(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177350
(43)【公開日】2023-12-13
(54)【発明の名称】熱管理システムの制御を含む電力供給装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/48 20060101AFI20231206BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20231206BHJP
【FI】
H01M10/48 301
H01M10/44 Q
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023090899
(22)【出願日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/347,884
(32)【優先日】2022-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/370,755
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】タン、チュン チアン
(72)【発明者】
【氏名】バロウクリフト、マイケル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ホッカース、ブライアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】テシュ、ベンジャミン シー.
【テーマコード(参考)】
5H030
【Fターム(参考)】
5H030AA10
5H030AS03
5H030BB01
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱管理システムの制御を含む電力供給装置を提供する。
【解決手段】ポータブル電力供給装置100は、内部電源120と、ポータブル電力供給装置の1つ以上の内部構成要素の温度を制御する熱管理システム122と、内部電源を充電する電力入力ユニット114と、内部電源によって出力された電力を供給する電力出力ユニット116と、1つ以上の内部構成要素の温度を検出する第1の感知回路と、2次電源と、コントローラと、を含む。コントローラは、第1の感知回路から第1の信号を受信し、1つ以上の内部構成要素の温度に基づいて熱管理システムを有効にし、1つ以上の内部構成要素の温度に基づいて内部電源の充電を有効にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポータブル電力供給装置であって、
前記ポータブル電力供給装置に接続された装置に電力を供給するように構成された内部電源と、
前記内部電源の温度を制御するように構成された熱管理システムと、
前記内部電源を充電するように構成された電力入力ユニットと、
前記内部電源によって出力された電力を供給するように構成された電力出力ユニットと、
前記内部電源の前記温度を検出するように構成された第1の感知回路と、
2次電源と、
プロセッサとメモリとを含むコントローラであって、
前記第1の感知回路から前記内部電源の前記温度に関連する第1の信号を受信し、
前記内部電源の前記温度に基づいて前記熱管理システムを有効にし、及び
前記内部電源の前記温度に基づいて前記内部電源の充電を有効にする、
ように構成された、コントローラと、
を備える、ポータブル電力供給装置。
【請求項2】
前記コントローラが、
前記内部電源の前記温度及び温度閾値に基づいて前記内部電源の充電を有効にする、
ように更に構成されている、請求項1に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項3】
前記コントローラが、
前記2次電源を使用して前記熱管理システムに電力供給する、
ように更に構成されている、請求項2に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項4】
前記内部電源の充電状態(「SOC」)を検出するように構成された第2の感知回路を含み、
前記コントローラが、
前記第2の感知回路から前記内部電源の前記SOCに関連する第2の信号を受信し、
前記内部電源の前記SOCがSOC閾値超であると判定したことに応じて、前記内部電源を使用して前記熱管理システムに電力供給する、
ように更に構成されている、請求項1に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項5】
前記内部電源の充電状態(「SOC」)を検出するように構成された第2の感知回路を含み、
前記コントローラが、
前記第2の感知回路から前記内部電源の前記SOCに関連する第2の信号を受信し、
前記内部電源の前記SOCがSOC閾値未満であると判定することに応じて、前記2次電源を使用して前記熱管理システムに電力供給する、
ように更に構成されている、請求項1に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項6】
前記コントローラが、
前記内部電源の前記温度及び1つ以上の温度閾値に基づいて、前記内部電源の充電レートを選択し、前記1つ以上の温度閾値の各々が異なる充電レートに関連付けられている、
ように更に構成されている、請求項1に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項7】
前記コントローラが、
前記選択された充電レート及び前記内部電源の温度に基づいて、前記2次電源を使用して前記熱管理システムの動作を制御する、
ように更に構成されている、請求項6に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項8】
前記ポータブル電力供給装置の前記2次電源が、再生可能エネルギー源である、請求項1に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項9】
前記ポータブル電力供給装置の前記2次電源が、外部電源から前記電力入力ユニットによって供給される、請求項1に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項10】
前記ポータブル電力供給装置の前記2次電源が、前記電力出力ユニットに接続された周辺装置によって供給される、請求項1に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項11】
ポータブル電力供給装置であって、
前記ポータブル電力供給装置に接続された装置に電力を供給するように構成された内部電源と、
前記ポータブル電力供給装置の1つ以上の内部構成要素の温度を制御するように構成された熱管理システムと、
内部電源を充電するように構成された電力入力ユニットと、
前記内部電源によって出力された電力を供給するように構成された電力出力ユニットと、
前記内部電源の前記温度を検出するように構成された第1の感知回路と、
2次電源と、
プロセッサとメモリとを含むコントローラであって、
前記第1の感知回路から前記1つ以上の内部構成要素の前記温度に関連する第1の信号を受信し、
前記1つ以上の内部構成要素の前記温度に基づいて前記熱管理システムを有効にし、及び
前記1つ以上の内部構成要素の前記温度に基づいて前記内部電源の充電を有効にする、
ように構成された、コントローラと、
を備える、ポータブル電力供給装置。
【請求項12】
前記コントローラが、
前記内部電源の前記温度及び温度閾値に基づいて前記内部電源の充電を可能にする、
ように更に構成されている、請求項11に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項13】
前記コントローラが、
前記2次電源を使用して前記熱管理システムに電力供給する、
ように更に構成されている、請求項12に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項14】
前記内部電源の充電状態(「SOC」)を検出するように構成された第2の感知回路を含み、
前記コントローラが、
前記第2の感知回路から前記内部電源の前記SOCに関連する第2の信号を受信し、
前記内部電源の前記SOCがSOC閾値超であると判定したことに応じて、前記内部電源を使用して前記熱管理システムに電力供給する、
ように更に構成されている、請求項11に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項15】
前記内部電源の充電状態(「SOC」)を検出するように構成された第2の感知回路を含み、
前記コントローラが、
前記第2の感知回路から前記内部電源の前記SOCに関連する第2の信号を受信し、
前記内部電源の前記SOCがSOC閾値未満であると判定することに応じて、前記2次電源を使用して前記熱管理システムに電力供給する、
ように更に構成されている、請求項11に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項16】
前記コントローラが、
前記1つ以上の内部構成要素の前記温度及び1つ以上の温度閾値に基づいて、前記内部電源の充電レートを選択し、前記1つ以上の温度閾値の各々が異なる充電レートに関連付けられている、
ように更に構成されている、請求項11に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項17】
前記コントローラが、
前記選択された充電レート及び前記1つ以上の内部構成要素の温度に基づいて、前記2次電源を使用して前記熱管理システムの動作を制御する、
ように更に構成されている、請求項16に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項18】
前記ポータブル電力供給装置の前記2次電源が、再生可能エネルギー源である、請求項11に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項19】
前記ポータブル電力供給装置の前記2次電源が、外部電源から前記電力入力ユニットによって供給される、請求項11に記載のポータブル電力供給装置。
【請求項20】
前記ポータブル電力供給装置の前記2次電源が、前記電力出力ユニットに接続された周辺装置によって供給される、請求項11に記載のポータブル電力供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年6月1日出願の米国仮特許出願第63/347,884号明細書、及び2022年8月8日出願の米国仮特許出願第63/370,755号明細書の利益を主張するものであり、これらの明細書の各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、ポータブル電力供給装置に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ポータブル電力供給装置は、例えば、オンボードバッテリーの電圧が低すぎて十分に機能しない放電終了(「EOD」)(例えば、バッテリーが低電圧放電閾値に達した)、オンボードバッテリーの充電状態が100%に達した充電完了、ポータブルバッテリーが高温すぎて放電電力を供給できない温度超過状態(OT)、ポータブルバッテリーが低温すぎて放電電力の供給又は充電ができない温度未満状態(UT)など、電源が所定の動作条件に達したときに、ユーザに対する電力放電、及び/又は充電機能を無効にする。電源がそれらの所定の動作条件に達した場合、電力供給装置の全ての機能をできるだけ迅速に復帰させることが望ましい。ユニットが機能を再開することができる速度は、電源に対するユーザのアクセスに依存する場合がある。加えて、ユニットが再充電及び/又は機能を再開できる速度は、オンボードバッテリーの温度に依存する場合がある。特定のバッテリー化学的性質及びユーザのライフサイクル要件は、充電又は放電するためにバッテリーが温度閾値以下であることを必要とする。充電温度超過及び/又は温度未満閾値は、放電温度超過及び/又は温度未満閾値より低い場合がある。加えて、オンボードバッテリーのバッテリー化学的性質及びライフサイクル要件は、セル及び周囲温度に応じて低減された最大充電レートを指示する充電能力の階層を有する場合がある。
【0004】
本開示の様々な実施形態は、低温の周囲温度でポータブルバッテリーユニットの機能を可能にすることに課題が存在することを認識している。これらの課題の結果、低温の周囲温度条件では充電及び/又は放電ができない。したがって、オンボードバッテリーが低温すぎて充電できず(例えば、最小セル温度が充電UT閾値を下回る)2次電源に接続されている場合に、オンボードバッテリーを迅速に加熱して放電又は充電を開始し、できるだけ速く最大充電レートに達することができる、ポータブルバッテリー電力供給装置が必要とされている。本開示のいくつかの実施形態は、ポータブルバッテリー電力供給装置の充電状態とは無関係に熱管理システムに電力供給するために2次電源を利用することによって、充電/放電機能を可能にし、並びに/又は低温の周囲条件における充電時間及び/若しくは待機時間を最小化することを可能にする。
【0005】
本明細書に記載のポータブル電力供給装置は、ポータブル電力供給装置に接続された装置に電力を供給するように構成された内部電源と、内部電源の温度を制御するように構成された熱管理システムと、内部電源を充電するように構成された電力入力ユニットと、内部電源によって出力された電力を供給するように構成された電力出力ユニットと、内部電源の充電状態(「SOC」)を検出するように構成された第1の感知回路と、内部電源の温度を検出するように構成された第2の感知回路と、2次電源と、コントローラと、を含む。コントローラは、プロセッサとメモリとを含む。コントローラは、第1の感知回路から内部電源のSOCに関連する第1の信号を受信し、第2の感知回路から内部電源の温度に関連する第2の信号を受信し、内部電源のSOC及び内部電源の温度のうちの1つに基づいて内部電源の充電を無効にし、及び2次電源を使用して熱管理システムに電力供給する、ように構成されている。
【0006】
本明細書に記載のポータブル電力供給装置は、ポータブル電力供給装置に接続された装置に電力を供給するように構成された内部電源と、内部電源の温度を制御するように構成された熱管理システムと、内部電源を充電するように構成された電力入力ユニットと、内部電源によって出力された電力を供給するように構成された電力出力ユニットと、内部電源の充電状態(「SOC」)を検出するように構成された第1の感知回路と、内部電源の温度を検出するように構成された第2の感知回路と、コントローラと、を含む。コントローラは、プロセッサとメモリとを含む。コントローラは、第1の感知回路から内部電源のSOCに関連する第1の信号を受信し、第2の感知回路から内部電源の温度に関連する第2の信号を受信し、内部電源のSOC及び内部電源の温度のうちの1つに基づいて内部電源の充電を無効にし、及び低電圧放電閾値に達したために内部電源が無効にされた後に、内部電源のリバウンド電圧を使用して熱管理システムに電力供給する、ように構成されている。
【0007】
ポータブル電力供給装置は、内部電源と、ポータブル電力供給装置の1つ以上の内部構成要素の温度を制御するように構成された熱管理システムと、内部電源を充電するように構成された電力入力ユニットと、内部電源によって出力された電力を供給するように構成された電力出力ユニットと、1つ以上の内部構成要素の温度を検出するように構成された第1の感知回路と、2次電源と、コントローラと、を含む。コントローラは、第1の感知回路から第1の信号を受信し、1つ以上の内部構成要素の温度に基づいて熱管理システムを有効にし、1つ以上の内部構成要素の温度に基づいて内部電源の充電を有効にする、ように構成されている。
【0008】
いずれかの実施形態について詳細に説明する前に、当該実施形態は、以下の記述において開示する又は添付の図面に示す要素の構成及び配置の詳細に適用されることに限定されないことを理解されたい。これらの実施形態は、様々な態様で実施又は実行することでできる。また、本明細書で用いる語法及び用語は説明目的のためのものであって本発明を限定するものとみなすべきでない点を理解されたい。「含む」か、「包含する」又は「有する」及びこれらの変化形の使用は、以降に列挙する項目及びそれらの等価物並びに追加的項目を包含するものとする。別途指定又は限定されない限り、用語「載置された」「接続された」、「支持された」、及び「結合された」及びそれらの変形は広義に用いられ、直接及び間接的な載置、接続、支持、及び結合を含んでいる。
【0009】
また、複数の実施形態がハードウェア、ソフトウェア、及び電子要素又はモジュールを含んでいてよいが、説明目的のため、大多数の要素が専らハードウェアだけで実装されているかの如く図示及び記述される場合がある点を理解されたい。しかし、当業者には、この詳細説明の読解に基づき、少なくとも1つの実施形態において、電子的態様がマイクロプロセッサ及び/又は特定用途向け集積回路(「ASIC」)等の1個以上の処理ユニットにより実行可能な(例えば非一時的コンピュータ可読媒体に保存された)ソフトウェアで実装され得ることが認識されよう。このように、複数のハードウェア及びソフトウェア方式の機器、及び複数の異なる構造的要素を用いてこれらの実施形態を実装できる点に注意されたい。例えば、本明細書の記述する「サーバ」、「計算装置」、「コントローラ」、「プロセッサ」等は、1個以上の処理ユニット、1個以上のコンピュータ可読媒体モジュール、1個以上の入出力インターフェース、及び要素を接続する各種の接続部(例えば、システムバス)を含み得る。
【0010】
量又は状態との関連で用いる相対用語、例えば「約」、「ほぼ」、「実質的に」等が宣言された値を含み、文脈で言及された意味を有する(例えば、用語が少なくとも測定精度に関連付けられた誤差、特定の値に関連付けられた公差[例えば、製造、組み立て、使用等]等)ことが当業者には理解されよう。このような用語はまた、2個の終点の絶対値により定義される範囲を示すものと考えるべきである。例えば、「約2~約4」という表現は「2~4」の範囲を示している。相対用語は、示された値のある百分率(例えば、1%、5%、10%以上)の増減を指す場合がある。
【0011】
本明細書において1つの要素により実行されるものと記述する機能は複数の構成要素により分散的に実行することができる。同様に、複数の要素により実行される機能は統合されて単一の要素により実行することができる。同様に、特定の機能を実行するものと記述する要素もまた本明細書に記述しない追加的な機能を実行することができる。例えば、特定の仕方で「構成された」装置又は構造は少なくともその仕方で構成されているが、明示的に列挙しない複数の仕方で構成されていてもよい。
【0012】
本発明の他の態様も詳細記述及び添付図面を考慮することにより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】
図1のポータブル電力供給装置に含まれる内部電源の実施形態を示す図である。
【
図3】
図1のポータブル電力供給装置に含まれる内部電源の実施形態を示す図である。
【
図4A】
図1のポータブル電力供給装置用の制御システムを示す図である。
【
図4B】
図1のポータブル電力供給装置のネットワーク通信モジュールのブロック回路図である。
【
図4C】
図1のポータブル電力供給装置及び外部装置の通信システムを示す図である。
【
図5】
図1のポータブル電力供給装置の概略図である。
【
図6A】熱管理システムが無効にされている状況を示す図である。
【
図6B】熱管理システムが無効にされている状況を示す図である。
【
図6C】熱管理システムが有効にされている状況を示す図である。
【
図6D】熱管理システムが有効にされている状況を示す図である。
【
図6E】熱管理システム及び充電が有効にされている状況を示す図である。
【
図7】パルス放電中のバッテリーの電圧応答を示す図である。
【
図8】連続放電中のバッテリーの電圧応答を示す図である。
【
図9】2次電源を含む
図1の電力供給装置を示す図である。
【
図10】
図1の電力供給装置の内部電源を充電するためのプロセスを示す図である。
【
図11】
図1の電力供給装置の追加の特徴に電力供給するためのプロセスを示す図である。
【
図12】
図1の電力供給装置の温度管理システムを制御するためのプロセスを示す図である。
【
図13】
図1の電力供給装置の温度管理システムを制御するためのプロセスを示す図である。
【
図14A】
図1の電力供給装置の温度管理システムを制御するためのプロセスを示す図である。
【
図14B】
図1の電力供給装置の温度管理システムを制御するためのプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、ポータブル電力供給装置又は電力供給装置100を示している。電力供給装置100は、とりわけ、ハウジング102を含む。実施形態によっては、ハウジング102は、1つ以上の車輪104及びハンドルアセンブリ106を含む。例示された実施形態では、ハンドルアセンブリ106は、伸長位置と折り畳み位置との間で可動の伸縮式ハンドルである。ハンドルアセンブリ106は、内側チューブ108及び外側チューブ110を含む。内側チューブ108は、外側チューブ110の内部にぴったり収まり、外側チューブ110に対してスライド可能である。内側チューブ108は、水平の把持部材112に結合される。実施形態によっては、ハンドルアセンブリ106は、内側チューブ108が外側チューブ110に対して偶然に移動してしまうのを防ぐために、ロック機構を更に含む。ロック機構は、ハンドルアセンブリ106が伸長位置及び/又は折り畳み位置にあるときに、内側チューブ108が外側チューブ110に対してスライドするのを阻止するための、ノッチ、スライドキャッチピン、又は別の適切なロック機構を含み得る。実際には、ユーザは、把持部材112を握り、上に引き上げて、ハンドルアセンブリ106を伸ばす。内側チューブ108は、ハンドルアセンブリ106が伸長位置でロックされるまで、外側チューブ110に対してスライドする。その後、ユーザは、ハンドルアセンブリ106によって電力供給装置100を引っ張り、所望の場所へ誘導することができる。電力供給装置100の車輪104は、そのような移動を容易にする。
【0015】
電力供給装置100のハウジング102は、電力入力ユニット114、電力出力ユニット116、及びディスプレイ118を更に含む。例示される実施形態では、電力入力ユニット114は、外部電源から電力を受け取るように構成された、複数の電気接続インターフェースを含む。実施形態によっては、外部電源はDC電源である。例えば、DC電源は、1つ以上の光起電力セル(例えば、ソーラーパネル)、電気自動車(EV)充電ステーション、又は任意の他のDC電源であり得る。実施形態によっては、外部電源はAC電源である。例えば、AC電源は、北米で見られる120Vコンセント又は240Vコンセントなどの、従来の壁面コンセントであり得る。別の例として、AC電源は、北米以外で見られる220Vコンセント又は230Vコンセントなどの、従来の壁面コンセントであり得る。実施形態によっては、電力入力ユニット114は、従来の壁面コンセントに差し込むべく構成されたケーブルで代替されるか、又はそのようなケーブルを追加的に含んでいる。実施形態によっては、電力入力ユニット114は、外部電源から電力を無線で受け取るように構成された、アンテナ又は誘導コイルなどの、1つ以上の装置を更に含む。電力入力ユニット114によって受け取られた電力は、電力供給装置100のハウジング102の内部に配置された、コアバッテリー又は内部電源120を充電するために使用され得る。また、電力入力ユニット114によって受け取られた電力は、電力供給装置100のハウジング102内に配置された、熱管理システム122に電力を供給するために使用され得る。熱管理システム122は、内部電源120の高温カットオフ閾値を下回って温度を低下させるように構成され、その結果、内部電源120の自然冷却持続時間よりも短い冷却時間持続時間をもたらす。
【0016】
また、電力入力ユニット114によって受け取られた電力は、電力出力ユニット116に接続された1つ以上の装置に電力を供給するために使用されることもある。電力出力ユニット116は、1つ以上の電力コンセントを含む。図示した実施形態では、電力出力ユニット116は、複数のAC電力コンセント116A及びDC電力コンセント116Bを含む。電力出力ユニット116に含まれる電力コンセントの数は、
図1に示す電力コンセントの数に限定されないことを理解されたい。例えば、電力供給装置100のいくつかの実施形態では、電力出力ユニット116は、電力供給装置100の図示する実施形態に含まれる電力コンセントよりも多くの又は少ない電力コンセントを含み得る。
【0017】
実施形態によっては、電力出力ユニット116は、内部電源120によって出力された電力を、1つ以上の周辺装置に供給するように構成される。実施形態によっては、電力出力ユニット116は、外部電源によって供給された電力を、1つ以上の周辺装置に直接的に供給するように構成される。1個以上の周辺装置は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯音楽プレーヤ、電動工具、電動工具バッテリーパック、電動工具バッテリーパック充電器等であってもよい。周辺装置は、電力出力ユニット116からDC及び/又はAC電力を受け取るように構成され得る。
【0018】
実施形態によっては、DC電力コンセント116Bは、電動工具バッテリーパックを受け取り充電するための1つ以上のソケットを含む。そのような実施形態では、バッテリーパックソケット116Bによって受け取られた又はこれに接続された電動工具バッテリーパックは、内部電源120によって出力された電力、及び/又は、外部電源から直接的に受け取られた電力を用いて、充電される。実施形態によっては、バッテリーパックソケット116Bに接続された電動工具バッテリーパックは、内部電源120に、熱管理システム122に、及び/又は電力出力ユニット116のコンセントに接続された1つ以上の周辺装置に、電力を供給するために使用される。実施形態によっては、電力出力ユニット116は、工具固有の電力コンセントを含む。例えば、電力出力ユニットは、溶接工具に給電するために使用されるDC電力コンセントを含み得る。
【0019】
ディスプレイ118は、内部電源120の充電状態及び/又は不具合状態などの、電力供給装置100の状態をユーザに示すように構成される。実施形態によっては、ディスプレイ118は、内部電源120の現在の充電状態を発光して表示するように構成された、1つ以上の発光ダイオード(「LED」)インジケータを含む。実施形態によっては、ディスプレイ118は、例えば、液晶ディスプレイ(「LCD」)、発光ダイオード(「LED」)ディスプレイ、有機LED(「OLED」)ディスプレイ、エレクトロルミネセントディスプレイ(「ELD」)、表面伝導電子エミッタディスプレイ(「SED」)、電界放出ディスプレイ(「FED」)、薄膜トランジスタ(「TFT」)LCD、電子インクディスプレイなどである。他の実施形態では、電力供給装置100は、ディスプレイを含んでいない。それらの実施形態では、オンボードディスプレイによって達成される表示機能は、外部装置437を介して達成され得る(例えば、
図4Cを参照)。
【0020】
図2は、いくつかの実施形態による、電力供給装置100に含まれる内部電源120のブロック図を示す。
図2に示されるように、内部電源120は、1つ以上のサブコアモジュール125A~125Nを含む。少なくとも1つのサブコアモジュール125が、内部電源120に含まれる。しかしながら、内部電源120は、任意の所望の数、N個の、サブコアモジュール125A~125Nを含み得る。サブコアモジュール125A~125Nは、直列に接続された状態で示されているが、直列、並列、及び/又はそれらを組み合わせて、電気的に接続されていることもある。実施形態によっては、内部電源120に含まれるサブコアモジュール125A~125Nは、電動工具バッテリーパックなどの、充電式バッテリーパックとして実装される。後で更に詳細に説明するように、内部電源120に含まれる充電式バッテリーパックは、大型電動工具の電力供給に使用される比較的高電圧(例えば、72V)のバッテリーパックであってもよい。
【0021】
個々のサブコアモジュール125についての以下の説明は、サブコアモジュール125Aに関して記述されている。しかしながら、内部電源120に含まれる個々のサブコアモジュール125のそれぞれは、類似の構成要素を含み、対応する参照番号(例えば、125B、126B、127B、125N、126N、127N、等)を含み得ることを、理解されたい。サブコアモジュール125Aは、バッテリーセルのスタック126A、又は複数のバッテリーセル126Aを含む。バッテリーセルのスタック126Aは、直列に電気的に接続された少なくとも2つのバッテリーセルを含む。しかしながら、バッテリーセルのスタック126Aは、所望の数のバッテリーセルを含むことができる。例えば、バッテリーセルのスタック126Aは、直列に電気的に接続された2個、3個、4個、10個、20個、23個、28個、46個、70個、又はそれ以上のバッテリーセルを含み得る。実施形態によっては、バッテリーセルのスタック126Aは、電気的に並列に接続されたバッテリーセルを含む。実施形態によっては、バッテリーセルのスタック126Aは、電気的に直列に及び並列に接続されたバッテリーセルを含む。例えば、
図3は、バッテリーセルのスタック126Aが並列と直列との組み合わせで電気的に接続されている、サブコアモジュール125Aの実施形態を示している。実施形態によっては、サブコアモジュール125Aは、互いに電気的に並列に接続されたバッテリーセルの複数のスタック126Aを含む。
【0022】
バッテリーセルのスタック126Aに含まれるバッテリーセルは、リン酸リチウム又はリチウムマンガンなどの、リチウムイオン化学物質を有する充電式バッテリーセルである。実施形態によっては、バッテリーセルのスタック126Aに含まれるバッテリーセルは、鉛酸、ニッケル・カドミウム、ニッケル金属水素化物、及び/又は他の化学物質を有し得る。バッテリーセルのスタック126A内の各バッテリーセルは、個々の公称電圧を有する。バッテリーセルのスタック126Aに含まれる個々のバッテリーセルの公称電圧は、例えば、4.2V、4V、3.9V、3.6V、2.4V、又は何らかの他の電圧値であり得る。例示的な目的のために、バッテリーセルのスタック126Aに含まれる個々のバッテリーセルの公称電圧は4Vに等しいと仮定する。従って、バッテリーセルのスタック126Aが、直列に接続された2つのバッテリーセルを含む場合、バッテリーセルのスタック126A又はサブコアモジュール125Aの公称電圧は、8.0Vに等しくなる。同様に、バッテリーセルのスタック126Aが、直列に接続された23個のバッテリーセルを含む場合、サブコアモジュール125Aの公称電圧は、92Vになる。
図3に示されるように、サブコアモジュール125Aのアンペア時容量、又は容量は、バッテリーセルのスタック126Aに、並列と直列との組み合わせで接続されたバッテリーセルを追加することによって、増やすことができる。実施形態によっては、スーパーキャパシタが、バッテリーセルの代わりに、又はバッテリーセルと併せて使用される。
【0023】
サブコアモジュール125Aは、バッテリー又はサブコア監視回路127A及びサブコアハウジング128Aを更に含む。サブコア監視回路127Aは、バッテリーセルのスタック126A、及び電力供給装置100に含まれるコントローラ200(
図4A)に電気的に接続される。サブコア監視回路127Aは、電力供給装置100の動作中に、バッテリーセルのスタック126Aから電力を受け取る。サブコア監視回路127Aは、バッテリーセルのスタック126Aの充電状態(「SOC」)レベル又は電圧値を感知し、電圧読み取り値をコントローラ200に送信するように構成される。サブコアモジュール125Aの電圧レベルは、バッテリーセルのスタック126Aの総開回路電圧を測定することにより、又は、バッテリーセルのスタック126A内のバッテリーセルの各並列ストリングの開回路電圧測定値を合計することにより、求められ得る。実施形態によっては、サブコア監視回路127A~127Nは、バッテリーセル126A~126Nのスタックの電圧読み取り値を、別個のマスター監視回路に送信する。別個のマスター監視回路は、バッテリーセル126A~126Nのスタックの充電状態(「SOC」)レベル、すなわち電圧値の感知を開始するために、サブコア監視回路127A~127Nに信号を送信することができる。実施形態によっては、SOCレベルは、例えば、開回路電圧変換、クーロンカウント、最高セル電圧、最低セル電圧などの様々な方法論を使用して判定されてもよい。実施形態によっては、電力供給装置100の状態、様々な制約、及びSOCの利用により、他の方法論よりもSOCレベル判定方法のうちの1つを使用することが有利であり得る。加えて、SOCは、本開示全体を通じて使用され、前述の方法のいずれかを介したSOCの計算を指す場合がある。実施形態によっては、サブコア監視回路127Aは、更に、バッテリーセルのスタック126Aの放電電流(例えば、電流センサを使用して)及び/又はサブコアモジュール125Aの温度(例えば、温度センサを使用して)を感知し、感知した電流及び/又は温度の読み取り値をコントローラ200に送信するように構成される。サブコア監視回路127Aは、更に、電力供給装置100の動作中にコントローラ200からコマンドを受け取るように構成される。
【0024】
実施形態によっては、バッテリーセルのスタック126A及びサブコア監視回路127Aは、サブコアモジュール125Aのサブコアハウジング128Aの内部に配置される。実施形態によっては、バッテリーセルのスタック126Aは、サブコアハウジング128Aの内部に配置され、サブコア監視回路127Aは、コントローラ200の構成要素として含まれる。実施形態によっては、サブコアモジュール125Aは、サブコアハウジング128Aを含まない。
【0025】
上述のように、電力供給装置100の内部電源120は、電気的に直列及び/又は並列に接続された複数のサブコアモジュール125を含み得る。例えば、内部電源120が、電気的に直列に接続された第1のサブコアモジュール125A及び第2のサブコアモジュール125Bを含み、第1のサブコアモジュール125A及び第2のサブコアモジュール125Bのそれぞれが、92Vの公称電圧を有する場合、第1のサブコアモジュール125Aと第2のサブコアモジュール125Bの合成電圧は、184Vに等しい。したがって、内部電源120がDC電力を出力する電圧レベルは、184Vである。同様に、内部電源120が5個の直列接続されたサブコアモジュール125A~125Eを含み、サブコアモジュール125A~125Eのそれぞれが、56Vの公称電圧を有する場合、内部電源120がDC電力を出力する電圧レベルは、280Vである。任意の数のサブコアモジュール125A~125Nを電気的に直列及び/又は並列に接続して、内部電源120の所望の公称電圧及び/又は容量を実現することができる。
【0026】
図4Aは、電力供給装置100に含まれるコントローラ200の一般化された概略図である。コントローラ200は、電力供給装置100の様々なモジュール又は構成要素に電気的に及び/又は通信可能に接続されている。例えば、コントローラ200は、電力入力ユニット114、電力出力ユニット116、ディスプレイ118、内部電源120、及び熱管理システム122に接続され得る。当業者であれば、コントローラ200と内部電源120との間の電気接続及び/又は通信接続は、コントローラ200と、複数のサブコア125A~125N及びそこに含まれる構成要素(例えば、バッテリーセル126A~16N及びサブコア監視回路127A~127B)などであるがこれらに限定されない、内部電源120に含まれる構成要素と、の間の電気接続及び/又は通信接続を含むことを認識するであろう。
【0027】
コントローラ200は、更に、入力電力変換ユニット400、DCバス405、AC出力電力変換ユニット410、及びDC出力電力変換ユニット415、ユーザインターフェース420、ネットワーク通信モジュール425、並びに複数のセンサ430に、電気的及び/又は通信的に接続される。入力電力変換ユニット400、DCバス405、AC出力電力変換ユニット410、及びDC出力電力変換ユニット415について、以下、より詳細に説明する。
【0028】
ネットワーク通信モジュール425は、コントローラ200をネットワーク内の周辺装置、例えばスマートフォン又はサーバなどと通信可能にすべくネットワーク435に接続されている。センサ430は、例えば、1つ以上の電圧センサ、1つ以上の電流センサ、1つ以上の温度センサ、並びに/又は電力供給装置100の電気的及び/若しくは他の特性を測定するために使用される1つ以上の追加のセンサを含む。センサ430の各々は、処理及び評価のためにコントローラ200に提供される1つ以上の出力信号を生成する。ユーザインターフェース420は、電力供給装置100のユーザ制御をもたらすために含まれている。ユーザインターフェース420は、電力供給装置100の所望の制御レベルを達成するのに必要とされるデジタル及びアナログの入力装置の任意の組み合わせを含み得る。例えば、ユーザインターフェース420は、複数のノブ、複数のダイヤル、複数のスイッチ、複数のボタン等を含み得る。実施形態によっては、ユーザインターフェース420は、ディスプレイ118と統合される(例えば、タッチスクリーン式ディスプレイとして)。
【0029】
コントローラ200は、特に、電力供給装置100の動作を制御し、ネットワーク435を介して通信し、ユーザインターフェース420を介してユーザからの入力を受け取り、ディスプレイ118を介してユーザに情報を提供する、等するように動作可能であるハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを含む。例えば、コントローラ200は、特に、処理ユニット440(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、電子プロセッサ、電子コントローラ、又は別の適切なプログラム可能装置)、メモリ445、入力ユニット450、及び出力ユニット455を含む。処理ユニット440は、特に、制御ユニット460、算術論理ユニット(「ALU」)465、及び複数のレジスタ470(
図4Aではレジスタ群として示されている)を含み、既知のコンピュータアーキテクチャ(例えば、修正ハーバードアーキテクチャ、フォンノイマンアーキテクチャ等)を使用して実装される。処理ユニット440、メモリ445、入力ユニット450、及び出力ユニット455、並びにコントローラ200に接続された各種のモジュール又は回路は、1つ以上の制御バス及び/又はデータバス(例えば、共有バス475)により接続される。制御バス及び/又はデータバスについては、説明目的で
図4Aに一般的に示している。
図4Aではコントローラ200を1つのコントローラとして示しているが、コントローラ200はまた、電力供給装置100の所望の制御レベルを実現するために協働して働くように構成された複数のコントローラを含んでもよい。したがって、コントローラ200に関して本明細書に記述する任意の制御機能及び処理はまた、分散的に機能する2個以上のコントローラにより実行されてもよい。
【0030】
メモリ445は、非一時的なコンピュータ可読媒体であり、例えばプログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含む。プログラム記憶領域及びデータ記憶領域は、読出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)(例えば、ダイナミックRAM[「DRAM」]、同期DRAM[「SDRAM」]等)、電気的に消去可能なプログラム可能ROM(「EEPROM」)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SDカード、又は他の適切な磁気式、光学式、物理的、又は電子的メモリ素子などの、様々な種類のメモリの組み合わせを含み得る。処理ユニット440は、メモリ445に接続され、メモリ445のRAM(例えば、実行中に)、メモリ445のROM(例えば、一般的に永続的に)又は別のメモリ若しくはディスクなどの別の非一時的なコンピュータ可読媒体に格納することができるソフトウェア命令を実行するように構成される。電力供給装置100、及びコントローラ200の実装に含まれるソフトウェアは、コントローラ200のメモリ445に格納することができる。ソフトウェアは、例えば、ファームウェア、1つ以上のアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、規則、1つ以上のプログラムモジュール、及び他の実行可能命令を含む。コントローラ200は、メモリ445から、とりわけ、本明細書で説明される制御プロセス及び方法に関する命令を取得し、実行するように構成される。他の実施形態では、コントローラ200は、追加的な、より少ない、又は異なる構成要素を含む。
【0031】
電力供給装置100の動作中、コントローラ200は、上述の様々な構成要素から受信された電圧、電流、温度、及び/又は他の信号を監視するように構成される。例えば、コントローラ200は、内部電源120が電力入力ユニット114に接続された外部電源によって充電されるときに、内部電源120から受信された電圧信号を監視するように構成される。別の例として、コントローラ200は、内部電源120が電力出力ユニット116に接続された1つ以上の周辺装置に電力を供給するときに、内部電源120から受信された電圧信号を監視するように構成される。より一般的には、コントローラ200は、コントローラ200に電気的及び通信的に結合されている電力供給装置100の、上述の構成要素からの及びそこへの電力フローを、監視及び/又は制御するように構成される。
【0032】
図4Bに示されるように、ネットワーク通信モジュール又は無線通信コントローラ425は、プロセッサ426、メモリ427、アンテナ及びトランシーバ428、並びにリアルタイムクロック(RTC)429を含む。無線通信コントローラ425は、電力供給装置100が外部装置437(例えば、
図4C参照)と通信することを可能にする。無線アンテナ及び送受信機428は協働して、外部装置437及びプロセッサ426に対して無線メッセージを送信及び受信する。メモリ427は、プロセッサ426によって実施される命令を格納することができ、及び/又は電力供給装置100と外部装置437などとの間の通信に関連するデータを格納することができる。無線通信コントローラ425のプロセッサ426は、電力供給装置100と外部装置437との間の無線通信を制御する。例えば、無線通信コントローラ425に関連付けられたプロセッサ426は、到来する及び/又は発信されるデータをバッファリングし、コントローラ200と通信し、無線通信で使用する通信プロトコル及び/又は設定を判定する。無線通信コントローラ425を介した通信は、電力供給装置100と外部装置437との間で交換されるデータを第三者から保護するために暗号化され得る。
【0033】
図示の実施形態では、無線通信コントローラ425は、Bluetooth(登録商標)コントローラである。Bluetooth(登録商標)コントローラは、Bluetooth(登録商標)プロトコルを採用している外部装置437と通信する。したがって、図示の実施形態では、外部装置437及び電力供給装置100は、データを交換する際には互いの通信範囲内(すなわち、近く)にある。他の実施形態では、無線通信コントローラ425は、異なるタイプの無線ネットワーク上で他のプロトコル(例えば、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee、プロプライエタリプロトコル等)を使用して通信する。例えば、無線通信コントローラ425は、インターネットなどのような広域ネットワーク若しくはローカルエリアネットワークを通じてWi-Fiを介して通信するように、又はピコネットを通じて(例えば、赤外線若しくはNFC通信を使用して)通信するように構成されてもよい。
【0034】
実施形態によっては、ネットワークは、例えば、移動通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications(「GSM」))ネットワーク、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service(「GPRS」))ネットワーク、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access(「CDMA」))ネットワーク、エボリューション-データ最適化(Evolution-Data Optimized(「EV-DO」))ネットワーク、GSMエボリューション用拡張データレート(Enhanced Data Rates for GSM Evolution(「EDGE」))ネットワーク、3GSMネットワーク、4GSMネットワーク、4G LTEネットワーク、5G新無線(New Radio)、デジタル拡張無線電気通信(Digital Enhanced Cordless Telecommunications(「DECT」))ネットワーク、デジタルAMPS(IS-136/TDMA)ネットワーク、又は統合デジタル拡張ネットワーク(Integrated Digital Enhanced Network(「iDEN」))ネットワークなど、のセルラーネットワークである。
【0035】
無線通信コントローラ425は、コントローラ200からデータを受信して、その情報をアンテナ及び送受信機428を介して外部装置437に中継するように構成される。同様に、無線通信コントローラ425は、アンテナ及び送受信機428を介して外部装置437からの情報(例えば、設定及びプログラミング情報)を受信して、その情報をコントローラ200に中継するように構成される。
【0036】
RTC429は、他の電力供給工具構成要素とは独立に時間をインクリメントして維持する。RTC429は、内部電源120から電力を受け取る。独立して電力供給されるクロックとしてRTC429を有することは、(後にエクスポートするためにメモリ427に格納される)操作データのタイムスタンプ付与及びセキュリティ機能を可能にし、これにより、(例えば、外部装置437を介して)ロックアウト時間がユーザによって設定され、RTC429の時間が設定されたロックアウト時間を超えると、工具がロックアウトされる。
【0037】
図4Cは、通信システム436を示している。通信システム436は、少なくとも1つの電力供給装置100と、外部装置437とを含んでいる。各電力供給装置100及び外部装置437は、互いの通信範囲内にある間に、無線で通信することができる。各電力供給装置100は、電力供給ステータス、電力供給動作の統計値、電力供給装置の識別情報、電力供給センサデータ、保存された電力供給装置使用情報、電力供給装置のメンテナンスデータ等を通信し得る。
【0038】
外部装置437を使用して、ユーザは電力供給装置100のパラメータにアクセスすることができる。このパラメータ(例えば、電力供給装置の動作データ又は設定)を用いると、ユーザは、電力供給装置100がどのように使用されてきたか、メンテナンスが推奨されるか又は過去に実施されたかどうかを判定し、誤作動している構成要素、又はある特定の性能問題に対する他の原因を特定することができる。外部装置437は、電力供給装置の設定、ファームウェアの更新のために、電力供給装置100にデータを送信するか、又はコマンドを送ることもできる。外部装置437はまた、ユーザが電力供給装置100の動作パラメータ、安全パラメータ、動作モード等を設定できるようにする。
【0039】
外部装置437は、例えば、(図示するような)スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、又は電力供給装置100と無線通信し、ユーザインターフェースを提供することが可能な別の電子装置である。外部装置437は、ユーザインターフェースを提供し、ユーザが電力供給装置100にアクセスし、対話できるようにする。外部装置437は、動作パラメータを判定し、機能をオン又はオフするなどのユーザ入力を受け付けることができる。外部装置437のユーザインターフェースは、ユーザが電力供給装置100の動作を制御及びカスタマイズするのに使い易いインターフェースを提供する。したがって、外部装置437は、電力供給装置100の電力供給動作データへのアクセスをユーザに付与し、ユーザが電力供給装置100のコントローラ200と対話することができるようにユーザインターフェースを提供する。
【0040】
加えて、
図4Cに示されるように、外部装置437はまた、電力供給装置100から取得された電力供給動作データを、ネットワーク435を介して接続されたリモートサーバ438と共有することができる。リモートサーバ438は、外部装置437から取得される工具動作データを格納するため、ユーザに追加の機能及びサービスを提供するため、又はそれらの組み合わせのために用いられてもよい。実施形態によっては、リモートサーバ438に情報を格納することにより、ユーザが、複数の異なる場所から情報にアクセスすることが可能になる。実施形態によっては、リモートサーバ438は、様々なユーザから、ユーザの電力供給装置に関する情報を収集し、異なる電力供給装置から取得された情報に基づいて、ユーザに統計値又は統計的尺度を提供する。例えば、リモートサーバ438は、経験から得られた電力供給装置100の効率に関する統計、電力供給装置100の典型的な使用法、並びに、電力供給装置100の他の関連する特性及び/又は尺度、を提供し得る。ネットワーク435は、前述のように、例えば、インターネット、セルラーデータネットワーク、ローカルネットワーク、又はそれらの組み合わせに接続するための種々のネットワーク要素(ルータ439A、ハブ、スイッチ、セルラータワー439B、有線接続、無線接続等)を含み得る。実施形態によっては、電力供給装置100は、追加の無線インターフェースを通じて、又は電力供給装置100が外部装置437と通信するために用いるのと同じ無線インターフェースで、リモートサーバ438と直接通信するよう構成される。
【0041】
実施形態によっては、電力供給装置100は、内部電源120が低電圧カットオフ閾値に達するまで、出力電力を(例えば、内部電源120から)供給するように構成される。電力供給装置100が着脱可能で充電式のバッテリーパックを受け取った実施形態では、電力供給装置100から出力電力を供給するために使用されるバッテリーパックを、低電圧カットオフ閾値に達するまで、同様に放電し得る。電力供給装置100又は接続されたバッテリーパックが、低電圧カットオフ閾値に達する前に、電力供給装置100が供給を止める(例えば、電力出力ユニット116への電力の出力を止める)ように、ユーザは、電力供給装置100をプログラムするか、又は電力供給装置100の動作モードを選択することもできる。例えば、外部装置437を使用して、ユーザは、コントローラ200のパワーダウン(電源を落とす)タイマーを有効にすることができる。ユーザは、電力供給装置100からの出力電力が、選択された時間間隔(例えば、1時間、2時間、6時間、12時間等)の間、閾値(例えば、電力閾値、電流閾値、等)を下回る場合、電力供給装置100の出力がオフになるように、パワーダウンタイマーを有効にすることができる。ユーザは、外部装置437を使用して、閾値及び時間間隔を設定することができる。一例として、ユーザは、80ワットという電力閾値及び1時間という時間間隔を設定することができる。電力供給装置100が1時間の間80ワットの電力を出力していない場合、電力供給装置100はオフになる。実施形態によっては、タイマーは、エネルギー節約機能として使用される。比較的に低電力の装置に長期間の間給電するのではなく、電力は、より高い電力の用途(例えば、コード付きの電動工具)のために温存される。パワーダウンタイマーが有効になっていない場合、電力供給装置100は、低電圧カットオフ閾値に達するまで停止せず、低電圧カットオフに達するまで、より低電力の装置に給電することができる。
【0042】
図5は、いくつかの実施形態による、電力供給装置100の一般的な概略図を示している。
図5に示されるように、電力入力ユニット114は、外部電源から電力を受け取り、及び受け取った電力を入力電力変換ユニット400に供給するように構成されている。電力入力ユニット114は電気プラグとして図示されているが、電力入力ユニット114は、電力入力ユニット114に関して上述した例のいずれかとして実施されてもよい。
【0043】
入力電力変換ユニット400は、力率補正(PFC)回路500、及び入力DC-DCコンバータ505を含む。PFC回路500は、外部電源(例えば、120Vの壁コンセント)から受け取ったAC電力をDC電力に変換、又は整流するように構成されている。PFC回路500は、PFC回路500によって整流された電力の力率を平滑化、又は改善するように構成された構成要素を含む。PFC構成要素を含まないコンバータ回路と比較すると、PFC回路500は、電力供給装置100の動作中に外部電源から引き込まれる電流の量を低減することによって、改善された効率で動作する。例えば、電力供給装置100が動作中に3.6キロワット(kW)を要求する場合、PFC回路500は、いかなるPFC構成要素も含まないコンバータ回路によって引き込まれる電流の量と比較すると、3.6kWの要求を満たすために外部電源から引き込まれる電流の量を少なくする。加えて、PFC回路500は、第1の入力DC-DCコンバータ505内に存在する差動モード電流を吸収することによって、電力供給装置100の電磁干渉(EMI)要件を軽減する。例えば、PFC回路500は、PFC回路500の出力側に接続されて、差動モード過渡電流の大部分をPFC回路500の下流の回路に供給するキャパシタバンクを含むことができる。
【0044】
上述したように、入力電力変換ユニット400は、入力DC-DCコンバータ505を更に含む。入力DC-DCコンバータ505は、PFC回路500によって第1の電圧レベル(例えば、120V)で出力されたDC電力を、内部電源120の充電及び/又は熱管理システム122への電力供給に使用される電圧レベル(例えば、36V、72V、120V、280V等)に変換するように構成される。しかしながら、いくつかの実装形態では、内部電源120は、代替的に又はそれに加えて、熱管理システム122に電力供給することができることを理解されたい。実施形態によっては、入力DC-DCコンバータ505は、PFC回路500によって出力されたDC電力の電圧レベルを、内部電源120を充電するために使用される電圧レベルまで低下させるように構成された降圧コンバータである。実施形態によっては、入力DC-DCコンバータ505は、PFC回路500によって出力されたDC電力の電圧レベルを、内部電源120を充電するために使用される電圧レベルまで増加させるように構成された昇圧コンバータである。実施形態によっては、入力DC-DCコンバータ505は、降圧/昇圧コンバータである。実施形態によっては、入力DC-DCコンバータ505は、単一のコンバータ回路である。実施形態によっては、入力DC-DCコンバータ505は、2つ以上のコンバータ回路として実装される。
【0045】
DCバス405は、電力供給装置100に含まれる構成要素間でDC電力を転送するように構成される。例えば、DCバス405は、内部電源120の充電のために、入力電力変換ユニット400によって出力されたDC電力を内部電源120に送出する。別の例として、DCバス405は、内部電源120によって出力されたDC電力を、AC出力電力変換ユニット410及び/又はDC出力電力変換ユニット415に送出する。別の例では、DCバス405は、内部電源120の温度を低下させるために、入力電力変換ユニット400によって出力されたDC電力を、熱管理システム122に送出する。しかしながら、いくつかの実装形態では、内部電源120は、代替的に又はそれに加えて、電力を熱管理システム122に供給することができることを理解されたい。実施形態によっては、DCバス405は、入力電力変換ユニット400からAC出力電力変換ユニット410及びDC出力電力変換ユニット415に、直接的にDC電力を転送する。DCバス405は、電力供給装置100の様々な構成要素へ、及びそこからDC電力を転送するために使用される1つ以上のバスバー、回路、ワイヤ、及び/又は端子の組み合わせとして実装される。
【0046】
AC出力電力変換ユニット410は、内部電源120及び/又は入力電力変換ユニット400によって供給されたDC電力を、ACコンセント116Aに接続された1つ以上の周辺装置に電力供給するために使用されるAC電力に変換するよう構成される。AC出力電力変換ユニット410は、第1のDC-DCコンバータ510、及びインバータ515を含む。第1のDC-DCコンバータ510は、内部電源120の充電に使用される電圧レベル(例えば、36V、72V、120V、280V等)から、インバータ515への入力として供給された電圧レベル(例えば、120V、240V等)に、DC電力を変換するように構成される。実施形態によっては、第1のDC-DCコンバータ510は、内部電源及び/又は入力電力変換ユニット400によって供給されたDC電力の電圧レベルを増加させるように構成された昇圧コンバータである。実施形態によっては、第1のDC-DCコンバータ510は、内部電源120及び/又は入力電力変換ユニット400によって供給されたDC電力の電圧レベルを低下させるように構成された降圧コンバータである。実施形態によっては、入力DC-DCコンバータ505は、降圧/昇圧コンバータである。実施形態によっては、入力DC-DCコンバータ505は、単一のコンバータ回路である。実施形態によっては、入力DC-DCコンバータ505は、2つ以上のコンバータ回路として実装される。
【0047】
図5を参照すると、第1のDC-DCコンバータ510によって出力されたDC電力は、インバータ515への入力として供給されている。インバータ515は、第1のDC-DCコンバータ510によって出力されたDC電力を、ACコンセント116Aに接続された1つ以上の周辺装置を電力供給するために使用されるAC電力に変換するように構成されている。様々な回路構成が、インバータ515を実装するために使用され得る。
【0048】
DC出力電力変換ユニット415は、内部電源120及び/又は入力電力変換ユニット400によって供給されたDC電力の電圧レベルを、DCコンセント116Bに接続された1つ以上の周辺装置に電力供給するために使用されるDC電力の1つ以上の電圧レベルに変換するよう構成される。
図5では、DCコンセント116Bは、電動工具バッテリーパックを充電するように構成されたソケットとして示されている。しかしながら、DCコンセント116Bは、バッテリーパック充電器への実装に限定されないことを理解されたい。例えば、DCコンセント116Bは、USBコンセント、ヘッドフォンジャック(AUXコードポート)、シガレットライター、又は任意の他のタイプのDC出力などの、DC電源コンセントを追加的又は代替的に含んでもよい。
【0049】
特に、DC出力電力変換ユニット415は、内部電源120を充電するために使用される電圧レベル(例えば、36V、72V、120V、280V等)から、熱管理システム122又はDC電力コンセント116Bに接続された1つ以上の周辺装置に電力供給するために使用される電圧レベル(例えば、5V、12V、18V、36V、72V等)にDC電力を変換するよう構成されている第2のDC-DCコンバータ520を含む。例えば、DCコンセント116Bが、電動工具バッテリーパックを充電するように構成されたバッテリーパックソケット116Bである場合、第2のDC-DCコンバータ520は、内部電源120を充電するために使用される電圧レベルから、1つ以上の電動工具バッテリーパック(例えば、5V、12V、18V、72V等)を充電するために使用される1つ以上の電圧レベルにDC電力を変換する。実施形態によっては、第2のDC-DCコンバータ520は、本明細書に記載のDC-DCコンバータ構成の1つ以上として実装される。実施形態によっては、第2のDC-DCコンバータ520は、本明細書に明示的に記載されていない1つ以上のコンバータ構成として実装される。
【0050】
実施形態によっては、第2のDC-DCコンバータ520は、単一のDC-DCコンバータを使用して実装される。そのような実施形態では、第2のDC-DCコンバータ520は、広範囲の電圧レベルでDC電力を出力することができる広出力コンバータであってもよい。実施形態によっては、第2のDC-DCコンバータ520は、複数のDC-DCコンバータを使用して実装され、複数のコンバータの各々は、異なる電圧レベルでDC電力を出力する。例えば、第2のDC-DCコンバータ520は、12Vの電動工具用バッテリーパックを充電するために12VでDC電力を出力する第1のコンバータと、18Vの電動工具用バッテリーパックを充電するために18VでDC電力を出力する第2のコンバータと、72Vのバッテリーパックを充電するために72VでDC電力を出力する第3のコンバータと、を含み得る。
【0051】
実施形態によっては、電力供給装置100は、電力モジュールの図示された数よりも少ない電力モジュールを含む。例えば、実施形態によっては、AC電力出力変換ユニット410及びDC電力出力変換ユニット415は、単一の電力モジュール又はハウジング内に含まれる。実施形態によっては、電力供給装置100は、電力モジュールの図示された数よりも多くの電力モジュールを含む。
【0052】
図6Aは、いくつかの実施形態による電力供給装置100の動作条件のセットを示している。
図6Aに示されるように、熱管理システム122は、電力供給装置100の内部電源120から電力を受け取るように構成されている。コントローラ200は、低電圧カットオフ閾値及び/又は高温カットオフ閾値に基づいて、内部電源120の放電機能及び/又は充電機能を無効にすることができる。この実施例では、内部電源120のSOCが低電圧カットオフ閾値に達し、温度が高温カットオフ閾値に達した。この例では、内部電源120は、熱管理システム122の唯一の電源である。内部電源120の低電圧カットオフ閾値及び/又は高温カットオフ閾値は、外部電源の利用可能性に関係なく、熱管理システム122の動作を制限する。その結果、内部電源120の冷却及び充電に関連する待機時間が延長される。
【0053】
図6Bは、いくつかの実施形態による電力供給装置100の動作条件のセットを示している。
図6Bに示されるように、熱管理システム122は、電力供給装置100の内部電源120から電力を受け取るように構成されている。コントローラ200は、低電圧カットオフ閾値及び/又は低温カットオフ閾値に基づいて、内部電源120の放電機能及び/又は充電機能を無効にすることができる。この実施例では、内部電源120のSOCが低電圧カットオフ閾値に達し、温度が低温カットオフ閾値に達した。この例では、内部電源120は、熱管理システム122の唯一の電源である。内部電源120の低電圧カットオフ閾値及び/又は低温カットオフ閾値は、外部電源の利用可能性に関係なく、熱管理システム122の動作を制限する。その結果、内部電源120の加熱及び充電に関連する待機時間が延長される。
【0054】
図6Cは、いくつかの実施形態による電力供給装置100の動作条件のセットを示している。
図6Cに示されるように、電力供給装置100は、内部電源120と、2次電源600と、熱管理システム122とを含む。2次電源600はまた、電力供給装置100の1つ以上の装置又は特徴に電力を供給するために使用され得る。いくつかの実装形態では、2次電源600は、電力入力ユニット114である。例えば、2次電源600は、電力入力ユニット114の電気接続インターフェースを通じて接続された外部電源である。実施形態によっては、2次電源600は、電力供給装置100の内部の2次電源(例えば、2次バッテリー又はバッテリーパック、キャパシタバンク、ハイブリッドスーパーキャパシタ等)である。この例では、熱管理システム122は、電力供給装置100の内部電源120及び/又は2次電源600から電力を受け取るように構成されている。1つのシナリオでは、内部電源120は、低電圧カットオフ閾値及び/又は高温カットオフ閾値に達する。このシナリオでは、2次電源600は、熱管理システム122に電力供給するように構成され、これにより、内部電源120の温度を高温カットオフ閾値を下回って低減させ、その結果、(例えば、内部電源120の自然冷却と比較して)内部電源120に関連する冷却時間を短縮する。
【0055】
上述のように、電力供給装置100は、内部電源120のSOC(例えば、それぞれEOD状態及び完全充電)並びに温度(例えばそれぞれ、放電-OT状及び充電-UT状態)に応じて、全ての放電及び充電動作を無効にしてもよい。内部電源120が熱管理システム122用の唯一の電源である場合、熱管理システム122はまた、内部電源120のSOC及び温度によって制限される。1つのシナリオでは、EOD状態に達して低温カットオフ閾値を下回っている内部電源120によってのみ熱管理システム122が電力供給されている場合、内部電源120は、熱管理システム122に電力供給して、温度を低温カットオフ閾値(例えば、充電-UT閾値)を上回って増加させることはできない。その結果、ユーザは、温度を低温カットオフ閾値を上回って上昇させて、内部電源120の充電を開始するために、電力供給装置100をより暖かい環境に移動させるか、又は外部手段によって加熱する必要があることになる。
【0056】
図6Dは、いくつかの実施形態による電力供給装置100の動作条件のセットを示している。
図6Dに示されるように、電力供給装置100は、内部電源120と、2次電源600と、熱管理システム122とを含む。2次電源600はまた、電力供給装置100の1つ以上の装置又は特徴に電力を供給するために使用され得る。いくつかの実装形態では、2次電源600は、電力入力ユニット114である。例えば、2次電源600は、電力入力ユニット114の電気接続インターフェースを通じて接続された外部電源である。実施形態によっては、2次電源600は、電力供給装置100の内部の2次電源(例えば、2次バッテリー又はバッテリーパック、キャパシタバンク、ハイブリッドスーパーキャパシタ等)である。この例では、熱管理システム122は、電力供給装置100の内部電源120及び/又は2次電源600から電力を受け取るように構成されている。1つのシナリオでは、内部電源120は、低電圧カットオフ閾値及び/又は低温カットオフ閾値に達する。このシナリオでは、2次電源600は、熱管理システム122に電力供給するように構成され、これにより、内部電源120の温度が低温カットオフ閾値を上回って上昇させ、その結果、(例えば、内部電源120をより暖かい温度を有する領域に移動させることによる内部電源120の自然温暖化と比較して)内部電源120に関連する加熱時間を短縮する。
【0057】
図6Eは、いくつかの実施形態による電力供給装置100の動作条件のセットを示している。
図6Eに示されるように、熱管理システム122は、電力供給装置100の内部電源120又は2次電源600から電力を受け取るように構成されている。上述のように、2次電源600はまた、電力供給装置100の1つ以上の装置又は特徴に電力を供給するために使用され得る。いくつかの実装形態では、2次電源600は、電力出力ユニット116である。例えば、2次電源600は、電力出力ユニット116のコンセントに接続された1つ以上の周辺装置である。実施形態によっては、2次電源600は、電力供給装置100の内部の2次電源(例えば、2次バッテリー又はバッテリーパック、キャパシタバンク、ハイブリッドスーパーキャパシタ等)である。この例では、熱管理システム122は、電力供給装置100の内部電源120及び/又は2次電源600から電力を受け取るように構成されている。別のシナリオでは、内部電源120の低電圧カットオフ閾値、低温カットオフ閾値、及び高温カットオフ閾値のいずれにも達しない。そのようなシナリオでは、熱管理システム122に電力供給するために2次電源600を使用することは、充電電力が内部電源120に供給される(すなわち、内部電源120の充電電力が熱管理システム122に電力供給するためには利用されない)ことにより、より速い充電時間を可能にするため、依然として有利である。いったん内部電源120の温度が高温カットオフ閾値を下回って低下するか又は低温カットオフ閾値を上回って上昇すると、内部電源120を、(例えば、2次電源600を使用して)充電又は放電(例えば、作業を再開する)することができる。
【0058】
実施形態によっては、熱管理システム122の加熱持続時間及び能力を内部電源120のSOC、電圧、及び容量から独立させることによって、いったん内部電源120が低温カットオフ閾値を超えると、2次電源600を使用して熱管理システム122を動作させることが有利である。実施形態によっては、熱管理システム122は、最大充電電流を可能にする最適温度で内部電源120を維持することが望ましいため、いったん低温カットオフ閾値を超えても継続的に動作され得る加熱及び冷却モードを含んでもよい。
【0059】
実施形態によっては、コントローラ200は、内部電源120の加熱動作を最適化することができる。例えば、低温の周囲温度のシナリオでは、コントローラ200は、内部電源120の効率を最大化するためのブレンドアプローチにおいて、熱管理システム122の加熱モードを利用することができる。内部電源120を介して加熱モードで熱管理システム122に電力供給することは、内部電源120のSOCに依存するという欠点を有する一方で、より高い全体加熱効率を有するという利益を有する。例えば、熱管理システム122に電力供給することからの内部電源120のセルの抵抗性加熱もまた、加熱に寄与する。この例では、内部電源120は、SOCが低電圧カットオフ閾値を上回り及び低温カットオフ閾値を下回るときに、加熱のために熱管理システム122に最初に電力供給し、これにより、加熱サイクルの開始時に最高の加熱効率を可能にする。いったんSOCが低電圧カットオフ閾値(例えば、EOD)まで枯渇するか、又は内部電源120が低温カットオフ閾値を超えて内部電源120の充電が始まると、コントローラ200は、2次電源600を利用して充電を継続し、内部電源120の加熱を終了することができ、これにより、両方のアプローチの利点が両方のアプローチの欠点を補完することを可能にする。それらの実施形態では、内部電源120は、熱管理システム122に選択的に電力供給し、及び2次電源600を使用して内部電源120を充電することによって、充電動作を最適化することができる。実施形態によっては、熱管理システム122に電力供給して、内部電源120を充電する際に、2次電源600の最大能力が制限される場合がある。例えば、電力供給装置100は、熱管理システム122に電力供給するための低電圧電源(LVPS)及び内部電源120を充電するための別個の回路を含む、オンボード充電器を含む。この例では、LVPSに電力供給することは、2次電源600から充電器への入力ユーティリティ電力が固定されているために、内部電源用の充電回路から電力を奪うことになる。
【0060】
実施形態によっては、2次電源600はまた、(例えば、別個の2次電源600に加えて)内部電源120であり得る。例えば、
図7は、内部電源120に含まれるリチウムイオン(Liイオン)バッテリーセルの容量性挙動及び抵抗性挙動のグラフを示している。
図7に示されるように、Liイオンバッテリーセルは、パルス電流放電中に電圧の急降下及び急上昇として示される抵抗性挙動を示す。また、負荷の除去後、Liイオンバッテリーセルは、負荷の除去後の安定無負荷値まで徐々に上昇するような容量性挙動を示す。開回路電圧と負荷時電圧との間の差(例えば、Liイオンバッテリーセルの過電位)は、Liイオンバッテリーセルにおけるオーミック損失、界面における電荷移動過電位、及び物質移動制限に基づく。例えば、Liイオンバッテリーセルが電流を供給する場合、電気化学的分極のために、動作電圧又は負荷時電圧は開放電圧から変位する。この例では、Liイオンバッテリーセルから負荷が除去されると、電圧は、Liイオンバッテリーセルの現在の充電状態(SOC)における静止時開回路電圧まで回復する(例えば、リバウンド又は弛緩する)。電圧回復は、内部電源120が放電電圧閾値のその終了に達した後に生じ得る。この回復の間、バッテリーのイオンは、拡散して平衡に戻る。バッテリーのイオンの拡散プロセスは、(例えば、バッテリーの電圧の緩やかな容量性回復のように)経時的に生じる。その結果、たとえ内部電源120が放電電圧閾値のその終了に達した後でも、内部電源に依然として(例えば、熱管理システム122に電力供給するために)使用可能なエネルギーが残っている場合がある。以下、これらの現象は、理解及び冗長の簡略化のために、単に抵抗性挙動及び/又は容量性挙動と呼ぶことにする。
【0061】
図8は、連続放電中の電力内部電源120に含まれる電圧挙動Liイオンバッテリーセルのグラフを示している。Liイオンバッテリーセルの抵抗性挙動及び容量性挙動は、バッテリー充電状態(SOC)などの複数の要因に依存する。例えば、低SOC、例えば、ほぼ低電圧カットオフ閾値において、Liイオンバッテリーセルの抵抗は大きく増加する。この例では、所与のSOCにおいて、大きい負荷は電圧を大きく変位させ、小さい負荷は電圧を無視できる程度に変位させる。一例では、中程度から大程度の負荷は、Liイオンバッテリーセルが低SOCにあるときの開回路/無負荷電圧(OCV)から電圧を大きく変位させる。逆に、LiイオンバッテリーのセルのSOCが高い場合、中程度から大程度の負荷は、電圧をより少ない量だけ変位させる。この例では、この電圧が変位する量は、印加される負荷の大きさの関数である。この電圧変位によって内部電源120のSOCが放電電圧閾値の終了に達すると、内部電源120は更なる放電から無効にされ得る。しかしながら、内部電源には依然として(例えば、熱管理システム122又は低負荷アプリケーションに電力供給するために)使用可能なエネルギーが残っている場合がある。
【0062】
いくつかの実装形態では、電力供給装置100は、電力供給装置100の内部電源120から受け取った2次電源600を使用して(例えば、内部電源120のリバウンド電圧に関連するエネルギーを使用して)熱管理システム122に電力供給するように構成される。いくつかの実装形態では、電力供給装置100は、例えば、外部電源への過渡的な移動期間の間など、電力アクセスがない熱管理システム122に電力供給する。予冷は、熱管理システム122に電力供給するために、Liイオンバッテリーセルの容量性挙動及び抵抗性挙動を利用する特徴に関連付けられた名称である。
【0063】
実施形態によっては、内部電源120は、低電圧カットオフ閾値に達して、ユーザの観点から内部電源120が事実上「死んだ」状態になる(すなわち、内部電源120が低電圧カットオフ閾値を上回る特定の閾値まで再充電されるまで全ての放電動作が停止する)。
図7~
図8に関して上述したように、内部電源120の使用可能エネルギーの量は、抵抗性及び容量性の電圧回復に基づく。このシナリオでは、内部電源120は、内部電源120の以前の放電中の動作条件(例えば、周囲温度、バッテリー放電サイクル数、放電負荷等)に応じた使用可能エネルギーを含むことができる。しかしながら、内部電源120のバッテリー抵抗は低SOCにおいて高いため、使用可能エネルギーは、小さい又は軽い負荷(例えば、熱管理システム122)によって使用され得る。加えて、熱管理システム122を動作させるのに必要な電力が電力供給装置100の標準動作負荷よりも大幅に少ないため、熱管理システム122の動作開始時に内部電源120の電圧が大きく変位することはなく、これにより、たとえユーザに対してユニットが実質的に「OFF」であっても、及びシェルフライフエネルギー要件の要件値及び閾値内で動作しながら、内部電源が残りのエネルギー(例えば回復している電圧)を使用して熱管理システム122を動作させることが可能になる。いくつかの例では、大程度から中程度の負荷は、単に内部電源120の電圧を低電圧カットオフ閾値に再変位させて、内部電源120の過放電又はシェルフライフエネルギー要件に違反するリスクをもたらすことになる。それらの例では、電力供給装置100の予冷ファームウェアは、熱管理システム122の実行時電力引き込みが制御されて、一貫性があり、及び低いため、過渡スタートアップにおける電圧変位を無視するように設計されてもよい。
【0064】
図9は、電力供給装置100の一般化された概略図である。コントローラ200は、電力供給装置100の様々なモジュール又は構成要素に電気的に及び/又は通信可能に接続されている。例えば、コントローラ200は、2次電源600、内部電源120、熱管理システム122、第1の特徴905、第2の特徴910、及び第Nの特徴915に接続され得る。第1の特徴905、第2の特徴910、及び第Nの特徴915は、以下、総称して「特徴」と呼ぶことがある。上述のように、実施形態によっては、コントローラ200は、2次電源600及び/又は内部電源120の電力を使用して、熱管理システム122又は特徴の動作を可能にする。
【0065】
実施形態によっては、コントローラ200は、アルゴリズムを使用して、電力供給装置100の特徴に優先度を割り当てる。例えば、コントローラは、機能タイプ、必要な電圧、又はそれらの組み合わせに基づいて、特徴に優先度を付けることができる。実施形態によっては、コントローラ200は、内部電源120の冷却に関連する機能に最も高い優先度を割り当てる。この例では、コントローラ200は、2次電源600における利用可能エネルギーを判定し、例えば、熱管理システム122を有効にする。2次電源600における利用可能エネルギーが内部電源120を冷却するのに十分なだけのものである場合、コントローラ200は、他の機能を有効にしないことになる。他の例では、コントローラ200は、利用可能なSOCで内部電源120を所望の温度まで冷却できるように、動作中に特徴を無効にすることができる。例えば、コントローラ200は、判定された利用可能エネルギーに基づいて予冷モードで熱管理システム122を動作させながら、1、2、又は3の優先度レベルを割り当てて、より低い割り当て優先度レベルを有する特徴を最初に無効にする。実施形態によっては、特徴には、熱管理システム122、ライト(例えば、現場又はアクセントライト)、ヒューマンマシンインターフェース(「HMI」)又はユーザ入力、パーソナル装置充電器(例えば、電話充電器)、パーソナル装置(例えば、電話)への接続、電動輸送能力(例えば、動力駆動輪等)、無線(例えば、AM、FM、Bluetooth等)、などが含まれる。
【0066】
図10は、電力供給装置100のコントローラ200によって実行される方法1000を示している。コントローラ200は、内部電源120の電圧を受信又は測定し、コントローラ200は、内部電源120のSOCを判定する(ステップ1005)。コントローラ200は、内部電源120の温度を受信又は測定する(ステップ1010)。実施形態によっては、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の構成要素の温度を判定する。コントローラ200は、内部電源120のSOCを低電圧閾値と比較する(ステップ1015)。ステップ1015において、内部電源120のSOCが低電圧閾値超である場合、コントローラ200は、内部電源120のSOCの判定を継続するように構成されている(ステップ1005)。ステップ1015において、内部電源120のSOCが低電圧閾値以下である場合、コントローラ200は、内部電源120の高温閾値に達したかどうかを判定するように構成されている。いくつかの実装形態では、コントローラ200はまた、内部電源120のSOC及び低電圧閾値に基づいて、電力供給装置100の1つ以上の特徴又は機能を無効にすることができる。
【0067】
コントローラ200は、内部電源120の温度を高温閾値と比較する(ステップ1020)。ステップ1020において、内部電源120の温度が高温閾値未満である場合、コントローラ200は、内部電源120の温度の判定を継続するように構成されている(ステップ1010)。ステップ1020において、内部電源120の温度が高温閾値以上である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の機能及び/又は特徴を制御するように構成されている。例えば、コントローラ200は、電力供給装置100の充電機能を無効にする(ステップ1025)。実施形態によっては、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の他の特徴を無効にする。コントローラ200は、2次電源600を使用して熱管理システム122を有効にする(ステップ1030)。実施形態によっては、熱管理システム122の動作は、充電機能を無効にすることと直接関連しない場合がある。内部電源120の充電機能を無効にする前に熱管理システム122を動作させる1つの利点により、予防的措置として動作中の熱を低減することを可能にする。実施形態によっては、コントローラ200は、熱管理システム122を有効にするために電源(例えば、内部電源120)を使用してもよい。実施形態によっては、コントローラ200は、熱管理システム122が効率的に電源を充電及び動作させることを可能にするように、電源(例えば、内部電源120)又は2次電源600の使用をトグルすることができる。コントローラ200は、次いで、内部電源120の温度が高温閾値未満であるかどうかを判定することに進む。コントローラ200は、内部電源120の温度を高温閾値と比較する(ステップ1035)。ステップ1035において、内部電源120の温度が高温閾値超である場合、コントローラ200は、2次電源600を使用して熱管理システム122への電力供給を継続するように構成されている(ステップ1030)。ステップ1035において、内部電源120のSOCが高温閾値未満である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の充電機能を有効にする(ステップ1040)。コントローラ200はまた、電力供給装置100の1つ以上の他の機能及び/又は特徴を有効にするように構成されている。
【0068】
図11は、電力供給装置100のコントローラ200によって実行される方法1100を示している。コントローラ200は、内部電源120の電圧を受信又は測定し、コントローラ200は、内部電源120のSOCを判定する(ステップ1105)。コントローラ200は、内部電源120の温度を受信又は測定する(ステップ1110)。実施形態によっては、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の構成要素の温度を判定する。コントローラ200は、内部電源120のSOCを低電圧閾値と比較する(ステップ1115)。ステップ1115において、内部電源120のSOCが低電圧閾値超である場合、コントローラ200は、内部電源120のSOCの判定を継続するように構成されている(ステップ1105)。ステップ1115において、内部電源120のSOCが低電圧閾値以下である場合、コントローラ200は、内部電源120の高温閾値に達したかどうかを判定するように構成されている。いくつかの実装形態では、コントローラ200はまた、内部電源120のSOC及び低電圧閾値に基づいて、電力供給装置100の1つ以上の他の特徴又は機能を無効にすることができる。
【0069】
コントローラ200は、内部電源120の温度を高温閾値と比較する(ステップ1120)。ステップ1120において、内部電源120の温度が高温閾値未満である場合、コントローラ200は、内部電源120の温度の判定を継続するように構成されている(ステップ1110)。ステップ1120において、内部電源120の温度が高温閾値以上である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の機能及び/又は特徴を制御するように構成されている。例えば、コントローラ200は、電力供給装置100の充電機能を無効にする(ステップ1125)。実施形態によっては、コントローラ200はまた、電力供給装置100の1つ以上の特徴を無効にする。コントローラ200は、2次電源600の電圧を受信又は測定し、コントローラ200は、2次電源600のエネルギーレベルを判定する(ステップ1130)。実施形態によっては、コントローラは、サブコアモジュール125に関連して上述した方法論を使用して、2次電源600のエネルギーレベルを判定する。次いで、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の特徴の電力要件を判定する(ステップ1135)。例えば、コントローラ200は、メモリ445から熱管理システム122の電力要件を受信する。実施形態によっては、コントローラ200はまた、電力供給装置100の1つ以上の他の特徴/機能の電力要件を判定する。コントローラ200は、2次電源600のSOC、及び電力供給装置100の1つ以上の他の特徴/機能に対する電力要件に基づいて、電力供給装置100の1つ以上の特徴を選択的に有効にする(ステップ1140)。実施形態によっては、電力供給装置100の特徴/機能は、特徴/機能の判定された優先度に基づいて、2次電源600からの電力で選択的に有効にされる。
【0070】
図12は、電力供給装置100のコントローラ200によって実行される方法1200を示している。コントローラ200は、内部電源120の温度を受信又は測定する(ステップ1205)。実施形態によっては、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の構成要素の温度を判定する。コントローラ200は、内部電源120の温度を高温閾値と比較する(ステップ1210)。ステップ1210において、内部電源120の温度が高温閾値未満である場合、コントローラ200は、内部電源120の温度の判定を継続するように構成されている(ステップ1205)。ステップ1210において、内部電源120の温度が高温閾値以上である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の機能及び/又は特徴を制御するように構成されている。例えば、コントローラ200は、電力供給装置100の熱管理システム122に電力供給して、(例えば、内部電源120のリバウンド電圧を使用して)予冷特徴を制御する。次いで、コントローラ200は、電力供給装置100の熱管理システム122を有効にする(ステップ1215)。
【0071】
コントローラ200は、内部電源120の温度を高温閾値と比較する(ステップ1220)。ステップ1220において、内部電源120の温度が高温閾値以上である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の熱管理システムの有効化を継続するように構成されている(ステップ1215)。ステップ1220において、内部電源120の温度が高温閾値未満である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の機能及び/又は特徴を制御するように構成されている。例えば、コントローラ200は、電力供給装置100の熱管理システム122を無効にする(ステップ1225)。
【0072】
様々な実施形態では、コントローラ200は、外部電源への過渡的な移動期間中又は別個の電源(例えば、AC主電源)の不在時に内部電源120の温度を低下させる電力供給装置100の「予冷」を実行するように、熱管理システム122を制御する。その結果、いったん電力供給装置100が外部電源に接続されると、電力供給装置100が「予冷」されているために、自然冷却時間と比較して、より短い時間で内部電源120の充電を再開する。「予冷」機能は、内部電源120の冷却だけに限定されない。いくつかの実装形態では、コントローラ200は、「予冷」を介して熱管理システム122を動作させて、オンボード電子機器、充電器などの温度を低下させることができる。
【0073】
実施形態によっては、コントローラ200は、例えば、電圧回復を介して利用可能な残留エネルギーが、必要な期間、熱管理システム122を動作させるのに十分でないなどの様々な条件により、内部電源120の温度を高温閾値を下回って低下させることができない場合がある。そのような状況では、残留利用可能エネルギーは熱管理システム122を動作させるのに十分であるが、周囲条件(例えば、夏季の極端な炎天下)が高速冷却に対して寄与しない。それらの実施形態では、コントローラ200は、内部の2次電源に加えて外部の2次電源を利用して、内部電源120の温度を高温閾値を下回って低下させることができる。
【0074】
図13は、電力供給装置100のコントローラ200によって実行される方法1300を示している。コントローラ200は、内部電源120の電圧を受信又は測定し、コントローラ200は、内部電源120のSOCを判定する(ステップ1305)。コントローラ200は、内部電源120、及び/又は電力供給装置100の他の内部構成要素の温度を受信又は測定する(ステップ1310)。実施形態によっては、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の構成要素の温度を判定する。コントローラ200は、内部電源120の温度を温度未満閾値と比較する(ステップ1315)。ステップ1315において、内部電源120の温度が温度未満閾値(例えば、低温カットオフ閾値)以下である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の機能及び/又は特徴を制御するように構成されている。例えば、コントローラ200は、電力供給装置100の熱管理システム122に電力供給する(ステップ1320)。実施形態によっては、コントローラ200は、2次電源600を用いて熱管理システム122に電力供給する。例えば、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の構成要素の温度を増加させるために、熱管理システムの加熱モードを有効にする。加えて、コントローラ200は、充電機能を有効にするために電力供給装置100の動作条件が満たされているかどうかを判定するために、温度を温度未満閾値と比較し続けることができる。実施形態によっては、コントローラ200はまた、熱を生成する電力供給装置100の1つ以上の機能を有効にすることができる。
【0075】
ステップ1315において、内部電源120の温度が温度未満閾値超である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の機能及び/又は特徴を制御するように構成されている。例えば、コントローラ200は、電力供給装置100の充電機能を有効にする(ステップ1325)。実施形態によっては、コントローラ200はまた、電力供給装置100の1つ以上の特徴を有効にすることができる。コントローラ200は、内部電源120が充電されている間、内部電源120のSOCがSOC閾値に達するまで、内部電源120の電圧を受信又は測定し続ける(ステップ1330)。
【0076】
図14Aは、電力供給装置100のコントローラ200によって実行される方法1400を示している。コントローラ200は、2次電源が存在することを判定する(ステップ1405)。コントローラ200は、内部電源120の温度を受信又は測定する(ステップ1410)。実施形態によっては、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の構成要素の温度を判定する。コントローラ200は、内部電源120の温度を温度未満閾値と比較する(ステップ1415)。ステップ1415において、内部電源120の温度が温度未満閾値(例えば、低温カットオフ閾値)超である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の機能及び/又は特徴を制御するよう構成されている。例えば、コントローラ200は、電力供給装置100の充電機能を有効にする(ステップ1420)。実施形態によっては、コントローラ200はまた、電力供給装置100の1つ以上の特徴を有効にすることができる。
【0077】
次いで、コントローラ200は、電力供給装置100の内部電源120の充電レートを選択する(ステップ1425)。いくつかの実施形態において、コントローラは、電力供給装置100の温度に基づいて内部電源120の充電レートを選択する。例えば、コントローラ200は、充電レートのセット(例えば、第1の充電レート、第2の充電レート、及び第3の充電レート)から、電力供給装置100の充電レートを選択することができる。充電レートのセットの各充電レートは異なっており、階層(例えば、階層1、階層2、及び階層3)と関連付けられている。各階層は、最小温度閾値によって定義されてもよい。この例では、コントローラ200は、内部電源120の温度を各階層の最小温度閾値と比較することができる。1つのシナリオでは、コントローラ200は、内部電源120の温度が階層1の最小温度閾値未満であることを判定し、階層1に関連する第1のレートを選択する。別のシナリオでは、コントローラ200は、内部電源120の温度が階層1の最小温度閾値以上であるが階層2の最小温度閾値未満であることを判定し、階層2に関連する第2のレートを選択する。更に別のシナリオでは、コントローラ200は、内部電源120の温度が階層2の最小温度閾値以上であることを判定し、階層3に関連する第3のレートを選択する。
【0078】
次いで、コントローラ200は、電力供給装置100の熱管理システム122の動作を制御する(ステップ1430)。例えば、コントローラ200は、2次電源600を使用して熱管理システム122に電力供給することができる。この例では、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の構成要素の温度を増加又は減少させるために、熱管理システム122の加熱モード及び冷却モードを制御する。コントローラ200は、最大充電レート(例えば、第3のレート)を維持するために、閉ループ制御を使用して熱管理システム122の1つ以上のモードを有効にすることができる。
【0079】
図14Bは、電力供給装置100のコントローラ200によって実行される方法1400の続きを示している。ステップ1415において内部電源120の温度を温度未満閾値と比較した後、内部電源120の温度が温度未満閾値(例えば、低温カットオフ閾値)未満である場合、コントローラ200は、電力供給装置100の1つ以上の機能及び/又は特徴を制御するように構成されている。実施形態によっては、コントローラ200は、内部電源120の電圧を受信又は測定し、コントローラ200は、内部電源120のSOCを判定する。
【0080】
コントローラ200は、内部電源120のSOCを低電圧閾値と比較する(ステップ1435)。ステップ1435において、内部電源120のSOCが低電圧閾値超である場合、コントローラ200は、内部電源120を用いて熱管理システム122に電力供給するように構成されている(ステップ1440)。上述のように、内部電源120を使用して熱管理システム122に電力供給することは、有利には、電力供給装置100の加熱効率を高める。ステップ1435において、内部電源120のSOCが低電圧閾値以下である場合、コントローラ200は、2次電源600を用いて熱管理システム122に電力供給するように構成されている(ステップ1445)。
【0081】
様々な実施形態では、コントローラ200が「予冷」特徴を有効にして、ユーザに利益を提供するために、内部電源120がEODに達する必要はない。コントローラ200は、例えば、ユーザが電力供給装置100をオフにして、内部電源120が充電OT閾値を上回った場合、「予冷」特徴を作動させることができる。これにより、電力供給装置100は、多数のシナリオにわたる充電イベントに対して実現可能な限り準備ができていることを確実にする。例えば、ユーザが内部電源120を部分的に放電し、内部電源120が充電OT閾値を超える温度に達し、及び電力供給装置100がオフにされた場合、コントローラ200は、「予冷」特徴を作動させて、電力供給装置100の冷却を充電OT閾値を下回る温度まで加速させることができる。この場合、内部電源120が使用に対して十分な残留バッテリー容量を有するため、「予冷」特徴のランタイム持続時間は、リバウンド電圧を介して存在する(すなわち、バッテリーがEODに達しなかった)小さい使用可能エネルギーに制限されない。
【0082】
したがって、本明細書に記載の実施形態は、とりわけ、熱管理システムに電力供給するための2次電源を含む電力供給装置を提供する。様々な特徴及び利点は、後述の特許請求の範囲に示されている。
【符号の説明】
【0083】
100 電力供給装置
114 電力入力ユニット
116 電力出力ユニット
118 ディスプレイ
120 内部電源
122 熱管理システム(TMS)
127A サブコア監視回路
127B サブコア監視回路
127N サブコア監視回路
200 コントローラ
400 入力電力変換ユニット
405 DCバス
410 AC出力電力変換ユニット
415 DC出力電力変換ユニット
420 ユーザインターフェース
425 ネットワーク通信モジュール
426 プロセッサ
427 メモリ
428 アンテナ及び送受信機
429 RTC
430 センサ
440 処理ユニット
445 メモリ
450 入力ユニット
455 出力ユニット
460 制御ユニット
465 算術論理ユニット
470 レジスタ
500 PFC回路
505 DC-DCコンバータ
510 第1のDC-DCコンバータ
515 インバータ
520 第2のDC-DCコンバータ
600 2次電源
905 第1の特徴
910 第2の特徴
915 第Nの特徴
【外国語明細書】