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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177090
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】利用券決済管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/18 20120101AFI20231206BHJP
   G07F 7/02 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
G06Q20/18
G07F7/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089799
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000126849
【氏名又は名称】株式会社アペックス
(71)【出願人】
【識別番号】599095849
【氏名又は名称】芝江産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 重雄
(72)【発明者】
【氏名】石原 豊史
【テーマコード(参考)】
3E044
5L055
【Fターム(参考)】
3E044CA04
5L055AA38
5L055AA54
(57)【要約】
【課題】アプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティ等の問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機から商品をキャッシュレスで購入できる。
【解決手段】商品を提供する販売装置40と通信可能に接続された読取機能付き決済端末30と、複数の識別コード情報を有する決済管理サーバ10と、一の識別コード情報を受信し、該識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行する利用券発行装置20とを備える利用券決済管理システム100を提供する。決済管理サーバは、識別コード情報を利用券発行装置に送信し、利用券発行装置は、該識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券60を発行し、決済端末は、利用券を読み取った場合決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバは、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を決済端末に送信し、決済端末は、判定結果を販売装置に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、
前記決済端末と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有する決済管理サーバと、
前記決済管理サーバと通信可能に接続され、一の識別コード情報を受信し、該識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行する利用券発行装置と、
を備える利用券決済管理システムであって、
前記決済管理サーバは、前記利用券発行装置が前記決済管理サーバに対して利用券の発行を依頼すると、対応する識別コード情報を前記利用券発行装置に送信し、
前記利用券発行装置は、識別コード情報を受信すると該識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行し、
前記決済端末は、発行された利用券を読み取った場合、前記決済管理サーバに識別コード情報を送信し、
前記決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を前記決済端末に送信し、
前記決済端末は、判定結果を前記販売装置に送信する、
利用券決済管理システム。
【請求項2】
識別コード情報は、使用可能回数、チャージ金額、使用期限、対象商品、常連クラスのいずれか1つまたは任意の組み合わせと関連付けられていることを特徴とする請求項1に記載の利用券決済管理システム。
【請求項3】
前記利用券発行装置は、発行された利用券を読み取る読取装置を有し、
前記利用券発行装置は、前記読取装置により利用券を読み取り、読み取った利用券に付された識別コード情報と共に前記決済管理サーバに対して利用券の発行を依頼すると、前記決済管理サーバは、所定の常連クラスを記録し、読み取った利用券に付された識別コード情報に関連する識別コード情報を前記利用券発行装置に送信し、前記利用券発行装置は、前記関連する識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行することを特徴とする請求項2に記載の利用券決済管理システム。
【請求項4】
前記利用券発行装置は、前記利用券発行装置と通信可能に接続され、識別コードを印刷する印刷装置を有し、
前記利用券発行装置は、前記印刷装置により識別コードが印刷される印刷物として、利用券を発行することを特徴とする請求項1に記載の利用券決済管理システム。
【請求項5】
商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、
前記決済端末と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有する決済管理サーバと、
前記決済管理サーバから得られた複数の識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行する利用券発行装置と、
を備える利用券決済管理システムであって、
前記利用券発行装置は、複数の識別コード情報から選択される一の識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行し、
前記決済端末は、発行された利用券を読み取った場合、前記決済管理サーバに識別コード情報を送信し、
前記決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を前記決済端末に送信し、
前記決済端末は、判定結果を前記販売装置に送信する、
利用券決済管理システム。
【請求項6】
商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、
前記決済端末および利用券を発行する利用券発行装置と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有し、一の識別コード情報を前記利用券発行装置に送信し、該識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行させる決済管理サーバと、
を備える利用券決済管理システムであって、
前記決済管理サーバは、前記利用券発行装置により利用券の発行を依頼されると、対応する識別コード情報を送信し、
前記利用券発行装置は、識別コード情報を受信すると該識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行し、
前記決済端末は、発行された利用券を読み取った場合、前記決済管理サーバに識別コード情報を送信し、
前記決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を前記決済端末に送信し、
前記決済端末は、判定結果を前記販売装置に送信する、
利用券決済管理システム。
【請求項7】
商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、
前記決済端末および利用券を発行する利用券発行装置と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有し、一の識別コード情報を前記利用券発行装置に送信し、該識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行させる決済管理サーバと、
前記利用券発行装置により印刷された利用券と、
を備える利用券決済管理システムであって、
前記決済端末は、前記利用券を読み取った場合、前記決済管理サーバに識別コード情報を送信し、
前記決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を前記決済端末に送信し、
前記決済端末は、判定結果を前記販売装置に送信する、
利用券決済管理システム。
【請求項8】
商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、
前記決済端末と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有する決済管理サーバと、
前記決済管理サーバから得られる一の識別コードが付された利用券を発行する利用券発行装置と、
を備える利用券決済管理システムにより実行される方法であって、
前記決済端末は、前記利用券発行装置が発行した利用券を読み取った場合、前記決済管理サーバに識別コード情報を送信し、
前記決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を前記決済端末に送信し、
前記決済端末は、判定結果を前記販売装置に送信する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用券決済管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動販売機の電子決済にかかわるサービスは、金銭識別装置を開発販売する会社から、様々なサービスが提供されている。その中で、自動販売機に取り付け可能な電子マネーリーダーに、2次元コードを読み取りできるカメラを搭載し、既存の電子マネー決済以外に2次元コードを使用した「オフィス向け決済システム」が存在する。これは、オフィス・工場・事業者内で使用可能な独自の決済システムで、2次元コード(QRコード(登録商標))を利用することで、社員証決済、部署別カード、福利厚生サービスや来客用ウェルカムドリンクサービスができるシステムである。
【0003】
また、画像読取や画像表示機能、近距離通信を含む通信機能を備える携帯端末を使用して、2次元コードを読み取り/提示して、自動販売機やネットワーク上のサーバと通信し、キャッシュレスで商品を販売する自動販売機が存在する。たとえば、特許文献1は、商品販売者が不在な自動販売機であっても、利用者に負担をかけず、プリント式図形化コードを用いた決済などの処理を行うことができる自動販売機システムを開示する。この自動販売機システムでは、自動販売機は、自動販売機識別情報を含むプリント式図形化コードを掲示しておき、携帯端末は、プリント式図形化コードを読み取った後、自動販売機に利用者情報を通知し、自動販売機は、商品選択された商品の取引金額を携帯端末に通知し、携帯端末は、プリント式図形化コード内の自動販売機識別情報と取引金額と利用者情報とを用いて決済サーバとの間で決済処理を行い、決済サーバからの取引結果を利用者情報とともに自動販売機に通知し、自動販売機は、取引結果及び利用者情報を確認した後、商品選択された商品の提供を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-028528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した「オフィス向け決済システム」を運用するには、オフィス・工場・事業者内に、このシステムで使用する2次元コードを作成し、配布する専門の「オフィス向け決済システム」の管理者が必要になり、この業務負担が非常に大きく普及しない原因となっている。また、携帯端末を使用する場合、携帯端末に所定のアプリケーションのインストールが必要であり、また、金銭情報(クレジット情報など)や年齢・性別・住所・職業等の個人情報が必要となる。このため、携帯端末に慣れない人にとっては面倒であり、セキュリティやプライバシーに問題が生ずる場合があり、これらを管理する側にも非常に手間のかかる運用が必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理システムおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、決済端末と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有する決済管理サーバと、決済管理サーバと通信可能に接続され、一の識別コード情報を受信し、その識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行する利用券発行装置と、を備える利用券決済管理システムであって、決済管理サーバは、利用券発行装置が決済管理サーバに対して利用券の発行を依頼すると、対応する識別コード情報を利用券発行装置に送信し、利用券発行装置は、識別コード情報を受信するとその識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行し、決済端末は、発行された利用券を読み取った場合、決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を決済端末に送信し、決済端末は、判定結果を販売装置に送信する、利用券決済管理システムが提供される。
これによれば、決済管理サーバに格納された識別コード情報に基づき利用券発行装置により発行された利用券を使用し、読取機能付き決済端末が利用券を読み取った場合に決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバが受信した識別コード情報に基づき商品の提供の可否を判定することで、管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理システムを提供することができる。
【0008】
さらに、識別コード情報は、使用可能回数、チャージ金額、使用期限、対象商品、常連クラスのいずれか1つまたは任意の組み合わせと関連付けられていることを特徴としてもよい。
これによれば、識別コード情報がこれらの情報と関連付けられていることで、利用券を回数券、プリペイドカード、定期券、商品券、常連/一見情報として利用することができる。
【0009】
さらに、利用券発行装置は、発行された利用券を読み取る読取装置を有し、利用券発行装置は、読取装置により利用券を読み取り、読み取った利用券に付された識別コード情報と共に決済管理サーバに対して利用券の発行を依頼すると、決済管理サーバは、所定の常連クラスを記録し、読み取った利用券に付された識別コード情報に関連する識別コード情報を利用券発行装置に送信し、利用券発行装置は、関連する識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行することを特徴としてもよい。
これによれば、既に発行された利用券を読み取り、その利用券の識別コード情報の常連クラスを記録するとともに、読み取った利用券に付された識別コード情報に関連する識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行することで、常連客には、より手厚いサービスを提供することが可能となる。
【0010】
さらに、利用券発行装置は、利用券発行装置と通信可能に接続され、識別コードを印刷する印刷装置を有し、利用券発行装置は、印刷装置により識別コードが印刷される印刷物として、利用券を発行することを特徴としてもよい。
これによれば、利用券が印刷物として発行されることで、携帯端末が不要な利用券決済管理システムを提供できる。
【0011】
上記課題を解決するために、商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、決済端末と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有する決済管理サーバと、決済管理サーバから得られた複数の識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行する利用券発行装置と、を備える利用券決済管理システムであって、利用券発行装置は、複数の識別コード情報から選択される一の識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行し、決済端末は、発行された利用券を読み取った場合、決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を決済端末に送信し、決済端末は、判定結果を販売装置に送信する、利用券決済管理システムが提供される。
これによれば、決済管理サーバに格納された識別コード情報に基づき利用券発行装置により発行された利用券を使用し、読取機能付き決済端末が利用券を読み取った場合に決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバが受信した識別コード情報に基づき商品の提供の可否を判定することで、管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理システムを提供することができる。
【0012】
上記課題を解決するために、商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、決済端末および利用券を発行する利用券発行装置と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有し、一の識別コード情報を利用券発行装置に送信し、その識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行させる決済管理サーバと、を備える利用券決済管理システムであって、決済管理サーバは、利用券発行装置により利用券の発行を依頼されると、対応する識別コード情報を送信し、利用券発行装置は、識別コード情報を受信するとその識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行し、決済端末は、発行された利用券を読み取った場合、決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を決済端末に送信し、決済端末は、判定結果を販売装置に送信する、利用券決済管理システムが提供される。
これによれば、決済管理サーバに格納された識別コード情報に基づき利用券発行装置により発行された利用券を使用し、読取機能付き決済端末が利用券を読み取った場合に決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバが受信した識別コード情報に基づき商品の提供の可否を判定することで、管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理システムを提供することができる。
【0013】
上記課題を解決するために、商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、決済端末および利用券を発行する利用券発行装置と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有し、一の識別コード情報を利用券発行装置に送信し、その識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券を発行させる決済管理サーバと、利用券発行装置により印刷された利用券と、を備える利用券決済管理システムであって、決済端末は、利用券を読み取った場合、決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を決済端末に送信し、決済端末は、判定結果を販売装置に送信する、利用券決済管理システムが提供される。
これによれば、決済管理サーバに格納された識別コード情報に基づき利用券発行装置により印刷された利用券を使用し、読取機能付き決済端末が利用券を読み取った場合に決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバが受信した識別コード情報に基づき商品の提供の可否を判定することで、管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高く、携帯端末が不要であり、自動販売機から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理システムを提供することができる。
【0014】
上記課題を解決するために、商品を提供する販売装置と通信可能に接続された読取機能付き決済端末と、決済端末と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有する決済管理サーバと、決済管理サーバから得られる一の識別コードが付された利用券を発行する利用券発行装置と、を備える利用券決済管理システムにより実行される方法であって、決済端末は、利用券発行装置が発行した利用券を読み取った場合、決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバは、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を決済端末に送信し、決済端末は、判定結果を販売装置に送信する、方法が提供される。
これによれば、決済管理サーバに格納された識別コード情報に基づき利用券発行装置により発行された利用券を使用し、読取機能付き決済端末が利用券を読み取った場合に決済管理サーバに識別コード情報を送信し、決済管理サーバが受信した識別コード情報に基づき商品の提供の可否を判定することで、管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理の方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明によれば、管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理システムおよび方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明に係る第一実施形態の利用券決済管理システムのブロック構成図を示す。
図2図2は、本発明に係る第一実施形態の利用券決済管理システムにおける利用券発行から商品販売に至るフロー図を示す。
図3図3は、本発明に係る第一実施形態の利用券決済管理システムの決済管理サーバが有する利用券テーブルの例を示す。
図4図4は、本発明に係る第一実施形態の利用券決済管理システムの決済管理サーバが有する利用券定義テーブルの例を示す。
図5図5は、本発明に係る第一実施形態の利用券決済管理システムにおける利用券発行装置の例を示す。
図6図6は、本発明に係る第一実施形態の利用券決済管理システムにおける利用券の例を示す。
図7図7は、本発明に係る第一実施形態の利用券決済管理システムにおける利用券の配布形態の例を示す。
図8図8は、本発明に係る第二実施形態の利用券決済管理システムのブロック構成図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る各実施形態について説明する。
<第一実施形態>
図1図7を参照し、本実施形態における利用券決済管理システム100を説明する。利用券決済管理システム100は、図1に示すように、複数の識別コード情報を格納する管理データ記憶部11を備える決済管理サーバ10と、識別コードが付された利用券60を発行する利用券発行装置20と、識別コードを読み取る読取機能付きの決済端末30と、決済端末30と通信可能に接続された販売装置である自動販売機40と、決済管理サーバ10を操作するための利用券管理装置50と、を備える。
【0018】
決済管理サーバ10と利用券発行装置20、決済管理サーバ10と決済端末30、決済管理サーバ10と利用券管理装置50は、それぞれ通信ネットワークで接続されるように構成されている。通信ネットワークは、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、衛星ネットワーク、ケーブルネットワーク、Wi―Fiネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせを含むものであってもよい。
【0019】
決済管理サーバ10は、決済管理するためのプログラムを格納するメモリ(図示せず)、当該メモリに格納されたプログラムによる命令を実行するためのプロセッサ(図示せず)、他のデバイスと通信を行うためのI/Oインターフェースやネットワークインターフェース(図示せず)、多くの識別コード情報を含むデータや情報を格納するストレージである管理データ記憶部11と、これらの構成要素の双方向通信を制御するバスとを備えるサーバコンピューティングデバイスである。
【0020】
また、利用券発行装置20と利用券管理装置50は、ハードウェアとしては上述した構成要素をほぼ同様に備えるコンピューティングデバイスであり、たとえば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピューター、タブレットコンピュータ、ワークステーション、携帯端末、または他の種類のコンピューティングデバイスであってもよい。たとえば、利用券発行装置20は、店舗に配置されるPOS(Point of Sales)レジスタであってもよい。
【0021】
決済端末30は、典型的には自動販売機40の前面に取り付けられ、利用券60に付された識別コード(図形化コードや数値化コード)を読み取るためのカメラ(図示せず)を備え、決済管理サーバ10および自動販売機40と通信可能に構成されている。決済管理サーバ10とは通信ネットワークを介して接続され、自動販売機40とは商品の提供可否の信号が無線または有線で伝達されるように構成されていればよい。また、決済端末30は、識別コードを読み取り、決済に関する情報(たとえば、提供可否の判定結果、残された使用回数や金額など)を表示するための表示画面を備えていてもよい。決済端末30は、たとえば、日本コンラックス製のカメラ機能が附属した電子決済端末ME-10である。
【0022】
自動販売機40は、提供可能である旨の信号を受け付けて、たとえば商品として、飲料用の瓶や缶を、また飲料を紙コップにより提供する公知の装置である。ただし、商品は、無人で販売できるものであればよく、特に限定されない。本実施例の場合、自動販売機40は、決済端末30からの信号を受信し、信号が提供可能を示す場合には、該当する商品を提供するように構成されていればよい。
【0023】
決済管理サーバ10は、ストレージとして管理データ記憶部11を有する。管理データ記憶部11は、利用券管理装置50を操作する利用券決済管理システム100の管理者により構築、管理される。管理データ記憶部11は、自動販売機40から提供される商品に関する情報を識別コード情報と関連させて記憶している。管理データ記憶部11は、たとえば、図3に示す利用券テーブルを格納する。利用券テーブルは、利用券ID、使用者ID、発行日、商品ID、使用可能回数、使用回数、チャージ金額、使用金額、使用期限、常連クラスのカラムを有する。
【0024】
利用券IDは、利用券を一意に識別するための識別子(UID:Unique ID)である。本図では、利用券IDには、UID001、UID002などが付けられている。使用者IDは、当該利用券を利用する者を示すIDであり、会社などの組織で本システムを運用する場合は社員番号として使用されるカラムである。コンビニエンスストアなどの販売店で利用券が販売された場合には、使用者IDは空欄または便宜上割り当てられる番号などであり、匿名性が確保される。発行日は、当該利用券が発行された年月日が入力される。商品IDは、当該利用券で購入できる商品を示す。商品を特定しない場合は空欄でもよく、複数の商品を特定する場合には、商品IDのカラムは複数あってもよい。
【0025】
使用可能回数は、当該利用券を回数券として利用する場合に利用券の販売時に設定されてもよいし、販売者が選択してもよい。使用回数は、使用可能回数の内実際に既に使用した回数が入力される。チャージ金額は、当該利用券を所謂プリペイドカードとして利用する場合に利用券の販売時に設定されてもよいし、しなくてもよい。使用金額は、チャージ金額の内実際に既に使用した金額が入力される。使用期限は、当該利用券の有効期限を示すものであり、通常発行日からの期間(6カ月、12カ月など)や月末・年末・年度末などの期日が販売時に設定される。使用可能回数やチャージ金額が空欄で使用期限が設定されている場合には、当該利用券は定期券として利用されることを想定している。
【0026】
常連クラスは、当該利用券が常連客(リピータ)が使用するものであるか否かを示すフラグであり、常連客が使用する場合には1、常連客ではない一見が使用する場合には0が入力される。詳細は後述する。
【0027】
たとえば、利用券IDがUID001の利用券は、商品IDがP1000(たとえば、ミディアムサイズのホットコーヒー)を30杯までかつ発行日から1年間利用できる回数券であり、現時点での使用回数は11杯であり、常連客が使用する利用券でないことを示している。また、利用券IDがUID002の利用券は、発行日から1年間利用でき、商品を特定しない1000円のプリペイドカードであり、現時点での使用金額は400円であり、常連客が使用する利用券であることを示している。また、利用券IDがUID003の利用券は、商品IDがP2001(たとえば、ラージサイズのプレミアムコーヒー)を発行日から180日間利用できる定期券であり、常連客が使用する利用券であることを示している。このように、識別コード情報は、使用可能回数、チャージ金額、使用期限、対象商品、常連クラスのいずれか1つまたは任意の組み合わせと関連付けられていることで、利用券60を回数券、プリペイドカード、定期券、商品券、常連/一見情報として利用することができる。
【0028】
利用券管理装置50は、利用券決済管理システム100の管理者により操作されるコンピューティングデバイスであり、利用券の種類や金額、利用券で購入できる商品などを定義するように構成されている。たとえば、管理データ記憶部11には、図4に示すような回数券・定期券の利用券定義テーブルがあり、管理者は、この利用券定義テーブルに適宜入力できるようになっている。利用券定義テーブルは、商品ID、使用可能回数、チャージ金額、有効期限、値段、常連クラス可能フラグのカラムを有する。管理者は、P1000の商品は、10回、30回、50回の回数券を、それぞれ1500円、4500円、7500円で販売可能としている。また、P2001の商品は、有効期限が180日の定期券(期間中飲み放題)として、P2002の商品は、チャージ金額が1000円と5000円のプリペイドカードとして販売可能になっている。金額が高いほど、有効期限を長めに設定したり、常連クラスを設定可能になっていてもよい。また、利用券管理装置50は、利用券テーブルを参照し、利用券の利用実績などを参照し、販売管理やサービス向上に向けた検討を行う。
【0029】
利用券発行装置20は、決済管理サーバ10の管理データ記憶部11にアクセスし、利用券60を発行する。利用券発行装置20は、決済管理サーバ10と通信でき、利用券60を発行、販売できるように構成されていればよく、図5に示すように、様々な実施形態が考えられる。たとえば、利用券発行装置20は、販売店のレジスタの横に配置されているが、決済管理サーバ10と通信を行うのはレジスタとのデータのやり取りは行わないスタンドアローン型の装置であってもよい。また、利用券発行装置20は、決済管理サーバ10と通信可能な販売店のレジスタと電子的に接続され利用券60の販売と発行が連動するように構成されてもよい。また、利用券発行装置20は、決済管理サーバ10と通信可能な券売機や自動販売機40の中に取り込まれ、一体をなすように構成されてもよい。
【0030】
利用券発行装置20は、利用券60を購入しようとする者(またはその者から依頼を受けた販売店の店員)が、購入可能な利用券60のメニューから選択して購入できるように構成されている。たとえば、図5の下部に示すように、利用券発行装置20は、管理データ記憶部11の利用券定義テーブルにアクセスし、管理者が設定した販売可能すなわち購入可能な利用券60をタブレット型の利用券発行装置20の表示部に表示し、購入しようとする者はその中から選択して購入できる。本図では、例として、商品IDがP1000の10回分と30回分の回数券として機能する利用券60と、商品IDがP2001の定期券として機能する利用券60の選択画面を示している。
【0031】
この選択画面で4500円を支払って30回券が選択されると、利用券発行装置20は、商品IDがP1000の商品が30回の回数券として販売される旨の情報を決済管理サーバ10に送信する。決済管理サーバ10は、その旨の情報を受信すると、管理データ記憶部11内の利用券テーブルに登録する。たとえば、決済管理サーバ10は、唯一無二の識別コード情報となる利用券ID(たとえばUID001)を生成して利用券IDのカラムに入力し、発行日に販売された日を、商品IDにP1000を、使用可能回数に30を、使用期限に発行日から6月先の日を入力する。
【0032】
決済管理サーバ10は、利用券テーブルへの登録が完了すると、登録した利用券IDの識別コード情報を利用券発行装置20へ送信し、それを受信した利用券発行装置20は、受信した識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券60を発行する。利用券発行装置20は、自身と通信可能に接続された印刷装置22を備え、印刷装置22にその識別コードを印刷させてもよい。印刷装置22は、大容量ロール紙対応でオートカッター付きが好ましい。この場合、利用券発行装置20は、印刷装置22により識別コードが印刷される印刷物として利用券60を発行し、販売店では、料金と引き換えに利用券60を購入者に手渡す。購入者は、利用券60の使用者となり、使用者は、自動販売機40に取り付けられた決済端末30のカメラに利用券60を提示すると、購入した商品の提供を受ける。このように、利用券60が印刷物として発行されることで、携帯端末が不要な利用券決済管理システム100を提供できる。
【0033】
図6は、利用券60の例を示す。左の利用券60は180日の定期券の例であり、右の利用券60は、30回の回数券の例である。利用券60には、識別コードが図形化コードとして印刷されており、本例では、2次元のQRコード(登録商標)と1次元のバーコードの両方が印刷されている。識別コードは、図形化コードに限らず、数字により表されたコードであってもよい。
【0034】
なお、利用券発行装置20は、印刷装置22を備えず、利用券60を印刷物として発行しなくともよい。その場合、利用券発行装置20は、表示装置を備え、利用券60の識別コードを表示するように構成されてもよい。購入者は、表示装置に表示された識別コードを携帯端末のカメラで撮影し、自動販売機40で商品を購入する際には、携帯端末のディスプレイにその識別コードを表示させ、決済端末30のカメラに提示することにより使用することができる。この場合は、携帯端末を使用することになるが、携帯端末が通常有するカメラとディスプレイを使用するだけなので、利用券決済管理システム100に特有のアプリケーションを携帯端末にインストールする必要はない。
【0035】
また、利用券発行装置20は、発行された利用券60に付された識別コードを読み取る読取装置21を備えてもよい。利用券発行装置20は、使用者から利用券60の提示を受け、読取装置21により利用券60を読み取り、読み取った利用券60に付された識別コード情報を決済管理サーバ10に送信する。利用券発行装置20がこのようにして決済管理サーバ10に対して新たな利用券60の発行を依頼すると、決済管理サーバ10は、その利用券60に対して常連クラスを記録してもよい。たとえば、決済管理サーバ10は、既に発行された利用券60の識別コード情報と共に新たな利用券60の発行依頼を受信すると、管理データ記憶部11の利用券テーブルにおける発行済みの識別コード情報の常連クラスにフラグを立て、当該識別コード情報を備える利用券60は常連客が使用するものであることを示すようにしてもよい。
【0036】
決済管理サーバ10は、次いで、読み取った利用券60に付された識別コード情報に関連する識別コード情報を利用券発行装置20に送信する。利用券発行装置20は、決済管理サーバ10から受信した関連する識別コード情報に基づく識別コードが付された新たな利用券60を発行する。なお、読み取った利用券60に付された識別コード情報に関連する識別コード情報とは、既に発行されていて読み取った識別コード情報と同じでも良いし、その識別コード情報と紐付けられた異なる識別コード情報であってもよい。
【0037】
これによれば、既に発行された利用券60を読み取り、その利用券60の識別コード情報の常連クラスを記録するとともに、読み取った利用券60に付された識別コード情報に関連する識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券60を発行することで、使用者の年齢・性別・職業等の個人情報に基づく情報分析はできないが、一見様や常連顧客情報の蓄積ができ、常連客には、常連客に向けたより有利で手厚いサービスを提供することが可能になる。その結果、常連客の囲い込みと、一見様と常連客のマーケット動向の分析は可能となる。クローズドマーッケットにおける不特定多数の顧客をターゲットにする場合、顧客の囲い込みや、販売状況の分析には、「常連客の販売動向」と言う様なゆるい購買分析でも十分役に立つ。また常連客には、ステイタスを付加することができ、利用券60に、そのステイタスを階級章の様なマークにして印字し、他者への告示を可能にし、より購買意欲を喚起できる。
【0038】
決済端末30は、カメラに利用券60が提示されると、利用券60に付された識別コードを読み取り、その識別コード情報を決済管理サーバ10に送信する。決済管理サーバ10は、決済端末30から識別コード情報を受信すると、利用券テーブル内の当該識別コード情報について使用可能回数と使用回数、チャージ金額と使用金額を参照し、まだ提供できる回数や金額が残っているか否かを確認する。
【0039】
たとえば、使用可能回数が30回中既に使用した回数が11回である場合など、まだ残りがある場合には、決済管理サーバ10は、決済端末30に対して提供可能である旨の信号を送信する。この場合、決済端末30は、自動販売機40にその旨の信号を送信し、利用券60の使用者は、当該利用券60で認められた商品の提供を受けることができる。逆に、残りがない場合、決済管理サーバ10は、提供不可である旨の信号を決済端末30に対して送信する。この場合、決済端末30は、自動販売機40に提供可能である旨の信号は送信せず、使用者に対して残回数・残高が不足している旨を視覚的または聴覚的に報知する。なお、決済管理サーバ10は、提供可能である場合も決済端末30に残回数や残高を送信し、決済端末30はその残回数や残高を報知してもよいし、図6の利用券60(右の回数券の例)に示すように、使用者自ら何回使用したのかを書き込むための回数分のコーヒーカップの図を設けてもよい。
【0040】
図2を参照し、利用券決済管理システム100における利用券発行から商品販売に至るフローを説明する。利用券発行装置20は、コンビニエンスストアなどの加盟店に配置されている前提である。利用券60を購入したい使用者は、加盟店に出向き、料金を支払い、利用券60を購入する。加盟店の店員は利用券発行装置20を操作し、決済管理サーバ10に利用券60の発行を依頼する(S100)。依頼を受けた決済管理サーバ10は、利用券テーブルに販売した利用券60を登録し、登録した一意の識別コード情報を利用券発行装置20に送信する(S102)。識別コード情報を受信した利用券発行装置20は、識別コード情報に基づく識別コード(本例ではQRコード)が表示された利用券60を印刷して発行する(S104)。
【0041】
利用者は発行された利用券60を受け取り、自動販売機40の決済端末30に対して利用券60を提示する(S106)。決済端末30は、提示された識別コードを読み取り、その識別コード情報を決済管理サーバ10に送信し、有効な利用券60か否かの問い合わせを行う(S108)。決済管理サーバ10は、受信した識別コード情報について利用券テーブルを参照し、有効な利用券60か否かを検査し、提供の可否を判定する。決済管理サーバ10は、有効な利用券60であることが確認できた場合その判定結果を決済端末30に送信する(S110)。決済端末30は、有効な利用券60である旨の結果を受信すると、自動販売機40にその旨の信号を送信し、自動販売機40は、利用券60で認められた商品の提供を行う(S112)。
【0042】
これによれば、決済管理サーバ10に格納された識別コード情報に基づき利用券発行装置20により発行された利用券60を使用し、読取機能付き決済端末30が利用券60を読み取った場合に決済管理サーバ10に識別コード情報を送信し、決済管理サーバ10が受信した識別コード情報に基づき商品の提供の可否を判定することで、組織における特別な決済業務がないため管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機40から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理システム100を提供することができる。
【0043】
また、上述したことは、利用券決済管理の方法に関するものでもある。すなわち、この方法は、商品を提供する自動販売機40と通信可能に接続された読取機能付き決済端末30と、決済端末30と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有する決済管理サーバ10と、決済管理サーバ10から得られる一の識別コードが付された利用券60を発行する利用券発行装置20と、を備える利用券決済管理システム100により実行される方法であって、決済端末30は、利用券発行装置20が発行した利用券60を読み取った場合、決済管理サーバ10に識別コード情報を送信し、決済管理サーバ10は、識別コード情報を受信すると、受信した識別コード情報に基づき提供の可否を判定し、判定結果を決済端末30に送信し、決済端末30は、判定結果を販売装置に送信する、方法である。
【0044】
これによれば、決済管理サーバ10に格納された識別コード情報に基づき利用券発行装置20により発行された利用券60を使用し、読取機能付き決済端末30が利用券60を読み取った場合に決済管理サーバ10に識別コード情報を送信し、決済管理サーバ10が受信した識別コード情報に基づき商品の提供の可否を判定することで、組織における特別な決済業務がないため管理者において業務負担が小さく、使用者において、面倒なアプリケーションのインストールなどの作業が不要で、セキュリティやプライバシーにおける問題が生じず、匿名性の高い、自動販売機40から商品をキャッシュレスで購入できる利用券決済管理の方法を提供することができる。
【0045】
なお、本例の場合、管理者にとっての利用券決済管理システム100は、商品を提供する自動販売機40と通信可能に接続された読取機能付き決済端末30と、決済端末30および利用券60を発行する利用券発行装置20と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有し、一の識別コード情報を利用券発行装置20に送信し、その識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券60を発行させる決済管理サーバ10と、を備える。
【0046】
また、上述した利用券決済管理システム100は、商品を提供する自動販売機40と通信可能に接続された読取機能付き決済端末30と、決済端末30および利用券60を発行する利用券発行装置20と通信可能に接続され、複数の識別コード情報を有し、一の識別コード情報を利用券発行装置20に送信し、その識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券60を発行させる決済管理サーバ10と、利用券発行装置20により印刷された利用券60と、を備えるシステムでもある。
【0047】
<第一実施形態の変形例>
上述した実施形態では、利用券発行装置20は、決済管理サーバ10に対して利用券60の発行を依頼すると、決済管理サーバ10から1つの識別コード情報を受信し、その識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券60を発行する。しかし、利用券発行装置20は、これに限定されず、以下に述べる方法で利用券60を発行してもよい。
【0048】
利用券発行装置20は、図7に示すように、決済管理サーバ10から複数の識別コード情報を一括してダウンロードし、または、決済管理サーバ10から複数の識別コード情報を記憶させたUSBメモリなどの記憶媒体を利用し、決済管理サーバ10から得られた複数の識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券60を発行してもよい。この方法は、オフィス・工場・事業者内で従業員に利用券60を配布する場合に好ましい。利用券発行装置20は、複数の識別コード情報から選択される一の識別コード情報に基づく識別コードが付された利用券60を対象の従業員数分連続して発行できる。
【0049】
これによれば、利用券発行装置20が複数の識別コード情報を一括して取得し、発行することで、組織における特別な決済業務がなく、多数の従業員に対して一括した利用券60の配布ができるため管理者の業務負担を低減することができる。なお、識別コードの配布には様々な方法があり、たとえば、裏面が接着できるシールにまとめて印刷して部や課に配布することでさらに業務負担が軽減できる。また、識別コードを電子ファイルにし、各人にメール等で配布してもよい。マイボトルの蓋や携帯端末などに貼り、利用することで、利用していない他者にも見てもらい、「これは何だろう」との興味を持たせ、自分も買ってみようを思わせることも期待できる。また、マイボトル・マイマグカップに添付しこれらの利用を推進することで、地球環境改善に貢献することができる。
【0050】
このように、利用券60を、社員証決済、部署別カード、福利厚生サービスや来客用ウェルカムドリンクサービスなどの利用に供することで、業務管理者を置かずに、より簡便に実現できる利用券決済管理システム100を提供できる。利用券決済管理システム100によれば、さまざまな展開が期待できる。
1.利用回数券の販売は、企業や事業所内の売店で行う。
2.利用回数券の発行は、販売と同時に印刷し、販売者へ手渡しする。
3.利用回数券の常連客を確認するため、販売前に前回の「利用回数券」をスキャンしリピーター確認もできるようにしておく。
4.利用回数券には、利用回数、利用期間、購入金額の割引等の付加価値サービスを付随させる。
【0051】
利用券決済管理システム100によれば、以下の効果を期待できる。
1.次世代オペレートビジネスの創出
料金先取りビジネス(サブスク)への転換
お得感の創出(回数、期間、割引、常連サービス、等)
販売単価の高額化
売店の売り上げ向上(自販機ビジネスは、売店業者がロケーションオーナーの場合が多数)
売店が販売促進活動を行う動機付けになる
正当な業務対価支払いへの転換(集金、原料補給、給排水対応、等)
2.市場変動への柔軟対応
消費税や原材料価格の変化対応(1円単位で決済可能な決済端末化)
新コイン・新札対応(自販機コインメック及び自販機紙幣識別装置の非搭載化)
3.オペレーション負荷の軽減
自販機のキャッシュレス化
集金業務の委託
ルートマンの非正社員化(キャッシュレス自販機の場合)
4.地球環境改善に貢献
マイボトル・マイマグ専用機によるまとめ購入の促進(使い捨て容器の削減・脱プラ化)
マイボトル・マイマグ専用機の容量フリーサービス等
【0052】
<第二実施形態>
図8を参照し、本実施形態における利用券決済管理システム100Aを説明する。なお、上記実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付し、重複記載を避けるために説明を省略する。利用券決済管理システム100Aは、複数の識別コード情報を格納する管理データ記憶部11を備える決済管理サーバ10Aと、識別コードが付された利用券60を発行する利用券発行装置20Aと、識別コードを読み取る読取機能付きの決済端末30と、決済端末30と通信可能に接続された販売装置である自動販売機40と、決済管理サーバ10を操作するための利用券管理装置50Aと、を備える。
【0053】
決済管理サーバ10Aと利用券管理装置50A、利用券管理装置50Aと利用券発行装置20A、決済管理サーバ10Aと決済端末30、は、それぞれ通信ネットワークで接続されるように構成されている。通信ネットワークは、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、衛星ネットワーク、ケーブルネットワーク、Wi―Fiネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせを含むものであってもよい。
【0054】
決済管理サーバ10A、利用券発行装置20A、および利用券管理装置50Aにおけるハードウェア構成は、上記実施形態の決済管理サーバ10、利用券発行装置20、および利用券管理装置50とそれぞれ同じであってよい。上記実施形態と異なる点は、利用券発行装置20Aは、直接決済管理サーバ10Aと通信を行うのではなく、利用券管理装置50Aと通信する点、または利用券管理装置50Aを経由して決済管理サーバ10Aと通信を行う点である。
【0055】
前者の場合、利用券管理装置50Aは、店舗や支社などに分散して配置された利用券発行装置20Aから一旦利用券60の発行依頼を受け付けて、集約して決済管理サーバ10Aに発行依頼を行うことができる。後者の場合、利用券管理装置50Aは、多数の利用券発行装置20Aに対してゲートウェイ機能を有し、決済管理サーバ10Aのセキュリティを向上させる。また、利用券管理装置50Aだけでなく、利用券発行装置20Aも利用券の利用実績を参照することができる。利用券決済管理システム100Aは、オフィス向けなどの利用券60のバッチ的運用を行う場合に、また、本システムの試験的運用を行う場合にも好ましい実施形態である。
【0056】
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
【符号の説明】
【0057】
100 利用券決済管理システム
10 決済管理サーバ
11 管理データ記憶部
20 利用券発行装置
21 読取装置
22 印刷装置
30 決済端末
40 自動販売機(販売装置)
50 利用券管理装置
60 利用券
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8