(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177211
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】調理器具及び調理器具の加熱制御方法
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20231206BHJP
【FI】
A47J27/00 103M
A47J27/00 103N
A47J27/00 109B
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022189655
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】202210616001.3
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】楊練
(72)【発明者】
【氏名】呉宗林
(72)【発明者】
【氏名】呉金華
(72)【発明者】
【氏名】区国安
(72)【発明者】
【氏名】王力
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055AA09
4B055BA09
4B055BA62
4B055CA22
4B055CB08
4B055CD02
4B055CD12
4B055DB14
4B055GB07
4B055GC01
4B055GC12
4B055GD02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】加熱装置の制御において、制御精度の向上を図る。
【解決手段】調理器具10及び調理器具の加熱制御方法を開示し、調理器具10は、鍋本体1と、鍋本体に取り付けられ、溢れ防止板21を有する鍋蓋2と、鍋蓋に設けられ、温度測定部を備える温度測定装置3と、を備え、温度測定部は、鍋本体内の蒸気温度と溢れ防止板の温度を検出するために設置され、調理器具によれば、温度測定部を鍋本体内の蒸気温度と溢れ防止板の温度を検出するように設置することにより、溢れ防止板の温度に従って鍋蓋の加熱装置を制御することができ、制御の正確さの向上に役に立つ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋本体と、
前記鍋本体に取り付けられ、溢れ防止板を有する鍋蓋と、
前記鍋蓋に設けられ、温度測定部を備える温度測定装置と、を備え、
前記温度測定部は、前記鍋本体内の蒸気温度と前記溢れ防止板の温度を検出するために設置されることを特徴とする調理器具。
【請求項2】
前記温度測定装置は前記溢れ防止板から延出しないように前記鍋蓋内に収納される、ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項3】
前記温度測定装置は、熱伝導カバーをさらに備え、前記温度測定部は前記熱伝導カバー内に位置し、前記温度測定部は前記熱伝導カバーに接触して温度を感知し、前記熱伝導カバーは前記溢れ防止板の、前記鍋本体と反対側の表面に密着して配置され、
前記溢れ防止板に蒸気貫通穴が設けられ、前記蒸気貫通穴は前記熱伝導カバーの一部に対応し、
前記熱伝導カバーは底壁を有し、前記底壁は前記温度測定部と嵌合するための第1の底壁部分を有し、前記蒸気貫通穴は前記第1の底壁部分に向かい合う、ことを特徴とする請求項2に記載の調理器具。
【請求項4】
前記温度測定装置はさらに、
内部に前記温度測定部を取り付ける取付貫通穴が設けられた取付部と、
前記取付部に取り付けられ、前記鍋蓋に位置決めして嵌合され、前記温度測定部を前記蒸気貫通穴に対応させる位置決め部と、を備える、ことを特徴とする請求項3に記載の調理器具。
【請求項5】
前記温度測定部は、蒸気温度測定部と溢れ防止板温度測定部を備え、前記蒸気温度測定部は前記鍋本体内の蒸気温度を測定するために使用され、前記溢れ防止板温度測定部は前記溢れ防止板の温度を測定するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項6】
前記蒸気温度測定部は前記溢れ防止板に対して少なくとも部分的に前記鍋本体内まで延びており、前記溢れ防止板温度測定部は前記鍋蓋内に収納される、ことを特徴とする請求項5に記載の調理器具。
【請求項7】
前記温度測定装置は熱伝導カバーをさらに備え、前記熱伝導カバーはカバー本体と、前記カバー本体の底壁から鍋本体側に向かって突出する突出部とを有し、前記突出部は前記溢れ防止板に設けられた蒸気貫通穴を貫通して前記鍋本体内まで延びており、前記蒸気温度測定部は少なくとも部分的に前記突出部内に設けられ、
前記カバー本体の底壁に環状底壁部分が構成され、前記環状底壁部分は前記突出部を取り囲むように設けられ、前記溢れ防止板温度測定部は前記環状底壁部分に嵌合されて温度を感知する、ことを特徴とする請求項6に記載の調理器具。
【請求項8】
前記温度測定装置はさらに取付部を備え、前記取付部内に取付貫通穴が設けられ、前記蒸気温度測定部と前記溢れ防止板温度測定部はいずれも前記取付貫通穴に取り付けられ、且つ前記蒸気温度測定部の対応する前記取付貫通穴から延出した部分は前記突出部内に挿入される、ことを特徴とする請求項7に記載の調理器具。
【請求項9】
前記温度測定装置はさらに温度コントローラを備え、前記温度コントローラは前記溢れ防止板と嵌合されて、前記溢れ防止板の温度が閾値を超えると、回路を切断し、前記温度コントローラは前記溢れ防止板から延出しないように前記鍋蓋内に収納される、ことを特徴とする請求項1に記載の調理器具。
【請求項10】
前記温度測定装置はさらに温度コントローラを備え、前記温度コントローラは前記溢れ防止板と嵌合されて、前記溢れ防止板の温度が閾値を超えると、回路を切断し、前記温度コントローラは前記熱伝導カバー内に位置し、且つ前記熱伝導カバーに接触して温度を感知し、
前記熱伝導カバーは前記温度コントローラと嵌合するための第2の底壁部分を有し、前記蒸気貫通穴は前記第2の底壁部分とずれている、ことを特徴とする請求項3又は7に記載の調理器具。
【請求項11】
調理器具の加熱制御方法であって、前記調理器具は鍋本体、鍋蓋、温度測定装置、第1の加熱装置及び第2の加熱装置を備え、前記鍋蓋は前記鍋本体に取り付けられ、前記鍋蓋は溢れ防止板を有し、前記温度測定装置は前記鍋蓋に設けられ、前記温度測定装置は温度測定部を備え、前記温度測定部は、前記鍋本体内の蒸気温度と前記溢れ防止板の温度を検出するために設置され、前記第1の加熱装置は前記鍋本体に対応して設けられ、前記第2の加熱装置は前記鍋蓋に対応して設けられ、前記方法は、
前記調理器具が調理機能をオンにすると、前記第1の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、前記温度測定部によって前記鍋本体内の蒸気温度を取得するステップと、
前記鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、前記第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、前記温度測定部によって前記溢れ防止板の温度を取得し、前記溢れ防止板の温度に従って前記第2の加熱装置を制御するステップと、を含むことを特徴とする調理器具の加熱制御方法。
【請求項12】
前記鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、前記方法は、
前記調理器具の調理情報を決定し、前記調理情報に従って対応する調理曲線をマッチさせ、前記調理曲線に従って前記第1の加熱装置と前記第2の加熱装置を制御するステップを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の調理器具の加熱制御方法。
【請求項13】
前記調理情報は調理種類を含み、前記溢れ防止板の温度に従って前記第2の加熱装置を制御するステップは、
前記調理種類に従って鍋蓋の目標温度を決定するステップと、
前記溢れ防止板の温度と前記鍋蓋の目標温度との間の温度差を特定し、前記温度差に従って前記第2の加熱装置の加熱電力を調整して、前記溢れ防止板の温度を前記鍋蓋の目標温度に適応させるステップと、を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の調理器具の加熱制御方法。
【請求項14】
前記温度測定部は蒸気温度測定部と溢れ防止板温度測定部を備え、前記蒸気温度測定部は前記鍋本体内の蒸気温度を測定するために使用され、前記溢れ防止板温度測定部は前記溢れ防止板の温度を測定するために使用され、
前記第1の加熱装置が加熱をオンにした後、前記蒸気温度測定部によって前記鍋本体内の蒸気温度を取得し、
前記第2の加熱装置が加熱をオンにした後、前記溢れ防止板温度測定部によって前記溢れ防止板の温度を取得し、
前記第2の加熱装置が加熱をオンにした後、前記方法は、
前記鍋本体内の蒸気温度が第2の予め設定された温度に達すると、前記鍋本体内の蒸気温度に従って前記第1の加熱装置の加熱電力を調整するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載の調理器具の加熱制御方法。
【請求項15】
前記溢れ防止板の温度に従って前記第2の加熱装置を制御するステップは、
前記溢れ防止板の温度が第3の予め設定された温度に達すると、前記溢れ防止板の温度に従って前記第2の加熱装置の加熱電力を調整するステップを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の調理器具の加熱制御方法。
【請求項16】
メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されるとともにプロセッサで稼動できる調理器具の加熱制御プログラムと、を備え、前記プロセッサが前記調理器具の加熱制御プログラムを実行すると、請求項11~15のいずれか1項に記載の調理器具の加熱制御方法が実現されることを特徴とする調理器具。
【請求項17】
調理器具の加熱制御プログラムが記憶され、該調理器具の加熱制御プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項11~15のいずれか1項に記載の調理器具の加熱制御方法が実現されることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家電分野に関し、具体的に、調理器具、調理器具の加熱制御方法、コンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
電気炊飯器等の調理器具は鍋本体と鍋蓋を備え、関連技術において、調理器具は温度測定センサーをさらに備え、該温度測定センサーのプローブは鍋本体内まで延びて、鍋本体の温度を検出するために使用され、鍋本体の温度に従って鍋本体と鍋蓋にある加熱装置を制御するが、制御精度が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来の技術における上記の技術的問題の一つを少なくともある程度解決することを主旨とする。このため、本発明は、制御の正確さの向上に役に立つ調理器具を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はさらに調理器具の加熱制御方法を提示する。
【0005】
本発明はさらに他の調理器具を提示する。
【0006】
本発明はさらにコンピュータ可読記憶媒体を提示する。
【0007】
本発明の実施例による調理器具は、鍋本体と、前記鍋本体に取り付けられ、溢れ防止板を有する鍋蓋と、前記鍋蓋に設けられるとともに、温度測定部を備える温度測定装置と、を備え、前記温度測定部は、前記鍋本体内の蒸気温度と前記溢れ防止板の温度を検出するために設置される。
【0008】
本発明の実施例による調理器具は、温度測定部を鍋本体内の蒸気温度と溢れ防止板の温度を検出するように設置することによって、溢れ防止板の温度に従って鍋蓋の加熱装置を制御することができ、制御の正確さの向上に役に立つ。
【0009】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定装置は前記溢れ防止板から延出しないように前記鍋蓋内に収納される。
【0010】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定装置は、熱伝導カバーをさらに備え、前記温度測定部は前記熱伝導カバー内に位置し、前記温度測定部は前記熱伝導カバーに接触して温度を感知し、前記熱伝導カバーは前記溢れ防止板の、前記鍋本体と反対側の表面に密着して配置され、前記溢れ防止板に蒸気貫通穴が設けられ、前記蒸気貫通穴は前記熱伝導カバーの一部に対応する。
【0011】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記熱伝導カバーは底壁を有し、前記底壁は前記温度測定部と嵌合するための第1の底壁部分を有し、前記蒸気貫通穴は前記第1の底壁部分に向かい合う。
【0012】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定装置はさらに、
内部に前記温度測定部を取り付ける取付貫通穴が設けられた取付部と、
前記取付部に取り付けられ、前記鍋蓋に位置決めして嵌合され、前記温度測定部を前記蒸気貫通穴に対応させる位置決め部と、を備える。
【0013】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定部は、蒸気温度測定部と溢れ防止板温度測定部を備え、前記蒸気温度測定部は前記鍋本体内の蒸気温度を測定するために使用され、前記溢れ防止板温度測定部は前記溢れ防止板の温度を測定するために使用される。
【0014】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記蒸気温度測定部は前記溢れ防止板に対して少なくとも部分的に前記鍋本体内まで延びており、前記溢れ防止板温度測定部は前記鍋蓋内に収納される。
【0015】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定装置は熱伝導カバーをさらに備え、前記熱伝導カバーはカバー本体と、前記カバー本体の底壁から鍋本体側に向かって突出する突出部とを有し、前記突出部は前記溢れ防止板に設けられた蒸気貫通穴を貫通して前記鍋本体内まで延びており、前記蒸気温度測定部は少なくとも部分的に前記突出部内に設けられる。
【0016】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記カバー本体の底壁に環状底壁部分が構成され、前記環状底壁部分は前記突出部を取り囲むように設けられ、前記溢れ防止板温度測定部は前記環状底壁部分に嵌合されて温度を感知する。
【0017】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定装置はさらに取付部を備え、前記取付部内に取付貫通穴が設けられ、前記蒸気温度測定部と前記溢れ防止板温度測定部はいずれも前記取付貫通穴に取り付けられ、且つ前記蒸気温度測定部の対応する前記取付貫通穴から延出した部分は前記突出部内に挿入される。
【0018】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定装置はさらに温度コントローラを備え、前記温度コントローラは前記溢れ防止板と嵌合されて、前記溢れ防止板の温度が閾値を超えると、回路を切断し、前記温度コントローラは前記溢れ防止板から延出しないように前記鍋蓋内に収納される。
【0019】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定装置はさらに温度コントローラを備え、前記温度コントローラは前記溢れ防止板と嵌合されて、前記溢れ防止板の温度が閾値を超えると、回路を切断し、前記温度コントローラは、前記熱伝導カバー内に位置し、且つ前記熱伝導カバーに接触して温度を感知する。
【0020】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記熱伝導カバーは前記温度コントローラと嵌合するための第2の底壁部分を有し、前記蒸気貫通穴は前記第2の底壁部分とずれている。
【0021】
本発明の第2の態様の実施例による調理器具の加熱制御方法によれば、前記調理器具は鍋本体、鍋蓋、温度測定装置、第1の加熱装置及び第2の加熱装置を備え、前記鍋蓋は前記鍋本体に取り付けられ、前記鍋蓋は溢れ防止板を有し、前記温度測定装置は前記鍋蓋に設けられ、前記温度測定装置は温度測定部を備え、前記温度測定部は、前記鍋本体内の蒸気温度と前記溢れ防止板の温度を検出するために設置され、前記第1の加熱装置は前記鍋本体に対応して設けられ、前記第2の加熱装置は前記鍋蓋に対応して設けられ、前記方法は、
前記調理器具が調理機能をオンにすると、前記第1の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、前記温度測定部によって前記鍋本体内の蒸気温度を取得するステップと、
前記鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、前記第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、前記温度測定部によって前記溢れ防止板の温度を取得し、前記溢れ防止板の温度に従って前記第2の加熱装置を制御するステップと、を含む。
【0022】
本発明の実施例による調理器具の加熱制御方法によれば、温度測定部によって鍋本体内の蒸気温度を取得し、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、さらに、温度測定部によって溢れ防止板の温度を取得し、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御することによって、第2の加熱装置の制御がより正確になる。
【0023】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、前記方法は、
前記調理器具の調理情報を決定し、前記調理情報に従って対応する調理曲線をマッチさせ、前記調理曲線に従って前記第1の加熱装置と前記第2の加熱装置を制御するステップを含む。
【0024】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記調理情報は調理種類を含み、前記溢れ防止板の温度に従って前記第2の加熱装置を制御するステップは、
前記調理種類に従って鍋蓋の目標温度を決定するステップと、
前記溢れ防止板の温度と前記鍋蓋の目標温度との間の温度差を特定し、前記温度差に従って前記第2の加熱装置の加熱電力を調整して、前記溢れ防止板の温度を前記鍋蓋の目標温度に適応させるステップと、を含む。
【0025】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記温度測定部は蒸気温度測定部と溢れ防止板温度測定部を備え、前記蒸気温度測定部は前記鍋本体内の蒸気温度を測定するために使用され、前記溢れ防止板温度測定部は前記溢れ防止板の温度を測定するために使用され、前記第1の加熱装置が加熱をオンにした後、前記蒸気温度測定部によって前記鍋本体内の蒸気温度を取得し、前記第2の加熱装置が加熱をオンにした後、前記溢れ防止板温度測定部によって前記溢れ防止板の温度を取得する。
【0026】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記第2の加熱装置が加熱をオンにした後、前記方法は、前記鍋本体内の蒸気温度が第2の予め設定された温度に達すると、前記鍋本体内の蒸気温度に従って前記第1の加熱装置の加熱電力を調整するステップをさらに含む。
【0027】
本発明のいくつかの実施例によれば、前記溢れ防止板の温度に従って前記第2の加熱装置を制御するステップは、前記溢れ防止板の温度が第3の予め設定された温度に達すると、前記溢れ防止板の温度に従って前記第2の加熱装置の加熱電力を調整するステップを含む。
【0028】
本発明の第3の態様の実施例による調理器具は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されるとともにプロセッサで稼動できる調理器具の加熱制御プログラムと、を備え、前記プロセッサが前記調理器具の加熱制御プログラムを実行すると、上記第2の態様の実施例による調理器具の加熱制御方法が実現される。
【0029】
本発明の実施例による調理器具は、プロセッサによってメモリに記憶される調理器具の加熱制御プログラムを実行し、温度測定部によって鍋本体内の蒸気温度を取得し、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、さらに、温度測定部によって溢れ防止板の温度を取得し、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御することによって、第2の加熱装置の制御がより正確になる。
【0030】
本発明の第4の態様の実施例によるコンピュータ可読記憶媒体は、調理器具の加熱制御プログラムが記憶され、該調理器具の加熱制御プログラムがプロセッサによって実行されると、上記第2の態様の実施例による調理器具の加熱制御方法が実現される。
【0031】
本発明の実施例によるコンピュータ可読記憶媒体は、記憶された調理器具の加熱制御プログラムが実行されると、温度測定部によって鍋本体内の蒸気温度を取得し、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、さらに、温度測定部によって溢れ防止板の温度を取得し、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御することによって、第2の加熱装置の制御がより正確になる。
【0032】
本発明の付加的な態様と利点は以下の説明に部分的に示され、部分的に以下の説明から明らかになるか、本発明の実践によって了解される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の実施例による調理器具の断面図である。
【
図2】本発明の一実施例による温度測定装置と溢れ防止板と鍋蓋の模式図である。
【
図4】本発明の一実施例による温度測定装置と溢れ防止板と鍋蓋との分解模式図である。
【
図5】本発明の一実施例による温度測定装置の分解模式図である。
【
図6】本発明の一実施例による他の温度測定装置と溢れ防止板と鍋蓋との組立模式図である。
【
図8】本発明の他の一実施例による温度測定装置の断面図である。
【
図9】本発明の他の一実施例による温度測定装置の分解模式図である。
【
図10】本発明の実施例による調理器具の加熱制御方法のフローチャートである。
【
図11】本発明の一具体的な例による調理器具の加熱制御方法のフローチャートである。
【
図12】本発明の他の具体的な例による調理器具の加熱制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、前記実施例の例は図面に示され、同様または類似の符号は、同様または類似の素子または同様または類似の機能を備える素子を一貫して示す。以下、図面を参照して説明する実施例は例であり、本発明を解釈するために使用されることを意図し、本発明を限定するものとして理解されることができない。
【0035】
本発明の説明では、理解する必要があることとして、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等という用語で指示する方位または位置関係は図面に示される方位または位置関係であり、本発明を容易に説明し、説明を簡素化するためだけのものであり、当該装置または素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造と操作される必要があることを指示したり暗示したりするのではなく、したがって、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。
【0036】
なお、「第1」、「第2」という用語は、説明目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的機能の数を暗黙的に示したりするものとして理解することはできない。それにより、「第1」、「第2」で定義された特徴には、1つまたは複数のこの特徴が明示的または暗黙的に含まれる場合がある。本発明の説明では、「複数」は、特に明記しない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つであるなどを意味する。
【0037】
本発明において、特に明確に規定及び限定する場合を除き、用語「取付」、「繋がり」、「接続」、「固定」等は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続するものでもよく、取り外し可能に連結する又は一体に連結するものでもよく、機械的に接続するものでもよく、電気的に接続する又は互に通信するものでもよく、直に連結するものでもよく、中間の媒体を介して間接的に連結するものでもよく、2つの素子内部の連通又は2つの素子の相互作用関係でもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本発明における上記の用語の具体的な概要を理解できる。
【0038】
以下、
図1-
図12を組み合わせて本発明の実施例による調理器具10及び調理器具10の加熱制御方法を詳細に説明する。
【0039】
図1-
図2、
図4、
図6に示すように、本発明の実施例による調理器具10は、鍋本体1、鍋蓋2及び温度測定装置3を備える。
【0040】
調理器具10は電気炊飯器、圧力鍋等であってもよい。
【0041】
図1に示すように、鍋蓋2は鍋本体1に取り付けられ、鍋本体1内に収納スペースが形成され、鍋蓋2は開き状態があり、このとき、収納スペースが露出し、ユーザーは、収納スペース内において、例えば食材を収納スペース内に入れるか、収納スペース内から外部にご飯を盛るなどの関連操作を実行することができる。鍋蓋2は閉じ状態もあり、このとき、収納スペースが閉じている。幾つかの実施例において、鍋蓋2と鍋本体1は取り外し可能に接続され、このようにすると、ユーザーは鍋蓋2と鍋本体1を分離することで、収納スペースを露出することができる。他の幾つかの実施例において、鍋蓋2と鍋本体1はヒンジで接続されることができ、このようにすると、ユーザーは鍋蓋2を回転することで、収納スペースを露出させることができる。
【0042】
図1に示すように、鍋蓋2は溢れ防止板21を有し、溢れ防止板21に蒸気貫通穴22が設けられ、調理時に、収納スペース内の蒸気は蒸気貫通穴22から鍋蓋2に到達することができ、さらに鍋蓋2から排出してもよく、これにより、収納スペース内の圧力強度を減少し、汁の溢れを防止する。溢れ防止板21と鍋蓋2との接続部にシールリング押えリング4とシールリング5を設けることもでき、シールリング5は溢れ防止板21の縁部と鍋蓋2をシールし、シールリング押えリング4はシールリング5を溢れ防止板21に押し付けるために使用される。幾つかの実施例において、溢れ防止板21は鍋蓋2に対して取り外し可能であり、溢れ防止板21と鍋蓋2との間の領域を清掃するのに便利であり、該領域内の部品のメンテナンスを行うのにも便利である。
【0043】
図1-
図2、
図4、
図6に示すように、温度測定装置3は鍋蓋2に設けられ、温度測定装置3の少なくとも一部が溢れ防止板21と鍋蓋2との間の領域内に設けられる。このようにすることで、鍋蓋2を開くと、温度測定装置3は少なくとも部分的に溢れ防止板21の裏側(即ち溢れ防止板21の鍋蓋2に面した側)に隠されるため、鍋蓋2全体が比較的美しく、鍋本体1内の汁も温度測定装置3に飛び散りにくい。温度測定装置3全体が溢れ防止板21と鍋蓋2との間の領域内に設けられると、温度測定装置3全体が溢れ防止板21の裏側に隠される。
【0044】
図3、
図5に示すように、温度測定装置3は、温度測定部31を備えてもよく、温度測定部31は、鍋本体1内の蒸気温度と溢れ防止板21の温度を検出するために設置される。
【0045】
説明する必要がある点として、「温度測定部31は、鍋本体1内の蒸気温度と溢れ防止板21の温度を検出するために設置される」のうちの「と」は、必ずしも同時を示すことを意味せず、温度測定部31が鍋本体1内の蒸気温度を検出する能力及び溢れ防止板21の温度を検出する能力を備えることを示し、1つの時間帯で鍋本体1内の蒸気温度を検出し、他の時間帯で溢れ防止板21の温度を検出してもよいし、同時に鍋本体1内の蒸気温度と溢れ防止板21の温度を検出することもでき、これに制限されない。
【0046】
幾つかの実施例において、鍋本体1内に第1の加熱装置が設けられ、鍋蓋2内に第2の加熱装置が設けられることができ、第1の加熱装置が動作すると、鍋本体1を昇温させることができるので、収納スペース内の食材を加熱し、第2の加熱装置が動作すると、同様に、鍋本体1を間接的に昇温させることができるので、収納スペース内の食材を加熱する。
【0047】
幾つかの実施例において、調理器具10が調理機能をオンにすると、まず、第1の加熱装置が加熱をオンにし、温度測定部31は鍋本体1内の蒸気温度を取得し、鍋本体1内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、さらに、第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、温度測定部31は溢れ防止板21の温度を取得し、溢れ防止板21の温度に従って第2の加熱装置を制御する。選択可能に、第1の予め設定された温度は鍋本体1内の汁の沸騰温度であってもよい。
【0048】
本発明の実施例による調理器具10は、温度測定部31を備える温度測定装置3を設けるとともに、温度測定部31を、鍋本体1内の蒸気温度と溢れ防止板21の温度を検出するように設置することによって、溢れ防止板21の温度に従って鍋蓋2の加熱装置を制御することができ、制御の正確さの向上に役に立つ。
【0049】
本発明の幾つかの実施例において、
図2-
図5に示すように、温度測定装置3は溢れ防止板21から延出しないように鍋蓋2内に収納され、このようにすることで、温度測定装置3はすべて溢れ防止板21の裏側に隠され、鍋蓋2を開くと、鍋蓋2全体が美しく、鍋本体1内の汁が温度測定装置3に飛び散ることも防止できる。
【0050】
本発明の幾つかの実施例において、
図3、
図5に示すように、温度測定装置3は、熱伝導カバー33をさらに備えてもよく、温度測定部31は熱伝導カバー33内に位置し、熱伝導カバー33は温度測定装置3を物理的に保護することができ、温度測定部31は熱伝導カバー33に接触して温度を感知する。熱伝導カバー33は溢れ防止板21の鍋本体1と反対側の表面に密着して配置される。このようにすることで、熱伝導カバー33は鍋本体1内まで延びず、熱伝導カバー33が溢れ防止板21の温度を温度測定部31に伝達することができるので、温度測定部31は溢れ防止板21の温度を間接的に検出する。溢れ防止板21に蒸気貫通穴22が設けられ、蒸気貫通穴22は熱伝導カバー33の一部に対応し、このようにすることで、鍋本体1内の蒸気は蒸気貫通穴22を介して熱伝導カバー33に直接到達することができ、これにより、蒸気の熱を熱伝導カバー33に伝達し、温度測定部31は鍋本体1内の蒸気温度を間接的に検出する。
【0051】
本発明の幾つかの実施例において、
図3に示すように、熱伝導カバー33は底壁を有し、底壁は第1の底壁部分331を有し、第1の底壁部分331は温度測定部31と嵌合するために使用され、温度測定部31は第1の底壁部分331に接触でき、第1の底壁部分331の温度を感知する。蒸気貫通穴22は第1の底壁部分331に向かい合う。このようにすることで、蒸気は蒸気貫通穴22を介して第1の底壁部分331に直接到達するので、第1の底壁部分331と嵌合する温度測定部31は鍋具内の蒸気温度を正確に検出することができる。
【0052】
蒸気貫通穴22の面積は熱伝導カバー33の底壁面積より小さいため、熱伝導カバー33が蒸気貫通穴22から鍋本体1内に落ちるのを防止することができる。
【0053】
本発明の幾つかの実施例において、
図3、
図5に示すように、温度測定装置3は取付部34と位置決め部35をさらに備えてもよく、熱伝導カバー33は取付部34の下端に嵌設される。取付部34内に取付貫通穴341が設けられ、温度測定部31は取付貫通穴341に取り付けられ、取付貫通穴341は温度測定部31を位置決めすることができ、温度測定部31の位置が正確であるのを確保する。位置決め部35は取付部34に取り付けられ、位置決め部35は鍋蓋2に位置決めして嵌合され、温度測定装置3の取付方向を制限し、温度測定部31を蒸気貫通穴22に対応させる。このようにすることで、蒸気は蒸気貫通穴22を介して熱伝導カバー33に到達した後、熱を熱伝導カバー33の後にある温度測定部31に伝達する。具体的に、
図1、
図5に示すように、位置決め部35はリミットバッフル351を有し、リミットバッフル351は鍋蓋2上の位置決め構造(例えば係止溝)に位置決めして嵌合するのに適し、温度測定装置3と鍋蓋2の相対位置が正確になり、温度測定部31は蒸気貫通穴22に向かい合い、蒸気の温度は温度測定部31により迅速に伝達されることができ、温度感知の遅れを減らし、鍋本体1内の蒸気温度に対する温度測定部31の測定の正確さを向上させるのに役に立つ。
【0054】
本発明の幾つかの実施例において、
図3、
図5に示すように、温度測定装置3は圧縮ばね36をさらに備えてもよく、圧縮ばね36は取付部34と鍋蓋2との間に設けられ、且つ取付部34に溢れ防止板21の方向に向かう弾力を印加して、熱伝導カバー33を溢れ防止板21に十分に密着して接触させるために使用される。
【0055】
本発明の幾つかの実施例において、
図6-
図9に示すように、温度測定部31は蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312を備えてもよく、蒸気温度測定部311は鍋本体1内の蒸気温度を測定するために使用され、溢れ防止板温度測定部312は溢れ防止板21の温度を測定するために使用される。
【0056】
本発明の幾つかの実施例において、
図6-
図9に示すように、蒸気温度測定部311は溢れ防止板21に対して少なくとも部分的に鍋本体1内まで延びている。このようにすることで、蒸気温度測定部311は少なくとも部分的に鍋本体1内の蒸気雰囲気に浸され、鍋本体1内の蒸気は蒸気温度測定部311に直接接触できるため、蒸気に対する蒸気温度測定部311の検出の正確さの向上に役に立つ。溢れ防止板温度測定部312は鍋蓋2内に収納される。このようにすることで、溢れ防止板温度測定部312は溢れ防止板21の温度を直接感知し、同時に、蒸気と溢れ防止板温度測定部312との接触を阻止することができ、これにより、蒸気温度が溢れ防止板温度測定部312の温度感知結果に干渉するのを防止することができる。
【0057】
本発明の幾つかの実施例において、
図7-
図8に示すように、温度測定装置3は熱伝導カバー33をさらに備えてもよく、熱伝導カバー33は温度測定装置3を物理的に保護することができる。熱伝導カバー33はカバー本体333と突出部334を有し、突出部334はカバー本体333の底壁から鍋本体1側に向かって突出し、突出部334は溢れ防止板21に設けられた蒸気貫通穴22を貫通して鍋本体1内まで延び、蒸気温度測定部311は少なくとも部分的に突出部334内に設けられる。このようにすることで、蒸気温度測定部311は少なくとも部分的に鍋本体1内まで延び、鍋本体1内の蒸気は突出部334に直接接触でき、蒸気温度測定部311は突出部334の温度を測定し、これにより、蒸気に対する蒸気温度測定部311の間接的な温度測定を実現する。突出部334を設けることによって、蒸気に対する蒸気温度測定部311の検出の正確さの向上に役に立つ。
【0058】
本発明の幾つかの実施例において、
図7-
図9に示すように、カバー本体333の底壁に環状底壁部分331が構成され、環状底壁部分331は突出部334を取り囲むように設けられ、溢れ防止板温度測定部312は環状底壁部分331に嵌合されて温度を感知する。
【0059】
本発明の幾つかの実施例において、
図7-
図9に示すように、温度測定装置3は取付部34をさらに備えてもよく、熱伝導カバー33のカバー本体333は取付部34の下端に嵌設される。取付部34内に取付貫通穴341が設けられ、蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312は両方とも取付貫通穴341に取り付けられる。蒸気温度測定部311の対応する取付貫通穴341から延出する部分は、突出部334内に挿入される。取付貫通穴341は蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312を位置決めすることができ、蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312と温度コントローラ32の位置が正確であるのを確保する。具体的に、取付貫通穴341は第1の取付貫通穴341と第2の取付貫通穴341を備えてもよく、蒸気温度測定部311は第1の取付貫通穴341内に取り付けられ、溢れ防止板温度測定部312は第2の取付貫通穴341内に取り付けられ、このようにすることで、蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312との相互干渉を減少することができる。
【0060】
温度測定装置3はさらに位置決め部35を備えてもよく、位置決め部35は取付部34に取り付けられ、位置決め部35は鍋蓋2に位置決めして嵌合され、温度測定装置3の取付方向を制限し、突出部334を蒸気貫通穴22に対応させる。このようにすることで、蒸気が突出部334に到達した後、熱を突出部334の後にある蒸気温度測定部311に伝達することができる。具体的に、
図1、
図9に示すように、位置決め部35はリミットバッフル351を有し、リミットバッフル351は鍋蓋2上の位置決め構造(例えば係止溝)に位置決めして嵌合するのに適し、温度測定装置3と鍋蓋2との相対位置の正確さを実現し、蒸気温度測定部311は蒸気貫通穴22に向かい合い、鍋本体1内の蒸気温度に対する蒸気温度測定部311の測定の正確さの向上に役に立つ。
【0061】
本発明の幾つかの実施例において、
図7-
図9に示すように、温度測定装置3は圧縮ばね36をさらに備えてもよく、圧縮ばね36は取付部34と鍋蓋2との間に設けられ、且つ取付部34に溢れ防止板21の方向に向かう弾力を印加して、熱伝導カバー33の環状底壁部分331を溢れ防止板21に十分に密着して接触させるために使用される。
【0062】
本発明の幾つかの実施例において、
図3、
図5、
図7-
図9に示すように、温度測定装置3は温度コントローラ32をさらに備えてもよく、温度コントローラ32は、溢れ防止板21と嵌合されて、溢れ防止板21の温度が閾値を超えた後に切断し、調理器具10の使用安全性を向上させることができる。本発明の幾つかの実施例において、
図2-
図5、
図7-
図9に示すように、温度コントローラ32は、溢れ防止板21から延出しないように鍋蓋2内に収納される。このようにすることで、温度コントローラ32は、溢れ防止板21の裏側に隠され、鍋蓋2を開くと、鍋蓋2全体が美しく、鍋本体1内の汁が温度コントローラ32に飛び散るのを防止できる。
【0063】
幾つかの実施例において、温度コントローラ32はヒューズであってもよく、溢れ防止板21の温度が閾値を超えた後、温度コントローラ32が溶断し、第2の加熱装置が切断される。
【0064】
本発明の幾つかの実施例において、温度測定装置3は温度測定部31と温度コントローラ32を備え、温度コントローラ32は溢れ防止板21に直接接触でき、温度コントローラ32は溢れ防止板21の温度を迅速に感知することができ、溢れ防止板21の温度が閾値に達すると、温度コントローラ32が溶断保護の役割を果たす。
【0065】
本発明の幾つかの実施例において、
図3、
図5、
図7-
図9に示すように、温度測定装置3は温度コントローラ32をさらに備えてもよく、温度コントローラ32は、溢れ防止板21と嵌合されて、溢れ防止板21の温度が閾値を超えた後に切断し、温度コントローラ32は熱伝導カバー33内に位置し、熱伝導カバー33に接触して温度を感知する。
図3、
図5に示すような具体例において、熱伝導カバー33は溢れ防止板21の鍋本体1と反対側の表面に密着して配置される。このようにすることで、温度コントローラ32は鍋本体1内まで延出せず、熱伝導カバー33が溢れ防止板21の温度を温度コントローラ32に伝達することができることにより、温度コントローラ32は溢れ防止板21の温度を間接的に検出することができる。
図7-
図9に示すような具体例において、熱伝導カバー33はカバー本体333と突出部334を有し、カバー本体333の底壁に環状底壁部分331が構成され、環状底壁部分331は突出部334を取り囲むように設けられ、溢れ防止板温度測定部312と温度コントローラ32は突出部334に対して径方向において対称的に設けられ、且つ溢れ防止板温度測定部312と温度コントローラ32はいずれも環状底壁部分331に嵌合されて温度を感知する。このように、溢れ防止板温度測定部312は温度コントローラ32から遠いため、相互干渉を避けることができる。
【0066】
熱伝導カバー33は第2の底壁部分332を有し、第2の底壁部分332は温度コントローラ32と嵌合するために使用され、温度コントローラ32は第2の底壁部分332に接触でき、第2の底壁部分332の温度を感知する。蒸気貫通穴22は第2の底壁部分332とずれるため、第2の底壁部分332と嵌合される温度コントローラ32に対する蒸気温度の干渉が小さい。
【0067】
本発明の幾つかの実施例において、
図3に示すように、熱伝導カバー33は底壁を有し、底壁は第1の底壁部分331と第2の底壁部分332を有し、第1の底壁部分331は温度測定部31と嵌合するために使用され、第2の底壁部分332は温度コントローラ32と嵌合するために使用され、温度測定部31は第1の底壁部分331に接触でき、第1の底壁部分331の温度を感知し、温度コントローラ32は第2の底壁部分332に接触でき、第2の底壁部分332の温度を感知する。蒸気貫通穴22は第1の底壁部分331に向かい合い、このようにすることで、蒸気は蒸気貫通穴22を介して第1の底壁部分331に直接到達することにより、第1の底壁部分331と嵌合する温度測定部31は鍋具内の蒸気温度を正確に検出することができ、且つ蒸気貫通穴22が第2の底壁部分332とずれるため、第2の底壁部分332と嵌合される温度コントローラ32に対する蒸気温度の干渉が小さい。
【0068】
本発明の幾つかの実施例において、第1の底壁部分331の等価直径は第2の底壁部分332の等価直径より小さいため、第2の底壁部分332の面積を大きく確保でき、温度コントローラ32と第2の底壁部分332との接触面積も大きく設定でき、温度コントローラ32が高温で溶断しやすいため、調理器具10の使用安全性の向上に役に立つ。第1の底壁部分331と第2の底壁部分332は円形である場合、等価直径とは直径を指し、つまり、第1の底壁部分331の直径は第2の底壁部分332の直径より小さい。第1の底壁部分331と第2の底壁部分332は三角形である場合、等価直径とは三角形の3つの頂点が位置する円の直径を指す。第1の底壁部分331と第2の底壁部分332は多角形である場合、等価直径とは、最も長い対角線の長さを指す。つまり、等価直径とは、該部分上の任意の2点の間の最大距離を指す。
【0069】
本発明の幾つかの実施例において、
図3、
図5に示すように、温度測定装置3は取付部34と位置決め部35をさらに備えてもよく、熱伝導カバー33は取付部34の下端に嵌設される。取付部34内に取付貫通穴341が設けられ、温度測定部31と温度コントローラ32は取付貫通穴341に取り付けられ、取付貫通穴341は温度測定部31と温度コントローラ32を位置決めすることができ、温度測定部31と温度コントローラ32の位置が正確であるのを確保する。具体的に、取付貫通穴341は第1の取付貫通穴341と第2の取付貫通穴341を備えてもよく、温度測定部31は第1の取付貫通穴341内に取り付けられ、温度コントローラ32は第2の取付貫通穴341内に取り付けられ、このようにすることで、温度測定部31と温度コントローラ32との相互干渉を減少することができる。
【0070】
本発明の幾つかの実施例において、
図7-
図9に示すように、温度測定装置3は取付部34をさらに備えてもよく、熱伝導カバー33のカバー本体333は取付部34の下端に嵌設される。取付部34内に取付貫通穴341が設けられ、蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312と温度コントローラ32はいずれも取付貫通穴341に取り付けられ、蒸気温度測定部311の対応する取付貫通穴341から延出する部分は、突出部334内に挿入される。取付貫通穴341は蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312と温度コントローラ32を位置決めすることができ、蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312と温度コントローラ32の位置が正確であるのを確保する。具体的に、取付貫通穴341は第1の取付貫通穴341、第2の取付貫通穴341、及び第3の取付貫通穴341を備えてもよく、蒸気温度測定部311は第1の取付貫通穴341内に取り付けられ、溢れ防止板温度測定部312は第2の取付貫通穴341内に取り付けられ、温度コントローラ32は第3の取付貫通穴341内に取り付けられる。このようにすることで、蒸気温度測定部311と溢れ防止板温度測定部312との相互干渉を減少することができる。
【0071】
本発明の実施例による調理器具は鍋本体、鍋蓋、温度測定装置、第1の加熱装置及び第2の加熱装置を備える。
【0072】
調理器具は電気炊飯器、圧力鍋等であってもよい。鍋蓋は鍋本体に取り付けられ、鍋本体内に収納スペースが形成され、鍋蓋は開き状態があり、このとき、収納スペースが露出し、ユーザーは、収納スペース内において、例えば食材を収納スペース内に入れるか、収納スペース内から外部にご飯を盛るなどの関連操作を実行することができる。鍋蓋は閉じ状態もあり、このとき、収納スペースが閉じている。幾つかの実施例において、鍋蓋と鍋本体は取り外し可能に接続され、このようにすると、ユーザーは鍋蓋と鍋本体を分離することで、収納スペースを露出することができる。他の幾つかの実施例において、鍋蓋と鍋本体はヒンジで接続されることができ、このようにすると、ユーザーは鍋蓋を回転することで、収納スペースを露出させることができる。
【0073】
鍋蓋は溢れ防止板を有し、溢れ防止板に蒸気貫通穴が設けられ、調理時に、収納スペース内の蒸気は蒸気貫通穴から鍋蓋に到達することができ、さらに鍋蓋から排出してもよく、汁の溢れを防止する。溢れ防止板と鍋蓋との接続部にシールリング押えリングとシールリングを設けることもでき、シールリングは溢れ防止板の縁部と鍋蓋をシールし、シールリング押えリングはシールリングを溢れ防止板に押し付けるために使用される。幾つかの実施例において、溢れ防止板は鍋蓋に対して取り外し可能であり、溢れ防止板と鍋蓋との間の領域を清掃するのに便利であり、該領域内の部品のメンテナンスを行うのにも便利である。
【0074】
温度測定装置は鍋蓋に設けられ、温度測定装置の少なくとも一部が溢れ防止板と鍋蓋との間の領域内に設けられる。このようにすることで、鍋蓋を開くと、温度測定装置は少なくとも部分的に溢れ防止板の裏側(即ち溢れ防止板の鍋蓋に面した側)に隠されるため、鍋蓋全体が比較的に美しく、鍋本体内の汁も温度測定装置に飛び散りにくい。温度測定装置全体が溢れ防止板と鍋蓋との間の領域内に設けられると、温度測定装置全体が溢れ防止板の裏側に隠される。温度測定装置は温度測定部を備え、温度測定部は、鍋本体内の蒸気温度と溢れ防止板の温度を検出するために設置される。説明する必要がある点として、「と」は、必ずしも同時を示すことを意味せず、温度測定部が鍋本体内の蒸気温度を検出する能力及び溢れ防止板の温度を検出する能力を備えることを示し、1つの時間帯で鍋本体内の蒸気温度を検出し、他の時間帯で溢れ防止板の温度を検出してもよいし、同時に鍋本体内の蒸気温度と溢れ防止板の温度を検出することもできることも言うまでもなく、これに制限されない。
【0075】
第1の加熱装置は鍋本体に対応して設けられ、鍋本体の底部と調理器具のハウジングとの間の領域内に設けられることができ、第2の加熱装置は鍋蓋に対応して設けられ、鍋蓋と溢れ防止板との間の領域内に設けられることができる。第1の加熱装置が動作すると、鍋本体を昇温させることができるので、収納スペース内の食材を加熱し、第2の加熱装置が動作すると、同様に、鍋本体を昇温させることができるので、収納スペース内の食材を加熱する。
【0076】
図10は調理器具の加熱制御方法のフローチャートであり、本発明の第2の態様の実施例による調理器具の加熱制御方法は以下のステップを含むことができる。
【0077】
S1、調理器具が調理機能をオンにすると、第1の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、温度測定部によって鍋本体内の蒸気温度を取得する。
【0078】
本発明の一実施例において、調理器具はコントローラを備え、調理器具が調理機能をオンにすると、コントローラは第1の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、温度測定部は鍋本体内の蒸気温度を取得した後に蒸気温度値をコントローラに伝送し、コントローラは蒸気温度値に従って第1の加熱装置を制御することができ、コントローラは蒸気温度値に従って第1の加熱装置の加熱電力を対応的に調整することができる。この階段では、温度測定部は鍋本体内の蒸気温度のみを取得することができる。
【0079】
S2、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、温度測定部によって溢れ防止板の温度を取得し、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御する。この階段では、温度測定部は溢れ防止板の温度のみを取得することができる。
【0080】
つまり、調理過程は2つの階段に分けられ、第1の階段では、第1の加熱装置が加熱をオンにし、温度測定部は鍋本体内の蒸気温度を取得する。第2の階段では、第2の加熱装置が加熱をオンにし、温度測定部は溢れ防止板の温度を取得する。鍋蓋内の第2の加熱装置は鍋本体を加熱し、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御する。言い換えると、第2の加熱装置の制御は蒸気温度ではなく、溢れ防止板の温度に直接依存し、このようにすることで、第2の加熱装置の制御がより正確になる。同時に、第2の加熱装置は特定の場合に加熱動作に参加し、調理器具の様々な調理需要を満たすのに役に立つ。
【0081】
本発明の一実施例において、調理器具はコントローラを備え、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、コントローラは第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、温度測定部は溢れ防止板の温度を取得した後に溢れ防止板温度値をコントローラに伝送し、コントローラはさらに溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置の加熱電力を制御する。
【0082】
本発明の実施例による調理器具の加熱制御方法は、温度測定部によって鍋本体内の蒸気温度を取得し、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、さらに、温度測定部によって溢れ防止板の温度を取得し、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御することによって、第2の加熱装置の制御がより正確になる。
【0083】
本発明の幾つかの実施例において、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、調理器具の加熱制御方法は、調理器具の調理情報を決定し、調理情報に従って対応する調理曲線をマッチさせ、調理曲線に従って第1の加熱装置と第2の加熱装置を制御するステップを含んでもよい。
【0084】
具体的に、異なる調理情報は異なる調理曲線を有し、調理器具の調理情報を決定した後、該調理情報にマッチする、対応する調理曲線に従って第1の加熱装置と第2の加熱装置を制御することができ、例えば、第1の加熱装置と第2の加熱装置のそれぞれの動作時間長さ、電力等を制御する。
【0085】
本発明の幾つかの実施例において、調理情報は調理種類を含み、調理種類はご飯、お粥、スープ、カルビ、鶏肉、豆などであってもよい。溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御するステップは、ステップS21とS22を含む。
S21で、調理種類に応じて鍋蓋の目標温度を決定する。異なる調理種類は異なる鍋蓋の目標温度を有し、ユーザーが調理種類を選択した後、コントローラは対応する鍋蓋の目標温度を調整する。
S22で、溢れ防止板の温度と鍋蓋の目標温度との間の温度差を特定し、温度差に従って第2の加熱装置の加熱電力を調整し、溢れ防止板の温度を鍋蓋の目標温度に適応させる。
【0086】
具体的に、溢れ防止板の温度は鍋蓋の目標温度より低く、溢れ防止板の温度と鍋蓋の目標温度との間の温度差が大きいと、コントローラは第2の加熱装置の加熱電力を増加することができ、これによって、温度差の減少を加速する。溢れ防止板の温度と鍋蓋の目標温度との間の温度差が小さいと、コントローラは第2の加熱装置の加熱電力を適切に減少することができ、溢れ防止板の温度が鍋蓋の目標温度を超えるのを避けると同時に、調理器具の消費電力も低下することができる。
【0087】
本発明の一具体的な実施例による調理器具の加熱制御方法は、
図11に示すように、調理し始めた後、まず、第1の加熱装置の加熱をオンにし、第2の加熱装置の加熱をオフにし、温度測定部は鍋本体内の蒸気温度を検出する。温度測定部が、蒸気温度がT11に達したと検出すると、沸騰になったと判定し、ソフトウェアによって現在の米と水の量を判定し、予め設定された調理曲線をマッチさせ、同時に、第1の加熱装置と第2の加熱装置の加熱をオンにし、温度測定部は溢れ防止板の温度を検出し始める。同時にプログラムによって調理種類を判定し、調理種類が炊飯タイプの機能である場合、溢れ防止板の温度をT12に保つように制御し、調理種類がお粥、スープタイプの機能である場合、溢れ防止板の温度をT13に保つように制御し、調理種類がその他の機能である場合、調理過程が終了するまで、溢れ防止板の温度をT14に保つように制御する。
【0088】
本発明の幾つかの実施例において、温度測定部は蒸気温度測定部と溢れ防止板温度測定部を備えてもよく、蒸気温度測定部は鍋本体内の蒸気温度を測定するために使用され、溢れ防止板温度測定部は溢れ防止板の温度を測定するために使用される。第1の加熱装置が加熱をオンにした後、蒸気温度測定部によって鍋本体内の蒸気温度を取得し、第2の加熱装置が加熱をオンにした後、溢れ防止板温度測定部によって溢れ防止板の温度を取得する。
【0089】
幾つかの実施例において、取得された蒸気温度値に従って第1の加熱装置の加熱電力を調整することができ、例えば、蒸気温度値が低いと、第1の加熱装置の加熱電力を増加し、これにより、蒸気温度値の昇温速度を加速し、蒸気温度値が高いと、第1の加熱装置の加熱電力を減少し、これによって、調理器具の消費電力を低下させる。
【0090】
本発明の幾つかの実施例において、第2の加熱装置が加熱をオンにした後、調理器具の加熱制御方法は、鍋本体内の蒸気温度が第2の予め設定された温度に達すると、鍋本体内の蒸気温度に従って第1の加熱装置の加熱電力を調整するステップをさらに含む。具体的に、第2の予め設定された温度は第1の予め設定された温度より高く、鍋本体内の蒸気温度が第2の予め設定された温度に達した後、第1の加熱装置の加熱電力を減少し、調理器具の消費電力を低下させる。
【0091】
本発明の幾つかの実施例において、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御するステップは、溢れ防止板の温度が第3の予め設定された温度に達すると、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置の加熱電力を調整することを含み、制御がより正確になる。幾つかの実施例において、第3の予め設定された温度が鍋蓋の目標温度より低く、溢れ防止板の温度は第3の予め設定された温度に達すると、第2の加熱装置の加熱電力を適切に減少することができ、消費電力を節約するようにする。
【0092】
本発明の一具体的な実施例による調理器具の加熱制御方法は、
図12に示すように、調理し始めた後、まず、第1の加熱装置の加熱をオンにし、第2の加熱装置の加熱をオフにし、蒸気温度測定部は鍋本体内の蒸気温度を検出する。蒸気温度測定部は蒸気温度がT1に達したと検出すると、ソフトウェアによって現在の米と水の量を判定し、予め設定された調理曲線をマッチさせ、同時に第1の加熱装置と第2の加熱装置の加熱をオンにする。蒸気温度測定部は蒸気温度を監視し続け、蒸気温度測定部の温度がT3に達すると、ソフトウェアによって米と水を十分に沸騰させるように第1の加熱装置の加熱電力を制御する。調理過程全体に溢れ防止板温度測定部は独立して動作し、第2の加熱装置の加熱をオンにすると、まず、ソフトウェアで予め設定された最大電力調整比率で動作し、溢れ防止板温度測定部の温度がT2より大きいと、第2の加熱装置の加熱電力調整比率を減少させ、溢れ防止板温度測定部の温度がTより大きいと、プログラムは溢れ防止板温度を調理過程全体が終了するまでT4±T0に保持するように制御し始める。
【0093】
本発明の実施例による調理器具の加熱制御方法は温度が段階的に制御され、第1の予め設定された温度が沸騰温度であるとき、プログラム制御により、沸騰前に蒸気温度を検出し、沸騰時間を判定することによって、溢れを効果的に防止でき、沸騰後に溢れ防止板の温度を検出することで、溢れ防止板温度の閉ループ制御を実現し、第2の加熱装置を正確に調整でき、これにより、より良い調理効果を奏する。
【0094】
本発明第3の態様の実施例による調理器具は、メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶されて、プロセッサで稼動できる調理器具の加熱制御プログラムを備え、プロセッサは調理器具の加熱制御プログラムを実行すると、上記第2の態様の実施例による調理器具の加熱制御方法が実現される。
【0095】
本発明の第3の態様の実施例による調理器具は、メモリに記憶される調理器具の加熱制御プログラムをプロセッサによって実行し、温度測定部によって鍋本体内の蒸気温度を取得し、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、さらに、温度測定部によって溢れ防止板の温度を取得し、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御することによって、第2の加熱装置の制御がより正確になる。
【0096】
本発明の第4の態様の実施例によるコンピュータ可読記憶媒体は、調理器具の加熱制御プログラムが記憶され、該調理器具の加熱制御プログラムがプロセッサによって実行されると、上記第2の態様の実施例による調理器具の加熱制御方法が実現される。
【0097】
本発明の実施例によるコンピュータ可読記憶媒体は、記憶された調理器具の加熱制御プログラムが実行されると、温度測定部によって鍋本体内の蒸気温度を取得し、鍋本体内の蒸気温度が第1の予め設定された温度に達すると、第2の加熱装置が加熱をオンにするように制御し、さらに、温度測定部によって溢れ防止板の温度を取得し、溢れ防止板の温度に従って第2の加熱装置を制御することによって、第2の加熱装置の制御がより正確になる。
【0098】
フローチャートまたは本明細書に他の態様で説明される任意の過程または方法の説明は、特定の論理機能またはプロセスのステップを実現するための実行可能な命令のコードを1つまたは複数含むモジュール、セグメントまたは部分を表すと理解されることができ、本発明の好ましい実施形態の範囲は他の実現方法を含み、示されたまたは議論された順序どおりでなく、機能に応じて基本的に同時の方法で、または逆の順序で実行されることができことは、本発明の実施例が属する分野の当業者によって理解されるべきである。
【0099】
フローチャートに記載されている、またはここで他の方法で記載されている論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現するための実行可能な命令の固定したシーケンスリストと見なされることができ、任意のコンピュータ可読媒体に具体的に実現されることができ、命令実行システム、装置または機器(コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステムまたは命令実行システム、装置または機器から命令を読み取って命令を実行することができるシステム)に使用され、またはこれらの命令実行システム、装置または機器を組み合わせて使用される。本明細書について、「コンピュータ可読媒体」は、プログラムを包含、記憶、通信、伝播又は送信して、命令実行システム、装置または機器、或いはこれらの命令実行システム、装置または機器の組み合わせに提供できる、任意の装置であってもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)は、1つまたは複数の配線を有する電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能および編集可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ可読媒体は、ひいてはプログラムを印刷することができる紙または他の適切な媒体であってもよく、例えば紙または他の媒体を光学的にスキャンし、次に、編集し、解釈し、または必要に応じて他の適切な方法で処理することで前記プログラムを電子的に取得し、次に、コンピュータメモリに記憶される。
【0100】
理解すべきであることとして、本発明の各部分はハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはそれらの組合わせによって実現されることができる。上記の実施形態において、複数のステップまたは方法は、メモリに記憶されて適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェアまたはファームウェアによって実現されることができる。例えば、ハードウェアによって実現される場合、他の実施形態と同様に、データ信号に対して論理機能を実現するための論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な組合わせ論理ゲート回路を有する専用集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の本分野での公知の技術のいずれかまたはそれらの組合わせによって実現されることができる。
【0101】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などの用語を参照した説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明した具体的な特徴、構造、材料又は特点が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な叙述は必ずしも同じ実施例又は例を指す必要がない。さらに、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特長は任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方式で結合することができる。なお、矛盾がない場合、当業者は、本明細書に記載されている異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を結合及び組み合わせることができる。
【0102】
本発明の実施例を以上で示し、説明したが、理解できるものとして、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものとして理解されるべきではなく、当業者は、本発明の範囲内で上記実施例に対して変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0103】
10 調理器具
1 鍋本体
2 鍋蓋
21 溢れ防止板
22 蒸気貫通穴
3 温度測定装置
31 温度測定部
311 蒸気温度測定部
312 溢れ防止板温度測定部
32 温度コントローラ
33 熱伝導カバー
331 第1の底壁部分
332 第2の底壁部分
333 カバー本体
3331 環状底壁部分
334 突出部
34 取付部
341 取付貫通穴
35 位置決め部
351 リミットバッフル
36 圧縮ばね
4 シールリング押えリング
5 シールリング
【外国語明細書】