(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177411
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20231207BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G03G21/00 520
B41J29/38 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090050
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】金 純杞
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HN15
2H270KA47
2H270LA10
2H270LD05
2H270LD09
2H270MG02
2H270MG04
2H270MG12
2H270NC01
2H270NE03
2H270NE04
2H270ZC04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】画像形成装置への直流電圧の印加を好適に抑制する。
【解決手段】画像形成装置は、駆動部と、検知部と、遮断部材とを備える。駆動部は、交流電力により駆動される。検知部は、駆動部への直流電力の入力を検知する。遮断部材は、検知部の検知結果に基づいて駆動部への電力供給を遮断する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電力により駆動される駆動部と、
前記駆動部への直流電力の入力を検知する検知部と、
前記検知部の検知結果に基づいて前記駆動部への電力供給を遮断する遮断部材と、
を備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記遮断部材は、
前記駆動部への電力供給が行われるオン状態と、前記駆動部への電力供給が行われないオフ状態との間で、変位または姿勢変化可能な機械スイッチと、
前記検知部が直流電力を検知したときに、前記機械スイッチを前記オン状態から前記オフ状態に切り替える操作部と、
を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記操作部は、
前記オン状態が維持可能な第1の姿勢または位置から、前記機械スイッチが前記オフ状態となる第2の姿勢または位置に姿勢変化または変位するように前記機械スイッチを押圧する操作子と、
前記第1の姿勢または位置から、前記第2の姿勢または位置に前記操作子を姿勢変化または変位させるアクチュエータと、
を含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作部は、
前記操作子を前記第2の姿勢または位置側に付勢する付勢部材と、
前記操作子に当接することにより、前記付勢部材の付勢力に抗して前記操作子を第1の姿勢または位置に留めることが可能で、前記アクチュエータにより前記操作子に当接しないように姿勢変化または変位される規制部材と、
をさらに含む、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記操作子は、回転軸を中心として回転することで前記第1の姿勢から、前記第2の姿勢に変化可能であり、
前記付勢部材が前記操作子を付勢する力点と前記回転軸との間の距離が、前記操作子の前記機械スイッチに対する作用点と前記回転軸との間の距離よりも長い、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記操作部は、
側面を有する扇形板状であり、中心軸を中心として回転して前記側面が前記機械スイッチを押圧することにより、前記オン状態が維持可能な第1の姿勢から、前記機械スイッチが前記オフ状態となる第2の姿勢に変化可能な操作子と、
前記操作子の周面と噛合する周面を有するシャフトを有し、前記第1の姿勢から前記第2の姿勢に前記操作子を回転させるアクチュエータと、
を含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、画像形成装置が記載されている。特許文献1に記載の画像形成装置は、過電圧検知回路を備えている。過電圧検知回路は、交流電源から常夜電源部に所定電圧以上の電圧が入力されたことを検知する。特許文献1に記載の画像形成装置には、過電圧検知回路が過電圧を検知した場合に、常夜電源部の電圧の出力を停止させることにより非常夜電源部への電力供給を遮断するトライアックが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像形成装置では、画像形成装置への直流電圧の印加を好適に抑制することが困難な場合がある。
【0005】
本開示の主な目的は、画像形成装置への直流電圧の印加を好適に抑制すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態に係る画像形成装置は、駆動部と、検知部と、遮断部材とを備える。駆動部は、交流電力により駆動される。検知部は、駆動部への直流電力の入力を検知する。遮断部材は、検知部の検知結果に基づいて駆動部への電力供給を遮断する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る画像形成装置の構成を表す模式的正面図である。
【
図2】第1実施形態に係る画像形成装置の定着装置を含む一部分の概略的ブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る画像形成装置の定着装置を含む一部分の概略的ブロック図である。
【
図4】第1実施形態における遮断部材の概略的ブロック図である。
【
図5】第1実施形態における遮断部材の模式的斜視図である。
【
図6】第1実施形態における遮断部材の模式的斜視図である。
【
図7】第1実施形態における遮断部材の模式的側面図である。
【
図8】第1実施形態におけるオン状態の遮断部材の模式的断面図である。
【
図9】第1実施形態におけるオフ状態の遮断部材の模式的断面図である。
【
図10】第2実施形態に係る画像形成装置の定着装置を含む一部分の概略的ブロック図である。
【
図11】第3実施形態における遮断部材の模式図である。
【
図12】第4実施形態における遮断部材の模式図である。
【
図13】第5実施形態における遮断部材の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、以下の実施形態は単なる一例である。本開示は、以下の実施形態に何ら限定されない。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置100の構成を表す模式的正面図である。
【0010】
なお、本開示において、「画像形成装置」とは、紙等の物体の上に画像を形成する装置のことをいう。画像形成装置には、例えば、プリンタ、コピア等が含まれる。
【0011】
本実施形態に係る画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を有する所謂複合機である。画像形成装置は、スキャンしたり受信したりした画像データをシート101の上に形成する装置である。シート101の材料、形状等は、画像を形成可能なものであれば特に限定されない。シート101の材料は、例えば、紙、樹脂等であってもよい。
【0012】
画像形成装置100は、筐体110と、画像読み取り装置120と、画像形成部130と、シート供給装置140とを備えている。
【0013】
筐体110は、上面を有する略直方体状である。筐体110の上面は、読み取り面111を含む。
【0014】
画像読み取り装置120は、原稿121に形成された画像を読み取る。画像読み取り装置120は、原稿送り装置(Automatic Document Feeder)122と、画像読取り部123とを有する。
【0015】
原稿送り装置122は、読み取り面111の上に配置されている。原稿送り装置122は、原稿121が読み取り面111上を経由するように載置トレイから排出トレイまで原稿121を送る。
【0016】
画像読取り部123は、筐体110内に配置されている。画像読取り部123は、原稿送り装置122により読み取り面111上に供給された原稿121または読み取り面111上に配置された原稿121に形成された画像を光学的に読み取り、読み取った画像に対応した電子データを取得する。
【0017】
筐体110内には、画像形成部130と、シート供給装置140も配置されている。
【0018】
シート供給装置140は、複数のシート101を格納する。シート供給装置140は、格納された複数のシート101を画像形成部130に1枚ずつ供給する。
【0019】
画像形成部130は、画像読み取り装置120により読み取られた画像をシート101の上に形成する装置である。画像形成部130は、1又は複数の画像ステーション131と、光走査装置132と、1または複数の中間転写ローラ133と、中間転写ベルト134と、二次転写装置135と、定着装置136とを備えている。
【0020】
画像ステーション131には、トナータンクからトナーが供給される。画像ステーション131は、トナー像を形成する。
【0021】
例えば、画像形成装置100がモノクロ画像を形成する装置である場合は、画像形成部130は、ブラックに対応する1の画像ステーション131を有していてもよい。
【0022】
本実施形態では、画像形成部130は、カラー画像を形成する装置である。画像形成部130は、具体的には、相互に異なる色に対応した複数の画像ステーション131を有している。
【0023】
具体的には、画像形成部130は、複数の画像ステーション131は、ブラック(B)に対応した画像ステーション131b、シアン(C)に対応した画像ステーション131c、マゼンタ(M)に対応した画像ステーション131m、イエロー(Y)に対応した画像ステーション131yを含む。複数の画像ステーション131b、131c、131m、131yは、それぞれ、各ステーションに対応した相互に異なる色のトナー像を形成する。
【0024】
詳細には、複数の画像ステーション131は、それぞれ、現像装置131Aと、感光体ドラム131Bと、帯電器131Cとを有する。
【0025】
複数の画像ステーション131のそれぞれでは、帯電器131Cによって感光体ドラム131Bの表面が所定の電位に略均一に帯電される。光走査装置132は、画像読み取り装置120において読み取った画像の形状に応じて、帯電した感光体ドラム131Bの表面を露光する。これにより、取得された画像データに対応した静電潜像が感光体ドラム131Bの表面上に形成される。
【0026】
現像装置131Aは、静電潜像を現像する。具体的には、感光体ドラム131Bの上にトナーを供給することにより、静電潜像の形状に対応した形状を有するトナー像を形成する。形成されたトナー像は、複数の画像ステーション131のそれぞれに対応して設けられた中間転写ローラ133により中間転写ベルト134上に転写される。複数の画像ステーション131において形成された相互に異なる色のトナー像が重ねて転写されることによりカラーのトナー像が中間転写ベルト134上に形成される。
【0027】
二次転写装置135は、中間転写ベルト134上に形成されたトナー像をシート101上に転写する装置である。表面にトナー像が形成されたシート101は、定着装置136に搬送される。
【0028】
定着装置136は、トナー像をシート101に定着させる。定着装置136は、定着ローラ136aと、加圧ローラ136bとを有する。これら定着ローラ136aと加圧ローラ136bとの間に、トナー像が形成されたシート101が挿入される。
【0029】
定着ローラ136aは、内部にヒータ136c(
図2を参照。)を有しており、加熱可能に構成されている。加圧ローラ136bは、トナー像が形成されたシート101を定着ローラ136a側に向けて押圧する。トナー像が定着ローラ136aにより加熱されると共に、定着ローラ136aと加圧ローラ136bとにより加熱されたトナー像とシート101とが圧着される。これにより、トナー像がシート101上に定着し、シート101の表面上に画像が形成される。画像が形成されたシート101は、筐体110の外部に排出される。
【0030】
図2及び
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置の定着装置を含む一部分の概略的ブロック図である。
【0031】
図2に示すように、画像形成装置100は、交流電源200と接続される。交流電源200は、画像形成装置100に交流電力を供給する。画像形成装置100は、交流電源200から供給された交流電力によって駆動される。
【0032】
交流電源200は、例えば、直流電力を交流電力に変換して出力するパワーコンディショナーにより構成することができる。交流電源200は、例えば、太陽電池や燃料電池などの発電機に直接接続され、または、蓄電池に接続され、発電機や蓄電池から供給される直流電力を交流電力に変換して出力するものであってもよい。
【0033】
直流電力の交流電力への変換方式は、特に限定されない。パワーコンディショナーは、例えば、変圧器を用いず、コンバーターを用いて直流電力を交流電力に変換するトランスレス方式のパワーコンディショナーであってもよい。つまり、パワーコンディショナーは、直流電力を交流電力に変換するインバーターを有していてもよい。また、パワーコンディショナーは、変圧器を用いて直流電力を交流電力に変換する高周波絶縁トランス方式のパワーコンディショナーであってもよい。
【0034】
以下、本実施形態では、交流電源200が、太陽電池等の発電機や蓄電池に接続されており、直流電力を交流電力に変換して出力するコンバーター方式のパワーコンディショナーにより構成されている例について説明する。
【0035】
例えば、コンバーター方式のパワーコンディショナーでは、直流電流と交流電流とを絶縁させる可能性が必ずしも必要ない。従って、コンバーター方式の場合、パワーコンディショナーの故障時などにおいては、直流電力がパワーコンディショナーから出力される虞がある。
【0036】
つまり、直流電力を変換して交流電力を得る交流電源200では、例えば、故障時などに直流電力が画像形成装置100に対して出力される虞がある。例えば、直流電力だけが出力される虞もあるし、交流電力と直流電力とが混合された電力が出力される虞もある。
【0037】
図2に示すように、画像形成装置100は、メインスイッチ201を有する。メインスイッチ201は、交流電源200に接続される。交流電源200からの電力は、メインスイッチ201を経由して画像形成装置100の他の部品に供給される。例えば、定着装置136などの画像形成装置100の各部品や、当該各部品を制御する制御部202には、メインスイッチ201を経由して交流電源200からの電力が供給される。メインスイッチ201は、交流電源200から画像形成装置100への電力の供給をオン/オフするためのスイッチである。
【0038】
図3に示すように、定着装置136は、メインスイッチ201に接続されている。このため、メインスイッチ201がオン状態のときに、交流電源200からの電力が定着装置136に供給される。定着装置136は、交流電源200から入力される交流電力により駆動される。本実施形態では、この定着装置136が駆動部を構成している。
【0039】
定着装置136は、定着ローラ136aの内部に設けられたヒータ136cと、温度制御部301と、サーモスタット302とを有する。温度制御部301とサーモスタット302とは、ヒータ136cと直列に接続されている。サーモスタット302は、ヒータ136cの温度変化に追随して温度変化する程度にヒータ136cの近傍に配置されている。
【0040】
ヒータ136cの種類は特に限定されない。本実施形態では、ヒータ136cは、抵抗加熱方式のヒータにより構成されている。
【0041】
温度制御部301は、ヒータ136cの温度を制御する。温度制御部301は、例えば、トライアック等により構成することができる。トライアックとは、ゲート端子と一対の入出力端子とを含む3端子の半導体スイッチング素子である。トライアックは、双方向に電流を流すことができる素子である。トライアックは、ゲート端子にトリガ信号が入力されるとオン状態となり、流れる交流電流が0となるとオフ状態となる素子である。ゲート端子へのトリガ信号の入力を制御することにより単位時間あたりにトライアックを流れる電力量調節することができる。
【0042】
サーモスタット302は、サーモスタット302の温度が所定の温度以上になると切断される素子である。例えば、サーモスタット302の温度が高くなりすぎた場合、ヒータ136cの温度も同様に高くなり、ヒータ136cが故障する虞がある。サーモスタット302の温度が所定の温度以上となったときにサーモスタット302が切断されることによりヒータ136cへの電力供給が遮断され、ヒータ136cの発熱が停止する。
【0043】
図3に示すように、制御部202に含まれる検知部303は、駆動部を構成している定着装置136への直流電力の入力を検知する。例えば、検知部303は、定着装置136を含む回路305を流れる直流電流を検知する。
【0044】
正常時は、交流電源200からは交流電力が供給され、直流電力は実質的に供給されない。このため、検知部303は直流電力を検知しない。交流電源200に異常などが生じ、交流電源200から直流電力が出力された際などに検知部303が直流電力を検知する。
【0045】
なお、検知部303は、直流電力を検知できるものであればどのような方式のものであってもよい。検知部303は、例えば、直流電流を検知する電流センサ、直流電圧を検知する電圧センサ等により構成することができる。本実施形態では、検知部303は、具体的には、電流センサにより構成されている。電流センサは、例えば、ホール素子等により構成することができる。
【0046】
画像形成装置100は、遮断部材310をさらに備えている。遮断部材310は、駆動部を構成している定着装置136への電力供給を遮断可能に構成されている。遮断部材310は、検知部303の検出結果に基づいて、定着装置136への電力供給を遮断する。詳細には、遮断部材310は、検知部303が直流電力、あるいは、直流電力に関連するパラメータを検知したときに、定着装置136への電力供給を遮断する。より具体的には、検知部303が直流電力を検知した際に、制御部202は、定着装置136への電力供給を遮断させる遮断信号を遮断部材310に対して出力する。遮断部材310は、遮断信号が入力した際に、定着装置136への電力供給を遮断する。具体的には、遮断部材310は、遮断信号が入力した際に、定着装置136に加え、温度制御部301等の他の部品への電力供給を遮断する。
【0047】
本実施形態では、遮断部材310が設けられているため、定着装置136に直流電流が所定の時間以上流れることを抑制することができる。このため、例えば、サーモスタット302の温度が上昇して切断される前であっても、定着装置136、具体的には、ヒータ136cへの直流電圧の印加を好適に抑制することができる。
【0048】
例えば、画像形成装置が高速機でヒータの温度が高温になる場合は、不所望にサーモスタットが切断されないように、サーモスタットの動作温度を高く設定する必要がある。サーモスタットの動作温度が高い場合、ヒータに直流電圧が印加された場合であっても、即座にサーモスタットが動作するとは必ずしもいえず、サーモスタットが高温になって動作するまでヒータに直流電圧が印加され続ける虞がある。場合によっては、サーモスタットが動作する前に、直流電圧の印加に起因するアーク放電によりサーモスタットが溶着する虞がある。溶着したサーモスタットは正常に動作しない場合がある。
【0049】
本実施形態では、サーモスタット302の温度が低い場合であっても、直流電力が検知されれば定着装置136への電力供給が遅滞なく遮断される。よって、サーモスタット302が溶着する可能性も低い。従って、画像形成装置100を直流電圧の印加から好適に抑制することができる。
【0050】
遮断部材310は、電力供給を遮断できるものであれば特に限定されない。以下、図面を参照して、本実施形態における遮断部材310の構成について詳細に説明する。
【0051】
図4は、第1実施形態における遮断部材310の概略的ブロック図である。
【0052】
本実施形態において、遮断部材310は、機械スイッチを用いて電力供給をオンオフする部材である。ここで、機械スイッチとは、機械的動作によって電気信号の切換を行う部品のことをいう。機械スイッチには、例えば、シーソースイッチ、トグルスイッチ、スライドスイッチ、押しボタンスイッチ等が含まれる。
【0053】
具体的には、
図4に示すように、遮断部材310は、機械スイッチ401と、操作部402とを有する。
【0054】
機械スイッチ401は、回路305上に配置されている。
図4に示す機械スイッチ401の第1の入出力端子401bが、
図3に示すメインスイッチ201に電気的に接続されている。機械スイッチ401の第2の入出力端子401cが、
図3に示す定着装置136に接続されている。
【0055】
機械スイッチ401は、サーモスタット302と、駆動部を構成している定着装置136(
図3を参照。)と電気的に直列に接続されている。機械スイッチ401は、定着装置136への電力供給が行われるオン状態と、定着装置136への電力供給が行われないオフ状態との間を変位または姿勢変化可能である。すなわち、機械スイッチ401が変位または姿勢変化することによりオン状態とオフ状態が切り替えられる。機械スイッチ401をオフ状態に対応した位置または姿勢とすることで定着装置136への電力供給を遮断することができる。
【0056】
操作部402は、機械スイッチ401を操作する。操作部402は、検知部303に接続されている。具体的には、操作部402は、検知部303が定着装置136への直流電力の入力を検知したときに、機械スイッチ401をオン状態からオフ状態に切り替え、定着装置136への電力供給を遮断する。詳細には、検知部303が直流電力を検知すると、制御部202は、操作部402に対して遮断信号を出力する。その遮断信号により操作部402が作動し、操作部402は、機械スイッチ401を操作して機械スイッチ401をオン状態からオフ状態へと変化させる。その結果、定着装置136への電力供給が遮断される。
【0057】
図5は、第1実施形態におけるオン状態の遮断部材310の模式的断面図である。
図6は、第1実施形態における遮断部材310の模式的斜視図である。
図7は、第1実施形態における遮断部材310の模式的側面図である。
図8は、第1実施形態におけるオン状態の遮断部材の模式的断面図である。
図9は、第1実施形態におけるオフ状態の遮断部材の模式的断面図である。
【0058】
次に、
図5~
図9を参照しながら遮断部材310の具体的な構成について詳細に説明する。
【0059】
図6、
図7、
図8及び
図9に示すように、遮断部材310の操作部402は、操作子510と、アクチュエータ520と、筐体530と、揺動部材800及び付勢部材820(
図8及び
図9を参照)とを有する。
【0060】
図5及び
図7に示すように、筐体530は、第1の部分531と、第2の部分532と、第3の部分533とを有する。
【0061】
なお、本実施形態では、板状の第1の部分531に対して垂直な方向における一方側を「上側」とし、他方側を「下側」とする。
【0062】
図8及び
図9に示すように、第1の部分531は、機械スイッチ401が取り付けられる部分である。第1の部分531は、には開口531aが形成されている。開口531aには、機械スイッチ401が取り付けられている。本実施形態において、機械スイッチ401は、シーソースイッチにより構成されている。機械スイッチ401は、ボタン401aを有する。機械スイッチ401は、ボタン401aが開口531aから上側に露出するように筐体530に取り付けられている。
【0063】
ボタン401aは、
図8に示すオン姿勢と、
図9に示すオフ姿勢との間を変化可能である。換言すれば、ボタン401aがオン姿勢とオフ姿勢との間で切り替え可能に構成されている。
【0064】
図8に示すように、オン姿勢では、ボタン401aのアクチュエータ520側部分がアクチュエータ520とは反対側の部分よりも上側に位置している。ボタン401aがオン姿勢であるときに機械スイッチ401がオン状態となり、画像形成装置100の各部が交流電源200に電気的に接続される。オン状態では、
図3に示す定着装置136が交流電源200に電気的に接続される。
【0065】
図9に示すように、オフ姿勢では、ボタン401aのアクチュエータ520とは反対側の部分がボタン401aのアクチュエータ520側の部分よりも上側に位置している。ボタン401aがオフ姿勢であるときに機械スイッチ401がオフ状態となり、画像形成装置100の各部と交流電源200とが電気的に遮断される。オフ状態では、
図3に示す定着装置136も交流電源200から電気的に遮断される。
【0066】
第2の部分532は、第1の部分531の幅方向における一方側部分に接続されている。第2の部分532は、第1の部分531から第1の部分531に対して垂直な方向における一方側(下側)に向かって伸びている。第3の部分533は、第1の部分531の幅方向における他方側部分に接続されている。第3の部分533は、第1の部分531から第1の部分531に対して垂直な方向における一方側(下側)に向かって伸びている。第3の部分533と第2の部分532とは、第1の部分531の幅方向において対向している。
【0067】
図5に示すように、筐体530には、操作子510が回転可能に取り付けられている。操作子510は、回転することにより機械スイッチ401を操作可能に設けられている。操作子510は、
図7及び
図8に示す、機械スイッチ401のオン状態が維持可能な第1の姿勢または位置から、
図7及び
図9に示す、機械スイッチ401がオフ状態となる第2の姿勢または位置に姿勢変化または変位するように機械スイッチ401を押圧する。具体的には、操作子510は、
図8に示すボタン401aに接触していない第1の姿勢から、
図9に示す、ボタン401aに当接してボタン401aをオフ姿勢に維持する第2の姿勢まで回転可能である。
【0068】
詳細には、
図7に示すように、操作子510は、シャフト511を有している。シャフト511は、幅方向(第2の部分532と第3の部分533との対向方向)に沿って伸びている。シャフト511は、筐体530の第2の部分532と第3の部分533のそれぞれに設けられた開口に回転可能に挿入されている。このため、操作子510は、シャフト511を中心として回転可能である。
【0069】
図5、
図7、
図8及び
図9に示すように、操作子510は、第1の部分531の上側に位置する部分512を有している。
図8及び
図9に示すように、部分512は、機械スイッチ401側に突出する突出部512aを有する。突出部512aは、機械スイッチ401、詳細には、ボタン401aのアクチュエータ520側の部分に向かって突出している。
図8に示すオン姿勢から
図9に示すオフ姿勢へと操作子510が回転することにより突出部512aがボタン401aを押圧し、機械スイッチ401がオン状態からオフ状態へと操作される。
【0070】
図8及び
図9に示すように、操作子510と筐体530とは付勢部材820により接続されている。具体的には、操作子510のシャフト511(
図7を参照。)とは反対側の部分と、筐体530の下側部分とが付勢部材820により接続されている。本実施形態では、付勢部材820は、引張応力を発生させる弾性部材により構成されている。具体的には、付勢部材820は、伸びた状態において収縮する方向に引張応力を発生させるバネにより構成されている。
【0071】
図7~
図9に示すアクチュエータ520は、機械スイッチ401のオン状態が維持可能な第1の姿勢または位置から、機械スイッチ401がオフされる第2の姿勢または位置に操作子510を姿勢変化または変位させる。具体的には、本実施形態では、アクチュエータ520は、第1の姿勢から第2の姿勢に操作子510を姿勢変化させる。アクチュエータ520は、操作子510を直接操作するものであってもよいし、他の部材を操作することにより操作子510を間接的に操作するものであってもよい。本実施形態では、アクチュエータ520が間接的に操作子510を操作する例について説明する。
【0072】
アクチュエータ520は、直接または間接的に操作子510を操作可能なものである限りにおいて特に限定されない。アクチュエータ520は、なかでも、直流電力が入力されたときに作動するアクチュエータであることが好ましい。なお、本実施形態では、アクチュエータ520が、ソレノイドにより構成されている例について説明する。アクチュエータ520は、電磁力を発生させる電磁力発生部と、芯521とを有する。芯521は、電磁力発生部に対して相対的に変位可能である。芯521は、電磁力発生部で発生する電磁力により芯521の延びる方向に沿って直線的に変位する。
【0073】
図8及び
図9に示すように、芯521の先端は、揺動部材800に接続されている。本実施形態において、揺動部材800は、規制部材を構成している。揺動部材800は、操作子510に当接することにより、付勢部材820の付勢力に抗して操作子510を第1の姿勢または位置に留めることが可能である。揺動部材800は、アクチュエータ520により操作子510に揺動部材800が当接しないように姿勢変化または変位される。
【0074】
揺動部材800は、軸801を中心として揺動可能に筐体530に取り付けられている。アクチュエータ520の芯521が変位することにより、揺動部材800の上端部810が軸801を中心としてスイングする。
【0075】
図8に示すように、芯521が揺動部材800側に位置している状態では、上端部810が操作子510の下端部に設けられたストッパ部513に当接している。これにより、付勢部材820の弾性力(引張応力)により、操作子510がオフ姿勢となることが抑制され、操作子510のオン姿勢が維持される。
【0076】
図9に示すように、芯521が揺動部材800とは反対側に位置している状態では、上端部810が
図8に示す位置よりもアクチュエータ520側に変位しており、上端部810とストッパ部513とが当接しない。従って、付勢部材820の弾性力(引張応力)によって、
図8に示す姿勢から
図9に示す姿勢まで操作子510が回転し、突出部320がボタン401aを押圧した状態となる。これにより、機械スイッチ401がオフ状態となる。
【0077】
図7及び
図9に示すように、操作子510は、回転軸A1(シャフト511の中心軸)を中心として回転することで第1の姿勢(
図8に示すオン状態を維持する姿勢)または位置から、第2の姿勢(
図9に示すオフ状態とする姿勢)または位置に姿勢変化可能または変位可能に構成されている。付勢部材820が操作子510を付勢する力点と回転軸A1との間の距離L1は、操作子510の機械スイッチ401に対する作用点と回転軸A1との間の距離L2よりも長い。
【0078】
以上説明したように、本実施形態では、遮断部材310は、
図3に示す検知部303の検知結果に基づいて駆動部としての定着装置136への電力供給を遮断する。具体的には、遮断部材310は、検知部303が定着装置136への直流電力の入力を検知した場合に定着装置136への電力供給を遮断する。このため、定着装置136への直流電力の入力を好適に抑制することができる。よって、交流電力により駆動される定着装置136に直流電力が入力されることに起因して定着装置136が故障することを抑制することができる。例えば、サーモスタットによって定着装置に含まれるヒータの温度が所定の温度よりも高くなることを抑制することも考えられる。しかしながら、定着装置に直流電力が入力された場合、サーモスタットが切断される前にサーモスタットが不所望に溶着され、サーモスタットが好適に切断されない場合がある。また、トライアックにより構成された温度制御部301は、直流電力では作動しない。本実施形態では、遮断部材310が設けられているため、サーモスタット302が不所望に溶着した場合であっても、定着装置136への直流電力の入力を高い確実性で遮断することができる。
【0079】
本実施形態では、機械スイッチ401とサーモスタット302とが定着装置136に対して電気的に直列に接続されている。このため、機械スイッチ401がオフされた場合と、サーモスタット302が溶断された場合との両方の場合に定着装置136への電力供給が遮断される。このため、例えば、検知部303により直流電力が検知されて機械スイッチ401がオフされる前であっても、大きな直流電流が流れサーモスタット302の温度が急激に上昇した場合は、サーモスタット302が作動して定着装置136への電力供給が遮断される。このように、大きな直流電流が流れたときにも小さな直流電流が流れたときにも定着装置136への直流電力の入力が抑制される。
【0080】
また、本実施形態では、定着装置136への電力供給をオン/オフする機械スイッチ401が別途に設けられている。このため、機械スイッチ401の設計自由度、配置自由度が高い。例えば、直流電力が入力されることによりアーク放電が生じて不所望に溶接されないように、機械スイッチ401の解放時の接点間距離を十分に大きくすることができる。例えば、機械スイッチ401の解放時の接点間距離を、2mm以上、好ましくは、2.5mm以上、さらに好ましく3mm以上とすることができる。
【0081】
本実施形態では、付勢部材820の付勢力が操作子510を第1の姿勢から第2の姿勢に変化させる。付勢部材820として、電力等により付勢力を得ず、バネやゴム等の弾性部材を用いることにより、電力供給に異常が発生した場合であっても、操作子510に対してスイッチ401を操作するために十分に大きな付勢力を確実に付与することができる。アクチュエータ520が直接操作子510の姿勢を変化させる必要がないため、アクチュエータ520の駆動力が小さい場合であっても、操作子510に大きな付勢力を付与し得る。
【0082】
本実施形態では、付勢部材820が操作子510を付勢する力点と回転軸A1との間の距離L1が、操作子510の機械スイッチ401に対する作用点と回転軸A1との間の距離L2よりも長い。このため、付勢部材820が操作子510に付与する付勢力よりも、操作子510が機械スイッチ401を押圧する力を大きくすることができる。よって、機械スイッチ401を操作するために必要となる、付勢部材820が操作子510に付与する付勢力を小さくすることができる。換言すれば、付勢部材820が操作子510に付与する付勢力を小さくしても機械スイッチ401を操作することができる。従って、付勢部材820の付勢力が強く設定されている場合と比較して、筐体530及び操作子510に求められる機械的強度が低い。その結果、筐体530及び操作子510の設計自由度が高まり、入出力端子操作子510の軽量化を図り得る。
【0083】
以下、本開示を実施した好ましい形態の他の例について説明する。以下の説明において、第1実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。
【0084】
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態に係る画像形成装置の定着装置136を含む一部分の概略的ブロック図である。
【0085】
第1実施形態では、遮断部材310がメインスイッチ201と駆動部としての定着装置136との間に電気的に接続されている例について説明した。但し、本開示は、この構成に限定されない。遮断部材は、駆動部のうち、直流電力が入力されると故障しうる部分の少なくとも一部よりも上流(メインスイッチ201側)に設けられていればよい。例えば、遮断部材310は、定着装置136のヒータ136cよりも上流に設けられていればよい。
【0086】
図10に示すように、本実施形態では、定着装置136の内部に遮断部材310が設けられている。詳細には、定着装置136の内部において、ヒータ136cよりも上流側部分に機械スイッチ401が電気的に接続されている。この場合であっても、第1実施形態と同様に、ヒータ136cへの直流電力の入力を好適に抑制することができる。
【0087】
定着装置136の内部に遮断部材310が設けられている場合、画像形成装置100のユーザは、遮断部材310(詳細には、機械スイッチ401)をオン状態に復帰させる操作を行うことが困難である。このため、本実施形態では、制御部202は、遮断部材310が駆動部としての定着装置136への電力供給を遮断している状態において、所定の条件が満たされれば、遮断部材310を経由して定着装置136への電力供給が再開されるように遮断部材310を操作するものであってもよい。
【0088】
制御部202は、検知部303が直流電流を検知しなくなった後に、定着装置136のヒータ136cへの電力供給が再開されるように遮断部材310を制御してもよい。また、制御部202は、メインスイッチ201間の電圧を検知する電圧検知部をさらに有し、電圧検知部が直流電圧を検知しなくなった後に、定着装置136のヒータ136cへの電力供給が再開されるように遮断部材310を制御してもよい。制御部202は、ユーザからのON指示が、画像形成装置100の操作パネル等に入力された場合に、定着装置136のヒータ136cへの電力供給が再開されるように遮断部310を制御してもよい。
【0089】
また、ヒータ136cへの直流電力の入力は、回路305をいずれかの部分で電気的に切断することにより抑制することができる。よって、ヒータ136cよりも上流側部分に遮断部材310を設けてもよいし、下流側部分に遮断部材310を設けてもよい。
【0090】
なお、本実施形態では、回路305のうち、メインスイッチ201と定着装置136との間に位置する部分への直流電力の入力を検知部303により検知する例について説明した。但し、検知部303による直流電力の検知位置は特に限定されない。検知部303は、ヒータ136cと直列に接続されている任意の部分への直流電力の入力を検知するものであってもよい。
【0091】
第1実施形態では、操作子510を第1の姿勢または位置から第2の姿勢または位置側に付勢する付勢部材820を用いる例について説明した。但し、本開示は、この構成に限定されない。操作部402は、機械スイッチ401を操作可能なものである限りにおいて特に限定されない。以下、操作部の他の構成例について説明する。
【0092】
具体的には、下記の第3~第5実施形態では、機械スイッチ401を操作する操作子にアクチュエータが直接応力を付加して操作子を操作する例について説明する。なお、第3~第5実施形態において、
図3を第1実施形態と共通に参照する。
【0093】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態における遮断部材310の模式図である。
【0094】
図11に示すように、第3実施形態における遮断部材310は、操作子1110と、アクチュエータ1120とを有する。
【0095】
操作子1110は、扇形板状である。すなわち、操作子1110は、平面視が扇形の板状である。なお、扇形には、中心角が180°以上のものも含まれるものとする。
【0096】
操作子1110は、中心軸A2を中心として回転可能に設けられている。中心軸A2は、操作子1110の板面方向に対して垂直な方向に沿って伸びている。平面視において、操作子1110は、中心軸A2側から半径方向の外側に向かって伸びる第1の側面1111及び第2の側面1112と、第1の側面1111と第2の側面1112とを接続している周面1113とを有する。第1の側面1111は、機械スイッチ401のボタン401aと対向している。操作子1110が中心軸A2を中心として回転することによりボタン401aが押圧される。これにより、機械スイッチ401がオン状態からオフ状態となる。
【0097】
アクチュエータ1120は、具体的には、回転するシャフト1121を有する回転子により構成されている。回転子は、例えば、モータにより構成することができる。モータは、例えば所定の回転位置で停止可能なサーボモータであってもよい。
【0098】
シャフト1121の周面1121aと、操作子1110の周面1113とは噛合している。このため、アクチュエータ1120のシャフト1121が回転することにより、操作子1110が回転する。具体的に、本実施形態では、シャフト1121が紙面に向かって視て時計回りに回転する。これにより操作子1110は紙面に向かって視て反時計回りに回転する。これにより、第1の側面1111も反時計回りに回転し、ボタン401aを押圧する。その結果、ボタン401aが、オン状態が維持可能な第1の姿勢から、オフ状態となる第2の姿勢に姿勢変化する。
【0099】
なお、「噛合している」とは、複数の部材が摩擦力等により連動して回転することを意味する。例えば、噛合している2つの部材のそれぞれの周面にギアが形成されており、それぞれのギアが噛み合っていてもよい。また、例えば、噛合している2つのそれぞれの周面同士が摩擦力により実質的にスリップ不能とされていることにより、2つの部材が連動して回転するように構成されていてもよい。
【0100】
本実施形態では、検知部303(
図3を参照。)が直流電力を検知した場合、アクチュエータ1120に電力が供給され、アクチュエータ1120が作動する。その結果、操作子1110が回転し、機械スイッチ401がオフされる。従って、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、定着装置136への直流電力の入力を効果的に抑制することができる。
【0101】
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態における遮断部材310の模式図である。
【0102】
第3実施形態では、オン状態に対応する第1の姿勢のときに第1の側面1111がボタン401aを操作可能である一方、オフ状態に対応する第2の姿勢のときには第1の側面1111がボタン401aを操作不能である例について説明した。すなわち、第3実施形態では、機械スイッチ401をオフ可能である一方、オンすることはできない例について説明した。このような場合、例えば機械スイッチ401を手動で操作することにより、機械スイッチ401を再びオンすることができる。
【0103】
図12に示すように、第4実施形態では、操作子1110は、第1の側面1111と、第3の側面1114とを有する。第1の側面1111は、機械スイッチ401がオン状態のときにボタン401aの操作子1110側に突出している部分と対向している。一方、第3の側面1114は、機械スイッチ401がオフ状態のときにボタン401aの操作子1110側に突出している部分と対向している。操作子1110と機械スイッチ401との対向方向に対して垂直な方向において、回転軸A2は、ボタン401aのうち、オン状態のときに操作子1110側に突出している部分と、オフ状態のときに操作子1110側に突出している部分との間に位置している。このため、アクチュエータ1120により紙面に向かって視たときに時計回りに操作子1110が回転されたときに、第1の側面1111が反時計回りに回転する。その結果、第1の側面1111がオン状態のボタン401aを押圧し、機械スイッチ401がオフ状態となる。アクチュエータ1120により紙面に向かって視たときに反時計回りに操作子1110が回転されたときに、第3の側面1114が時計回りに回転する。その結果、第3の側面1114がオフ状態のボタン401aを押圧し、機械スイッチ401がオン状態となる。
【0104】
第3実施形態でも、第2実施形態と同様に、検知部303(
図3を参照。)が直流電力を検知した場合、アクチュエータ1120に電力が供給され、アクチュエータ1120が作動する。その結果、操作子1110が紙面に向かって視たときに反時計回りに回転し、機械スイッチ401がオフされる。従って、本実施形態でも、第1及び第2実施形態と同様に、定着装置136への直流電力の入力を効果的に抑制することができる。
【0105】
また、本実施形態では、制御部202(
図3を参照。)は、遮断部材310により定着装置136への電力供給がオフされてからの時間をカウントする。制御部202は、定着装置136への電力供給がオフされてからの経過時間が所定の時間以上となったときに遮断部材310に復帰信号を出力する。
【0106】
遮断部材310は、復帰信号が入力されると、アクチュエータ1120は、シャフト1121を紙面に向かって視て反時計回りに回転させる。それに伴い、第3の側面1114が紙面に向かって視て時計回りに回転する。その結果、オフ状態のボタン401aが第3の側面1114により押圧され、機械スイッチ401がオン状態とされる。その際に検知部303が再び直流電力を検知した場合は機械スイッチ401が再びオフされる。一方、検知部303が直流電力を検知しなかった場合は、オン状態が維持される。
【0107】
本実施形態では、直流電力が検知されオフ状態になった後に、手動で操作せずとも自動的にオン状態に復帰し得る。
【0108】
(第5実施形態)
図13は、第5実施形態における遮断部材310の模式図である。
【0109】
第3及び第4実施形態では、操作子1110がアクチュエータ1120と噛合している例について説明した。但し、本開示は、この構成に限定されない。
【0110】
例えば、
図13に示すように、板状の操作子1310がアクチュエータ1120のシャフト1121に固定されていてもよい。
【0111】
本実施形態における遮断部材310の動作は、第4実施形態における遮断部材310の動作と実質的に同様であるため、第4実施形態の記載を引用し、本実施形態における遮断部材310の動作に関する詳細な記載を省略する。
【0112】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、検知部が駆動部としての定着装置への直流電力の入力を検知したときに遮断部材が駆動部への電力供給を遮断する例について説明した。但し、本開示は、この構成に限定されない。例えば、検知部が所定の電圧以上の直流電力または所定の電流以上の直流電力を検知したときに遮断部材が駆動部への電力供給を遮断してもよい。検知部が定着装置への直流電力の入力を検知したとしても、検知した直流電力の単位時間あたりの電力量が十分に小さいときは、遮断部材は駆動部への電力供給を遮断することは必ずしも必要ない。駆動部への悪影響が予想される大きさの直流電力が検知されたときに駆動部の電力供給を遮断してもよい。すなわち、駆動部への直流電力の入力を検知する検知部は、所定の大きさ(例えば、所定の電圧、所定の電流)以上の直流電力の入力を検知するものであってもよい。
【0113】
遮断部材は、駆動部への電力供給を遮断できるものである限りにおいて特に限定されない。例えば、遮断部材は、ヒューズと、そのヒューズに定格電流以上の電流を流してヒューズを切断する切断部材により構成されていてもよい。この場合、切断部材は、例えばヒータにより構成することができる。駆動部への電力供給を遮断するときに、制御部が、切断部材を構成しているヒータを発熱させることにより、ヒューズを加熱して溶断するようにしてもよい。但し、ヒューズを用いた場合、非可逆的になる。従って、再びオン状態に復帰するためには、ヒューズの交換が必要となる。従って、遮断部材は、機械スイッチのように、オン状態とオフ状態との間で可逆的な部材であることが好ましい。
【0114】
例えば、遮断部材は、駆動部の両側の電位を相互に同じにすることにより、駆動部への電力供給を遮断するものであってもよい。
【0115】
また、機械スイッチは、筐体110(
図1を参照。)から露出していて、ユーザが操作可能な位置に設けられていてもよい。
【0116】
第1実施形態では、アクチュエータ520をソレノイド素子により構成する例について説明した。但し、本開示は、この構成に限定されない。アクチュエータは、例えば、油圧シリンダなどにより構成されていてもよい。
【0117】
なお、本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではなく変形可能であり、上記の構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0118】
100 画像形成装置
136 定着装置
136c ヒータ
200 交流電源
303 検知部
310 遮断部材
401 機械スイッチ
402 操作部
510、1110、1310 操作子
520、1120 アクチュエータ
820 付勢部材