(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177447
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ガスセンサ及びガスセンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/409 20060101AFI20231207BHJP
G01N 27/41 20060101ALI20231207BHJP
G01N 27/416 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G01N27/409 100
G01N27/41 325H
G01N27/416 371G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090127
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(74)【代理人】
【氏名又は名称】下田 昭
(72)【発明者】
【氏名】猪瀬 優人
(72)【発明者】
【氏名】松山 大介
(72)【発明者】
【氏名】野村 昌史
(72)【発明者】
【氏名】米津 邦彦
【テーマコード(参考)】
2G004
【Fターム(参考)】
2G004BB04
2G004BC02
2G004BD04
(57)【要約】
【課題】滑石を主体とするシール部材におけるシール性と強度を共に向上させたガスセンサを提供する。
【解決手段】軸線O方向に延びるセンサ素子21と、軸線方向に貫通する貫通孔を有し、センサ素子の周囲を取り囲む主体金具11と、主体金具の内側面とセンサ素子の外表面との間に充填され、主体金具とセンサ素子の隙間をシールするシール部材41と、を備えたガスセンサ1Aであって、シール部材は、主成分の滑石と、シール部材に対して3~20質量%のカオリンと、を含むことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向に延びるセンサ素子と、
前記軸線方向に貫通する貫通孔を有し、前記センサ素子の周囲を取り囲む主体金具と、
前記主体金具の内側面と前記センサ素子の外表面との間に充填され、前記主体金具と前記センサ素子の隙間をシールするシール部材と、
を備えたガスセンサであって、
前記シール部材は、主成分の滑石と、前記シール部材に対して3~20質量%のカオリンと、を含むことを特徴とするガスセンサ。
【請求項2】
前記シール部材に対する前記カオリンの含有量が3~15質量%であることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
軸線方向に延びるセンサ素子と、
前記軸線方向に貫通する貫通孔を有し、前記センサ素子の周囲を取り囲む主体金具と、
前記主体金具の内側面と前記センサ素子の外表面との間に充填され、前記主体金具と前記センサ素子の隙間をシールするシール部材と、
を備えたガスセンサの製造方法であって、
前記シール部材は滑石とカオリンとを含み、
前記シール部材を製造する工程は、前記カオリンを前記シール部材に対して3~20質量%となるように投入して混合して混合材を得る混合工程と、
前記混合材を成型し成型体とする成型工程と、
前記成型体を圧縮する圧縮工程と、を含むことを特徴とするガスセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主体金具とセンサ素子の隙間をシール部材でシールしたガスセンサ及びガスセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の排気ガスや吸気中の酸素やNOx等の特定ガス成分の濃度を検出するガスセンサとして、固体電解質を用いたセンサ素子を有するものが知られている(特許文献1)。このガスセンサは、センサ素子の周囲を取り囲む主体金具を有し、主体金具とセンサ素子の隙間をシール部材である滑石でシールしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、主体金具とセンサ素子の間のシール性を向上させるためには、シール部材の粒径を小さくして密に充填させると良い。しかしながら、粒径が小さくなるとシール部材が潰れ難くなってシール部材の強度が低下するという問題がある。
例えば、シール部材として用いられる滑石は軟らかいため、粒が潰れることで粒同士が結合して強度を確保しているが、粒径が小さくなると潰れ難くなり強度が低下する。
【0005】
そこで、本発明は、滑石を主体とするシール部材におけるシール性と強度を共に向上させたガスセンサ及びガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が鋭意検討したところ、シール部材である滑石の粒径を小さくしてシール性を向上させる際、ガスセンサ使用時の高温下でも焼失しないカオリンを配合することで、カオリンがバインダとして機能して滑石の粒同士の結合を高めて強度を向上できることを見出した。
但し、カオリンの粒径は滑石の粒径に比べて非常に小さいため、カオリンの含有量が多過ぎると、シール部材全体の平均1次粒子径が小さくなって強度が低下するため、カオリンの含有量に上限を設ける必要があることも見出した。これは、シール部材全体の平均1次粒子径が小さくなると、シール部材を圧縮した際の摩擦が強くなって圧縮し難くなり、強度が低下するためと考えられる。
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のガスセンサは、軸線方向に延びるセンサ素子と、前記軸線方向に貫通する貫通孔を有し、前記センサ素子の周囲を取り囲む主体金具と、前記主体金具の内側面と前記センサ素子の外表面との間に充填され、前記主体金具と前記センサ素子の隙間をシールするシール部材と、を備えたガスセンサであって、前記シール部材は、主成分の滑石と、前記シール部材に対して3~20質量%のカオリンと、を含むことを特徴とする。
【0008】
このガスセンサによれば、シール部材である滑石の粒径を小さくしてシール性を向上させる際、ガスセンサ使用時の高温下でも焼失しないカオリンを配合することで、カオリンがバインダとして機能して滑石の粒同士の結合を高めて強度を向上させることができる。
但し、カオリンの粒径は滑石の粒径に比べて非常に小さいため、カオリンの含有量が多過ぎると、シール部材全体の平均1次粒子径が小さくなって強度が低下するため、カオリンの含有量を20質量%以下に規制することで、シール部材におけるシール性と強度を共に向上させることができる。
【0009】
本発明のガスセンサにおいて、前記シール部材に対する前記カオリンの含有量が3~15質量%であってもよい。
このガスセンサによれば、シール部材におけるシール性と強度をより一層向上させることができる。
【0010】
本発明のガスセンサの製造方法は、軸線方向に延びるセンサ素子と、前記軸線方向に貫通する貫通孔を有し、前記センサ素子の周囲を取り囲む主体金具と、前記主体金具の内側面と前記センサ素子の外表面との間に充填され、前記主体金具と前記センサ素子の隙間をシールするシール部材と、を備えたガスセンサの製造方法であって、前記シール部材は滑石とカオリンとを含み、前記シール部材を製造する工程は、前記カオリンを前記シール部材に対して3~20質量%となるように投入し、混合して混合材を得る混合工程と、前記混合材を成型し成型体とする成型工程と、前記成型体を圧縮する圧縮工程と、を含むことを特徴とする。
このガスセンサの製造方法によれば粒径が小さく強度に優れた成型体を得ることができ、それを圧縮することで、シール性と強度に優れたシール部材を得ることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、滑石を主体とするシール部材におけるシール性と強度を共に向上させたガスセンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るガスセンサの軸線方向に沿う断面図である。
【
図2】シール部材に対するカオリンの含有量と、シール部材の圧縮強度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるガスセンサ1Aの断面図である。
図1において、ガスセンサ(全領域空燃比ガスセンサ)1Aは、センサ素子21と、軸線O方向に貫通してセンサ素子21を挿通させる貫通孔32を有するホルダ(セラミックホルダ)30Aと、セラミックホルダ30Aの径方向周囲を取り囲む主体金具11と、プロテクタ60Aと、を備えている。
そして、センサ素子21のうち、検知部22が形成された先端寄り部位が、セラミックホルダ30Aより先端に突出している。このように貫通孔32を通されたセンサ素子21は、セラミックホルダ30Aの後端面側(図示上側)に配置されたシール部材41を、絶縁材からなるスリーブ43、リングワッシャ45を介して先後方向に圧縮することによって、主体金具11の内側において先後方向に気密を保持して固定されている。
【0014】
なお、センサ素子21の後端29を含む後端寄り部位はスリーブ43及び主体金具11より後方に突出しており、その後端寄り部位に形成された各電極端子24に、ゴム製のグロメット85を通して外部に引き出された各リード線71の先端に設けられた端子金具75が圧接され、電気的に接続されている。また、この電極端子24を含むセンサ素子21の後端寄り部位は、外筒81でカバーされている。以下、さらに詳細に説明する。
【0015】
センサ素子21は軸線O方向に延びると共に、測定対象に向けられる先端側(図示下側)に、検知用電極等(図示せず)からなり被検出ガス中の特定ガス成分を検出する検知部22を備えた帯板状(板状)をなしている。センサ素子21の横断面は、先後において一定の大きさの長方形(矩形)をなし、セラミック(固体電解質等)を主体として細長いものとして形成されている。このセンサ素子21自体は、従来公知のものと同じものであり、固体電解質(部材)の先端寄り部位に検知部22をなす一対の検知用電極が配置され、これに連なり後端寄り部位には、検知用出力取り出し用のリード線71接続用の電極端子24が露出形成されている。
【0016】
また、本例では、センサ素子21のうち、固体電解質(部材)に積層状に形成されたセラミック材の先端寄り部位内部にヒータ(図示せず)が設けられており、後端寄り部位には、このヒータへの電圧印加用のリード線71接続用の電極端子24が露出形成されている。なお、図示はしないが、これら電極端子24は縦長矩形に形成され、例えばセンサ素子21の後端寄り部位において、帯板の幅広面(両面)に3つ又は2つの電極端子が横に並んでいる。
なお、センサ素子21の検知部22に、アルミナ又はスピネル等からなる多孔質の保護層23が被覆されている。
【0017】
主体金具11は軸線O方向に貫通する貫通孔を有し、先後において同心異径の筒状をなしている。又、主体金具11の後方(図示上方)の外周面には、それより大径をなす、エンジンの排気管への固定用のネジ13が設けられている。そして、その後方には、このネジ13によってセンサ1をねじ込むための多角形部14を備えている。
また、この多角形部14の後方には、ガスセンサ1Aの後方をカバーする保護筒(外筒)81を外嵌して溶接する円筒部15が連設され、その後方には外径がそれより小さく薄肉のカシメ用円筒部16を備えている。なお、このカシメ用円筒部16は、
図1では、カシメ後のために内側に曲げられている。なお、多角形部14の下面には、ねじ込み時におけるシール用のガスケット19が取着されている。
さらに、主体金具11の円環状部18近傍の内周面には、後端側から先端側に向かって径方向内側に先細るテーパ状の段部17を有している。
【0018】
主体金具11の(貫通孔の)内側には、絶縁性セラミック(例えばアルミナ)からなり、概略短円筒状に形成されたセラミックホルダ30Aが配置されている。セラミックホルダ30Aは、先端に向かって先細りのテーパ状に形成された先端向き面30fを有している。そして、先端向き面30fの外周寄りの部位が段部17に係止されつつ、セラミックホルダ30Aが後端側からシール部材41で押圧されることで主体金具11内にセラミックホルダ30Aが位置決めされ、かつ隙間嵌めされている。
一方、貫通孔32は、セラミックホルダ30Aの中心に設けられると共に、センサ素子21が略隙間なく通るように、センサ素子21の横断面とほぼ同一の寸法の矩形の開口とされている。
【0019】
センサ素子21は、セラミックホルダ30Aの貫通孔32に通され、センサ素子21の先端をセラミックホルダ30A及び主体金具11の先端よりも先方に突出させている。
一方、センサ素子21の先端部位は、筒状をなし、被測定ガスを導入又は排出可能なプロテクタ60Aで覆われている。本形態では、プロテクタ60Aは、通気孔56及び排出孔53を有する有底円筒状の内側プロテクタ51と、通気孔67及び排出孔69を有する有底円筒状の外側プロテクタ61とを離間して配置した2重プロテクタからなる。
このうち内側プロテクタ51と外側プロテクタ61の後端60Aeが円環状部18の外面に重なり合った状態で、内側プロテクタ51及び外側プロテクタ61を貫通する溶接部Wが形成されている。より具体的には、内側プロテクタ51の後端が拡径して外側プロテクタ61の後端に接し、両者が重なった後端60Aeが形成されている。そして、内側プロテクタ51の後端と円環状部18の外面とが対向し、外側プロテクタ61から円環状部18に向かって溶接部Wが形成されている。
【0020】
一方、
図1に示すように、センサ素子21の後端寄り部位に形成された各電極端子24には、外部にグロメット85を通して引き出された各リード線71の先端に設けられた各端子金具75がそのバネ性により圧接され、電気的に接続されている。そして、この圧接部を含む各端子金具75は、本例ガスセンサ1Aでは、外筒81内に配置された絶縁性のセパレータ91内に設けられた各収容部内に、それぞれ対向配置で設けられている。なお、セパレータ91は、外筒81内にカシメ固定された保持部材82を介して径方向及び先端側への動きが規制されている。そして、この外筒81の先端部を、主体金具11の後端寄り部位の円筒部15に外嵌して溶接することで、ガスセンサ1Aの後方が気密状にカバーされている。
なお、リード線71は外筒81の後端部の内側に配置されたグロメット85を通されて外部に引き出されており、この小径筒部83を縮径カシメしてこのグロメット85を圧縮することにより、この部位の気密が保持されている。
【0021】
因みに、外筒81の軸線O方向の中央よりやや後端側には、先端側が径大の段部81dが形成され、この段部81dの内面がセパレータ91の後端を先方に押すように支持する。一方、セパレータ91はその外周に形成されたフランジ93を外筒81の内側に固定された保持部材82の上に支持させられており、段部81dと保持部材82とによってセパレータ91が軸線O方向に保持されている。
【0022】
次に、本発明の特徴部分であるシール部材41について説明する。
上述のように、主体金具11とセンサ素子21の隙間におけるセラミックホルダ30Aの後端側には、スリーブ43、リングワッシャ45を介してシール部材41が圧縮充填され、この隙間を気密に保持している。
シール部材41は、主成分の滑石と、シール部材41に対して3~20質量%のカオリンと、を含む。滑石(粉末)はケイ酸塩鉱物の一種であり、一般に天然鉱石を粉砕して得られたタルク(含水珪酸マグネシウム[Mg3Si4O10(OH)2])を主成分(50質量%以上)とする。又、これ以外の不純物として、例えば、マグネサイト等からなる不純物を約0.3~5重量%含む広西タルクや、マグネサイト、ドロマイト等の不純物を約1~30重量%含む海城タルクを用いることもできる。
【0023】
カオリンは、粘土鉱物の一種であり、カオリナイトを主成分とする。
又、カオリンを焼成すると、結晶性の焼成カオリンと非結晶性のメタカオリンの2種類が生じるが、本発明ではいずれか一方でもよく、両方を含んでもよい。又、カオリンには不可避的な不純物が含まれる場合もある。
シール部材41の組成としては、95質量%の滑石と、5質量%のカオリンが例示される。
【0024】
シール部材41として、滑石とカオリンとを含む理由は、シール部材41の主成分である滑石の粒径を小さくしてシール性を向上させる際、滑石の粒同士の結合を高めて強度を向上させるバインダが必要となるからである。ところが、一般的な有機バインダはガスセンサ使用時の高温下で焼失してしまう。そこで、高温でも焼失せずにバインダ機能を発揮する成分としてカオリンを用いる。
【0025】
シール部材に対するカオリンの含有量を3~20質量%とする理由は、カオリンの含有量が3質量%未満であると、上記したバインダ機能が生じず、シール部材全体の強度を向上させることが困難になるからである。
また、カオリンの粒径は滑石の粒径に比べて非常に小さいため、カオリンの含有量が20質量%を超えると、シール部材全体の平均1次粒子径が小さくなって強度が低下するからである。これは、シール部材全体の平均1次粒子径が小さくなると、シール部材を圧縮した際の摩擦が強くなって圧縮し難くなり、強度が低下するためと考えられる。
シール部材に対するカオリンの含有量が3~15質量%であると好ましい。
【0026】
シール部材41に対するカオリンの含有量は以下のように測定する。まず、シール部材41がカオリンを含有するか否かは、シール部材41をX線回折(XRD)し、カオリンのピークが存在するか否かで判定する。
シール部材41にカオリンのピークが存在した場合、カオリンを含有するとみなし、蛍光X線分析(XRF)にて定量されるアルミナの値から算出する。
【0027】
なお、滑石はアルミナを含まず、カオリンはアルミナとマグネシアを含むことから、シール部材41にアルミナが存在した場合、カオリンを含有するとみなすことができる。
また、X線回折(XRD)はカオリンの詳しい含有量を定量できず、蛍光X線分析(XRFはアルミナの定量のみできる。そこで、XRDでカオリンの存在を確認した場合、そのサンプルにつき、さらにXRFでカオリンを定量することとする。
【0028】
本発明におけるシール部材41は以下のように製造することができる。まず、材料である滑石とカオリンを所定の割合で混合し、混合粉末を得る。次に、得られた混合粉末を成型してペレット状の成型体を得る。そして、主体金具11の中に成型体を配置し、軸線O方向からプレスして圧縮充填することでシール部材41となる。
【0029】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
又、ガスセンサとしては、NOxセンサの他、酸素センサ、全領域ガスセンサが挙げられる。
センサ素子は板状に限らず、筒状の素子を用いることもできる。
【実施例0030】
レーザー分析法による平均1次粒子径:23μmの滑石と、
図2に示す割合(シール部材に対する質量割合)のカオリンの粉末を良く混ぜてシール部材を調製した。
この混合粉末を、シリンダ状の所定の空間内に装入し、ピストンにて規定荷重(5.5kN、8kN)を加えてリング状のペレットに成型した。
このペレットの軸方向の一端から圧縮荷重を掛け、ペレットが破壊したときの最大荷重を圧縮強度とした。
【0031】
得られた結果を
図2に示す。
シール部材に対するカオリンの含有量が3質量%以上になると、カオリンを含有しない場合に比べて圧縮強度が向上した。
ただし、シール部材に対するカオリンの含有量が20質量%を超えると、圧縮強度が低下し始めた。
これらのことから、シール部材に対するカオリンの含有量を3~20質量%とすると、滑石の粒径を小さくしてシール性を向上させるとともに、強度を向上できることがわかる。
特に、カオリンの含有量が15質量%で圧縮強度が最大となった。