(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177382
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】荷物受付システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20231207BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022089997
(22)【出願日】2022-06-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.東京2020オリンピック・パラリンピック選手村ビレッジプラザ内D棟クーリエカウンターにて試験実施 令和3年7月13日~令和3年9月8日 2.東京都メディアセンターにて試験実施 令和3年7月13日~令和3年9月8日 3.ヤマト運輸町田木曽センターにて試験実施 令和3年9月17日~現在 4.ヤマト運輸あきる野二宮センターにて試験実施 令和3年9月17日~現在 5.ヤマト運輸西保木間センターにて試験実施 令和3年11月24日~現在 6.ヤマト運輸王子豊島センターにて試験実施 令和3年11月25日~現在 7.ヤマト運輸江東扇橋センターにて試験実施 令和3年11月26日~現在
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117673
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 了
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩二
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】荷物のサイズと重量とに基づいて複数の区分のいずれに荷物が属するかを判定するにあたり、顧客満足度を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】荷物受付システムは、荷物のサイズの測定値であるサイズ測定値と荷物の重量の測定値である重量測定値とに基づき、料金決定用の複数の区分のいずれに荷物が属するかを判定する判定処理を実行するとともに、当該判定処理における判定根拠を報知する。具体的には、判定処理において複数の区分のいずれに荷物が属するかを決定付ける決定要因(荷物のサイズと重量との少なくとも一方である決定要因)を示す情報が、判定根拠として報知される。たとえば、表示画面301において、サイズ欄322と重量欄323との一方または双方を囲む太枠線327、および区分欄325内における「重さが適用されました」の文言等が表示されることによって、当該決定要因(「重量」等)が報知される。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物のサイズと当該荷物の重量とを測定する測定手段と、
前記荷物のサイズの測定値であるサイズ測定値と前記荷物の重量の測定値である重量測定値とに基づき、複数の区分のいずれに前記荷物が属するかを判定する判定処理を実行する判定手段と、
前記判定処理における判定根拠を報知する出力手段と、
を備え、
前記出力手段は、前記判定処理において前記複数の区分のいずれに前記荷物が属するかを決定付ける決定要因であって前記荷物のサイズと前記荷物の重量との両要因のうちの少なくとも一方である決定要因を示す情報を、前記判定根拠として報知することを特徴とする、荷物受付システム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記決定要因が前記荷物のサイズと前記荷物の重量とのうちの一方のみである場合、当該一方を前記判定根拠として報知することを特徴とする、請求項1に記載の荷物受付システム。
【請求項3】
前記出力手段は、前記決定要因が前記荷物のサイズと前記荷物の重量との双方である場合、当該双方を前記判定根拠として報知することを特徴とする、請求項2に記載の荷物受付システム。
【請求項4】
前記出力手段は、前記決定要因が前記荷物のサイズと前記荷物の重量との双方である場合、当該双方のうちの一方のみを前記判定根拠として報知することを特徴とする、請求項2に記載の荷物受付システム。
【請求項5】
前記出力手段は、表示出力によって前記判定根拠を報知する表示出力手段、を有することを特徴とする、請求項1に記載の荷物受付システム。
【請求項6】
前記出力手段は、印刷出力によって前記判定根拠を報知する表示出力手段、を有することを特徴とする、請求項1に記載の荷物受付システム。
【請求項7】
前記出力手段は、
前記決定要因が前記両要因のうち前記荷物のサイズのみである場合、前記荷物のサイズの調整に関するガイダンスを出力し、
前記決定要因が前記両要因のうち前記荷物の重量のみである場合、前記ガイダンスを出力しない、ことを特徴とする、請求項1に記載の荷物受付システム。
【請求項8】
前記出力手段は、第1条件と第2条件とが充足されることを条件として、前記荷物のサイズの調整に関するガイダンスを出力し、
前記第1条件は、前記決定要因が前記荷物のサイズであることを含み、
前記第2条件は、前記複数の区分のうち前記サイズ測定値に対応する区分であるサイズ対応区分よりも1ランク下位側の区分である第1区分と前記サイズ対応区分である第2区分とを区別するための第1基準値よりも前記サイズ測定値が大きく、且つ、前記サイズ測定値と前記第1基準値との差分値が所定値以下であることを含むことを特徴とする、請求項1に記載の荷物受付システム。
【請求項9】
a)荷物のサイズと当該荷物の重量とを測定するステップと、
b)前記荷物のサイズの測定値であるサイズ測定値と前記荷物の重量の測定値である重量測定値とに基づき、複数の区分のいずれに前記荷物が属するかを判定する判定処理を実行するステップと、
c)前記判定処理における判定根拠を報知するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記ステップc)においては、前記判定処理において前記複数の区分のいずれに前記荷物が属するかを決定付ける決定要因であって前記荷物のサイズと前記荷物の重量との両要因のうちの少なくとも一方である決定要因を示す情報が前記判定根拠として報知されることを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物受付システムおよびそれに関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
配送対象の荷物を受け付ける際に、当該荷物の撮影画像に基づき当該荷物のサイズと重量とを自動測定し、荷物のサイズと重量と配送先とに基づいて配送料金を算出する技術が存在する(特許文献1等参照)。当該技術においては、予め定められた料金表に基づいて、自動的に料金(配送サービスの利用料金)が算出される。なお、荷物のサイズとしては、幅W、奥行きD、高さHの3辺の合計値(W+D+H)等が利用される。
【0003】
たとえば、料金表においては、荷物の測定結果(サイズおよび重量)に応じた複数の区分が段階的に規定されている。そして、自動測定された(受付対象の)荷物のサイズ(測定サイズないしサイズ測定値とも称する)および重量(測定重量ないし重量測定値とも称する)に基づき、荷物が複数の区分のうちの何れの区分に属するか(該当するか)が料金表に従って判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の技術においては、荷物が当該複数の区分のいずれに属するか(該当するか)が、当該荷物のサイズと当該荷物の重量とに基づいて判定される。
【0006】
しかしながら、たとえば、特許文献1においては、当該複数の区分のいずれに荷物が属するかを決定した要因(決定要因とも称する)に関する情報(「サイズ」と「重量」とのいずれが決定要因であるか等)は顧客に提示されない。なお、特許文献1においては、荷物のサイズ測定値と荷物の重量測定値と荷物の所属区分とが顧客に提示される(特許文献1の段落0047,0048、0075および
図4等参照)ものの、荷物の所属区分を決定した決定要因は提示されない。
【0007】
それ故、顧客は、当該決定要因を調べるためには、自ら料金表を見ることを要する。具体的には、荷物のサイズ測定値および重量測定値を料金表と見比べながら、「サイズ」と「重量」とのいずれが決定要因であるのかを判断することを要する。
【0008】
より詳細には、たとえば、サイズ測定値(3辺の測定値の合計値)が「120cm以下」であっても、重量測定値に依っては、荷物が区分「120サイズ」よりも1つ上の区分「140サイズ」に該当することがある。より具体的には、サイズ測定値が「118cm」等であっても、重量測定値が一定値(「15kg」)よりも大きい場合(「16kg」である場合)等には、荷物が区分「140サイズ」に該当する(属する)ことがある。このような場合、顧客は、区分の判定結果に疑問を抱くことがある。そして、そのような疑問を解消するためには、上述のように、顧客は、自ら料金表を見て(料金表で調べて)、決定要因が荷物の「重量」であることを知得することを要する。
【0009】
しかしながら、このような作業は非常に煩わしく、顧客満足度の向上のためには改善の余地が存在する。
【0010】
そこで、この発明は、荷物のサイズと重量とに基づいて複数の区分のいずれに荷物が属するかを判定するにあたり、顧客満足度を向上させることが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決すべく、本発明に係る荷物受付システムは、荷物のサイズと当該荷物の重量とを測定する測定手段と、前記荷物のサイズの測定値であるサイズ測定値と前記荷物の重量の測定値である重量測定値とに基づき、複数の区分のいずれに前記荷物が属するかを判定する判定処理を実行する判定手段と、前記判定処理における判定根拠を報知する出力手段と、を備え、前記出力手段は、前記判定処理において前記複数の区分のいずれに前記荷物が属するかを決定付ける決定要因であって前記荷物のサイズと前記荷物の重量との両要因のうちの少なくとも一方である決定要因を示す情報を、前記判定根拠として報知することを特徴とする、荷物受付システム。
【0012】
前記出力手段は、前記決定要因が前記荷物のサイズと前記荷物の重量とのうちの一方のみである場合、当該一方を前記判定根拠として報知してもよい。
【0013】
前記出力手段は、前記決定要因が前記荷物のサイズと前記荷物の重量との双方である場合、当該双方を前記判定根拠として報知してもよい。
【0014】
前記出力手段は、前記決定要因が前記荷物のサイズと前記荷物の重量との双方である場合、当該双方のうちの一方のみを前記判定根拠として報知してもよい。
【0015】
前記出力手段は、表示出力によって前記判定根拠を報知する表示出力手段、を有してもよい。
【0016】
前記出力手段は、印刷出力によって前記判定根拠を報知する表示出力手段、を有してもよい。
【0017】
前記出力手段は、前記決定要因が前記両要因のうち前記荷物のサイズのみである場合、前記荷物のサイズの調整に関するガイダンスを出力し、前記決定要因が前記両要因のうち前記荷物の重量のみである場合、前記ガイダンスを出力しない、ものであってもよい。
【0018】
前記出力手段は、第1条件と第2条件とが充足されることを条件として、前記荷物のサイズの調整に関するガイダンスを出力し、前記第1条件は、前記決定要因が前記荷物のサイズであることを含み、前記第2条件は、前記複数の区分のうち前記サイズ測定値に対応する区分であるサイズ対応区分よりも1ランク下位側の区分である第1区分と前記サイズ対応区分である第2区分とを区別するための第1基準値よりも前記サイズ測定値が大きく、且つ、前記サイズ測定値と前記第1基準値との差分値が所定値以下であることを含んでもよい。
【0019】
上記課題を解決すべく、本発明に係るプログラムは、a)荷物のサイズと当該荷物の重量とを測定するステップと、b)前記荷物のサイズの測定値であるサイズ測定値と前記荷物の重量の測定値である重量測定値とに基づき、複数の区分のいずれに前記荷物が属するかを判定する判定処理を実行するステップと、c)前記判定処理における判定根拠を報知するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記ステップc)においては、前記判定処理において前記複数の区分のいずれに前記荷物が属するかを決定付ける決定要因であって前記荷物のサイズと前記荷物の重量との両要因のうちの少なくとも一方である決定要因を示す情報が前記判定根拠として報知されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、荷物のサイズと重量とに基づいて複数の区分のいずれに荷物が属するかを判定するにあたり、顧客満足度を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】荷物受付システムの機能ブロックを示す図である。
【
図3】荷物受付システムにおけるロッカー装置の概略外観図である。
【
図4】
図2の寸法測定装置を別の方向から見た概略外観図である。
【
図5】寸法算出装置等における処理を示すフローチャートである。
【
図6】区分判定処理を詳細に示すフローチャートである。
【
図12】更に別の例に係る表示画面を示す図である。
【
図14】ガイダンスの実行の有無を判定する処理を示すフローチャートである。
【
図15】ガイダンスを含む表示画面を示す図である。
【
図16】隣接する2つの区分を区別するための基準値等を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
<1.第1実施形態>
<1-1.装置概要>
図1は、第1実施形態に係る荷物受付システム1の機能ブロックを示す図である。
【0024】
図1に示されるように、荷物受付システム1は、寸法測定装置10(
図2も参照)とロッカー装置60(
図3も参照)とを備えて構成される。この荷物受付システム1は、たとえば荷物配送業者の配送センター等に設置される。寸法測定装置10とロッカー装置60とは、通信ネットワーク108(LAN(Local Area Network)およびインターネット等を含む)を介して互いに通信可能である。
【0025】
図2は、荷物受付システム1の寸法測定装置10(詳細にはその一部)を示す概略外観図である。寸法測定装置10は、測定対象物(配送対象の荷物等)80の表面の3次元位置情報等に基づき、測定対象物80の寸法を算出する装置である。寸法測定装置10は、3次元寸法測定装置あるいは3次元測定装置とも称される。
【0026】
図2に示されるように、寸法測定装置10は、測定対象物80を保持する保持部50と、当該保持部50に保持された測定対象物80の表面の3次元位置情報を取得するための3次元カメラ20とを備える。
【0027】
保持部50は、測定対象物80の底面を支持する透明部材51と、測定対象物80の背面(側面)を支持する透明部材52(
図4も参照)とを備える。
図4は、寸法測定装置10を
図2とは異なる方向から見た概略外観図である。
【0028】
透明部材51,52は、それぞれ、略矩形形状の平面形状を有し且つ所定厚さ(たとえば2cm)を有する板状部材である。透明部材51,52は、それぞれ、たとえば透明のアクリル樹脂で形成された板状部材(端的に言えば、透明アクリル板)である。透明部材51は、略水平に設けられており、透明部材52は、透明部材51(詳細にはその上面51a)に対して垂直に設けられている。2つの透明部材51,52は、断面L字型の保持部50(
図4参照)を構成している。
【0029】
測定対象物80は、底面側の透明部材51上に載置され且つ側方(背面側)の透明部材52に押しつけられた状態で保持される(
図2および
図4参照)。透明部材51の上面51aは、測定対象物80が載置される面(載置面)であり、透明部材51は載置台であるとも表現される。また、透明部材51の下面51bには、所定の模様(ランダムドットあるいはランダム模様等)が施されている。当該模様が施された面は、模様面とも称される。同様に、透明部材52の背面52b(測定対象物80に接触する鉛直面(前面)52aの反対側の面)(
図4参照)にも模様が施されている。
【0030】
透明部材51の上面51a上に載置された測定対象物80は、透明部材51の下面51b(模様面)から離間した(浮いた)状態で、3次元カメラ20によって撮影される。同様に、透明部材52の前面52aに対して押しつけられた測定対象物80は、透明部材52の背面52b(模様面)から離間した(浮いた)状態で、3次元カメラ20によって撮影される。
【0031】
また、寸法測定装置10は、3次元カメラ20を用いて取得された3次元位置情報等に基づく寸法算出処理等を実行する寸法算出装置30(
図1参照)をも備える。寸法算出装置30は、3次元位置情報に基づき測定対象物の寸法を算出する。
【0032】
さらに、寸法測定装置10は、重量計(重量測定部)40をも備えており、測定対象物80の寸法のみならず、保持部50に保持された測定対象物80の重量をも、自動的に測定することが可能である。
【0033】
なお、厳密には、「重量」と「質量」との両者は本来は互いに異なる概念である。しかしながら、質量と重量とは重力加速度(定数)を乗じること(あるいは重力加速度で除すること)によって可換(変換可能)である。そこで、本願においては、「重量」(を測定すること)と「質量」(を測定すること)との両者は等価であるとみなす。また、重量の単位は、本来は「kgf(キログラム重)」等であるが、本願では簡易的に「kg」等で(「kgf」の「f」を省略して)表記する。
【0034】
寸法測定装置10は、たとえば、顧客により持ち込まれた配送対象物等(測定対象物80)の寸法および重量等を測定する作業等に利用される。測定対象物80としては、ダンボール箱、紙袋、封筒などが例示される。
【0035】
3次元カメラ20は、測定対象物80が保持部50に保持されている状態(保持部50の透明部材51の上面(載置面)51aに載置されている状態)において、当該測定対象物80を上方から見た撮影画像を撮影することが可能である。具体的には、3次元カメラ20は、測定対象物80の上面よりも更に上方に離間した位置において下向き(詳細には、YZ平面において鉛直方向に対して若干傾斜した方向を向くように(
図4参照))に配置されている。3次元カメラ20は、カメラ固定部材27,28によって固定されている。カメラ固定部材27は、床面90に固定され鉛直方向に伸延する支柱部材であり、カメラ固定部材28は、支柱部材27の最上部付近から測定対象物80の上方位置に向けて水平方向に伸延する梁(はり)部材である(
図2参照)。3次元カメラ20は、カメラ固定部材28の先端部付近(且つ測定対象物80の上方)において下向き(斜め下方向き)に固定されている。
【0036】
なお、透明部材51は、水平(水平面に対して平行)ではなく、水平面に対して傾斜するように(たとえばX軸周りに若干回転した角度を有するように)配置されてもよい。また、測定対象物が「保持される」状態は、摩擦力の作用等によって測定対象物が透明部材51(載置面)上の特定位置に存在し続ける状態(特定位置での存在が維持される状態)等をも含むものとする。
【0037】
3次元カメラ20は、ここでは、ステレオ視方式の3次元カメラであり、詳細には、赤外光照射を伴うステレオ視方式の3次元カメラである。3次元カメラ20は、深度情報(距離情報)付き撮影画像を取得する。詳細には、3次元カメラ20は、その赤外光照射部(赤外線投射器)から赤外光(赤外線)を測定対象物80に照射して、当該測定対象物80からの反射光(赤外光)を2つの赤外線画像センサで受光して2枚の赤外光画像(撮影画像)を撮像する。そして、3次元カメラ20は、当該2枚の赤外線画像センサの視差を利用して、一の赤外線画像(撮影画像)の各画素の深度情報(奥行き距離情報)を取得する。
【0038】
深度情報(奥行き距離情報)の算出処理は、ここでは、3次元カメラ20内に組み込まれたコントローラ等によって実行される。当該コントローラは、コントローラ31(後述)等と同様のハードウエア構成(CPU等)を備える。ただし、これに限定されず、3次元カメラ20内部の当該コントローラではなく、3次元カメラ20外部のコントローラ31(
図1)等が、2枚の撮影画像に基づいて奥行き距離情報等を算出してもよい。
【0039】
このようにして、3次元カメラ20は、被写体物体(測定対象物80である荷物等)の撮影画像(赤外光画像)を撮像するとともに、当該撮影画像内の各画素の深度情報(奥行き距離情報)を取得する。なお、撮影画像内の各画素の深度情報は、撮影画像内の各画素に対応する被写体物体までの距離(3次元カメラ20からの距離)の情報であって当該撮影画像に垂直な方向における距離の情報である。換言すれば、当該深度情報は、撮影画像平面の法線方向における距離情報(奥行き距離情報)である。
【0040】
また、この3次元カメラ20は、画像センサとして、2つの赤外線画像センサのみならず1つのRGBカラー画像センサをも備えており、2枚の赤外光画像に加えて、可視光画像(カラー画像等)をも撮像する。可視光画像は、たとえば一の赤外線画像の撮影範囲に相当する範囲を撮影した画像である。可視光画像の各画素は当該一の赤外線画像の各画素に対応づけられ、可視光画像の各画素の深度情報もが取得される。なお、可視光画像として、カラー画像ではなく、グレースケール画像等が撮像されてもよい。
【0041】
なお、ここでは、3次元カメラ20として、赤外光(測定光)を測定対象物に照射して赤外線画像センサで取得された2つの赤外光画像を用いるステレオ視方式の3次元カメラを例示するが、これに限定されない。たとえば、3次元カメラ20は、測定光として可視光を用いるステレオ視方式の3次元カメラであってもよい。詳細には、当該3次元カメラは、測定対象物にて反射された可視光(自然光の反射光、あるいは白色光源等からの照射光の反射光)による光像を2つのRGBカラー画像センサでそれぞれ撮像した2つのカラー画像(可視光画像)を取得する。そして、当該2つのRGBカラー画像センサの視差を利用して、一の可視光画像(撮影画像)の各画素の深度情報(奥行き距離情報)が取得される。3次元カメラ20は、このような可視光画像を用いるステレオ視方式の3次元カメラであってもよい。あるいは、3次元カメラ20は、ステレオ視方式以外の3次元カメラ、たとえば、TOF(Time of Flight)方式の3次元カメラ等、その他の任意の方式の3次元カメラであってもよい。
【0042】
3次元カメラ20と寸法算出装置30とは有線接続されており、3次元カメラ20で取得された情報(撮影画像情報および深度情報等)は、所定の接続ケーブルを介して3次元カメラ20から寸法算出装置30に送信される。なお、これに限定されず、3次元カメラ20と寸法算出装置30とは無線接続されてもよい。
【0043】
図1に示されるように、寸法算出装置30は、コントローラ(制御部とも称する)31と記憶部32と操作部35とを備える。
【0044】
コントローラ31は、寸法算出装置30に内蔵される装置であり、3次元カメラ20、重量計40、および寸法算出装置30の動作を制御する装置である。
【0045】
コントローラ31は、1又は複数のハードウェアプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit))等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ31は、CPU等において、記憶部(ROMおよび/またはハードディスクなどの不揮発性記憶部)32内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部(取得部31a、判定部31b、料金算出部31c、および出力制御部31d等)を実現する。
【0046】
取得部31aは、荷物のサイズの測定値であるサイズ測定値(測定サイズとも称する)Sと当該荷物の重量の測定値である重量測定値(測定重量とも称する)Vとを取得する処理部である。また、判定部31bは、サイズ測定値Sと重量測定値Vとに基づき、(料金決定用の)複数の区分のいずれに荷物が属するか(荷物の所属区分)を判定する判定処理(区分判定処理)を実行する処理部である。料金算出部31cは、区分の判定結果および料金表等に基づき、料金を算出する処理部である。また、出力制御部31dは、区分判定処理での判定根拠を報知する出力処理(表示出力処理、印刷出力処理、音声出力処理等)を制御する処理部である。具体的には、当該判定処理において複数の区分のいずれに荷物が属するかを決定付ける決定要因(詳細には荷物のサイズと重量との両要因のうちの少なくとも一方(測定量の種別(サイズ/重量)))に関する情報が、判定根拠として(表示、印刷、音声等によって)報知される。
【0047】
なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されて寸法算出装置30にインストールされてもよい。あるいは、当該プログラムは、通信ネットワーク等を経由してダウンロードされて寸法算出装置30にインストールされてもよい。
【0048】
コントローラ31は、測定対象物80に関する撮影画像情報および深度情報を3次元カメラ20から取得する。また、コントローラ31は、撮影画像情報および深度情報に基づき、測定対象物80の表面に関する3Dクラウドデータ(点群データ)(換言すれば、測定対象物80の表面に関する3次元位置情報)を生成(取得)する。そして、コントローラ31は、当該3次元位置情報に基づき、測定対象物80の寸法(幅、奥行き、高さ)を算出する。
【0049】
また、コントローラ31は、重量計40によって測定された測定対象物80の重量を取得する。さらに、コントローラ31は、測定対象物80(配送対象物)を配送する際の配送料金等を算出する。
【0050】
記憶部32は、ハードディスクドライブ(HDD)あるいはソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶装置で構成される。記憶部32は、データベース33等を有している。データベース33には、配送サービスにおける配送対象物の区分、ならびに当該区分等に応じた料金等が登録されている。具体的には、記憶部32(データベース33)には、当該料金に関する料金表110(
図7)が記憶(登録)されている。
【0051】
操作部35は、寸法算出装置30に対する操作入力を受け付ける操作入力部35aと、各種情報の表示出力を行う表示部35bとを備えている。操作入力部35a(受付部とも称される)は、荷物(配送対象物)に関する情報(荷物の取扱情報を含む)の入力を受け付ける。また、表示部35bは、荷物の寸法と重量とに関する測定結果、測定結果に応じた区分(荷物の区分)、ならびに当該測定結果に基づいて算出された配送料金等を表示する。さらに、表示部35bは、表示出力によって、上述の決定要因(測定量の種別)に関する情報をも報知する。
【0052】
たとえば、操作入力部35aとしてはマウス、キーボード等が用いられ、表示部35bとしてはディスプレイ(液晶ディスプレイ等)が用いられる。ここでは、操作入力部35aの一部としても機能し且つ表示部35bの一部としても機能するタッチパネル35d(
図2参照)が設けられる。
【0053】
また、操作部35を顧客(荷物に関する配送サービス等の顧客)が操作し易いように(特に当該操作部35の表示部35b等を顧客が視認し易いように)、操作部35(特に表示部35b等)は顧客側に向いて配置されている。
【0054】
また、操作部35は、2次元コードリーダ(2次元カメラ等)35cをも有している。2次元コードリーダ35cは、ユーザの携帯端末(スマートフォン等)の表示部等に表示された2次元コード(2次元バーコードとも称する)を読み取ることが可能である。2次元コードとしては、たとえばQRコード(登録商標)等が用いられればよい。
【0055】
コントローラ31は、ユーザからの各種の指示を操作部35等を介して受け付けるとともに、ユーザに対する各種の指示を操作部35等を介して付与する。
【0056】
また、寸法算出装置30は、プリンタ37をも備える。
【0057】
プリンタ37は、ラベルおよび紙片等に関する印刷出力等を行うプリンタである。
【0058】
プリンタ37は、コントローラ31等からの印刷出力指示に応じて、荷物の配送先および配送元の情報、ならびに荷物の取扱情報等が印刷されたラベル(送付ラベル)を印刷出力することが可能である。また、プリンタ37は、コントローラ31等からの印刷出力指示に応じて、各種の情報が印刷された紙片401を印刷出力する。紙片401の印刷出力によって、荷物の寸法と重量とに関する測定結果、測定結果に応じた区分(荷物の区分)等がユーザに報知される。また、紙片401の印刷出力によって、上述の決定要因(測定量の種別)に関する情報もが報知される。
【0059】
なお、寸法算出装置30は、撮影画像等に基づく処理を実行する装置であることから、画像処理装置であるとも表現される。
【0060】
図1に示されるように、ロッカー装置60は、コントローラ(制御部とも称する)61と記憶部62と操作部65とを備える。コントローラ61、記憶部62および操作部65は、上述のコントローラ31、記憶部32および操作部35とそれぞれ同様のハードウエア構成を有している。
【0061】
また、
図3に示されるように、ロッカー装置60は、複数の収納部(収納室ないしロッカーとも称する)71を備える。
図3は、荷物受付システムにおけるロッカー装置60の概略外観図である。
【0062】
各収納部71は、略直方体形状の内部空間を有するとともに、その前面側に扉(詳細には電子錠付きの扉)を有している。当該扉の施錠および解錠は、ロッカー装置60のコントローラ61によって制御される。また、各収納部71は、その間口(幅)および/または高さ等が異なる数種類の大きさ(小サイズ、中サイズ、大サイズ、特大サイズ等)のいずれかを有している。
【0063】
<1-2.コントローラ31等における処理等>
図5は、寸法算出装置30(詳細にはコントローラ31)等における処理を示すフローチャートである。以下、
図5を参照しつつ当該処理について説明する。
【0064】
ステップS11において、寸法算出装置30(コントローラ31)は、荷物の配送元(運送依頼者)の情報(運送依頼者の氏名、運送依頼者の住所等)、および、荷物の配送先の情報(配送宛先の氏名、住所等)を取得する。
【0065】
これらの情報は、操作部35のタッチパネル35dを介したユーザ操作によって入力されればよい。なお、これに限定されず、これらの各種の情報は、ユーザの携帯端末(スマートフォン等)にて予め入力され、その後に当該携帯端末の表示部にて2次元コードに変換された状態で表示されてもよい。そして、当該2次元コードが操作部35の2次元コードリーダ35cによって読み取られることによって、当該情報が寸法測定装置10に入力(取得)されてもよい。
【0066】
次に、ステップS12において、3次元カメラ20は、保持部50に保持された測定対象物80に関する撮影画像および深度情報を生成し、コントローラ31に受け渡す。コントローラ31は、このような撮影画像および深度情報に基づいて、測定対象物80の表面(ひょうめん)に関する3次元データ(ポイントクラウドデータ(点群データ))を生成する。換言すれば、コントローラ31は、被写体物体(測定対象物80)の各部分(各表面部分)の撮影画像内での平面位置に関する情報と当該各部分までの距離情報(奥行き情報)とに基づいて、各部分の3次元位置情報(実空間内での3次元位置情報)を取得する。
【0067】
詳細には、コントローラ31は、各部分の3次元位置情報(実空間内での3次元位置情報)を、保持部50に固定された座標系Σ2で表現された情報として取得する。具体的には、コントローラ31は、カメラ座標系Σ1での位置情報(撮影画像内での平面位置および撮影画像の法線方向における奥行き位置)を、作業空間(たとえば透明部材51の上面51a)に対して固定された座標系Σ2での3次元位置情報へと変換する。カメラ座標系Σ1は、たとえば、撮影画像平面に平行な直交2軸と当該撮影画像平面に垂直な方向に伸びる1軸との直交3軸を基準とする3次元直交座標系である。また、変換後の座標系Σ2は、たとえば、透明部材51の上面51aに平行な直交2軸(XY軸)と当該直交2軸に垂直な方向(高さ方向)に伸びる1軸(Z軸)との直交3軸を基準とする3次元直交座標系である。
図2および
図4等においては、変換後の座標系Σ2の一例として、透明部材51の上面51aに固定されたXYZ直交座標系が示されている。
【0068】
このようにして、コントローラ31は、測定対象物80の各部分の3次元位置情報を取得(算出)する。具体的には、ポイントクラウドデータ(点群データ)における各微小領域(撮影画像の各画素に対応する微小部分(微小領域))の3次元位置の情報が取得される。
【0069】
次のステップS13において、コントローラ31は、測定対象物80の表面の3次元位置情報に基づき、測定対象物80の寸法を算出する。具体的には、測定対象物80(荷物)のサイズ情報(W,D,H)が算出される。ここで、高さHは、測定対象物80の上面82と下面83(
図2参照)との間の距離である。また、幅Wは、測定対象物80の側面84e(左側面)と側面84f(右側面)との間の距離であり、奥行きDは、測定対象物80の側面84c(前面)と側面84d(背面)(
図4参照)との間の距離である。
【0070】
具体的には、まず、コントローラ31は、測定対象物80のポイントクラウドデータ(点群データ)を射影変換した射影画像221(不図示)を生成する。射影画像221は、当該ポイントクラウドデータを透明部材51の上面51aの法線方向に沿って当該上面51a(詳細には、上面51aを含む平面)に対して平行射影した画像である。
【0071】
そして、コントローラ31は、この射影画像221に基づいて、測定対象物80の寸法のうち、上面51aに平行な2つの成分(たとえば、幅W(X方向成分)および奥行きD(Y方向成分))(
図2および
図4参照)を算出する。より詳細には、たとえば、射影画像221の外接矩形が求められるとともに、当該外接矩形の大きさ(幅Wおよび奥行きD)が算出される。
【0072】
さらに、コントローラ31は、測定対象物80のポイントクラウドデータのうち、透明部材51の上面51aから最も上側に離れて存在するデータのZ方向位置を求め、当該Z方向位置と上面51aのZ方向位置との差分値を測定対象物80の高さHとして算出する。なお、これに限定されず、たとえば、当該ポイントクラウドデータのうち、上面51aからの距離が上位10%の点群が求められ、当該点群の上面51aからの距離の平均値が高さHとして算出されてもよい。上面51aは、測定対象物80のZ方向の大きさ(高さH)を決定する際の基準面として機能する。
【0073】
このようにして、測定対象物80(荷物)の寸法(サイズ情報)(W,D,H)が測定されて取得される。また、当該荷物の互いに異なる3方向(X方向、Y方向およびZ方向)のそれぞれにおける測定値(長さ)W,D,Hの合計値であるサイズS(=W+D+H)が算出(測定)される。このようにして算出される合計サイズ(W+D+H)の測定値は、サイズ測定値Sとも称される。
【0074】
また、ステップS14において、コントローラ31は、重量計40による測定結果(測定対象物80の重量(重量測定値Vとも称する))を取得する。
【0075】
そして、ステップS15において、コントローラ31は、サイズ測定値Sと重量測定値Vとに基づき、複数の区分Giのいずれに荷物が属するかを判定する判定処理(区分判定処理とも称する)を実行する。
【0076】
寸法測定装置10は、荷物に関する測定量(寸法および重量)等と荷物に関するサービスの利用料金との関係を規定した料金表110を有している。
【0077】
【0078】
料金表110においては、荷物のサイズおよび重量に応じた料金が規定されている。具体的には、料金表110においては、荷物のサイズおよび重量に応じた複数の区分Gi(1組の区分群)が規定されているとともに、当該複数の区分Giのそれぞれに対応する料金が規定されている。各区分Giは、料金決定用の区分である、とも表現される。複数の区分Giのうち荷物が属する区分(当該荷物の所属区分ないし対応区分とも称する)が当該荷物のサイズ(サイズ測定値S)および重量(重量測定値V)に基づき求められ、当該所属区分に対応する料金が求められる。料金表110には、複数の区分Giのそれぞれに対して、荷物のサイズの対応範囲と荷物の重量の対応範囲とが定められている。
【0079】
具体的には、料金表110においては、荷物のサイズ(ここでは、幅W、奥行きD、高さHの3辺の合計値(=W+D+H))が、複数のサイズ範囲(サイズ区分)に予め区分されている。端的に言えば、複数の区分がサイズ測定値Sに応じて段階的に規定されている。たとえば、「0cm(センチメートル)~60cm」(G1)、「60cm~80cm」(G2)、「80cm~100cm」(G3)、「100cm~120cm」(G4)、「120cm~140cm」(G5)、...などの複数の区分(サイズ区分)Giが規定されている。
【0080】
料金表110においては、(サイズに関する)基準値(基本境界値とも称する)Bi(i=1,2,3,...)と、サイズ測定値Sとの大小関係に基づいて、サイズ測定値Sが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが規定されている(
図16も参照)。基準値Biは、互いに隣接する区分Giと区分G(i+1)とを区別するための境界値である。
【0081】
たとえば、互いに隣接する区分G1と区分G2とを区別するための基準値B1(60cm)よりもサイズ測定値Sが小さい場合、サイズ測定値Sは区分G1(60サイズ)に属する旨が規定されている。一方、サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きい場合、サイズ測定値Sは区分G1に属しない旨が規定されている。サイズ測定値Sが基準値B1よりも大きい場合(詳細には、且つサイズ測定値Sが基準値B2(80cm)以下の場合)、サイズ測定値Sは区分G2に属する旨が規定されている。このように、料金表110においては、サイズ測定値Sが区分G1,G2のいずれに属するかが、サイズ測定値Sと基準値B1との大小関係に応じて規定されている。
【0082】
また、互いに隣接する区分G2と区分G3とを区別するための基準値B2(80cm)よりもサイズ測定値Sが小さい場合(詳細には、且つサイズ測定値Sが基準値B1(60cm)より大きい場合)、サイズ測定値Sは区分G2(80サイズ)に属する旨が規定されている。一方、サイズ測定値Sが基準値B2よりも大きい場合、サイズ測定値Sは区分G2に属しない旨が規定されている。サイズ測定値Sが基準値B2よりも大きい場合(詳細には、且つサイズ測定値Sが基準値B3(100cm)以下の場合)、サイズ測定値Sは区分G3に属する旨が規定されている。このように、料金表110においては、サイズ測定値Sが区分G2,G3のいずれに属するかが、サイズ測定値Sと基準値B2との大小関係に応じて規定されている。
【0083】
以降についても同様である。
【0084】
ここでは、基準値Bi(境界値)とサイズ測定値Sとの等号成立時には、サイズ測定値Sは区分Giに属するものとする。換言すれば、基準値B(i-1)とサイズ測定値Sとの等号成立時にはサイズ測定値Sは区分G(i-1)に属し、基準値B(i+1)とサイズ測定値Sとの等号成立時にはサイズ測定値Sは区分G(i+1)に属する。基準値Biは、区分Giに属するサイズ測定値Sの最大値でもある。
【0085】
このように、料金表110においては、サイズ測定値Sが基準値B(i-1)よりも大きく且つ基準値Bi以下であるときにはサイズ測定値Sは区分Giに属する旨が規定されている(
図16も参照)。また、
図7の料金表110の区分Giに対応するサイズ欄(サイズ区分欄)の記載「基準値B(i-1)~基準値Bi」は、「基準値B(i-1)よりも大きく且つ基準値Bi以下」のサイズ範囲を意味する。たとえば、
図7の料金表110の区分G4に対応するサイズ欄の記載「100cm~120cm」は、(より正確には)「100cm(=B3)より大きく且つ120cm(=B4)以下」のサイズ範囲を意味する。他の区分Giも同様である。なお、基準値B(i-1)は区分Giの下限側境界値とも表現され、基準値Biは区分Giの上限側境界値とも表現される。サイズ測定値Sが区分Giの上限側境界値Biに等しい場合には当該サイズ測定値Sは区分Giに属し、サイズ測定値Sが区分Giの下限側境界値B(i-1)に等しい場合には当該サイズ測定値Sは区分G(i-1)に属する。
【0086】
また、各区分Giに属するサイズ測定値Sの最大値でもある基準値Bi(i=1,2,3,...)を含む名称が、料金決定用の各区分Giの名称(「60サイズ」等)として付されている。具体的には、「60サイズ」、「80サイズ」、「100サイズ」、「120サイズ」、「140サイズ」、...等が各区分Giの名称としてそれぞれ付与されている。
【0087】
また、料金表110においては、荷物の重量が、複数の重量範囲(重量区分)に予め区分されている。端的に言えば、複数の区分が重量測定値Vに応じて段階的に規定されている。たとえば、「0kg(キログラム)~2kg」、「2kg~5kg」、「5kg~10kg」、「10kg~15kg」、「15kg~20kg」、...などの複数の区分(重量区分)Giが規定されている。なお、上述したように、重量の単位は、本来は「kgf(キログラム重)」等であるが、本願では簡易的に「kg」等で(「kgf」等の「f」を省略して)表記する。
【0088】
ここでは、共通の複数の区分Giに対して、荷物のサイズの対応範囲と重量の対応範囲とが規定されている。換言すれば、複数の重量区分と複数のサイズ区分とが共通の複数の区分Gi(1組の区分群)に対応づけられている。また、複数の重量区分と複数のサイズ区分とが1対1に対応づけられている。
【0089】
料金表110においては、互いに隣接する区分Giと区分G(i+1)とを区別するための(重量に関する)基準値(基本境界値とも称する)Ai(i=1,2,3,...)と、重量測定値Vとの大小関係に基づいて、重量測定値Vが区分Giと区分G(i+1)とのいずれに属するかが規定されている。
【0090】
また、ここでは、基準値Ai(境界値)と重量測定値Vとの等号成立時には、重量測定値Vは区分Giに属するものとする。基準値Aiは、区分Giに属する重量測定値Vの最大値でもある。
【0091】
このように、料金表110においては、重量測定値Vが基準値A(i-1)よりも大きく且つ基準値Ai以下であるときには重量測定値Vは区分Giに属する旨が規定されている。
図7の料金表110の区分Giに対応する重量欄(重量区分欄)の記載「基準値A(i-1)~基準値Ai」は、「基準値A(i-1)よりも大きく且つ基準値Ai以下」の重量範囲を意味する。たとえば、
図7の料金表110の区分G4に対応する重量欄の記載「10kg~15kg」は、(より正確には)「10kg(=A3)より大きく且つ15kg(=A4)以下」の重量範囲を意味する。他の区分も同様である。なお、基準値A(i-1)は区分Giの下限側境界値とも表現され、基準値Aiは区分Giの上限側境界値とも表現される。重量測定値Vが区分Giの上限側境界値Aiに等しい場合には当該重量測定値Vは区分Giに属し、重量測定値Vが区分Giの下限側境界値A(i-1)に等しい場合には当該重量測定値Vは区分G(i-1)に属する。
【0092】
また、各重量区分は、同じ料金に対応する各サイズ区分(各区分Gi)の名称を有している。具体的には、「0kg(キログラム)~2kg」の重量区分は、「60サイズ」の区分名称を有する区分G1に対応づけられている。「2kg~5kg」の重量区分は、「80サイズ」の区分名称を有する区分G2に対応づけられている。また、「5kg~10kg」の重量区分は、「100サイズ」の区分名称を有する区分G3に対応づけられている。さらに、「10kg~15kg」の重量区分は、「120サイズ」の区分名称を有する区分G4に対応づけられており、「15kg~20kg」の重量区分は、「140サイズ」の区分名称を有する区分G5に対応づけられている。以降も同様である。このように、各重量区分は、対応するサイズ区分の区分名称を有する区分Giに対応づけられている。
【0093】
さらに、料金表110においては、各区分(サイズ区分)Giに対応する料金が、荷物に関するサービスの利用料金として規定されている。具体的には、「60サイズ」(G1)、「80サイズ」(G2)、「100サイズ」(G3)、「120サイズ」(G4)、「140サイズ」(G5)、...等の複数の区分Giに応じた料金が段階的に規定されている。ここで、区分G(i+1)に対応する料金は、区分Giに対応する料金よりも高い(高額である)。換言すれば、区分G(i+1)は、区分Giよりも高い料金に対応する区分(高額区分)である。
【0094】
本願では、複数の区分のうち相対的に高額な料金に対応する区分は、高額側区分あるいは上位側区分などとも称され、逆に、複数の区分のうち相対的に低額な料金に対応する区分は、低額側区分あるいは下位側区分などとも称される。端的に言えば、2つの区分のうち、相対的に「高額」な料金に対応する一方の区分が、他方の区分よりも「上位」の区分であるものとする。
【0095】
また、料金表110においては、このような複数の区分Giに応じた段階的な料金が、荷物の配送先の地域ごとに規定されている。料金の算出にあたっては、配送先地域に応じた料金欄が適用される。たとえば、配送先地域が地域R1である場合、地域R1に応じた料金欄(区分Giと料金との対応関係を示す料金欄)が用いられればよい。
【0096】
図6は、ステップS15の詳細を示すフローチャートである。
【0097】
以下、
図6を参照しながら、ステップS15の判定処理の詳細について説明する。
【0098】
ステップS21において、コントローラ31は、複数の区分Giの中から、荷物のサイズ測定値Sに対応する区分(サイズ対応区分とも称する)を特定する。換言すれば、サイズ測定値Sが複数の区分Giのいずれに属するか(対応するか)が判定される。たとえば、サイズ測定値Sが118cmの場合、料金表110(
図7参照)に基づき、区分G4がサイズ対応区分として特定される。
【0099】
ステップS22において、コントローラ31は、複数の区分Giの中から、荷物の重量測定値Vに対応する区分(重量対応区分とも称する)を特定する。換言すれば、重量測定値Vが複数の区分Giのいずれに属するか(対応するか)が判定される。たとえば、重量測定値Vが3kgの場合、料金表110(
図7参照)に基づき、区分G2が重量対応区分として特定される。
【0100】
ステップS23において、荷物のサイズ測定値Sと重量測定値Vとに基づき、複数の区分Giのいずれに当該荷物が属するかを判定する判定処理が実行される。具体的には、コントローラ31は、ステップS21,S22でそれぞれ特定されたサイズ対応区分と重量対応区分との上位下位関係に基づき、当該荷物が属する区分(荷物の所属区分)を判定(決定)する。より具体的には、サイズ対応区分と重量対応区分との少なくとも一方が、当該荷物が属する区分として判定される。ここでは、コントローラ31は、原則として、サイズ対応区分と重量対応区分とのうち上位側(料金高額側)の区分を、当該荷物が属する区分として判定する。
【0101】
詳細には、サイズ対応区分および重量対応区分のいずれが上位(上位側の区分)であるかが判定され、その判定結果に応じた分岐処理が実行される。
【0102】
サイズ対応区分と重量対応区分とのうちサイズ対応区分が上位である場合、ステップS24に進む。ステップS24では、当該サイズ対応区分が荷物の区分として決定(判定)される。たとえば、サイズ対応区分が区分G4であり重量対応区分が区分G2である場合、区分G4(サイズ対応区分)が荷物の区分として決定される。この場合、判定処理において複数の区分Giのいずれに当該荷物が属するかを決定付ける要因(以下、単に決定要因とも称する)は、荷物のサイズと荷物の重量とのうち荷物の「サイズ」(詳細には「サイズ」のみ)である。
【0103】
逆に、サイズ対応区分と重量対応区分とのうち重量対応区分が上位である場合、ステップS25に進む。ステップS25では、当該重量対応区分が荷物の区分として決定(判定)される。たとえば、サイズ対応区分が区分G4であり重量対応区分が区分G5である場合、区分G5(重量対応区分)が荷物の区分として決定される。この場合、「決定要因」は、荷物のサイズと荷物の重量とのうち荷物の「重量」(詳細には「重量」のみ)である。
【0104】
あるいは、サイズ対応区分と重量対応区分とが同位(同一レベル)である場合、ステップS26に進む。ステップS26では、当該同一レベルの区分が荷物の区分として決定(判定)される。たとえば、サイズ対応区分が区分G4であり重量対応区分が区分G4である場合、区分G4(サイズ対応区分且つ重量対応区分)が荷物の区分として決定される。この場合、「決定要因」は、荷物のサイズと荷物の重量との「双方」である。
【0105】
その後、ステップS16(
図5)において、コントローラ31は、測定結果等を示す表示画面301(
図8等参照)を表示部35bに表示する。なお、
図8は、表示画面301の一例を示す図である。
【0106】
上述のように、従来技術においては、測定結果を示す表示画面にて決定要因が明示されないので、ユーザ(特に顧客)が決定要因を知得することは容易ではなかった。
【0107】
一方、この実施形態では、決定要因が明示される。具体的には、表示画面301(
図8等参照)を表示する表示出力によって、荷物の測定値S,Vおよび荷物の区分Giのみならず、荷物の区分に関する判定根拠(決定要因)もが報知される。また、印刷片401(
図9等参照)を印刷する印刷出力によって、荷物の測定値S,Vならびに荷物の区分Giのみならず、荷物の区分に関する判定根拠(決定要因)もが報知される。以下、このような態様について詳細に説明する。
【0108】
図8に示されるように、表示画面301は、撮影画像表示欄310と測定結果表示欄320とを有している。
【0109】
撮影画像表示欄310は、カメラ20によって撮影された画像(撮影画像)を表示する欄である。撮影画像表示欄310においては、撮影画像が表示されるとともに、当該撮影画像のうち寸法計測時に利用された辺(線分)(
図8では極太線)がハイライト表示される。たとえば、段ボール箱等の荷物(測定対象物80)の上面の4辺が特定色(たとえば青色等)で強調表示される。上面の4辺の位置は、測定対象物80の上面のポイントクラウドデータの射影画像221の外接矩形、および当該上面のポイントクラウドデータのZ方向位置等に基づいて特定されればよい。なお、これに限定されず、荷物の上面以外の辺(たとえば荷物の底面(且つ手前側)の辺等)もがハイライト表示されてもよい。
【0110】
測定結果表示欄320は、荷物(測定対象物80)のサイズおよび重量の測定結果等を表示する欄である。測定結果表示欄320は、各辺寸法欄321とサイズ欄322と重量欄323と区分欄325とを有している。
【0111】
各辺寸法欄321は、測定対象物80の各辺の寸法測定値W,D,Hをそれぞれ個別に表示する欄である。各辺寸法欄321には、たとえば、「横(W)45cm」、「縦(D)55cm」、「高さ(H)18cm」のように各辺の寸法がそれぞれ表示される。
【0112】
サイズ欄322は、サイズ測定値S(測定対象物80の各辺の寸法測定値W,D,Hの合計値S(=W+D+H))を表示する欄である。サイズ欄322には、サイズ測定値Sが、たとえば、「三辺計 118cm」のように表示される。
【0113】
重量欄323は、重量測定値Vを表示する欄である。重量欄323には、重量測定値Vが、たとえば、「重さ 3.0kg」のように表示される。
【0114】
区分欄325は、荷物(測定対象物80)の所属区分を表示する欄である。区分欄325においては、上述のステップS15における判定結果(たとえば、「120サイズ」)が表示される。
【0115】
また、測定結果表示欄320においては、区分判定処理(ステップS15)における判定根拠が報知(表示)される。具体的には、サイズ欄322と重量欄323との少なくとも一方がハイライト表示(強調表示)されることによって、区分判定処理における「決定要因」が判定根拠として報知される。上述のように、区分判定処理における「決定要因」は、区分判定処理において複数の区分Giのいずれに荷物が属するかを決定付ける決定要因であって、荷物のサイズと荷物の重量との少なくとも一方である。
【0116】
「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との両要因のうちの一方のみである場合、当該一方のみが判定根拠として報知される。
【0117】
具体的には、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量とのうち荷物のサイズのみである場合(ステップS24参照)、荷物の「サイズ」のみが判定根拠として報知される。換言すれば、サイズ対応区分が重量対応区分よりも上位である場合、荷物の「サイズ」が判定根拠として報知される。
【0118】
たとえば、
図8に示されるように、サイズ欄322を囲む太枠線327が表示され、サイズ欄322がハイライト表示(強調表示)されることによって、サイズ欄322内のサイズ測定値Sが「決定要因」であることが明示される。この場合、区分判定処理における判定根拠、換言すれば、区分決定要因(料金決定要因)が、「サイズ」であることが顧客に対して判り易く報知される。これによれば、顧客は、判定根拠(決定要因)が「サイズ」であることを容易に知得することができる。
【0119】
逆に、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量とのうち荷物の重量のみである場合(ステップS25参照)、荷物の「重量」のみが判定根拠として報知される。換言すれば、重量対応区分がサイズ対応区分よりも上位である場合、荷物の「重量」が判定根拠として報知される。
【0120】
たとえば、
図10に示されるように、重量欄323を囲む太枠線327が表示され重量欄323がハイライト表示(強調表示)されることによって、重量欄323内の重量測定値Vが「決定要因」であることが明示される。
【0121】
特にこの場合、区分判定処理における判定根拠、換言すれば、区分決定要因(料金決定要因)が、「サイズ」ではなく「重量」であることが明示される。これによれば、顧客は、判定根拠(決定要因)が「重量」であることを容易に知得することができる。また、サイズ以外の要素(「重量」)によって区分Giが決定されたこと(ひいては当該区分Giに対応する料金が決定されること)が顧客に報知されるので、顧客は、サイズ以外の決定要因「重量」が存在し得ること等を容易に知得することができる。特に、「サイズ」とは異なる要因(「重量」)が決定要因になる可能性がある旨が顧客に十分に周知されていない場合には、その旨が顧客に対して報知される機会にもなる。
【0122】
一方、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との両要因の双方である場合(ステップS26参照)、当該双方が判定根拠として報知される。換言すれば、サイズ対応区分と重量対応区分とが同位である場合、荷物の「サイズ」と「重量」との双方が判定根拠として報知される。
【0123】
たとえば、
図12に示されるように、サイズ欄322と重量欄323との両欄がそれぞれ太枠線327で囲まれて表示され当該両欄がハイライト表示(強調表示)されることによって、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との双方であることが報知される。これによれば、顧客は、判定根拠(決定要因)が「サイズ」と「重量」との双方であることを容易に知得することができる。
【0124】
ただし、これに限定されず、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との両要因の双方である場合(ステップS26参照)、当該両要因のうちの一方のみが判定根拠として報知されてもよい。換言すれば、「決定要因」を二者択一的に単純化して示す情報が、決定要因を示す情報(判定根拠)として報知されてもよい。これによれば、厳密に両要因が判定根拠として報知される場合に比べて、判定根拠が単純化されて報知されるので、簡易に判別し易い表示を実現することが可能である。
【0125】
具体的には、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との双方である場合(ステップS26参照)、「荷物のサイズ」のみが(優先的に)判定根拠として報知されてもよい。たとえば、サイズ欄322のみが太枠線327で囲まれて表示(強調表示)されることによって、「決定要因」(の1つ)が荷物のサイズであることが明示されてもよい。このように「サイズ」が優先的に判断根拠として報知される方式(「サイズ優先」で判断根拠が報知される方式)(サイズ優先方式)が採用されてもよい。
【0126】
あるいは、逆に、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との双方である場合(ステップS26参照)、「荷物の重量」のみが(優先的に)判定根拠として報知されてもよい。たとえば、重量欄323のみが太枠線327で囲まれて表示(強調表示)されることによって、「決定要因」(の1つ)が荷物の重量であることが明示されてもよい。このように「重量」が優先的に判断根拠として報知される方式(「重量優先」で判断根拠が報知される方式)(重量優先方式)が採用されてもよい。
【0127】
このように、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との両要因である場合、当該両要因のうちの一方のみが「決定要因を示す情報」(ひいては判定根拠)として報知されてもよい。
【0128】
「重量優先方式」が採用される場合には、「サイズ優先方式」が採用される場合に比べて、「重量」が判定根拠として報知され易くなる。それ故、料金決定用の区分Giが「重量」にも基づいて判定されていること(「重量」が決定要因になり得ること)をより周知すること(顧客に訴求すること)が可能である。
【0129】
なお、
図12のように、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との双方である場合(ステップS26参照)に当該双方が判定根拠として報知される方式は、「双方表示方式」とも称される。
【0130】
また、区分欄325においても、区分判定処理における「決定要因」が明示的に表示(報知)される。
【0131】
たとえば、決定要因が荷物のサイズのみである場合(ステップS24参照)、区分欄325において、「三辺計が適用されました。」の文言が、荷物の所属区分を示す文言(
図8では「120サイズ」)の近傍(直前等)に表示される。すなわち、区分判定処理における「決定要因」は「三辺計(荷物のサイズ)」であることが明示される。
【0132】
逆に、決定要因が荷物の重量のみである場合(ステップS25参照)、区分欄325において、「重さが適用されました。」の文言が、荷物の所属区分を示す文言(
図10では「140サイズ」)の近傍(直前等)に表示される。すなわち、区分判定処理における「決定要因」は「重さ(荷物の重量)」であることが明示される。
【0133】
また、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との双方である場合(ステップS26参照)、区分欄325において、「三辺計と重さとの双方が適用されました。」の文言が、荷物の所属区分を示す文言(
図12では「120サイズ」)の近傍(直前等)に表示される。すなわち、区分判定処理における「決定要因」は「三辺計(荷物のサイズ)」と「重さ(荷物の重量)」との双方であることが明示される。換言すれば、区分欄325において「双方報知方式」が採用されて、判定根拠が報知される。なお、これに限定されず、区分欄325において、サイズ優先方式が採用されてもよく、あるいは、重量優先方式が採用されてもよい。
【0134】
その後、表示画面301内のOKボタン331が押下されると、ステップS17からステップS18に進む。なお、やり直しボタン332が押下される場合には、ステップS12(ステップS11でもよい)に戻る。また、取消ボタン333が押下される場合には、ステップS18には進まず、キャンセル処理(ステップS19)が行われた後に
図5の処理が終了する。
【0135】
ステップS18においては、コントローラ31は、プリンタ(印刷出力部)37を用いて、測定結果等を示す印刷片401(
図9等参照)を印刷出力する。なお、
図9は、印刷片(印刷出力が施された紙片)401の一例を示す図である。
【0136】
印刷片401には、荷物(測定対象物80)のサイズおよび重量の測定結果等が印刷出力されている。印刷片401は、各辺寸法欄421とサイズ欄422と重量欄423と区分欄425と日時欄428と連番欄429と二次元コード欄430とを有している。
【0137】
各辺寸法欄421は、測定対象物80の各辺の寸法測定値W,D,Hがそれぞれ個別に印字される欄である。各辺寸法欄421には、たとえば、「横(W)45cm」、「縦(D)55cm」、「高さ(H)18cm」のように各辺の寸法がそれぞれ印字される。
【0138】
サイズ欄422は、サイズ測定値S(測定対象物80の各辺の寸法測定値W,D,Hの合計値S(=W+D+H))が印字される欄である。サイズ欄422には、サイズ測定値Sが、たとえば、「三辺計 118cm」のように印字される。
【0139】
重量欄423は、重量測定値Vが印字される欄である。重量欄423には、重量測定値Vが、たとえば、「重さ 12.0kg」のように印字される。
【0140】
区分欄425は、荷物(測定対象物80)の所属区分が印字される欄である。区分欄425においては、上述のステップS15における判定結果(たとえば、「120サイズ」)が印字される。
【0141】
また、サイズ欄422と重量欄423との少なくとも一方の右横部分に特定記号(ここでは「※」印)427が印字されることによって、区分判定処理における「決定要因」が報知される。
【0142】
「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量とのうちの一方のみである場合、当該一方が判定根拠として明示(報知)される。
【0143】
具体的には、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量とのうち荷物のサイズのみである場合(ステップS24参照)、たとえば
図9に示されるように、サイズ欄422に対して(詳細にはサイズ欄422の右横に)特定記号427(ここでは※印)が印字(印刷出力)される。これによって、サイズ欄422のサイズ測定値Sが「決定要因」であることが明示される。
【0144】
逆に、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量とのうち荷物の重量のみである場合(ステップS25参照)、たとえば、
図11に示されるように、重量欄423に対して(詳細には重量欄423の右横に)特定記号427が印字される。これによって、重量欄423内の重量測定値Vが「決定要因」であることが明示される。
【0145】
一方、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との双方である場合(ステップS26参照)、たとえば
図13に示されるように、サイズ欄422と重量欄423との双方に対して(詳細にはサイズ欄422の右横と重量欄423の右横との双方に)特定記号427が印字される。これによって、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との双方であることが報知される。
【0146】
ただし、これに限定されず、「決定要因」が荷物のサイズと荷物の重量との双方である場合(ステップS26参照)、サイズ優先方式が採用されて、サイズ欄422のみに対して特定記号427が付与されてもよい。あるいは逆に、重量優先方式が採用されて、重量欄423のみに対して特定記号427が付与されてもよい。
【0147】
なお、
図9、
図11、および
図13には示されていないが、区分欄425(あるいはその近傍等)においても、区分判定処理における「決定要因」が明示的に印字されてもよい。たとえば、「三辺計が適用されました。」、「重量が適用されました。」、あるいは「三辺計と重さとの双方が適用されました。」などの文言が印字されてもよい。
【0148】
また、日時欄428は、印刷出力時の年月日および時刻が印字される欄であり、連番欄429は、印刷片401に対して付与された連番が印字される欄である。さらに、二次元コード欄430は、印刷片401に印字された各種情報等が2次元コードに変換されて印字される欄である。なお、二次元コード欄430には、印刷片401に印字された情報以外の情報(ステップS11で取得された配送元の情報等)が含まれてもよい。
【0149】
以上のように、表示画面301および印刷片401において、決定要因(詳細にはその種類(「サイズ」と「重量」との少なくとも一方))を示す情報が報知される。より詳細には、決定要因明示のための太枠線327、区分欄325内の文言(「三辺計が適用されました。」等)、および決定要因明示のための特定記号427等によって、決定要因(詳細にはその種類)等が報知される。
【0150】
その後、コントローラ31は、区分Giに関する判定結果に基づいて、荷物に関するサービスの利用料金を算出する。より詳細には、データベース33内に記憶された料金情報(区分Gi等に応じて定められた料金情報)と、測定対象物80(荷物)の所属区分Giとに基づき、利用料金(配送サービス料金等)が算出される。この際、荷物の配送先等にも基づいて、利用料金が算出される。そして、当該利用料金に関する課金処理が実行される。
【0151】
たとえば、荷物のサイズ測定値Sが区分G4に対応し且つ当該荷物の重量測定値Vが区分G5に対応する場合、当該荷物が区分G5に属する旨がステップS15にて判定される。そして、当該区分G5に対応する料金が配送サービスの利用料金として決定される。たとえば、配送先地域が地域R1であり且つ荷物が区分G5に属すると判定される場合(
図7参照)、利用料金が「1960円」であると決定される。
【0152】
また、荷物の測定ごと(連番ごと)に、当該測定に関する履歴情報が記憶部32に記憶される。具体的には、測定ID(連番)とサイズ測定値Sと重量測定値Vと区分判定結果と区分判定処理の判定根拠(決定要因)とサービス料金とを含む履歴情報(顧客情報および測定日時等が更に含まれてもよい)が、互いに関連づけられて記憶部32に記憶される。
【0153】
その後、ユーザは、ロッカー装置60の適宜の収納部71に荷物を収納する。具体的には、ユーザは、寸法算出装置30によって指定された収納部71(指定されたロッカー番号の収納部71)に荷物を収納する。これにより、荷物受付システム1における荷物の受付処理が終了する。
【0154】
以上のような処理が荷物受付システム1において行われる。特に、荷物のサイズと重量とに基づいて複数の区分のいずれに荷物が属するかを判定する区分判定処理に関して、その判定根拠が報知される。具体的には、当該区分判定処理にあたり、表示画面301および印刷片401において、荷物のサイズと荷物の重量とのうちの決定要因を示す情報が判定根拠として報知される。
【0155】
したがって、ユーザ(特に顧客)は、当該表示画面301および/または印刷片401を視認することによって、当該決定要因を容易に知得することが可能である。換言すれば、ユーザは自ら料金表を見て決定要因を調べることを要さずに当該決定要因を知得することができる。詳細には、ユーザは自ら料金表を見ながら荷物のサイズと荷物の重量とのいずれが決定要因であるかを確認することを要しない。それ故、顧客による煩雑な作業を回避し、ユーザフレンドリーな対応を実現することが可能である。ひいては、顧客満足度を向上させることが可能である。
【0156】
また、荷物の測定ごと(連番ごと)の履歴情報が記憶部32に記憶される。これによれば、仮に顧客からの問合せが事後的に行われた場合でも、記憶部32に記憶された当該履歴情報に基づき、顧客に対して料金決定に関する詳細な説明を行うことが可能である。具体的には、連番(測定ID)あるいは顧客情報等を検索キーにした検索処理によって該当情報を検索し、当該検索された情報に基づき、区分判定結果、区分判定処理における判定根拠(決定要因)、および測定値S,V等に関する説明を行うことが可能である。たとえば、「サイズ」ではなく「重量」によって区分「140サイズ」が判定されていること等に関する説明が行われ得る。
【0157】
<2.第2実施形態>
第2実施形態では、区分判定処理における「決定要因」に関する条件に応じて、荷物のサイズの調整に関するガイダンス(区分判定に関連するガイダンス)が出力される態様について説明する。
【0158】
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0159】
第2実施形態では、第1実施形態と同様の処理が行われる。ただし、ステップS15の直後(あるいはステップS16)において、
図14のフローチャートに示す処理もが実行される。また、ステップS16において、所定条件が充足される場合、荷物のサイズの調整に関するガイダンス(詳細には、荷物のサイズの(微少量の)変更により荷物の所属区分の変更(ランクダウン)(ひいては料金低減)が可能である旨のガイダンス)が出力される。具体的には、
図15に示されるように、表示画面301内のガイダンス欄326にて当該ガイダンスが表示される。
【0160】
具体的には、まず、ステップS15(
図5)の直後(ステップS23~S26(
図6)の直後)等において、
図14の処理(ステップS30)の処理が実行される。
【0161】
図14では、ステップS31にて第1条件が充足されることが確認され、ステップS32にて第2条件が充足されることが確認される。そして、第1条件と第2条件との双方が充足されることを条件として、ガイダンス表示を実行する旨(ガイダンスを出力する旨)が決定され(ステップS33)、ステップS16にてガイダンスが表示される。なお、第1条件と第2条件との少なくとも一方が充足されない場合、(ステップS33には進まず)ガイダンス表示を実行しない旨(ガイダンスを出力しない旨)が決定される。
【0162】
ここで、第1条件は、決定要因に関する条件である。具体的には、第1条件は、(現時点で)「決定要因」が荷物の「サイズ」のみであることである。第1条件が充足される場合(すなわち「決定要因」が荷物の「サイズ」のみである場合)において、荷物のサイズ変更に応じて仮にサイズ対応区分が低下する(下位側に変更される)と、荷物の所属区分が低下し(下位側に変更され)、料金は現時点よりも低減され得る。
【0163】
たとえば、現時点で荷物のサイズ対応区分(G4)が重量対応区分(G3)よりも上位側(高額側)の区分である場合(決定要因が「サイズ」のみである場合)を想定する。この場合、第1条件は充足される。サイズ変更に伴ってサイズ対応区分が仮に区分G4から区分G3へと1区分下がると、現時点の重量対応区分G3とサイズ変更後のサイズ対応区分G3とが「決定要因」になり、荷物の所属区分は区分G4から区分G3へと下位側に変更される(低下する)。この結果、料金が低減され得る。なお、サイズ変更に伴ってサイズ対応区分が仮に区分G4から区分G2へと2区分下がるときでも、(現時点での荷物の所属区分G4よりも下位の)現時点での重量対応区分G3が「決定要因」になり、荷物の所属区分は区分G4から区分G3へと下位側に変更される(低下する)。この結果、料金が低減され得る。
【0164】
一方、重量対応区分(G5)がサイズ対応区分(G4)よりも上位側(高額側)の区分である場合(決定要因が「重量」のみである場合)、「決定要因」は(現時点で既に)「重量」である。仮に、荷物のサイズ変更に応じて仮にサイズ対応区分が低下しても、荷物の所属区分が低下せず(引き続き「重量対応区分G5」であり)、料金は現時点よりも低減されない。この場合、第1条件は充足されない。
【0165】
また、サイズ対応区分(G4)と重量対応区分(たとえばG4)とが同位である場合(決定要因が「サイズ」と「重量」との双方である場合)には、第1条件は充足されない。この場合、サイズ変更に伴ってサイズ対応区分が仮に区分G4から区分G3へと1区分下がっても、現時点での重量対応区分G4のみが「決定要因」になり、荷物の所属区分は区分G4のまま維持される。
【0166】
そして、第1条件が充足されることを条件にガイダンスが表示される。第1条件が充足されない場合には、ガイダンスは表示されない。すなわち、第1条件の成否に応じて、当該ガイダンスを出力するか否かが変更される。
【0167】
換言すれば、決定要因の種類に基づき、当該ガイダンスを出力するか否かが変更される。具体的には、決定要因が、荷物のサイズと荷物の重量との両要因のうち荷物のサイズのみである場合、荷物のサイズの調整に関するガイダンスが出力され、決定要因が当該両要因のうち荷物の重量のみである場合、荷物のサイズの調整に関するガイダンスは出力されない。詳細には、決定要因が荷物のサイズのみであるか否かに応じて、当該ガイダンスを出力するか否かが変更される。
【0168】
第1条件を考慮することによれば、荷物の「サイズ」と「重量」とのうち「サイズ」のみが決定要因である場合、ガイダンスが実行される。換言すれば、第1条件を考慮することによれば、決定要因が荷物のサイズのみの場合と、決定要因が荷物の重量のみの場合と、決定要因が荷物のサイズと重量との双方の場合とのうち、荷物の「サイズ」のみである場合、ガイダンスが実行される。すなわち、荷物のサイズ対応区分が重量対応区分よりも上位である場合、ガイダンスが実行される。
【0169】
また、第2条件は、サイズ測定値Sに関する条件であり、荷物のサイズを若干低減することによってサイズ対応区分を1区分下げることが可能か否かを判定するための条件である。具体的には、第2条件は、サイズ測定値Sが基準値B(i-1)(次述)よりも大きく、且つ、サイズ測定値Sと基準値B(i-1)との差分値ΔF(i-1)が所定値α(i-1)よりも小さいことである。すなわち、S>B(i-1)、且つ、S-B(i-1)<α(i-1)、であることが第2条件である。なお、第2条件において、当該差分値(S-B(i-1))は値α(i-1)に等しくてもよい。
【0170】
ここで、基準値B(i-1)は、現在のサイズ対応区分Giよりも1ランク下位側(低額側)の区分G(i-1)と当該サイズ対応区分Giとを区別するための基準値である(
図16参照)。基準値B(i-1)は、互いに隣接する第(i-1)区分と第i区分とを区別するための基準値であるとも表現される。
【0171】
また、差分値ΔFiは、サイズ測定値Sの基準値Biに対する超過量である、とも表現され、所定値αiは(超過量の)許容値である、とも表現される。所定値αiは、基準値Biと次(ワンクラス上)の基準値B(i+1)の差(たとえば20cm程度)よりも小さな値であり、たとえば、数mm(ミリメートル)~数cm(センチメートル)程度の値である。たとえば、所定値αiは、各辺ごとに1cm程度の許容値を合計した値「3cm」に設定される。ただし、これに限定されず、所定値αiは、その他の値(たとえば、1cmあるいは5cm等)に設定されてもよい。
【0172】
たとえば、サイズ測定値Sが122cmである場合、現在のサイズ対応区分は区分G5であり、当該サイズ対応区分G5とそれよりも1ランク下位側(低額側)の区分G4とを区別するための基準値B4は120cm(センチメートル)である。この場合、第2条件は、基準値B4(=120cm)よりもサイズ測定値Sが大きく(S>B4)、且つ、サイズ測定値Sと基準値B4との差分値F4が所定値α4(=3cm)よりも小さい(F4<α4)ことである。具体的には、サイズ測定値Sが122cmである場合、122=S>B4=120、且つ、F4=S-B4=2<3=α4、であり、第2条件が充足される。一方、サイズ測定値Sが128cmである場合、F4=S-B4=8>3=α4、であり、第2条件は充足されない。
【0173】
ここにおいて、「サイズ測定値Sと基準値Biとの差分値(超過量)ΔFi(=S-Bi)が所定値(許容値)αiよりも小さい(S-Bi<αi)」ことは、「サイズ測定値Sが、基準値Biに所定値αiを加算した値(Bi+αi)よりも小さい(S<(Bi+αi))」ことと等価である。換言すれば、差分値ΔFiと所定値αiとを比較することは、サイズ測定値Sと値(Bi+αi)とを比較することと等価である。したがって、第2条件の一部(S-B(i-1)<α(i-1))は、サイズ測定値Sが値(B(i-1)+α(i-1))以下であること、とも表現される。
【0174】
そして、第2条件もが充足されることを条件にガイダンスが表示される。第2条件が充足されない場合には、ガイダンスは表示されない。換言すれば、第2条件の成否(換言すれば、サイズ測定値Sと基準値B(i-1)との関係)に応じて、当該ガイダンスを出力するか否かが変更される。
【0175】
より具体的には、第1条件と第2条件との少なくとも一方が充足されない場合、ガイダンス表示は行われない。たとえば、「決定要因」が「重量」であった場合には、第1条件が充足されず、ガイダンス表示は行われない。
【0176】
一方、第1条件と第2条件との双方が充足される場合、ステップS16にてガイダンスが表示される。
図15は、表示画面301内のガイダンス欄326にガイダンス(荷物のサイズの調整に関するガイダンス)が表示される様子を示す図である。
【0177】
このガイダンス欄326では、荷物のサイズの(微少量の)変更(低減)により荷物の所属区分の変更(ランクダウン)が可能である旨のガイダンスが表示出力されている。具体的には、「三辺合計値をあと2cm短くすると、120サイズに収まります。」との文言が表示されている。当該ガイダンスには、差分値ΔF(i-1)(=S-B(i-1))(ここでは「2cm(センチメートル)」)もが含まれている。当該差分値ΔF(i-1)は、区分変更のためのサイズ低減量の目標値(削減目標値)として表示されている。また、当該ガイダンスにおける「120サイズ」は、現在のサイズ対応区分「140サイズ」(
図15の区分欄325参照)よりも1ランク下位側の区分である。
【0178】
このように、荷物のサイズの調整に関するガイダンス(区分判定に関連するガイダンス)が出力(表示出力)される。当該ガイダンスは、区分変更(料金低減)の可能性を示唆するガイダンスなどとも称される。
【0179】
顧客は、当該ガイダンス(詳細にはその文言等)を視認すると、荷物の形状および材質等に鑑み、荷物の形状等を変更して再測定を行うか否かを判断する。顧客が再測定を実行する旨を判断する場合、顧客は、測定対象の荷物(たとえば、その一部が膨らんだ段ボール箱、あるいは柔らかな紙袋等)の形状を整えた後に、やり直しボタン332(再測定ボタン)を押下する。寸法測定装置10は、やり直しボタン332の押下に応じて、ステップS12(あるいはステップS11)に戻り、再測定動作等を実行する。再測定されたサイズ測定値Sが120cm以下(たとえば、120cm)である場合、(重量対応区分は引き続き区分G2であり且つ)サイズ対応区分は区分G4に変更される。そして、荷物の所属区分(料金区分)は再測定前の区分G5から区分G4へと1ランク下位側(低額側)に変更される。これによれば、顧客は、意図した良好な測定結果(納得感を伴う区分判定結果)を得ることが可能である。
【0180】
このように、上記第2実施形態によれば、第1条件が充足されることを条件として、荷物のサイズの変更により荷物の所属区分の変更(詳細には、ランクダウン)が可能である旨のガイダンスが出力される。
【0181】
当該第1条件の充足性を条件にガイダンスが出力されることによれば、サイズが或る程度低減されれば荷物の所属区分Giが下位側に変更されることが担保された状態でガイダンスが出力される。
【0182】
したがって、ガイダンスに応じて「サイズ」を低減させたにもかかわらず(「重量」に起因して(重量対応区分に起因して))荷物の所属区分Giが変更されない(維持される)事態を回避することが可能である。すなわち、顧客は、当該ガイダンスに従うことによって、荷物のサイズ調整作業を行うか否かを適切に決定できる。
【0183】
また、上記態様においては、第1条件が充足されることを条件としてガイダンスが装置から(自動的に)出力される。たとえば、決定要因が荷物のサイズのみである場合、ガイダンスが(自動的に)出力される。したがって、顧客は、自ら料金表を見つつ測定値S,Vに基づき決定要因を確認(判断)することを要さずに、当該ガイダンスに従って荷物のサイズ調整作業を行うか否かを決定できる。謂わば、荷物受付システム1においてユーザフレンドリーな対応を実現することが可能である。ひいては、顧客満足度を向上させることが可能である。
【0184】
また、上記実施形態においては、ガイダンス欄326において、「...あと2cm短くすると...」との文言、すなわち、区分変更のための具体的な削減目標値が示される。したがって、顧客は、当該目標値の大小に基づいて、当該ガイダンスに従って荷物のサイズ調整作業を行うか否かを適切に判断することができる。また、顧客は、当該目標値の大小に応じたサイズ調整作業の内容(如何なる程度の作業を行えばよいか)を適切に決定することが可能である。
【0185】
また、上記実施形態においては、第1条件のみならず第2条件もが充足されることを条件としてガイダンスが表示される。換言すれば、サイズ調整作業によって荷物の所属区分が変更される可能性が一定程度以上である場合にガイダンスが表示される。逆に言えば、当該可能性が一定程度よりも低い場合((非常に)大幅なサイズダウンが必要な場合等)には、ガイダンスは表示されない。これによれば、無用なサイズ調整作業を顧客が行うことを抑止することが可能である。より詳細には、ガイダンスに応じてサイズ調整作業を行ったにもかかわらず荷物の所属区分が変更されずに顧客の徒労に終わることを抑制することができる。
【0186】
なお、上記第2実施形態においては、第1条件と第2条件との双方に基づいてガイダンス表示の是非が決定されているが、これに限定されず、一方のみに基づいてガイダンス表示(ガイダンス出力)の是非が決定されてもよい。たとえば、第1条件のみに基づいてガイダンス表示の是非が決定されてもよい。端的に言えば、第2条件は、考慮されなくてもよい。より詳細には、第2条件の充足性に関わらず、第1条件が充足される場合にガイダンス表示が行われてもよい。ただし、上述のように、第2条件もが考慮されることによれば、ガイダンス表示に従った顧客の作業が徒労に終わることを抑制することが可能である。
【0187】
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0188】
<他の区分例>
たとえば、上記各実施形態等においては、荷物のサイズに基づき複数の区分Giに区分され且つ荷物の重量に基づき(同じ)複数の区分Giに区分される態様が例示されている。換言すれば、荷物の重量に基づく複数の区分(重量区分)と荷物のサイズに基づく複数の区分(サイズ区分)とが同じ区分(Gi)である態様が例示されている。謂わば、荷物の重量に基づく複数の区分(重量区分)と荷物のサイズに基づく複数の区分(サイズ区分)とが1対1に対応する態様が例示されている。しかしながら、本発明は、これに限定されない。
【0189】
たとえば、
図17の料金表110Bに示されるように、荷物の重量に基づく複数の区分(重量区分)Ejは、荷物のサイズに基づく複数の区分(サイズ区分)よりも大まかに区分された上で、複数の区分Giに対応づけられてもよい。より具体的には、重量区分E1:「0kg(キログラム)~5kg」、重量区分E2:「5kg~15kg」、重量区分E3:「15kg~25kg」、...などの(より大まかな)複数の区分(重量区分)Ejに区分されてもよい。重量区分E1は、サイズ区分G1,G2の双方に対応する(当該双方に跨がる)区分である。また、重量区分E2は、サイズ区分G3,G4の双方に対応する区分であり、重量区分E3は、サイズ区分G5,G6の双方に対応する区分である。なお、このような態様は、隣接する2つの区分(たとえば、G1,G2)のそれぞれに対して、同じ重量範囲(たとえば「0kg(キログラム)~5kg」)が割り当てられている状況である、とも表現される。
【0190】
ここにおいて、たとえば、重量測定値Vが「10kg」の場合、重量測定値Vは、重量区分E2に対応するとともに、(料金決定用の)区分G3,G4に対応する。
【0191】
ただし、本願では、当該重量区分E2に対応する区分G3,G4のうち、下位側(低額側)の区分G3のみを「重量対応区分」と見做す。このように、重量測定値Vが(料金決定用の)複数の区分Giのうち2以上の区分に対応する場合、当該2以上の区分のうちの最も下位の区分が「重量対応区分」と見做される。その上で、荷物の所属区分が判定される(および「決定要因」が判定される)とともに、上述の第1条件等が判断される。この場合、「決定要因」は、見做し判定後の「重量対応区分」と「サイズ対応区分」との上位下位関係に基づいて決定される。
【0192】
たとえば、
図17の料金表110Bが利用される状況において、重量測定値Vが「12kg」の場合、重量対応区分は(区分G4ではなく)区分G3であるとして特定される(区分G3であると見做される)。
【0193】
そして、サイズ対応区分が区分G4であるとき(サイズ測定値S=118cm等)には、サイズ対応区分G4が重量対応区分G3(見做し区分)よりも上位であり且つ荷物の所属区分はG4である(「決定要因」は荷物の「サイズ」のみである)、と判定される。換言すれば、「決定要因」は荷物の「サイズ」のみであると見做される。それ故、第1条件を充足する旨が判定される。なお、このとき、サイズ変更に伴ってサイズ対応区分が仮に区分G4から区分G3等に変更されると、荷物の所属区分は区分G4よりも下位の区分(G3等)に変更される。
【0194】
また、サイズ対応区分が区分G3であるとき(サイズ測定値S=82cm等)には、サイズ対応区分G3が重量対応区分G3(見做し区分)と同位であり且つ荷物の所属区分はG3である(「決定要因」は荷物の「サイズ」と「重量」との双方である)、と判定される。換言すれば、「決定要因」は荷物の「サイズ」と「重量」との双方であると見做される。それ故、第1条件を充足しない旨が判定される。なお、このとき、サイズ変更に伴ってサイズ対応区分が仮に区分G2に変更されても、荷物の所属区分は変更されず引き続き区分G3である。
【0195】
また本願では、同様に、サイズ測定値Sが(料金決定用の)複数の区分Giのうち2以上の区分に対応する場合、当該2以上の区分のうちの最も下位の区分が「サイズ対応区分」と見做される。その上で、荷物の所属区分が判定される(およびその決定要因が判定される)とともに、上述の第1条件等が判断される。
【0196】
<他の表示例等>
サイズ欄322と重量欄323との一方または双方が太枠線327で囲まれることによって、決定要因(測定値の種類)が報知されているが、これに限定されない。
【0197】
たとえば、決定要因に対応する欄(サイズ欄322と重量欄323との一方または双方)が他の欄とは異なる特定色(青色等)の背景色(および/または文字色)を有するように構成されてもよい。あるいは、決定要因に対応する欄のみ(サイズ欄322と重量欄323との一方または双方)が点滅してもよい。
【0198】
あるいは、サイズ欄322と重量欄323とのうち、決定要因に対応する欄のみが表示され、決定要因に対応しない欄は表示されないように構成されてもよい。たとえば、決定要因が重量のみである場合、重量欄323が表示される一方で、三辺計に関するサイズ欄322は表示されないように構成されてもよい。
【0199】
<音声出力等>
判定処理における判定根拠(決定要因)が表示出力および印刷出力によって報知されているが、これに限定されない。たとえば、表示出力と印刷出力との一方のみによって当該判定根拠が報知されてもよい。あるいは、当該判定根拠が音声出力によって報知されてもよい。
【0200】
第2実施形態におけるガイダンスも同様である。たとえば、当該ガイダンスが、印刷出力されてもよく、音声出力されてもよい。
【0201】
<他の表示部等>
上記各実施形態等では、寸法測定装置10において単一の操作部35(特に表示部35b)が設けられ、当該単一の操作部35の表示部35bを顧客(荷物に関する配送サービス等の顧客)が視認し易いように、当該表示部35bが顧客側を向いて配置されている。
【0202】
しかしながら、これに限定されず、たとえば、2つの表示部35bが設けられてもよい。たとえば、顧客側を向いた表示部35b(35Abとも称する)を有する操作部35(35A)と係員側を向いた表示部35b(35Bb)を有する操作部35(35B)とが別個に設けられてもよい。これによれば、顧客と係員との双方が操作部35を容易に操作すること、特に、顧客と係員との双方が表示部35bの表示内容を容易に視認することが可能である。詳細には、顧客が顧客用の表示部35Abの表示内容(測定値および判定根拠等)を容易に視認するとともに係員が係員用の表示部35Bbの表示内容(測定値および判定根拠等)を容易に視認すること等が可能である。
【0203】
このような表示部35Bb(操作部35B)は、たとえば、表示部35Ab(操作部35A)の裏面に配置されればよい。
【0204】
また、係員用の表示部35Bbは、必ずしも保持部50等の近傍に配置されることを要さず、他の場所(たとえば寸法測定装置10が設置されている店舗のバックヤード、あるいは1ないし複数の無人店舗を遠隔管理する遠隔管理センター)に設けられてもよい。表示部35Bbの表示内容は、ネットワーク通信等を介して寸法算出装置30から伝達されればよい。
【0205】
<その他>
上記各実施形態等では、荷物のサイズとして、幅W、奥行きD、高さHの3辺の合計値(=W+D+H)が用いられているが、これに限定されない。たとえば、荷物のサイズは、幅Wと奥行きDと高さHとのいずれかであってもよく、あるいは、幅Wと奥行きDと高さHとのうちの2つの辺の合計値等であってもよい。
【0206】
また、上記各実施形態等では、サイズ対応区分と重量対応区分とのうち上位側(料金高額側)の区分が、当該荷物の所属区分として判定されているが、これに限定されない。たとえば、逆に、サイズ対応区分と重量対応区分とのうち下位側(料金低額側)の区分が、当該荷物の所属区分として判定されてもよい。
【0207】
なお、上記第2実施形態等では、決定要因が荷物のサイズのみであるか否かに応じて、当該ガイダンスを出力するか否かが変更されている(決定要因が荷物のサイズと重量との双方である場合にはガイダンスが出力されない)が、これに限定されない。決定要因が荷物のサイズと重量との双方である場合にもガイダンスが出力されてもよい。換言すれば、第1条件は、決定要因が荷物のサイズであること、であってもよい。さらには、決定要因が荷物の重量のみである場合にもガイダンスが出力されてもよい。ただし、上述のように第1条件が充足される場合にガイダンスが出力されることが好ましい。
【0208】
また、上記各実施形態においては、荷物の配送元および配送先の情報等が操作部35を用いたユーザ操作によって入力されている(ステップS11(
図5))が、これに限定されない。たとえば、これらの情報(配送元情報および配送先情報等)は、有人窓口79(
図3参照)に来た顧客の求め等に応じて、配送センターの従業員等によって操作部35A(あるいは35B)等を用いて入力されてもよい。また、料金の算出および支払い等についても同様に有人窓口79で行われてもよい。より詳細には、測定結果に基づく区分判定処理およびその判定根拠の報知処理等(たとえば
図5のステップS12~S18)が寸法測定装置10(寸法算出装置30等)によって実行され、その他の処理(配送元情報および配送先情報等の入力、料金の算出および支払、および荷物の受け渡し等)は有人窓口79にて(人手を介して)行われてもよい。
【符号の説明】
【0209】
1 荷物受付システム
10 寸法測定装置
20 3次元カメラ
30 寸法算出装置
40 重量計
80 測定対象物(荷物)
301 表示画面
321,421 各辺寸法欄
322,422 サイズ欄
323,423 重量欄
325,425 区分欄
326 ガイダンス欄
327 (判断根拠を示す)太枠線
401 印刷片
427 (判断根拠を示す)特定記号
Bi 基準値
Gi 区分