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特開2023-177152無停電電源システム及び電源経路制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177152
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】無停電電源システム及び電源経路制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
H02J9/06 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089919
(22)【出願日】2022-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阪野 誠
【テーマコード(参考)】
5G015
【Fターム(参考)】
5G015GA06
5G015HA12
5G015JA05
5G015JA32
5G015JA34
5G015JA52
5G015KA03
(57)【要約】
【課題】バイパス電源及び通常電源のいずれかが停電した場合であっても、双方の電源が供給されている場合と同様の動作を継続して常に安定して交流電源を供給する。
【解決手段】実施形態の無停電電源システムは、第1電源から第1電力供給経路を介して交流電力が供給されるとともに、第2電源から第2電力供給経路を介して交流電力が供給される無停電電源ユニットと、第1電力供給経路において、第1電源の停電を検出して第1電源を遮断し、第1停電検出信号を出力する第1停電検出部と、第2電力供給経路において、第2電源の停電を検出して第2電源を遮断し、第2停電検出信号を出力する第2停電検出部と、第1停電検出信号あるいは第2停電検出信号に基づいて第1電力供給経路と第2電力供給経路を短絡する短絡部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源から第1電力供給経路を介して交流電力が供給されるとともに、第2電源から第2電力供給経路を介して交流電力が供給される無停電電源ユニットと、
前記無停電電源ユニットと、前記第1電源及び前記第2電源との間に設けられ、前記第1電源あるいは前記第2電源が停電したことを検出した場合に、前記第1電力供給経路と前記第2電力供給経路を短絡する電源経路制御ユニットと、を備えた無停電電源システム。
【請求項2】
前記電源経路制御ユニットは、前記第1電源あるいは前記第2電源のいずれか一方が停電した場合に、当該一方の電源を遮断する、
請求項1記載の無停電電源システム。
【請求項3】
前記電源経路制御ユニットは、前記第1電力供給経路において、前記第1電源の停電を検出して前記第1電源を遮断し、第1停電検出信号を出力する第1停電検出部と、
前記第2電力供給経路において、前記第2電源の停電を検出して前記第2電源を遮断し、第2停電検出信号を出力する第2停電検出部と、
前記第1停電検出信号あるいは前記第2停電検出信号に基づいて前記第1電力供給経路と前記第2電力供給経路を短絡する短絡部と、
を備える、
請求項2記載の無停電電源システム。
【請求項4】
前記無停電電源ユニットは、通常時に前記第1電源からの交流電力が供給される第1電源入力端子と、通常時に前記第2電源からの交流電力が供給される第2電源入力端子と、を備え、
前記電源経路制御ユニットは、前記第1電源が前記第1電力供給経路を介して接続される第1入力端子と、
前記第2電源が前記第2電力供給経路を介して接続される第2入力端子と、
前記第1電源入力端子が接続される第1出力端子と、前記第2電源入力端子に接続される第2出力端子と、を備えた、
請求項3記載の無停電電源システム。
【請求項5】
第1電源から第1電力供給経路を介して交流電力が供給されるとともに、第2電源から第2電力供給経路を介して交流電力が供給される無停電電源ユニットを備えた無停電電源システムに用いられる電流経路制御装置であって、
前記第1電力供給経路において、前記第1電源の停電を検出して前記第1電源を遮断し、第1停電検出信号を出力する第1停電検出部と、
前記第2電力供給経路において、前記第2電源の停電を検出して前記第2電源を遮断し、第2停電検出信号を出力する第2停電検出部と、
前記第1停電検出信号あるいは前記第2停電検出信号に基づいて前記第1電力供給経路と前記第2電力供給経路を短絡する短絡部と、
を備える、
電流経路制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無停電電源システム及び電源経路制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
データセンタの心臓部を構成する一つとして、無停電電源装置が知られている。
この無停電電源装置は、24時間、365日、常に安定して稼働されることが要求されている。
【0003】
そして無停電電源装置は、安定した電源供給を継続するために、交流電源が2系統接続されており、一方の交流電源である通常電源(UPS電源)は、コンバータにより交流/直流変換がなされ、さらにインバータにより直流/交流変換がなされて、安定した電圧、周波数の交流電力が出力端子から出力される。
【0004】
また、通常電源が停電し、コンバータへの供給交流電力無くなった場合には、通常電源を遮断し、蓄電池を電源として接続し、インバータの運転を継続して蓄電池運転による給電を行う。しかし、停電が継続し、蓄電池電圧が所定電圧よりも低下した場合には、無瞬断切替スイッチにより直ちに他方の交流電源としてのバイパス電源に切り替えて、バイパス電源から直接的に交流電力が出力端子を介して出力される。
【0005】
また、コンバータあるいはインバータが故障した場合、あるいは、コンバータへの供給交流電力が停電した場合には、無瞬断切替スイッチにより直ちに他方の交流電源に切り替えて、他方の交流電源から直接的に交流電力が出力端子を介して出力される。
このように、無停電電源装置は、二系統の交流電源が設けられており、さらに短期間においては、蓄電池を電源として用いることで、常に安定して交流電源を供給するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2015/198447号
【特許文献2】特開平09-023593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術においては、バイパス電源あるいは通常電源のいずれか一方が停電した場合には、停電していない他方の電源のみとなる。
この結果、バイパス電源のみとなった場合には、コンバータ及びインバータを介した電圧及び周波数が安定した電力供給ができず、通常電源のみとなった場合には、蓄電池給電により給電を継続することができるが、蓄電池電圧が低下した場合には、バイパス電源側に電源の切替が発生し、電力供給が遮断される虞があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、バイパス電源及び通常電源のいずれかが停電した場合であっても、双方の電源が供給されている場合と同様の動作を継続して常に安定して交流電源を供給することが可能な無停電電源システム及び電源経路制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の無停電電源システムは、第1電源から第1電力供給経路を介して交流電力が供給されるとともに、第2電源から第2電力供給経路を介して交流電力が供給される無停電電源ユニットと、無停電電源ユニットと、第1電源及び第2電源との間に設けられ、第1電源あるいは第2電源が停電したことを検出した場合に、第1電力供給経路と第2電力供給経路を短絡する電源経路制御ユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態のUPSシステムの概要構成ブロック図である。
図2図2は、USP本体ユニットの概要構成ブロック図である。
図3図3は、電源経路制御ユニットの概要構成ブロック図である。
図4図4は、UPS本体ユニット及び電源経路制御ユニットの通常時の動作説明図である。
図5図5は、第2電源の停電時におけるUPS本体ユニット及び電源経路制御ユニットの動作説明図である。
図6図6は、第2電源の停電中にさらにインバータ27が故障した場合のUPS本体ユニット及び電源経路制御ユニットの動作説明図である。
図7図7は、第1電源の停電時におけるUPS本体ユニット及び電源経路制御ユニットの動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態のUPSシステムの概要構成ブロック図である。
UPSシステム10は、UPS本体ユニット11と、電源経路制御ユニット12と、蓄電池ユニット13と、を備えている。
【0012】
上記構成において、UPS本体ユニット11は、無停電電源ユニットとして機能している。
【0013】
また、電源経路制御ユニット12には、第1電力供給経路L1を介してバイパス電源としての第1電源PW1が接続され、第2電力供給経路L2を介して通常電源としての第2電源PW2が接続されている。第1電源PW1及び第2電源PW2は、リスク分散の観点からは、一方が停電状態となった場合であっても、他方が電力を供給可能となるように互いに独立した電源とするのが好ましい。
【0014】
まず、UPS本体ユニット11について説明する。
図2は、USP本体ユニットの概要構成ブロック図である。
UPS本体ユニット11は、バイパス電源入力端子21と、UPS電源入力端子22と、UPS出力端子23と、第1切替スイッチ24と、コンバータ25と、第2切替スイッチ26と、インバータ27と、第3切替スイッチ28と、無瞬断切替スイッチユニット29と、コントローラ30と、電池ユニット接続端子31と、を備えている。
【0015】
上記構成において、バイパス電源入力端子21は、第1電源入力端子として機能し、UPS電源入力端子22は、第2電源入力端子として機能している。
【0016】
また、UPS本体ユニット11には、蓄電池ユニット13が接続されている。
蓄電池ユニット13は、複数の蓄電池が、直列接続、あるいは、直並列接続されている(図2の例では、直列接続)。
【0017】
UPS本体ユニット11のバイパス電源入力端子21には、電源経路制御ユニット12及び第1電力供給経路L1を介して第1電源PW1が接続されている。
同様にUPS本体ユニット11のUPS電源入力端子22には、電源経路制御ユニット12及び第2電力供給経路L2を介して第2電源PW2が接続されている。
【0018】
バイパス電源入力端子21は、無瞬断切替スイッチユニット29を介してUPS出力端子23が接続されている。
また、UPS電源入力端子22には、第1切替スイッチ24を介して、コンバータ25の入力端子が接続されている。
さらにコンバータ25の出力端子には、インバータ27の入力端子が接続されている。
【0019】
またインバータ27の入力端子には、電池ユニット接続端子31及び第2切替スイッチ26を介して蓄電池ユニット13が接続可能とされている。
インバータ27の出力端子は、第3切替スイッチ28を介してUPS出力端子23が接続されている。
【0020】
ここで無瞬断切替スイッチユニット29の構成について説明する。
無瞬断切替スイッチユニット29は、一端がバイパス電源入力端子21に接続され、他端にUPS出力端子23が接続されたトライアック41と、トライアック41に並列に接続された第4切替スイッチ42と、を備えている。
トライアック41は、2個のサイリスタが逆並列に接続された構成を有している。
【0021】
次に電源経路制御ユニット12について説明する。
図3は、電源経路制御ユニットの概要構成ブロック図である。
電源経路制御ユニット12は、第1電力供給経路L1を介して第1電源PW1が停電状態であるか否かを検出して第1コンタクタ制御信号CS1及び第3コンタクタ制御信号CS3を出力する第1停電検出部51と、第1電力供給経路L1上に設けられ、第1コンタクタ制御信号CS1に基づいて第1電源PW1を遮断する第1コンタクタ52と、第2電力供給経路L2を介して第2電源PW2が停電状態であるか否かを検出して第2コンタクタ制御信号CS2及び第3コンタクタ制御信号CS3を出力する第2停電検出部53と、第2電力供給経路L2上に設けられ、第2コンタクタ制御信号CS2に基づいて第2電源PW2を遮断する第2コンタクタ54と、を備えている。
【0022】
さらに、電源経路制御ユニット12は、一端が第1電力供給経路L1の第1コンタクタ52の下流側に接続され、他端が第2電力供給経路L2の第2コンタクタ54の下流側に接続され、第1電力供給経路L1と第2電力供給経路L2とを短絡可能な第3コンタクタ55と、第1電力供給経路L1を介して第1電源PW1が接続される第1入力端子61と、第2電力供給経路L2を介して第2電源PW2が接続される第2入力端子62と、UPS本体ユニット11のバイパス電源入力端子21に接続される第1出力端子63と、UPS本体ユニット11のUPS電源入力端子22に接続される第2出力端子64と、を備えている。
【0023】
上記構成において、第1停電検出部51は、第1電力供給経路L1の電圧を検出し、第1電力供給経路L1の電圧が所定の閾値電圧以下となると、第1電源PW1が停電状態にあると判断して、第1コンタクタ制御信号CS1により第1コンタクタ52を開状態(オフ状態)として、第1電源PW1を遮断する。
【0024】
第1電源PW1を遮断後、第1停電検出部51は、第3コンタクタ制御信号CS3により第3コンタクタ55を閉状態(オン状態)として、第1電力供給経路L1と第2電力供給経路L2とを短絡する。
【0025】
また、第2停電検出部53は、第2電力供給経路L2の電圧を検出し、第2電力供給経路L2の電圧が所定の閾値電圧以下となると、第2電源PW2が停電状態にあると判断して、第2コンタクタ制御信号CS2により第2コンタクタ54を開状態(オフ状態)として、第2電源PW2を遮断する。
第2電源PW2を遮断後、第2停電検出部53は、第3コンタクタ制御信号CS3により第3コンタクタ55を閉状態(オン状態)として、第1電力供給経路L1と第2電力供給経路L2とを短絡する。
【0026】
すなわち、上記構成によれば、第1電源PW1あるいは第2電源PW2のいずれか一方が、停電状態となった場合には、第1電力供給経路L1と第2電力供給経路L2とを短絡することで、停電となっていない電力供給経路から停電となっている電力供給経路側にも電力を供給可能な状態とすることができるのである。
【0027】
以下、実施形態の動作について説明する。
[A]通常時の動作
まず通常時の動作について説明する。
【0028】
図4は、通常時のUPS本体ユニット及び電源経路制御ユニットの動作説明図である。
図4において、太線で表示されている部分は、電流流路あるいは電源電圧が印加されている部分を示している(以下、同様)。
【0029】
初期状態においては、図3に示したように、電源経路制御ユニット12において、第1コンタクタ52及び第2コンタクタ54は、閉状態(オン状態)である。
【0030】
またUPS本体ユニット11においては、図2に示したように、第1切替スイッチ24は閉状態(オン状態)であり、第2切替スイッチ26は閉状態(オン状態)であり、蓄電池ユニット13へ充電している。また、無瞬断切替スイッチユニット29において、トライアック41及び第4切替スイッチ42は、開状態(オフ状態)となっている。
【0031】
この状態において、電源経路制御ユニット12において、第1停電検出部51は、第1電力供給経路L1の電圧を検出することとなるが、第1電源PW1及び第2電源PW2の双方が正常であり電力供給が可能な通常時においては、第1電力供給経路L1の電圧は所定の閾値電圧を超えている。
【0032】
したがって、第1コンタクタ制御信号CS1により第1コンタクタ52は、閉状態(オン状態)のまま、維持される。同様に第1停電検出部51の第3コンタクタ制御信号CS3により第3コンタクタ55は開状態(オフ状態)のまま維持されている。
【0033】
また、電源経路制御ユニット12において、第2停電検出部53は、第2電力供給経路L2の電圧を検出することとなるが、第1電源PW1及び第2電源PW2の双方が正常であり電力供給が可能な通常時においては、第2電力供給経路L2の電圧は所定の閾値電圧を超えているので、第2コンタクタ制御信号CS2により第2コンタクタ54は、閉状態(オン状態)のまま、維持される。同様に第2停電検出部53の第3コンタクタ制御信号CS3により第3コンタクタ55は開状態(オフ状態)のまま維持されている。
【0034】
これらの結果、第2電源PW2から供給される交流電力は第2電力供給経路L2、UPS電源入力端子22及び第1切替スイッチ24を介して、コンバータ25に供給される。
コンバータ25は、入力された交流電力の交流/直流変換を行って所定電圧の直流電力に変換してインバータ27に出力する。
【0035】
これによりインバータ27は、直流/交流変換を行って所定の電圧及び周波数を有する交流電力を第3切替スイッチ28及びUPS出力端子23を介して負荷LDに供給することとなる。
【0036】
[B]第2電源停電時の動作
次に第2電源PW2の停電時の動作について説明する。
図5は、第2電源の停電時におけるUPS本体ユニット及び電源経路制御ユニットの動作説明図である。
初期状態においては、図4に示したように、電源経路制御ユニット12において、第1コンタクタ52及び第2コンタクタ54は、閉状態(オン状態)であるものとする。
【0037】
またUPS本体ユニット11においては、図4に示したように、第1切替スイッチ24は閉状態(オン状態)であり、第2切替スイッチ26は閉状態(オン状態)である。また、無瞬断切替スイッチユニット29において、トライアック41及び第4切替スイッチ42は、開状態(オフ状態)となっている。
【0038】
この状態において、第2電源PW2が停電になった場合には、UPS本体ユニット11においては、バイパス入力端子21を介し、無瞬断切替スイッチユニット29に電力入力しているが、UPS入力端子22には電力入力がなくなり、蓄電池ユニット13から第2切替スイッチ26を介してインバータ27の入力へ、インバータ27は、直流/交流変換を行い第3切替スイッチ28及びUPS出力端子23を介して負荷LDに電力継続供給されることになる。
電源経路制御ユニット12の第1停電検出部51は、第1電力供給経路L1の電圧を検出することとなるが、第2電源PW2の停電時時においても、第1電力供給経路L1の電圧は所定の閾値電圧を超えている。
【0039】
したがって、第1コンタクタ制御信号CS1により第1コンタクタ52は、閉状態(オン状態)のまま、維持される。同様に第1停電検出部51の第3コンタクタ制御信号CS3により第3コンタクタ55は開状態(オフ状態)のまま維持されている。
【0040】
一方、電源経路制御ユニット12において、第2停電検出部53は、第2電力供給経路L2の電圧を検出することとなるが、第2電源PW2の停電時時においては、第2電力供給経路L2の電圧は所定の閾値電圧以下となるので、第2コンタクタ制御信号CS2により第2コンタクタ54は、開状態(オフ状態)とされる。
【0041】
また、第2停電検出部53の第3コンタクタ制御信号CS3により第3コンタクタ55は閉状態(オン状態)とされる。
【0042】
これらの結果、第1電源PW1から供給される交流電力は、第1電力供給経路L1、第1入力端子61、第1コンタクタ52、第3コンタクタ55、第2出力端子64、UPS電源入力端子22及び第1切替スイッチ24を介して、コンバータ25に供給される。
【0043】
コンバータ25は、入力された交流電力の交流/直流変換を行って所定電圧の直流電力に変換してインバータ27に出力する。
【0044】
これによりインバータ27は、直流/交流変換を行って第3切替スイッチ28及びUPS出力端子23を介して負荷LDに供給されることとなり、UPS本体ユニット11においては通常時と同じ状態に戻ることになる。
【0045】
この場合において、第1電源PW1の電力供給能力が低下し、インバータ27により所定の電圧及び所定の周波数を有する交流電力の供給が困難となると予測される場合には、コントローラ30は、第2切替スイッチ26を閉状態として、蓄電池ユニット13から直流電力をインバータ27に対し供給する。
【0046】
この結果、蓄電池ユニット13からの供給電力に基づいて、インバータ27により電圧及び周波数をより安定化した交流電力を負荷LDに供給することができる。
【0047】
図6は、第2電源の停電中にさらにインバータ27が故障した場合のUPS本体ユニット及び電源経路制御ユニットの動作説明図である。
インバータ27が故障したことを検出すると、コントローラ30は、無瞬断切替スイッチユニット29において、まず、トライアック41を閉状態(オン状態)とする。
【0048】
これにより、第1電源PW1からの交流電力は、トライアック41の一方のサイリスタ(図6中、上側のサイリスタ)を介して、ダイレクトにUPS出力端子23から負荷LDに供給されるので、瞬断状態となることなく、交流電力の負荷LDへの供給が継続する。
【0049】
これと並行して、コントローラ30は、第4切替スイッチ42を閉状態(オン状態)とするとともに、第1切替スイッチ24、第2切替スイッチ26及び第3切替スイッチ28を開状態(オフ状態)に移行する。
【0050】
この結果、第4切替スイッチ42が確実に閉状態(オン状態)に移行した時間が経過すると、コントローラ30は、トライアック41を再び開状態(オフ状態)とする。
この結果、図6に示すように、第1電源PW1からの交流電力は、電源経路制御ユニット12の第1入力端子61、第1コンタクタ52、第1出力端子63を介して、UPS本体ユニット11のバイパス電源入力端子21に入力される。
【0051】
さらに第1電源PW1からの交流電力は、UPS本体ユニット11のバイパス電源入力端子21、無瞬断切替スイッチユニット29の第4切替スイッチ42及びUPS出力端子23を介して負荷LDに供給される。
【0052】
したがって、インバータ27が故障した場合であっても、継続して負荷LDに交流電力が供給される。
【0053】
以上の説明は、インバータ27が故障した場合のものであったが、コンバータ25が故障した場合であっても、同様に適用が可能である。
【0054】
またコンバータ25が故障し、インバータ27が正常である場合には、蓄電池ユニット13からインバータ27、第3切替スイッチ28及びUPS出力端子23を介して、負荷LDに交流電力を供給し、蓄電池ユニット13の蓄電量が所定の蓄電量を下回った場合に上述したように、無瞬断切替スイッチユニット29を介して第1電源PW1からの交流電力を負荷LDに供給するようにしてもよい。
【0055】
以上の説明のように、第2電源PW2の停電時であっても、電源経路制御ユニット12を介して第1電源PW1から電力がUPS本体ユニット11のコンバータ25の側にも電力が給されることで、第2電源PW2から電力が供給されている場合と同様に、UPS本体ユニット11のコンバータ25及びインバータ27により電圧及び周波数が安定した交流電力を負荷LDに供給することができる。
【0056】
[C]第1電源停電時の動作
次に第1電源PW1の停電時の動作について説明する。
図7は、第1電源の停電時におけるUPS本体ユニット及び電源経路制御ユニットの動作説明図である。
初期状態においては、図4に示したように、電源経路制御ユニット12において、第1コンタクタ52及び第2コンタクタ54は、閉状態(オン状態)であるものとする。
【0057】
またUPS本体ユニット11においては、図4に示したように、第1切替スイッチ24は閉状態(オン状態)であり、第2切替スイッチ26は開状態(オフ状態)である。また、無瞬断切替スイッチユニット29において、トライアック41は閉状態(オン状態)であり、第4切替スイッチ42は開状態(オフ状態)となっているものとする。
【0058】
この状態において、第1電源PW1が停電になった場合には、UPS本体ユニット11においては、バイパス入力端子21には電力供給が停止しているが、UPS入力端子22には電力入力があり、第1切替スイッチ24、コンバータ25、インバータ27、第3切替スイッチ28及びUPS出力端子23を介して負荷LDに電力継続供給している。
【0059】
電源経路制御ユニット12において、第1停電検出部51は、第1電力供給経路L1の電圧を検出することとなるが、第1電源PW1の停電時時においては、第1電力供給経路L1の電圧は所定の閾値電圧以下となるので、第1コンタクタ制御信号CS1により第1コンタクタ52は、開状態(オフ状態)とされる。
【0060】
また、第1停電検出部51の第3コンタクタ制御信号CS3により第3コンタクタ55は閉状態(オン状態)とされる。
【0061】
一方、電源経路制御ユニット12において、第2停電検出部53は、第2電力供給経路L2の電圧を検出することとなるが、第1電源PW1の停電時時であっても、第2電力供給経路L2の電圧は所定の閾値電圧を超えているので、第2コンタクタ制御信号CS2により第2コンタクタ54は、閉状態(オン状態)のまま、維持される。
【0062】
これらの結果、第2電源PW2から供給される交流電力は、第2電力供給経路L2、第2コンタクタ54、第2出力端子64からUPS電源入力端子22へ供給され、また、第2電力供給経路L2、第3コンタクタ55及び第1出力端子63に供給され、UPS本体ユニット11のバイパス電源入力端子21へ電力供給され、バイパス電源が復旧する。
【0063】
以上の説明のように、第2電源PW2の停電時であっても、第1電源PW1から電力が供給されることで、第2電源PW2から電力が供給されている場合と同様に、UPS本体ユニット11のコンバータ25及びインバータ27により電圧及び周波数が安定した交流電力を負荷LDに供給することができる。
【0064】
以上の説明のように、第1電源PW1の停電時であっても、電源経路制御ユニット12を介して第1電源PW1から電力がUPS本体ユニット11のコンバータ25の側にも電力が給されることで、第2電源PW2から電力が供給されている場合と同様に、UPS本体ユニット11のコンバータ25及びインバータ27により電圧及び周波数が安定した交流電力を負荷LDに供給することができる。
【0065】
以上の説明のように、本実施形態によれば、外部の電源である第1電源PW1あるいは第2電源PW2のいずれか一方が停電した場合であっても、UPS本体ユニット11からは、双方の電源源から交流電力が供給されている状態を維持することができるので、処理手順を変更することなく、負荷LDに対する交流電力供給を継続することができる。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10 UPSシステム
11 UPS本体ユニット
12 電源経路制御ユニット
13 蓄電池ユニット
21 バイパス電源入力端子
22 UPS電源入力端子
23 UPS出力端子
24 第1切替スイッチ
25 コンバータ
26 第2切替スイッチ
27 インバータ
28 第3切替スイッチ
29 無瞬断切替スイッチユニット
30 コントローラ
31 電池ユニット接続端子
41 トライアック
42 切替スイッチ
51 第1停電検出部
52 第1コンタクタ
53 第2停電検出部
54 第2コンタクタ
55 第3コンタクタ
61 第1入力端子
62 第2入力端子
63 第1出力端子
64 第2出力端子
CS1 第1コンタクタ制御信号
CS2 第2コンタクタ制御信号
CS3 第3コンタクタ制御信号
L1 第1電力供給経路
L2 第2電力供給経路
PW1 第1電源
PW2 第2電源
LD 負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7