(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177496
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】抜け止め構造
(51)【国際特許分類】
E04G 7/20 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
E04G7/20 G
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090210
(22)【出願日】2022-06-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】392021746
【氏名又は名称】久留米建機サービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】藤野 達
(57)【要約】
【課題】構成部材を構成する二つの部材の抜け出しを防止可能な抜け止め構造を提供する。
【解決手段】足場や支保工などの仮設構造物、高所作業台、移動式足場などの構成部材として使用される二つの部材間に適用する抜け止め構造であり、一方の部材Aは、テーパ面11を有するクサビ孔10を有しており、他方の部材Bは、貫通孔20と貫通孔20を介して管内へと突出するように付勢した可動ピン30を有している。一方の部材Aに対し他方の部材Bを相対移動させた際に、可動ピン30がクサビ孔11と摩擦嵌合して係合することにより、一方の部材Aから他方の部材Bが分離することを防止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高所作業台、移動式足場、または仮設足場などの構造物を構成する構成部材における抜け止め構造であって、
前記構成部材は、互いに相対移動可能な一方の部材および他方の部材を有し、
前記一方の部材は、テーパ面を設けたクサビ孔を有し、
前記他方の部材は、
前記他方の部材に設けた、貫通孔と、
前記他方の部材の表面側に設け、前記貫通孔を介して、前記他方の部材の裏面側へとピン先端が突出するように付勢した可動ピンと、を有し、
前記可動ピンと前記クサビ孔との摩擦嵌合による係合によって、前記一方の部材に対し、前記他方の部材の移動が規制されることを特徴とする、
抜け止め構造。
【請求項2】
前記可動ピンが、
前記他方の部材から張り出した位置を回動軸として、回動自在に取り付けられている、基部と、
前記基部から延伸し、前記貫通孔から突出するように付勢されるピン部と、を少なくとも有し、
前記可動ピンと前記クサビ孔との係合時において、
前記一方の部材に対し、前記他方の部材を分離側方向に相対移動させようとする時、前記ピン部と前記テーパ面との摩擦嵌合によって、前記可動ピンの回動が規制され、前記一方の部材に対する前記他方の部材の前記分離側方向への相対移動が規制されることを特徴とする、
請求項1に記載の抜け止め構造。
【請求項3】
前記他方の部材が、
前記他方の部材の長手方向に所定間隔を開けて設ける、少なくとも1つ以上の取付孔と、を更に有し、
前記可動ピンと前記取付孔との係合時において、
前記一方の部材に対し、前記他方の部材を前記分離側方向に相対移動させる時、
前記ピン部が前記取付孔に押されて前記取付孔から抜け出る方向に移動することで、前記可動ピンと前記取付孔との係合が解放されることを特徴とする、
請求項2に記載の抜け止め構造。
【請求項4】
前記可動ピンが、前記ピン部の回動姿勢を手動で調整可能なハンドルを更に有することを特徴とする、
請求項3に記載の構成部材の抜け止め構造。
【請求項5】
前記構成部材が、前記分離側方向を伸長方向とする伸縮支柱であることを特徴とする、
請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の抜け止め構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの部材間に適用可能な抜け止め構造に関し、例えば高所作業台、移動式足場、または仮設足場などの構造物の構成部材に適用して、各部材が互いに分離することを防止可能な抜け止め構造に関する。
【背景技術】
【0002】
移動式足場や高所作業台などの構造物では、以下の非特許文献に記載するように、上下に分かれた二つの部材を相対移動自在に構成してなる伸縮支柱、伸縮脚、伸縮手すりなどの構成部材がある。
この構成部材は、二つの部材を相対移動させすぎた場合に、一方の部材から他方の部材から抜け出てしまうおそれがあった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】https://www.pica-corp.jp/products/products.php?id=402&h_cat1=7&h_cat2=26
【非特許文献2】https://www.hasegawa-kogyo.co.jp/product/product.php?id=1037
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、相対移動自在に構成した二つの部材の分離を防止することが可能な手段としての抜け止め構造を提供することを目的の一つとする。
また、本発明は、上記抜け止め構造を、二つの部材間の相対移動の途上の任意箇所で位置決めできる位置決め構造としても兼用可能な手段の提供を目的の一つとする。
また、本発明は、前記した位置決め状態を、二つの部材間の相対移動によって自然に解除可能な手段の提供を目的の一つとする。
また、本発明は、前記した抜け止め状態や位置決め状態を、作業員が簡単に解除できる手段を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決すべくなされた本発明は、高所作業台、移動式足場、または仮設足場などの構造物を構成する構成部材における抜け止め構造であって、前記構成部材は、互いに相対移動可能な一方の部材および他方の部材を有し、前記一方の部材は、テーパ面を設けたクサビ孔を有し、前記他方の部材は、前記他方の部材に設けた、貫通孔と、前記他方の部材の表面側に設け、前記貫通孔を介して、前記他方の部材の裏面側へとピン先端が突出するように付勢した可動ピンと、を有し、前記可動ピンと前記クサビ孔との摩擦嵌合による係合によって、前記一方の部材に対し、前記他方の部材の移動が規制されることを特徴とする。
また、本発明は、前記発明において、前記可動ピンが、前記他方の部材から張り出した位置を回動軸として、回動自在に取り付けられている、基部と、前記基部から延伸し、前記貫通孔から突出するように付勢されるピン部と、を少なくとも有し、前記可動ピンと前記クサビ孔との係合時において、前記一方の部材に対し、前記他方の部材を分離側方向に相対移動させようとする時、前記ピン部と前記テーパ面との摩擦嵌合によって、前記可動ピンの回動が規制され、前記一方の部材に対する前記他方の部材の前記分離側方向への相対移動が規制されるよう構成してもよい。
また、本発明は、前記発明において、前記他方の部材が、前記他方の部材の長手方向に所定間隔を開けて設ける、少なくとも1つ以上の取付孔と、を更に有し、前記可動ピンと前記取付孔との係合時において、前記一方の部材に対し、前記他方の部材を前記分離側方向に相対移動させる時、前記ピン部が前記取付孔に押されて前記取付孔から抜け出る方向に移動することで、前記可動ピンと前記取付孔との係合が解放されるよう構成してもよい。
また、本発明は、前記発明において、前記可動ピンが、前記ピン部の回動姿勢を手動で調整可能なハンドルを更に有するよう構成してもよい。
また、本発明は、前記発明において、前記構成部材が、前記分離側方向を伸長方向とする伸縮支柱であるよう構成してもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を奏する。
(1)作業員による特殊な操作を要することなく、二つの部材間の相対移動動作でもって、一方の部材に設けたクサビ孔と他方の部材に設けた可動ピンとが摩擦嵌合によって自然に係合するため、一方の部材から他方の部材が分離することを防止することができる。
(2)他方の部材に設けた可動ピンを、他方の部材から張り出した位置を回動軸として回動可能な基部と、基部から延伸して他方の部材の貫通孔から突出するように付勢されるピン部とで構成することにより、基部の回動動作によって、貫通孔からのピン部の出没を切り換えることができる。
(3)他方の部材に設けた取付孔と可動ピンとの係合によって、一方の部材に対し、他方の部材を任意の位置で位置決めすることができる。また、取付孔と可動ピンとの係合状態から更なる相対移動を行う際には、ピン部が付勢に逆らって取付孔から抜け出る方向に自然に移動するため、作業員は特別な作業を行うことなく、相対移動動作を行うのみで、所定長さでの位置決め作業を順次行うことができる。
(4)他方の部材において相対移動に伴う最終係合箇所をクサビ孔としておき、その他を取付孔としておくことで、作業員は二つの部材について相対移動動作を行うのみで、所定長さでの位置決めを順次行いつつ、最終的に抜け止めを発揮させることができる。
(5)可動ピンにハンドルを設けておくことで、作業員の手動による取付孔およびまたはクサビ孔に対するピン部の係合の解除作業が簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係る抜け止め機構を備えた構成部材の一例を示す概略図。
【
図2】ピン部と取付孔との係合イメージを示す概略図。
【
図3】ピン部とクサビ孔との摩擦嵌合による係合イメージを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【実施例0009】
<1>全体構成(
図1)
図1に示す構成部材は、伸縮支柱として使用可能な部材であり、伸縮支柱としての下部側を担う管材(一方の部材A)と、伸縮支柱としての上部側を担う管材(他方の部材B)を有している。
そして、一方の部材Aの外径を、他方の部材Bの内径よりもやや大きな構成とすることで、一方の部材Aに対し他方の部材Bを引きだして両者が分離する方向(以下、「分離側方向」ともいう。)に相対移動させることで、伸縮支柱の長さを伸長するよう構成している。
以下、各部の詳細について説明する。
【0010】
<2>一方の部材(
図1)
一方の部材Aは、二つの部材からなる構成部材の一方を担う部材である。
本実施例では、一方の部材Aには、後述する他方の部材Bに設けた可動ピン30の先端を差込み可能な取付孔40を、所定間隔をあけて複数配置している。
また、一方の部材Aの紙面上端側には、分離側方向(紙面上方向)に向かって開口幅を狭くするようにテーパ面11を設けたクサビ孔10を設けている。
したがって、縮長状態の伸縮支柱を随時伸長させていく場合、可動ピン30は各取付孔40との間で順次係合を繰り返し、最終的にクサビ孔10に係合することとなる。
【0011】
<3>他方の部材(
図1)
他方の部材Bは、二つの部材からなる構成部材の他方を担う部材である。
他方の部材Bには、筒壁を貫通してなる貫通孔20と、貫通孔20を経由して一方の部材Aの取付孔40またはクサビ孔10へと差込み可能な、可動ピン30とを設けている。
【0012】
<3.1>可動ピン(
図1)
可動ピン30は、基部31、ピン部32およびハンドル33を備えている。
基部31は、他方の部材Bから側方に張りだした位置を回動軸311とするように、他方の部材Bの表面側に回動自在に取り付けられている。
ピン部32は、基部31から斜め下方向に突出するように延伸している。
ハンドル33は、基部31の上方に設けており、可動ピン30の回動姿勢を手動で調整可能に構成している。
【0013】
可動ピン30は、図示しない弾性体によって、ピン部32を、貫通孔20を経由して他方の部材B1の裏面側へと突出する方向に付勢されている。
なお、本実施例では、ピン部32は、基部31から弧を描くように湾曲させながら延伸する形状を呈している。
これは、可動ピン30の回動時に、ピン部32が貫通孔20や取付孔40に対しスムーズに出没できるようにするためと、後述する<4.5>における取付孔40からのピン部43の離脱作用を促進するためである。
【0014】
<4>使用イメージ[1](
図2)
次に、二つの部材の相対移動に伴う、可動ピン30と取付孔40との係合イメージについて説明する。
【0015】
<4.1>取付孔との結合状態(
図2(a))
図2(a)では、ピン部32が取付孔40に差し込まれた状態を示している。
この状態では、他方の部材Bに設けたピン部32が、一方の部材Aの取付孔40に差し込まれていることで係合状態を構成し、他方の部材Bと一方の部材Aとが固定された格好となっている。
このとき、一方の部材Aに対し他方の部材Bを、分離側方向とは反対の方向に相対移動させようとしても、ピン部32が取付孔40から抜け出てしまうことが無いため、伸縮支柱が縮長することはない。
【0016】
<4.2>取付孔の内壁との接触(
図2(b))
図2(b)は、
図2(a)の状態から、他方の部材Bを分離側方向にわずかに引き上げた状態である。
他方の部材Bを引き上げ始めると、ピン部32が一方の部材Aの取付孔40の内壁41と接触する位置までは、可動ピン30の回動姿勢は変わらない。
【0017】
<4.3>可動ピンの後退(
図2(c))
図2(c)は、
図2(b)の状態から、さらに他方の部材Bを分離側方向に引き上げた状態である。
ピン部32が一方の部材Aの取付孔40の内壁41と接触した状態から、さらに他方の部材Bを引き上げると、ピン部32は、一方の部材Aの取付孔40の内壁41に押されはじめる。
そして、可動ピン30は、可動ピン30に設けた弾性体(図示せず)の付勢に逆らうように、自然に回動し、その結果、ピン部32が取付孔40から抜け出る方向へと移動(後退)する。
【0018】
<4.4>取付孔からの離脱(
図2(d))
図2(d)は、
図2(c)の状態から、さらに他方の部材Bを分離側方向に引き上げた状態である。
図2(c)で説明したピン部32の移動(後退)が進むと、取付孔40から完全に抜け出た状態となり、他方の部材Bと一方の部材Aとの固定が自然に解放されることになる。
その後、ピン部32の先端は、可動ピン30に設けた弾性体による付勢によって、他方の部材Bの筒壁に当接した状態となる。
【0019】
<4.5>次の取付孔との係合(
図2(a))
図2(d)のの状態からさらに他方の部材Bを分離側方向に引き上げていくと、一方の部材Aに設けてある次の取付孔40に、可動ピン30の付勢によってピン部32が自動的に差し込まれ、
図2(a)で示した状態と同一の状態となる。
【0020】
<4.6>縮長動作について
なお、伸縮支柱を縮長すべく、分離側方向と反対の方向に他方の部材Bを下方に降ろす際には、ピン部32が取付孔40から抜け出るように、ハンドル33を用いて人力で可動ピン30を回動させて、取付孔40とピン部32との係合状態を解除すればよい。
【0021】
<4.7>まとめ
上記構成によれば、作業員が可動ピン30に触れることなく、単に他方の部材Bを分離側方向に引き出す動作(伸長動作)のみで、取付孔40に対するピン部32の差し込みおよび離脱が自然に行われ、一方の部材Aに対する他方の部材Bの任意箇所での位置決めを行うことができる。
【0022】
<5>使用イメージ[2](
図3)
次に、他方の部材Bの摺動に伴う、可動ピン30とクサビ孔10との係合イメージについて説明する。
【0023】
<5.1>ピン先端とクサビ孔との摩擦嵌合
図3では、一方の部材Aに設けたクサビ孔10に、ピン部32が差し込まれた状態を示している。
他方の部材Bの上方への摺動に伴い、ピン部32がクサビ孔10に自動的に差し込まれる動作については、前記の使用イメージ[1]で説明した作用と同様である。
【0024】
<5.2>抜け止め作用
図3に示す状態から、さらに他方の部材Bを分離側方向に引き上げようとした場合、前述した取付孔40との係合状態とは異なり、ピン部32は、テーパ面11との接触によってクサビ孔10と摩擦嵌合されていることから、可動ピン30は、クサビ孔10から抜け出る方向へ回動できない状態とになる。
その結果、一方の部材Aに対し他方の部材Bを引き上げることができなくなる。この作用が可動ピン30と取付孔40との間の係合とは異なる。
【0025】
<5.3>係合の解除動作について
なお、上記した、クサビ孔10とピン部32との摩擦嵌合を解除したい場合には、前記<4.6>と同様、ハンドル33を用いて人力で可動ピン30を回動させてピン部32をクサビ孔10から強制的に離脱させればよい。
【0026】
<5.4>まとめ
上記構成によれば、他方の部材Bを分離側方向に引き上げる動作を行う際に、クサビ孔10とピン部32との摩擦嵌合によって、一方の部材Aに対する他方の部材Bの分離側方向への相対移動が規制されるため、一方の部材Aから他方の部材Bが完全に抜け出てしまう恐れが無くなる。
【0027】
<6>その他の変形例
以下、その他の変形例について説明する。
【0028】
<6.1>一方の部材および他方の部材の形状について
本発明に係る抜け止め構造は、一方の部材Aおよび他方の部材Bが中空形状を呈する管材や筒材のみを対象とするものではなく、あらゆる形状のものが含まれる。
例えば、一方の部材Aおよび他方の部材Bの何れも板状を呈するものであってもよい。
【0029】
<6.2>抜け止め構造の適用対象について
本発明に係る抜け止め構造は、上下方向に伸縮する伸縮支柱のみを適用対象とするものではなく、高所作業台、移動式足場、または仮設足場などの構造物を構成する、手すり、根がらみ、筋交い、足場板、繋ぎ材などの、左右方向や斜め方向に伸縮する部材についても適用対象とすることもできる。
さらに、本発明に係る抜け止め構造は、一般機械の機能部品、機械要素、介護用品、輸送機器などなどの各種部品において、当該部品を構成する部材同士の抜け出しや分離を防止するためのロック機構としても使用することができる。
【0030】
<6.3>クサビ孔のみを設ける構成について
本発明に係る抜け止め構造は、一方の部材Aおよび他方の部材Bを有する構成部材において、抜け止め防止箇所のほかに、所定位置での位置決めを行う必要が無い場合には、一方の部材Aに取付孔40を設けずにクサビ孔10のみを設ける構成とすることもできる。
上記の課題を解決すべくなされた本発明は、高所作業台、移動式足場、または仮設足場などの構造物を構成する構成部材における抜け止め構造であって、前記構成部材は、互いに相対移動可能な一方の部材および他方の部材を有し、前記一方の部材は、前記一方の部材の長手方向に所定間隔を開けて設ける、少なくとも1つ以上の取付孔と、テーパ面を設けたクサビ孔と、を有し、前記他方の部材は、前記他方の部材に設けた、貫通孔と、前記他方の部材の表面側に設け、前記貫通孔を介して、前記他方の部材の裏面側へとピン先端が突出するように付勢した可動ピンと、を有し、前記可動ピンが、前記他方の部材から張り出した位置を回動軸として、回動自在に取り付けられている、基部と、前記基部から延伸し、前記貫通孔から突出するように付勢されるピン部と、を少なくとも有し、前記可動ピンと前記取付孔との係合時において、前記一方の部材に対し、前記他方の部材を前記分離側方向に相対移動させる時、前記ピン部が前記取付孔に押されて前記取付孔から抜け出る方向に移動することで、前記可動ピンと前記取付孔との係合が解放され、前記可動ピンと前記クサビ孔との係合時において、前記一方の部材に対し、前記他方の部材を分離側方向に相対移動させようとする時、前記ピン部と前記テーパ面との摩擦嵌合によって、前記可動ピンの回動が規制され、前記一方の部材に対する前記他方の部材の前記分離側方向への相対移動が規制され、前記一方の部材に対する、前記他方の部材の分離側方向への相対移動に伴う最終係合箇所を前記クサビ孔とし、その他の係合箇所を前記取付孔としてあることを特徴とする。
また、本発明は、前記発明において、前記可動ピンが、前記ピン部の回動姿勢を手動で調整可能なハンドルを更に有するよう構成してもよい。
また、本発明は、前記発明において、前記構成部材が、前記分離側方向を伸長方向とする伸縮支柱であるよう構成してもよい。
上記の課題を解決すべくなされた本発明は、高所作業台、移動式足場、または仮設足場などの構造物を構成する構成部材における抜け止め構造であって、前記構成部材は、互いに相対移動可能な一方の部材および他方の部材を有し、前記一方の部材は、前記一方の部材の長手方向に所定間隔を開けて設ける、少なくとも1つ以上の取付孔と、テーパ面を設けたクサビ孔と、を有し、前記他方の部材は、前記他方の部材に設けた、貫通孔と、前記他方の部材の表面側に設け、前記貫通孔を介して、前記他方の部材の裏面側へとピン先端が突出するように付勢した可動ピンと、を有し、前記可動ピンが、前記他方の部材から張り出した位置を回動軸として、回動自在に取り付けられている、基部と、前記基部から延伸し、前記貫通孔から突出するように付勢されるピン部と、を少なくとも有し、前記可動ピンと前記取付孔との係合時において、前記一方の部材に対し、前記他方の部材を分離側方向に相対移動させる時、前記ピン部が前記取付孔に押されて前記取付孔から抜け出る方向に移動することで、前記可動ピンと前記取付孔との係合が解放され、前記可動ピンと前記クサビ孔との係合時において、前記一方の部材に対し、前記他方の部材を前記分離側方向に相対移動させようとする時、前記ピン部と前記テーパ面との摩擦嵌合によって、前記可動ピンの回動が規制され、前記一方の部材に対する前記他方の部材の前記分離側方向への相対移動が規制され、前記一方の部材に対する、前記他方の部材の前記分離側方向への相対移動に伴う最終係合箇所を前記クサビ孔とし、その他の係合箇所を前記取付孔としてあることを特徴とする。
また、本発明は、前記発明において、前記可動ピンが、前記ピン部の回動姿勢を手動で調整可能なハンドルを更に有するよう構成してもよい。
また、本発明は、前記発明において、前記構成部材が、前記分離側方向を伸長方向とする伸縮支柱であるよう構成してもよい。