(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177146
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】情報処理装置及び選択支援方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
G05B23/02 301P
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089910
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】平床 翔
(72)【発明者】
【氏名】青井 良太
(72)【発明者】
【氏名】木下 毅洋
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA13
3C223BA03
3C223BB13
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223FF04
3C223FF13
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH08
(57)【要約】
【課題】表示すべきデータを容易に選択する。
【解決手段】装置状態を示すために選択したデータ毎の選択回数及び選択日時と、複数選択したデータの組及び選択回数と、を含む特定データを取得するデータ取得部と、特定データのうちの少なくともいずれかを使用して装置状態を示す特定指標を算出する算出部と、特定指標に基づき、複数データから抽出した選択候補データを表示する表示制御部とを備え、算出部は、データ毎の選択回数に基づきデータ毎の選択頻度を示す第1指標を算出する処理、データ毎の選択日時に基づきデータ毎の最新の選択頻度を示す第2指標を算出する処理、及び複数選択したデータの組毎の選択回数に基づきデータの組毎の選択頻度を示す第3指標を算出する処理の少なくともいずれかを含む処理を実行し、表示制御部は、第1、第2及び/又は第3指標を特定指標とし、選択候補データを表示する情報処理装置。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置が管理する複数のデータから、前記基板処理装置の状態を示すために選択されたデータ毎の選択回数及び選択日時と、前記データを複数選択したときの前記複数選択したデータの組及び選択回数と、を含む特定のデータを取得するデータ取得部と、
前記特定のデータのうちの少なくともいずれかを使用して前記基板処理装置の状態を示す特定の指標を算出する算出部と、
算出された前記特定の指標に基づき、前記複数のデータから抽出した選択候補データを表示する表示制御部と、を備え、
前記算出部は、
前記特定のデータから選択されたデータ毎の選択回数に基づき、前記データ毎の選択頻度を示す第1指標を算出する処理と、
前記特定のデータから選択されたデータ毎の選択日時に基づき、前記データ毎の最新の選択頻度を示す第2指標を算出する処理と、
前記特定のデータから複数選択されたデータの組毎の選択回数に基づき、前記データの組毎の選択頻度を示す第3指標を算出する処理と、の少なくともいずれかを含む処理を実行し、
前記表示制御部は、算出された前記第1指標、前記第2指標又は前記第3指標の少なくともいずれかを前記特定の指標とし、前記特定の指標に基づき前記選択候補データを表示する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、算出された前記特定の指標に基づき、前記選択候補データの優先順位を算出し、前記優先順位に従い前記選択候補データを表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、データの選択画面から前記選択候補データが選択されると、前記選択候補データを前記基板処理装置の状態を示すためのデータとして自動的に選択する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、データの選択画面から前記基板処理装置の状態を示すためのデータが選択される度に前記基板処理装置の状態を示す特定の指標を算出する処理を実行し、
前記表示制御部は、前記算出部により前記特定の指標を算出する処理が実行される度に、前記特定の指標に基づき、前記複数のデータから抽出した選択候補データを表示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データの選択画面が閉じられたとき、選択された前記基板処理装置の状態を示すためのデータのログ情報を表示する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データ取得部は、ネットワークにより通信可能な複数の基板処理装置が管理する複数のデータから、前記基板処理装置の状態を示すために選択されたデータ毎の選択回数及び選択日時と、前記データを複数選択したときの前記複数選択したデータの組及び選択回数と、を含む特定のデータを取得し、
前記算出部は、前記特定のデータのうちの少なくともいずれかを使用して前記複数の基板処理装置の少なくともいずれかの状態を示す特定の指標を算出する処理を実行し、
前記表示制御部は、算出された前記特定の指標に基づき、前記複数の基板処理装置が管理する複数のデータから抽出した選択候補データを表示する、
請求項1又は請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
基板処理装置が管理する複数のデータから、前記基板処理装置の状態を示すために選択されたデータ毎の選択回数及び選択日時と、前記データを複数選択したときの前記複数選択したデータの組及び選択回数と、を含む特定のデータを取得する処理と、
前記特定のデータのうちの少なくともいずれかを使用して前記基板処理装置の状態を示す特定の指標を算出する処理と、
算出された前記特定の指標に基づき、前記複数のデータから抽出した選択候補データを表示する処理と、を含み、
前記指標を算出する処理は、
前記特定のデータから選択されたデータ毎の選択回数に基づき、前記データ毎の選択頻度を示す第1指標を算出する処理と、
前記特定のデータから選択されたデータ毎の選択日時に基づき、前記データ毎の最新の選択頻度を示す第2指標を算出する処理と、
前記特定のデータから複数選択されたデータの組毎の選択回数に基づき、前記データの組毎の選択頻度を示す第3指標を算出する処理と、の少なくともいずれかを含む処理を実行し、
前記選択候補データを表示する処理は、
算出された前記第1指標、前記第2指標又は前記第3指標の少なくともいずれかを前記特定の指標とし、前記特定の指標に基づき前記選択候補データを表示する、
選択支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び選択支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、基板処理装置に共通するパラメータと、基板処理装置に固有のパラメータと、装置構成の違いを考慮して、基板処理装置のプロセスレシピを短時間で効率良く作成することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板処理装置が管理する複数のデータから表示すべきデータを容易に選択することができる情報処理装置及び選択支援方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一の態様によれば、基板処理装置が管理する複数のデータから、前記基板処理装置の状態を示すために選択されたデータ毎の選択回数及び選択日時と、前記データを複数選択したときの前記複数選択したデータの組及び選択回数と、を含む特定のデータを取得するデータ取得部と、前記特定のデータのうちの少なくともいずれかを使用して前記基板処理装置の状態を示す特定の指標を算出する算出部と、算出された前記特定の指標に基づき、前記複数のデータから抽出した選択候補データを表示する表示制御部と、を備え、前記算出部は、前記特定のデータから選択されたデータ毎の選択回数に基づき、前記データ毎の選択頻度を示す第1指標を算出する処理と、前記特定のデータから選択されたデータ毎の選択日時に基づき、前記データ毎の最新の選択頻度を示す第2指標を算出する処理と、前記特定のデータから複数選択されたデータの組毎の選択回数に基づき、前記データの組毎の選択頻度を示す第3指標を算出する処理と、の少なくともいずれかを含む処理を実行し、前記表示制御部は、算出された前記第1指標、前記第2指標又は前記第3指標の少なくともいずれかを前記特定の指標とし、前記特定の指標に基づき前記選択候補データを表示する、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
一の側面によれば、基板処理装置が管理する複数のデータから表示すべきデータを容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係る基板処理システムの構成例を示す図。
【
図2】一実施形態に係る解析装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【
図3】一実施形態に係る解析装置の機能構成の一例を示す図。
【
図5】解析装置により抽出した選択候補データの表示の一例。
【
図6】一実施形態に係る選択制御処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】基板処理装置が管理する複数のデータの選択画面の一例。
【
図8】基板処理装置が管理する複数のデータの選択画面(リモート画面)の一例。
【
図9】一実施形態に係る選択制御処理の他の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
本明細書において平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右などの方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。平行、直角、直交、水平、垂直、円、一致には、略平行、略直角、略直交、略水平、略垂直、略円、略一致が含まれてもよい。
【0010】
[基板処理システム]
はじめに、一実施形態に係る基板処理システムの構成例について説明する。
図1は、一実施形態に係る基板処理システム100の構成例を示す図である。
図1に示すように、基板処理システム100は、工場a内に基板処理装置120a1~120a3と、制御装置121a1~121a3とを有する。基板処理装置120a1~120a3と制御装置121a1~121a3とは、有線または無線により接続される。
【0011】
また、基板処理システム100は、工場b内に基板処理装置120b1、120b2と、制御装置121b1、121b2とを有する。基板処理装置120b1、120b2と制御装置121b1、121b2とは、有線または無線により接続される。
【0012】
また、基板処理システム100は、工場c内に基板処理装置120c1、120c2と、制御装置121c1、121c2とを有する。基板処理装置120c1、120c2と制御装置121c1、121c2とは、有線または無線により接続される。
【0013】
基板処理装置120a1~120a3、基板処理装置120b1、120b2、基板処理装置120c1、120c2は、ネットワークN1~N3を介してそれぞれホスト装置110a、110b、110cと接続されている。ホスト装置110a、110b、110cからの指示に基づいて各制御装置の制御により各基板処理装置が基板処理を実行する。ホスト装置110a、110b、110cは、インターネットなどのネットワークN4を介してサーバ装置150に接続されている。
【0014】
以下の説明では、基板処理装置120a1~120a3、120b1、120b2、120c1、120c2を総称して基板処理装置120ともいう。また、制御装置121a1~121a3、121b1、121b2、121c1、121c2を総称して制御装置121ともいう。ホスト装置110a、110b、110cを総称してホスト装置110ともいう。
【0015】
プロセス条件データ、センサデータ、プロセスの結果を測定した測定データを含む複数のデータが、基板処理装置120毎に管理され、各基板処理装置120内に蓄積されている。各基板処理装置120が管理する複数のデータには各データのログ情報が含まれる。
【0016】
基板処理装置120a1には、解析装置140が接続されている。解析装置140は、基板処理装置120a1が管理する複数のデータを取得し、データの解析を行う。
図1では、解析装置140が、基板処理装置120a1のみに接続されているが、基板処理装置120a1~120a3、基板処理装置120b1、120b2、基板処理装置120c1、120c2のそれぞれに解析装置140が接続されている。ただし、これに限らず、一つの基板処理装置120と一つの解析装置140とが一対一に接続されてもよいし、複数の基板処理装置120と一つの解析装置140とが多対一に接続されてもよい。
【0017】
[解析装置のハードウェア構成]
次に、解析装置140のハードウェア構成について
図2を参照して説明する。
図2は、解析装置140のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、解析装置140は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403を有する。CPU401、ROM402、RAM403は、いわゆるコンピュータを形成する。
【0018】
また、解析装置140は、補助記憶部404、表示部405、入力部406、ネットワークI/F(Interface)部407、接続部408を有する。なお、解析装置140の各ハードウェアは、バス409を介して相互に接続されている。
【0019】
CPU401は、補助記憶部404にインストールされている各種プログラム(例えば、後述する解析用のプログラム等)を実行するデバイスである。ROM402は、不揮発性メモリである。ROM402は、補助記憶部404にインストールされている各種プログラムをCPU401が実行するために必要な各種プログラムやデータ等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM402はBIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する。
【0020】
RAM403は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM403は、補助記憶部404にインストールされている各種プログラムがCPU401によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0021】
補助記憶部404は、各種プログラムや、各種プログラムが実行される際に用いられる情報を格納する補助記憶デバイスである。後述するデータ格納部は、補助記憶部404において実現される。
【0022】
表示部405は、各種画面(例えば、後述するデータの選択画面等)を表示する表示デバイスである。入力部406は、解析装置140に対して、作業者が各種指示を入力するための入力デバイスである。
【0023】
ネットワークI/F部407は、不図示の外部ネットワークと接続する通信デバイスである。接続部408は、基板処理装置140a1に接続する接続デバイスである。
【0024】
[解析装置の機能構成]
次に、解析装置140の機能構成について
図3を参照して説明する。
図3は、解析装置140の機能構成の一例を示す図である。以下では、解析装置140が基板処理装置120a1により管理される複数のデータを用いてデータ解析を行う例を挙げて説明するが、基板処理装置120a1以外の基板処理装置120aが管理する複数のデータについても同様に解析が可能である。上述したように、解析装置140には解析用のプログラムがインストールされており、当該解析用のプログラムを実行することで、解析装置140は、データ取得部301、算出部302、表示制御部303として機能する。
【0025】
データ取得部301は、基板処理装置120a1が管理する複数のデータから、特定のデータを継続的に取得し、データ格納部310に格納する。データ格納部310には、基板処理装置120a1が管理する特定のデータが記憶される。
【0026】
データ取得部301が取得する特定のデータは、基板処理装置120a1の状態を示すために選択されたデータ毎の選択回数及び選択日時と、前記データを複数選択したときの前記複数選択したデータの組及び選択回数とを含む。
【0027】
基板処理装置120が管理するデータには、例えば基板処理装置120の基板処理のための各種のデータ(パラメータ)が含まれる。各種のデータのうち、プロセス条件データは、プロセス条件等のレシピに予め設定された設定値である。プロセス条件データとしては、ヒーター電力、ヒーター温度、圧力、ガス種、ガス流量、RFパワー、バルブ開度、プロセスの各ステップ時間、昇温及び/又は降温速度等が挙げられる。各種のデータのうち、センサデータは、基板処理装置120に取り付けられたセンサの検出値である。センサデータとしては、温度センサ、圧力センサ、プラズマ発光モニタ等が挙げられる。各種のデータのうち、プロセスの結果を示すデータは、プロセス結果である成膜特性やエッチング特性を示す測定値である。プロセスの結果を示すデータとしては、成膜レート、屈折率(RI)、エッチングレート、エッチング凹部のCD値等が挙げられる。
【0028】
更に、基板処理装置120が管理するデータには、基板の搬送装置のフォークやアームの位置や、基板を持ち上げるピンにかかるトルク等のデータ、基板(ウェハ)サイズ、基板の種類、基板の数、基板上の膜種、基板処理装置のタイプ等が含まれてもよい。これらのデータがデータ取得部301により取得され得、データ格納部310に格納され得る。
【0029】
算出部302は、基板処理装置120a1が管理するデータから取得した特定のデータのうちの少なくともいずれかを使用して基板処理装置120a1の状態を示す特定の指標を算出する。
【0030】
算出部302は、第1指標算出部306、第2指標算出部307、第3指標算出部308を有する。算出部302は、第1指標算出部306が行う第1指標の算出処理と、第2指標算出部307が行う第2指標の算出処理と、第3指標算出部308が行う第3指標の算出処理と、の少なくともいずれかを含む処理を実行する。算出部302が算出した各種ポイント等は、ポイントテーブル309に記憶される。
【0031】
(第1指標:選択回数ポイント)
第1指標算出部306は、特定のデータから選択されたデータ毎の選択回数に基づき、データ毎の選択頻度を示す第1指標を算出する。本例では、第1指標算出部306は、第1指標の一例として、(1)式から選択回数ポイント(選択回数pt)を算出するが、これに限らない。
【0032】
選択回数ポイント=(選択回数/選択回数最大値)×100・・・(1)式
特定のデータのそれぞれについて選択回数ポイントを算出し、その最大値を選択回数最大値とし、(1)式から選択回数が最も大きいデータの選択回数を100としたときの各データの選択回数の割合を選択回数ポイントとして算出する。
【0033】
例えば特定のデータが、基板処理装置120a1が管理する温度センサ、圧力センサ等の全センサの各センサ値である場合、選択回数最大値は、全センサ中で最も多く選択されたセンサの選択回数となる。
【0034】
図4は、一実施形態に係るポイントテーブル309の一例である。「データ」の項目は、基板処理装置120a1が管理する複数のデータからデータ取得部301が取得した特定のデータである。本例では、データ取得部301が取得した特定のデータA~Zがポイントテーブル309の「データ」の項目に記憶されている。
【0035】
ポイントテーブル309には、「データ」の項目ごとにそのデータが基板処理装置120a1の状態を示すために選択された「選択回数」が記憶されている。「選択回数」の項目の数値は、「データ」の項目のデータが選択される度に選択回数に「1」加算される。
【0036】
本例では、ポイントテーブル309の「選択回数」の最大値は、「データ」が「U」及び「W」の「13」である。よって、第1指標算出部306は、選択回数最大値の「13」と各データが持つ選択回数とを(1)式に代入し、選択回数ポイントを算出する。
【0037】
第1指標算出部306は、算出した選択回数ポイントを「選択回数pt」の項目に記憶する。選択回数ポイントは、「データ」毎にそのデータが選択される頻度を示す一指標である。過去に選択回数が多いデータは、将来も選択される確率が高いとの着想に基づき、選択回数が多いデータ程、選択回数ポイントは大きくなり、そのデータが選択される可能性が高いことを示す。
【0038】
ただし、第1指標は、データ毎のデータが選択される頻度を示す値であれば、どんな算出方法でもよい。例えば、データ毎の選択回数そのものを選択回数ポイントとしてもよい。また、(1)式を使用して算出した選択回数ポイントに予め設定された重み係数を乗算した値を選択回数ポイントとして算出してもよい。
【0039】
(第2指標:最終選択ポイント)
図4に示すポイントテーブル309は、「データ」の項目ごとにそのデータが最後に選択された日時が「最終選択日時」の項目が記憶されている。「最終選択日時」の項目の日時は、そのデータが選択される度に最終の選択日時に更新される。
【0040】
第2指標算出部307は、特定のデータから選択されたデータ毎の最終選択日時に基づき、データ毎の最新の選択頻度を示す第2指標を算出する。第2指標算出部307は、第2指標の一例として、(2)式から最終選択ポイント(最終選択pt)を算出するが、これに限らない。
【0041】
最終選択ポイント=100-(本日-最終選択日)・・・(2)式
第2指標算出部307は、「データ」毎の最終選択日時から1日経過するごとに100から1ずつ減算した数値を最終選択ポイントとして算出する。例えば、(本日-最終選択日)は、最終選択日から1日経過していたら「1」となり、最終選択ポイントは「99」となる。最終選択日から100日以上選択されていないデータについては、最終選択ポイントは一律「0」となる。つまり、最終選択日時が古い「データ」程、最終選択ポイントは「0」に近づく。これにより、長い期間選択されなかったデータの最終選択ポイントを低くする。
【0042】
第2指標算出部307は、算出した最終選択ポイントをポイントテーブル309の「最終選択pt」の項目に記憶する。最終選択ポイントは、「データ」毎にそのデータがより早い時期に選択される頻度を示す一指標である。より最近選択されたデータは、より近い将来に選択される確率が高いとの着想に基づき、最後に選択した日が現時点(本日)に近いデータ程、最終選択ポイントは大きくなり、そのデータが選択される可能性が高いことを示す。
【0043】
ただし、第2指標は、データ毎の最新の選択頻度を示す値であればどんな算出方法でもよい。例えば、(2)式を使用して算出した最終選択ポイントに予め設定された重み係数を乗算した値を最終選択ポイントとして算出してもよい。
【0044】
(第3指標:複数選択ポイント)
第3指標算出部308は、特定のデータから複数のデータが選択されたときの、その選択されたデータの組毎の選択回数に基づき、データの組毎の選択頻度を示す第3指標を算出する。第3指標算出部308は、第3指標の一例として、(3)式から複数選択ポイント(複数選択pt)を算出してもよい。ただし、第3指標は、特定のデータから複数のデータが選択されたときの、選択された複数のデータ(データの組)毎の選択頻度を示す数値であれば(3)式により算出することに限らない。
【0045】
複数選択ポイント=(複数選択回数/複数選択回数最大値)×100・・・(3)式
特定のデータから複数のデータを選択したときのデータの組毎の複数選択ポイントを算出し、その最大値を複数選択回数最大値とし、(3)式から複数選択回数が最も大きいデータの複数選択回数を100とする。そして、このときの各データの組の複数選択回数の割合を複数選択ポイントとして算出する。
【0046】
複数選択回数は、現在選択中の複数のデータから二つのデータの組を作成し、そのデータの組を一緒に選択した回数を示す。例えば特定のデータから3つのデータA、データB、データCが選択された場合について、複数選択回数の算出方法を説明する。この場合、選択した複数のデータから作成されるデータの組は、(データA、データB)、(データA、データC)、(データB、データC)の3つとなる。
【0047】
第3指標算出部308は、データAを選択したときに一緒に選択したデータBとの組(データA、データB)の複数選択ポイントが「1」加算され、一緒に選択したデータCとの組(データA、データC)の複数選択ポイントが「1」加算される。
【0048】
また、第3指標算出部308は、データBを選択したときに一緒に選択したデータAとの組(データA、データB)の複数選択ポイントが「1」加算され、一緒に選択したデータCとの組(データB、データC)の複数選択ポイントが「1」加算される。
【0049】
また、第3指標算出部308は、データCを選択したときに一緒に選択したデータAとの組(データA、データC)の複数選択ポイントが「1」加算され、一緒に選択したデータBとの組(データB、データC)の複数選択ポイントが「1」加算される。
【0050】
この結果、(データA、データB)、(データA、データC)、(データB、データC)のそれぞれのデータの組の複数選択ポイントのそれぞれが「2」加算される。ただし、選択した複数のデータから作成されるデータの組は、(データA、データB)と(データB、データA)とを別の組、(データA、データC)と(データC、データA)とを別の組、(データB、データC)と(データC、データB)とを別の組としてもよい。この場合、例えば、(データA、データB)、(データB、データA)、(データA、データC)、(データC、データA)、(データB、データC)、(データC、データB)の6組のそれぞれの複数選択ポイントが「1」加算されるようにしてもよい。ただし、各組の複数選択ポイントの算出方法は、上述の方法に限らず、その他のポイント算出方法を適用してもよい。
【0051】
図4に示すポイントテーブル309は、「データ」の項目に「A」から「Z」までのデータが記憶されている。第3指標算出部308は、例えばデータ「A」が選択されたとき、「A」と一緒に「B」から「Z」の各々が選択された回数が、「B」から「Z」の各々に対応する「複数選択回数」の項目にカウントアップされる。よって、「B」から「Z」のうち「A」と一緒に選択したことがないデータの「複数選択回数」は0又は空欄となっている。
【0052】
図4に示すポイントテーブル309には示されていないが、例えば(3)式により、複数選択回数最大値が「6」、データ「A」と一緒に選択したデータ「B」の複数選択ポイントが「6」の場合、第3指標算出部308は、複数選択ポイントを100と算出する。そして、データ「B」の「複数選択pt」の項目に、組となるデータ「A」に対応して「100」を記憶する。データ「A」と一緒に選択した他のデータに対しても同様に計算し、データ「A」と一緒に選択された各データの「複数選択pt」の項目に組となるデータ「A」に対応して、算出した複数選択ポイントを記憶する。
【0053】
複数選択ポイントは、「データ」の組毎にそのデータと一緒に再度選択される頻度を示す一指標である。一緒に選択された回数が多いデータは、次も一緒に選択される確率が高いとの着想に基づき、複数選択回数が多いデータの組程、複数選択ポイントは大きくなり、そのデータの組が選択される可能性が高いことを示す。
【0054】
ただし、第3指標は、データの組毎の一緒に選択する頻度を示す値であればどんな算出方法でもよい。例えば、データの組毎の複数選択回数そのものを複数選択回数ポイントとしてもよい。また、(3)式を使用して算出した複数選択回数ポイントに予め設定された重み係数を乗算した値を複数選択回数ポイントとして算出してもよい。
【0055】
表示制御部303は、算出された第1指標、第2指標又は第3指標の少なくともいずれかを特定の指標とし、特定の指標に基づき、基板処理装置120a1の状態を示すために選択される可能性が高いと予想されるデータである選択候補データを表示する。
【0056】
基板処理装置120にはセンサ検出値や設定値等、1000を超えるデータが存在する。基板処理装置120で行われた各基板処理のプロセス評価やトラブル時に、これらのデータ中から特定のデータを選択し、選択した特定のデータをトレースしてその波形等を表示することが多い。例えば、1000を超えるデータから温度センサのデータを選択し、温度の波形を表示し、確認することが一例として挙げられる。その他の例としては、1000を超えるデータからガスのデータ、圧力のデータ、排気バルブのデータを選択し、それぞれの状態を波形等で表示し、確認することが一例として挙げられる。特に、トラブル時には迅速にトラブルを解決するために適切なデータを確認する必要がある。
【0057】
ところが、1000以上のデータから、トラブルを解決する等の目的を達成するために選択すべきデータを見つけ出すことは容易ではない。目的のデータを選択するには、データがどの分類、どのカテゴリに属しているか把握する必要があるが、例えば、データを階層構造にして表示したとしても、各データがどこの階層に属しているかを体系的に把握することは容易ではない。結局、選択対象のデータ項目が膨大であるために全データを把握することは難しく、データを選択するまでに時間がかかる。文字列検索を行ってデータを選択する方法もあるが、この場合、選択したいデータの正しい名称の把握が必要となる。
【0058】
また、データを解析する場合に関連したデータを複数選択することもある。例えば、同じガスライン系の複数のセンサのデータを選択することが一例として挙げられる。しかし、選択したい複数のデータが別カテゴリに属していることがあり、複数のデータをまとめて探すにも手間がかかる。
【0059】
一方、ユーザが選択するデータの選択頻度はデータによって均一ではない。また、データを複数選択する際の複数のデータの選択頻度も均一ではない。よって、今までのユーザのデータの選択の履歴から、選択する可能性の高いデータを優先的に画面に表示することで、ユーザは表示したい目的のデータを容易に選択することができる。
【0060】
以上から、本実施形態では、一例としては、表示制御部303は、算出された第1指標、第2指標又は第3指標の少なくともいずれかを特定の指標とし、特定の指標に基づき選択候補データを抽出し、表示する。これにより、選択する可能性が高いと予想されるデータを選択候補データとしてユーザに提案することができる。
【0061】
例えば、表示制御部303は、算出された第1指標、第2指標及び第3指標の平均値を特定の指標とし、特定の指標に基づき選択候補データを表示してもよい。また、表示制御部303は、算出された第1指標、第2指標及び第3指標の平均値に重み係数を乗算した値を特定の指標とし、特定の指標に基づき選択候補データを表示してもよい。
【0062】
表示制御部303は、算出された特定の指標に基づき、基板処理装置120a1が管理する複数のデータから選択候補データの優先順位を算出し、その優先順位に従い、優先順位が高い順に選択候補データを表示してもよい。一例としては、表示制御部303は、算出された第1指標、第2指標及び第3指標の平均値を、ポイントテーブル309の「おすすめ度」の項目に記憶する。そして、表示制御部303は、「おすすめ度」の高いものから順にランクを付け、ランキング上位(例えば10番まで)を選択候補データとして表示してもよい。「おすすめ度」が同値であれば、ポイントテーブル309のデータA~Zのアルファベットの上位から順に高いランクを付けてもよいし、下位から順に高いランクを付けてもよい。
【0063】
選択候補データの表示例を
図5に示す。選択候補データは、
図5に示すようにランキングが高いものから順に表示されてもよい。
図5では、ランク1位の選択候補データにデータ「U」とその名称が表示され、ランク2位、3位の選択候補データにデータ「Y」、「W」とそれらの名称が表示され、その下に順に選択候補データと各データの名称が表示される。各データの名称は、ポイントテーブル309の「名称」の項目に記憶されている。
【0064】
選択候補データには、既に選択中のデータは除かれる。表示制御部303は、ポイントテーブル309の「ランキング」の項目にランクを記憶し、更にランキング上位(例えば10番まで)を「Rank」の項目に記憶する。ただし、ポイントテーブル309には、「ランキング」と「Rank」の一方の項目のみが記憶されてもよい。
【0065】
[選択支援方法]
次に、一実施形態に係る選択支援方法について、
図6~
図8を参照しながら説明する。
図6は、解析装置140による選択制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、基板処理装置120a1が管理する複数のデータの選択画面の一例である。
図8は、基板処理装置120a1が管理する複数のデータの選択画面(リモート画面)の一例である。
【0066】
図6に示す選択支援方法は、データを選択するためのデータ選択ダイアログ(
図7~
図8参照)の画面に示されるチェックボックス(
図7の204等)のチェックの状態に基づき、解析装置140により解析が行われることにより実行される。なお、データ選択ダイアログにおいて表示されている第1階層及び第2階層のカテゴリ及び第3階層のデータの選択状態は前回データ選択ダイアログに表示されていたカテゴリ及びデータの選択状態と同じ状態に表示される。ユーザは、
図7に一例を示すデータ選択ダイアログを使用して、基板処理装置120a1の状態を示すためにいずれかのデータを選択することができる。
【0067】
図7のデータ選択ダイアログは、選択した特定のデータに関する情報を表示し、ユーザに表示されているデータ中から特定のデータを選択させるための表示画面である。データ選択ダイアログは、表示カテゴリの表示欄201、データ名の表示欄202、選択候補(データ)の表示欄203を有する。データ名の表示欄202には、表示カテゴリの表示欄201のチェックボックスにチェックされた大カテゴリに含まれる小カテゴリ毎にデータ(アイテム)がツリー状に階層的に表示される。
図7の例では、データ名の表示欄202には、小カテゴリの一例として「Heater」が表示され、小カテゴリに属するデータ(例えば、温度設定値、温度現在値・・・)が「Heater」に対してツリー表示されている。つまり、基板処理装置120a1が管理する複数のデータは、第1階層の大カテゴリ、第2階層の小カテゴリ、第3階層のデータの3階層でデータ選択ダイアログに表示される。よって、表示カテゴリの表示欄201のチェックボックスへのチェックにより大カテゴリを選択でき、選択した大カテゴリに属する小カテゴリ及びデータがデータ名の表示欄202に表示され、これにより、表示の切り替えが可能である。ただし、データ選択ダイアログへのデータの表示方法はこれに限らない。
【0068】
ユーザは、第3階層のデータに対応する夫々のチェックボックス204にチェックする。これにより、チェックボックス204にチェックした数だけデータを選択することができる。ただし、データの選択方法はこれに限らず、例えば第2階層の小カテゴリのチェックボックスをチェックすることで、小カテゴリに属する下層(3層目)の全データを選択することができる。
【0069】
図6に示す選択支援方法が開始されると、
図6のステップS1において、表示制御部303は、データ選択ダイアログを開く。ステップS2において、表示制御部303は、データ名202(
図7参照)に表示する。このとき、チェックボックス204は前回のチェックの状態を継続している。
【0070】
次に、ステップS3において、算出部302は、チェックボックス204のチェックに基づき特定の指標を算出する。そして、特定の指標に基づきランク付けが行われる。このとき、チェックボックス204にチェックが付いているデータ名のデータはランク付けから除外する。チェックボックス204でチェック済みのデータは選択候補に表示する必要がないためである。また、チェックが複数ついている場合、第3指標のどの組の複数選択ポイントを算出するかを判定する。特定の指標を算出する際、第1指標算出部306が、選択(チェック)されたデータ毎に「選択回数」に「1」を加算する。また、第2指標算出部307が、選択されたデータ毎にそのデータを選択した日時を取得する。ポイントテーブル309(
図4参照)の「選択回数」、「最終選択日時」の更新はステップS6にて実行される。更に、複数のデータが選択されている場合、第3指標算出部308が、選択したデータの組について「複数選択回数」に「1」を加算する。この場合にも、ポイントテーブル309(
図4参照)の「複数選択回数」の更新はステップS6にて実行される。
【0071】
算出部302は、ポイントテーブル309の「データ」の項目の各データについて、「選択回数pt」、「最終選択pt」及び「複数選択pt」の各項目の値の平均値を算出し、算出した平均値を「おすすめ度」の項目に記憶する。表示制御部303は、「おすすめ度」の項目の値が高い順にランク付けし、「ランキング」の項目を更新する。表示制御部303は、ランキング上位(例えば10位)を「Rank」の項目に記憶する。
【0072】
次に、ステップS4において、表示制御部303は、選択候補データの表示欄203にRankが1位の「データ」から順にデータ名を表示する。これにより、
図7のデータ選択ダイアログの選択候補データの表示欄203に表示される選択候補データのデータ名が更新される。ユーザが選択候補データの表示欄203に表示されたいずれかのチェックボックス205をチェックすると、これに応じて、表示制御部303は、チェックされた選択候補データと同じデータであって、データ名の表示欄202に表示されたデータのチェックボックス204を自動でチェックする。
【0073】
次に、ステップS5において、ユーザが「OK」ボタン206を押すと、表示制御部303は、データの選択を完了する。
【0074】
次に、ステップS6において、表示制御部303は、チェックボックス204でチェックしていた各データについてポイントテーブル309の「選択回数」、「最終選択日時」、「選択回数pt」、「最終選択pt」を更新する。加えて、選択したデータが複数のデータである場合、表示制御部303は、「複数選択回数」、「複数選択pt」を更新する。
【0075】
次に、ステップS7において、表示制御部303は、データ選択ダイアログの画面を閉じ、本処理を終了する。
【0076】
本処理を終了後、解析装置140は、データ格納部310に格納された、選択されたデータのログ情報を表示してもよい。なお、選択されたデータのログ情報は、データ選択ダイアログの画面が閉じられた後の画面に表示されてもよい。選択されたデータのログ情報は、選択した特定のデータの過去の状態をトレースして波形等のグラフにして表示してもよい。選択した特定のデータを常時トレースした情報を表示してもよいし、プロセスログ詳細画面を表示してもよい。また、ポイントテーブル309の「選択回数」、「最終選択日時」、「複数選択回数」、「選択回数pt」、「最終選択pt」、「複数選択pt」の各項目の少なくともいずれかの情報を表示してもよい。
【0077】
ステップS3に示すように、チェックボックス204をチェックまたは解除した後に各指標の計算、ランク付け、選択候補データの更新が行われる。第1指標算出部306は、選択回数ポイントを算出する。第2指標算出部307は、最終選択ポイントを算出する。第3指標算出部308は、複数選択ポイントを算出する。ポイントテーブル309の「選択回数pt」は算出した選択回数ポイント値に更新され「最終選択pt」は、算出した最終選択ポイント値に更新され、「複数選択pt」は複数選択ポイント値に更新される。
【0078】
なお、
図7に示すデータ選択ダイアログは、
図1の基板処理装置120a1を制御する制御装置121a1の画面に表示され、ユーザにより操作されてもよい。ただし、これに限らず、データ選択ダイアログは、ユーザが使用する情報処理装置であればいずれの装置の画面に表示してもよい。
【0079】
例えば、
図8は、基板処理装置120a1及び/又は制御装置121a1を遠隔操作可能な情報処理装置に表示されるデータ選択ダイアログの一例である。
図8のデータ選択ダイアログが表示される情報処理装置は、解析装置140であってもよいし、ホスト装置110aであってもよいし、サーバ装置150であってもよい。情報処理装置は、基板処理装置120a1及び/又は制御装置121a1に接続可能なその他の情報処理装置であってもよい。
【0080】
図8の情報処理装置のデータ選択ダイアログにも、選択候補データの表示欄211が設けられている。これにより、選択する可能性が高いと予想されるデータを選択候補データとしてユーザに提案することができ、ユーザは表示したい目的のデータを容易に選択することができる。
【0081】
[選択支援方法]
次に、一実施形態に係る選択支援方法の他の例(選択候補データの選択を繰り返す場合)について、
図9を参照しながら説明する。
図9は、解析装置140による選択制御処理の他の例を示すフローチャートである。
【0082】
図9に示す選択支援方法が開始されると、
図9のステップS11において、表示制御部303は、データ選択ダイアログを開く。ステップS12において、表示制御部303は、データ名202(
図7参照)を表示する。このとき、チェックボックス204は前回のチェックの状態を継続している。
【0083】
次に、ステップS13において、算出部302は、チェックボックス204のチェックに基づき特定の指標を算出する。そして、特定の指標に基づきランク付けが行われる。このとき、チェックボックス204にチェックが付いているデータ名のデータはランク付けから除外する。また、チェックが複数ついている場合、第3指標のどの組の複数選択ポイントを算出するかを判定する。特定の指標を算出する際、第1指標算出部306が、選択(チェック)されたデータ毎に「選択回数」に「1」を加算する。また、第2指標算出部307が、選択されたデータ毎にそのデータを選択した日時を取得する。ポイントテーブル309(
図4参照)の「選択回数」、「最終選択日時」の更新はステップS18にて実行される。更に、複数のデータが選択されている場合、第3指標算出部308が、選択したデータの組について「複数選択回数」に「1」を加算する。この場合にも、ポイントテーブル309(
図4参照)の「複数選択回数」の更新はステップS18にて実行される。
【0084】
算出部302は、ポイントテーブル309の「データ」の項目の各データについて、「選択回数pt」、「最終選択pt」及び「複数選択pt」の各項目の値の平均値を算出し、算出した平均値を「おすすめ度」の項目に記憶する。表示制御部303は、「おすすめ度」の項目の値が高い順にランク付けし、「ランキング」の項目を更新する。表示制御部303は、ランキング上位(例えば10位)を「Rank」の項目に記憶する。
【0085】
次に、ステップS14において、表示制御部303は、選択候補データの表示欄203にRankが1位の「データ」から順にデータ名を表示する。これにより、
図7のデータ選択ダイアログの選択候補データの表示欄203に表示される選択候補データのデータ名が更新される。
【0086】
次に、ステップS15において、表示制御部303は、追加でチェックボックス204,205のいずれかをチェックするか、又はチェックを解除するかを判定する。
【0087】
ステップS15において、追加でチェックボックス204がチェックされた又はチェックが解除されたと判定されると、ステップS13に戻り、算出部302は、チェックボックス204のチェックに基づき特定の指標を算出する。そして、ステップS14において、表示制御部303は、選択候補データの表示欄203にRankが1位の「データ」から順にデータ名を表示する。これにより、
図7のデータ選択ダイアログの選択候補データの表示欄203に表示される選択候補データのデータ名が更新される。
【0088】
ユーザが選択候補データの表示欄203に表示されたデータ名のいずれかのチェックボックス205をチェックすると、これに応じて、ステップS15において、選択候補データのチェックボックス205がチェックされたと判定され、ステップS16に進む。ステップS16において、表示制御部303は、チェックされた選択候補データと同じデータ名であって、データ名の表示欄202に表示されたデータ名のチェックボックス204を自動でチェックする。その後、ステップS13に戻り、算出部302は、チェックボックス204のチェックに基づき特定の指標を算出する。そして、ステップS14において、表示制御部303は、選択候補データの表示欄203にRankが1位の「データ」から順にデータ名を表示する。これにより、
図7のデータ選択ダイアログの選択候補データの表示欄203に表示される選択候補データのデータ名が更新される。
【0089】
ステップS15において、選択したいデータのチェックボックス204にだけチェックが付いている状態をユーザが確認したら、ユーザは「OK」ボタン206を押下する。これに応じて、ステップS17に進み、表示制御部303は、「OK」ボタン206の押下に応じてデータの選択を完了する。
【0090】
次に、ステップS18において、表示制御部303は、選択した各データについてポイントテーブル309の「選択回数」、「最終選択日時」、「選択回数pt」、「最終選択pt」を更新する。加えて、選択したデータが複数のデータである場合、「複数選択回数」、「複数選択pt」が更新される。
【0091】
次に、ステップS19において、表示制御部303は、データ選択ダイアログの画面を閉じ、本処理を終了する。
【0092】
図9の選択支援方法の例では、算出部302は、選択候補データが選択される度に基板処理装置120a1の状態を示す特定の指標を算出する処理を実行する。そして、表示制御部303は、特定の指標に基づき、複数のデータから選択候補データを表示する。データ選択ダイアログが閉じられた後、データ選択ダイアログから選択されたデータのログ情報を表示してもよい。これにより、選択されたデータに関する基板処理装置の状態を容易に表示することができる。
【0093】
以上に説明したように、本実施形態の情報処理装置及び選択支援方法によれば、適切な選択候補データをユーザに提案することで、基板処理装置が管理する複数のデータから表示すべきデータを容易に選択することができる。これにより、選択されたデータのログ情報をトレースしてグラフ等に表示することで、ユーザは、より短時間で基板処理装置の状態を確認することができる。
【0094】
今回開示された実施形態に係る情報処理装置及び選択支援方法は、すべての点において例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。上記複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0095】
例えば、以上に説明した選択支援方法は、基板処理装置120a1が管理する複数のデータをデータ格納部310に蓄積し、データ格納部310に蓄積した複数のデータの選択回数等から特定の指標を算出した。そして、特定の指標に基づき選択候補データを表示した。
【0096】
しかし、これに限らず、複数の基板処理装置120又はすべての基板処理装置120が管理する複数のデータの選択回数等から特定の指標を算出し、特定の指標に基づき選択候補データを表示してもよい。更に、基板処理装置120を使用するユーザ毎に、基板処理装置120a1が複数のデータを管理する場合、ユーザ毎の複数のデータから特定の指標を算出してもよい。
【0097】
また、特定の指標を算出す際、選択回数ポイント、最終選択ポイント、複数選択ポイントの算出は一例であり、他の方法を使用することができる。例えば、必ずしも(1)式及び(3)式のように百分率を用いて選択回数ポイント及び複数選択ポイントを算出しなくてもよい。また、例えば、必ずしも(2)式のように本日と最終選択日との差分を100から引いて最終選択ポイントを算出しなくてもよい。
【0098】
例えば、解析装置140が学習機能を備えることで、各データの重み係数を学習させてもよい。例えば、選択回数ポイント、最終選択ポイント、複数選択ポイントの重み係数を学習させることで、算出部302は、より適正な特定の指標を算出することができる。また、解析装置140の学習機能により(1)式から(3)式の定数又はこれらの式自体を、より適切な数値又は式に更新するようにしてもよい。
【0099】
また、一の基板処理装置120で学習された選択候補データを、他の基板処理装置120に表示する選択候補データの初期値に設定してもよい。
【0100】
なお、
図1の基板処理システム100は一例であり、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。また、本開示の基板処理装置は、一枚ずつ基板を処理する枚葉装置、複数枚の基板を一括処理するバッチ装置及びセミバッチ装置のいずれにも適用できる。
【0101】
本開示の基板処理装置が行う基板処理は、例えば、成膜処理、エッチング処理等が挙げられる。本開示の基板処理装置は、プラズマを用いて基板を処理する装置に限らず、プラズマを用いずに基板を処理する装置であってもよい。
【0102】
本開示の基板処理装置は、Atomic Layer Deposition(ALD)装置、Capacitively Coupled Plasma(CCP)、Inductively Coupled Plasma(ICP)、Radial Line Slot Antenna(RLSA)、Electron Cyclotron Resonance Plasma(ECR)、Helicon Wave Plasma(HWP)のいずれのタイプの装置でも適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
100 :基板処理システム
110 :ホスト装置
120 :基板処理装置
140 :解析装置
301 :データ取得部
302 :算出部
303 :表示制御部
306 :第1指標算出部
307 :第2指標算出部
308 :第3指標算出部
309 :ポイントテーブル