(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177317
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】キャップ切断設備及び方法
(51)【国際特許分類】
B26D 3/08 20060101AFI20231206BHJP
B26D 5/08 20060101ALI20231206BHJP
B26D 5/12 20060101ALI20231206BHJP
B26D 3/16 20060101ALI20231206BHJP
B26D 7/22 20060101ALI20231206BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
B26D3/08 Z
B26D5/08 B
B26D5/12
B26D3/16 B
B26D3/16 D
B26D7/22 A
B26D7/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023088930
(22)【出願日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】102022000011495
(32)【優先日】2022-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】メンツォリーニ,ルッジェーロ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェントゥリーニ,マッテオ
【テーマコード(参考)】
3C021
3C024
【Fターム(参考)】
3C021DB03
3C021HA08
3C024BB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】キャップを閉鎖するタンパー装置を製造するための切断設備及び方法を開示する。
【解決手段】キャップは、切断装置に供給され、切断装置では、当該装置の切断部を運転位置に保持する第1の力と、切断部を安全位置に後退させようとする第2の力とが同時に発揮され、第1の力は第2の力よりも大きい。電力供給障害のような異常事態が生じると、第1の力が減少し、第2の力が第1の力を上回り、切断部を安全位置に移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップを切断するための設備(1)であって、
カルーセル軸の周りに回転するカルーセル(2)と、
前記カルーセル(2)によって搬送され、前記カルーセル(2)の回転によって画定される経路に沿ってキャップを輸送するようにそれぞれ構成された2以上の輸送ユニット(3)と、
少なくとも1つの当接部及び少なくとも1つの切断部(6)を備え、少なくとも1つの第1の配置と少なくとも1つの第2の配置とを設定可能な切断装置(4)であって、前記第1の配置においては、前記当接部が前記少なくとも1つの当接要素に対抗し且つ前記切断部(6)が運転位置にあり、対応する輸送ユニットによって輸送されて当該切断装置(4)上で回転するキャップを切断するために前記切断部が前記経路に沿って配置され、前記第2の配置においては、前記切断部(6)が、前記キャップ及び/又はこれと対応する輸送ユニットと干渉しないように前記経路から離れた安全位置にある、切断装置(4)と、
前記当接部と対抗するときに前記切断部(6)が前記運転位置に位置するように構成された少なくとも1つの当接要素と、
前記少なくとも1つの当接部を前記少なくとも1つの当接要素及び前記運転位置にある前記切断部(6)と対抗する状態に保持するのに適した第1の力を発揮する第1の力付与手段と、
前記少なくとも1つの切断部(6)を前記運転位置から前記安全位置に移動させるのに適した第2の力を発揮する第2の力付与手段と、
を備え、
前記第1の力付与手段及び前記第2の力付与手段は、少なくとも1つの運転制御モードと、少なくとも1つの緊急モードとで運転するように構成され、前記運転制御モードにおいては、前記第1の力及び前記第2の力が同時に発揮され、前記第1の力が前記第2の力よりも大きく、それにより前記第1の力と前記第2の力とで生じる力が前記第1の配置に向けられ、前記緊急モードにおいては、少なくとも前記第1の力が前記第2の力よりも小さくなるよう減少し、それにより前記第1の力と前記第2の力とで生じる力が前記第2の配置に向けられる、
設備(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第2の配置において、前記第1の力がゼロであり、及び/又は。前記当接部が、前記少なくとも1つの当接要素から離れている、
請求項1に記載の設備。
【請求項3】
キャップに切り込みを入れる通常運転中に前記少なくとも1つの運転制御モードに従って、前記第1の力付与手段及び前記第2の力付与手段を制御するように構成された制御手段を備える、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項4】
前記少なくとも1つの緊急モードが、異常事態、特に前記第1の力付与手段への電力供給障害によって発動するように、前記第1の力付与手段が構成されている、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項5】
前記第1の力付与手段が電磁手段を備え、前記第1の力が電磁力を含み、前記少なくとも1つの緊急モードが前記電磁手段への電力供給障害によって発動するように前記電磁手段が構成されている、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項6】
前記少なくとも1つの当接部が、強磁性材料で製造される当接部(5)を備え、前記少なくとも1つの当接要素が電磁石(7)を備える、
請求項5に記載の設備。
【請求項7】
前記第2の力付与手段が空圧手段(9)を備え、前記第2の力が空気力であり、前記空気力は、空圧アクチュエータによって前記少なくとも1つの当接部に付与され、前記空圧アクチュエータは、複動アクチュエータであり、リニアアクチュエータである、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項8】
前記少なくとも1つの緊急モードの開始時に前記空気力が前記第1の力よりも大きくなるようにして前記空圧手段にエネルギーを蓄えるように前記空圧手段(9)が構成されている、
請求項7に記載の設備。
【請求項9】
前記第1の力付与手段が空圧手段(10)を備え、前記第1の力が空気力を含み、前記空気力は、空圧アクチュエータによって前記少なくとも1つの当接部に付与される空気力であり、前記空圧アクチュエータが、複動型空圧アクチュエータであり、リニア空圧アクチュエータである、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項10】
前記第2の力付与手段が弾性手段(11)を備え、前記第2の力が弾性力であり、前記弾性力は、少なくとも1つのバネによって前記少なくとも1つの切断部に付与される、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項11】
前記第1の力付与手段が電磁手段を備え、前記少なくとも1つの当接要素が少なくとも1つの電磁石(7)を備える、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項12】
前記少なくとも1つの切断部(6)の前記少なくとも1つの運転位置を調整するための調整装置を備える、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項13】
前記調整装置は、調整可能なように往復的に位置決めされる第1要素(12)と第2要素(13)との間を連結する楔を備える、
請求項1又は2に記載の設備。
【請求項14】
前記少なくとも1つの当接要素が前記第1要素(12)を備え、前記少なくとも1つの当接部が前記第2要素(13)を備える、
請求項13に記載の設備。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに係る装置を使用して実行される、キャップを切断するための方法であって、
経路に沿ってキャップを搬送するステップと、
切断装置(4)の少なくとも1つの切断部(6)により、前記キャップが前記切断装置上で回転し且つ当該切断部が運転位置に配置されている間に、前記キャップを切断するステップと、
前記切断するステップの間に、前記切断装置(4)の少なくとも1つの当接部を少なくとも1つの当接要素に対して保持する向きに第1の力を発揮するステップと、
前記第1の力を発揮するステップの間、前記キャップが前記切断装置上で回転し且つ前記切断装置の前記切断部が運転位置に配置されている間に、前記少なくとも1つの切断部(6)を前記運転位置から安全位置に移動させる向きに第2の力を発揮するステップであって、前記第1の力が前記第2の力よりも大きく、前記第1の力と前記第2の力とで生じる力で前記少なくとも1つの当接部を前記少なくとも1つの当接要素及び前記運転位置にある前記少なくとも1つの切断部(6)に対して保持するステップと、
異常事態において、前記第1の力の大きさを減少させるステップであって、前記第1の力が前記第2の力よりも小さくなることで、前記第1の力と前記第2の力とで生じる力が前記少なくとも1つの切断部(6)を前記運転位置から前記安全位置に移動させるステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、キャップ(capsule)、特に、瓶のような閉鎖容器に用いられるタイプの樹脂製キャップに切り込みを形成するための切断設備及び方法に関する。
【0002】
具体的には、とはいえ排他的ではないが、本発明は、容器が開封されたことを証明するのに適したタンパー装置を形成するために優先的に弱化された1以上のラインを形成すべく、容器を閉鎖するためのキャップに切り込みを形成する設備及び方法に関する。
【0003】
公知のとおり、キャップに切り込みを形成するための切断設備においては、キャップの供給には、切断装置上におけるキャップの回転運動を含む。キャップ供給手段の動き(特に、それ自体の回転運動と、スピンドル保持カルーセルの軸周りの回転運動とを一般に有するカプセル保持スピンドルの動き)は、切断装置の位置と調和されるように(換言すれば、「同位相に」)正確に制御されなければならず、具体的には、切断装置の鉛直の及び/又は傾斜した切れ込みの位置と調整され、それにより、優先的に弱化されたラインがキャップの周方向の所望位置で得られる。
【0004】
先行技術の欠点の一つは、(例えば、電気エネルギーの障害に起因して)切断設備が停止する事態、又は他の異常事態及び/又は緊急事態が生じると、キャップ供給手段が切断装置との協調性(同期性)を失い、その結果、キャップ供給手段及び/又は切断装置及び/又はキャップに損傷が生じるおそれがあることである。
【0005】
実際、キャップ供給手段が切断装置と角度的に「同位相」でなくなった場合には、一方の側面では、ブレードが、キャップ及び/又は供給手段(例えば、回転可能なカルーセルに配置されたキャップ保持スピンドル)を損傷又は破損させる可能性がある。他方の側面では、ブレードが、特に脆弱であることから、摩耗の危険性が高くなる。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、前述した先行技術の欠点を解消可能な切断設備及び/又は方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、先行技術に対して代替可能な切断設備及び/又は方法を提供することを目的とする。
【0008】
利点の一つは、キャップ及び/又は設備の構成部品、特に切断要素及び/又はキャップの輸送スピンドルを保護可能な安全システムを備えた切断設備及び/又は方法を提供することである。
【0009】
利点の一つは、切断設備停止、電力供給障害、又はその他緊急事態が生じてもキャップ及び/又は切断設備の構成部品の完全性(integrity)を保証することである。
【0010】
利点の一つは、構造的に単純で安価な、キャップを切断するための切断設備を利用可能にすることである。
【0011】
このような目的及び利点、並びにその他の目的及び利点が、以下に記載される1以上の請求項に係る切断設備及び/又は方法によって達成される。
【0012】
ある実施形態において、容器を閉鎖するためのキャップのタンパー装置を形成するように構成された切断設備が、切断装置を備え、切断装置には、切断部及び当接部が設けられる。切断部は、切断装置上で回転するキャップを切断するように構成される。当接部は、切断部を位置決めするための当接要素と接触するように構成される。当接部には、切断中に、第1の力と第2の力とが同時に付与される。第1の力は、当接部を当接要素との接触位置に維持し且つ切断部を運転位置に維持する。第2の力は、当接要素を当接部から離れるように移動させようとし、且つ切断部を安全位置に移動させようとするが、第2の力は第1の力よりも小さく、切断部は運転位置に留まる、電力供給障害のような異常事態においては、第1の力が直ちに減少し、第2の力が第1の力よりも大きくなり、そのため切断部が安全位置に迅速に移動する。
【0013】
当接部及び当接要素は、具体的には、電磁力により相互引力を受けやすい2つの本体を備えていてもよい。当接部及び当接要素は、具体的には、相互に連結された2つの楔体を備えていてもよく、これら楔体の相互位置を調整して切断部の運転位置を規定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、非限定的な例示のためにその実施形態を図示する添付図面の参照の下、よりよく理解されることができ、また、実施されることができる。
【
図1】容器用の閉鎖キャップを製造するための製造プラントの平面図。当該プラントは本発明に従って製造された切断設備の第1実施形態を備え、切断装置は前進した運転位置にある。
【
図2】切断装置が運転位置に対して後退した安全位置にある状態における
図1相当図。
【
図3】前進した運転位置にある
図1の切断設備の切断装置の斜視図。
【
図5】一部の部品が他をより良く図示するために省略された状態で、
図3の切断装置を示した図。
【
図7】後退された安全位置にある
図1の切断設備の切断装置の斜視図。
【
図9】一部の部品が他をより良く図示するために省略された状態における、
図7の切断装置の切断設備の切断装置の斜視図。
【
図11】本発明に従って製造された第2実施形態に係る切断装置の斜視図。切断装置は前進された運転位置にある。
【
図15】楔要素12,13の可視性を向上して示す
図11の切断装置の斜視断面図。
【
図16】一部の部品が他をより強調するために省略された状態における、本発明に従って製造される切断設備の第3実施形態の切断装置の斜視図。切断装置は前進した運転位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記の図面において、単純化のため、異なる実施形態の同一の要素を同一の符号で示す。符号1は、キャップ(樹脂製の蓋)を切断するための、具体的にはキャップのタンパーリング(tamper ring)を形成するための切断設備の全体を示すために使用されている。切断設備1は、これらの実施形態において示される通り、キャップを製造するためのプラントの一部として配置されている。具体的には、このプラントは、切断設備1に沿って配列されるキャップを製造するための1以上の他の設備、例えば切断設備1の下流に配置された折曲げ設備のような設備を備え得る。
【0016】
切断設備1は、カルーセル軸、具体的には鉛直回転軸線の周りに回転可能なカルーセル2を備える。切断設備1は、カルーセル2によって搬送される2以上の輸送ユニット3を備える。輸送ユニット3は、カルーセル軸周りに互いに角度的に離れて配置される。各輸送ユニット3は、カルーセル2の回転によって規定される(円形の)経路に沿って、キャップ(樹脂製の蓋)を輸送するように構成されている。具体的には、各輸送ユニット3は、閉鎖キャップを輸送するため、公知のタイプのユニットを備え得る。
【0017】
切断設備1は、切断装置4を備え、切断装置4は、少なくとも1つの当接部5、及び少なくとも1つの切断部6を備える。当接部5は、以下の説明で更に開示する。具体的には、切断部6は、(例えば、樹脂製のキャップの横壁に1以上の周方向の切れ込みを入れるべく)1以上のブレードを備え、及び/又は、(例えばキャップの側壁に1以上の鉛直の又は傾斜したキャップの側壁に切れ込みを入れるべく)1以上の鉛直の又はブレードを備え得る。
【0018】
切断装置4として、少なくとも1つの第1の構成(
図1)を想定できる。この構成においては、当接部5が、少なくとも1つの当接要素に対して当接するように配置される。以下の説明で更に説明する通り、これらの具体的な実施形態において示される通り、この当接要素は、電磁石7を備え得る。切断装置4のこの第1の構成において、切断部6は、(前進した)運転位置にあり、切断部6は、切断装置4で回転する輸送ユニット3それぞれにより輸送されているキャップを切断すべく、前述した経路に沿って配置される。切断装置4として、少なくとも1つの第2の構成を想定できる(
図2)。この構成においては、切断部6が、キャップ及び/又は対応する輸送ユニット3と干渉しないように、前述した経路から離れた(後退した)安全位置にある。
【0019】
切断設備1は、少なくとも前述した当接要素(本実施形態では電磁石7によって構成される)を備える。当接部5が(当接要素として機能する)電磁石7に対して当接するように配置されたときに、切断部6が運転位置に位置するようにして、当接要素は構成されている。具体的には、当接部5と当接要素との間の接触における相互作用は、切断部6の所望の運転位置を規定する。
【0020】
切断設備1は、当接要素に(すなわち、本実施形態では電磁石7に)当接する当接部5と、運転位置にある切断部6とを保持するのに適した第1の力を発揮するように構成された第1の力付与手段を備える。具体的には、当接部5は、強磁性材料で製造されてもよく、前述した第1の力が電磁引力となる。
【0021】
切断設備1は、切断部6を運転位置から安全位置に移動させるのに適した第2の力を発揮するように構成された第2の力付与手段を備える。第2の力の向きは、具体的には、第1の力の向きと反対である。
【0022】
第1の力付与手段及び第2の力付与手段が、少なくとも1つの第1制御モード、又は運転制御モードで運転するように構成されている。運転制御モードでは、第1の力(非ゼロ)及び第2の力(非ゼロ)は同時に発揮され、第1の力は第2の力よりも大きく、第1の力及び第2の力から生じる力は第1の構成に向けられることになる。実際には、第2の力は、アクティブなままであり、通常の運転状態においても当接部5を当接要素(電磁石7)から離れるように移動させ且つ切断部6を後退させるような向きの作用を生じさせるように、第2の力が働き続ける。しかし、このような通常の運転状態においては、切断部6が、所望の運転位置に位置し続けなければならず、第2の力が第1の力を上回り、それでも切断装置4は第1の配置を維持する。実際には、第2の力は、アクティブなままで働き続けるが、後述するように、緊急事態に備えて作動できるように、所望の運転位置を修正する傾向にある。
【0023】
第1の力付与手段及び第2の力付与手段は、少なくとも1つの第2制御モード、すなわち緊急モードで運転するように構成され、このようなモードにおいては、少なくとも第1の力が第2の力よりも小さくなるように低下し、第1の力と第2の力とで生じる力は、第2の配置に向けられ、切断部6が安全位置に連続的に後退する。
【0024】
第2の配置(緊急モード)において、第1の力はゼロになってもよい。第2の配置(緊急モード)において、第1の力が第1の配置に対して低下する(例えばゼロになる)のみならず、第2の力(非ゼロ)も第1の配置に対して低下してもよいが、その低下は第1の力の低下よりも小さく、第2の力は、前述のとおり第1の力よりも大きくなる。第2の配置(緊急モード)において、当接部5が当接要素(電磁石7)から離れるように移動してもよい。
【0025】
切断設備1は、具体的には、キャップに切り込みを入れる通常の運転中に、第1のモードすなわち運転制御モードに従って第1の力付与手段及び第2の力付与手段を制御するように構成された(電気的にプログラム可能な)制御手段を備えてもよい。
【0026】
第1の力付与手段は、特に、異常な状況、特に第1の力付与手段へのエネルギー(例えば、電気)の供給の障害によって、緊急モードが起動されるように構成されてもよい。
【0027】
第1の力付与手段は、具体的には、電磁手段を備えてもよい。電磁手段は、具体的には、電磁石7を備えてもよく、電磁石は、前述のとおり、切断部6を所望どおりに位置決めするための当接要素として機能する。電磁手段は、具体的には、電磁石7が配置される支持手段8を備えてもよい。第1の力は、具体的には、電磁力を含んでもよく、電磁力は、具体的には、当接部5と電磁石7とを相互に引き寄せるように調整された電磁力であってもよい。第1の力付与手段は、具体的には、電磁手段を備えてもよく、当接要素は、具体的には、前述した電磁手段に属する少なくとも1つの電磁石7を備えていてもよい。
【0028】
(電磁石7を備える)電磁手段は、具体的には、緊急モードが電磁手段への電力供給障害によって起動されるように構成されてもよい。
【0029】
第2の力付与手段は、具体的には、空力手段9を備えていてもよい。第2の力は、具体的には、空気力を含んでいてもよい。空気力は、具体的には、空圧アクチュエータによって当接部5に付与されてもよい。空圧手段9は、具体的には、複動型空圧アクチュエータを含んでいてもよい。空圧手段9は、具体的には、リニアアクチュエータを含んでいてもよい。
【0030】
空圧手段9は、具体的には、緊急モードが(例えば、予期しない電力供給障害が生じて)発動すると、空気力が第1の力(例えば、ゼロになった電磁力)よりも大きくなるように、空圧手段にエネルギーが蓄積されるように、構成されてもよい。
【0031】
第1の力付与手段が、(例えば、少なくとも1つの電磁石7を備える)電磁手段を備え、第2の力付与手段が、空圧手段9を備えていてもよい。両方の力付与手段への電力供給に対する(異常な)障害が発生すると、電磁手段によって発揮される第1の力の即時の低下(実際には、ほとんど瞬間的な解消(cancellation))を生じ、また、同時的に、空圧手段9によって発揮される第2の力の低下を生ずる。しかし、この場合において、空圧手段9に含まれる空気エネルギーの一部が、第1の力よりも大きな量の第2の力を発揮し続ける。
【0032】
他の実施形態(
図11~
図15を参照)において、第1の力は、具体的には、空圧手段10を備えていてもよい。第1の力は、具体的には、空気力を含んでもよい。第1の空気力は、具体的には、空圧アクチュエータによって切断装置4の当接部に付与される空気力を含んでいていてもよい。この空圧アクチュエータは、具体的には、複動型空圧アクチュエータを含んでいてもよい。空圧アクチュエータは、具体的には、リニア空圧アクチュエータを含んでいてもよい。
【0033】
第2の力付与手段は、具体的には、(
図11~
図15の実施形態において示されるように)弾性手段11を備えていてもよい。第2の力は、具体的には、弾性力を含んでいてもよい。弾性力は、具体的には、少なくとも1つのバネによって切断部に付与される弾性力を含んでいてもよい。
【0034】
電磁力と空気力(
図3~
図10の実施形態)、又は空気力と弾性力(
図11~
図15の実施形態)、又は電磁力と弾性力、又は液圧力と弾性力のように、第1の力の種類と第2の力の種類との無数の組み合わせを提供することが可能である。
【0035】
切断設備1は、具体的には、前述の切断部6の運転位置を調整するための調整装置を備えていてもよい。調整装置は、具体的には、調整可能に往復可能に変位可能な第1要素12と第2要素13との間を連結する楔継手を含んでいてもよい。具体的には、第1要素12が当接要素(
図3~
図10の実施形態において電磁石7で実現される)として機能し、第2要素13が当接部(
図3~
図10の実施形態において当接部5によって実現される)として機能してもよい。
【0036】
第1要素12及び第2要素13は、例えば鉛直方向に調整可能であってもよく(前進した切断位置と後退した安全位置との間における切断部6の運動方向は水平である)、前進した切断位置と後退した安全位置との間における切断部6の運動方向に対して交差する方向(例えば直交)に調整可能であってもよい。
【0037】
図16及び
図17の切断装置は、電磁手段の形状及び配置が相違する点で、
図3~
図10の切断装置とは異なる。実際、
図3~
図10の切断装置においては、電磁手段が、横並びに配置された2つの電磁石7を備える。一方、
図16及び
図178の切断装置においては、電磁手段が単一の電磁石7を備える。
図16及び
図17の切断装置の電磁石7は、(
図17からわかるとおり)ねじ型の固定手段により支持手段8に固定されてもよい。より一般的には、電磁手段(例えば、
図3~
図10の切断装置の電磁石7も含む)が、ネジ型の固定手段によって支持手段8に固定されてもよい。
【0038】
図16及び
図17の実施形態においても、切断装置4が、(切断部が不図示はあるが
図16及び
図17で図示されるように)少なくとも1つの第1の配置を設定可能であってもよく、第1の配置においては、当接部5が、少なくとも1つの当接要素に対抗して配置され、当接要素は電磁手段の一部を構成してもよく、それにより、当該特定の実施形態において、当接要素は単一の電磁石7を備える。
【0039】
図16及び
図17の形態においても、切断装置4が少なくとも1つの第2の配置(図示せず)を設定可能であってもよく、第2の配置においては、切断部が、キャップ及び/又は対応する輸送構造と干渉しないように、キャップが輸送される経路から離れた(後退された)安全位置にある。
【0040】
切断設備1の運転は、キャップを切断するための方法を作動させることができる。この方法は、具体的には、経路に沿ってキャップを輸送するステップと、切断装置4の少なくとも1つの切断部6によってキャップを切断するステップとを備えていてもよく、この切断するステップでは、キャップが切断装置4上で回転し、切断部6が運転位置に配置される。
【0041】
この方法は、具体的には、前述の切断ステップの実行中に、切断装置4の少なくとも1つの当接部を少なくとも1つの当接要素に当接させ続ける方向に向けられた第1の力を発揮するステップを備えていてもよい。当接部は、具体的には、(
図3~
図10の第1の実施形態で示すような)当接部5、又は(
図11~
図15の第2の実施形態で示すような)第2要素13、又は他の種類の当接部を備えていてもよい。
【0042】
この方法は、具体的には、前述の第1の力を発揮するステップの実行中に、切断部6を運転位置から安全位置に移動させる方向に向けられた第2の力を発揮するステップを備えていてもよい。第1の力は、第2の力よりも大きく、その結果として生じる力が、切断装置4の当接部を、当接要素、及びキャップの切断運転位置にある切断部6に当接させ続ける。
【0043】
この方法は、具体的には、異常事態が生じたときに、第1の力の大きさを減少させるステップを備えていてもよい。第1の力は、第2の力よりも小さくなり、これらの力によって生ずる力により、切断部6が運転位置から安全位置へ移動する。
【0044】
切断設備及び方法は、切断設備の停止、又は電力供給の遮断、又は他の緊急事態においても、キャップ、及び/又は、キャップ切断要素及び/又はキャップ搬送スピンドルのような設備の構成部品を保護する安全システムを特徴とする。
【外国語明細書】