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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177232
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/02 20060101AFI20231206BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B65B61/02
B65B57/00 A
B65B57/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023035285
(22)【出願日】2023-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2022089781
(32)【優先日】2022-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】清 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】宮本 秀史
【テーマコード(参考)】
3E056
【Fターム(参考)】
3E056AA02
3E056CA01
3E056DA01
3E056FA02
3E056GA04
3E056HA10
(57)【要約】
【課題】レーザ印刷装置を搭載した安全性の高い包装機を提供する。
【解決手段】製袋包装機1000は、フィルムFで物品を包装する。製袋包装機は、レーザ印刷装置と230、受け部材240と、を備える。レーザ印刷装置は、フィルムの印刷面Faに印刷する。受け部材は、フィルムの印刷面とは反対側の非印刷面Fbに対向するように配置される。受け部材は、反射抑制面242を有する。反射抑制面は、レーザ印刷装置の照射するレーザ光の正反射を抑制する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムで物品を包装する包装装置であって、
前記フィルムの印刷面に印刷するレーザ印刷装置と、
前記フィルムの前記印刷面とは反対側の第1面に対向するように配置される受け部材と、
を備え、
前記受け部材は、前記レーザ印刷装置の照射するレーザ光の正反射を抑制する反射抑制面を有する、
包装装置。
【請求項2】
前記受け部材は、前記反射抑制面を有する樹脂製部分を含む、
請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記受け部材は、正反射を抑制する正反射抑制処理された前記反射抑制面を有する、
請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
前記フィルムを搬送方向に搬送するフィルム搬送装置と、
前記搬送方向において、前記レーザ印刷装置の上流側に配置される、前記フィルムの貯留装置と、
前記フィルム搬送装置の動作を制御する制御部と、
を更に備える、請求項1又は2に記載の包装装置。
【請求項5】
前記レーザ印刷装置を、前記搬送方向と直交する第1方向に移動させて、前記レーザ印刷装置の前記フィルムの前記印刷面に対する印刷位置を前記第1方向において変化させる移動装置を更に備え、
前記受け部材の前記反射抑制面は、前記第1方向において、前記フィルムの前記第1面の全体と対向する、
請求項4に記載の包装装置。
【請求項6】
前記受け部材の前記反射抑制面は、前記搬送方向に搬送される前記フィルムの前記第1面と少なくとも部分的に接触する、
請求項4に記載の包装装置。
【請求項7】
前記搬送方向において、前記レーザ印刷装置の下流側に配置される、
搬送される前記フィルムを筒状に成形するフォーマと、
前記筒状に成形された前記フィルムに前記物品が投入されている状態で、前記筒状に成形された前記フィルムを前記搬送方向と交差する方向にシールする横シール機構と、
を更に備える、請求項4に記載の包装装置。
【請求項8】
前記レーザ印刷装置の周囲に配置され、前記レーザ印刷装置の照射する前記レーザ光の通過を妨げるカバー、を更に備える、
請求項1又は2に記載の包装装置。
【請求項9】
前記カバーは、前記レーザ印刷装置のメンテナンス用の扉を含み、
前記包装装置は、
前記扉の開閉を検知する検知器と、
前記レーザ印刷装置の前記レーザ光の照射を制御する照射制御部と、
を更に備え、
前記照射制御部は、前記検知器が、前記扉が開いていることを検知している場合には、前記レーザ印刷装置の前記レーザ光の照射を停止する、
請求項8に記載の包装装置。
【請求項10】
前記フィルムを搬送方向に搬送するフィルム搬送装置と、
前記レーザ印刷装置を、前記搬送方向と直交する第1方向に移動させて、前記レーザ印刷装置の前記フィルムの前記印刷面に対する印刷位置を前記第1方向において変化させる移動装置と、
前記受け部材を前記第1方向に移動させる受け部材移動装置と、
前記移動装置及び前記受け部材移動装置の動作を制御し、前記レーザ印刷装置が前記レーザ光を照射する領域と前記受け部材の前記反射抑制面とを対向させる制御部と、
を更に備える、請求項1に記載の包装装置。
【請求項11】
前記レーザ印刷装置の前記レーザ光の照射を制御する照射制御部と、
前記レーザ印刷装置と前記反射抑制面との相対位置を検知する相対位置検知部と、
をさらに備え、
前記相対位置検知部の検知結果に基づき、前記レーザ印刷装置が前記レーザ光を照射する領域と前記受け部材の前記反射抑制面とが対向していないと判断される場合に、前記照射制御部は、前記レーザ光の照射を停止する、
請求項10に記載の包装装置。
【請求項12】
前記相対位置検知部は、磁石と、磁気センサと、を有し、
前記磁石は、(A)前記レーザ印刷装置又は前記移動装置により前記レーザ印刷装置と共に移動する第1部材、又は、(B)前記受け部材又は前記受け部材移動装置により前記受け部材と共に移動する第2部材の、一方に取り付けられ、
前記磁気センサは、(A)前記レーザ印刷装置又は前記移動装置により前記レーザ印刷装置と共に移動する前記第1部材、又は、(B)前記受け部材又は前記受け部材移動装置により前記受け部材と共に移動する前記第2部材の、他方に取り付けられる、
請求項11に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2019-64670号公報)のように、サーマル印刷装置を用いてフィルムに各種情報を印刷し、各種情報の印刷されているフィルムを用いて物品を包装する包装装置が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対し、インクリボンやサーマルヘッド等の消耗品の交換が不要となる、インクリボンの交換やサーマルヘッドの清掃等に伴う装置停止時間が無くなる等のメリットがあることから、包装装置に、サーマル印刷装置に代えてレーザ印刷装置を搭載することが検討されている。ただし、レーザ印刷装置を包装装置に搭載する際には、レーザの利用に伴う安全性への考慮が必要になる。
【0004】
本発明の課題は、レーザ印刷装置を搭載した安全性の高い包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る包装装置は、フィルムで物品を包装する。包装装置は、レーザ印刷装置と、受け部材と、を備える。レーザ印刷装置は、フィルムの印刷面に印刷する。受け部材は、フィルムの印刷面とは反対側の第1面に対向するように配置される。受け部材は、反射抑制面を有する。反射抑制面は、レーザ印刷装置の照射するレーザ光の正反射を抑制する。
【0006】
第1観点の包装装置では、フィルムの印刷面とは反対側の第1面に対向する位置に受け部材を配置し、受け部材にレーザ光の正反射を抑制する反射抑制面を設けている。そのため、第1観点の包装装置では、フィルムを通過したレーザ光が反射して人の目に影響を与える事態の発生を抑制できる。
【0007】
本発明の第2観点に係る包装装置は、第1観点に係る包装装置であって、受け部材は、反射抑制面を有する樹脂製部分を含む。
【0008】
第2観点の包装装置では、樹脂製部分によりレーザ光の正反射を抑制できる。
【0009】
本発明の第3観点に係る包装装置は、第1観点に係る包装装置であって、受け部材は、正反射を抑制する正反射抑制処理された反射抑制面を有する。
【0010】
第3観点の包装装置では、受け部材に正反射抑制処理された反射抑制面を設けているため、反射抑制面を有する部材とこれを支持する本体部材とをそれぞれ用意する必要が無く、包装装置の部品点数を削減できる。
【0011】
本発明の第4観点に係る包装装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る包装装置であって、フィルム搬送装置と、フィルムの貯留装置と、制御部と、を更に備える。フィルム搬送装置は、フィルムを搬送方向に搬送する。貯留装置は、搬送方向において、レーザ印刷装置の上流側に配置される。制御部は、フィルム搬送装置の動作を制御する。
【0012】
本発明の第5観点に係る包装装置は、第4観点に係る包装装置であって、移動装置を更に備える。移動装置は、レーザ印刷装置を、搬送方向と直交する第1方向に移動させて、レーザ印刷装置のフィルムの印刷面に対する印刷位置を第1方向において変化させる。受け部材の反射抑制面は、第1方向において、フィルムの第1面の全体と対向する。
【0013】
本発明の第5観点に係る包装装置では、印刷位置の変更の際にレーザ印刷装置を第1方向に移動させた場合であっても、印刷の際にフィルムを通過したレーザ光が、反射抑制面に当たらずに何らかの部材により反射し、人の目に影響を与える事態の発生を抑制できる。
【0014】
本発明の第6観点に係る包装装置は、第4観点の包装装置であって、受け部材の反射抑制面は、搬送方向に搬送されるフィルムの第1面と少なくとも部分的に接触する。
【0015】
本発明の第6観点に係る包装装置では、フィルムの移動を規制でき、フィルムの弛み等により、印刷位置がずれる等の不具合の発生が抑制されやすい。
【0016】
本発明の第7観点に係る包装装置は、第4観点の包装装置であって、フォーマと、横シール機構と、を更に備える。フォーマ及び横シール機構は、フィルムの搬送方向において、レーザ印刷装置の下流側に配置される。フォーマは、搬送されるフィルムを筒状に成形する。横シール機構は、筒状に成形されたフィルムに物品が投入されている状態で、筒状に成形されたフィルムを搬送方向と交差する方向にシールする。
【0017】
本発明の第8観点に係る包装装置は、第1観点から第7観点のいずれかの包装装置であって、カバーを更に備える。カバーは、レーザ印刷装置の周囲に配置され、レーザ印刷装置の照射するレーザ光の通過を妨げる。
【0018】
本発明の第8観点に係る包装装置では、包装装置の安全性を更に向上できる。
【0019】
本発明の第9観点に係る包装装置は、第8観点の包装装置であって、カバーは、レーザ印刷装置のメンテナンス用の扉を含む。包装装置は、検知器と、照射制御部と、を更に備える。検知器は、扉の開閉を検知する。照射制御部は、レーザ印刷装置のレーザ光の照射を制御する。照射制御部は、検知器が、扉が開いていることを検知している場合には、レーザ印刷装置のレーザ光の照射を停止する。
【0020】
本発明の第9観点に係る包装装置では、包装装置の高い安全性を実現できる。
【0021】
本発明の第10観点に係る包装装置は、第1観点から第9観点のいずれかの包装装置であって、フィルム搬送装置と、移動装置と、受け部材移動装置と、制御部と、を更に備える。フィルム搬送装置は、フィルムを搬送方向に搬送する。移動装置は、レーザ印刷装置を、搬送方向と直交する第1方向に移動させて、レーザ印刷装置のフィルムの印刷面に対する印刷位置を第1方向において変化させる。受け部材移動装置は、受け部材を第1方向に移動させる。制御部は、移動装置及び受け部材移動装置の動作を制御し、レーザ印刷装置がレーザ光を照射する領域と受け部材の反射抑制面とを対向させる。
【0022】
第10観点の包装装置では、制御部が、自動でレーザ印刷装置がレーザ光を照射する領域と受け部材の反射抑制面とを対向させるため、受け部材を可動とした場合に、フィルムを通過したレーザ光が反射して人の目に影響を与える事態の発生を抑制できる。
【0023】
なお、本発明の第10観点に係る包装装置では、受け部材を移動させる受け部材移動装置を有するため、メンテナンス等の作業の際に、受け部材を作業の妨げになりにくい位置に移動させることが可能で、作業性の向上が図られやすい。また、本発明の第10観点に係る包装装置では、受け部材を移動させる受け部材移動装置を有するため、受け部材のサイズは、レーザ印刷装置がレーザ光を照射する領域に相当するサイズでよく(受け部材のサイズを小さくでき)、受け部材がメンテナンス等の作業の妨げになりにくい。
【0024】
本発明の第11観点に係る包装装置は、第10観点の包装装置であって、照射制御部と、相対位置検知部と、をさらに備える。照射制御部は、レーザ印刷装置のレーザ光の照射を制御する。相対位置検知部は、レーザ印刷装置と反射抑制面との相対位置を検知する。相対位置検知部の検知結果に基づき、レーザ印刷装置がレーザ光を照射する領域と受け部材の反射抑制面とが対向していないと判断される場合に、照射制御部は、レーザ光の照射を停止する。
【0025】
第11観点の包装装置では、レーザ印刷装置がレーザ光を照射する領域と受け部材の反射抑制面とが対向していない場合には、レーザ光が照射されないので、フィルムを通過したレーザ光が反射して人の目に影響を与える事態の発生を抑制でき安全性が高い。
【0026】
本発明の第12観点に係る包装装置は、第11観点の包装装置であって、相対位置検知部は、磁石と、磁気センサと、を有する。磁石は、(A)レーザ印刷装置又は移動装置によりレーザ印刷装置と共に移動する第1部材、又は、(B)受け部材又は受け部材移動装置により受け部材と共に移動する第2部材の、一方に取り付けられる。磁気センサは、(A)レーザ印刷装置又は移動装置によりレーザ印刷装置と共に移動する第1部材、又は、(B)受け部材又は受け部材移動装置により受け部材と共に移動する第2部材の、他方に取り付けられる。
【0027】
第12観点の包装装置では、レーザ印刷装置と反射抑制面との相対位置を精度良く検知できる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る包装装置では、フィルムの印刷面とは反対側の第1面に対向する位置に、レーザ光の正反射を抑制する反射抑制面を有する受け部材を配置しているため、フィルムを通過したレーザ光が反射して人の目に影響を与える事態の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の包装装置の第1実施形態に係る製袋包装機を備える計量製袋包装システムの概略斜視図である。
図2図1の製袋包装機の製袋包装ユニットの概略構成図である。
図3図1の製袋包装機のフィルム供給ユニットの概略斜視図である。
図4】フィルム供給ユニットのレーザ印刷装置が見えるように、一部の部材を取り外した状態の図3のフィルム供給ユニットの部分拡大図である。
図5図3のフィルム供給ユニットにおけるフィルムの搬送経路を概略的に示す図である。
図6図3のフィルム供給ユニットのメンテナンス扉を開けた状態を描画している。
図7A図3のフィルム供給ユニットの受け部材の例を模式的に描画した図である。
図7B】受け部材の他の例を模式的に描画した図である。
図8図1の計量製袋包装システムの製袋包装機の制御ブロック図である。
図9】メンテナンス扉の開閉に応じた製袋包装機の動作の制御を説明するフローチャートである。
図10】本発明の包装装置の第2実施形態に係る製袋包装機のフィルム供給ユニットのレーザ印刷装置周りの斜視図であり、レーザ印刷装置及び受け部材が見えるよう、一部の部材を取り外した状態を描画している。
図11図10のフィルム供給ユニットのレーザ印刷装置周りの側面図であり、レーザ印刷装置及び受け部材が見えるよう、一部の部材を取り外した状態を描画している。
図12図10のフィルム供給ユニットのレーザ印刷装置及び受け部材に対する相対位置検知部の取り付け状態を模式的に描画した図である。
図13図10のフィルム供給ユニットのレーザ印刷装置に取り付けられた第1部材及び受け部材に取り付けられた第2部材に対する相対位置検知部の取り付け状態を模式的に描画した図である。
図14】第2実施形態に係る製袋包装機の制御ブロック図である。
図15】第2実施形態に係る製袋包装機の、レーザ印刷装置がレーザ光を照射する領域と受け部材の反射抑制面とが対向状態にあるか否かに応じた製袋包装機の動作の制御を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0031】
本発明の内容を限定するものではないが、以下の説明では、便宜上、方向等を表すために、「前(正面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「左」、「右」等の表現を使用する場合がある。これらの方向等を表す表現は、特記なき場合、図面に付された矢印の向きに従う。また、以下の説明では、位置関係等を説明するために、垂直、直交、水平、鉛直等の表現を用いる場合があるが、これらは実質的に垂直、直交、水平、鉛直等である場合を含む。
【0032】
なお、以下の実施形態は、本発明の具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【0033】
<第1実施形態>
(1)計量製袋包装システム
本発明の包装装置の第1実施形態に係る製袋包装機1000を備える計量製袋包装システム1の全体構成を、図1を参照して説明する。図1は、計量製袋包装システム1の概略斜視図である。
【0034】
計量製袋包装システム1は、物品Cの供給を受け、物品Cの収容された袋Bを製造するシステムである。限定するものではないが、物品Cは、例えば食品である。
【0035】
計量製袋包装システム1は、図1のように、主に、組合せ計量機2、製袋包装機1000、操作スイッチ3、及びタッチパネル式ディスプレイ4を含む。図1のように、製袋包装機1000は、組合せ計量機2の下方に配置される。
【0036】
組合せ計量機2は、図1のように複数の計量ホッパ2aを主に有する。組合せ計量機2は、複数の計量ホッパ2aを用いて、所定重量の物品Cを量り取り、下方に配置される製袋包装機1000に供給する。具体的には、組合せ計量機2は、図示しない供給コンベア等から供給される物品Cを、図示しない搬送手段を用いて複数の計量ホッパ2aへと搬送供給する。組合せ計量機2は、各計量ホッパ2aに供給された物品Cの重量を、図示しない計量手段を用いて計量する。組合せ計量機2は、各計量ホッパ2a内の物品Cの重量の合計値が所定重量になるように、計量ホッパ2aの組み合わせを選択する。組合せ計量機2は、組み合わせに選択した計量ホッパ2a内の物品Cを下方に排出することで、所定量の物品Cを製袋包装機1000に供給する。
【0037】
製袋包装機1000は、組合せ計量機2から所定重量の物品Cの供給を受け、シート状のフィルムFから袋状の包装材を製造し、内部に所定重量の物品Cが収容された袋Bを作る装置である。製袋包装機1000の詳細については後述する。
【0038】
操作スイッチ3及びタッチパネル式ディスプレイ4は、計量製袋包装システム1の操作のために用いられる。操作スイッチ3及びタッチパネル式ディスプレイ4は、計量製袋包装システム1に対する各種指示や、計量製袋包装システム1に関する各種設定を受け付ける入力装置として機能する。タッチパネル式ディスプレイ4は、計量製袋包装システム1に関する各種情報を表示する出力装置として機能する。ここでは、操作スイッチ3及びタッチパネル式ディスプレイ4は、組合せ計量機2及び製袋包装機1000に共用される。ただし、これに限定されるものではなく、組合せ計量機2及び製袋包装機1000のそれぞれは、専用の操作スイッチやタッチパネル式ディスプレイを有してもよい。
【0039】
(2)製袋包装機
本発明の第1実施形態に係る製袋包装機1000について、図2図9を参照して説明する。図2は、製袋包装機1000の製袋包装ユニット100の概略構成図である。図3は、製袋包装機1000のフィルム供給ユニット200の概略斜視図である。図4は、フィルム供給ユニット200のレーザ印刷装置230が見えるように、一部の部材を取り外した状態のフィルム供給ユニット200の部分拡大図である。図5は、フィルム供給ユニット200におけるフィルムFの搬送経路を概略的に示す図である。図6は、メンテナンス扉264を開けた状態のフィルム供給ユニット200を描画している。図7Aは、フィルム供給ユニット200の受け部材240の一例を、模式的に描画した図である。図7Bは、フィルム供給ユニット200の受け部材240の他の例を、模式的に描画した図である。図8は、製袋包装機1000の制御ブロック図である。図9は、メンテナンス扉264の開閉に応じた製袋包装機1000の動作を説明するフローチャートである。
【0040】
製袋包装機1000は、図1及び図8に示すように、主に、フィルム供給ユニット200と、製袋包装ユニット100と、制御部300と、を含む。製袋包装ユニット100、フィルム供給ユニット200、及び制御部300について以下に説明する。
【0041】
(2-1)製袋包装ユニット
製袋包装ユニット100は、組合せ計量機2から物品Cの供給を受け、フィルム供給ユニット200から供給されるフィルムFを用いて物品Cの入った袋Bを製袋する。製袋包装ユニット100は、図1及び図2に示すように、主に、成形機構10と、フィルム搬送装置20と、縦シール機構30と、横シール機構40と、を含む。
【0042】
(2-1-1)成形機構
成形機構10は、図2に示すように、チューブ12とフォーマ14とを主に有する。
【0043】
チューブ12は、上下端が開口している筒状の部材である。チューブ12の上端の開口には、組合せ計量機2の供給する物品Cが投入される(図2参照)。
【0044】
フォーマ14は、チューブ12を取り囲むように配置されている。フォーマ14は、フィルム供給ユニット200が搬送してくるシート状のフィルムFを筒状に成形する。フォーマ14が筒状に成形したフィルムFを、以下では筒状フィルムFcと呼ぶ。
【0045】
(2-1-2)フィルム搬送装置
フィルム搬送装置20は、成形機構10の下方に配置される。フィルム搬送装置20は、フィルム供給ユニット200の後述するフィルムロール保持部210の保持するフィルムロールRから繰り出されるフィルムFを搬送する。以下では、フィルム搬送装置20によるフィルムFの搬送方向を、搬送方向Aと呼ぶ(図2参照)。
【0046】
フィルム搬送装置20は、図2及び図8に示すように、一対のベルト26と、一対のベルト26のそれぞれに対して設けられる駆動ローラ22及び従動ローラ24と、モータ28と、を含む。一対のベルト26は、チューブ12の左右に、チューブ12を挟むように配置される。ベルト26は、フィルムF(筒状フィルムFc)を吸着する機能を有する。一対のベルト26のそれぞれは、対応する駆動ローラ22及び従動ローラ24に巻き回されている。駆動ローラ22がモータ28により回転駆動されると、ベルト26は、吸着している筒状フィルムFcを下方に搬送する。また、ベルト26が筒状フィルムFcを下方に搬送することで、フィルム搬送装置20の上流側においても、フィルム搬送装置20は、フィルムFを搬送方向Aに搬送する。
【0047】
(2-1-3)縦シール機構
縦シール機構30は、筒状フィルムFcを搬送方向Aに沿って、筒状フィルムFcを縦方向に(図2では上下方向に)シールする。
【0048】
縦シール機構30は、図2のようにチューブ12の正面に配置される。縦シール機構30は、モータやエアシリンダ等の第1駆動部32(図8参照)により駆動され、チューブ12に近づくように、あるいは、チューブ12から遠ざかるように前後方向に移動する。縦シール機構30がチューブ12に近づくように移動すると、チューブ12に巻き付いた筒状フィルムFcの両端部の重なり部分(合わせ目)は、縦シール機構30とチューブ12との間に挟まれる。縦シール機構30は、フィルムFの重なり部分をチューブ12との間で挟んだ状態で、フィルムFの重なり部分を、縦シール機構30の有する図示しないヒータで熱シールする。なお、シールの方法は、超音波シールであってもよい。
【0049】
(2-1-4)横シール機構
横シール機構40は、筒状に成形された筒状フィルムFcに物品Cが投入されている状態で、筒状フィルムFcを搬送方向Aと交差する方向(ここでは搬送方向Aと直交する左右方向)に沿ってシールし、物品Cの収容された袋Bを製造する。
【0050】
横シール機構40は、一対のシールジョー42と、モータやエアシリンダ等の第2駆動部44と、を有している(図2及び図8参照)。
【0051】
一対のシールジョー42は、それぞれ筒状フィルムFcの前側及び後側に配置されている。一対のシールジョー42は、第2駆動部44によりタイミングを合わせて駆動され、互いに接近離反するように動作させられる。一対のシールジョー42は、組合せ計量機2の供給する物品Cが筒状フィルムFcの下端付近に落下してきたタイミングで、筒状フィルムFc内の物品Cの存在位置より上方で、筒状フィルムFcを挟み込む。横シール機構40は、一対のシールジョー42が筒状フィルムFcを挟み込んだ際に、筒状フィルムFcを、その搬送方向Aと直交する方向に、シールジョー42に内蔵されているヒータで熱シールする。なお、シールの方法は、超音波シールであってもよい。
【0052】
シールジョー42の一方の内部には、図示しないカッターが内蔵されている。横シール機構40は、筒状フィルムFcを横シールする際に、カッターを用いて、シールジョー42による横シール部分の高さ方向の中心位置において筒状フィルムFcを切断することで、物品Cの収容された袋Bを、後続の筒状フィルムFcから切り離す。
【0053】
(2-2)フィルム供給ユニット
フィルム供給ユニット200は、図1のように、製袋包装ユニット100の背後に、製袋包装ユニット100に隣接して設けられ、製袋包装ユニット100の成形機構10にシート状のフィルムFを供給する(図5参照)。
【0054】
フィルム供給ユニット200は、図3図5に示すように、フィルムロール保持部210と、張力調整機構220と、レーザ印刷装置230と、移動装置238と、受け部材240と、フィルムFを案内する複数のローラ250と、カバー260と、を主に有する。以下では、フィルムロール保持部210、張力調整機構220、レーザ印刷装置230、移動装置238、受け部材240、及びカバー260について説明する。
【0055】
(2-2-1)フィルムロール保持部
フィルムロール保持部210は、フィルムFの貯留装置の一例である。フィルムロール保持部210は、図5に示すように、製袋包装機1000のフィルムFの搬送経路において最上流に配置され、シート状のフィルムFが巻き芯Rcに巻き回されたフィルムロールRを保持する。言い換えれば、フィルムロール保持部210は、巻き芯Rcに巻き回されたフィルムFを貯留する。
【0056】
フィルムロールRのフィルムFは、通常、性質の異なるシート状部材が複数張り合わされた多層のシートである。フィルムFを構成する層には、レーザ印刷装置230により印刷が行われる印刷層を有する。フィルムFは、印刷面Faと、その裏側に配置される非印刷面Fbを含む。印刷面Faは、フィルムFから袋Bが製造された際に外側に配置され、非印刷面Fbは、フィルムFから袋Bが製造された際に内側に配置される。非印刷面Fbは、第1面の一例である。印刷面Faには、所定の図柄や文字等が、所定長さ毎に繰返し印刷されている。また、印刷面Faには、レーザ印刷装置230により所定の情報が印刷される部分(印刷エリアと呼ぶ)が含まれる。一方、非印刷面Fbには、通常、何も印刷されていない。
【0057】
フィルムロール保持部210は、フィルムロールRの巻き芯Rcが取り付けられる回転軸212(図3参照)と、回転軸212を回動させるロール駆動部214(図8参照)と、を有する。ロール駆動部214は、例えばモータである。ロール駆動部214を駆動すると、回転軸212が回動してフィルムロールRも回転し、フィルムロールRからフィルムFが繰り出される。フィルムロールRから繰り出されたフィルムFは、フィルム搬送装置20により搬送方向Aに搬送される。
【0058】
フィルムロールRから引き出されたフィルムFは、張力調整機構220の後述する可動ローラ222及び固定ローラ224や、フィルムFの搬送経路に沿って配置される複数のローラ250にガイドされ、成形機構10へと搬送される(図5参照)。
【0059】
(2-2-2)張力調整機構
張力調整機構220は、搬送されるフィルムFに作用する張力の大きさを調整する。
【0060】
張力調整機構220は、主に、可動ローラ222と、固定ローラ224と、アーム226と、アーム駆動部228と、を有する(図5及び図8参照)。
【0061】
可動ローラ222及び固定ローラ224は、いずれも回転自在のローラである。固定ローラ224は、製袋包装機1000のフレームに固定され、位置は変化しない。可動ローラ222は、製袋包装機1000のフレームに回転可能に取り付けられているアーム226の端部に取り付けられており、位置は可変である。フィルムFは、図5のように、固定ローラ224、可動ローラ222、固定ローラ224、可動ローラ222、固定ローラ224の順に、可動ローラ222及び固定ローラ224に交互に巻き掛けられ、フィルムFを案内する。なお、図5に示す固定ローラ224及び可動ローラ222の数は例示であって、固定ローラ224及び可動ローラ222の数は適宜決定されればよい。
【0062】
アーム駆動部228は、例えばエアシリンダやモータである。アーム駆動部228は、アーム226が回動するように力を作用させることで、アーム226に取り付けられている可動ローラ222の位置を調整し、フィルムFに作用する張力の大きさを制御する。
【0063】
(2-2-3)レーザ印刷装置及び移動装置
レーザ印刷装置230は、フィルムFの印刷面Faに印刷する装置である。レーザ印刷装置230は、レーザ光を連続して発振しながら、レーザ光のスポットを移動させ、レーザ光をフィルムFに照射することで印刷を行う。
【0064】
移動装置238は、レーザ印刷装置230を、搬送方向Aと直交する左右方向に移動させて、レーザ印刷装置230のフィルムFの印刷面Faに対する印刷位置を左右方向において変化させる装置である。本実施形態では、移動装置238は、後述する制御部300が、タッチパネル式ディスプレイ4等に入力される印刷位置に関する情報に基づいてその動作を制御して、自動で、レーザ印刷装置230を移動させる装置である。ただし、これに限定されるものではなく、移動装置238は、製袋包装機1000のオペレータが手動で操作してレーザ印刷装置230を移動させる装置であってもよい。
【0065】
レーザ印刷装置230は、主として、レーザ照射器232と、ミラー駆動モータ234と、印刷装置制御部236と、を有する。
【0066】
レーザ照射器232は、レーザ光を発する。本実施形態では、レーザ照射器232の照射するレーザ光は、UVレーザ光である。ただし、レーザ光の種類は、CO2レーザ光や、ファイバレーザ光であってもよい。ミラー駆動モータ234は、レーザ光を走査するためのスキャニングミラー(図示せず)を駆動する。
【0067】
移動装置238は、レーザ印刷装置230を(レーザ照射器232、スキャニングミラー、及びミラー駆動モータ234を含む光学機構233を)、左右方向(フィルムFの印刷面Faに平行な方向であり、フィルムFの搬送方向Aと直交する方向)に移動させる。例えば、移動装置238は、図示しないモータ等の駆動部により駆動されるボールねじ等の機構により、光学機構233を左右方向に移動させる。移動装置238は、レーザ印刷装置230を(より具体的には光学機構233を)左右方向に移動させることで、レーザ印刷装置230のフィルムFの印刷面Faに対する印刷位置を左右方向に変化させる。その結果、製袋包装機1000で使用されるフィルムFの左右方向の幅や、フィルムFの幅方向における印刷エリアの位置が変わっても、これに対応することができる。
【0068】
印刷装置制御部236は、CPUや、主記憶装置や補助記憶装置などの記憶部や、各種の電気回路や電子回路を含む制御装置である。印刷装置制御部236は、レーザ照射器232及びミラー駆動モータ234の動作を制御する。印刷装置制御部236のCPUは、記憶部に記憶されているプログラムを実行し、記憶部に記憶されている印刷データに基づいて、ミラー駆動モータ72の動作を制御することで、レーザ光をスキャニングミラーで走査し、搬送されるフィルムFの印刷エリアに所定の印刷内容(例えば、物品Cの製造年月日等)を印刷する。具体的には、印刷装置制御部236のCPUは、記憶部に記憶されている印刷データに基づいてミラー駆動モータ234の動作を制御することで、スキャニングミラーによりレーザ光の向きを変え、レーザ光に所定の軌跡を描かせ、フィルムFのレーザ光が当たる位置の印刷層を発色させる。なお、印刷データには、レーザ光にどのような軌跡を描かせるか等の情報(どのような文字や記号を印刷するかの情報)を含んでいる。印刷データは、タッチパネル式ディスプレイ4や、レーザ印刷装置230の有する図示しない入力部から入力されるデータである。
【0069】
レーザ印刷装置230は、図5のように、搬送されるフィルムFの後方に配置されている。レーザ印刷装置230の前方をフィルムFが通過する際、フィルムFは、印刷面Faを後方側に(レーザ印刷装置230側に)向けている。レーザ印刷装置230は、図5のように、ローラ252とローラ254との間に掛け渡されてレーザ印刷装置230の前方を搬送されるフィルムFの印刷面Faの印刷エリアに向かってレーザ光を照射する。
【0070】
(2-2-4)受け部材
受け部材240は、搬送されるフィルムFの印刷面Faとは反対側(裏側)の、非印刷面Fbに対向するように配置される。
【0071】
受け部材240は、レーザ印刷装置230が照射し、フィルムFを通過したレーザ光の正反射を抑制する反射抑制面242を有する。反射抑制面242を有する受け部材240を製袋包装機1000に設ける理由は以下のとおりである。
【0072】
受け部材240は、レーザ印刷装置230が照射し、フィルムFを通過したレーザ光が、仮に正反射し、これが、万一、人の目に当たると、人の目に悪影響を与える可能性がある。なお、ここで正反射とは、レーザ光の当たった面(反射面)において、入射角と反射角とが等しい反射を意味する。
【0073】
これに対し、製袋包装機1000では、フィルムFの印刷面Faとは反対側の非印刷面Fbに対向する位置に受け部材240を配置し、この受け部材240にレーザ光の正反射を抑制する反射抑制面242を設けている。そのため、この製袋包装機1000では、フィルムFを通過したレーザ光が反射して人の目に影響する事態の発生を抑制できる。
【0074】
なお、反射抑制面242は、フィルムFを通過して反射抑制面242に到達したレーザ光の大半を、正反射させずに吸収することが好ましい。
【0075】
また、反射抑制面242は、フィルムFを通過して反射抑制面242に到達したレーザ光の大半を、正反射させる代わりに、拡散反射させる面であってもよい。なお、拡散反射とは、入射光が反射面で乱反射し、様々な方向へ反射される反射の態様である。レーザ光が反射抑制面242において拡散反射する場合にも、光が正反射する場合に比べて、人の目に対する影響を低減できる。
【0076】
反射抑制面242を有する受け部材240は、例えば以下のような構造を有する。
【0077】
<第1の例>
第1の例では、受け部材240は、金属製(例えばステンレス製やアルミ製)の本体部分241aと、本体部分241aに取り付けられた樹脂製部分241b(ハッチング部分)と、を含む(図7A参照)。受け部材240の樹脂製部分241bは、図5のようにローラ252とローラ254との間に掛け渡されているフィルムFの非印刷面Fbに対向する。言い換えれば、受け部材240の樹脂製部分241bが、反射抑制面242を有する。
【0078】
このように、一般に金属よりもレーザ光の吸収率の高い樹脂製部分241bを設けることで、樹脂製部分241bによりレーザ光を吸収し、反射抑制面242におけるレーザ光の正反射を抑制できる。
【0079】
樹脂製部分241bの材質は、例えば、POM(ポリアセタール)である。ただし、樹脂製部分241bの材質は、POMに限定されず、例えば、フッ素樹脂、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリカーボネート等であってもよい。なお、各樹脂のレーザ光の吸収率は、レーザ光の波長によって変化するので、使用するレーザ印刷装置230のタイプに応じて、樹脂製部分241bの材質は選択されればよい。
【0080】
なお、第1の例において、金属製の本体部分241aはなくてもよい。例えば、強度的な問題が無ければ、受け部材240は、全体が樹脂製部分241bであってもよい。
【0081】
<第2の例>
第2の例では、受け部材240は、金属製(例えばステンレス製やアルミ製)の母材243の表面に正反射抑制処理を施すことで反射抑制面242を形成している。
【0082】
正反射抑制処理は、例えば、母材243にブラスト加工等の加工を施し、表面粗さの粗い反射抑制面242を形成する処理である。このような反射抑制面242を設けることで、反射抑制面242に到達したレーザ光を拡散反射させることができる。
【0083】
また、ここでの正反射抑制処理は、図7Bのように、金属製の母材243に、例えばフッ素コーティングを施してフッ素コーティング層243a(ハッチング部分)を形成することで、母材243の表面に、母材243よりもレーザ光の吸収率の高い反射抑制面242を設ける処理であってもよい。
【0084】
(A)反射抑制面の配置
前述のように本実施形態では、レーザ印刷装置230は、移動装置238により左右方向に移動させられる。言い換えれば、本実施形態では、左右方向において、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する位置は変化する。ここでは、左右方向におけるレーザ印刷装置230の位置が変化しても、印刷の際にフィルムFを通過したレーザ光が、反射抑制面242には当たらずに何らかの部材により反射して人の目に影響する事態の発生を抑制するために、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する高さ位置において、反射抑制面242は、左右方向においてフィルムFの非印刷面Fbの全体と対向する。
【0085】
なお、製袋包装機1000が移動装置238を有さず、レーザ印刷装置230の位置が左右方向において変化しない場合には、反射抑制面242は、左右方向において、フィルムFにレーザ光が照射され得る領域に対応する位置にのみ配置されてもよい。
【0086】
また、好ましくは、受け部材240の反射抑制面242は、搬送方向Aに搬送されるフィルムFの非印刷面Fbと少なくとも部分的に接触する。より好ましくは、反射抑制面242は、フィルムFが反射抑制面242と隣接する位置を通過する際に、左右方向において、その全体が非印刷面Fbと接触する。このような構造を実現するため、例えば、ローラ252の前端及びローラ254の後端は、受け部材240の反射抑制面242よりも前方側に配置される。
【0087】
このように構成され、反射抑制面242が非印刷面Fbと少なくとも部分的に接触することで、反射抑制面242は、フィルムFに張力を与えることができる。その結果、上記実施形態の製袋包装機1000では、フィルムFの移動を規制することができ、フィルムFの振動や、風等の影響によるはためきを抑制することができる。その結果、レーザ印刷装置230がフィルムFに向けて(反射抑制面242に向けて)レーザ光を照射して印刷する際に、印刷位置がずれる等の不具合の発生が抑制されやすい。
【0088】
なお、フィルムFの非印刷面Fbは、袋Bの内側に配置される面である。そのため、物品Cが食品であって、反射抑制面242を非印刷面Fbに接触させる場合には、反射抑制面242の材質には、食品衛生法に適合する材質が用いられることが好ましい。
【0089】
(2-2-5)カバー
カバー260は、レーザ印刷装置230の周囲に配置され、レーザ印刷装置230の照射するレーザ光の通過を妨げる。前述のような受け部材240を有することで、レーザ光が人の目に悪影響を低減できるが、カバー260によりレーザ印刷装置230の周囲を囲むことで、更に高い安全性を実現できる。
【0090】
例えば、本実施形態では、カバー260には、図3のように、レーザ印刷装置230の上方を囲む天板262と、レーザ印刷装置230の右方を囲むメンテナンス扉264と、レーザ印刷装置230の左方を囲む側板(図示せず)と、を含む。図4では、天板262が取り外された状態を描画している。なお、カバー260には、必要に応じ、レーザ印刷装置230の下方、前方、後方を囲む部材を含んでもよい。
【0091】
天板262は、材質を限定するものではないが、ここでは金属製の板部材である。天板262は、図5に模式的に示すように、レーザ印刷装置230と、レーザ印刷装置230の上方のフィルムFの搬送経路(図5中では、張力調整機構220の搬送方向Aにおける最下流側の固定ローラ224と、ローラ252との間を搬送されるフィルムFの搬送経路)の間に配置されている。
【0092】
メンテナンス扉264は、金属製の母材に開口を設け、開口を、カバー260の内側を観察できるように、透明なポリカーボネート製の第1部材264aで覆った部材である。第1部材264aの厚みは、仮にレーザ光がメンテナンス扉264の開口に導かれても、レーザ光が第1部材264aを通過しないように決定されればよい。レーザ印刷装置230の左方を囲む側板も、扉ではないが(扉のように開かないが)、メンテナンス扉264と同様の構造を有する。
【0093】
メンテナンス扉264は、レーザ印刷装置230を含むフィルム供給ユニット200の各種構成のメンテナンス用に設けられている扉である。メンテナンス扉264は、図4のように閉じた状態と、図6のように開いた状態とを取ることができる。メンテナンス扉264には、メンテナンス扉264の開閉を検知する開閉検知器266が設けられている。検知器の種類を限定するものではないが、開閉検知器266は、例えば、磁気型近接センサである。
【0094】
(2-3)制御装置
制御部300は、例えば、CPUや、主記憶装置や補助記憶装置などの記憶部や、各種の電気回路や電子回路を含む。本実施形態では、制御部300は、組合せ計量機2及び製袋包装機1000の動作を制御する装置である。ただし、制御部300は、製袋包装機1000のみを制御する装置であってもよい。そして、計量製袋包装システム1は、制御部300とは別の、組合せ計量機2を制御する制御装置を有してもよい。
【0095】
制御部300は、組合せ計量機2の各構成と接続されており、組合せ計量機2の制御部として、組合せ計量機2の一部を構成する。また、制御部300は、製袋包装機1000のフィルム供給ユニット200の各構成や、製袋包装ユニット100の各構成と電気的に接続されている(図8参照)。制御部300と電気的に接続される製袋包装機1000の構成には、フィルム搬送装置20のモータ28,縦シール機構30の第1駆動部32、横シール機構40の第2駆動部44、フィルムロール保持部210のロール駆動部214,張力調整機構220のアーム駆動部228、レーザ印刷装置230の印刷装置制御部236、移動装置238、及び開閉検知器266を含む。
【0096】
制御部300は、例えば、組合せ計量機2及び製袋包装機1000が以下のような動作を行うよう、組合せ計量機2及び製袋包装機1000の動きを制御する。
【0097】
制御部300は、組合せ計量機2において、物品Cの重量が複数の計量ホッパ2aのそれぞれにより計量され、各計量ホッパ2aの計量値の合計が所定重量になるよう計量ホッパ2aの組み合わせが選択され、組み合わせに選択された計量ホッパ2aが物品Cを下方に排出するように、組合せ計量機2の各種構成の動作を制御する。組合せ計量機2が排出する物品Cは、製袋包装機1000のチューブ12の上開口端に投下される。
【0098】
また、制御部300は、成形機構10にフィルムFが供給されるように、フィルム供給ユニット200のロール駆動部214やアーム駆動部228を制御する。また、制御部300は、フィルム供給ユニット200においてフィルムFが搬送される際に、レーザ印刷装置230の印刷装置制御部236に指令を送って、フィルムFの所定の印刷エリアに所定の情報を印刷する。また、制御部300は、製袋包装ユニット100において、フィルムFが搬送方向Aに搬送されるようフィルム搬送装置20の動作を制御し、搬送される筒状フィルムFcの合せ目が縦方向にシールされるよう縦シール機構30を制御する。さらに、制御部300は、物品Cが筒状フィルムFcの下端部に存在する状態で、シールジョー42が筒状フィルムFcを横シールし、図示しない切断機構がシール済みの袋Bを上流側の筒状フィルムFcから切り離すように、横シール機構40を制御する。
【0099】
<メンテナンス扉264の開閉に応じた製袋包装機1000の動作の制御>
メンテナンス扉264が開いた状態で製袋包装機1000が運転され、レーザ印刷装置230のレーザ照射器232がレーザ光を照射する場合、レーザ光がフィルム供給ユニット200の外部に漏洩する可能性がある。
【0100】
そこで、制御部300は、製袋包装機1000の動作を、図9のフローチャートのように制御する。なお、説明の前提として、製袋包装機1000は運転を停止しているものとする。
【0101】
まず、制御部300は、タッチパネル式ディスプレイ4等を介して、運転開始指令が入力されたかを判断する(ステップS1)。運転開始指令が入力されたと判断された場合、処理はステップS2に進み、運転開始指令が入力されていないと判断された場合には、処理はステップS1に戻る。
【0102】
ステップS2では、制御部300は、開閉検知器266の検知結果に基づき、メンテナンス扉264が開いているか否かを判断する。
【0103】
開閉検知器266が、メンテナンス扉264が閉まっていることを検知している場合、制御部300は、製袋包装機1000の運転を開始する(ステップS3)。製袋包装機1000の運転には、所定のタイミングにおけるレーザ印刷装置230のレーザ光の照射も含む。要するに、制御部300は、メンテナンス扉264が閉まっている場合には、レーザ印刷装置230の印刷装置制御部236に対し、運転指令を送信する。
【0104】
一方、ステップS2で、開閉検知器266が、メンテナンス扉264が開いていることを検知している場合には、制御部300は、製袋包装機1000の運転を禁止し、処理はステップS1に戻る。製袋包装機1000の運転の禁止には、レーザ印刷装置230のレーザ光の照射の禁止も含む。要するに、制御部300は、メンテナンス扉264が開いている場合には、レーザ印刷装置230の印刷装置制御部236に運転指令を送信しない。
【0105】
製袋包装機1000の運転開始後も、制御部300は、開閉検知器266の検知結果に基づいて、メンテナンス扉264が開いているか否かを判断している(ステップS4)。この処理は、開閉検知器266が、メンテナンス扉264が開いていることを検知するまで、又は、タッチパネル式ディスプレイ4等を介して運転停止指令が入力されるまで(図9では図示せず)繰り返される。
【0106】
ステップS4で、開閉検知器266が、メンテナンス扉264が開いていることを検知している場合には、制御部300は、製袋包装機1000の運転を停止する(ステップS5)。製袋包装機1000の運転の停止には、レーザ印刷装置230のレーザ光の照射の停止も含む。要するに、制御部300は、メンテナンス扉264が開いている場合には、レーザ印刷装置230の印刷装置制御部236に運転停止指令を送信する。
【0107】
(4)製袋包装機の特徴
(4-1)
上記実施形態の製袋包装機1000は、フィルムFで物品Cを包装する。製袋包装機1000は、レーザ印刷装置230と、受け部材240と、を備える。レーザ印刷装置230は、フィルムFの印刷面Faに印刷する。受け部材240は、フィルムFの印刷面Faとは反対側の、第1面の一例である非印刷面Fbに対向するように配置される。受け部材240は、反射抑制面242を有する。反射抑制面242は、レーザ印刷装置230の照射するレーザ光の正反射を抑制する。
【0108】
製袋包装機1000では、フィルムFの印刷面Faとは反対側の非印刷面Fbに対向する位置に受け部材240を配置し、この受け部材240にレーザ光の正反射を抑制する反射抑制面242を設けている。そのため、この製袋包装機1000では、フィルムFを通過したレーザ光が反射して人の目に影響を与える事態の発生を抑制できる。
【0109】
(4-2)
製袋包装機1000の受け部材240は、例えば、反射抑制面242を有する樹脂製部分241bを含む。
【0110】
このように構成する場合、一般に金属よりもレーザ光の吸収率の高い樹脂製部分241bによりレーザ光を吸収し、受け部材240の反射抑制面242においてレーザ光の正反射を抑制できる。
【0111】
(4-3)
他の例では、製袋包装機1000の受け部材240は、正反射を抑制する正反射抑制処理された反射抑制面242を有してもよい。
【0112】
このように構成する場合、反射抑制面242を有する部材とこれを支持する本体部材とをそれぞれ用意する必要が無く、製袋包装機1000の部品点数を削減できる。
【0113】
(4-4)
製袋包装機1000は、フィルム搬送装置20と、フィルムFの貯留装置の一例であるフィルムロール保持部210と、制御部300と、を備える。フィルム搬送装置20は、フィルムFを搬送方向Aに搬送する。フィルムロール保持部210は、搬送方向Aにおいて、レーザ印刷装置230の上流側に配置される。制御部300は、フィルム搬送装置20の動作を制御する。
【0114】
(4-5)
製袋包装機1000は、移動装置238を備える。移動装置238は、レーザ印刷装置230を、搬送方向Aと直交する、第1方向の一例である左右方向に移動させて、レーザ印刷装置230のフィルムFの印刷面Faに対する印刷位置を左右方向において変化させる。受け部材240の反射抑制面242は、左右方向において、フィルムFの非印刷面Fbの全体と対向することが好ましい。
【0115】
上記実施形態の製袋包装機1000では、移動装置238によりレーザ印刷装置230を左右方向に移動させることで、レーザ印刷装置230によって、フィルムFの左右方向における所望の位置に各種印刷内容を印刷することができる。
【0116】
また、反射抑制面242は、左右方向において、製袋包装機1000で使用されるフィルムFの非印刷面Fbの全体と対向するため、左右方向において印刷位置を変更するために、レーザ印刷装置230を左右方向に移動させた場合でも、印刷の際にフィルムFを通過したレーザ光が、反射抑制面242には当たらずに何らかの部材により反射し、人の目に影響する事態の発生を抑制できる。
【0117】
(4-6)
製袋包装機1000では、受け部材240の反射抑制面242は、搬送方向Aに搬送されるフィルムFの非印刷面Fbと少なくとも部分的に接触することが好ましい。
【0118】
上記実施形態の製袋包装機1000では、フィルムFの非印刷面Fbを反射抑制面242に接触させることで、反射抑制面242によりフィルムFに張力を与えることができる。その結果、上記実施形態の製袋包装機1000では、フィルムFの移動を規制することができ、フィルムFの振動や、風等の影響によるはためきを抑制することができる。その結果、レーザ印刷装置230がフィルムFに向けて(反射抑制面242に向けて)レーザ光を照射して印刷する際に、印刷位置がずれる等の不具合の発生が抑制されやすい。
【0119】
(4-7)
製袋包装機1000は、フォーマ14と、横シール機構40と、を備える。フォーマ14及び横シール機構40は、フィルムFの搬送方向Aにおいて、レーザ印刷装置230の下流側に配置される。フォーマ14は、搬送されるフィルムFを筒状に成形する。横シール機構40は、筒状に成形されたフィルムF(筒状フィルムFc)に物品Cが投入されている状態で、筒状フィルムFcを搬送方向Aと交差する方向にシールする。
【0120】
(4-8)
製袋包装機1000は、レーザ印刷装置230の周囲に配置され、レーザ印刷装置230の照射するレーザ光の通過を妨げるカバー260を備えることが好ましい。
【0121】
この製袋包装機1000では、反射抑制面242を設けるのに加え、レーザ印刷装置230の周囲にカバー260を配置しているので、カバー260を設けない場合に比べ、製袋包装機1000の安全性を更に向上できる。
【0122】
(4-9)
上記実施形態の製袋包装機1000では、カバー260は、レーザ印刷装置230のメンテナンス扉264を含む。製袋包装機1000は、検知器の一例である開閉検知器266と、照射制御部の一例である印刷装置制御部236と、を備える。開閉検知器266は、メンテナンス扉264の開閉を検知する。印刷装置制御部236は、レーザ印刷装置230のレーザ光の照射を制御する。印刷装置制御部236は、開閉検知器266が、メンテナンス扉264が開いていることを検知している場合には、レーザ印刷装置230のレーザ光の照射を停止することが好ましい。また、制御部300は、開閉検知器266が、メンテナンス扉264が開いていることを検知している場合には、製袋包装機1000の運転を停止することが好ましい。
【0123】
この製袋包装機1000では、カバー260としてのメンテナンス扉264が開いている場合には、レーザ光の照射が停止されるので、製袋包装機1000の高い安全性を実現できる。
【0124】
(5)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0125】
(5-1)変形例A
上記実施形態では、包装装置が、縦ピロー包装機と呼ばれるタイプの製袋包装機1000である場合を例に説明したが、包装装置のタイプは、縦ピロー包装機に限定されない。本発明の包装装置は、例えば水平方向に搬送される物品をフィルムで包装する横ピロー包装機等、フィルムで物品を包装する各種包装装置に適用可能である。
【0126】
(5-2)変形例B
上記実施形態では、レーザ印刷装置230の動作は、制御部300により直接制御されるのではなく、制御部300と信号の授受を行う、制御部300とは別の印刷装置制御部236により制御される。ただし、これに限定されるものではなく、レーザ印刷装置230の動作も、制御部300により直接制御されてもよい。
【0127】
<第2実施形態>
本発明の包装装置の第2実施形態に係る製袋包装機1000Aについて、図10図15を参照しながら説明する。
【0128】
第2実施形態の製袋包装機1000Aは、主に、受け部材240が可動という点で、第1実施形態に係る製袋包装機1000と異なる。ここでは、製袋包装機1000Aのフィルム供給ユニット200Aの受け部材240が可動である点に関連する内容を主に説明し、それ以外の内容についての説明は特に必要のない限り省略する。
【0129】
また、製袋包装機1000Aを備える計量製袋包装システムは、製袋包装機が上記の点で相違することを除き、本発明の包装装置の第1実施形態に係る計量製袋包装システム1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0130】
(1)レーザ印刷装置の移動装置
フィルム供給ユニット200Aの、レーザ印刷装置230及び移動装置238は、第1実施形態のフィルム供給ユニット200の、レーザ印刷装置230及び移動装置238と、概ね同様である。
【0131】
第2実施形態のフィルム供給ユニット200Aの移動装置238は、例えば、図10及び図11に示すような、レーザ印刷装置230が取り付けられている取付部材231を、モータ238aで移動させるボールねじ機構である。移動装置238は、レーザ印刷装置230を、搬送方向Aと直交する左右方向に移動させる。移動装置238の動作は、後述する制御部300が、例えばタッチパネル式ディスプレイ4等に入力される印刷位置に関する情報に基づいて制御する。
【0132】
なお、ここでは、制御部300が移動装置238の動作を制御するが、製袋包装機1000Aの運転中にはレーザ印刷装置230の位置を動かす必要が無いような場合には、移動装置238は、(自動ではなく)製袋包装機1000のオペレータが手動で操作してレーザ印刷装置230を移動させる装置であってもよい。
【0133】
(2)受け部材及び受け部材移動装置
フィルム供給ユニット200Aの受け部材240は、第1実施形態の受け部材240と同様に、搬送されるフィルムFの印刷面Faとは反対側(裏側)の、非印刷面Fbに対向するように配置される。受け部材240は、例えば、板状の部材である。
【0134】
反射抑制面242を有する受け部材240を設ける理由や、反射抑制面242の構造は、第1実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0135】
第2実施形態の受け部材240は、第1実施形態の不動の受け部材240とは異なり、受け部材移動装置246により移動させられる部材である。
【0136】
受け部材移動装置246は、例えば、図10及び図11に示すように、受け部材240の取り付けられている取付部材244を、モータ246aで駆動するボールねじ機構である。受け部材移動装置246は、受け部材240を、搬送方向Aと直交する左右方向(移動装置238によるレーザ印刷装置230の移動方向と同じ)に移動させる。受け部材移動装置246の動作は、後述する制御部300により制御される。
【0137】
なお、ここでは、制御部300が受け部材移動装置246の動作を制御するが、製袋包装機1000Aの動作中には受け部材240を動かす必要が無いような場合には、受け部材移動装置246は、(自動ではなく)製袋包装機1000のオペレータが手動で操作して受け部材240を移動させる装置であってもよい。
【0138】
受け部材移動装置246が制御部300に制御される場合、制御部300は、移動装置238がレーザ印刷装置230を移動させる際に、受け部材移動装置246を動作させて、受け部材240を移動装置238によるレーザ印刷装置230の移動方向と同方向に移動させることで、受け部材240の反射抑制面242を、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域(言い換えれば、レーザ印刷装置230の印刷位置)と対向する位置に移動させる。言い換えれば、制御部300は、移動装置238及び受け部材移動装置246の動作を制御することで、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域(以後、単に「レーザ光照射領域」と呼ぶ)と受け部材240の反射抑制面242とを対向させる。
【0139】
制御部300は、例えば、受け部材240とレーザ印刷装置230とを同時に移動させる。ただし、これに限定されるものではなく、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射するタイミングで、レーザ光照射領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向可能であれば、制御部300は、受け部材240とレーザ印刷装置230とを異なるタイミングで移動させてもよい。
【0140】
第2実施形態の製袋包装機1000Aでは、受け部材240は受け部材移動装置246により移動させられるので、受け部材240のサイズは、レーザ印刷装置230のレーザ光の照射範囲に相当する大きさがあればよい。そのため、第2実施形態の製袋包装機1000Aでは、受け部材240の左右方向のサイズを、フィルムFの左右方向の幅よりも小さくできる。
【0141】
なお、受け部材移動装置246は、レーザ印刷装置230の印刷位置を調整する時だけではなく、メンテナンス時等にも、移動装置238がレーザ印刷装置230を移動させるタイミングで、レーザ光照射領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向するように受け部材240を移動させてもよい。あるいは、受け部材移動装置246は、メンテナンス時等に、移動装置238とは独立して(移動装置238がレーザ印刷装置230を移動させないタイミングで)、受け部材240を移動させてもよい。
【0142】
レーザ印刷装置230や受け部材240は、その配置によっては、メンテナンス作業を阻害するおそれがある。これに対し、制御部300により制御される移動装置238及び受け部材移動装置246や、製袋包装機1000のオペレータにより手動で操作される移動装置238及び受け部材移動装置246が、レーザ印刷装置230や受け部材240をオペレータの所望の位置に移動させることで、レーザ印刷装置230や受け部材240がメンテナンス作業を阻害する可能性を低減できる。
【0143】
第2実施形態でも、受け部材240の反射抑制面242は、好ましくは、搬送方向Aに搬送されるフィルムFの非印刷面Fbと少なくとも部分的に接触する。受け部材240の反射抑制面242を印刷面Fbと接触させることが好ましい理由や、受け部材240の反射抑制面242を印刷面Fbと接触させるための構成は、第1実施形態と同様である。
【0144】
(3)相対位置検知部
フィルム供給ユニット200Aは、レーザ印刷装置230と受け部材240の反射抑制面242との相対位置を検知する相対位置検知部400を備える。
【0145】
相対位置検知部400は、例えば、磁石と磁気センサとを有し、磁気センサが磁石の磁気を検知するか否かに基づいて、磁石が磁気センサに近接する位置に配置されているかを検知する装置である。
【0146】
制御部300は、相対位置検知部400の検知結果に基づき、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域と、受け部材240の反射抑制面242と対向しているか否かを判断する。また、他の形態では、相対位置検知部400の検知結果に基づき、印刷装置制御部(照射制御部)246が、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域と、受け部材240の反射抑制面242と対向しているか否かを判断してもよい。
【0147】
例えば、図12に示すように、レーザ印刷装置230には、相対位置検知部400の磁気センサ402が取り付けられ、受け部材240には、相対位置検知部400の磁石404が取り付けられる。磁気センサ402のレーザ印刷装置230に対する取り付け位置及び磁石404の受け部材240に対する取り付け位置は、例えば、磁気センサ402が磁石404を検知する場合に、レーザ光照射領域と反射抑制面242とが対向した状態になるように決定される。なお、磁石と磁気センサとの配置は逆でもよい。
【0148】
また、例えば、図13に示すように、移動装置238によりレーザ印刷装置230と共に移動させられる第1部材(例えば、レーザ印刷装置230に取り付けられる第1部材410)に磁気センサ402が取り付けられ、受け部材移動装置246により受け部材240と共に移動させられる第2部材(例えば、受け部材240に取り付けられる第2部材420)に磁石404が取り付けられてもよい。
【0149】
なお、第1部材410は、移動装置238によりレーザ印刷装置230と共に移動させられる部材であれば、レーザ印刷装置230に取り付けられていなくてもよい。また、第2部材420は、受け部材移動装置246により受け部材240と共に移動させられる部材であれば、受け部材240に取り付けられていなくてもよい。
【0150】
さらに図12の構造と図13の構造とは組み合わされてもよい。例えば、レーザ印刷装置230に磁気センサ402が取り付けられ、第2部材420に磁石404が取り付けられてもよい。
【0151】
なお、相対位置検知部400は、磁石と磁気センサとの組み合わせ以外で実現されてもよい。例えば、相対位置検知部400は、光電センサ等であってもよい。
【0152】
(4)制御部
制御部300は、組合せ計量機2の各構成と接続されており、組合せ計量機2の制御部として、組合せ計量機2の一部を構成する。また、制御部300は、製袋包装機1000Aのフィルム供給ユニット200Aの各構成や、製袋包装ユニット100の各構成と電気的に接続されている(図14参照)。第1実施形態と異なる点として、制御部300は、製袋包装機1000Aの受け部材移動装置246及び相対位置検知部400と接続されている。
【0153】
第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、相対位置検知部400の検知結果に基づき、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向していないと判断される場合に、照射制御部の一例としてのレーザ印刷装置230の印刷装置制御部236は、レーザ印刷装置230のレーザ光の照射を停止する。以下では、この制御を説明する。なお、以下で説明する制御以外は、制御部300による組合せ計量機2及び製袋包装機1000Aの制御は、第1実施形態の制御部300による組合せ計量機2及び製袋包装機1000の制御と同様である。
【0154】
<相対位置検知部による検知結果に基づく製袋包装機の動作の制御>
反射抑制面242がレーザ印刷装置230の印刷位置と対向する位置に配置されていない状態で製袋包装機1000Aが運転され、レーザ印刷装置230のレーザ照射器232がレーザ光を照射すると、フィルムFを通過したレーザ光が反射して人の目に影響を与える可能性がある。
【0155】
そこで、制御部300は、製袋包装機1000Aの動作を、図15のフローチャートのように制御する。説明の前提として、製袋包装機1000Aは運転を停止しているものとする。
【0156】
まず、制御部300は、タッチパネル式ディスプレイ4等を介して、運転開始指令が入力されたかを判断する(ステップS11)。運転開始指令が入力されたと判断された場合、処理はステップS12に進み、それ以外は、処理はステップS11に戻る。
【0157】
ステップS12では、制御部300又は印刷装置制御部236が、相対位置検知部400による検知結果に基づき、レーザ光照射領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向する位置に配置されているか否かを判断する。
【0158】
レーザ光照射領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向している状態(この状態を、以下では「対向状態」と呼ぶ)と判断される場合には、制御部300は、製袋包装機1000Aの運転を開始する(ステップS13)。この際、制御部300は、レーザ印刷装置230の印刷装置制御部236に運転指令を送信する。
【0159】
一方、ステップS12で、レーザ光照射領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向していない状態(この状態を、以下では「非対向状態」と呼ぶ)と判断される場合には、制御部300は、製袋包装機1000の運転を禁止(停止)し、処理はステップS11に戻る。この際、制御部300は、レーザ印刷装置230の印刷装置制御部236に運転指令を送信しない。言い換えれば、この際、制御部300は、レーザ印刷装置230のレーザ光の照射を禁止(停止)する。
【0160】
製袋包装機1000Aの運転開始後も、制御部300は、相対位置検知部400の検知結果に基づいて、レーザ光照射領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向する位置に配置されているか否かを判断する(ステップS14)。この処理は、相対位置検知部400が、非対向状態を検知するまで、又は、タッチパネル式ディスプレイ4等を介して運転停止指令が入力されるまで(図15では図示せず)繰り返される。
【0161】
ステップS14で、非対向状態と判断された場合には、制御部300は、製袋包装機1000Aの運転を停止する(ステップS15)。この際、制御部300は、レーザ印刷装置230の印刷装置制御部236に運転停止指令を送信する(レーザ印刷装置230のレーザ光の照射を停止する)。
【0162】
(5)製袋包装機の特徴
第1実施形態で説明した特徴以外の、第2実施形態の製袋包装機1000Aの特徴について説明する。
【0163】
(5-1)
製袋包装機1000Aは、フィルム搬送装置20と、移動装置238と、受け部材移動装置246と、制御部300と、を備える。フィルム搬送装置20は、フィルムFを搬送方向Aに搬送する。移動装置238は、レーザ印刷装置230を、搬送方向Aと直交する左右方向(第1方向)に移動させて、レーザ印刷装置230のフィルムFの印刷面Faに対する印刷位置を左右方向において変化させる。受け部材移動装置246は、受け部材240を左右方向に移動させる。制御部300は、移動装置238及び受け部材移動装置246の動作を制御し、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域と受け部材240の反射抑制面242とを対向させる。
【0164】
製袋包装機1000Aでは、制御部300が、自動でレーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域と受け部材240の反射抑制面242とを対向させるため、受け部材240を可動とした場合でも、フィルムFを通過したレーザ光が反射して人の目に影響を与える事態の発生を抑制できる。
【0165】
なお、製袋包装機1000Aでは、受け部材240を移動させる受け部材移動装置246を有するため、メンテナンス等の作業の際に、受け部材を作業の妨げになりにくい位置に移動させることが可能で、作業性の向上が図られやすい。また、製袋包装機1000Aでは、受け部材240を移動させる受け部材移動装置246を有するため、受け部材240のサイズは、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域に相当するサイズでよく(受け部材240のサイズを小さくでき)、受け部材240がメンテナンス等の作業の妨げになりにくい。
【0166】
(5-2)
製袋包装機1000Aは、照射制御部の一例としての印刷装置制御部236と、相対位置検知部400と、を備える。印刷装置制御部236は、レーザ印刷装置230のレーザ光の照射を制御する。相対位置検知部400は、レーザ印刷装置230と受け部材240の反射抑制面242との相対位置を検知する。相対位置検知部400の検知結果に基づき、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向していないと判断される場合に、印刷装置制御部236は、レーザ光の照射を停止する。
【0167】
製袋包装機1000Aでは、レーザ印刷装置230がレーザ光を照射する領域と受け部材240の反射抑制面242とが対向していない場合には、レーザ光が照射されないので、フィルムFを通過したレーザ光が反射して人の目に影響を与える事態の発生を抑制でき安全性が高い。
【0168】
(5-3)
製袋包装機1000Aでは、相対位置検知部400は、磁石と、磁気センサと、を有する。磁石は、(A)レーザ印刷装置230又は移動装置238によりレーザ印刷装置230と共に移動する第1部材410、又は、(B)受け部材240又は受け部材移動装置246により受け部材240と共に移動する第2部材420の、一方に取り付けられる。磁気センサは、(A)レーザ印刷装置230又は移動装置238によりレーザ印刷装置230と共に移動する第1部材410、又は、(B)受け部材240又は受け部材移動装置246により受け部材240と共に移動する第2部材420の、他方に取り付けられる。
【0169】
製袋包装機1000Aでは、レーザ印刷装置230と受け部材240の反射抑制面242との相対位置を精度良く検知できる。
【0170】
(6)変形例
以上、本発明の第2実施形態の包装装置(製袋包装機1000A)について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0171】
例えば、上記実施形態では、移動装置238と受け部材移動装置246とは別の装置であるが、レーザ印刷装置230と受け部材240とは、単一の装置により移動させられてもよい。
【符号の説明】
【0172】
14 フォーマ
20 フィルム搬送装置
40 横シール機構
210 フィルムロール保持部(貯留装置)
230 レーザ印刷装置
236 印刷装置制御部(照射制御部)
238 移動部(移動装置)
240 受け部材
241b 樹脂製部分
242 反射抑制面
246 受け部材移動装置
260 カバー
264 メンテナンス扉(扉)
266 開閉検知器(検知器)
300 制御部
400 相対位置検知部
402 磁石/磁気センサ
404 磁気センサ/磁石
410 第1部材
420 第2部材
1000 製袋包装機(包装装置)
1000A 製袋包装機(包装装置)
C 物品
F フィルム
Fa 印刷面
Fb 非印刷面(第1面)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0173】
【特許文献1】特開2019-64670号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15