(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177204
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/34 20180101AFI20231206BHJP
【FI】
G06F8/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166016
(22)【出願日】2022-10-17
(62)【分割の表示】P 2022089222の分割
【原出願日】2022-05-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月11日のウェブサイトにおける掲載、ウェブサイトのアドレス:https://exawizards.com/archives/19685,https://exawizards.com/en/archives/19692
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月11日のウェブサイトにおける掲載、ウェブサイトのアドレス:https://ssl4.eir-parts.net/doc/4259/ir_material_for_fiscal_ym/117156/00.pdf,https://ssl4.eir-parts.net/doc/4259/ir_material_for_fiscal_ym/117507/00.pdf,https://www.youtube.com/watch?=4suuVnZXP5o
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年5月11日の刊行物における掲載、日経経済新聞、ウェブサイトのアドレス:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC067IV0W2A500C2000000/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年4月28日の講演会における発表、JEDIN、ウェブサイトのアドレス:https://vimeo.com/705255845
(71)【出願人】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(72)【発明者】
【氏名】坂根 裕
(72)【発明者】
【氏名】春田 真
(72)【発明者】
【氏名】石山 洸
(72)【発明者】
【氏名】前田 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】大字 沙織
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昇平
(72)【発明者】
【氏名】小俣 剛貴
(72)【発明者】
【氏名】キューティー パトリック
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376BC07
5B376BC14
5B376BC23
5B376BC43
(57)【要約】
【課題】 自由度が高いシステム開発を容易にできるようにする。
【解決手段】
一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、システムの設計画面を表示する処理と、ユーザ操作に応じて、前記設計画面に、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応するコンポーネント画像と、前記システムコンポーネント間のデータフローを示すフロー画像と、を配置する処理と、前記設計画面に配置された前記コンポーネント画像及び前記フロー画像に基づいて、前記システムの設計ファイルを生成する処理と、を含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
システムの設計画面を表示する処理と、
ユーザ操作に応じて、前記設計画面に、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応するコンポーネント画像と、前記システムコンポーネント間のデータフローを示すフロー画像と、を配置する処理と、
前記設計画面に配置された前記コンポーネント画像及び前記フロー画像に基づいて、前記システムの設計ファイルを生成する処理と、
を含む情報処理方法。
【請求項2】
前記システムコンポーネントの種類は、UI、エンドポイント、エンティティ、トリガー、データソース、ストレージ、パイプライン、ファンクション及びAIモデルの少なくとも1つを含む
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記システムコンポーネントの内容は、前記コンポーネント画像の配置後に追加される
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記フロー画像は、前記コンポーネント画像間を接続する矢印である
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記設計ファイルは、XMLファイル、YAMLファイル又はJSONファイルである
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記設計ファイルに基づいて、前記システムのインフラを構築する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記インフラの構築は、APIゲートウェイの立ち上げ、DBの立ち上げ、仮想マシンの立ち上げ、ストレージの準備及びネットワークの設定の少なくとも1つを含む
請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
システムの設計画面を表示する処理と、
ユーザ操作に応じて、前記設計画面に、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応するコンポーネント画像と、前記システムコンポーネント間のデータフローを示すフロー画像と、を配置する処理と、
を実行する表示制御部と、
前記設計画面に配置された前記コンポーネント画像及び前記フロー画像に基づいて、前記システムの設計ファイルを生成する生成部と、
を含む情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
システムの設計画面を表示する処理と、
ユーザ操作に応じて、前記設計画面に、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応するコンポーネント画像と、前記システムコンポーネント間のデータフローを示すフロー画像と、を配置する処理と、
前記設計画面に配置された前記コンポーネント画像及び前記フロー画像に基づいて、前記システムの設計ファイルを生成する処理と、
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ノーコードやローコードでシステム開発を可能にするサービスが提供されている。例えば、スプレッドシートを利用してアプリケーションを開発する方法として、引用文件1には、少なくとも1つのウェブページを備える対話型ウェブアプリケーションを生成するためのコンピュータにより実施される方法であって、それぞれゼロ又はそれ以上のデータレコードを有する、スプレッドシート内の1つ又は複数のデータソースを決定することと、前記データソースは、前記スプレッドシートの第1の部分を備え、それぞれ前記データソースのうちの1つ又は複数に関するデータフォーマットを備える、前記スプレッドシート内からの1つ又は複数のユーザインターフェース・テンプレートを決定することと、前記ユーザインターフェース・テンプレートは、前記スプレッドシートの第2の部分を備え、前記スプレッドシート内で識別されるデータソースからのデータレコードを備えるウェブデータストアを生成することと、特定のウェブページに対応する1つ又は複数のユーザインターフェース・テンプレートに基づいて対話型ウェブアプリケーションの特定のウェブページを生成することと、前記特定のウェブページは、前記特定のウェブページに対応する1つ又は複数のユーザインターフェース・テンプレートに基づいて識別される1つ又は複数のデータソースを参照し、前記対話型ウェブアプリケーションの特定のウェブページの提示に関する要求に応答して、前記特定のウェブページに対応する1つ又は複数のユーザインターフェース・テンプレートにより識別される及びフォーマットされる1つ又は複数のデータレコードを含む特定のウェブページの提示を生成することと、前記スプレッドシートに基づいて生成された対話型ウェブアプリケーションの入力ページを介してユーザ入力を受信することに応答して前記ウェブデータストアを更新することと、を含む、方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、予め用意されたシステムコンポーネントを組み合わせることしかできないため、開発の自由度が低かった。開発の自由度を高めるために、システムコンポーネント自体を自由に開発できるようにすると、ノーコードやローコードでの開発が困難になった。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、自由度が高いシステム開発を容易にできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、システムの設計画面を表示する処理と、ユーザ操作に応じて、前記設計画面に、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応するコンポーネント画像と、前記システムコンポーネント間のデータフローを示すフロー画像と、を配置する処理と、前記設計画面に配置された前記コンポーネント画像及び前記フロー画像に基づいて、前記システムの設計ファイルを生成する処理と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
一実施形態によれば、自由度が高いシステム開発を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】開発支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】開発支援装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】開発支援装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0010】
<開発支援装置1の概要>
まず、本実施形態に係る開発支援装置1の概要について説明する。本実施形態に係る開発支援装置1は、ユーザがシステム開発を行うための情報処理装置である。ここでいうシステムは、1又は複数の情報処理装置、センサ、設備機器等の組み合わせにより構成される、情報処理システム又は制御システムである。ユーザは、開発支援装置1の画面上で、コンポーネント画像c及びフロー画像fを配置することにより、所望のシステムを設計する。また、ユーザは、配置したコンポーネント画像cに、システムコンポーネントの内容(詳細設定やソースコード)を追加する。
【0011】
開発支援装置1は、ユーザにより設計されたシステムの設計ファイルを自動で生成し、設計ファイルに従って、システムを実行可能なインフラを自動で構築する。開発支援装置1は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン又はタブレット端末であるが、これに限られない。開発支援装置1の機能は、サーバを含む複数の情報処理装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0012】
<開発支援装置1のハードウェア構成>
次に、開発支援装置1のハードウェア構成について説明する。
図1は、開発支援装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示すように、開発支援装置1は、バスBを介して相互に接続された、プロセッサ101と、メモリ102と、ストレージ103と、通信I/F104と、入出力I/F105と、ドライブ装置106と、を備える。
【0013】
プロセッサ101は、ストレージ103に記憶されたOS(Operating System)を含む各種のプログラムをメモリ102に展開して実行することにより、開発支援装置1の各構成を制御し、開発支援装置1の機能を実現する。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はこれらの組み合わせである。
【0014】
メモリ102は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はこれらの組み合わせである。ROMは、例えば、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、又はこれらの組み合わせである。RAMは、例えば、DRAM(Dynamic RAM)、SRAM(Static RAM)、又はこれらの組み合わせである。
【0015】
ストレージ103は、OSを含む各種のプログラム及びデータを記憶する。ストレージ103は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SCM(Storage Class Memories)、又はこれらの組み合わせである。
【0016】
通信I/F104は、開発支援装置1を、ネットワークNを介して外部装置に接続し、通信を制御するためのインタフェースである。通信I/F104は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Ethernet(登録商標)、又は光通信に準拠したアダプタであるが、これに限られない。
【0017】
入出力I/F105は、開発支援装置1に入力装置107及び出力装置108を接続するためのインタフェースである。入力装置107は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、スキャナ、カメラ、各種センサ、操作ボタン、又はこれらの組み合わせである。出力装置108は、例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ、スピーカ、バイブレータ、又はこれらの組み合わせである。
【0018】
ドライブ装置106は、ディスクメディア109のデータを読み書きする。ドライブ装置106は、例えば、磁気ディスクドライブ、光学ディスクドライブ、光磁気ディスクドライブ、又はこれらの組み合わせである。ディスクメディア109は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、FD(Floppy Disk)、MO(Magneto-Optical disk)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、又はこれらの組み合わせである。
【0019】
なお、本実施形態において、プログラムは、開発支援装置1の製造段階でメモリ102又はストレージ103に書き込まれてもよいし、ネットワークNを介して開発支援装置1に提供されてもよいし、ディスクメディア109などの非一時的でコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して開発支援装置1に提供されてもよい。
【0020】
<開発支援装置1の機能構成>
次に、開発支援装置1の機能構成について説明する。
図3は、開発支援装置1の機能構成の一例を示す図である。
図3に示すように、開発支援装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0021】
通信部11は、通信I/F104により実現される。通信部11は、ネットワークを介して、他の情報処理装置との間で情報の送受信を行う。ネットワークは、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、インターネット、公衆回線網、モバイルデータ通信網、又はこれらの組み合わせである。
【0022】
記憶部12は、メモリ102及びストレージ103により実現される。記憶部12は、コンポーネント情報121と、設計情報122と、設計ファイル123と、インフラ情報124と、を記憶する。
【0023】
コンポーネント情報121は、予め用意されたシステムコンポーネントに関する情報である。システムコンポーネントは、システムの構成要素である。予め用意されたシステムコンポーネントは、UI(User Interface)と、エンドポイントと、エンティティと、トリガーと、データソースと、ストレージと、パイプラインと、ファンクションと、AI(Artificial Intelligence)モデルと、を含む。なお、予め用意されたシステムコンポーネントは、上記の一部を含まなくてもよいし、上記以外のものを含んでもよい。
【0024】
UIは、システムの出力が表示される画面である。エンドポイントは、API(Application Programming Interface)のアドレスである。エンティティは、経時的に変化する値が格納される変数である。トリガーは、処理の起点となるイベントである。データソースは、データの所在である。ストレージは、データが格納される記憶装置である。パイプラインは、一連の処理をまとめたものである。ファンクションは、何らかの演算処理である。AIモデルは、AIモデルによる処理である。
【0025】
コンポーネント情報121は、コンポーネント画像cと、コンポーネント設定と、登録済みコンポーネントと、フロー画像fと、を含む。
【0026】
コンポーネント画像cは、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応する画像である。コンポーネント画像cとして、UI、エンドポイント、エンティティ、トリガー、データソース、ストレージ、パイプライン、ファンクション及びAIモデルに対応するコンポーネント画像cがそれぞれ用意される。
【0027】
コンポーネント設定は、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に応じた設定項目を示す情報である。コンポーネント設定は、例えば、コンポーネントの名称及び内容を含むが、これに限られない。例えば、UIの設定項目として、UIの名称、UIの内容、画面に表示するエンティティ、エンティティの表示形式などが挙げられる。また、AIモデルの設定項目として、AIモデルの名称、AIモデルの内容、AIモデルの入出力などが挙げられる。
【0028】
登録済みコンポーネントは、予め用意されたシステムコンポーネントである。登録済みコンポーネントは、予め用意されたシステムコンポーネントの種類ごとに用意され得る。ユーザは、コンポーネントの内容として、登録済みコンポーネントが選択できる。
【0029】
フロー画像fは、システムコンポーネント間のデータフローを示す画像である。フロー画像fは、例えば、コンポーネント画像c間を接続する矢印であるが、これに限られない。
【0030】
設計情報122は、システムの設計画面D上でユーザが設計したシステムに関する情報である。設計画面Dは、ユーザがシステムを設計するための画面である。設計情報122は、ユーザが配置したコンポーネント画像cの配置、配置されたコンポーネント画像cのコンポーネント設定及びユーザが配置したフロー画像fの配置を含む。
【0031】
設計ファイル123は、設計情報122から生成された、システムの設計を表すファイルである。設計ファイル123は、ユーザが配置したコンポーネント画像cに対応するシステムコンポーネントのコンポーネント設定と、ユーザが配置したフロー画像fに対応するデータフローと、を示す情報を含む。設計ファイル123は、例えば、XMLファイル、YAMLファイル又はJSONファイルであるが、これに限られない。
【0032】
インフラ情報124は、設計ファイル123に基づいて設計された、システムのインフラを示す情報である。インフラ情報124は、APIゲートウェイ、DB(Data Base)、仮想マシン、ストレージ及びネットワーク設定を示す情報を含む。
【0033】
制御部13は、プロセッサ101がメモリ102からプログラムを読み出して実行し、他のハードウェア構成と協働することにより実現される。制御部13は、開発支援装置1の動作全体を制御する。制御部13は、表示制御部131と、生成部132と、構築部133と、を備える。
【0034】
表示制御部131は、ユーザ操作に応じて、ディスプレイの表示を制御する。表示制御部131は、例えば、ディスプレイに設計画面Dを表示し、ユーザ操作に応じて、設計画面D上にコンポーネント画像c及びフロー画像fを配置する。表示制御部131は、ユーザが配置したコンポーネント画像cの配置、配置されたコンポーネント画像cのコンポーネント設定及びユーザが配置したフロー画像fの配置を、設計情報122として記憶部12に保存する。
【0035】
生成部132は、記憶部12に保存された設計情報122に基づいて、設計ファイル123を生成する。これにより、設計画面Dに配置されたコンポーネント画像c及びそのコンポーネント設定と、設計画面Dに配置されたフロー画像fと、に対応するシステムの設計ファイルが生成される。生成部132は、生成した設計ファイル123を記憶部12に保存する。
【0036】
構築部133は、記憶部12に保存された設計ファイル123に基づいて、設計ファイル123で表されるシステムが稼働可能なように、システムのインフラを構築する。インフラの構築は、APIゲートウェイの立ち上げ、DBの立ち上げ、仮想マシンの立ち上げ、ストレージの準備及びネットワークの設定を含む。なお、インフラの構築は、上記の一部を含まなくてもよいし、上記以外を含んでもよい。構築部133は、構築したインフラを示す情報をインフラ情報124として記憶部12に保存する。
【0037】
<開発支援装置1が実行する学習処理>
次に、本実施形態に係る開発支援装置1が実行する処理について説明する。
図3は、開発支援装置1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
(ステップS101)
まず、表示制御部131は、コンポーネント情報121を参照して、開発支援装置1のディスプレイに設計画面Dを表示する(ステップS101)。ここで、
図4は、設計画面Dの一例を示す図である。
図4の設計画面Dは、選択領域d1と、設計領域d2と、を有する。
【0039】
選択領域d1は、ユーザの操作対象を選択する領域であり、設計画面Dの左側に配置される。選択領域d1には、カーソルと、設計画面D上に配置可能なシステムコンポーネントの一覧(UI、エンドポイント、エンティティ、トリガー、データソース、ストレージ、パイプライン、ファンクション及びAIモデル)と、コンポーネント画像c間を接続可能なデータフローと、が選択可能に表示されている。また、選択領域d1には、デプロイボタンBが配置されている。デプロイボタンBは、ユーザが設計したシステムをデプロイするためのボタンである。
【0040】
設計領域d2は、ユーザがシステムを設計するための領域であり、選択領域d1の右側に配置される。設計領域d2には、コンポーネント画像cと、フロー画像fと、が自由に配置可能である。また、設計領域d2に配置されたコンポーネント画像cには、コンポーネントの名称及び内容を含むコンポーネント設定を追加可能である。
【0041】
(ステップS102)
次に、ユーザが、設計画面Dで所望のシステムを設計する(ステップS102)。具体的には、ユーザは、選択領域d1でシステムコンポーネントを選択し、設計領域d2の所望の位置を選択する。表示制御部131は、このユーザ操作を受け付けると、設計領域d2のユーザが選択した位置に、選択領域d1でユーザが選択したシステムコンポーネントに対応するコンポーネント画像cを配置する。ユーザがこの操作を繰り返すことにより、設計領域d2には複数のコンポーネント画像cが配置される。
【0042】
また、ユーザは、選択領域d1でデータフローを選択し、設計領域d2に配置された2つのコンポーネント画像cを選択する。表示制御部131は、このユーザ操作を受け付けると、ユーザが選択した1つ目のコンポーネント画像cから2つ目のコンポーネント画像cに向かうフロー画像f(矢印)を設計領域d2に配置する。
【0043】
さらに、ユーザは、設計領域d2に配置されたコンポーネント画像cを選択する。表示制御部131は、このユーザ操作を受け付けると、選択されたコンポーネント画像cの設定画面を表示する。ユーザは、設定画面から、システムコンポーネントの名称及び内容を含むコンポーネント設定を追加することができる。ユーザは、システムコンポーネントの内容として、登録済みコンポーネントを選択してもよいし、ソースコードを直接入力してもよい。また、システムコンポーネントの内容をブランクのままにしてもよい。
【0044】
図4の例では、設計領域d2には、コンポーネント画像c1~c11と、フロー画像f1~f9と、が配置されている。
【0045】
コンポーネント画像c1は、トリガーに対応するコンポーネント画像cであり、「トリガーA」という名称を設定されている。コンポーネント画像c2は、エンドポイントに対応するコンポーネント画像cであり、「エンドポイントB」という名称を設定されている。コンポーネント画像c3は、エンティティに対応するコンポーネント画像cであり、「エンティティC」という名称を設定されている。コンポーネント画像c4は、パイプラインに対応するコンポーネント画像cであり、「パイプラインD」という名称を設定されている。コンポーネント画像c5は、AIモデルに対応するコンポーネント画像cであり、「AIモデルE」という名称を設定されている。コンポーネント画像c6,c7は、ファンクションに対応するコンポーネント画像cであり、「ファンクションF」及び「ファンクションG」という名称をそれぞれ設定されている。コンポーネント画像c8は、データソースに対応するコンポーネント画像cであり、「データソースH」という名称を設定されている。コンポーネント画像c9は、エンティティに対応するコンポーネント画像cであり、「エンティティI」という名称を設定されている。コンポーネント画像c10は、ストレージに対応するコンポーネント画像cであり、「ストレージJ」という名称を設定されている。コンポーネント画像c11は、UIに対応するコンポーネント画像cであり、「UIK」という名称を設定されている。
【0046】
フロー画像f1は、コンポーネント画像c1からコンポーネント画像c2に向かうフロー画像fである。フロー画像f2は、コンポーネント画像c2からコンポーネント画像c3に向かうフロー画像fである。フロー画像f3は、コンポーネント画像c3からコンポーネント画像c5に向かうフロー画像fである。フロー画像f4は、コンポーネント画像c5からコンポーネント画像c7に向かうフロー画像fである。フロー画像f5は、コンポーネント画像c6からコンポーネント画像c7に向かうフロー画像fである。フロー画像f6は、コンポーネント画像c8からコンポーネント画像c6に向かうフロー画像fである。フロー画像f7は、コンポーネント画像c7からコンポーネント画像c9に向かうフロー画像fである。フロー画像f8は、コンポーネント画像c9からコンポーネント画像c10に向かうフロー画像fである。フロー画像f9は、コンポーネント画像c9からコンポーネント画像c11に向かうフロー画像fである。
【0047】
図4のシステムでは、トリガーAがオンになると、その旨がエンドポイントBに入力され、戻り値がエンティティCに入力される。エンティティCは、AIモデルEに入力され、AIモデルEの出力がファンクションGに入力される。一方で、データソースHのデータが、ファンクションFに入力され、ファンクションFの出力がファンクションGに入力される。AIモデルEの出力及びファンクションFの出力を入力されたファンクションGの出力は、エンティティIに入力される。AIモデルEによる処理及びファンクションF,Gによる処理は、一連のパイプラインDとして実行される。その後、エンティティIは、ストレージJに保存されるとともに、UIKで表示される。
【0048】
ユーザは、設計画面D上でコンポーネント画像c及びフロー画像fを配置するだけで、上記のようなシステムを設計することができる。なお、コンポーネント画像c及びフロー画像fを配置するためのユーザ操作は、上記の例に限られない。
【0049】
(ステップS103)
ユーザは、システムの設計が完了すると、デプロイボタンBを選択する。デプロイボタンBが選択されると、表示制御部131は、設計画面Dにユーザが配置したコンポーネント画像cの配置、配置されたコンポーネント画像cのコンポーネント設定及びユーザが配置したフロー画像fの配置を含む設計情報122を記憶部12に保存する(ステップS103)。
【0050】
(ステップS104)
次に、生成部132は、記憶部12に保存された設計情報122に基づいて、設計ファイル123を生成する(ステップS104)。すなわち、生成部132は、表示制御部131は、設計画面Dにユーザが配置したコンポーネント画像cの配置、配置されたコンポーネント画像cのコンポーネント設定及びユーザが配置したフロー画像fの配置に基づいて、設計ファイル123を生成する。生成部132は、生成した設計ファイル123を記憶部12に保存する。
【0051】
(ステップS105)
その後、構築部133は、記憶部12に保存された設計ファイル123に基づいて、システムのインフラを構築する(ステップS105)。構築部133は、構築したインフラに関するインフラ情報124を記憶部12に保存する。
【0052】
<まとめ>
以上説明した通り、本実施形態によれば、ユーザは、コンポーネント画像c及びフロー画像fを配置するだけで所望のシステムを設計することができる。また、システムコンポーネントの内容は、コンポーネント画像cの配置後に自由に追加することができる。結果として、開発支援装置1により、ユーザは、自由度が高いシステム開発を容易に行うことができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、ユーザが設計画面Dで設計したシステムは、設計ファイル123を自動で生成され、実行可能なインフラを自動で構築される。これにより、ユーザが設計したシステムをすぐに稼働させることができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、コンポーネント画像c及びフロー画像fの配置によるシステムの全体設計と、システムコンポーネントの内容(ソースコード等)の追加による詳細設計と、を分離することができる。これにより、全体設計を行う担当者は、詳細設計にこだわることなく、簡単にシステムの全体設計を行うことができる。また、詳細設計の担当者は、システムの全体設計を把握しながら、自分が担当するファンクション等の詳細設計を行うことができる。
【0055】
<付記>
本実施形態は、以下の開示を含む。
【0056】
(付記1)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
システムの設計画面を表示する処理と、
ユーザ操作に応じて、前記設計画面に、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応するコンポーネント画像と、前記システムコンポーネント間のデータフローを示すフロー画像と、を配置する処理と、
前記設計画面に配置された前記コンポーネント画像及び前記フロー画像に基づいて、前記システムの設計ファイルを生成する処理と、
を含む情報処理方法。
【0057】
(付記2)
前記システムコンポーネントの種類は、UI、エンドポイント、エンティティ、トリガー、データソース、ストレージ、パイプライン、ファンクション及びAIモデルの少なくとも1つを含む
付記1に記載の情報処理方法。
【0058】
(付記3)
前記システムコンポーネントの内容は、前記コンポーネント画像の配置後に追加される
付記1に記載の情報処理方法。
【0059】
(付記4)
前記フロー画像は、前記コンポーネント画像間を接続する矢印である
付記1に記載の情報処理方法。
【0060】
(付記5)
前記設計ファイルは、XMLファイル、YAMLファイル又はJSONファイルである
付記1に記載の情報処理方法。
【0061】
(付記6)
前記設計ファイルに基づいて、前記システムのインフラを構築する
付記1に記載の情報処理方法。
【0062】
(付記7)
前記インフラの構築は、APIゲートウェイの立ち上げ、DBの立ち上げ、仮想マシンの立ち上げ、ストレージの準備及びネットワークの設定の少なくとも1つを含む
付記6に記載の情報処理方法。
【0063】
(付記8)
システムの設計画面を表示する処理と、
ユーザ操作に応じて、前記設計画面に、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応するコンポーネント画像と、前記システムコンポーネント間のデータフローを示すフロー画像と、を配置する処理と、
を実行する表示制御部と、
前記設計画面に配置された前記コンポーネント画像及び前記フロー画像に基づいて、前記システムの設計ファイルを生成する生成部と、
を含む情報処理方法。
【0064】
(付記9)
コンピュータに、
システムの設計画面を表示する処理と、
ユーザ操作に応じて、前記設計画面に、予め用意されたシステムコンポーネントの種類に対応するコンポーネント画像と、前記システムコンポーネント間のデータフローを示すフロー画像と、を配置する処理と、
前記設計画面に配置された前記コンポーネント画像及び前記フロー画像に基づいて、前記システムの設計ファイルを生成する処理と、
を含む情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【0065】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1:開発支援装置
11:通信部
12:記憶部
13:制御部
101:プロセッサ
102:メモリ
103:ストレージ
104:通信I/F
105:入出力I/F
106:ドライブ装置
107:入力装置
108:出力装置
109:ディスクメディア
121:コンポーネント情報
122:設計情報
123:設計ファイル
124:インフラ情報
131:表示制御部
132:生成部
133:構築部