(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177379
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】空気清浄装置、空気清浄制御システム、および、空気清浄制御プログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 8/80 20210101AFI20231207BHJP
F24F 11/79 20180101ALI20231207BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20231207BHJP
F24F 6/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
F24F8/80 242
F24F8/80 110
F24F8/80 222
F24F11/79
A61L9/00 Z
F24F8/80 238
F24F8/80 236
F24F6/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089994
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 勇
【テーマコード(参考)】
3L055
3L260
4C180
【Fターム(参考)】
3L055AA07
3L260AB18
3L260BA09
3L260CA02
3L260CA12
3L260CA13
3L260CA17
3L260CA35
3L260CB66
3L260CB74
3L260FA08
3L260FC07
3L260FC14
4C180AA02
4C180AA16
4C180BB13
4C180DD09
4C180HH05
4C180KK04
4C180LL15
(57)【要約】
【課題】効率よく室内の空気を循環させることができる空気清浄装置を提供する。
【解決手段】本体10と、本体10の下部に設けられた吸気口と、本体10の上部の側面の全周を覆う壁状部材と、本体10の上部の側面と壁状部材との間に形成され、吸気口から吸い込まれた空気を外部に吹き出す風路31と、を備え、壁状部材の少なくとも一部は、本体10の上部の側面を覆う位置から本体10の上部の側面から離れた位置に開閉可能なフラップ11であることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の下部に設けられた吸気口と、
前記本体の上部の側面の全周を覆う壁状部材と、
前記本体の上部の側面と前記壁状部材との間に形成され、前記吸気口から吸い込まれた空気を外部に吹き出す風路と、を備え、
前記壁状部材の少なくとも一部は、前記本体の上部の側面を覆う位置から前記本体の上部の側面から離れた位置に開閉可能なフラップである
ことを特徴とする空気清浄装置。
【請求項2】
前記本体から離れる方向に進退可能なアーム部を備え、
前記フラップは、前記アーム部により開閉される
ことを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
【請求項3】
前記アーム部は、前記フラップの下側または上側の少なくとも一方の端部に接続されている
ことを特徴とする請求項2記載の空気清浄装置。
【請求項4】
前記アーム部は、前記フラップの左側または右側の少なくとも一方の端部に接続されている
ことを特徴とする請求項2記載の空気清浄装置。
【請求項5】
前記アーム部は、前記フラップの上側または下側の少なくとも一方の端部と、前記フラップの左側または右側の少なくとも一方の端部とに、それぞれ接続されている
ことを特徴とする請求項2記載の空気清浄装置。
【請求項6】
前記アーム部は、前記フラップの上側、下側、左側および右側の各端部に接続されている
ことを特徴とする請求項2記載の空気清浄装置。
【請求項7】
前記壁状部材は、複数の前記フラップである
ことを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
【請求項8】
前記吸気口を開閉するルーバを備え、
前記吸気口は、前記本体の下部の全周に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
【請求項9】
前記吸気口は、前記本体の下部の上下に設けられた第1吸気口と第2吸気口であり、
前記第1吸気口を開閉する第1ルーバと、
前記第2吸気口を開閉する第2ルーバと、を備えた
ことを特徴とする請求項8記載の空気清浄装置。
【請求項10】
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の空気清浄装置と、
前記空気清浄装置が設置されている環境に関する環境情報を取得する情報取得部、および前記情報取得部が取得した前記環境情報に基づき前記空気清浄装置に関する制御を行う制御部を有した空気清浄制御装置と、
を備えた空気清浄制御システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記環境情報に基づき、前記空気清浄装置の配置位置の割り出し、または、前記フラップの開閉の制御を行う
ことを特徴とする請求項10記載の空気清浄制御システム。
【請求項12】
前記空気清浄装置は、前記吸気口を開閉するルーバを備え、
前記吸気口は、前記本体の下部の全周に設けられ、
前記制御部は、前記環境情報に基づき、前記ルーバの開閉の制御を行う
ことを特徴とする請求項10記載の空気清浄制御システム。
【請求項13】
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室の間取りに関する居室情報と、前記居室に設置されている空調関連機器に関する空調関連機器情報と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記居室情報と前記空調関連機器情報と前記設置位置情報とに基づき、前記居室において前記空調関連機器から前記空気が送出される場所を前記空気清浄装置の前記配置位置として割り出す
ことを特徴とする請求項11記載の空気清浄制御システム。
【請求項14】
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室に存在する人の有無に関する人検知情報を含み、
前記制御部は、前記人検知情報に基づき、前記居室に前記人が存在する場合、複数の前記フラップのうち、前記人が存在する側の前記フラップを開けさせ、前記居室に前記人が存在しない場合は、全ての前記フラップを開けさせる
ことを特徴とする請求項11記載の空気清浄制御システム。
【請求項15】
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室における空調関連機器に関する空調関連機器情報と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記空調関連機器情報と前記設置位置情報とに基づき、複数の前記ルーバのうち前記空調関連機器からの気流の上流側の前記ルーバを開けさせるとともに、複数の前記フラップのうち前記空調関連機器からの気流の下流側の前記フラップを開けさせる
ことを特徴とする請求項12記載の空気清浄制御システム。
【請求項16】
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室における窓またはドアの開閉状況に関する出入口情報と、外気に関する外気情報と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記出入口情報と前記外気情報と前記設置位置情報とに基づき、前記外気の空気質が基準以下であり、かつ、前記窓が開いている場合、複数の前記ルーバのうち窓側の前記ルーバを開けさせるとともに複数の前記フラップのうちの少なくとも1つを開けさせる
ことを特徴とする請求項12記載の空気清浄制御システム。
【請求項17】
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記空気清浄装置の前記本体は、加湿用タンクを有し、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室における前記空気の流れをシミュレーションしたシミュレーション情報と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記シミュレーション情報と前記設置位置情報とに基づき、前記居室において塵埃が付着している場所を検知し、または、前記塵埃が付着する場所を予測し、前記塵埃が付着している場所側、または、前記塵埃が付着すると予測した場所側の前記フラップを開けさせて、前記塵埃が付着している場所、または、前記塵埃が付着すると予測した場所に、前記風路からの加湿された前記空気を吹き出させる
ことを特徴とする請求項11記載の空気清浄制御システム。
【請求項18】
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記空気清浄装置の前記本体は、加湿用タンクを有し、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室においてレーザー光が照射された場所を撮像した撮像画像と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記撮像画像と前記設置位置情報とに基づき、前記居室において塵埃が付着している場所を検知し、前記塵埃が付着している場所側の前記フラップを開けさせて、前記塵埃が付着している場所に、前記風路からの加湿された前記空気を吹き出させる
ことを特徴とする請求項11記載の空気清浄制御システム。
【請求項19】
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記空気清浄装置の前記本体は、加湿用タンクを有し、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室内を撮像した撮像画像と、前記空気清浄装置の居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記撮像画像と前記設置位置情報とに基づき、前記空気清浄装置が設置されている前記居室において塵埃が付着している場所を検知し、前記塵埃が付着している場所側の前記フラップを開けさせて、前記塵埃が付着している場所に、前記風路からの加湿された前記空気を吹き出させる
ことを特徴とする請求項11記載の空気清浄制御システム。
【請求項20】
コンピュータを、
請求項1から請求項9のうちのいずれか1項記載の空気清浄装置が設置されている環境に関する環境情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記環境情報に基づき、前記空気清浄装置に関する制御を行う制御部
として機能させるための空気清浄制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気清浄装置、空気清浄制御システム、および、空気清浄制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、本体の上部に吹出ルーバを備えた吹出口を備え、吹出ルーバの向きが上下および左右方向に変更可能な空気制御機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような従来の空気清浄装置では、吹出ルーバは本体の上部のみに備えられており、当該吹出ルーバの向きが上下および左右方向に変更可能であるとはいえ、気流を吹き出す向きに制限があり、空気の循環が限定的であるという課題があった。
【0005】
本開示は上記のような課題を解決するためになされたもので、従来の、本体の上部のみに吹出ルーバを備えた空気清浄装置と比べ、効率よく室内の空気を循環させることができる空気清浄装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る空気清浄装置は、本体と、本体の下部に設けられた吸気口と、本体の上部の側面の全周を覆う壁状部材と、本体の上部の側面と壁状部材との間に形成され、吸気口から吸い込まれた空気を外部に吹き出す風路と、を備え、壁状部材の少なくとも一部は、本体の上部の側面を覆う位置から本体の上部の側面から離れた位置に開閉可能なフラップであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、空気清浄装置は、従来の、本体の上部のみに吹出ルーバを備えた空気清浄装置と比べ、効率よく室内の空気を循環させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る空気清浄装置の構成の一例を説明する図であって、全てのフラップが閉じた状態の空気清浄装置の外観の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る空気清浄装置の構成の一例を説明する図であって、全てのフラップの上側が開いた状態の空気清浄装置の外観の斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る空気清浄装置の構成の一例を説明する図であって、1つのフラップの上側のみが開いた状態の空気清浄装置の外観の斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る空気清浄装置の構成の一例を説明する図であって、1つのフラップの下側のみが開いた状態の空気清浄装置の外観の斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る空気清浄装置の構成の一例を説明する図であって、2つのフラップの左側のみが開いた状態の空気清浄装置の外観の上面図である。
【
図6】実施の形態1に係る空気清浄装置の本体の構成例について説明するための図である。
【
図7】
図7A、
図7B、および、
図7Cは、実施の形態1に係る空気清浄装置が備える第1ルーバが第1吸気口を開閉する仕組みの一例について説明するための図である。
【
図8】
図8Aおよび
図8Bは、実施の形態1に係る空気清浄装置において、フラップが開閉する仕組みの一例について説明するための図である。
【
図9】
図9Aおよび
図9Bは、実施の形態1に係る空気清浄装置において、フラップが開閉する仕組みのその他の一例について説明するための図である。
【
図10】
図10A、
図10B、および、
図10Cは、空気清浄装置がフラップの下側の端部に接続されるアーム部のみ備えるようにした場合の、空気清浄装置の、
図8AにおいてBで示す方向からみた一部省略断面図である。
【
図11】実施の形態1に係る空気清浄制御装置の構成例を示す図である。
【
図12】
図12Aおよび
図12Bは、実施の形態1において、空気清浄制御装置の制御部が表示させた表示装置の画面例を示す図である。
【
図13】実施の形態1において、制御部が、エアコンと対向する位置を空気清浄装置の配置位置として割り出し、割り出した配置位置において、空気清浄装置に対して全てのフラップを開けさせて塵埃除去を行わせた様子の一例を示す図である。
【
図14】
図14Aおよび
図14Bは、実施の形態1において、制御部による、人検知情報に基づくフラップの開閉制御の一例を説明するための図である。
【
図15】
図15Aおよび
図15Bは、実施の形態1において、制御部による、空調関連機器情報と設置位置情報とに基づくフラップおよびルーバの開閉制御の一例を説明するための図である。
【
図16】実施の形態1に係る空気清浄制御装置の動作について説明するためのフローチャートである。
【
図17】
図17Aおよび
図17Bは、実施の形態1に係る空気清浄制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係る空気清浄装置は、例えば、一般家庭において、居室内の空気を清浄する、床面設置型の空気清浄装置を想定している。空気清浄装置は、ユーザによって居室内の任意の場所に配置される。
図1~
図5は、実施の形態1に係る空気清浄装置1の構成の一例を説明する図である。
なお、
図1~
図4は、実施の形態1に係る空気清浄装置1の外観の斜視図であり、
図5は、実施の形態1に係る空気清浄装置1の外観の上面図である。
図5において、矢印Fは空気清浄装置1の正面方向を示している。
なお、
図1~
図5において、便宜上、一部、図示を省略している部分もある。
【0010】
実施の形態1に係る空気清浄装置1は、柱状の形状を有する。実施の形態1では、一例として、空気清浄装置1は、角が丸い四角柱のタワー型の形状を有するものとする。なお、これは一例に過ぎず、空気清浄装置1は、例えば、円柱または三角柱の形状を有していてもよい。
【0011】
図1~
図5に示すように、空気清浄装置1は、柱状の本体10と、設置された状態で当該本体10の下部の全周を覆うメッシュ状のカバー18と、設置された状態で当該本体10の上部の側面の全周を覆う壁状部材を備える。
本体10の上部の側面と壁状部材との間には、本体10の下部に設けられている吸気口(第1吸気口12および第2吸気口13)から吸い込まれた空気を外部に吹き出す風路31が形成される。
実施の形態1に係る空気清浄装置1において、壁状部材は、本体10の上部の側面を覆う位置から本体10の上部の側面から離れた位置に開閉可能な4枚のフラップ(フラップ11a、フラップ11b、フラップ11c、および、フラップ11d)で構成される。なお、以下の実施の形態1において、フラップ11というとき、フラップ11a、フラップ11b、フラップ11c、および、フラップ11dをいうものとする。
【0012】
風路31には本体10で清浄化された空気が流れ、フラップ11が開くと風路31からの空気が空気清浄装置1の外部へ吹き出される。空気清浄装置1は、フラップ11が開いた方向から清浄化された空気を居室内に吹き出して、当該清浄化された空気を居室内に行き渡らせる。
【0013】
フラップ11は、本体10から離れる方向に進退可能なアーム部14により開閉される。
アーム部14は、一方の端部がフラップ11の上側および下側の各端部に接続され、他方の端部は本体10に支持される。
【0014】
なお、実施の形態1において、フラップ11の上側とは、例えば、空気清浄装置1が設置された状態でフラップ11の上端の一辺と、フラップ11上で当該一辺から鉛直下方に所定の距離だけ離れた点を結んだ直線とで挟まれた領域をいう。所定の距離は、フラップ11の上下方向の長さの半分より短い長さとする。
また、実施の形態1において、フラップ11の下側とは、例えば、空気清浄装置1が設置された状態でフラップ11の下端の一辺と、フラップ11上で当該一辺から鉛直上方に所定の距離だけ離れた点を結んだ直線とで挟まれた領域をいう。所定の距離は、フラップ11の上下方向の長さの半分より短い長さとする。
また、実施の形態1において、フラップ11の右側とは、例えば、空気清浄装置1が設置された状態でフラップ11の右端の一辺と、フラップ11上で当該一辺から鉛直左方に所定の距離だけ離れた点を結んだ直線とで挟まれた領域をいう。所定の距離は、フラップ11の左右方向の長さの半分より短い長さとする。
また、実施の形態1において、フラップ11の左側とは、例えば、空気清浄装置1が設置された状態でフラップ11の左端の一辺と、フラップ11上で当該一辺から鉛直右方に所定の距離だけ離れた点を結んだ直線とで挟まれた領域をいう。所定の距離は、フラップ11の左右方向の長さの半分より短い長さとする。
実施の形態1において、フラップ11の右側または左側とは、本体10の中心からみたフラップ11の右側または左側をいう。
なお、例えば、フラップ11の四隅において、フラップ11の上側または下側とする領域とフラップ11の左側とする領域とが重複することがあり得る。また、フラップ11の上側または下側とする領域とフラップ11の右側とする領域とが重複することがあり得る。
【0015】
実施の形態1に係る空気清浄装置1では、アーム部14は、フラップ11の上側および下側の各端部において2つずつ備えられる。例えば、フラップ11aの上側の端部にはアーム部14cおよびアーム部14dが備えられ、フラップ11aの下側の端部にはアーム部14aおよびアーム部14bが備えられている。また、例えば、フラップ11cの上側の端部にはアーム部14gおよびアーム部14hが備えられ、フラップ11cの下側の端部にはアーム部14eおよびアーム部14fが備えられている。また、例えば、フラップ11bの上側の端部にはアーム部14kおよびアーム部14lが備えられ、フラップ11bの下側の端部にはアーム部14iおよびアーム部14jが備えられている。また、例えば、フラップ11dの上側の端部にはアーム部14oおよびアーム部14pが備えられ、フラップ11dの下側の端部にはアーム部14mおよびアーム部14nが備えられている。すなわち、空気清浄装置1は、16個のアーム部14を有する。実施の形態1において、アーム部14というとき、当該アーム部14は、アーム部14a~アーム部14pを含む。
【0016】
アーム部14が、本体10から離れる方向に進むよう移動させられることで、フラップ11の上側、下側、左側、または、右側が、本体10から離れる方向へ押し出され、フラップ11が開けられる。
【0017】
例えば、
図2に示すように、空気清浄装置1は、フラップ11の上側の端部に備えられているアーム部14が本体10から離れる方向に進むよう移動させられることでフラップ11の上側を開ける。風路31からの空気は、主にフラップ11の上側から送出される(
図2においてAr3で示す矢印参照)。なお、図示は省略しているが、フラップ11の上側が開けられることでフラップ11の左側および右側へ向けても空気の通り道ができるため、フラップ11の左側および右側からも、風路31からの空気は送出される。
【0018】
また、例えば、
図3に示すように、空気清浄装置1は、フラップ11のうちの1つ(
図3ではフラップ11cとしている)の上側の端部に備えられているアーム部14(
図3ではアーム部14gおよびアーム部14hとしている)のみが本体10から離れる方向に進むよう移動させられることで、フラップ11のうちのあるフラップ11(フラップ11c)の上側を開けることもできる。風路31からの空気は、主にフラップ11(フラップ11c)の上側から送出される(
図3においてAr3で示す矢印参照)。このように、各フラップ11は独立して開閉することができる。
【0019】
また、例えば、
図4に示すように、空気清浄装置1は、フラップ11のうちの1つ(
図4ではフラップ11cとしている)の下側の端部に備えられているアーム部14(
図4ではアーム部14eおよびアーム部14fとしている)のみが本体10から離れる方向に進むよう移動させられることで、フラップ11のうちのあるフラップ11(フラップ11c)の下側を開けることもできる。風路31からの空気は、主にフラップ11(フラップ11c)の下側から送出される(
図4においてAr3で示す矢印参照)。アーム部14は、各フラップ11の上側のみならず下側のみを開閉させることができる。
【0020】
また、例えば、
図5に示すように、空気清浄装置1は、フラップ11のうちの2つ(
図5ではフラップ11bおよびフラップ11dとしている)の上側の端部と下側の端部にそれぞれ備えられているアーム部14(
図5ではアーム部14k、アーム部14l、アーム部14i、アーム部14j、アーム部14o、アーム部14p、アーム部14m、および、アーム部14nとしている。アーム部14i、アーム部14j、アーム部14m、および、アーム部14nについては図示省略)のみが本体10から離れる方向に進むよう移動させられることで、フラップ11のうちのあるフラップ11(フラップ11bおよびフラップ11d)の左側を開けることもできる。なお、
図5において、アーム部14lおよびアーム部14jは、アーム部14kおよびアーム部14iよりも本体10から離れた位置まで進むよう移動させられており、アーム部14qおよびアーム部14mは、アーム部14pおよびアーム部14nよりも本体10から離れた位置まで進むよう移動させられている。
風路31からの空気は、主にフラップ11(フラップ11bおよびフラップ11d)の左側から送出される(
図5においてAr3で示す矢印参照)。
【0021】
なお、空気清浄装置1において、本体10の側面の全周にわたって風路31が形成される。よって、
図1に示すように、空気清浄装置1は、フラップ11が全て閉じた状態であっても、空気清浄装置1が設置された状態で天面から、風路31からの空気を吹き出すことはできる。これは一例に過ぎず、例えば、空気清浄装置1において本体10は風路31を塞ぐ天板を有し、空気清浄装置1は、フラップ11が閉じた状態では当該空気清浄装置1の外部に空気を吹き出さない構成としてもよい。
【0022】
どのフラップ11を開閉させるかの判断、または、フラップ11の開閉制御等、空気清浄装置1の種々の制御は、空気清浄装置1に搭載されている空気清浄制御装置100(
図1~
図5では図示省略)によって行われる。空気清浄制御装置100の詳細については、後述する。また、アーム部14の詳細については、後述する。
【0023】
ここで、
図6は、実施の形態1に係る空気清浄装置1の本体10の構成例について説明するための図である。
図6は、実施の形態1に係る空気清浄装置1を正面方向(
図5の矢印F参照)からみた一部断面図である。
図6は、正面のカバー18およびフラップ11bを取り外して、本体10の断面を正面からみた図としている。
【0024】
空気清浄装置1において、本体10は、第1吸気口12、第2吸気口13、ダストボックス15、フィルタ16、ファン17、加湿用タンク20、および、バッテリ21を有する柱状の内部構造体である。図示しない掃除ブラシとダストボックス15とフィルタ16とで、第1吸気口12および第2吸気口13が吸い込んだ空気中の塵埃を除去し空気清浄装置1の内部に溜める塵埃除去部(図示省略)を構成する。以下の実施の形態1では、塵埃除去部のうち、掃除ブラシとダストボックス15とを掃除部ともいう。
【0025】
カバー18は、本体10の下部において、第1吸気口12、第2吸気口13、ダストボックス15、フィルタ16、および、ファン17を含む本体10の側面の全周を覆う。加湿用タンク20とバッテリ21は、本体10の上部に設けられている。
【0026】
図6に示すように、空気清浄装置1が設置された状態で、第1吸気口12は第2吸気口13よりも上部に位置し、ダストボックス15は第2吸気口13よりも上部に位置し、フィルタ16はダストボックス15よりも上部に位置し、ファン17はフィルタ16よりも上部に位置し、加湿用タンク20およびバッテリ21はファン17よりも上部に位置する。
【0027】
第1吸気口12は、本体10の下部の側面の全周に設けられる。第1吸気口12は、主に空気中を舞う塵埃を含む空気を吸い込む。
本体10は、当該第1吸気口12を開閉する第1ルーバ121を備える。
【0028】
ここで、
図7は、実施の形態1に係る空気清浄装置1が備える第1ルーバ121が第1吸気口12を開閉する仕組みの一例について説明するための図である。
図7Aは、第1ルーバ121が第1吸気口12を開けた状態を示す上面図であり、
図7Bは、第1ルーバ121が第1吸気口12を閉じた状態を示す上面図であり、
図7Cは、第1ルーバ121が第1吸気口12を開けた状態を示す斜視図である。
【0029】
第1ルーバ121は、例えば、本体10の上下方向に延在する複数の細長い平板等により形成されている。第1ルーバ121の一方の端部は、本体10の水平方向に伸び一方の端部からモータ122の駆動力が伝達される受け棒123に、第1回転軸124によって回転可能に接続されている。受け棒123は、モータ122の駆動力が伝達されることで斜め前方(
図7Aの矢印参照)へ移動する。受け棒123が斜め前方へ移動すると、第1ルーバ121は、受け棒123の移動に伴って、当該第1ルーバ121の略中央にて第1ルーバ121を回転可能に支持する第2回転軸125を中心に回転し、第1吸気口12を閉じる。
なお、受け棒123が斜め後方へ移動すると、第1ルーバ121は、受け棒123の移動に伴って、第2回転軸125を中心に回転し、第1吸気口12を開ける。
【0030】
第2吸気口13は、本体10の下部の側面の全周に設けられる。第2吸気口13は、主に床に堆積した塵埃を含む空気を吸い込む。
本体10は、当該第2吸気口13を開閉する第2ルーバ131を備える。
第2ルーバ131の構成は、例えば、本体10の左右方向に延在する複数の細長い平板等で形成され、受け棒が本体10の上下方向に伸びている点を除き、第1ルーバ121の構成と同様であるため、重複した説明を省略する。
【0031】
塵埃除去部において、フィルタ16は、ファン17の回転により第1吸気口12および第2吸気口13を介して吸い込まれた空気の塵埃を除去する。掃除部は、フィルタ16に付着した塵埃を掃除ブラシで掃除してダストボックス15に集める。これにより、掃除部は、フィルタ16の目づまり等を防ぐ。
なお、ダストボックス15は、例えば、本体10の側面に設けられている開閉扉(図示省略)を開けた状態で取出し可能に設けられており、ユーザは、本体10の側面からダストボックス15を取り出してダストボックス15に集められた塵埃を捨てられる。
【0032】
ファン17は、回転することで気流を発生させる。ファン17は、モータ(図示省略)によって回転させられる。
ファン17が気流を発生することで、第1吸気口12および第2吸気口13から吸い込まれフィルタ16を通過することで清浄化された空気が、本体10とフラップ11との間の風路31に流される。風路31は、空気清浄装置1が設置された状態で、ファン17よりも上方に形成される。
【0033】
加湿用タンク20は、加湿フィルタ(図示省略)に供給される水を貯留する。加湿用タンク20は、例えば、本体10の天面に設けられている開閉扉(図示省略)を開けた状態で取出し可能に設けられており、ユーザは、本体10の天面から加湿用タンク20を取り出して当該加湿用タンク20に給水できる。
【0034】
バッテリ21は、空気清浄装置1に給電する。バッテリ21は、例えば、本体10の天面に設けられている開閉扉(図示省略)を開けた状態で取出し可能に設けられており、ユーザは、本体10の天面からバッテリ21を取り出してバッテリ21を交換することができる。
【0035】
図8A、
図8B、
図9Aおよび
図9Bは、実施の形態1に係る空気清浄装置1において、フラップ11が開閉する仕組みの一例について説明するための図である。
図8Aおよび
図8Bは、実施の形態1に係る空気清浄装置1の、
図6のA-A線における一部省略上面断面図である。
図8Aおよび
図8Bは、フラップ11aの上側および下側の各端部に一方の端部が接続されているアーム部14dおよびアーム部14bが本体10から離れる方向に進むよう移動させられることで、フラップ11aの右側が開く仕組みの一例について説明する図としている。なお、
図8Aおよび
図8Bにおいて、アーム部14bは図示されていない。
図8Aは、フラップ11aが閉じた状態を示し、
図8Bは、フラップ11aの右側が開いた状態を示している。
【0036】
図9Aは、実施の形態1に係る空気清浄装置1を、
図8Aにおいて矢印Bで示す方向からみた一部省略断面図である。
図9Bは、
図9Aに示す空気清浄装置1において、フラップ11の上側が開いた状態の空気清浄装置1を示す一部省略断面図である。
図9Aは、フラップ11aが閉じた状態を示し、
図9Bは、フラップ11aの上側が開いた状態を示している。
図9Aおよび
図9Bは、フラップ11aの上側の端部に一方が接続されているアーム部14dおよびアーム部14cが本体10から離れる方向に進むよう移動させられることで、フラップ11aの上側が開く仕組みの一例について説明する図としている。なお、
図9Aおよび
図9Bにおいて、アーム部14cは図示されていない。
【0037】
アーム部14は、それぞれ、対となる2本のアーム(
図8および
図9にてArmで示されている)を有し、当該2本のアームがそれぞれ、本体10から離れる方向に進退可能となっている。
具体的には、対となるアームのそれぞれにおいて、相手のアームと対向する面とは逆の面には、ピニオンギア(
図8および
図9にてGで示されている)と噛み合うラック部が、アームの軸方向に沿って形成されている。ピニオンギアは、駆動モータ(
図8にてMで示されている。
図9では図示省略)の出力軸に接続されており、駆動モータの駆動により回転する。つまり、アーム部14は、駆動モータの回転量および回転方向が制御されることにより、駆動モータの回転がピニオンギアを介してアームに伝達され、当該アームを本体10から離れる方向に進退させる構成である。なお、対となる2本のアームはそれぞれ独立して進退可能である。
【0038】
アーム部14dおよびアーム部14bが本体10から離れる方向に進むことでフラップ11aの右側が開くとき、左右方向に回転可能な軸支部材(
図8においてS1で示されている)が、アームをフラップ11aに回転可能に軸支する。なお、アームは、本体10から離れる方向に進む際、左右方向に広がるあそびの部分を有している。
このとき、フラップ11aは、アーム部14dおよびアーム部14bが接続された端部とは反対側の端部がアーム部14cおよびアーム部14aによって本体10側に支持されるようになっている。なお、
図8Aおよび
図8Bにおいて、アーム部14aは図示されていない。
【0039】
また、アーム部14dおよびアーム部14cが本体10から離れる方向に進むことでフラップ11aの上側が開くとき、上下方向に回転可能な軸支部材(
図9においてS2で示されている)が、アームをフラップ11aに回転可能に軸支する。なお、アームは、本体10から離れる進む際、上下方向に広がるあそびの部分を有している。
このとき、フラップ11aは、アーム部14dおよびアーム部14cが接続された端部とは反対側の端部がアーム部14bおよびアーム部14aによって本体10側に支持されるようになっている。なお、
図9Aおよび
図9Bにおいて、アーム部14aは図示されていない。
【0040】
なお、ここでは、アーム部14dを例にとって、アーム部14が本体10から離れる方向に進退する仕組みについて説明したが、アーム部14a~アーム部14c、アーム部14e~アーム部14pについても、アーム部14dと同様の構成を有し、アーム部14dと同様の仕組みで本体10から離れる方向に進退させられることでフラップ11を開閉させる。
【0041】
また、アーム部14が本体10から離れる方向に進むよう移動させられることでフラップ11の左側を開ける仕組みの一例については、
図8を用いて説明した、アーム部14が本体10から離れる方向に進むよう移動させられることでフラップ11の右側を開ける仕組みの一例と左右が逆になるだけであるため、重複した説明を省略する。
また、アーム部14が本体10から離れる方向に進むよう移動させられることでフラップ11の下側を開ける仕組みの一例については、
図9を用いて説明した、アーム部14が本体10から離れる方向に進むよう移動させられることでフラップ11の上側を開ける仕組みの一例と上下が逆になるだけであるため、重複した説明を省略する。
【0042】
このように、実施の形態1に係る空気清浄装置1において、フラップ11は、フラップ11の上側および下側の各端部において2つずつ備えられているアーム部14が本体10から離れる方向に進退させられることで、開閉させられる。
【0043】
なお、実施の形態1では、アーム部14は、フラップ11毎に4つ設けられるものとするが、これは一例に過ぎない。
例えば、空気清浄装置1において、アーム部14は、フラップ11の下側の端部に接続されるのみとしてもよい。これにより、空気清浄装置1は、少ない部品で、本体10の上部の側面を覆う位置から本体10の上部の側面から離れた位置に、フラップ11を開閉することができる。
【0044】
例えば、空気清浄装置1は、
図2に示したアーム部14a~アーム部14pについて、フラップ11の上側の端部に接続されるアーム部14c、アーム部14d、アーム部14g、アーム部14h、アーム部14k、アーム部14l、アーム部14o、および、アーム部14pを備えない構成としてもよい。
図10A、
図10B、および、
図10Cは、空気清浄装置1がフラップ11の下側の端部に接続されるアーム部14のみ備えるようにした場合における、空気清浄装置1の、
図8AにおいてBで示す方向からみた一部省略断面図である。
図10Aは、フラップ11aが閉じた状態を示している。
図10Bは、フラップ11aの下側の端部に一方が接続されているアーム部14bおよびアーム部14aが、軸支部材に軸支されたフラップ11aの上側が本体10から離れる方向に傾く程度に、本体10から離れる方向に進むことで、フラップ11aの上側が開いた状態を示している。
図10Cは、フラップ11aの下側の端部に一方が接続されているアーム部14bおよびアーム部14aが、
図10Bの状態よりも大きく本体10から離れる方向に進むことで、フラップ11aの下側が開いた状態を示している。
【0045】
また、例えば、空気清浄装置1において、アーム部14は、フラップ11の上側の端部に接続されるのみとしてもよい。
【0046】
また、例えば、アーム部14は、フラップ11毎に、フラップ11の対角線上に2点でフラップ11と接続されてもよいし、フラップ11の上側の端部の2箇所、下側の端部の1箇所にてフラップ11と接続されてもよい。
【0047】
また、以上の実施の形態1では、アーム部14は、一方の端部がフラップ11の上側および下側の各端部に接続されるものとしたが、これは一例に過ぎない。
例えば、アーム部14は、一方の端部がフラップ11の左側および右側の各端部に接続されるものとしてもよいし、アーム部14は、一方の端部がフラップ11の左側の端部または右側の端部のいずれか一方に接続されるものとしてもよい。
【0048】
また、例えば、アーム部14は、一方の端部がフラップ11の上側または下側の少なくとも一方の端部と、フラップ11の左側または右側の少なくとも一方の端部とに、それぞれ接続されていてもよい。
【0049】
フラップ11によって、接続されるアーム部14の数が異なっていてもよい。
【0050】
フラップ11は、上側、下側、左側、または、右側を空気清浄装置1の本体10から離れる方向に開いた状態とできるアーム部14を備えるようになっていればよい。
【0051】
また、以上の実施の形態1では、空気清浄装置1において、壁状部材は4枚のフラップ11で構成されるものとしたが、これは一例に過ぎない。例えば、空気清浄装置1において、壁状部材は2枚、3枚、または、5枚以上のフラップ11で構成されていてもよい。
【0052】
また、以上の実施の形態1では、空気清浄装置1において、壁状部材は全周にわたってフラップ11であるものとしたが、これは一例に過ぎない。壁状部材の少なくとも一部がフラップ11になっていればよい。
【0053】
このように、実施の形態1に係る空気清浄装置1は、柱状の本体10と、本体10の下部に設けられた吸気口(第1吸気口12および第2吸気口13)と、本体10の上部の側面の全周を覆う壁状部材と、本体10の上部の側面と壁状部材との間に形成され、吸気口から吸い込まれた空気を外部に吹き出す風路31と、を備え、壁状部材の少なくとも一部は、本体10の上部の側面を覆う位置から本体10の上部の側面から離れた位置に開閉可能なフラップ11であるものとした。
これにより、空気清浄装置1は、当該空気清浄装置1の周囲の広い範囲に向けて、空気を吹き出すことができる。空気清浄装置1は、当該空気清浄装置1の周囲の広い範囲に向けて空気を吹き出すことで、居室内の広い範囲に気流を生み出し、居室内の空気を効率よく循環させることができる。
つまり、実施の形態1に係る空気清浄装置1は、上述したような、吹出ルーバが本体の上部のみに備えられているため気流を吹き出す向きに制限があり空気の循環が限定的になっていた従来の空気清浄装置に比べ、効率よく室内の空気を循環させることができる。
なお、上述したような従来の技術では、会議室等広い部屋で使用される場合、複数台の空気清浄装置を居室内に配置して部屋全体に空気を循環させるようにしていたが、実施の形態1に係る空気清浄装置1は、より広範囲に空気を吹き出すことができるため、会議室等広い部屋であっても1台で部屋全体の空気を効率よく循環させることができる。
【0054】
次に、実施の形態1において空気清浄装置1を制御する空気清浄制御装置100について説明する。
【0055】
図11は、実施の形態1に係る空気清浄制御装置100の構成例を示す図である。
図11に示すように、空気清浄制御装置100と空気清浄装置1とで空気清浄制御システム200を構成する。
【0056】
空気清浄制御装置100は、情報取得部101および制御部102を備える。
【0057】
情報取得部101は、空気清浄装置1が設置されている環境に関する情報(以下「環境情報」いう。)を取得する。
【0058】
例えば、情報取得部101は、空気清浄装置1の居室における設置位置に関する情報(以下「設置位置情報」という。)を、環境情報として取得する。
例えば、情報取得部101は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等を利用して設置位置情報を取得する。
設置位置情報は、居室内において空気清浄装置1が設置されている場所を示す情報を含む。設置位置情報は、空気清浄装置1のオンまたはオフに関する情報、空気清浄装置1が開けているフラップ11およびルーバ(第1ルーバ121および第2ルーバ131)に関する情報、空気清浄装置1による吸気または排気の風量に関する情報等、空気清浄装置1が設置されている場所における、空気清浄装置1の稼働状況に関する情報を含んでもよい。
【0059】
また、例えば、情報取得部101は、空気清浄装置1が設置されている居室の間取りに関する情報(以下「居室情報」という。)を、環境情報として取得する。
例えば、空気清浄制御装置100が参照可能な場所に居室の間取り図が記憶されている。情報取得部101は、記憶されている間取り図を参照し、居室の3次元的な間取りを示す3次元間取り図を生成する。情報取得部101は、生成した3次元間取り図を居室情報とする。
また、例えば、空気清浄制御装置100は、ユーザがスマートフォン等の携帯端末(図示省略)と接続され、情報取得部101は、携帯端末から送信された3次元間取り図を居室情報として取得してもよい。携帯端末にはLiDARセンサ等が搭載されている。ユーザが携帯端末を用いて居室をスキャンすると、携帯端末はLiDARセンサ等を用いて3次元間取り図を生成する機能を有する。
【0060】
また、例えば、情報取得部101は、空気清浄装置1が設置されている居室に設置されているエアコン等の空調関連機器に関する情報(以下「空調関連機器情報」という。)を、環境情報として取得する。
例えば、空調関連機器にはIoT(Internet of Things)モジュール等が搭載されており、情報取得部101は、IoTモジュール等から、空調関連機器情報を取得する。空調関連機器情報には、例えば、空調関連機器の設置位置に関する情報、空調関連機器のオンまたはオフに関する情報、空調関連機器が送出している風向きおよび風量に関する情報、および、空調関連機器の設定温度に関する情報等、空調関連機器の稼働状況に関する情報が含まれる。
【0061】
また、例えば、情報取得部101は、空気清浄装置1が設置されている居室に存在する人の有無に関する情報(以下「人検知情報」という。)を、環境情報として取得する。
例えば、空気清浄装置1には人感センサ(図示省略)が搭載されており、情報取得部101は、人感センサから人検知情報を取得する。人検知情報には、人の有無を示す情報の他、人の動きを示す情報または人数を示す情報が含まれてもよい。
【0062】
また、例えば、情報取得部101は、空気清浄装置1が設置されている居室における窓またはドアの開閉状況に関する情報(以下「出入口情報」という。)を、環境情報として取得する。
例えば、居室にはIoTモジュール等が設置されており、情報取得部101は、IoTモジュール等から、出入口情報を取得する。出入口情報は、窓またはドアの開閉状況を示す情報の他、窓またはドアの位置に関する情報を含む。
【0063】
また、例えば、情報取得部101は、外気に関する情報(以下「外気情報」という。)を、環境情報として取得する。
例えば、屋外には空気質センサ(図示省略)が設置されており、情報取得部101は、空気質センサから外気情報を取得する。また、例えば、情報取得部101は、気象庁が提供しているデータを参照して外気情報を取得してもよい。外気情報には、例えば、外気温を示す情報および空気質を示す情報が含まれる。実施の形態1において、空気質とは、外気汚染状況または花粉の飛散状況等を含む。
【0064】
また、例えば、情報取得部101は、空気清浄装置1が設置されている居室における空気の流れをシミュレーションした情報(以下「シミュレーション情報」という。)を、環境情報として取得する。
例えば、情報取得部101は、AI装置(図示省略)からシミュレーション情報を取得する。また、例えば、情報取得部101は、居室に設置されている超音波式の流速計等から気流の情報を取得してシミュレーション情報を生成してもよい。
【0065】
また、例えば、情報取得部101は、空気清浄装置1が設置されている居室内を撮像した撮像画像を、環境情報として取得する。
例えば、空気清浄装置1には撮像装置(図示省略)が搭載されており、情報取得部101は、撮像装置が撮像した撮像画像を取得する。撮像装置は、例えば、居室内に設置されている空調関連機器等に搭載されていてもよい。
また、撮像画像は、空気清浄装置1が設置されている居室においてレーザー光が照射された場所を撮像した撮像画像であってもよい。
例えば、空気清浄装置1には、撮像装置の付近において、外部にレーザー光を照射するレーザー装置(図示省略)が搭載されていてもよい。レーザー装置は、例えば、居室内に設置されている空調関連機器等に搭載されていてもよい。
【0066】
また、例えば、情報取得部101は、居室内の温度または湿度に関する情報(以下「温湿度情報」という。)を、環境情報として取得する。
例えば、空気清浄装置1、空調関連機器等、または、居室内の構造物等には、温湿度計(図示省略)が設置され、情報取得部101は、温湿度計から温湿度情報を取得する。
【0067】
なお、情報取得部101は、異なる種類の複数の情報を環境情報として取得してもよい。例えば、情報取得部101は、居室情報と空調関連機器情報とを環境情報として取得してもよいし、出入口情報と外気情報と設置位置情報とを環境情報として取得してもよい。
情報取得部101は、取得した環境情報を、制御部102に出力する。
【0068】
制御部102は、情報取得部101が取得した環境情報に基づき、空気清浄装置1に関する制御を行う。
【0069】
制御部102が行う空気清浄装置1に関する制御について、いくつか例を挙げて説明する。
〈具体例(1)〉
例えば、制御部102は、環境情報に基づき、空気清浄装置1の配置位置の割り出しを行う。
詳細には、例えば、環境情報は、居室情報と空調関連機器情報と設置位置情報とを含み、制御部102は、居室情報と空調関連機器情報と設置位置情報とに基づき、居室において空調関連機器から空気が送出される場所を空気清浄装置1の配置位置として割り出す。
空気清浄装置1が、居室において、空調関連機器から空気が送出される場所に配置されることで、空気清浄装置1は、空調関連機器からの気流にあわせて室内の空気を循環させることができ、効率よく塵埃を除去することができる。
制御部102は、空気清浄装置1の配置位置を割り出すと、例えば、割り出した配置位置に関する情報を空気清浄装置1に搭載されている表示装置(図示省略)に表示させる。これにより、制御部102は、ユーザに対し、空気清浄装置1が効率よく塵埃を除去できる配置位置を知らせることができる。表示装置は、例えば、空気清浄装置1の本体10の天面に設けられる。
【0070】
ここで、
図12Aおよび
図12Bは、実施の形態1において、空気清浄制御装置100の制御部102が表示させた表示装置の画面例を示す図である。
図12Aおよび
図12Bは、空気清浄装置1の上面図であり、
図12Aおよび
図12Bにおいて表示装置はDで示されている。また、
図12Aおよび
図12Bでは、説明の簡単のため、空気清浄装置1の表示装置以外の構成部の図示は省略している。
例えば、制御部102は、
図12Aで示すように、現在の空気清浄装置1の設置位置からみて、空気清浄装置1が効率よく塵埃を除去することができる配置位置の方向を示す矢印を、表示装置に表示させる。
ユーザは、表示装置を確認すると、矢印の方向へ空気清浄装置1を動かす。
制御部102は、例えば、空気清浄装置1が割り出した配置位置まで動かされると、居室情報と設置位置情報とからこれを検知し、
図12Bに示すように、表示装置に「OK」と表示させることで、空気清浄装置1が効率よく塵埃を除去することができた旨をユーザに知らせる。
ユーザは、表示装置を確認すると、空気清浄装置1を動かすのをやめる。
【0071】
空気清浄装置1が、割り出した配置位置まで動かされると、制御部102は、空調関連情報に基づき、空気清浄装置1に対し、空調関連機器からの気流と連携して塵埃除去を行わせる。具体的には、制御部102は、全てのフラップ11を開けさせる。なお、このとき、制御部102は、例えば、全ての第1ルーバ121および第2ルーバ131を開けさせておく。
これにより、制御部102は、空気清浄装置1に対し、空調関連機器からの気流と連携して室内の空気を循環させることができ、効率よく塵埃を除去させることができる。
図13は、実施の形態1において、制御部102が、エアコン(
図13では300で示されている)と対向する位置を空気清浄装置1の配置位置として割り出し、割り出した配置位置において、空気清浄装置1に対して全てのフラップ11を開けさせて塵埃除去を行わせた様子の一例を示す図である。なお、
図13では、便宜上、空気清浄装置1の構成部については図示を省略している。
【0072】
〈具体例(2)〉
例えば、制御部102は、環境情報に基づき、空気清浄装置1のフラップ11の開閉制御を行う。制御部102は、アーム部14を進退させるモータを制御することで、フラップ11の開閉制御を行う。なお、制御部102は、アーム部14を進退させることによるフラップ11の開閉制御の他、空気清浄装置1のファン17を回転させるモータの制御等、空気清浄装置1の稼働に係る種々の制御も行う。
詳細には、例えば、環境情報は人検知情報を含み、制御部102は、人検知情報に基づき、居室に人が存在する場合、人が存在する側のフラップ11を開けさせ、居室に人が存在しない場合は、全てのフラップ11を開けさせる。なお、このとき、制御部102は、例えば、全ての第1ルーバ121および第2ルーバ131を開けさせておく。
【0073】
ここで、
図14Aおよび
図14Bは、実施の形態1において、制御部102による、人検知情報に基づくフラップ11の開閉制御の一例を説明するための図である。
図14Aは、居室に人が存在する場合の、フラップ11の開閉状況の一例を示す図であり、
図14Bは、居室に人が存在しない場合の、フラップ11の開閉状況の一例を示す図である。なお、
図14では、便宜上、空気清浄装置1の構成部については図示を省略している。
居室に人が存在する場合、制御部102は、
図14Aに示すように、人が存在する側のフラップ11を開けさせる。空気清浄装置1からは人が存在する方向へ、清浄化された空気が送出される。
居室に人が存在しない場合、制御部102は、
図14Bに示すように、全てのフラップ11を開けさせる。空気清浄装置1からは当該空気清浄装置1の全周囲方向へ、清浄化された空気が送出される。なお、このとき、制御部102は、空気清浄装置1に対し、大風量で塵埃除去を行わせてもよい。空気清浄装置1が大風量で塵埃除去を行うと、動作音が大きくなる。制御部102は、人が存在しない間に、空気清浄装置1に大風量で素早く塵埃除去を行わせることで、塵埃除去による動作音に対してユーザが煩わしさを感じることを防ぐ。
【0074】
〈具体例(3)〉
例えば、制御部102は、環境情報に基づき、空気清浄装置1のフラップ11とルーバ(第1ルーバ121および第2ルーバ131)を連動して開閉制御することもできる。
詳細には、例えば、環境情報は空調関連機器情報と設置位置情報とを含み、制御部102は、空調関連機器情報と設置位置情報とに基づき、空調関連機器からの気流の上流側のルーバ(第1ルーバ121および第2ルーバ131)を開けさせるとともに、空調関連機器からの気流の下流側のフラップ11を開けさせる。
【0075】
ここで、
図15Aおよび
図15Bは、実施の形態1において、制御部102による、空調関連機器情報と設置位置情報とに基づくフラップ11およびルーバの開閉制御の一例を説明するための図である。
図15Aは、居室内における空調関連機器および空気清浄装置1の配置例について説明するための居室の間取り図であり、
図15Bは、制御部102がフラップ11およびルーバの開閉制御を行った空気清浄装置1の様子の一例を示す図である。
図15Bは、15Aに示す矢印Fの方向から空気清浄装置1をみた図としている。なお、
図15Aでは、便宜上、空気の流れを矢印(黒矢印が吸い込む空気の流れ、白矢印が吐き出す空気の流れ)で図示しており、
図15Bでは、便宜上、空気清浄装置1の構成部については図示を省略している。
【0076】
例えば、
図15Aに示すように、空気清浄装置1は、居室内において、エアコン(
図15Aにて300で示されている)とレンジフード(
図15Aにて400で示されている)の間に配置されているとする。なお、エアコンおよびレンジフードはオンの状態とする。
制御部102は、空調関連機器情報と設置位置情報とに基づき、上述したような、エアコンと空気清浄装置1とレンジフードの位置関係を把握する。また、制御部102は、空調関連機器情報に基づき、エアコンとレンジフードの稼働状況を把握する。
そして、制御部102は、エアコンの気流の上流側の第1ルーバ121および第2ルーバ131を開けさせるとともに、エアコンの気流の下流側であって、レンジフードに近いフラップ11cの上側を開けさせる。これにより、空気清浄装置1は、吸気口(第1吸気口12および第2吸気口13)からエアコンの空気を吸い込み、フラップ11cの上側から清浄化した空気を、レンジフードの方向に吹き出す。
このように、制御部102は、空気清浄装置1に対し、エアコンからの気流を加速させてレンジフードから送出させることができる。これにより、制御部102は、空気清浄装置1に対し、室内に溜まった汚れまたは臭いを効率よく除去させることができる。
【0077】
なお、制御部102は、設置位置情報から把握した空気清浄装置1の配置状況から、エアコンの気流の下流側であってレンジフードに近いフラップ11を判断し、これを開けさせればよい。
また、上述の一例では、制御部102は、エアコンの気流の上流側の第1ルーバ121および第2ルーバ131を開けさせるようにしたが、これは一例に過ぎない。例えば、制御部102は、エアコンの気流の上流側の第1ルーバ121のみを開けさせてもよい。
【0078】
〈具体例(4)〉
例えば、環境情報は出入口情報と外気情報と設置位置情報とを含み、制御部102は、出入口情報と外気情報と設置位置情報とに基づき、外気の空気質が基準以下で、かつ、窓が開いている場合、窓側のルーバを開けさせるとともに少なくとも1つのフラップ11を開けさせるよう制御することもできる。実施の形態1において、外気の空気質が基準以下とは、外気の空気質が予め設定された基準よりも悪いことをいい、例えば、空気質に含まれている花粉の量が設定された基準値以上であることを含む。
今、例えば、外気に花粉が多く含まれているとする。また、空気清浄装置1は窓の近くに配置されており、当該窓が開いているとする。制御部102は、外気情報から外気に花粉が多く含まれていることを検知する。また、制御部102は、出入口情報から窓の位置および窓が開いていることを検知する。また、制御部102は、出入口情報と設置位置情報とから空気清浄装置1が開いている窓の近くに配置されていることを検知する。
そして、制御部102は、窓側のルーバ(第1ルーバ121および第2ルーバ131)を開けさせるとともにフラップ11のうちの少なくとも1つを開けさせる。
このように、制御部102は、空気清浄装置1に対し、窓からの外気を吸い込んで清浄化した空気を送出させる。これにより、制御部102は、空気清浄装置1に対し、汚れている外気の塵埃を除去して、汚れた空気が室内に入り込まないようにさせられる。
【0079】
〈具体例(5)〉
上述の〈具体例(4)〉において、環境情報にはさらに空調関連機器情報が含まれ、制御部102は、空気清浄装置1に対して、空調関連機器からの気流と連携して、汚れた空気の塵埃除去をさせてもよい。
例えば、外気が汚れており、空気清浄装置1が開いている窓の近くに配置されており、居室内のエアコンがオンの状態であるとする。
この場合、制御部102は、例えば、エアコンの気流の上流側のルーバ(第1ルーバ121および第2ルーバ131)および窓側のルーバ(第1ルーバ121および第2ルーバ131)を開けさせるとともにエアコンの気流の下流側のフラップ11を開けさせる。
このように、制御部102は、空気清浄装置1に対し、他の空調関連機器からの気流と連携して、汚れた空気が居室内に循環しないようにし、汚れている外気の塵埃を除去した後の清浄化した空気を居室内に循環させるようにできる。
【0080】
なお、上述の〈具体例(4)〉および〈具体例(5)〉では、制御部102は、第1ルーバ121および第2ルーバ131を開けさせるようにしたが、これは一例に過ぎない。例えば、制御部102は、第1ルーバ121のみを開けさせてもよい。
また、制御部102は、例えば、上述の〈具体例(4)〉および〈具体例(5)〉において、外気情報と出入口情報と居室情報とから、まずは開いている窓の近くを空気清浄装置1の配置位置として割り出し、割り出した配置位置に関する情報を空気清浄装置1の表示装置に表示させるようにしてもよい。
そして、ユーザが空気清浄装置1を移動させ、空気清浄装置1が窓の近くに配置されると、制御部102は設置位置情報からこれを検知し、上述したようなフラップ11およびルーバの開閉制御を行ってもよい。
【0081】
〈具体例(6)〉
また、例えば、制御部102は、環境情報に基づき、居室内において塵埃が付着している場所に空気を吹き出させるよう、フラップ11を開閉制御することもできる。
詳細には、環境情報は、シミュレーション情報と設置位置情報とを含み、制御部102は、シミュレーション情報と設置位置情報とに基づき、居室において塵埃が付着している場所を検知し、または、塵埃が付着する場所を予測し、塵埃が付着している場所側、または、塵埃が付着すると予測した場所側のフラップ11を開けさせて、塵埃が付着している場所、または、塵埃が付着すると予測した場所に、風路31からの加湿された空気を吹き出させる。空気清浄装置1は加湿用タンク20を備えているので、空気清浄装置1は、風路31から加湿された空気を送出できる。なお、このとき、制御部102は、例えば、全ての第1ルーバ121および第2ルーバ131を開けさせておく。
【0082】
例えば、制御部102は、シミュレーション情報に基づき、居室において塵埃が付着している場所が壁または天井等、高い場所である場合、塵埃が付着している場所側のフラップ11の上側を開けさせる。空気清浄装置1が開けたフラップ11の上側から吹き出した空気によって、壁または天井等に付着していた塵埃は、床面等に落とされ、吸気口(第1吸気口12および第2吸気口13)から吸い込まれる。
特に、実施の形態1において、空気清浄装置1は、本体10が
図6に示すように吸気口(第1吸気口12および第2吸気口13)、ダストボックス15、フィルタ16、および、ファン17を積み上げた柱状の構成としているため、ファン17より上部に形成される風路31は高い位置に形成されることになり、空気清浄装置1は、より高い位置まで空気を吹き出すことができる。
【0083】
また、例えば、制御部102は、シミュレーション情報に基づき、居室において塵埃が付着している場所が床等、低い場所である場合、塵埃が付着している場所側のフラップ11の下側を開けさせる。空気清浄装置1が開けたフラップ11の下側から吹き出した空気によって、床等に付着していた塵埃が吸気口(第1吸気口12および第2吸気口13)から吸い込まれやすくなる。
【0084】
また、例えば、制御部102は、シミュレーション情報に基づき、居室において空気中に浮遊した状態で留まっている塵埃が多いと検知した場合、浮遊した状態で留まっている塵埃が多い場所側のフラップ11の左側または右側を開けさせる。空気清浄装置1が開けたフラップ11の左側または右側から吹き出した空気によって、居室内の空気が循環され、塵埃が吸気口(第1吸気口12および第2吸気口13)から吸い込まれやすくなり、居室内の空気がはやく清浄化される。
【0085】
このように、制御部102は、空気清浄装置1に対し、居室において塵埃が付着している場所、または、塵埃が付着すると予測した場所に、清浄化した空気を吹き出させる。これにより、制御部102は、空気清浄装置1に対し、室内に溜まった汚れを効率よく除去させることができる。
また、制御部102は、空気清浄装置1に対し、手の届きにくい壁または天井等に付着した塵埃を除去させることができる。
また、制御部102は、空気清浄装置1に対し、加湿された空気を吹き出させることで、静電気で壁または天井等に付着している塵埃を除電して落としやすくできる。
【0086】
上述の〈具体例(6)〉において、環境情報は、シミュレーション情報に代えて、例えば、居室においてレーザー光が照射された場所を撮像した撮像画像としてもよい。
制御部102は、撮像画像と設置位置情報とに基づき、居室において塵埃が付着している場所を検知し、塵埃が付着している側のフラップ11を開けさせて、塵埃が付着している場所側に、風路31からの加湿された空気を吹き出させる。
このようにしても、制御部102は、空気清浄装置1に対し、室内に溜まった汚れを効率よく除去させることができる。
また、制御部102は、空気清浄装置1に対し、手の届きにくい壁または天井等に付着した塵埃を除去させることができる。
また、制御部102は、空気清浄装置1に対し、加湿された空気を吹き出させることで、静電気で壁または天井等に付着している塵埃を除電して落としやすくできる。
撮像画像は、レーザー光が照射されていない居室内を撮像した撮像画像であってもよい。ただし、レーザー光が照射された撮像画像とすると、撮像画像において塵埃が付着している場所が際立って撮像されるため、制御部102は、塵埃が付着している場所をより精度よく検知できる。
また、制御部102は、撮像画像を時系列で記憶しておき、時系列の撮像画像から、居室において塵埃が付着する場所を予測し、塵埃が付着すると予測した場所側のフラップ11を開けさせて、塵埃が付着すると予測した場所に、風路31からの加湿された空気を吹き出させてもよい。
【0087】
なお、上述の〈具体例(6)〉では、制御部102は、第1ルーバ121および第2ルーバ131を開けさせるようにしたが、これは一例に過ぎない。例えば、制御部102は、第2ルーバ131のみを開けさせてもよい。
【0088】
実施の形態1に係る空気清浄制御装置100の動作について説明する。
図16は、実施の形態1に係る空気清浄制御装置100の動作について説明するためのフローチャートである。
空気清浄制御装置100は、例えば、空気清浄装置1に電源が投入されると、電源が投入されている間、
図16のフローチャートで示すような動作を行う。
【0089】
情報取得部101は、環境情報を取得する(ステップST1)。
情報取得部101は、取得した環境情報を、制御部102に出力する。
【0090】
制御部102は、ステップST1にて情報取得部101が取得した環境情報に基づき、空気清浄装置1に関する制御を行う(ステップST2)。
【0091】
図17Aおよび
図17Bは、実施の形態1に係る空気清浄制御装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
実施の形態1において、情報取得部101と制御部102の機能は、処理回路1001により実現される。すなわち、空気清浄制御装置100は、空気清浄装置1の制御を行うための処理回路1001を備える。
処理回路1001は、
図17Aに示すように専用のハードウェアであっても、
図17Bに示すようにメモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサ1004であってもよい。
【0092】
処理回路1001が専用のハードウェアである場合、処理回路1001は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
【0093】
処理回路がプロセッサ1004の場合、情報取得部101と制御部102の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ1005に記憶される。プロセッサ1004は、メモリ1005に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、情報取得部101と制御部102の機能を実行する。すなわち、空気清浄制御装置100は、プロセッサ1004により実行されるときに、上述の
図16のステップST1~ステップST2が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ1005を備える。また、メモリ1005に記憶されたプログラムは、情報取得部101と制御部102の処理の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ1005とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0094】
なお、情報取得部101と制御部102の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、情報取得部101については専用のハードウェアとしての処理回路1001でその機能を実現し、制御部102についてはプロセッサ1004がメモリ1005に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
また、空気清浄制御装置100は、空気清浄装置1等の装置と、有線通信または無線通信を行う入力インタフェース装置1002および出力インタフェース装置1003を備える。
【0095】
なお、以上の実施の形態1では、空気清浄制御装置100は、空気清浄装置1に搭載されるものとし、情報取得部101と制御部102は、空気清浄装置1に備えられているものとした。
これに限らず、情報取得部101と制御部102のうち、いずれか一方が空気清浄装置1に搭載され、他方が空気清浄装置1とネットワークを介して接続されるサーバに備えられるものとして、空気清浄装置1とサーバとでシステムを構成するようにしてもよい。
また、情報取得部101と制御部102が両方サーバに備えられてもよい。
【0096】
また、以上の実施の形態1では、空気清浄装置1は、掃除部を備えるものとしたが、これは一例に過ぎない。空気清浄装置1は掃除部を備えることを必須としない。
【0097】
また、以上の実施の形態1では、空気清浄装置1は、加湿用タンク20を備えるものとしたが、これは一例に過ぎない。空気清浄装置1は加湿用タンク20を備えることを必須としない。
空気清浄装置1が加湿用タンク20を備えない場合、例えば、上述の空気清浄制御装置100の制御部102の制御内容の〈具体例(6)〉において、制御部102は、居室において塵埃が付着している場所側、または、居室において塵埃が付着すると予測した側のフラップ11を開けさせて、風路31からの乾いた空気を吹き出させる。
【0098】
また、以上の実施の形態1では、空気清浄装置1において、第1吸気口12および第2吸気口13は、それぞれ、第1ルーバ121および第2ルーバ131によって開閉されるものとしたが、これは一例に過ぎない。空気清浄装置1は、第1ルーバ121および第2ルーバ131を備えることを必須としない。
ただし、上述の空気清浄制御装置100の制御部102の制御内容の〈具体例(3)〉、〈具体例(4)〉、および、〈具体例(5)〉は、空気清浄装置1が第1ルーバ121および第2ルーバ131を備えていることを前提とする。
【0099】
なお、実施の形態1では、空気清浄装置1は第1吸気口12および第2吸気口13を備えるものとするが、これは一例に過ぎない。空気清浄装置1は、例えば、第1吸気口12のみ備えていてもよいし、第2吸気口13のみ備えていてもよい。また、空気清浄装置1が備える吸気口は、例えば、第1吸気口12と第2吸気口13とがあわさった吸気口であってもよい。
仮に、空気清浄装置1が第1吸気口12のみを備える場合、上述の空気清浄制御装置100の制御部102の制御内容の〈具体例(3)〉、〈具体例(4)〉、および、〈具体例(5)〉は、空気清浄装置1が第1ルーバ121を備えていることを前提とする。
仮に、空気清浄装置1が第2吸気口13のみを備える場合、上述の空気清浄制御装置100の制御部102の制御内容の〈具体例(3)〉、〈具体例(4)〉、および、〈具体例(5)〉は、空気清浄装置1が第2ルーバ131を備えていることを前提とする。
【0100】
また、以上の実施の形態1では、空気清浄装置1への給電はバッテリ21が行うものとしたが、これは一例に過ぎない。
例えば、空気清浄装置1への給電はUSBポート(図示省略)から行うものとしてもよいし、本体10の底面には電源コード等の図示しない電源部が設けられていてもよい。空気清浄装置1への給電方法は特に限定されるものではない。
【0101】
また、以上の実施の形態1では、空気清浄装置1は、ユーザが持ち運んで移動させられることを想定していたが、これは一例に過ぎない。
例えば、空気清浄装置1は、モータで駆動する車輪等の駆動部を備えた自走式の空気清浄装置1としてもよい。空気清浄装置1が自走式の空気清浄装置1であることで、ユーザが空気清浄装置1の配置を変える際のユーザの負担を軽減できる。
また、例えば、空気清浄装置1は、電動アシスト機能付きの空気清浄装置1としてもよい。空気清浄装置1が電動アシスト機能を有することで、空気清浄装置1は、ユーザが持ち運んで移動する際のユーザの負担を軽減できる。
【0102】
以上のように、実施の形態1によれば、空気清浄装置1は、本体10と、本体10の下部に設けられた吸気口(第1吸気口12または第2吸気口13)と、本体10の上部の側面の全周を覆う壁状部材と、本体10の上部の側面と壁状部材との間に形成され、吸気口から吸い込まれた空気を外部に吹き出す風路31と、を備え、壁状部材の少なくとも一部は、本体10の上部の側面を覆う位置から本体10の上部の側面から離れた位置に開閉可能なフラップ11である。
そのため、空気清浄装置1は、当該空気清浄装置1の周囲の広い範囲に向けて、空気を吹き出すことができる。空気清浄装置1は、当該空気清浄装置1の周囲の広い範囲に向けて空気を吹き出すことで、居室内の広い範囲に気流を生み出し、居室内の空気を効率よく循環させることができる。空気清浄装置1は、従来の、本体の上部のみに吹出ルーバを備えた空気清浄装置と比べ、効率よく室内の空気を循環させることができる。
【0103】
また、実施の形態1によれば、空気清浄装置1は、本体10から離れる方向に進退可能なアーム部14を備え、フラップ11は、アーム部14により開閉される。
そのため、空気清浄装置1は、空気清浄装置1は、当該空気清浄装置1の周囲の広い範囲に向けて、空気を吹き出すことができる。空気清浄装置1は、当該空気清浄装置1の周囲の広い範囲に向けて空気を吹き出すことで、居室内の広い範囲に気流を生み出し、居室内の空気を効率よく循環させることができる。
【0104】
また、実施の形態1によれば、空気清浄装置1において、アーム部14は、フラップ11の下側または上側の少なくとも一方の端部に接続されるようにできる。
例えば、アーム部14をフラップ11の下側および上側の端部に接続されるようにすれば、空気清浄装置1は、フラップ11を開けた状態とする場合に、フラップ11を、ぐらつき等のないより安定した状態とできる。
また、例えば、アーム部14をフラップ11の下側または上側のいずれか一方の端部に接続されるようにすれば、空気清浄装置1は、少ない部品で、本体10の上部の側面を覆う位置から本体10の上部の側面から離れた位置に、フラップ11を開閉することができる。
【0105】
また、実施の形態1によれば、空気清浄装置1において、アーム部14は、フラップ11の左側または右側の少なくとも一方の端部に接続されるようにできる。
例えば、アーム部14をフラップ11の左側および右側の端部に接続されるようにすれば、空気清浄装置1は、フラップ11を開けた状態とする場合に、フラップ11を、ぐらつき等のないより安定した状態とできる。
また、例えば、アーム部14をフラップ11の左側または右側のいずれか一方の端部に接続されるようにすれば、空気清浄装置1は、少ない部品で、本体10の上部の側面を覆う位置から本体10の上部の側面から離れた位置に、フラップ11を開閉することができる。
【0106】
また、実施の形態1によれば、空気清浄装置1において、アーム部14は、フラップ11の上側または下側の少なくとも一方の端部と、フラップ11の左側または右側の少なくとも一方の端部とに、それぞれ接続されるようにできる。
アーム部14をフラップ11の上側の端部と下側の端部にそれぞれ接続されるようにすることで、空気清浄装置1は、フラップ11を開けた状態とする場合に、フラップ11を、ぐらつき等のないより安定した状態とできる。
【0107】
また、実施の形態1によれば、空気清浄装置1において、アーム部14は、フラップ11の上側、下側、左側および右側の各端部に接続されるようにできる。
アーム部14をフラップ11の上側の端部と下側の端部にそれぞれ接続されるようにすることで、空気清浄装置1は、フラップ11を開けた状態とする場合に、フラップ11を、ぐらつき等のないより安定した状態とできる。
【0108】
また、実施の形態1によれば、空気清浄装置1において、壁状部材は、複数のフラップ11とできる。
これにより、空気清浄装置1は、当該空気清浄装置1の周囲の広い範囲に向けて空気を吹き出すことで、居室内の広い範囲に気流を生み出し、居室内の空気を効率よく循環させることができる。
【0109】
また、実施の形態1によれば、空気清浄装置1は、吸気口(第1吸気口12または第2吸気口13)を開閉するルーバ(第1ルーバ121または第2ルーバ131)を備え、吸気口は、本体10の下部の全周に設けられているようにできる。
これにより、空気清浄装置1は、吸気する方向および吸気量を可変とできる。
空気清浄装置1において、吸気口は、本体10の下部の上下に設けられた第1吸気口12と第2吸気口13であり、第1吸気口12を開閉する第1ルーバ121と、第2吸気口13を開閉する第2ルーバ131と、を備えることができる。空気清浄装置1は、主に空気中を舞う塵埃を含む空気を吸い込む吸気口(第1吸気口12)と主に床に堆積した塵埃を含む空気を吸い込む吸気口(第2吸気口13)とをそれぞれ有することで、吸気する方向および吸気量をより細やかに可変とできる。
【0110】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200は、上述したような空気清浄装置と、空気清浄装置1が設置されている環境に関する環境情報を取得する情報取得部101、および前記情報取得部101が取得した環境情報に基づき空気清浄装置1に関する制御を行う制御部102を有した空気清浄制御装置100とを備える。
そのため、空気清浄制御システム200は、従来の、本体の上部のみに吹出ルーバを備えた空気清浄装置に対する制御を行って居室内に空気を循環させる場合と比べ、効率よく室内の空気を循環させることができる。
【0111】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200において、制御部102は、環境情報に基づき、空気清浄装置1の配置位置の割り出し、または、フラップの開閉の制御を行う。
そのため、空気清浄制御システム200は、効率よく室内の空気を循環させるための種々の制御を行うことができる。
【0112】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200において、空気清浄装置1が吸気口(第1吸気口12または第2吸気口13)を開閉するルーバ(第1ルーバ121または第2ルーバ131)を備え、吸気口が空気清浄装置1の本体10の下部の全周に設けられる場合に、制御部102は、環境情報に基づき、ルーバの開閉の制御を行うことができる。
そのため、空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対して、吸気する方向および吸気量を制御し、効率よく室内の空気を循環させることができる。
【0113】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200における制御部102による制御について、環境情報は空気清浄装置1が設置されている居室の間取りに関する居室情報と、居室に設置されている空調関連機器に関する空調関連機器情報と、空気清浄装置1の居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、制御部102は、居室情報と空調関連機器情報と設置位置情報とに基づき、居室において空調関連機器から空気が送出される場所を空気清浄装置1の配置位置として割り出すようにできる。
そのため、空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、居室において、空調関連機器から空気が送出される場所に配置されるようにでき、空調関連機器からの気流にあわせて室内の空気を循環させることで効率よく塵埃を除去させるようにできる。
【0114】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200における制御部102による制御について、空気清浄装置1が備える壁状部材は、複数のフラップ11であり、環境情報は、空気清浄装置1が設置されている居室に存在する人の有無に関する人検知情報を含み、制御部102は、人検知情報に基づき、居室に人が存在する場合、複数のフラップ11のうち、人が存在する側のフラップ11を開けさせ、居室に人が存在しない場合は、全てのフラップを開けさせるようにできる。
そのため、空気清浄制御システム200は、居室に人が存在する場合は、空気清浄装置1から人が存在する方向へ、清浄化された空気が送出されるようにできる。また、空気清浄制御システム200は、居室に人が存在しない場合は、その間に、空気清浄装置1に大風量で素早く塵埃除去を行わせることで、塵埃除去による動作音に対してユーザが煩わしさを感じることを防ぐことができる。
【0115】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200における制御部102による制御について、空気清浄装置1が備える壁状部材は、複数のフラップ11であり、環境情報は、空気清浄装置1が設置されている居室における空調関連機器に関する空調関連機器情報と、空気清浄装置の居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、制御部102は、空調関連機器情報と設置位置情報とに基づき、複数のルーバのうち空調関連機器からの気流の上流側のルーバを開けさせるとともに、複数のフラップ11のうち空調関連機器からの気流の下流側のフラップ11を開けさせるようにできる。
そのため、空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、空調関連機器からの気流を加速させて他の空調関連機器から送出させることができる。これにより、制御部102は、空気清浄装置1に対し、室内に溜まった汚れまたは臭いを効率よく除去させることができる。
【0116】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200における制御部102による制御について、空気清浄装置1が備える壁状部材は、複数のフラップ11であり、環境情報は、空気清浄装置1が設置されている居室における窓またはドアの開閉状況に関する出入口情報と、外気に関する外気情報と、空気清浄装置1の居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、制御部102は、出入口情報と外気情報と設置位置情報とに基づき、外気の空気質が基準以下であり、かつ、窓が開いている場合、複数のルーバのうち窓側のルーバを開けさせるとともに複数のフラップ11のうちの少なくとも1つを開けさせるようにできる。
空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、窓からの外気を吸い込んで清浄化した空気を送出させることで、空気清浄装置1に対し、汚れている外気の塵埃を除去して、汚れた空気が室内に入り込まないようにさせられる。
【0117】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200における制御部102による制御について、空気清浄装置1が備える壁状部材は、複数のフラップ11であり、空気清浄装置1の本体10は、加湿用タンク20を有し、環境情報は、空気清浄装置1が設置されている居室における空気の流れをシミュレーションしたシミュレーション情報と、空気清浄装置1の居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、制御部102は、シミュレーション情報と設置位置情報とに基づき、居室において塵埃が付着している場所を検知し、または、塵埃が付着する場所を予測し、塵埃が付着している場所側、または、塵埃が付着すると予測した場所側のフラップ11を開けさせて、塵埃が付着している場所、または、塵埃が付着すると予測した場所に、風路31からの加湿された空気を吹き出させるようにできる。
空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、居室において塵埃が付着している場所、または、塵埃が付着すると予測した場所に、清浄化した空気を吹き出させることで、空気清浄装置1に対し、室内に溜まった汚れを効率よく除去させることができる。
また、空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、加湿された空気を吹き出させることで、静電気で壁または天井等に付着している塵埃を除電して落としやすくできる。
【0118】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200における制御部102による制御について、空気清浄装置1が備える壁状部材は、複数のフラップ11であり、空気清浄装置1の本体10は、加湿用タンク20を有し、環境情報は、空気清浄装置1が設置されている居室においてレーザー光が照射された場所を撮像した撮像画像と、空気清浄装置1の居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、制御部102は、撮像画像と設置位置情報とに基づき、居室において塵埃が付着している場所を検知し、塵埃が付着している場所側のフラップ11を開けさせて、塵埃が付着している場所に、風路31からの加湿された前記空気を吹き出させるようにできる。
空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、居室において塵埃が付着している場所、または、塵埃が付着すると予測した場所に、清浄化した空気を吹き出させることで、空気清浄装置1に対し、室内に溜まった汚れを効率よく除去させることができる。
また、空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、加湿された空気を吹き出させることで、静電気で壁または天井等に付着している塵埃を除電して落としやすくできる。
【0119】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御システム200における制御部102による制御について、空気清浄装置1が備える壁状部材は、複数のフラップ11であり、空気清浄装置1の本体10は、加湿用タンク20を有し、環境情報は、空気清浄装置1が設置されている居室内を撮像した撮像画像と、空気清浄装置1の居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、制御部102は、撮像画像と設置位置情報とに基づき、空気清浄装置1が設置されている居室において塵埃が付着している場所を検知し、塵埃が付着している場所側のフラップを開けさせて、塵埃が付着している場所に、風路31からの加湿された空気を吹き出させるようにできる。
空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、居室において塵埃が付着している場所、または、塵埃が付着すると予測した場所に、清浄化した空気を吹き出させることで、空気清浄装置1に対し、室内に溜まった汚れを効率よく除去させることができる。
また、空気清浄制御システム200は、空気清浄装置1に対し、加湿された空気を吹き出させることで、静電気で壁または天井等に付着している塵埃を除電して落としやすくできる。
【0120】
また、実施の形態1によれば、空気清浄制御プログラムは、コンピュータを、上述したような空気清浄装置と、空気清浄装置1が設置されている環境に関する環境情報を取得する情報取得部101、および前記情報取得部101が取得した環境情報に基づき空気清浄装置1に関する制御を行う制御部102を有した空気清浄制御装置100として機能させる。
そのため、空気清浄制御プログラムは、従来の、本体の上部のみに吹出ルーバを備えた空気清浄装置に対する制御を行って居室内に空気を循環させる場合と比べ、効率よく室内の空気を循環させることができる。
【0121】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0122】
(付記1)
本体と、
前記本体の下部に設けられた吸気口と、
前記本体の上部の側面の全周を覆う壁状部材と、
前記本体の上部の側面と前記壁状部材との間に形成され、前記吸気口から吸い込まれた空気を外部に吹き出す風路と、を備え、
前記壁状部材の少なくとも一部は、前記本体の上部の側面を覆う位置から前記本体の上部の側面から離れた位置に開閉可能なフラップである
ことを特徴とする空気清浄装置。
(付記2)
前記本体から離れる方向に進退可能なアーム部を備え、
前記フラップは、前記アーム部により開閉される
ことを特徴とする付記1記載の空気清浄装置。
(付記3)
前記アーム部は、前記フラップの下側または上側の少なくとも一方の端部に接続されている
ことを特徴とする付記2記載の空気清浄装置。
(付記4)
前記アーム部は、前記フラップの左側または右側の少なくとも一方の端部に接続されている
ことを特徴とする付記2記載の空気清浄装置。
(付記5)
前記アーム部は、前記フラップの上側または下側の少なくとも一方の端部と、前記フラップの左側または右側の少なくとも一方の端部とに、それぞれ接続されている
ことを特徴とする付記2記載の空気清浄装置。
(付記6)
前記アーム部は、前記フラップの上側、下側、左側および右側の各端部に接続されている
ことを特徴とする付記2記載の空気清浄装置。
(付記7)
前記壁状部材は、複数の前記フラップである
ことを特徴とする付記1から付記6のうちのいずれか1つ記載の空気清浄装置。
(付記8)
前記吸気口を開閉するルーバを備え、
前記吸気口は、前記本体の下部の全周に設けられている
ことを特徴とする付記1から付記7のうちのいずれか1つ記載の空気清浄装置。
(付記9)
前記吸気口は、前記本体の下部の上下に設けられた第1吸気口と第2吸気口であり、
前記第1吸気口を開閉する第1ルーバと、
前記第2吸気口を開閉する第2ルーバと、を備えた
ことを特徴とする付記8記載の空気清浄装置。
(付記10)
付記1から付記6のうちのいずれか1つ記載の空気清浄装置と、
前記空気清浄装置が設置されている環境に関する環境情報を取得する情報取得部、および前記情報取得部が取得した前記環境情報に基づき前記空気清浄装置に関する制御を行う制御部を有した空気清浄制御装置と、
を備えた空気清浄制御システム。
(付記11)
前記制御部は、前記環境情報に基づき、前記空気清浄装置の配置位置の割り出し、または、前記フラップの開閉の制御を行う
ことを特徴とする付記10記載の空気清浄制御システム。
(付記12)
前記空気清浄装置は、前記吸気口を開閉するルーバを備え、
前記吸気口は、前記本体の下部の全周に設けられ、
前記制御部は、前記環境情報に基づき、前記ルーバの開閉の制御を行う
ことを特徴とする付記10記載の空気清浄制御システム。
(付記13)
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室の間取りに関する居室情報と、前記居室に設置されている空調関連機器に関する空調関連機器情報と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記居室情報と前記空調関連機器情報と前記設置位置情報とに基づき、前記居室において前記空調関連機器から前記空気が送出される場所を前記空気清浄装置の前記配置位置として割り出す
ことを特徴とする付記11記載の空気清浄制御システム。
(付記14)
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室に存在する人の有無に関する人検知情報を含み、
前記制御部は、前記人検知情報に基づき、前記居室に前記人が存在する場合、複数の前記フラップのうち、前記人が存在する側の前記フラップを開けさせ、前記居室に前記人が存在しない場合は、全ての前記フラップを開けさせる
ことを特徴とする付記11記載の空気清浄制御システム。
(付記15)
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室における空調関連機器に関する空調関連機器情報と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記空調関連機器情報と前記設置位置情報とに基づき、複数の前記ルーバのうち前記空調関連機器からの気流の上流側の前記ルーバを開けさせるとともに、複数の前記フラップのうち前記空調関連機器からの気流の下流側の前記フラップを開けさせる
ことを特徴とする付記12記載の空気清浄制御システム。
(付記16)
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室における窓またはドアの開閉状況に関する出入口情報と、外気に関する外気情報と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記出入口情報と前記外気情報と前記設置位置情報とに基づき、前記外気の空気質が基準以下であり、かつ、前記窓が開いている場合、複数の前記ルーバのうち窓側の前記ルーバを開けさせるとともに複数の前記フラップのうちの少なくとも1つを開けさせる
ことを特徴とする付記12記載の空気清浄制御システム。
(付記17)
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記空気清浄装置の前記本体は、加湿用タンクを有し、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室における前記空気の流れをシミュレーションしたシミュレーション情報と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記シミュレーション情報と前記設置位置情報とに基づき、前記居室において塵埃が付着している場所を検知し、または、前記塵埃が付着する場所を予測し、前記塵埃が付着している場所側、または、前記塵埃が付着すると予測した場所側の前記フラップを開けさせて、前記塵埃が付着している場所、または、前記塵埃が付着すると予測した場所に、前記風路からの加湿された前記空気を吹き出させる
ことを特徴とする付記11記載の空気清浄制御システム。
(付記18)
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記空気清浄装置の前記本体は、加湿用タンクを有し、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室においてレーザー光が照射された場所を撮像した撮像画像と、前記空気清浄装置の前記居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記撮像画像と前記設置位置情報とに基づき、前記居室において塵埃が付着している場所を検知し、前記塵埃が付着している場所側の前記フラップを開けさせて、前記塵埃が付着している場所に、前記風路からの加湿された前記空気を吹き出させる
ことを特徴とする付記11記載の空気清浄制御システム。
(付記19)
前記空気清浄装置が備える前記壁状部材は、複数の前記フラップであり、
前記空気清浄装置の前記本体は、加湿用タンクを有し、
前記環境情報は、前記空気清浄装置が設置されている居室内を撮像した撮像画像と、前記空気清浄装置の居室における設置位置に関する設置位置情報とを含み、
前記制御部は、前記撮像画像と前記設置位置情報とに基づき、前記空気清浄装置が設置されている前記居室において塵埃が付着している場所を検知し、前記塵埃が付着している場所側の前記フラップを開けさせて、前記塵埃が付着している場所に、前記風路からの加湿された前記空気を吹き出させる
ことを特徴とする付記11記載の空気清浄制御システム。
(付記20)
コンピュータを、
付記1から付記9のうちのいずれか1項記載の空気清浄装置が設置されている環境に関する環境情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記環境情報に基づき、前記空気清浄装置に関する制御を行う制御部
として機能させるための空気清浄制御プログラム。
【0123】
なお、本開示は、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 空気清浄装置、10 本体、11,11a~11d フラップ、12 第1吸気口、121 第1ルーバ、13 第2吸気口、131 第2ルーバ、14,14a~14p アーム部、15 ダストボックス、16 フィルタ、17 ファン、18 カバー、20 加湿用タンク、21 バッテリ、100 空気清浄制御装置、101 情報取得部、102 制御部、200 空気清浄制御システム、1001 処理回路、1002 入力インタフェース装置、1003 出力インタフェース装置、1004 プロセッサ、1005 メモリ。