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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177497
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】障害物検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/86 20060101AFI20231207BHJP
   G01C 3/06 20060101ALI20231207BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20231207BHJP
【FI】
G01S13/86
G01C3/06 110V
G01C3/06 130
G01S13/931
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090212
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】川崎 康博
(72)【発明者】
【氏名】村田 崇洋
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼田 数邦
【テーマコード(参考)】
2F112
5J070
【Fターム(参考)】
2F112AC03
2F112AC06
2F112BA06
2F112CA05
2F112CA12
2F112FA35
5J070AC01
5J070AF03
5J070AK07
5J070BD08
5J070BE03
5J070BF09
5J070BF21
(57)【要約】
【課題】信頼度の低下に空間的な局所性がある複数のセンサを用いて障害物を真実性高く検出する「障害物検出システム」を提供する。
【解決手段】レーダ110の検出値に基づいて、実空間上の小領域であるセル毎に「障害物あり」、「障害物なし」、「不定」を登録したレーダ障害物マップを作成し、ステレオカメラ120の検出値に基づいて、セル毎に「障害物あり」、「障害物なし」、「不定」を登録したステレオカメラ障害物マップを作成する。レーダ障害物マップとステレオカメラ障害物マップの「障害物あり」、「障害物なし」、「不定」の多数決により、合成障害物マップのセルの値を定める。多数決が同数であり、「障害物あり」と「障害物なし」の場合は「不定」とし、一方が「不定」の場合は、他方の値とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載された、当該移動体の周辺の障害物を検出する障害物検出システムであって、
前記移動体の周囲の空間である計測空間を三次元計測する第1のセンサと、
前記計測空間を三次元計測する第2のセンサと、
前記第1のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間を区分けした小領域であるセル毎に、当該セルに障害物が存在することが検出されたことを表す第1の値と、当該セルに障害物が存在しないことが検出されたことを表す第2の値と、当該セルに障害物が存在するかどうかが定められないことを表す第3の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第1障害物マップを作成する第1障害物マップ作成手段と、
前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第2障害物マップを作成する第2障害物マップ作成手段と、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップとから、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値と、前記第3の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した合成障害物マップを作成する合成障害物マップ作成手段とを有し、
前記合成障害物マップ作成手段は、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップに同じ値が登録されている合成障害物マップのセルには、当該同じである値を登録し、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第3の値が登録され、他方に前記第1の値と前記第2の値のいずれかが登録されている合成障害物マップのセルには、当該他方に登録されている値を登録し、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第1の値が登録され、他方に前記第2の値が登録されている合成障害物マップのセルには、前記第3の値を登録することを特徴とする障害物検出システム。
【請求項2】
請求項1記載の障害物検出システムであって、
前記第1障害物マップ作成手段は、前記第1のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間内の、前記第1のセンサによって計測できない領域を第1センサ不定領域として推定し、前記第1障害物マップの前記第1センサ不定領域内のセルに前記第3の値を登録することを特徴とする障害物検出システム。
【請求項3】
請求項1記載の障害物検出システムであって、
前記第1障害物マップ作成手段は、前記第1のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間内の、前記第1のセンサによって計測できない領域と前記第1のセンサの計測値の誤検出が発生する領域とを第1センサ不定領域として推定し、前記第1障害物マップの前記第1センサ不定領域内のセルに前記第3の値を登録することを特徴とする障害物検出システム。
【請求項4】
請求項3記載の障害物検出システムであって、
前記第1のセンサはレーダであり、
前記第1障害物マップ作成手段が、前記第1センサ不定領域として推定する前記第1のセンサの計測値の誤検出が発生する領域は、マルチパスによるゴーストが発生し得る領域であることを特徴とする障害物検出システム。
【請求項5】
請求項3記載の障害物検出システムであって、
前記第1のセンサはステレオカメラであり、
前記第1障害物マップ作成手段が、前記第1センサ不定領域として推定する前記第1のセンサの計測値の誤検出が発生する領域は、前記第1のセンサから見て、鏡面反射が発生している方向にある領域であることを特徴とする障害物検出システム。
【請求項6】
請求項1、2または3記載の障害物検出システムであって、
前記第2障害物マップ作成手段は、前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値と、前記第3の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第2障害物マップを作成することを特徴とする障害物検出システム。
【請求項7】
請求項6記載の障害物検出システムであって、
前記第2障害物マップ作成手段は、前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間内の、前記第2のセンサによって計測できない領域を第2センサ不定領域として推定し、前記第2障害物マップの前記第2センサ不定領域内のセルに前記第3の値を登録することを特徴とする障害物検出システム。
【請求項8】
請求項6記載の障害物検出システムであって、
前記第2障害物マップ作成手段は、前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間内の、前記第2のセンサによって計測できない領域と前記第2のセンサの計測値の誤検出が発生する領域とを第2センサ不定領域として推定し、前記第2障害物マップの前記第2センサ不定領域内のセルに前記第3の値を登録することを特徴とする障害物検出システム。
【請求項9】
請求項8記載の障害物検出システムであって、
前記第1のセンサはレーダであり、
前記第1障害物マップ作成手段が、前記第1センサ不定領域として推定する前記第1のセンサの計測値の誤検出が発生する領域は、マルチパスによるゴーストが発生し得る領域であり、
前記第2のセンサはステレオカメラであり、
前記第2障害物マップ作成手段が、前記第2センサ不定領域として推定する前記第2のセンサの計測値の誤検出が発生する領域は、前記第2のセンサから見て、鏡面反射が発生している方向にある領域であることを特徴とする障害物検出システム。
【請求項10】
移動体に搭載された、当該移動体の周辺の障害物を検出する障害物検出システムであって、
前記移動体の周囲の空間である計測空間を三次元計測する第1のセンサと、
前記計測空間を三次元計測する第2のセンサと、
前記第1のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間を区分けした小領域であるセル毎に、当該セルに障害物が存在することが検出されており、かつ、前記移動体が異なる位置にあるときに当該セルに対応する実空間中の位置に障害物が存在することが検出されなかったことを表す第1の値と、当該セルに障害物が存在しないことが検出されており、かつ、前記移動体が異なる位置にあるときに当該セルに対応する実空間中の位置に障害物が存在しないことが検出されなかったことを表す第2の値と、当該セルに障害物の存在が検出されており、かつ、前記移動体が異なる位置にあるときに当該セルに対応する実空間中の位置に障害物が存在することが検出されていたことを表す第3の値と、当該セルに障害物が存在しないことが検出されており、かつ、前記移動体が異なる位置にあるときに当該セルに対応する実空間中の位置に障害物が存在しないことが検出されていたことを表す第4の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第1障害物マップを作成する第1障害物マップ作成手段と、
前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第2障害物マップを作成する第2障害物マップ作成手段と、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップとから、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値と、当該セルに障害物が存在するかどうかが定められないことを表す第5の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した合成障害物マップを作成する合成障害物マップ作成手段とを有し、
前記合成障害物マップ作成手段は、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップに同じ値が登録されている合成障害物マップのセルには、当該同じである値を登録し、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第3の値が登録され、他方に前記第4の値が登録されていない合成障害物マップのセルには前記第1の値を登録し、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第4の値が登録され、他方に前記第3の値が登録されていない合成障害物マップのセルには前記第2の値を登録し、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第1の値が登録され、他方に前記第2の値が登録されている合成障害物マップのセルには前記第5の値を登録し、
前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第3の値が登録され、他方に前記第4の値が登録されている合成障害物マップのセルには前記第5の値を登録することを特徴とする障害物検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体周辺の障害物を検出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動体周辺の障害物を検出する技術としては、自動車周辺の障害物をレーダとステレオカメラの双方を用いて検出する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
この技術では、受信レベルが所定値以上の反射点(距離を計測できた反射点)の数をレーダの有効データ数とし、視差(距離)を検出できた画素数をステレオカメラの有効データ数として、レーダとステレオカメラの一方のみで障害物が検出された場合、他方の有効データ数が所定のしきい値より大きい場合には、他方の障害物の非検出の信頼度が高いものとして、検出した障害物に対して行う衝突回避制御の性能を抑制している(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、移動体周辺の障害物を検出する技術としては、レーダにより検出された障害物(物標)が、マルチパスによって生じた実際には存在しないゴースト(疑似物標)であるかどうかを、レーダと検出された各障害物(物標)との位置関係等より判別する技術が知られている(たとえば、特許文献2、非特許文献1)。
【0004】
また、ステレオカメラの鏡面反射体による誤検出を防ぐ技術としては、左右のカメラの撮影画像中の輝度差などから、画像中の鏡面反射による正反射像の部分を、誤検出が発生する部分として検出する技術が知られている(たとえば、特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5991332号公報
【特許文献2】特開2014-119285号公報
【特許文献3】特許第2961140号公報
【特許文献2】特開2007-114168号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Mathworks、 "Simulate Radar Ghosts due to Multipath Return"、 [令和3年5月10日検索]、インターネット、<https://jp.mathworks.com/help/radar/ug/simulating-radar-ghosts-due-to-multipath.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した自動車周辺の障害物をレーダとステレオカメラの双方を用いて検出する技術は、複数のセンサを用いて障害物を検出する場合に、各センサの有効データ数を当該センサの全計測範囲についての障害物検出の信頼度として、センサで検出された障害物の真実性を評価するものであるため、各センサの障害物検出の信頼度の低下に空間的な局所性がある場合には、検出された障害物の真実性を正しく評価することができなくなることがある。
【0008】
たとえば、センサがレーダである場合には、マルチパスが発生し得る領域では誤検出が発生し易く、局所的に障害物検出の信頼度が低下する。また、たとえば、センサがステレオカメラである場合には、撮影範囲中に鏡面反射体が存在する場合には、当該鏡面反射体方向の領域では誤検出が発生し易く、局所的に障害物検出の信頼度が低下する。
【0009】
そこで、本発明は、複数のセンサを用いて障害物を検出する場合に、各センサの障害物検出の信頼度の低下に空間的な局所性がある場合にも、より真実性高く障害物を検出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題達成のために、本発明は、移動体に搭載された、当該移動体の周辺の障害物を検出する障害物検出システムに、前記移動体の周囲の空間である計測空間を三次元計測する第1のセンサと、前記計測空間を三次元計測する第2のセンサと、
前記第1のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間を区分けした小領域であるセル毎に、当該セルに障害物が存在することが検出されたことを表す第1の値と、当該セルに障害物が存在しないことが検出されたことを表す第2の値と、当該セルに障害物が存在するかどうかが定められないことを表す第3の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第1障害物マップを作成する第1障害物マップ作成手段と、前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第2障害物マップを作成する第2障害物マップ作成手段と、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップとから、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値と、前記第3の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した合成障害物マップを作成する合成障害物マップ作成手段とを設けたものである。前記合成障害物マップ作成手段は、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップに同じ値が登録されている合成障害物マップのセルには、当該同じである値を登録し、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第3の値が登録され、他方に前記第1の値と前記第2の値のいずれかが登録されている合成障害物マップのセルには、当該他方に登録されている値を登録し、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第1の値が登録され、他方に前記第2の値が登録されている合成障害物マップのセルには、前記第3の値を登録する。
【0011】
ここで、このような障害物検出システムにおいて、前記第1障害物マップ作成手段は、前記第1のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間内の、前記第1のセンサによって計測できない領域を第1センサ不定領域として推定し、前記第1障害物マップの前記第1センサ不定領域内のセルに前記第3の値を登録してもよい。
【0012】
また、このような障害物検出システムにおいて、前記第1障害物マップ作成手段は、前記第1のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間内の、前記第1のセンサによって計測できない領域と前記第1のセンサの計測値の誤検出が発生する領域とを第1センサ不定領域として推定し、前記第1障害物マップの前記第1センサ不定領域内のセルに前記第3の値を登録してもよい。
【0013】
また、この場合、前記第1のセンサはレーダであり、前記第1障害物マップ作成手段が、前記第1センサ不定領域として推定する前記第1のセンサの計測値の誤検出が発生する領域は、マルチパスによるゴーストが発生し得る領域であってよい。
または、前記第1のセンサはステレオカメラであり、前記第1障害物マップ作成手段が、前記第1センサ不定領域として推定する前記第1のセンサの計測値の誤検出が発生する領域は、前記第1のセンサから見て、鏡面反射が発生している方向にある領域であってもよい。
【0014】
また、以上の障害物検出システムにおいて、前記第2障害物マップ作成手段は、前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値と、前記第3の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第2障害物マップを作成してよい。
【0015】
また、この場合、前記第2障害物マップ作成手段は、前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間内の、前記第2のセンサによって計測できない領域を第2センサ不定領域として推定し、前記第2障害物マップの前記第2センサ不定領域内のセルに前記第3の値を登録してよい。
【0016】
または、前記第2障害物マップ作成手段は、前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間内の、前記第2のセンサによって計測できない領域と前記第2のセンサの計測値の誤検出が発生する領域とを第2センサ不定領域として推定し、前記第2障害物マップの前記第2センサ不定領域内のセルに前記第3の値を登録してもよい。
【0017】
また、この場合、前記第1のセンサはレーダであり、前記第1障害物マップ作成手段が、前記第1センサ不定領域として推定する前記第1のセンサの計測値の誤検出が発生する領域は、マルチパスによるゴーストが発生し得る領域であり、前記第2のセンサはステレオカメラであり、前記第2障害物マップ作成手段が、前記第2センサ不定領域として推定する前記第2のセンサの計測値の誤検出が発生する領域は、前記第2のセンサから見て、鏡面反射が発生している方向にある領域であってよい。
【0018】
以上のような障害物検出システムによれば、計測空間を区分けした小領域であるセル毎に、個々のセンサからの、当該セルに障害物が存在することが検出されたか、当該セルに障害物が存在しないことが検出されたか、当該セルに障害物が存在するかどうかが定められないのかの検出状況の組み合わせを考慮して、合成障害物マップのセルの値を決定するので、各センサの障害物検出の信頼度の低下に空間的な局所性がある場合にも、より真実性高く障害物を検出することができる。
【0019】
また、前記課題達成のために、本発明は、移動体に搭載された、当該移動体の周辺の障害物を検出する障害物検出システムに、前記移動体の周囲の空間である計測空間を三次元計測する第1のセンサと、前記計測空間を三次元計測する第2のセンサと、前記第1のセンサの計測値に基づいて、前記計測空間を区分けした小領域であるセル毎に、当該セルに障害物が存在することが検出されており、かつ、前記移動体が異なる位置にあるときに当該セルに対応する実空間中の位置に障害物が存在することが検出されなかったことを表す第1の値と、当該セルに障害物が存在しないことが検出されており、かつ、前記移動体が異なる位置にあるときに当該セルに対応する実空間中の位置に障害物が存在しないことが検出されなかったことを表す第2の値と、当該セルに障害物の存在が検出されており、かつ、前記移動体が異なる位置にあるときに当該セルに対応する実空間中の位置に障害物が存在することが検出されていたことを表す第3の値と、当該セルに障害物が存在しないことが検出されており、かつ、前記移動体が異なる位置にあるときに当該セルに対応する実空間中の位置に障害物が存在しないことが検出されていたことを表す第4の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第1障害物マップを作成する第1障害物マップ作成手段と、前記第2のセンサの計測値に基づいて、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した第2障害物マップを作成する第2障害物マップ作成手段と、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップとから、前記セル毎に、前記第1の値と、前記第2の値と、当該セルに障害物が存在するかどうかが定められないことを表す第5の値とを含む複数の値のうちのいずれかの値を登録した合成障害物マップを作成する合成障害物マップ作成手段とを備えたものである。ここで、前記合成障害物マップ作成手段は、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップに同じ値が登録されている合成障害物マップのセルには、当該同じである値を登録し、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第3の値が登録され、他方に前記第4の値が登録されていない合成障害物マップのセルには前記第1の値を登録し、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第4の値が登録され、他方に前記第3の値が登録されていない合成障害物マップのセルには前記第2の値を登録し、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第1の値が登録され、他方に前記第2の値が登録されている合成障害物マップのセルには前記第5の値を登録し、前記第1障害物マップと前記第2障害物マップの一方に前記第3の値が登録され、他方に前記第4の値が登録されている合成障害物マップのセルには前記第5の値を登録する。
【0020】
ここで、異なる位置から検出した障害物が存在するか存在しないかの検出結果が同じである場合、当該検出結果の真実性は高いと考えられる。
よって、以上のような障害物検出システムによれば、計測空間を区分けした小領域であるセル毎に、個々のセンサにおける、当該セルに障害物が存在することが検出されたか、当該セルに障害物が存在しないことが検出されたか、当該各検出の信頼度は高いかどうかの組み合わせを考慮して、合成障害物マップのセルの値を決定することができ、各センサの障害物検出の信頼度の低下に空間的な局所性がある場合にも、より真実性高く障害物を検出すできるようになる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明によれば、複数のセンサを用いて障害物を検出する場合に、各センサの障害物検出の信頼度の低下に空間的な局所性がある場合にも、より真実性高く障害物を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る障害物検出システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係るレーダとステレオカメラの配置と、障害物マップのセルを示す図である。
図3】マルチパスの発生例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るレーダの誤検出発生予想領域の設定例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係るステレオカメラの誤検出発生予想領域の設定例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る合成障害物マップの各セルの値の決定規則を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る合成障害物マップの生成例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る合成障害物マップの生成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に本実施形態に係る障害物検出システムの構成を示す。
障害物検出システム1は、自動車に搭載されるシステムであり、図示するように前方レーダ111、後方レーダ112、左方レーダ113、右方レーダ114、前方ステレオカメラ121、後方ステレオカメラ122、左方ステレオカメラ123、右方ステレオカメラ124、各レーダを用いてレーダ障害物マップを作成するレーダ障害物マップ作成部130、各ステレオカメラを用いてステレオカメラ障害物マップを作成するステレオカメラ障害物マップ作成部140、レーダ障害物マップとステレオカメラ障害物マップから合成障害物マップを作成する合成障害物マップ作成部150を備えている。そして、合成障害物マップ作成部150が作成した合成障害物マップは、自動車の自動走行を制御する自動走行制御装置2に出力される。
【0024】
ここで、図2aに示すように前方レーダ111は自動車の前方を走査して自動車の前方にある物体の座標(距離、方向)を検出し、後方レーダ112は自動車の後方を走査して自動車の後方にある物体の座標を検出し、左方レーダ113は自動車の左方を走査して自動車の左方にある物体の座標を検出し、右方レーダ114は自動車の右方を走査して自動車の右方にある物体の座標を検出する。
【0025】
ここで、以下では、前方レーダ111、後方レーダ112、左方レーダ113、右方レーダ114をレーダ110と総称する。
また、図2bに示すように、前方ステレオカメラ121は自動車の前方を撮影して自動車の前方にある物体の座標(距離、方向)を検出し、後方ステレオカメラ122は自動車の後方を撮影して自動車の後方にある物体の座標を検出し、左方ステレオカメラ123は自動車の左方を撮影して自動車の左方にある物体の座標を検出し、右方ステレオカメラ124は自動車の右方を撮影して自動車の右方にある物体の座標を検出する。
【0026】
ここで、以下では、前方ステレオカメラ121、後方ステレオカメラ122、左方ステレオカメラ123、右方ステレオカメラ124をステレオカメラ120と総称する。
次に、レーダ障害物マップ作成部130が作成するレーダ障害物マップ、ステレオカメラ障害物マップ作成部140が作成するステレオカメラ障害物マップ、合成障害物マップ作成部150が作成する合成障害物マップは、たとえば、図2cに示すように自動車の周辺の領域である計測エリアを格子状に分割した多数のセル(小領域)の各々について、当該セルに障害物が存在することを示す「障害物あり」か、当該セルに障害物が存在しないことを示す「障害物なし」か、障害物の存在の有無が不明であることを示す「不定」を登録したマップである。
【0027】
レーダ障害物マップ作成部130は、レーダ障害物マップの各セルに、次のように、「障害物あり」/「障害物なし」/「不定」を登録する。
すなわち、レーダ110が、セルに対応する実空間上の位置に物体を検出しており、当該セルに対応する実空間上の位置がレーダ110の不定領域内の位置でないときには、当該セルに「障害物あり」を登録する。レーダ110の不定領域については、後に説明する。
【0028】
また、レーダ110が、セルに対応する実空間上の位置に物体を検出しておらず、当該セルに対応する実空間上の位置がレーダ110の不定領域内の位置でないときには、当該セルに「障害物なし」を登録する。
そして、セルに対応する実空間上の位置がレーダ110の不定領域内の位置であるときと、ノイズが大きい方向にある等、当該セル対応する実空間上の位置の物体の存在の有無をレーダ110から定められない他の事情があるときに、当該セルに「不定」を登録する。
【0029】
同様に、ステレオカメラ障害物マップ作成部140は、ステレオカメラ障害物マップの各セルに、次のように、「障害物あり」/「障害物なし」/「不定」を登録する。
すなわち、ステレオカメラ120が、セルに対応する実空間上の位置に、物体を検出しており、当該セルに対応する実空間上の位置がステレオカメラ120の不定領域内の位置でないときには、当該セルに「障害物あり」を登録する。ステレオカメラ120の不定領域については、後に説明する。
【0030】
また、ステレオカメラ120が、セルに対応する実空間上の位置に、物体を検出しておらず、当該セルに対応する実空間上の位置がステレオカメラ120の不定領域内の位置でないときには、当該セルに「障害物なし」を登録する。
そして、当該セルに対応する実空間上の位置がステレオカメラ120の不定領域内の位置であるときと、距離(視差)の検出が行えなかった方向にある等、当該セルに対応する実空間上の位置の物体の存在の有無をステレオカメラ120から定められない他の事情があるときに、当該セルに「不定」を登録する。
【0031】
次に、上述したレーダ110の不定領域とステレオカメラ120の不定領域について説明する。
レーダ110の不定領域には、レーダ110の走査範囲外の領域と、レーダ110に対して物体によって遮蔽されている領域と、レーダ110の誤検出の発生が予想される領域を設定する。
レーダ110の誤検出の発生が予想される領域としては、たとえば、マルチパスによるゴースト(疑似物標)が発生し得る領域等を設定する。
マルチパスによるゴーストは、たとえば、図3a1に示すように、レーダ110から出射したレーダ波が、物体Aで反射した後に物体Bで反射してレーダ110によって受信された場合に、図3a2に示すゴーストである物体Gがレーダ110で検出されることによって生じ得る。
【0032】
また、ゴーストは、たとえば、図3b1に示すように、レーダ110から出射したレーダ波が、物体Aで反射した後に、さらにレーダ110、物体Aと反射してレーダ110によって受信された場合に、図3b2に示すゴーストである物体Gがレーダ110で検出されることによって生じ得る。
【0033】
そこで、レーダ障害物マップ作成部130は、レーダ110によって検出された物体に対してゴーストが発生し得る当該物体より後方の領域を、誤検出の発生が予想される領域として算定し、レーダ110の不定領域に含める。
この結果、たとえば、図4a1に示すように、障害物検出システム1を搭載した自動車である自車Sの左側方に縦列駐車している2台の他車V1、V2に対して、レーダ110が図4a2に白色で示すように物体を検出した場合、図4a3に灰色で示した領域が、マルチパスによるゴーストが発生し得る領域として、不定領域に含められる。
【0034】
同様に、たとえば、図4b1に示すように、自車Sの左側方にななめ駐車している2台の他車V1、V2に対して、レーダ110が図4b2に白色で示すように物体を検出した場合、図4b3に灰色で示した領域がマルチパスによるゴーストが発生し得る領域として、不定領域に含められる。
【0035】
次に、ステレオカメラ120の不定領域には、ステレオカメラ120の撮影範囲外の領域と、ステレオカメラ120に対して物体によって遮蔽されている領域と、ステレオカメラ120の誤検出の発生が予想される領域を設定する。
ステレオカメラ120の誤検出の発生が予想される領域としては、鏡面反射体が存在する方向にある領域、距離の変動が激しい方向にある領域、透明体が存在する方向にある領域、テクスチャのない方向にある領域などを設定することができる。
すなわち、たとえば、鏡面反射体が存在する方向にある領域を誤検出の発生が予想される領域として設定する場合には、次のように設定することができる。
いま、図5aに示すように、自車Sの左側方に他車V1が存在し、ステレオカメラ120の左カメラと右カメラによって、図5bに示すように、他車V1の右フロントドアに鏡面反射が発生している画像が撮影された場合、撮影画像中の鏡面反射が発生している部分では、図5c1に示すように、部分内の画素に対応する方向の距離として無限遠が不連続的に算出される。なお、図5c1中に白色で示す画素が、画素に対応する方向の距離として無限遠が算出される画素である。
【0036】
そこで、図5c2に示すように、無限遠が不連続的に算出される部分500と、部分500のステレオカメラ120の光軸に対する水平画角範囲θを求め、ステレオカメラ120の光軸に対する水平方向角度が、水平画角範囲θ内の方向となる領域を誤検出の発生が予想される領域と予想し、不定領域に含める。
【0037】
ただし、ステレオカメラ120の画像中に鏡面反射が表れている領域を他のアルゴリズムによって算定して、鏡面反射体が存在する方向にある領域を誤検出の発生が予想される領域と予想し、不定領域に含めるようにしてもよい。
結果、自車Sの左側方の他車V1に対して、ステレオカメラ120が図5d1に示すように物体を検出した場合、図5d2に灰色で示した領域が誤検出の発生が予想される領域として不定領域に含められる。
次に、合成障害物マップ作成部150は、レーダ障害物マップとステレオカメラ障害物マップから、合成障害物マップの各セルの値を、図6に示す規則に従って定めて登録することにより、合成障害物マップを作成する。ここで、図6に示す規則は、基本的には、レーダ障害物マップとステレオカメラ障害物マップの「障害物あり」、「障害物なし」、「不定」の多数決により合成障害物マップのセルの値を定める規則となっている。ただし、多数決が同数であった場合には、「障害物あり」と「障害物なし」の強さは等しく、「不定」の強さは「障害物あり」と「障害物なし」の強さより弱いものとして、合成障害物マップのセルの値を定めている。
【0038】
すなわち、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの双方に、「障害物あり」が登録されている、合成障害物マップのセルの値は「障害物あり」とする。
また、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの双方に、「障害物なし」が登録されている、合成障害物マップのセルの値は「障害物なし」とする。
また、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの一方に、「障害物あり」が登録されており、他方に「不定」が登録されている、合成障害物マップのセルの値は「障害物あり」とする。
また、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの一方に、「障害物なし」が登録されており、他方に「不定」が登録されている、合成障害物マップのセルの値は「障害物なし」とする。
また、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの双方に、「不定」が登録されている、合成障害物マップのセルの値は「不定」とする。
また、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの一方に、「障害物あり」が登録されており、他方に「障害物なし」が登録されている、合成障害物マップのセルの値は「不定」とする。
この結果、たとえば、図7aに示すように、自車Sの左側方に縦列駐車している2台の他車V1、V2に対して、自車Sの左側方の範囲について、レーダ110から図7b1に示すレーダ障害物マップが作成され、ステレオカメラ120から図7b2に示すステレオカメラ障害物マップが作成された場合、図7b3に示すように合成障害物マップが生成される。
【0039】
ここで、図7b1、b2、b3のレーダ障害物マップ、ステレオカメラ障害物マップ、合成障害物マップにおいて、白色の部分が「障害物あり」が登録されたセルの範囲であり、黒色の部分が「障害物なし」が登録されたセルの範囲であり、灰色の部分が「不定」が登録されたセルの範囲である。
【0040】
図7aの自車Sと他車V1、V2の配置と図7b3の合成障害物マップの比較によって示されるように、本実施形態によれば、合成障害物マップにおいて、比較的誤検出少なく、他車V1、V2を障害物として良好に検出できている。
また、たとえば、図8aに示すように、自車Sの左側方にななめ駐車している2台の他車V1、V2に対して、自車Sの左側方の範囲について、レーダ110から図8b1に示すレーダ障害物マップが作成され、ステレオカメラ120から図8b2に示すステレオカメラ障害物マップが作成された場合、図8b3に示すように合成障害物マップが生成される。
【0041】
図8aの自車Sと他車V1、V2の配置と図8b3の合成障害物マップの比較によって示されるように、本実施形態によれば、合成障害物マップにおいて、比較的誤検出少なく、他車V1、V2を障害物として良好に検出できている。
さて、図1に戻り、自動走行制御装置2は、合成障害物マップ作成部150から出力される合成障害物マップに基づいて、障害物との衝突の回避や、自動駐車などの自動車の自動走行の制御を行う。
以上、本発明の実施形態について説明した。
このように本実施形態によれば、計測エリアを区分けした小領域であるセル毎に、レーダ110とステレオカメラ120のそれぞれからの、当該セルに障害物が存在することが検出されたか、当該セルに障害物が存在しないことが検出されたか、当該セルに障害物が存在するかどうかが定められないのかの検出状況の組み合わせを考慮して、合成障害物マップのセルの値を決定するので、レーダ110やステレオカメラ120の障害物検出の信頼度の低下に空間的な局所性が発生している場合にも、より真実性高く障害物を検出することができる。
【0042】
ところで、以上の実施形態は、レーダ障害物マップとステレオカメラ障害物マップのセルに、さらに、「高信頼度障害物あり」と「高信頼度障害物なし」を登録可能としてよい。
この場合、レーダ障害物マップの「高信頼度障害物あり」を登録するセルは、自車Sの所定距離以上の移動期間中、継続的にレーダ110によって物体の存在が検出された位置に対応するセルとする。また、ステレオカメラ障害物マップの「高信頼度障害物あり」を登録するセルは、自車Sの所定距離以上の移動期間中、継続的にステレオカメラ120によって物体の存在が検出された位置に対応するセルとする。
【0043】
また、レーダ障害物マップの「高信頼度障害物なし」を登録するセルは、自車Sの所定距離以上の移動期間中、継続的にレーダ110によって物体の存在が検出されなかった位置に対応するセルとする。また、ステレオカメラ障害物マップの「高信頼度障害物なし」を登録するセルは、自車Sの所定距離以上の移動期間中、継続的にステレオカメラ120によって物体の存在が検出されなかった位置に対応するセルとする。
【0044】
ここで、レーダ障害物マップやステレオカメラ障害物マップにおいて、自車Sの所定距離以上の移動期間中、継続的に物体の存在が検出された位置に対応するセルを「高信頼度障害物あり」、継続的に物体の存在が検出されなかった位置に対応するセルを「高信頼度障害物なし」とするのは、異なる位置から計測した結果が同じであるセルについては、マルチパスや鏡面反射体などによる計測の信頼度の局所的な低下の影響を受けて折らず、当該計測した結果が真実であると考えられるからである。
【0045】
そして、合成障害物マップ作成部150の合成障害物マップ作成においては、図6に示した規則に加え、以下の規則を導入する。
すなわち、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの少なくとも一方に、「高信頼度障害物あり」が登録されている場合、他方のセルに「高信頼度障害物なし」が登録されていないかぎり、合成障害物マップのセルの値は「障害物あり」とする。
【0046】
また、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの少なくとも一方に、「高信頼度障害物なし」が登録されている場合、他方のセルに「高信頼度障害物あり」が登録されていないかぎり、合成障害物マップのセルの値は「障害物なし」とする。
また、レーダ障害物マップのセルとステレオカメラ障害物マップのセルの一方に、「高信頼度障害物あり」が登録されており、他方に「高信頼度障害物なし」が登録されている、合成障害物マップのセルの値は「不定」とする。
また、以上の実施形態ではレーダ110とステレオカメラ120を用いたが、本実施形態は、レーダ110やステレオカメラ120に限らず、レーダ110とステレオカメラ120の一方もしくは双方に代えて、三次元計測を行う他のセンサを用いる場合に同様に適用することができる。
たとえば、レーダ110やステレオカメラ120の代わりに、LiDAR(Light Detection And Ranging)や、TOF(Time Of Flight)カメラや、超音波センサや、その他の三次元計測可能なセンサを用いてもよい。
また、本実施形態において、複数の三次元計測可能なセンサを用いる場合において、一部のセンサについては、誤検出の可能性に基づく不定領域の設定や、当該センサを用いて作成した障害物マップのセルへの「不定」の登録が行えないものであってもよく、この場合にも、以上に示した規則に従って、合成障害物マップのセルの値を定めればよい。
【0047】
また、本実施形態において、複数の三次元計測可能なセンサを用いる場合において、各センサは異なる位置に配置された同種のセンサとすることもできる。
また、本実施形態において、複数の三次元計測可能なセンサを用いる場合において、当該センサから検出値毎や領域毎や位置毎の信頼性の情報が得られる場合には、当該情報に基づいて、当該センサを用いて作成した障害物マップのセルへの「不定」の登録を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1…障害物検出システム、2…自動走行制御装置、110…レーダ、111…前方レーダ、112…後方レーダ、113…左方レーダ、114…右方レーダ、120…ステレオカメラ、121…前方ステレオカメラ、122…後方ステレオカメラ、123…左方ステレオカメラ、124…右方ステレオカメラ、130…レーダ障害物マップ作成部、140…ステレオカメラ障害物マップ作成部、150…合成障害物マップ作成部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8