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  • 特開-画像形成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177077
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 43/00 20060101AFI20231206BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20231206BHJP
   B65H 29/60 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B65H43/00
G03G21/16 195
B65H29/60 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089779
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 皓平
【テーマコード(参考)】
2H171
3F048
3F053
【Fターム(参考)】
2H171FA22
2H171GA03
2H171GA04
2H171QA02
2H171QB02
2H171QB15
2H171QB32
2H171QC03
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
3F048AA01
3F048AB01
3F048BB10
3F048CC03
3F048CC04
3F048DA09
3F048DC05
3F048DC09
3F048DC13
3F053EA01
3F053EB04
3F053EC02
3F053LA01
3F053LB03
(57)【要約】
【課題】2つの排紙経路を通る用紙の有無を1つの用紙検知センサで検知できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、用紙が通過する上下2段に配置された2つの排紙経路(下段排紙経路S1および上段排紙経路S2)を有し、下段排紙経路S1に面して設けられた第1当接部73と、上段排紙経路S2に面して設けられた第2当接部74と、第1当接部73または第2当接部74のいずれかに用紙が当接した際に変位する被検知部とが一体に形成された揺動部材70と、被検知部に面して設けられた用紙検知センサとを有する。用紙検知センサは、被検知部の位置に基づいて、2つの排紙経路を通過する用紙の有無を検知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙が通過する上下2段に配置された2つの排紙経路を有する画像形成装置であって、
一方の前記排紙経路に面して設けられた第1当接部と、他方の前記排紙経路に面して設けられた第2当接部と、前記第1当接部または前記第2当接部のいずれかに用紙が当接した際に変位する被検知部とが一体に形成された変位部材と、
前記被検知部に面して設けられた用紙検知センサとを有し、
前記用紙検知センサは、前記被検知部の位置に基づいて、前記2つの排紙経路を通過する用紙の有無を検知すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
搬送された用紙を前記2つの排紙経路のいずれかに振り分ける分岐部材と、
前記分岐部材と前記変位部材とを接続する連動部材とを備え、
前記変位部材は、前記連動部材を介して前記分岐部材の動きに連動すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記変位部材は、自重によって揺動し、前記第1当接部または前記第2当接部のいずれか一方が、対応する前記排紙経路を遮ること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記変位部材は、前記連動部材から付勢されて変位し、前記第1当接部または前記第2当接部のいずれか一方が、対応する前記排紙経路を遮ること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1つに記載の画像形成装置であって、
前記被検知部は、前記用紙検知センサに検知される検知位置と、前記用紙検知センサの検知範囲外である非検知位置との間で変位すること
を特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2つの排紙経路を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置では、画像読み取りまたは画像形成が終了した後の用紙を排出トレイの上に排出して積載している。近年では、1度画像形成した用紙を再利用し、裏面に画像形成する画像形成装置が提案されている。
【0003】
ところで、最近の画像形成装置では、使用用途などに応じて、複数の排出トレイに用紙を振り分けるものもある。このような複数の排出トレイを備える画像形成装置では、それぞれの排出トレイに対応するように、複数の用紙検知手段が設けられているが、用紙検知手段を簡略化することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-21894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像形成装置では、画像が記録される用紙を供給する用紙供給部、用紙に画像を記録する画像形成部、および画像が記録された用紙を排出する用紙排出部を備える画像形成装置本体と、装置本体に対して昇降自在に設けられる複数の排出トレイと、複数の排出トレイを昇降自在に駆動させる昇降駆動部とを含み、排出トレイを昇降させて、用紙を収容するべき排出トレイの切り替えができる。
【0006】
上述した画像形成装置では、測距センサ(検知手段)に検知される位置に排出トレイを移動させて、排出トレイでの積載状態を検出している。ところで、画像形成装置では、排出トレイまでの排紙経路において、用紙の通過を検出することもあり、複数の排出トレイを設けた構成においては、2つの排紙経路のそれぞれについて、用紙の通過を検出する必要がある。
【0007】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、2つの排紙経路を通る用紙の有無を1つの用紙検知センサで検知することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る画像形成装置は、用紙が通過する上下2段に配置された2つの排紙経路を有する画像形成装置であって、一方の前記排紙経路に面して設けられた第1当接部と、他方の前記排紙経路に面して設けられた第2当接部と、前記第1当接部または前記第2当接部のいずれかに用紙が当接した際に変位する被検知部とが一体に形成された変位部材と、前記被検知部に面して設けられた用紙検知センサとを有し、前記用紙検知センサは、前記被検知部の位置に基づいて、前記2つの排紙経路を通過する用紙の有無を検知することを特徴とする。
【0009】
本開示に係る画像形成装置は、搬送された用紙を前記2つの排紙経路のいずれかに振り分ける分岐部材と、前記分岐部材と前記変位部材とを接続する連動部材とを備え、前記変位部材は、前記連動部材を介して前記分岐部材の動きに連動する構成としてもよい。
【0010】
本開示に係る画像形成装置では、前記変位部材は、自重によって揺動し、前記第1当接部または前記第2当接部のいずれか一方が、対応する前記排紙経路を遮る構成としてもよい。
【0011】
本開示に係る画像形成装置では、前記変位部材は、前記連動部材から付勢されて変位し、前記第1当接部または前記第2当接部のいずれか一方が、対応する前記排紙経路を遮る構成としてもよい。
【0012】
本開示に係る画像形成装置では、前記被検知部は、前記用紙検知センサに検知される検知位置と、前記用紙検知センサの検知範囲外である非検知位置との間で変位する構成としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によると、変位部材が2つの排紙経路の両方に対応しているので、変位部材の動きを把握することで、2つの排紙経路を通る用紙の有無を1つの用紙検知センサで検知することができ、簡素な構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施の形態に係る画像形成装置の概略側面図である。
図2】下段排紙経路および上段排紙経路の近傍を示す拡大側面図である。
図3】揺動部材および用紙検知センサを抽出して示す模式側面図である。
図4】用紙検知センサと被検知部との位置関係を示す模式説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本開示の実施の形態に係る画像形成装置の概略側面図である。
【0017】
画像形成装置1は、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙に対して単色の画像を形成する。画像形成装置1の筐体10には、感光体ドラム11、露光装置12、現像装置13、クリーナ装置14、転写ローラ15、帯電器16、定着部17、用紙搬送路S、用紙カセット22、排紙トレイ26、補助トレイ28、トナーボトル30、ダクト40、および補助ダクト50が設けられている。
【0018】
感光体ドラム11は、用紙搬送路Sに沿って配置され回転駆動する。帯電器16は、感光体ドラム11の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光装置12は、感光体ドラム11の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置13は、感光体ドラム11の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム11の表面にトナー像を形成する。
【0019】
転写ローラ15は、感光体ドラム11との間にニップ域が形成されており、用紙搬送路Sを通じて搬送されて来た用紙をニップ域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ域を通過する際に、感光体ドラム11の表面のトナー像が転写される。クリーナ装置14は、現像および画像転写の後に感光体ドラム11の表面の残留トナーを除去および回収する。
【0020】
用紙カセット22は、画像形成に使用される用紙を蓄積するためのカセットであり、筐体10の下部に設けられている。また、排紙トレイ26は、筐体10の上部に設けられており、画像形成済みの用紙を載置するためのトレイである。補助トレイ28は、排紙トレイ26よりも上方に設けられ、画像形成済みの用紙を載置するためのトレイである。
【0021】
画像形成装置1では、用紙カセット22から供給された用紙が、用紙搬送路Sを介して、転写ローラ15や定着部17を経由させて排紙トレイ26または補助トレイ28に送られる。用紙搬送路Sは、筐体10の一方の側壁寄り(図1では、右方)に設けられ、ピックアップローラ23、レジストローラ24、分岐ガイド27(分岐部材の一例)、排紙ローラ25、および補助排紙ローラ29が配置されている。
【0022】
ピックアップローラ23は、用紙カセット22の端部近傍に備えられ、用紙カセット22から用紙を1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する。レジストローラ24は、用紙カセット22から搬送されている用紙を一旦保持し、感光体ドラム11上のトナー像の先端と用紙の先端とを合わせるタイミングで、用紙を転写ローラ15に搬送する。
【0023】
定着部17は、定着ローラ18および加熱ローラ20に定着ベルト21が巻き掛けられ、定着ベルト21を介して定着ローラ18に加圧ローラ19が押圧されるようになっている。定着部17では、未定着のトナー像が形成された用紙を受け取り、用紙を定着ベルト21と加圧ローラ19との間に挟み込んで搬送する。
【0024】
定着後の用紙は、分岐ガイド27を経由するように搬送される。用紙搬送路Sは、分岐ガイド27を起点にして、排紙ローラ25へ向かう下段排紙経路S1(排紙経路の一方)と、排紙ローラ25よりも上方の補助排紙ローラ29へ向かう上段排紙経路S2(排紙経路の他方)とに分岐している。排紙ローラ25を経由した用紙は、排紙トレイ26上に排出され、補助排紙ローラ29を経由した用紙は、補助トレイ28上に排出される。画像形成した用紙を、排紙トレイ26および補助トレイ28のうち、いずれに排出するかは、分岐ガイド27の動作によって制御することができる。なお、下段排紙経路S1および上段排紙経路S2の近傍の構造については、後述する図2を参照して、詳しく説明する。
【0025】
トナーボトル30は、露光装置12の上方であって、定着部17の近傍(図1では、定着部17の左方)に設けられており、現像装置13へ供給するトナーを内部に貯蔵している。
【0026】
ダクト40は、排紙トレイ26と露光装置12との間に設けられており、筐体10の外部から取り入れた空気を内部へ送る。具体的に、ダクト40は、筐体10の一方の側壁に設けられた冷却開口部10aから空気を取り込み、冷却開口部10aの近傍に設けられた送風ファン41によって空気を送り、定着部17近傍に面した冷却排出口42から空気を排出する。冷却開口部10aは、空気が流入できる構造とされていればよく、小さい複数の孔やスリットのような細長い孔などであってもよい。
【0027】
補助ダクト50は、露光装置12の下方に設けられており、筐体10の外部から取り入れた空気を内部へ送る。具体的に、補助ダクト50は、筐体10の一方の側壁に設けられた補助開口部10bから空気を取り込み、補助開口部10bの近傍に設けられた補助ファン51によって空気を送り、現像装置13に面した補助排出口52から空気を排出する。補助開口部10bは、空気が流入できる構造とされていればよく、小さい複数の孔やスリットのような細長い孔などであってもよい。
【0028】
図2は、下段排紙経路および上段排紙経路の近傍を示す拡大側面図である。
【0029】
図2では、下段排紙経路S1および上段排紙経路S2の近傍における一部の部材を抽出して示しているが、これに限定されず、画像形成装置1では、図2に示されていない部材を備えていてもよい。
【0030】
下段排紙経路S1と上段排紙経路S2との間には、揺動部材70(変位部材の一例)が配置されている。揺動部材70は、下段排紙経路S1および上段排紙経路S2を通過する用紙に接触するアクチュエータであって、揺動軸71、連結部72、第1当接部73、第2当接部74、および被検知部75(後述する図3参照)を有している。揺動部材70は、用紙の幅方向に沿って延びる揺動軸71が筐体10に軸支されており、揺動軸71の軸回りに揺動するように変位する構造とされている。
【0031】
第1当接部73は、揺動軸71から下段排紙経路S1内に突出するように設けられている。揺動部材70が下段排紙経路S1の側(図2では、矢符F1の方向)に揺動するように変位した状態では、第1当接部73が下段排紙経路S1を遮っており、下段排紙経路S1を通過する用紙に接触する。第1当接部73が接触した用紙によって矢符F2の方向に押圧されると、第1当接部73は、下段排紙経路S1から離れるように、言い換えると、下段排紙経路S1内への突出量が減少するように退避し、用紙が通過する隙間が生じる。
【0032】
第2当接部74は、第1当接部73と同様にして、揺動軸71から上段排紙経路S2内に突出するように設けられている。揺動部材70が上段排紙経路S2の側(図2では、矢符F2の方向)に揺動するように変位した状態では、第2当接部74が上段排紙経路S2を遮っており、上段排紙経路S2を通過する用紙に接触する。第2当接部74が接触した用紙によって矢符F1の方向に押圧されると、第2当接部74は、上段排紙経路S2から離れるように、言い換えると、上段排紙経路S2内への突出量が減少するように退避し、用紙が通過する隙間が生じる。
【0033】
揺動軸71から突出した連結部72には、連動部材80の一端が取り付けられている。連動部材80は、例えば、バネであって、他端が分岐ガイド27に取り付けられている。分岐ガイド27は、下段排紙経路S1および上段排紙経路S2のいずれか一方を塞ぐように動作しており、用紙は、分岐ガイド27によって塞がれていない排紙経路へ搬送される。なお、図2では、分岐ガイド27について、上段排紙経路S2を塞いだ状態を実線で示し、下段排紙経路S1を塞いだ状態を二点鎖線で示している。
【0034】
連動部材80は、分岐ガイド27が動くと伸縮し、揺動部材70を付勢する力が変化する。揺動部材70は、連動部材80から付勢されて矢符F1の方向または矢符F2の方向のいずれかに揺動するように変位し、第1当接部73または第2当接部74のいずれか一方が、対応する排紙経路を遮る。本実施の形態において、揺動部材70は、分岐ガイド27が下段排紙経路S1を塞ぐように動作した際、連動部材80に付勢されて、第2当接部74が上段排紙経路S2を遮る方向(矢符F2の方向)へ揺動するように変位する。
【0035】
また、揺動部材70は、自重によって揺動するように変位し、第1当接部73または第2当接部74のいずれか一方が、対応する前記排紙経路を遮る構成とされている。具体的に、本実施の形態では、分岐ガイド27が上段排紙経路S2を塞ぐように動作した際、連動部材80が揺動部材70を付勢する力が弱くなる。その結果、揺動部材70は、連動部材80から付勢された力よりも自重によって揺動する力が強くなり、第1当接部73が下段排紙経路S1を遮る方向(矢符F1の方向)へ揺動するように変位する。
【0036】
上述したように、連動部材80を介して分岐ガイド27の動きに揺動部材70が連動する構成とされているので、分岐ガイド27によって振り分けた排紙経路を用紙が確実に通過したと判断できる。
【0037】
また、揺動部材70の自重と連動部材80によって、揺動部材70を揺動するように変位させているので、簡素な構成で、第1当接部73または第2当接部74を用紙に確実に接触させることができる。なお、上述した構造に限定されず、自重によって、揺動部材70が上段排紙経路S2の側に揺動し、連動部材80から付勢された力によって、揺動部材70が下段排紙経路S1の側に揺動する構造としてもよい。
【0038】
上段排紙経路S2において、補助排紙ローラ29から補助トレイ28までの間には、反転ガイド60が設けられている。反転ガイド60は、動作することで、用紙の表面に加えて、裏面にも画像形成する両面印刷の際に、上段排紙経路S2から図示しない反転搬送経路に用紙を導く。詳しくは、反転ガイド60が反転搬送経路を塞いだ状態で、両面印刷用の用紙が、上段排紙経路S2に搬送される。そして、搬送された用紙が、反転ガイド60を通過した直後に搬送は一旦停止される。その状態において、反転ガイド60が反転搬送経路を開放するように動作する。搬送を一旦停止されていた用紙は、上段排紙経路S2を停止前とは逆方向に搬送され、反転ガイド60により反転搬送経路に案内される。反転搬送経路を辿った用紙は、表裏面を反転させてレジストローラ24の手前まで搬送される。
【0039】
図3は、揺動部材および用紙検知センサを抽出して示す模式側面図である。
【0040】
上述したように、揺動部材70には、揺動軸71から突出して形成された被検知部75が設けられている。そして、被検知部75に面して用紙検知センサ76が設けられており、用紙検知センサ76は、被検知部75の位置に基づいて、2つの排紙経路を通過する用紙の有無を検知する。用紙検知センサ76は、移動しないように適宜筐体10に固定されていればよい。本実施の形態において、用紙検知センサ76は、光センサとされており、発光部から照射した光が発光部に対向する受光部へ到達するか、発光部と受光部との間に介在する物体(被検知部75)に遮られるかにより用紙の有無を検知している。用紙検知センサ76は、発光部と受光部とが併設された反射光型の光センサであってもよい。この場合、発光部から照射した光が被検知部75によって反射され受光部へ到達するか、物体(被検知部75)に反射されず受光部へ到達しないかにより用紙の有無を検知できる。
【0041】
次に、用紙検知センサ76と被検知部75との位置に基づく検知結果について、図4を参照して説明する。
【0042】
図4は、用紙検知センサと被検知部との位置関係を示す模式説明図である。
【0043】
図4では、被検知部75が取り得る位置の一例と用紙検知センサ76との位置関係を模式的に示している。被検知部75は、用紙検知センサ76に検知される検知位置75aと、用紙検知センサ76の検知範囲外である非検知位置(第1待機位置75bおよび第2待機位置75c)との間で揺動するように変位する構成とされている。本実施の形態において、第1待機位置75bは、揺動部材70が上段排紙経路S2の側(図2では、矢符F2の方向)に揺動した状態において、被検知部75が取り得る位置に対応し、第2待機位置75cは、揺動部材70が下段排紙経路S1の側(図2では、矢符F1の方向)に揺動した状態において、被検知部75が取り得る位置に対応する。
【0044】
被検知部75が第1待機位置75bまたは第2待機位置75cに位置する状態から、用紙に押圧されて揺動部材70が揺動するように変位し、被検知部75が検知位置75aに移動すると、用紙検知センサ76は被検知部75を検知する。それによって、用紙検知センサ76は、下段排紙経路S1または上段排紙経路S2のいずれかの排紙経路を用紙が通過したという検知結果を出力する。このように、用紙検知センサ76の検知範囲に対応した位置を被検知部75が変位することで、揺動部材70の動きから通過する用紙の有無を判断することができる。
【0045】
一方、用紙が下段排紙経路S1および上段排紙経路S2のうちのいずれを通過したかを検知するには、分岐ガイド27の状態と組み合わせることで検知できる。分岐ガイド27が下段排紙経路S1を開放し上段排紙経路S2を塞ぐ状態にあって、用紙検知センサ76が用紙の検知結果を出力した場合、図示しない画像形成装置1の制御部は、用紙が下段排紙経路S1を通過したと検知できる。分岐ガイド27が上段排紙経路S2を開放し下段排紙経路S1を塞ぐ状態にあって、用紙検知センサ76が用紙の検知結果を出力した場合、図示しない画像形成装置1の制御部は、用紙が上段排紙経路S2を通過したと検知できる。分岐ガイド27が下段排紙経路S1または上段排紙経路S2に振り分ける動作は、図示しない制御部が、例えば、ユーザの操作による指示に応じて設定するものなので、制御部は、分岐ガイド27の状態を常に把握することができる。
【0046】
上述したように、揺動部材70が2つの排紙経路の両方に対応しているので、揺動部材70の動きを把握することで、2つの排紙経路を通る用紙の有無を1つの用紙検知センサ76で検知することができ、簡素な構造とすることができる。
【0047】
図2ないし図4では、揺動部材70が揺動軸71の軸回りに揺動するように変位する構造を示したが、これに限定されず、下段排紙経路S1と上段排紙経路S2とが対向する方向に揺動部材70が移動する構造としてもよい。例えば、自重によって、揺動部材70全体が下段排紙経路S1の側に下降し、連動部材80から付勢された力によって、揺動部材70全体が上段排紙経路S2の側に上昇する構造としてもよい。
【0048】
また、本実施の形態では、揺動部材70が連動部材80を介して分岐ガイド27に連結された構造を説明したが、これに限定されず、揺動部材70と分岐ガイド27とが連結されていない構造としてもよい。この際、揺動部材70には、自身を変位させる駆動源が適宜接続されていればよく、分岐ガイド27を動作させる指示に応じて、揺動部材70を適宜変位させればよい。
【0049】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本開示の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 画像形成装置
27 分岐ガイド(分岐部材の一例)
70 揺動部材(変位部材の一例)
71 揺動軸
72 連結部
73 第1当接部
74 第2当接部
75 被検知部
76 用紙検知センサ
80 連動部材
S1 下段排紙経路(排紙経路の一方)
S2 上段排紙経路(排紙経路の他方)
図1
図2
図3
図4