(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177220
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】ブラウザインターフェースを介してプログラム可能な装置パラメータ及び患者情報を有する着用型医療システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20231206BHJP
A61N 1/37 20060101ALI20231206BHJP
A61N 1/39 20060101ALI20231206BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20231206BHJP
A61B 5/256 20210101ALI20231206BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61N1/37
A61N1/39
A61B5/33 120
A61B5/256 210
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023006950
(22)【出願日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】63/347,463
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/063,457
(32)【優先日】2022-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.JAVASCRIPT
3.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】522262186
【氏名又は名称】ウェスト・アファム・ホールディングス・ディーエーシー
【氏名又は名称原語表記】West Affum Holdings DAC
【住所又は居所原語表記】32 Molesworth Street, Dublin 2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110003786
【氏名又は名称】HIPF弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ピー・ムーア
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ピー・フィンチ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C117
4C127
【Fターム(参考)】
4C053JJ23
4C053KK02
4C117XA01
4C117XB04
4C117XC15
4C117XD21
4C117XE17
4C117XE20
4C117XH16
4C117XL01
4C127AA02
4C127BB05
4C127CC10
4C127LL08
4C127LL13
4C127LL22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンパニオン装置を使用して着用型監視装置(WMD)とインターフェースするための改善された装置及び方法を提供する。
【解決手段】着用型監視装置システムは、支持構造170と複数の電極104、108とをWMDを含む。WMDデータストアは、WMDの設定を定義するパラメータデータと、パラメータデータへのアクセスを提供する解釈済みコードと、解釈済みコードを提供するように構成されたウェブサーバとを含む。システムは、ディスプレイと、コンパニオン装置199とWMDとを通信可能に結合するように構成されたコンパニオン通信モジュールと、コンパニオンデータストアとを含む、WMDに通信可能に結合されたコンパニオン装置を含む。コンパニオンデータストアは、解釈済みコードをレンダリングするように構成されたブラウザを含む。ブラウザを実行するように構成されたコンパニオンプロセッサが含まれる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用型医療監視装置(WMMD)であって、
患者によって装着されるように構成された支持構造と、
前記支持構造に結合された複数の電極と、
WMMD通信モジュールと、
前記WMMDの設定を定義するパラメータデータと、前記パラメータデータへのアクセスを提供する解釈済みコードと、前記解釈済みコードを提供するように構成されたウェブサーバとを含む、コンポーネントが存在するWMMDデータストアと、
前記WMMD通信モジュールを介して前記解釈済みコードを送信するように動作する前記ウェブサーバを実行し、前記WMMD通信モジュールを介して前記ウェブサーバによって受信された入力に基づいて、前記パラメータデータを修正するように構成されたWMMDプロセッサとを含む、
前記WMMDと、
前記WMMDに通信可能に結合されたコンパニオン装置であって、
ディスプレイと、
前記コンパニオン装置と前記WMMDとを通信可能に結合するように構成されたコンパニオン通信モジュールと、
前記解釈済みコードをレンダリングするように構成されたブラウザであって、前記解釈済みコードが、前記パラメータデータの修正を可能にするユーザインターフェースを定義し、前記ユーザインターフェースが、前記コンパニオン装置のユーザから入力を受信するように動作可能である、前記ブラウザを含む、コンポーネントが存在するコンパニオンデータストアと、
前記コンパニオン通信モジュールを介して前記解釈済みコードを受信し、前記ディスプレイ上に前記ユーザインターフェースをレンダリングするように動作可能である、前記ブラウザを実行し、前記ユーザからの入力を受信し、前記入力を前記コンパニオン通信モジュールを介して前記WMMD通信モジュールに返すように構成された、コンパニオンプロセッサとを含む、
前記コンパニオン装置とを含み、
前記ウェブサーバが、前記解釈済みコードを前記コンパニオン装置に送信し、前記ブラウザコンポーネントが、前記コンパニオン装置の前記ディスプレイ上に前記解釈済みコードをレンダリングし、前記ユーザから受信されたユーザ入力が、前記WMMD通信モジュールと前記コンパニオン通信モジュールとの間の通信リンクを介して前記WMMDに返される、
着用型監視装置システム。
【請求項2】
前記WMMDデータストアが患者のパラメータを定義する患者データを含み、前記解釈済みコードが、前記患者データへのアクセスをさらに提供する、請求項1に記載の着用型監視装置システム。
【請求項3】
前記パラメータが、患者識別子、送出されたショックの数、実行報告記録、WMMDの状態、又は心臓リズムのうちの1つ又は複数を含む、請求項2に記載の着用型監視装置システム。
【請求項4】
前記ウェブサーバが、前記ウェブサーバの機能へのアクセスを制限するように構成された1つ以上のセキュリティ手段を含む、請求項1に記載の着用型監視装置システム。
【請求項5】
前記1つ以上のセキュリティ手段が、認証資格情報に応じてウェブサーバの機能へのアクセスを制限する、請求項4に記載の着用型監視装置システム。
【請求項6】
前記認証資格情報が、ユーザが前記患者であるか、医療専門家であるか、又は前記WMMDの製造業者であるかに基づく、請求項5に記載の着用型監視装置システム。
【請求項7】
前記解釈済みコードがHTMLである、請求項1に記載の着用型監視装置システム。
【請求項8】
前記通信リンクが、Wi-Fi、Bluetoothローエナジー(BLE)、有線接続、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、又はローカルエリアネットワーク(LAN)接続である、請求項1に記載の着用型監視装置システム。
【請求項9】
前記コンパニオン装置が、タブレット、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、又はスマートフォンである、請求項1に記載の着用型監視装置システム。
【請求項10】
前記解釈済みコードが1つ以上の利用可能な機能を含む、請求項1に記載の着用型自動除細動器システム。
【請求項11】
着用型自動除細動器(WCD)であって、
患者によって装着されるように構成された支持構造と、
前記支持構造に結合された複数の電極と、
電荷を蓄積するように構成されたエネルギー蓄積モジュールと、
前記エネルギー貯蔵モジュールに結合されるように構成され、前記複数の電極及び前記エネルギー貯蔵モジュールに蓄積された電荷を使用して、前記支持構造が前記患者によって装着されている間に前記患者に1つ又は複数のショックを送出するように構成された放電回路と、
WCD通信モジュールと、
前記WCDの設定を定義するパラメータデータと、前記パラメータデータへのアクセスを提供する解釈済みコードと、前記解釈済みコードを提供するように構成されたウェブサーバとを含む、コンポーネントが存在するWCDデータストアと、
前記WCD通信モジュールを介して前記解釈済みコードを送信するように動作する前記ウェブサーバを実行し、前記WCD通信モジュールを介して前記ウェブサーバによって受信された入力に基づいて、前記パラメータデータを修正するように構成されたWCDプロセッサとを含む、
前記WCDと、
前記WCDに通信可能に結合されたコンパニオン装置であって、
ディスプレイと、
前記コンパニオン装置と前記WCDとを通信可能に結合するように構成されたコンパニオン通信モジュールと、
前記解釈済みコードをレンダリングするように構成されたブラウザであって、前記解釈済みコードが、前記パラメータデータの修正を可能にするユーザインターフェースを定義し、前記ユーザインターフェースが、前記コンパニオン装置のユーザから入力を受信するように動作可能である、前記ブラウザを含む、コンポーネントが存在するコンパニオンデータストアと、
前記コンパニオン通信モジュールを介して前記解釈済みコードを受信し、前記ディスプレイ上に前記ユーザインターフェースをレンダリングするように動作可能である、前記ブラウザを実行し、前記ユーザからの入力を受信し、前記入力を前記コンパニオン通信モジュールを介して前記WCDD通信モジュールに返すように構成された、コンパニオンプロセッサとを含む、
前記コンパニオン装置とを含み、
前記ウェブサーバが、前記解釈済みコードを前記コンパニオン装置に送信し、前記ブラウザコンポーネントが、前記コンパニオン装置の前記ディスプレイ上に前記解釈済みコードをレンダリングし、前記ユーザから受信されたユーザ入力が、前記WCD通信モジュールと前記コンパニオン通信モジュールとの間の通信リンクを介して前記WCDに返される、
着用型自動除細動器システム。
【請求項12】
前記WCDデータストアが患者のパラメータを定義する患者データを含み、前記解釈済みコードが、前記患者データへのアクセスをさらに提供する、請求項11に記載の着用型自動除細動器システム。
【請求項13】
前記患者情報が、患者識別子、送出されたショックの数、実行報告記録、WCDの状態、又は心臓リズムのうちの1つ又は複数を含む、請求項11に記載の着用型自動除細動器システム。
【請求項14】
前記ウェブサーバが、前記ウェブサーバの機能へのアクセスを制限するように構成された1つ以上のセキュリティ手段を含む、請求項11に記載の着用型自動除細動器システム。
【請求項15】
前記1つ以上のセキュリティ手段が、認証資格情報に応じてウェブサーバの機能へのアクセスを制限する、請求項14に記載の着用型自動除細動器システム。
【請求項16】
前記認証資格情報が、ユーザが前記患者であるか、医療専門家であるか、又は前記WMMDの製造業者であるかに基づく、請求項15に記載の着用型自動除細動器ステム。
【請求項17】
前記解釈済みコードがHTMLである、請求項11に記載の着用型自動除細動器システム。
【請求項18】
前記WCD及び前記コンパニオン装置が、Wi-Fi、Bluetoothローエナジー(BLE)、有線接続、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、又はローカルエリアネットワーク(LAN)接続で通信可能に結合される、請求項11に記載の着用型自動除細動器システム。
【請求項19】
前記コンパニオン装置が、タブレット、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、又はスマートフォンである、請求項11に記載の着用型自動除細動器システム。
【請求項20】
前記解釈済みコードが1つ以上の利用可能な機能を含む、請求項11に記載の着用型自動除細動器システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年5月31日に出願された米国仮特許出願第63/347463号に対する優先権及びその利益を主張し、また、2022年12月8日に出願された米国特許出願第18/063,457号に対する優先権及びその利益を主張し、これらの全開示は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
開示の概要及び背景
人がいくつかのタイプの心不整脈を患っている場合、結果として、身体の様々な部分への血流が減少する可能性がある。いくつかの不整脈は、突然心停止(SCA)をもたらすことさえある。SCAは、処置されない限り、非常に迅速に、例えば10分以内に死に至り得る一部の観察者は、SCAを心臓発作と間違えているが、そうではない。
【0003】
SCAのリスクが高い人もいる。そのような人々には、心臓発作又は以前のSCA発症を有していた患者が含まれる。これらの人々に対する頻繁な推奨は、埋め込み型除細動器(ICD)を受けることである。ICDは、胸部に外科的に埋め込まれ、患者の電気的活動を継続的に監視する。特定の心臓不整脈が検出された場合、ICDは、不整脈を矯正しようとして電気ショックを心臓に直接送出する。
【0004】
さらなる予防措置として、SCAのリスクが高いと特定された人々は、時には、ICDが埋め込まれるまで、又は心臓の状態がもはやSCAのリスクが高くならなくなるまで着用するために、着用型自動除細動器(WCD)システムを与えられる。WCDシステムは典型的には、ハーネス、ベスト、ベルト、又は患者が着用する他の衣服などの支持構造を含む。WCDシステムは、支持構造体に結合された除細動器及び電極などの電子部品をさらに含む。患者がWCDシステムを装着すると、電極は患者の皮膚と電気的に接触し、したがって、患者の心電図(ECG)を感知するのを助けることができる。ショック可能な心臓不整脈(例えば、心室細動(VF)又は心室頻拍(VT))がECGから検出された場合、除細動器は、患者の身体を通して、したがって心臓を通して適切な電気ショックを送出する。送出されたショックは、患者の心臓を再始動させ、したがって患者の生命を救うことができる。本明細書全体を通してWCDが使用されるが、WCDは、患者にショックを与える能力のないウェアラブル装置である着用型監視装置(WMD)であってもよいことを理解されたい。別段の指定がない限り、「WCD」という用語が使用される場合、これはWMDであってもよく、逆もまた同様であることを理解されたい。
【0005】
場合によっては、WCD上のパラメータ及び患者情報を変更及び閲覧するためのユーザインターフェースは、専用アプリケーションを有するタブレット又はラップトップコンピュータなどの外部コンパニオン装置によって提供される。このアプリケーションは、新しい機能がWCDに追加されるときなど、通信インターフェースが変化するときのWCD及びそのプログラミングと互換性がある特別目的アプリケーションである。互換性の問題は、現在、アプリケーションの互換性バージョンと、それが接続されるWMDのためにアプリケーションの互換性バージョンを実行することができるタブレットとの両方を必要とする。さらに、カスタムアプリケーションは、WCDの各バージョン及び複数の潜在的なコンパニオン装置のために開発されなければならない。ユーザが最新のアプリケーションリリースを有していない場合、ユーザは、タブレットを更新することも含み得るアプリケーションをアップグレードするまで、WCDをプログラムすることができない可能性がある。
【0006】
したがって、コンパニオン装置(タブレットなど)を使用してWMDとインターフェースするための改善された装置及び方法は、これまで当業者には知られていない。
【0007】
着用型監視装置システムは、支持構造体と、複数の電極と、WMMD通信モジュールと、WMMDデータストアとを含む着用型医療監視装置(WMMD)を含む。WMMDデータストアは、WMMDの設定を定義するパラメータデータと、パラメータデータへのアクセスを提供する解釈済みコードと、解釈済みコードを提供するように構成されたウェブサーバとを含む。WMMDは、ウェブサーバを実行するように構成されたWMMDプロセッサを含み、ウェブサーバは、WMMD通信モジュールを介して解釈済みコードを送信し、WMMD通信モジュールを介してウェブサーバによって受信された入力に基づいてパラメータデータを修正するように動作する。システムは、ディスプレイを含む、WMMDに通信可能に結合されたコンパニオン装置と、コンパニオン装置及びWMMDを通信可能に結合するように構成されたコンパニオン通信モジュールと、コンポーネントが存在するコンパニオンデータストアとを含む。コンパニオンデータストアは、解釈済みコードをレンダリングするように構成されたブラウザを含み、解釈済みコードは、パラメータデータの修正を可能にするユーザインターフェースを定義し、ユーザインターフェースは、コンパニオン装置のユーザから入力を受信するように動作する。ブラウザを実行するように構成されたコンパニオンプロセッサが含まれ、ブラウザは、コンパニオン通信モジュールを介して解釈済みコードを受信し、ディスプレイ上にユーザインターフェースをレンダリングし、ユーザから入力を受信し、コンパニオン通信モジュールを介してWMMD通信モジュールに入力を返すように動作する。
【0008】
別の態様では、着用型除細動器システムは着用型除細動器(WCD)を含む。WCDは、患者によって装着されるように構成された支持構造体と、支持構造体に結合されるか又は一体化される複数の電極と、電荷を蓄積するように構成されたエネルギー蓄積モジュールと、エネルギー蓄積モジュールに結合されるように構成され、複数の電極及びエネルギー蓄積モジュールに蓄積された電荷を使用して、支持構造体が患者によって装着されている間に患者に1つ又は複数のショックを与えるように構成された放電回路と、WCD通信モジュールとを含む。WCDはさらに、コンポーネントが存在するデータストアを含む。コンポーネントは、WMDの設定を定義するパラメータデータと、パラメータデータへのアクセスを提供する解釈済みコードと、解釈済みコードを提供するように構成されたウェブサーバとを含む。ユーザインターフェースは、解釈済みコード、WMD通信モジュール、及びWMDプロセッサによって実装される。WCDは、解釈済みコードをウェブサーバからWCD通信モジュールを介して送信し、WCD通信モジュールを介して受信された入力に基づいてパラメータデータを修正するように構成されたWCDプロセッサをさらに含む。WCDシステムは、WCDに通信可能に結合されたコンパニオン装置をさらに含む。コンパニオン装置は、ディスプレイと、コンパニオン装置とWCDとを通信可能に結合するように構成されたコンパニオン通信モジュールとを含む。コンパニオン装置は、解釈済みコードをレンダリングし、コンパニオン装置のユーザから入力を受信するように構成されたブラウザコンポーネントと、コンパニオンプロセッサとをさらに含む。コンパニオンプロセッサは、コンパニオン通信モジュールを介して解釈済みコードを受信し、解釈済みコードをブラウザコンポーネントに提示し、ブラウザから入力を受信し、コンパニオン通信モジュールを介してWCD通信モジュールに入力を返すように構成される。ウェブサーバが解釈済みコードをコンパニオン装置に送信するとき、ブラウザコンポーネントは、コンパニオン装置のディスプレイ上に解釈済みコードをレンダリングし、ブラウザコンポーネントによって受信されたユーザ入力は、WCD通信モジュール及びコンパニオン通信モジュールを通してWCDに返される。
【0009】
このセクションで議論される主題のいずれも、必ずしも先行技術ではなく、単に本節に提示されるために先行技術であると仮定されなくてもよい。本明細書における任意の先行技術へのいかなる言及も、そのような先行技術が任意の国における任意の技術における共通の一般的知識の一部を形成するという承認又は任意の形態の示唆ではなく、またそのように解釈されるべきではない。これらの線に沿って、この節で議論されるか又はそのような主題に関連する先行技術における問題の認識は、先行技術であると明示的に述べられない限り、先行技術として扱われるべきではない。むしろ、このセクションにおける任意の主題の議論は、特定された特定の問題を解決することに向けて取られたアプローチの一部として扱われるべきである。このアプローチは、それ自体、発明的であってもよい。
【0010】
上記で提供された概要は、以下の発明を実施するための形態においてさらに説明される概念の選択を簡略化された形態で導入することを意図している。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際の助けとして使用されることを意図するものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に従って作製された例示的なWCDを装着している患者の概念図である。
【
図2】本開示に従って作られたWCDシステムの構成要素のサンプル実施形態の概念図である。
【
図3】実施形態に従って作製された例示的な体外式除細動器の構成要素を示す機能図である。
【
図4】実施形態に従って作製された例示的な移動式医療装置の構成要素を示す機能図である。
【
図5】実施形態による健康監視環境を一般的に示す概念図である。
【
図6】本開示の種々の実施形態において使用され得るセキュリティ証明書(デジタル証明書とも称される)の概念図である。
【
図7】本開示によるセキュリティ証明書を作成するプロセスを一般的に示す機能フロー図である。
【
図8】本開示によるWCDシステムの構成要素間の信頼できる通信及び適切なアクセスを保証するためにWCDシステム内でセキュリティ証明書を使用するためのプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、コンパニオン装置上の特別目的アプリケーションなしに、WMDの構成インターフェースをコンパニオン装置に公開するためのシステム及び方法を対象とする。
【0013】
例示的な実施形態が図示され説明されるが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることが理解されよう。
【0014】
ここで図面を参照すると、
図1は、本開示の実施形態による、患者182によって装着されている装着型除細動器(WCD)システムを示している。本明細書で説明されるWCDは、WCDシステムを装着している患者の心臓データ(例えば、ECGトレースデータ)を測定して取り込む着用型監視装置(WMD)の一例として提示される。一例では、WMDは着用型医療監視装置(WMMD)である。WMMDは、医療用途における使用のために、米国食品医薬品局などの連邦機関による承認を受ける医療監視装置であると理解されるべきである。
【0015】
患者182は、患者がWCDシステムの構成要素を着用しているので、人及び/又は着用者と呼ばれることもある。図示されるように、患者182は歩行可能であり、これは、通常の状況下でWCDシステムの着用可能部分を着用している間、患者182は歩き回ることができ、必ずしも寝たきりではないことを意味する。患者182はWCDシステムの「ユーザ」でもあると考えられ得るが、これは必要条件ではない。例えば、着用型自動除細動器(WCD)のユーザは、医師、看護師、救急救命士(EMT)、又は他の同様にタスクを課された個人若しくは個人のグループなどであってもよい。場合によっては、ユーザは、WCDの傍観者又は製造者でさえあり得る。本説明内のこれら及び他の関連用語の特定の文脈は、それに応じて解釈されるべきである。
【0016】
実施形態によるWCDシステムは、WCDシステムの指定された部品を装着している患者を除細動するように構成することができる。除細動は、WCDシステムが電気ショックの形態で患者の体に電荷を送出するWCDシステムによって行うことができる。電気ショックは、1つ又は複数のパルスで送出することができ、及び/又は再びWCDがショック可能なリズムを検出し続けた場合に送出することができる。WMDとして実装される代替実施形態では、WCDシステムは、例えば、患者の心臓出力を監視することができるが、患者の身体に電気ショックを送出しない。
【0017】
図1はまた、実施形態に従って作られたWCDシステムの構成要素を示す。そのような構成要素の1つは、歩行可能患者182によって着用可能な支持構造170である。したがって、支持構造170は、1日当たり少なくとも数時間、及び少なくとも数日間、さらには数ヶ月間、歩行可能患者182によって装着されるように構成される。支持構造170は、
図1では一般的にのみ示されており、実際には部分的に概念的に示されていることが理解されよう。
図1は、単に支持構造170に関する概念を示すために提供されており、支持構造170がどのように実装されるか、又はどのように装着されるかを限定するものとして解釈されるべきではない。
【0018】
支持構造170は、多くの異なる方法で実施することができる。例えば、単一の構成要素又は複数の構成要素の組合せで実施することができる。実施形態では、支持構造170は、ベスト、ハーフベスト、衣類などを含むことができる。そのような実施形態では、そのようなアイテムは、類似の衣類物品と同様に着用することができる。実施形態では、支持構造170は、ハーネス、1つ又は複数のベルト又はストラップなどを含むことができる。そのような実施形態では、そのようなアイテムは、胴体、臀部の周り、肩の上などに患者によって装着され得る。実施形態では、支持構造170は、防水性であってもよい容器又は筐体を含むことができる。そのような実施形態では、支持構造は、例えば米国特許第8024037号に示され記載されているように、接着材料によって患者の身体に取り付けられることによって着用され得る。支持構造体170は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第US2017/0056682号の支持構造体について記載されているように実施することもできる。もちろん、そのような実施形態では、当業者は、WCDシステムの追加の構成要素が、例えば米国特許出願公開第2017/0056682号明細書に記載されているように、支持構造の外部に取り付けられる代わりに、支持構造のハウジング内にあってもよいことを認識するであろう。他の例もあり得る。
【0019】
図1は、サンプル体外除細動器100を示す。本明細書において後でより詳細に説明するように、体外式除細動器100のいくつかの態様は、ハウジングと、ハウジング内のエネルギー貯蔵モジュールとを含む。したがって、WCDシステムの文脈では、除細動器100は主電子モジュールと呼ばれることもある。エネルギー貯蔵モジュールは、電荷を貯蔵するように構成することができる。他の構成要素は、患者を通して1つ以上の除細動ショックを送出するように、蓄積された電荷の少なくとも一部を電極を介して患者を通して放電させることができる。
【0020】
図1はまた、電極リード105を介して外部除細動器100に結合されたサンプル除細動電極104、108を示す。除細動電極104、108は、いくつかの方法で患者182によって装着されるように構成することができる。例えば、除細動器100及び除細動電極104、108は、支持構造170に直接的又は間接的に結合され得る。換言すれば、支持構造170は、患者182が動き回る間などに、歩行可能な患者182の身体上に電極104、108のうちの少なくとも1つを維持するように、歩行可能な患者182によって装着されるように構成され得る。したがって、電極は、患者182の皮膚に取り付けられること、皮膚に対して直接的に又は衣服を介して単純に押し付けられることなどによって、身体上に維持され得る。いくつかの実施形態では、電極は、必ずしも皮膚に対して押圧されないが、WCDシステムによる介入に値し得る状態を感知すると、そのようにバイアスされる。さらに、除細動器100の構成要素の多くは、除細動電極104、108の少なくとも1つを介して直接的又は間接的に支持構造170に結合されていると考えることができる。
【0021】
除細動電極104、108が患者182の身体と良好に電気的に接触すると、除細動器100は、電極104、108を介して、身体を通して短時間の強い電気パルス111を与えることができる。パルス111は、ショック、除細動ショック、治療、電気治療、治療ショックなどとしても知られている。パルス111は、患者182の生命を救うために、心臓185を通過して再鼓動させることが意図される。パルス111は、必要に応じて心臓185を単にペーシングするために、より小さい大きさの1つ又は複数のペーシングパルスをさらに含むことができる。
【0022】
除細動器は典型的に、患者のECG信号に基づいて除細動すべきか否かを決定する。しかしながら、体外式除細動器100は、ECG信号が単にこれらの入力のうちの1つである様々な入力に基づいて、除細動を開始するか、又は除細動を保留(ホールドオフ)することができる。
【0023】
実施形態によるWCDシステムは、患者182からデータを取得することができる。そのようなデータを収集するために、WCDシステムは、任意選択で、少なくとも外部監視機器180を含むことができる。装置180は、例えば除細動器100の筐体内ではなく、スタンドアロン装置として提供され得るため、「外部」装置と呼ばれる。装置180は、少なくとも1つのローカルパラメータを感知又は監視するように構成され得る。局所パラメータは、本明細書で後述するように、患者182のパラメータ、又はWCDシステムのパラメータ、又は環境のパラメータとすることができる。
【0024】
これらのパラメータのうちのいくつかについて、監視装置180は、1つ以上のセンサ又はトランスデューサを含んでもよい。そのようなセンサの各々は、患者182のパラメータを感知し、感知されたパラメータに応答して入力をレンダリングするように構成することができる。いくつかの実施形態では、入力は、感知されたパラメータの値などの定量的なものであり、他の実施形態では、入力は、閾値を超えたか否かを知らせるなどの定性的なものである。時には、患者182に関するこれらの入力は、本明細書では生理学的入力及び患者入力とも呼ばれる。実施形態では、センサは、多くの個々のセンサを包含するものとして、より広く解釈することができる。
【0025】
任意選択で、監視装置180は、支持構造170に物理的に結合される。加えて、監視装置180は、支持構造170に結合される他の構成要素と通信可能に結合されてもよい。このような通信は、この説明を考慮して当業者によって適用可能であるとみなされるように、通信モジュールによって実施することができる。
【0026】
実施形態では、示されたWCDシステムの構成要素のうちの1つ又は複数は、患者182のためにカスタマイズされ得る。このカスタマイズは、いくつかの態様を含むことができる。例えば、支持構造170は、患者182の身体に適合させることができる。別の例では、安静時、歩行中の患者182の心拍数、歩行中の運動検出器出力など、患者182のベースライン生理学的パラメータを測定することができる。患者の身体は互いに異なるので、そのようなベースライン生理学的パラメータの測定値を使用して、WCDシステムをカスタマイズし、その診断をより正確にすることができる。もちろん、そのようなパラメータ値は、WCDシステムのメモリなどに記憶され得る。さらに、実施形態によれば、ベースライン生理学的パラメータのそのような測定値を受け取るプログラミングインターフェースを作成することができる。このようなプログラミングインターフェースは、これらを他のデータと共にWCDシステムに自動的に入力することができる。
【0027】
WCDシステムは、「コンパニオン」装置199をさらに含み得る。様々な実施形態において、コンパニオン装置199は、患者パラメータ及び/又は環境パラメータを捕捉するための様々なセンサも含むモバイル医療装置として実装され得る。例えば、コンパニオン装置199は、運動検出センサ、加速度計、ジャイロスコープセンサ、GPS位置センサなどを含むことができる。さらに他の実施形態では、コンパニオン装置199はまた、ECG電極と直接インターフェースするECGモニタリング構成要素を含み得る。コンパニオン装置199はさらに、患者182がコンパニオン装置199に入力を提供し、そこから出力を受信することを可能にするユーザインターフェースを含む。
【0028】
一実施形態では、コンパニオン装置199は、体外式除細動器100、外部監視装置180(存在する場合)のいずれか、又はその両方と通信する。同様に、コンパニオン装置199は、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワークを介してリモートコンピューティングシステムと無線通信することができる。例えば、様々な実施形態では、コンパニオン装置199は、特別目的モバイル通信装置として、又はセルラースマートフォンなどにインストールされ得るダウンロード可能なアプリとして実装され得る。
【0029】
図2は、本開示の実施形態を実装することができる例示的なWCDシステムのコンポーネントの概念図である。示されるように、支持構造270は、ベスト状の着用可能な衣類を含む。支持構造270は、後側271と、患者の胸部の前で閉じる前側272とを有する。
【0030】
図2のWCDシステムはまた、外部除細動器200を含む。
図2は、外部除細動器200のための支持体を示しておらず、外部除細動器200は、財布に入れて、ベルトに載せて、肩の上のストラップなどによって運ぶことができる。ワイヤ205は、外部除細動器200を電極204、208、209に接続する。これらのうち、電極204、208は除細動電極であり、電極209はECG検知電極である。支持構造270の前面272上に示される電極は、それらの電極が患者に接触し得るように支持構造270内にあることを表すために、破線で示される。
【0031】
支持構造270は、電極204、208、209を患者の身体と接触した状態に維持するように、歩行可能な患者によって装着されるように構成される。背部除細動電極208は、支持構造270のポケット内に維持されてもよい。もちろん、ポケット278の内側は、電極208が、特に展開され得る導電性流体の助けを借りて、患者の背中に接触することができるように、導電性織物で作製され得る。さらに、検知電極209は、患者のECG信号及び/又はインピーダンスを感知するために、患者の胴を取り囲む位置に維持される。
【0032】
図3は、実施形態に従って作製された例示的な体外式除細動器300の特定の構成要素を示す図である。これらの構成要素は、例えば、
図1の体外除細動器100及び
図2の体外除細動器200に含めることができる。外部除細動器300は、
図1の外来患者182のような、それを装着する患者のために意図される。
図3に示される構成要素は例示的なものであり、示されていない追加の構成要素が、もちろん含まれてもよい。
【0033】
図3に示される構成要素は、ケーシングとも称され得る筺体301内に設けられ得る。除細動器300は、ユーザ382のためのユーザインターフェース380を更に含んでもよい。ユーザ382は、着用者182としても知られる患者182とすることができる。代替として、ユーザ382は、支援を提供し得る傍観者、又は訓練された人等の現場におけるローカル救助者であり得る。あるいは、ユーザ382は、WCDシステムと通信する遠隔地にいる訓練された介護者であってもよい。
【0034】
ユーザインターフェース380は、いくつかの方法で作成することができる。ユーザインターフェース380は、画像、音、又は振動を出力することによってユーザに伝達するための、視覚的、聴覚的、又は触覚的であり得る出力装置を含み得る。画像、音、振動、及びユーザ382によって知覚され得る任意のものは、人間が知覚可能な指示(HPI)とも呼ばれ得る。出力装置には多くの例がある。例えば、出力装置は、感知、検出及び/又は測定されたものを表示するためのライト又はスクリーンであってもよく、救助者382が蘇生を試みるための視覚的フィードバックを提供してもよい。別の出力装置はスピーカであってもよく、スピーカは、音声プロンプト、ビープ音、大きなアラーム音、及び/又は傍観者に警告するための言葉などを発するように構成され得る。
【0035】
ユーザインターフェース380は、ユーザからの入力を受信するための入力装置をさらに含み得る。そのような入力装置は、押しボタン、キーボード、タッチスクリーン、1つ又は複数のマイクロフォンなどの様々な制御装置を含むことができる。入力装置は、「私は生きている」スイッチ又は「生きている人」スイッチと呼ばれることもあるキャンセルスイッチとすることができる。いくつかの実施形態では、キャンセルスイッチを作動させることにより、ショックの差し迫った送出を防止することができる。
【0036】
除細動器300は、内部監視装置381を含んでもよい。装置381は、筐体301内に組み込まれているので、「内部」装置と呼ばれる。監視装置381は、患者の生理学的パラメータ、システムパラメータ、及び/又は環境パラメータなどの患者パラメータを感知又は監視することができ、これらはすべて患者データと呼ぶことができる。換言すれば、内部監視装置381は、
図1の外部監視装置180に対して相補的又は代替的であり得る。どのパラメータがどの監視装置180、381によって監視されるかを割り当てることは、設計上の考慮事項に従って行うことができる。装置381は、本明細書の他の箇所でも説明されるように、1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0037】
患者パラメータは、患者の生理学的パラメータを含むことができる。患者の生理学的パラメータは、例えば、限定するものではないが、患者がショック又は他の介入若しくは支援を必要とするか否かをWCDシステムによって検出する際に任意の助けとなり得る生理学的パラメータを含み得る。患者の生理学的パラメータはまた、任意選択で、患者の病歴、イベント履歴などを含むことができる。患者パラメータの例には、患者のECG、血中酸素レベル、血流、血圧、血液灌流、灌流組織の光透過又は反射特性の拍動変化、心音、心臓壁運動、呼吸音及び脈拍が含まれる。したがって、監視装置180、381は、患者の生理学的信号を取得するように構成された1つ又は複数のセンサ(以下で説明する)を含むことができる。
【0038】
患者状態パラメータは、患者382の記録された態様(例えば、動き、姿勢、彼らが最近話したか否か、加えておそらく彼らが言ったことなど)、加えて任意選択的にこれらのパラメータの履歴を含む。あるいは、これらの監視装置のうちの1つは、全地球測位システム(GPS)位置センサなどの位置センサを含むことができる。そのようなセンサは、位置を検出することができ、加えて、速度は、経時的な場所の変化率として検出されることができる。多くの検出器は、検出器の動き、したがって患者の身体の動きを示す運動信号を出力する。患者状態パラメータは、SCAが実際に起こっているかどうかの決定を絞り込む際に非常に有用であり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、傾向は、患者382の監視された生理学的パラメータにおいて検出され得る。傾向は、短期及び長期にわたる異なる時間におけるパラメータの値を比較することによって検出することができる。検出された傾向が特に役立ち得るパラメータとしては、(a)心機能(例えば、駆出率、1回拍出量、心拍出量など)、(b)安静時又は運動中の心拍数変動性、(c)運動中の心拍数プロファイル及び活動力の測定、例えば加速度計信号のプロファイルから、及び適応レートペースメーカー技術から通知されるもの、(d)心拍数傾向、(e)灌流、例えばSpO2、CO2、又は他のパラメータ、例えば上記のもの、(f)呼吸機能、呼吸数など、(g)運動、活動レベルなどが挙げられる。傾向が検出されると、それを記憶し、及び/又は通信リンクを介して報告することができ、場合によっては保証される場合には警告とともに報告することができる。報告から、患者382の進行を監視する医師は、改善していないか又は悪化しているかのいずれかの状態について知ることになる。
【0040】
実施形態に従って作られたWCDシステムは、運動検出器を含むことができる。実施形態では、運動検出器は、監視装置180又は監視装置381内に実装され得る。このような運動検出器は、例えば加速度計を使用するなど、当技術分野で知られている多くの方法で作製することができる。この例では、運動検出器387が監視装置381内に実装される。実施形態によるWCDシステムの運動検出器は、運動イベントを検出するように構成され得る。運動イベントは、例えば、ベースライン運動又は安静からの運動の変化など、便利なように定義することができる。そのような場合、感知される患者パラメータは運動である。
【0041】
WCDシステムのシステムパラメータは、システム識別、バッテリ状態、システム日時、自己試験の報告、入力されたデータの記録、エピソード及び介入の記録などを含むことができる。検出された運動イベントに応答して、運動検出器は、検出された運動イベント又は運動から、後続の装置又は機能によって受信され得る運動検出入力をレンダリング又は生成し得る。
【0042】
環境パラメータは、周囲温度及び圧力を含むことができる。さらに、湿度センサは、雨が降る可能性があるか否かに関する情報を提供することができる。推定される患者の位置は、環境パラメータと考えることもできる。監視装置180又は381が上記のようなGPS位置センサを含む場合、及び患者がWCDシステムを装着していると推定される場合、患者の位置を推定することができる。
【0043】
除細動器300は、典型的には、筐体301内のソケットであり得る除細動ポート310を含む。除細動ポート310は、電気ノード314、318を含む。
図1のリード105などの除細動電極304、308のリードは、それぞれノード314、318と電気的に接触するように除細動ポート310に差し込むことができる。代わりに、除細動電極304、308を除細動ポート310に連続的に接続することも可能である。いずれにしても、除細動ポート310は、本明細書において後でより完全に説明するエネルギー蓄積モジュール350に蓄積された電荷の少なくとも一部を、電極を介して装着者に誘導するために使用することができる。電荷は、除細動、ペーシングなどのためのショックとなる。
【0044】
除細動器300はまた、随意に、筐体301内にセンサポート319を有してもよい。一般的に、排他的ではないが、センサポート319は、ECGポートとして実装され得る。センサポート319は、ECG電極及びECGリードを含み得る感知電極309を差し込むように適合され得る。代わりに、感知電極309をセンサポート319に連続的に接続することも可能である。ECG電極として実装される場合、感知電極309は、ECG信号、例えば、12リード信号、又は異なる数のリードからの信号を感知するのを助けることができるトランスデューサであってもよく、特に、それらが患者の身体、特に患者の皮膚と良好な電気的接触をする場合にそうである。除細動電極304、308と同様に、支持構造は、患者382の身体上に感知電極309を維持するように、患者382によって装着されるように構成することができる。例えば、検知電極309は、除細動電極304、308と同様に、患者との良好な電気的接触を行うために支持構造170の内側に取り付けることができる。
【0045】
多くの代替的な感知電極309も想定される。例えば、感知電極309は、灌流センサ、パルスオキシメータ、血流を検出するための装置(例えば、ドップラー装置)、血圧を検出するためのセンサ(例えば、カフ)、光センサ、照明検出器、及びおそらくは組織の色変化を検出するための光源と協働するセンサ、運動センサ、心臓壁の動きを検出することができる装置、音センサ、マイクロフォンを有する装置、SpO2センサなどを更に含むことができる。本開示を考慮すると、そのようなセンサは、患者の脈拍を検出するのに役立つことができ、したがって、脈拍検出センサ、脈拍センサ、及び脈拍数センサとも呼ばれ得ることが理解されよう。
【0046】
いくつかの実施形態では、除細動器300はまた、そのセンサ又はトランスデューサと協働するそのうちの1つ以上として、測定回路320を含む。測定回路320は、センサポート319(設けられている場合)から患者の1つ以上の電気生理学的信号を感知する。除細動器300がセンサポート319を欠いている場合であっても、除細動電極304、308が患者に取り付けられているとき、測定回路320は、代わりにノード314、318を介して生理学的信号を任意選択で取得することができる。これらの場合、入力はECG測定値を反映する。患者パラメータは、電極304、308間の電圧差として感知され得るECGであり得る。加えて、患者パラメータは、電極304、308間及び/又は対をなすと考えられるセンサポート319の接続間で感知され得るインピーダンスであり得る。インピーダンスを感知することは、とりわけ、これらの電極304、308及び/又は感知電極309が患者の身体と良好に電気的接触していないかどうかを検出するのに有用であり得る。これらの患者の生理学的信号は、利用可能なときに感知され得る。測定回路320は、次いで、それらに関する情報を入力、データ、他の信号などとしてレンダリング又は生成することができ、したがって、測定回路320は、センサによって感知された患者パラメータに応答して患者入力をレンダリングするように構成することができる。いくつかの実施形態では、測定回路320は、感知電極309によって感知されたECG信号に応答して、ECG信号の値などの患者入力をレンダリングするように構成することができる。より厳密に言えば、測定回路320によってレンダリングされた情報は、そこから出力されるが、この情報は、後続の装置又は機能によって入力として受信されるので、入力と呼ぶことができる。
【0047】
除細動器300はまた、プロセッサ330(WMDプロセッサ330又はWCDプロセッサ330とも呼ばれる)を含む。プロセッサ330は、様々な実施形態においていくつかの方法で実装され得る。そのような方法は、限定ではなく例として、マイクロプロセッサ及びデジタル信号プロセッサ(DSP)などのデジタル及び/又はアナログプロセッサ、マイクロコントローラなどのコントローラ、マシン内で動作するソフトウェア、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、フィールドプログラマブルアナログアレイ(FPAA)、プログラマブル論理装置(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)などのプログラム可能な回路、これらのうちの1つ又は複数の任意の組合せなどを含む。
【0048】
プロセッサ330は、本明細書において後でより完全に説明されるメモリ338などの非一時的記憶媒体を含むか、又はそれへのアクセスを有し得る。そのようなメモリは、機械可読命令及び機械実行可能命令の記憶のための不揮発性部品を有することができる。このような命令の集合をプログラムと呼ぶこともできる。「ソフトウェア」とも呼ばれ得る命令は、概して、本明細書で開示されるか、又は開示される実施形態を考慮して当業者によって理解され得るような行為、動作、及び/又は方法を実行することによって機能を提供する。いくつかの実施形態では、及び本明細書で使用される慣例の問題として、ソフトウェアのインスタンスは、「モジュール」及び他の同様の用語によって参照され得る。一般に、モジュールは、特定の機能を提供又は実現するように、命令のセットを含む。モジュール及び提供される機能の実施形態は、本明細書に記載される実施形態によって限定されない。
【0049】
プロセッサ330は、いくつかのモジュールを有すると考えることができる。1つのそのようなモジュールは、検出モジュール332であり得る。検出モジュール332は、心室細動(VF)検出器を含むことができる。入力、値を反映するデータ、又は他の信号の値として利用可能であり得る、測定回路320からの患者の感知されたECGは、患者がVFを経験しているかどうかを決定するために、VF検出器によって使用され得る。VFは典型的にはSCAをもたらすため、VFを検出することは有用である。検出モジュール332は、心室頻脈(VT)検出器などを含むこともできる。
【0050】
プロセッサ330内の別のそのようなモジュールは、何をすべきかについてのアドバイスを生成するアドバイスモジュール334であり得る。アドバイスは、検出モジュール332の出力に基づくことができる。実施形態に従って多くのタイプのアドバイスがあり得る。いくつかの実施形態では、アドバイスは、プロセッサ330が例えばアドバイスモジュール334を介して行うことができるショック/非ショックの決定である。ショック/非ショック判定は、記憶されたショック勧告アルゴリズムを実行することによって行うことができる。ショック勧告アルゴリズムは、実施形態に従って捕捉された1つ以上のECG信号からショック/非ショック判定を行い、ショック基準が満たされるか否かを判定することができる。この判定は、捕捉されたECG信号のリズム解析又は他の方法から行うことができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、判定がショックである場合、電荷が患者に送出される。電荷の送出は、患者への放電及びショックとしても知られている。上述したように、これは、除細動、ペーシングなどのためであり得る。
【0052】
理想的な状態では、患者の検知されたECG信号のセグメントから、非常に信頼性の高いショック/非ショック判定を行うことができる。しかしながら、実際には、ECG信号はしばしば電気的ノイズによって損なわれ、解析を困難にする。ノイズが多すぎると、心不整脈の誤検出を引き起こすことがあり、患者に誤報をもたらす。ノイズの多いECG信号は、米国特許出願第16/037,990号(2018年7月17日に出願され、US 2019/0030351 A1として公開された)、及び米国特許出願第16/038,007号(2018年7月17日に出願され、US 2019/0030352 A1として公開された)に記載されているように処理されてもよく、両方とも同一出願人によるものであり、参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
プロセッサ330は、他の機能のために、他のモジュール336などの追加のモジュールを含むことができる。例えば、他のモジュール336の1つのインスタンスは、
図4に関連して以下に説明するようなウェブサーバであってもよい。加えて、内部監視装置381が実際に提供される場合、プロセッサ330は、その入力等を受信し得る。
【0054】
除細動器300は、任意選択的に、いくつかの実行可能モジュールを実行することに関連してプロセッサ330によって使用されるメモリ338をさらに含む。メモリ338は、いくつかの方法で実装され得る。そのような方法は、限定ではなく例として、揮発性メモリ、不揮発性メモリ(NVM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、スマートカード、フラッシュメモリ装置、これらの任意の組合せなどを含む。したがって、メモリ338は、非一時的記憶媒体である。メモリ338は、提供される場合、プロセッサ330のためのプログラムを含むことができ、プロセッサ330は、プログラムを読み出して実行することができる。より具体的には、プログラムは、プロセッサ330が読み取り時に実行することができるコードの形態の命令のセットを含むことができる。プログラムはまた、構成データ、プロファイル、スケジューリングなど、命令に従って実行できる他の情報を含んでもよい。実行することは、物理量の物理的操作によって行われ、実行されるべき機能、動作、プロセス、行為、アクション及び/もしくは方法をもたらし、ならびに/又はプロセッサが他の装置もしくは構成要素もしくはブロックにそのような機能、動作、プロセス、行為、アクション及び/もしくは方法を実行させる。プログラムは、プロセッサ330の固有のニーズに対して動作可能とすることができ、アドバイスモジュール334によって決定を行うことができるプロトコル及び方法も含むことができる。加えて、メモリ338は、このユーザがローカル救助者である場合、ユーザ382に対するプロンプトを記憶することができる。さらに、メモリ338は、データを記憶することができる。このデータは、例えば内部監視装置381及び外部監視装置180によって学習されるような、患者データ、システムデータ、及び環境データを含むことができる。データは、除細動器300から送信される前にメモリ338に記憶することができ、又は除細動器300によって受信された後にそこに記憶することができる。
【0055】
除細動器300は、モバイルコンパニオン装置、遠隔支援センター、救急医療サービス(EMS)等の他のエンティティの他の装置との1つ以上の有線又は無線通信リンクを確立するための通信モジュール390を任意選択的に含むことができる。通信リンクは、データ及び命令を転送するために使用することができる。データは、患者データ、イベント情報、試みられた治療、CPRパフォーマンス、システムデータ、環境データなどであってもよい。例えば、通信モジュール390は、例えば米国特許公開第20140043149号に記載されているように、例えば毎日、心拍数、呼吸数、及び他のバイタルサインデータを、インターネットを介してアクセス可能なサーバに無線で送信することができる。このデータは、患者の医師によって直接分析することができ、また、発症している疾病を検出し、次いでテキスト、電子メール、電話などを介して医療関係者に通知するように設計されたアルゴリズムによって自動的に分析することもできる。通信モジュール390はまた、当業者によって必要と考えられ得るような相互接続されたサブコンポーネント、例えば、アンテナ、プロセッサの一部、支援電子機器、電話又はネットワークケーブル用のアウトレットなどを含み得る。
【0056】
除細動器300はまた、電源340を含んでもよい。除細動器300の携帯性を可能にするために、電源340は典型的にはバッテリを含む。このようなバッテリは、典型的には、再充電可能であってもなくてもよいバッテリパックとして実装される。再充電可能な電池パックと再充電不可能な電池パックとの組み合わせが使用されることもある。電源340の他の実施形態は、AC電力が利用可能である場合のためのAC電力オーバーライド、エネルギー貯蔵コンデンサなどを含むことができる。電源340の充電又は交換を提供するために、適切な構成要素が含まれ得る。いくつかの実施形態では、電源340は、プロセッサ330によって制御及び/又は監視される。
【0057】
除細動器300は、エネルギー貯蔵モジュール350をさらに含んでもよい。エネルギー貯蔵モジュール350は、WCDシステムの支持構造に、例えば直接、又は電極及びそれらのリード線を介して結合することができる。モジュール350は、ショックを与えるために放電の準備をするときに、いくらかの電気エネルギーを電荷の形態で一時的に貯蔵することができる場所である。実施形態において、モジュール350は、プロセッサ330によって制御されるように、電源340から所望の量のエネルギーまで充電され得る。典型的な実装形態では、モジュール350は、単一のコンデンサ又はコンデンサのシステムなどとすることができるコンデンサ352を含む。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵モジュール350は、ウルトラキャパシタなどの高電力密度を示す装置を含む。上述のように、コンデンサ352は、患者に送出するために、電荷の形態でエネルギーを貯蔵することができる。
【0058】
ショックの決定は、ショック基準が満たされたことに応答して行うことができる。決定がショックを与えることである場合、プロセッサ330は、患者182にショック111を送出するために、支持構造が患者182によって装着されている間に、モジュール350に蓄積された電荷の少なくとも一部又は全部を患者182を通して放電させるように構成され得る。放電を生じさせるために、除細動器300はさらに放電回路355を含む。決定がショックを与えることである場合、プロセッサ330は、放電回路355を制御して、エネルギー蓄積モジュール350に蓄積された電荷の少なくとも一部又は全部を患者を通して放電するように構成することができる。放電は、ノード314、318に対して行われ、そこから除細動電極304、308に対して行われ、患者にショックを与えるようにする。回路355は、1つ以上のスイッチ357を含むことができる。スイッチ357は、Hブリッジ等のような多くの方法で作ることができる。したがって、回路355はまた、プロセッサ330及び/又はユーザインターフェース380を介して制御され得る。このように放電回路355を制御することにより、放電の時間波形を制御することができる。放電のエネルギーの量は、どれくらいエネルギー貯蔵モジュールが充電されたかによって、また、どれくらい長い間放電回路355が開いたままであるように制御されるかによっても制御され得る。
【0059】
任意選択で、実施形態によるWCDシステムはまた、除細動電極と患者の皮膚との間に自動的に展開することができる流体を含む。流体は、電極と皮膚との間のより良好な電気的接触を確立するために、電解質を含むことなどによって導電性であり得る。電気的に言えば、流体が展開されると、各電極と皮膚との間の電気インピーダンスが減少する。機械的に言えば、流体は、低粘度ゲルの形態であってもよく、その結果、流体は、展開された後、電極の近くで放出された位置から流出しない。流体は、除細動電極304、308及び/又は感知電極309に使用することができる。
【0060】
流体は、
図3に示されていない流体リザーバ内に最初に貯蔵されてもよい。このような流体リザーバは、支持構造に結合することができる。加えて、実施形態によるWCDシステムは、流体展開機構374をさらに含む。流体展開機構374は、流体の少なくとも一部をリザーバから放出させ、電極304、308が患者に取り付けられるように構成された患者位置の一方又は両方の近くに展開させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、流体展開機構374は、プロセッサ330から起動信号ASを受信することに応答して、放電の前に起動され、これは、本明細書において後でより完全に説明される。
【0061】
図4は、本開示の実装形態で使用される着用型監視装置(WMD)401を一般的に示す機能ブロック図である。いくつかの実施形態では、WMD 401は、WCDシステムの外部除細動器(例えば、外部除細動器100、200、又は300)内に、又はその一部として実装されてもよい。代替として、WMD 401は、スタンドアロンWMD(例えば、監視装置180の外部)内に、又はその一部として実装されてもよい。別の代替形態では、WMD 401は、モバイルコンパニオン装置(たとえば、コンパニオン装置199)内に、又はその一部として実装され得る。
図4には単一設計として示されているが、
図4に示されている機能ブロックのうちの1つ又は複数は、様々な実施形態では、WCDシステムに一緒に組み込まれる1つ又は複数の他の装置内に実装され得ることが諒解されよう。
【0062】
図4に示すWMD 401は、プロセッサ405(WMDプロセッサ405又はWDCプロセッサ405とも呼ばれる)と、メモリ410と、プロセッサ405をメモリ410に接続するバス412とを含む基本的なコンピューティングアーキテクチャを使用して、機能的に示されている。様々な実施形態では、プロセッサ405は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィックス処理ユニット(GPU)、データ処理ユニット(DPU)、加速処理ユニット(APU)、テンソル処理ユニット(TPU)などの任意の形態の命令処理ユニットとして実装され得る。
【0063】
ユーザインターフェース480もまた含まれ、ユーザ(例えば、患者482)がWMD 401に入力を提供し、そこから出力を受信することを可能にする特徴を含む論理構成要素である。様々な実施形態では、ユーザインターフェース480は、患者から手動入力(例えば、キーストローク又はタップ)を受信する。例えば、ユーザインターフェース480は、音を受信し、それらの音をコンピュータ使用可能信号に変換するためのマイクロフォン481を含み得る。ユーザインターフェース480は、コンピュータ使用可能信号を聞くことができる音に変換するスピーカ482も含むことができる。ユーザインターフェース480はまた、コンピュータ使用可能信号を視覚的に知覚され得る視覚データに変換するための視覚ディスプレイ483を含んでもよい。いくつかの実施形態では、視覚ディスプレイ483は、触覚入力を視覚ディスプレイ483上のタッチの形態で受信することもできるタッチスクリーンディスプレイである。
【0064】
1つ以上のセンサ420はまた、患者の生理学的信号を感知するために、WMD 401に含まれてもよい。
図3に示され、上述された体外除細動器300と同様に、センサ420は、様々なパラメータ(例えば、患者パラメータ、システムパラメータ、環境パラメータなど)を検出するために使用される任意の1つ以上の構成要素を含み得る。例えば、WMD 401が外部除細動器(例えば、外部除細動器300)又は外部監視装置(例えば、外部監視装置180)の一部として実装されるいくつかの実施形態では、センサは、上述のセンサのいずれか又は全てを含んでもよい。WMD 401がコンパニオン装置199内に、又はその一部として実装されるいくつかの実施形態では、センサは、患者パラメータを捕捉するために使用されるもの(例えば、ECG電極)を省略してもよく、代わりに、環境パラメータを検出するために使用されるセンサ(例えば、運動検出器、加速度計、コンパス、近接センサ、気圧計など)のみを含んでもよい。いくつかの実施形態では、WMD 401がコンパニオン装置199内に実装される場合、外部除細動器又は外部監視装置のいずれか又は両方によって収集されるセンサデータに依存し得ることが理解されるであろう。そのような実施形態では、センサ409のほとんど又はすべてが、WMD 401自体から省略されるか、又はそれによって使用されないことが可能である。さらに、重複センサ(例えば、体外式除細動器とWMD 401との間)も可能である。
【0065】
WMD 401と他の装置(コンパニオン装置199など)との間の通信を可能にするために、通信モジュール490もWMD 401に含まれる。様々な実施形態において、通信モジュール490は、WMD 401と外部除細動器との間の有線及び/又は無線通信を実装してもよい。例えば、WMD 401がコンパニオン装置(例えば、コンパニオン装置199)内に実装される場合、通信モジュールは、コンパニオン装置199と体外式除細動器100との間の双方向通信を可能にしてもよい。このようにして、WMD 401は、体外式除細動器100によって検出されたECG波形及び他の患者パラメータなどの信号を体外式除細動器100から受信することができる。同様に、WMD 401は、体外式除細動器100が情報をWMD 401に送信するよう求める要求などの命令及び/又はデータを体外式除細動器100に送信してもよい。またさらに、通信モジュール490は、遠隔コンピューティング装置との長距離セルラーデータ通信を可能にするセルラー通信機能を実装し得る。通信モジュール490のこれら及び他の実施形態は、当業者には明らかであろう。
【0066】
メモリ410は、データ及び様々な実行可能モジュールなどのソフトウェアコンポーネントを記憶するためにWMD 401内に実装されたデータストアである。メモリ410は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又は揮発性メモリと不揮発性メモリとの組み合わせとして実装され得る。不揮発性メモリは、情報を永続的に記憶するために使用することができ、揮発性メモリは、様々な命令を実行しながらプロセッサ405によって使用することができる。したがって、本明細書で使用される「メモリ」という用語は、コンピュータ可読情報が一時的及び/又は永続的に保持され得る任意のリポジトリとして、その最も広い解釈が与えられるべきである。
【0067】
メモリ410内には、様々な実施形態によるいくつかの実行可能モジュールがある。例えば、直接入力モジュール411は、外部ソースによって提供される直接ユーザデータを受信し、処理するために含まれ得る。一例では、直接入力モジュール411は、マイクロフォン、ディスプレイ、スピーカ、又はそれらの任意の組合せのいずれかを通じて、ユーザインターフェース480を通じてデータを求めて患者482に促し、データを受け入れるように構成される。直接入力モジュール411は、ユーザ提供データを受信し、そのデータをパラメータデータ413及び/又は患者データ414などの他のデータと組み合わせるように構成することができる。例えば、患者482は、マイクロフォン481に向かって話すことによって特定の情報を提供するように促され得る。同様に、患者482は、ディスプレイ483上で選択され得る選択肢を提示されてもよい。これらは、直接患者入力のほんの数例である。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、ウェブサーバ412がメモリ内に含まれる。いくつかの実施形態では、ウェブサーバ412は、HTTP(ハイパーテキスト転送プロトコル)及び/又は他のプロトコルを使用して、解釈ページコンテンツを返すことによって、広域ネットワークを介して行われたクライアント要求に応答するソフトウェアである。HTTPに加えて、ウェブサーバ412はまた、IP(インターネットプロトコル)、HTTPS(セキュアハイパーテキスト転送プロトコル)、FTP(ファイル転送プロトコル)プロトコル、及び他の通信プロトコルをサポートし得る。
【0069】
動作中、ウェブサーバ412は、セキュアハイパーテキスト転送プロトコル(HTTPS)を使用してクライアント(例えば、ウェブブラウザ)と通信する。ウェブサーバ412は、いくつかの実施形態ではハイパーテキストマークアップ言語(HTML)である解釈済みコード430を提供する。コンテンツ(又はコード)は、静的(例えば、テキスト及び画像)又は動的(例えば、「オンザフライ」でアセンブルされる)であり得る。動的コンテンツを配信するために、いくつかの実施形態では、ウェブサーバ412は、ビジネスロジックを通信に符号化するためのサーバサイドスクリプト言語をサポートする。いくつかの実施形態では、これらの言語は、Active Server Pages(ASP)、Java、JavaScript、PHP、Python、Rubyなどのうちの任意の1つ又は複数を含み得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、解釈済みコード430は、本明細書に説明されるようなWMDのパラメータデータへのアクセスを要求側クライアントに提供する。いくつかの実施形態では、解釈済みコード430は、患者データへのアクセスを提供する。いくつかの実施形態では、患者データは、患者識別子、送出されたショックの数、実行報告記録、WMDステータス、心臓リズムなどを含む。いくつかの実施形態では、解釈済みコード430は、HTMLとして実装される。いくつかの実施形態では、解釈済みコード430はまた、カスケーディングスタイルシート(CSS)を含み得る。動作中、プロセッサ405は、解釈済みコード430をウェブサーバ412から通信モジュール490を介して要求元クライアントに送信する。そのような実施形態では、クライアント上で実行されるブラウザソフトウェアは、次いで、ディスプレイ480を介して、又はおそらくコンパニオン装置(コンパニオン装置199等)から受信される1つ以上の入力を通して、パラメータデータを修正することができる。次いで、1つ又は複数の入力は、通信モジュール490を介してウェブサーバに返送することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、解釈済みコード430は、本明細書に説明されるようなWMDのパラメータデータ413及び/又は患者データ414へのアクセスを要求元クライアントに提供する。パラメータデータ413の例には、通知の音量レベル、表示設定、ローカライゼーション設定(例えば、言語、テキスト方向など)、バッテリ電力プロファイル、患者構成情報、装置構成情報などが含まれる。患者データ414の例は、患者識別子、送出されたショックの数、実行報告記録、WMDステータス、心臓リズムなどの患者482に関する任意の情報を含む。いくつかの実施形態では、解釈済みコード430は、パラメータデータ413及び/又は患者データ414へのアクセスを提供するウェブインターフェースを実装する。いくつかの実施形態では、解釈済みコード430は、HTMLとして実装される。いくつかの実施形態では、解釈済みコード430はまた、CSSを含み得る。
【0072】
動作中、プロセッサ405は、解釈済みコード430をウェブサーバ412から通信モジュール490を介して要求元クライアントに送信する。そのような実施形態では、要求側クライアント上で実行されるブラウザソフトウェアは、解釈済みコード430を解釈し、コードをディスプレイ上にレンダリングする。そのようにして、要求側クライアント(例えば、コンパニオン装置199)上のブラウザソフトウェアを使用することによって、ユーザは、ブラウザソフトウェアから受信される1つ以上の入力を通して、パラメータデータ413を遠隔で修正することができる。様々な実施形態では、ブラウザソフトウェアは、解釈済みコード430をディスプレイ480上などでローカルにレンダリングすることができる。他の実施形態では、ブラウザソフトウェアは、コンパニオン装置199等の遠隔装置上に解釈済みコード430をレンダリングしてもよい。次いで、1つ又は複数の入力は、通信モジュール490を介してウェブサーバ412に返信され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、WCDは、患者データ414をさらに備え、ウェブサーバの解釈済みコードは、患者データへのアクセスを提供するようにさらに構成され、コンパニオンブラウザは、患者データを表示するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、患者情報は、少なくとも患者識別子、送出されたショックの数、実行報告記録、WCDステータス、又は提示された心臓リズムを含む。いくつかの実施形態では、患者データは、本明細書に説明されるような患者パラメータであってもよい。例えば、患者パラメータは、患者の生理学的パラメータを含むことができる。患者の生理学的パラメータは、例えば、限定するものではないが、患者がショック又は他の介入若しくは支援を必要とするか否かをWCDシステムによって検出する際に任意の助けとなり得る生理学的パラメータを含み得る。患者の生理学的パラメータはまた、任意選択で、患者の病歴、イベント履歴などを含むことができる。患者パラメータの例には、患者のECG、血中酸素レベル、血流、血圧、血液灌流、灌流組織の光透過又は反射特性の拍動変化、心音、心臓壁運動、呼吸音及び脈拍が含まれる。いくつかの実施形態では、WCDは、患者の生理学的信号を取得するように構成された、本明細書で説明する1つ又は複数のセンサを含むことができる。
【0074】
患者状態パラメータは、患者382の記録された態様(例えば、動き、姿勢、彼らが最近話したか否か、加えておそらく彼らが言ったことなど)、加えて任意選択的にこれらのパラメータの履歴を含む。あるいは、これらの監視装置のうちの1つは、全地球測位システム(GPS)位置センサなどの位置センサを含むことができる。そのようなセンサは、位置を検出することができ、加えて、速度は、経時的な場所の変化率として検出されることができる。多くの運動検出器は、検出器の動き、したがって患者の身体の動きを示す運動信号を出力する。患者状態パラメータは、SCAが実際に起こっているかどうかの決定を絞り込む際に非常に有用であり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、ウェブサーバは、解釈済みコードをコンパニオン装置に送信し、ブラウザコンポーネントは、コンパニオン装置のディスプレイ上に解釈済みコードをレンダリングし、ブラウザコンポーネントによって受信されたユーザ入力は、WCD通信モジュール及びコンパニオン通信モジュールを通してWCDに返される。いくつかの実施形態では、解釈済みコードが患者データを含むときなど、WCDのユーザは、通信装置上の一連の入力(たとえば、タップ、キーストローク、ボタン押下など)を介してブラウザコンポーネントによって表示された患者データを変更することができる。次いで、通信装置は、コンパニオン通信モジュールを介してWCDに入力を返すことができる。次いで、WCDプロセッサは、ウェブサーバによって提供される解釈済みコード内の患者データを変更することができる。
【0076】
説明したように、WMD 480内に便宜上示された様々なコンポーネントは、代替的に、他の装置内に実装されてもよく、又は他の装置にわたって分散されてもよい。たとえば、他の実施形態では、ユーザインターフェース480は、WMD 480内ではなく、コンパニオンモバイル装置(図示せず)内に実装され得る。そのような実施形態では、WMD 480は、患者パラメータ及び/又は感知データをコンパニオンモバイル装置に通信するために、通信モジュール490を採用してもよい。多くの他の置換が当業者には明らかであろう。
【0077】
図5は、実施形態によるヘルスモニタリング環境500を一般的に示す概念図である。
図5に示すように、健康監視環境500は、着用型心臓監視装置(WCD 501)、モバイル装置(例えば、コンパニオン装置)521、及びリモート患者データプラットフォーム(ケアステーションサーバ510)を含む。これらのコンポーネントのそれぞれは、ローカル通信リンクを介してローカルに、又はインターネットなどの広域ネットワーク550を介してリモート通信リンクを介してリモートに、1つ又は複数の他のコンポーネントと様々に通信する。コンパニオン装置521はモバイル装置として図示されているが、コンパニオン装置521は、タブレット、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、スマートフォンなどを含む任意の数の形態をとり得ることを理解されたい。
【0078】
着用型心臓監視装置501は、上で詳細に説明したような患者の生理学的パラメータを検出して報告するように構成された任意の医療装置であってもよい。着用型心臓監視装置501は、議論を簡単にするためにのみWCDとして本明細書に記載される。このようなWCDの一例は、ワシントン州カークランドのケストラメディカルテクノロジーズ社によって開発され、提供されているAssure WCDである。本開示の精神から逸脱することなく、多くの他のタイプの着用型心臓監視装置を様々な代替実施形態で使用することができる。したがって、心臓監視装置501としてのWCDの使用への言及は、例示的なものにすぎず、本開示を限定するものではない。
【0079】
WCD 501はまた、ローカル通信リンク503を介して、患者582とWCD 501と他のリモート装置との間の通信を容易にするように構成されたアプリを動作させるモバイル装置521と通信し得る。様々な実施形態では、モバイル装置521は、コンパニオン装置と呼ばれることがある。一例では、モバイル装置521及びWCD 501は、イーサネット(商標)、Bluetooth(商標) ローエナジー (BLE)、又はWi-Fiなど、比較的短距離のローカル通信リンク503を使用して通信することができる。いくつかの実施形態では、モバイル装置521及びWCD 501は、有線接続、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、又はローカルエリアネットワーク(LAN)接続を使用して通信することができる。モバイル装置521は、インターネットなどの広域ネットワーク550へのリモート通信リンク551を使用して他のリモート装置と通信することもできる。1つの特定の実施形態では、モバイル装置521上で動作するアプリケーションは、ワシントン州カークランドのケストラメディカルテクノロジーズ社によって開発及び提供されるAssure patient appであってもよい。様々な実施形態では、モバイル装置521上で動作する患者アプリケーションは、WCD 501によってキャプチャされた患者生理学的パラメータのレビューを可能にするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供することができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、遠隔患者データプラットフォーム(ケアステーションサーバ510)は、心臓患者ケアを管理するための効率的なツールを提供する医療専門家及び/又は臨床医による使用のための遠隔サーバとして実装される。様々な実施形態では、遠隔患者データプラットフォームは、VT、VF、徐脈、不全収縮、及び非持続性心室性不整脈エピソード、WCD使用及び身体活動傾向を含む明確な患者報告を提供することによって、患者心臓リズム及び使用コンプライアンスへの関連データ及び価値ある洞察を送出し、構成可能な通知を伴う集団ダッシュボードを含んでもよい。そのような遠隔患者データプラットフォームの一例は、ワシントン州カークランドのケストラメディカルテクノロジーズ社によって開発され提供されるCareStationプラットフォームである。遠隔患者データプラットフォームは、本明細書では、議論を簡単にするためにのみケアステーションサーバとして説明される。多くの他のタイプの遠隔患者データプラットフォームが、本開示の精神から逸脱することなく、種々の代替実施形態において使用されてもよい。したがって、遠隔患者データプラットフォームとしてケアステーションサーバを使用することへの言及は、例示的なものにすぎず、本開示を限定するものではない。
【0081】
いくつかの実施形態では、ケアステーションサーバ510は認証局として動作する。そのような実施形態では、証明機関は、署名されたデジタル証明書を発行し、それらの署名されたデジタル証明書の真正性を証明するための信頼できる組織として働く。認証局は当技術分野で知られている。
【0082】
一般的に言えば、患者データは、WCD 501によって収集され、WCD 501によって直接、又は関連するモバイル装置(例えば、コンパニオン装置521)を使用することによって、ケアステーションサーバ510にアップロードされる。加えて、モバイル装置521はまた、いくつかの形態の患者データを収集し得る。
【0083】
ケアステーションサーバ510は、患者データを記憶し、患者データに対していくつかの分析を実行して、不整脈の発生、ショック適応イベント及びショック非適応イベント、ならびに他の医療イベントなどの患者の健康問題を識別することができる。さらに、今後のショック療法の質を改善するのを助けるために、患者データに対して事後評価を行うことができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、
図4に関連して説明したように、WCD 501は、ウェブサーバ(ウェブサーバ412など)を含むことができる。いくつかの実施形態では、WCD 501は、コンパニオン装置521に通信可能に結合され得る。WCD 501は、通信モジュールを介してウェブサーバから解釈済みコードを送信し、通信モジュールを介して受信された入力に基づいてパラメータデータを修正するように構成されたプロセッサを含み得る。解釈済みコードは、コンパニオン装置通信モジュールに伝送され得る。いくつかの実施形態では、コンパニオン装置は、ディスプレイ及びブラウザモジュールを含む。いくつかの実施形態では、コンパニオン装置は、コンパニオン通信モジュールを介して解釈済みコードを受信し、解釈済みコードをブラウザコンポーネントに提示し、ブラウザから入力を受信し、コンパニオン通信モジュールを介してWMD通信モジュールに入力を返すように構成される。
【0085】
いくつかの実施形態では、WMDは患者データをさらに含み、ウェブサーバのユーザインターフェースは、患者データへのアクセスを提供するようにさらに構成され、コンパニオンブラウザは、患者データを表示するようにさらに構成される。いくつかの実施形態では、患者情報は、患者識別子、送出されたショックの数、実行報告記録、WCDステータス、心臓リズムなど、任意の数の多くの異なる形態をとり得る。
【0086】
認証実施形態
一実施形態では、ウェブサーバは、ウェブサーバへの許可されていないユーザへのアクセスを制限するように構成された1つ又は複数のセキュリティ手段を含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセキュリティ手段は、ユーザの認証資格情報に応じて、ウェブサーバの1つ又は複数の機能へのアクセス、又はウェブサーバへの完全なアクセスさえも制限する。例えば、様々な許可されたユーザは、ウェブサーバによって利用可能にされた異なる特徴へのアクセスに対する様々な必要性を有し得る。例えば、患者は、医療専門家、介護者、又はWCDの製造業者とは異なる情報にアクセスする必要があり、その逆も同様である。
【0087】
いくつかの実施形態では、ウェブサーバは、ウェブサーバへの許可されていないユーザへのアクセスを制限するように構成された1つ以上のセキュリティ手段を備える。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセキュリティ手段は、許可されたユーザの識別情報に応じて、ウェブサーバの1つ又は複数の機能を制限する。いくつかの実施形態では、許可されたユーザの識別情報は、患者、医療専門家、介護者、又はWCDの製造業者から選択される。
【0088】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセキュリティ手段は、ユーザ名及びパスワードなどの認証資格情報のセットである。いくつかの実施形態では、認証資格情報のセットは、2要素認証でさらに保護され得る。そのような実施形態では、許可されたユーザは、許可されたユーザの識別情報に固有の認証資格情報のセットを受信することができる。たとえば、患者は、患者がWMD及びWCDの状態ならびに患者情報を見ることを可能にするが、患者がWCD又はWMDのパラメータを調整することを制限し得る認証資格情報の患者セットを受信することができる。いくつかの実施形態では、医療専門家は、医療専門家がWCD又はWMDのパラメータを調整し、患者情報をレビューし、WMD又はWCDの状態を見ることを可能にする医療専門家認証情報のセットを受信することができる。さらに、たとえば、製造業者は、WCD又はWMDのパラメータを調整することを可能にするが、患者情報にアクセスすることを可能にしない製造業者認証情報のセットを受信することができる。
【0089】
代替実施形態では、1つ又は複数のセキュリティ手段は、セキュリティ証明書を含む。
図6は、本開示の様々な実施形態で使用され得るセキュリティ証明書600(デジタル証明書とも呼ばれる)の概念図である。特定の実施形態では、セキュリティ証明書600は、様々なデータフィールドを含むデジタルファイルである。これらのフィールドは、サブジェクト、発行者、有効期限、アルゴリズム、及び一意の識別子のうちの1つ又は複数を含むことができる。これらのフィールドのすべてがすべての実施形態に含まれる必要はなく、本明細書で説明されていない他のフィールドも含まれ得る。これらのフィールドは、例示としてのみ提供される。
【0090】
サブジェクトフィールドは、証明書所有者又はセキュリティ証明書600が関連付けられているエンティティを識別することができる。証明書所有者は、個人、組織、特定のコンピューティング装置、又は(
図7~8に関連して説明したように)その身元が検証され、その信頼が証明機関によって証明されている任意のエンティティとすることができる。
【0091】
発行者フィールドは、エンティティの真正性を検証するために信頼され得る信頼された認証局を識別し得る。一例では、たとえば、WCD又はWCDシステムの他の構成要素と通信することを許可された様々な構成要素の識別を検証するために、保証証明機関(Assure Certificate Authority)が確立され、信頼され得る。
【0092】
有効期限フィールドは、セキュリティ証明書が無効になるか、又は対象を信頼するためにもはや使用できなくなる日付を識別することができる。いくつかの実施形態では、その日付以前にセキュリティ証明書が有効でない日付を識別するために、「以前ではない」フィールドも含まれ得る。
【0093】
セキュリティ証明書の公開鍵部分は、対象の公開鍵及び関連する公開鍵情報を提供するために含まれる。公開/秘密鍵ペアは、非対称暗号を容易にするために公開鍵インフラストラクチャ(PKI)システムで使用される。公開鍵情報は、アルゴリズム(例えば、楕円曲線公開鍵)、鍵サイズ(例えば、256ビット)、及び鍵使用(例えば、暗号化、検証、導出することができる)などの公開鍵を記述するさらなる情報を含むことができる。セキュリティ証明書501の公開鍵部分は、セキュリティ証明書501の受信者が暗号化された通信セッションを通じて対象と安全に通信することを可能にする。
【0094】
アルゴリズムフィールドは、後述するように証明書に署名するために使用された特定のアルゴリズムを指定するために、セキュリティ証明書501に含まれ得る。使用され得るアルゴリズムの例としては、SHA-1、SHA-2、SHA-256などが挙げられる。
【0095】
セキュリティ証明書を一意に識別するために、一意の識別子又はシリアル番号も含まれる。一意の識別子が実際のセキュリティ証明書自体を識別するのに対して、サブジェクトが信頼されるエンティティ又はセキュリティ証明書が関連付けられるエンティティを識別するという点で、一意の識別子はサブジェクトと区別されるべきであることに留意されたい。
【0096】
任意選択で、1つ又は複数の許可フィールドをセキュリティ証明書600に含めることができる。いくつかの実施形態では、WCDシステムの特定の要素(WCDなど)は、他の接続された構成要素が通信中に実行することを許可される動作を管理する必要がある。たとえば、いくつかの実施形態では、WCDは、要素タイプの限定されたセットがWCDの重要な構成パラメータを変更することを可能にするが、他の要素タイプがそうすることを防止するように構成され得る。これの例は、WCDが、タブレットがそのようなパラメータを構成することを可能にするように構成され得るが、コンパニオン装置がそのようにすることを可能にしないことであり得る。そのような実施形態では、セキュリティ証明書600の1つ又は複数のフィールド(議論を簡単にするために、まとめて「許可」フィールドと呼ばれる)は、「許可」フィールドであってもよい。
【0097】
他のデータフィールドも、様々な理由で含まれ、使用され得る。任意の又は構造化されたデータは、信頼に値すると見なされる、又はその完全性を保証する必要性を有する、任意の様式の情報を提供又は伝達するために含まれ得る。
【0098】
署名もセキュリティ証明書600に含まれる。署名は、セキュリティ証明書600の真正性に対する証明を表すデータ構造である。署名は、発行者(例えば、認証局)によって作成され、発行者のセキュリティ証明書(又はデジタル証明書)を使用して検証可能である。署名は異なる方法で作成されてもよいが、一例は、セキュリティ証明書の本体が、発行者の秘密鍵と共にセキュリティ証明書内で識別されるアルゴリズム(例えば、ハッシュアルゴリズム)に入力されることであってもよい。アルゴリズムは、セキュリティ証明書の本体及び発行者の秘密鍵に基づいて一意の値を作成する。次いで、発行者の公開鍵は、署名が発行者によって作成されてからセキュリティ証明書の本体が変更されていないことを検証するために、識別されたアルゴリズムによって使用され得る。このようにして、発行者が信頼される限り、セキュリティ証明書の本文中のデータの完全性を信頼することができる。
【0099】
ここで
図7及び
図8を参照すると、本開示の実施形態の動作が、
図1~
図6に示され、上記で説明された構成要素を参照して説明される。以下の動作は、本開示の完全性のために提供されるが、これらの動作からの逸脱が想定され、この説明は、本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではないことが理解されよう。
【0100】
図7は、本開示によるセキュリティ証明書の作成のためのプロセス700を一般的に示す機能フロー図である。証明書作成プロセス700は、
図3に示され、上記で説明されたWCDシステム301の構成要素によって実装され得る。代替として、他の構成要素は、本明細書で議論されるいくつかのステップを実装するように修正又は適合されてもよい。同じ名称の構成要素への言及は、説明を簡単にするためだけのものであり、ステップは様々な構成要素によって実行され得る。
【0101】
プロセス700は、コンパニオン装置(コンパニオン装置720)が、WCDと通信することを望む「要求要素」(図示せず)に対する証明書署名要求(CSR)を作成するときに開始する(701)。その動作の一部として、コンパニオン装置720は、要求要素の代わりに公開/秘密鍵ペアを作成してもよく、又は公開/秘密鍵ペアは、要求要素によってコンパニオン装置720に提供されてもよい。CSRは、要求元要素を識別する情報を含み、要求元要素の公開鍵を含む。
【0102】
CSRが作成されると、コンパニオン装置720は、WCDシステムで使用するためのセキュリティ証明書の作成を容易にする責任を負う構成要素にCSRを送信する(702)。この例では、ウェブサーバ740がその責任構成要素である。したがって、コンパニオン装置720は、CSRをウェブサーバ740に送信する。CSRがウェブサーバ740に安全に配信されることを確実にするために、コンパニオン装置740は、コンパニオン装置自身のセキュリティ証明書を使用して、ウェブサーバ740への安全な接続を最初に確立し得ることが理解されるであろう。
【0103】
ウェブサーバ740は、CSRを認証局760に転送する(703)。特定の実施形態では、ウェブサーバ740は、CSRと共に追加情報を転送することができる。例えば、ウェブサーバ740は、どのコンポーネントがWCD上で、又はWCDと共にどの機能を実行することを許可されているかに関する記録を維持することができる。そのような実施形態では、ウェブサーバ740は、CSRと共に許可情報を認証局760に転送することができる。
【0104】
認証局760は、CSR内に含まれる情報の正確さを検証する(704)動作を実行するように構成される。例えば、認証局760は、CSRが実際に要求要素に由来し、要求要素に適切に名前を付けることを確立することができる記録又はデータへのアクセスを有することができる。さらに、認証局760は、要求要素がWCD自体などのWCDシステム内の他の構成要素へのアクセスを許可されていることを確認する記録又はデータへのアクセスを有することができる。さらに、認証局760は、ウェブサーバ740によって提供される許可情報を確認するか(そのような情報が提供された場合)、又は第1のインスタンスにおける要求要素に対する適切な許可を記述する情報を有することができる。一実施形態では、認証機関はケアステーションサーバ上にあってもよい(
図5に示すように)。
【0105】
CSRが検証を生き延びた場合、認証局760は、CSRからの情報を含むセキュリティ証明書を作成し、認証局760の秘密鍵を使用してそのセキュリティ証明書に署名する。証明書に署名することによって、認証局は、証明書内の情報を改ざんから保護するとともに、その情報の有効性を証明する。
【0106】
セキュリティ証明書が署名されると、認証局及びウェブサーバ740は、署名された証明書をコンパニオン装置720に返し、次いで、コンパニオン装置は、要求要素上にセキュリティ証明書をインストールする。このようにして、要求要素(すなわち、コンパニオン装置)は、例えば、WCDに対してそれ自体を認証し、WCDとの安全な通信を有することができる。
【0107】
両方とも「ウェブサーバ」と呼ばれるが、
図7に示されるウェブサーバ740は、主題のWMD内に実装されるウェブサーバ(例えば、ウェブサーバ412)と同じである必要はないことに留意されたい。セキュリティ証明書を作成するために、
図7に示すプロセス700において任意の適切なウェブサーバを使用することができ、プロセス700において使用されるウェブサーバは、WMDに記憶された任意の機能又は設定へのアクセスを提供する必要はない。
【0108】
図8は、WCDシステムのコンポーネント間の信頼できる通信及び適切なアクセスを保証するためにWCDシステム内でセキュリティ証明書を使用するためのプロセス800を示す。ここでも、WCDに関連して説明されているが、本教示は任意のWMDに等しく適用される。証明書使用プロセス800は、上述したようにWCDシステムの構成要素によって実施することができる。代替として、他の構成要素は、本明細書で議論されるいくつかのステップを実装するように修正又は適合されてもよい。同じ名称の構成要素への言及は、説明を簡単にするためだけのものであり、ステップは様々な構成要素によって実行され得る。
【0109】
プロセス800は、コンパニオン装置820がWCDシステム内の別のコンポーネントとの通信を開始することを望むときに開始する(801)。他の構成要素は、この例ではWCD 840のウェブサーバであるが、WCDシステム内の任意の他の構成要素であってもよい。本開示によれば、コンパニオン装置820は、セキュリティ証明書を交換するために、WCD 840とのハンドシェイクを開始する。このプロセス中、コンパニオン装置820は、そのセキュリティ証明書をWCD 840に送信し、WCD 840は、それ自体のセキュリティ証明書(図示せず)を返す。
【0110】
セキュリティ証明書を手にして、WCD 840は、セキュリティ証明書を検証するためにステップ(802)を実行する。たとえば、WCD 840は、セキュリティ証明書内の情報から認証局を識別して、セキュリティ証明書が信頼された認証局によって証明されているかどうかを判定することができる。識別されると、WCD 840は、証明書ストアをチェックして、識別された認証局がWCD 840によって信頼されているかどうかを判定する。そうである場合、WCD 840は、受信されたセキュリティ証明書の完全性を検証するために、格納されたセキュリティ証明書(CA証明書)を使用する。要するに、WCD 840は、CA証明書を使用して、セキュリティ証明書の真正性と、その内容が改ざんされていないこととを検証する。WCD 840はまた、セキュリティ証明書がその使用のための適切な時間枠内にあることを保証する(たとえば、それが現在有効であり、まだ期限切れになっていない)。
【0111】
任意選択のステップ(803)において、WCD 840(又は他の受信構成要素)は、セキュリティ証明書が発行されて以来取り消されていないことを保証するためにチェックを実行することができる。一実施形態では、WCD 840は、検証のために、セキュリティ証明書(又はシリアル番号などのその一部)を認証局860などの別の構成要素に送信する。
【0112】
このような実施形態では、認証局860は、受信したセキュリティ証明書を証明書失効リスト(CRL)と比較して(804)、セキュリティ証明書が失効しているか否かを判定する。次いで、認証局860は、セキュリティ証明書が失効しているかどうかを示す合格/不合格又はイエス/ノーの応答を返す(805)。
【0113】
代替実施形態では、セキュリティ証明書を送信するのではなく、WCD 840は、認証局860からCRLを要求することができ(803)、認証局は、次いで、CRLをWCD 840に返し(805)、その結果、WCD 840は、セキュリティ証明書が取り消されたかどうかをそれ自体で判断することができる。そのような実施形態では、WCD 840は、証明書検証の目的で実行するネットワーク通信の数を減らすために、将来の使用のためにCRLをキャッシュすることができる。
【0114】
セキュリティ証明書が適切に検証及び確認された場合、WCD 840は、コンパニオン装置820との通信セッションを許可することができる(806)。さらに、セキュリティ証明書、したがって公開鍵の交換を通して、通信セッションは、交換されるデータが危険にさらされないことを保証するために、2つの構成要素間で暗号化され得る。しかしながら、セキュリティ証明書がいずれかのテストに失敗した場合、WCD 840は、信頼できるコンポーネント820(これは今や信頼できなくなった)との通信を禁止する。様々な実施形態では、WCD 840が安全な接続を開始するとき、それは、コンパニオン装置820がどの動作を実行することを許可されるかを決定するために、セキュリティ証明書、及び特に許可フィールドを使用し得る。一般に許可フィールドと呼ばれるが、WCD 840は、コンパニオン装置820に与えられる許可の範囲を制御するために、セキュリティ証明書内の任意のデータ(「要素タイプ」フィールドなど)を使用することができることが理解されよう。言い換えれば、セキュリティ証明書は、許可を明示的に記述する専用フィールドを有してもよいが、有する必要はない。動作許可は、セキュリティ証明書内の他のデータに基づいて暗示され得る。例えば、セキュリティ証明書は、タブレット、コンパニオン装置、製造システムなどの接続要素のタイプを記述する装置タイプフィールドを含むことができ、様々な許可を異なる装置タイプに割り当てることができる。別の例は、米国、欧州連合、カナダ、日本など、信頼できるコンポーネントの地理的領域を記述する領域フィールドである。そのような実施形態では、セキュリティ証明書を使用して、適切なローカライゼーションコンポーネント(たとえば、言語、左から右へのテキストの向きなど)を選択することができる。
【0115】
他の実施形態は、本明細書記載された実施形態とは異なる順序で特徴を提供又は適用すること、1つの実施形態から個々の特徴を抽出し、そのような特徴を別の実施形態に挿入すること、実施形態から1つ又は複数の特徴を除去すること、又は実施形態から1つ又は複数の特徴を除去し、1つ又は複数の他の実施形態から抽出された1つ又は複数の特徴を追加することの両方と等価である実施形態を含む、本明細書の図面に記載又は示された特徴の組合せ及び下位組合せを含み、一方で、そのような組合せ及び下位組合せに組み込まれた特徴の利点を提供する。この段落で使用されるように、1つ又は複数の特徴は、装置、製品又はシステムの構造及び/又は機能、及び/又は方法のステップ、動作、又はモダリティを指すことができる。
【外国語明細書】