(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023017747
(43)【公開日】2023-02-07
(54)【発明の名称】燃料電池システムを作動させて二酸化炭素を回収する方法、及び関連する装置
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20230131BHJP
H01M 8/04791 20160101ALI20230131BHJP
H01M 8/04014 20160101ALI20230131BHJP
H01M 8/0668 20160101ALI20230131BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20230131BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20230131BHJP
B01D 53/96 20060101ALI20230131BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20230131BHJP
【FI】
H01M8/04 N ZAB
H01M8/04791
H01M8/04014
H01M8/0668
B01D53/62
B01D53/78
B01D53/96
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022118033
(22)【出願日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】2108009
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】522294671
【氏名又は名称】テクニップ エナジーズ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ ソルビエ ティボー
(72)【発明者】
【氏名】セリーニ マーク
(72)【発明者】
【氏名】レイマリオス ガエル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】投資コスト及び運転コストを抑えながら、アノード排出物中の二酸化炭素を効率的且つ確実に回収するための、燃料電池システムを作動させる方法を提供する。
【解決手段】燃料電池システムを作動させる方法は、燃料電池ユニット(30)を作動させる工程と、燃料電池ユニット(30)の出口(74、76)で、二酸化炭素高含有アノードガス流(36)を回収する工程と、乾燥アノード流(40)を生成するためにアノードガス流(36)を冷却して、アノードガス流(36)中の水を凝縮する工程と、二酸化炭素ガス流(18)及び二酸化炭素欠乏アノード流(19)を生成するために、乾燥アノード流(40)を二酸化炭素捕捉ユニット(34)に導入する工程と、二酸化炭素欠乏アノード流(19)の少なくとも一部(124)を燃料供給流(35)に再循環させる工程とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムを作動させる方法であって、
- 少なくとも1つのアノードシステム(64)及び少なくとも1つのカソードシステム(66)を備えており、前記アノードシステム(64)に注入される燃料供給流(35)と前記カソードシステム(66)に注入される酸素高含有ガス流(16)とが連続的に供給される燃料電池ユニット(30)を作動させる工程、
- 前記燃料電池ユニット(30)の出口(74, 76)で、水を含む二酸化炭素高含有アノードガス流(36)及びカソードガス流(38)を回収する工程、
- 乾燥アノード流(40)を生成するために、後処理・冷却・凝縮ユニット(32)で前記二酸化炭素高含有アノードガス流(36)を冷却して前記二酸化炭素高含有アノードガス流(36)中の水を凝縮する工程、
- 二酸化炭素ガス流(18)と、20体積%~70体積%の範囲内の二酸化炭素濃度を有する二酸化炭素欠乏アノード流(19)とを生成するために、前記乾燥アノード流(40)を二酸化炭素捕捉ユニット(34)に導入する工程、並びに
- 前記二酸化炭素欠乏アノード流(19)の少なくとも一部(124) を前記燃料電池ユニット(30)に再循環させるように、前記二酸化炭素欠乏アノード流(19)の少なくとも一部(124) を前記燃料供給流(35)に注入する工程
を有する方法。
【請求項2】
前記二酸化炭素欠乏アノード流(19)の二酸化炭素濃度は40体積%~60体積%の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記二酸化炭素欠乏アノード流(19)と、二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流(202) とを生成するために、前記二酸化炭素捕捉ユニット(34)で前記乾燥アノード流(40)を、二酸化炭素を吸収し易い液体溶媒と接触させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素ガス流(18)及び部分的に再生された液体溶媒流(218) を生成するために、前記液体底流(202) を加熱することにより、前記液体底流(202) に吸収された二酸化炭素を部分的に放出する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記液体底流(202) を、前記二酸化炭素高含有アノードガス流(36)及び/又は前記カソードガス流(38)との熱交換により加熱する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法の実施中に生成される二酸化炭素の少なくとも80%を前記二酸化炭素ガス流(18)に回収する、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記燃料供給流(35)はC1~C5の炭化水素の流れである、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記二酸化炭素欠乏アノード流(19)の一部(122) を前記二酸化炭素捕捉ユニット(34)から得て、次に炉(120) 内で燃焼させる、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
熱交換閉回路(134) を通って流れる熱伝達流体(136) との熱交換により、前記液体底流(202) を少なくとも部分的に加熱し、前記熱伝達流体(136) を、前記二酸化炭素高含有アノードガス流(36)及び/又は前記カソードガス流(38)との熱交換によって加熱する、請求項4~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記燃料供給流(35)を、前記燃料電池ユニット(30)に注入する前に前記二酸化炭素高含有アノードガス流(36)との熱交換によって加熱する、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
- 燃料供給流(35)を導入するための入口(68)、酸素高含有ガス流(16)を導入するための入口(70)、アノードガス流(36)を回収するための出口(74)、及びカソードガス流(38)を回収するための出口(76)を有する燃料電池ユニット(30)と、
- 乾燥アノード流(40)を生成するために、前記アノードガス流(36)を冷却して乾燥させるための後処理・冷却・凝縮ユニット(32)と、
- 二酸化炭素ガス流(18)及び二酸化炭素欠乏アノード流(19)を生成するように構成されており、前記乾燥アノード流(40)を導入するための入口(114) 及び前記二酸化炭素欠乏アノード流(19)を回収するための出口(118) を有する二酸化炭素捕捉ユニット(34)と
を備えており、
前記二酸化炭素欠乏アノード流(19)を回収するための出口(118) は、前記燃料供給流(35)を前記燃料電池ユニット(30)に導入するための入口(68)に連結されている、燃料電池装置(10)。
【請求項12】
前記二酸化炭素捕捉ユニット(34)は、
- 前記乾燥アノード流(40)を、二酸化炭素を吸収し易い液体溶媒と接触させて、吸収装置(200) の最上部で前記二酸化炭素欠乏アノード流(19)を生成して、前記吸収装置(200) の底部で、二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流(202) を生成するように構成されている前記吸収装置(200) 、
- 加熱された底流(210) を生成すべく、前記液体底流(202) を加熱するように構成されている少なくとも1つの熱交換システム(204, 208)、及び
- タンク(216) の最上部で前記二酸化炭素ガス流(18)を生成して、前記タンク(216) の底部で、前記吸収装置(200) に注入されるための部分的に再生された液体溶媒の流れ(218) を生成するように構成されており、前記少なくとも1つの熱交換システム(204, 208)に連結されている前記タンク(216)
を有している、請求項11に記載の燃料電池装置(10)。
【請求項13】
前記アノードガス流(36)及び/又は前記カソードガス流(38)と共に、前記少なくとも1つの熱交換システム(208) で前記二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流(202) との熱交換下に置かれるための熱伝達流体(136) を含む熱交換閉回路(134) を更に備えている、請求項12に記載の燃料電池装置(10)。
【請求項14】
前記二酸化炭素捕捉ユニット(34)はストリップ塔を有していない、請求項11~13のいずれか1つに記載の燃料電池装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素を回収する工程を有する、燃料電池システムを作動させる方法に関する。
【0002】
本発明の方法は通常、液体燃料と空気中の酸素との電気化学反応によって電流を発生させ得る燃料電池装置で実施される。液体燃料は通常、水素、一酸化炭素、メタン、プロパン、ブタン、発酵ガス、ガス化バイオマス、及び/又は塗料蒸気などのガスである。液体燃料は更に、メタノール、エタノール又は燃料、特にディーゼル又はガソリンなどの液体燃料で構成されてもよい。
【背景技術】
【0003】
燃料電池は通常、一又は複数の固体酸化物燃料電池(SOFC)で構成されている。
【0004】
このようなセルは、主に出力電力が1kW~2MWの範囲内である据え付けの用途用である。
【0005】
SOFC要素は一般に4層で構成されており、そのうちの3層はセラミックである。重ね合わされた4層で構成された1つのセルの厚さは通常、数ミリメートルである。数十個のこのようなセルが直列で重ね合わされて、スタックが形成される。
【0006】
このようなセルでは、アノード側で気体燃料、例えば水素と反応するために、カソード側で生成された酸素イオンが、高温で電解質として使用される固体酸化物膜を通って移動する。
【0007】
このような電気化学反応によって、電気を発生させて、二酸化炭素及び水を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、二酸化炭素CO2 は主な温室効果ガスの内の1つであり、大気中に放出されることにより、地球温暖化の原因となっている。従って、燃料電池の環境への影響を削減するために、大気中への二酸化炭素の放出を最小限度に抑えることが必要である。
【0009】
更に、酸素イオンと燃料との電気化学反応は完了するが、SOFC要素で生成される酸素イオンの量は、全体の(改質される)液体燃料を消費するには不十分である。従って、消費されなかった大量の液体燃料を必然的にSOFC要素の出口で回収する。SOFC要素における液体燃料の変換率は従来60%程度である。
【0010】
既知の装置では、アノードを出る、生成された二酸化炭素を含むガスの一部が、反応しなかった燃料の一部を消費するためにセルのアノードに向かって再循環するため、セルの効率が向上する。アノードを出る流れの残り部分は触媒バーナーに送られ、SOFC要素のカソードの出口で回収される酸素欠乏空気流と共に燃焼する。
【0011】
産業排出物中の二酸化炭素を回収するために、産業排出物を二酸化炭素捕捉ユニットに注入する方法が知られている。二酸化炭素の捕捉を通常、二酸化炭素を吸収し易い液体溶媒、特にアミン水溶液を用いて行う。液体溶媒は、ガス状排出物中の二酸化炭素を吸収する。二酸化炭素を回収して、新たな排出物の処理に再度使用され得る液体溶媒を再生するために、二酸化炭素を含む液体溶媒の簡単な加熱を使用する。
【0012】
このような構成では、従来の排煙システムの近くに、二酸化炭素捕捉ユニットが触媒バーナーから出る流れを処理するように触媒バーナーの後に配置されている。従って、二酸化炭素捕捉ユニットは、装置から排出物を排出する前の、排出物のための後処理モジュールを形成している。二酸化炭素捕捉ユニットは燃料電池装置に一体化されていない。特に、ここでは二酸化炭素捕捉ユニットからの出力流は燃料電池装置に再注入されない。
【0013】
更に、触媒バーナーから出るガス中の二酸化炭素の濃度は非常に低く、通常8モル%以下である。実際、触媒バーナーに導入されるアノード流の一部は、カソードから出る酸素欠乏空気と混合する。そのため、このような混合工程は、処理される排出物中の二酸化炭素の濃度を大幅に低下させる効果を有する。このような低濃度の二酸化炭素の回収は、非常に高い再生率での液体溶媒の使用を必要とし、通常は完全に再生される液体溶媒の使用を必要とし、これは非常に高いエネルギー消費を意味する。更に、触媒バーナー後の空気中の酸素は、液体溶媒、特にアミン化合物の劣化という問題につながり得る。
【0014】
このような装置には、再沸騰システム及び凝縮システムに加えて、ストリップ塔などの高価で嵩高い設備が必要である。より正確には、二酸化炭素を含む液体溶媒を通常は130 ℃に近い温度に加熱して大流量の水蒸気を蒸発させ得るために、再沸騰システムが使用される。水蒸気は、ストリップ塔内を逆流で上昇することによって液体溶媒を再生する。ストリップ塔の最上部では、投入された液体溶剤から出る二酸化炭素を全て、かなりの割合の水蒸気と共に回収する。水を液状で抽出するために使用される凝縮工程を介して二酸化炭素を回収する。次に、ストリップ塔の最上部で液体水を再注入し、液体水は、部分的に再度蒸発するためにストリップ塔に沿って再沸騰システムまで降下する。このため、蒸発/凝縮システムは、再沸騰システムでの高いエネルギー消費を伴う。
【0015】
従って、本発明の目的は、本方法の投資コスト及び運転コストを抑えながら、アノード排出物中の二酸化炭素を効率的且つ確実に回収するための、燃料電池システムを作動させる方法を提供することである。
【0016】
特に、本発明の目的は、二酸化炭素の回収のためのエネルギー要件を大幅に最小限度に抑える一体的な方法を提供することである。
【0017】
より具体的には、本発明の目的は、二酸化炭素捕捉ユニットを組み入れた燃料電池システムを作動させる方法であって、外部エネルギーの供給を必要とせず、作動に必要な熱エネルギーを熱統合によって回収する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このために、本発明の主題は、燃料電池システムを作動させる方法であって、
- 少なくとも1つのアノードシステム及び少なくとも1つのカソードシステムを備えており、アノードシステムに注入される燃料供給流とカソードシステムに注入される酸素高含有ガス流とが連続的に供給される燃料電池ユニットを作動させる工程、
- 燃料電池ユニットの出口で、水を含む二酸化炭素高含有アノードガス流及びカソードガス流を回収する工程、
- 乾燥アノード流を生成するように、後処理・冷却・凝縮ユニットで二酸化炭素高含有アノードガス流を冷却して二酸化炭素高含有アノードガス流中の水を凝縮する工程、
- 二酸化炭素ガス流及び二酸化炭素欠乏アノード流を生成するように、乾燥アノード流を二酸化炭素捕捉ユニットに導入する工程、並びに
- 二酸化炭素欠乏アノード流の少なくとも一部を燃料電池ユニットに再循環させるように、二酸化炭素欠乏アノード流の少なくとも一部を燃料供給流に注入する工程
を有する方法である。
【0019】
本発明に係る方法は、単独で、又は任意の技術的に可能な組み合わせで、以下の一又は複数の特徴を有することが可能である。
【0020】
- 二酸化炭素欠乏アノード流の二酸化炭素の濃度は、10体積%~80体積%の範囲内であり、優先的には20体積%~70体積%の範囲内であり、より優先的には40体積%~60体積%の範囲内である。
【0021】
- 二酸化炭素欠乏アノード流と、二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流とを生成するために、二酸化炭素捕捉ユニットで乾燥アノード流を、二酸化炭素を吸収し易い液体溶媒と接触させる。
【0022】
- 二酸化炭素流及び部分的に再生された液体溶媒流を生成するために、液体底流を加熱することにより、液体底流に吸収された二酸化炭素を部分的に放出する。
【0023】
- 液体底流を、二酸化炭素高含有アノードガス流及び/又はカソードガス流との熱交換によって加熱し、優先的には、二酸化炭素高含有アノードガス流及び/又はカソードガス流との熱交換のみによって加熱する。
【0024】
- 方法の実施中に生成された二酸化炭素の少なくとも80%、優先的には少なくとも90モル%、より優先的には90モル%~99モル%を二酸化炭素ガス流に回収する。
【0025】
- 液体燃料の供給流はC1~C5の炭化水素の流れであり、優先的にはメタンの流れである。
【0026】
- 二酸化炭素欠乏アノード流の一部を二酸化炭素捕捉ユニットから得て、次に炉内で燃焼させ、優先的には二酸化炭素欠乏アノード流の30重量%未満、より優先的には5~20重量%を炉(120) に導入する。
【0027】
- 熱交換閉回路を通って流れる熱伝達流体との熱交換により、液体底流を少なくとも部分的に加熱し、前記熱伝達流体を、二酸化炭素高含有アノードガス流及び/又はカソードガス流との熱交換によって加熱する。
【0028】
- 液体燃料の供給流を、燃料電池ユニットに注入する前に二酸化炭素高含有アノードガス流との熱交換により加熱する。
【0029】
本発明は更に、
- 燃料供給流を導入するための入口、酸素高含有ガス流を導入するための入口、アノードガス流を回収するための出口、及びカソードガス流を回収するための出口を有する燃料電池ユニットと、
- 乾燥アノード流を生成するために、アノードガス流を冷却して乾燥させるための後処理・冷却・凝縮ユニットと、
- 二酸化炭素ガス流及び二酸化炭素欠乏アノード流を生成するように構成されており、乾燥アノード流を導入するための入口及び二酸化炭素欠乏アノード流を回収するための出口を有する二酸化炭素捕捉ユニットと
を備えており、
二酸化炭素欠乏アノード流を回収するための出口は、燃料供給流を燃料電池ユニットに導入するための入口に連結されている、燃料電池装置に関する。
【0030】
本発明に係る燃料電池装置は、単独で、又は任意の技術的に可能な組み合わせで、以下の一又は複数の特徴を有してもよい。
【0031】
- 二酸化炭素捕捉ユニットは、
- 乾燥アノード流を、二酸化炭素を吸収し易い液体溶媒と接触させて、吸収装置の最上部で二酸化炭素欠乏アノード流を生成して、吸収装置の底部で、二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流を生成するように構成されている吸収装置、
- 加熱された底流を生成すべく、液体底流を加熱するように構成されている少なくとも1つの熱交換システム、及び
- タンクの最上部で二酸化炭素ガス流を生成して、タンクの底部で、吸収装置に注入されるための部分的に再生された液体溶媒の流れを生成するように構成されており、少なくとも1つの熱交換システムに連結されているタンク
を有している。
【0032】
- 燃料電池装置は、アノードガス流及び/又はカソードガス流と共に、少なくとも1つの熱交換システムで二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流との熱交換下に置かれるための熱伝達流体を含む熱交換閉回路を更に備えている。
【0033】
- 二酸化炭素捕捉ユニットはストリップ塔を有していない。
【0034】
本発明は、添付図面を参照して、単に一例として挙げられる以下の説明を読むと更に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明に係る方法を行うように構成されている装置を示すエンジニアリング図である。
【
図2】
図1に示されている装置の二酸化炭素捕捉ユニットを示すエンジニアリング図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
【0037】
装置10は、燃料ガス流14及び酸素高含有ガス流16から電流12を発生させるように構成されている。
【0038】
装置10は、二酸化炭素の流れ18及び酸素欠乏ガス流20を排出物として回収するように更に構成されている。
【0039】
装置10は、燃料ガス14を貯蔵するように構成されている第1の貯蔵ユニット22と、酸素高含有ガス16を貯蔵するように構成されている第2の貯蔵ユニット24とに上流側で連結されている。
【0040】
或いは、貯蔵ユニット22は、燃料ガスを本発明に係る装置10に搬送するためのガス分配網に取り替えられ得る。
【0041】
酸素高含有ガス16が空気である場合、貯蔵ユニット24は、適切な場合には圧縮された空気を本発明に係る装置10に搬送するためのポンプ・圧縮システムに取り替えられ得る。
【0042】
燃料ガス流14は通常、水素;一酸化炭素;低量のエタン、プロパン、ブタン及び重質炭化水素と共にメタンを主に含む天然ガス;発酵ガス;ガス化バイオマス;塗料蒸気又はこれらの混合物のいずれかを含む。優先的には、燃料ガス流14はメタン流である。
【0043】
優先的には、燃料ガス流14は、1atm ~5bara(絶対バール)の範囲内、より優先的には1atm ~1.5 bara(絶対バール)の範囲内の圧力である。
【0044】
酸素高含有ガス流16の酸素の濃度は通常、少なくとも10体積%、優先的には15体積%~25体積%の範囲内である。酸素高含有ガス流16は空気流であることが有利である。
【0045】
優先的には、酸素高含有ガス流16は1atm ~5bara(絶対バール)の範囲内の圧力である。
【0046】
装置10は、二酸化炭素を運ぶ及び/又は隔離するための装置25と、後処理のために酸素欠乏ガス流20を収集するか又は酸素欠乏ガス流20を大気中に直接放出するための装置26とに下流側で連結されている。
【0047】
優先的には、酸素欠乏ガス流20は、装置26で大気中に直接放出される。
【0048】
或いは、酸素欠乏ガス流20は、酸素欠乏ガス流を消費するか又は変換する別の装置に搬送されるために装置26で収集される。
【0049】
装置10は通常、前処理ユニット28、燃料電池ユニット30、後処理・冷却・凝縮ユニット32、及び二酸化炭素捕捉ユニット34を備えている。
【0050】
貯蔵ユニット22(又はガス分配網)は前処理ユニット28の入口に連結されているため、燃料ガス流14の第1の部分37が前処理ユニット28に注入される。
【0051】
燃料ガス流14の第1の部分37を前処理ユニット28に導入する前に、燃料ガス流14の第1の部分37は、燃料供給流35を生成するために、二酸化炭素捕捉ユニット34の出口で回収される再循環流124 と混合する。再循環流124 の性質については、以下に詳細に説明する。
【0052】
前処理ユニット28は、燃料供給流35を燃料電池ユニット30に導入する前に燃料供給流35を加熱して前処理するように構成されている。
【0053】
燃料電池ユニット30は、アノードガス流36及びカソードガス流38を出口で生成するために燃料供給流35及び酸素高含有ガス流16から電流12を発生させるように構成されている。
【0054】
後処理・冷却・凝縮ユニット32は、アノードガス流36を冷却して、乾燥アノード流40を生成すべくアノードガス流36から過剰な水を凝縮によって抽出するように構成されている。優先的には、後処理・冷却・凝縮ユニット32は、アノードガス流36中の一酸化炭素の少なくとも一部を、通常は水蒸気との反応によって水素及び二酸化炭素に更に変換する。そのため、この変換は、一酸化炭素の酸化分子による二酸化炭素捕捉ユニット34で使用される液体溶媒の酸化を制限して、二酸化炭素捕捉ユニット34における二酸化炭素の捕捉を容易にすべくアノードガス流36における二酸化炭素の濃度を上昇させるために使用され得る。
【0055】
最後に、二酸化炭素捕捉ユニット34は、乾燥アノード流40中の二酸化炭素の少なくとも一部を二酸化炭素流18の形態で回収して、二酸化炭素欠乏アノード流19を回収するように構成されている。
【0056】
好ましい構成では、前処理ユニット28は通常、燃料供給流35を燃料電池ユニット30に導入する前に燃料供給流35を加熱するように構成されている第1の熱交換システム42及び第2の熱交換システム44を有している。
【0057】
本発明で定められているように、熱交換システムは少なくとも1つの熱交換器を有している。このため、熱交換システムは、1つの熱交換器又は互いに関連付けられている複数の熱交換器を有し得る。
【0058】
第1の熱交換システム42は、燃料供給流35を導入するための入口46と、予熱された燃料流50を回収するための出口48とを有している。第2の熱交換システム44は、予熱された燃料流50を導入するための入口52と、加熱された燃料流56を回収するための出口54とを有している。
【0059】
優先的には、前処理ユニット28は、第1の熱交換システム42と第2の熱交換システム44との間に脱硫ユニット57を更に有している。脱硫ユニット57は、第1の熱交換システム42の出口48及び第2の熱交換システム44の入口52の両方に連結されている。脱硫ユニット57は、燃料電池ユニット30の下流側の汚染を防止するために燃料供給流35中のあらゆる硫黄を吸収するように構成されている。脱硫ユニットは当業者に知られているため、ここでは更に詳細に説明されない。脱硫ユニット57は、脱硫された燃料流58を回収するための出口57’ を有している。
【0060】
優先的には、脱硫された燃料流58が混合流60を生成すべく水流59と混合するように、脱硫ユニット57の出口57’ は水流59と連通している。
【0061】
従って、前処理ユニット28が脱硫ユニット57を有している場合、第2の熱交換システム44には混合流60が供給されて、上述したような予熱された燃料流50は供給されない。特に、このような場合、入口52は、混合流60を第2の熱交換システム44に導入するための入口である。
【0062】
前処理ユニット28は、優先的には第2の熱交換システム44の下流側に前改質モジュール61を更に有してもよい。前改質モジュール61は通常、第2の熱交換システム44の出口54及び燃料電池ユニット30の両方に連結されている。前改質モジュール61は、加熱された燃料流56から、水素、一酸化炭素、水及び未反応の最初の燃料の一部で構成される流れ62を生成するように構成されている。特に、前改質モジュール61は、燃料電池ユニット30内における炭素の堆積(又はコークス化)を防止すべく燃料供給流35中のエタン、プロパン、ブタン及びペンタンなどのメタンより重い炭化水素を変換する。前改質モジュールは当業者に知られているため、ここでは更に詳細に説明されない。
【0063】
前処理ユニット28は、燃料供給流35中の他の汚染物質又は不純物、例えば水銀を除去するように構成されている追加のモジュールを更に有してもよい。このようなモジュールは、本明細書に記載されている動作を変更することなく、本発明に係る装置に一体化する方法を知っている当業者に知られている。
【0064】
燃料電池ユニット30は通常、少なくとも1つの電解質(不図示)、特に固体電解質によって互いに分離している少なくとも1つのアノードシステム64及び少なくとも1つのカソードシステム66を有している。
【0065】
本発明によって定められているように、アノード(又はカソード)のシステムは少なくとも1つのアノード(又は少なくとも1つのカソード)を有している。従って、アノード(カソード)のシステムは、1つのアノード(カソード)又は互いに関連付けられている複数のアノード(カソード)を有し得る。
【0066】
燃料電池ユニット30は、加熱された燃料流56(又は前改質モジュール61が設けられている場合には前改質モジュール61から出る流れ62)を導入するための入口68を有している。入口68は、加熱された燃料流56(又は前改質モジュール61から出る流れ62)をアノードシステム64に接触させるように構成されている。
【0067】
燃料電池ユニット30は、酸素高含有ガス流16を導入するための入口70を更に有している。特に、入口70は、酸素高含有ガス流16をカソードシステム66に接触させるように構成されている。
【0068】
優先的には、本発明に係る装置10は、入口70の上流側に第3の熱交換システム72を更に備えている。装置10が貯蔵ユニット24を備えている場合、第3の熱交換システム72は通常、貯蔵ユニット24と入口70との間に配置されている。第3の熱交換システム72は、酸素高含有ガス流16を燃料電池ユニット30に導入する前に酸素高含有ガス流16を加熱するように構成されている。
【0069】
燃料電池ユニット30は、燃料電池ユニット30の動作によって生じてアノードシステム64で回収されるアノードガス流36を回収するための出口74を更に有している。
【0070】
燃料電池ユニット30は、燃料電池ユニット30の動作によって生じてカソードシステム66で回収される酸素欠乏カソードガス流38を回収するための出口76を更に有している。
【0071】
カソードガス流38を回収するための出口76は装置26に連結されている。
【0072】
一実施形態によれば、カソードガス流38を回収するための出口76は、装置26の上流側で第3の熱交換システム72に連結されているため、カソードガス流38は、冷却されたカソード流80を生成すべく、酸素高含有ガス流16との熱交換によって第3の熱交換システム72内で冷却される。そのため、第3の熱交換システム72は、冷却されたカソード流80を回収するための出口78を有している。
【0073】
このような実施形態は、酸素高含有ガス流16が燃料電池ユニット30に導入される前に、外部のエネルギー入力を必要とすることなく熱統合によって酸素高含有ガス流16を加熱するために使用され得るという点で有利である。
【0074】
一実施形態によれば、依然として装置26の上流側で、冷却されたカソード流80を回収するための出口78は、酸素欠乏ガス流20を生成すべく、冷却されたカソード流80を冷却するように構成されている第4の熱交換システム82に連結されている。そのため、第4の熱交換システム82は、酸素欠乏ガス流20を回収するための出口83を有しており、前記出口83は装置26に連結されている。
【0075】
一実施形態によれば、アノードガス流36を回収するための出口74は第2の熱交換システム44に連結されているため、アノードガス流36は、中間アノード流84を生成すべく、(脱硫ユニット57が設けられていない場合には)予熱された燃料流50との熱交換によって冷却され、(装置が脱硫ユニット57を備えている場合には)混合流60との熱交換によって冷却される。そのため、第2の熱交換システム44は、中間アノード流84を回収するための出口86を有している。
【0076】
優先的には、中間アノード流84を回収するための出口86は第1の熱交換システム42に連結されているため、中間アノード流84は、予冷されたアノード流87を生成すべく、燃料供給流35との熱交換によって再度冷却される。第1の熱交換システム42は、予冷されたアノード流87を回収するための出口88を有している。出口88は後処理・冷却・凝縮ユニット32に連結されている。
【0077】
このような実施形態は、外部エネルギー入力を必要とすることなく熱統合によって、燃料供給流35を燃料電池ユニット30に導入する前に燃料供給流35を加熱することと、後処理・冷却・凝縮ユニット32でアノードガス流36を処理する前にアノードガス流36を予冷することとの両方を可能にするという点で有利である。
【0078】
後処理・冷却・凝縮ユニット32は通常、予冷されたアノード流87を冷却するための第5の熱交換システム89及び第6の熱交換システム90を有している。特に、第5の熱交換システム89は、中間流91を生成すべく、予冷されたアノード流87を冷却するように構成されている。第6の熱交換システム90は、冷却されたアノード流92を生成すべく中間流91を冷却するように構成されている。
【0079】
優先的には、後処理・冷却・凝縮ユニット32は、優先的には第5の熱交換システム89と第6の熱交換システム90との間にガス/水反応ユニット93を更に有している。ガス/水反応ユニット93は、予冷されたアノード流87中の一酸化炭素COの少なくとも一部を、水蒸気との反応によって二酸化炭素CO2 及び水素に変換するように構成されている。ガス/水反応ユニットは当業者に知られており、本明細書に以下に更に説明されない。ガス/水反応ユニット93は、中間流91を導入するための入口93’ と、一酸化炭素欠乏流95を回収するための出口94とを有している。
【0080】
従って、後処理・冷却・凝縮ユニット32がガス/水反応ユニット93を有している場合、第6の熱交換システム90には一酸化炭素欠乏流95が供給されて、上述したような中間燃料流91は供給されない。
【0081】
第6の熱交換システム90は、冷却されたアノード流92中の水の一部を凝縮するように構成されている一連の凝縮システム96, 98に下流側で更に連結されている。第1の凝縮システム96は、第1の凝縮流100 及び中間ガス流102 を生成すべく、冷却されたアノード流92中の水の第1の部分を凝縮するように構成されている。第1の凝縮システム96の後に配置された第2の凝縮システム98は、第2の凝縮流104 及び乾燥アノード流40を生成すべく、中間ガス流102 中の水の第2の部分を凝縮するように構成されている。
【0082】
優先的には、第1の凝縮システム96は、液体水回収システム106 の底部で主に水性の液体流108 を生成して液体水回収システム(タンク)106 の最上部で凝縮物のガス流109 を生成すべく、主に水性の凝縮物の第1の流れ100 を分離するように構成されている液体水回収システム106 に連結されている。液体水回収システム106 は脱硫ユニット57の出口57’ に連結されているため、液体水の流れ108 が、第2の熱交換システム44の上流側で、脱硫された燃料流58に注入されることが有利である。このように、液体水の流れ108 は、上記に定められているような水の流れ59を生成する。
【0083】
優先的には、後処理・冷却・凝縮ユニット32は、中間ガス流102 が第2の凝縮システム98に導入される前に中間ガス流102 を加圧するように構成されている圧縮/送風ユニット110 、例えば圧縮器を第1の凝縮システム96と第2の凝縮システム98との間に更に有している。従って、圧縮/送風ユニット110 は、中間ガス流102 を導入するための入口110’ と、圧縮されたアノード流112 を回収するための出口111 とを有している。
【0084】
従って、後処理・冷却・凝縮ユニット32が圧縮/送風ユニット110 を有している場合、第2の凝縮システム98には圧縮されたアノード流112 が供給されて、上述したような中間ガス流102 は供給されない。
【0085】
二酸化炭素捕捉ユニット34は通常、乾燥アノード流40を導入するための入口114 、二酸化炭素流18を回収するための出口116 、及び二酸化炭素欠乏アノード流19を回収するための出口118 を有している。
【0086】
二酸化炭素捕捉ユニット34の好ましい構造については、
図2を参照して以下に説明する。
【0087】
優先的には、二酸化炭素欠乏アノード流19を回収するための出口118 は前処理ユニット28の入口に連結されているため、二酸化炭素欠乏アノード流19は燃料供給流35に注入される。
【0088】
従って、前処理ユニット28に入る燃料供給流35は、燃料ガス流14の第1の部分37及び二酸化炭素欠乏アノード流19の混合物で構成される。
【0089】
一実施形態によれば、二酸化炭素欠乏アノード流19を回収するための出口118 は炉120 に更に連結されているため、二酸化炭素欠乏アノード流19の一部122 が炉120 に注入される。二酸化炭素欠乏アノード流19の他の部分124 は、上記に特定されているような燃料供給流35に注入される。
【0090】
炉120 は、第7の熱交換システム(不図示)に加えてバーナー126 を有している。
【0091】
炉120 を使用することにより、場合によっては燃料ガス流14中に存在する不活性ガスを取り除き、ひいては装置10内における不活性ガスの蓄積を防止することが可能になる。
【0092】
特に、二酸化炭素欠乏アノード流19を回収するための出口118 は触媒バーナー126 に連結されているため、二酸化炭素欠乏アノード流19の一部122 が、触媒バーナー126 内で燃焼させるべく触媒バーナー126 に注入される。
【0093】
優先的には、このような実施形態によれば、第4の熱交換システム82の出口83は触媒バーナー126 に更に連結されているため、酸素欠乏流20の一部127 が触媒バーナー126 に注入されて、触媒バーナー126 内で二酸化炭素欠乏アノード流19の一部122 と共に燃焼する。そのため、酸素欠乏流20の他の部分128 は、上述したように装置26に取り込まれるか又は大気中に放出される。
【0094】
このような実施形態によれば、貯蔵ユニット22は、炉120 内に配置されている第7の熱交換器(不図示)に連結されているため、燃料ガス流14の一部129 が、加熱された燃料ガス流132 を生成すべく、触媒バーナー126 内における一部122 及び一部127 の燃焼によって発生する熱によって加熱されることが有利である。そのため、炉120 は、加熱された燃料ガス流132 を回収するための出口130 を有している。
【0095】
優先的には、炉120 の出口130 は、第1の熱交換システム42の出口48に連結されているため、中間燃料流133 を生成すべく、加熱された燃料ガス流132 は予熱された燃料流50に注入される。その後、予熱された燃料流50の代わりに、中間燃料流133 は脱硫ユニット57に送られるか、又は第2の熱交換システム44に直接送られる。
【0096】
好ましい実施形態によれば、装置10は、装置の一又は複数の部分で発生した熱を使用するように装置の別の部分に送られるべく、このような熱を回収するための熱交換閉回路134 を更に備えている。
【0097】
優先的には、熱交換閉回路134 は、二酸化炭素捕捉ユニット34の動作に必要な熱を供給するように構成されている。
【0098】
優先的には、熱交換閉回路134 は、熱伝達流体136 を流すように構成されている。熱伝達流体は、加圧された液体水で構成されてもよく、又は更に熱伝達オイルで構成されてもよい。水蒸気の使用に基づく熱伝達流体システムが更に検討され得る。
【0099】
熱交換閉回路134 の作動には、ある数の追加の設備(図示されていない一又は複数の膨張タンク、ポンプ、バルブシステムなど)が必要である。このような必要な設備は当業者によく知られているため、本明細書に以下に更に説明されない。
【0100】
このような実施形態によれば、二酸化炭素捕捉ユニット34は、熱伝達流体を二酸化炭素捕捉ユニット34に導入するための入口138 と、二酸化炭素捕捉ユニット34の出口で熱伝達流体を回収するための出口140 とを有している。
【0101】
更にこのような実施形態によれば、出口140 は第6の熱交換システム90に連結されているため、二酸化炭素捕捉ユニット34を出る熱伝達流体136 は、(反応ユニット93が設けられていない場合には)中間流91との熱交換によって加熱されて、(反応ユニット93が設けられている場合には)一酸化炭素欠乏流95との熱交換によって加熱される。このため、第6の熱交換システム90は、二酸化炭素捕捉ユニット34から熱伝達流体136 を導入するための入口142 と、熱伝達流体136 を回収するための出口144 とを有している。
【0102】
第6の熱交換システム90の出口144 は第5の熱交換システム89に連結されているため、第6の熱交換システム90を出る熱伝達流体136 は、予冷されたアノードガス流87との熱交換によって再び加熱される。このため、第5の熱交換システム89は、第6の熱交換システム90から熱伝達流体136 を導入するための入口146 と、熱伝達流体136 を回収するための出口148 とを有している。
【0103】
第5の熱交換システム89の出口148 は第4の熱交換システム82に更に連結されているため、第5の熱交換システム89を出る熱伝達流体136 は、冷却されたカソード流80との熱交換によって再び加熱される。このため、第4の熱交換システム82は、第5の熱交換システム89から熱伝達流体136 を導入するための入口150 と、熱伝達流体136 を回収するための出口152 とを有している。
【0104】
第4の熱交換システム82の出口152 は二酸化炭素捕捉ユニット34の入口138 に最終的に連結されているため、熱伝達流体136 は、二酸化炭素捕捉ユニット34内における熱交換によって熱を伝達することによって冷却される。
【0105】
二酸化炭素捕捉ユニット34については、
図2を参照して説明する。
【0106】
上記に示されているように、二酸化炭素捕捉ユニット34は、乾燥アノード流40を導入するための入口114 を有している。
【0107】
二酸化炭素捕捉ユニット34は通常、吸収装置200 を有しており、吸収装置200 は、吸収装置200 の最上部で二酸化炭素欠乏アノード流19を生成して、二酸化炭素高含有液体溶媒の底流202 を生成するように、乾燥アノード流40中の二酸化炭素を抽出するための液体溶媒を含んでいる。
【0108】
二酸化炭素捕捉ユニット34は、予熱された底流206 を生成すべく、底流202 を加熱するための第7の熱交換システム204 を更に有している。
【0109】
二酸化炭素捕捉ユニット34は、加熱された底流210 を生成すべく、予熱された底流206 を加熱するための第8の熱交換システム208 を更に有している。
【0110】
一実施形態によれば、第8の熱交換システム208 は、熱伝達流体136 を導入するための入口212 、及び熱伝達流体を回収するための出口214 を有しているため、予熱された流れ206 は、熱伝達流体136 との熱交換によって、第8の熱交換システム208 で加熱される。
【0111】
二酸化炭素捕捉ユニット34は、第8の熱交換システム208 に連結されて、加熱された底流210 を受けるように構成されているタンク216 を更に有している。タンク216 は、タンク216 の最上部で二酸化炭素流18を生成して、吸収装置200 の最上部で注入されるための二酸化炭素欠乏液体溶媒流218 をタンク216 の底部で生成すべく、加熱された底流210 を分離するように構成されている。
【0112】
優先的には、タンク216 の底部は、第7の熱交換システム204 に連結されているため、二酸化炭素欠乏液体溶媒流218 は、予冷された二酸化炭素欠乏液体溶媒流220 を生成すべく、液体底流202 との熱交換によって冷却される。このため、第7の熱交換システム204 は、二酸化炭素欠乏液体溶媒流218 を導入するための入口222 と、予冷された二酸化炭素欠乏液体溶媒流220 を回収するための出口224 とを有している。
【0113】
二酸化炭素捕捉ユニット34は、予冷された二酸化炭素欠乏液体溶媒流220 が吸収装置200 の最上部で注入される前に、予冷された二酸化炭素欠乏液体溶媒流220 を更に冷却するための第9の熱交換システム226 を更に有していることが有利である。
【0114】
装置について説明されている流れは、このような流れを導くパイプと統合される。
【0115】
本発明に係る第1の方法の実施について述べる。
【0116】
本発明に係る方法では、最初に、貯蔵ユニット22(又はガスパイプ網)からの少なくとも1つの燃料ガス流14、及び貯蔵ユニット24からの少なくとも1つの酸素高含有ガス流16を供給する。
【0117】
まず、燃料供給流35を生成するために、燃料ガス流14の一部37を、前処理ユニット28に対して二酸化炭素捕捉ユニット34の出口118 で回収される二酸化炭素欠乏アノード流19の一部124 と混合する。
【0118】
燃料供給流35を、加熱して前処理するために前処理ユニット28に導入する。このために、燃料ガス流14を第1の熱交換システム42に導入して、初めて加熱する。次に、第1の熱交換システム42の出口48で回収されて予熱された燃料流50を第2の熱交換システム44に導入して、第2の熱交換システム44内で再び加熱して、加熱された燃料流56を出口54で生成する。
【0119】
優先的には、燃料供給流35の温度は0℃~50℃の範囲内であり、より優先的には10℃~30℃の範囲内である。
【0120】
優先的には、燃料供給流35を、第1の熱交換器42内で100 ℃~450 ℃の範囲内の温度、優先的には200 ℃~300 ℃の範囲内の温度に加熱する。
【0121】
燃料供給流35に対して、脱硫された燃料流58を生成するように予備的な脱硫工程を更に行うことが可能である。燃料供給流35に硫黄が含まれると、特に燃料電池ユニット30の汚染により装置の早期摩耗に繋がる可能性がある。そのため、脱硫工程は、燃料供給流35中の硫黄の濃度を大幅に下げるため、優先的には存在する硫黄を完全に除去するために必要である場合が有り得る。
【0122】
最初の燃料供給流35の硫黄濃度は通常0~100 ppm、特に0~10 ppmの範囲内であり得る。優先的には、脱硫工程後、脱硫された流れ58の硫黄濃度は1ppm 以下であり、より優先的には0.1 ppm以下である。
【0123】
予熱された燃料流50を脱硫ユニット57に導入することにより、脱硫工程を行うことが有利である。優先的には次に、脱硫ユニット57の出口で回収された脱硫流58を、混合流60を生成するように水の流れ59と混合する。その後、混合流60を、第2の熱交換システム44内で加熱されるために第2の熱交換システム44に送る。
【0124】
優先的には、予熱された燃料流50(又は本方法が脱硫工程を有する場合には混合流60)を、第2の熱交換器44内で300 ℃~600 ℃の範囲内の温度、優先的には400 ℃~500 ℃の範囲内の温度に加熱する。
【0125】
第2の熱交換システム44の出口で回収されて加熱された燃料流56に対して、前処理ユニット28内で予備的な前改質工程を更に行ってもよい。燃料として使用される炭化水素化合物、特にC2+ 炭化水素化合物は、通常500 ~600 ℃を超える高温に加熱されると、熱分解によって細分化される可能性が高く、その結果、装置に不要な堆積物が生成される。予備的な前改質工程により、加熱された燃料流56を、水素H2、一酸化炭素CO、二酸化炭素、水、及び未反応の最初の燃料ガス中のメタンの一部で構成される流れ62に変換して、熱分解現象を防止することが可能になる。このような変換を、例えばニッケルなどの触媒と接触させて行う。
【0126】
優先的には、前改質工程を、加熱された燃料流56を前改質ユニット61に流すことによって行う。次に、前改質ユニット61の出口で回収される流れ62を燃料電池ユニット30に送る。
【0127】
前改質ユニット61の出口で回収される流れ62の水素H2の濃度は通常、20体積%~50体積%の範囲内であり、優先的には30体積%~40体積%の範囲内である。
【0128】
前改質ユニット61の出口で回収される流れ62の一酸化炭素COの濃度は通常、0体積%~15体積%の範囲内であり、優先的には0体積%~10体積%の範囲内である。
【0129】
優先的には、未反応の最初の燃料の流れ62の割合は、50体積%未満であり、より優先的には30体積%未満であり、特には20体積%~30体積%の範囲内である。
【0130】
同時的に、酸素高含有ガス流16を、第3の熱交換システム72を通して流すことにより加熱する。
【0131】
優先的には、酸素高含有ガス流16を、第3の熱交換器72で500 ℃~800 ℃の範囲内の温度、優先的には600 ℃~700 ℃の範囲内の温度に加熱する。
【0132】
次に、高温の酸素高含有ガス流16を燃料電池ユニット30のカソードシステム66に導入する。
【0133】
その後、加熱された燃料流56(又は前改質ユニット61の出口で回収された流れ62)及び酸素高含有ガス流16が連続的に供給される燃料電池ユニット30を作動させる。
【0134】
このために、加熱された燃料流56(又は前改質工程を行う場合には流れ62)を燃料電池ユニット30の入口68に導入する。特に、加熱された燃料流56(又は流れ62)をアノードシステム64に注入する。
【0135】
加熱された酸素高含有ガス流16を燃料電池ユニット30の入口70に導入する。特に、高温の酸素高含有ガス流16をカソードシステム66に注入する。
【0136】
加熱された燃料流56(又は流れ62)が燃料電池ユニット30に入ると、加熱された燃料流56(又は流れ62)に対して第1の改質工程を行う。第1の改質工程中、全ての最初の燃料を、水素H2及び一酸化炭素COで構成される合成ガスに変換する。
【0137】
水素H2は、アノードシステム64と接すると陽子H+及び電子に解離する。このようにして放出された電子はアノードシステム64に蓄積し、外部回路によって燃料電池ユニット30のカソードシステム66に送られ、電子が、アノードシステム64からカソードシステム66に移動して、電流12を発生させる。
【0138】
カソードシステム66では、送られた電子は、酸素高含有ガス流16中の酸素O2によって固定され、酸素O2分子が酸素イオンO2- に変換される。
【0139】
次に、このように生成された酸素イオンO2- は、電解質を通って流れてアノードシステム64の側に移り、アノードシステムで、水H2O を生成するように、既に生成されているH+陽子と反応して、二酸化炭素CO2 を生成するように一酸化炭素COと反応する。
【0140】
その後、アノードガス流36及びカソードガス流38を燃料電池ユニット30の出口で回収する。
【0141】
特に、カソード66の出口で回収される残留ガスの流れに相当するカソードガス流38を燃料電池ユニット30の出口76で回収する。カソードガス流38は、最初の酸素高含有ガス流(16)に対して低い酸素濃度を有する。
【0142】
通常は、カソードガス流38の酸素濃度は20モル%以下であり、優先的には5モル%~15モル%の範囲内である。
【0143】
その後、カソードガス流38を装置26に送る。
【0144】
一実施形態によれば、カソードガス流38は、装置26に達する前に、一連の熱交換システム72, 82を通って流すことにより冷却される。優先的には、カソードガス流38を最初に第3の熱交換システム72に導入し、第3の熱交換システム72で、冷却されたカソード流80を生成すべくカソードガス流38を酸素高含有ガス流16との熱交換によって、まず冷却する。
【0145】
このような実施形態は、外部のエネルギー入力を必要とすることなく熱統合によって、投入された酸素高含有ガス流16を加熱して、放出されたカソードガス流38を冷却するために使用され得るという点で有利である。
【0146】
優先的には、次に、酸素欠乏ガス流20を出口で回収するために、第3の熱交換システム72の出口で回収されて冷却されたカソード流80を、第4の熱交換システム82を通して流すことにより再び冷却する。その後、酸素欠乏ガス流20を装置26に送る。
【0147】
優先的には、カソードガス流38を、第3の熱交換システム72で50℃~250 ℃の範囲内の温度、優先的には100 ℃~200 ℃の範囲内の温度に冷却する。
【0148】
優先的には、冷却されたカソード流80を、第4の熱交換システム82で50℃~200 ℃の範囲内の温度、優先的には100 ℃~150 ℃の範囲内の温度に冷却する。
【0149】
アノードシステム64の出口で回収される残りのガス流に相当するアノードガス流36を燃料電池ユニット30の出口74で回収する。アノードガス流36は、燃料電池ユニット30の動作によって生じる二酸化炭素CO2 、水H2O 、更に反応しなかった一酸化炭素CO及び水素H2の混合物で構成される。
【0150】
優先的には、最初の合成ガスの少なくとも30体積%、より優先的には30体積%~50体積%をアノードガス流で回収する。
【0151】
優先的には、アノードガス流36の二酸化炭素濃度は10体積%を超え、より優先的には10体積%~40体積%の範囲内であり、通常は20体積%~40体積%の範囲内である。
【0152】
燃料電池ユニット30の出口で回収されるアノードガス流36の温度は通常、500 ℃を超え、優先的には750 ℃~850 ℃の範囲内である。
【0153】
次に、燃料電池ユニット30の出口74で回収されるアノードガス流36全体を後処理・冷却・凝縮ユニット32に導入して、後処理・冷却・凝縮ユニット32内で冷却して、生じた水を除去する。
【0154】
有利な実施形態によれば、アノードガス流36を後処理・冷却・凝縮ユニット32に導入する前に、アノードガス流36を、第2の熱交換システム44を通して、次に第1の熱交換システム42を通して流すことにより予冷する。特に、アノードガス流36を最初に第2の熱交換システム44で、予熱した燃料流50(又は中間燃料流133 )との熱交換によって冷却する。このように生成された中間アノード流84を次に第1の熱交換器42で、最初の燃料供給流35との熱交換によって再び冷却する。このようにして、予冷されたアノード流87が第1の熱交換器42の出口で得られる。
【0155】
優先的には、アノードガス流36を、第2の熱交換システム44で550 ℃~750 ℃の範囲内の温度、優先的には650 ℃~750 ℃の範囲内の温度に冷却する。
【0156】
優先的には、中間アノード流84を、第1の熱交換システム42で300 ℃~500 ℃の範囲内の温度、優先的には400 ℃~500 ℃の範囲内の温度に冷却する。
【0157】
その後、予冷されたアノード流87を後処理・冷却・凝縮ユニット32に導入する。
【0158】
このような実施形態は、外部のエネルギー入力を必要とすることなく熱統合によって、燃料供給流35を燃料電池ユニット30に導入する前に燃料供給流35を加熱して、アノードガス流36を予冷するために使用され得るという点で有利である。
【0159】
第1の熱交換システム42の下流側での加熱された燃料ガス流132 の注入は、あらゆる外部エネルギー入力を必要とすることなく熱統合によって、燃料供給流35を燃料電池ユニット30に導入する前に燃料供給流35を加熱するために更に使用され得る。
【0160】
後処理・冷却・凝縮ユニット32で、アノードガス流36(又は予冷の場合には予冷されたアノード流87)を、第5の熱交換システム89及び第6の熱交換システム90を通して流すことにより冷却する。特に、アノードガス流36(又は予冷されたアノード流87)を最初に第5の熱交換システム89で冷却する。このようにして生成された中間流91を第6の熱交換システム90で再び冷却する。このようにして、冷却されたアノード流92が第6の熱交換器90の出口で得られる。
【0161】
好ましい実施形態によれば、アノードガス流36(又は予冷されたアノード流87)に対して、アノードガス流36(又は予冷されたアノード流87)中の一酸化炭素COのかなりの割合を、アノードガス流36(又は予冷されたアノード流87)中の水蒸気との反応によって二酸化炭素CO2 及び水素H2に変換するためのガス/水変換工程を更に行ってもよい。このような工程は、二酸化炭素捕捉ユニット34における処理のために流れ36(又は流れ87)中の一酸化炭素COのかなりの割合を除去することを目的としている。
【0162】
優先的には、ガス/水変換工程を、中間流91をガス/水反応ユニット93に導入することにより行う。次に、ガス/水反応ユニット93の出口94で回収された一酸化炭素欠乏流95を、冷却し続けるために第6の熱交換システム90に送る。
【0163】
その後、冷却されたアノード流92を、冷却されたアノード流92に含まれる水を凝縮するために一連の凝縮器96, 98に導入する。特に、冷却されたガス流92を、第1の凝縮流100 及び中間ガス流102 を生成するために第1の凝縮器96に導入する。その後、冷却されたアノード流92に含まれる水の凝縮を完了して、ひいては第2の凝縮流104 及び乾燥アノード流40を生成するために、中間ガス流102 を第2の凝縮器98に導入する。
【0164】
優先的には、タンク106 の底部で液体水の流れ108 を生成してタンク106 の最上部で凝縮物のガス流109 を生成するために、凝縮物の第1の流れ100 をタンク106 に導入する。有利には、液体水の流れ108 を、再循環させて混合流60を生成するために、第2の熱交換システム44の上流側で、予熱された燃料流50(又は脱硫された燃料流58)に注入する。このため、水H2O を前改質ユニット61における試薬として使用する。
【0165】
装置10を始動させると、加熱された燃料流56はいかなる水分子も含まず、本方法の開始段階では水蒸気の一時的な追加を考慮し得る。燃料電池ユニット30の電気化学反応が開始されると、このような反応は水を生成するので、アノードガス流36の水分子は豊富である。このようにして、水分子は凝縮器96によって回収タンク106 で、予熱された燃料流50(又は脱硫された燃料流58)に再循環され得る。一時的な水蒸気追加システムは不要になる。水の濃度は、前改質モジュール61の入口にも存在する炭素の量で割った前改質モジュール61の入口に存在する水の量に相当する「蒸気/炭素」比を計算することにより制御され得る。このような比は通常1以上であり、優先的には1.5 ~3の範囲内である。水/炭素比を適切に制御することにより、前改質モジュール61及び燃料電池ユニット30内でコークスの堆積物が生成されるといういかなる危険性も防ぐことが可能になる。
【0166】
一実施形態によれば、本方法は、優先的には中間ガス流102 を第2の凝縮器98に導入する前に中間ガス流102 を加圧する工程を更に有する。
【0167】
従って、このような実施形態によれば、中間ガス流102 を圧縮/送風ユニット110 に直接導入する。次に、圧縮されたアノード流112 を圧縮/送風ユニット110 の出口111 で回収する。
【0168】
その後、圧縮されたアノード流112 を第2の凝縮器98に送る。
【0169】
圧縮/送風ユニット110 は、圧縮/送風ユニット110 の出口111 で回収されて、圧縮/送風工程中に温度が上昇する圧縮されたアノード流112 を冷却するために2つの凝縮器96, 98間に配置されている。
【0170】
従って、二酸化炭素捕捉ユニット34は、液体溶媒の負荷レベルを上げて、ひいては二酸化炭素捕捉ユニット34の性能を向上させ得る最小限の温度で動作することが可能である。圧縮/送風ユニット110 は、特に二酸化炭素捕捉ユニット34の吸収装置200 でプロセス中に設備に蓄積される熱損失を補償するために使用され得るという点で有利である。
【0171】
圧縮/送風ユニット110 の他の構成が考慮され得る。例えば、既存のユニット110 に追加するか又は既存のユニット110 を取り替える圧縮/送風ユニットが、二酸化炭素欠乏流19の圧力を高めるために二酸化炭素捕捉ユニット34の下流側に配置され得る。
【0172】
優先的には、中間ガス流102 の圧力は、0.9 バール~2バールの範囲内であり、より優先的には1バール~1.1 バールの範囲内である。
【0173】
圧縮ユニット110 の出口111 では、圧縮されたアノード流112 の圧力は通常、1.3 バール~5バールの範囲内であり、優先的には1.4 バール~2バールの範囲内である。
【0174】
次に、二酸化炭素の流れ18及び二酸化炭素欠乏アノード流19を生成するために、乾燥アノード流40を二酸化炭素捕捉ユニット34に導入する。
【0175】
このために、
図2を参照すると、乾燥アノード流40を、導入入口114 を通して吸収装置200 に導入する。吸収装置200 内では、乾燥アノード流40を、二酸化炭素を吸収し易い液体溶媒と接触させる。
【0176】
二酸化炭素を吸収し易い様々な液体溶媒が当業者に知られている。例として、アミン水溶液、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウムなどの他の化学溶媒、又は他の群の物理溶媒若しくはイオン溶媒が特に挙げられ得る。溶媒の例は、IntechOpenというジャーナルに2018年8月16日に公開されたFernando Vega 等著の「Solvents for Carbon Dioxide Capture」という論文に記載されている。
【0177】
優先的には、液体溶媒は、二酸化炭素を吸収し易いアミン含有水溶液から選択される。
【0178】
二酸化炭素を吸収し易いアミン水溶液を用いた化学吸収法は当業者によく知られており、ここでは更に説明されない。本発明に適したアミン水溶液の例には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、ピペラジン、2-アミノ-2-メチルプロパン-1-ol、ビス(2-ヒドロキシプロピル)アミン、1-メチルピペラジン、ジメチルアミノエタノールの化合物の内の一又は複数で構成された溶液が含まれる。
【0179】
吸収ユニットの適切な機能に必要なある数の設備及び諸設備システムは当業者に知られているため、本明細書では以下に更に説明されない。
【0180】
液体溶媒は、乾燥アノード流40に接すると、二酸化炭素を含む液体溶媒で構成された液体底流202 を生成して、吸収装置200 の最上部で二酸化炭素欠乏アノード流19を生成するために、乾燥アノード流40中の二酸化炭素を吸収する。
【0181】
二酸化炭素欠乏アノード流19は通常、10体積%~60体積%の範囲内、優先的には30体積%~50体積%の範囲内の二酸化炭素CO2を含む。
【0182】
予熱された底流206 を生成するために、二酸化炭素を含む液体溶媒で構成された液体底流202 を第7の熱交換システム204 で加熱する。次に、予熱された底流206 を第8の熱交換システム208 に導入し、第8の熱交換システム208 では、予熱された底流206 を再び加熱するため、液体溶媒によって吸収された二酸化炭素をガス状で部分的に放出する。通常は、予熱された底流206 を第8の熱交換システム208 で70℃を超える温度、優先的には80℃を超える温度、特には90℃近い温度に加熱する。タンク216 の最上部で二酸化炭素の流れ18を生成して、タンク216 の底部で二酸化炭素欠乏液体溶剤の流れ218 を生成するために、第8の熱交換システム208 の出口で回収されて加熱された底流210 をタンク216 に導入する。
【0183】
次に、二酸化炭素欠乏液体溶媒の流れ218 を、吸収装置200 内で再循環するために吸収装置200 に再注入する。
【0184】
タンク216 の底部から得られた二酸化炭素欠乏液体溶媒の流れ218 は、第7の熱交換システム204 及び第8の熱交換システム208 での加熱後にタンク216 に膨張によって放出されず吸収された二酸化炭素の一部と共に最初の液体溶媒を含む。
【0185】
通常は、液体溶媒の少なくとも15%、優先的には少なくとも35%、より優先的には55~65%は依然として二酸化炭素を含む。
【0186】
言い換えれば、二酸化炭素欠乏液体溶媒の流れ218 の二酸化炭素濃度は、乾燥塩基性アミン溶媒1モル当たりCO2 0.1 モル以下であり、優先的には乾燥塩基性アミン溶媒1モル当たりCO20.15~0.4 モルの範囲内であり、より優先的には乾燥塩基性アミン溶媒1モル当たりCO20.30~0.35モルの範囲内である。
【0187】
優先的には、二酸化炭素欠乏液体溶媒の流れ218 を、吸収装置200 に再注入する前に、第7の熱交換システム204 で吸収装置200 からの液体底流202 との熱交換によって冷却する。
【0188】
二酸化炭素欠乏液体溶媒の流れ218 を吸収装置200 に注入する前に、二酸化炭素欠乏液体溶媒の流れ218 に対して、例えば外部の冷却源を使用して第9の熱交換システム226 を通して流す追加の冷却工程を更に行ってもよい。
【0189】
一実施形態によれば、予熱された底流206 を、第8の熱交換システム208 で熱交換閉回路134 との熱交換によって加熱する。
【0190】
優先的には、予熱された底流206 を、熱交換閉回路134 を通って流れる熱伝達流体136 との熱交換によって加熱する。
【0191】
優先的には、熱伝達流体136 を、中間流91(又は一酸化炭素欠乏流95)との熱交換、及び/又は予冷されたアノードガス流87との熱交換、及び/又は冷却されたカソード流80との熱交換によって加熱する。
【0192】
次に、燃料供給流35を生成するために、二酸化炭素捕捉ユニット34の出口で回収された二酸化炭素欠乏アノード流19の一部124 を燃料ガス流14の第1の部分37と混合する。
【0193】
このようにして、二酸化炭素欠乏アノード流19の一部124 をプロセス中に再循環させる。
【0194】
優先的には、二酸化炭素欠乏アノード流19の一部124 は、燃料供給流35の少なくとも30体積%、より優先的には50体積%~85体積%の範囲内、更に優先的には70体積%~80体積%の範囲内に相当する。
【0195】
優先的には、燃料ガス流14の第1の部分37は、燃料供給流35の少なくとも70体積%、より優先的には15体積%~50体積%の範囲内、更に優先的には20体積%~30体積%の範囲内に相当する。
【0196】
二酸化炭素欠乏アノード流19の残り部分(部分122 )を、炉120 内で燃焼させるために炉120 に更に注入する。そのため、部分122 の燃焼により、装置10における不活性ガスの蓄積を防ぐことが可能になる。
【0197】
優先的には、二酸化炭素欠乏アノード流19の少なくとも1重量%、より優先的には5重量/体積%~20重量/体積%をバーナーに注入する。
【0198】
燃焼する二酸化炭素欠乏流19の割合は、二酸化炭素欠乏流19に蓄積された不活性ガスの濃度に直接依存する。当業者は、適切な割合を決定する方法を知っている。
【0199】
ある実施形態によれば、部分122 との燃焼のために、燃料ガス流14の一部を炉120 、特に触媒バーナー126 に更に注入することが可能である。このような実施形態を、例えば、装置10を適切に作動させるために装置10の起動段階中に実施することが可能である。
【0200】
装置10からの二酸化炭素の全体的な排出を制限するために、炉120 に注入される燃料ガス流14の量を調節する。優先的には、このような排出にもかかわらず、本発明に係るプロセス中に生成される二酸化炭素の少なくとも80モル%、優先的には少なくとも90モル%、より優先的には90~99モル%を捕捉する。
【0201】
二酸化炭素欠乏アノード流19の一部122 との燃焼のために、酸素欠乏流20の一部127 を炉120 、特に触媒バーナー126 に更に注入することが有利である。その後、酸素欠乏流20の他の部分128 を装置26に送る。
【0202】
優先的には、酸素欠乏流20の少なくとも1重量%、より優先的には5重量/体積%~20重量/体積%を炉120 に注入する。
【0203】
優先的には、部分122 及び部分127 の燃焼によって発生する熱により加熱するために、最初の燃料ガス流14の少なくとも一部129 を炉120 内、特に炉120 の第7の熱交換システム(不図示)内に流す。次に、炉120 、特に第7の熱交換システムの出口130 で回収されて加熱された燃料ガス流132 を、予熱された燃料流50に注入して、中間燃料流133 を生成する。
【0204】
優先的には、燃料ガス流14の少なくとも5体積%、より優先的には10体積%~40体積%を炉120 で加熱する。
【0205】
優先的には、二酸化炭素欠乏アノード流19の一部124 は、中間燃料流133 の少なくとも20体積%、より優先的には30体積%~60体積%の範囲内、更に優先的には40体積%~50体積%の範囲内に相当する。
【0206】
優先的には、燃料ガス流14の第1の部分37は、中間燃料流133 の少なくとも5体積%、より優先的には10体積%~35体積%の範囲内、更に優先的には15体積%~25体積%の範囲内に相当する。
【0207】
従って、本発明に係る装置及び方法は、生成される二酸化炭素CO2 の回収を可能にしながら、燃料電池ユニット30を用いて電流12を発生させるために使用され得る。
【0208】
本発明は、燃料供給流35の二酸化炭素濃度の上昇が燃料電池ユニット30の動作に影響を及ぼさないか又はほとんど影響を及ぼさないという観察に基づいている。二酸化炭素は、燃料電池ユニット30内で生じる可能性がある反応に関与しないため、実際には燃料電池ユニット30のための中性ガスである。従って、二酸化炭素は、かなりの濃度を有し、燃料電池ユニット30の性能に著しい影響を与えることなく装置10で再循環することが可能である。燃料電池ユニット30には燃料が必要であるため、燃料電池ユニット30に十分な量の燃料ガスが注入されることで、このような二酸化炭素濃度の上昇が制限されることは明らかである。
【0209】
特に、本発明に係る装置及び方法により、プロセス中に生成される二酸化炭素の大部分を燃料供給流35に直接再循環させることを提案しており、二酸化炭素の回収に関連するエネルギー要件を大幅に下げることが可能になる。特に、二酸化炭素の再循環は、装置10全体を通した二酸化炭素の濃度の上昇、特に燃料電池ユニット30の出口で回収されるアノードガス流36中の二酸化炭素の濃度の上昇に繋がる。処理する排出物中の二酸化炭素の濃度のこのような上昇により、二酸化炭素の回収に必要なエネルギーを大幅に削減することが可能になる。
【0210】
実際、処理する排出物中の二酸化炭素の濃度の上昇により、二酸化炭素捕捉ユニット34で使用される液体溶媒を集中的に再生する必要性を克服することが可能であり、液体溶媒の部分的な再生、通常は液体溶媒の40~50重量%の部分的な再生で十分である。従って、液体溶媒の再生に必要なエネルギーが大幅に削減される。このようにして液体溶媒の再生は、かなり低い温度、通常は100 ℃未満の温度に加熱することによって行われる。蒸気から二酸化炭素を捕捉する従来のユニットでは、液体溶媒は、再生ユニットの底部に配置されている再沸騰ユニットで蒸発し、ストリップ塔内で上昇する。本発明は、必要な部分的な吸収を吸収装置200 内で行うのに十分な再生レベルに液体溶媒をしながら、エネルギーを消費する蒸発工程無しで、二酸化炭素を放出して液体溶媒を(部分的に)再生することを可能にする。従って、二酸化炭素捕捉ユニット34のエネルギー要件及び動作温度を大幅に下げる。加えて、二酸化炭素捕捉ユニットに従来使用されるストリップ塔又は再沸騰器及び凝縮器の使用は不要となり、単純なフラッシュタンクが十分な再生レベルを達成するのに十分である。
【0211】
二酸化炭素捕捉ユニット34のエネルギー要件は、二酸化炭素捕捉ユニットの動作に必要な熱エネルギーが熱統合によって回収され得るほど大幅に下げられる。上記に説明したように、液体溶媒の再生に必要な熱は、装置10の異なる場所で放出される熱を回収する閉回路による熱統合によって与えられ得る。特に、液体溶媒の部分的な再生を、燃料電池ユニット30の排出物の後処理に関与する熱交換システム、特に第4の熱交換システム82、第5の熱交換システム89及び第6の熱交換システム90で熱回収によって行うことが可能である。
【0212】
そのため、二酸化炭素捕捉ユニットの適切な動作のために外部熱システムは不要である。
【0213】
更に、燃料電池ユニット30の動作中に放出される熱を使用して、燃料電池ユニット30に供給する流れ56, 70を予熱することが可能である。このようにして、燃料電池ユニット30によって分散する熱エネルギーの一部を回収することにより、システムの全体効率が向上する。
【0214】
本発明に係る方法及び装置は、燃料電池ユニット30の出口で回収される熱が、低熱レベルで膨張タンク216 で液体溶媒を再生するために使用され得るという点で更に有利である。このような膨張は、大気圧に比較的近い圧力、通常は1気圧から2気圧の範囲内で生じる。アノードシステム64の出口で利用可能な熱エネルギーを全て使用しない場合は常に、熱伝達流体136 の温度を上げて、ひいては液体溶媒をより高い圧力で再生するように熱エネルギーを回収することが可能である。そのため、膨張タンク216 の動作圧力の上昇を使用して、二酸化炭素CO2 の運搬及び/又は液化に必要な圧縮レベルの数を大幅に減らすことが可能である。従って、本発明に係る方法及び装置によって、全体的なチェーン(発電、捕捉、輸送)における設備及びエネルギー消費を節約することになる。
【0215】
燃料電池の排出物のための従来の燃焼後の装置では、アミン水溶液で処理されて二酸化炭素捕捉ユニットの出口で回収される蒸気は、大気中に放出されることを意図されている。しかしながら、このような蒸気は、例えば溶媒の劣化に起因する有毒物質及び汚染物質を含む場合がある。大気汚染を防止する好適な方法は、蒸気を大気中に放出する前に蒸気を水で洗浄することである(そのため、水を浄化する必要がある)。そのため、装置を作動させるためのエネルギーコストに伴い、追加の装置が必要である。本発明の構成内では、二酸化炭素欠乏アノード流19を燃料電池ユニット30に向けて再循環させ、汚染物質を(脱硫ユニット57で)捕捉するか又は燃料電池ユニット30で直接燃焼させる。そのため、このような汚染物質を大気中に放出しない。本発明に係る装置及び方法によって、特に追加の汚染除去装置を必要としないことが可能になる。
【0216】
本発明に係る方法及び装置は、生成された二酸化炭素の少なくとも90%を回収するために使用され得るという点で更に有利である。
【0217】
最後に、本発明に係る装置及び方法は、燃料電池ユニットで消費されなかった燃料を効率的に再循環させることになるという点で更に有利である。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムを作動させる方法であって、
- 少なくとも1つのアノードシステム及び少なくとも1つのカソードシステムを備えており、前記アノードシステムに注入される燃料供給流と前記カソードシステムに注入される酸素高含有ガス流とが連続的に供給される燃料電池ユニットを作動させる工程、
- 前記燃料電池ユニットの出口で、水を含む二酸化炭素高含有アノードガス流及びカソードガス流を回収する工程、
- 乾燥アノード流を生成するために、後処理・冷却・凝縮ユニットで前記二酸化炭素高含有アノードガス流を冷却して前記二酸化炭素高含有アノードガス流中の水を凝縮する工程、
- 二酸化炭素ガス流と、20体積%~70体積%の範囲内の二酸化炭素濃度を有する二酸化炭素欠乏アノード流とを生成するために、前記乾燥アノード流を二酸化炭素捕捉ユニットに導入する工程、並びに
- 前記二酸化炭素欠乏アノード流の少なくとも一部を前記燃料電池ユニットに再循環させるように、前記二酸化炭素欠乏アノード流の少なくとも一部を前記燃料供給流に注入する工程
を有する方法。
【請求項2】
前記二酸化炭素欠乏アノード流の二酸化炭素濃度は40体積%~60体積%の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記二酸化炭素欠乏アノード流と、二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流とを生成するために、前記二酸化炭素捕捉ユニットで前記乾燥アノード流を、二酸化炭素を吸収し易い液体溶媒と接触させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素ガス流及び部分的に再生された液体溶媒流を生成するために、前記液体底流を加熱することにより、前記液体底流に吸収された二酸化炭素を部分的に放出する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記液体底流を、前記二酸化炭素高含有アノードガス流及び/又は前記カソードガス流との熱交換により加熱する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記方法の実施中に生成される二酸化炭素の少なくとも80%を前記二酸化炭素ガス流に回収する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記燃料供給流はC1~C5の炭化水素の流れである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記二酸化炭素欠乏アノード流の一部を前記二酸化炭素捕捉ユニットから得て、次に炉内で燃焼させる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
熱交換閉回路を通って流れる熱伝達流体との熱交換により、前記液体底流を少なくとも部分的に加熱し、前記熱伝達流体を、前記二酸化炭素高含有アノードガス流及び/又は前記カソードガス流との熱交換によって加熱する、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記燃料供給流を、前記燃料電池ユニットに注入する前に前記二酸化炭素高含有アノードガス流との熱交換によって加熱する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
- 燃料供給流を導入するための入口、酸素高含有ガス流を導入するための入口、アノードガス流を回収するための出口、及びカソードガス流を回収するための出口を有する燃料電池ユニットと、
- 乾燥アノード流を生成するために、前記アノードガス流を冷却して乾燥させるための後処理・冷却・凝縮ユニットと、
- 二酸化炭素ガス流及び二酸化炭素欠乏アノード流を生成するように構成されており、前記乾燥アノード流を導入するための入口及び前記二酸化炭素欠乏アノード流を回収するための出口を有する二酸化炭素捕捉ユニットと
を備えており、
前記二酸化炭素欠乏アノード流を回収するための出口は、前記燃料供給流を前記燃料電池ユニットに導入するための入口に連結されている、燃料電池装置。
【請求項12】
前記二酸化炭素捕捉ユニットは、
- 前記乾燥アノード流を、二酸化炭素を吸収し易い液体溶媒と接触させて、吸収装置の最上部で前記二酸化炭素欠乏アノード流を生成して、前記吸収装置の底部で、二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流を生成するように構成されている前記吸収装置、
- 加熱された底流を生成すべく、前記液体底流を加熱するように構成されている少なくとも1つの熱交換システム、及び
- タンクの最上部で前記二酸化炭素ガス流を生成して、前記タンクの底部で、前記吸収装置に注入されるための部分的に再生された液体溶媒の流れを生成するように構成されており、前記少なくとも1つの熱交換システムに連結されている前記タンク
を有している、請求項11に記載の燃料電池装置。
【請求項13】
前記アノードガス流及び/又は前記カソードガス流と共に、前記少なくとも1つの熱交換システムで前記二酸化炭素含有液体溶媒を含む液体底流との熱交換下に置かれるための熱伝達流体を含む熱交換閉回路を更に備えている、請求項12に記載の燃料電池装置。
【請求項14】
前記二酸化炭素捕捉ユニットはストリップ塔を有していない、請求項11又は12に記載の燃料電池装置。
【外国語明細書】