(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177129
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】配線基板およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 3/24 20060101AFI20231206BHJP
H05K 1/09 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H05K3/24 Z
H05K1/09 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089869
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】坂口 茂樹
【テーマコード(参考)】
4E351
5E343
【Fターム(参考)】
4E351AA16
4E351BB29
4E351BB31
4E351BB35
4E351DD60
4E351EE02
4E351EE29
4E351GG20
5E343AA02
5E343AA33
5E343BB52
5E343CC17
5E343DD02
5E343DD12
(57)【要約】
【課題】柔軟性のある配線基板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】伸縮性基材と、伸縮性基材上に設けられた第1のシリカエアロゲル層と、第1のシリカエアロゲル層上に設けられた液体金属層と、第1のシリカエアロゲル層と液体金属層を封止する伸縮性絶縁材とを備える、配線基板。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性基材と、前記伸縮性基材上に設けられた第1のシリカエアロゲル層と、前記第1のシリカエアロゲル層上に設けられた液体金属層と、前記第1のシリカエアロゲル層と前記液体金属層を封止する伸縮性絶縁材とを備える、配線基板。
【請求項2】
前記液体金属層は、前記シリカエアロゲル層の全体を覆うように設けられている、請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記液体金属層の幅は、前記シリカエアロゲル層の幅よりも大きい、請求項1または2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記伸縮性基材上に第2のシリカエアロゲル層をさらに備える、請求項1に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第2のシリカエアロゲル層は、前記液体金属層に沿って配置されている、請求項4に配線基板。
【請求項6】
前記液体金属層と前記第2のシリカエアロゲル層とが平面視において、交互に配置している、請求項4または5に記載の配線基板。
【請求項7】
前記液体金属層は、前記第2のシリカエアロゲル層との間に配置されている、請求項6に記載の配線基板。
【請求項8】
前記第2のシリカエアロゲル層の厚みは、前記第1のシリカエアロゲル層の厚みよりも厚い、請求項4または5に記載の配線基板。
【請求項9】
前記第1のシリカエアロゲル層および前記第2のシリカエアロゲル層は、接着層を介して前記伸縮性基材上に配置されている、請求項4または5に記載の配線基板。
【請求項10】
前記第1のシリカエアロゲル層および前記第2のシリカエアロゲル層は、親水性のシリカエアロゲルから構成される、請求項4または5に記載の配線基板。
【請求項11】
前記液体金属層はガリウム系液体金属から構成される、請求項1または4に記載の配線基板。
【請求項12】
伸縮性基材にシリカエアロゲルを塗布し、前記伸縮性基材上に第1のシリカエアロゲル層を形成すること、
前記第1のシリカエアロゲル層上に液体金属を塗布し、液体金属層を形成すること、
伸縮性絶縁材により、前記第1のシリカエアロゲル層および前記液体金属層を封止すること、を含む、配線基板の製造方法。
【請求項13】
前記伸縮性基材に接着剤を塗布し、前記伸縮性基材上に接着層を形成することをさらに含み、
前記シリカエアロゲルを前記接着層上に塗布して、前記第1のシリカエアロゲル層を形成する、請求項12に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線基板およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康志向から日常生活において日々の生体情報を取得し、健康管理を行いたいとのニーズが高まっている。生体情報の取得方法としては、例えば、生体デバイス等を衣服または装具にウエアラブルデバイスとして装着し、生体情報を取得する方法が知られている。
【0003】
しかしながら、衣服または装具に装着された生体デバイスの生体センサの僅かな位置ずれにより、生体センシングの精度は低下し得る。このような理由から、肌に直接貼るパッチ型の心電計など、密着する生体デバイスが上市されている。また、これらの生体デバイスは、衣服または装具等に意識的に装着するウエアラブルデバイスから無意識的に密着するウエアラブルデバイスへと変化している。
【0004】
日々の生体情報を高精度かつ無意識的に得るためには、肌に追随したフレキシブルな伸縮配線基板が必要となる。この配線基板の伸縮性を確保するために、伸縮性基材に液体金属を用いて配線する配線基板技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の配線基板は、伸縮性基材、配線層、液体金属、および絶縁材料で構成され、配線層は、配列方向に互いに離れて形成されている。これらの配線層には金属ナノ粒子を含む印刷配線が用いられている。
【0007】
上記のような従来の構成では、金属ナノ粒子と液体金属とが組み合わさることで合金が形成され得る。当該合金には、融点が高い合金が含まれ得る。このような合金が形成すると、液体金属の流動性が低下し、配線基板の柔軟性が低下する虞がある。その結果、本来意図する使用環境で配線基板が使用出来なくなる。
【0008】
本開示の目的は、柔軟性のある配線基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示は、
伸縮性基材と、前記伸縮性基材上に設けられた第1のシリカエアロゲル層と、前記第1のシリカエアロゲル層上に設けられた液体金属層と、前記第1のシリカエアロゲル層と前記液体金属層を封止する伸縮性絶縁材とを備える、配線基板を提供する。
【0010】
本開示はまた、上記本開示の配線基板を製造する方法であって、
伸縮性基材にシリカエアロゲルを塗布し、前記伸縮性基材上に第1のシリカエアロゲル層を形成すること、
前記第1のシリカエアロゲル層上に液体金属を塗布し、液体金属層を形成すること、
伸縮性絶縁材により、前記第1のシリカエアロゲル層および前記液体金属層を封止すること、
を含む、配線基板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、柔軟性のある配線基板およびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1の配線基板の模式平面図である。
【
図2】
図2は、
図1の線分A-Aにおける配線基板の模式断面図である。
【
図3】
図3は、本開示のシリカエアロゲルおよびその一部を拡大した模式図である。
【
図4】
図4は、
図1の線分A-Aにおける断面に相当する本発明の実施形態2の配線基板の模式断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態3の配線基板の模式平面図である。
【
図6】
図6は、
図5の線分B-Bにおける配線基板の模式断面図である。
【
図7】
図7は、
図5の線分B-Bにおける断面に相当する本発明の実施形態4の配線基板の模式断面図である。
【
図8】
図8は、
図5の線分C-Cにおける断面に相当する本発明の実施形態4の配線基板の模式断面図である。
【
図9】
図9は、従来技術に係る配線基板の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図示する内容は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観および寸法比などは実物と異なり得る。各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。後述の実施形態では、前述と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1および
図2に本開示の配線基板100の構成を模式的に示す。
図1および
図2に示すように、本開示の配線基板100は、伸縮性基材102、第1のシリカエアロゲル層104、液体金属層105、および伸縮性絶縁材106で構成されている。
【0015】
伸縮性基材102上には、第1のシリカエアロゲル層104が設けられている。第1のシリカエアロゲル層104上には、液体金属層105が設けられている。換言すると、第1のシリカエアロゲル層104は、液体金属層105を保持している。第1のシリカエアロゲル層104およびその上に設けられた液体金属層105は、伸縮性基材102上に複数存在し得、それらは互いに離れて配置され得る。伸縮性絶縁材106は、第1のシリカエアロゲル層104および液体金属層105を封止するように設けられている。
【0016】
本開示の配線基板100は、伸縮性基材102と液体金属層105との間に、第1のシリカエアロゲル層104を有することにより、優れた柔軟性を維持できる。例えば、配線基板100に外部から応力が加えられて液体金属層105が伸縮すると、液体金属層105を保持している第1のシリカエアロゲル層104も伸縮し得る。
【0017】
図9に示すように、従来の配線基板100’は、伸縮性基材102’、配線層108’、液体金属層105’、および伸縮性絶縁材106’を含む。伸縮性基材102は液体金属との濡れ性が低いため、伸縮性基材102’上に直接液体金属層105’を形成することが困難であった。従来の配線基板100’では、伸縮性基材102’上に金属ナノ粒子を含む配線層108’を下地層として形成し、その上に液体金属層105’を形成していた。
【0018】
しかしながら、配線層108’に含まれる金属ナノ粒子と液体金属とが組み合わさることで合金が形成され得る。当該合金には、融点が高い合金が含まれ得る。このような合金が形成すると、液体金属の流動性が低下し、配線基板の柔軟性が低下する虞があった。
【0019】
さらに、配線基板100’に熱が加わると、配線層108’の金属ナノ粒子同士が結合し得る。金属ナノ粒子同士が結合した場合、配線層108’には、金属ナノ粒子が存在する部位および金属ナノ粒子が存在しない部位が生じ得る。このような配線層108’を有する配線基板100’を伸縮させた場合、配線基板100’、特に伸縮性基材102’に対し均一に応力が分散され得ない。したがって、配線基板100’のスムーズな伸縮が困難となり得る。
【0020】
本開示で使用されるシリカエアロゲル層は、柔軟性がある。シリカエアロゲル層は、伸縮性基材上にシリカエアロゲルを塗布して形成できる。シリカエアロゲルは液体金属との濡れ性が高いため、液体金属は第1のシリカエアロゲル層上に弾かれることなく広がり易い。従って、シリカエアロゲル層は、液体金属を塗布する際の下地層として使用できる。上記理由から、本開示の配線基板では金属ナノ粒子を使用する必要がないため、融点の高い合金は形成され得ない。
【0021】
本開示で使用されるシリカエアロゲルは液体金属との濡れ性が高いため、第1のシリカエアロゲル層は液体金属層を弾くことなく好適に保持し得る。従って、本開示では、液体金属を第1のシリカエアロゲル層上に精確に設け易く、液体金属(例えば配線)の幅および厚みを均一に作製できる。
【0022】
本開示の配線基板では金属ナノ粒子を用いていないため、金属ナノ粒子同士の結合の有無に起因した伸縮性基材への不均一な応力分散が生じ得ない。本開示の配線基板を伸縮させた場合、伸縮性基材に対し均一に応力が分散され得る。
【0023】
以上の理由から、本開示の配線基板は、液体金属の流動性を維持し易くなり、スムーズな伸縮が実現され得る。例えば、本開示の配線基板は、生体センサとして肌に貼り付けても違和感なく使用可能となる。
【0024】
以下に、本発明の各部材について詳述する。
【0025】
[液体金属層]
液体金属層は、液体金属を含む層である。液体金属層は、液体金属の層であってもよい。本開示では、液体金属は、本開示の配線基板を使用する温度範囲で液体状態である金属をいう。液体金属層は、液体金属を含むため、導電性および流動性を有する。また、液体金属は液状であるので、配線基板または伸縮性基材の伸縮に追随して伸縮できる。したがって、液体金属層105は、伸縮性の配線として機能し得る。
【0026】
上記液体金属としては、ガリウム系液体金属を用いてもよい。ガリウム系液体金属は、ガリウム(融点:約29.8℃)、又はガリウム合金を含む。ガリウム合金は、好ましくは、ガリウムと、他の金属、例えばインジウム(融点:約156.4℃)、およびスズ(融点:約232℃)からなる群より選択される少なくとも1種の金属との合金である。液体金属としては、ガリウム単体を用いてもよく、または、上記ガリウム合金を使用してもよい。ガリウム合金としては、例えば、ガリウム-インジウム共晶合金、またはガリウム-インジウム-スズ共晶合金が好ましい。
【0027】
上記ガリウム合金を構成する各金属元素の比率は、本開示の配線基板を使用する温度範囲で液体状態となる限り、特に制限されない。例えば、ガリウム-インジウム共晶合金としては、質量比でGa:In=75.5:24.5(融点=約15.7℃)の合金を用いてもよい。ガリウム-インジウム-スズ共晶合金としては、質量比でGa:In:Sn=66.5:20.5:13.0(融点=約10.7℃)の合金を用いてもよく、または質量比でGa:In:Sn=68.5:21.5:10.0(融点=約-19℃)の合金(ガリンスタン(登録商標)とも称される)を用いてもよい。ガリンスタン(登録商標)は融点が低いため、本開示の配線基板を人体に対してする使用する環境範囲において液体状態と成り得る。
【0028】
図2に示すように、液体金属層105の厚みT
1は、好ましくは0.01mm以上3.0mm以下であってよく、より好ましくは0.03mm以上2.0mm以下、さらに好ましくは0.05mm以上1.5mm以下であってよい。液体金属層105の厚みT
1が上記範囲内である場合、伸縮に耐え得る液体金属層の厚みを確保し、かつ液体金属の使用量を減じ得る。つまり、本発明の効果を奏しつつ低コスト化も図り易くなる。なお、「液体金属層の厚みT
1」とは、液体金属層105の延在方向に対し垂直な断面における、伸縮性基材102の主面に直交する方向の液体金属層の長さ(例えば、最長部であってよい)を意味する。
【0029】
図2に示すように、液体金属層105の厚みT
1は、第1のシリカエアロゲル層104の厚みT
2よりも厚くてもよい。例えば、液体金属層105の厚みT
1は、第1のシリカエアロゲル層104の厚みT
2よりも、好ましくは10%以上200%以下厚くてもよく、より好ましくは20%以上150%以下、さらに好ましくは30%以上100%以下厚くてもよい。液体金属層105の厚みT
1が第1のシリカエアロゲル層104の厚みT
2よりも上記範囲で厚い場合、第1のシリカエアロゲル層104が液体金属層105を保持しつつ、伸縮に耐え得る液体金属層の厚みを確保し易くなるため、本発明の効果をより発揮し易くなる。
【0030】
図2に示すように、液体金属層105の幅W
1は、好ましくは0.2mm以上20mm以下であってよく、より好ましくは0.5mm以上15mm以下、さらに好ましくは0.3mm以上10mm以下であってよい。液体金属層105の幅W
1が上記範囲内である場合、伸縮に耐え得る液体金属層の幅を確保しかつ液体金属の使用量を減じ得る。つまり、本発明の効果を奏しつつ低コスト化も図り易くなる。なお、「液体金属層の幅W
1」とは、液体金属層の線幅である。具体的には、
図2に示すように、液体金属層105の延在方向に対し垂直な断面における、伸縮性基材102の主面に平行な方向の液体金属層の長さ(例えば、最長部であってよい)を意味する。
【0031】
また、液体金属層105の幅W1は、第1のシリカエアロゲル層104の幅W2と同じであっても、小さくてもよい。例えば、一の態様において、液体金属層105の幅W1は、第1のシリカエアロゲル層104の幅W2と同じである。別の態様において、液体金属層105の幅W1は、第1のシリカエアロゲル層104の幅W2よりも小さい。液体金属層105の幅W1は、第1のシリカエアロゲル層104の幅W2よりも10%以上50%以下小さくてもよく、好ましくは10%以上40%以下、より好ましくは10%以上30%以下小さくてもよい。液体金属層105の幅W1が、第1のシリカエアロゲル層104の幅W2よりも上記範囲で小さい場合、伸縮に耐え得る液体金属層の幅を確保しかつ液体金属の使用量をさらに減じ得る。また、液体金属層105が第1のシリカエアロゲル層104により、保持され易くなる。
【0032】
[第1のシリカエアロゲル層]
第1のシリカエアロゲル層は、シリカエアロゲルを含む層である。第1のシリカエアロゲル層は、シリカエアロゲルから成ってもよい。シリカエアロゲルとは、
図3に示すように、シリカ2次粒子202同士が結合して形成されたシリカ2次粒子202の集合体である。また、シリカエアロゲル200は、シリカ2次粒子202が結合することにより形作られた空隙203を有する。シリカエアロゲル200は、シリカ2次粒子202の結合と空隙203とによって、
図3に示すような網目構造を有する。シリカ2次粒子202は、シリカ1次粒子201が集合して形成されている。シリカエアロゲルは網目構造を有し、多孔質であるため、多孔質体シリカエアロゲルとも称され得る。
【0033】
シリカエアロゲルは、5nm以上20nm以下、例えば10nm前後の径を有するシリカ2次粒子202の集合体であってよい。また、シリカ2次粒子は、0.1nm以上2nm以下、例えば1nm程度の径を有するシリカ1次粒子201が集合して形成されていてよい。空隙203は、例えば10nm以上60nm以下の粒子間距離を有するように形成されていてよい。
【0034】
シリカ2次粒子同士の結合力は小さいため、シリカエアロゲルの網目構造および/または2次粒子同士の位置関係は、外部からの応力等によって変化し易い。従って、第1のシリカエアロゲル層は、例えば、外部からの応力等によって柔軟に変形可能となっている。
【0035】
本開示で用いられるシリカエアロゲルは、ゲル原料と、溶媒と、必要に応じて触媒とを混合することにより、溶媒中でゲル原料を反応させて湿潤ゲルを形成し、次いで、内部の溶媒を乾燥させることにより得られる。
【0036】
上記ゲル原料としては、水ガラス、金属アルコキシド等が挙げられる。水ガラスとしては、東曹産業株式会社から入手したものが使用できる。
【0037】
上記水ガラスとしては、二酸化ケイ素および酸化ナトリウムを含む水溶液が挙げられる。
【0038】
上記金属アルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。
【0039】
上記溶媒としては、水、アルコール等が挙げられる。
【0040】
上記アルコールとしては、低級アルコール等が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、1-プロパノール、または2-プロパノール等が挙げられる。
【0041】
上記触媒としては、塩酸、オクタメチルトリシロキサンが挙げられる。
【0042】
好ましくは、上記乾燥前に、湿潤ゲルの表面のシラノール基を、シリル化剤を用いてシリル化し、疎水化してもよい。この疎水化されたシリカエアロゲルは、400℃以上600℃以下、1時間以上3時間以下で熱風乾燥することにより、親水化することができる。乾燥前に、湿潤ゲルの表面のシラノール基をシリル化することにより、溶媒が乾燥するときの表面張力による収縮による空隙の潰れを抑制できる。
【0043】
別法として、溶媒の乾燥を、超臨界乾燥で行ってもよい。超臨界乾燥を用いることにより、溶媒が乾燥するときの表面張力による収縮による空隙の潰れを抑制できる。
【0044】
本開示で用いられるシリカエアロゲルは、親水性のシリカエアロゲルであってよい。「シリカゲルエアロゲルが親水性である」とは、水に対するシリカエアロゲルの濡れ性が高いことを意味する。シリカエアロゲルの濡れ性が高いとは、例えば、粉体の濡れ性試験(測定機器:接触角計(協和界面科学製))により、イオン交換水との接触角が0度以上30度以下となることを意味する。粉体の濡れ性試験では、粉体を固めた圧粉体で接触角の測定を行う。例えば、シリカエアロゲルをペレット状(円盤状等)に圧縮成形したものを用いて上記測定機器により接触角の測定を行ってもよい。
【0045】
液体金属をウレタンまたはシリコーンなどの樹脂上に直接塗布すると、樹脂表面は液体金属に対する濡れ性が低いことから、金属液体は表面張力により樹脂表面からはじかれ易い。つまり、液体金属を樹脂表面へ直接塗布することによって、均一な配線を形成するのは困難である。本開示の配線基板においては、液体金属と濡れ性の高い親水性のシリカエアロゲルを用いることで、第1のシリカエアロゲル層104上に液体金属層105を保持することができ、均一な配線形成が容易になる。
【0046】
図2に示すように、第1のシリカエアロゲル層の厚みT
2は、好ましくは0.01mm以上1.00mm以下であってよく、より好ましくは0.03mm以上0.7mm以下、さらに好ましくは0.05mm以上0.5mm以下であってよい。第1のシリカエアロゲル層の厚みT
2が上記範囲内である場合、伸縮に耐え得る第1のシリカエアロゲル層の厚みを確保しつつシリカエアロゲルの使用量を減じ得る。つまり、本発明の効果を奏しつつ低コスト化も図り易くなる。なお、「第1のシリカエアロゲル層の厚みT
2」とは、
図2に示すように、第1のシリカエアロゲル層104が延在する方向に垂直な断面における、伸縮性基材102の主面に直交する方向の第1のシリカエアロゲル層の長さ(例えば、最長部であってよい)を意味する。
【0047】
図2に示すように、第1のシリカエアロゲル層の幅W
2は、好ましくは0.2mm以上10mm以下であってよく、より好ましくは0.3mm以上7mm以下、さらに好ましくは0.5mm以上5mm以下であってよい。第1のシリカエアロゲル層の幅W
2が上記範囲内である場合、伸縮に耐え得る第1のシリカエアロゲル層の幅を確保しつつシリカエアロゲルの使用量を減じ得る。つまり、本発明の効果を奏しつつ低コスト化も図り易くなる。なお、「第1のシリカエアロゲル層の幅W
2」とは、
図2に示すように、第1のシリカエアロゲル層104の延在方向に対し垂直な断面における、伸縮性基材102の主面に平行な方向の第1のシリカエアロゲル層の長さ(例えば、最長部であってよい)を意味する。
【0048】
第1のシリカエアロゲル層を伸縮性基材に設ける方法としては、特に限定されないが、印刷、ディスペンサーを用いる方法等が挙げられる。なお、伸縮性基材に、塗布するシリカエアロゲルが安定して固定される手段を設けていてもよい。そのような手段としては、例えば、接着剤、またはシリカエアロゲルを収納可能な凹部が挙げられる。
【0049】
[伸縮性基材]
伸縮性基材は、可撓性を有し、外部からの応力等によって伸縮し得る。例えば、伸縮性基材は1方向以上に伸縮が可能であり、異方性のシートであってよい。または、伸縮性基材は任意の方向に伸縮が可能であり、等方性のシートであってよい。
【0050】
伸縮性基材の伸び率は、例えば、引張り試験機を用いて抵抗値が変化する範囲を測定してよい。伸縮性基材の伸び率は、配線基板として組み込まれる前の伸縮性基材を上記で例示した測定方法に従って得られる伸び率であってもよい。または、配線基板より取り出した伸縮性基材を上記で例示した測定方法に従って得られる伸び率であってもよい。
【0051】
伸縮性基材の伸び率は、好ましくは10%以上であってよく、より好ましくは100%以上、さらに好ましくは200%以上、特に好ましくは400%以上であってよい。伸縮性基材の伸び率が上記範囲内である場合、本開示の配線基板の柔軟性がより向上し得る。
【0052】
また、伸縮性基材の伸び率は、1000%以下伸びてよく、より好ましくは900%以下、さらに好ましくは800%以下、特に好ましくは700%以下伸びてよい。基材の伸び率が上記範囲内である場合、本開示の配線基板が柔軟性を保持しつつ配線基板が極端に変形し得ることを抑制可能となる。つまり、柔軟性と剛性とのバランスがより好適にとれた配線基板と成り得る。
【0053】
伸縮性基材の伸び率は、弾性変形可能な伸び率であってよい。「弾性変形可能」とは、例えば、外力等の力が加わり変形した伸縮性基材が、外力等の力を取り除くと元の伸縮性基材の形状に戻ることを意味する。
【0054】
伸縮性基材は、熱可塑性の伸縮性樹脂および/または熱硬化性の伸縮性樹脂を含んでもよい。具体的には、伸縮性基材は、熱可塑性エラストマーおよび/または熱硬化性エラストマーを含んでもよい。
【0055】
熱可塑性エラストマーとしては、ウレタン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、およびポリ塩化ビニル系エラストマーからなる群から選択される少なくとも1種を用いてもよい。
【0056】
熱硬化性エラストマーとしては、ニトリルゴム、ラテックスゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、およびウレタンゴムからなる群から選択される少なくとも1種を用いてもよい。
【0057】
伸縮性基材の厚みは、好ましくは0.01mm以上1.0mm以下であってよく、より好ましくは0.03mm以上0.5mm以下、さらに好ましくは0.05mm以上0.3mm以下であってよい。伸縮性基材の厚みが上記範囲内である場合、柔軟性と強度とのバランスがより好適にとれた配線基板と成り得る。「伸縮性基材の厚み」とは、伸縮性基材102の主面に直交する方向の伸縮性基材の長さを意味する。
【0058】
伸縮性基材の厚みは、配線基板を使用する部位に対して要求される配線基板の伸び率により決定されてもよい。例えば、心電センサのように胸部に対して配線基板を使用する場合、胸部の肌の伸び率に基づいて配線基板の伸び率を決定してもよい。具体的には、胸部の肌の伸び率が20%である場合、20%以上の伸び率を有する伸縮性基材を用いてもよい。
【0059】
[伸縮性絶縁材]
伸縮性絶縁材は、伸縮性基材上に設けた各部材を封止し、保護する機能を有し得る。本発明の一実施形態では、
図2に示すように、伸縮性基材102上に設けた第1のシリカエアロゲル層104および液体金属層105を封止するように伸縮性絶縁材106が設けられている。伸縮性絶縁材106は、伸縮性基材102等の他の部材の伸縮に追随して伸縮し得る。
【0060】
伸縮性絶縁材は、熱可塑性の伸縮樹脂および/または熱硬化性の伸縮樹脂を含んでよい。具体的には、伸縮性絶縁材は、熱可塑性エラストマーおよび/または熱硬化性エラストマーを含んでよい。例えば、伸縮性絶縁材は、伸縮性のあるシリコーン、ウレタン、ポリスチレン、フッ素系ゴム等を用いてもよい。また、伸縮性絶縁材は、伸縮性基材との接着力を考慮し選定してもよい。
【0061】
伸縮性絶縁材の厚みは、伸縮性基材の伸び率および液体金属の漏れを考慮し選定してもよい。例えば、伸縮性絶縁材の厚みは、好ましくは1mm以上20mm以下であってよく、より好ましくは1mm以上15mm以下であってよい。伸縮性絶縁材の厚みが上記範囲内である場合、配線基板全体の厚みを減じつつ伸縮性基材上に設けた各部材を封止し得る。
【0062】
絶縁材と伸縮性基材との密着性を増加させるために、絶縁材に絶縁材プラズマおよびUV処理を行ってもよい。
【0063】
(実施形態2)
本開示に係る実施形態2の配線基板110を、
図4を用いて説明する。
図4は、配線基板110の模式断面図である。
【0064】
図4に示すように、本開示に係る実施形態2の配線基板110は、液体金属層105が、第1のシリカエアロゲル層104全体を覆うように設けられている点で、上記実施形態1に係る配線基板100と異なる。換言すると、液体金属層105は、第1のシリカエアロゲル層104の周囲を覆うように設けられている。例えば、液体金属層105は、第1のシリカエアロゲル層104と伸縮性基材102とが互いに接触している面以外の第1のシリカエアロゲル層104の表面を覆うように、設けられる。第1のシリカエアロゲル層104の周囲を液体金属層105で覆うことにより、第1のシリカエアロゲル層104の形状の維持が容易になる。
【0065】
実施形態2において、液体金属層105の幅W1は、第1のシリカエアロゲル層104の幅W2よりも大きい。例えば、液体金属層105の幅W1は、第1のシリカエアロゲル層104の幅W2よりも10%以上50%以下大きくてもよく、好ましくは10%以上40%以下、より好ましくは10%以上30%以下大きくてもよい。液体金属層105の幅W1が、第1のシリカエアロゲル層104の幅W2よりも上記範囲で大きい場合、液体金属層105が第1のシリカエアロゲル層104をより覆い易くなる。その結果、第1のシリカエアロゲル層104の形状の維持が容易になる。
【0066】
(実施形態3)
本開示に係る実施形態3の配線基板120を、
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、配線基板120の模式平面図である。
図6は、
図5の線分B-Bにおける配線基板120の模式断面図である。
【0067】
図5及び
図6に示すように、本開示の実施形態3の配線基板120では、伸縮性基材102上に第2のシリカエアロゲル層107をさらに備えている点で、上記実施形態2に係る配線基板110と異なる。第2のシリカエアロゲル層107は、互いに離れて複数配置されていてよい。
【0068】
第2のシリカエアロゲル層107は、第1のシリカエアロゲル層104に用いられているシリカエアロゲルと同様のシリカエアロゲルから成っていてもよい。
【0069】
本開示で用いられるシリカエアロゲルは液体金属との濡れ性が高く、空隙を有するため、液体金属を吸収し得る。第2のシリカエアロゲル層107を設けることにより、液体金属層105から漏出した液体金属を第2のシリカエアロゲル層107によって吸収することができ、配線基板120から液体金属が漏れることを抑制できる。
【0070】
液体金属の漏れとしては、経年劣化(例えば、配線基板の繰り返しの伸縮等)により、伸縮性基材102と伸縮性絶縁材106との密着が低下し、伸縮性基材102と伸縮性絶縁材106との界面から液体金属が漏れることが挙げられる。本開示の配線基板120では、第2のシリカエアロゲル層107を設けることによって上記のような液体金属の漏れを抑制できる。
【0071】
図5および
図6に示すように、本開示の実施形態3の配線基板120では、第2のシリカエアロゲル層107は、液体金属層105に沿って配置されていてよい。換言すると、第2のシリカエアロゲル層107は、液体金属層105の延在方向と同じ方向に延在して配置されていてよい。第2のシリカエアロゲル層107を液体金属層105に沿って配置することにより、第2のシリカエアロゲル層107は液体金属層105の近傍に配置され得る。したがって、第2のシリカエアロゲル層107は、より液体金属の漏出を抑制し易くなる。
【0072】
図5および
図6に示すように、本発明の実施形態3の配線基板120では、液体金属層105と第2のシリカエアロゲル層107とが交互に配置されていてよい。「交互に配置」とは、液体金属層105と第2のシリカエアロゲル層107とが、平面視において、互い違いに繰り返し配置されていることを意味する。換言すると、液体金属層105の隣に第2のシリカエアロゲル層107が配置されかつ第2のシリカエアロゲル層107の隣に液体金属層105が配置されていることを意味する。液体金属層105と第2のシリカエアロゲル層107とが交互に配置されることにより、外部への液体金属の漏出をより抑制し易くなる。さらに液体金属層105から漏出した液体金属が別の液体金属層105に到達し、短絡するおそれを抑制できる。
【0073】
図5および
図6に示すように、本発明の実施形態3の配線基板120は、液体金属層105が、第2のシリカエアロゲル層107との間に配列されていてよい。このような配列関係とすることにより、液体金属層105の両隣には、第2のシリカエアロゲル層107が位置することになる。従って、配線基板外部への液体金属の漏出をより抑制し易くなる。さらに液体金属層105から漏出した液体金属が別の液体金属層105に到達し、短絡する恐れを抑制し易くなる。
【0074】
図6に示すように、第2のシリカエアロゲル層107の厚みT
3は、好ましくは0.01mm以上2.0mm以下であってよく、より好ましくは0.03mm以上1.0mm以下、さらに好ましくは0.05mm以上0.7mm以下であってよい。第2のシリカエアロゲル層107の厚みT
3が上記範囲内である場合、外部へ漏出し得る液体金属をより吸収し易くなる。なお、「第2のシリカエアロゲル層の厚みT
3」とは、
図6に示すように、第2のシリカエアロゲル層107が延在する方向に垂直な断面における、伸縮性基材102の主面に直交する方向の第2のシリカエアロゲル層の長さ(例えば、最長部であってよい)を意味する。
【0075】
図6に示すように、第2のシリカエアロゲル層107の厚みT
3は、第1のシリカエアロゲル層104の厚みT
2よりも厚くてもよい。例えば、第2のシリカエアロゲル層107の厚みT
3は、第1のシリカエアロゲル層104の厚みT
2よりも、好ましくは10%以上100%以下厚くてもよく、より好ましくは20%以上90%以下、さらに好ましくは30%以上70%以下厚くてもよい)。第2のシリカエアロゲル層107の厚みT
3が第1のシリカエアロゲル層104の厚みT
2よりも上記範囲で厚い場合、外部へ漏出し得る液体金属をより吸収し易くなる。
【0076】
図6に示すように、第2のシリカエアロゲル層107の幅W
3は、好ましくは0.2mm以上10mm以下であってよく、より好ましくは0.3mm以上7mm以下、さらに好ましくは0.5mm以上5mm以下であってよい。)第2のシリカエアロゲル層の幅W
3が上記範囲内である場合、外部へ漏出し得る液体金属をより吸収し易くなる。なお、「第2のシリカエアロゲル層の幅W
3」とは、
図6に示すように、第2のシリカエアロゲル層107の延在方向に対し垂直な断面における、伸縮性基材102の主面に平行な方向の第2のシリカエアロゲル層の長さ(例えば、最長部であってよい)を意味する。
【0077】
第2のシリカエアロゲル層を伸縮性基材に設ける方法としては、ディスペンサー等によって伸縮性基材に塗布してもよい。なお、伸縮性基材には、塗布するシリカエアロゲルが安定して固定される手段を設けていてもよい。そのような手段としては、例えば、接着剤、またはシリカエアロゲルを収納可能な凹部であってよい。
【0078】
(実施形態4)
<接着層を含む態様>
[接着層]
本開示に係る実施形態4の配線基板130を
図7および
図8を用いて説明する。
図7および
図8に示すように、配線基板130は、接着層103を備えていてもよい。接着層103とは、接着剤を含む層である。接着層103は、伸縮性基材102上に設けられ、伸縮性基材102にシリカエアロゲルを固定することを目的としている。本開示では、接着層103は、伸縮性基材102の伸縮に影響を与えない接着剤を用いてもよい。
【0079】
接着層103に用いる接着剤は、伸縮性基材102にシリカエアロゲルを固定でき、かつ伸縮性基材102の伸縮に影響を与えなければ、特に制限はない。接着剤は、例えばシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、およびウレタン系樹脂等から成る群から選択される少なくとも一種を用いてもよい。
【0080】
接着層の厚みは、好ましくは1ミクロン以上50ミクロン以下であってよく、より好ましくは5ミクロン以上40ミクロン以下、さらに好ましくは10ミクロン以上30ミクロン以下あってよい。接着層の厚みが上記範囲内である場合、接着層がシリカエアロゲル層を好適に保持し得る。なお、シリカエアロゲルの空隙に接着剤が入ると、シリカエアロゲルの表面積が減少し易くなる。結果として、液体金属の配線保持が低下し得るため、接着層の厚みは50ミクロン以下が好ましい。
【0081】
<配線基板の製造方法>
本開示の配線基板の製造方法は以下の工程を含む;
i)伸縮性基材にシリカエアロゲルを塗布し、伸縮性基材上に第1のシリカエアロゲル層を形成すること、
ii)第1のシリカエアロゲル層上に液体金属を塗布し、液体金属層を形成すること、
iii)伸縮性絶縁材により、第1のシリカエアロゲル層および液体金属層を封止すること。
以下に、本開示の配線基板の製造方法について説明する。
【0082】
第1のシリカエアロゲル層は、伸縮性基材上にシリカエアロゲルを塗布することにより形成し得る。第1のシリカエアロゲル層は、好ましくは、厚みが50ミクロン以下になるように形成する。
【0083】
液体金属層は、第1のシリカエアロゲル層上に、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング製)により液体金属を塗布することにより形成し得る。
【0084】
液体金属層の形成の前に、第1のシリカエアロゲル層に沿って、シリカエアロゲルを塗布し、第2のシリカエアロゲル層を形成してもよい。
【0085】
液体金属層の形成後、伸縮性基材に伸縮性絶縁材を塗布し、伸縮性基材上の各部材、例えば液体金属層、第1のシリカエアロゲル層、及び第2のシリカエアロゲル層を封止する。封止後、本開示の配線基板を得ることができる。
【0086】
なお、伸縮性基材上にシリカエアロゲルを塗布する箇所に、接着剤を塗布し接着層を形成してもよい。接着層は、シリカエアロゲルを仮固定できるため、第1および第2のシリカエアロゲル層をより正確に作製し易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本開示の配線基板およびその製造方法は、伸縮性があり、生体センサとして違和感なく装着できる電子部品用途に適用できる。
【符号の説明】
【0088】
100、110、120、130 配線基板
102 伸縮性基材
103 接着層
104 第1のシリカエアロゲル層
105 液体金属層
106 伸縮性絶縁材
107 第2のシリカエアロゲル層
200 シリカエアロゲル
201 シリカ1次粒子
202 シリカ2次粒子
203 空隙
T1 液体金属層の厚み
T2 第1のシリカエアロゲル層の厚み
T3 第2のシリカエアロゲル層の厚み
W1 液体金属層の幅
W2 第1のシリカエアロゲル層の幅
W3 第2のシリカエアロゲル層の幅
100’配線基板
102’伸縮性基材
105’液体金属層
106’伸縮性絶縁材
108’配線層