(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177284
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】双安定クラッチを有する回転動力伝達デバイス
(51)【国際特許分類】
B60K 23/04 20060101AFI20231206BHJP
F16D 11/10 20060101ALI20231206BHJP
F16D 27/09 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B60K23/04 Z
F16D11/10 Z
F16D27/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023085156
(22)【出願日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】63/347,318
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/197,758
(32)【優先日】2023-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517175611
【氏名又は名称】ジーケーエヌ オートモーティブ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・ドゥランド
(72)【発明者】
【氏名】バラダラジャン・バララマン
(72)【発明者】
【氏名】ブレント・エム・ペウラ
【テーマコード(参考)】
3D036
3J056
【Fターム(参考)】
3D036GD08
3D036GF10
3D036GH06
3D036GH26
3D036GJ01
3J056AA03
3J056AA62
3J056BA06
3J056BB41
3J056DA04
(57)【要約】
【課題】双安定クラッチを有する回転動力伝達デバイスを提供すること。
【解決手段】動力伝達デバイスは、クラッチと、アクチュエータと、停止部材とを含む。クラッチは、第1の筐体内に受け入れられ、第2の筐体に連結される第1のクラッチ部材と、第1の筐体に連結される第2のクラッチ部材とを有し、第2のクラッチ部材は、移動可能であり、第1のクラッチ部材と選択的に係合可能である。アクチュエータは、コイルと、コイルによって生成される磁界によって移動駆動されるプランジャとを有し、プランジャが軸方向に移動し、第1のクラッチ部材に対して第2のクラッチ部材を移動させるようにする。停止部材は、プランジャの移動経路内に、プランジャから離間する後退位置及び前進位置を有し、停止部材が前進位置にある際にプランジャの移動を制限する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転動力伝達デバイスであって、前記回転動力伝達デバイスは、
複数のギヤが回転のために中に受け入れられる内部を有する第1の筐体と、
前記第1の筐体によって支持される第2の筐体と、
前記第1の筐体内に受け入れられ、前記第2の筐体に連結される第1のクラッチ部材及び前記第1の筐体に連結される第2のクラッチ部材を有するクラッチであって、前記第2のクラッチ部材は、移動可能であり、前記第1のクラッチ部材と選択的に係合可能である、クラッチと、
コイル、及び前記コイルによって生成される磁界によって移動駆動されるプランジャを有するアクチュエータであって、前記プランジャは、軸に沿って移動し、前記第1のクラッチ部材に対して前記第2のクラッチ部材を移動させる、アクチュエータと、
前記プランジャの移動経路内で、前記プランジャから離間する後退位置と前進位置との間で移動可能な停止部材であって、前記停止部材が前記前進位置にある際に前記プランジャの移動を制限する停止部材と
を備える、回転動力伝達デバイス。
【請求項2】
前記停止部材は、前記コイルによって生成された磁界に反応して移動する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記停止部材は、第1の極性の電流が前記コイルに供給される際に前記前進位置に向かって移動し、前記停止部材は、第2の極性の電流が前記コイルに供給される際に前記前進位置から離れて移動する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記プランジャは、前記プランジャが前記第2のクラッチ部材と前記第1のクラッチ部材とを係合させない第1の位置を有し、前記プランジャは、前記プランジャが前記第2のクラッチ部材と前記第1のクラッチ部材とを係合させる第2の位置を有し、前記停止部材が前記前進位置にある際、前記停止部材は、前記プランジャが前記第2の位置から離れて移動するのを防止する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記停止部材は、磁界が前記コイルによって生成されない状態で前記前進位置内で維持される、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
保持機構を更に含み、前記保持機構は、前記保持機構が前記停止部材の移動を防止する第1の位置、及び前記停止部材の移動を可能にする第2の位置を有する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記保持機構は、ばねによって前記停止部材の前記移動経路に降伏可能に付勢されるボールを含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記停止部材は、前記コイルによって生成される磁界の内側に永久磁石を含み、前記停止部材は、第1の極性の電流が前記コイルに供給される際に前記前進位置に移動し、前記停止部材は、第2の極性の電流が前記コイルに供給される際に前記後退位置に移動する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項9】
磁気構成要素を更に含み、前記磁石は、前記磁気構成要素に引き付けられる又は前記磁気構成要素から反発され、磁界が前記コイルによって生成されない際に前記前進位置又は前記後退位置のいずれかに前記停止部材を配置させ、磁界が前記コイルによって生成される際、前記停止部材は、前記磁気構成要素と前記磁石との間の力に反して移動する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記停止部材は、前記軸に対して径方向に移動する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記停止部材は、枢動体に連結され、前記停止部材は、前記前進位置と前記後退位置との間で前記枢動体回りに回転する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記枢動体から離間し、第2の極よりも前記停止部材に近い第1の極を有する磁石を更に含み、前記停止部材は、前記コイルが磁界を生成する際に前記枢動体回りに回転する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記停止部材は、前記プランジャの移動を降伏可能に抑制するため、ばねによって前記前進位置に降伏可能に付勢されるボールを含み、前記プランジャは、前記コイルが磁界を生成する際に前記停止部材に対して移動する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第2のクラッチ部材の位置を降伏可能に保持するため、前記第2のクラッチ部材に関連付けられる保持機構を含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記プランジャは、径方向延在停止面を含み、前記径方向延在停止面は、前記停止部材と選択的に径方向に重ねられる、請求項10に記載のデバイス。
【請求項16】
前記停止部材は、丸みの付いた部分を含み、前記プランジャは、突起を含み、前記突起は、前記停止部材を前記前進位置内に降伏可能に保持するため、前記停止部材が前記前進位置にある際に前記丸みの付いた部分に対して受け入れられる、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
回転動力伝達デバイスであって、前記回転動力伝達デバイスは、
複数のギヤが回転のために中に受け入れられる内部を有する第1の筐体と、
前記第1の筐体によって支持される第2の筐体と、
前記第1の筐体内に受け入れられ、前記第2の筐体に連結される第1のクラッチ部材及び前記第1の筐体に連結される第2のクラッチ部材を有するクラッチであって、前記第2のクラッチ部材は、移動可能であり、前記第1のクラッチ部材と選択的に係合可能である、クラッチと、
コイル、及び前記コイルによって生成される磁界によって移動駆動されるプランジャを有するアクチュエータであって、前記プランジャは、軸に沿って移動し、前記第1のクラッチ部材に対して前記第2のクラッチ部材を移動させる、アクチュエータと、
前記プランジャの移動経路内で、前記プランジャから離間する後退位置と前進位置との間で移動可能な停止部材であって、前記停止部材が前記前進位置にある際に前記プランジャの移動を制限する停止部材と
を備え、前記停止部材は、前記コイルによって生成された磁界に反応して移動する、回転動力伝達デバイス。
【請求項18】
前記停止部材は、前記コイルによって生成される磁界の内側に永久磁石を含み、前記停止部材は、第1の極性の電流が前記コイルに供給される際に前記前進位置に移動し、前記停止部材は、第2の極性の電流が前記コイルに供給される際に前記後退位置に移動する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
磁気構成要素を更に含み、前記磁石は、前記磁気構成要素に引き付けられる又は前記磁気構成要素から反発され、磁界が前記コイルによって生成されない際に前記前進位置又は前記後退位置のいずれかに前記停止部材を配置させ、磁界が前記コイルによって生成される際、前記停止部材は、前記磁気構成要素と前記磁石との間の力に反して移動する、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記停止部材は、前記軸に対して径方向に移動する、請求項1に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年5月31日出願の米国仮出願第63/347,318号の利益を主張するものであり、当該出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、クラッチを有する回転動力伝達装置に関し、クラッチは、電気アクチュエータによって駆動され、電気アクチュエータに電気が印加されない状態で、クラッチの係合位置及び解放位置の両方で維持し得る。
【背景技術】
【0003】
電磁アクチュエータは、磁界を生成するワイヤ・コイルに電気を印加することによって、係合位置と解放位置との間でクラッチを移動させるために使用し得る。クラッチの一方又は両方の位置を維持するため、電気は、コイルに連続的に供給され、磁界を連続的に生成させる。この連続的に供給される電気は、車両の電力消費量を増大させ、デバイス及び車両の効率を低減させる。
【発明の概要】
【0004】
少なくともいくつかの実装形態では、回転動力伝達デバイスは、第1の筐体と、第2の筐体と、クラッチと、アクチュエータと、停止部材とを含む。第1の筐体は、複数のギヤが回転のために中に受け入れられる内部を有し、第2の筐体は、第1の筐体によって支持される。クラッチは、第1の筐体内に受け入れられ、第2の筐体に連結される第1のクラッチ部材と、第1の筐体に連結される第2のクラッチ部材とを有し、第2のクラッチ部材は、移動可能であり、第1のクラッチ部材と選択的に係合可能である。アクチュエータは、コイルと、コイルによって生成される磁界によって移動駆動されるプランジャとを有し、プランジャは、軸に沿って移動し、第1のクラッチ部材に対して第2のクラッチ部材を移動させる。停止部材は、プランジャの移動経路内で、プランジャから離間する後退位置と前進位置との間で移動可能であり、停止部材が前進位置にある際にプランジャの移動を制限する。
【0005】
少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、コイルによって生成された磁界に反応して移動する。少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、第1の極性の電流がコイルに供給される際に前進位置に向かって移動し、停止部材は、第2の極性の電流がコイルに供給される際に前進位置から離れて移動する。
【0006】
少なくともいくつかの実装形態では、プランジャは、プランジャが第2のクラッチ部材と第1のクラッチ部材とを係合させない第1の位置を有し、プランジャは、プランジャが第2のクラッチ部材と第1のクラッチ部材とを係合させる第2の位置を有し、停止部材が前進位置にある際、停止部材は、プランジャが第2の位置から離れて移動するのを防止する。少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、磁界がコイルによって生成されない状態で前進位置内に維持される。少なくともいくつかの実装形態では、保持機構は、保持機構が停止部材の移動を防止する第1の位置、及び停止部材の移動を可能にする第2の位置を有する。少なくともいくつかの実装形態では、保持機構は、ばねによって停止部材の移動経路内に降伏可能に付勢されるボールを含む。
【0007】
少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、コイルによって生成される磁界の内側に永久磁石を含み、停止部材は、第1の極性の電流がコイルに供給される際に前進位置に移動し、停止部材は、第2の極性の電流がコイルに供給される際に後退位置に移動する。少なくともいくつかの実装形態では、磁石は、磁気構成要素に引き付けられる又は磁気構成要素から反発され、磁界がコイルによって生成されない際に前進位置又は後退位置のいずれかに停止部材を配置させ、磁界がコイルによって生成される際、停止部材は、磁気構成要素と磁石との間の力に反して移動する。
【0008】
少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、軸に対して径方向に移動する。少なくともいくつかの実装形態では、プランジャは、径方向延在停止面を含み、径方向延在停止面は、停止部材に選択的に径方向に重ねられる。少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、丸みの付いた部分を含み、プランジャは、突起を含み、突起は、停止部材を前進位置内に降伏可能に保持するため、停止部材が前進位置にある際に丸みの付いた部分に対して受け入れられる。
【0009】
少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、枢動体に連結され、停止部材は、前進位置と後退位置との間で枢動体回りに回転する。少なくともいくつかの実装形態では、磁石は、枢動体から離間し、第2の極よりも停止部材に近い第1の極を有し、停止部材は、コイルが磁界を生成する際に枢動体回りに回転する。
【0010】
少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、プランジャの移動を降伏可能に抑制するため、ばねによって前進位置に降伏可能に付勢されるボールを含み、プランジャは、コイルが磁界を生成する際に停止部材に対して移動する。少なくともいくつかの実装形態では、保持機構は、第2のクラッチ部材の位置を降伏可能に保持するため、第2のクラッチ部材に関連付けられる。
【0011】
少なくともいくつかの実装形態では、回転動力伝達デバイスは、複数のギヤが回転のために中に受け入れられる内部を有する第1の筐体と、第1の筐体によって支持される第2の筐体と、第1の筐体内に受け入れられ、第2の筐体に連結される第1のクラッチ部材及び第1の筐体に連結される第2のクラッチ部材を有するクラッチであって、第2のクラッチ部材は、移動可能であり、第1のクラッチ部材と選択的に係合可能である、クラッチと、コイル、及びコイルによって生成される磁界によって移動駆動されるプランジャを有するアクチュエータであって、プランジャは、軸に沿って移動し、第1のクラッチ部材に対して第2のクラッチ部材を移動させる、アクチュエータと、停止部材とを含む。停止部材は、プランジャの移動経路内で、プランジャから離間する後退位置と前進位置との間で移動可能であり、停止部材が前進位置にある際にプランジャの移動を制限し、停止部材は、コイルによって生成された磁界に反応して移動する。
【0012】
少なくともいくつかの実装形態では、停止部材は、プランジャの位置を保持し、例えば、アクチュエータのコイルへの電力を維持する必要なく、クラッチを係合トルク伝達状態で維持可能にする。このように、クラッチの状態をより少ない電力消費量で維持でき、デバイスの効率が改善される。停止部材は、停止部材が、コイルによって生成された磁界に反応して移動するように、磁石を含み得る。鉄又は磁気構成要素は、停止部材を引き付ける又は反発させるように設けることができ、そのような引付け力又は反発力は、コイルによって生成される磁界によって乗り越えられ、停止部材の前進位置と後退位置との間の移動を制御する。
【0013】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明及び最良の形態を、添付の図面を参照しながら示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】電気作動クラッチと電気作動停止部材とを有するディファレンシャルの一部分の断面図であり、クラッチは、解放位置で示される。
【
図2】ディファレンシャルの一部分の断面図であり、クラッチは係合位置で示され、停止部材は前進位置で示される。
【
図3】デテント保持部材を含む電気作動クラッチの一部分の断面図である。
【
図4】電気作動クラッチと電気作動停止部材とを有するディファレンシャルの一部分の断面図であり、クラッチは、解放位置で示される。
【
図5】ディファレンシャルの一部分の断面図であり、クラッチは係合位置で示され、停止部材は前進位置で示される。
【
図6】前進位置で示される、枢動体を有する電気作動停止部材の一部分の断片断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面をより詳細に参照すると、
図1及び
図2は、eアクスル(例えば、eモータ駆動最終駆動ユニット又はあらゆる駆動組立体)内で使用し得るもの等のディファレンシャル10の一部分を示す。ディファレンシャル10は、外側筐体12と、2つ以上のピニオン・ギヤ14(
図1及び
図2では1つのみ示される)と、回転シャフト20、22に連結されるように構成される一対のサイド・ギヤ16、18とを含み、回転シャフト20、22は、例えば、車輪を駆動し得る。したがって、サイド・ギヤ16、18は、シャフト軸24回りに(
図1に概略的に示される)シャフト20、22と共に回転し、ピニオン・ギヤ14は、ピニオン・ギヤ・シャフト28によって画定される軸26回りに回転可能であり、ピニオン・ギヤ・シャフト28は、ピニオン・ギヤを通じて延在する。
【0016】
ディファレンシャル10は、クラッチ組立体30も含み、クラッチ組立体30は、アクチュエータ32によって駆動され、アクチュエータ32は、環状ワイヤ・コイル36を有するソレノイド34と、駆動部材とを有し、駆動部材は、電機子又はプランジャ38を含むことができ、電機子又はプランジャ38は、コイル36の少なくとも部分的に径方向内側に、コイル36と軸方向に重ねて受け入れることができる。少なくともいくつかの実装形態では、プランジャ38も環状であり、プランジャ38及びコイル36は、軸24回りに同軸に配置され、ディファレンシャル10の外側筐体12によって支持され、外側筐体12と共に回転する。1つのシャフト20は、コイル36及びプランジャ38を通じて延在する筐体12の一部分を通じて同軸に延在する。電力は、コイル36に供給され、磁界を生成し、磁界は、コイル36及び外側筐体12に対して、第1の位置又は後退位置(
図1)から第2の位置又は前進位置(
図2)にプランジャ38を変位させる。動力がコイル36に供給されていない際に第2の位置から第1の位置へのプランジャ38の戻りを促進するため、以下に示すように、ばね42等の付勢部材をプランジャ38上又はプランジャと係合する構成要素上で作用させ得る。少なくともいくつかの実装形態では、クラッチ組立体30は、プランジャ38が第2の位置内にある際に係合され、クラッチ組立体30は、プランジャ38が第1の位置にある際に解放される。図示の例では、動力がコイル36に供給される際にプランジャ38が第2の位置にあり、動力がコイル36に供給されていない際にプランジャ38が第1の位置に移動するが、所望される場合、反対も当てはまり得る(例えば、クラッチ組立体30は、付勢部材42によって係合位置に移動し、コイル36への動力供給によって解放し得る)。
【0017】
少なくともいくつかの実装形態では、クラッチ組立体30は、ドッグ・クラッチ等の係合クラッチであり、(プランジャの中心軸24によって画定される)軸方向に移動可能ではない第1のクラッチ部材44と、第1の部材44に対して軸方向で移動可能な第2のクラッチ部材46とを含む。
【0018】
少なくともいくつかの実装形態では、クラッチ組立体30は、例えば、いわゆるフリー・ランニング・ディファレンシャル10内で使用し得る。フリー・ランニング・ディファレンシャル10は、フリー・ランニング・ディファレンシャル10を通じたトルク伝達を選択的に遮断、許可するものである。このデバイスでは、第1の回転本体は、外側ディファレンシャル筐体12であり、第2の回転本体は、内側筐体48であり、第1の回転本体及び第2の回転本体は、共通の回転軸24回りに回転する。内側筐体48は、クラッチ歯を含むか、又は図示の実装形態の場合のように、内側筐体48は、クラッチ歯50を含む第1のクラッチ部材44に接続される。図示の例では、第1のクラッチ部材44は、ピニオン・ギヤ・シャフト26に連結され、第2のクラッチ部材46に対する軸方向移動が抑制される。
【0019】
図2を参照すると、第2のクラッチ部材46は、プランジャ38の軸24と同軸とし、ピニオン・ギヤ14の外側寄りに(即ち、ピニオン・ギヤ14よりも軸24から遠くに)受け入れることができる。第2のクラッチ部材46は、前面54よりもプランジャ38に近い後面52を含むことができ、前面54は、ギヤ又はクラッチ歯56(例えば、ドッグ・クラッチ歯)等の少なくとも1つの係合特徴部を有し、少なくとも1つの係合特徴部は、第1のクラッチ部材44上に形成された対応する係合特徴部(例えば、ギヤ又はドッグ・クラッチ歯50)を係合するように構成される。
【0020】
少なくともいくつかの実装形態では、第2のクラッチ部材46は、保持体58に接続し得る。保持体58は、第2のクラッチ部材46を径方向に配置する及び/又は径方向外面をもたらすことができ、径方向外面は、必要に応じて、第2のクラッチ部材46の位置の検出(したがって、クラッチ30の状態の決定)を可能にする適切なセンサによって検出される。図示の実施形態では、保持体58は、環状であり、外側筐体12の管状部分62にわたり受け入れられる中心開口60を含み、中心開口60回りにプランジャ38が受け入れられる。少なくともいくつかの実装形態では、軸方向に延在する支持は、外側筐体12の管状部分62から径方向に離間する場所で保持体58を第2のクラッチ部材46に接続するように、環状フランジ64、又は開口60から径方向に離間する離間フィンガによって画定し得る。第2のクラッチ部材46は、第2のクラッチ部材46の後面52に隣接する保持体58の第1の面66と、支持面64の径方向屈曲端部68との間に閉じ込めることができ、支持面64の径方向屈曲端部68は、第2のクラッチ部材46の径方向内面に形成される溝70内に画定されるように、第2のクラッチ部材46の径方向延在面を係合する。このように、保持体58及び第2のクラッチ部材46は、第2のクラッチ部材46の両方の移動方向で一緒に移動する。ばね42は、第2のクラッチ部材の歯56が第1のクラッチ部材の歯50と噛合しない後退位置に第2のクラッチ部材46を付勢するように、保持体58の第1の面66によって保持され、第1の面66上で作用し得る。ばね42は、外側筐体12の一部分と保持体58の一部分との間に受け入れられ、第2のクラッチ部材46の径方向内側若しくは径方向外側又はこれらの両方に位置し得る(例えば、2つ以上のばねを設け得る)。コイル36及びプランジャ38のように、第2のクラッチ部材46も外側筐体12によって保持され、外側筐体12と共に回転する。
【0021】
プランジャ38は、複数の材料から形成でき、これら複数の材料は、コイル36によって生成される磁界に磁気的に反応する材料、及び磁界に反応しても、反応しなくてもよい少なくとも1つの他の材料を含む。したがって、磁界がコイル36によって生成される場合、プランジャ38は、一方の位置からもう一方の位置に(例えば、後退位置から前進位置に)駆動し得る。本明細書に記載のもの等の用途で使用される種類のソレノイド34によって生成される大きさの磁界が、そのような材料から形成される又はそのような材料を含む構成要素を変位し得る場合、本明細書で使用する材料は、磁界に反応する。
【0022】
少なくともいくつかの実装形態では、
図1及び
図2に示されるように、プランジャ38は、軸24と同軸とし得る中心軸を有する主要本体を含み、プランジャ38は、第1の本体74及び第2の本体76によって画定でき、第1の本体74及び第2の本体76は、一緒に連結され、1つのユニット又は構成要素として移動し、使用中、分離しない。第1の本体74は、磁気反応材料から形成し、コイル36に隣接して、コイル36の径方向内側に、第1の本体74とコイル36との間にわずかな空隙を伴って受け入れ得る。第2の本体76は、第1の本体74の少なくとも一部分の径方向内側にある少なくとも一部分を有し得る。第2の本体76は、環状とすることができ、少なくともいくつかの実装形態では、第1の本体74の一部に径方向に重なり得る。第2の本体76は、第1の本体74上に好都合にオーバーモールドし、第2の本体の形成、並びに第1の本体及び第2の本体の一緒の接続を促進し得る。しかし、限定はしないが、鋳造、打抜き又は押出し等の他の形成方法を使用し得る。
【0023】
図示の実装形態では、プランジャ38は、径方向外側延在端部品78を含むか、又はこの径方向外側延在端部品78に関連付けられ、径方向外側延在端部品78は、軸方向延在リム80を有し、軸方向延在リム80は、第2のクラッチ部材46が径方向に重ねられる位置で保持体58の第2の面79を係合する。即ち、リム80は、第2のクラッチ部材46と径方向に位置合わせされる。少なくともいくつかの実装形態では、端部品78は、第2の本体76と同じ材料部品で形成しても、第2の本体76に固定される個別構成要素として形成してもよい。当然、必要に応じて、他の実装形態を利用し得る。第2の本体76は、磁気的に反応しない材料(例えば、プラスチック、アルミニウム、ステンレス鋼等)から形成し、第1の本体74の領域上又は第1の本体74の領域内の磁界強度を改善する種類の磁束遮蔽部を提供し、コイル36に通電した際のプランジャ38の適切な反応を保証し得る。このようにして、磁界は、第1の本体74の領域内により多く集中する、又はより強力であり、第1の本体における又は第1の本体内の磁束を増大させ、生成された磁界に対するプランジャ38の反応を改善する。
【0024】
図1及び
図2に示すように、第2の本体76は、ディファレンシャル筐体12の表面84に隣接して又は表面84の周囲に受け入れられる内面82を有し得る。内面82は、ディファレンシャル筐体12に対してプランジャ38を線形軸方向で案内移動するように、ディファレンシャル筐体12の環状面84にわたりプランジャ38を受け入れるパイロット径を画定し得る。少なくともいくつかの実装形態では、筐体表面84は、筐体12の管状延在部にわたり受け入れられるスリーブ86によって画定し得る。スリーブ86は、表面84の少なくとも一部を画定する外面を有する軸方向延在部分88と、プランジャ38の後面92(即ち、第2のクラッチ部材46から最も遠い面又は側)に隣接し、この方向でのプランジャ38の移動を制限し得る径方向延在部分90とを含み得る。径方向延在部分90も、コイル36が中で受け入れられるコイル筐体96に接続され、外側筐体12に対してコイル筐体96を径方向に配置、保持し得る。他の又は更なる保持特徴部は、外側筐体12上に又は外側筐体12に対してコイル36を組み付けるために設け得る。
【0025】
図1において、ディファレンシャル10は、クラッチ30の解放位置で示される。図示の実装形態では、クラッチ30の解放位置において、コイル36に動力が供給されず、プランジャ38は第1の位置(即ち、後退位置)にあり、第2のクラッチ部材46は、第1のクラッチ部材44と係合されない(即ち、第2のクラッチ部材歯56は、第1のクラッチ部材歯50と噛合しない)。切離し位置において、シャフト/アクスル20、22は、有効に駆動されず、第2のクラッチ部材46及び外側筐体12に対して回転し得る。
【0026】
クラッチ30を解放位置から
図2に示す係合位置に変更するため、コイル36に電力を供給し、プランジャ38を第2の位置(即ち、前進位置)で駆動する磁界を生成し、これにより、第2のクラッチ部材46を駆動し、第1のクラッチ部材と係合させる(即ち、歯58は、歯50と係合、噛合する)。この位置において、内側筐体48は、外側筐体12に連結し、外側筐体12と共に回転し、トルクはアクスル20、22に伝達される。
【0027】
少なくともいくつかの実装形態では、コイル36への電力を維持する必要なく、クラッチ30の係合位置を維持したいという要望がある。少なくともいくつかの実装形態では、このことは、磁気に反応する停止部材100と共に達成される。
図1及び
図2に示す例では、停止部材100は、1つ又は複数の板(複数可)又はポスト(複数可)であり、ポストとして更に説明し、ポストは、ポストに連結される永久磁石102を有し、永久磁石102は、北極及び南極を有し、コイル36によって生成される磁界内に組み付けられる。
図1に示す後退位置では、停止部材100は、プランジャ38の移動を妨げない。
図2に示す停止部材100の前進位置において、停止部材100の自由端部104又はもう一方の部分は、プランジャ38と径方向に重ねられて、プランジャ38の移動経路内に配置される。したがって、停止部材100は、前進すると、プランジャ38を係合し、プランジャ38の後退位置に戻る移動を防止する。プランジャ38は、このようにすると、前進位置で維持され、第2のクラッチ部材46を前進させ、第1のクラッチ部材44と係合させ、この位置は、コイルへの給電が終了した後に維持し得る。
【0028】
第1の極の電流がコイル36に供給される場合、プランジャ38は、その前進位置に移動し、停止部材100を前進させる。コイルにもはや通電されていない場合、停止部材100は、その前進位置内に留まり、プランジャ38を前進位置で保持し、クラッチ30を係合状態で保持する。
【0029】
プランジャ38が後退位置に戻り、クラッチ30が解放状態に戻るのを可能にするため、停止部材100は、後退位置に移動する。このことを行うため、第2の、反対の極の電流がコイル36に供給される。このことにより、反対の磁界が生成され、磁界は、第1の極の電流によって生成される磁界とは反対の方向で、停止部材100の永久磁石102上に力をもたらす。この力により、停止部材100を後退位置に移動させる。金属的/磁気的に反応するプランジャ38に関し、第2の、反対の極及び関連する磁界は、プランジャを前進位置に移動させる性質ももつ。停止部材100が後退すると、コイル36への電流を終了でき、これにより、プランジャ38に作用する磁界を終了させる。この終了が生じると、ばね42は、プランジャ38に作用し、プランジャ38及び第2のクラッチ部材46を後退位置に駆動し、これにより、クラッチ30を解放する。
【0030】
異なる極の電気をコイル36に供給可能にするため、適切な回路106を電源108とコイル36との間に設け得る。この回路106は、説明したようにコイル36に電力を供給するのに適しているHブリッジ110又は他のスイッチング構成又は他の回路構成を含み得る。
【0031】
磁気的に反応し、電気的/磁気的に駆動される停止部材は、様々な様式で実装し得る。
図1及び
図2の例では、停止部材100は、コイル36の前側部112に、コイル36と第2のクラッチ部材46との間に軸方向に組み付けられる。停止部材100は、この実装形態では、プランジャ38に対して径方向に移動し、プランジャ38の径方向延在停止面114を選択的に係合する。この停止面114は、プランジャ38の径方向外面内に形成される溝内に、プランジャの前面116と後面92との間に画定されるものとして示される。
【0032】
図4及び
図5に示す例では、
図1及び
図2の実施形態に対して使用したものと同じ参照番号を使用して同じ又は同様の構成要素を指定し、この更なる実施形態の説明は、
図1及び
図2の実施形態との差に焦点を当てる。この実装形態では、停止部材120は、コイル筐体96の後側部122に組み付けられ、コイル36は、停止部材120と第2のクラッチ部材46との間にある。停止部材120は、この実装形態では、径方向内側に、プランジャ38に対して移動し、プランジャ38の径方向延在停止面を選択的に係合する。この停止面は、プランジャ38の後面92によって画定されるものとして示される。この実装形態では、停止部材120のシャフト124又はヘッド126上に磁石を設け得る。停止部材シャフト124は、必要に応じて、コイル筐体96又は隣接構造体内のボア129又は通路内で摺動し、磁石128(例えば、北極及び南極を有する永久磁石)を含み得る。鉄プラグ131又は他の鉄構造体(例えば、磁気構成要素)は、停止部材120の移動経路の一端部において又はその近くに設けることができ、磁石128を鉄プラグ131に引き付け、電機子からの適切な磁界が停止部材120に作用するまで停止部材120を後退位置で保持し得る。プラグ131は、好都合に通し、回転させ、停止部材の後退位置のために望ましい停止部をもたらす位置に至らせることができる。少なくともいくつかの実装形態では、シャフト124は、ヘッド126を越えて延在でき(又は停止部材120はヘッドから延在する突起を含み得る)、後退位置から離れるプランジャ38の移動を制限する係合面を提供し得る(即ち、シャフト124は、プランジャの後退位置を画定し得る)。このことは、
図4に示され、プランジャは後退し、クラッチは解放状態にあり、プランジャ38の後面92はヘッド126の径方向内側の場所でシャフト124と接触する。
【0033】
図5では、クラッチ30は、係合状態で示され、プランジャ38は、前進状態で示され、停止部材120は前進状態で示される。この位置において、ヘッド126は、プランジャ38の後面92に径方向に重なり、プランジャ38の後面92と接触し、プランジャを前進位置で維持する。プランジャ38及び停止部材120は、停止部材100を参照して説明したのと同様に、それぞれの後退位置と前進位置との間で駆動し得る。
【0034】
図6に示す例では、停止部材130は、コイル筐体96又は隣接構造体に接続されるピン132等の回りに枢動可能にコイル36に組み付けられ、プランジャ36に対して、前進位置と後退位置との間で停止部材130を回転又は枢動移動させる。回転又は枢動方向は、コイル36に供給される電流の極に応じて制御でき、停止部材130の移動又は保持は、コイル筐体96上の永久磁石134によって可能にでき、一方の極は、停止部材130の端部136の近くに配置され、端部136は、プランジャ38を前進位置で係合する端部138としてのピン132の反対側にある。
【0035】
少なくともいくつかの実装形態では、プランジャ38に作用するばね42の力は、プランジャ38を停止部材100、120に対して保持し、停止部材100、120を前進位置で保持する、又は前進位置での保持を助けることができる。更に、少なくともいくつかの実装形態では、鉄材料又は磁石は、停止部材が前進位置にある際に停止部材100、120上の磁石の近くに設け、前進位置での停止部材の保持を助け得る(即ち、停止部材に関連付けられた永久磁石は、停止部材の位置を保持する性質のある力をもたらし得る)。
【0036】
必要な場合、
図4及び
図5に示される停止部材120及びプランジャ38は、デテント又は他の構成を含み、前進位置での停止部材120を保持する又は停止部材120の保持を改善し得る。この実装形態では、このことは、停止部材120のヘッド126の丸みの付いた部分140(軸方向可変面)、及びプランジャ38の後面92からずれた軸方向突起142として示され、軸方向突起142は、
図5に示されるように、停止部材120が前進する際に丸みの付いた部分140に載置される。このように構成された停止部材120の径方向移動は、プランジャがばね42によって作用を受け、ばね力下で停止部材120に対して保持される状態で、停止部材120とプランジャ38との係合を増大させる。
【0037】
他の構成を使用し、停止部材の前進位置での保持を改善し得る。例えば、
図1及び
図2で示される(
図2で標示される)実装形態では、ボール・デテント機構144は、コイル筐体96上に設けられる。このボール・デテント機構144は、ボール146を含み、ボール146は、ばね148によって付勢され、
図2に示すように停止部材100が前進した際に停止部材100の端部150(又は他の部分)に重なり、停止部材を後退させるために停止部材に作用するよりも強力な力がなければ、停止部材の径方向後退を遮断する。停止部材100を後退させるために使用される磁界の力は、ボール146上のばね付勢力を乗り越え、停止部材100の後退を可能にするのに十分なものである。
【0038】
次に、
図3に示すように、ボール・デテント又は他の保持機構を実装し、プランジャ38及び第2のクラッチ部材46の一方又は両方の位置を一時的に保持し得る。
図3において、第1のデテント機構152は、ボール154を含み、ボール154は、ばね156によってプランジャ38に向かって付勢され、所望の位置(例えば、少なくともいくつかの実装形態では、前進位置)でプランジャ38を降伏可能に保持する。第2のデテント機構158は、ボール160を含み、ボール160は、ばね162によって第2のクラッチ部材46に向かって付勢され、所望の位置(例えば、少なくともいくつかの実装形態では、前進位置)で第2のクラッチ部材46を降伏可能に保持する。この背景において、降伏可能とは、デテント機構に対して構成要素を移動させるために構成要素に作用するデテント機構よりも強力な力がなければ、構成要素が1つの位置で保持されることを意味する。
【0039】
電気駆動アクチュエータの場合、クラッチ30は、所望のトルク伝達構成をもたらすように選択的に係合、解放し得る。電気駆動停止部材100、120、130は、コイル36への電流供給を維持する必要なく、クラッチ30の係合状態を維持可能にする。このように、プランジャ38は、コイル36への電気を必要とせずに、後退状態及び前進状態の両方で維持でき、電気は、上記で示したようにクラッチ30の状態を変更するためにコイル36に供給し得る。代替的に、プランジャ38が前進位置にばね付勢され、ソレノイド34によって後退位置に移動する構成において、停止部材は、コイル36に電流を供給しない状態で、プランジャ38の後退位置及びクラッチ30の解放状態を維持するように構成し得る。
【0040】
本明細書で開示する本発明の形態は、本発明の好ましい実施形態を構成し、多数の他の形態及び実施形態が可能である。本明細書では、本発明に対する全ての可能な等価形態又は派生物を述べることを意図しない。本明細書で使用される用語は、制限ではなく、説明にすぎず、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく様々な変更を行い得ることを理解されたい。例えば、eアクスルの用途等で使用し得るディファレンシャルの切離しを参照しながら説明するが、電気作動クラッチ及び電磁作動停止部材は、広範囲の用途で使用し得る。例えば、限定はしないが、クラッチ及び停止部材は、内燃機関ドライブトレイン、ハイブリッド電気ドライブトレイン等の2次的な駆動用途においてクラッチの所望の位置を維持するために使用し得る。このシステムは、1次ドライブ・アクスルを有する内燃機関又はハイブリッド電気車両上の前又は後アクスルと共に使用でき、この場合、2次ドライブ・アクスルは、常に必要ではなく、切り離し得る。この切離しシステムは、説明したディファレンシャル、又は当技術分野で公知の異なる切離し組立体の範囲内とし得る。この切離しシステムは、2ドライブ・アクスル及びオフロード用途のようなより大型の用途上にあっても、ロッキング・デファレンシャル内にあってもよい。また、このシステムは、トランスファ・ケース又は動力伝達ユニット及び伝達システムの場合のように、前方であれ、後方であれ、ハイポイド・ギヤを含むアクスル組立体等のあらゆる最終駆動ユニットのために使用し得る。
【0041】
特許請求の範囲内で使用される全ての用語は、反対の明示的な指示が本明細書でなされない限り、用語の最も広範で妥当な構成及び当業者が理解する用語の通常の意味を与えられることを意図する。特に、「1つ(a、the、said)」等の単数形冠詞の使用は、特許請求の範囲が反対の明示的な限定を列挙しない限り、示される要素の1つ又は複数を列挙するように読まれるべきである。
【外国語明細書】