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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177442
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】車両情報サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0283 20230101AFI20231207BHJP
【FI】
G06Q30/02 490
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090119
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安田 宏通
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】適正なタイミングでユーザに車両の売却の検討を促す。
【解決手段】車両に関する情報と、中古車市場で取引される中古車価格の相場のデータベースとしての相場データベースと、に基づいて、車両を中古車市場で売却する際の売却価格の参考値としての価格参考値を設定し、設定した価格参考値を車両に送信する車両情報サーバであって、算出した価格参考値の変動量が所定変動量を超えているとき、または、算出した価格参考値の変動量が所定変動量を超えることが予想されたときには、価格参考値が変動していることおよび価格参考値の変動の要因の情報を車両に送信する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に関する情報と、中古車市場で取引される中古車価格の変動額のデータベースとしての相場データベースと、に基づいて、前記車両を前記中古車市場で売却する際の売却価格の参考値としての価格参考値を設定し、設定した前記価格参考値を前記車両に送信する車両情報サーバであって、
算出した前記価格参考値の変動量が所定変動量を超えているとき、または、算出した前記価格参考値の前記変動量が前記所定変動量を超えることが予想されたときには、前記価格参考値が変動していることおよび前記価格参考値の変動の要因の情報を前記車両に送信する、
車両情報サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両情報サーバに関し、詳しくは、車両のユーザによる車両の管理に用いられる情報を送信する車両情報サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両情報サーバとしては、車両(車)の車検履歴を含む車情報および相場価格とに基づいて車両を売却するときの売買価格を算出して所定のデータベースに登録し、車両のユーザにより売却希望がなされたときには売買価格を出力するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このサーバでは、こうした構成により、適切なタイミングでの売買価格を出力しているとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-153335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の車両情報サーバでは、車両のユーザが売却を希望することがない場合、売買価格が出力されることはない。そのため、車両のユーザは、売却を希望しない限り車両の売買価格を認識することができず、売却のタイミングを逸することがある。
【0005】
本発明の車両情報サーバは、適正なタイミングでユーザに車両の売却の検討を促すことを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両情報サーバは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の車両情報サーバは、
車両に関する情報と、中古車市場で取引される中古車価格の変動額のデータベースとしての相場データベースと、に基づいて、前記車両を前記中古車市場で売却する際の売却価格の参考値としての価格参考値を設定し、設定した前記価格参考値を前記車両に送信する車両情報サーバであって、
算出した前記価格参考値の変動量が所定変動量を超えているとき、または、算出した前記価格参考値の前記変動量が前記所定変動量を超えることが予想されたときには、前記価格参考値が変動していることおよび前記価格参考値の変動の要因の情報を前記車両に送信する、
ことを要旨とする。
【0008】
この本発明の車両サーバでは、算出した価格参考値の変動量が所定変動量を超えているとき、または、算出した前記価格参考値の前記変動量が前記所定変動量を超えることが予想されたときには、価格参考値が変動していることおよび価格参考値の変動の要因の情報を車両に送信する。これにより、適正なタイミングでユーザに車両の売却の検討を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例としての車両サーバを備える中古車取引システム20の構成の概略を示す構成図である。
図2】ディスプレイ28の表示の一例を示す説明図である。
図3】データ解析サーバ30、車両22のECU24、中古車情報サーバ32で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図4】メッセージ282の表示の一例を示す説明図である。
図5】車両22のECU24、中古車情報サーバ32、販売店サーバ34で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図6】車両22のECU24、中古車情報サーバ32、販売店サーバ34で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例0011】
図1は、本発明の一実施例としての車両情報サーバを備える中古車取引システム20の構成の概略を示す構成図である。実施例の中古車取引システム20は、車両22と、データ解析サーバ30と、中古車情報サーバ(車両情報サーバ)32と、中古車販売店サーバ(以下、「販売店サーバ」という)34と、携帯端末36と、を備える。実施例では、中古車情報サーバ32が「車両情報サーバ」に相当する。
【0012】
車両22は、走行用の動力源としてエンジンが搭載された自動車として構成されており、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)24と、DCM(Data Communication Module)26と、を備える。なお、走行用の動力源としては、モータなどを用いてもよい。エンジンは、点火プラグや、排気系に取り付けられたGPF(ガソリンパティキュレートフィルタ)、吸気系に取り付けられたターボチャージャー、スロットルバルブの開度を調整するスロットルモータなどを備える。
【0013】
ECU24は、周知のマイクロコンピュータとして構成されており、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートなどを備える。ECU24は、各種センサからの信号、車両22の総走行距離を計測するオドメータからの総走行距離Dtなどが入力ポートを介して入力されている。ECU24からは、エンジンやタッチパネルとして構成されたディスプレイ28などを制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。
【0014】
ECU24は、車両22の年式や車体色、サンルーフ等の純正メーカーオプションの装着の有無をROMに記憶すると共に、内外装の状態や修復歴の情報をフラッシュメモリに記憶している。
【0015】
ECU24は、法定点検などで定期的に交換する部品について、前回交換した時期をフラッシュメモリに記憶している。定期的に検査して交換する部品としては、例えば、エンジンオイルやオイルフィルタ、エンジンの冷却系を循環するLLC、タイヤなどを挙げることができる。
【0016】
ECU24は、不定期に交換する部品について、各部品の使用頻度の分布をフラッシュメモリに記憶している。不定期に交換する部品としては、例えば、エンジンの点火プラグやGPF、スロットルモータ、ターボチャージャーなどを挙げることができる。使用頻度の分布は、車両22が製造されてからの所定時間毎(例えば、数msec毎)の各部品の劣化に関連するパラメータのヒストグラムを作成し、そのヒストグラムをフラッシュメモリに記憶している。例えば、点火プラグの使用頻度の分布の場合、車両22が製造されてからの所定時間毎(例えば、数msec毎)のエンジンの運転ポイント(エンジンの回転数と負荷率(エンジンの1サイクル当たりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の割合)とから定まるポイント)のヒストグラムを作成し、そのヒストグラムをフラッシュメモリに記憶している。
【0017】
ECU24は、ディスプレイ28に所定の表示がなされるようディスプレイ28を制御する。図2は、ディスプレイ28の表示の一例を示す説明図である。ディスプレイ28には、タブ280が表示されており、タブ280には「価値表示」と記載されている。タブ280が押下されると、ディスプレイ28からECU24にタブ押下信号Spushが出力される。
【0018】
DCM26は、車両22の情報をデータ解析サーバ30や中古車情報サーバ32、販売店サーバ34に送信したり、データ解析サーバ30や中古車情報サーバ32、販売店サーバ34からの各種情報を受信したりする。
【0019】
データ解析サーバ30は、データ管理センタに設置された周知のコンピュータとして構成されており、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、記憶装置(例えば、HDDやSSDなど)、入出力ポート、通信ポートなどを備える。データ解析サーバ30は、車両22や中古車情報サーバ32と有線通信または無線通信により情報をやりとりする。
【0020】
中古車情報サーバ32は、中古車取引システムを運用する企業に設置された周知のコンピュータとして構成されており、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、記憶装置(例えば、HDDやSSDなど)、入出力ポート、通信ポートなどを備える。中古車情報サーバ32は、車両22やデータ解析サーバ30、販売店サーバ34と有線通信または無線通信により情報をやりとりする。
【0021】
販売店サーバ33は、中古車販売店に設置された周知のコンピュータとして構成されており、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、記憶装置(例えば、HDDやSSDなど)、入出力ポート、通信ポートなどを備える。販売店サーバ33は、車両22や中古車情報サーバ32、携帯端末36と有線通信または無線通信により情報をやりとりする。販売店サーバ33には、中古車販売プログラムなどの各種プログラムがインストールされている。中古車販売プログラムは、販売する中古車の情報を販売店内の図示しない情報端末に表示したり、販売する中古車の情報を含むウェブページを更新したりするプログラムである。
【0022】
携帯端末36は、スマートフォンやタブレット端末などとして構成されている。携帯端末36は、車両22のユーザとは異なるユーザに携帯されており、販売店サーバ34と無線通信により情報をやりとりする。携帯端末40には、中古車購入用のアプリケーションなどの各種アプリケーションがインストールされている。中古車購入用のアプリケーションは、販売店サーバ33により更新されたウェブページにアクセスして、販売されている中古車の情報を携帯端末36に表示するためのアプリケーションである。
【0023】
次に、こうして構成された中古車取引システム20の動作について説明する。図3は、データ解析サーバ30、車両22のECU24、中古車情報サーバ32で実行される処理の一例を示すフローチャートである。これらの処理は、所定時間毎に実行される。
【0024】
最初に、車両22のECU24は、ROMに記憶されている車両データDatavをデータ解析サーバ30に送信する(ステップS100)。車両データDatavは、車両22の中古車価格に影響を与える複数のデータのセットである。車両22の中古車価格に影響を与えるデータとしては、車両22の年式や車体色、サンルーフ等の純正メーカーオプションの装着の有無、内外装の状態や修復歴の情報、車両22の総走行距離Dt、法定点検などで定期的に交換する部品の前回交換した時期、不定期に交換する部品の使用頻度の分布(ヒストグラム)などを挙げることができる。
【0025】
車両データDatavを受信したデータ解析サーバ30は、受信した車両データDatavを用いて車両価値情報Imfvを作成し、作成した車両価値情報Imfvを中古車情報サーバ32に送信して(ステップS110)、処理を終了する。車両価値情報Imfvには、車両情報と、車両22の健康状態情報と、が含まれる。車両情報としては、車両22の年式や車体色、サンルーフ等の純正メーカーオプションの装着の有無、内外装の状態や修復歴の情報、車両22の総走行距離Dtなどが含まれる。車両22の健康状態情報としては、法定点検などで定期的に交換する部品の前回交換した時期や不定期に交換する部品の余寿命が含まれる。不定期に交換する部品の余寿命は、その部品の使用頻度の分布と、車両22の現在のユーザが車両22を今後使用した場合の当該部品の使用頻度の分布の予測モデルと、に基づいて、当該部品が交換推奨状態に至るまでに要する走行距離として残走行距離を推定し、推定した残走行距離を余寿命とする。
【0026】
車両価値情報Imfvを受信した中古車情報サーバ32は、相場データベースDBを入力する(ステップS120)。相場データベースDBは、現在の中古車取引市場において車両22を売却したときに売却価格が変動する要素(例えば、限定車であるか否か、限定グレードであるか否か、人気車種であるか否かなど)と変動額の相場のデータベースであり、現在の中古車市場における取引の実績や流通事情により変動する。例えば、車両22が限定車であるときには、限定車でない場合に比して、中古車価格が増額されることがある。
【0027】
続いて、車両22を中古車として販売したときの価格の参考値としての価格参考値Pssを演算する(ステップS130)。価格参考値Pssは、車両情報に基づく基準価格Pvbに、中古車市場の取引の実績や流通事情による変動値Pv1を加えると共に、車両22の健康状態に基づく変動値Pv2を加えることで演算される。
【0028】
基準価格Pvbは、車両22の個体に拘わらず車両22の種類が同一であれば変動しない基本の価格要素であり、車両22の年式と総走行距離Dtとに基づいて定められる第1価格Pr1に、純正メーカーオプションの取り付けの有無に基づく第2価格Pr2を加えると共に、内外装の状態や修復の規模に基づく第3価格Pr3を加えた価格(=Pr1+Pr2+Pr3)として設定される。第1価格Pr1は、車両22の年式が古いときには新しいときに比して安くなり、総走行距離Dtが長いときには短いときに比して安くなるように設定される。第2価格Pr2は、純正メーカーオプションが取り付けられていないときには取り付けられているときに比して安くなるように設定される。第3価格Pr3は、内外装の状態が悪いときには良いときに比して安くなり、車両22の過去の修復の規模が大きいときには小さいときに比して安くなるように設定される。第2、第3価格Pr2、Pr3は、減額する場合は、負の値に設定される。
【0029】
変動値Pv1は、車両22の個体に応じて中古車取引市場の相場によって変動する価格要素であり、車両22の装備と相場データベースDBとに基づいて設定され、減額する場合には、負の値に設定される。相場データベースDBは、現在の中古車取引市場において売却価格が変動する価格要素(例えば、限定車、限定グレード、人気車種)であることから、刻々と変動する。
【0030】
変動値Pv2は、車両22の健康状態によって変動する価格要素であり、車両22の健康状態が良いときには悪いときに比して高くなるように設定され、減額する場合には、負の値に設定される。変動値Pv2は、車両22の健康状態によって刻々と変動する。
【0031】
中古車情報サーバ32は、価格参考値Pssを演算すると、価格参考値Pssが所定時間(例えば、数分以内)に前回ステップS130を実行したときに設定した価格参考値Pss(前回Pss)から所定変動量dPss以上変動したか否か(増減したか否か)を判定する(ステップS140)。所定変動量dPssは、価格参考値Pssが大きく変化したか否かを判定するための閾値である。価格参考値Pssが所定変動量dPss以上変動していないときには、処理を終了する。
【0032】
中古車情報サーバ32は、ステップS140で価格参考値Pssが所定変動量dPss以上変動しているときには、基準価格Pv、変動値Pv1、Pv2のうち変動した価格要素を情報として変動要因Rvとして車両22に送信して(ステップS150)、処理を終了する。
【0033】
車両22のECU24は、変動要因Rvを受信したか否かを判定する(ステップS160)。変動要因Rvを受信していないときには、処理を終了する。変動要因Rvを受信したときに、ディスプレイ28に車両22の中古車取引市場での価値が変動していることと変動要因Rvとを示すメッセージ282を表示して(ステップS170)、処理を終了する。図4は、メッセージ282の表示の一例を示す説明図である。ステップS170では、変動要因Rvが基準価格Pvbであるときには、メッセージ282として「基準価格の変化により愛車の残価値に変化がありました」という文字列をディスプレイ28に表示する。変動要因Rvが変動値Pv1であるときには、メッセージ282として「取引市場の変化により愛車の残価値に変化がありました」という文字列をディスプレイ28に表示する。変動要因Rvが変動値Pv2であるときには、メッセージ282として「愛車の健康状態の変化により愛車の残価値に変化がありました」という文字列をディスプレイ28に表示する。これにより、参考価格が変動したタイミングとその理由をユーザに認識させることができ、より適正なタイミングでユーザに車両22の売却の検討を促すことができる。
【0034】
また、車両22のECU24は、ディスプレイ28のタブ280が押下されたときには、中古車情報サーバ32からステップS130で演算した価格参考値Pssを受信し、ディスプレイ28に表示する。これにより、ユーザは車両22の価値、つまり、価格参考値Pssを認識できる。
【0035】
次に、車両22の売却検討指示がなされたときの動作について説明する。図5は、車両22のECU24、中古車情報サーバ32、販売店サーバ34で実行される処理の一例を示すフローチャートである。これらの処理は、ステップS170の処理の実行後に売却検討タブがタッチパネルとして構成されたディスプレイ28に表示され、売却検討タブがユーザにより押下されたことがディスプレイ28に検知され、ディスプレイ28から検知信号がECU24に入力されたときに、実行される。
【0036】
最初に、車両22のECU24は、売却検討信号を中古車情報サーバ32に送信して(ステップS200)、処理を終了する。売却検討信号を受信した中古車情報サーバ32は、上述したステップS110でデータ解析サーバ30から送信された車両価値情報Imfvと価格参考値Pssとを販売店サーバ34に送信して(ステップS210)、処理を終了する。車両価値情報Imfvと価格参考値Pssとを受信した販売店サーバ34は、中古車販売プログラムを起動して、車両価値情報Imfvと価格参考値Pssとを販売する中古車の情報として販売店内の図示しない情報端末に表示したり、こうした中古車の情報を含むウェブページを更新したりして(ステップS220)、処理を終了する。こうした処理により、車両22の車両価値情報Imfvと価格参考値Pssとを中古車販売店の顧客に認識させることができる。こうした処理は、車両22のユーザがディスプレイ28に表示された売却検討タブを押下することで実行されるから、簡易な操作で車両22の車両価値情報Imfvと価格参考値Pssとを販売店にて表示することができる。
【0037】
続いて、車両22の購入指示がなされたときの動作について説明する。図6は、車両22のECU24、中古車情報サーバ32、販売店サーバ34で実行される処理の一例を示すフローチャートである。これらの処理は、車両22のユーザとは異なるユーザが携帯端末36にインストールした中古車購入用のアプリケーションから車両22の購入を指示することで、携帯端末36から車両22の購入を指示する信号としての購入指示信号が送信され、この購入指示信号を販売店サーバ33が受信したときに実行される。
【0038】
購入指示信号を受信した販売店サーバ34は、価格参考値Pssに基づいて買取価格Pbに設定して中古車情報サーバ32に送信して(ステップS300)、処理を終了する。買取価格Pbは、価格参考値Pssをそのまま設定してもよいし、価格参考値Pssより高い価格や安い価格を設定してもよい。買取価格Pbを受信した中古車情報サーバ32は、受信した買取価格Pbを車両22に送信して(ステップS310)、処理を終了する。買取価格Pbを受信した車両22のECU24は、購入希望があったことおよび買取価格Pbをディスプレイ28に表示して(ステップS320)、処理を終了する。こうした表示を視認した車両22のユーザは、買取価格Pbを検討した上で、中古車情報サーバ32を設置させる販売店に車両22の売却手続きをして車両22を引き渡すことができる。このように、実施例の中古車取引システム20では、車両22のユーザが売却手続きをするまで、車両22はユーザに所有された状態となる。そのため、販売店において車両22を止め置く期間が長くなることを抑制でき、販売店が在庫を抱えることを抑制できる。これにより、効率のよい中古車の取引が可能となる。
【0039】
以上説明した実施例の中古車取引システム20によれば、算出した価格参考値Pssの変動量が所定変動量dPssを超えているときには、価格参考値Pssが変動していることおよび価格参考値Pssの変動要因Rvの情報を車両22に送信することにより、適正なタイミングでユーザに車両22の売却の検討を促すことができる。
【0040】
実施例の中古車取引システム20では、ステップS140で実際に価格参考値Pssの変動が大きいか否かを判定している。しかし、ステップS140で、価格参考値Pssの変動量が所定変動量dPssを超えることが予想されるか否かを判定し、予想されたときに、ステップS150に進んでもよい。価格参考値Pssの変動量が所定変動量dPssを超えることが予想されるときとしては、価格参考値Pssの変動量が徐々に大きくなっているときなどを挙げることができる。
【0041】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、中古車情報サーバ32が「車両情報サーバ」に相当する。
【0042】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0043】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、車両情報サーバの製造利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
20 中古車取引システム、22 車両、24 電子制御ユニット(ECU)、26 DCM、28 ディスプレイ、30 データ解析サーバ、32 中古車情報サーバ、34 販売店サーバ、36 携帯端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6