(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177316
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】車両の燃料効率を取得するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20231206BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20231206BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20231206BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20231206BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20231206BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/01 C
G16Y40/20
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023088872
(22)【出願日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】63/347,207
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517411036
【氏名又は名称】ケンブリッジ モバイル テレマティクス,インク.
【氏名又は名称原語表記】CAMBRIDGE MOBILE TELEMATICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル マッデン
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB21
2F129BB22
2F129BB26
2F129DD47
2F129EE43
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129EE94
2F129FF02
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2F129FF71
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
5H181AA02
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC11
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF27
5H181FF32
5H181MB03
5H181MC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両の燃料効率を取得するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】車両における1または複数のテレマティクスセンサから、複数のサンプル時間においてサンプリングされた複数のテレマティクスデータ項目を受け取る工程を備える。所与のサンプル時間について、1または複数の条件を満たす所与のテレマティクスデータ項目にアクセスして、所与のサンプル時間における燃料消費量を計算して、所与のサンプル時間より前である以前のサンプル時間から、所与のサンプル時間までに前記車両が走行する距離を決定する。条件を満たす各テレマティクスデータ項目について、総距離及び総燃料消費量を計算して、複数のテレマティクスデータ項目についての走行距離及び燃料消費量に基づいて、燃料効率スコア、総燃料消費量、及び前記総距離、又は総時間を決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のデータ処理システムによって実装される方法であって、
車両における1または複数のテレマティクスセンサから、前記1または複数のデータ処理システムが、複数のサンプル時間においてサンプリングされた複数のテレマティクスデータ項目を受け取る工程と、
所与のサンプル時間について、
1または複数の条件を満たす所与のテレマティクスデータ項目にアクセスする工程と、
前記1または複数のデータ処理システムが、前記所与のサンプル時間における燃料消費量を計算する工程と、
前記1または複数のデータ処理システムが、(i)前記所与のサンプル時間より前である以前のサンプル時間から、(ii)前記所与のサンプル時間までに前記車両が走行した距離を決定する工程と、
有効なデータを表す複数のテレマティクスデータ項目について、前記1または複数のデータ処理システムが、総距離及び総燃料消費量を計算する工程であって、前記計算は、前記複数のテレマティクスデータ項目についての走行距離及び燃料消費量に基づく、計算工程と、
前記1または複数のデータ処理システムが、前記総燃料消費量と、前記総距離及び前記車両が前記総距離を走行する総時間のうちの1つ以上とに基づき、燃料効率スコアを決定する工程と、
前記燃料効率スコアを運転者に提供する工程と、を備える方法。
【請求項2】
前記1または複数のデータ処理システムは、モバイルデバイスアプリケーションを備え、前記方法は、
前記モバイルデバイスアプリケーションを使用して、前記燃料効率スコアと、燃料効率についての助言メッセージとのうちの1つ以上を提示する、提示工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1または複数のデータ処理システムが、前記所与のテレマティクスデータ項目が前記1または複数の条件を満たすことを判定する判定工程をさらに備え、
前記判定工程は、
前記所与のテレマティクスデータ項目を解析して、前記所与のテレマティクスデータ項目の構造を識別する工程であって、前記構造は、前記所与のテレマティクスデータ項目の1または複数のフィールドを指定する、工程と、
前記所与のテレマティクスデータ項目における前記1または複数のフィールドの内容を識別する工程と、
識別された前記内容に基づいて、前記1または複数の条件が満たされていることを判定する工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記燃料効率スコアをモデル燃料効率スコアと比較する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1または複数のテレマティクスセンサは、前記車両が走行した前記距離を測定する航法信号受信機を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記燃料消費量は、車両特有のパラメータと、前記複数のテレマティクスデータ項目とを受け取るモデルに基づいて計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各テレマティクスデータ項目は、前記車両の垂直方向の速度と、前記車両の前進速度と、前記車両の前進加速度と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1または複数のテレマティクスセンサは、加速度計を備え、
前記方法は、
前記車両に対する前記加速度計の向きを決定する工程と、
前記加速度計の前記向きと前記加速度計の出力とに基づいて、前記前進加速度を決定する工程と、をさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1または複数の条件は、
識別された前記内容が空でないことと、
識別された前記内容が有効な測定値を含むことと、
識別された前記内容が有効な時間値を含むことと、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記提示工程は、前記所与のサンプル時間において行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記助言メッセージは、
燃料効率情報と、
経時的な燃料消費の傾向と、
運転挙動の調整の推奨と、のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
車両の燃料効率情報を取得するためのデータ処理システムであって、受信機と、プロセッサと、を備え、
前記受信機は、1または複数のテレマティクスセンサから、複数のサンプル時間においてサンプリングされた複数のテレマティクスデータ項目を受信し、
前記プロセッサは、所与のサンプル時間について、有効なテレマティクスデータにアクセスし、
前記プロセッサは、前記所与のサンプル時間における燃料消費量を計算し、
前記プロセッサは、(i)前記所与のサンプル時間より前である以前のサンプル時間から、(ii)前記所与のサンプル時間までに前記車両が走行した距離を決定し、
有効な全てのテレマティクスデータ項目について、前記プロセッサが、総距離及び総燃料消費量を計算し、
前記プロセッサは、前記総燃料消費量と、前記総距離及び前記車両が前記総距離を走行する総時間のうちの1つ以上とに基づき、燃料効率スコアを取得する、システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記所与のテレマティクスデータ項目が前記1または複数の条件を満たすことを、
前記所与のテレマティクスデータ項目を解析して、前記所与のテレマティクスデータ項目の構造を識別する工程であって、前記構造は、前記所与のテレマティクスデータ項目の1または複数のフィールドを指定する、工程と、
前記所与のテレマティクスデータ項目における前記1または複数のフィールドの内容を識別する工程と、
識別された前記内容に基づいて、前記1または複数の条件が満たされていることを判定する工程と、によって判定する、請求項16に記載のシステム。
【請求項14】
前記データ処理システムは、前記車両と無線通信状態にあり、前記1または複数のテレマティクスセンサからのテレマティクスデータを前記車両からの無線通信リンクによって受信し、前記車両が前記1または複数のテレマティクスセンサを備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項15】
命令を記憶するための、1または複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が実行される時、ハードウェアプロセッサに、
車両における1または複数のテレマティクスセンサから、前記1または複数のデータ処理システムが、複数のサンプル時間においてサンプリングされた複数のテレマティクスデータ項目を受け取る工程と、
ハードウェア記憶デバイスに、前記1または複数のテレマティクスデータ項目を記憶する工程と、
所与のサンプル時間について、
前記ハードウェア記憶デバイスから、1または複数の条件を満たす所与のテレマティクスデータ項目にアクセスする工程と、
前記1または複数のデータ処理システムが、前記所与のサンプル時間における燃料消費量を計算する工程と、
前記1または複数のデータ処理システムが、(i)前記所与のサンプル時間より前である以前のサンプル時間から、(ii)前記所与のサンプル時間までに前記車両が走行した距離を決定する工程と、
前記1または複数の条件を満たす複数のテレマティクスデータ項目について、前記1または複数のデータ処理システムが、総距離及び総燃料消費量を計算する工程であって、前記計算は前記複数のテレマティクスデータ項目についての走行距離及び燃料消費量に基づく、工程と、
前記1または複数のデータ処理システムが、前記総燃料消費量と、前記総距離及び前記車両が前記総距離を走行する総時間のうちの1つ以上とに基づき、燃料効率スコアを決定する工程と、を含む動作を実行させる、媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車両の燃料効率を取得するための方法及びシステム。
【背景技術】
【0002】
燃料効率は、個人用車両、及び商用車両の重要な特性である。燃料のコストは、多くの企業及び個人の経済的な幸福に直接的に影響する。加えて、車両は、世界の温室効果排出及び大気汚染の大部分の一因となる。
【0003】
いくつかの車両は、瞬間燃料効率を運転者に対して表示するフィーチャを有する。これらの車両は、例えば、エンジンスピード(すなわち、エンジンがどれだけ激しく作動しているか)と、燃料流量と、マニホールド圧と、スロットルポジションとを測定する、内部のセンサを備える。これらの測定結果は、車両のコンピュータに対し提供されて、車両のコンピュータは、データを、所与の瞬間においてどれだけの燃料が消費されているかを運転者に通知する瞬間燃料効率数にコンパイルする。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】1つ以上の実施形態に従った、車両の燃料効率を取得するための一例のシステムを図示する概略図。
【
図2】1つ以上の実施形態に従った、一例のセンサの概略図。
【
図3】1つ以上の実施形態に従った、一例のモバイルデバイスの概略図。
【
図4】1つ以上の実施形態に従った、一例の燃料消費モデルを図示する概略図。
【
図5】1つ以上の実施形態に従った、トリップの総距離及び総燃料消費量の計算を図示する一例の擬似コードを示す図。
【
図6】1つ以上の実施形態に従った、車両の燃料効率を取得するための一例の方法を図示するフローチャート。
【
図7】実施形態に従った、一例のコンピュータシステム700のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一態様では、1または複数のデータ処理システムによって実装される方法が提供される。前記方法は、車両における1または複数のテレマティクスセンサから、前記1または複数のデータ処理システムが、複数のサンプル時間においてサンプリングされた複数のテレマティクスデータ項目を受け取る工程を備える。所与のサンプル時間について、前記方法は、1または複数の条件を満たす所与のテレマティクスデータ項目にアクセスする、アクセス工程と、前記1または複数のデータ処理システムが、前記所与のサンプル時間における燃料消費量を計算する工程と、前記1または複数のデータ処理システムが、(i)前記所与のサンプル時間より前である以前のサンプル時間から、(ii)前記所与のサンプル時間までに前記車両が走行した距離を決定する工程と、を備える。前記方法は、有効なデータを表す複数のテレマティクスデータ項目について、前記1または複数のデータ処理システムが、総距離及び総燃料消費量を計算する工程であって、前記計算は、前記複数のテレマティクスデータ項目についての走行距離及び燃料消費量に基づく工程を備える。前記方法は、前記1または複数のデータ処理システムが、前記総燃料消費量と、前記総距離及び前記車両が前記総距離を走行する総時間のうちの1つ以上とに基づき、燃料効率スコアを決定する工程を備える。前記方法は、前記燃料効率スコアをディスプレイ上、又は音声出力を通じて運転者に提供する工程を備える。
【0006】
いくつかの実装形態では、前記1または複数のデータ処理システムは、モバイルデバイスアプリケーションを備える。前記方法は、前記モバイルデバイスアプリケーションを使用して、前記燃料効率スコアと、燃料効率についての助言メッセージとのうちの1つ以上を提示する提示工程を備える。
【0007】
いくつかの実装形態では、前記方法は、前記1または複数のデータ処理システムが、前記所与のテレマティクスデータ項目が前記1または複数の条件を満たすことを判定する、判定工程を備える。前記判定工程は、詳細には、前記所与のテレマティクスデータ項目を解析して、前記所与のテレマティクスデータ項目の構造を識別する工程であって、前記構造は、前記所与のテレマティクスデータ項目の1または複数のフィールドを指定する、工程と、前記所与のテレマティクスデータ項目における前記1または複数のフィールドの内容を識別する工程と、識別された前記内容に基づいて、前記1または複数の条件が満たされていることを判定する工程と、を含む。
【0008】
いくつかの実装形態では、前記方法は、前記燃料効率スコアを、モデル燃料効率スコアと比較する工程を備える。
いくつかの実装形態では、前記1または複数のテレマティクスセンサは、前記車両が走行した前記距離を測定する航法信号受信機を備える。
【0009】
いくつかの実装形態では、前記燃料消費量は、車両特有のパラメータと、前記複数のテレマティクスデータ項目とを受け取るモデルに基づいて計算される。
いくつかの実装形態では、各テレマティクスデータ項目は、前記車両の垂直方向の速度と、前記車両の前進速度と、前記車両の前進加速度と、を含む。
【0010】
いくつかの実装形態では、前記1または複数のテレマティクスセンサは、加速度計を備える。前記方法は、前記車両に対する前記加速度計の向きを決定する工程と、前記加速度計の前記向きと前記加速度計の出力とに基づいて、前記前進加速度を決定する工程と、をさらに備える。
【0011】
いくつかの実装形態では、前記1または複数の条件は、識別された前記内容が空でないことと、識別された前記内容が有効な測定値を含むことと、識別された前記内容が有効な時間値を含むことと、のうちの1つ以上を含む。
【0012】
いくつかの実装形態では、前記燃料効率スコアは、前記総燃料消費量、前記総燃料消費量のコスト、二酸化炭素排出量、前記総時間と前記総燃料消費量との間の比、前記総時間と前記総燃料消費量の前記コストとの間の比、前記総時間と前記総燃料消費量からの前記二酸化炭素排出量との間の比、前記総距離と前記総燃料消費量との間の比、前記総距離と前記総燃料消費量の前記コストとの間の比、及び前記総距離と前記総燃料消費量からの前記二酸化炭素排出量との間の比のうちの1つ以上を含む。
【0013】
いくつかの実装形態では、前記方法は、現実の燃料消費データに基づいて前記モデルを調整する工程を含む。
いくつかの実装形態では、前記方法は、前記アクセス工程の前に、前記1または複数のテレマティクスデータ項目をハードウェア記憶デバイスにおいて記憶する工程を含む。
【0014】
いくつかの実装形態では、前記1または複数のテレマティクスデータ項目は、ストリームにおいて受信されて、前記所与のテレマティクスデータ項目は、前記所与のテレマティクスデータ項目の受信において、リアルタイムにアクセスされる。
【0015】
いくつかの実装形態では、前記燃料効率スコア又は前記助言メッセージの前記提示工程は、前記所与のサンプル時間において行われる。
いくつかの実装形態では、前記助言メッセージは、燃料効率情報と、経時的な燃料消費の傾向と、運転挙動の調整の推奨と、のうちの1つ以上を含む。
【0016】
一態様では、車両の燃料効率情報を取得するためのデータ処理システムは、受信機と、プロセッサと、を備える。前記受信機は、1または複数のテレマティクスセンサから、複数のサンプル時間においてサンプリングされた複数のテレマティクスデータ項目を受信する。前記プロセッサは、所与のサンプル時間について、有効なテレマティクスデータにアクセスする。前記プロセッサは、前記所与のサンプル時間における燃料消費量を計算する。前記プロセッサは、(i)前記所与のサンプル時間より前である以前のサンプル時間から、(ii)前記所与のサンプル時間までに前記車両が走行した距離を決定する。有効な全てのテレマティクスデータ項目について、前記プロセッサが、総距離及び総燃料消費量を計算する。前記プロセッサは、前記総燃料消費量と、前記総距離及び前記車両が前記総距離を走行する総時間のうちの1つ以上とに基づき、燃料効率スコアを取得する。
【0017】
いくつかの実装形態では、前記プロセッサは、前記所与のテレマティクスデータ項目が前記1または複数の条件を満たすことを、前記所与のテレマティクスデータ項目を解析して、前記所与のテレマティクスデータ項目の構造を識別する工程であって、前記構造は、前記所与のテレマティクスデータ項目の1または複数のフィールドを指定する、工程と、前記所与のテレマティクスデータ項目における前記1または複数のフィールドの内容を識別する工程と、識別された前記内容に基づいて、前記1または複数の条件が満たされていることを判定する工程と、によって判定する。
【0018】
いくつかの実装形態では、前記プロセッサは、前記燃料効率スコアをモデル燃料効率スコアと比較する。
いくつかの実装形態では、前記システムは、前記車両に対して電気的に独立した前記1または複数のテレマティクスセンサを備える。
【0019】
一態様では、1または複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、命令を記憶して、前記命令が実行される時、動作をハードウェアプロセッサに実行させる。前記動作は、車両における1または複数のテレマティクスセンサから、前記1または複数のデータ処理システムが、複数のサンプル時間においてサンプリングされた複数のテレマティクスデータ項目を受け取る工程を含む。前記動作は、ハードウェア記憶デバイスに、前記1または複数のテレマティクスデータ項目を記憶する工程を含む。所与のサンプル時間について、前記動作は、前記ハードウェア記憶デバイスから、1または複数の条件を満たす所与のテレマティクスデータ項目にアクセスする工程と、前記1または複数のデータ処理システムが、前記所与のサンプル時間における燃料消費量を計算する工程と、前記1または複数のデータ処理システムが、(i)前記所与のサンプル時間より前である以前のサンプル時間から、(ii)前記所与のサンプル時間までに前記車両が走行した距離を決定する工程と、を含む。前記動作は、前記1または複数の条件を満たす複数のテレマティクスデータ項目について、前記1または複数のデータ処理システムが、総距離及び総燃料消費量を計算する工程であって、前記計算は前記複数のテレマティクスデータ項目についての走行距離及び燃料消費量に基づく、工程を含む。前記動作は、前記1または複数のデータ処理システムが、前記総燃料消費量と、前記総距離及び前記車両が前記総距離を走行する総時間のうちの1つ以上とに基づき、燃料効率スコアを決定する工程を含む。
【0020】
図では、同じ数字は、同じ構成要素を示す。明確に述べられる場合を除いて、破線は、図中の構成要素が随意であることも図示されている実施形態の一部でないことも示唆するものではない。その代わりに、破線は、当業者によって容易に理解され得るように、図示されている構成要素間の機能上又は構造上の関係を示すように使用される場合がある。
【0021】
燃料効率は、運転者と他の一般人とから相当注目されているが、燃料消費を決定するための既存の技術は、実際の燃料消費を測定するために又は運転挙動を燃料消費に関連付けるために適切な情報を、必ずしも提供しない。例えば、全ての車両がエンジン性能の測定のためにエンジンの内部にセンサを備えているわけではなく、内蔵センサの無い車両は、燃料効率情報の通信を行うことが可能ではない。第2に、瞬間燃料効率の表示の機能を有する車両については、情報は、一般に、その瞬間において運転者に対してのみ表示されて、外部のデバイスに記憶も通信もされない。第3に、運転者に対して表示される燃料効率情報は、限定的な意味しか有しない。ある瞬間又はある期間における燃料効率が、例えば、約10.6km/L(25マイル/ガロン)であることが運転者に分かるとしても、運転者は、燃料効率に対する自分の運転挙動の影響を知ることはない。ゆえに、表示された燃料効率情報を見ても、運転者には、燃料効率を向上させるべく自分の挙動を変更するための動機付け及び指導が、なお不足している場合がある。
【0022】
下記に詳細に説明されるように、本開示の実施形態は、テレマティクスデータに基づいて、車両の燃料効率情報を取得する方法及びシステムを含む。テレマティクスデータは、燃料消費情報を取得するため、及びトリップ及び/又は運転者についてのエコスコアを取得するために、サーバ等の遠隔のデータ処理システムに対して送信されるか、モバイルプロセッサに備えられているモバイルデバイスに対して送信されてよい。さらにまた、データ処理システムは、運転者の挙動を燃料消費と相関させ、実際の燃料効率をモデルの燃料効率と比較し、燃料効率の改善の可能性に関する提案を行うことが可能である。テレマティクスデータは、ストリーム処理されて、リアルタイム又はほぼリアルタイムの情報を運転者に対して提供することが可能である。又は、テレマティクスデータは、トリップの完了後、一定間隔中、停止毎、燃料停止毎等、より大きいバッチにおいて処理されることが可能である。テレマティクスデータは、次いで、処理されて、エコスコアが出力されて、運転者を含む他人と共有されることが可能である。エコスコアは、さらに、エコスコアがどのようにして計算されたのかと、それが何を意味するかと、運転者がどのようにしてそれを改善することが可能かとについての情報と共に送信されることが可能である。
【0023】
テレマティクスデータは、車両におけるプロセッサのうちの1つ又はそのうちの1つの組み合わせ、モバイルデバイス、リモートサーバ、又はクラウドベースシステムが、エコスコアを導出するように処理されることが可能である。例えば、車両内のセンサ(車載センサ及び/又はセンサタグを含む)は、車両におけるプロセッサと、モバイルデバイスと、リモートサーバと、クラウドとのうちの1つ又はそれらのうちの1つの組み合わせに、テレマティクスデータの通信を行うことが可能である。車両内のセンサは、テレマティクスデータを、前述のプロセッサに直接的な無線リンク(セルラー又はWi-Fiリンク等)によって直接的に送信するか、車両における無線通信システム(コネクテッドカーに見られるもの等)によって間接的に送信することが可能である。テレマティクスデータの通信及びエコスコアを導出するためのテレマティクスデータの処理の他の手法は、本開示の範囲内である。
【0024】
加えて、車両におけるプロセッサのうちの1つ又はそのうちの1つの組み合わせ、モバイルデバイス、リモートサーバ、又はクラウドベースシステムによって導出されるエコスコアは、有線又は無線リンクによってユーザに対して通信されることが可能である。例えば、コネクテッドカーは、テレマティクスデータを初めに処理して、表示又は音声出力を使用して、エコスコア及び任意の他のフィードバックをユーザに提供することが可能である。エコスコアは、モバイルアプリ又はパソコンに対して、SMS又は他の手法を介して送信されることが可能である。
【0025】
なお、本開示における用語「燃料(fuel)」は、ガソリン及びディーゼル等の従来の化石燃料だけでなく、車両に給電するために使用されるクリーンなエネルギー資源も含む。例えば、本開示の実施形態は、電動車両に適用することが可能であり、この場合「燃料」は、例えば電気自動車のバッテリに蓄えられている電力を意味する。データ処理システム又はモバイルデバイスは、様々な燃料タイプについての様々な燃料消費モデルを適用するように構成されていてよいが、燃料消費情報の取得と、燃料消費情報を運転者の挙動と相関させることとの概念は、様々な燃料タイプについて一貫している。
【0026】
図1は、1つ以上の実施形態に従った、車両110の燃料効率情報を取得するための一例のシステム100を図示している概略図である。システム100は、サーバ102と、記憶デバイス104と、ネットワーク106と、モバイルデバイス108と、1つ以上のテレマティクスセンサ112とを備える。システム100では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、モバイルデバイス108と共に定期的に動作して、車両110からテレマティクスデータを収集して、テレマティクスデータを、ネットワーク106を介してサーバ102に送信する。サーバ102は、次いで、受信したテレマティクスデータを処理して、車両110の燃料効率を計算する。これらの要素及び動作は、下記に詳細に説明されている。
【0027】
1つ以上のテレマティクスセンサ112は、ボックス又はタグ等の単一の要素として形成されるか、互いに物理的に別個の複数の要素として形成されることが可能である。いくつかの実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、車両110に対して取り付けられ、車両110と共に走行する。取付手段の例は、スロットと、フックと、吸盤と、磁石と、接着剤と、ボルト及びナットと、プラグとを含む。1つ以上のテレマティクスセンサ112は、車両110の内部又は外部に対して取り付けられることが可能である。1つ以上のテレマティクスセンサ112が別個の物理的要素を有する実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、車両110の複数の場所に対して取り付けられることが可能である。
【0028】
モバイルデバイス108は、1つ以上のテレマティクスセンサ112によって収集されたテレマティクスデータを受信する。いくつかの実施形態では、モバイルデバイス108と1つ以上のテレマティクスセンサ112との間の通信は、無線技術(ブルートゥース(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、セルラーネットワーク、又はIoT(Internet-of-Things)接続のための他の技術等)を使用することが可能である。いくつかの実施形態では、モバイルデバイス108は、1つ以上のテレマティクスセンサ112との通信を管理するテレマティクスアプリケーション120を実行する携帯電話であることが可能である。
【0029】
テレマティクスデータは、次いで、モバイルデバイス108からサーバ102に対して、ネットワーク106を介して送信される。そしてネットワーク106は、ロングタームエボリューション(LTE)、NR(New Radio)、又は他のセルラー技術であることが可能である。車両110がネットワーク106のカバレッジ内であるいくつかの実施形態では、テレマティクスデータは、1つ以上のテレマティクスセンサ112からサーバ102に対して直接的に送信されることが可能である。サーバ102は、車両110に隣接して配置されるか、車両110から離れて配置されることが可能である。1つ以上のテレマティクスセンサ112が、テレマティクスデータを定期的に取得するとき、モバイルデバイス108及び/又は1つ以上のテレマティクスセンサ112は、さらに、取得したテレマティクスデータを定期的に送信する。
【0030】
サーバ102は、テレマティクスデータを受信するためのトランシーバ116と、テレマティクスデータを処理するためのプロセッサ114とを備える。いくつかの実施形態では、受信されたテレマティクスデータは、記憶デバイス104において記憶されて、記憶デバイス104は、サーバ102内に組み込まれるか、サーバ102から分離されることが可能である。プロセッサ114は、記憶デバイス104からのテレマティクスデータにアクセスして、サンプル時間毎にテレマティクスデータを処理する。すなわち、所与のサンプル時間において1つ以上のテレマティクスセンサ112によって取得される(「サンプリングされる(sampled)」)各テレマティクスデータ項目について、プロセッサ114は、所与のサンプル時間に対応するテレマティクスデータ項目を処理する。これに代えて又はこれに加えて、テレマティクスデータ項目は、サーバ102(又は、モバイルデバイス等の他の計算デバイス)に対してリアルタイムにストリーミングされる。プロセッサは、テレマティクスデータ項目に、各テレマティクスデータ項目の受信において、リアルタイムにアクセスすることが可能である。プロセッサが十分な情報を有すると判定した時、プロセッサは、エコスコアを運転者に出力することが可能であり、その結果運転者は、エコスコアに関するリアルタイム又はほぼリアルタイムの最新情報と、いかにしてエコスコアを改善するかに関する助言とを得る。例えば、プロセッサは、スライディングウインドウを使用して、時間窓によって定義された期間中に観測された受信されたテレマティクスデータを連続的に処理することが可能である。加えて、トランシーバ116は、情報をモバイルデバイス108に返送することが可能である。そうした情報は、例えば計算された燃料効率スコアと、燃料効率についての助言メッセージとを含むことが可能である。そしてそれらは、後程詳細に説明される。
【0031】
図2は、1つ以上の実施形態に従った、一例のセンサの概略図である。
図2において示されているセンサは、
図1のシステム100における1つ以上のテレマティクスセンサ112とほぼ同じであることが可能である。1つ以上のテレマティクスセンサ112の複数の構成要素のうちのいくつか又は全ては、電気回路としてハードウェア上に実装されることが可能であり、スタンドアロンであるか、他の構成要素の回路と組み合わされることも可能である。
【0032】
図2において示されているように、いくつかの実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、マイクロコントローラ202を備える。マイクロコントローラ202は、プログラムされた命令(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)を実行することが可能なプロセッサであることが可能であり、1つ以上のテレマティクスセンサ112の様々な他の構成要素の動作を制御する。マイクロコントローラ202は、車両110の制御システムに対して独立して動作するように構成されていることが可能である。
【0033】
いくつかの実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、様々な形態の物理的情報を検出して、物理的情報を電気信号に変換するセンサ組(sensor suite)200を備える。センサ組200は、(i)加速度計204(1つ以上のテレマティクスセンサ112の加速度を測定して、それにより車両110の加速度を測定する3軸加速度計であることが可能である)と、(ii)ジャイロスコープ206(1つ以上のテレマティクスセンサ112の向き及び/又は角運動速度を測定する3軸ジャイロスコープであることが可能である)と、(iii)光センサ208と、(iv)気圧計210と、(v)磁力計212とのうちの1つ以上を備えることが可能である。上記に説明されるように、センサ組200の構成要素は、例えばタグ又はボックス内に物理的に組み込まれているか、様々な物理的場所において互いに離れて分配されていることが可能である。
【0034】
いくつかの実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、メモリ220と、通信モジュール216とを備える。メモリ220は、センサ組200によって取得されたデータを記憶して、通信モジュール216は、モバイルデバイス108及び/又はサーバ102との記憶されたデータの通信を行う。データの記憶及び送信は、マイクロコントローラ202によって制御されている。
【0035】
いくつかの実施形態では、車両110は、接続された車両であることが可能である。ゆえに、車両110は、トリップ中に情報を収集することが可能な複数の内蔵又は車載センサを備えることが可能である。内蔵又は車載センサは、
図2及び
図3において識別されるものに類似していることが可能である。車両110は、さらに、プロセッサと、メモリと、通信システムとを備えることが可能である。車両のプロセッサは、トリップ中にセンサによって収集される情報を処理することが可能である。結果として生じるテレマティクスデータは、燃料消費をトリップの態様(運転者の挙動、加速度、環境上の要素、距離、高度変化、停止の数、選ばれたルート等)と相関することを含む様々な目的のために使用されることが可能である。車両110は、通信システムを使用して、外部のデバイス(モバイルデバイス、又はインターネット若しくは他のネットワークを通じて接続されているデバイス等)とのセンサ情報の通信を行うことが可能である。これらの外部のデバイスは、センサデータにおいてテレマティクス分析を行うことが可能である。車両110は、さらに、テレマティクスデータ分析の結果の通信を行うことが可能である。例えば、車両110は、燃料消費と運転者が燃料効率を改善すると考えることが可能な提案とについて、(例えば、(ほぼ)リアルタイムに、トリップの終わりに、停止時に、定期的に、又は要求に応じて)運転者に通信することが可能である。
【0036】
いくつかの実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、改ざん検出モジュール218を備える。改ざん検出モジュール218は、トリップからのセンサデータが車両110に相関することの検証を補助して、それにより、燃料効率計算におけるエラー又は不正を減少させる。改ざん検出モジュール218は、様々な方法に基づくことが可能である。一例として、改ざん検出モジュール218は、向きのアルゴリズムと共に加速度計204を使用する。詳細には、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、車両110に対して固定されると、車両の走行方向に関するそれらの補正角度の知識を有する。改ざん検出モジュール218は、加速度計204の軸から車両110の基準系に対応する軸に変換する回転行列を計算する。1つ以上のテレマティクスセンサ112が、向きにおける任意の突然の変化を経験する場合、その理由は、それらの最初の場所からの場所の変化であることが可能である。これは、改ざんイベントと考えられることが可能であり、サーバ102に報告されることが可能である。
【0037】
いくつかの実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、電力を様々な構成要素に提供する電源214を備える。例えば、電源214は、車両110の電気システムに接続されることなく、動力を提供するバッテリであることが可能である。したがって、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、車両110の電気システムに対して独立して動作することが可能である。いくつかの他の例では、電源214は、車両の動力を使用することと、バッテリの動力を使用することとの両方を支援するように構成されることが可能である。
【0038】
図3は、1つ以上の実施形態に従った、センサ及びサーバと通信状態にある一例のモバイルデバイスの概略図である。
図3に示されているモバイルデバイス、センサ、及びサーバは、
図1におけるシステム100のモバイルデバイス108、1つ以上のテレマティクスセンサ112、及びサーバ102とほぼ同じであることが可能である。モバイルデバイス108の複数の構成要素のうちのいくつか又は全ては、電気回路としてハードウェア上に実装されることが可能であり、スタンドアロンであるか、他の構成要素の回路と組み合わされることが可能である。
【0039】
図3に示されているように、いくつかの実施形態では、モバイルデバイス108は、(i)全地球測位システム(GPS)信号等の衛星信号を受信する衛星受信機306と、(ii)加速度計308と、(iii)磁力計310と、(iv)ジャイロスコープ312と、(v)マイクロフォン314と、(vi)コンパス316と、(vii)気圧計318とのうちの1つ以上を備えるセンサデータブロック304を備える。センサデータブロック304は、1つ以上のテレマティクスセンサ112と通信状態にあり、1つ以上のテレマティクスセンサ112によって取得されたデータを受信する。データブロック304の複数の構成要素のうちのいくつか又は全ては、1つ以上のテレマティクスセンサ112と同様にテレマティクスデータを収集することが可能である。それゆえに、データブロック304の複数の構成要素は、さらに、テレマティクスセンサとして使用されて、いくつかの実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112を補うことが可能である。
【0040】
図2におけるセンサ組200の構成要素(i)-(v)と、センサデータブロック304の構成要素(i)-(vii)との比較は、その2つの間に重複部分が存在することが可能であることを示す。例えば、センサ組200とセンサデータブロック304との両方は、車両110の加速度情報を測定する加速度計を備えることが可能である。これらのシナリオでは、モバイルデバイス108は、センサデータのどのソースを使用するべきかを決定するように構成されるか、又はデータ精度を改善するために、信号処理技術を使用して、複数のソースからのデータを動的に組み合わせるように構成されることが可能である。
【0041】
さらに、センサ組200とセンサデータブロック304との間の重複部分の一部でない構成要素については、一方の図において示されている構成要素は、他方の図において図示されているデバイスによって、センサ構成要素が実装されることを妨げない。例えば、衛星受信機306は
図3におけるセンサデータブロック304にのみ示され、
図2におけるセンサ組200には示されていないが、いくつかの実施形態では、モバイルデバイス108のセンサ組200においても衛星受信機を実装することが可能である。
【0042】
いくつかの実施形態では、モバイルデバイス108は、プロセッサ324とメモリ326とを備えるデータ処理ブロック322を備える。モバイルデバイス108は、さらに、データ送信ブロック330を備える。データ処理ブロック322は、センサデータブロック304からセンサデータを受信して、データ送信ブロック330にサーバ102とのセンサデータの通信を行わせる。加えて、モバイルデバイス108は、センシングと、データ処理と、データ送信との状態をモバイルデバイス108のユーザに通知する、通知ブロック320を備える。
【0043】
モバイルデバイス108は、センサデータブロック304と、データ処理ブロック322と、データ送信ブロック330と、通知ブロック320と、1つ以上のテレマティクスセンサ112と、サーバ102とが関与する前述の動作を管理するために、アプリケーション302を実行する。例えば、アプリケーション302は、センサデータブロック304とセンサ組200とが重複する構成要素を有する状況において処理されるべきセンシングデータのソースを決定し、1つ以上のテレマティクスセンサ112及び/又はセンサデータブロック304のサンプリング周波数を制御し、センサデータの有効性を判定し、データ送信ブロック330とサーバ102との間の通信のタイミング及び内容を制御し、及び/又は通知の内容を決定するために、通知ブロック320を制御するように構成されることが可能である。アプリケーション302は、メモリ326において記憶され、プロセッサ324によって実行可能なソフトウェアコードを含むことが可能である。
【0044】
燃料効率は、単位走行距離、又は他の測定単位(時間又はトリップ区分等)当たりの消費された燃料の量として決定される。トリップの燃料効率を計算するために、トリップのために消費された燃料の量は、測定単位で除算される。
【0045】
ここで、用語「トリップ(trip)」は、出発点から目的地までに車両が走行したルート全体を意味することが可能であるが、「トリップ」は、さらに、ルート全体の複数の区分を意味することも可能である。用語「トリップ」は、車両が走行し、その後に燃料効率情報が更新されるルートの一区分を表すことが可能である。例えば、運転者は、更新された燃料効率情報を10秒ごとに受け取ってよい。係る場合には、全ての連続する2つの更新の間の10秒の車両運動は、「トリップ」と考えられることが可能である。
【0046】
トリップの距離は、GPS又はGNSS信号等の航法信号を使用して取得されることが可能である。複数の実施形態では、トリップの距離は、走行時間及び走行距離、走行距離計情報、トリップ区分期間についての速度計の示度からの平均速度に基づいて、又は他の手法によって決定されることが可能である。いくつかの実施形態では、1つ以上のテレマティクスセンサ112は、トリップ中にテレマティクスデータサンプルを定期的に取得する。各サンプリングと共に、モバイルデバイス108は、航法信号を受信して、サンプル時間における車両110の座標を取得する。サンプリング周波数が高い時(例えば、10Hz)、連続する2つのサンプル時間の間に走行した距離増分は、連続する2つのサンプル時間における車両110の座標間の直線距離とおおよそ同等と考えられることが可能である。トリップ内の全ての距離増分を加算すると、トリップにおいて走行した総距離が得られる。
【0047】
トリップの総燃料消費は、細かい燃料消費モデルを使用して取得される。詳細には、モデルは、所与のサンプル時間における車両の運動状態の入力を受け取り、サンプリング期間内の燃料消費率(燃料質量流量等)を出力する。総燃料消費は、ゆえに、トリップ内の全サンプリング期間に対する燃料消費量増分を蓄積することによって取得されることが可能である。
【0048】
図4は、1つ以上の実施形態に従った、一例の燃料消費モデル400を図示する概略図である。燃料消費モデル400は、例えば、スコグとハンデルの瞬間燃料消費モデル(Skog & Handel Instantaneous Fuel Consumption Model)であることが可能である。そしてそれは、3つの群の入力、すなわち(i)車両110の形状及び重量等の車両特有のパラメータ401と、(ii)ルートに沿った平坦でない地形によって引き起こされて、運転挙動によって影響を受ける垂直方向の速度402と、(iii)1つ以上のセンサによって取得されるテレマティクスデータからの運転挙動によって決定される前進速度403及び前進加速度404とを受け取る。燃料消費モデル400は、入力を使用して、トリップ又は時間間隔に対する燃料消費スコア406を出力する。燃料消費モデル400は、決定された燃料消費スコア406と現実の燃料消費値408との比較を使用して所望の結果に達するように、入力と重みと他のパラメータとを調整することが可能である。例えば、車両特有の情報又は車両メーカーから取得される理論上の燃料効率情報は、車両又は車両のクラスに対する燃料効率の現実の評価を使用して精密化されることが可能である。入力の粒度は、モデルが運転者の習慣(攻撃的な運転者対防御的な運転者、窓の位置、空調の使用等)と、運転場所(標高、温度、空気質、都会対田舎等)と、他の要素とを考慮するようなものであることが可能である。
【0049】
燃料消費モデル400は、さらに、モデル400が出力を導出するために使用する重みの調整によって現実のデータを使用して改善されるか、精密化されることが可能である。例えば、コンパレータが、モデルの出力406を実際の燃料消費値と比較するために使用されることが可能である。実際の燃料消費値は、車両から、運転者によって行われた計算及びエコスコアエンジンへの入力から、又は第三者から、直接的に取得されることが可能である。
【0050】
複数の実施形態では、燃料消費モデル400は、車両特有のパラメータ401を入力として含むことが可能である。車両特有のパラメータ401は、様々なソースから取得されることが可能である。車両特有のパラメータは、車両110の製造元及びモデル、若しくは車両110のクラス情報(ミドルサイズセダン又はフルサイズSUV等)、若しくは車両識別番号に基づいて、又は他のやり方によって取得されることが可能である。車両特有のパラメータは、燃料消費モデル400においてあらかじめ設定されることが可能である。ゆえに、群(i)の入力を取得するために測定は必要とされない。しかしながら、群(ii)及び群(iii)の入力は、運転者の挙動に基づくので、それらは1つ以上のテレマティクスセンサ112を使用して即座に測定される必要がある。同時性のために、燃料消費モデル400は、1つ以上のテレマティクスセンサ112のサンプリング周波数と同じ周波数において前進加速度404を出力するように構成されている。
【0051】
いくつかの実施形態では、トリップからのテレマティクスデータは、(垂直及び水平方向の)速度、加速度、航法データ、トリップ期間、走行距離計の示度等を含む、燃料消費モデル400に対する入力として使用されることが可能である。例えば、車両110の垂直方向の速度402は、
図2における1つ以上のテレマティクスセンサ112の気圧計210、又は
図3におけるモバイルデバイス108の気圧計318等の気圧計を使用して取得されることが可能である。気圧計の示度は、場所の標高を示す。ゆえに、垂直方向の速度は、連続する2つのサンプル時間の間の標高変化に基づいて決定されることが可能である。これに代えて又はこれに加えて、車両110の垂直方向の速度は、GPS信号、又は場所の標高を示すことが可能な他のタイプの航法信号を使用して決定されることが可能である。
【0052】
前進速度403は、GPS信号又は他のタイプの航法信号を使用して取得されることが可能である。前進速度403の決定は、連続する2つのサンプル時間の間に車両110が走行した距離増分の決定に類似している。すなわち、距離増分をサンプリング間隔で除算することにより、連続する2つのサンプル時間の間の前進速度403が得られる。
【0053】
車両110の前進加速度404は、
図2における1つ以上のテレマティクスセンサ112の加速度計204、又は
図3におけるモバイルデバイス108の加速度計308等の加速度計を使用して取得されることが可能である。いくつかの実施形態では、前進加速度404の決定は、車両110に対する加速度計204又は308の向きを決定することを伴う。相対的な向きを決定するための、いくつかの方法例は、2017年4月12日に出願された米国特許第11134360号明細書において説明されており、その全体を参照によって本明細書に援用する。車両110の前進加速度404は、ゆえに、加速度計204又は308の相対的な向きと、加速度計204又は308の出力とに基づいて取得されることが可能である。
【0054】
いくつかの実施形態では、燃料消費モデル400は、さらに、精度を向上させるために、現実の燃料消費データ408に基づいて調整される。現実の燃料消費データは、燃料センサデータ、車両トリップデータ、又は例えばオンボード診断(OBD)ツール若しくは流量計から取得される他の知覚上の情報に基づいて決定されることが可能である。現実の燃料消費データは、さらに、ユーザによって供給される燃料消費情報から取得されることが可能である。例えば、テレマティクスデータは、燃料供給ステーションの訪問の間の車両の走行距離における変化、及び車両に加えられた燃料の量と相関することが可能である。現実の燃料消費情報を取得する他の手法は、さらに、考えられる。
【0055】
調整は、例えば教師あり又は教師無し機械学習モデルを利用することが可能である。例えば、機械学習モデルは、分類又は予測の精度を向上させるために、現実の燃料消費情報を訓練データセットとして使用することが可能である。調整は、モバイルデバイス108、サーバ102、又はネットワーク106に接続されている他のデバイスにおいて行われることが可能である。
【0056】
いくつかの実施形態では、サンプリングされたテレマティクスデータは、燃料効率を計算するために、適切に依存することが可能でない有効でないデータ項目を含み得る。有効でないデータは、1つ以上のテレマティクスセンサ112とモバイルデバイス108との間の通信が安定していない、モバイルデバイス108が、例えば衛星とのナビゲーション接続を確立していない、1つ以上のテレマティクスセンサ112が、それらの補正された向きで適切にキャリブレーションされていない、トリップの始めに現れ得る。有効でないデータは、さらに、1つ以上のテレマティクスセンサ112がそれらの場所から落下して、それらの向きを失う、トリップの中間において現れ得る。そうしたデータ項目は、燃料効率の計算において取り除かれる必要がある。
【0057】
データの有効性は、データ処理ブロック322を使用してモバイルデバイス108において判定されるか、プロセッサ114を使用してサーバ102において判定されることが可能である。データ項目は、1つ以上の条件を満たす場合に、有効であると判定される。判定は、データ項目を解析して、その構造を識別することを含み、1つ以上のフィールドの内容を識別することが可能である。識別された内容に基づいて、1つ以上の条件が満たされる場合に、データの有効性が判定される。多くの条件が、データの有効性の判定に利用可能である。これらの状況のうちのいくつかは、下記に説明される。
【0058】
第1の条件例は、識別された内容が、空でないことである。空の内容は、例えばセンサが適切に起動することに失敗した時か、データを生成することに失敗した時か、センサ組/ブロックの回路構成から切断した時に起こり得る。
【0059】
第2の条件例は、識別された内容が有効な測定値を含むことである。有効でない測定値は、例えばセンサが適切にキャリブレーション又は設置されていない時か、測定値が特定の範囲外又は他のソースからの測定値と相反する時か、測定値がそれらの非有効性を明示的に示す時に起こり得る。
【0060】
第3の条件例は、識別された内容が有効な時間値を含むことである。いくつかのシナリオでは、センサは、トリップの開始前、終了後にデータを出力することが可能である。第3の条件例を満たすために、識別された内容は、所望の時間窓内に行われる測定に対応しなければならない。
【0061】
図5によって、1つ以上の実施形態に従った、トリップの総距離及び総燃料消費量の計算を図示する一例の擬似コード500が提供される。
図5において図示される計算は、例えばサーバ102又はモバイルデバイス108において、燃料消費モデル400を使用して行われることが可能である。
【0062】
擬似コード500を読むと、当業者は、擬似コード500が、1つ以上のテレマティクスセンサ112の示度等のセンサ示度及び車両特有のパラメータから入力を受け取ることを理解し得る。2~Tの範囲の所与のサンプル時間tについて、擬似コード500は、以前のサンプル時間t-1からの距離増分を決定する。所与のサンプル時間tにおけるセンサ示度が有効であると判定すると、擬似コード500は、以前のサンプル時間において決定されたものに、該距離増分を加算する。さらに、擬似コード500は、以前のサンプル時間t-1から所与のサンプル時間tまでの燃料消費量を決定して、以前のサンプル時間において決定されたものに、該燃料消費量に加算する。ゆえに、時間Tにおいて終了したトリップについて、擬似コード500は、総距離及び総燃料消費量を出力する。そうした計算は、
図1~
図4に関して上記に説明された動作と一致する。
【0063】
トリップの総距離及び総燃料消費量が決定されると共に、サーバ102は、燃料効率スコアを決定することが可能であり、燃料効率スコアは、例えば運転者の運転挙動を評価したり、燃料効率を改善するために手法を推奨したりするように使用されることが可能である。燃料効率スコア(又は、エコスコア)は、例えば総燃料消費量、総燃料消費量のコスト、又は温室効果ガス(例えば、二酸化炭素)排出量を含むか、それらに基づくことが可能である。その代わりに、燃料効率スコアは、トリップ若しくは単位距離毎、又は単位走行時間毎に計算されることが可能である。燃料効率スコアの計算の多くの手法が利用可能であり、そのうちのいくつかを例として下記に説明する。記載される場合を除き、下記の例における単位距離当たりの燃料効率スコアは、トリップ当たりの燃料消費を、実際に走行した総トリップ距離で除算することによって計算される。
【0064】
いくつかの実施形態では、トリップ当たりの燃料効率スコアは、実際に走行したトリップの総燃料消費量と等しいことが可能である。
いくつかの実施形態では、トリップ当たりの燃料効率スコアは、総燃料消費量に燃料の単位コストを乗算することにより計算されることが可能である。
【0065】
いくつかの実施形態では、トリップ当たりの燃料効率スコアは、総燃料消費量に燃料消費からの単位排出量を乗算することにより計算されることが可能である。
上記のいくつかの例では、燃料効率スコアの計算は、別のソース(他の運転者、ベンチマーク、過去の値等)からの燃料効率を比較することなく、特定のトリップについての情報(テレマティクスデータを含む)に依存する。このように取得される燃料効率スコアは、「絶対的な(absolute)」スコアとして表されることが可能である。いくつかの他の実施形態では、燃料効率スコアは、他のソース(過去の値、他の運転者、又はベンチマーク等)からの燃料効率スコアと比較されて、運転者についてのトリップにおいて達成された相対的な燃料効率性能を識別することが可能である。そうした「相対的な(relative)」燃料効率スコアを計算するいくつかの例は、下記に説明される。
【0066】
燃料効率スコアは、燃料消費モデル400に対する1つ以上の入力を変更することによって取得されることが可能なモデル燃料効率スコアと比較されることが可能である。例えば、他の全ての入力が不変であり、1つが垂直方向の速度402をゼロに変更して、平坦な地形のみを有するトリップをモデル化することが可能である。このように取得される、モデル燃料効率スコアと表される燃料効率スコアは、実際のトリップから取得される燃料効率スコアと比較されて、地形の燃料効率への影響を示すことが可能である。別の例として、他の全ての入力が不変であり、1つが車両特有のパラメータ401を別の車両のものに変更して、同じトリップを走行するその他の車両のそうであろう(would-be)燃料効率をモデル化することが可能である。このように取得されるモデル燃料効率スコアは、実際の車両から取得される燃料効率スコアと比較されて、車両設計の燃料効率への影響を示すことが可能である。
【0067】
モデル燃料効率スコアと比較されることに加えて、燃料効率スコアは、過去の燃料効率スコアと比較されて、相対的な燃料効率性能を示すことが可能である。例えば、トリップを走行する運転者によって達成された燃料効率スコアは、同じ車両モデルを使用して、同じ又は同様のトリップを走行する他の運転者によって取得された過去の燃料効率スコアと比較されることが可能である。その結果は、運転者の挙動が他の運転者と比較して、どれくらい燃料効率に影響するかを示し得る。別の例として、複数のトリップ区分を有する同じトリップにおいて、地形上を一定速度で走行する運転者によって達成される燃料効率スコアは、同じ地形上を変化する速度において走行する同じ運転者によって達成される燃料効率スコアと比較されることが可能である。その結果は、速度変化がどれくらい燃料効率に影響するかを示し得る。従って、テレマティクスデータを使用するモデルは、運転者の挙動を燃料効率と相関させて、それによって運転者に燃料の節約になる運転挙動に関する推奨を提供することが可能である。過去の燃料効率スコアは、さらに、統計的に分析されて、燃料効率性能と、例えば人口統計プロファイル、交通量レベル、及びルート選択等との間の関係を調査することが可能である。
【0068】
燃料効率スコアは、さらに、車両メーカーによって公表された目標燃料効率と比較されることが可能である。様々な車両メーカーは、燃料効率を別様に計算して、市場において一貫性のない情報をもたらし得る。対照的に、本明細書の1つ以上の実施形態に従って計算される燃料効率スコアは、メーカー非依存であることが可能である。従って、比較結果は、消費者らに車両メーカーらの信頼性を知らせ、車両の燃料効率を評価するために客観的及び信頼できるソースを消費者らに提供することが可能である。加えて、比較結果は、過去の燃料効率スコアとの比較と組み合わされて、車両メーカーらが、車両の経過年数と共に車両の燃料効率性能の変化を調査することに役立つことが可能である。
【0069】
上記に説明されたのは、燃料効率スコアがどのようにして計算されるとともに、実用的応用において使用されることが可能かの多くの手法のうちのいくつかにすぎない。実用的応用に依存して、燃料効率スコアは、サーバ102又はモバイルデバイス108によって即座に表示されるか、収集されて他の燃料効率スコアと共に後に処理されることが可能である。例えば、モバイルデバイス108のアプリケーション302によって、ユーザが、燃料効率スコアのフォーマット(例えば、トリップ当たり又は単位距離当たり)を選択することと、特定の瞬間における燃料効率スコアをどのようにして過去の燃料効率スコアと比較するかを見ることとが可能にすることが可能である。燃料効率スコアを分析することによって、アプリケーション302は、さらに、運転者に燃料効率を改善することに関する推奨を与えることが可能である。その推奨は、例えば、サーバ102、モバイルデバイス108、車両のスクリーン、又は適当な他のデバイスによってテキスト又は音声として提示される燃料効率についての助言メッセージに含まれることが可能である。例えば、助言メッセージは、運転挙動を説明するか、運転挙動の調整を推奨するテキストを含むことが可能であり、そのテキストは、「荒い加速を避けなさい」、「この道路上のあなたの燃料効率は、一般人の60%よりも高い」、又は「時速約113km(70mph)より時速約96.6km(60mph)で運転することによって、年間200ドル節約することが可能」等である。推奨の提示は、リアルタイム(例えば、テレマティクスデータ項目がアクセスされた時間)であるか、後の時間(例えば、各トリップの終わり)であることが可能である。
【0070】
プロセッサは、サンプリング窓からの燃料消費をサンプリング窓中の運転挙動とテレマティクスデータを使用して比較して、運転挙動がどのくらい燃料消費に相関するかを決定することが可能である。システムは、燃料消費及びエコスコアの改善のための運転者への推奨を識別するとともに提示するために相関関係を利用することが可能である。例えば、サンプル窓中の運転挙動が、トリップの残りと比較して比較的高い燃料消費をもたらす場合、テレマティクスデータは、運転挙動を決定するために、サンプリング窓について再検討されることが可能である。テレマティクスデータが、燃料消費に対して悪影響を及ぼした運転挙動を示す場合、システムは、次いで、運転者についての推奨又はフィードバックを識別することが可能である。
【0071】
運転者についての推奨は、運転挙動に対する変更(例えば、緩やかな加速、速度制限等)と、走行計画に対する変更(例えば、走行ルート及び/又は走行時刻の変更等)と、車両のメンテナンスの推奨(例えば、タイヤ空気圧及び交換、エアフィルタの交換等)と、他の推奨とを含むことが可能である。
【0072】
いくつかの実施形態では、燃料効率スコア及び/又は助言メッセージは、例えば様々な色又は模様で符号化されたマップを伴い、ルートの様々な場所における燃料効率を示すことが可能である。マップは、例えばモバイルデバイス上のテレマティクスアプリケーションによって生成されるか、車両又は車両の補機における既存のナビゲーションシステムによって提供されるものであることが可能である。定期的に又はトリップの終わりにおいて、助言メッセージは、さらに、燃料効率に影響する、トリップにおけるイベント又は期間についての統計情報(高い燃料効率を達成する5分のクルーズ又は燃料効率に悪影響を及ぼす3回の突然の加速等)を含むことが可能である。該統計情報は、運転者に対して別々に伝達されるか、マップと共に表示されることが可能である。助言メッセージは、さらに、トリップ又はトリップ区分の時間にわたる燃料消費又は効率の傾向を示すことが可能である。
【0073】
図6は、1つ以上の実施形態に従った、車両の燃料効率を取得するための一例の方法600を図示するフローチャートである。方法600は、サーバ102又は任意の他の適当なデバイス上に実装されることが可能である。方法600のステップは、
図1~
図5に関して説明されたシステム100の動作とほぼ同じであることが可能である。
【0074】
ステップ602において、方法600は、車両における1つ以上のテレマティクスセンサから、1つ以上のデータ処理システムが、複数のサンプル時間においてサンプリングされた複数のテレマティクスデータ項目を受信する工程を備える。1つ以上のデータ処理システムは、いくつかの実施形態において、
図1におけるサーバ102として実装されることが可能である。
【0075】
ステップ604において、方法600は、ハードウェア記憶デバイスに、1つ以上のテレマティクスデータ項目を記憶する工程を備える。ハードウェア記憶デバイスは、いくつかの実施形態において、
図1における記憶デバイス104として実装されることが可能である。
【0076】
ステップ606において、方法600は、所与のサンプル時間について、ハードウェア記憶デバイスから、所与のテレマティクスデータ項目と、1つ以上の条件を指定する条件データとにアクセスする工程を備える。
【0077】
ステップ608において、方法600は、1つ以上のデータ処理システムが、所与のテレマティクスデータ項目が1つ以上の条件を満たすことを判定する工程を備える。
ステップ610において、方法600は、1つ以上のデータ処理システムが、所与のサンプル時間における燃料消費量を計算する工程を備える。
【0078】
ステップ612において、方法600は、1つ以上のデータ処理システムが、(i)所与のサンプル時間より前である以前のサンプル時間から、(ii)所与のサンプル時間までに車両が走行した距離を決定する工程を備える。
【0079】
ステップ614において、方法600は、1つ以上の条件を満たす複数のテレマティクスデータ項目について、1つ以上のデータ処理システムが、総距離及び総燃料消費量を計算する工程であって、該計算は、複数のテレマティクスデータ項目についての走行距離及び燃料消費量に基づく、工程を備える。
【0080】
ステップ616において、方法600は、1つ以上のデータ処理システムが、総距離及び総燃料消費量に基づき、燃料効率スコアを決定する工程を備える。
本開示の実施形態、特に燃料効率スコアに関する特徴は、実用的応用において多くの優位性を有する。例えば、1つ以上の実施形態に従って取得される燃料効率スコアは、環境にやさしい道路インフラを計画することと、自動車市場を規制することとに役立つことが可能である。燃料効率スコアは、燃料効率の良い製品の設計に役立ち、競争優位性を得ることが可能である。燃料効率スコアは、さらに、燃料の節約になるルートを計画することに役立ち、場合によっては運転者の一群又はより大きな母集団の平均燃料効率等のベンチマークに対して、運転者の燃料効率性能を評価することが可能である。要するに、本開示において説明される技術から導出されたエコスコアは、無数の優位性及び実用的応用を有する。
【0081】
図7は、実施形態に従った、一例のコンピュータシステム700のブロック図である。例えば、
図1を参照すると、モバイルデバイス108及びサーバ102は、これらの構成要素のリソースにアクセスするユーザのいずれかによって使用されるコンピュータシステムのように、本明細書で説明されるシステム700の一例であることが可能である。システム700は、プロセッサ710と、メモリ720と、記憶デバイス730と、1つ以上の入出力インターフェースデバイス740とを備える。構成要素710、720、730、及び740の各々は、例えば、システムバス750を使用して相互接続することが可能である。
【0082】
プロセッサ710は、システム700内での実行のために、命令を処理することが可能である。本明細書で使用される用語「実行(execution)」は、プロフラムコードが、プロセッサに1つ以上のプロセッサ命令を行わせる技術を表す。いくつかの実装形態では、プロセッサ710は、シングルスレッドのプロセッサである。いくつかの実装形態では、プロセッサ710は、マルチスレッドのプロセッサである。プロセッサ710は、メモリ720において又は記憶デバイス730上に記憶された命令を処理することが可能である。プロセッサ710は、本明細書で説明された他の図に関して説明されたもののような動作を実行してよい。
【0083】
メモリ720は、システム700内に情報を記憶する。いくつかの実装形態では、メモリ720は、コンピュータ可読媒体である。いくつかの実装形態では、メモリ720は、揮発性メモリユニットである。いくつかの実装形態では、メモリ720は、不揮発性メモリユニットである。
【0084】
記憶デバイス730は、システム700用の大容量ストレージを提供することが可能である。いくつかの実装形態では、記憶デバイス730は、非一時的なコンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態において、記憶デバイス730は、例えば、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、磁気テープ、又はいくつかの他の大容量の記憶デバイスを含むことが可能である。いくつかの実装形態では、記憶デバイス730は、クラウド記憶デバイス、例えばネットワーク上に分散されて、ネットワークを使用してアクセスされる1つ以上の物理記憶デバイスを含む論理記憶デバイスであってよい。いくつかの例では、記憶デバイスは、長期間のデータを記憶してよい。入出力インターフェースデバイス740は、システム700のために入出力動作を提供する。いくつかの実装形態では、入出力インターフェースデバイス740は、ネットワークインターフェースデバイス(例えば、イーサネット(登録商標)インターフェース)、シリアル通信デバイス(例えば、RS-232インターフェース)、及び/又は無線インターフェースデバイス(例えば、802.11インターフェース、3G無線モデム、4G無線モデム、5G無線モデム等)を含むことが可能である。ネットワークインターフェースデバイスによって、システム700が、データの通信を行う(例えば、送信及び受信する)ことが可能になる。いくつかの実装形態では、入出力デバイスは、入力データを受信して、出力データを他の入出力デバイス(例えば、キーボード、プリンタ、及びディスプレイデバイス760)に送信するように構成されている運転者デバイスを含むことが可能である。いくつかの実装形態では、モバイル計算デバイス、モバイル通信デバイス、及び他のデバイスが使用されることが可能である。
【0085】
サーバは、サーバファーム又は一組の広域的に分散されたサーバ等のネットワークを介して分散的に実装されるか、互いに共働して動作する複数の分散されたデバイスを含む単一の仮想デバイスにおいて実装されることが可能である。例えば、複数のデバイスのうちの1つが他のデバイスを制御することが可能であるか、複数のデバイスが一組の調整された規則又はプロトコルに基づいて動作してよいか、複数のデバイスが別の方式において調整されてよい。複数の分散されたデバイスの調整された動作は、単一のデバイスとして動作する外観を提示する。
【0086】
いくつかの実装形態では、システム700は、単一の集積回路パッケージ内に含まれる。プロセッサ710と1つ以上の他の構成要素との両方が単一の集積回路パッケージ内に含まれ、及び/又は単一の集積回路として製造される係る種のシステム700は、時々、マイクロコントローラと呼ばれる。いくつかの実装形態では、集積回路パッケージは、例えば入出力インターフェースデバイス740のうちの1つ以上に信号の通信を行って、入出力インターフェースデバイス740のうちの1つ以上から信号の通信を行うために使用されることが可能な入出力ポートに対応するピンを備える。
【0087】
処理システムの一例が
図7において説明されているが、本明細書において説明された主題及び機能上の動作の実装形態は、本明細書において開示される構造及びそれらの構造上均等物を含む、デジタル電子回路、有形に具体化されたコンピュータソフトウェア若しくはファームウェア、コンピュータハードウェア、又はそれらのうちの1つ以上の組み合わせにおいて実装されることが可能である。説明される主題のソフトウェア実装形態は、1つ以上のコンピュータプログラムとして実装されることが可能である。各コンピュータプログラムは、データ処理システムによる実行のため又はデータ処理システムの動作を制御するために、有形の、非一時的な、コンピュータ可読コンピュータ記憶媒体上にエンコードされるコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールを含むことが可能である。これに代えて又はこれに加えて、プログラム命令は、人工的に生成された伝搬信号において/上にエンコードされることが可能である。一例において、信号は、データ処理システムによる実行のために、適当な受信機システムに送信するための情報をエンコードするべく生成される機械生成の電気信号、光信号、又は電磁信号であることが可能である。コンピュータ記憶媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、ランダム若しくはシリアルアクセスメモリデバイス、又はコンピュータ記憶媒体の組み合わせであることが可能である。
【0088】
用語「データ処理システム(data processing system)」、「コンピュータ(computer)」、及び「計算デバイス(computing device)」(又は当業者によって理解される均等物)は、データ処理ハードウェアを表す。例えば、データ処理システムは、例として、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、又は複数のプロセッサ若しくは複数のコンピュータを含む、データ処理のための全ての種類のシステムと、デバイスと、機械とを包含することが可能である。システムは、さらに、例えば、中央処理装置(CPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含む特殊目的の論理回路構成を備えることが可能である。いくつかの実装形態では、データ処理システム又は特殊目的の論理回路構成(又はデータ処理システム若しくは特殊目的の論理回路構成の組み合わせ)は、ハードウェアベース又はソフトウェアベース(又はソフトウェアベースとハードウェアベースとの両方の組み合わせ)であることが可能である。システムは、随意でコンピュータプログラムのための実行環境を生成するコード(例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、動作システム、又は実行環境の組み合わせを構成するコード)を含むことが可能である。本開示は、従来のオペレーティングシステム(例えば、LINUX(登録商標),UNIX(登録商標),WINDOWS(登録商標),MAC OS(登録商標),ANDROID(登録商標),又はIOS(登録商標))を備えるか、備えないデータ処理システムの使用を考える。
【0089】
コンピュータプログラムは、さらに、プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、又はコードと表されるか、それらとして説明されることが可能であり、任意の形式のプログラミング言語において書かれることが可能である。プログラミング言語は、例えば、コンパイラ型言語、インタプリタ型言語、宣言型言語、又は手続き型言語を含むことが可能である。プログラムは、スタンドアロンプログラム、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、又は計算環境における使用のためのユニット等を含む任意の形式で展開されることが可能である。プログラムは、必ずしもそうである必要はないが、ファイルシステムにおけるファイルに対応可能である。プログラムは、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つ以上のスクリプト)を保持するファイルの一部分か、問題のプログラム専用の単一ファイルか、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部分を記憶する複数の調整されたファイルにおいて記憶されることが可能である。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ上で実行されるために展開されるか、例えば1つのサイトにおいて位置する、又は通信ネットワークによって相互接続されている複数のサイトに分散される複数のコンピュータ上で実行されるために展開されることが可能である。様々な図において図示されているプログラムの一部分は、様々なオブジェクト、方法、又はプロセスを通じて様々な特徴と機能とを実装する個々のモジュールとして示され得るが、プログラムは、代わりに、いくつかのサブモジュールと、サードパーティサービスと、ライブラリとを含むことが可能である。反対に、様々なコンポーネントの特徴及び機能は、必要に応じて単一のコンポーネントに組み合わされることが可能である。計算の決定を行うために用いられる閾値は、静的に決定されるか、動的に決定されるか、静的及び動的の両方で決定されることが可能である。
【0090】
本明細書において説明された方法、プロセス、又は論理フローは、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1台以上のプログラム可能なコンピュータによって行われて、入力データを処理することと出力を生成することとによって複数の機能を行うことが可能である。方法、プロセス、又は論理フローは、さらに、特殊目的論理回路構成(例えば、CPU、FPGA、又はASIC)によって行われることが可能である。そして、システムも、さらに、特殊目的論理回路構成として実装されることが可能である。
【0091】
コンピュータプログラムの実行に適当なコンピュータは、汎用マイクロプロセッサと特殊目的のマイクロプロセッサと他の種類のCPUとのうちの1つ以上に基づくことが可能である。コンピュータの要素は、命令を行うか、命令を実行するためのCPUと、命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリとである。一般に、CPUは、メモリから命令とデータとを受け取る(及びメモリにデータを書き込む)ことが可能である。コンピュータは、さらに、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイスを備えるか、それらに対して機能的に結合されることが可能である。いくつかの実装形態では、コンピュータは、大容量記憶デバイス(例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクを含む)からデータを受け取り、大容量記憶デバイスにデータを転送することが可能である。さらにまた、コンピュータは、別のデバイス(例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯オーディオプレーヤ若しくはビデオプレーヤ、ゲーム機、GNSSセンサ若しくは受信機、又はユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ等の可搬型記憶デバイス)に組み込まれることが可能である。
【0092】
用語「コンピュータ可読媒体(computer-readable medium)」は、可搬型又は非可搬型記憶デバイスと、光記憶デバイスと、(複数の)命令及び/又はデータを記憶、含有、又は保持することが可能な様々な他の媒体とを含むが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体は、データが記憶されることが可能であり、搬送波、及び/又は無線若しくは有線接続を通して伝播する一時的な電気信号を含まない非一時的な媒体を含んでよい。非一時的な媒体の例は、磁気ディスク若しくはテープ、コンパクトディスク(CD)若しくはデジタル多目的ディスク(DVD)等の光記憶媒体、フラッシュメモリ、メモリ、又はメモリデバイスを含んでよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読媒体は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、又は命令、データ構造、若しくはプログラムステートメントのうちの任意の組み合わせを表してよいコード及び/又は機械が実行可能な命令を記憶していてよい。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ、又はメモリ内容を渡す及び/又は受け取ることによって、別のコードセグメント又はハードウェア回路に対して結合されてよい。情報、引数、パラメータ、データ等は、メモリ共有、メッセージパッシング、トークンパッシング、又はネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を介して渡されるか、転送されるか、送信されてよい。
【0093】
コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適当なコンピュータ可読媒体(必要に応じて、一時的又は非一時的な)は、全ての形態の永久的/非永久的、及び揮発性/不揮発性メモリと、媒体と、メモリデバイスとを含むことが可能である。コンピュータ可読媒体は、例えば、半導体メモリデバイス(ランダムアクセスメモリ(RAM)と、読出し専用メモリ(ROM)と、相変化メモリ(PRAM)と、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)と、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)と、消去可能プログラム可能ランダムアクセスメモリ(EPROM)と、電気的消去可能プログラム可能ランダムアクセスメモリ(EEPROM)と、フラッシュメモリデバイス等)を含むことが可能である。コンピュータ可読媒体は、さらに、例えば、磁気デバイス(テープと、カートリッジと、カセットと、内蔵ディスク/リムーバブルディスク等)を含むことが可能である。コンピュータ可読媒体は、光磁気ディスクと、光メモリデバイスと、技術(例えば、デジタルビデオディスク(DVD)、CD ROM,DVD+/-R,DVD-RAM,DVD-ROM,HD-DVD,及びBLURAY)とを含むことが可能である。メモリは、キャッシュと、クラスと、フレームワークと、アプリケーションと、モジュールと、バックアップデータと、ジョブと、ウェブページと、ウェブページテンプレートと、データ構造と、データベーステーブルと、レポジトリと、動的情報とを含む様々なオブジェクト又はデータを記憶することが可能である。メモリに記憶されているオブジェクト及びデータのタイプは、パラメータと、変数と、アルゴリズムと、命令と、規則と、制約と、参照とを含むことが可能である。加えて、メモリは、ログと、ポリシーと、セキュリティ又はアクセスデータと、報告ファイルとを含むことが可能である。プロセッサ及びメモリは、特殊目的論理回路構成によって補われるか、特殊目的論理回路構成に組み込まれることが可能である。
【0094】
本明細書は、多くの具体的な実装形態の詳細を含むが、これらは、特許請求され得るものの範囲に対しての限定としてではなく、特定の実装形態に特有であり得る特徴の説明として解釈されるものである。本明細書において別々の実装形態の文脈に説明された特定の特徴は、さらに、組み合わせにおいて、単一の実装形態において実装されることが可能である。反対に、単一の実装形態の文脈において説明されている様々な特徴は、さらに、複数の実装形態において、別々に、又は任意の適当なサブコンビネーションにおいて実装されることが可能である。さらにまた、以前に説明された特徴は、特定の組み合わせにおいて実施するものとして説明されて、初めはそのように言及され得るにもかかわらず、いくつかの場合では、言及されている組み合わせからの1つ以上の特徴が、組み合わせから削除されることが可能であり、言及されている組み合わせが、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0095】
主題の特定の実装形態が、説明されている。説明された実装形態の他の実装形態と、代替形態と、置換とは、当業者には明らかであり得るように、下記の特許請求の範囲の範囲内である。動作が、図面又は特許請求の範囲において特定の順序において描写されているが、これは、そうした動作が、望ましい結果に達するように、示されている特定の順序又は連続した順序において行われるか、示されている動作の全てが、(いくつかの動作は、随意であると考えられてよい)行われることを必要とするものとして理解されるものではない。特定の状況では、マルチタスキング又は並列処理(又は、マルチタスキングと並列処理との組み合わせ)が有利であり、適当であるとみなされたものとして行われてよい。
【0096】
さらにまた、以前に説明された実装形態における様々なシステムモジュール及びコンポーネントの分離又は組込みは、すべての実装形態におけるそうした分離又は組込みを必要とするものとして理解されるものではなく、説明されているプログラムコンポーネント及びシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に共に組み込まれるか、複数のソフトウェア製品にまとめられることが可能であることが理解されるものである。
【0097】
したがって、以前に説明された実装形態例は、本開示を定義も、束縛もしない。他の変更、置換、及び代替は、さらに、本開示の精神および範囲から逸脱することなく可能である。
【外国語明細書】