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特開2023-177290固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法
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  • 特開-固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法 図1
  • 特開-固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法 図2
  • 特開-固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法 図2a
  • 特開-固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法 図3
  • 特開-固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法 図4
  • 特開-固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法 図5
  • 特開-固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法 図6
  • 特開-固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177290
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置及び粉砕装置を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   B02C 18/00 20060101AFI20231206BHJP
   B02C 25/00 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B02C18/00 102A
B02C25/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023086655
(22)【出願日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】20 2022 103 106.1
(32)【優先日】2022-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518285555
【氏名又は名称】フォーゲルザンク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Vogelsang GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ブルホルスト,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】レムカー,コルト
【テーマコード(参考)】
4D065
4D067
【Fターム(参考)】
4D065CA16
4D065CB02
4D065CC06
4D065DD08
4D065DD18
4D065EB17
4D065ED01
4D065ED11
4D065ED22
4D065EE02
4D065EE07
4D067FF02
4D067FF04
4D067FF13
4D067FF15
4D067GA15
4D067GA17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者の用途に関係なく、ユーザフレンドリであると同時に最適な粉砕装置の運転を、同時に可能な限り長い耐用年数で可能にする粉砕装置、および粉砕装置を制御する方法提供する。
【解決手段】固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置(1)であって、切断装置(20)が、回転可能に支持された駆動シャフト(10)、少なくとも1つの第1の刃先を含む第1の切断要素(21)、及び少なくとも1つの第2の刃先を含む第2の切断要素(22)を有し、少なくとも第1の切断要素(21)が駆動シャフト(10)と耐トルク的に接続され、かつ第1の移動軌道上で第2の切断要素(22)に対して相対的に移動可能に配置されている、粉砕装置において、粉砕装置(1)は、動作中、固体含有媒体を粉砕するために、第1の動作モード、及び第1の動作モードとは異なる少なくとも1つの第2の動作モードで動作可能に形成されていることを特徴とする、粉砕装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置(1)であって、
前記粉砕装置(1)は、
切断装置(20)を駆動するために駆動装置(40)と結合可能である回転可能に支持された駆動シャフト(10)
を備え、
前記切断装置(20)は、
少なくとも1つの第1の刃先を含む第1の切断要素(21)と、
少なくとも1つの第2の刃先を含む第2の切断要素(22)と、を有し、
前記第1の切断要素(21)と前記第2の切断要素(22)とは、前記第1の切断要素(21)と前記第2の切断要素(22)との相対移動によって、前記少なくとも1つの第1の刃先と前記少なくとも1つの第2の刃先との間にせん断作用が生成されるように互いに相対的に移動可能に配置され、
前記第1の切断要素(21)が前記駆動シャフト(10)と耐トルク的に接続され、かつ第1の移動軌道上で前記第2の切断要素(22)に対して相対的に移動可能に配置され、
前記固体含有媒体を粉砕するための前記粉砕装置(1)は、動作中、第1の動作モード、及び前記第1の動作モードとは異なる少なくとも1つの第2の動作モードで動作可能であり、前記固体含有媒体を粉砕するために、制御装置によって前記粉砕装置を前記第1の動作モードと前記少なくとも第2の動作モードとの間で設定可能である、
粉砕装置(1)。
【請求項2】
可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置(1)であって、
前記粉砕装置(1)は、
前記粉砕装置を駆動するために駆動装置(40)と結合可能である回転可能に支持された駆動シャフト(10)と、
切断装置(20)であって、
少なくとも1つの第1の刃先を含む第1の切断要素(21)と、
少なくとも1つの第2の刃先を含む第2の切断要素(22)と、を有する切断装置と、
を備え、
前記第1の切断要素(21)と前記第2の切断要素(22)とは、相対移動によって前記少なくとも1つの第1の刃先と前記少なくとも1つの第2の刃先との間にせん断作用が生成されるように互いに相対的に移動可能に配置され、
前記少なくとも第1の切断要素(21)が前記駆動シャフト(10)と耐トルク的に接続され、かつ第1の移動軌道上で前記第2の切断要素(22)に対して相対的に移動可能に配置され、
前記少なくとも第1の切断要素(21)と前記第2の切断要素(22)とが第2の移動軌道上で互いに相対的に並進移動可能に配置され、
検出装置(60)が、前記第2の切断要素への前記第1の切断要素の押付圧を検出する、並びに/或いは前記第1の切断要素と前記第2の切断要素との互いに相対的な配置を検出するように設けられ、かつ設計され、
調整装置(30)が、刃先距離を設定するために、前記第1の切断要素と前記第2の切断要素との間に所望の押付圧及び/又は距離が設定されるまで、前記第1の切断要素と前記第2の切断要素を第2の移動軌道上で互いに相対的に変位させるように設けられ、かつ設計される、
粉砕装置(1)。
【請求項3】
可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置(1)であって、
前記粉砕装置(1)は、
前記粉砕装置を駆動するために駆動装置(40)と結合可能である回転可能に支持された駆動シャフト(10)と、
切断装置(20)であって、
少なくとも1つの第1の刃先を含む第1の切断要素(21)と、
少なくとも1つの第2の刃先を含む第2の切断要素(22)と、を有する切断装置と、
を備え、
前記第1の切断要素(21)と前記第2の切断要素(22)とは、相対移動によって前記少なくとも1つの第1の刃先と前記少なくとも1つの第2の刃先との間にせん断作用が生成されるように互いに相対的に移動可能に配置され、
前記少なくとも第1の切断要素(21)が前記駆動シャフト(10)と耐トルク的に接続され、かつ第1の移動軌道上で前記第2の切断要素(22)に対して相対的に移動可能に配置され、
前記切断装置(20)が、粉砕中空室(4)内で、粉砕された固体含有媒体が前記粉砕中空室(4)から流出できる開口出口と、粉砕されるべき固体含有媒体が前記粉砕中空室(4)に流入できる開口入口との間に配置され、
前記粉砕装置(1)がシールアセンブリ(90)を有し、前記シールアセンブリは、ポンプ入口及びポンプ出口を含むシール流体ポンプ装置(92)と前記粉砕中空室(4)に隣接して配置され前記ポンプ出口と接続された遮断室(91)とを含み、前記シールアセンブリは、前記ポンプ出口を介して、前記シール流体ポンプ装置によって生成された流体差圧から生じる流体圧力を加えられ、前記流体圧力によって、前記粉砕中空室(4)を前記粉砕中空室(4)からの固体含有媒体の流出に対して前記駆動シャフトに沿ってシールする、
粉砕装置(1)。
【請求項4】
前記遮断室内の遮断室圧力は、前記粉砕中空室(4)内の中空室圧力よりも大きく、好ましくは、前記遮断室圧力は前記中空室圧力よりも少なくとも0.5bar大きい、
請求項3に記載の粉砕装置(1)。
【請求項5】
前記粉砕装置(1)は、動作中、第1の動作モード、及び前記第1の動作モードとは異なる少なくとも1つの第2の動作モードで動作可能であり、前記粉砕装置は、前記第1の動作モードと前記少なくとも第2の動作モードとの間で設定可能である、
請求項2から4のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項6】
前記固体含有媒体の粉砕は、前記第1の動作モード、及び前記第1の動作モードとは異なる少なくとも前記第2の動作モードでの前記粉砕装置(1)の動作中、以下の動作パラメータ、すなわち
前記第1の切断要素(21)の回転数、及び/又は
前記第1の切断要素(21)と前記第2の切断要素(22)との間の押付圧、及び/又は
前記少なくとも1つの第1の刃先と前記少なくとも1つの第2の刃先との間の刃先距離、及び/又は
前記切断装置(20)を通る前記固体含有媒体の体積流量、及び/又は
前記切断装置の上流、特に開口入口(2)の領域における中空室入口圧力、及び/又は
前記切断装置の下流、特に開口出口(3)の領域における中空室出口圧力、及び/又は
前記中空室入口圧力と前記中空室出口圧力との差に相当する中空室差圧、
のうちの1つ又は複数に依存し、
前記第1の動作モードと前記少なくとも第2の動作モードとは、前記少なくとも1つの動作パラメータの少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形の点で区別される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項7】
前記第1の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの動作パラメータからの前記動作パラメータの第1の選択が、前記少なくとも第2の動作モードにおける対応する動作パラメータの目標具現形よりも小さい目標具現形を有することができ、及び/又は
前記第1の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの動作パラメータからの前記動作パラメータの第2の選択が、前記少なくとも第2の動作モードにおける対応する動作パラメータの目標具現形よりも大きい目標具現形を有することができ、及び/又は
前記第1の動作モードにおいて、前記少なくとも1つの動作パラメータからの前記動作パラメータの第3の選択が、前記少なくとも第2の動作モードにおける対応する動作パラメータの目標具現形に相当する目標具現形を有することができる、
請求項1から6のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項8】
前記刃先距離を設定するために、前記少なくとも第1の切断要素と前記少なくとも第2の切断要素とを第2の移動軌道上で互いに相対的に変位させる、及び/又は前記押付圧を設定するために前記第2の移動軌道に沿って力を伝達する、ように設計された調整装置(30)を有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項9】
前記調整装置(30)は、電気的に作動される調整装置(30)及び/又は液圧的に作動される調整装置(30)及び/又は機械的に作動される調整装置(30)である、或いは電気的に作動される調整装置及び/又は液圧的に作動される調整装置及び/又は機械的に作動される調整装置を含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項10】
前記電気的に作動される調整装置(30)は、電気的リニア駆動装置、特に電動シリンダであるか、又は電気的リニア駆動装置、特に電動シリンダを含む、
請求項1から9のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項11】
前記第2の切断要素(22)が穴あきディスクであり、複数の第2の刃先が前記穴あきディスクの開口を画定する壁によって形成される、
請求項1から10のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項12】
前記第1の切断要素は、前記第1の移動軌道に沿って回転可能に配置された刃を含み、前記刃は、好ましくは前記穴あきディスクの表面に回転可能に配置される、
請求項11に記載の粉砕装置(1)。
【請求項13】
動作中に前記粉砕されるべき固体含有媒体が通って前記粉砕装置(1)に入ることができる開口入口(2)と、動作中に前記粉砕された固体含有媒体が通って前記粉砕装置(1)から出ることができる開口出口(3)とを有し、粉砕中空室(4)が、前記固体含有媒体の搬送方向で下流に位置する前記開口出口を前記開口入口と流体技術的に接続する、
請求項1から12のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項14】
前記切断装置(20)は、前記開口出口と前記開口入口との間の前記粉砕中空室(4)内に配置される、
請求項13に記載の粉砕装置(1)。
【請求項15】
前記固体含有媒体を体積流量で切断装置(20)を通して搬送するためのポンプ装置(50)を有する、
請求項1から14のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項16】
前記ポンプ装置(50)は、前記固体含有媒体の体積流量を設定するために調整可能なポンプである、又は調整可能なポンプを含む、
請求項15に記載の粉砕装置(1)。
【請求項17】
前記動作パラメータの実具現形を検出する、特に前記第1の切断要素と前記第2の切断要素との互いの離隔を検出する、及び/又は前記刃先距離を検出する、ように設計された検出装置(60)を有し、
前記検出装置(60)は、特に、
前記駆動シャフト及び/又は前記第1の切断要素の回転数を検出するための回転数センサ、並びに/或いは
圧力損失を検出するための圧力損失センサ、並びに/或いは
前記粉砕装置における前記固体含有媒体の充填レベルを検出するための充填レベル監視センサ、並びに/或いは
前記粉砕装置の振動を検出するための振動センサ(61)、並びに/或いは
前記固体含有媒体の体積流量を検出するための体積流量センサ、及び/又は
前記押付圧を検出するための圧力センサ、並びに/或いは
前記粉砕中空室内の中空室圧力を検出するための1つ又は複数の中空室圧力センサ(62)、並びに/或いは
前記刃先距離を検出するための距離センサ、
を含む、
請求項1から16のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項18】
前記動作モード、及び/又は前記それぞれの動作モードの前記動作パラメータの前記目標具現形を選択及び/又は入力するように設計された入力装置(70)、並びに/或いは
前記切断装置を駆動するために前記駆動シャフト及び/又は前記切断装置と耐トルク的に結合された駆動装置(40)、並びに/或いは
前記調整装置(30)及び/又は前記駆動装置(40)及び/又は前記ポンプ装置(50)及び/又は前記検出装置(60)及び/又は前記入力装置(70)と信号技術的に結合可能であるか、又は結合された制御装置(80)、を有し、
前記動作パラメータの前記実具現形を検出する、及び/又は
前記動作パラメータの前記実具現形を前記動作パラメータの前記目標具現形と比較する、及び/又は
前記動作モードに応じて前記動作パラメータの目標具現形を設定する、及び/又は
前記動作パラメータの前記実具現形と前記動作パラメータの前記目標具現形との比較に応じて前記動作パラメータの前記具現形を設定する、
ように設計されている、
請求項1から17のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)。
【請求項19】
可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置(1)、特に請求項1から18のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)を制御する方法(1000)であって、
前記粉砕装置(1)を始動する工程(1010)を含み、
動作モードのリストであって、第1の動作モードと、前記第1の動作モードとは異なる少なくとも1つの第2の動作モードを含む動作モードのリストから1つの動作モードを選択する工程(1020)、及び
前記選択された動作モードに応じて前記粉砕装置(1)を用いて前記固体含有媒体を粉砕する工程(1030)、
を特徴とする、
方法。
【請求項20】
前記第1の目標具現形及び/又は前記少なくとも1つの第2の動作モードであって、少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形の点で区別される、前記第1の動作モード及び前記少なくとも1つの第2の動作モードの少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形を決定する工程(1040)を含む、
請求項19に記載の方法(1000)。
【請求項21】
選択された動作モードに応じて、前記少なくとも1つの動作パラメータの少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形を設定する工程(1050)、及び
前記少なくとも1つの動作パラメータの前記目標具現形に応じて前記粉砕装置(1)を作動させる工程(1060)
を含む、
請求項19又は20のいずれか一項に記載の方法(1000)。
【請求項22】
前記少なくとも1つの動作パラメータの実具現形を検出する工程(1070)、及び/又は
前記少なくとも1つの動作パラメータの前記検出された実具現形を前記目標具現形と比較する工程(1080)、及び/又は
前記少なくとも1つの動作パラメータの前記目標具現形が達成されるまで、前記少なくとも1つの動作パラメータの具現形を適合させる工程(1090)
を含む、
請求項19から21のいずれか一項に記載の方法(1000)。
【請求項23】
可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するために、粉砕装置(1)、特に請求項1から18のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)を制御する方法(2000)であって、
少なくとも1つの第1の刃先と少なくとも1つの第2の刃先との互いの離隔が検出されるまで、調整装置(30)を用いて押付圧を最小化する工程(2010)、及び
前記押付圧が最小である位置で前記少なくとも1つの第1の刃先と前記少なくとも1つの第2の刃先とを互いに保持する工程(2020)
を含む、
方法。
【請求項24】
固体含有媒体の粉砕中に粉砕装置をシールするために、粉砕装置(1)、特に請求項1から18のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)を制御する方法(3000)であって、
圧力センサを用いて、粉砕中空室内の中空室圧力を決定する工程(3010)、及び
シール流体ポンプ装置を用いて、遮断室内の遮断室圧力を前記中空室圧力よりも高く、特に前記中空室圧力よりも少なくとも0.5bar高く設定する工程(3020)、
を含む、
方法。
【請求項25】
可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置(1)、特に請求項1から18のいずれか一項に記載の粉砕装置(1)を制御するための制御装置(80)であって、
請求項19から24のいずれか一項に記載の方法の工程を実行する、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断装置を駆動するために駆動装置と結合可能である回転可能に支持された駆動シャフトと切断装置とを備える、固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置に関し、切断装置は、少なくとも1つの第1の刃先を含む第1の切断要素と、少なくとも1つの第2の刃先を含む第2の切断要素と、を有し、第1の切断要素および第2の切断要素は、第1の切断要素と第2の切断要素との相対移動によって少なくとも1つの第1の刃先と少なくとも1つの第2の刃先との間にせん断作用が生成されるように互いに相対的に移動可能に配置され、少なくとも第1の切断要素は、駆動シャフトと耐トルク的に(drehmomentfest)に接続され、かつ第1の移動軌道上で第2の切断要素に対して相対的に移動可能に配置されている。
【0002】
本発明は、固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置を制御する方法にも関し、この方法は、粉砕装置を始動する工程を包含する。
【背景技術】
【0003】
搬送される固体含有媒体、例えば液体肥料や廃水などに含まれる可能性のある石や金属部品に対して、例えばポンプなどの液圧機械をストレーナ(Siebes)によって保護することが知られている。しかしこれには、ストレーナが詰まり、そのことが液圧媒体(Hydraulikmediums)の搬送を妨げるという欠点がある。
【0004】
この問題を解決するために、上記の形式の粉砕装置を、厳密には流れ方向でポンプの上流に配置して固体含有媒体を粉砕することが知られている。これらの粉砕装置は、特に、いわゆる湿式粉砕機として、例えば食品産業の分野でバイオ懸濁液をさらにエネルギー利用するため、又は他の農業用途で固体と混ぜ合わせて流動性の混合物として再処理するため、そしてその際、その中に含まれる固体を粉砕するために使用される。粉砕装置は、特に固体含有媒体を均質化するように形成されている。例えば、粉砕装置は、食品産業において、又はバイオガスプラントでも固体含有媒体を均質化するように形成されている。
【0005】
固体、固体塊、又は固体含有液は、例えば固体含有媒体である。さらに、固体含有媒体は、特に、繊維材料及び/又は異物を含む液体媒体である。好ましくは、固体含有媒体は、不均質媒体である。固体含有媒体は、例えば、有機物質及び/又は無機物質を含み得る。特に、固体含有媒体は、固体と液体媒体、例えば水又は油を含み得る。特に、固体含有媒体は、繊維、例えば毛髪、又は工業用繊維を固体として含み得る。
【0006】
粉砕装置は、例えば欧州特許第2613884号明細書としても公開されている国際出願番号PCT/EP2011/065691号から知られている。この粉砕装置は、少なくとも1つの第1の刃先を有する第1の切断要素と、少なくとも1つの第2の刃先を有する、第1の移動軌道上で第1の切断要素に対して相対的に移動可能な第2の切断要素と、を備え、第2の切断要素は、第1の移動軌道に沿う第2の切断要素の相対移動によって、少なくとも1つの第1の刃先と少なくとも1つの第2の刃先との間にせん断作用が生成されるように第1の切断要素に当接する。さらに、この粉砕装置は、第1の移動軌道に沿った相対移動の結果として第1及び/又は第2の切断要素が摩耗した場合に、第1の(das erste)切断要素が第1の切断要素に常時当接するべく追従し、それにより動作中、粉砕装置の一定の粉砕能力を保証するように、第2の移動軌道上で第2の切断要素を第1の切断要素に対して相対的に再調整する再調整機構を有し、この場合、粉砕能力は、粉砕装置の固体含有媒体を粉砕する能力を表す。この欧州特許第2613884号明細書の開示は、参照により全体が本明細書の開示に組み込まれる。
【0007】
この形式の粉砕装置で生じる基本的な問題は、これが使用目的に関係なく一定の粉砕能力用に形成されているということである。その場合、この粉砕能力は、通常、利用者の平均的な要求をどうにか満たすか、あるいは、利用者の全く特定の要求だけを満たす。例えば、粉砕装置を固体含有媒体の平均的な粉砕能力に設定することができる。しかし粉砕装置を最大粉砕能力に、又は粉砕されるべき固体含有媒体の最大スループットの粉砕能力に設定することもできる。例えば、粉砕されるべき固体含有媒体が可能な限り少ないエネルギー消費量の粉砕能力で粉砕されるように粉砕装置が設定されることも考えられる。
【0008】
既知の粉砕装置では、利用者自身が粉砕能力を個別の要求プロファイルに自分で簡単かつ迅速に適合させることができない。しかし実際には、利用者は多数の異なる用途に粉砕装置を使用する。粉砕装置の利用目的に応じて要求される粉砕能力が異なる。しかし通常、粉砕装置の耐用年数を可能な限り長くするという要求は、用途に関係なく変わらない。したがって、利用者は、既知の粉砕装置の動作時には常に、粉砕能力と摩耗若しくは耐用年数との間で妥協しなければならない。
【0009】
粉砕装置が、例えば固体含有媒体の流れ方向で下流に配置されたポンプを保護するためにのみ用いられる場合、ストレーナを通過する流れを可能にするか、若しくはストレーナの詰まりを防ぐために切断要素の高回転数は必要とされない。特に、ストレーナが詰まっていず、流れが確保されている場合には、粉砕装置の切断要素を回転させる必要は全くない。しかしながら、既知の粉砕装置の粉砕能力を設定できないため、エネルギーが不必要に消費され、切断装置の磨耗が促進される。
【0010】
したがって、この問題を解決するために、一部の利用者は、特定の用途ごとにそれぞれ別個の、それぞれの用途に必要な粉砕能力に関して最適化された粉砕装置を使用するようになっている。この解決アプローチは、利用者にとって、調達だけでなく運転と保守においても非常にコストのかかるものであることが明らかである。さらに、この解決アプローチは、粉砕装置が指定された運転場所に使用されないまま並んでいる粉砕装置のダウンタイムを比較的長くする。
【0011】
それぞれの用途ごとの複数の粉砕装置の運転を望まない利用者は、粉砕装置の粉砕能力をそれぞれの用途に適合させることができるよう、例えば、粉砕能力を最小化するために、ばね剛性が小さい付勢ばねを相応に取り替えることによって2つの切断要素相互間の押付圧を最小化するべく、粉砕装置を定期的に分解しなければならない。
【0012】
しかしながら、従来技術には、そのような粉砕装置の利用者が粉砕能力を適合させること、特に、利用者が切断要素の摩耗を考慮して、したがって粉砕装置の耐用年数に関して最適であるように適合させることが簡単にはできないという欠点がある。
【発明の概要】
【0013】
したがって、本発明は、既知の粉砕装置の欠点を克服する解決策を提供するという課題に基づいている。特に、本発明は、利用者の用途に関係なく、ユーザフレンドリであると同時に最適な粉砕装置の運転を、同時に可能な限り長い耐用年数で可能にする解決策を提供するという課題に基づいている。
【0014】
本発明の第1の態様によれば、上記課題は、固体含有媒体を粉砕するために、動作中、第1の動作モード及び第1の動作モードとは異なる少なくとも第2の動作モードで動作可能に設計された冒頭で述べた粉砕装置を提供することによって解決され、粉砕装置は、固体含有媒体を粉砕するために、制御装置によって第1の動作モードと少なくとも第2の動作モードとの間で設定可能である。特に、粉砕装置の動作中に、粉砕装置が第1の動作モードと少なくとも第2の動作モードとの間で設定可能であることが好ましい。好ましくは、粉砕装置は、動作中に所望の第1動作モード又は少なくとも第2の動作モードを自動的に設定するように設計されている。
【0015】
本発明のこの態様によれば、異なった動作モードでの制御装置による粉砕装置の動作が可能になる。これによって、ユーザは用途に応じて最適な動作モードで粉砕装置を快適に動作させることができる。特に、ユーザは、粉砕装置の所望の粉砕能力、所望の消費(Verbrauchs)及び磨耗(Verschleises)に応じて、動作モードのリストから最も適した動作モードを簡便に選択することができる。
【0016】
第1の動作モードは、例えば、粉砕装置を環境に配慮して動作させる動作モード(エコ動作モード)であり得る。このエコ動作モードでは、粉砕装置は、例えば、粉砕能力の消耗、したがって磨耗が比較的少なくなるように設定され、第1及び第2の切断要素は、例えば互いに比較的小さい押付圧(Anpressdruck)で動作する。これは運転コストと摩耗コストを最小化し、例えば回転数に依存した電力消費量も最小化することができる。本発明による粉砕装置は、例えば、粉砕装置の動作が、機械、例えば流れ方向で粉砕装置の下流に配置されたポンプ、を保護することを目的とする場合にエコ動作モードで動作することができる。エコ動作モードでは粉砕能力が比較的低くなりはするが、これは下流に配置された機械の保護には重要でない。
【0017】
少なくとも第2の動作モードは、例えば、固体含有媒体の繊維を2mmの繊維長に短くするなど、優れた粉砕結果(最大粉砕能力)を達成できる動作モードである。これは、例えば、粉砕装置の切断装置が高回転数で動作する一方で、固体含有媒体が比較的低い流速でしか搬送されないという場合に可能である。特に、固体含有媒体の固体が切断され、圧し潰されることなどがないようにするため、きれいに切るためには切断要素間の押付圧が大きいことが好ましい。最大の粉砕能力を目指すこの第2の動作モードは、例えば香料又は顔料を抽出する場合に重要である。最大粉砕能力は、固体含有媒体の固体を可能な限り細かく切断することを保証すべきである。
【0018】
粉砕装置の別の動作モードでは、例えば、粉砕されるべき固体含有媒体の流速を最大化することができる(最大スループット)。これは、固体含有媒体を搬送するポンプの搬送能力が高い場合に達成できる。この場合、粉砕能力に対する要求は、どちらかと言えば低くてよく、すなわち切断要素の押付圧又は回転数はあまり重要でない。この利用目的は、例えばタンク車に充填する場合がそうであるように、固体含有媒体を限られた時間枠内で第1の容器から第2の容器に搬送しなければならない場合に有利である。この利用目的では、高スループットで搬送され、流れ方向で下流に、例えばポンプなどの機械が配置されていたとしても損傷されず、中断する事態にならないということのみが重要である。この用途では、切断装置で必然的に生じる圧力損失も重要でない。
【0019】
本発明により、粉砕装置を少なくとも2つの異なる動作モードで動作させることができると解されるべきである。1つの動作モードは、特に、固体含有媒体を粉砕するために粉砕装置が動作するモードである。粉砕装置が固体含有媒体を粉砕するのに適さない状態にある場合、この状態にあるときは、本発明の意味における動作モードと解することはできない。特に、例えば、粉砕装置のスイッチが入っているが固体含有媒体を粉砕するように動作していない、粉砕装置の休止モード又はスタンバイモードは、本発明の意味における動作モードではない。好ましくは、動作モードは、粉砕装置が固体含有媒体を粉砕するのに適するように粉砕装置が動作するモードである。
【0020】
基本的に、粉砕装置は、第1の動作モードと少なくとも第2の動作モードとの間で設定可能である。特に、粉砕装置は、第1の動作モードと少なくとも第2の動作モードとのどちらかに切り替えることができる。粉砕装置は、第1の動作モードと少なくとも第2の動作モードとのどちらかに自動的に切り替え可能であることが好ましい場合がある。特に、粉砕装置が、例えば動作パラメータ、粉砕装置の振動、粉砕装置内の中空室圧力、粉砕中空室内の充填レベル、及び/又はそれに類するものなどの測定量、並びに/或いは用途に応じて、第1の動作モードと少なくとも第2の動作モードとのどちらかに自動的に切り替わることが好ましい場合がある。第1の動作モードと少なくとも第2の動作モードとの間で設定可能な粉砕装置では、好ましくは、第1の動作モードおよび少なくとも第2の動作モードは、粉砕装置自体又は粉砕装置に割り当てられた制御装置にプログラミング技術的に記憶されるか、又は記憶可能である。
【0021】
特に、粉砕装置は、粉砕装置を制御するように形成された制御装置を有する。特に、設定された動作モードに応じて粉砕装置を動作させるように設計された制御装置が設けられる。制御装置を、例えば計算器ユニット(Rechnereinheit)に含むことができる。計算器ユニットは、例えばプロセッサを含むことができる。特に、計算器ユニットは、例えばパーソナルコンピュータ、サーバ、又はそれに類するものである。粉砕装置及び制御装置は、信号技術的に(signaltechnisch)互いに結合可能であるか、又は互いに信号技術的に結合されていると解されるべきである。特に、制御装置は、選択された動作モードに応じて粉砕装置が動作可能であるように設計されている。
【0022】
好ましくは、第1の動作モード及び少なくとも第2の動作モードは、記憶ユニットに記憶される。特に、記憶ユニットは、選択された動作モードに応じて粉砕装置を制御するように設計された制御装置に含まれることを企図することができる。第1の動作モード及び少なくとも1つの第2の動作モードが、粉砕装置と信号技術的に結合された制御装置に記憶されることを企図することもできる。
【0023】
好ましくは、粉砕装置の動作モードは手動で設定可能である。例えば、粉砕装置は、例えばディスプレイ、特にタッチディスプレイ、及び/又はキーボード及び/又はコンピュータマウス及び/又はボタン、並びに/或いは同様の入力要素など、粉砕装置の異なる動作モードを選択できる入力装置を有することができる。粉砕装置の動作モードは、例えば粉砕されるべき固体含有媒体の特性、及び/又は粉砕された固体含有媒体の特性、及び/又は第1の切断要素と第2の切断要素との間の距離などに応じて自動化して設定可能であるか、又は自動化して設定されることも好ましい場合がある。これは、粉砕される又は粉砕されるべき、或いは粉砕された固体含有媒体の特性を検出するために、固体含有媒体中で切断装置の上流及び/又は下流に、並びに/或いは切断装置に相応のセンサが配置されることを前提とする。固体含有媒体の特性は、例えば固体含有媒体の繊維長又は均質性の程度などである。
【0024】
粉砕装置の動作のために、駆動シャフトが駆動装置と結合される。駆動装置は、好ましくは、電気モータである。駆動装置が液圧モータ(Hydraulikmotor)であることも考えられる。駆動装置は、好ましくは、その回転数が制御又はコントロールできるように形成されている。特に、駆動装置は、動作モードに応じてコントロール(regeln)又は制御(steuern)することができる。したがって、特に、駆動装置が制御装置と信号技術的に結合されることが企図される。回転数を制御するために、好ましくは、駆動装置は周波数変換器を含む。周波数変換器を用いることにより、駆動装置の回転数を用途に応じて簡単に設定することができる。例えば、駆動装置を、高い破砕能力を必要としないエコ運転モードでは低回転数で、そして最大粉砕能力を見込む動作モードでは高回転数で動作させることができる。
【0025】
粉砕装置の動作のために、駆動シャフトもまた切断装置の第1の切断要素と結合される。第1の切断要素が駆動シャフトと共に回転することが企図される。さらに、第2の切断要素は、第1の切断要素とは異なり、回転しないように配置されることが好ましい。特に、第2の切断要素が固定配置されることが企図される。さらに、第1及び/又は第2の切断要素が並進的に移動可能に支持されていることが好ましい場合がある。好ましくは、第1の切断要素は、第2の切断要素に対して相対的に並進的に移動可能に配置されていることが企図される。特に、第1の切断要素が回転及び並進移動可能に支持及び/又は配置され、第2の切断要素が固定配置されることが企図される。
【0026】
好ましくは、駆動シャフトが中空シャフトとして設計されることが企図される。
【0027】
切断装置は、1つ又は複数の第1の切断要素を有することができると解されるべきである。特に、切断装置が2つ、3つ、4つ又はそれ以上の第1の切断要素を有することが好ましい。好ましくは、複数の第1の切断要素を備える切断装置の場合、各第1の切断要素は第1の移動軌道に対して等距離に配置される。第1の移動軌道は、特に円形の移動軌道である。例えば、第1の切断要素が2つ配置される場合、両方の切断要素は第1の移動軌道に対して180°ずらして配置され、第1の切断要素が3つ配置される場合、第1の切断要素は第1の移動軌道に対して120°ずらして配置され、或いは第1の切断要素が4つ配置される場合、第1の切断要素は第1の移動軌道に対して90°ずらして配置される等々である。
【0028】
第1の切断要素に関する説明は、第2の切断要素にも適用されることが好ましい。第1の切断要素と第2の切断要素が同じ構造で形成されていることが好ましい場合がある。しかしながら、第1の切断要素が第2の切断要素とは異なるように設計されることが特に好ましい。
【0029】
本発明による解決策により、ユーザフレンドリに設定可能であると同時に、異なった用途に対して最適な粉砕装置の動作を可能にする粉砕装置が提供される。特に、本発明による粉砕装置によって、それぞれの用途に最適な動作モードを有する別々の粉砕装置を用途ごとに提供する必要がない。これは、調達における著しいコスト節約につがなるだけでなく、運転及び保守のコストも著しく低減する。
【0030】
第1の態様の利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態、並びに可能な発展形態については、他の態様の対応する特徴、利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態についての説明を補足的に参照するものとする。
【0031】
さらに、本発明の第2の態様によれば、上記課題は、冒頭で述べた粉砕装置が提供され、それにより第1の切断要素と第2の切断要素とが第2の移動軌道上で互いに相対的に並進移動可能に配置され、検出装置が、第2の切断要素への第1の切断要素の押付圧を検出する、並びに/或いは第1の切断要素と第2の切断要素との互いに相対的な配置を検出するように設けられ、かつ適合され、調整装置が、刃先距離を設定するために、第1の切断要素と第2の切断要素との間に所望の押付圧及び/又は距離が設定されるまで、第1の切断要素と前記第2の切断要素とを第2の移動軌道上で互いに相対的に変位させるように設けられ、かつ設計されることによって解決される。特に、調整装置は、検出装置によって検出された押付圧及び/又は刃先距離に応じて第1の切断要素と第2の切断要素とを設定するように設計されている。
【0032】
好ましくは、第1の切断要素と第2の切断要素との間の所望の距離は0mmである。特に、所望の押付圧は、予め設定された押付圧である。所望の押付圧は、特に、所望の粉砕能力が保証され、及び/又は所望の摩耗挙動が生じる押付圧である。好ましくは、第1の切断要素と第2の切断要素との間の距離は0mmであり、第1の切断要素と第2の切断要素との間の押付圧は最小である。第1及び第2の切断要素のこの好ましい配置では、第2の切断要素からの第1の切断要素の解離(Abheben)が妨げられ、同時に摩耗を最小限に抑えた動作が可能になる。最小押付圧がある場合、第1の切断要素は第2の切断要素からまだかろうじて解離しない。第1の切断要素と第2の切断要素との間の距離が0mmであり、押付圧が最小押付圧よりも大きいことが好ましい場合もある。
【0033】
第2の移動軌道は、好ましくは、第1の移動軌道に対して実質的に直交して延びる。第1の切断要素を第2の切断要素に対して相対的に調整するために、調整装置を、例えば液圧式及び/又は電気式及び/又は空気圧式調整装置として設計することができる。特に、調整装置はリニア駆動装置、好ましくは電気的リニア駆動装置、例えば電動シリンダである。特に、調整装置を用いて、第2の切断要素に相対する第1の切断要素の位置を設定できるだけではない。電気的リニア駆動装置には、押付圧を制御/コントロールするための別個の液圧システムや空気圧システムを省略できるという利点がある。特に、これによって、ユーザが相応の空気圧又は液圧を設定することによって押付圧を自分で設定する必要性をなくすことができる。
【0034】
好ましくは、調整装置は、第1及び第2の切断要素の間の押付圧を設定及び/又は制御及び/又はコントロールするように設計される。特に、調整装置は、粉砕装置を所望の押付圧に依存して制御又はコントロールするように設計されている。例えば、検出された押付圧が所望の押付圧よりも低い場合、調整装置は、検出された押付圧が所望の押付圧に相当するまで押付圧が増加するように第1及び第2の切断要素に作用する。検出された押付圧が所望の押付圧よりも高い場合、所望の押付圧に達するまで検出された押付圧が減少するように、調整装置によって第1及び第2の切断要素の配置が互いに相対的に変化させられる。好ましくは、検出装置は、このために、後から検出装置に関して詳しく説明するように、いくつかの又はすべての特徴及び利点を有することが好ましい。
【0035】
好ましくは、調整装置は、本明細書中に記載される制御装置と信号技術的に結合されている。このために、第1の切断要素と第2の切断要素との間に所望の押付圧及び/又は距離を設定するために、制御装置によって調整装置を制御するべく対応するデータ伝送ユニットが設けられることが好ましい場合がある。これによって、粉砕装置の粉砕能力を迅速かつ簡単に設定できることが特に好ましい。押付圧は、電気的に作動する調整装置によって特に簡単に自動的に適合させることができ、それにより検出装置によって検出された押付圧が所望の押付圧に相当する。
【0036】
第2の態様の利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態、並びに可能な発展形態については、他の態様の対応する特徴、利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態についての説明を補足的に参照するものとする。
【0037】
さらに、本発明の第3の態様によれば、上記課題は、冒頭で述べた粉砕装置が提供され、それにより切断装置が、粉砕された固体含有媒体が粉砕中空室から流出できる開口出口と、粉砕されるべき固定含有媒体が粉砕中空室に流入できる開口入口と、の間の粉砕中空室内に配置され、粉砕装置がシールアセンブリを有し、シールアセンブリは、ポンプ入口及びポンプ出口を含むシール流体ポンプ装置と、ポンプ出口と接続され粉砕中空室に隣接して配置された遮断室とを含み、シールアセンブリは、ポンプ出口を介して、シール流体ポンプ装置によって生成された流体差圧から生じる流体圧力を加えられ、この流体圧力によって、粉砕中空室を粉砕中空室からの固体含有媒体の流出に対して駆動シャフトに沿ってシールする、ことによって解決される。
【0038】
特に、シールアセンブリは、遮断室内の流体圧力が設定可能若しくは変更可能であるように設計されている。好ましくは、シールアセンブリは、遮断室内の流体圧力を所望の流体圧力に設定できるように設計されている。さらに、シールアセンブリは、遮断室内の流体圧力を粉砕中空室内の圧力に応じて設定可能又は変更可能であるように設計されていることが好ましい。特に、シールアセンブリを、粉砕中空室内の圧力に応じて遮断室内で流体圧力が自動的に設定されるように設計することができる。特に、シールアセンブリを用いて、遮断室内の遮断室圧力が粉砕中空室内の中空室圧力よりも高く設定され、好ましくは中空室圧力よりも少なくとも0.5bar高い。
【0039】
これには、駆動シャフトの軸受及び粉砕装置の駆動ユニットが固体含有媒体によって汚されないという利点がある。特に、これには、粉砕装置の長い耐用年数を可能にし、したがって粉砕装置の簡単で安価な稼働を可能にするという利点がある。
【0040】
第3の態様の利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態、並びに可能な発展形態については、他の態様の対応する特徴、利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態についての説明を補足的に参照するものとする。
【0041】
第3の態様の好ましい実施形態によれば、遮断室内の遮断室圧力が、粉砕中空室内の中空室圧力よりも大きく、好ましくは、遮断室圧力は、中空室圧力よりも少なくとも0.5bar大きい。
【0042】
したがって、粉砕装置は、遮断室内に遮断室圧力が存在し、粉砕中空室内に中空室圧力が存在するように設定されている(eingerichtet)。この好ましい実施形態によれば、遮断室圧力は、遮断室圧力が中空室圧力よりも大きくなるように設定されている。特に、遮断室圧力は、中空室圧力よりも少なくとも0.5bar高い。遮断室圧力は、好ましくは中空室圧力に応じて自動的に設定される。
【0043】
中空室圧力は、好ましくは、粉砕中空室内で検出される。特に、中空室圧力を検出するために、粉砕中空室内及び/又は粉砕中空室に、中空室圧力センサとも呼ばれる1つ又は複数の圧力センサを設けることができる。好ましくは、圧力センサは、開口出口の領域に配置される。補足的又は代替的に、圧力センサを開口入口の領域に配置することができる。中空室圧力は、圧力センサの値に相当し得るか、又は圧力センサが複数の場合、検出された測定値の平均値に相当し得る。特に、圧力センサが複数の場合、中空室圧力が、圧力センサによって検出された中空室圧力の検出時点での最大検出圧力に相当することも好ましい場合がある。
【0044】
第2及び/又は第3の態様の好ましい実施形態によれば、粉砕装置は、動作中、第1の動作モード及び第1の動作モードとは異なる少なくとも第2の動作モードで動作可能であることが企図される。
【0045】
この実施形態によれば、ユーザフレンドリに設定可能であると同時に、異なった用途に対して最適な粉砕装置の動作を可能にする粉砕装置が提供される。特に、本発明による粉砕装置によって、それぞれの用途に最適な動作モードを有する別々の粉砕装置を用途ごとに提供する必要がない。これは、調達における著しいコスト節約につがなるだけでなく、運転及び保守のコストも著しく低減する。
【0046】
この好ましい実施形態については、特に、第1の態様の対応する特徴、利点、実施形態の変形例、及び詳細な実施形態を参照するものとする。
【0047】
本発明の第1、第2及び第3の態様の粉砕装置の特に好ましい可能な実施形態並びにそれらの利点を以下に説明する。
【0048】
好ましい発展形態によれば、第1の動作モード及び第1の動作モードとは異なる少なくとも第2の動作モードでの粉砕装置の動作中の固体含有媒体の粉砕は、以下のパラメータ、すなわち、
-第1の切断要素の回転数、及び/又は
-第1の切断要素と第2の切断要素との間の押付圧、及び/又は
-少なくとも1つの第1の刃先と少なくとも1つの第2の刃先との間の刃先距離、及び/又は
-切断装置を通る固体含有媒体の体積流量、及び/又は
-切断装置の上流、特に開口入口(2)の領域における中空室入口圧力、及び/又は
-切断装置の下流、特に開口出口(3)の領域における中空室出口圧力、及び/又は
-中空室入口圧力と中空室出口圧力との差に相当する中空室差圧、
のうちの1つ又は複数に依存することが企図される。
第1の動作モードと少なくとも第2の動作モードは、少なくとも1つの動作パラメータの少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形(Auspragung)の点で区別される。
【0049】
第1の切断要素の回転数は、好ましくは駆動シャフトの回転数に相当するか、又は駆動シャフトの回転数に比例する挙動である。特に、第1の切断要素の回転数は、好ましくは駆動装置の回転数に相当するか、又は駆動装置の回転数に比例するように挙動することが企図される。駆動装置と駆動シャフトとの間、及び/又は駆動シャフトと第1の切断要素との間に伝動装置(Getriebe)が配置されることが好ましい場合がある。伝動装置は、駆動装置を駆動シャフトと、及び/又は駆動シャフトを第1の切断要素と機械的に耐トルク的に結合するように設計されている。伝動装置は、駆動装置の回転数を第1の切断要素の回転数へ増速及び/又は減速するように形成することができる。回転数は、設定された動作モードに応じて制御装置によって設定される。例えば、高い粉砕能力が望ましい場合、第1の切断要素の比較的高い回転数が設定される。粉砕能力が具体的な利用目的とあまり関係がない場合、対応する動作モードは粉砕装置を低めの回転数で動作させるようにすることができ、それにより切断要素の摩耗が最小化され、したがって粉砕装置の耐用年数が最大化される。
【0050】
押付圧は、特に、第1の切断要素と第2の切断要素との間、特に第1及び第2の切断要素の刃先間に存在する圧力と解することができる。通常、第1及び第2の切断要素が直接当接していない場合には第1及び第2の切断要素間の押付圧はゼロである。しかしながら、粉砕装置の動作中に、例えば枝又はそれに類するものなど、粉砕されるべき固体が第1及び第2の切断要素間に到達すると、2つの切断要素は互いに距離をおいて配置されているにもかかわらず、第1及び第2の切断要素間に押付圧が存在する可能性がある。切断要素が互いに強く当接するほど、押付圧が高くなる。しかしながら、押付圧は、第1の切断要素と第2の切断要素との相対運動が妨げられるほど高くてはならない。これは、押付圧から生じる摩擦トルクが駆動装置の駆動トルクよりも大きくなる場合に当てはまる。
【0051】
刃先距離は、好ましくは、第1及び第2の切断要素の刃先間の距離に相当する。特に、刃先距離は、第1の移動軌道に対して直交する、及び/又は第2の移動軌道と平行な、第1及び第2の切断要素間の距離に相当する。
【0052】
切断装置を通る固体含有媒体の体積流量は、特に、固体含有媒体が入口開口を通って粉砕装置に流入し、出口開口を通って粉砕装置から流出する体積流量である。特に、固体含有媒体の密度は実質的に一定とみなすことができ、それにより体積流量は質量流量に実質的に比例すると解されるべきである。
【0053】
中空室入口圧力は、切断装置の上流で検出されることが好ましい。特に、中空室入口圧力は、開口入口の領域において検出される。さらに、開口入口と切断装置、特に第1及び/又は第2の切断要素との間の領域において中空室入口圧力を検出することが好ましい。
【0054】
中空室出口圧力は、切断装置の下流で検出されることが好ましい。特に、中空室出口圧力は、開口出口の領域において検出される。さらに、開口出口と切断装置、特に第1及び/又は第2の切断要素との間の領域において中空室出口圧力を検出することが好ましい。
【0055】
中空室差圧は、中空-中空室入口圧力と中空室出口圧力との差から生じる差圧である。中空室差圧は、特に粉砕装置の作業負荷(Auslastung)を示すものである。
【0056】
目標具現形(Soll-Auspragung)は、特に動作パラメータの目標値である。特に、目標具現形は、動作パラメータの所望の値である。
【0057】
好ましい実施形態によれば、さらに、第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの動作パラメータからの動作パラメータの第1の選択が、少なくとも第2の動作モードにおける対応する動作パラメータの目標具現形よりも小さい目標具現形を有することができること、及び/又は、第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの動作パラメータからの動作パラメータの第2の選択が、少なくとも第2の動作モードでの対応する動作パラメータの目標具現形よりも大きい目標具現形を有することができること、及び/又は、第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの動作パラメータからの動作パラメータの第3の選択が、少なくとも第2の動作モードでの対応する動作パラメータの目標具現形に相当する目標具現形を有することができること、が企図されている。
【0058】
この好ましい実施形態には、粉砕装置をそれぞれの用途に個別に適応させて動作させることができるという利点がある。
【0059】
さらに好ましい実施形態では、刃先距離を設定するために少なくとも第1の切断要素と少なくとも第2の切断要素とを第2の移動軌道上で互いに相対的に変位させる、及び/又は押付圧を設定するために第2の移動軌道に沿って力を伝達するように設計されている調整装置を有する粉砕装置が企図される。
【0060】
好ましくは、第2の移動軌道は第1の移動軌道に対して直交する。特に、第2の移動軌道は直線軌道である。好ましくは、第2の移動軌道は、第1の移動軌道の回転軸と平行及び/又は同軸に延びる。
【0061】
好ましくは、調整装置が切断要素に作用する調整力、特に軸方向力を生成することが企図されている。特に、少なくとも第1の切断要素が接続された調整要素、例えば引き棒(Zugstange)が設けられる。調整要素及び第1の切断要素は、好ましくは、形状結合的(formschlussig)及び/又は力結合(kraftschlussig)的及び/又は材料結合的(stoffschlussig)に互いに接続されている。第1の切断要素と調整要素とを互いに接続するアダプタを設けることができる。
【0062】
調整要素が駆動シャフト内に配置されることが好ましい場合がある。好ましくは、調整要素は、特に駆動シャフトの回転軸に沿って相対的に変位可能に駆動シャフト内に配置され、駆動シャフトは中空シャフトとして設計されている。特に、駆動シャフトは、調整要素を駆動シャフト内に並進変位のために支持するように設計された軸受ユニットを有することができる。特に、調整要素は駆動シャフト内で軸方向に支持される。これには、粉砕装置の粉砕能力を用途に応じて的確に設定できるという利点がある。特に、このことによって押付圧を低減することもでき、それにより摩耗がより少なくなり、したがって粉砕装置の耐用年数がより長くなる。
【0063】
さらに、好ましい発展形態によれば、調整装置は電気的に作動する調整装置及び/又は液圧的に作動する調整装置及び/又は機械的に作動する調整装置であるか、又はそれを含むことが企図される。好ましくは、調整装置は、第2の切断要素に対して第1の切断要素を変位させるように設計された調整装置駆動ユニットを有する。調整装置が、第1の切断要素と結合された調整要素を有することが好ましい。好ましくは、調整要素は、調整装置駆動ユニットと結合される。特に、第1の切断要素が調整要素を介して調整装置駆動ユニットによって第2の切断要素に対して調整されることが企図される。特に、調整装置駆動ユニットは、調整要素を駆動シャフト内で軸方向に変位させるように設計されている。好ましくは、このために、調整装置駆動ユニットが駆動シャフトに対して支持されることが好ましい。
【0064】
特に、粉砕装置の好ましい発展形態によれば、電気的に作動する調整装置が電気的リニア駆動装置、特に電動シリンダであるか、又はこれを調整装置駆動ユニットとして含むことが企図されている。特に、これによって押付圧を特に簡単かつ個別に設定できる。特に、このように設計された調整装置を、特に簡単に制御(angesteuert)又はコントロール(geregelt)することができる。特に、そのような電気的に作動する調整装置には、特に反応が速いという利点がある。
【0065】
電動シリンダは、好ましくは、調整要素と結合されている。特に、液圧式調整ユニット、例えば液圧式タペット(Stosel)が電動シリンダを調整要素と結合することが好ましい場合がある。例えば、電動シリンダは、所望の、特に固定された調整力で液圧式調整ユニットを押す。それによって、所定の圧力が発生し、これが調整要素に作用し、したがって第2の切断要素に対する第1の切断要素の所定の調整、若しくは対応する切断要素間の所定の押付圧をもたらす。
【0066】
さらに、好ましい発展形態によれば、第2の切断要素は穴あきディスクであり、複数の第2の刃先は穴あきディスクの開口を画定する壁によって形成される。好ましくは、第2の切断要素は、流れ方向で下流に配置された、例えばポンプなどの機械を保護するために、特定の大きさの固体を捕捉するために一種のストレーナとして形成されている。
【0067】
別の好ましい実施形態によれば、第1の切断要素は第1の移動軌道に沿って回転可能に配置された刃を備え、刃は、好ましくは、穴あきディスクの表面に回転可能に配置されることが企図されている。
【0068】
さらに好ましい発展形態によれば、粉砕装置は、動作中に、粉砕されるべき固体含有媒体が粉砕装置に流入できる開口入口と、動作中に、粉砕された固体含有媒体が粉砕装置から流出できる開口出口とを有し、粉砕中空室は、固体含有媒体の搬送方向で下流に位置する開口出口を開口入口と流体技術的に接続する。
【0069】
粉砕装置のさらに好ましい実施形態によれば、切断装置が粉砕中空室内で開口出口と開口入口との間に配置されることが企図される。
【0070】
さらに、好ましい発展形態によれば、粉砕装置は、固体含有媒体を体積流量で切断装置を通して搬送するためのポンプ装置を有することが企図される。好ましくは、ポンプ装置は、制御装置と信号技術的に結合されている。特に、ポンプ装置は、動作モードに応じて体積流量を生成するように形成されている。特に、ポンプ装置は、動作モードに応じて体積流量を変化させるように形成されている。
【0071】
さらに、好ましい発展形態によれば、ポンプ装置が固体含有媒体の体積流量を設定するための調整可能なポンプであるか、又はこれを含むことが企図されている。特に、ポンプ装置は、固体含有媒体の搬送方向で切断装置及び/又は開口出口の下流に配置されている。
【0072】
別の好ましい発展形態によれば、粉砕装置は、動作パラメータの実具現形(Ist-Auspragungen)を検出する、特に第1の切断要素と第2の切断要素との互いの解離(Abheben)を検出する、及び/又は刃先距離を検出するように設計された検出装置を有する。実具現形は、特に動作パラメータの実際値である。実具現形は、実具現形の検出時点で粉砕装置が動作する動作パラメータの値に相当する。
【0073】
実具現形を検出するために、検出装置は、特に、駆動シャフト及び/又は第1の切断要素の実回転数を検出するための回転数センサを含む。補足的又は代替的に、検出装置が実圧力損失を検出するための圧力損失センサを含むことが企図される。さらに、補足的又は代替的に、検出装置が、粉砕装置における固体含有媒体の実充填レベル(Ist-Fullstands)を検出するための充填レベル監視センサ(Fullstanduberwachungssensor)を含むことを企図することができる。さらに、検出装置は、補足的及び代替的に粉砕装置の振動を検出するための振動センサを有することができる。検出装置が、補足的又は代替的に、固体含有媒体の実体積流量を検出するための体積流量センサを有することも考えられる。さらに、検出装置は、追加的に又は代替的に、実押付圧を検出するための圧力センサを含むことができる。補足的又は代替的に、粉砕装置は、粉砕中空室内の中空室圧力を検出するための1つ又は複数の中空室圧力センサを有することもできる。さらには、補足的又は代替的に、検出装置が実刃先距離を検出するための距離センサを含むことを企図することができる。
【0074】
好ましくは、検出装置は、制御装置と信号技術的に結合される。特に、粉砕装置を制御するための検出装置が、制御装置に動作パラメータの少なくとも1つの実具現形を提供することが企図される。好ましくは、検出装置が、粉砕装置を制御するための複数の動作パラメータの実具現形を制御装置に提供することが企図されている。
【0075】
好ましい実施形態によれば、さらに、粉砕装置は、動作モード及び/又は各動作モードの動作パラメータの目標具現形を選択及び/又は入力するように設計された入力装置を有することが企図される。入力装置は、例えば、ディスプレイ、特に、動作モードを選択及び/又は入力するためのタッチディスプレイ及び/又はキーボード及び/又はコンピュータマウス及び/又はボタン及び/又はコントローラなどを含む。特に、入力装置は、動作パラメータの目標具現形を設定及び/又は指定するように設計することができる。
【0076】
補足的又は代替的に、粉砕装置が、切断装置を駆動するために駆動シャフト及び/又は切断装置と耐トルク的に結合されている駆動装置を備えることも好ましい場合がある。
【0077】
さらに、補足的又は代替的に、粉砕装置が、調整装置及び/又は駆動装置及び/又はポンプ装置及び/又は検出装置及び/又は入力装置と信号技術的に結合可能であるか、又は結合されている制御装置を備えることが好ましい場合がある。制御装置は、動作パラメータの実具現形を検出する及び/又は記憶する、並びに/或いは動作パラメータの実具現形を動作パラメータの目標具現形と比較する、並びに/或いは動作パラメータの目標具現形を動作モードに応じて設定する、並びに/或いは動作パラメータの実具現形と動作パラメータの目標具現形との比較に依存して、動作パラメータの具現形を設定及び/又は制御及び/又はコントロールするように形成されていてもよい。
【0078】
冒頭で述べた課題は、本発明の第4の態様によれば、固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置、特に上述した粉砕装置を制御する方法によって解決され、方法は、粉砕装置を始動すること、動作モードのリストであって、第1の動作モードと、第1の動作モードとは異なる少なくとも1つの第2のモードを含む、動作モードのリストから動作モードを選択すること、選択された動作モードに応じて粉砕装置を用いて固体含有媒体を粉砕すること、を含む。
【0079】
第4の態様の利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態、並びに可能な発展形態については、他の態様の対応する特徴、利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態についての説明を補足的に参照するものとする。
【0080】
好ましい発展形態では、方法は、第1の動作モード及び/又は少なくとも1つの第2の動作モードについての少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形を決定することを含み、第1の動作モードと少なくとも1つの第2の動作モードとは、少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形の点で区別される。
【0081】
さらに好ましい発展形態によれば、方法は、選択された動作モードに応じて少なくとも1つの動作パラメータの少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形を設定すること、及び少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形に応じて粉砕装置を動作させることを含む。
【0082】
好ましい実施形態によれば、方法は、さらに、少なくとも1つの動作パラメータの実具現形を検出すること、及び/又は検出された実具現形を少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形と比較すること、及び/又は少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形が達成されるまで少なくとも1つの動作パラメータの具現形を適合させること、を含む。
【0083】
冒頭で述べた課題は、本発明の第5の態様によれば、固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置、特に上述した粉砕装置を制御する方法によって解決され、方法は、以下の工程、すなわち、少なくとも1つの第1の刃先と少なくとも1つの第2の刃先との互いの解離が検出されるまで調整装置を用いて押付圧を最小化する工程、及び押付圧が最小である位置で少なくとも1つの第1の刃先と少なくとも1つの第2の刃先を互いに保持する工程、を含む。
【0084】
第5の態様の利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態、並びに可能な発展形態については、他の態様の対応する特徴、利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態についての説明を補足的に参照するものとする。
【0085】
冒頭で述べた課題は、本発明の第6の態様によれば、固体含有媒体の粉砕中に粉砕装置をシールするための粉砕装置、特に上述した粉砕装置を制御する方法によって解決され、方法は、以下の工程、すなわち、圧力センサを用いて粉砕中空室内の中空室圧力を決定する工程、及びシール流体ポンプ装置を用いて、遮断室内の遮断室圧力を中空室圧力よりも高く、特に中空室圧力よりも少なくとも0.5bar高く設定する工程、を包含する。
【0086】
第6の態様の利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態、並びに可能な発展形態については、他の態様の対応する特徴、利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態についての説明を補足的に参照するものとする。
【0087】
冒頭で述べた課題は、本発明の第7の態様によれば、可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するための粉砕装置、特に上述の粉砕装置を制御するための制御装置によって解決され、制御装置は、上述の方法の工程を実行するように設計されている。
【0088】
第7の態様の利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態、並びに可能な発展形態については、他の態様の対応する特徴、利点、実施形態の変形例及び詳細な実施形態についての説明を補足的に参照するものとする。
【0089】
本発明の好ましい実施形態を、添付の図面をもとにして例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1】好ましい実施形態における粉砕装置の等角断面図である。
図2図1に示される粉砕装置の側面図である。
図2a図2に示されるシールアセンブリの詳細図である。
図3図1及び図2に示される粉砕装置の等角図である。
図4図1図3に示される粉砕装置の信号技術的に結合された要素の概略図である。
図5】好ましい実施形態における粉砕装置を制御する方法の概略ブロック図である。
図6】別の好ましい実施形態における粉砕装置を制御する方法の概略ブロック図である。
図7】固体含有媒体の粉砕中に粉砕装置をシールする方法の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1は、好ましい実施形態における粉砕装置1の等角断面図を示す。図2は、図1に示される粉砕装置1の側面図を示し、図3は等角図を示す。
【0092】
図1図2、及び図3に概略的に示される粉砕装置1は、固体含有媒体を粉砕するように設計されている。用途に応じて粉砕装置1の粉砕能力を変化させることができる。このために、利用者は、制御装置80を用いて粉砕装置1に好ましい動作モードを設定することができ、それにより所望の粉砕能力が設定され、同時に粉砕装置1の磨耗が最小化されるか、若しくは耐用年数が最大化される。第1の動作モードでは、例えば粉砕装置1の粉砕能力だけでなく磨耗も比較的低くすることができる。これに対して、第2の動作モードでは、例えば粉砕装置1の比較的高い磨耗を伴う最大粉砕能力を目指すことができる。
【0093】
粉砕装置1の粉砕能力、および同様に磨耗は、粉砕装置1を動作させるための動作パラメータ若しくは動作パラメータの目標具現形に依存する。異なる動作モード、それぞれ第1の動作モード及び少なくとも1つの第2の動作モードは、少なくとも動作パラメータの目標具現形に関して異なると解されるべきである。粉砕装置の動作若しくは粉砕装置1の粉砕能力は、複数の動作パラメータに依存し得る。具現形の変化が粉砕装置1の粉砕能力の変化につながる主な動作パラメータは、第1の切断要素21の回転数並びに/或いは第1及び第2の切断要素21、22間の押付圧、及び/又は第1及び第2の切断要素21、22間の刃先距離、並びに/或いは固体含有媒体M1、M2の体積流量である。
【0094】
好ましくは、第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの動作パラメータからの動作パラメータの第1の選択が、少なくとも1つの第2の動作モードにおける対応する動作パラメータの目標具現形よりも小さい目標具現形を有することが企図される。さらに、第1の動作モードは、少なくとも1つの動作パラメータからの動作パラメータの第2の選択が、少なくとも1つの第2の動作モードにおける対応する動作パラメータの目標具現形よりも大きい目標具現形を有してもよい。さらに、好ましくは、第1の動作モードにおいて、少なくとも1つの動作パラメータからの動作パラメータの第3の選択が、少なくとも第2の動作モードにおける対応する動作パラメータの目標具現形に相当する目標具現形を有してもよい。
【0095】
固体含有媒体を粉砕するために、粉砕装置1は、電気モータを含む駆動装置40と耐トルク的に結合された駆動シャフト10を有する。この場合、駆動シャフト10は回転可能に支持され、かつ固体含有媒体を粉砕するために切断装置20と機械的に結合されている。この好ましい実施形態では、駆動装置40が周波数変換器を有し、それにより、駆動装置40と、したがって駆動シャフト10若しくは切断装置20の回転数を設定若しくは選択された動作モードに応じて設定することができる。
【0096】
切断装置20は、開口入口2と開口出口3との間で粉砕装置1の粉砕中空室内に配置されている。粉砕装置1の動作中、粉砕されるべき固体含有媒体M1は、開口入口2を介して粉砕中空室4に供給される。切断装置20は、粉砕中空室4に供給された固体含有媒体を粉砕し、次いで、これが粉砕された固体含有媒体M2として下流に配置された開口出口3を介して粉砕中空室4から排出される。固体含有媒体M1、M2を体積流量で搬送するために、好ましくは開口出口の下流にポンプ装置50を配置することが企図されている。ポンプ装置50が調整可能に設計され、それにより、この点においても調整可能な粉砕能力も可能にするために、固体含有媒体M1、M2が粉砕装置1を通って搬送される体積流量を調整することができると解されるべきである。
【0097】
固体含有媒体M1を粉砕するために、切断装置20は複数の第1の切断要素21と1つの第2の切断要素22を有する。第1の切断要素21は刃として形成され、好ましくは2つの刃先を有する。第2の切断要素22は穴あきディスクとして設計され、穴あきディスクの開口を画定する壁によって形成される2つより多い刃先を有する。第1及び第2の刃先の互いの相対移動によって、固体含有媒体の固体は、切断要素21、22の互いのせん断運動によって粉砕される。第1の切断要素21と第2の切断要素22との間のせん断運動は、第1の切断要素21が第2の切断要素22に対して相対的に移動可能に配置されることによって達成される。具体的には、第1の切断要素21と第2の切断要素22とは、粉砕装置1の動作中、第1の切断要素21が第2の切断要素22に対して穴あきディスクの表面の円形の第1の移動軌道上を案内されるように、互いに相対的に移動可能に配置されている。粉砕装置1のこの好ましい実施形態では、第2の切断要素22が粉砕中空室4内に固定配置されるのに対して、第1の切断要素21は駆動シャフト10と耐トルク的に機械的に結合され、かつ粉砕中空室4内に回転運動可能に配置されていることが企図される。
【0098】
粉砕装置1のこの好ましい実施形態では、第1の切断要素21は、第2の切断要素22に対して回転だけでなく、並進変位可能にも支持されている。このために、粉砕装置1は、第1の切断要素21を第2の切断要素22に対して並進変位させることができる調整装置30を有する。調整装置を用いて、第1の切断要素21と第2の切断要素22との間の刃先距離及び/又は押付圧を設定することができる。粉砕装置1の好ましい実施形態では、調整装置30は電気的リニア駆動装置としての電動シリンダを有する。電動シリンダによって、特に圧縮空気接続部(Druckluftanschlusses)の必要がなくなる。さらに、利用者自身が設定を行う必要がなくなる。調整装置30は、動作中、選択された動作モードに応じて第2の移動軌道上で第1の切断要素21を第2の切断要素22に対して変位させることを可能にし、それにより所望の刃先距離及び/又は所望の押付圧に設定することができる。第2の移動軌道は第1の移動軌道に対して直交し、その場合、第2の移動軌道は駆動シャフト10の回転軸と実質的に平行に、特に同軸に延びる直線運動のための軌道に相当すると解されるべきである。
【0099】
電動シリンダ32は、好ましくは、調整要素31と結合される。特に、電動シリンダ32を調整要素31と結合する液圧式調整ユニット33、例えば液圧式タペットを提供することが好ましい場合がある。例えば、電動シリンダ32は、所望の、特に指定された調整力で液圧式調整ユニット33を押す。このために、例えば、液圧式調整ユニット33が液圧シリンダとして形成されたマスタシリンダ33.1と、液圧シリンダとして形成されたスレーブシリンダ33.2とを有し、これらが流体技術的に、例えば液圧ホースによって互いに結合されることが企図されている。この好ましい実施形態では、電動シリンダ32はマスタシリンダ33.1と機械的に結合され、それにより電動シリンダの変位がマスタシリンダ33.1の変位を引き起こす。マスタシリンダ33.1の変位はまた、液圧結合(hydraulischen Kopplung)に基づいてスレーブシリンダ33.2の変位を引き起こす。スレーブシリンダ33.2もまた、調整要素31と機械的に結合され、それによりスレーブシリンダ33.2の変位が調整要素の変位を引き起こす。したがって、調整装置30によって所定の圧力を発生させ、この圧力が調整要素31に作用し、それによって第2の切断要素22に対する第1の切断要素21の所定の調整若しくは当該切断要素間に所定の押付圧をもたらす。このために、調整要素31が軸方向に変位可能に駆動シャフトに支持される。駆動シャフトに対する調整要素31の軸方向に変位可能な支持部は、粉砕中空室4に対してシールされている。
【0100】
粉砕装置1は、シールするためにシールアセンブリ(Dichtungsanordnung)90を有することができる。シールアセンブリは、ポンプ入口92a及びポンプ出口92bを含むシール流体ポンプ装置92と、ポンプ出口92bと接続され、粉砕中空室4に隣接して配置された遮断室91と、を含む。シールアセンブリは、ポンプ出口92bを介してシール流体ポンプ装置92によって生成された流体差圧から生じる流体圧力を加えられ、この流体圧力によって、粉砕中空室からの固体含有媒体の流出に対して粉砕中空室を駆動シャフトに沿ってシールする。好ましくは、遮断室圧力は、粉砕中空室の中空室内の中空室圧力に依存して設定される。この好ましい実施形態では、遮断室圧力が中空室圧力よりも少なくとも0.5bar大きいことが企図される。ポンプ入口92aを流体タンク93と流体技術的に接続することができる。
【0101】
図2aは、図2に示されるシールアセンブリ90の概略図である。この図は、ポンプ出口92bが対応する液圧ラインを介して遮断室91と流体技術的に接続されていることを示す。シール流体ポンプ装置92のポンプ入口92aは、対応する液圧ラインを介して流体タンク93と流体技術的に接続されている。所望のシールをするための所望の流体圧力を生成するために、シール流体ポンプ装置92を用いて、相応に必要な量の流体が流体タンク93から遮断室91に搬送される。
【0102】
粉砕装置1は、粉砕装置1の動作パラメータの実状態(Ist-Zustands)又は実具現形を監視するために、検出装置60を有する。検出装置は、例えば、第2の切断要素22に対する第1の切断要素21の調整性を考慮して、第2の切断要素22への第1の切断要素21の押付圧を検出する、及び/又は第1の切断要素21と第2の切断要素22との互いに相対する配置を検出するように形成されている。特に、検出装置60は、第1の切断要素と第2の切断要素の互いの解離を検出するように形成されている。その限りで、検出装置60は、動作パラメータの実具現形である押付圧、及び/又は動作パラメータの実具現形である刃先距離を検出するように形成されている。このために、検出装置60は、押付圧を検出するための圧力センサ(図示せず)並びに/或いは粉砕中空室4内の中空室圧力を検出するための1つ又は複数の中空室圧力センサ62、並びに/或いは刃先距離を検出するための距離センサ(図示せず)を把握する(auffassen)ことができる。
【0103】
さらに、この好ましい実施形態では、粉砕装置1が、粉砕装置1の実具現形を検出するための他のセンサを有することが企図される。これには、とりわけ、駆動シャフト10及び/又は第1の切断要素21の回転数を検出するように形成された回転数センサ、並びに/或いは粉砕されるべき及び/又は粉砕された固体含有媒体の体積流量を検出するように形成された体積流量センサが属する。
【0104】
特に、安全な運転と低い保守及び維持補修コストを確保するために、検出装置が、例えば粉砕装置1の圧力損失を検出するための圧力損失センサ、及び/又は粉砕装置における固体含有媒体の充填レベルを検出するための充填レベル監視センサ63、及び/又は粉砕装置1の振動を検出するための振動センサ61を有することがさらに企図される。これらの追加のセンサによって、例えば、粉砕装置におけるシールの損傷、空運転(Trockenlaufen)又は異物を確実に検出でき、それにより粉砕装置を早期に保守することができ、結果として生じる重大な損害が最小化される。
【0105】
この好ましい実施形態では、粉砕装置1の制御装置80は、異なった粉砕能力で粉砕装置を動作させるための異なった動作モードが記憶される記憶ユニットを有する。粉砕装置の動作モードを制御装置80で設定できることも企図される。特に、動作パラメータの目標具現形を個々の動作モードに指定することができる。このために、粉砕装置1が動作モードと、それぞれの動作モードのための動作パラメータの目標具現形とを選択及び入力するように形成された入力装置70を有することが企図されている。このために、入力装置70は制御装置80と信号技術的に接続される。
【0106】
選択された動作モードに応じて粉砕装置を相応に制御又はコントロールするために、さらに、制御装置が調整装置30、駆動装置40、ポンプ装置50、及び検出装置60と信号技術的に結合されることが企図され、これは図4に概略的に示される。この場合、制御装置80は、動作パラメータの実具現形を検出する、動作パラメータの実具現形を動作パラメータの目標具現形と比較する、動作パラメータの目標具現形を動作モードに依存して設定する、かつ動作パラメータの実具現形と動作パラメータの目標具現形との比較に応じて動作パラメータの具現形を設定するよう、設計されている。したがって、制御装置は、以下に説明する方法の工程を実行するようにも形成されている。
【0107】
図5は、可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するための好ましい実施形態における粉砕装置1を制御する方法1000の概略ブロック図を示す。粉砕装置1は、例えば上述のように構成されている。方法1000は、まず、粉砕装置を始動すること1010を包含し、それにより次の工程で、動作モードのリストから動作モードを選択することができ1020、動作モードのリストは、第1の動作モードと、第1の動作モードとは異なる少なくとも1つの第2の動作モードを含む。次の工程1030では、選択された動作モードに応じて粉砕装置1による固体含有媒体を粉砕することが企図されている。
【0108】
さらに、方法1000が、第1の動作モード及び少なくとも1つの第2の動作モードのための少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形を決定すること1040を包含することが好ましい場合があり、第1の動作モードと少なくとも1つの第2の動作モードとは、少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形の点で区別される。さらに、方法は、好ましくは、他の工程として、選択された動作モードに応じて少なくとも1つの動作パラメータの少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形を設定すること1050と、少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形に応じて粉砕装置1を動作させること1060を包含する。特に、この方法によれば、少なくとも1つの動作パラメータの実具現形を検出すること1070、検出された実具現形を少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形と比較すること1080、及び少なくとも1つの動作パラメータの目標具現形が達成されるまで少なくとも1つの動作パラメータの具現形を適合させること1090、が企図されている。
【0109】
図6は、可変粉砕能力で固体含有媒体を粉砕するための好ましい実施形態における粉砕装置1を制御する別の方法2000の概略ブロック図を示す。粉砕装置1は、例えば上述のように構成されている。方法2000は、少なくとも1つの第1の刃先と少なくとも1つの第2の刃先との互いの解離が検出されるまで、調整装置30を用いて押付圧を最小化すること2010と、押付圧が最小の位置で少なくとも1つの第1の刃先と少なくとも1つの第2の刃先とを互いに保持すること2020と、を包含する。
【0110】
図7は、固体含有媒体の粉砕中に粉砕装置1をシールするための好ましい実施形態における粉砕装置1を制御する別の方法3000の概略ブロック図を示す。粉砕装置1は、例えば上述のように構成されている。方法3000は、圧力センサを用いて粉砕中空室内の中空室圧力を決定すること3010と、シール流体ポンプ装置を用いて、遮断室内の遮断室圧力を中空室圧力よりも高く、特に中空室圧力よりも少なくとも0.5bar高く設定すること3020と、を包含する。
【符号の説明】
【0111】
1 粉砕装置
2 開口入口
3 開口出口
4 粉砕中空室
10 駆動シャフト
20 切断装置
21 第1の切断要素
22 第2の切断要素
30 調整装置
31 調整要素
32 電動シリンダ
33 液圧式調整ユニット
33.1 マスタシリンダとしての液圧シリンダ
33.2 スレーブシリンダとしての液圧シリンダ
40 駆動装置
50 ポンプ装置
60 検出装置
61 振動センサ
62 中空室圧力センサ
63 充填レベル監視センサ
70 入力装置
80 制御装置
90 シールアセンブリ
91 遮断室
92 シール流体ポンプ装置
92a ポンプ入口
92b ポンプ出口
93 流体タンク
M1 粉砕されるべき固体含有媒体
M2 粉砕された固体含有媒体
図1
図2
図2a
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】