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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177188
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】空気酸化型染毛剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20231206BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20231206BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
A61K8/49
A61K8/19
A61Q5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108717
(22)【出願日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】P 2022089304
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】楠見 真実
(72)【発明者】
【氏名】安永 芽生
(72)【発明者】
【氏名】水野 紗也
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB082
4C083AB311
4C083AB312
4C083AB352
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC182
4C083AC352
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC692
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD042
4C083AD072
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD162
4C083AD642
4C083BB24
4C083BB34
4C083BB43
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE26
(57)【要約】
【課題】 使用前におけるメラニン前駆体の高分子化を防止すると共に、その各剤を同時塗りすることで十分な染毛力を得る複数剤式の空気酸化型染毛剤を提供する。
【解決手段】 (A)成分であるメラニン前駆体を含有する酸性の剤と、(B)成分であるアルカリ剤を含有するアルカリ性の剤を含んで構成され、各剤を毛髪に同時塗りする複数剤式の染毛剤であって、各剤の混合時に総アルカリ度が3.0ml/g以下である空気酸化型染毛剤。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)成分を含有する酸性の剤と下記(B)成分を含有するアルカリ性の剤を含んで構成され、各剤を毛髪に同時塗りする複数剤式の染毛剤であって、各剤の混合時に総アルカリ度が3.0ml/g以下である空気酸化型染毛剤。
(A)メラニン前駆体
(B)アルカリ剤
【請求項2】
前記空気酸化型染毛剤の各剤の混合時にpHが8~11の範囲内である請求項1に記載の空気酸化型染毛剤。
【請求項3】
前記空気酸化型染毛剤のいずれか1以上の剤が下記(C)成分を含有する請求項1に記載の空気酸化型染毛剤
(C)カチオン性基を有するポリマー
【請求項4】
前記(A)成分が5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上である請求項1~請求項3のいずれかに記載の空気酸化型染毛剤。
【請求項5】
前記(B)成分には炭酸塩及び/又は重炭酸塩が含まれる請求項1~請求項3のいずれかに記載の空気酸化型染毛剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪色素であるメラニンの前駆体を酸化染料として用い、空気酸化によりこれを重合・発色させる空気酸化型染毛剤に関し、より具体的には、複数剤式であって各剤の混合物を毛髪に同時塗りする空気酸化型染毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドリン等はメラニン前駆体と呼ばれ、空気酸化により重合・発色してメラニンとなる。この点を利用して、酸化剤を配合しない空気酸化型染毛剤が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-322037号公報
【特許文献2】特開2018-52833号公報
【0004】
特許文献1は、所定の一般式で示すインドリン誘導体又はその塩及びアミン又はその塩を必須成分とする一剤式の空気酸化型染毛剤組成物を開示する。組成物のpHを8.5~11の範囲内に調整することにより、染毛力に優れ赤味のない黒色に染毛できる一剤式の染毛剤組成物を提供できる、としている。
【0005】
特許文献2は、5,6-ジヒドロキシインドール又はその塩類及びアスコルビン酸又はその塩類を含有するpH3~8のa剤と、アルカリ剤等を含有しpH8~11のb剤とを備えた空気酸化型の2剤型染毛剤を開示する。この2剤型染毛剤は使用時において、まずa剤を毛髪に適用してしばらく放置した後、これを拭き取ってb剤を毛髪に適用する「2度塗り」方式である。
【0006】
以上の特許文献1、2から示唆されるように、メラニン前駆体の酸化重合反応には一定のpH依存性があるとされており、一般的にpH8~11程度の範囲が好ましいと考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載の空気酸化型染毛剤は1剤式であるため、使用時の操作が比較的簡便である。しかし、メラニン前駆体が予めアルカリ性の剤に含有されているため、その剤にアスコルビン酸等の還元剤を配合するとしても、保管時(使用前)にメラニン前駆体の酸化重合反応がある程度進行し、高分子化する恐れがある。高分子化したメラニンは毛髪中へ浸透しないため、染毛処理後の水洗い等により毛髪から脱落し易く、染毛力が劣る。
【0008】
これに対して、例えば特許文献2に記載の空気酸化型染毛剤のように2剤式に構成し、メラニン前駆体を酸性の剤に含有させれば、使用前におけるメラニン前駆体の重合反応(高分子化)を回避できる。そして使用時には、酸性の剤を毛髪に適用して処理した後、この酸性の剤を毛髪表面から拭き取って、別途に準備しておいたアルカリ性の剤を毛髪に適用すれば、メラニン前駆体の酸化重合反応を起こすことができる。
【0009】
しかし、特許文献2に記載の2剤型空気酸化型染毛剤は塗布→拭き取り→塗布の「2度塗り」であって、手間の点でも、所要時間の点でも、使用者にとって負担が大きい。敢えて面倒な2度塗り方式を採用する理由として、以下の事情が推測される。
【0010】
即ち、特許文献2に記載のa剤とb剤とを予め混合してから毛髪に同時塗りすると、メラニン前駆体が毛髪中へ十分に浸透する前に、その酸化重合反応による高分子化が進行し、毛髪中に十分に浸透した状態においてメラニンを形成することができない。そのため、染毛力が不十分となる。a剤とb剤とを予め混合せずに頭髪に順次適用し頭髪上で混合する場合でも、結果的にa剤とb剤の同時塗り状態となるので、上記同様の結果を来たすと考えられる。
換言すれば、特許文献2に記載の2剤型空気酸化型染毛剤は特許文献1に記載の一剤式染毛剤における「使用前のメラニン前駆体の高分子化」と言う不具合を回避しているが、反面、十分な染毛力を得るために不便な2度塗りを余儀なくされている。
【0011】
そこで本発明は、空気酸化型染毛剤を複数剤式に構成し使用前におけるメラニン前駆体の高分子化を防止すると共に、その各剤を毛髪に同時塗りしても満足な染毛力が得られるようにすることを、解決すべき技術的課題とする。また、染毛後の毛髪ダメージの抑制と言う染毛剤としての一般的要求に対応すること、更に、好適な追加成分の配合により空気酸化型染毛剤の染毛力を更に向上させることも、追加的な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明は、下記(A)成分を含有する酸性の剤と下記(B)成分を含有するアルカリ性の剤を含んで構成され、各剤を毛髪に同時塗りする複数剤式の染毛剤であって、各剤の混合時に総アルカリ度が3.0ml/g以下である空気酸化型染毛剤である。
(A)メラニン前駆体
(B)アルカリ剤
【0013】
上記の第1発明において「総アルカリ度」とは、試料中の酸消費成分量あるいは試料中のアルカリ由来の遊離[OH-]量を意味するパラメーターであって、具体的には試料である各剤の混合液1gを0.1Nの塩酸で中和滴定したときに要した塩酸のmL単位の量を言う。なお、各剤の混合物が、アルカリ剤の種類により、又は2種以上のアルカリ剤の配合により、複数の中和点を示す場合があるが、このような場合の総アルカリ度とは、最後の中和点までに消費した上記塩酸のmL単位の量を言う。また、「同時塗り」とは酸性の剤とアルカリ性の剤が一緒に毛髪に適用された状態とすることを言い、そのためには、この両剤を予め混合して毛髪に適用しても良く、混合せずに両剤を順次毛髪に適用しても良い。特許文献2に記載の発明との基本的な相違点は、アルカリ性の剤(b剤)の適用前に、酸性の剤(a剤)を拭き取る必要がない点である。
【0014】
また、「複数剤式の染毛剤」には、(A)成分を含有する酸性の剤と(B)成分を含有するアルカリ性の剤からなる2剤式の染毛剤の他、毛髪への同時塗りの際に前記2剤式の染毛剤と共に混合される他の1又は2以上の剤を含む複数剤式の染毛剤も含まれる。毛髪への適用の際に、上記した酸性の剤やアルカリ性の剤と同時塗りする必要のない付加的な剤は、第1発明の染毛剤の構成要素であっても良く、なくても良い。(A)成分であるメラニン前駆体には、次の第2発明で列挙する5,6-ジヒドロキシインドールや5,6-ジヒドロキシインドリン又はそれらの-2-カルボン酸誘導体以外の、空気酸化により酸化重合されて発色する性質を保持した各種誘導体やその塩が包含される。
【0015】
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明においては、前記第1発明に係る空気酸化型染毛剤の各剤の混合時にpHが8~11の範囲内である。
【0016】
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明においては、前記第1発明に係る空気酸化型染毛剤のいずれか1以上の剤が下記(C)成分を含有する。
(C)カチオン性基を有するポリマー
即ち、空気酸化型染毛剤には、そのいずれか1以上の剤が(C)成分を含有する2剤式の染毛剤の他、毛髪への同時塗りの際に前記2剤式の染毛剤と共に混合される、(C)成分を含有し又は含有しない他の1又は2以上の剤を含む複数剤式の染毛剤も含まれる。
【0017】
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明においては、前記第1発明~第3発明のいずれかに係る(A)成分が5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上である。
【0018】
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明においては、前記第1発明~第3発明のいずれかに係る(B)成分には炭酸塩及び/又は重炭酸塩が含まれる。
【発明の効果】
【0019】
(第1発明の効果)
第1発明によれば、空気酸化型染毛剤を複数剤式に構成し、その内の酸性の剤が(A)成分であるメラニン前駆体を含有するので、使用前の保管時においてメラニン前駆体が酸化重合して高分子化する恐れがなく、メラニン前駆体の保存安定性が高い。従って染毛剤の染毛力が低下する恐れがない。
【0020】
次に、染毛剤の使用時には酸性の剤をアルカリ性の剤と同時塗りし、メラニン前駆体の酸化重合反応が起こる条件を整えることができる。そして各剤の混合時に総アルカリ度が3.0ml/g以下であると、特許文献2に関して前記したような「低分子量のメラニン前駆体が毛髪中へ十分に浸透する前に酸化重合反応による高分子化が進行し、染毛力に直結しない」と言う問題は起こらない。
【0021】
即ち、アルカリ性の剤に用いるアルカリ剤として、例えばアンモニアと共に炭酸塩や重炭酸塩を使い分けると、混合時のpHと総アルカリ度を別途に調節できる。そのような実施例の試行を通じて、本願発明者は、第1にメラニン前駆体の酸化重合反応(染毛力効果)が、pH依存性と言うより、本質的には各剤混合時の総アルカリ度(アルカリ由来の遊離[OH-]量)に依存することを突き止めた。第2に各剤混合時の総アルカリ度を3.0ml/g以下に調整しておくと、メラニン前駆体の酸化重合反応が有効に遅延して、メラニン前駆体の毛髪への浸透後に起こることを突き止めた。
【0022】
本発明の空気酸化型染毛剤による上記の染毛力効果は、1剤式である特許文献1の空気酸化型染毛剤や、2剤式であって第1剤(酸性の剤)と第2剤(アルカリ性の剤)とを混合することなく「2度塗り」する特許文献2の空気酸化型染毛剤からは、開示・示唆されない。
【0023】
(第2発明の効果)
第2発明によれば、各剤の混合時にpHが8~11の範囲内であることは、本発明の上記した染毛力効果に対する決定因子ではないが、染毛力を更に向上させると共に染毛後の毛髪ダメージを抑制する上での有効な条件となる。
【0024】
(第3発明の効果)
第3発明によれば、第1発明に係る空気酸化型染毛剤のいずれか1以上の剤が(C)成分であるカチオン性基を有するポリマー(例えばカチオン性ポリマーや両性ポリマー)を含有するので、染毛剤の染毛力を更に向上させることができる。その理由は、カチオン性基を有するポリマーがアニオン性である毛髪表面に吸着される性質を持ち、ひいてはメラニン前駆体やメラニンを毛髪から脱落し難くする点にあると考えられる。なお、カチオン性基を有するポリマーであっても、アミノ変性シリコーンには、このような染毛力向上効果を確認していない。
【0025】
(第4発明の効果)
メラニン前駆体としては第4発明に規定する4種類のメラニン前駆体やその塩が好ましく例示される。第1発明の効果との関係では、5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上が、より好ましい可能性がある。
【0026】
(第5発明の効果)
(B)成分であるアルカリ剤は、炭酸塩及び/又は重炭酸塩を含むことが好ましい。炭酸Na等の炭酸塩は反応系の総アルカリ度とpHを上げ、重炭酸Na等の重炭酸塩は反応系の総アルカリ度を上げ、pHを下げる作用があるため、例えばアンモニアとの併用により、各剤混合時のpHと総アルカリ度の調節に便宜である。更に、結果的にアンモニア臭を抑制する効果も得る。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に本発明の実施形態を、その最良の形態を含めて説明する。本発明の技術的範囲は以下の実施形態によって限定されない。
【0028】
〔空気酸化型染毛剤〕
本発明の空気酸化型染毛剤は、毛髪色素であるメラニンの前駆体を用い、これを空気酸化により重合・発色させる。この染毛剤は少なくとも(A)成分であるメラニン前駆体を含有する酸性の剤と、(B)成分であるアルカリ剤を含有するアルカリ性の剤とを含む2剤式以上の複数剤式に構成される。少なくとも、(A)成分であるメラニン前駆体を含有する酸性の剤と、(B)成分であるアルカリ剤を含有するアルカリ性の剤とは、「同時塗り」方式で、混合後に毛髪に適用され、又は混合せずに毛髪に順次適用される。
【0029】
更に空気酸化型染毛剤は、そのいずれか1以上の剤が(C)成分であるカチオン性基を有するポリマーを含有することが、特に好ましい。
【0030】
染毛剤は通常は2剤式であるが、例えば、(A)成分及び(B)成分のいずれも含有しない適宜な組成の第3剤を任意の構成要素として付加した3剤式等の多剤式としても良い。2剤式の染毛剤におけるアルカリ性の剤と酸性の剤との混合比は適宜に設定されるものであり、各剤の混合時に総アルカリ度が3.0ml/g以下、好ましくはpHが8~11の範囲内となることを前提に、例えばアルカリ性の剤:酸性の剤=1:5~5:1の範囲内で任意に設定しても良く、具体的には例えば1:1、1:1.5、1.5:1等の混合比としても良い。
【0031】
各剤の剤型は限定されないが、水を基材とする液状の剤型が好ましい。各剤の内の一部の剤を粉末状又は顆粒状とすることもできる。液状の剤型としては、限定はされないが、可溶化物(溶液状)、乳化液状、ゲル状、クリーム状等が例示される。特に乳化液状、クリーム状が好ましい。エアゾール式でクリーム状に吐出し又は噴射剤と共に泡状で吐出して使用することも好ましい。
エアゾール式の空気酸化型染毛剤とする場合、エアゾール容器としては、酸性の剤の充填容器とアルカリ性の剤の充填容器を備え、酸性の剤とアルカリ性の剤を同時に吐出できるものであることが好ましい。
エアゾール容器の吐出機構としては例えば、ジメチルエーテル、液化石油ガス、窒素ガス等の噴射剤を充填し、噴射剤の圧力によってステムから内容物(酸性の剤、アルカリ性の剤)を吐出可能な1対のエアゾール缶と、これらのエアゾール缶を連結する部材と、1対のエアゾール缶のステムを外部から同時に押圧するための操作部材と、ステムから排出された内容物を外部へ吐出する吐出部材を備えるものが例示される。更には、噴射剤を充填した1個のエアゾール缶の内部に酸性の剤とアルカリ性の剤をそれぞれ充填した2個の内袋をステム付きで収容し、これらの内袋が常に同一の吐出圧を受けるように構成した分離充填同一加圧型の二重構造エアゾール容器も例示される。
【0032】
〔pH及び総アルカリ度〕
本発明の空気酸化型染毛剤は、各剤の混合時(使用時)において好ましくはpH8~11の範囲内、より好ましくはpH9~10の範囲内である。本発明の空気酸化型染毛剤の各剤混合時におけるpHは、各剤混合物を水で10%に希釈した直後に測定した値である。測定方法としては、HОRIBA社製pH-METER F-22等のpHメーターを用いて測定することができる。混合時にpHが8~11の範囲内であると、pHが低過ぎることによる空気酸化型染毛剤の染毛性能の低下や、pHが高すぎることによる毛髪損傷が起こり難い。酸性の剤は、含有するメラニン前駆体の保存安定性の見地から、pH3~7程度、より好ましくはpH3~5程度とされる。アルカリ性の剤は、各剤の混合時において染毛剤のpHが8~11の範囲内となるように調整されることが好ましい。
【0033】
染毛剤は、高い染毛力を実現する見地から、各剤の混合時において総アルカリ度を3.0ml/g以下とする必要があり、更に好ましくは2.5ml/g以下、特に好ましくは2.0ml/g以下とする。一方、総アルカリ度の低い側の値は限定されないが、好ましくは0.4ml/g以上、更に好ましくは0.8ml/g以上、特に好ましくは1.2ml/g以上とする。各剤の混合時においてpH8~11の範囲内とし、かつ総アルカリ度3.0ml/g以下とするための効果的な手段が、(B)成分であるアルカリ剤として後述の炭酸塩及び/又は重炭酸塩を用いることである。
【0034】
〔空気酸化型染毛剤の重要成分〕
〔酸性の剤に固有の含有成分〕
酸性の剤は(A)成分であるメラニン前駆体を含有する。メラニン前駆体の種類は限定されないが、5,6-ジヒドロキシインドール、5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸、5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上が好ましく、5,6-ジヒドロキシインドリン、5,6-ジヒドロキシインドリン-2-カルボン酸及びこれらの塩から選ばれる1種以上がより好ましい。
【0035】
上記の塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩等が例示されるが、中でも臭化水素酸塩、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩又は乳酸塩が好ましい。
【0036】
酸性の剤における(A)成分含有量は限定されないが、各剤混合時において0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上が更に好ましい。また、各剤混合時において、2.0質量%以下が好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。(A)成分の含有量が各剤混合時に0.001質量%以上であると染毛力に優れ、2.0質量以下であると毛髪外で(A)成分が重合してしまう割合が低くなり、(A)成分の配合量に応じた染毛効果が得られ易くなる。
【0037】
酸性の剤は、そのpHを3~7程度とするためのpH調整剤、及び(A)成分の保存安定性を高めるための還元剤を含有することができる。
pH調整剤としては、塩酸、オルトリン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸等の各種の酸を使用できる。その他、水酸化ナトリウム、アンモニア、アルキルアミン等のアルカリも適宜に使用することができる。
還元剤としては、アスコルビン酸、亜硫酸、L-システイン、チオグリコール酸及びそれらの塩等を使用できる。酸性の剤における還元剤の含有量は限定されないが、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上が特に好ましい。また、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。
【0038】
なお、本発明の染毛剤は、酸性の剤において過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、過硫酸アンモニウム等の酸化剤を含有しない。仮に酸化剤を含有するとしても含有量は酸性の剤における1質量%以下であり、好ましくは00.5質量%以下である。
【0039】
〔アルカリ性の剤に固有の含有成分〕
アルカリ性の剤は(B)成分であるアルカリ剤を含有する。アルカリ剤の種類は限定されないが、アンモニアの他に、電解質アルカリ剤として炭酸塩、炭酸水素塩(重炭酸塩)を好ましく用いることができる。また、これらの電解質アルカリ剤ではカウンターイオン種によって染毛力が異なり、染毛力の点からアンモニウム塩よりも金属塩が好ましく、金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩が特に好ましい。
【0040】
アルカリ剤として、例えばアンモニアと共に炭酸塩及び/又は重炭酸塩を併用すると、「第5発明の効果」欄で前記した理由から、特に優れた染毛力、毛髪の損傷防止効果、及びアンモニア臭の抑制効果を得る。この場合における炭酸塩及び/又は重炭酸塩の合計含有量は、各剤の混合時に0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上が特に好ましい。一方、1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下が特に好ましい。
【0041】
アルカリ剤の好ましい実施形態として、28%アンモニア水等のアンモニアと炭酸ナトリウムの併用、アンモニア、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)の併用、アンモニアと炭酸水素アンモニウムの併用、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの併用を例示できる。アルカリ剤の含有量は限定されないが、メラニン前駆体の重合を確保する点からは、剤の混合時において好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上である。一方、染毛時の毛髪ダメージを低減する点からは、剤の混合時において好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、特に好ましくは1.8質量%以下である。
【0042】
アンモニア、炭酸塩、重炭酸塩以外のアルカリ剤として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、イソプロピルアミン等のアルカノールアミンが例示される。ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩も例示される。各種のメタケイ酸塩、リン酸塩、塩基性アミノ酸、水酸化物等も例示される。
【0043】
アルカリ性の剤は、また、染毛効果を補強するための直接染料を含有することができる。直接染料の種類は限定されないが、酸性染料、ニトロ染料、分散染料、塩基性染料等が例示される。
【0044】
酸性染料としては黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、青色1号、紫色401号、酸性橙3等が例示され、ニトロ染料としては2-ニトロパラフェニレンジアミン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-ニトロオルトフェニレンジアミン、HC青2、HC橙1、HC赤13、HC黄4、HC黄2等が例示され、分散染料としては分散紫1、分散青1、分散黒9等が例示され、塩基性染料としては塩基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性赤51、塩基性黄57、塩基性黄87等が例示される。これらのうち、染毛力の観点から酸性染料及び/又はニトロ染料から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、HC赤13、HC黄4、HC黄2から選ばれる1種以上を含有することが特に好ましい。
【0045】
〔含有する剤を限定されない重要成分〕
酸性の剤、アルカリ性の剤、あるいはこれらの剤と使用時に混合されるその他の剤のいずれか1以上の剤が、(C)成分であるカチオン性基を有するポリマーを含有することが、特に好ましい。カチオン性基を有するポリマーとしては、カチオン性ポリマー、両性ポリマーを例示することができる。
【0046】
カチオン性ポリマーに関しては毛髪の感触向上効果が大きい。一方、例えばマーコート3330(ポリクオタニウム-39)のような両性ポリマーを配合した場合には、例えばマーコート100(ポリクオタニウム-6)のようなカチオン性ポリマーとの比較で、感触向上効果は劣るが、染毛力の向上効果が優れる。染毛力の向上も併せて図る場合、カチオン性ポリマーの分子量は限定されないが、1万以上が好ましく、10万以上が更に好ましく、14万以上が特に好ましい。又、カチオン性ポリマーのカチオン密度(meq/g)は限定されないが、25以下が好ましく、15以下が更に好ましく、8以下が特に好ましい。
【0047】
上記の分子量が1万以上のカチオン性ポリマーを配合した場合に染毛力の向上も図れる理由は、ポリマーの重合度が高い場合にはメラニン前駆体に対する重合阻害作用が起こり、青みを帯びた低重合度のメラニンとなるため、濃く染まって見えるためである、と推測している。
【0048】
上記のカチオン密度(meq/g)が25以下のカチオン性ポリマーを配合した場合に染毛力の向上も図れる理由は、理論上、カチオン電荷密度が低いほど、イオンコンプレックスによる染毛阻害が起こり難いためであると推測している。
【0049】
なお、本発明の空気酸化型染毛剤の混合時における(C)カチオン性基を有するポリマーと(A)メラニン前駆体との含有量比率(A)/(C)は、染毛力の観点からは0.001以上が好ましく、0.1以上が更に好ましく、5以上が特に好ましい。一方、感触の観点からは25以下が好ましく、20以下が更に好ましく、15以下が特に好ましい。
【0050】
カチオン性ポリマーとしては、カチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合物、4級化ポリビニルピロリドン誘導体等の高分子が挙げられる。
より具体的には、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム等が例示される。
【0051】
空気酸化型染毛剤の混合時における(C)カチオン性基を有するポリマーの含有量は限定されないが、好ましくは各剤混合時に0.01~5質量%の範囲内、より好ましくは0.05~2質量%の範囲内である。
〔空気酸化型染毛剤の任意成分〕
空気酸化型染毛剤を構成する酸性の剤、アルカリ性の剤、あるいはその他の剤は、それぞれ、下記の高級アルコール、界面活性剤、油性成分、水溶性溶剤等を任意に含有することができる。
【0052】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール(セタノール)、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール等が例示される。
【0053】
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0054】
カチオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム( セトリモニウムクロリド) 、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、及びメチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウムを例示できる。
【0055】
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、「POE」と言う)セチルエーテル、POEステアリルエーテル、モノオレイン酸POEソルビタン、POEメチルグルコシド等が例示され、カチオン界面活性剤としてはアルキルトリメチルアンモニウム又はその塩、ジアルキルジメチルアンモニウム又はその塩、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が例示され、アニオン界面活性剤としてはアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩等が例示され、両性界面活性剤としてはラウラミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等が例示される。
【0056】
なお、ノニオン界面活性剤の内、エチレンオキサイド鎖が短いPOE付加型のノニオン界面活性剤は、本発明の染毛剤の染毛力を向上させる。具体的には、エチレンオキサイドの付加モル数は100以下が好ましく、50以下が更に好ましい。
【0057】
油性成分としては、ロウ類、炭化水素、植物油、動物油、エステル油、脂肪酸、シリコーン類が挙げられる。
【0058】
ロウ類としては、ミツロウ、ラノリン、キャンデリラロウ、カルナウバロウが例示される。炭化水素としてはパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、軽質流動イソパラフィン、流動パラフィンが例示される。植物油としてはアボカド油、オリーブ油、ヒマワリ油、サフラワー油、ツバキ油、大豆油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油が例示され、動物油としてはミンク油、いわし油、たら肝油、羊脂、牛脂、豚脂、卵黄油等が例示される。
【0059】
エステル油としては、アジピン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、オクタン酸セチル等が例示される。脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸等が例示される。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン(INCI名:ジメチコン)、ヒドロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン(INCI名:ジメチコノール)、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等が例示される。
【0060】
水溶性溶剤としては多価アルコール、低級アルコール等が挙げられるが、多価アルコールおよび低級アルコールは空気酸化型染毛剤の染毛力を向上させる。多価アルコールとしてはプロピレングリコール及びポリエチレングリコール、エトキシジグリコールが好ましく、低級アルコールとしてはエタノールが好ましいが、ポリエチレングリコールがとりわけ好ましい。
【0061】
本発明の空気酸化型染毛剤は、上記の任意成分以外に、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、有機溶剤、ソルビトール、マルトース等の糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム液等のキレート剤、塩化ナトリウム等の無機塩、育毛成分、植物抽出物、生薬抽出物、アミノ酸・ペプチド、尿素、ビタミン類、香料、及び紫外線吸収剤等を任意に含有することができる。
【実施例0062】
以下に本発明の実施例を、対応する比較例と共に説明する。本発明の技術的範囲はこれらの実施例、比較例によって限定されない。
【0063】
〔空気酸化型染毛剤の調製〕
末尾の表1及び表3に示す実施例1~12及び比較例1~2に係る2剤式空気酸化型染毛剤の酸性の剤、アルカリ性の剤を、いずれも常法に従ってクリーム状に調製した。各実施例及び各比較例に係る酸性の剤及びアルカリ性の剤の組成中、「共通ベース」と表記したものは、いずれも表2に示す組成のベースである。
【0064】
表1~3に示す各成分中、本発明の(A)成分、(B)成分又は(C)成分に該当するものは、それぞれ成分名の左側欄に「A」、「B」、「C」と表記した。成分名欄における「ジヒドロキシインドリンHBr」はジヒドロキシインドリンの臭化水素酸塩を示す。また、各成分についての表中の数値は、当該酸性の剤中又はアルカリ性の剤中における当該成分の質量%単位の含有量を示す。
【0065】
次に、各実施例、各比較例に係る酸性の剤及びアルカリ性の剤は、表1、3に示す「混合比」の欄に示すように、全て使用時に1:1の質量比で混合して毛髪に適用されるものである。表1、3に示す項目「A/C」は、各実施例及び各比較例に係る酸性の剤とアルカリ性の剤との混合時における、(C)成分含有量に対する(A)成分含有量の質量比を意味する。従って、例えば実施例1のA/Cは1.5/(0.1+0.1)=7.5となる。
【0066】
各実施例、各比較例に係る酸性の剤及びアルカリ性の剤の混合時、それらの混合剤の一部を用いて総アルカリ度(ml/g)とpHを測定した。それらの測定結果を表1、表3の「混合時総アルカリ度〔ml/g〕」、「混合時pH」の欄に示す。
【0067】
〔空気酸化型染毛剤の評価〕
染毛力の評価
各実施例、各比較例に係る酸性の剤及びアルカリ性の剤を、評価の直前に1:1の質量比でそれぞれ混合し、混合した組成物1gを、刷毛を用いてビューラックス社製の長さ10cmの白色毛束サンプル1gに均一に塗布した。塗布後の毛束サンプルを30℃の恒温槽中で10分間放置した後、水洗いした。水洗い後の毛束サンプルを温風で乾燥し、評価用毛束サンプルを得た。
【0068】
各実施例、各比較例に係る評価用毛束サンプルの染毛状態について、訓練を受けた専門のパネリスト10名が目視にて、以下5段階の評価基準のポイントに基づき、染毛力をポイントで評価した。各パネリストは評価に当たり、5段階の評価基準を具体的に示す染毛毛束サンプル見本を参照した。各実施例、各比較例ごとに10名のパネリストの評価点の平均値をとり、小数点以下の数値がある場合はこれを四捨五入して、評価点を決めた。
5:染毛力が非常に高い。
4:染毛力が高い。
3:染毛力がやや高い。
2:染毛力が低い。
1:染毛力が非常に低い。
各実施例、各比較例の評価結果を表1、2の「染毛力」の欄に示す。
【0069】
処理後の毛髪感触の評価
各実施例、各比較例に係る酸性の剤及びアルカリ性の剤を、評価の直前に1:1の質量比でそれぞれ混合し、ビューラックス社製の長さ30cmの白色毛束サンプルに対して、当該毛束重量と同一重量の上記混合物を刷毛を用いて均一に塗布した。塗布後の毛束サンプルを30℃の恒温槽中で10分間放置した後、水洗いした。水洗い後の毛束サンプルを温風で乾燥し、評価用毛束サンプルを得た。
【0070】
各実施例、各比較例に係る評価用毛束サンプルの毛髪感触について、訓練を受けた専門のパネリスト10名が手で触り、毛髪感触を「良い」、「悪い」の二者択一で評価した。そして「良い」と判断したパネリストの人数に応じて、以下の5段階の評価ポイントを設定した。
5:「良い」と判断したパネリストが8名以上であった。
4:「良い」と判断したパネリストが6~7名であった。
3:「良い」と判断したパネリストが4~5名であった。
2:「良い」と判断したパネリストが2~3名であった。
1:「良い」と判断したパネリストが1名以下であった。
各実施例、各比較例の評価結果を表1、2の「処理後の毛髪感触」の欄に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明によれば、使用前におけるメラニン前駆体の高分子化を防止すると共に、その各剤を混合して同時塗りすることで十分な染毛力を得る複数剤式の空気酸化型染毛剤が提供される。