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  • 特開-車載電子装置 図1
  • 特開-車載電子装置 図2A
  • 特開-車載電子装置 図2B
  • 特開-車載電子装置 図2C
  • 特開-車載電子装置 図3
  • 特開-車載電子装置 図3A
  • 特開-車載電子装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177300
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】車載電子装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20231206BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20231206BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H05K7/20 B
H05K7/14 C
B60R16/02 610D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087091
(22)【出願日】2023-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2022089926
(32)【優先日】2022-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】六浦 圭太
(72)【発明者】
【氏名】竹本 敬介
(72)【発明者】
【氏名】藤野 昭一
【テーマコード(参考)】
5E322
5E348
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA03
5E322AA11
5E322AB06
5E322EA10
5E322EA11
5E322FA06
5E348AA03
5E348AA08
5E348AA10
5E348AA11
5E348AA40
(57)【要約】
【課題】基板上に重量部品及び発熱部品が実装される構成において、重量部品の耐振動性の確保と発熱部品の放熱性の確保とを同時に効率的に実現する。
【解決手段】放熱性を有する筐体と、伝熱性の接着剤層を介して筐体に接合し、複数の部品が実装される基板とを含み、複数の部品は、発熱部品と、発熱部品よりも重量が大きい重量部品とを含み、基板は、重量部品が、第1表面に配置され、発熱部品が、第1表面とは逆側の第2表面に配置され、伝熱性の接着剤層は、発熱部品に熱的に接続され且つ基板に垂直な方向に視て重量部品に重なる態様で、基板の第2表面に接合する、車載電子装置が開示される。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱性を有する筐体と、
伝熱性の接着剤層を介して前記筐体に接合し、複数の部品が実装される基板とを含み、
前記複数の部品は、発熱部品と、前記発熱部品よりも重量が大きい重量部品とを含み、
前記基板には、前記重量部品は、第1表面に配置され、前記発熱部品は、前記第1表面とは逆側の第2表面に、配置され、
前記伝熱性の接着剤層は、前記発熱部品に熱的に接続され且つ前記基板に垂直な方向に視て前記重量部品に重なる態様で、前記基板の前記第2表面に接合する、車載電子装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記基板に向けて突出し且つ前記伝熱性の接着剤層に接合する台座部を有する、請求項1に記載の車載電子装置。
【請求項3】
前記発熱部品は、抵抗を含み、
前記伝熱性の接着剤層は、前記基板に垂直な方向に視て、前記抵抗からの配線パターンに重なる、請求項1に記載の車載電子装置。
【請求項4】
前記配線パターンにおける前記伝熱性の接着剤層に重なる位置は、前記配線パターンにおける長さ方向の中間位置よりも前記抵抗に近い、請求項3に記載の車載電子装置。
【請求項5】
前記伝熱性の接着剤層は、前記配線パターンの配線幅に対応するサイズを有する、請求項3又は4に記載の車載電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発熱部品を実装する基板に対して、金属製の放熱板を平行に配置し、基板上の発熱部品と、放熱板に螺着する金属製の放熱ネジとの間に、放熱シートを配置する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-296878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように従来技術では、基板上に重量部品及び発熱部品が実装される場合に、重量部品の耐振動性の確保と発熱部品の放熱性の確保とを同時に効率的に実現することが難しい。
【0005】
そこで、1つの側面では、本開示は、基板上に重量部品及び発熱部品が実装される構成において、重量部品の耐振動性の確保と発熱部品の放熱性の確保とを同時に効率的に実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、放熱性を有する筐体と、
伝熱性の接着剤層を介して前記筐体に接合し、複数の部品が実装される基板とを含み、
前記複数の部品は、発熱部品と、前記発熱部品よりも重量が大きい重量部品とを含み、
前記基板には、前記重量部品は、第1表面に配置され、前記発熱部品は、前記第1表面とは逆側の第2表面に、配置され、
前記伝熱性の接着剤層は、前記発熱部品に熱的に接続され且つ前記基板に垂直な方向に視て前記重量部品に重なる態様で、前記基板の前記第2表面に接合する、車載電子装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、本開示によれば、基板上に重量部品及び発熱部品が実装される構成において、重量部品の耐振動性の確保と発熱部品の放熱性の確保とを同時に効率的に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施例の車載電子装置を概略的に示す斜視図である。
図2A】車載電子装置の基板部分の表面側を概略的に示す平面図である。
図2B】車載電子装置の基板部分の裏面側を概略的に示す平面図である。
図2C】基板部分の裏面側と、内層の配線構造の一部を概略的に示す平面図である。
図3】基板部分の表面側から視たときの、車載電子装置の筐体を概略的に示す平面図である。
図3A】車載電子装置の筐体を示す斜視図である。
図4】車載電子装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
【0010】
図1は、本実施例の車載電子装置1を概略的に示す斜視図である。図2Aは、車載電子装置1の基板部分2の表面側を概略的に示す平面図である。図2Bは、車載電子装置1の基板部分2の裏面側を概略的に示す平面図である。なお、図2B(後出の図2Cも同様)では、伝熱性の接着剤層50がハッチング領域で模式的に示されている。図2Cは、基板部分2の裏面側と、内層201の配線構造の一部を概略的に示す平面図である。図2Cには、基板20の内層201が部分的に示されている。図3は、基板部分2の表面側から視たときの、車載電子装置1の筐体3を概略的に示す平面図である。図3Aは、車載電子装置1の筐体3を示す斜視図である。図4は、車載電子装置1の断面図である。なお、図4では、図1図2A等で図示が省略されているカバー部材4が併せて図示されている。
【0011】
図1等には、互いに直交する2方向として、X方向及びY方向が定義されている。X方向及びY方向は、後述する基板20の横方向と縦方向に対応し、X方向及びY方向を含む平面は、基板20に平行である。また、X方向については、X1側とX2側が定義されている。また、Y方向については、Y1側とY2側が定義されている。
【0012】
以下の説明において、説明の都合上、上下方向は、基板20(後述)に対して垂直な方向に対応するものとし、上側は、基板20の表側に対応し、下側は、基板20の裏側に対応するものとする。ただし、車両における車載電子装置1の実装状態での上下方向は、以下の説明における上下方向と異なってもよい。
【0013】
車載電子装置1は、例えばECU(Electronic Control Unit)の形態であってよい。本実施例では、一例として、車載電子装置1は、比較的小型のモータを制御する制御装置を形成する。比較的小型のモータとは、例えば車両駆動用のモータよりも小型のモータであってよく、例えば、車両駆動装置を形成するギヤ等を駆動するモータや、オイルポンプを駆動するモータ等であってよい。
【0014】
車載電子装置1は、基板部分2と、筐体3とを含む。
【0015】
基板部分2は、基板20と、基板20を外部に電気的に接続されるためのコネクタ部22とを含む。なお、コネクタ部22の図示は、図1では省略されている。
【0016】
基板20は、プリント回路基板の形態であってよく、例えば1つ以上の中間層を有する多層構造であってよい。基板20は、筐体3に収容又は支持される。基板20は、筐体3内に完全に収容されてもよいし、一部が露出する態様で筐体3に収容されてもよい。基板20は、筐体3に直接的に支持されてもよいし、他の部材を介して支持されてもよい。
【0017】
基板20には、複数の部品が実装される。複数の部品は、すべて電子部品であってもよいし、電子部品以外の部品を含んでもよい。本実施例では、一例として、基板20に実装される複数の電子部品40は、比較的小型のモータを制御するための各種電子部品を含む。なお、基板20には、車載電子装置1の小型化を図るために、複数の部品が高密度に実装されてよい。
【0018】
本実施例では、複数の電子部品40は、冷却対策を施す対象の発熱部品410(以下、単に「発熱部品410」とも称する)と、制振対策を施す対象の重量部品420(以下、単に「重量部品420」とも称する)とを含む。
【0019】
発熱部品410は、動作時に自身が発熱する部品、又は、他の部品から伝導される熱により発熱する部品であってよい。発熱部品410は、比較的大きい消費電力を有しかつ連続的に動作する傾向がある部品であって、例えば冷却を必要とする程度の高温化が生じる部品であってよい。発熱部品410は、例えば、パワー半導体素子、抵抗、マイクロコンピュータ、電源IC(Integrated Circuit)等を含んでよい。図2Aには、発熱部品410が配置されている領域がSC10からSC12で示されている。また、図2Bには、発熱部品410が配置されている領域がSC13で示されているとともに、透視で、図2Aに示す表側の領域SC10からSC12で示されている。
【0020】
本実施例では、一例として、発熱部品410は、Hブリッジ回路411を形成する各スイッチング素子Q1からQ4と、3相ブリッジ整流回路412を形成する各スイッチング素子Q11からQ16とを含む。また、本実施例では、一例として、発熱部品410は、シャント抵抗R1(図2Bの領域S13参照)を含む。
【0021】
なお、図示の例では、スイッチング素子Q1、Q2は、Hブリッジ回路411における上下アームを形成し、Y方向に並んで配置されている。スイッチング素子Q3、Q4は、Hブリッジ回路411における上下アームを形成し、Y方向に並んで配置される。スイッチング素子Q1、Q2の組と、スイッチング素子Q3、Q4の組は、X方向に並んで配置されている。
【0022】
また、図示の例では、スイッチング素子Q11、Q13、Q15は、3相ブリッジ整流回路412における上アームを形成し、X方向に並んで配置されている。また、スイッチング素子Q12、Q14、Q16は、3相ブリッジ整流回路412における下アームを形成し、X方向に並んで配置されている。そして、Y方向に並ぶスイッチング素子Q11、Q12の組、Y方向に並ぶスイッチング素子Q13、Q14の組、及び、Y方向に並ぶスイッチング素子Q15、Q16の組は、各組がX方向に並んで配置されている。
【0023】
このような配置によれば、Hブリッジ回路411を形成する各スイッチング素子Q1からQ4と、3相ブリッジ整流回路412を形成する各スイッチング素子Q11からQ16とが、X方向及びY方向で、隣り合う態様で高密度に配置できる。これにより、効率的な配線構成を実現できる。また、上アームの各スイッチング素子Q1、Q3、Q11、Q13、Q15と、下アームの各スイッチング素子Q2、Q4、Q12、Q14、Q16とが、Y方向に離間しつつ、X方向に並んで配置される。これにより、Hブリッジ回路411及び3相ブリッジ整流回路412のいずれにおいても、高電位側と低電位側とがY方向で同様の態様で離間するので、効率的な配線構成を実現できる。
【0024】
重量部品420は、比較的重量が大きい重量部品であり、例えば基板20に実装されるすべての部品のうちの、最も重量が大きい部品を含んでよい。例えば、重量部品420は、制振対策を必要とする程度の重量を有してよい。なお、重量部品420は、一の基板20に対して複数設けられてもよい。重量部品420は、発熱部品410よりも発熱量が有意に小さい部品であるが、実質的に発熱しない部品であってもよい。本実施例では、一例として、重量部品420は、インダクタLを含む。なお、インダクタLは、コネクタ部22とHブリッジ回路411との間に電気的に接続されてよい。
【0025】
本実施例では、一例として、重量部品420は、各スイッチング素子Q1からQ4及びQ11からQ16とともに、基板20の表側の表面に実装されるのに対して、シャント抵抗R1は、基板20の裏側の表面(筐体3の底面に対向する側の表面)に実装される。
【0026】
基板20は、シャント抵抗R1とコネクタ部22との間を電気的に接続する配線パターン430を含む。配線パターン430は、例えば、図2Cに示すように、基板20の内層201に形成されてよい。
【0027】
筐体3は、放熱性を有する。筐体3は、例えば比較的高い伝熱性を有する材料(例えばアルミ)により形成されてよい。筐体3は、フィン(図示せず)等の放熱構造を有してもよいし、冷却水路のような冷媒流路を有してもよい。
【0028】
本実施例では、筐体3は、一例として、上部が開口した箱の形態である。筐体3には、基板部分2が設けられる。なお、基板部分2のコネクタ部22は、一部が筐体3の外部に露出してよい。筐体3は、基板部分2を下方から支持し、上部の開口がカバー部材4(図4参照)に覆われてよい。なお、この際、基板20は、裏側の表面が筐体3の底面に対向する向きとなる。
【0029】
また、本実施例では、筐体3は、底面30において上側に突出する複数の台座部310を有する。各台座部310は、底面30における一部に形成され、ヒートスプレッダとして機能できるように、内部は中実であってよい。この場合、筐体3は、各台座部310が配置される領域において局所的に熱容量が比較的大きくなる。本実施例では、各台座部310は、上下方向(基板20に垂直な方向)に視て、発熱部品410に重なるように設けられる。台座部310は、一の発熱部品410ごとに設けられてもよいし、及び/又は、2つ以上の発熱部品410に対して1つが対応する態様で設けられてもよい。
【0030】
筐体3は、基板20に対して台座部310上の伝熱性の接着剤層50を介して接合する。すなわち、伝熱性の接着剤層50は、基板20の裏側の表面と台座部310の上側の表面とに接合することで、基板20と台座部310(及びそれに伴い筐体3)とを接合する。
【0031】
伝熱性の接着剤層50は、比較的高い伝熱性を有する任意の接着剤を硬化させることで形成されてよい。この場合、接着剤は、伝熱性を高めるためのフィラー等を含んでもよい。接着剤は、熱の付与や他の材料との混合等により硬化する性質を有してもよい。なお、伝熱性の接着剤層50は、好ましくは、台座部310の上側の表面の略全体にわたって形成されるが、一部だけに形成されてもよい。伝熱性の接着剤層50は、台座部310の上側の表面に接着剤を塗布して形成されてよい。この場合、伝熱性の接着剤層50は、塗布された接着剤が基板20と台座部310と間に挟持(押圧)された状態で硬化することで、形成されてよい。
【0032】
このようして伝熱性の接着剤層50は、各発熱部品410と台座部310とを熱的に接続できるので、発熱部品410からの熱を、伝熱性の接着剤層50及び筐体3を介して外部へと効率的に放出できる。
【0033】
本実施例では、複数の台座部310のうちの、特定の台座部310(以下、他の台座部310との区別のため、「特定の台座部310A」とも称する)及びその上の伝熱性の接着剤層50は、上述した重量部品420の耐震性を高める機能を有する。具体的には、台座部310Aは、上下方向に視て、インダクタLに重なる態様で配置される。なお、本明細書において、特定の方向に視て、ある構成要素Aが、他の構成要素Bに重なる態様とは、一方が他方を包含する態様、両者が完全に重なる態様、及び、両者が部分的に重なる態様、のいずれをも含む概念である。基板20の裏側の表面に接合する。
【0034】
また、特定の台座部310Aには、他の台座部310と同様に伝熱性の接着剤層50(以下、他の接着剤層50との区別のため、「特定の接着剤層50A」とも称する)が設けられる。特定の接着剤層50Aは、特定の台座部310Aと基板20との間の接合強度を高める機能を有するとともに、特定の発熱部品410からの熱を筐体3へ伝達する機能(以下、「伝熱機能」とも称する)を有する。本実施例では、特定の発熱部品410は、一例として、基板20の裏側表面に実装されているシャント抵抗R1である。この場合、特定の台座部310A(及びそれに伴い特定の接着剤層50A)は、上下方向に視て、シャント抵抗R1に重なってもよいし、シャント抵抗R1からの配線パターン430に重なってもよい。いずれの場合でも、シャント抵抗R1で生じる熱を、特定の接着剤層50Aを介して、筐体3に伝達し、外部へと放出できる。なお、特定の台座部310A(及びそれに伴い特定の接着剤層50A)が、上下方向に視て、シャント抵抗R1又は配線パターン430に重なりやすくするために、シャント抵抗R1は、上下方向に視て、重量部品420に重なってもよいし、重量部品420の周辺領域(重量部品420の近傍の領域)に重なってもよい。
【0035】
本実施例では、特定の接着剤層50Aは、上下方向に視て、シャント抵抗R1からの配線パターン430に重なる。この場合、特定の接着剤層50Aは、シャント抵抗R1から熱のみならず、配線パターン430自体の熱をも、筐体3へと効率的に伝達できる。なお、配線パターン430が基板20の内層201に形成されている場合、特定の接着剤層50Aは、基板20の裏側の表面における部品非実装領域(平らな領域)に、接合してよい。この場合、基板20の比較的大きい凹凸を有する領域(例えば部品が配置される領域)に接合する場合に比べて、接合部の信頼性を高めることができる。
【0036】
このようにして本実施例によれば、特定の台座部310A(及びそれに伴い特定の接着剤層50A)は、特定の発熱部品410に熱的に接続され且つ上下方向に視て重量部品420に重なる態様で、基板20に接合する。これにより、特定の発熱部品410からの熱を効率的に筐体3へと伝達できるとともに、重量部品420の振動を効率的に低減できる。すなわち、基板20上に重量部品420及び発熱部品410が実装される構成において、重量部品420の耐振動性の確保と発熱部品410の放熱性の確保とを同時に効率的に実現できる。
【0037】
より具体的には、重量部品420は、インダクタLであり、実質的に発熱しない電子部品である。本実施例では、かかる実質的に発熱しない電子部品に対しても、あえて特定の接着剤層50Aを介して、特定の台座部310Aで支持するとともに、当該特定の接着剤層50Aに、基板20の裏側の表面に実装される発熱部品410を熱的に接続する。これにより、特定の台座部310A(及びそれに伴い特定の接着剤層50A)に2つの機能(重量部品420の耐振動性の確保と発熱部品410の放熱性の確保)を同時に持たせる効率的な構成を実現できる。この結果、重量部品420の耐振動性の確保のための台座部と、発熱部品410の放熱性の確保のための台座部とを別々に設ける構成に比べて、基板20及びそれに伴い車載電子装置1の小型化を図ることができる。特に、台座部310が中実に形成される場合、筐体3の重量は台座部310の配置領域が増加すると増加しやすくなるが、本実施例によれば、発熱部品410の放熱性の確保のための台座部とを別々に設ける構成に比べて、筐体3の重量低減を図ることができる。
【0038】
また、上述した実施例では、特定の接着剤層50Aは、特定の台座部310A上に塗布した接着剤を硬化して形成されている。この場合、基板20と特定の台座部310Aとの間の固定強度が高まり、基板20上に配置される重量部品420に対する高い制振効果を実現できる。すなわち、特定の接着剤層50Aに代えて、サーマルシートのような伝熱性のシート材を台座部310と基板20との間に密着させる場合に比べて、高い制振効果を実現できる。
【0039】
特定の台座部310A(及びそれに伴い特定の接着剤層50A)は、好ましくは、上述した伝熱機能を高める観点から、シャント抵抗R1の近傍に配置される。例えば、配線パターン430における特定の接着剤層50Aに重なる位置は、配線パターン430における長さ方向の中間位置よりもシャント抵抗R1に近くてよい。なお、配線パターン430における長さ方向の中間位置は、シャント抵抗R1からコネクタ部22までの配線長に基づく中間位置であってよい。
【0040】
また、特定の台座部310A(及びそれに伴い特定の接着剤層50A)は、好ましくは、上述した伝熱機能及び配線パターン430自体の熱を筐体3へ伝達する機能を高める観点から、配線パターン430の配線幅に対応するサイズを有する。例えば、特定の接着剤層50Aは、配線パターン430の配線幅に対応した直径を有する略円形の形態であってよく、中心が配線パターン430の幅方向中心付近に位置するように、配線パターン430に対して位置づけられてもよい。この場合、特定の接着剤層50Aは、配線パターン430における幅方向両側の縁部に内接する態様であってもよいし、一部がはみ出してもよい。この場合、配線パターン430の配線方向で、配線パターン430の配線幅に対する特定の接着剤層50Aの幅の誤差は、最小誤差が例えば±20%以下であってよい。また、特定の接着剤層50Aは、上下方向に視て、非円形の形態であってもよい。
【0041】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0042】
例えば、上述した実施例では、台座部310は、筐体3と一体形成される部位であるが、筐体3とは別ピースの部材であって、筐体3に結合することで一体化される部材により形成されてもよい。
【0043】
また、上述した実施例では、伝熱性の接着剤層50は、台座部310上に塗布した接着剤を硬化して形成されている。しかしながら、各伝熱性の接着剤層50のうちの、特定の接着剤層50A以外は、サーマルシートのような伝熱性のシート材を台座部310と基板20との間に密着させることで形成されてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1・・・車載電子装置、3・・・筐体、20・・・基板、50・・・伝熱性の接着剤層、410・・・発熱部品、420・・・重量部品、R1・・・シャント抵抗(抵抗)、430・・・配線パターン
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図3A
図4