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特開2023-17711繊維機械のワークステーションの操作方法および繊維機械のワークステーション
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  • 特開-繊維機械のワークステーションの操作方法および繊維機械のワークステーション 図1
  • 特開-繊維機械のワークステーションの操作方法および繊維機械のワークステーション 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017711
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】繊維機械のワークステーションの操作方法および繊維機械のワークステーション
(51)【国際特許分類】
   D01H 4/00 20060101AFI20230131BHJP
【FI】
D01H4/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022110669
(22)【出願日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】10 2021 118 842.3
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】512013754
【氏名又は名称】マスチネンファブリック ライター アーゲー
【氏名又は名称原語表記】MASCHINENFABRIK RIETER AG
【住所又は居所原語表記】Klosterstr. 20, 8406 Winterthur Swizerland
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アダルベルト シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン フリッツ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラード クスタース
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、繊維機械、好ましくは、糸を第1のスリーブから第2のスリーブ上に巻き戻す巻取機、または精紡機のワークステーションの操作方法に関する。
【解決手段】方法は、レイダウン要素(5)によって糸(2)が綾巻きボビン(6)上に綾状に巻き取られ、必要に応じて、補助糸ガイド(7)が糸(2)の糸経路(8)に移動することで、レイダウン要素(5)と糸(2)の間の動作的連結が切り離される。本発明は、補助糸ガイド(7)の糸経路(8)への移動が、クリアラーカットの直前に実行されることを提案する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維機械、好ましくは、糸(2)を第1のスリーブ(3)から第2のスリーブ(4)上に巻き戻す巻取機、または精紡機のワークステーション(1)の操作方法であって、
レイダウン要素(5)によって、前記糸(2)が綾巻きボビン(6)上に綾状に巻き取られ、必要に応じて、補助糸ガイド(7)が前記糸(2)の糸経路(8)に移動し、前記レイダウン要素と前記糸(2)の間の動作的連結が切り離される方法であり、
前記補助糸ガイド(7)の前記糸経路(8)への移動が、クリアラーカットの直前に実行されることを特徴とするワークステーション(1)の操作方法。
【請求項2】
前記補助糸ガイド(7)の前記糸経路(8)への移動が、糸切れの直前、途中、または直後に実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のスリーブ(4)または前記第2のスリーブ(4)の糸巻き上に乗り上げた糸端が、前記補助糸ガイド(7)によって、前記第2のスリーブ(4)または前記第2のスリーブ(4)の糸巻き上に、定められた様式で、特に中央に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記糸(2)は、前記補助糸ガイド(7)によって前記レイダウン要素(5)から引き上げられることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記補助糸ガイド(7)が前記糸経路(8)にある間、前記糸(2)が、前記補助糸ガイド(7)のノッチまたは窪み(9)によってガイドされることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記補助糸ガイド(7)は、クリアラーカットの直後に行われる少なくとも一つの準備プロセス、特に前記糸(2)の逆巻きおよび/またはスプライシングの間、前記糸経路(8)に留まることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記補助糸ガイド(7)は、クリアラーカットを実行する0.5~5秒前に前記糸経路(8)に移動することを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
繊維機械、好ましくは、糸(2)を第1のスリーブ(3)から第2のスリーブ(4)上に巻き戻す巻取機、または精紡機のワークステーション(1)であって、
前記糸(2)を綾巻きボビン(6)上に綾状に巻き取るレイダウン要素(5)と、
必要に応じて、前記糸(2)の糸経路(8)に移動し、前記レイダウン要素(5)と前記糸(2)の間の動作的連結を切り離す補助糸ガイド(7)と、
コントローラ(15)からなり、前記コントローラ(15)が、上記の請求項のいずれか一つまたは複数に記載の方法に従ってワークステーション(1)を制御するために実装されることを特徴とするワークステーション(1)。
【請求項9】
前記レイダウン要素(5)が溝付きローラーまたは綾振糸ガイドとして実装されることを特徴とする請求項8に記載のワークステーション(1)。
【請求項10】
前記補助糸ガイド(7)が、特にノッチまたは窪み(9)を有する変位自在なベイルとして実装されることを特徴とする請求項8または9に記載のワークステーション(1)。
【請求項11】
前記補助糸ガイド(7)が、駆動装置(17)、特に電気モーター、電磁ドライブ、空気圧ドライブ、または油圧ドライブ、および/またはスプリング要素に動作可能に接続されることを特徴とする請求項8~10のいずれか一つに記載のワークステーション(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維機械、好ましくは、糸を第1のスリーブから第2のスリーブ上に巻き戻す巻取機、または精紡機のワークステーションの操作方法に関し、この方法では、レイダウン要素によって糸が綾巻きボビン上に綾状に巻き取られ、必要に応じて、補助糸ガイドが糸の糸経路に移動することで、レイダウン要素と糸の間の動作的連結が切り離される。本発明はさらに、繊維機械、好ましくは、糸を第1のスリーブから第2のスリーブ上に巻き戻す巻取機、または精紡機のワークステーションに関する。この繊維機械は、糸を綾巻きボビン上に綾状に巻き取るレイダウン要素、必要に応じて糸の糸経路に移動し、レイダウン要素と糸の間の動作的連結を切り離す補助糸ガイド、およびコントローラからなる。
【背景技術】
【0002】
繊維機械において、巻取りプロセス中に、レイダウン要素が糸を綾状に動かして綾巻きボビンを製造することが知られている。このようなレイダウン要素は、本発明に関連するものを含めて、溝付きローラー、例えば、電気モーターが揺動運動を引き起こす綾振糸ガイド、または回転レイダウン要素として実装することができる。糸の巻取り手順が中断した場合、ボビン、糸、または繊維機械の損傷を回避するために、糸をレイダウン要素との係合から外すか、糸とレイダウン要素との間の動作的連結を分離することが有利である。これにより、例えば、糸とレイダウン要素が互いに独立して、巻取り手順を継続するための準備が可能になる。この準備措置により、レイダウン要素によって糸が損傷する危険がなくなる。巻取り手順の中断は、例えば、糸切れやクリアラーカットまたはクオリティカットによって引き起こされる。クリアラーカットの場合、すでに検出されている糸の欠陥を取り除くために、糸が意図的に切断される。クリアラーカットの後、すでに巻き上げられている糸が、通常、スプライサによってまだ巻き上げられていない糸に再接続される。糸切れやカットの場合、ボビンに乗り上げた糸端が、ボビン上またはボビンの外側に非制御の状態で置かれる可能性がある。その場合、巻取り手順を継続する場合に糸端の位置を特定することがより困難になる。一方で、補助糸ガイドと係合することで、特定するのに有利な位置に糸端を制御可能な状態で置くことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ特許公開公報100 51 997 A1公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
巻取り手順が中断した場合、糸とレイダウン要素の動作的連結を分離するために、例えば、ノッチ付きプレートの形態をした補助糸ガイドが、特許文献1により知られている。前記ガイドは、糸の中断後に綾振糸ガイドから突出する。この場合のように、補助糸ガイドの係合が糸の中断の後に実行されるのは不利であり、これによって、糸またはボビンへの損傷が発生する可能性がある時間枠が生じる。前記時間枠の間に、糸端がボビン上に非制御の状態で置かれる可能性があり、巻取り手順を継続するために、糸端の位置を特定することがより困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の目的は、補助糸ガイドの係合を改善することである。
【0006】
この目的は、独立クレームの特徴を有する方法およびワークステーションによって達成される。
【0007】
繊維機械、好ましくは、糸が第1のスリーブから第2のスリーブ上に巻き戻される巻取機、または精紡機のワークステーションの操作方法において、レイダウン要素によって糸が綾巻きボビン上に綾状に巻き取られる。補助糸ガイドは、必要に応じて糸の糸経路に移動し、それによってレイダウン要素と糸との間の動作的連結が分離される。本発明は、補助糸ガイドの糸経路への移動が、クリアラーカットの直前に実行されることを提案する。
【0008】
これによって、切れた糸片がどんな時でも非制御な状態にならない。補助糸ガイドによって糸端を制御された状態でボビン上に置くことができるので、糸端の位置を特定するための労力が最小限に抑えられる。ボビンまたはレイダウン要素に損傷が発生する可能性も低くなる。通常、上記のクリアラーカットを実行するための糸クリアラーは、例えば、糸の欠陥を検出するために実装され、クリアラーカットを短時間で実行する。補助糸ガイドの移動は、例えば、糸欠陥の検出とクリアラーカットの実行との間に実行することができる。レイダウン要素の停止は、例えば、補助糸ガイドを糸経路に移動させた後にのみ行うことができる。典型的な糸の欠陥とは、例えば、薄いまたは厚い領域、結び目またはループ、その他の期待される糸の品質からの逸脱である。
【0009】
補助糸ガイドは、例えば、初期位置から係合位置に移動し、それによって糸を移送し、特に、糸がレイダウン要素を迂回してガイドされるように糸経路を変更する。精紡機で製造される糸が綾巻きボビン上に巻き戻される巻取機の場合、例えば、第1のスリーブは紡績スリーブであり、第2のスリーブは巻取りスリーブである。綾巻きボビンを製造するために実装される精紡機の場合、紡績糸は直接巻き上げられる。
【0010】
補助糸ガイドの糸経路への移動は、糸切れの直前、途中、または直後に実行されると有利である。それにより、糸切れの際にボビン上に乗り上げた糸端または切断された糸片の制御を確実に行うことができる。上述のように、糸切れは通常、糸の欠陥または繊維機械の誤動作によって予期せずに発生する。例えば、糸切れ後の補助糸ガイドの移動は、特に糸切れが糸クリアラーによって検出された場合に実行できる。糸切れの前または途中の補助糸ガイドの移動は、糸切れが繊維機械によって検出可能に予見される場合にのみ確実に行うことができる。例えば、糸張力が急激に変化する場合がこれに当てはまる。突然の変化が糸切れを予見させる各種パラメータが繊維機械によって検出されてもよい。このような場合、補助糸ガイドの予防的係合が有利になる。
【0011】
第2のスリーブ、または第2のスリーブの糸巻上に乗り上げた糸端を、補助糸ガイドを用いて、第2のスリーブ、または第2のスリーブの糸巻上に、定められた様式で、特に、中央に配置にすると、さらに有利である。前述したように、それによって、糸端の再配置とそれに続くスプライシングまたはピーシングが容易になる。特に、糸端の位置を特定するために必要な時間を短縮できる。すでに巻成されて糸巻を有する第2のスリーブは、ボビンと呼ばれる。乗り上げた糸端は、通常、吸引ノズルによって吸引および固定される。前記手順の間、第2のスリーブまたはボビンは巻き上げ方向と反対に回転する。糸端は、補助糸ガイドとの係合により、例えば、吸引ノズルの最大吸引力領域に配置させることができる。糸端はまた、経験的に糸端の位置を特定する上で特に高い成功率を有するボビンの領域に配置させることもできる。補助糸ガイドとの係合により、特に、糸端がボビン本体の外側または吸引ノズルとの係合域外にとどまることを防ぐことができる。
【0012】
補助糸ガイドによって糸がレイダウン要素から引き上げられるとさらに有利である。糸を引き上げた場合、特定の糸張力を生成、保持し、その後に糸をレイダウン要素に戻すために、重力を利用することができる。補助糸ガイドは、例えば、糸経路の下側に配置される。この場合、オペレーターが糸に簡単にアクセスできるという利点がある。
【0013】
補助糸ガイドが糸経路にある間、糸が補助糸ガイドのノッチまたは窪みによってガイドされると、さらに有利である。この場合、糸が補助糸ガイドから滑り落ちたり外れたりする可能性が回避される。糸端のボビン上の所望の配置位置に応じて、ノッチまたは窪みの補助糸ガイドでの位置決めを行うことができる。ノッチまたは窪みは、特に、補助糸ガイドの中央に配置される。ノッチまたは窪みの位置がボビンの長軸に対して変位自在になるよう、補助糸ガイドを変位自在にすることが考えられる。これにより、糸端の配置位置が繊維機械の個々の条件に応じて変更可能となる。
【0014】
補助糸ガイドが、クリアラーカットの直後の少なくとも一つの準備プロセス、特に、糸の巻き戻しおよび/またはスプライシングの間、糸経路に留まると、特に有利である。これにより、補助糸ガイドは、準備プロセス中に、糸のガイドを制御された状態で確実に行うことができる。準備プロセスは、特に、精紡機の場合、ピーシングを含むことができる。このような準備プロセスでは、レイダウン要素と係合することはより不利になる。補助糸ガイドとレイダウン要素が相互作用し、補助糸ガイドが元の糸経路から戻った場合、糸は再びレイダウン要素に組み込まれることが考えられる。
【0015】
クリアラーカットを実行する0.5から5秒前に、補助糸ガイドが糸経路に移動すると有利である。糸欠陥が糸のより長い部分に及ぶ場合など、糸欠陥のタイプによっては、補助糸ガイドの移動をいくらか遅らせることが必要な場合もある。糸欠陥の全域をクリアラーカットによって確実に取り除く必要がある。また、欠陥状態のままボビンへの巻き上げを避けるため、クリアラーカットの前に、補助糸ガイドが糸経路に早く移動しすぎないようにする必要がある。
【0016】
繊維機械、好ましくは、糸を第1のスリーブから第2のスリーブ上に巻き戻す巻取機、または精紡機の発明によるワークステーションは、綾巻きボビン上に糸を綾状に巻き取るレイダウン要素を備える。ワークステーションは、さらに、必要に応じて糸の糸経路に移動する補助糸ガイドを含み、それによって、レイダウン要素と糸との間の動作的連結が分離される。ワークステーションはさらにコントローラを備える。上記の方法に従ってワークステーションを制御するためにコントローラを実装することが提案される。このようにして、ワークステーションは上記の利点をもたらす。特に、糸端が第2のスリーブまたはボビン上に非制御の状態で乗り上げることが防止される。巻取り手順が制御または非制御な状態で停止した場合に、糸、ボビン、またはレイダウン要素が損傷する可能性がさらに減少する。
【0017】
綾巻きボビンを製造するために実装される最新の繊維機械は、通常、互いにほぼ独立して動作する複数のワークステーションを備える。例えば、どのワークステーションにおいても、絶え間なく綾巻きボビンの巻き上げが行われる。例えば、巻取機の場合、糸は精紡機によって製造される紡績スリーブから供給され、巻取機のワークステーションに供給される。精紡機の場合、例えば、特定のワークステーションで紡績された糸を綾巻きボビン上に直接巻き上げることができる。本発明による特徴は、両方のタイプの機械に有利である。
【0018】
補助糸ガイドは、例えば、糸経路の下側に配置され、初期位置から係合位置に移動することができる。糸経路に移動すると、例えば、補助糸ガイドは糸を下からつかんでレイダウン要素から持ち上げる。この場合、例えば、重力は糸張力に有利に影響する。
【0019】
レイダウン要素が溝付きローラーまたは綾振糸ガイドとして実装されると、さらに有利である。どちらの場合も、巻取り手順を停止する前にレイダウン要素を分離することが有利である。溝付きローラーは、例えば、第2のスリーブまたはボビンの駆動装置として同時に機能できる。綾振糸ガイドは、綾巻きボビンの様々なレイダウンパターンや他のパラメータへの適合をより簡単に行うことができる。綾振糸ガイドは、例えば、糸ガイドを揺動自在に移動させるために実装される電気モーターを含む。補助糸ガイドは、例えば、巻取り手順中の糸の進行方向において、レイダウン要素のすぐ前に配置される。綾振糸ガイドの場合、補助糸ガイドがレイダウン要素と第2のスリーブまたはボビンとの間に配置されることも考えられる。
【0020】
補助糸ガイドが変位自在なベイルとして実装され、特にノッチまたは窪みを備えると有利である。金属製のベイルは、好ましくは、高強度と低材料使用量を兼ね備えており、わずかなエネルギーを使用して短時間での移動が可能である。さらに、ベイルはオペレーターが糸に簡単にアクセスできるものである。ノッチまたは窪みは、糸をガイドする役割を担う。ノッチまたは窪みは、好ましくは、前述のように、糸端がボビン上の有利な位置に置かれ、例えば、吸引ノズルによって検索した場合にその位置が再び迅速に特定できるように配置される。ノッチまたは窪みはまた、例えば、巻取りまたは紡績プロセスを継続するための準備プロセス中において、糸をガイドする役割を果たすことができる。ノッチまたは窪みはまた、補助糸ガイドがその初期位置に移動した時に、糸が再びレイダウン要素に組み込まれるように配置することができる。
【0021】
補助糸ガイドが駆動装置、特に電気モーター、電磁ドライブ、空気圧ドライブ、または油圧ドライブ、および/またはスプリング要素に動作可能に接続されている場合はさらに有利である。駆動装置により補助糸ガイドが糸経路に移動し、レイダウン要素が解除される。前記の様々な駆動装置はこのような用途に適しており、個々の前提条件に応じて繊維機械に取り付けるができる。補助糸ガイドの迅速な係合には、駆動装置の迅速な始動が有利である。駆動装置は、例えば、補助糸ガイドを直線的に移動または枢動させるために実装することができる。駆動装置は、特に、コントローラと動作可能に接続されている。補助糸ガイドの糸経路への移動は、特にプリテンションスプリングとして実装されるスプリング要素によって実行することができる。これにより、移動が迅速に始動できる。その後、補助糸ガイドの初期位置への戻りが駆動装置によって実行されることが考えられる。ばね要素は、特に、始動機構に動作可能に接続される。
【0022】
本発明のさらなる利点は、以下の実施形態の例に記載される。それによると、
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明によるワークステーションの概略正面図である。
図2図2は、本発明によるワークステーションの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の図の説明において、同一の参照番号は、様々な図における同一および/または少なくとも同等の特徴のために使用される。個々の特徴、またはその実施形態および/または作用様式は、典型的には、最初に言及されたときにのみ詳細に説明される。個々の特徴が再び詳細に説明されない場合、その設計および/または機能は、前述の特徴の設計および機能に対応する。
【0025】
図1は、繊維機械(不図示)の発明によるワークステーション1の概略正面図を示す。この実施形態の例では、ワークステーション1は、巻取機のワークステーション1として実装される。糸2は、第1のスリーブ3(本例では紡績スリーブ)から第2のスリーブ4(本例では巻取りスリーブ)に巻き戻される。紡績スリーブは、例えば、リング精紡機より供給される。糸2は、レイダウン要素5によって、綾巻きボビン6として第2のスリーブ4上に巻成される。
【0026】
ワークステーション1は、さらに、必要に応じて糸2の糸経路8に移動する補助糸ガイド7を備える。これにより、レイダウン要素5と糸2との間の動作的連結が分離される。上記の必要性は、例えば、巻取り手順の計画的または計画外の中断の場合に生じる。本例では、補助糸ガイド7がベイルとして実装されている。補助糸ガイド7は、中央ノッチまたは窪み9を備える。ノッチまたは窪み9は、例えば、糸2をガイドし、糸端を第2のスリーブ4の中央に配置する役割を果たす。これにより、糸端の位置を特に効率的に特定することができる。
【0027】
ワークステーション1はまた、例えば、バルーンリミッタ10、ならびに第1の旋回吸引管11および第2の旋回吸引管12を備える。旋回吸引管11、12は、第1のスリーブ3または第2のスリーブ4上の糸端の位置を特定して捕捉する役割を果たす。ワークステーション1は、さらに、均一な糸張力を維持するための糸テンショナー13を備える。糸テンショナー13は、ゲートテンショナーとして実装される。ワークステーション1の糸クリアラー14は、例えば、1つまたは複数のセンサーによって糸欠陥を検出するため、およびクリアラーカットまたはクオリティカットを実行するために実装され、それによって、糸2は、巻取りプロセス中に切断される。ワークステーション1は、糸端同士を接合するためのスプライサ18を備える。
【0028】
ワークステーション1は、クリアラーカットの直前に補助糸ガイド7を糸2の糸経路8に移動させるために実装されるコントローラ15を備える。これにより、レイダウン要素5が解除され、クリアラーカットにより第2のスリーブ4に乗り上げた糸端が、その後の検索が有利になるような状態で置かれる。これにより、糸2またはレイダウン要素5への損傷のリスクも低減される。本例では、レイダウン要素5は、溝付きローラーとして実装され、例えば、巻取り手順中に第2のスリーブ4または綾巻きボビン6を駆動する役割も担う。
【0029】
ワークステーション1の概略側面図を示す図2の実施形態の例では、レイダウン要素5は、綾振糸ガイドとして実装される。このような場合、補助糸ガイド7を、例えば、糸2の進行方向においてレイダウン要素5と第2のスリーブ4との間に配置することができる。本例では、駆動ローラー16は、第2のスリーブ4または綾巻きボビン6の駆動専用に機能する。
【0030】
両方の実施形態の例に示されるように、補助糸ガイド7は駆動装置17に接続され、必要に応じて、補助糸ガイド7を上方の糸経路8へと移動させることができる。これにより、レイダウン要素5が解除される。糸2は、補助糸ガイド7によってレイダウン要素5から引き上げられ、補助糸ガイド7が係合位置にある間、糸2は、例えば、ノッチまたは窪み9によってガイドされる。前述の糸2のガイドは、クリアラーカット後も維持することが可能で、例えば、その後の準備措置の間も維持される。駆動装置17は、例えば、電気モーター、電磁ドライブ、空気圧ドライブ、または油圧ドライブとして実装することができる。コントローラ15は、例えば、駆動装置17、糸クリアラー14、および/またはスプライサ18に動作可能に接続される。
【0031】
本発明は、図示及び説明が行われた例示的な実施形態に限定されない。特許請求の範囲内での変更が可能であり、異なる実施形態の例で図示及び説明が行われた場合でも、それらの特徴を組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ワークステーション
2 糸
3 第1のスリーブ
4 第2のスリーブ
5 レイダウン要素
6 綾巻きボビン
7 補助糸ガイド
8 糸経路
9 ノッチまたは窪み
10 バルーンリミッタ
11 第1の旋回吸引管
12 第2の旋回吸引管
13 糸テンショナー
14 糸クリアラー
15 コントローラ
16 駆動ローラー
17 駆動装置
18 スプライサ
図1
図2
【外国語明細書】