えばメモリセルアレイMCA、コマンドレジスタ1011、アドレスレジスタ1012、シーケンサ1013、ドライバモジュール1014、ロウデコーダモジュール1015、及びセンスアンプモジュール1016を備えている。
【0046】
メモリセルアレイMCAは、複数のブロックBLK(0)~BLK(n)(nは1以上の整数)を含んでいる。ブロックBLKは、データを不揮発に記憶することが可能な複数のモリセルの集合であり、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイMCAには、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられている。メモリセルアレイMCAは、メモリセルアレイMCA1、MCA2を含む。
【0047】
コマンドレジスタ1011は、メモリ100aがメモリコントローラ1002から受信したコマンドCMDを保持する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ1013に読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行させる命令を含んでいる。
【0048】
アドレスレジスタ1012は、メモリ100aがメモリコントローラ1002から受信したアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBA、ページアドレスPA、及びカラムアドレスCAを含んでいる。例えば、ブロックアドレスBA、ページアドレスPA、及びカラムアドレスCAは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
【0049】
シーケンサ1013は、メモリ100a全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ1013は、コマンドレジスタ1011に保持されたコマンドCMDに基づいて、ドライバモジュール1014、ロウデコーダモジュール1015、及びセンスアンプモジュール1016等を制御して、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行する。
【0050】
ドライバモジュール1014は、読み出し動作、書き込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール1014は、例えばアドレスレジスタ1012に保持されたページアドレスPAに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
【0051】
ロウデコーダモジュール1015は、複数のロウデコーダを備える。ロウデコーダは、アドレスレジスタ1012に保持されたブロックアドレスBAに基づいて、対応するメモリセルアレイMCA内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダは、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0052】
センスアンプモジュール1016は、書き込み動作において、メモリコントローラ1002から受信した書き込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール1016は、読み出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読み出しデータDATとしてメモリコントローラ1002に転送する。
【0053】
以上で説明したメモリ100a及びメモリコントローラ1002は、それらの組み合わせにより1つの半導体記憶装置を構成しても良い。このような半導体記憶装置としては、例えばSDTMカードのようなメモリカードや、SSD(solid state drive)等が挙げられる。
【0054】
図15は、メモリセルアレイMCAの回路構成の一例を示す回路図である。メモリセルアレイMCAに含まれた複数のブロックBLKのうち1つのブロックBLKが抽出されている。
図15に示すように、ブロックBLKは、複数のストリングユニットSU(0)~SU(k)(kは1以上の整数)を含んでいる。
【0055】
各ストリングユニットSUは、ビット線BL(0)~BL(m)(mは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含んでいる。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)、並びに選択トランジスタST(1)及びST(2)を含んでいる。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含み、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST(1)及びST(2)のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0056】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)は、直列接続される。選択トランジスタST(1)のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続され、選択トランジスタST(1)のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の一端に接続される。選択トランジスタST(2)のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の他端に接続される。選択トランジスタST(2)のソースは、ソース線SLに接続される。
【0057】
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT(0)~MT(15)の制御ゲートは、それぞれワード線WL(0)~WL(7)に共通接続される。ストリングユニットSU(0)~SU(k)内のそれぞれの選択トランジスタST(1)のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD(0)~SGD(k)に共通接続される。選択トランジスタST(2)のゲートは、選択ゲート線SGSに共通接続される。
【0058】
以上で説明したメモリセルアレイMCAの回路構成において、ビット線BLは、各ストリングユニットSUで同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0059】
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと称される。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0060】
尚、本実施形態に係るメモリ100aが備えるメモリセルアレイMCAは、以上で説明した回路構成に限定されない。例えば、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST(1)及びST(2)の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。
【0061】
図16は、メモリ100aの詳細な構成例を示す断面図である。メモリ100aは、メモリセルアレイ層10、20と、制御回路層30とを備えている。
【0062】
メモリセルアレイ層10とメモリセルアレイ層20とは、第1面10aと第3面20aとにおいて貼合されている。メモリセルアレイ層10とメモリセルアレイ層20との貼合面において、ソース層SL1、SL2が互いに接合されている。これにより、ソース層SL1、SL2は、一体の共通ソース層SL1、SL2として機能する。メモリセルアレイMCA1、MCA2は、共通ソース層SL1、SL2に電気的に接続される。
【0063】
また、メモリセルアレイ層10とメモリセルアレイ層20との貼合面において、メモリセルアレイ層10のパッド115とメモリセルアレイ層20のパッド125とが接合されている。パッド115は、メモリセルアレイ層10の多層配線層14およびパッド12等を介して制御回路層30のトランジスタTr等のいずれかの半導体素子に電気的に接続される。
【0064】
メモリセルアレイ層10と制御回路層30とは、第2面10bと第5面30aとにおいて貼合されている。メモリセルアレイ層10と制御回路層30との貼合面において、メモリセルアレイ層10のパッド12と制御回路層30のパッド32とが接合されている。パッド32は、多層配線層34を介して制御回路層30のトランジスタTr等の半導体素子に電気的に接続される。
【0065】
メモリセルアレイ層20と多層配線層40とは、第4面20bと第8面30aとにおいて貼合されている。メモリセルアレイ層20と多層配線層40との貼合面において、メモリセルアレイ層20のパッド22と多層配線層40のパッド42とが接合されている。パッド42は、配線44を介して互いに任意に電気的に接続されており、かつ、メモリセルアレイ層20のパッド22および多層配線層24を介してメモリセルアレイMCA2に電気的に接合されている。
【0066】
このように、メモリセルアレイ層10のメモリセルアレイMCA1は、多層配線層14、34およびパッド12、32を介して制御回路層30のCMOS回路31に電気的に接続される。メモリセルアレイ層20のメモリセルアレイMCA2は、多層配線層40、14、24、34およびパッド12、22、32、42を介して制御回路層30のCMOS回路31に電気的に接続される。
【0067】
これにより、制御回路層30は、メモリセルアレイ層10、20に共有されており、メモリセルアレイMCA1、MCA2の両方を制御することができる。また、ソース層SL1、SL2も、多層配線層14等を介してCMOS回路31に電気的に接続され、さらに、多層配線層14、24、34、40を介して、図示しない外部電源に接続され得る。これにより、外部からのソース電圧をソース層SL1、SL2に伝達することができる。
【0068】
メモリセルアレイMCA1、MCA2は、基本的に同一の構成でよい。従って、以下、メモリセルアレイMCA1の構成のみを説明する。メモリセルアレイMCA1は、積層体110と、柱状体CLと、スリットSTとを備えている。
【0069】
積層体110は、Z方向に沿って複数の電極膜111および複数の絶縁膜112を交互に積層して構成されている。積層体110は、メモリセルアレイを構成する。電極膜111には、例えば、タングステン等の導電性金属が用いられる。絶縁膜112には、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜が用いられる。絶縁膜112は、電極膜111同士を絶縁する。すなわち、複数の電極膜111は、相互に絶縁状態で積層されている。電極膜111および絶縁膜112のそれぞれの積層数は、任意である。絶縁膜112は、例えば、ポーラス絶縁膜またはエアギャップであってもよい。
【0070】
積層体110のZ方向の上端および下端の1つまたは複数の電極膜111は、それぞれソース側選択ゲートSGSおよびドレイン側選択ゲートSGDとして機能する。ソース側選択ゲートSGSとドレイン側選択ゲートSGDとの間の電極膜111は、ワード線WLとして機能する。ワード線WLは、メモリセルMCのゲート電極である。ドレイン側選択ゲートSGDは、ドレイン側選択トランジスタのゲート電極である。ソース側選択ゲートSGSは、積層体110の上部領域に設けられる。ドレイン側選択ゲートSGDは、積層体110の下部領域に設けられる。上部領域は、積層体110の、制御回路層30に近い側の領域を指し、下部領域は、積層体110の、ソース層SL1、SL2に近い側の領域を指す。
【0071】
メモリセルアレイMCA1は、ソース側選択トランジスタとドレイン側選択トランジスタとの間に直列に接続された複数のメモリセルMCを有する。ソース側選択トランジスタ、メモリセルMC、および、ドレイン側選択トランジスタが直列に接続された構造は“メモリストリング”または“NANDストリング”と呼ばれる。メモリストリングは、例えば、多層配線層14を介してビット線BLに接続される。ビット線BLは、積層体110の下方に設けられ、X方向(
図1の紙面方向)に延在している配線である。
【0072】
積層体110内には、複数の柱状体CLが設けられている。柱状体CLは、積層体110内において積層体の積層方向(Z方向)に該積層体110を貫通するように延在し、ビット線BLに接続された多層配線層14からソース層SL1まで設けられている。柱状体CLの内部構造は後述する。なお、本実施形態においては、柱状体CLは高アスペクト比であるため、Z方向に2段に分けて形成している。しかし、柱状体CLは1段であっても問題無い。
【0073】
また、積層体110内には、複数のスリットSTが設けられている。スリットSTは、X方向に延在し、かつ、積層体110の積層方向(Z方向)に該積層体110を貫通している。スリットST内には、シリコン酸化膜等の絶縁膜が充填されており、絶縁膜は板状に構成される。スリットSTは、積層体110の電極膜111を電気的に分離している。
【0074】
積層体110の上には、ソース層SL1、SL2が設けられている。ソース層SL1、SL2には、例えば、ドープドポリシリコン、銅、アルミニウム、または、タングステン等の低抵抗金属材料が用いられる。
【0075】
図17および
図18は、メモリセルMCの構成例を示す断面図である。複数の柱状体CLのそれぞれは、積層体110内に設けられたメモリホールMH内に設けられている。各柱状体CLは、Z方向に沿って積層体110の上端から積層体110を貫通し、積層体110内およびソース層SL1にかけて設けられている。複数の柱状体CLは、それぞれ、半導体ボディ210、メモリ膜220、および、コア層230を含む。柱状体CLは、その中心部に設けられたコア層230、該コア層230の周囲に設けられた半導体ボディ(半導体部材)210、および、該半導体ボディ210の周囲に設けられたメモリ膜(電荷蓄積部材)220を含む。半導体ボディ210は、積層体110内において、積層方向(Z方向)に延在している。半導体ボディ210は、ソース層SL1と電気的に接続されている。メモリ膜220は、半導体ボディ210と電極膜111との間に設けられ、電荷捕獲部を有する。各フィンガからそれぞれ1つずつ選択された複数の柱状体CLは、
図16の多層配線層14を介して1本のビット線BLに共通に接続される。
【0076】
図18に示すように、X-Y平面におけるメモリホールMHの形状は、例えば、円または楕円である。電極膜111と絶縁膜112との間には、メモリ膜220の一部を構成するブロック絶縁膜111aが設けられてもよい。ブロック絶縁膜111aは、例えば、シリコン酸化物膜または金属酸化物膜である。金属酸化物の1つの例は、アルミニウム酸化物である。電極膜111と絶縁膜112との間、および、電極膜111とメモリ膜220との間には、バリア膜111bが設けられていてもよい。バリア膜111bは、例えば、電極膜111がタングステンである場合、例えば、窒化チタンとチタンとの積層構造膜が選ばれる。ブロック絶縁膜111aは、電極膜111からメモリ膜220側への電荷のバックトンネリングを抑制する。バリア膜111bは、電極膜111とブロック絶縁膜111aとの密着性を向上させる。
【0077】
半導体部材としての半導体ボディ210の形状は、例えば、底を有した筒状である。半導体ボディ210には、例えば、ポリシリコンが用いられる。半導体ボディ210は、例えば、アンドープシリコンである。また、半導体ボディ210は、p型シリコンであってもよい。半導体ボディ210は、ドレイン側選択トランジスタSTD、メモリセルMC、および、ソース側選択トランジスタSTSのそれぞれのチャネルとなる。同一メモリセルアレイMCA1内の複数の半導体ボディ210の一端は、ソース層SL1、SL2に電気的に共通に接続される。即ち、ソース層SL1、SL2は、メモリセルアレイMCA1の複数の柱状体CLの半導体ボディ210に共通に接続されている。メモリセルアレイMCA2についても同様であり、ソース層SL1、SL2は、メモリセルアレイMCA2の複数の柱状体CLの半導体ボディ210に共通に接続されている。
【0078】
メモリ膜220は、ブロック絶縁膜111a以外の部分が、メモリホールMHの内壁と半導体ボディ210との間に設けられている。メモリ膜220の形状は、例えば、筒状である。複数のメモリセルMCは、半導体ボディ210と、ワード線WLとなる電極膜111との間に記憶領域を有し、Z方向に積層されている。メモリ膜220は、例えば、カバー絶縁膜221、電荷捕獲膜222、および、トンネル絶縁膜223を含む。半導体ボディ210、電荷捕獲膜222、および、トンネル絶縁膜223のそれぞれはZ方向に延伸している。
【0079】
カバー絶縁膜221は、絶縁膜112と電荷捕獲膜222との間に設けられている。カバー絶縁膜221は、例えば、シリコン酸化物を含む。カバー絶縁膜221は、犠牲膜(図示せず)を電極膜111にリプレースするとき(リプレース工程)、電荷捕獲膜222がエッチングされないように保護する。カバー絶縁膜221は、リプレース工程において、電極膜111とメモリ膜220との間から除去されてもよい。この場合、
図17および
図18に示すように、電極膜111と電荷捕獲膜222との間には、例えば、ブロック絶縁膜111aが設けられなくなる。また、電極膜111の形成に、リプレース工程を利用しない場合には、カバー絶縁膜221は、なくてもよい。
【0080】
電荷捕獲膜222は、ブロック絶縁膜111aおよびカバー絶縁膜221とトンネル絶縁膜223との間に設けられている。電荷捕獲膜222は、例えば、シリコン窒化物を含み、膜中に電荷をトラップするトラップサイトを有する。電荷捕獲膜222のうち、ワード線WLとなる電極膜111と半導体ボディ210との間に挟まれた部分は、電荷捕獲部としてメモリセルMCの記憶領域を構成する。メモリセルMCの閾値電圧は、電荷捕獲部中の電荷の有無、または、電荷捕獲部中に捕獲された電荷の量によって変化する。これにより、メモリセルMCは、情報を保持する。
【0081】
トンネル絶縁膜223は、半導体ボディ210と電荷捕獲膜222との間に設けられている。トンネル絶縁膜223は、例えば、シリコン酸化物、または、シリコン酸化物とシリコン窒化物とを含む。トンネル絶縁膜223は、半導体ボディ210と電荷捕獲膜222との間の電位障壁である。例えば、半導体ボディ210から電荷捕獲部へ電子を注入するとき(書き込み動作)、および、半導体ボディ210から電荷捕獲部へ正孔を注入するとき(消去動作)、電子および正孔が、それぞれトンネル絶縁膜223の電位障壁を通過(トンネリング)する。
【0082】
コア層230は、筒状の半導体ボディ210の内部スペースを埋め込む。コア層230の形状は、例えば、柱状である。コア層230は、例えば、シリコン酸化物を含み、絶縁性である。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0084】
1 半導体記憶装置、10,20 メモリセルアレイ層、30 制御回路層、40 多層配線層、SL1,SL2 ソース層、12,22,32,42 パッド、MCA1,MCA2 メモリセルアレイ、31 CMOS回路、SUB 基板