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特開2023-177260プログラム、情報処理装置、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177260
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20231206BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023076280
(22)【出願日】2023-05-02
(62)【分割の表示】P 2022088184の分割
【原出願日】2022-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】517234011
【氏名又は名称】株式会社Novera
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】諸冨 大樹
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 国忠
(72)【発明者】
【氏名】堀江 優
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB24
(57)【要約】
【課題】ユーザに負担なくユーザに合った商品をレコメンドすることができるようにする。
【解決手段】プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得するステップと、前記画像データを入力することに応じて、前記ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと、前記画像データとを用いて、前記ユーザのベースカラーを抽出するステップと、ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は前記他のユーザが使用している商品を抽出するステップと、抽出した前記商品を、前記ユーザに提示するステップと、を実行させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、
ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得するステップと、
前記画像データを入力することに応じて、前記ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと、前記画像データとを用いて、前記ユーザのベースカラーを抽出するステップと、
ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は前記他のユーザが使用している商品を抽出するステップと、
抽出した前記商品を、前記ユーザに提示するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記学習済みモデルは、前記画像データを解析することにより、前記第1部分を特定し、前記第1部分の色を抽出し、前記第1部分の色をベースカラーとして出力する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記学習済みモデルは、前記画像データを入力することに応じて、前記ベースカラーと、顔のパーツの形状とを出力する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記学習済みモデルは、前記画像データを入力することに応じて、前記ベースカラーと、前記顔のパーツの形状とを、ベクトルで表現した特徴量として出力する、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記特徴量は、前記顔のパーツの各々について、他のパーツとの距離又は距離比を要素に含む、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記特徴量は、ベースカラーの分類を要素に含む、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
複数の他のユーザの各々について、前記他のユーザの前記特徴量を取得するステップと、
前記複数の他のユーザの各々の前記特徴量をクラスタリングするステップと、
前記ユーザの特徴量との類似度が最も高いクラスを求めるステップと、
求めたクラスに属する複数の他のユーザの購買データを取得するステップと、
を実行させ、
前記商品を抽出するステップにおいて、前記購買データから、前記ユーザに提示する商品を抽出する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項8】
複数の他のユーザの各々について、前記他のユーザの前記特徴量を取得するステップと、
複数の他のユーザのうち、前記ユーザの特徴量との類似度が最も高い他のユーザを求めるステップと、
求めた前記他のユーザの商品の使用データを取得するステップと、
を実行させ、
前記商品を抽出するステップにおいて、前記使用データから、前記ユーザに提示する商品を抽出する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項9】
前記他のユーザは、有名人である、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1部分は、首部分である、
請求項1~9の何れかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記商品は、肌に関する商品である、
請求項7~請求項9の何れかに記載のプログラム。
【請求項12】
前記肌に関する商品は、化粧品である、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記商品は、健康に関する商品、髪型、又は衣服である、
請求項7~請求項9の何れかに記載のプログラム。
【請求項14】
前記商品は、トレーニングプログラム又はセミナーに関する商品である、
請求項7~請求項9の何れかに記載のプログラム。
【請求項15】
プロセッサを備える情報処理装置であって、前記プロセッサが、
ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得するステップと、
前記画像データを入力することに応じて、前記ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと、前記画像データとを用いて、前記ユーザのベースカラーを抽出するステップと、
ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は前記他のユーザが使用している商品を抽出するステップと、
抽出した前記商品を、前記ユーザに提示するステップと、
を実行する情報処理装置。
【請求項16】
プロセッサを備えるコンピュータが、
ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得するステップと、
前記画像データを入力することに応じて、前記ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと、前記画像データとを用いて、前記ユーザのベースカラーを抽出するステップと、
ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は前記他のユーザが使用している商品を抽出するステップと、
抽出した前記商品を、前記ユーザに提示するステップと、
を実行する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
美しく仕上がるファンデーション等のメイクアップ製品を選択することができるようにすることを目的として、首の色を用いてメイクアップ製品を提案する、という技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-151490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、ユーザの化粧された肌の色と、素肌の色とから、ファンデーションの色が使用者に合ってないと判断した場合に、化粧品を提示することになる。しかし、ユーザの地肌のベースカラーを考慮していないため、そのユーザに適した商品をレコメンドできない、という問題がある。また、上記の技術では、ユーザが必ずメイクしている必要があり、ユーザに事前準備を求める点でユーザに負担が生じてしまう、という問題があった。
【0005】
本開示の目的は、ユーザに負担なくユーザに合った商品をレコメンドする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のプログラムは、プロセッサを備えるコンピュータに処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得するステップと、前記画像データを入力することに応じて、前記ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと、前記画像データとを用いて、前記ユーザのベースカラーを抽出するステップと、ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は前記他のユーザが使用している商品を抽出するステップと、抽出した前記商品を、前記ユーザに提示するステップと、を実行させるプログラム。
【発明の効果】
【0007】
本開示の技術は、ユーザに負担なくユーザに合った商品をレコメンドすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図2】本開示の情報処理装置10の構成を示すブロック図である。
図3】本開示の情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
図4】第1データDB121のデータ構造の一例を示す図である。
図5】第1ベクトルの類似を示すイメージ図である。
図6】クラスタリングの一例を示すイメージ図である。
図7】本開示のユーザ端末20の構成を示すブロック図である。
図8】本開示のユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。
図9】画像を撮影するための画面の一例を示すイメージ図である。
図10】ユーザに商品を提示するための画面の一例を示すイメージ図である。
図11】本開示の第1モデルの学習処理を示すフローチャートである。
図12】本開示のクラスタリング処理を示すフローチャートである。
図13】本開示の情報処理装置10の提示処理を示すフローチャートである。
図14】本開示のユーザ端末20の提示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0010】
<本開示の概要>
本開示の技術は、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを入力することに応じて、当該ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルを用いて、入力を受け付けたユーザの画像データから当該ユーザのベースカラーを抽出する。そして、本開示の技術は、ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は他のユーザが使用している商品を抽出し、抽出した商品を、ユーザに提示する。これにより、本開示の技術は、ユーザに負担なくユーザに合った商品をレコメンドすることができる。
【0011】
<1.情報処理システム1の構成>
図1は、第1実施形態の情報処理システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10、ユーザ端末20、及びネットワーク30を含む。情報処理装置10と、ユーザ端末20とは、有線又は無線の通信規格を用いて、ネットワーク30を介して相互に通信可能に接続されている。
【0012】
<2.情報処理装置10の構成>
情報処理装置10は、例えば、ラップトップパソコン又はラックマウント型若しくはタワー型等のコンピュータ、スマートフォン等である。情報処理装置10は、複数の情報処理装置10により、1つのシステムとして構成される、冗長化構成される等されてもよい。情報処理装置10を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力、情報処理装置10に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0013】
図2及び図3を用いて、本開示に係る情報処理装置10について説明する。本開示に係る情報処理装置10は、ユーザに商品を提示する提示処理等を実行するための装置である。
【0014】
図2は、情報処理装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15とを含んで構成される。
【0015】
プロセッサ11は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0016】
メモリ12は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。メモリ12は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0017】
ストレージ13は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等の1つ、又は組み合わせにより実現される。
【0018】
通信IF14は、情報処理装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインターフェースである。通信IF14は、インターネット、広域イーサネット等のネットワークに有線又は無線により接続する。
【0019】
入出力IF15は、図示しない入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)から、入力信号を受け付けるインターフェースである。また、入出力IF15は、図示しない出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)に対し、出力信号を送信するインターフェースである。
【0020】
図3は、情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置10は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを含む。
【0021】
通信部110は、情報処理装置10が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0022】
記憶部120は、情報処理装置10が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部120は、第1データDB121、第2データDB122等を記憶する。
【0023】
第1データDB121は、複数のユーザに関する情報を保持するデータベースである。
図4は、第1データDB121の例である。図4に示すように、第1データDB121のレコードのそれぞれは、項目「ID」、項目「種別」、項目「名前」、項目「購買データ」、項目「使用データ」、項目「特徴量」、項目「クラス」などを含む。なお、ここに示す項目はすべてではなく、他の項目があっても構わない。
【0024】
項目「ID」は、各レコードを識別するための情報を記憶する。
【0025】
項目「種別」は、ユーザが有名人であるか一般人であるかを示す情報を格納する。
【0026】
項目「名前」は、ユーザの名前、芸名、通称、愛称などである。
【0027】
項目「購買データ」は、ユーザが購入した商品と、購入日時と、購入店舗とを紐づけているファイルを記憶する。図4の場合、購買データには、購入した履歴が記載されたファイルが格納される。なお、購買データとして他のデータベースを用意し、参照する構成であってもよい。
【0028】
項目「使用データ」は、ユーザが使用したことがある商品である。図4の場合、使用データには、使用した履歴が記載されたファイルが格納される。なお、使用データとして他のデータベースを用意し、参照する構成であってもよい。使用データは、予めアンケートなどにより収集される。
【0029】
項目「特徴量」は、後述の第1抽出部134により抽出されたユーザの特徴量を記憶する。特徴量については、後述する。
【0030】
項目「クラス」は、後述の分類部135により分類されたクラスを記憶する。なお、クラスは1つに限らない。所属クラスは、2以上あってもよい。
【0031】
なお、第1データDB121は、これらの情報(例えば、購買データ、使用データ)を、任意のタイミング、又は定期的に取得し、格納している。
【0032】
第2データDB122は、第1モデルと、第1モデルのパラメータを格納する。第1モデルについては後述する。
【0033】
制御部130は、情報処理装置10のプロセッサ11がプログラムに従って処理を行うことにより、受信制御部131、送信制御部132、学習部133、第1抽出部134、分類部135、第2抽出部136、及び提示部137に示す機能を発揮する。
【0034】
受信制御部131は、情報処理装置10が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0035】
送信制御部132は、情報処理装置10が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0036】
学習部133は、学習データを用いて、画像データを入力することに応じて、ベースカラーを出力する第1モデルを学習する。
【0037】
画像データは、ユーザの顔と、ユーザの顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像のデータである。第1部分は、ユーザの顔以外の肌である体の部位である。
【0038】
第1部分は、例えば、ユーザの首の全部又は一部(例えば首元)、手の甲等である。本開示の技術は、第1部分の色を、ベースメイクの色と仮定して処理を行う。
【0039】
第1モデルは、画像データを解析することにより、第1部分を特定し、第1部分の色を抽出する機構を有する。第1部分の色は、ベースカラーであるものとされる。また、第1モデルは、画像データを解析することにより、顔のパーツの形状を抽出する機構を有する。当該第1モデルは、画像データを入力することに応じて、ベースカラーと顔のパーツの形状との特徴を表す特徴量を出力する。
【0040】
第1モデルは、任意のモデルを採用することができる。本開示では、第1モデルは、特徴量として、ベースカラーと、顔のパーツの形状とを、ベクトルにより表現した第1ベクトルを出力するモデルである場合を例に説明する。従来から、単語の分散表現を獲得する手法としてWord2Vecが知られている。第1モデルは、Word2Vecをベースカラーと顔のパーツの形状とに応用する。このため、第1モデルは、Word2Vecと同様のモデルを用いることができる。これにより、本開示の技術は、現実的な演算量で肌の類似度を求めることができる学習済みモデルを提供することができる。
【0041】
Word2Vecを応用する場合、第1モデルは、画像を解析する第2モデルと、第1ベクトルを出力するための第3モデルとを含んで構成される。
【0042】
第2モデルは、例えば、CNNモデルである。第2モデルは、ベースカラーと、顔のパーツの形状を抽出する上記機構に相当する。具体的には、第2モデルは、画像データを入力すると、ベースカラーと、顔のパーツの形状を解析した結果を出力するように学習されたモデルである。第2モデルは、画像解析を行うための任意のモデルを採用することができる。この時点において、ベースカラーは、RGB値、CMYK値、HSV値などで表されている。
【0043】
第3モデルは、ベースカラーと、顔のパーツの形状を入力したことに応じて、第1ベクトルを出力する。Word2Vecでは、コーパスにおいて、単語を分かち書きされたデータが予め用意される。そして、Word2Vecでは、入力された単語が、どの単語と関係性が高いか、学習された単語の各々についての類似度を出力することで判断できる。
【0044】
これに対し、第3モデルでは、学習に用いるコーパス(図示しない)において、複数の第1ベクトルを予め用意しておく。当該コーパスは、複数の第1ベクトルを格納するデータベースである。当該コーパスは、情報処理装置10の記憶部に備えられていても、通信を介してアクセス可能な外部装置に備えられていてもよい。
【0045】
そして、第3モデルでは、入力されたベースカラーと、顔のパーツの形状を解析した結果が、コーパス内の第1ベクトルと関係性が高いか、類似度を求める。このため、当該コーパスは、想定できる第1ベクトルをできるだけ登録しておく。第3モデルは、類似度が所定の閾値より高い所定数の第1ベクトル、又は、類似度の高い上位から所定数の第1ベクトルを出力する。所定数は、1以上の整数である。本開示では、所定数が1である場合を例に説明するが、所定数が2以上である場合、任意の方法で採用する第1ベクトルを決定すればよい。また、第3モデルは、第1ベクトルを類似度と共に出力するようにしてもよい。
【0046】
第1ベクトルは、ベースカラーに関する情報と、顔のパーツの形状に関する情報とを要素としたベクトルにより表現したものである。
【0047】
ベースカラーに関する情報は、化粧品の選択、洋服の選択などにおいて、ユーザの基礎的な色として考えられる情報である。ベースカラーに関する情報は、例えば、イエローベース、ブルーベース、グリーンベースなどの第1分類、SPRING、SUMMER、AUTUMN、WINTERなどの第2分類である。顔のパーツの形状に関する情報は、例えば、輪郭、顔のパーツ同士の距離比、顔のパーツ同士の距離などである。第1ベクトルは、例えば、第1分類、顔のパーツ同士の距離比を要素とする。
【0048】
第1分類は、例えば、イエローベース、ブルーベース、グリーンベースを識別値として扱う。第1分類は、例えば、イエローベースは0、ブルーベースは1、グリーンベースは2などとする。第1分類は、イエローベースとブルーベースだけとしてもよい。第2分類は、第1分類と同様に、SPRING、SUMMER、AUTUMN、WINTERなどを識別値として扱う。
【0049】
また、第1ベクトルに、顔の要素に関する情報を含めてもよい。例えば、顔の要素として、顔の輪郭、目の形、唇の形などがある。顔の輪郭(フェイスライン)は、2重アゴや、弛んでいることにより、似合う化粧品やアクセサリーなどの判断材料となる。目の形、唇の形により、目の状態、口角の状態を捉えることができるため、肌の衰えの判断材料となる。
【0050】
顔のパーツ同士の距離比は、顔のパーツの各々について、他のパーツとの距離を算出したものの比率である。顔のパーツは、メイクアップに関係のあるパーツとする。顔のパーツは、例えば、右目、左目、顔の輪郭、眉毛、目の形、まぶた、口(唇)などである。メイクアップに関係のあるパーツをベクトルとして用いることで、高次元となってしまう特徴量の次元数を削除することができる。各パーツ間の距離は、3Dや2Dなどの画像解析で取得した特徴点座標を活用して、算出することができる。
【0051】
学習部133は、このような第1モデルを学習する。学習方法は、任意の方法を用いることができる。学習方法は、例えば、Word2Vecと同様の方法を用いてもよい。
【0052】
そして、学習部133は、学習した第1モデルのパラメータを、第2データDB122に格納する。
【0053】
第1抽出部134は、画像データを入力することに応じて、ユーザのベースカラーを出力する学習済みの第1モデルと、当該画像データとを用いて、当該ユーザのベースカラーを抽出する。
【0054】
具体的には、第1抽出部134は、まず、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得する。具体的には、第1抽出部134は、受信制御部131がユーザ端末20から、画像データを受信すると、当該画像データを取得する。
【0055】
次に、第1抽出部134は、第2データDB122から、学習部133により学習された第1モデルを取得する。次に、第1抽出部134は、画像データを第1モデルに入力することにより、第1ベクトルを求める。そして、第1抽出部134は、抽出した第1ベクトルを、第1データDB121に特徴量として格納する。
【0056】
なお、第1データDB121に格納される他のユーザの特徴量は、第1抽出部134により抽出された第1ベクトルである。具体的には、抽出部138は、予め取得した複数の他のユーザの各々についての画像データを、第1モデルに入力することにより、他のユーザの第1ベクトルを求める。そして、抽出部138は、第1データDB121に、他のユーザの第1ベクトルを特徴量として格納する。
【0057】
分類部135は、複数の他のユーザの各々の特徴量をクラスタリングする。
【0058】
具体的には、分類部135は、まず、複数の他のユーザの各々の第1ベクトルを、第1データDB121から取得する。次に、分類部135は、複数の他のユーザの各々の第1ベクトルを複数のクラスに分類する。分類部135は、任意のクラスタリング方法を用いて、クラスを設定する。
【0059】
図5は、第1ベクトルの類似を示すイメージ図である。図5において、黒点は他のユーザの第1ベクトルである。分類部135は、図5に示すように、複数の第1ベクトルを、クラスA~クラスCのように分類する。
【0060】
次に、分類部135は、クラス毎の代表ベクトルを求める。代表ベクトルは、例えば、クラス内の第1ベクトルの平均ベクトル、平均ベクトルに最も近い他のユーザのベクトル等のそのクラスを代表するベクトルである。
【0061】
図6は、クラスタリングの一例を示すイメージ図である。図6の例では、各クラスの中心ベクトルを代表ベクトルとする例である。図6に示すように、分類部135は、各クラスの代表ベクトルを求める。
【0062】
そして、分類部135は、記憶部120に、クラス毎の代表ベクトルを記憶させる。
【0063】
第2抽出部136は、ベースカラーが類似する他のユーザが購買した商品と、他のユーザが使用している商品とを抽出する。
【0064】
具体的には、第2抽出部136は、まず、当該ユーザの第1ベクトルと、他のユーザの第1ベクトルとの距離を類似度として求める。より具体的には、第2抽出部136は、第1抽出部134により得られた当該ユーザの第1ベクトルと、各クラスの代表ベクトルの各々との距離を類似度として求める。第2抽出部136は、類似度が最も高い代表ベクトルのクラスを、当該ユーザの属するクラスとする。
【0065】
例えば、第2抽出部136は、図6に示すように、当該ユーザの第1ベクトルとクラスAの代表ベクトルとの距離dA、当該ユーザの第1ベクトルとクラスBの代表ベクトルとの距離dB、当該ユーザの第1ベクトルとクラスCの代表ベクトルとの距離dCを算出する。そして、検索部139は、距離dA~dCのうち、最も短い距離となるクラスを、当該ユーザの属するクラスとする。
【0066】
次に、第2抽出部136は、第1データDB121から、当該ユーザが属するクラスに属する複数の他のユーザの購買データを取得する。第2抽出部136は、取得した購買データから、当該ユーザに提示する商品を抽出する。第2抽出部136は、任意の方法で、購買データから商品を抽出する。例えば、第2抽出部136は、当該クラスに属する他のユーザの購買データから、最も購入されている商品を抽出する、最も代表ベクトルに近いユーザにより購入されている頻度が高い商品を抽出する、などの方法により、当該ユーザに提示する商品を抽出する。
【0067】
また、第2抽出部136は、当該ユーザが属するクラスに属する複数の他のユーザのうち、類似度が最も高い他のユーザを求める。このとき、第2抽出部136は、対象とする他のユーザを、芸能人、モデルなどの有名人に限定することができる。自分とベースカラーや骨格が類似している有名人が使用していることをユーザに示すことにより、ユーザが商品の購入の動機付けができる。これにより、商品をユーザが購入する可能性が高まるためである。なお、第2抽出部136は、当該他のユーザを複数としてもよい。例えば、第2抽出部136は、類似度が予め定めた閾値よりも高い他のユーザとしてもよい。
【0068】
次に、第2抽出部136は、求めた他のユーザの商品の使用データを取得する。第2抽出部136は、取得した使用データから、当該ユーザに提示する商品を抽出する。第2抽出部136は、任意の方法で、使用データから商品を抽出する。例えば、第2抽出部136は、当該他のユーザの使用データから、最も使用頻度の高い商品を抽出する、最も使用期間の長い商品を抽出する、などの方法により、当該ユーザに提示する商品を抽出する。
【0069】
第2抽出部136が抽出する商品は、肌に関する商品である。肌に関する商品は、例えば、化粧品、サプリメントなどである。サプリメントは、肌質を改善する効果があったり、肌の潤いを保つ効果があったりするため、肌に関する商品として取り扱う。
【0070】
第2抽出部136が抽出する商品は、例えば化粧品である場合、ファンデーション、化粧下地・コンシーラー、日焼け対策・UVケア、日焼け止め・UVケア、アイライナー、マスカラ、アイシャドウ、口紅、チーク、マニキュアなどである。第2抽出部136は、これらの種類ごとに、商品を抽出する構成としてもよい。
【0071】
提示部137は、抽出した商品を、ユーザに提示する。具体的には、提示部137は、第2抽出部136が抽出した商品の情報を、ユーザ端末20に送信することにより、抽出した商品をユーザに提示する。商品の情報は、商品のID、商品の名称、商品の画像、商品を購入できるECサイトのURLなどである。ユーザ端末20側で商品の詳細な情報を取得する構成としてもよい。この場合、商品の情報は、商品を特定することができる情報を少なくとも1つ有していればよい。また、提示部137は、商品の情報に、第1ベクトル、及び求めた有名人の情報を含んで、ユーザ端末20に送信させる。
【0072】
<3.ユーザ端末20の構成>
次に、図7及び図8を用いて、本開示に係るユーザ端末20について説明する。本開示に係るユーザ端末20は、ユーザに商品を提示する提示処理等を実行するための装置である。
【0073】
ユーザ端末20は、ユーザが操作する端末装置である。ユーザ端末20は、例えば、ラップトップパソコン、スマートフォン等である。
【0074】
図7は、ユーザ端末20の構成を示すブロック図である。図7に示すように、ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF24と、入出力IF25と、カメラ26とを含んで構成される。
【0075】
プロセッサ21は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路などにより構成される。
【0076】
メモリ22は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。メモリ22は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0077】
ストレージ23は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等の1つ、又は組み合わせにより実現される。
【0078】
通信IF24は、ユーザ端末20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインターフェースである。通信IF24は、インターネット、広域イーサネット等のネットワークに有線又は無線により接続する。
【0079】
入出力IF25は、図示しない入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)から、入力信号を受け付けるインターフェースである。また、入出力IF25は、図示しない出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)に対し、出力信号を送信するインターフェースである。
【0080】
カメラ26は、撮影した画像を画像データとして取得するカメラ装置である。
【0081】
図8は、ユーザ端末20の機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、ユーザ端末20は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを含む。
【0082】
通信部210は、ユーザ端末20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0083】
記憶部220は、ユーザ端末20が使用するデータ及びプログラムを記憶する。
【0084】
制御部230は、ユーザ端末20のプロセッサ21がプログラムに従って処理を行うことにより、受信制御部231、送信制御部232、表示部233、取得部234、及び提示部235に示す機能を発揮する。
【0085】
受信制御部231は、ユーザ端末20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0086】
送信制御部232は、ユーザ端末20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0087】
表示部233は、ユーザに、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを撮影するための画面を表示する。
【0088】
具体的には、表示部233は、ユーザの所定の操作により、本開示のユーザ端末20を処理するプログラムが起動されると、当該画像データを撮影するための画面を、ユーザに表示する。
【0089】
図9は、画像を撮影するための画面の一例を示すイメージ図である。図9に示すように、画面40は、図示しないディスプレイなどの出力装置に、表示部233により表示された、ユーザを写すための画面である。画面40は、撮影枠41、顔枠42、及びテキストボックス43を含む。
【0090】
撮影枠41は、ユーザにより、画像データとして撮影される範囲である。撮影枠41はユーザに見えるように表示しない。図9の例では、画像データは、顔枠42によるユーザの顔と、第1部分として首とを、撮影範囲とする。
【0091】
顔枠42は、ユーザが自身の顔を収めるための枠線である。ユーザは、顔枠42に顔が収まるように、ユーザ端末20のカメラ26により撮影をする。
【0092】
テキストボックス43は、ユーザの撮影を補助するためのメッセージを表示する。本実施形態では、ユーザは、顔枠42に顔が収まるように撮影する。このため、表示部233は、テキストボックス43に、表示してある顔枠42の「枠線内に顔が入るように撮影して下さい」などの撮影を補助するメッセージを表示する。
【0093】
顔枠42及びテキストボックス43により、画像データに第1部分が含まれるようにユーザの撮影を補助する。なお、表示部233は、公知の画像認識技術を用いて、ユーザが所望の画像データを撮影できるように、ユーザの撮影を補助する機能を有してもよい。
【0094】
取得部234は、画像データを取得する。具体的には、取得部234は、ユーザの操作により、カメラ26による撮影がされると、カメラ26により撮影された画像データを、カメラ26から取得する。そして、取得部234は、取得した画像データを、送信制御部232に、情報処理装置10に対して送信させる。
【0095】
なお、取得部234は、画像データを取得したタイミングで、当該画像データに、ユーザの顔と第1部分とが含まれるかを判定する処理を行ってもよい。この場合、既存の画像認識技術などを使って、顔と、第1部分とが映っているか判定すればよい。ユーザの顔と第1部分との少なくとも何れかが含まれていない場合、取得部234は、表示部233にエラーを返して、再度ユーザによりユーザの顔と第1部分とを撮影させる。ユーザの顔と第1部分とが含まれている場合、取得部234は、取得した画像データを、送信制御部232に、情報処理装置10に対して送信させる。
【0096】
提示部235は、商品をユーザに提示する。具体的には、提示部235は、受信制御部231が、情報処理装置10から、商品の情報を受信すると、当該商品の情報を取得する。
【0097】
次に、提示部235は、取得した商品の情報に含まれる第1ベクトルから、ユーザのベースカラーを取得する。そして、提示部235は、取得した商品の情報を、ユーザのベースカラー、ユーザに類似する有名人と共に提示する。
【0098】
図10を参照して、提示部235が商品を提示する例を示す。図10は、ユーザに商品を提示するための画面の一例を示すイメージ図である。
【0099】
図10に示すように、画面50は、ユーザに商品を提示するための画面である。図10の例では、画面50は、テキストボックス51、テキストボックス52、テキストボックス53、商品提示部54、及び商品提示部55を含む。
【0100】
テキストボックス51は、ユーザと似ている有名人を表示する。具体的には、テキストボックス51は、ユーザの第1ベクトルと最も類似する第1ベクトルの有名人を表示して、ユーザがその有名人と似ているタイプであることを示す。提示部235は、情報処理装置10から取得した商品の情報に含まれる有名人を、当該テキストボックス51に表示する。なお、提示部235は、テキストボックス51の代わりに、画像や動画などにより有名人を表示しても良い。
【0101】
テキストボックス52は、ユーザのベースカラーの分類を表示する。具体的には、テキストボックス52は、第1ベクトルに基づいて、第1分類、第2分類などのベースカラーの分類を表示する。
【0102】
テキストボックス53は、提示している商品が、ユーザと似ている有名人が使用している商品である旨を表示する。
【0103】
商品提示部54は、取得した商品の情報のうち、有名人が使用している商品の情報を提示する。具体的には、提示部235は、商品提示部54において、有名人が使用している商品の商品名、メーカー、商品の画像、購入できるECサイトへのリンクなどを表示する。
【0104】
商品提示部55は、取得した商品の情報のうち、類似ユーザが購入実績のある商品の情報を提示する。具体的には、提示部235は、商品提示部55において、購入履歴に基づいて抽出された商品の商品名、メーカー、商品の画像、購入できるECサイトへのリンクなどを表示する。
【0105】
提示部235は、商品提示部54、商品提示部55に当該リンクを用意することにより、ユーザに商品の購入を促すことができる。
【0106】
<4.動作>
以下では、情報処理装置10における処理について図面を参照しながら説明する。
【0107】
<4.1.第1モデルの学習処理>
図11は、情報処理装置10による第1モデルの学習処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、当該処理を、任意のタイミング(例えば、学習処理開始信号の受信など)において実行する。
【0108】
ステップS101において、学習部133は、第1データDB121から、学習データとして、複数の第1ベクトルを取得する。
【0109】
ステップS102において、学習部133は、複数の第1ベクトルを用いて、画像データを入力することに応じて、ベースカラーを出力する第1モデルを学習する。
【0110】
ステップS103において、学習部133は、第1モデルを学習した後で、第1モデルの学習が終了条件を満たしたか否かを判定する。終了条件は、例えば、第1モデルのパラメータが収束した、所定数繰り返したなどである。
【0111】
終了条件を満たさない場合(ステップS103のN)学習部133は、ステップS102に戻り、ステップS102による第1モデルの学習を、終了条件を満たすまで繰り返す。
【0112】
一方、終了条件を満たす場合(ステップS103のY)、ステップS104において、学習部133は、学習した第1モデルのパラメータを、第2データDB122に格納し、処理を終了する。
【0113】
<4.2.クラスタリング処理>
図12は、情報処理装置10によるクラスタリング処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、当該処理を、第1モデルの学習が終了した後の任意のタイミングにより実行する。
【0114】
ステップS201において、分類部135は、複数の他のユーザの各々の第1ベクトルを、第1データDB121から取得する。
【0115】
ステップS202において、分類部135は、複数の他のユーザの各々の第1ベクトルを複数のクラスに分類する。
【0116】
ステップS203において、分類部135は、クラス毎の代表ベクトルを求める。
【0117】
ステップS204において、分類部135は、分類結果と、クラス毎の代表ベクトルを記憶部120に格納し、処理を終了する。
【0118】
<4.3.情報処理装置10の提示処理>
図13は、情報処理装置10による提示処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、当該処理を、ユーザの画像を受信したこと等により実行する。
【0119】
ステップS301において、受信制御部131は、ユーザの顔と、ユーザの顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを、ユーザ端末20から受信する。
【0120】
ステップS302において、第1抽出部134は、第2データDB122から、学習部133により学習された第1モデルを取得する。また、第2抽出部136は、複数の他のユーザの各々についての第1ベクトルを取得する。
【0121】
ステップS303において、第1抽出部134は、画像データを第1モデルに入力することにより、特徴量として、第1ベクトルを求める。
【0122】
ステップS304において、第2抽出部136は、当該ユーザの第1ベクトルと、他のユーザの第1ベクトルとの距離を類似度として求める。
【0123】
ステップS305において、第2抽出部136は、類似度が最も高い代表ベクトルのクラスを、当該ユーザの属するクラスとする。
【0124】
ステップS306において、第2抽出部136は、第1データDB121から、当該ユーザが属するクラスに属する複数の他のユーザの購買データを取得する。
【0125】
ステップS307において、第2抽出部136は、当該ユーザが属するクラスに属する複数の他のユーザのうち、類似度が最も高い他のユーザを求める。そして、第2抽出部136は、求めた他のユーザの商品の使用データを取得する。
【0126】
ステップS308において、第2抽出部136は、取得した購買データ及び使用データから、当該ユーザに提示する商品をそれぞれ抽出する。第2抽出部136は、任意の方法で、購買データ及び使用データから商品を抽出する。
【0127】
ステップS309において、提示部137は、第2抽出部136が抽出した商品の情報を、ユーザ端末20に送信することにより、抽出した商品をユーザに提示すし、処理を終了する。
【0128】
<4.4.ユーザ端末20の提示処理>
図14は、情報処理装置10による提示処理を行う流れの一例を示すフローチャートである。情報処理装置10は、当該処理を、ユーザの画像を受信したこと等により実行する。
【0129】
ステップS401において、ユーザ端末20は、ユーザの所定の操作により、本開示のユーザ端末20を処理するプログラムを起動する。当該プログラムは、例えば、スマートフォン上で動作するアプリ(アプリケーション)などである。
【0130】
ステップS402において、表示部233は、ユーザの顔と、ユーザの顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを撮影するための画面を、ユーザに表示する。
【0131】
ステップS403において、表示部233は、公知の画像認識技術を用いて、ユーザが所望の画像データを撮影できるように、ユーザの撮影を補助する。
【0132】
ステップS404において、取得部234は、ユーザの操作により、カメラ26による撮影がされると、カメラ26により撮影された画像データを、カメラ26から取得する。
【0133】
ステップS405において、取得部234は、取得した画像データを、送信制御部232に、情報処理装置10に対して送信させる。
【0134】
ステップS406において、受信制御部231は、情報処理装置10から、商品の情報を受信する。
【0135】
ステップS407において、提示部235は、取得した商品の情報に含まれる第1ベクトルから、ユーザのベースカラーを取得する。そして、提示部235は、取得した商品の情報を、ユーザのベースカラー、ユーザに類似する有名人と共に提示し、処理を終了する。
【0136】
<5.小括>
以上説明したように、本開示の技術は、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得し、当該画像データを入力することに応じて、当該ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと当該記画像データとを用いて、当該ユーザのベースカラーを抽出する。そして、本開示の技術は、ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は他のユーザが使用している商品を抽出し、抽出した商品を、当該ユーザに提示する。これにより、本開示の技術は、ユーザに負担なくユーザに合った商品をレコメンドすることができる学習済みモデルを提供することができる。
【0137】
また、本開示の学習済みモデルは、画像データを入力することに応じて、ベースカラーと、顔のパーツの形状とを出力する。これにより、本開示の技術は、ベースカラーと顔のパーツの形状とが類似する他のユーザが購買した、又は他のユーザが使用している商品を抽出し、抽出した商品を、当該ユーザに提示する。これにより、本開示の技術は、ユーザに負担なくよりユーザに合った商品をレコメンドすることができる学習済みモデルを提供することができる。
【0138】
また、本開示の技術は、学習済みモデルは、画像データを入力することに応じて、ベースカラーと、顔のパーツの形状とを、ベクトルで表現した特徴量として出力する。これにより、本開示の技術は、特徴量同士の類似度を、ベクトル同士の演算で算出することができるため、現実的な演算量で他のユーザとのベースカラーと顔のパーツの形状との類似度を求めることができる。このため、本開示の技術は、他のユーザの数が多い場合であっても、当該ユーザに高速にユーザに合った商品をレコメンドすることができる学習済みモデルを提供することができる。
【0139】
また、本開示の技術は、複数の他のユーザの各々について、他のユーザの特徴量を取得し、複数の他のユーザの各々の特徴量をクラスタリングする。本開示の技術は、ユーザの特徴量との類似度が最も高いクラスを求め、求めたクラスに属する複数の他のユーザの購買データを取得する。また、本開示の技術は、購買データから、ユーザに提示する商品を抽出する。これにより、本開示の技術は、当該ユーザに特徴量が類似するクラスの他のユーザが購買した商品を提示することができるため、当該ユーザにより適し、かつ、当該ユーザの購買意欲の高い商品を提示することができる。
【0140】
また、本開示の技術は、複数の他のユーザの各々について、前記他のユーザの前記特徴量を取得し、本開示の技術は、複数の他のユーザのうち、当該ユーザの特徴量との類似度が最も高い他のユーザを求める。本開示の技術は、求めた当該他のユーザの商品の使用データを取得し、使用データから、当該ユーザに提示する商品を抽出する。これにより、本開示の技術は、当該ユーザに特徴量が類似する他のユーザが使用している商品を提示することができるため、当該ユーザにより適し、かつ、当該ユーザの購買意欲の高い商品を提示することができる。
【0141】
また、本開示の技術において、他のユーザは、有名人であるものとすることができる。これにより、当該ユーザは、どのような有名人と自分が似ているか分かり、かつ、その有名人が使用している商品の提示を受けることができる。このため、本開示の技術は、当該ユーザにより適し、かつ、当該ユーザの購買意欲の高い商品を提示することができる。本開示の技術は、ユーザに当該有名人であるユーザに関する情報を化粧品と共に提示することができる。このような構成により、ユーザは自分の肌と類似している有名人が使用している化粧品であることが、ユーザが当該化粧品を購入する動機となる。このため、ユーザの購買意欲をより高めることができる。
【0142】
<6.変形例>
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換及び変更を行なって実施することができる。これらの実施形態及び変形例ならびに省略、置換及び変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【0143】
上記実施形態では、商品が化粧品である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、商品は、サプリメント、栄養食、その他の健康に関する商品であるものとすることができる。また、商品は、美容器具、衣服、アクセサリー、髪型、その他の美容に関する商品であってもよい。このような構成により、本開示の技術は、ベースカラーが類似する他のユーザのヘルスケア、美容に関する商品を提案することができる。このため、本開示の技術は、ユーザに類似する他のユーザが使用している、他のユーザが購入している、といった提示した商品を購買する理由付けをすることができる。よって、本開示の技術は、ユーザの購買意欲を高めることができる。
【0144】
また、商品は、無形商品であってもよい。例えば、商品は、トレーニングプログラム、セミナーなどに関する商品であってもよい。トレーニングプログラムは、例えば、ユーザに類似する他のユーザが実行した美容に関するトレーニングプログラムなどである。セミナーは、例えば、所定のベースカラーの人を対象とした化粧セミナーなどである。この場合、第1データDB121は、ユーザの参加又は実行したトレーニング、セミナーなどの情報を格納する。このような構成により、本開示の技術は、ベースカラーが類似する他のユーザが実行又は参加したトレーニングプログラム、セミナーなどの無形商品を提案することができる。このため、本開示の技術は、ユーザに類似する他のユーザが実行又は参加したしている、といったことを無形商品の購買に対する理由付けをすることができる。よって、本開示の技術は、ユーザの購買意欲を高めることができる。
【0145】
また、情報処理装置10の各機能を、他の装置に構成してもよい。例えば、記憶部120の各DBは、外部のデータベースとして構築してもよい。また、情報処理装置10の各機能を、他の装置に構成してもよい。例えば、記憶部120の各DBは、外部のデータベースとして構築してもよい。
【0146】
また、情報処理装置10の学習処理に用いる機能と、提示処理に用いる機能とを別の装置に構成しても良い。例えば、学習処理に用いる機能を高性能の情報処理装置に構成し、提示処理をスマートフォンにインストールするアプリとして構成することができる。
【0147】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
【0148】
(付記1)プロセッサ(11)を備えるコンピュータ(例えば、情報処理装置10)に処理を行わせるプログラムであって、前記プロセッサに、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得するステップ(S301)と、前記画像データを入力することに応じて、前記ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと、前記画像データとを用いて、前記ユーザのベースカラーを抽出するステップ(S303)と、ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は前記他のユーザが使用している商品を抽出するステップ(S308)と、抽出した前記商品を、前記ユーザに提示するステップ(S309)と、を実行させるプログラム。
【0149】
(付記2)前記学習済みモデルは、前記画像データを解析することにより、前記第1部分を特定し、前記第1部分の色を抽出し、前記第1部分の色をベースカラーとして出力する、(付記1)に記載のプログラム。
【0150】
(付記3)前記学習済みモデルは、前記画像データを入力することに応じて、前記ベースカラーと、顔のパーツの形状とを出力する、(付記1)に記載のプログラム。
【0151】
(付記4)前記学習済みモデルは、前記画像データを入力することに応じて、前記ベースカラーと、前記顔のパーツの形状とを、ベクトルで表現した特徴量として出力する、(付記3)に記載のプログラム。
【0152】
(付記5)前記特徴量は、前記顔のパーツの各々について、他のパーツとの距離又は距離比を要素に含む、(付記4)に記載のプログラム。
【0153】
(付記6)前記特徴量は、ベースカラーの分類を要素に含む、(付記4)に記載のプログラム。
【0154】
(付記7)複数の他のユーザの各々について、前記他のユーザの前記特徴量を取得するステップ(S201)と、前記複数の他のユーザの各々の前記特徴量をクラスタリングするステップ(S202)と、前記ユーザの特徴量との類似度が最も高いクラスを求めるステップ(S304)と、求めたクラスに属する複数の他のユーザの購買データを取得するステップ(S306)と、を実行させ、前記商品を抽出するステップにおいて、前記購買データから、前記ユーザに提示する商品を抽出する、(付記4)に記載のプログラム。
【0155】
(付記8)複数の他のユーザの各々について、前記他のユーザの前記特徴量を取得するステップ(S201)と、複数の他のユーザのうち、前記ユーザの特徴量との類似度が最も高い他のユーザを求めるステップ(S304)と、求めた前記他のユーザの商品の使用データを取得するステップ(S307)と、を実行させ、前記商品を抽出するステップにおいて、前記使用データから、前記ユーザに提示する商品を抽出する、(付記4)に記載のプログラム。
【0156】
(付記9)、前記他のユーザは、有名人である、(付記8)に記載のプログラム。
【0157】
(付記10)、前記第1部分は、首部分である、(付記1)~(付記9)の何れか1項に記載のプログラム。
【0158】
(付記11)、前記商品は、肌に関する商品である、(付記7)~(付記9)の何れか1項に記載のプログラム。
【0159】
(付記12)、前記肌に関する商品は、化粧品である、(付記11)に記載のプログラム。
【0160】
(付記13)、前記商品は、サプリメント、栄養食、その他の健康に関する商品である、(付記7)~(付記9)の何れか1項に記載のプログラム。
【0161】
(付記14)、前記商品は、トレーニングプログラム又はセミナーに関する商品である、(付記7)~(付記9)の何れか1項に記載のプログラム。
【0162】
(付記15)プロセッサ(11)を備える情報処理装置(10)であって、前記プロセッサが、前記プロセッサに、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得するステップ(S301)と、前記画像データを入力することに応じて、前記ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと、前記画像データとを用いて、前記ユーザのベースカラーを抽出するステップ(S303)と、ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は前記他のユーザが使用している商品を抽出するステップ(S308)と、抽出した前記商品を、前記ユーザに提示するステップ(S309)と、を実行する情報処置装置。
【0163】
(付記16)プロセッサ(11)を備えるコンピュータ(例えば、情報処理装置10)が、前記プロセッサに、ユーザの顔と顔以外の肌を含む第1部分とが映っている画像データを取得するステップ(S301)と、前記画像データを入力することに応じて、前記ユーザのベースカラーを出力する学習済みモデルと、前記画像データとを用いて、前記ユーザのベースカラーを抽出するステップ(S303)と、ベースカラーが類似する他のユーザが購買した、又は前記他のユーザが使用している商品を抽出するステップ(S308)と、抽出した前記商品を、前記ユーザに提示するステップ(S309)と、を実行する方法。
【符号の説明】
【0164】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 プロセッサ
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信IF
15 入出力IF
20 ユーザ端末
21 プロセッサ
22 メモリ
23 ストレージ
24 通信IF
25 入出力IF
26 カメラ
30 ネットワーク
40 画面
41 撮影枠
42 顔枠
43 テキストボックス
50 画面
51 テキストボックス
52 テキストボックス
53 テキストボックス
54 商品提示部
55 商品提示部
110 通信部
120 記憶部
121 第1データDB
122 第2データDB
130 制御部
131 受信制御部
132 送信制御部
133 学習部
134 第1抽出部
135 分類部
136 第2抽出部
137 提示部
138 抽出部
139 検索部
210 通信部
220 記憶部
230 制御部
231 受信制御部
232 送信制御部
233 表示部
234 取得部
235 提示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14