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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177210
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231206BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022185116
(22)【出願日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2022088460
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】ENEOS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 健
(72)【発明者】
【氏名】平野 智久
(72)【発明者】
【氏名】野口 詩帆子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】顧客の固定化を支援し、施術者のやりがいを高め、施術者の離職率を低下させる。
【解決手段】情報処理システム10は、顧客の識別情報を管理する顧客管理部28と、顧客に施術を提供する施術者の識別情報を管理する施術者管理部26と、顧客から施術者に贈られる感謝に関する感謝情報を取得する取得部20と、取得した感謝情報を、顧客および施術者の識別情報と対応付けて管理する感謝情報管理部80と、施術者に贈られた感謝の累積量に関する情報を通知する通知部22と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客の識別情報を管理する顧客管理部と、
顧客に施術を提供する施術者の識別情報を管理する施術者管理部と、
顧客から施術者に贈られる感謝に関する感謝情報を取得する取得部と、
前記取得した感謝情報を、顧客および施術者の識別情報と対応付けて管理する感謝情報管理部と、
施術者に贈られた感謝の累積量に関する情報を通知する通知部と、を備える情報処理システム。
【請求項2】
施術者に贈られた感謝に応じて施術者が獲得可能となる特典に関する特典情報を管理する特典管理部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通知部は、顧客が使用する端末に、顧客が贈った感謝の累積量に関する情報を通知する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記通知部は、施術者が使用する端末に、施術者に贈られた感謝の累積量に関する情報を通知する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記取得部は、施術者から別の施術者に贈られる感謝に関する感謝情報、施術者から顧客に贈られる感謝に関する感謝情報、および、施術者が所属する店舗から別の店舗に贈られる感謝に関する感謝情報の少なくとも一つを取得する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記通知部は、同一店舗に所属する複数の施術者に贈られた感謝の累積量の合計に関する情報を通知する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
施術者が顧客に提供した施術に関する内容を記録した施術記録情報を、顧客および施術者の識別情報と対応付けて管理する施術記録管理部をさらに備え、
前記通知部は、顧客が使用する端末に、顧客の施術記録情報に対応付けられた施術者に関する情報を通知する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記取得部は、顧客が使用する端末から、顧客が希望する施術に関する施術希望情報を取得し、
前記情報処理システムは、前記取得した施術希望情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報との相関に基づいて、選択候補の中から施術者を選択する施術者選択部をさらに備え、
前記通知部は、顧客が使用する端末に、前記選択した施術者に関する情報を通知する、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
顧客または施術者が使用する端末は、画像データを編集するための編集画面の表示が可能であり、
前記取得部は、前記編集画面にて編集された画像データを取得する、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項10】
施術者が使用する端末は、施術者の識別情報を示す機械可読符号を出力可能であり、
顧客が使用する端末は、前記機械可読符号を用いて施術者の識別情報を取得可能である、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項11】
施術者が使用する端末は、顧客の識別情報を示す機械可読符号を出力可能であり、
顧客が使用する端末は、前記機械可読符号を用いて顧客の識別情報を取得可能である、請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項12】
顧客の識別情報を管理する機能と、
顧客に施術を提供する施術者の識別情報を管理する機能と、
顧客から施術者に贈られる感謝に関する感謝情報を取得する機能と、
前記取得した感謝情報を、顧客および施術者の識別情報と対応付けて管理する機能と、
施術者に贈られた感謝の累積量に関する情報を通知する機能と、をコンピュータに実現させるよう構成されるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
美容師が得意とする施術を表す得意施術情報を記憶しておき、顧客が希望する施術に関する希望施術情報に基づいて得意施術情報を検索することにより、顧客が希望する施術を得意とする美容師を検索するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-193646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の先行技術は、顧客の希望に応じた美容師を提案することにより、美容師にとって新規の顧客の来店につなげることができる。しかしながら、一度来店してもらった顧客の固定化について触れていない。顧客の固定化は、美容師の離職率を低下させる観点において非常に重要である。新規に獲得した顧客を固定化し、継続的に来店してもらうための仕組みを提供できることが好ましい。
【0005】
本発明のある態様の例示的な目的の一つは、顧客の固定化を支援し、施術者のやりがいを高め、施術者の離職率を低下させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある態様の情報処理システムは、顧客の識別情報を管理する顧客管理部と、顧客に施術を提供する施術者の識別情報を管理する施術者管理部と、顧客から施術者に贈られる感謝に関する感謝情報を取得する取得部と、取得した感謝情報を顧客および施術者の識別情報と対応付けて管理する感謝情報管理部と、施術者に贈られた感謝の累積量に関する情報を通知する通知部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を、装置、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、顧客の固定化を支援し、施術者のやりがいを高め、施術者の離職率を低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る情報処理システムの機能構成を模式的に示す図である。
図2図2(a)~(c)は、施術者管理部が管理する施術者情報のデータ構造の一例を示す図である。
図3図3(a),(b)は、顧客管理部が管理する顧客情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4図4(a)~(c)は、施術記録管理部が管理する施術記録情報のデータ構造の一例を示す図である。
図5】情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図6】第2の実施の形態に係る情報処理システムの機能構成を模式的に示す図である。
図7】感謝情報管理部が管理する感謝情報のデータ構造の一例を示す図である。
図8】感謝情報閲覧画面の表示例を模式的に示す図である。
図9】感謝情報入力画面の表示例を模式的に示す図である。
図10】情報処理システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
図11】感謝スタンプの送信画面の表示例を模式的に示す図である。
図12】感謝ギフトの送信画面の表示例を模式的に示す図である。
図13】感動スタンプの送信画面の表示例を模式的に示す図である。
図14】顧客端末に表示されるサマリ画面の表示例を模式的に示す図である。
図15】施術者端末に表示されるサマリ画面の表示例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
本開示の概要を説明する。本開示は、顧客と、顧客に施術を提供する施術者とをマッチングさせる情報処理システムに関する。本開示における施術の一例は、美容サービスであり、この場合、施術者は、美容師や理容師である。本開示では、施術者が顧客に提供した施術に関する内容を記録した施術記録情報(カルテ情報)を情報処理装置にて一元管理し、施術者の施術記録情報に基づいて選択した施術者を顧客に提示する。本開示によれば、施術者の実績に基づいて選択した施術者を提示できるため、施術者の自己申告による情報に基づく場合に比べてマッチングの客観性や信頼性を向上できる。
【0011】
本開示の情報処理システムは、例えば、顧客と相性の合う施術者が見つからないといったニーズに対し、顧客との相性が高い施術者を提示することを目的の一つとする。顧客や施術者の事情等により、顧客がこれまで継続的に依頼していた相性の良い施術者に施術を依頼することができなくなる場合がある。このような場合、代わりとなる相性の良い施術者を探し出すことは容易ではない。インターネット等を利用して相性の良さそうな施術者を探すには多大な労力がかかり、実際に施術を受けてみて相性が合わなければ、別の施術者を探し出さなければならない。本開示の一例によれば、顧客の過去の施術記録情報がある場合、顧客の過去の施術記録情報と、施術者の施術記録情報との相関に基づいて施術者を選択する。この例によれば、顧客のこれまでの施術に対する嗜好を加味して施術者を選択することにより、顧客との相性が高いと考えられる施術者を提示できるため、顧客が新規に施術者を探し出す労力を軽減できる。
【0012】
また、顧客と対面で接してコミュニケーションを取る業態では、施術者は施術に対する顧客の満足度を把握できないという不安、悩みを抱えている。本開示の一例によれば、顧客からの評価を可視化できるため、施術者の不安を軽減ができる。また、顧客にとって対面では施術者に伝えにくい内容であっても、情報処理システムを介した対面ではない状況であれば、抵抗なく心情や本音を伝えることができる。したがって、本開示の一例によれば、施術者および顧客の双方の関係認知を高め、関係を良化させることができる。
【0013】
以下、本開示の技術を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図に示す各部の縮尺や形状は、説明を容易にするために便宜的に設定されており、特に言及がない限り限定的に解釈されるものではない。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限り、いかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
【0014】
本開示における装置または方法の主体は、コンピュータを備える。このコンピュータがコンピュータプログラムを実行することによって、本開示における装置または方法の主体の機能が実現される。コンピュータは、コンピュータプログラムにしたがって動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、コンピュータプログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC、LSI等)を含む一つまたは複数の電子回路で構成される。コンピュータプログラムは、コンピュータが読み取り可能なROM、光ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的な記録媒体に記録される。コンピュータプログラムは、記録媒体に予め格納されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0015】
図1は、第1の実施の形態に係る情報処理システム10の機能構成を模式的に示す図である。情報処理システム10は、情報処理装置12と、店舗端末14と、顧客端末16と、を備える。情報処理装置12は、ネットワーク18を介して店舗端末14および顧客端末16と接続する。
【0016】
本開示のブロック図で示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
図1に示す複数の機能ブロックのうち少なくとも一部の機能ブロックの機能を実装したコンピュータプログラムが、1台または複数台のコンピュータのストレージにインストールされてもよい。1台または複数台のコンピュータのCPUは、自機にインストールされたコンピュータプログラムをメインメモリに読み出して実行することにより、図1に示す複数の機能ブロックの機能を発揮してもよい。
【0018】
また、図1に示す複数の機能ブロックの機能は、1台のコンピュータにより実行されてもよく、複数台のコンピュータにより分散して実行されてもよい。図1に示す複数の機能ブロックの機能が複数台のコンピュータにより分散して実行される場合、それら複数台のコンピュータは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットを含む通信網を介してデータを送受信してもよい。
【0019】
情報処理装置12は、顧客と施術者をマッチングさせる仲介事業者が運営するプラットフォームを提供するための情報処理を実行する。情報処理装置12は、取得部20と、通知部22と、店舗管理部24と、施術者管理部26と、顧客管理部28と、施術記録管理部30と、商品管理部32と、日記管理部34と、施術者選択部36と、商品提案部38とを備える。
【0020】
取得部20は、ネットワーク18を介して、店舗端末14および顧客端末16から情報を取得する。通知部22は、ネットワーク18を介して、店舗端末14および顧客端末16に情報を通知する。
【0021】
店舗管理部24は、顧客に施術を提供する店舗に関する情報(店舗情報ともいう)を記憶し、管理する。店舗管理部24は、取得部20を通じて店舗端末14から取得する情報に基づいて店舗情報を管理する。店舗情報は、店舗の識別情報である店舗IDをキーとして、店舗名、電話番号、場所、営業日時、施術メニュー、料金、店舗説明、店舗画像などの情報を含む。店舗が美容室である場合、施術メニューの具体例は、カット、シャンプー、カラー、パーマ、縮毛矯正、トリートメント、ヘアセットである。料金は、例えば、施術メニューごとに設定される。
【0022】
施術者管理部26は、施術を提供する施術者に関する情報(施術者情報ともいう)を記憶し、管理する。施術者管理部26は、取得部20を通じて店舗端末14から取得する情報に基づいて施術者情報を管理する。施術者情報は、施術者の識別情報である施術者IDをキーとして、施術者属性情報、得意施術情報、得意属性情報などを管理する。
【0023】
図2(a)~(c)は、施術者管理部26が管理する施術者情報のデータ構造の一例を示す。図2(a)は、施術者情報に含まれる施術者属性情報のデータ構造の一例を示す。施術者属性情報は、施術者IDをキーとして、店舗ID、氏名、年齢、趣味嗜好、施術者説明、施術者画像などの属性情報を含む。趣味嗜好は、施術者の好みの雑誌、芸能人、ブランドなどの情報を含む。施術者説明は、施術者の特徴を端的に表すコメントであり、施術者を紹介するウェブページなどに表示される。施術者画像は、施術者の顔写真などである。
【0024】
図2(b)は、施術者情報に含まれる得意施術情報のデータ構造の一例を示す。得意施術情報は、施術者が得意とする施術に関する情報であり、施術者IDをキーとして、施術メニューや施術技術などの情報を含む。施術者が美容師である場合、得意施術情報は、得意とするヘアスタイル、カット技術、カラー技術、パーマ技術、縮毛矯正などの情報を含む。情報処理装置12は、例えば、施術メニューや施術技術の種類を示す分類番号(例えば、S1~、T1~、U1~、V1~、W1~)のテーブル情報を保持し、分類番号によって施術メニューや施術技術の種類が特定される。
【0025】
図2(c)は、施術者情報に含まれる得意属性情報のデータ構造の一例を示す。得意属性情報は、施術者が得意とする顧客の属性情報に関する情報であり、施術者IDをキーとして、顧客の年齢、性別、趣味嗜好などの情報を含む。得意属性情報は、例えば、施術中の好きな話題(例えば、ファッション、インテリア、旅行、スポーツ、芸術、グルメ、恋愛、仕事、子育て)に関する情報を含んでもよい。
【0026】
施術者管理部26は、施術者情報として、施術者の出勤日時や予約日時を示す予約情報を管理してもよい。
【0027】
顧客管理部28は、施術を受ける顧客に関する情報(顧客情報ともいう)を記憶し、管理する。顧客管理部28は、取得部20を通じて顧客端末16から取得する情報に基づいて顧客情報を管理する。顧客情報は、顧客の識別情報である顧客IDをキーとして、顧客属性情報、施術希望情報などを管理する。
【0028】
図3(a),(b)は、顧客管理部28が管理する顧客情報のデータ構造の一例を示す図である。図3(a)は、顧客情報に含まれる顧客属性情報のデータ構造の一例を示す。顧客属性情報は、顧客IDをキーとして、氏名、年齢、性別、職業、家族構成、趣味嗜好などの情報を含む。趣味嗜好として、顧客の好みの雑誌、芸能人、ブランドなどの情報や、施術中の好きな話題、好みの商品といった情報を含んでもよい。
【0029】
図3(b)は、顧客情報に含まれる施術希望情報のデータ構造の一例を示す。施術希望情報は、顧客が希望する施術に関する情報であり、顧客が希望する施術メニューや施術技術、顧客の施術部位の質や状態、悩み、施術の予算や所要時間、施術の頻度、施術の場所、店舗や施術者の好みの属性といった情報を含む。施術部位が髪である場合、施術希望情報は、顧客が希望するヘアスタイル、顧客の髪質、顧客の髪の悩みといった情報を含んでもよい。髪質に関する情報として、毛の太さ、毛の量、毛の硬さ、毛の色、ごわつきの有無、枝毛の有無、切れ毛の有無、静電気の有無、くせ毛の有無、髪の抜けやすさなどの情報を含んでもよい。髪の悩みに関する情報として、髪が広がりやすい、寝ぐせがつきやすい、セットに時間がかかる、セットがうまくいかない、セットが持続しない、髪を切る時期がわからない、前髪がくねくねする、夜になるとべたつく、ボリュームがない、パーマ剤やカラー剤がしみる、カラーが抜けやすい、パーマがとれやすい、白髪が気になるといった情報を含んでもよい。
【0030】
施術記録管理部30は、施術者が顧客に提供した施術に関する内容を記録した施術記録情報を記憶し、管理する。施術記録管理部30は、例えば、顧客端末16から取得する施術の予約情報に基づいて施術記録情報を生成し、施術後に店舗端末14から取得する情報に基づいて施術記録情報を更新する。施術記録管理部30は、施術を提供した施術者の識別情報である施術者IDおよび施術を受けた顧客の識別情報である顧客IDと対応付けて、施術記録情報を管理する。
【0031】
図4(a)~(c)は、施術記録管理部30が管理する施術記録情報のデータ構造の一例を示す図である。図4(a)は、施術記録情報に含まれる基本情報のデータ構造の一例を示す。基本情報は、施術記録の識別情報である記録IDをキーとして、店舗ID、施術者ID、顧客ID、施術日時、料金、所要時間などの情報を含む。
【0032】
施術情報は、施術を受ける前の顧客の施術希望情報と、顧客に提供した施術の実績に関する施術実績情報とを含む。施術希望情報は、顧客が希望するヘアスタイル、施術前の顧客の髪質や髪の悩みといった情報を含んでもよい。施術希望情報は、例えば、記録IDをキーとして、図3(b)の施術希望情報と同様のデータを含む。施術情報に含まれる施術希望情報は、施術時点における顧客の施術希望情報を記録する。
【0033】
図4(b)は、施術記録情報に含まれる施術実績情報のデータ構造の一例を示す。施術実績情報は、施術希望情報に含まれる顧客の希望を実現するために提供した施術メニューや施術技術、アドバイスといった情報を含んでもよい。施術実績情報は、カットの部位、カットした長さ、カットに使用した鋏やカット技術の種類、カラー、パーマ、トリートメントなどに使用した薬剤の種類や塗布時間などの情報を含んでもよい。施術実績情報は、施術者が特定した顧客の施術部位の質や状態に関する情報を含んでもよく、例えば、施術者の視点での顧客の髪質や髪の悩みといった情報を含んでもよい。施術実績情報は、施術中の話題に関する情報を含んでもよい。施術実績情報は、施術前後の顧客の施術部位を撮像した画像データを含んでもよい。施術実績情報は、施術中の顧客の施術部位を撮像した動画データを含んでもよく、例えば、施術者によるヘアセットの過程を撮像したセット動画を含んでもよい。
【0034】
施術記録管理部30は、施術に対する顧客の評価に関する施術評価情報を施術記録情報と対応付けて管理してもよい。施術記録管理部30は、例えば、店舗端末14から取得する情報に基づいて施術実績情報を登録した場合、通知部22を通じて顧客端末16に施術評価情報の入力依頼を通知する。施術記録管理部30は、顧客端末16から取得する施術評価情報を施術記録情報に対応付けて管理する。
【0035】
図4(c)は、施術記録情報に含まれる施術評価情報のデータ構造の一例を示す。施術評価情報は、記録IDをキーとして、施術に対する総合評価を示すコメントや点数(例えば5段階評価)を含んでもよいし、施術メニューや施術技術、施術中の話題、料金、所要時間といった事項に対する個別評価を示すコメントや点数を含んでもよい。点数によって数値的に評価することが難しい場合や、点数によって評価を明確にすることで施術者に厳しい印象を与える懸念がある場合を考慮し、例えば絵文字や記号等による評価を可能にしてもよい。評価として絵文字や記号が入力された場合、絵文字や記号の種類を点数(数値)に変換して記録してもよい。施術記録管理部30は、顧客の評価に対する施術者からのアフターフォローのためのコメントを施術評価情報として管理してもよい。施術記録管理部30は、施術者からのコメントに対する顧客の再評価に関するコメントや点数を施術評価情報として管理してもよい。施術記録管理部30は、日記管理部34に記憶される日記情報に基づいて施術評価情報を生成してもよい。
【0036】
商品管理部32は、顧客が使用する商品に関する情報(商品情報ともいう)を記憶し、管理する。商品管理部32は、商品情報として、商品の識別情報である商品IDをキーとして、商品名、商品種別、商品画像、商品説明などの情報を管理する。商品管理部32は、顧客による商品の購入履歴情報を記憶し、管理する。購入履歴情報は、顧客ID、商品ID、購入日時、購入金額、購入数などの情報を含む。商品管理部32は、商品に対する顧客の評価に関する商品評価情報を記憶し、管理する。商品管理部32は、例えば、商品の購入履歴のある顧客が使用する顧客端末16に対し、通知部22を通じて商品評価情報の入力依頼を通知する。商品管理部32は、顧客端末16から取得する商品評価情報を商品情報または購入履歴情報に対応付けて管理する。商品評価情報は、商品に対する総合評価を示すコメントや点数(例えば5段階評価)を含んでもよいし、商品の使用方法や使用による効果、価格といった事項に対する個別評価を示すコメントや点数を含んでもよい。商品管理部32は、日記管理部34に記憶される日記情報に基づいて商品評価情報を生成してもよい。
【0037】
日記管理部34は、施術や商品に関して顧客が自由に記述する日記情報を記憶し、管理する。日記管理部34は、取得部20を通じて顧客端末16から日記情報を取得し、顧客の識別情報と対応付けて日記情報を管理する。日記情報は、施術後における顧客の施術部位の経過に関する経過情報を含んでもよい。例えば、施術内容がトリートメントであれば、経過情報として、「1ヶ月後も髪がまとまりやすい」「2週間後に切れ毛が増えてきた」といった施術の効果の継続性に関する情報が含まれてもよい。日記管理部34は、日記情報を施術記録情報と対応付けて管理してもよい。日記情報は、商品の使用対象となる顧客の部位の経過に関する情報を含んでもよい。例えば、商品がトリートメントであれば、「1週間使用すると髪がまとまりやすくなった」「毎日使用すると髪が広がりやすくなった」といった顧客の部位(例えば、髪)に対する商品の効果に関する情報が含まれてもよい。日記管理部34は、日記情報を購入履歴情報と対応付けて管理してもよい。
【0038】
施術者選択部36は、顧客端末16からの要求に基づいて、顧客に適した施術者を選択する。施術者選択部36は、取得部20を通じて顧客端末16から施術希望情報を取得し、施術希望情報に合致する施術者を選択する。施術者選択部36は、顧客が指定する施術場所に基づいて、選択候補となる店舗を絞り込む。施術者選択部36は、顧客が指定する店舗の属性(例えば、店舗の雰囲気)に基づいて選択候補となる店舗を絞り込んでもよい。施術者選択部36は、顧客が指定する施術日時と、施術者の予約情報とに基づいて、選択候補となる店舗において予約が空いている施術者を絞り込む。施術者選択部36は、顧客が指定する施術メニューに基づいて選択候補となる施術者が担当した場合の料金を計算し、顧客の予算内に収まる施術者を絞り込む。施術者選択部36は、顧客が指定する基本条件となる場所、日時、予算に基づいて、選択候補となる施術者を抽出する。
【0039】
施術者選択部36は、施術希望情報に含まれる基本条件とは異なる詳細条件(施術メニュー、施術技術、ヘアスタイル、髪質、髪の悩み、施術者の属性など)に基づいて、選択候補の中から施術者を選択する。施術者選択部36は、顧客が指定する施術希望情報と、施術者の施術記録情報との相関に基づいて施術者を選択する。施術者選択部36は、例えば、顧客が指定する施術希望情報と、施術者の施術記録情報との類似性を示す評価値を算出し、評価値が最も高い施術者を選択する。施術者選択部36が算出する評価値は、合致点が多いほど高得点となり、合致点の多い施術記録情報の登録数が多いほど高得点となる。例えば、顧客が希望するヘアスタイルが「ロング、前髪あり」であれば、「ロング、前髪あり」の施術記録情報の登録数が多い施術者が高得点となり、「ショート」や「前髪なし」の施術記録情報の登録数が多い施術者が低得点となる。顧客が希望する施術希望情報と、施術者の施術記録情報とを比較することにより、顧客が希望する施術の実績数が多い施術者を選択できる。
【0040】
施術者選択部36は、施術者の施術記録情報に対応付けられた施術評価情報にさらに基づいて、選択候補の中から施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、施術評価情報にさらに基づいて評価値を算出してもよい。施術者選択部36が算出する評価値は、施術評価情報に含まれる顧客評価の高低に応じて重み付けされてもよく、高評価の施術記録情報が多いほど高得点となり、低評価の施術記録情報が多いほど低得点となるように算出されてもよい。例えば、顧客が希望するヘアスタイルが「ロング、前髪あり」であれば、「ロング、前髪あり」の施術記録に対して顧客から高い評価を得る施術者が高得点となり、「ロング、前髪あり」の施術記録に対して顧客から低い評価を得る施術者が低得点となる。施術評価情報に基づく評価値は、施術記録情報に基づく評価値に加算されてもよいし、乗算されてもよい。施術評価情報にさらに基づくことで、顧客が希望する施術に対して高評価を得る施術者を選択できる。
【0041】
施術者選択部36は、顧客の施術記録情報にさらに基づいて、選択候補の中から施術者を選択してもよい。顧客の施術記録情報がすでに登録されている場合、顧客の過去の施術記録情報と、施術者の施術記録情報との相関にさらに基づいて施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、例えば、顧客の過去の施術記録情報と、施術者の施術記録情報との類似性を示す評価値を算出し、評価値がより高い施術者を選択する。施術者選択部36が算出する評価値は、例えば、顧客が過去に高評価とした施術記録情報と類似する施術記録情報の登録数が多いほど高得点となり、顧客が過去に高評価とした施術記録情報と類似する施術記録情報に対する別の顧客からの評価が高いほど高得点となる。顧客の過去の施術記録情報に基づくことで、専門家である施術者の視点を加味することができ、顧客の希望を満たす可能性が高い施術者をより適切に選択できる。
【0042】
施術者選択部36は、顧客の属性情報にさらに基づいて、選択候補の中から施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、顧客の属性情報と、施術者の施術記録情報に対応付けられた顧客の属性情報との相関にさらに基づいて施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、例えば、顧客の属性情報と、施術者の施術記録情報に対応付けられた顧客の属性情報との類似性を示す評価値を算出し、評価値がより高い施術者を選択してもよい。例えば、顧客の属性が「女性、32歳、旅行好き」であれば、「女性、30代前半、旅行好き」の属性の顧客と対応付けられた施術記録情報の登録数が多い施術者が選択される。顧客の属性情報にさらに基づくことで、顧客の趣味嗜好に合った施術者を選択できる。
【0043】
施術者選択部36は、施術者の得意施術情報にさらに基づいて、選択候補の中から施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、顧客が指定する施術希望情報と、施術者の得意施術情報との相関に基づいて施術者を選択してもよい。施術者選択部36が算出する評価値は、例えば、顧客の希望施術情報と施術者の得意施術情報の合致点が多いほど高得点となる。施術者選択部36は、施術者の得意属性情報にさらに基づいて、選択候補の中から施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、顧客の属性情報と、施術者の得意属性情報との相関に基づいて施術者を選択してもよい。施術者選択部36が算出する評価値は、例えば、顧客の属性情報と施術者の得意属性情報の合致点が多いほど高得点となる。施術者が自己申告する得意情報にさらに基づくことで、顧客が希望する施術や顧客の属性を得意とする施術者を選択できる。
【0044】
施術者選択部36は、選択候補の中から所定数の施術者を選択してもよく、例えば、3以上5以下の施術者を選択してもよい。顧客端末16に通知する施術者の選択肢を複数にすることで、顧客に最終決定権を与えることができ、顧客自身が最終決定することで顧客満足度を高めることができる。また、顧客端末16に通知する施術者の選択肢を少なくすることで、顧客が最終決定する際の負担を減らすことができ、選択肢が多すぎることで最終決定が困難となることを防止できる。
【0045】
施術者選択部36は、一つの選択基準に基づいて複数の施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、一つの選択基準のみを用いて選択候補となる施術者の評価値を算出し、算出した評価値が高い順に複数の施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、複数の選択基準に基づいて複数の施術者を選択してもよい。施術者選択部36は、顧客に関する条件の全てを用いる第1選択基準と、顧客が指定する条件の一部を除外する第2選択基準とを用いてもよい。第2選択基準は、例えば、顧客が指定する基本条件となる場所、日時、予算のいずれかが除外される選択基準であってもよい。施術者選択部36は、第2選択基準を用いる場合、第1選択基準を用いる場合よりも評価値が高くなる施術者を選択してもよい。この場合、場所が少し遠かったり、予算を少し超えたりしてしまうが、顧客との相性が非常に高いと考えられる施術者を提案できる。
【0046】
施術者選択部36は、選択した施術者に関する情報を通知部22を通じて顧客端末16に通知する。施術者選択部36は、選択した施術者の施術者情報のみを顧客端末16に通知してもよいし、選択した施術者に対応付けられる施術記録情報や、選択した施術者の施術記録情報に対応付けられる施術評価情報を顧客端末16に通知してもよい。施術者選択部36は、選択した施術者に対応付けられる複数の施術記録情報について評価値を算出し、評価値の高い施術記録情報を顧客端末16に通知してもよい。施術者選択部36は、評価値の高い施術記録情報に対応付けられる施術評価情報を顧客端末16に通知してもよく、別の顧客が高評価とした施術評価情報を顧客端末16に通知してもよい。施術者選択部36は、施術記録情報に対応付けられる動画データを再生するための情報を顧客端末16に通知してもよく、別の顧客が高評価とした施術の動画データ(例えばセット動画)を再生するための情報を顧客端末16に通知してもよい。動画データは、別の顧客の施術時に撮影された動画であってもよく、実際の施術とは関係なく予め用意された動画であってもよい。このような施術記録情報や施術評価情報は、顧客に関する条件との合致点が多く、施術者の選択の決め手となった情報といえる。したがって、選択した施術者に関する情報として、施術記録情報や施術評価情報を顧客端末16に通知することにより、施術者を最終決定するための有益な情報を顧客に提供できる。
【0047】
商品提案部38は、顧客の施術記録情報に基づいて顧客に提案する商品を決定し、決定した商品に関する情報を顧客端末16に通知する。商品提案部38は、例えば、顧客の施術記録情報に基づいて、施術後の顧客の施術部位のメンテナンスに有用な商品を決定する。施術部位が髪である場合、商品の具体例は、シャンプー、コンディショナー、トリートメント、ドライヤー、ヘアアイロン、ホットカーラーといったヘアケア商品である。
【0048】
商品提案部38は、複数の顧客の施術記録情報と、複数の顧客の商品評価情報とに基づいて、顧客に提案する商品を決定してもよい。例えば、顧客の施術記録情報に基づいて顧客を分類し、商品の提案対象とする顧客と同じ分類の顧客からの評価が高い商品を決定する。商品提案部38は、いわゆる協調フィルタリングの技術を用いて顧客を分類し、提案すべき商品を決定してもよい。例えば、同じような施術を受けた顧客からの評価が高い商品や、同じような髪質や髪に対する悩みのある顧客からの評価が高い商品を提案することが可能となり、顧客に有用となる可能性が高い商品を提案できる。
【0049】
つづいて、店舗端末14の機能構成について説明する。店舗端末14は、顧客に施術を提供する店舗にて使用される端末であり、店舗の運営者や店舗に勤務する施術者によって使用される。店舗端末14は、店舗に設置されるパーソナルコンピュータやタブレット端末などである。店舗端末14は、通信部40と、表示操作部42と、撮像部44と、店舗設定部46と、施術者設定部48と、施術記録入力部50と、顧客評価閲覧部52と、日記閲覧部54とを備える。
【0050】
通信部40は、ネットワーク18を通じて情報処理装置12と通信する。通信部40は、店舗端末14に入力される情報を情報処理装置12に送信し、店舗端末14に表示する情報を情報処理装置12から受信する。
【0051】
表示操作部42は、例えば、タッチパネル式のディスプレイで構成され、店舗端末14を動作させるための画面表示および入力操作を実現する。表示操作部42は、表示部と操作部が別々に構成されてもよく、液晶ディスプレイなどで構成される表示部と、マウスやキーボードなどで構成される操作部とを有してもよい。入力操作は、自由記述であってもよいし、選択式であってもよい。
【0052】
撮像部44は、施術を提供する顧客を撮像して画像データや動画データを生成するためのカメラである。撮像部44は、店舗端末14に内蔵されてもよいし、店舗端末14とは別体として構成されてもよい。
【0053】
店舗設定部46は、店舗管理部24にて管理される店舗情報の設定を受け付ける。店舗設定部46は、店舗情報を入力するための入力画面を表示操作部42に表示させ、入力画面に入力された店舗情報を通信部40を通じて情報処理装置12に送信する。
【0054】
施術者設定部48は、施術者管理部26にて管理される施術者情報の設定を受け付ける。施術者設定部48は、施術者情報を入力するための入力画面を表示操作部42に表示させ、入力画面に入力された施術者情報を通信部40を通じて情報処理装置12に送信する。
【0055】
施術記録入力部50は、施術記録管理部30にて管理される施術記録情報の入力を受け付ける。施術記録入力部50は、施術記録情報を入力するための入力画面を表示操作部42に表示させ、入力画面に入力された施術者記録情報を通信部40を通じて情報処理装置12に送信する。施術記録入力部50は、撮像部44が撮像した画像データや動画データを入力画面を通じて受け付けし、画像データや動画データを施術記録情報と対応づけて情報処理装置12に送信してもよい。施術記録入力部50は、施術の予約情報や顧客から提供された施術希望情報を閲覧するための閲覧画面を表示操作部42に表示させてもよい。
【0056】
顧客評価閲覧部52は、施術記録管理部30にて管理される施術評価情報を閲覧するための閲覧画面を表示操作部42に表示させる。顧客評価閲覧部52は、顧客が入力した施術評価情報に対する施術者のコメントを入力するための入力画面を表示操作部42に表示させ、入力画面に入力されたコメント情報を通信部40を通じて情報処理装置12に送信してもよい。
【0057】
顧客評価閲覧部52は、商品管理部32にて管理される商品評価情報を閲覧するための閲覧画面を表示操作部42に表示させてもよい。顧客評価閲覧部52は、顧客が入力した商品評価情報に対する施術者のコメントを入力するための入力画面を表示操作部42に表示させ、入力画面に入力されたコメント情報を通信部40を通じて情報処理装置12に送信してもよい。
【0058】
日記閲覧部54は、日記管理部34にて管理される日記情報を閲覧するための閲覧画面を表示操作部42に表示させる。日記閲覧部54は、顧客の日記に対する施術者のコメントを入力するための入力画面を表示操作部42に表示させ、入力画面に入力されたコメント情報を通信部40を通じて情報処理装置12に送信してもよい。
【0059】
つづいて、顧客端末16の機能構成について説明する。顧客端末16は、顧客が使用する端末であり、顧客が保有するパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォンなどである。顧客端末16は、通信部60と、表示操作部62と、撮像部64と、ユーザ設定部66と、施術者検索部68と、施術記録閲覧部70と、商品検索部72と、日記入力部74とを備える。
【0060】
表示操作部62は、例えば、タッチパネル式のディスプレイで構成され、顧客端末16を動作させるための画面表示および入力操作を実現する。表示操作部62は、表示部と操作部が別々に構成されてもよく、液晶ディスプレイなどで構成される表示部と、マウスやキーボードなどで構成される操作部とを有してもよい。
【0061】
撮像部64は、顧客や顧客が使用する商品を撮像した画像データや動画データを生成するためのカメラである。撮像部64は、顧客端末16に内蔵されてもよいし、顧客端末16とは別体として構成されてもよい。
【0062】
ユーザ設定部66は、顧客管理部28にて管理される顧客情報の設定を受け付ける。ユーザ設定部66は、顧客情報を入力するための入力画面を表示操作部62に表示させ、入力画面に入力された顧客情報を通信部60を通じて情報処理装置12に送信する。ユーザ設定部66は、顧客の施術希望情報の入力を受け付けてもよい。
【0063】
施術者検索部68は、施術に関する条件を入力するための入力画面を表示操作部62に表示させ、入力画面に入力された条件を通信部60を通じて情報処理装置12に送信する。施術者検索部68は、入力画面に入力された条件を顧客端末16を使用する顧客の識別情報と対応付けて情報処理装置12に送信する。施術者検索部68は、顧客の施術希望情報の入力を受け付けてもよい。施術者検索部68は、例えば、顧客が指定する基本条件である場所、日時、予算に関する入力を受け付けてもよい。施術者検索部68は、基本条件とは異なる施術希望の詳細条件(施術メニュー、施術技術、ヘアスタイル、髪質、髪の悩み、施術者の属性など)の入力を受け付けてもよい。
【0064】
施術者検索部68は、施術者の検索結果に関する情報を通信部60を通じて情報処理装置12から取得し、表示操作部62に表示させる。施術者検索部68は、例えば、施術者選択部36によって選択された施術者に関する情報を情報処理装置12から取得し、表示操作部62に表示させる。施術者検索部68は、施術者に関する情報として、施術者情報、店舗情報、施術記録情報、施術評価情報などを情報処理装置12から取得して表示操作部62に表示させてもよい。
【0065】
施術者検索部68は、施術を予約するための予約画面を表示操作部62に表示させてもよい。施術者検索部68は、顧客が選択した施術者の空き情報を情報処理装置12から取得して表示操作部42に表示させ、顧客から予約日時の入力を受け付けてもよい。施術者検索部68は、入力された予約日時を顧客の識別情報および施術者の識別情報と対応付けて情報処理装置12に送信してもよい。
【0066】
施術記録閲覧部70は、施術記録管理部30にて管理される施術記録情報を通信部60を通じて情報処理装置12から取得し、表示操作部62に表示させる。施術記録閲覧部70は、顧客端末16を使用する顧客の識別情報に対応付けられた施術記録情報を取得して表示操作部62に表示させる。施術記録閲覧部70は、施術記録情報に対応付けられたセット動画などの動画データを表示操作部62に表示させてもよい。施術記録閲覧部70は、顧客端末16を使用する顧客とは別の顧客に対応付けられた施術記録情報を取得して表示操作部62に表示させてもよい。
【0067】
施術記録閲覧部70は、施術評価情報を入力するための入力画面を表示操作部62に表示させ、入力画面に入力された施術評価情報を通信部60を通じて情報処理装置12に送信してもよい。施術記録閲覧部70は、施術評価情報に対する施術者からのコメントを表示させてもよいし、施術者からのコメントに対する再評価を入力するための入力画面を表示させ、入力画面に入力された再評価情報を通信部60を通じて情報処理装置12に送信してもよい。
【0068】
商品検索部72は、商品管理部32にて管理される商品を検索するための入力画面を表示操作部62に表示させ、入力画面に入力された検索条件を通信部60を通じて情報処理装置12に送信する。商品検索部72は、通信部60を通じて情報処理装置12から商品の検索結果に関する情報を取得し、表示操作部62に表示させる。商品検索部72は、例えば、商品提案部38にて決定された商品に関する情報を情報処理装置12から取得し、表示操作部62に表示させてもよい。商品検索部72は、商品に関する情報として、商品情報や商品評価情報などを情報処理装置12から取得して表示操作部62に表示させてもよい。
【0069】
日記入力部74は、日記管理部34にて管理される日記情報を入力するための入力画面を表示操作部62に表示させる。日記入力部74は、入力画面に入力された日記情報を通信部60を通じて情報処理装置12に送信する。日記入力部74は、撮像部64が撮像した画像データや動画データを入力画面を通じて受け付けし、画像データや動画データを日記情報と対応づけて情報処理装置12に送信してもよい。
【0070】
日記入力部74は、顧客に日記の入力を促すために、日記のテーマに関する情報を表示操作部62に表示させてもよい。日記入力部74は、顧客の施術記録情報や購入履歴情報に基づいて、顧客が受けた施術や顧客が使用した商品に関する情報を表示操作部42に表示させ、施術や商品に対する顧客の評価を含む日記の入力を促してもよい。日記入力部74は、顧客が施術や商品に関する日記を入力した場合、日記情報に記録IDや商品IDを対応付けて情報処理装置12に送信してもよい。
【0071】
図5は、情報処理システム10の動作の一例を示すシーケンス図である。顧客端末16は、顧客が入力した顧客情報を情報処理装置12に送信する(S10)。情報処理装置12は、顧客端末16から取得した顧客情報を登録し(S12)、顧客端末16に登録完了を通知する(S14)。顧客端末16は、顧客が入力した施術希望情報を情報処理装置12に送信する(S16)。情報処理装置12は、顧客端末16から取得した施術希望情報に基づいて施術者を選択する(S18)。情報処理装置12は、取得した施術希望情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報との相関に基づいて施術者を選択する。情報処理装置12は、選択した施術者に関する情報を顧客端末16に通知する(S20)。
【0072】
顧客端末16は、情報処理装置12から取得した施術者に関する情報を表示する(S22)。顧客端末16は、顧客から施術者を予約する入力を受け付けた場合、情報処理装置12に予約情報を送信する(S24)。情報処理装置12は、顧客端末16から取得した予約情報に基づいて、施術記録情報を生成する(S26)。S26の時点の施術記録情報は、施術希望情報を含むが、施術実績情報を含まない。情報処理装置12は、店舗端末14に施術記録情報を通知する(S28)。
【0073】
店舗端末14は、顧客への施術後に施術者が入力した施術記録情報を情報処理装置12に送信する(S30)。S30の時点の施術記録情報は、施術実績情報を含む。情報処理装置12は、店舗端末14から施術記録情報を取得し、施術記録情報を更新する(S32)。情報処理装置12は、顧客端末16に施術記録情報に対応する施術評価情報の入力依頼を通知する(S34)。顧客端末16は、顧客が入力した施術評価情報を情報処理装置12に送信する(S36)。情報処理装置12は、顧客端末16から取得した施術評価情報を登録し(S38)、店舗端末14に施術評価情報を通知する(S40)。
【0074】
上述の実施の形態では、美容室における施術サービスを例示した。本実施の形態は、美容室とは異なる任意の施術サービスに適用可能である。例えば、施術部位が爪であるネイルサロン、施術部位がまつげであるまつげサロン、施術部位が肩や腰などであるリラクゼーションサロンやマッサージ店、施術部位が顔や全身であるエステサロン、その他、接骨院などにおける仲介事業に適用されてもよい。
【0075】
上述の実施の形態では、日記管理部34に記憶される日記情報に基づいて、施術記録管理部30および商品管理部32が評価情報を生成する場合について示した。変形例では、顧客が使用する外部のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)から施術や商品に関する情報を取得して評価情報を生成してもよい。
【0076】
変形例において、情報処理装置12は、顧客から施術者または店舗への決済機能を提供するための決済管理部をさらに備えてもよい。決済管理部は、施術後に顧客から施術者への施術料金を支払うための決済処理を実行してもよい。決済管理部は、顧客情報に予め登録された決済手段(クレジットカード、バーコード決済など)により決済処理を実行してもよい。決済管理部は、顧客から施術者へのチップ(施術に対する追加金銭)の支払いを可能にしてもよい。例えば、情報処理装置12は、施術後に施術記録情報を受信したことを契機として、チップ金額を入力するための画面を顧客端末に表示させてもよい。顧客は、顧客端末を通じて施術者に対して任意の追加金銭を支払うことができる。
【0077】
以下、本開示のいくつかの態様について説明する。
【0078】
第1の態様は、施術者の識別情報を管理する施術者管理部と、施術者が顧客に提供した施術に関する内容を記録した施術記録情報を、施術者の識別情報と対応付けて管理する施術記録管理部と、顧客が使用する端末から、顧客が希望する施術に関する施術希望情報を取得する取得部と、前記取得した施術希望情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報との相関に基づいて、選択候補の中から施術者を選択する施術者選択部と、顧客が使用する端末に、前記選択した施術者に関する情報を通知する通知部と、を備える情報処理システムである。第1の態様によれば、顧客の施術希望情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報との相関に基づくことで、顧客の施術希望を実現しうる施術実績を有する施術者を顧客に提示できる。その結果、施術者の自己申告による情報に基づいて施術者を選択する場合に比べて、提示内容の客観性や信頼性を向上できる。
【0079】
第2の態様は、前記通知部は、顧客が使用する端末に、前記選択した施術者の施術記録情報に関する情報を通知する、第1の態様に記載の情報処理システムである。第2の態様によれば、顧客に施術者の施術実績を提示できるため、施術実績が提示されない場合に比べて提示内容の客観性や信頼性をさらに向上できる。
【0080】
第3の態様は、前記取得部は、顧客が使用する端末から、施術に対する顧客の評価に関する施術評価情報を取得し、前記施術記録管理部は、前記取得した施術評価情報を施術記録情報と対応付けて管理し、前記施術者選択部は、選択候補となる施術者の施術記録情報に対応付けられた施術評価情報にさらに基づいて、施術者を選択する、第1または第2の態様に記載の情報処理システムである。第3の態様によれば、施術者の施術実績に対する顧客の評価情報に基づくことで、提示内容の客観性や信頼性をさらに向上できる。例えば、顧客からの評価が高い施術実績を有する施術者を顧客に提示することで、顧客の施術希望を高い品質で実現しうる施術者を提示できる。
【0081】
第4の態様は、前記通知部は、顧客が使用する端末に、前記選択した施術者の施術記録情報に対応付けられた施術評価情報に関する情報を通知する、第3の態様に記載の情報処理システムである。第4の態様によれば、施術者の施術実績に対する別の顧客による評価情報を顧客に提示できるため、評価情報が提示されない場合に比べて提示内容の客観性や信頼性をさらに向上できる。
【0082】
第5の態様は、顧客の識別情報を管理する顧客管理部をさらに備え、前記施術記録管理部は、施術記録情報を顧客の識別情報と対応付けて管理し、前記取得部は、顧客が使用する端末から、顧客の識別情報を取得し、前記施術者選択部は、前記取得した顧客の識別情報に対応付けられた施術記録情報にさらに基づいて、施術者を選択する、第1から第4のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第5の態様によれば、顧客が過去に受けた施術について専門家である施術者が記録した施術実績を考慮するため、専門家の視点を加味して適切な施術者を提示できる。また、顧客の過去の施術に対する評価を加味することにより、顧客の過去の施術に対する嗜好がより適切に加味された施術者を提示できる。
【0083】
第6の態様は、顧客の施術記録情報に基づいて、顧客に提案する商品を決定する商品提案部をさらに備え、前記通知部は、顧客が使用する端末に、前記決定した商品に関する情報を通知する、第5の態様に記載の情報処理システムである。第6の態様によれば、顧客が過去に受けた施術について専門家である施術者が記録した施術実績に基づいて商品を提案できるため、専門家の視点を加味したより適切な商品を顧客に提案できる。
【0084】
第7の態様は、前記取得部は、顧客が使用する端末から、商品に対する顧客の評価に関する商品評価情報を取得し、前記商品提案部は、複数の顧客の施術記録情報と、複数の顧客の商品評価情報とに基づいて、顧客に提案する商品を決定する、第6の態様に記載の情報処理システムである。第7の態様によれば、複数の顧客を施術実績に基づいて分類し、顧客の分類ごとに顧客評価の高い商品を提案できるため、専門家の視点で分類された顧客群により適切な商品を提案できる。
【0085】
第8の態様は、前記通知部は、顧客が使用する端末に、顧客の施術記録情報を表示するための情報を通知する、第5から第7のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第8の態様によれば、専門家である施術者による施術記録を顧客に提示することで、顧客にリピートしてもらうための様々なアドバイスが可能となる。顧客は、過去の施術内容を詳細に管理することができ、施術部位を自身でメンテナンスする際や、メンテナンスに使用する商品を自身で選択する際に、施術記録を参考にすることができる。
【0086】
第9の態様は、前記施術記録管理部は、顧客に提供した施術を撮像した動画データを施術記録情報と対応付けて管理し、前記通知部は、顧客が使用する端末に、顧客の施術記録情報と対応付けられた動画データを再生するための情報を通知する、第8の態様に記載の情報処理システムである。第9の態様によれば、施術中に顧客が直接確認できないような施術部位を撮像した動画データを顧客に提示することで、施術に対する顧客の満足度や信頼度の向上に役立てることができる。顧客は、動画データに基づいて施術部位を顧客自身でメンテナンスできるため、顧客の利便性を向上できる。
【0087】
第10の態様は、前記施術者選択部は、前記取得した施術希望情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報との相関を複数の選択基準を用いて評価し、前記複数の選択基準に対応する複数の施術者を選択し、前記通知部は、顧客が使用する端末に、前記選択した複数の施術者に関する情報を通知する、第1から第9のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第10の態様によれば、複数の選択基準を用いて施術者を選択することにより、タイプの異なる複数の施術者を提示することができる。例えば、顧客にとって意外性のある提案が可能となり、顧客に新しい挑戦の方法を通知し、新しい自分に出会える可能性を示すことができる。
【0088】
第11の態様は、前記施術者選択部は、選択候補となる施術者の施術記録情報の登録数にさらに基づいて、施術者を選択する、第1から第10のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第11の態様によれば、施術記録情報の登録数に基づいて施術者を選択することで、実績が豊富な施術者を提示できる。
【0089】
第12の態様は、前記施術者管理部は、施術者が得意とする施術に関する得意施術情報を、施術者の識別情報と対応付けて管理し、前記施術者選択部は、施術者が得意とする施術に関する得意施術情報にさらに基づいて、施術者を選択する、第1から第11のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第12の態様によれば、顧客が希望する施術内容を得意と感じる施術者を提示でき、顧客との相性がより高い施術者を提示できる。
【0090】
第13の態様は、施術記録管理部は、施術を提供した顧客の属性情報を、施術記録情報と対応付けて管理し、前記取得部は、顧客が使用する端末から、顧客の属性情報を取得し、前記施術者選択部は、前記取得した顧客の属性情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報に対応付けられた顧客の属性情報とにさらに基づいて、施術者を選択する、第1から第12のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第13の態様によれば、顧客と同様の属性を有する顧客に対する施術実績が豊富な施術者を提示でき、顧客との相性がより高い施術者を提示できる。
【0091】
第14の態様は、前記施術者管理部は、施術者が得意とする顧客の属性に関する得意属性情報を、施術者の識別情報と対応付けて管理し、前記取得部は、顧客が使用する端末から、顧客の属性情報を取得し、前記施術者選択部は、前記取得した顧客の属性情報と、選択候補となる施術者の得意属性情報とにさらに基づいて、施術者を選択する、第1から第12のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第14の態様によれば、顧客の属性に対して得意と感じる施術者を提示できるため、顧客との相性がより高い施術者を提示できる。
【0092】
第15の態様は、施術者の識別情報を管理する施術者管理部と、顧客の識別情報を管理する顧客管理部と、施術者が顧客に提供した施術に関する内容を記録した施術記録情報を、施術者の識別情報および顧客の識別情報と対応付けて管理する施術記録管理部と、顧客の施術記録情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報との相関に基づいて、選択候補の中から施術者を選択する施術者選択部と、顧客が使用する端末に、前記選択した施術者に関する情報を通知する通知部と、を備える情報処理システムである。第15の態様によれば、顧客の施術記録情報に基づいて施術者を選択することで、顧客が過去に利用した施術者に似た施術者を提示できる。例えば、顧客が過去に依頼していた施術者の施術を受けられない事情等が生じ、代わりとなる施術者を探しているような場合、以前の施術者に似た施術者を提示できる。
【0093】
(第2の実施の形態)
本開示の情報処理システムは、顧客と施術者の間で感謝を循環させる仕組みをさらに提供する。従来、顧客が施術者の施術に満足して施術者に感謝の気持ちを抱いた場合、施術を受けた店舗で顧客から施術者に直接感謝を伝えることができる。しかしながら、感謝を伝えるタイミングを逸した場合や、感謝の気持ちを率直に伝えることに恥ずかしさを覚えた場合には、顧客から施術者に感謝を伝えることが難しくなる。また、顧客から施術者への感謝が伝わらない場合、施術者は、顧客の満足度を確かめることができず、自身の仕事(施術)に対して自信や充実感を深めることが難しくなる。そうすると、顧客と施術者の間で良好な関係を構築するきっかけがつかめず、顧客の固定化が難しくなる。顧客を固定化できなければ、施術者の売上を安定させることが難しくなり、施術者が十分な報酬(給与)を得て仕事を継続することが難しくなる。
【0094】
本開示の一例によれば、情報処理システムを通じて、感謝の気持ちを可視化した感謝情報を顧客と施術者の間でやりとりできる。感謝情報は、感謝を数値的に表現した感謝ポイントや、感謝を文字や絵文字などで表現した感謝メッセージなどを含む。感謝情報は、顧客および施術者の識別情報と対応付けて管理され、顧客ごとや施術者ごとに累積される。施術者は、顧客から施術者に贈られた感謝の累積量を確認でき、感謝の累積量の増加に応じて施術者自身の仕事に対する自信や充実感を深めることができる。顧客は、顧客から施術者に贈った感謝の累積量を確認でき、感謝が積み上がっていくことに対して充実感を得ることができる。その結果、顧客と施術者の双方に心理的にプラスの影響を与えることができ、顧客と施術者の間で良好な関係を構築するきっかけを提供できる。また、顧客と施術者の間での感謝の循環を促進することができ、顧客の固定化を支援できる。
【0095】
図6は、第2の実施の形態に係る情報処理システム10の機能構成を模式的に示す図である。第2の実施の形態では、情報処理装置12が感謝情報管理部80および特典管理部82をさらに備え、店舗端末14が感謝情報閲覧部84および特典申請部86をさらに備え、顧客端末16が感謝情報入力部88をさらに備える点で、上述の第1の実施の形態と相違する。以下、第2の実施の形態について、第1の実施の形態との相違点を中心に説明し、共通点については適宜説明を省略する。
【0096】
感謝情報管理部80は、顧客および施術者の間で贈られる感謝に関する感謝情報を記憶し、管理する。施術を受けた顧客は、施術を担当した施術者に感謝を伝えるために感謝情報を送信できる。感謝情報は、感謝の大きさを数値で表した感謝ポイントを含んでもよい。感謝情報は、感謝の内容を文字や絵文字などで表現した感謝メッセージを含んでもよい。感謝情報管理部80は、取得部20を通じて顧客端末16から取得した感謝情報を顧客の識別情報および施術者の識別情報と対応付けて管理する。
【0097】
図7は、感謝情報管理部80が管理する感謝情報のデータ構造の一例を示す図である。感謝情報は、感謝IDをキーとして、送信者ID、受信者ID、送信日時、感謝ポイント、感謝メッセージを含む。送信者IDとして、顧客IDを用いることができ、受信者IDとして施術者IDを用いることができる。感謝ポイントは、感謝の大きさを表す数値である。例えば、感謝を贈ろうとする顧客は、自身が抱いた感謝の気持ちに応じて、感謝ポイントの数値を決定できる。顧客は、自身が抱いた感謝の気持ちに応じて「イメージどおりに仕上がりました!」「対応が丁寧で感激しました!!」といった施術者に対する感謝メッセージを入力できる。
【0098】
感謝情報は、顧客から複数の施術者に向けて送信されてもよい。例えば、カットを担当した第1施術者、カラーを担当した第2施術者、ヘアセットを担当した第3施術者といった複数の施術者に向けて感謝情報が送信されてもよい。感謝情報は、顧客から店舗に向けて送信されてもよい。この場合、感謝情報管理部80は、顧客端末16から取得した感謝情報を顧客の識別情報および店舗の識別情報と対応付けて管理してもよい。つまり、受信者IDは、店舗IDであってもよい。
【0099】
感謝情報は、施術者から顧客に向けて送信されてもよい。例えば、顧客から感謝情報を受信した施術者は、顧客に向けて感謝情報を送信してもよい。この場合、感謝情報管理部80は、店舗端末14から取得した感謝情報を施術者の識別情報および顧客の識別情報と対応付けて管理してもよい。つまり、送信者IDが施術者IDであり、受信者IDが顧客IDであってもよい。
【0100】
感謝情報は、施術者から別の施術者に送信されてもよい。例えば、顧客への施術の主担当となるスタイリストなどの第1施術者が顧客から感謝情報を受信した場合、同一顧客を担当したアシスタントなどの第2施術者に向けて第1施術者から感謝情報を送信してもよい。例えば、第1施術者が受信した感謝情報に含まれる感謝ポイントを第2施術者にお裾分けしてもよい。この場合、店舗端末14から取得した感謝情報を第1施術者および第2施術者の識別情報と対応付けて管理する。つまり、送信者IDと受信者IDの双方が施術者IDであってもよい。
【0101】
感謝情報は、店舗から施術者に送信されてもよい。例えば、顧客から店舗に向けた感謝情報を受信した場合、その顧客を担当者した施術者に向けて店舗から感謝情報を送信してもよい。感謝情報は、店舗から別の店舗に送信されてもよい。例えば、店舗Aにて顧客の予約を受けることができず、別の店舗Bに顧客を紹介したような場合に、店舗Bから店舗Aに向けて感謝情報を送信してもよい。この場合、顧客から店舗Bへの感謝情報が送信され、さらに店舗Bから店舗Aに感謝情報が送信されることで、感謝を循環させることができる。感謝情報は、店舗から顧客に送信されてもよい。これらの場合、感謝情報管理部80は、店舗端末14から取得した感謝情報を店舗の識別情報と対応付けて管理する。つまり、感謝情報の送信者IDと受信者IDの少なくとも一方が店舗IDであってもよい。
【0102】
感謝情報管理部80は、顧客に感謝ポイントを付与し、顧客が使用可能な感謝ポイントの残量を集計する。感謝情報管理部80は、顧客が施術を受けたことを契機として顧客に感謝ポイントを付与してもよい。例えば、施術後の施術記録情報の更新処理(例えば、図5のS32の処理)を契機として顧客に感謝ポイントを付与してもよい。感謝情報管理部80は、顧客が施術評価を入力したことを契機として感謝ポイントを付与してもよい。例えば、施術評価情報の登録処理(例えば、図5のS38の処理)を契機として顧客に感謝ポイントを付与してもよい。感謝ポイントは、顧客が金銭を支払うことによって購入できてもよい。感謝情報管理部80は、例えば、顧客の感謝ポイントの購入処理を契機として感謝ポイントを付与してもよい。
【0103】
感謝情報管理部80は、顧客が感謝ポイントを取得した場合、取得した感謝ポイント数に応じて感謝ポイントの残量を加算する。感謝情報管理部80は、顧客が感謝ポイントを使用して感謝情報を送信した場合、使用した感謝ポイント数に応じて感謝ポイントの残量を減算する。感謝情報管理部80は、通知部22を通じて顧客端末16に顧客の感謝ポイントの残量を通知してもよい。
【0104】
感謝情報管理部80は、施術者が使用可能な感謝ポイントの残量を施術者ごとに集計する。施術者は、取得した感謝ポイントを使用して特典を獲得できる。ここで特典とは、感謝ポイントの使用によって獲得できる商品やサービスである。特典として獲得できる商品は、特に限られないが、例えば、菓子や飲料といった食品ギフトである。特典として獲得できるサービスも特に限られないが、例えば、食事や旅行といった体験ギフトである。施術者は、取得した感謝ポイント使用して別の施術者や顧客に感謝ポイントを贈ることもできる。
【0105】
感謝情報管理部80は、施術者が感謝ポイントを取得した場合、取得した感謝ポイント数に応じて感謝ポイントの残量を加算する。感謝情報管理部80は、施術者が感謝ポイントを使用して特典を獲得したり、感謝ポイントを贈ったりした場合、使用した感謝ポイント数に応じて感謝ポイントの残量を減算する。感謝情報管理部80は、通知部22を通じて店舗端末14に施術者の感謝ポイントの残量を通知してもよい。
【0106】
感謝情報管理部80は、店舗ごとや地域ごとに感謝ポイントの残量を集計してもよい。感謝情報管理部80は、例えば、同一店舗に所属する複数の施術者が使用可能な感謝ポイントの残量を集計してもよい。これにより、店舗全体で使用できる感謝ポイントの総残量を把握でき、例えば、店舗全体で蓄積した感謝ポイントを使用してより大きな特典を獲得できる。感謝情報管理部80は、特定の地域に存在する複数の店舗をまとめて、使用可能な感謝ポイントの総残量を集計してもよい。これにより、地域全体で使用できる感謝ポイントの総残量を把握でき、例えば、地域全体で蓄積した感謝ポイントを使用してより大きな特典を獲得できる。獲得した特典は、地域の活性化のために使用されてもよい。
【0107】
感謝情報管理部80は、顧客が贈った感謝ポイントの累積量を集計する。感謝情報管理部80は、例えば、顧客から施術者に贈られた感謝ポイントの累積量を顧客IDごとに集計する。感謝情報管理部80は、施術者が取得した感謝ポイントの累積量を施術者ごとに集計する。感謝情報管理部80は、例えば、顧客から施術者に贈られた感謝ポイントの累積量を施術者IDごとに集計する。感謝情報管理部80は、感謝ポイントの累積量を施術者IDと顧客IDの組み合わせごとに集計してもよい。これにより、施術者は、いずれの顧客から多くの感謝ポイントを取得できたかを把握できる。また、顧客は、いずれの施術者に多くの感謝ポイントを贈ったかを把握できる。感謝情報管理部80は、通知部22を通じて、店舗端末14または顧客端末16に感謝ポイントの累計量を通知してもよい。
【0108】
感謝情報管理部80は、店舗ごとや地域ごとに感謝ポイントの累積量を集計してもよい。感謝情報管理部80は、例えば、同一店舗に所属する複数の施術者に贈られた感謝ポイントの累積量を集計してもよい。これにより、店舗全体で取得できた感謝ポイントの総累計量を把握できる。感謝情報管理部80は、施術者または店舗に贈られた感謝ポイントの累積量を店舗IDと顧客IDの組み合わせごとに集計してもよい。これにより、各店舗は、いずれの顧客から多くの感謝ポイントを取得できたかを把握できる。感謝情報管理部80は、通知部22を通じて店舗端末14に店舗ごとや地域ごとの感謝ポイントの累計量を通知してもよい。
【0109】
特典管理部82は、施術者が獲得可能な特典に関する特典情報を記憶し、感謝ポイントの取得に応じた特典の付与を管理する。特典管理部82は、特典情報として、特典の識別情報である特典IDをキーとして、特典名称、特典画像、特典説明などの情報を管理する。特典名称は、菓子セットA、飲料セットB、食事券C、旅行券Dといった特典の内容を示す。菓子セットや飲料セットは、菓子や飲料のサブスクリプションサービスであってもよい。
【0110】
特典管理部82は、施術者または店舗による特典の獲得に関する情報(特典獲得情報ともいう)を記憶し、管理する。特典獲得情報は、獲得IDをキーとして、獲得者ID、獲得日時、特典ID、特典名称、使用ポイント数などの情報を含む。施術者が特典を獲得する場合、獲得者IDは施術者IDであり、店舗が特典を獲得する場合、獲得者IDは店舗IDである。使用ポイント数は、特典の獲得に使用された感謝ポイントの数量である。特典管理部82は、感謝ポイントの使用ではなく、感謝ポイントの累積量に応じて獲得可能な特典を管理してもよい。例えば、感謝ポイントの累積量が100や1000といった節目に到達したことを契機に獲得可能な特典が用意されてもよい。
【0111】
感謝情報閲覧部84は、感謝情報管理部80にて管理される感謝情報を通信部40を通じて情報処理装置12から取得し、表示操作部42に表示させる。感謝情報閲覧部84は、施術者や店舗に対応付けられた感謝情報を表示操作部42に表示させる。感謝情報閲覧部84は、例えば、施術者に贈られた感謝の累積量に関する情報を取得して表示操作部42に表示させる。感謝情報閲覧部84は、施術者が取得した感謝ポイントの累積量を数値として表示してもよいし、累積量の数値に応じて表示態様が異なるオブジェクト画像を表示してもよい。感謝情報閲覧部84は、顧客から施術者に贈られた少なくとも一つの感謝情報を取得し、これらを時系列順や顧客順などでリスト表示させてもよい。
【0112】
図8は、感謝情報閲覧画面の表示例を模式的に示す図であり、店舗端末14を用いて施術者が閲覧する画面を示す。感謝情報閲覧画面の左上には施術者IDに対応する施術者画像90が表示され、施術者画像90の近傍に感謝ポイントの累積量を示す累積画像91と、感謝ポイントの使用可能な残高を示す残高画像92が表示される。図示する例では、感謝ポイントの数値が示されるとともに、感謝ポイントの数値に対応するオブジェクト画像として座布団の画像が表示されている。
【0113】
図8の例では、累積画像91として、100ポイントに対応する赤色の座布団2枚と、10ポイントに対応する紫色の座布団2枚と、1ポイントに対応する白色の座布団1枚とが表示され、累積で221ポイントを取得できていることが示される。また、特典の獲得に使用可能な感謝ポイントの残量を示す残高画像92として、10ポイントに対応する紫色の座布団2枚と、1ポイントに対応する白色の座布団1枚とが表示され、21ポイントが交換可能であることが示される。なお、感謝ポイントの数値に応じて、1,000ポイントに対応する金色の座布団や、10,000ポイントに対応する虹色の座布団などが表示されてもよい。感謝情報閲覧画面では、累積画像91および残高画像92の双方が表示されてもよいし、いずれか一方のみが表示されてもよい。
【0114】
なお、オブジェクト画像の表示例は座布団に限られず、任意の画像を用いることができる。また、オブジェクト画像の色についても特に限られず、任意の色を用いることができる。その他、感謝ポイントの数値に応じて、オブジェクト画像のサイズを異ならせてもよい。つまり、感謝ポイントの数値に応じてオブジェクト画像(座布団)の数、色、大きさといった表示態様の少なくとも一つを異ならせることができる。
【0115】
図8の感謝情報閲覧画面の下方には、顧客から施術者に贈られた個別の感謝情報93a,93bがリスト表示される。感謝情報93a,93bには、顧客IDや送信日時、感謝メッセージなどが含まれる。また、感謝情報93a,93bには、顧客から施術者に贈られた感謝ポイントを示す個別画像94a,94bが含まれる。個別画像94a,94bにおいても、感謝ポイントの数値に対応するオブジェクト画像として座布団の画像が表示される。個別画像94a,94bにおいても、感謝ポイントの数値に応じてオブジェクト画像(座布団)の数や色、大きさといった表示態様が異なってもよい。
【0116】
感謝情報閲覧部84は、受信した感謝情報に対する返信を受け付けてもよい。施術者は、図8の感謝情報93bの近傍(例えば下方)に表示されるコメントボタン95を押下することにより、顧客からの感謝情報93bに対する返信コメント96を入力できる。施術者は、感謝情報93bの近傍(例えば下方)に表示されるリアクションボタン97を押下することにより、星やハート、サムズアップなどのリアクション画像98を顧客の感謝情報93bに付与できる。感謝情報閲覧部84は、施術者が入力した返信コメント96やリアクション画像98などを含む返信情報を通信部60を通じて情報処理装置12に送信してもよい。
【0117】
感謝情報閲覧部84は、顧客ごとに集計された感謝ポイントの累積量を表示してもよい。例えば、顧客から施術者に贈られた感謝ポイントの累積量の多い順に、複数の顧客がリスト表示されてもよい。感謝情報閲覧部84は、施術者から別の施術者に感謝ポイントを贈るための入力画面を表示操作部42に表示させてもよい。感謝情報閲覧部84は、施術者から顧客に感謝ポイントを贈るための入力画面を表示操作部42に表示させてもよい。
【0118】
特典申請部86は、特典管理部82にて管理される特典を獲得するための申請を受け付ける。特典申請部86は、特典管理部82にて管理される特典情報を通信部40を通じて情報処理装置12から取得し、表示操作部42に表示させる。特典申請部86は、感謝情報管理部80から使用可能な感謝ポイントの残量を示す情報を通信部40を通じて情報処理装置12から取得し、表示操作部42に表示させる。特典申請部86は、感謝ポイントの残量の範囲内で獲得可能な特典の獲得申請を受け付けるための申請画面を表示操作部42に表示させる。特典申請部86は、感謝ポイントの累積量に応じて獲得可能な特典の獲得申請を受け付けるための申請画面を表示操作部42に表示させてもよい。特典申請部86は、申請画面の入力操作に基づいて特典獲得情報を生成し、通信部40を通じて情報処理装置12に送信する。特典申請部86は、施術者ごとに特典の獲得申請を受け付けてもよいし、店舗や地域ごとに特典の獲得申請を受け付けてもよい。
【0119】
感謝情報入力部88は、顧客が感謝情報を入力するための入力画面を表示操作部62に表示させ、入力画面に入力された感謝情報を通信部60を通じて情報処理装置12に送信する。感謝情報入力部88は、感謝情報を送信する相手となる施術者を選択するための選択画面を表示させる。感謝情報入力部88は、顧客の施術記録情報に対応付けられた施術者を選択画面に表示させてもよい。感謝情報入力部88は、感謝メッセージおよび感謝ポイントの数量の入力画面を表示操作部62に表示させる。感謝情報入力部88は、顧客が使用可能な感謝ポイントの残量を通信部60を通じて情報処理装置12から取得し、入力画面に表示させてもよい。感謝情報入力部88は、顧客の感謝ポイントの残量の範囲内で感謝ポイントの入力を受け付けてもよい。
【0120】
感謝情報入力部88は、顧客が使用した感謝ポイントの過去の累積量を通信部60を通じて情報処理装置12から取得し、表示操作部62に表示させてもよい。感謝情報入力部88は、顧客から施術者に贈った感謝ポイントの累積量を施術者IDごとに集計して表示してもよい。例えば、顧客から施術者に贈った感謝ポイントの累積量の多い順に、複数の施術者がリスト表示されてもよい。感謝情報入力部88は、顧客が贈った感謝情報に対して施術者が入力した返信コメントやリアクション画像に関する情報を情報処理装置12から取得し、表示操作部62に表示させてもよい。
【0121】
図9は、感謝情報入力画面の表示例を模式的に示す図であり、顧客端末16を用いて顧客が感謝情報を入力する画面を示す。感謝情報入力画面の左上には顧客IDに対応する顧客画像100が表示され、顧客画像100の近傍に顧客が贈った感謝ポイントの累積量を示す累積画像101と、感謝ポイントの使用可能な残高を示す残高画像102が表示される。図8の例と同様、感謝ポイントの数値が示されるとともに、感謝ポイントの数値に対応するオブジェクト画像として座布団の画像が表示される。
【0122】
図9の感謝情報入力画面の下方には、感謝情報の送信先(宛先)となる施術者の選択欄103、施術者に贈る感謝ポイントの数値の入力欄104、施術者に贈る感謝メッセージの入力欄105などが表示される。感謝ポイントの数値を入力すると、入力した数値に応じたオブジェクト画像106が表示されてもよく、例えば、数値を増やすにつれて座布団が積み上がっていく演出表示がなされてもよい。送信先、感謝ポイントの数値、感謝メッセージを入力して送信ボタン107を押下すると、顧客端末16から情報処理装置12に感謝情報が送信される。
【0123】
施術者選択部36は、感謝情報管理部80に記録される感謝情報にさらに基づいて、選択候補となる施術者を抽出してもよい。施術者選択部36は、感謝ポイントの累積量を考慮して選択候補となる施術者を抽出してもよい。施術者選択部36は、感謝ポイントの累積量に応じて顧客と施術者の間の類似性を示す評価値を算出してもよく、感謝ポイントの累積量が多いほど評価値が高得点となるようにしてもよい。感謝ポイントの累積値を用いることにより、顧客と施術者の相性を定量的に分析することができ、相性が良いと考えられる施術者を提案できる。
【0124】
施術記録閲覧部70は、施術記録情報に対応付けられた画像データや動画データを加工するための編集画面を表示操作部62に表示させてもよい。施術記録閲覧部70は、例えば、店舗にて顧客を撮像した画像データや動画データを加工するための編集画面を表示操作部62に表示させてもよい。編集画面は、フレーム画像やスタンプ画像などを付与するデコレーション処理、顔面へのメイク処理、顔の部位(目、鼻、口、耳)の変形処理、モザイク処理、ぼかし加工などを可能にしてもよい。編集画面は、施術部位(例えば髪)に対する画像処理を不可とし、施術部位以外の部分(例えば顔面)に対する画像処理を可能としてもよい。これにより、施術部位をそのまま表示する一方で、プライバシーに関わる部分(顔面など)をデコレーションした画像を生成できる。このようなデコレーション機能により、プライバシーへの配慮がなされ、画像データの投稿を促進できる。
【0125】
施術記録閲覧部70にて編集した画像データや動画データは、施術記録情報と対応付けて情報処理装置12に送信されてもよいし、外部のSNSに投稿可能であってもよい。顧客が編集した施術記録情報に対して、別の顧客や施術者が感謝情報を送信可能であってもよく、感謝メッセージや感謝ポイントを贈ることができてもよい。また、顧客が編集した施術記録情報に対して、別の顧客や施術者が返信可能であってもよく、返信メッセージやリアクション画像を付与可能であってもよい。
【0126】
施術記録入力部50は、撮像部44が撮像した画像データや動画データを加工するための編集画面を表示操作部42に表示させてもよい。施術記録入力部50によって表示操作部42に表示される編集画面は、施術記録閲覧部70によって表示操作部62に表示される編集画面と同様であってもよい。施術者は、施術記録閲覧部70にて編集した画像データや動画データを施術記録情報に対応付けて情報処理装置12に送信することができる。顧客は、施術記録閲覧部70を通じて、施術者が編集した画像データや動画データを参照できる。顧客は、施術記録閲覧部70を通じて、施術者が編集した画像データや動画データをさらに編集してもよい。
【0127】
日記入力部74は、撮像部64が撮像した画像データや動画データを加工するための編集画面を表示操作部62に表示させてもよい。日記入力部74は、施術記録閲覧部70によって提供される編集画面と同様の編集画面を表示操作部62に表示させてもよい。日記入力部74にて編集した画像データや動画データは、日記情報として情報処理装置12に送信可能であってもよいし、外部のSNSに投稿可能であってもよい。顧客が生成した日記情報に対して、別の顧客や施術者が感謝情報を送信可能であってもよく、感謝メッセージや感謝ポイントを贈ることができてもよい。また、顧客が生成した日記情報に対して、別の顧客や施術者が返信可能であってもよく、返信メッセージやリアクション画像を付与可能であってもよい。
【0128】
図10は、情報処理システム10の動作の一例を示すシーケンス図である。顧客端末16は、顧客が入力した感謝情報を情報処理装置12に送信する(S50)。情報処理装置12は、顧客端末16から取得した感謝情報を記録する(S52)。情報処理装置12は、記録した感謝情報の送信先となる店舗端末14に感謝情報を通知する(S54)。店舗端末14は、情報処理装置12から取得した感謝情報を表示する(S56)。店舗端末14は、施術者または店舗がこれまでに取得した感謝ポイントの累積量を表示してもよい。
【0129】
店舗端末14は、施術者が感謝情報に対する返信を入力した場合、入力された返信情報を情報処理装置12に送信する(S58)。情報処理装置12は、店舗端末14から取得した返信情報を感謝情報と対応付けして感謝情報を更新する(S60)。情報処理装置12は、返信情報を含む更新された感謝情報を顧客端末16に送信する(S62)。顧客端末16は、情報処理装置12から取得した感謝情報を表示する(S64)。顧客端末16は、例えば、顧客が施術者に贈った感謝情報に対する返信情報を表示する。顧客端末16は、これまで贈った感謝ポイントの累積量を表示してもよい。
【0130】
(変形例)
上述の実施の形態において、感謝情報の送受信にブロックチェーン技術を適用してもよい。例えば、感謝ポイントを暗号通貨やNFT(Non Fungible Token)として発行し、顧客と施術者の間での感謝ポイントの授受の流れが全て記録されるようにしてもよい。これにより、顧客と施術者の間での感謝の循環やつながりを見える化してもよい。
【0131】
上述の実施の形態では、美容室における施術サービスを例示したが、本実施の形態は、特定の施術に限られず、任意の施術サービスに適応可能である。本実施の形態に係る「施術」は、医療行為を含んでもよい。この場合、施術者とは、病院などの医療機関における医師、看護師、薬剤師、検査技師、理学療法士、作業療法士などの医療従事者であってもよく、顧客とは、医療行為を受ける患者であってもよい。本実施の形態は、施術以外の任意のサービス事業にも適用可能である。この場合、施術者とは、任意のサービスを顧客に提供するサービス提供者であってもよく、小売業、飲食業、宿泊業、娯楽業、教育業、福祉業、不動産業、運輸業、公共サービスなどの任意のサービスを提供する事業者の従業員であってもよい。
【0132】
変形例においては、店舗端末14の代わりに、施術者個人が保有するパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォンなどの施術者端末を用いてもよい。施術者端末は、店舗端末14と同等の機能を有してもよい。
【0133】
変形例においては、店舗ごとに施術者を管理するのではなく、施術者個人を所属する店舗とは独立して管理してもよい。この場合、情報処理装置12は、店舗管理部24を備えなくてもよい。施術者個人を店舗とは独立して管理することにより、施術者個人が所属する店舗が変わる場合であっても、顧客と施術者個人の関係性において施術記録情報や感謝情報を蓄積できる。これにより、施術者が所属する店舗とは無関係に、顧客と施術者の間での感謝の循環やつながりを促進できる。
【0134】
上述の第2の実施の形態では、顧客から施術者に感謝ポイントを贈る場合について示した。変形例では、顧客から施術者に感謝の気持ちを伝えるための感謝スタンプを贈ることができるように構成されてもよい。変形例における感謝スタンプは、第2の実施の形態における感謝情報の一例とみなすことができる。
【0135】
図11は、感謝スタンプの送信画面の表示例を模式的に示す図である。図11は、感謝情報入力部88によって顧客端末16に表示される感謝情報入力画面に相当する。画面上部には、感謝スタンプを贈る相手となる施術者に関する施術者情報110が表示される。画面中央には、選択候補となる複数の感謝スタンプ112a,112b,112c,112dが表示される。感謝スタンプ112a~112dのそれぞれは、文字、絵文字、記号、画像などを含むことができる。図11の画面は、例えば、複数の感謝スタンプ112a~112dのいずれか一つのみを選択できるように構成される。図11の画面は、複数の感謝スタンプ112a~112dを任意の組み合わせで二以上選択できるように構成されてもよい。画面下部には、施術者に贈る応援メッセージの自由記述欄114が表示される。自由記述欄114には、文字、絵文字、記号などを入力できる。画面下部の「感謝スタンプを贈る」のボタン116を押下すると、選択した感謝スタンプおよび応援メッセージが施術者に向けて送信される。顧客から施術者に送信される感謝スタンプおよび応援メッセージは、感謝情報管理部80によって感謝情報として管理される。施術者は、店舗端末14(または施術者端末)において、顧客からの感謝スタンプおよび応援メッセージを確認できる。
【0136】
上述の第2の実施の形態では、施術者が感謝ポイントを使用することにより、食品ギフトや体験ギフトといった特典を獲得できる場合について示した。変形例においては、顧客から施術者に感謝の気持ちを伝えるための感謝ギフトを贈ることができるように構成されてもよい。変形例においては、感謝ポイントの使用によって特典を獲得するのではなく、顧客から施術者に具体的な特典を直接的に贈ることができる。感謝ギフトは、第2の実施の形態における感謝情報の一例とみなすことができる。
【0137】
図12は、感謝ギフトの送信画面の表示例を模式的に示す図である。図12は、感謝情報入力部88によって顧客端末16に表示される感謝情報入力画面に相当する。画面上部には、感謝スタンプを贈る相手となる施術者に関する施術者情報120が表示される。画面中央には、選択候補となる複数の感謝ギフト122a,122b,122cが表示される。図12の例では、菓子や飲料などの食品ギフトが表示されている。図12の画面は、複数の感謝ギフト122a~122cのいずれか一つのみを選択できるように構成されてもよいし、任意の組み合わせで二以上を選択できるよう構成されてもよい。画面下部の「差し入れする」のボタン124を押下すると、選択した感謝ギフトを施術者に贈るための手続きが開始される。顧客から施術者に送信される感謝ギフトは、感謝情報管理部80によって感謝情報として管理される。施術者は、店舗端末14(または施術者端末)において、顧客からの感謝ギフトを確認できる。
【0138】
図12の画面は、図11の感謝スタンプの送信画面にて「感謝スタンプを贈る」のボタン116を押下した後に表示されてもよい。この場合、感謝スタンプを贈った後に、追加の感謝として感謝ギフトを贈ることができ、顧客から施術者により多くの感謝を伝えることが容易となる。
【0139】
上述の第2の実施の形態では、顧客からの感謝情報を施術者が受信した場合、受信した感謝情報に対する返信を施術者が入力できる場合について示した。変形例においては、施術者から顧客に感動の気持ちを伝えるための感動スタンプを贈ることができるように構成されてもよい。例えば、顧客から施術者に贈られる感謝スタンプに対し、施術者から顧客に感動スタンプをお返しできるように構成されてもよい。感動スタンプは、第2の実施の形態における感謝情報の一例とみなすことができる。
【0140】
図13は、感動スタンプの送信画面の表示例を模式的に示す図である。図13の画面は、感謝情報閲覧部84によって店舗端末14(または施術者端末)に表示される。画面上部には、感動スタンプを贈る相手となる顧客に関する顧客情報130が表示される。図13の例では、顧客情報130として顧客の名前(XXXさん)が表示されている。画面中央には、選択候補となる複数の感動スタンプ132a,132bが表示される。感動スタンプ132a~132bのそれぞれは、文字、絵文字、記号、画像などを含むことができる。複数の感動スタンプ132a~132bは、図11の感謝スタンプ112a~112dとは文字、絵文字、記号、画像などの内容が異なるように構成される。図13の画面は、複数の感動スタンプ132a~132bのいずれか一つのみを選択できるように構成されてもよいし、任意の組み合わせで二以上を選択できるように構成されてもよい。画面下部には、顧客に贈る感動メッセージの自由記述欄134が表示される。自由記述欄134には、文字、絵文字、記号などを入力できる。画面下部の送信ボタン136を押下すると、選択した感動スタンプおよび感動メッセージが顧客に向けて送信される。施術者から顧客に送信される感動スタンプおよび感動メッセージは、感謝情報管理部80によって感謝情報として管理される。顧客は、顧客端末16において施術者からの感動スタンプおよび感動メッセージを確認できる。
【0141】
上述の第2の実施の形態では、顧客から施術者に贈られた感謝ポイントの累積量および残高を示す閲覧画面が表示される場合について示した。変形例においては、感謝スタンプ、感謝ギフトおよび感動スタンプの少なくとも一つの累積量を示すサマリ画面が表示されてもよい。
【0142】
図14は、顧客端末16に表示されるサマリ画面の表示例を模式的に示す図である。画面上部には、顧客に関する顧客情報140として、顧客のアバター画像、顧客の名前、顧客のステータスなどが表示される。顧客情報140の下側には、顧客が贈った感謝スタンプおよび感謝ギフトと、顧客が受信した感動スタンプとの累計量を示す累積情報142が表示される。図14の例では、バーの長さによって累計量の数値の大きさが表示される。累積情報142によって示される数値は、感謝情報管理部80によって管理される感謝情報を集計することにより算出できる。具体的には、過去に顧客が贈った感謝スタンプに応じた感謝スタンプポイント、過去に顧客が贈った感謝ギフトに応じた感謝ギフトポイント、および、過去に顧客がもらった感動スタンプに応じた感動スタンプポイントを合算することにより算出される。顧客が複数の施術者との間で、感謝スタンプ、感謝ギフトおよび感動スタンプをやり取りしている場合、複数の施術者についての合算値が累積情報142として表示される。顧客には、累積情報142として示される累積量に応じたステータス(またはレベル)が付与可能であり、累積量が所定値に到達することでステータス(またはレベル)がランクアップされる。
【0143】
図14の画面下部には、施術者別およびポイント種別の累積量が示される。図14の例では、特定の施術者に関する施術者情報144と、感謝ギフトポイントの累積量を示す累積情報146と、感謝スタンプポイントの累積量を示す累積情報148と、感動スタンプポイントの累積量を示す累積情報150とが表示されている。感謝ギフトポイントの累積情報146は、顧客から特定の施術者に贈った感謝ギフトの履歴に応じて算出され、感謝ギフトの内容ごとにあらかじめ設定されるポイント数を合算することにより算出できる。感謝スタンプポイントの累積情報148は、顧客から特定の施術者に贈った感謝スタンプの履歴に応じて算出され、感謝スタンプの内容ごとにあらかじめ設定されるポイント数を合算することにより算出できる。感動スタンプポイントの累積情報148は、顧客が特定の施術者からもらった感動スタンプの履歴に応じて算出され、感動スタンプの内容ごとにあらかじめ設定されるポイント数を合算することにより算出できる。
【0144】
図14において、累積情報146,148,150のそれぞれの下側には「詳細を見る」の閲覧ボタン146a,148a,150aが表示されている。閲覧ボタン146a,148a,150aのいずれかを押すと、顧客と特定の施術者の間でやりとりした感謝ギフト、感謝スタンプ、感動スタンプのいずれかの履歴が一覧表示される。
【0145】
図15は、施術者端末に表示されるサマリ画面の表示例を模式的に示す図である。施術者端末に表示されるサマリ画面は、図14の顧客端末16に表示されるサマリ画面と同様である。画面上部には、施術者に関する施術者情報152として、施術者のアバター画像、施術者の名前、施術者のステータスなどが表示される。施術者情報152の下側には、施術者がもらった感謝スタンプおよび感謝ギフトと、施術者が贈った感動スタンプとの累計量を示す累積情報154が表示される。図15の例では、バーの長さによって累計量の数値の大きさが表示される。累積情報154によって示される数値は、感謝情報管理部80によって管理される感謝情報を集計することにより算出できる。具体的には、過去に施術者がもらった感謝スタンプに応じた感謝スタンプポイント、過去に施術者がもらった感謝ギフトに応じた感謝ギフトポイント、および、過去に施術者が贈った感動スタンプに応じた感動スタンプポイントを合算することにより算出される。施術者が複数の顧客との間で、感謝スタンプ、感謝ギフトおよび感動スタンプをやり取りしている場合、複数の顧客についての合算値が累積情報154として表示される。施術者には、累積情報154として示される累積量に応じたステータス(またはレベル)が付与可能であり、累積量が所定値に到達することでステータス(またはレベル)がランクアップされる。
【0146】
図15の画面下部には、顧客別およびポイント種別の累積量が示される。図15の例では、特定の顧客に関する顧客情報156と、感謝ギフトポイントの累積量を示す累積情報158と、感謝スタンプポイントの累積量を示す累積情報160と、感動スタンプポイントの累積量を示す累積情報162とが表示されている。感謝ギフトポイントの累積情報158は、施術者が特定の顧客からもらった感謝ギフトの履歴に応じて算出され、感謝ギフトの内容ごとにあらかじめ設定されるポイント数を合算することにより算出できる。感謝スタンプポイントの累積情報160は、施術者が特定の顧客からもらった感謝スタンプの履歴に応じて算出され、感謝スタンプの内容ごとにあらかじめ設定されるポイント数を合算することにより算出できる。感動スタンプポイントの累積情報162は、施術者から特定の顧客に贈った感動スタンプの履歴に応じて算出され、感動スタンプの内容ごとにあらかじめ設定されるポイント数を合算することにより算出できる。
【0147】
図15において、累積情報158,160,162のそれぞれの下側には「詳細を見る」の閲覧ボタン158a,160a,162aが表示されている。閲覧ボタン158a,160a,162aのいずれかを押すと、施術者と特定の顧客の間でやりとりした感謝ギフト、感謝スタンプ、感動スタンプのいずれかの履歴が一覧表示される。
【0148】
変形例において、店舗端末14または施術者端末は、施術者を特定するための施術者IDを示す情報を出力する機能を有してもよい。顧客端末16は、店舗端末14または施術者端末から出力される施術者IDを取得する機能を有してもよい。顧客端末16は、施術者IDを取得した場合、取得した施術者IDに対応する施術者に感謝スタンプや感謝ギフトを贈るための感謝情報入力画面を表示してもよい。例えば、顧客が特定の施術者からの初回の施術を受ける場合、初回の施術者に関する施術者IDが顧客IDと紐付けられておらず、施術を受けた後に感謝スタンプや感謝ギフトを贈ることができない状況が発生しうる。この場合、顧客は、初回の施術を受けた店舗にて施術者IDを取得することにより、顧客端末16から感謝スタンプや感謝ギフトを贈ることが可能となる。
【0149】
顧客端末16は、通信部60を用いて施術者IDを無線通信によって取得してもよい。顧客端末16は、例えば、Bluetooth(登録商標)やFeliCa(登録商標)などの近距離無線通信により、店舗端末14や施術者端末から施術者IDを取得してもよい。顧客端末16は、撮像部64を用いて1次元または2次元のバーコードを撮像することによって施術者IDを取得してもよい。この場合、店舗端末14や施術者端末の表示画面に施術者IDを示す1次元または2次元のバーコードが表示されてもよいし、印刷物に施術者IDを示す1次元または2次元のバーコードが印刷されて表示されてもよい。印刷物は、店舗内に設置されるポスターなどの掲示物であってもよいし、施術者のネームプレートであってもよいし、施術者の名刺であってもよい。顧客端末16は、通信部60や撮像部64を通じて施術者IDを示す機械可読符号を読み込むことにより、施術者IDを取得できる。
【0150】
変形例において、店舗端末14または施術者端末は、顧客を特定するための顧客IDを示す情報を出力する機能を有してもよい。顧客端末16は、店舗端末14または施術者端末から出力される顧客IDを取得した場合、取得した顧客IDに紐付けられた施術者IDに対応する施術者に感謝スタンプや感謝ギフトを贈るための感謝情報入力画面を表示してもよい。例えば、情報処理システム10が提供する機能を実行するためのアプリが顧客端末にインストールされていない場合、顧客は、アプリを顧客端末16にインストールし、初期設定をする必要がある。このとき、店舗端末14または施術者端末にて施術記録情報を作成するための顧客IDが発行されている場合、発行済の顧客IDを顧客端末16に通知することで、顧客端末16は、発行済の顧客IDを用いて初期設定が可能となる。また、施術記録情報によって顧客IDと施術者IDの紐付けが完了しているため、顧客は、顧客端末16から感謝スタンプや感謝ギフトを贈ることが可能となる。
【0151】
顧客端末16は、通信部60を用いて顧客IDを無線通信によって取得してもよい。顧客端末16は、例えば、Bluetooth(登録商標)やFeliCa(登録商標)などの近距離無線通信により、店舗端末14や施術者端末から顧客IDを取得してもよい。顧客端末16は、撮像部64を用いて1次元または2次元のバーコードを撮像することによって顧客IDを取得してもよい。この場合、店舗端末14や施術者端末の表示画面に顧客IDを示す1次元または2次元のバーコードが表示されてもよいし、印刷物に顧客IDを示す1次元または2次元のバーコードが印刷されて表示されてもよい。印刷物は、顧客ごとに店舗が発行するメンバーズカードなどであってもよい。顧客端末16は、通信部60や撮像部64を通じて顧客IDを示す機械可読符号を読み込むことにより、顧客IDを取得できる。
【0152】
実施の形態は、上述の方法を実現するための機能をコンピュータに実現させるためのプログラムであってもよいし、プログラムを格納する記録媒体であってもよい。このようなプログラムを格納する記録媒体は、非一時的(non-transitory)かつ有形(tangible)なコンピュータ読み取り可能(computer readable)である記録媒体(storage medium)であってもよく、不揮発性メモリ、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、または、光学ディスクなどの光学記録媒体であってもよい。
【0153】
以下、本開示のいくつかの態様について説明する。
【0154】
第16の態様は、顧客の識別情報を管理する顧客管理部と、顧客に施術を提供する施術者の識別情報を管理する施術者管理部と、顧客から施術者に贈られる感謝に関する感謝情報を取得する取得部と、前記取得した感謝情報を、顧客および施術者の識別情報と対応付けて管理する感謝情報管理部と、施術者に贈られた感謝の累積量に関する情報を通知する通知部と、を備える情報処理システムである。第16の態様によれば、顧客から施術者に対して直接的に感謝情報を送信できるため、顧客から施術者への感謝の気持ちを確実に伝えることができる。これにより、顧客と施術者の間での感謝の循環を促進し、顧客の固定化を支援できる。
【0155】
第17の態様は、施術者に贈られた感謝に応じて施術者が獲得可能となる特典に関する特典情報を管理する特典管理部をさらに備える、第16の態様に記載の情報処理システムである。第17の態様によれば、施術者は、顧客から贈られる感謝に応じて特典を獲得可能となるため、情報処理システムを通じて贈られる感謝に対してより大きな喜びを得ることができる。
【0156】
第18の態様は、前記通知部は、顧客が使用する端末に、顧客が贈った感謝の累積量に関する情報を通知する、第16または第17の態様に記載の情報処理システムである。第18の態様によれば、顧客は、過去に贈った感謝の大きさを確認することができ、感謝の累積量の増加に応じて施術者とのつながりや良好な関係を実感できる。これにより、顧客と施術者の間での感謝の循環を促進し、顧客の固定化を支援できる。
【0157】
第19の態様は、前記通知部は、施術者が使用する端末に、施術者に贈られた感謝の累積量に関する情報を通知する、第16から第18のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第19の態様によれば、施術者は、施術者に贈られた感謝の累積量を確認することができ、感謝の累積量の増加に応じて仕事に対する自信や充実感を得ることができる。
【0158】
第20の態様は、前記取得部は、施術者から別の施術者に贈られる感謝に関する感謝情報、施術者から顧客に贈られる感謝に関する感謝情報、および、施術者が所属する店舗から別の店舗に贈られる感謝に関する感謝情報の少なくとも一つを取得する、第16から第19のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第20の態様によれば、感謝を受け取った施術者や店舗から、別の施術者、顧客または店舗に感謝を贈ることができるため、感謝の循環をより促進できる。
【0159】
第21の態様は、前記通知部は、同一店舗に所属する複数の施術者に贈られた感謝の累積量の合計に関する情報を通知する、第16から第20のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第21の態様によれば、店舗全体での感謝の累積量を確認できるため、店舗全体で顧客からの感謝を増やすための取り組みを促すことができる。これにより、同一店舗に所属する施術者のチームワーク向上を促進し、各施術者の仕事に対するモチベーションを高めることができる。
【0160】
第22の態様は、施術者が顧客に提供した施術に関する内容を記録した施術記録情報を、顧客および施術者の識別情報と対応付けて管理する施術記録管理部をさらに備え、前記通知部は、顧客が使用する端末に、顧客の施術記録情報に対応付けられた施術者に関する情報を通知する、第16から第21のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第21の態様によれば、顧客に対して施術を提供した施術者の情報が顧客に通知されるため、施術を提供した施術者に対する感謝情報の入力を促進できる。
【0161】
第23の態様は、前記取得部は、顧客が使用する端末から、顧客が希望する施術に関する施術希望情報を取得し、前記情報処理システムは、前記取得した施術希望情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報との相関に基づいて、選択候補の中から施術者を選択する施術者選択部をさらに備え、前記通知部は、顧客が使用する端末に、前記選択した施術者に関する情報を通知する、第22の態様に記載の情報処理システムである。第23の態様によれば、顧客の施術希望情報と、選択候補となる施術者の施術記録情報との相関に基づくことで、顧客の施術希望を実現しうる施術実績を有する施術者を顧客に提示できる。その結果、顧客と施術者の間のミスマッチを防ぎ、顧客が次回も利用したいと考えるような施術者を提示することが可能となり、顧客の固定化を支援できる。
【0162】
第24の態様は、顧客または施術者が使用する端末は、画像データを編集するための編集画面の表示が可能であり、前記取得部は、前記編集画面にて編集された画像データを取得する、第16から第23のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第24の態様によれば、顧客や施術者を撮像した画像を顧客または施術者が使用する端末にて編集可能であるため、プライバシーに配慮した画像に加工して情報処理装置に送信することが可能となり、画像データの投稿を促進できる。
【0163】
第25の態様は、施術者が使用する端末は、施術者の識別情報を示す機械可読符号を出力可能であり、顧客が使用する端末は、前記機械可読符号を用いて施術者の識別情報を取得可能である、第16から第24のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第25の態様によれば、情報処理システムにおいて顧客と施術者の識別情報が紐付けされていない場合であっても、顧客が使用する端末は、機械可読符号を読み取って施術者の識別情報を取得できる。これにより、顧客は、顧客が使用する端末を用いて、取得した識別情報に対応する施術者に向けて感謝情報を送信できる。
【0164】
第26の態様は、施術者が使用する端末は、顧客の識別情報を示す機械可読符号を出力可能であり、顧客が使用する端末は、前記機械可読符号を用いて顧客の識別情報を取得可能である、第16から第25のいずれか一つの態様に記載の情報処理システムである。第26の態様によれば、情報処理システムにおいて顧客と施術者の識別情報が紐付けされているが、顧客が使用する端末に顧客の識別情報が初期設定されていない場合に、顧客が使用する端末は、機械可読符号を読み取って顧客の識別情報を取得できる。これにより、顧客が使用する端末は、情報処理システムにおいて紐付けされた施術者の識別情報を取得することができる。その結果、顧客は、顧客が使用する端末を用いて、取得した識別情報に対応する施術者に向けて感謝情報を送信できる。
【0165】
上述した実施の形態または態様に係る構成の任意の組み合わせもまた本開示の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0166】
10…情報処理システム、12…情報処理装置、14…店舗端末、16…顧客端末、20…取得部、22…通知部、24…店舗管理部、26…施術者管理部、28…顧客管理部、30…施術記録管理部、32…商品管理部、34…日記管理部、36…施術者選択部、38…商品提案部、80…感謝情報管理部、82…特典管理部。
図1
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