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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177434
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20231207BHJP
【FI】
G01R31/26 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090101
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】安達 和広
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AB18
2G003AH10
(57)【要約】
【課題】衝撃や熱などによる応力が加えられたか否かを判定することができる半導体装置を提供すること。
【解決手段】内部回路を含む半導体基板と、内部回路と接続される入出力用端子と、半導体基板と入出力用端子との接触面積よりも半導体基板との接触面積が小さい検査用端子と、を有する半導体チップと、入出力用端子および検査用端子とそれぞれ接続されるワイヤーと、入出力用端子および検査用端子とワイヤーを介して接続される配線基板と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部回路を含む半導体基板と、前記内部回路と接続される入出力用端子と、前記半導体基板と前記入出力用端子との接触面積よりも前記半導体基板との接触面積が小さい検査用端子と、を有する半導体チップと、
前記入出力用端子および前記検査用端子とそれぞれ接続されるワイヤーと、
前記入出力用端子および前記検査用端子と前記ワイヤーを介して接続される配線基板と、を備える、
半導体装置。
【請求項2】
内部回路を含む半導体基板と、前記内部回路と接続される入出力用端子と、前記入出力用端子よりも厚さが小さい検査用端子と、を有する半導体チップと、
前記入出力用端子および前記検査用端子とそれぞれ接続されるワイヤーと、
前記入出力用端子および前記検査用端子と前記ワイヤーを介して接続される配線基板と、を備える、
半導体装置。
【請求項3】
内部回路を含む半導体基板と、前記内部回路と接続される入出力用端子と、検査用端子と、を有する半導体チップと、
前記入出力用端子と接続される第1ワイヤーと、
前記検査用端子と接続される第2ワイヤーと、
前記入出力用端子と前記第1ワイヤーを介して接続され、前記検査用端子と前記第2ワイヤーを介して接続される配線基板と、を備え、
前記検査用端子と前記第2ワイヤーとの接触面積は、前記入出力用端子と前記第1ワイヤーとの接触面積よりも小さい、
半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、記憶装置が設けられた消耗品ユニットが知られている。この記憶装置には、消耗品ユニットのリユース回数が記憶される。また、この記憶装置は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの半導体装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-20315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
消耗品ユニットの使用時や、使用済みの消耗品ユニットの回収時などにおいて、消耗品ユニットは、衝撃を受けたり、高温環境に放置されたりすることがある。消耗品ユニットに衝撃や熱などによる応力が加わると、リユース回数の多少に係わらず、消耗品ユニットに不具合が生じる虞がある。例えば、消耗品ユニットに設けられた記憶装置に衝撃や熱などによる応力が加わると、記憶装置が損傷する虞がある。損傷した記憶装置は、記憶装置の動作確認テストでは正常動作が確認できたとしても、リユースには適さない。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、消耗品ユニットに衝撃や熱による応力が加えられたか否かを判定することができないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
半導体装置は、内部回路を含む半導体基板と、前記内部回路と接続される入出力用端子と、前記半導体基板と前記入出力用端子との接触面積よりも前記半導体基板との接触面積が小さい検査用端子と、を有する半導体チップと、前記入出力用端子および前記検査用端子とそれぞれ接続されるワイヤーと、前記入出力用端子および前記検査用端子と前記ワイヤーを介して接続される配線基板と、を備える。
【0006】
半導体装置は、内部回路を含む半導体基板と、前記内部回路と接続される入出力用端子と、前記入出力用端子よりも厚さが小さい検査用端子と、を有する半導体チップと、前記入出力用端子および前記検査用端子とそれぞれ接続されるワイヤーと、前記入出力用端子および前記検査用端子と前記ワイヤーを介して接続される配線基板と、を備える。
【0007】
半導体装置は、内部回路を含む半導体基板と、前記内部回路と接続される入出力用端子と、検査用端子と、を有する半導体チップと、前記入出力用端子と接続される第1ワイヤーと、前記検査用端子と接続される第2ワイヤーと、前記入出力用端子と前記第1ワイヤーを介して接続され、前記検査用端子と前記第2ワイヤーを介して接続される配線基板と、を備え、前記検査用端子と前記第2ワイヤーとの接触面積は、前記入出力用端子と前記第1ワイヤーとの接触面積よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る半導体装置を備えるインクカートリッジを示す斜め上方からの正面斜視図。
図2図1に示すインクカートリッジの背面斜視図。
図3】回路基板の表面を示す平面図。
図4】回路基板の裏面を示す平面図。
図5図1に示す取り付け部を拡大した部分斜視図。
図6】実施形態1に係る半導体装置の平面図。
図7図6中のA-A線断面図。
図8図6のB1部の位置に相当する平面図。
図9図6のC1部の位置に相当する平面図。
図10】実施形態2に係る半導体装置の平面図。
図11図10中のB-B線断面図。
図12】実施形態3に係る半導体装置の平面図。
図13図12中のC-C線断面図。
図14】実施形態4に係る半導体装置の平面図。
図15図14中のD-D線断面図。
図16】実施形態5に係る半導体装置の平面図。
図17図16のE1部の位置に相当する平面図。
図18図16のF1部の位置に相当する平面図。
図19】実施形態6に係る半導体装置の図16のF1部の位置に相当する平面図。
図20】実施形態7に係る半導体装置の図16のF1部の位置に相当する平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施形態1
まず、実施形態1に係る半導体装置24を備えるインクカートリッジ10について、図1図5を参照して説明し、次に、実施形態1に係る半導体装置24について、図6図9を参照して説明する。
【0010】
インクカートリッジ10は、消耗品ユニットの一例である。インクカートリッジ10は、インクジェット式記録装置のキャリッジに着脱して用いられる。なお、インクカートリッジ10は、インク以外の液体を収容する液体カートリッジにも適用することができる。このような液体カートリッジは、液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に着脱可能に装着される。液体噴射装置としては、例えば、液晶ディスプレイなどのカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射装置、有機ELディスプレイなどの電極形成に用いられる電極材噴射装置、バイオチップの製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置などが挙げられる。
【0011】
図1および図2に示すように、インクカートリッジ10は、カートリッジ本体12と、蓋体14と、を有する。カートリッジ本体12は、図示しない凹部を有する箱状である。この凹部の図示しない開口部は、蓋体14によって覆われる。このようにして、カートリッジ本体12と蓋体14との間に、インクを収容するインク収容部が形成される。
【0012】
カートリッジ本体12には、図示しないインク流路部と、図示しない大気連通部と、が形成される。インク流路部は、インク収容部からインク供給部16へインクを供給するためのインク流路である。大気連通部は、インクカートリッジ10の外部とインク収容部との間の大気の流路である。大気連通部は、インク側通路、大気弁収容部、および大気側通路により構成される。大気連通部は、それぞれを区画する隔壁にフィルム11を熱溶着などの方法で貼着することにより大気と隔離された領域となっている。
【0013】
また、インクカートリッジ10は、インク供給部16と、図示しないインク供給制御部と、係合レバー18と、取り付け部19と、回路基板20と、を有する。
【0014】
インク供給部16は、カートリッジ本体12の下面に配置される。インクカートリッジ10がキャリッジに装着されたとき、キャリッジに設けられたインク供給針がインク供給部16に挿入される。インク供給針がインク供給部16に挿入されることにより、インクを噴射する記録ヘッドとインク供給針との間に設けられるインク流路を介して、インク収容部に収容されているインクが、記録ヘッドに供給される。インク供給部16は、インク供給針が挿入される挿入口を有するエラストマーなどから形成されたシール部材と、シール部材の挿入口を塞ぐ供給弁と、供給弁をシール部材に向けて付勢するコイルスプリングなどからなる付勢部材とを有する。なお、シール部材の挿入口には、工場出荷時において、フィルム13が貼り付けられている。
【0015】
インク供給制御部は、インクの消費に伴って発生するインク収容部とインク供給部16との圧力差を調整する差圧弁と、差圧弁を閉じるように付勢するコイルスプリングを備える。
【0016】
係合レバー18は、カートリッジ本体12の側面の上部に形成される。インクカートリッジ10がキャリッジに装着されたとき、係合レバー18は、キャリッジと係合する。
【0017】
取り付け部19は、カートリッジ本体12における係合レバー18と反対側の側面の下方に配置される。取り付け部19には、複数の端子21と、記憶装置としての半導体装置24と、を有する回路基板20が取り付けられる。
インクカートリッジ10がキャリッジに装着されたとき、取り付け部19の側面がキャリッジに形成されたリブにより規制されることにより、回路基板20の端子21と、キャリッジに設けられる弾性接点と、が当接する。
【0018】
図3および図4に示すように、回路基板20は、平板状の基板23と、複数の端子21と、半導体装置24と、半導体装置24を被覆するモールド樹脂25と、を有する。
【0019】
基板23は、例えば、プリント基板である。基板23は、表面23Aと、表面23Aとは反対側の裏面23Bと、を有する。表面23Aは、回路基板20をカートリッジ本体12に固定したとき、カートリッジ本体12の外部に露出する面である。
表面23Aには、複数の端子21が配置される。裏面23Bには、半導体装置24が配置される。端子21と、半導体装置24と、は基板23に設けられる図示しない配線により、電気的に接続される。これにより、端子21を介して、半導体装置24に電気的に接続することができる。例えば、端子21を介して、半導体装置24を電源や接地電位に接続したり、記憶装置としての半導体装置24に対して各種の情報の記憶や読み出しなどを行うことができる。
【0020】
記憶装置としての半導体装置24は、インクカートリッジ10およびインクに関する情報を記憶する。半導体装置24は、基板23の表面23Aに露出した複数の端子21を介して、インクジェット式記録装置本体との間でこれらの情報を受け渡す。
半導体装置24に記憶する情報としては、例えば、インクカートリッジ10の製造年月日、インクカートリッジ10の種類、インクカートリッジ10が保持するインクの色、インク残量、キャリッジに対して着脱された回数、リユース回数などがある。
【0021】
また、基板23には、カートリッジ本体12の取り付け部19に固定されるための位置決め用凹部である貫通孔27と切り欠き部28とが形成される。
【0022】
図5に示すように、回路基板20は、取り付け部19に形成された取り付け凹部30に嵌め込まれて固定される。回路基板20が取り付け部19に固定されたとき、回路基板20の表面23Aは、カートリッジ本体12の外部に露出している。
取り付け凹部30は、基板23を収容するために基板23より僅かに大きく形成された底部31と、底部31の外縁から立設された壁部32と、により形成される。底部31には、基板23に形成された貫通孔27および切り欠き部28にそれぞれ対応する位置に、位置決め用凸部としてのピン34およびリブ36が立設されている。ピン34およびリブ36が、それぞれ貫通孔27と切り欠き部28との内側にそれぞれ挿入されることにより、回路基板20の位置決めが行われる。また、底部31の中央部分には、基板23の裏面23Bに設けられる半導体装置24と、半導体装置24を被覆するモールド樹脂25と、を収容する空間33が設けられる。
【0023】
取り付け凹部30に嵌め込まれた回路基板20は、貫通孔27および切り欠き部28から基板23の表面23A側に突出したピン34の頂部35およびリブ36の頂部37を熱により軟化させて基板23に向けて押圧することにより熱加締めがなされ、取り付け凹部30内に固定される。なお、ピン34とリブ36を位置決めのためだけに用いて熱加締めを行わず、基板23の裏面23Bと底部31とを接着剤により固定しても構わない。
【0024】
このように構成されたインクカートリッジ10は、インクジェット式記録装置によって印刷が行われ、インクが徐々に消費されていく。インクの残量は、適時、半導体装置24に記憶される。そして、半導体装置24に記憶されているインク残量がゼロになり、インクジェット式記録装置がその情報を読み取ると、インクジェット式記録装置を駆動するコンピューターにインク切れのメッセージ等が表示され、ユーザーに報知される。これにより、ユーザーはインク切れとなったインクカートリッジ10をインクジェット式記録装置のキャリッジから取り外す。
インク切れとなったインクカートリッジ10は、使用済みのインクカートリッジとして、インクカートリッジ10の製造、販売を行うメーカーやベンダーにより回収される。インクカートリッジ10を回収したメーカーやベンダーは、回収されたインクカートリッジ10を検査し、回収されたインクカートリッジ10がリユースに適する状態であるか否かを判定する。回収されたインクカートリッジ10がリユースに適する状態であると判定されたとき、インクカートリッジ10は再整備され、未使用のインクカートリッジに準じる状態に仕上げられ、再び市場に流通される。
【0025】
ところで、インクカートリッジ10の使用時や、インクカートリッジ10の回収時などにおいて、インクカートリッジ10は、衝撃を受けたり、高温環境に放置されたりすることがある。そのため、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加わり、インクカートリッジ10に不具合が生じることがある。
例えば、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24に加わると、半導体装置24が損傷することがある。損傷した半導体装置24は、半導体装置24の動作確認テストでは正常動作が確認できたとしても、半導体装置24の寿命が低下している虞がある。そのため、衝撃や熱などによる応力が加えられた半導体装置24は、リユースには適さない。
【0026】
そこで、インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたか否かを判定し、インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたと判定されたとき、損傷した可能性がある半導体装置24を、正常な半導体装置24に交換する。
このように、損傷した可能性がある半導体装置24を正常な半導体装置24に交換することにより、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0027】
半導体装置24について、図6図9を参照して説明する。
【0028】
図6および図7に示すように、半導体装置24は、半導体チップ40と、配線基板60と、半導体チップ40と配線基板60とを電気的に接続する導電性のワイヤー70と、半導体チップ40とワイヤー70とを被覆するモールド樹脂90と、を有する。なお、説明の都合上、図6では、モールド樹脂90を透過して図示している。
【0029】
半導体チップ40は、半導体基板42と、入出力用端子44と、検査用端子46と、を有する。半導体チップ40は、例えば、IC(Integrated Circuit)チップである。
【0030】
半導体基板42には、各種の信号処理を行なう内部回路48が形成される。換言すると、半導体基板42は、内部回路48を含む。
内部回路48は、インクカートリッジ10およびインクに関する情報を記憶する記憶回路と、記憶回路などを制御する制御回路と、を有する。内部回路48が記憶回路を有することにより、半導体装置24は、インクカートリッジ10およびインクに関する情報を記憶する記憶装置として機能する。
【0031】
半導体基板42は、平板状であり、上面42Aと下面42Bとを有する。
半導体基板42の上面42Aには、入出力用端子44と、検査用端子46と、が配置される。詳細には、本実施形態では、半導体基板42の上面42Aには、複数の入出力用端子44と、1つの検査用端子46と、が配置される。
【0032】
入出力用端子44は、内部回路48と電気的に接続される。
入出力用端子44は、電源に接続される端子、接地電位に接続される端子、内部回路48に各種の信号を入力するための端子、内部回路48から各種の信号を出力するための端子などを含む。内部回路48に入出力される各種の信号は、インクカートリッジ10およびインクに関する情報を含む。
入出力用端子44のうち、接地電位に接続される端子を接地端子44Aとも言う。
【0033】
検査用端子46は、半導体基板42に設けられる配線50を介して、接地端子44Aと電気的に接続される。
【0034】
配線基板60は、リードフレームである。配線基板60としてのリードフレームは、ダイパッド62と、複数のリード64と、を有する。なお、配線基板60は、リードフレームに限らない。例えば、配線基板60は、インターポーザー基板でも構わない。
【0035】
ダイパッド62には、半導体基板42が固定される。詳細には、ダイパッド62の上面と、半導体基板42の下面42Bと、の間に配置される図示しない接着部材を介して、ダイパッド62の上面と半導体基板42の下面42Bとが機械的に接続される。
【0036】
リード64と、入出力用端子44および検査用端子46と、は導電性のワイヤー70を介して、電気的に接続される。つまり、リード64と、入出力用端子44および検査用端子46と、はワイヤーボンディングにより、接合される。
導電性のワイヤー70は、例えば、金、アルミニウム、銅により形成される。
【0037】
ワイヤー70は、入出力用端子44とリード64とを電気的に接続する第1ワイヤー71と、検査用端子46とリード64とを電気的に接続する第2ワイヤー72と、を有する。第1ワイヤー71と、第2ワイヤー72と、を区別する必要がないとき、第1ワイヤー71と第2ワイヤー72とをまとめてワイヤー70と言う。
【0038】
第1ワイヤー71は、その一端において入出力用端子44と接合し、他端においてリード64と接合する。また、第2ワイヤー72は、その一端において検査用端子46と接合し、他端においてリード64と接合する。
【0039】
図7に示すように、入出力用端子44と接合される側の第1ワイヤー71の一端を、第1ワイヤー71の端子接合部74とも言う。また、検査用端子46と接合される側の第2ワイヤー72の一端を、第2ワイヤー72の端子接合部76とも言う。換言すると、入出力用端子44と接合される側の第1ワイヤー71の一端には、端子接合部74が形成され、検査用端子46と接合される側の第2ワイヤー72の一端には、端子接合部76が形成される。
【0040】
周知のワイヤーボンディング技法としては、ボールボンディングと、ウエッジボンディングと、がある。本実施形態では、ボールボンディングを用いて、リード64と、入出力用端子44および検査用端子46と、を電気的に接続している。ただし、ウエッジボンディングを用いて、リード64と、入出力用端子44および検査用端子46と、を電気的に接続しても構わない。
また、本実施形態では、ワイヤー70と入出力用端子44および検査用端子46との接合をファーストボンディングで行い、ワイヤー70とリード64との接合をセカンドボンディングで行う。ただし、ワイヤー70とリード64との接合をファーストボンディングで行い、ワイヤー70と入出力用端子44および検査用端子46との接合をセカンドボンディングで行っても構わない。
【0041】
図8および図9は、それぞれ入出力用端子44および検査用端子46を半導体基板42の上面42A側から見た平面図である。説明の都合上、図8では、第1ワイヤー71の端子接合部74を透過して図示し、端子接合部74以外の第1ワイヤー71の図示を省略している。図9では、第2ワイヤー72の端子接合部76を透過して図示し、端子接合部76以外の第2ワイヤー72の図示を省略している。
【0042】
図8に示すように、本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、入出力用端子44は、正方形状である。
入出力用端子44の下面全体が、半導体基板42の上面42Aと接合している。そのため、入出力用端子44と半導体基板42との接触面積S1は、入出力用端子44の下面全体の面積と等しい。
【0043】
図9に示すように、本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46は、正方形状である。詳細には、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46は、入出力用端子44と比べ、各辺の長さが短い正方形状である。
検査用端子46の下面全体が、半導体基板42の上面42Aと接合している。そのため、検査用端子46と半導体基板42との接触面積S2は、検査用端子46の下面全体の面積と等しい。
【0044】
半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46は、入出力用端子44と比べ、各辺の長さが短い正方形状であるため、入出力用端子44と半導体基板42との接触面積S1よりも、検査用端子46と半導体基板42との接触面積S2は、小さくなる。
【0045】
なお、本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、入出力用端子44および検査用端子46は、正方形状であるが、入出力用端子44および検査用端子46は、正方形状以外の形状でも構わない。つまり、接触面積S1よりも接触面積S2が小さくなる限りにおいて、入出力用端子44および検査用端子46は、任意の形状であって構わない。
【0046】
入出力用端子44と半導体基板42との接触面積S1よりも、検査用端子46と半導体基板42との接触面積S2を小さくすることにより、入出力用端子44と半導体基板42との接合強度よりも、検査用端子46と半導体基板42との接合強度は小さくなる。
そのため、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたとき、入出力用端子44と比べ、検査用端子46は、半導体基板42との接合面が破壊され易い。
【0047】
検査用端子46と半導体基板42との接合面が破壊されると、検査用端子46と半導体基板42との間の電気的特性が変化する。詳細には、検査用端子46と半導体基板42との接合面が破壊されると、検査用端子46が半導体基板42から剥離する。検査用端子46が半導体基板42から剥離すると、検査用端子46と、半導体基板42に設けられた配線50と、の接続部の接続状態が変化する。検査用端子46と配線50との接続部の接続状態が変化すると、検査用端子46と配線50との間の電気的特性が変化する。例えば、検査用端子46と配線50との接続部の接続状態が変化すると、検査用端子46と配線50との間の電気抵抗が高くなる。なお、電気抵抗が高くなるとは、検査用端子46と配線50との接続部において検査用端子46と配線50とが断線し、非導通状態になることを含む。この電気的特性の変化を検出することにより、検査用端子46と半導体基板42との接合面に破壊が生じているか否かを判定することができる。換言すると、この電気的特性の変化を検出することにより、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24に加えられたか否かを判定することができる。さらに換言すると、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたか否かを判定することができる。
【0048】
ここで、検査用端子46と配線50との間の電気的特性を測定する方法について、説明する。
【0049】
上述したように、本実施形態では、検査用端子46は、半導体基板42に設けられる配線50を介して、接地端子44Aと電気的に接続している。検査用端子46は、第2ワイヤー72を介して、リード64に電気的に接続している。接地端子44Aは、第1ワイヤー71を介して、リード64に電気的に接続している。つまり、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、は第2ワイヤー72、検査用端子46、配線50、および接地端子44Aを介して、電気的に接続している。換言すると、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、の間には、検査用端子46と配線50との接続部を含む電気的導通路が形成されている。
【0050】
検査用端子46と半導体基板42との接合面が破壊されると、検査用端子46と配線50との接続部を含む電気的導通路、すなわち、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と接地端子44Aに電気的に接続されるリード64との間に形成される電気的導通路の電気抵抗が高くなる。
【0051】
インクカートリッジ10を製造するメーカーは、インクカートリッジ10の製造時において、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、に図示しない測定装置を接続する。
本実施形態では、半導体装置24は、回路基板20に実装されており、この測定装置は、回路基板20に配置される端子21を介して、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、に接続される。
【0052】
この測定装置は、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、の間に形成される電気的導通路の電気的導通度を測定する。詳細には、この測定装置は、電気抵抗を測定する。この計測装置には、電気抵抗の測定に必要な電力の供給を行う電源を含めても構わない。なお、電気抵抗の測定には、所定の電圧または電流を供給したときの電流または電圧を測定する場合も含まれる。
【0053】
この測定装置により測定された電気抵抗値、すなわち、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と接地端子44Aに電気的に接続されるリード64との間の電気抵抗値が、所定の値以下であるとき、リード64と、入出力用端子44および検査用端子46と、の間のワイヤーボンディングは正常に行われたと判定する。所定の値は、例えば、1nΩである。
【0054】
使用済みのインクカートリッジ10を回収したメーカーやベンダーは、回収したインクカートリッジ10の再整備時において、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、に図示しない測定装置を接続する。
この測定装置は、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、の間に形成される電気的導通路の電気的導通度を測定する。詳細には、この測定装置は、電気抵抗を測定する。
【0055】
上述したように、本実施形態では、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたとき、入出力用端子44と比べ、検査用端子46は、半導体基板42との接合面が破壊され易くなっている。そして、検査用端子46と半導体基板42との接合面が破壊されると、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、の間の電気抵抗が高くなる。
そのため、この測定装置により測定された電気抵抗値、すなわち、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と接地端子44Aに電気的に接続されるリード64との間の電気抵抗値が、所定の閾値以上であるとき、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24に加えられたと判定する。所定の閾値は、例えば、1MΩである。
【0056】
このようにして、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24に加えられたか否かを判定することができる。換言すると、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたか否かを判定することできる。
【0057】
衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられていないと判定されたときは、インクカートリッジ10の外観検査や半導体装置24の動作確認テストなどを行い、インクカートリッジ10がリユースに適した状態であるか否かを判定する。インクカートリッジ10がリユースに適した状態であると判定されると、インクカートリッジ10の再整備が行われる。
【0058】
衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたと判定されたときは、回収されたインクカートリッジ10に設けられた半導体装置24は損傷している可能性がある。そのため、回収されたインクカートリッジ10に設けられた半導体装置24は、正常な半導体装置24に交換される。詳細には、回収されたインクカートリッジ10に装着された回路基板20が取り外され、正常な半導体装置24が実装されている回路基板20がインクカートリッジ10に取り付けられる。
【0059】
本実施形態では、回収されたインクカートリッジ10に設けられた半導体装置24を、正常な半導体装置24に交換した後に、インクカートリッジ10の外観検査や半導体装置24の動作確認テストなどを行い、インクカートリッジ10がリユースに適した状態であるか否かを判定する。インクカートリッジ10がリユースに適した状態であると判定されると、インクカートリッジ10の再整備が行われる。
【0060】
上述したように、インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたと判定されたとき、損傷した可能性がある半導体装置24は、正常な半導体装置24に交換される。これにより、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0061】
なお、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたと判定されたときは、インクカートリッジ10を構成する半導体装置24以外の部品にも損傷が生じている虞がある。したがって、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたと判定されたときは、そのインクカートリッジ10をリユース対象から除外することにしても構わない。この場合、衝撃や熱による応力が加えられたと判定されたインクカートリッジ10は分解され、インクカートリッジ10を構成する部品単位でのリユース、あるいはリサイクルが行われる。
【0062】
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
半導体装置24は、内部回路48を含む半導体基板42と、内部回路48と接続される入出力用端子44と、半導体基板42と入出力用端子44との接触面積S1よりも半導体基板42との接触面積S2が小さい検査用端子46と、を有する半導体チップ40と、入出力用端子44および検査用端子46とそれぞれ接続されるワイヤー70と、入出力用端子44および検査用端子46とワイヤー70を介して接続される配線基板60と、を備える。
これにより、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24に加えられたか否かを判定することができる。また、このような半導体装置24をインクカートリッジ10に設けることにより、インクカートリッジ10に衝撃や熱による応力が加えられたか否かを判定することができる。
【0063】
また、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24に加えられたか否かを判定することができるので、回収されたインクカートリッジ10を再整備するときに、損傷した可能性がある半導体装置24を、正常な半導体装置24に交換することができる。そのため、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0064】
また、配線基板60が有する2つのリード64の間の電気抵抗を測定するだけなので、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24に加えられたか否かを容易に判定することができる。
【0065】
2.実施形態2
次に、実施形態2に係る半導体装置24aについて、図10および図11を参照して説明する。
実施形態2の半導体装置24aは、実施形態1と比べ、半導体基板42の上面42Aに検査用端子46に加え、さらに検査用端子46aが配置されることや、検査用端子46と接地端子44Aとを接続する配線50に代わり、検査用端子46と検査用端子46aとを接続する配線50aが半導体基板42に設けられていること以外は、実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
図10および図11に示すように、半導体基板42の上面42Aには、複数の入出力用端子44と、2つの検査用端子46,46aと、が配置される。
検査用端子46と、検査用端子46aと、は半導体基板42に設けられる配線50aを介して、互いに電気的に接続される。
【0067】
検査用端子46aは、第2ワイヤー72を介して、リード64と電気的に接続される。なお、検査用端子46aが電気的に接続されるリード64と、検査用端子46が電気的に接続されるリード64と、はそれぞれ異なる。
【0068】
本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46aは、正方形状である。詳細には、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46aは、検査用端子46と互いに寸法が同じ正方形状である。つまり、検査用端子46aと半導体基板42との接触面積は、検査用端子46と半導体基板42との接触面積S2と等しい。換言すると、入出力用端子44と半導体基板42との接触面積S1よりも、検査用端子46aと半導体基板42との接触面積は、小さくなる。
【0069】
そのため、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたとき、入出力用端子44と比べ、検査用端子46,46aは、半導体基板42との接合面が破壊され易い。
【0070】
検査用端子46,46aと半導体基板42との接合面が破壊されると、検査用端子46,46aと半導体基板42との間の電気的特性が変化する。詳細には、検査用端子46,46aと配線50aとのそれぞれの接続部の接続状態が変化し、検査用端子46,46aと配線50aとの間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化を検出することにより、検査用端子46,46aと半導体基板42との接合面に破壊が生じているか否かを判定することができる。換言すると、この電気的特性の変化を検出することにより、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24aに加えられたか否かを判定することができる。
【0071】
検査用端子46,46aと配線50aとの間の電気的特性を測定する方法について、説明する。
【0072】
検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、検査用端子46aに電気的に接続されるリード64と、は第2ワイヤー72、検査用端子46,46a、および配線50aを介して、電気的に接続している。換言すると、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、検査用端子46aに電気的に接続されるリード64と、の間には、検査用端子46と配線50aとの接続部および検査用端子46aと配線50aとの接続部を含む電気的導通路が形成されている。
【0073】
使用済みのインクカートリッジ10を回収したメーカーやベンダーは、回収したインクカートリッジ10の再整備時において、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、検査用端子46aに電気的に接続されるリード64と、に図示しない測定装置を接続する。
この測定装置は、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と、検査用端子46aに電気的に接続されるリード64と、の間に形成される電気的導通路の電気的導通度を測定する。詳細には、この測定装置は、電気抵抗を測定する。
【0074】
この測定装置により測定された電気抵抗値、すなわち、検査用端子46に電気的に接続されるリード64と検査用端子46aに電気的に接続されるリード64との間の電気抵抗値が、所定の閾値以上であるとき、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24aに加えられたと判定する。所定の閾値は、例えば、1MΩである。
【0075】
このようにして、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24aに加えられたか否かを判定することができる。換言すると、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたか否かを判定することできる。
【0076】
インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたと判定されたとき、損傷した可能性がある半導体装置24aは、正常な半導体装置24aに交換される。これにより、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0077】
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0078】
なお、本実施形態では、検査用端子46aと半導体基板42との接触面積は、検査用端子46と半導体基板42との接触面積S2と等しいが、検査用端子46aと半導体基板42との接触面積は、接触面積S2と異なっていても構わない。つまり、検査用端子46aと半導体基板42との接触面積と、検査用端子46と半導体基板42との接触面積S2と、のうち、少なくとも一方の接触面積が、入出力用端子44と半導体基板42との接触面積S1よりも小さければ、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0079】
3.実施形態3
次に、実施形態3に係る半導体装置24bについて、図12および図13を参照して説明する。
実施形態3の半導体装置24bは、実施形態1と比べ、検査用端子46に代わり、検査用端子46bが配置されることや、入出力用端子44に代わり、入出力用端子44bが配置されること以外は、実施形態1と同様である。検査用端子46bは、検査用端子46と比べ、半導体基板42との接触面積が異なる。詳細には、検査用端子46bと半導体基板42との接触面積は、入出力用端子44bと半導体基板42との接触面積と、は同じである。また、入出力用端子44bの厚さt1は、検査用端子46bの厚さt2よりも大きくなっている。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0080】
図12および図13に示すように、本実施形態では、半導体基板42の上面42Aには、複数の入出力用端子44bと、1つの検査用端子46bと、が配置される。
【0081】
入出力用端子44bは、内部回路48と電気的に接続される。
入出力用端子44bのうち、接地電位に接続される端子を接地端子44Abとも言う。
【0082】
検査用端子46bは、半導体基板42に設けられる配線50を介して、接地端子44Abと電気的に接続される。
【0083】
リード64と入出力用端子44bとは、第1ワイヤー71を介して、電気的に接続される。リード64と検査用端子46bとは、第2ワイヤー72を介して、電気的に接続される。
【0084】
本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、入出力用端子44bおよび検査用端子46bは、互いに寸法が同じ正方形状である。つまり、入出力用端子44bと半導体基板42との接触面積と、検査用端子46bと半導体基板42との接触面積と、は同じである。なお、入出力用端子44bおよび検査用端子46bは、正方形状以外の形状でも構わない。
【0085】
図13に示すように、入出力用端子44bの厚さt1は、検査用端子46bの厚さt2よりも、大きい。換言すると、検査用端子46bの厚さt2は、入出力用端子44bの厚さt1よりも、小さい。
【0086】
検査用端子46bの厚さt2を入出力用端子44bの厚さt1よりも小さくすることにより、入出力用端子44bと第1ワイヤー71の端子接合部74との接合強度よりも、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合強度は小さくなる。
詳細には、検査用端子46bの厚さt2を入出力用端子44bの厚さt1よりも小さくすることにより、入出力用端子44bと第1ワイヤー71の端子接合部74との接合面における入出力用端子44bの変形よりも、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面における検査用端子46bの変形は、小さくなる。そのため、例えば、入出力用端子44bおよび検査用端子46bのそれぞれの表面に酸化膜が形成されていたとき、入出力用端子44bの表面に形成される酸化膜に比べ、検査用端子46bの表面に形成される酸化膜は、破壊され難くなる。したがって、入出力用端子44bと第1ワイヤー71の端子接合部74との接合強度よりも、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合強度は小さくなる。
【0087】
そのため、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたとき、入出力用端子44bと第1ワイヤー71の端子接合部74との接合面と比べ、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面は破壊され易い。
【0088】
検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面が破壊されると、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化を検出することにより、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面に破壊が生じているか否かを判定することができる。換言すると、この電気的特性の変化を検出することにより、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24bに加えられたか否かを判定することができる。
【0089】
検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との間の電気的特性を測定する方法について、説明する。
【0090】
上述したように、本実施形態では、検査用端子46bは、配線50を介して、接地端子44Abと電気的に接続している。つまり、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Abに電気的に接続されるリード64と、は第2ワイヤー72、検査用端子46b、配線50、および接地端子44Abを介して、電気的に接続している。換言すると、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Abに電気的に接続されるリード64と、の間には、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面を含む電気的導通路が形成されている。
【0091】
使用済みのインクカートリッジ10を回収したメーカーやベンダーは、回収したインクカートリッジ10の再整備時において、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Abに電気的に接続されるリード64と、に図示しない測定装置を接続する。
この測定装置は、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Abに電気的に接続されるリード64と、の間に形成される電気的導通路の電気的導通度を測定する。詳細には、この測定装置は、電気抵抗を測定する。
【0092】
この測定装置により測定された電気抵抗値、すなわち、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と接地端子44Abに電気的に接続されるリード64との間の電気抵抗値が、所定の閾値以上であるとき、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24bに加えられたと判定する。所定の閾値は、例えば、1MΩである。
【0093】
このようにして、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24bに加えられたか否かを判定することができる。換言すると、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたか否かを判定することできる。
【0094】
インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたと判定されたとき、損傷した可能性がある半導体装置24bは、正常な半導体装置24bに交換される。これにより、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0095】
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
半導体装置24bは、内部回路48を含む半導体基板42と、内部回路48と接続される入出力用端子44bと、入出力用端子44bよりも厚さt2が小さい検査用端子46bと、を有する半導体チップ40と、入出力用端子44bおよび検査用端子46bとそれぞれ接続されるワイヤー70と、入出力用端子44bおよび検査用端子46bとワイヤー70を介して接続される配線基板60と、を備える。
これにより、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0096】
4.実施形態4
次に、実施形態4に係る半導体装置24cについて、図14および図15を参照して説明する。
実施形態4の半導体装置24cは、実施形態3と比べ、半導体基板42に代わり、半導体基板42cを有することや、入出力用端子44bに代わり、入出力用端子44cが配置されること以外は、実施形態3と同様である。半導体基板42cは、絶縁膜421を有する。入出力用端子44cは、複数の電極を有する。複数の電極を積層することにより、入出力用端子44cの厚さは、検査用端子46bの厚さt2よりも大きくなっている。
なお、上述した実施形態3と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
図14および図15に示すように、半導体基板42cは、絶縁膜421を有する。
絶縁膜421は、半導体基板42cの上面42A側に設けられる。本実施形態では、半導体基板42cの上面42A側に絶縁膜421が設けられることにより、絶縁膜421の上面が半導体基板42cの上面42Aとなる。
【0098】
入出力用端子44cは、複数の電極を有する。後述するように、入出力用端子44cは、複数の電極が半導体基板42cの厚さ方向に沿って積層して配置された多層構造となっている。詳細には、入出力用端子44cは、2つの電極を有する、2つの電極のうち、一方は、第1電極441であり、他方は、第2電極442である。
【0099】
第1電極441は、半導体基板42cの上面42A、すなわち、絶縁膜421の上面に配置される。
第2電極442は、半導体基板42cの厚さ方向に沿って、第1電極441の下方に配置される。第1電極441と、第2電極442と、は半導体基板42cの上面42A側から見た平面視で、重なるように配置される、つまり、入出力用端子44cは、第1電極441と第2電極442とが半導体基板42cの厚さ方向に沿って積層して配置される。
【0100】
第1電極441と第2電極442とが半導体基板42cの厚さ方向に沿って積層して配置されることにより、入出力用端子44cの厚さは、第1電極441の厚さと第2電極442の厚さとの和となる。
また、本実施形態では、第1電極441と第2電極442とが半導体基板42の厚さ方向に沿って積層して配置されている入出力用端子44cの厚さは、検査用端子46bの厚さt2(図13参照)よりも大きい。換言すると、検査用端子46bの厚さt2は、入出力用端子44cの厚さよりも、小さい。
【0101】
第1電極441と、第2電極442と、は絶縁膜421を挟んで配置される。第1電極441と、第2電極442と、は絶縁膜421を半導体基板42cの厚さ方向に貫通する複数の貫通電極52により電気的に接続される。なお、本実施形態では、第1電極441と第2電極442とは絶縁膜421を挟んで配置され、貫通電極52により電気的に接続されているが、絶縁膜421および貫通電極52は無くても構わない。つまり、第1電極441と第2電極442とは半導体基板42の厚さ方向に沿って積層して配置されていれば構わない。例えば、第2電極442の上面に第1電極441が配置され、第1電極441の下面と第2電極442の上面とが機械的および電気的に接続されていても構わない。
【0102】
入出力用端子44cは、内部回路48と電気的に接続される。詳細には、入出力用端子44cが有する第2電極442と内部回路48とは、半導体基板42cに設けられる図示しない配線を介して、電気的に接続される。
入出力用端子44cのうち、接地電位に接続される端子を接地端子44Acとも言う。
【0103】
接地端子44Acは、半導体基板42に設けられる配線50を介して、検査用端子46bと電気的に接続される。詳細には、配線50は、接地端子44Acが有する第2電極442と電気的に接続される。
【0104】
リード64と入出力用端子44cとは、第1ワイヤー71を介して、電気的に接続される。詳細には、リード64と、入出力用端子44cが有する第1電極441と、は第1ワイヤー71を介して、電気的に接続される。
【0105】
本実施形態では、半導体基板42cの上面42A側から見た平面視で、入出力用端子44cが有する第1電極441および第2電極442と、検査用端子46bと、は互いに寸法が同じ正方形状である。なお、第1電極441、第2電極442、および検査用端子46bは、正方形状以外の形状でも構わない。
【0106】
上述したように、検査用端子46bの厚さt2は、入出力用端子44cの厚さよりも、小さい。
【0107】
検査用端子46bの厚さt2を入出力用端子44cの厚さよりも小さくすることにより、入出力用端子44cと第1ワイヤー71の端子接合部74との接合強度よりも、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合強度は小さくなる。
【0108】
そのため、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたとき、入出力用端子44cと第1ワイヤー71の端子接合部74との接合面と比べ、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面は破壊され易い。
【0109】
検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面が破壊されると、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化を検出することにより、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面に破壊が生じているか否かを判定することができる。換言すると、この電気的特性の変化を検出することにより、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24cに加えられたか否かを判定することができる。
【0110】
使用済みのインクカートリッジ10を回収したメーカーやベンダーは、回収したインクカートリッジ10の再整備時において、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Acに電気的に接続されるリード64と、に図示しない測定装置を接続する。
この測定装置は、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Acに電気的に接続されるリード64と、の間に形成される電気的導通路の電気的導通度を測定する。詳細には、この測定装置は、電気抵抗を測定する。
【0111】
この測定装置により測定された電気抵抗値、すなわち、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と接地端子44Acに電気的に接続されるリード64との間の電気抵抗値が、所定の閾値以上であるとき、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24cに加えられたと判定する。所定の閾値は、例えば、1MΩである。
【0112】
このようにして、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24cに加えられたか否かを判定することができる。換言すると、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたか否かを判定することできる。
【0113】
インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたと判定されたとき、損傷した可能性がある半導体装置24cは、正常な半導体装置24cに交換される。これにより、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0114】
なお、本実施形態では、入出力用端子44cは、2つの電極、すなわち、第1電極441および第2電極442を有するが、3つ以上の電極を有していても構わない。つまり、入出力用端子44cは、2つの電極が半導体基板42cの厚さ方向に沿って積層して配置された構造に限らず、3つ以上の電極が半導体基板42cの厚さ方向に沿って積層して配置された構造でも構わない。
【0115】
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態3と同様な効果を得ることができる。
【0116】
5.実施形態5
次に、実施形態5に係る半導体装置24dについて、図16図17、および図18を参照して説明する。
実施形態5の半導体装置24dは、実施形態1と比べ、検査用端子46に代わり、検査用端子46bが配置されることや、第2ワイヤー72の一端には端子接合部76に代わり、端子接合部76dが形成されること以外は、実施形態1と同様である。検査用端子46bは、実施形態3と同様に、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、入出力用端子44bと寸法が同じ正方形状である。第2ワイヤー72の端子接合部76dと検査用端子46bとの接触面積S5は、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも、小さい。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0117】
図16に示すように、本実施形態では、半導体基板42の上面42Aには、複数の入出力用端子44と、1つの検査用端子46bと、が配置される。
【0118】
検査用端子46bは、半導体基板42に設けられる配線50を介して、接地端子44Aと電気的に接続される。
【0119】
本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、入出力用端子44および検査用端子46bは、互いに寸法が同じ正方形状である。なお、入出力用端子44および検査用端子46bは、正方形状以外の形状でも構わない。
【0120】
リード64と入出力用端子44とは、第1ワイヤー71を介して、電気的に接続される。リード64と検査用端子46bとは、第2ワイヤー72を介して、電気的に接続される。
【0121】
本実施形態では、第1ワイヤー71と入出力用端子44とをワイヤーボンディングにより接合するときのボンディング条件と、第2ワイヤー72と検査用端子46とをワイヤーボンディングにより接合するときのボンディング条件と、が異なる。ワイヤーボンディングにより接合するときのボンディング条件とは、例えば、ワイヤー70を入出力用端子44および検査用端子46に接合するときの圧力、超音波の出力エネルギー、超音波の印加時間、温度などである。
【0122】
図17および図18に示すように、本実施形態では、第1ワイヤー71と入出力用端子44とを接合するときのボンディング条件と、第2ワイヤー72と検査用端子46とを接合するときのボンディング条件と、を異なる条件とすることにより、第2ワイヤー72の端子接合部76dと検査用端子46bとの接触面積S5を第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも小さくしている。なお、説明の都合上、図17では、第1ワイヤー71の端子接合部74を透過して図示し、端子接合部74以外の第1ワイヤー71の図示を省略している。図18では、第2ワイヤー72の端子接合部76を透過して図示し、端子接合部76以外の第2ワイヤー72の図示を省略している。
【0123】
詳細には、例えば、第1ワイヤー71と入出力用端子44とを接合するときの圧力に比べ、第2ワイヤー72と検査用端子46とを接合するときの圧力を小さくすることにより、第2ワイヤー72の端子接合部76dと検査用端子46bとの接触面積S5を第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも小さくすることができる。また、例えば、第1ワイヤー71と入出力用端子44とを接合するときの超音波の印加時間に比べ、第2ワイヤー72と検査用端子46とを接合するときの超音波の印加時間を短くすることにより、第2ワイヤー72の端子接合部76dと検査用端子46bとの接触面積S5を第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも小さくすることができる。なお、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4を、第1ワイヤー71と入出力用端子44との接触面積S4とも言い、第2ワイヤー72の端子接合部76dと検査用端子46bとの接触面積S5を、第2ワイヤー72と検査用端子46bとの接触面積S5とも言う。
【0124】
第2ワイヤー72の端子接合部76dと検査用端子46bとの接触面積S5を、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも小さくすることにより、入出力用端子44と第1ワイヤー71の端子接合部74との接合強度よりも、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76dとの接合強度は小さくなる。
【0125】
そのため、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたとき、入出力用端子44と第1ワイヤー71の端子接合部74との接合面と比べ、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面は破壊され易い。
【0126】
検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面が破壊されると、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化を検出することにより、検査用端子46bと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面に破壊が生じているか否かを判定することができる。換言すると、この電気的特性の変化を検出することにより、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24dに加えられたか否かを判定することができる。
【0127】
使用済みのインクカートリッジ10を回収したメーカーやベンダーは、回収したインクカートリッジ10の再整備時において、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、に図示しない測定装置を接続する。
この測定装置は、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、の間に形成される電気的導通路の電気的導通度を測定する。詳細には、この測定装置は、電気抵抗を測定する。
【0128】
この測定装置により測定された電気抵抗値、すなわち、検査用端子46bに電気的に接続されるリード64と接地端子44Aに電気的に接続されるリード64との間の電気抵抗値が、所定の閾値以上であるとき、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24dに加えられたと判定する。所定の閾値は、例えば、1MΩである。
【0129】
このようにして、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24dに加えられたか否かを判定することができる。換言すると、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたか否かを判定することできる。
【0130】
インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたと判定されたとき、損傷した可能性がある半導体装置24dは、正常な半導体装置24dに交換される。これにより、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0131】
以上述べた通り、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
半導体装置24dは、内部回路48を含む半導体基板42と、内部回路48と接続される入出力用端子44と、検査用端子46bと、を有する半導体チップ40と、入出力用端子44と接続される第1ワイヤー71と、検査用端子46bと接続される第2ワイヤー72と、入出力用端子44と第1ワイヤー71を介して接続され、検査用端子46bと第2ワイヤー72を介して接続される配線基板60と、を備え、検査用端子46bと第2ワイヤー72との接触面積S5は、入出力用端子44と第1ワイヤー71との接触面積S4よりも小さい。
これにより、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0132】
6.実施形態6
次に、実施形態6に係る半導体装置24eについて、図19を参照して説明する。
実施形態6の半導体装置24eは、実施形態1と比べ、検査用端子46に代わり、検査用端子46eが配置されること以外は、実施形態1と同様である。半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46eと、第2ワイヤー72の端子接合部76の一部と、が重なるように、検査用端子46eは配置される。これにより、第2ワイヤー72の端子接合部76と検査用端子46eとの接触面積S5eは、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも、小さくなる。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0133】
図19に示すように、検査用端子46eは、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、長方形状である。なお、説明の都合上、図19では、第2ワイヤー72の端子接合部76を透過して図示し、端子接合部76以外の第2ワイヤー72の図示を省略している。
【0134】
半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46eと、第2ワイヤー72の端子接合部76の一部と、が重なるように、検査用端子46eは配置される。換言すると、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、第2ワイヤー72と検査用端子46eとは、第2ワイヤー72の端子接合部76の一部が検査用端子46eと重なるように、接合される。
【0135】
半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46eと、第2ワイヤー72の端子接合部76の一部と、が重なるように、検査用端子46eを配置することにより、第2ワイヤー72の端子接合部76と検査用端子46eとの接触面積S5eは、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4(図17参照)よりも、小さくなる。
【0136】
第2ワイヤー72の端子接合部76と検査用端子46eとの接触面積S5eを、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも小さくすることにより、入出力用端子44と第1ワイヤー71の端子接合部74との接合強度よりも、検査用端子46eと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合強度は小さくなる。
【0137】
そのため、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたとき、入出力用端子44と第1ワイヤー71の端子接合部74との接合面と比べ、検査用端子46eと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面は破壊され易い。
【0138】
検査用端子46eと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面が破壊されると、検査用端子46eと第2ワイヤー72の端子接合部76との間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化を検出することにより、検査用端子46eと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面に破壊が生じているか否かを判定することができる。換言すると、この電気的特性の変化を検出することにより、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24eに加えられたか否かを判定することができる。
【0139】
使用済みのインクカートリッジ10を回収したメーカーやベンダーは、回収したインクカートリッジ10の再整備時において、検査用端子46eに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、に図示しない測定装置を接続する。
この測定装置は、検査用端子46eに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、の間に形成される電気的導通路の電気的導通度を測定する。詳細には、この測定装置は、電気抵抗を測定する。
【0140】
この測定装置により測定された電気抵抗値、すなわち、検査用端子46eに電気的に接続されるリード64と接地端子44Aに電気的に接続されるリード64との間の電気抵抗値が、所定の閾値以上であるとき、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24eに加えられたと判定する。所定の閾値は、例えば、1MΩである。
【0141】
このようにして、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24eに加えられたか否かを判定することができる。換言すると、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたか否かを判定することできる。
【0142】
インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたと判定されたとき、損傷した可能性がある半導体装置24eは、正常な半導体装置24eに交換される。これにより、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0143】
なお、本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46eは、長方形状であるが、検査用端子46は、長方形状以外の形状でも構わない。つまり、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46eと第2ワイヤー72の端子接合部76の一部とが重なるように検査用端子46eが配置されて、接触面積S4よりも接触面積S5eが小さくなる限りにおいて、検査用端子46eは、任意の形状であって構わない。
【0144】
また、本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、第2ワイヤー72の端子接合部76のうち、検査用端子46eと重ならない部分は、検査用端子46eから離れた位置で、半導体基板42と接合している。図19中、領域S10は、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、第2ワイヤー72の端子接合部76が、検査用端子46eから離れた位置で半導体基板42と接合している領域を示す。
【0145】
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0146】
7.実施形態7
次に、実施形態7に係る半導体装置24fについて、図20を参照して説明する。
実施形態7の半導体装置24fは、実施形態1と比べ、検査用端子46に代わり、検査用端子46fが配置されること以外は、実施形態1と同様である。半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46fと、第2ワイヤー72の端子接合部76の一部と、が重なるように、検査用端子46fは配置される。これにより、第2ワイヤー72の端子接合部76と検査用端子46fとの接触面積S5fは、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも、小さくなる。
なお、上述した実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0147】
図20に示すように、検査用端子46fは、第1検査用電極461と、第2検査用電極462と、を有する。半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、第1検査用電極461と、第2検査用電極462と、は互いに離間して配置される。つまり、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、第1検査用電極461と、第2検査用電極462と、の間には間隙が形成される。なお、説明の都合上、図20では、第2ワイヤー72の端子接合部76を透過して図示し、端子接合部76以外の第2ワイヤー72の図示を省略している。
【0148】
本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、第1検査用電極461と、第2検査用電極462と、は互いに寸法が同じ長方形状である。第1検査用電極461が有する長辺と、第2検査用電極462が有する長辺と、は対向して配置される。つまり、第1検査用電極461が有する長辺と、その長辺に対向して配置される第2検査用電極462が有する長辺と、の間には間隙が形成される。
【0149】
半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46fと、第2ワイヤー72の端子接合部76の一部と、が重なるように、検査用端子46fは配置される。換言すると、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、第2ワイヤー72と検査用端子46fとは、第2ワイヤー72の端子接合部76の一部が検査用端子46fと重なるように、接合される。詳細には、第2ワイヤー72の端子接合部76は、第1検査用電極461と第2検査用電極462とに跨るように配置される。これにより、第2ワイヤー72の端子接合部76と検査用端子46fとの接触面積S5fは、第2ワイヤー72の端子接合部76と第1検査用電極461との接触面積S51と、第2ワイヤー72の端子接合部76と第2検査用電極462との接触面積S52と、の和となる。
【0150】
また、本実施形態では、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、第1検査用電極461と第2検査用電極462との間に形成される間隙において、第2ワイヤー72の端子接合部76は、検査用端子46fおよび半導体基板42とは接触していない。ただし、第1検査用電極461と第2検査用電極462との間に形成される間隙において、第2ワイヤー72の端子接合部76は、半導体基板42と接触しても構わない。
【0151】
半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46fと、第2ワイヤー72の端子接合部76の一部と、が重なるように、検査用端子46fを配置することにより、第2ワイヤー72の端子接合部76と検査用端子46fとの接触面積S5fは、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4(図17参照)よりも、小さくなる。
【0152】
第2ワイヤー72の端子接合部76と検査用端子46fとの接触面積S5fを、第1ワイヤー71の端子接合部74と入出力用端子44との接触面積S4よりも小さくすることにより、入出力用端子44と第1ワイヤー71の端子接合部74との接合強度よりも、検査用端子46fと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合強度は小さくなる。
【0153】
そのため、衝撃や熱などによる応力がインクカートリッジ10に加えられたとき、入出力用端子44と第1ワイヤー71の端子接合部74との接合面と比べ、検査用端子46fと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面は破壊され易い。
【0154】
検査用端子46fと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面が破壊されると、検査用端子46fと第2ワイヤー72の端子接合部76との間の電気的特性が変化する。この電気的特性の変化を検出することにより、検査用端子46fと第2ワイヤー72の端子接合部76との接合面に破壊が生じているか否かを判定することができる。換言すると、この電気的特性の変化を検出することにより、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24fに加えられたか否かを判定することができる。
【0155】
使用済みのインクカートリッジ10を回収したメーカーやベンダーは、回収したインクカートリッジ10の再整備時において、検査用端子46fに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、に図示しない測定装置を接続する。
この測定装置は、検査用端子46fに電気的に接続されるリード64と、接地端子44Aに電気的に接続されるリード64と、の間に形成される電気的導通路の電気的導通度を測定する。詳細には、この測定装置は、電気抵抗を測定する。
【0156】
この測定装置により測定された電気抵抗値、すなわち、検査用端子46fに電気的に接続されるリード64と接地端子44Aに電気的に接続されるリード64との間の電気抵抗値が、所定の閾値以上であるとき、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24fに加えられたと判定する。所定の閾値は、例えば、1MΩである。
【0157】
このようにして、衝撃や熱などによる応力が半導体装置24fに加えられたか否かを判定することができる。換言すると、衝撃や熱による応力がインクカートリッジ10に加えられたか否かを判定することできる。
【0158】
インクカートリッジ10に衝撃や熱などによる応力が加えられたと判定されたとき、損傷した可能性がある半導体装置24fは、正常な半導体装置24fに交換される。これにより、再整備されたインクカートリッジ10の信頼性が向上する。
【0159】
なお、第1検査用電極461および第2検査用電極462の形状は、長方形以外の形状でも構わない。つまり、半導体基板42の上面42A側から見た平面視で、検査用端子46fと第2ワイヤー72の端子接合部76の一部とが重なるように検査用端子46fが配置されて、接触面積S4よりも接触面積S5fが小さくなる限りにおいて、第1検査用電極461および第2検査用電極462は、任意の形状であって構わない。
【0160】
以上述べた通り、本実施形態によれば、実施形態1と同様な効果を得ることができる。
【0161】
以上、半導体装置24~24fについて、実施形態1~実施形態7に基づいて説明した。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていても構わない。また、各実施形態を適宜組み合わせても構わない。また、本開示における「同じ」および「等しい」は、製造ばらつきを含む概念であり、製造ばらつきの範囲内で異なっていても構わない。
【符号の説明】
【0162】
10…インクカートリッジ、20…回路基板、24,24a,24b,24c,24d,24e,24f…半導体装置、40…半導体チップ、42,42c…半導体基板、44,44b,44c…入出力用端子、44A,44Ab,44Ac…接地端子、46,46a,46b,46e,46f…検査用端子、48…内部回路、50,50a…配線、60…配線基板、62…ダイパッド、64…リード、70…ワイヤー、71…第1ワイヤー、72…第2ワイヤー、74…端子接合部、76,76d…端子接合部、S1…接触面積、S2…接触面積、S4…接触面積、S5…接触面積、S5e…接触面積、S5f…接触面積、t1…厚さ、t2…厚さ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20