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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177475
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】育苗方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20231207BHJP
   A01G 7/02 20060101ALI20231207BHJP
   A01G 9/18 20060101ALI20231207BHJP
   A01G 9/20 20060101ALI20231207BHJP
   A01G 9/24 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
A01G7/00 601A
A01G7/00 603
A01G7/02
A01G9/18
A01G9/20 B
A01G9/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090169
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】下山 真人
(72)【発明者】
【氏名】溝田 陽子
(72)【発明者】
【氏名】赤松 伯英
【テーマコード(参考)】
2B022
2B029
【Fターム(参考)】
2B022DA01
2B022DA15
2B022DA17
2B022DA19
2B022DA20
2B029JA00
2B029KB03
2B029KB05
2B029MA06
(57)【要約】
【課題】苗木を育てるために必要なコストを抑えつつ、苗木の歩留まりにおける低下を抑えることを可能とした育苗方法を提供する。
【解決手段】育苗方法は、所定期間にわたって人工光によって苗木Tを育てること、および、所定期間における外部環境に基づいて、自然光SRによって温室12内で苗木Tを育てる温室育苗の期間、屋外で苗木を育苗する屋外育苗の期間、および、温室育苗と屋外育苗との順序を定めた育苗パターンを選択し、当該育苗パターンによって人工光によって育てられた苗木Tを育てること、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定期間にわたって人工光によって苗木を育てること、および、
前記所定期間における外部環境に基づいて、自然光によって温室内で前記苗木を育てる温室育苗の期間、屋外で前記苗木を育苗する屋外育苗の期間、および、前記温室育苗と前記屋外育苗との順序を定めた育苗パターンを選択し、当該育苗パターンによって前記人工光によって育てられた前記苗木を育てること、を含む
育苗方法。
【請求項2】
前記育苗パターンは、前記育苗パターンによる育苗の開始時から前記苗木の出荷時まで前記温室育苗を継続するパターンを含む
請求項1に記載の育苗方法。
【請求項3】
前記育苗パターンは、前記育苗パターンによる育苗の開始時から前記苗木の出荷時まで前記温室育苗を第1期間にわたって継続する第1育苗パターンと、前記育苗パターンによる育苗の開始時から前記苗木の出荷時まで前記温室育苗を前記第1期間よりも短い第2期間にわたって継続する第2育苗パターンと、を含む
請求項1に記載の育苗方法。
【請求項4】
前記育苗パターンは、前記温室育苗を第1期間にわたって継続した後に、前記屋外育苗を第2期間にわたって継続するパターンを含む
請求項1に記載の育苗方法。
【請求項5】
前記育苗パターンは、前記育苗パターンによる育苗の開始時から前記苗木の出荷時までにわたって前記屋外育苗を継続するパターンを含む
請求項1に記載の育苗方法。
【請求項6】
前記外部環境は、月日、外気温、霜の発生、および、日射量の少なくとも1つを含む
請求項1に記載の育苗方法。
【請求項7】
前記人工光での前記苗木の生育状態に基づいて、前記所定期間を変更する
請求項1に記載の育苗方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育苗方法に関する。
【背景技術】
【0002】
育苗方法の一例では、6ヶ月から12ヶ月の期間をかけて露地において植林可能な苗木である山行き苗木を育てる。露地での育苗では、苗木の生育が天候や害虫によって左右されるから、苗木の歩留まりが低下しやすい。特に、種子の発芽後から2ヶ月または3ヶ月の期間である幼苗期において苗木が枯死しやすく、これによって、苗木の歩留まりが低下する。そこで、人工光による日長の制御が可能な施設において山行き苗木を育てる方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-68768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人工光による日長の制御が可能な施設において苗木を育てることによって、幼苗期において苗木が枯死する割合を低下させ、これによって、苗木の歩留まりの低下を抑えることは可能である。しかしながら、種子の発芽から植林可能な大きさになるまでの期間にわたって人工光下において苗木を育てることは、山行き苗木当たりの育苗に必要なコストが高まる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための育苗方法は、所定期間にわたって人工光によって苗木を育てること、および、前記所定期間における外部環境に基づいて、自然光によって温室内で前記苗木を育てる温室育苗の期間、屋外で前記苗木を育苗する屋外育苗の期間、および、前記温室育苗と前記屋外育苗との順序とを定めた育苗パターンを選択し、当該育苗パターンによって前記人工光によって育てられた前記苗木を育てること、を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、苗木を育てるために必要なコストを抑えつつ、苗木の歩留まりにおける低下を抑えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】育苗方法が含む人工光での育苗、温室育苗、および、屋外育苗を説明するための模式図である。
図2】育苗システムの構造を示すブロック図である。
図3】育苗パターンの一例を示すガントチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1から図3を参照して、育苗方法の一実施形態を説明する。
[育苗方法]
本開示の育苗方法は、所定期間にわたって人工光によって苗木を育てること、および、育苗パターンで人工光によって育てられた苗木を育てることを含む。育苗パターンは、温室育苗の期間、屋外育苗の期間、および、温室育苗と屋外育苗との順序を定める。育苗パターンは、人工光によって苗木が育てられた所定時間における外部環境に基づいて選択される。
【0009】
こうした育苗方法によれば、人工光によって苗木を育てた後に、屋外育苗および温室育苗の少なくとも一方を含む育苗パターンによって苗木を育てるから、人工光のみによって苗木を育てる場合に比べて、苗木を育てるために必要なコストを低減することが可能である。また、育苗パターンの選択には苗木育成時の外部環境が用いられるから、人工光で育成済の苗木の育成に適した環境が選択され、これによって、苗木の歩留まりの低下を抑えることが可能である。以下、図1を参照して育苗方法を詳しく説明する。
【0010】
図1は、本開示の育苗方法において苗木が育てられる育苗環境を模式的に示している。
図1が示すように、育苗方法による育苗の対象である苗木Tは、まず、人工光によって苗木Tを育てる育苗施設11において所定期間にわたって育てられる。苗木Tが育苗施設11において育てられる期間は、数ヶ月であってよく、例えば2ヶ月以下であってよい。苗木Tは、例えば、芽生えの状態から予め定められた苗長以上に達するまでの間にわたって、育苗施設11において育てられる。
【0011】
育苗施設11は、収容部11Aと照射部11Bとを備えている。収容部11Aは、複数の苗木Tを収容することが可能な育苗空間を画定する。収容部11Aは、自然光を遮蔽することが可能に構成されている。照射部11Bは、育苗空間内に人工光を照射することが可能に構成されている。照射部11Bは、各種の光源であってよい。光源は、例えば蛍光灯、高圧ナトリウムランプ、および、発光ダイオード(LED)などであってよい。
【0012】
育苗施設11では、照射部11Bによって、収容部11A内での日長、および、収容部11A内での光の強度が制御される。日長は、一日当たりに光が照射される時間である。日長は、例えば12時間以上20時間以下の範囲内に含まれる所定の長さに設定される。光の強度は、例えば所定の光量子束密度(photon flux density:PFD)に設定される。光量子束密度は、例えば100μmolm-2s-1以上500μmolm-2s-1以下の範囲内に含まれる所定の強度に設定される。
【0013】
育苗施設11は、収容部11A内の温度、湿度、および、二酸化炭素濃度を所定の値に設定することが可能に構成されてよい。すなわち、育苗施設11は、収容部11A内の温度、湿度、および、二酸化炭素濃度のうちの1つ以上を制御することが可能に構成されてよい。育苗施設11は、収容部11A内に位置する苗木Tを撮像することが可能に構成された撮像部を備えてもよい。撮像部は、苗木Tの画像を生成することが可能な各種の撮像素子であってよい。
【0014】
なお、苗木Tが芽生えの状態に達するまでの育成も、育苗施設11と同等の環境において行われることが好ましい。すなわち、播種、発芽、および、発芽した芽生えの植替までの処理は、人工光下において行われることが好ましい。
【0015】
本開示の育苗方法は、温室育苗および屋外育苗の少なくとも一方を含んでいる。すなわち、育苗方法は、温室育苗のみを含んでもよいし、屋外育苗のみを含んでもよいし、温室育苗と屋外育苗との両方を含んでもよい。なお、育苗方法が温室育苗と屋外育苗とを含む場合には、温室育苗が屋外育苗よりも前に行われてもよいし、屋外育苗が温室育苗よりも前に行われてもよい。また、育苗方法が温室育苗と屋外育苗とを含む場合には、温室育苗と屋外育苗との少なくとも一方が複数回含まれてもよい。すなわち、育苗方法には、温室育苗のみが複数回含まれてもよいし、屋外育苗のみが複数回含まれてもよいし、温室育苗と屋外育苗との両方が複数回含まれてもよい。なお、育苗方法が温室育苗と屋外育苗との少なくとも一方を複数回含む場合には、温室育苗と屋外育苗とが交互に行われる。
【0016】
温室育苗では、育苗施設11で育てられた後の苗木Tが、温室12で育てられる。温室12は、収容部12Aと遮光部12Bとを備えている。収容部12Aは、複数の苗木Tを収容することが可能な温室空間を画定する。収容部12Aは、自然光SRを透過することが可能に構成されている。収容部12Aは、例えば、自然光SRに含まれる全波長域の光を透過することが可能に構成されている。収容部12Aは、例えばビニールハウスであってよい。遮光部12Bは、収容部12A内に入射する自然光SRの少なくとも一部を遮断することが可能に構成されている。遮光部12Bは、例えば自然光SRが遮断される割合を任意の値に設定することが可能に構成されてもよい。
【0017】
温室育苗では、苗木Tは、自然光SRに依存する日長、自然光SRに依存する温度、外気に依存する湿度、および、外気に依存する二酸化炭素濃度において育てられる。なお、同一の時期において、温室12内の温度は、圃場13での外気温よりも高い。
【0018】
屋外育苗では、育苗施設11で育てられた後の苗木Tが、圃場13で育てられる。屋外育苗では、苗木Tは、自然光SRおよび外気に曝される。屋外育苗では、苗木Tは、圃場13における日長、温度、湿度、および、二酸化炭素濃度において育てられる。
【0019】
上述した育苗施設11、温室12、および、圃場13は、例えば、所定の大きさを有した敷地内において互いに隣り合うように配置されてよい。育苗施設11と温室12との間、温室12と圃場13との間、および、圃場13と育苗施設11との間には、それぞれ苗木Tを搬送することが可能に構成された搬送部が位置してもよい。
【0020】
育苗施設11、温室12、および、圃場13の各々では、複数ロットの苗木Tが同時期に育てられてもよい。各ロットは、同一時期に播種された苗木Tの群である。各ロットには、そのロットを他のロットから区別するための識別情報が紐付けられている。識別情報は、例えば、識別番号、名称、および、播種した月日の少なくとも1つであってよい。すなわち、識別情報は、識別番号、名称、および、播種した月日のうちのいずれか1つであってもよいし、これらのうちの任意の2つ以上を含んでもよい。
【0021】
本開示の育苗方法では、苗木Tが育苗施設11において育つ所定期間における外部環境に基づいて、育苗施設11での育苗以降の育苗パターンが選択される。なお、育苗パターンの選択に用いられる所定期間における外部環境は、所定期間の開始時における外部環境でもよいし、所定期間の終了時における外部環境でもよいし、所定期間の途中における外部環境でもよい。あるいは、所定期間における外部環境は、所定期間中における外部環境の平均値でもよいし、所定期間中における外部環境の代表値であってもよい。代表値は、例えば、最小値、最大値、および、最頻値のいずれかであってよい。
【0022】
外部環境は、月日、外気温、霜の発生、および、日射量の少なくとも1つを含んでよい。すなわち、外部環境は、月日、外気温、霜の発生、および、日射量のいずれか1つのみであってもよいし、月日、外気温、霜の発生、および、日射量から選択される2つ以上であってもよい。これにより、人工光によって育成済の苗木Tを育成する際の外部環境を推定する精度を高めることができるから、育苗パターンの選択における精度を高めることが可能である。
【0023】
育苗方法が適用される樹種は、針葉樹でもよいし、広葉樹でもよい。針葉樹は、例えば、スギ、ヒノキ、マツ、モミ、カラマツ、トドマツなどであってよい。広葉樹は、例えば、コナラ、クヌギ、サクラ、ケヤキ、ブナなどであってよい。
【0024】
[育苗システム]
図2を参照して育苗システムを説明する。
図2が示すように、育苗システム20は、制御部21、記憶部22、および、報知部23を備えている。育苗システム20の一例は、制御部21および記憶部22に対応するコンピューターと、報知部23に対応するディスプレイとによって具体化される。あるいは、育苗システム20の他の例は、制御部21に対応するコンピューター、記憶部22に対応するサーバー、および、報知部23に対応するディスプレイによって具体化される。
【0025】
記憶部22には、複数の育苗パターンが記憶されている。各育苗パターンには、その育苗パターンを選択するべき外部環境の条件が紐付けられている。外部環境は、例えば、苗木Tが人工光によって育苗されている所定期間における月日、外気温、霜の発生、および、日射量などであってよい。すなわち、外部環境は、月日、外気温、霜の発生、および、日射量のいずれか1つであってもよいし、これらのうちの任意の2つ以上を含んでもよい。
【0026】
記憶部22には、苗木Tの生育状態に関する情報が記憶されている。苗木Tの生育状態に関する情報は、例えば、苗長、根元径、および、枝の長さの少なくとも1つであってよい。すなわち、苗木Tの生育状態に関する情報は、苗長、根元径、および、枝の長さのいずれか1つであってもよいし、これらのうちの任意の2つ以上であってもよい。記憶部22には、人工光での育苗の終了時において、苗木Tが満たすべき生育状態が記憶されている。
【0027】
制御部21は、各ロットの識別情報、各ロットに含まれる1つ以上の苗木Tの画像、および、育苗パターンを選択するために用いる外部環境を外部から入力する。制御部21に対する各ロットの識別情報、苗木Tの画像、および、外部環境の入力は、育苗システム20の管理者によって行われてもよい。
【0028】
あるいは、所定のネットワークを通じて、各ロットの識別情報を取得する識別情報取得部、苗木Tの画像を撮像する撮像部、および、外部環境を取得する外部環境取得部が、各種情報を制御部21に入力してもよい。この場合には、育苗施設11が、識別情報取得部、および、外部環境取得部を備えている。識別情報取得部は、例えば、各ロットに付された識別情報を撮像することが可能に構成された撮像部でもよいし、育苗システム20の管理者による識別情報の入力が可能に構成された入力部でもよい。外部環境取得部は、例えば、外部環境を取得することが可能に構成された各種センサーでもよいし、育苗システム20の管理者による外部環境の入力が可能に構成された入力部でもよい。
【0029】
制御部21は、制御部21が選択した育苗パターンに応じた情報を報知部23に出力する。育苗パターンに応じた情報には、例えば、苗木Tに行うべき処理に関する情報と、苗木Tに行うべき処理を行う時期に関する情報とが含まれる。苗木Tに行うべき処理に関する情報、および、当該処理を行う時期に関する情報は、いずれもいずれかのロットに紐付けられている。
【0030】
制御部21は、入力した外部環境に基づいて、各ロットの苗木Tを育てるために育苗パターンを記憶部22に記憶された複数の育苗パターンから選択する。制御部21は、入力した苗木Tの画像から苗木Tの生育状態を把握する。制御部21は、苗木Tの生育状態と、記憶部22に記憶された苗木Tの生育状態に関する情報とを比較する。例えば、制御部21は、予め設定された所定期間の終了時において、苗木Tの生育状態が、記憶部22に記憶された生育状態を満たしていないと判断した場合には、人工光での育苗期間を延長してもよい。また例えば、制御部21は、予め設定された所定期間の途中において、苗木Tの生育状態が、記憶部22に記憶された生育状態を満たしていると判断した場合には、人工光での育苗期間を短縮してもよい。
【0031】
このように、人工光での苗木Tの生育状態に基づいて、人工光での生育期間である所定期間を変更してもよい。これにより、苗木Tの生育状態が目標とする生育状態を超えて以降も人工光によって苗木Tを育成することが抑えられるから、人工光によって苗木Tを育成する期間が特定の期間に固定される場合に比べて、苗木Tの育成に要するコストが高まることが抑えられる。また、苗木Tの生育状態が目標とする生育状態に満たなくとも人工光による育成を終了することが抑えられるから、人工光によって苗木Tを育成する期間が特定の期間に固定される場合に比べて、人工光による育苗以降における苗木Tの生存率を高めることが可能である。
【0032】
報知部23は、制御部21から入力された情報に応じた報知を行う。報知部23は、例えば、あるロットの苗木群に行うべき処理を報知する。苗木群に行うべき処理は、例えば、育苗施設11から温室12に苗木群を移行させる処理、育苗施設11から圃場13に苗木群を移行させる処理、温室12から圃場13に苗木群を移行させる処理、および、圃場13から温室12に苗木群を移行させる処理などである。また、報知部23は、例えば、あるロットの苗木群に行うべき処理を前もって報知してもよい。例えば、報知部23は、あるロットの苗木群に行うべき処理を何日後に行うべきかを報知してよい。
【0033】
[育苗パターン]
図3を参照して育苗パターンの一例を説明する。図3は、育苗方法によって育てられる苗木Tの樹種がカラマツである場合の育苗パターンにおける一例を示している。育苗パターンには、第1育苗パターンから第6育苗パターンまでの6つのパターンが含まれる。
【0034】
なお、図3が示すように、苗木Tの樹種がカラマツである場合には、10月初旬から4月中旬までの期間における外気温がカラマツの生育に適しないから、圃場13での屋外育苗が不可能な期間である。ただし、屋外育苗が不可能な期間であっても、4月以降の外気温であれば、人工光での育苗が終了した苗木Tに対して馴化処理を行うことによって、圃場13での屋外育苗が可能ではある。
【0035】
また、苗木Tの樹種がカラマツである場合には、林地への植林が可能な期間として、3月初旬から7月中旬までの期間である第1植林期間と、9月初旬から11月下旬までの期間である第2植林期間とが設定されている。また、苗木Tの樹種がカラマツである場合には、出荷期間として、4月初旬から5月下旬までの期間である第1出荷期間と、10月初旬から11月下旬までの期間である第2出荷期間とが設定されている。なお、各出荷期間は、上述した2ヶ月間に対して前後1週間程度延長されてもよい。
【0036】
第1育苗パターンでは、8月初旬から3月下旬までにわたって苗木Tが育てられる。7月初旬に播種され、かつ、発芽から植替までの処理が7月中に完了した苗木Tには、第1育苗パターンが適用される。第1育苗パターンは、育苗パターンによる育苗の開始時から苗木Tの出荷時まで温室育苗を継続するパターンである。第1育苗パターンによれば、屋外では苗木Tの育成が困難な季節であっても、温室育苗が継続する第1育苗パターンが選択されることによって、苗木Tの育成が可能である。
【0037】
第1育苗パターンでは、播種から植替までの期間の育成、および、植替以降における人工光による育苗が、育苗施設11において行われる。人工光による育苗の期間は、8月初旬から9月下旬までの2ヶ月間に設定される。なお、育苗施設11の収容部11A内において、温度が22℃に設定され、PFDが110μmolm-2s-1に設定され、かつ、日長が18時間に設定される。第1育苗パターンでは、人工光による育苗が終了した後に、温室育苗が行われる。これにより、第1育苗パターンでは、温室育苗が10月初旬から3月下旬までの6ヶ月間にわたって行われる。第1育苗パターンによって育てられた苗木Tは、第1出荷期間中に出荷される。
【0038】
なお、第1育苗パターンでは、人工光での育苗において、人工光での育苗から温室育苗へ移行する前に、温室育苗での環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行う。馴化処理では、収容部11A内の環境における条件を温室育苗が開始される10月初旬の日長と温度とに変更する。馴化処理は、例えば、人工光での育苗期間の終了時を含む1週間以上2週間以下に設定される。また、第1育苗パターンにて苗木Tの育苗を行った場合には、育苗パターンによる苗木Tの育苗の後であって、苗木Tを出荷する際に、苗木Tを圃場13に移動させ、かつ、所定期間にわたって苗木Tを圃場13に位置させることが好ましい。これにより、屋外の環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行うことができる。
【0039】
第2育苗パターンでは、10月初旬から3月下旬までにわたって苗木Tが育てられる。9月初旬に播種され、かつ、発芽から植替までの処理が9月中に完了した苗木Tには、第2育苗パターンが適用される。第2育苗パターンも、第1育苗パターンと同様に、育苗パターンによる育苗の開始時から苗木Tの出荷時まで温室育苗が継続される。
【0040】
第2育苗パターンでは、播種から植替までの期間の育成、および、植替以降における人工光による育苗が、育苗施設11において行われる。人工光による育苗の期間は、10月初旬から11月下旬までの2ヶ月間に設定される。なお、育苗施設11の収容部11A内において、温度が22℃に設定され、PFDが110μmolm-2s-1に設定され、かつ、日長が18時間に設定される。第2育苗パターンでは、人工光による育苗が終了した後に、温室育苗が行われる。これにより、第2育苗パターンでは、温室育苗が12月初旬から3月下旬までの4ヶ月間にわたって行われる。第2育苗パターンによって育てられた苗木Tは、第1出荷期間中に出荷される。
【0041】
このように、育苗パターンは、育苗パターンによる育苗の開始時から苗木Tの出荷時まで温室育苗を第1期間にわたって継続する第1育苗パターンと、育苗パターンによる育苗の開始時から苗木Tの出荷時まで温室育苗を第1期間よりも短い第2期間にわたって継続する第2育苗パターンと、を含んでいる。そのため、本実施形態の育苗方法によれば、第1育苗パターンと第2育苗パターンとのいずれかを選択することが可能であるから、温室育苗の期間を人工光による苗木の育成が開始された時期に適した長さに設定することが可能である。
【0042】
なお、第2育苗パターンでは、人工光での育苗において、人工光での育苗から温室育苗へ移行する前に、温室育苗での環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行う。馴化処理では、収容部11A内の環境における条件を温室育苗が開始される12月初旬の日長と温度とに変更する。馴化処理は、例えば、人工光での育苗期間の終了時を含む1週間以上2週間以下に設定される。また、第2育苗パターンにて苗木Tの育苗を行った場合には、育苗パターンによる苗木Tの育苗の後であって、苗木Tを出荷する際に、苗木Tを圃場13に移動させ、かつ、所定期間にわたって苗木Tを圃場13に位置させることが好ましい。これにより、屋外の環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行うことが可能である。
【0043】
第3育苗パターンでは、12月初旬から5月下旬までにわたって苗木Tが育てられる。11月初旬に播種され、かつ、発芽から植替までの処理が11月中に完了した苗木Tには、第3育苗パターンが適用される。第3育苗パターンは、温室育苗を第1期間にわたって継続した後に、屋外育苗を第2期間にわたって継続するパターンである。複数の育苗パターンが第3育苗パターンを含むから、屋外では苗木の育成が困難な時期には温室育苗が行われる一方、屋外での苗木Tの育成が可能な時期には屋外育苗が行われるから、育苗期間の一部において、屋外において得られる日照や気温などを活かして苗木Tを育てることが可能である。
【0044】
第3育苗パターンでは、播種から植替までの期間の育成、および、植替以降における人工光による育苗が、育苗施設11において行われる。人工光による育苗の期間は、12月初旬から1月下旬までの2ヶ月間に設定される。なお、育苗施設11の収容部11A内において、温度が22℃に設定され、PFDが110μmolm-2s-1に設定され、かつ、日長が18時間に設定される。第3育苗パターンでは、人工光による育苗が終了した後に、温室育苗が行われ、続いて、屋外育苗が行われる。これにより、第3育苗パターンでは、温室育苗が2月初旬から4月中旬までの2ヶ月半の間にわたって行われ、かつ、屋外育苗が4月中旬から5月下旬までの1ヶ月半の間にわたって行われる。第3育苗パターンによって育てられた苗木Tは、第1出荷期間中に出荷される。
【0045】
なお、第3育苗パターンでは、人工光での育苗において、人工光での育苗から温室育苗へ移行する前に、温室育苗での環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行う。馴化処理では、収容部11A内の環境における条件を温室育苗が開始される2月初旬の日長と温度とに変更する。馴化処理は、例えば、人工光での育苗期間の終了時を含む1週間以上2週間以下に設定される。
【0046】
第4育苗パターンでは、2月初旬から9月下旬までにわたって苗木Tが育てられる。1月初旬に播種され、かつ、発芽から植替までの処理が1月中に完了した苗木Tには、第4育苗パターンが適用される。第4育苗パターンは、第3育苗パターンと同様に、温室育苗を第1期間にわたって継続した後に、屋外育苗を第2期間にわたって継続するパターンである。
【0047】
第4育苗パターンでは、播種から植替までの育成、および、植替以降における人工光による育苗が、育苗施設11において行われる。人工光による育苗の期間は、2月初旬から3月下旬までの2ヶ月間に設定される。なお、育苗施設11の収容部11A内において、温度が22℃に設定され、PFDが110μmolm-2s-1に設定され、かつ、日長が18時間に設定される。第4育苗パターンでは、人工光による育苗が終了した後に、温室育苗が行われ、続いて、屋外育苗が行われる。これにより、第4育苗パターンでは、温室育苗が4月初旬の1週間にわたって行われ、かつ、屋外育苗が4月初旬から9月下旬までのおよそ6ヶ月間にわたって行われる。第4育苗パターンによって育てられた苗木Tは、第2出荷期間中に出荷される。
【0048】
なお、第4育苗パターンでは、人工光での育苗において、人工光での育苗から温室育苗へ移行する前に、温室育苗での環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行う。馴化処理では、収容部11A内の環境における条件を温室育苗が開始される4月初旬の日長と温度とに変更する。馴化処理は、例えば、人工光での育苗期間の終了時を含む1週間以上2週間以下に設定される。
【0049】
第5育苗パターンでは、4月初旬から9月下旬までにわたって苗木Tが育てられる。3月初旬に播種され、かつ、発芽から植替までの処理が3月中に完了した苗木Tには、第5育苗パターンが適用される。第5育苗パターンは、第3育苗パターンと同様に、温室育苗を第1期間にわたって継続した後に、屋外育苗を第2期間にわたって継続するパターンである。
【0050】
第5育苗パターンでは、播種から植替までの育成、および、植替以降における人工光による育苗が、育苗施設11において行われる。人工光による育苗の期間は、4月初旬から5月下旬までの2ヶ月間に設定される。なお、育苗施設11の収容部11A内において、温度が22℃に設定され、PFDが110μmolm-2s-1に設定され、かつ、日長が18時間に設定される。第5育苗パターンでは、人工光による育苗が終了した後に、温室育苗が行われ、続いて、屋外育苗が行われる。これにより、第5育苗パターンでは、温室育苗が6月初旬の1週間にわたって行われ、かつ、屋外育苗が6月初旬から9月下旬までのおよそ4ヶ月間にわたって行われる。第4育苗パターンによって育てられた苗木Tは、第2出荷期間中に出荷される。
【0051】
なお、第5育苗パターンでは、人工光での育苗において、人工光での育苗から温室育苗へ移行する前に、温室育苗での環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行う。馴化処理では、収容部11A内の環境における条件を温室育苗が開始される6月初旬の日長と温度とに変更する。馴化処理は、例えば、人工光での育苗期間の終了時を含む1週間以上2週間以下に設定される。
【0052】
第6育苗パターンでは、6月初旬から11月下旬までにわたって苗木Tが育てられる。5月初旬に播種され、かつ、発芽から植替までの処理が5月中に完了した苗木Tには、第6育苗パターンが適用される。第6育苗パターンは、第1育苗パターンと同様に、育苗パターンによる育苗の開始時から苗木Tの出荷時まで温室育苗を継続するパターンである。
【0053】
第6育苗パターンでは、播種から植替までの育成、および、植替以降における人工光による育苗が、育苗施設11において行われる。人工光による育苗の期間は、6月初旬から7月下旬までの2ヶ月間に設定される。なお、育苗施設11の収容部11A内において、温度が22℃に設定され、PFDが110μmolm-2s-1に設定され、かつ、日長が18時間に設定される。第6育苗パターンでは、人工光による育苗が終了した後に、温室育苗が行われる。これにより、第6育苗パターンでは、温室育苗が8月初旬から11月下旬までの4ヶ月間にわたって行われる。第6育苗パターンによって育てられた苗木Tは、第2出荷期間中に出荷される。
【0054】
なお、第6育苗パターンでは、人工光での育苗において、人工光での育苗から温室育苗へ移行する前に、温室育苗での環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行う。馴化処理では、収容部11A内の環境における条件を温室育苗が開始される8月初旬の日長と温度とに変更する。馴化処理は、例えば、人工光での育苗期間の終了時を含む1週間以上2週間以下に設定される。第6育苗パターンでは、苗木Tが冬芽を有するように苗木Tが育てられる。
【0055】
また、第6育苗パターンは、以下のように変更されてもよい。すなわち、第6育苗パターンは、育苗パターンによる育苗の開始時から苗木Tの出荷時まで屋外育苗を継続するパターンであってもよい。すなわち、第6育苗パターンでは、人工光による育苗が終了した後に、屋外育苗が行われてもよい。この場合には、屋外育苗が8月初旬から11月下旬までの4ヶ月にわたって行われる。
【0056】
第6育苗パターンでは、人工光の育苗において、人工光での育苗から屋外育苗へ移行する前に、屋外育苗での環境に苗木Tを適用させるための馴化処理を行う。馴化処理では、収容部11A内の環境における条件を屋外育苗が開始される8月初旬の日長と温度とに変更する。馴化処理は、例えば、人工光での育苗期間の終了時を含む1週間以上2週間以下に設定される。これにより、苗木Tが冬芽を有するように苗木Tが育てられる。
【0057】
上述したように、制御部21は、外部から入力した外部環境に基づいて、各ロットの苗木Tを育てるための育苗パターンを選択する。本実施形態では、6つの育苗パターンが記憶部22に記憶されているから、制御部21は、外部環境に基づいて6つの育苗パターンのうちのいずれかの育苗パターンを選択する。
【0058】
制御部21は、人工光での育苗における所定期間の開始時における月日を外部環境として入力し、当該月日に基づいて、6つの育苗パターンのうちのいずれかを選択する。なお、上述したように、所定期間における外部環境は、例えば外気温、霜の発生、および、日射量でもよいから、制御部21は、6つの育苗パターンの選択に際して、月日に代えて、あるいは、月日とともに、外気温、霜の発生、および、日射量の少なくとも1つを用いてもよい。
【0059】
なお、苗木Tの生育状態に応じた所定期間の延長または短縮が伴う場合には、制御部21は、例えば、所定時間の終了時における月日に基づいて、育苗パターンを選択することが好ましい。これにより、人工光での育苗以降において苗木Tが育てられる外部環境を推定する確度が高められるから、外部環境に適した育苗パターンを選択することが可能である。
【0060】
以上説明したように、育苗方法の一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)人工光によって苗木Tを育てた後に、屋外育苗および温室育苗の少なくとも一方を含む育苗パターンによって苗木を育てるから、人工光のみによって苗木Tを育てる場合に比べて、苗木Tを育てるために必要なコストを低減することが可能である。また、育苗パターンの選択には苗木育成時の外部環境が用いられるから、人工光で育成済の苗木Tの育成に適した環境が選択され、これによって、苗木Tの歩留まりにおける低下を抑えることが可能である。
【0061】
(2)屋外では苗木Tの育成が困難な季節であっても、温室育苗が継続するパターンが選択されることによって、苗木Tの育成が可能である。
(3)第1育苗パターンと第2育苗パターンとのいずれかを選択することが可能であるから、温室育苗の期間を人工光による苗木Tの育成が開始された時期に適した長さに設定することが可能である。
【0062】
(4)屋外では苗木Tの育成が困難な時期には温室育苗が行われる一方、屋外での苗木Tの育成が可能な時期には屋外育苗が行われるから、育苗期間の一部において、屋外において得られる日照や気温などを活かして苗木Tを育てることが可能である。
【0063】
(5)人工光によって育成済の苗木Tを育成する際の外部環境を推定する精度を高めることができるから、育苗パターンの選択における精度を高めることが可能である。
(6)苗木Tの生育状態が目標とする生育状態を超えて以降も人工光によって苗木Tを育成することが抑えられるから、人工光によって苗木Tを育成する期間が特定の期間に固定される場合に比べて、苗木Tの育成に要するコストが高まることが抑えられる。また、苗木Tの生育状態が目標とする生育状態に満たなくとも人工光による育成を終了することが抑えられるから、人工光によって苗木Tを育成する期間が特定の期間に固定される場合に比べて、人工光による育苗以降における苗木Tの生存率を高めることが可能である。
【0064】
[変更例]
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[育苗パターン]
・冬芽を有しない山行き苗木を育てる育苗パターンにも、人工光での育苗の後に、温室育苗を行うことなく屋外育苗を行うパターンが含まれてもよい。この場合には、この育苗パターンが選択された場合に、育苗パターンによる育苗の開始時から苗木Tの出荷時までにわたって屋外育苗が継続される。
【0065】
これにより、以下に記載の効果を得ることができる。
(7)屋外での苗木Tの育成が可能な季節において、屋外において得られる日照や気温などを活かして苗木Tを育てることが可能である。
・育苗パターンには、人工光での育苗に次いで屋外育苗を行った後に、温室育苗を行うパターンが含まれてもよい。
【0066】
[苗木]
・育苗システム20を用いて、2種以上の樹種の苗木Tが同時期に育てられてもよい。この場合には、制御部21に入力される識別情報が、苗木Tの樹種を含むことが好ましい。また、記憶部22は、樹種ごとに複数の育苗パターンを記憶している。制御部21は、樹種に紐付けられた複数の育苗パターンから1つの育苗パターンを選択するように構成される。
【0067】
[生育状態の判定]
・苗木Tにおける生育状態の判定は、人工光での育苗から育苗パターンに移行するときだけでなく、温室育苗から屋外育苗に移行するときに行われてもよいし、屋外育苗から温室育苗に移行するときに行われてもよい。
【0068】
温室育苗から屋外育苗に移行するときに生育状態の判定を行う場合には、温室12が撮像部を備えればよい。また、屋外育苗から温室育苗に移行するときに生育状態の判定を行う場合には、圃場13が撮像部を備えればよい。また、記憶部22は、苗木Tの生育状態を判定するための生育状態に関する情報を記憶している。
【0069】
制御部21は、撮像部の撮像した画像を入力し、かつ、当該画像と記憶部22に記憶されている生育状態に関する情報とに基づいて、苗木Tの生育状態を判定する。制御部21は、予め設定された温室育苗あるいは屋外育苗の期間の終了時において、苗木Tの生育状態が、記憶部22に記憶された生育状態を満たしていないと判断した場合には、当該条件での育苗期間を延長してもよい。また例えば、制御部21は、予め設定された温室育苗あるいは屋外育苗の期間の途中において、苗木Tの生育状態が、記憶部22に記憶された生育状態を満たしていると判断した場合には、当該条件での育苗期間を短縮してもよい。
【0070】
・育苗方法において、苗木Tの生育状態における判定は行われなくてもよい。この場合には、育苗施設11は、撮像部を備えていなくてよい。また、記憶部22は、苗木Tの生育状態に関する情報を記憶していなくてよい。
【符号の説明】
【0071】
11…育苗施設、12…温室、13…圃場、20…育苗システム、21…制御部、22…記憶部、23…報知部。
図1
図2
図3