(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177504
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】リントフィルタユニット及びこれを備えた洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 39/10 20060101AFI20231207BHJP
D06F 39/08 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
D06F39/10 B
D06F39/08 331
D06F39/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090221
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 泰宏
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA11
3B166AE02
3B166BA48
3B166CA02
3B166CA11
3B166CB11
3B166DB03
3B166DB08
3B166DB13
3B166DB17
(57)【要約】
【課題】リントフィルタの取り外し作業の容易性を向上させることができるリントフィルタユニット及びこれを備えた洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯槽の内壁面に設けられたホルダ3と、ホルダ3に着脱可能に取り付けられるリントフィルタ4と、を備え、洗濯槽内でリントを補集するリントフィルタユニット2であって、ホルダ3は、リントフィルタ4が係合する被係合部32を有し、リントフィルタ4は、フィルタネット40と、フィルタネット40が取り付けられるフレーム41と、を含んで構成され、フレーム41は、被係合部32と係合可能でありかつ外部からの押圧力によって被係合部32から離脱可能である係合部43を有し、ホルダ3には、被係合部32から離脱する係合部43と摺動することで係合部43を被係合部32に対して手前側へ導くガイド部5が設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽の内壁面に設けられたホルダと、該ホルダに着脱可能に取り付けられるリントフィルタと、を備え、該洗濯槽内でリントを補集するリントフィルタユニットであって、
前記ホルダは、
前記リントフィルタが係合する被係合部を有し、
前記リントフィルタは、
フィルタネットと、該フィルタネットが取り付けられるフレームと、を含んで構成され、
前記フレームは、
前記被係合部と係合可能でありかつ外部からの押圧力によって該被係合部から離脱可能である係合部を有し、
前記ホルダには、
前記被係合部から離脱する前記係合部と摺動することで該係合部を該被係合部に対して手前側へ導くガイド部が設けられたことを特徴とするリントフィルタユニット。
【請求項2】
請求項1に記載のリントフィルタユニットであって、
前記ガイド部は、前記被係合部から離脱する前記係合部と対峙するように配され、前記被係合部側から手前側へ向かって傾斜する傾斜面を含んで構成されたことを特徴とするリントフィルタユニット。
【請求項3】
請求項1に記載のリントフィルタユニットであって、
前記被係合部は、前記ホルダに穿設された孔で構成され、
前記係合部は、前記被係合部を構成する前記孔に抜脱可能に挿通される軸部を含んで構成されたことを特徴とするリントフィルタユニット。
【請求項4】
請求項1に記載のリントフィルタユニットであって、
前記ホルダは、
前記係合部を前記被係合部からの離脱方向に押圧する押圧部をさらに備えたことを特徴とするリントフィルタユニット。
【請求項5】
請求項4に記載のリントフィルタユニットであって、
前記押圧部は、
ユーザが押し操作可能な押釦部と、
前記離脱方向と交差する回転軸方向に延びる回転軸を中心に回転自在に設けられた回転体と、を含んで構成され、
前記回転体は、
前記回転軸から前記押釦部側へ延びる第1レバーと、前記回転軸から前記係合部側へ延びる第2レバーと、を有し、前記第1レバーで前記押釦部を介して外部からの押圧力を受けた際に回転して前記第2レバーで前記係合部を前記離脱方向に押圧することを特徴とするリントフィルタユニット。
【請求項6】
請求項5に記載のリントフィルタユニットであって、
前記回転軸の径方向における前記第1レバーの長さは、前記回転軸の径方向における前記第2レバーの長さよりも長いことを特徴とするリントフィルタユニット。
【請求項7】
請求項1に記載のリントフィルタユニットであって、
ユーザが前記係合部を前記被係合部からの離脱方向に押圧して該被係合部から離脱させることを補助する補助具をさらに備え、
前記補助具は、前記係合部と当接して作用点部を構成する先端部と、前記ホルダと当接して支点部を構成する中間部と、前記ユーザが把持して力を加える力点部を構成する把持部と、が順に並んで構成されたことを特徴とするリントフィルタユニット。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のリントフィルタユニットを備えたことを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リントフィルタユニット及びこれを備えた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯槽内でリントを補集するリントフィルタユニットとして、互いに着脱自在に係合する前後カバーを含んで構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。ユーザは、リントを除去する際に、該前後カバーの係合を解除しながら該前後カバーの一方を手前に引き出して取り外す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のリントフィルタユニットにおいては、リントを除去する際の作業性、特に、カバーを手前に引き出して取り外す作業の容易性を向上させる余地があった。
【0005】
本開示は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、リントフィルタの取り外し作業の容易性を向上させることができるリントフィルタユニット及びこれを備えた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本明細書で開示されるリントフィルタユニットは、洗濯槽の内壁面に設けられたホルダと、該ホルダに着脱可能に取り付けられるリントフィルタと、を備え、該洗濯槽内でリントを補集するリントフィルタユニットであって、前記ホルダは、前記リントフィルタが係合する被係合部を有し、前記リントフィルタは、フィルタネットと、該フィルタネットが取り付けられるフレームと、を含んで構成され、前記フレームは、前記被係合部と係合可能でありかつ外部からの押圧力によって該被係合部から離脱可能である係合部を有し、前記ホルダには、前記被係合部から離脱する前記係合部と摺動することで該係合部を該被係合部に対して手前側へ導くガイド部が設けられたことを特徴とするものである。
【0007】
また、前記リントフィルタユニットにおいて、前記ガイド部は、前記被係合部から離脱する前記係合部と対峙するように配され、前記被係合部側から手前側へ向かって傾斜する傾斜面を含んで構成されていてもよい。
【0008】
また、前記リントフィルタユニットにおいて、前記被係合部は、前記ホルダに穿設された孔で構成され、前記係合部は、前記被係合部を構成する前記孔に抜脱可能に挿通される軸部を含んで構成されていてもよい。
【0009】
また、前記リントフィルタユニットにおいて、前記ホルダは、前記係合部を前記被係合部からの離脱方向に押圧する押圧部をさらに備えていてもよい。
【0010】
また、前記リントフィルタユニットにおいて、前記押圧部は、ユーザが押し操作可能な押釦部と、前記離脱方向と交差する回転軸方向に延びる回転軸を中心に回転自在に設けられた回転体と、を含んで構成され、前記回転体は、前記回転軸から前記押釦部側へ延びる第1レバーと、前記回転軸から前記係合部側へ延びる第2レバーと、を有し、前記第1レバーで前記押釦部を介して外部からの押圧力を受けた際に回転して前記第2レバーで前記係合部を前記離脱方向に押圧してもよい。
【0011】
また、前記リントフィルタユニットにおいて、前記回転軸の径方向における前記第1レバーの長さは、前記回転軸の径方向における前記第2レバーの長さよりも長くてもよい。
【0012】
また、前記リントフィルタユニットにおいて、ユーザが前記係合部を前記被係合部からの離脱方向に押圧して該被係合部から離脱させることを補助する補助具をさらに備え、前記補助具は、前記係合部と当接して作用点部を構成する先端部と、前記ホルダと当接して支点部を構成する中間部と、前記ユーザが把持して力を加える力点部を構成する把持部と、が順に並んで構成されていてもよい。
【0013】
また、本明細書で開示される洗濯機は、前記リントフィルタユニットを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、リントフィルタの取り外し作業の容易性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】洗濯槽においてリントフィルタユニットが取り付けられた状態の洗濯機を示す斜視図である。
【
図2】実施形態1におけるリントフィルタユニットの斜視図である。
【
図3】
図2のリントフィルタユニットの分解斜視図である。
【
図4】
図2のリントフィルタユニットの内部構造の一部を示す概略図である。
【
図5】手前に引き出される途中のリントフィルタ及びその周辺を示す概略図である。
【
図6】実施形態2におけるリントフィルタユニットの内部構造の一部を示す概略図である。
【
図8】実施形態3における補助具を示す斜視図である。
【
図9】
図8の補助具の使用例を示す第1の図である。
【
図10】
図8の補助具の使用例を示す第2の図である。
【
図11A】実施形態3の一変形例における補助具を示す斜視図である。
【
図13】実施形態3の他の変形例における補助具を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各実施形態の間で同一の構成要素には同一の符号を付し、それら構成要素について重複する説明は省略する。
【0017】
(実施形態1)
図1は、洗濯槽15においてリントフィルタユニット2が取り付けられた状態の洗濯機1を示す斜視図である。
【0018】
本実施形態において、洗濯機1は、上部筐体10及び下部筐体11を含む筐体12と、開口部13を開閉する蓋体14と、を備え、内部に洗濯槽15を収容した所謂縦型洗濯機である。洗濯槽15の内壁側には、洗濯槽15内でリントを補集するリントフィルタユニット2が設けられている。
【0019】
-リントフィルタユニット-
図2は、実施形態1におけるリントフィルタユニット2の斜視図である。
図3は、
図2のリントフィルタユニット2の分解斜視図である。
図4は、
図2のリントフィルタユニット2の内部構造の一部を示す概略図である。
図5は、手前に引き出される途中のリントフィルタ4及びその周辺を示す概略図である。図において、矢符Wは、被係合部32からの係合部43の離脱方向Wを概念的に示すものである。
【0020】
リントフィルタユニット2は、洗濯槽15の内壁面16に設けられたホルダ3と、ホルダ3に着脱可能に取り付けられるリントフィルタ4と、を備えている(
図1~
図3参照)。
【0021】
<ホルダ>
ホルダ3は、凹部30と、支持部31と、被係合部32と、を有している(
図3参照)。
【0022】
凹部30は、リントフィルタ4が収容される収容空間αを形成するものであり、上下方向を長手方向とする矩形状の開口部33を有している。
【0023】
支持部31は、リントフィルタ4を回転可能に支持するものであり、凹部30の下部内面34において上下方向に穿設された第1孔37で構成されている。
【0024】
被係合部32は、リントフィルタ4が係合するものであり、本実施形態において、凹部30の上部内面35において上下方向に穿設された第2孔38で構成されている。
【0025】
<リントフィルタ>
リントフィルタ4は、袋状に形成されたフィルタネット40と、フィルタネット40が取り付けられるフレーム41と、を含んで構成されている(
図2、
図3参照)。フィルタネット40の開口辺にフレーム41が取り付けられてリントフィルタ4が形成されている。フィルタネット40は、フレーム41に対して、溶着などで強固に固着されることが好ましい。
【0026】
フレーム41は、支持軸部42と、係合部43と、を有している(
図3参照)。
【0027】
支持軸部42は、ホルダ3の支持部31を構成する第1孔37に挿通可能に構成されている。
【0028】
係合部43は、ホルダ3の被係合部32と係合可能でありかつ外部からの押圧力によって被係合部32から離脱可能に構成されている。本実施形態において、係合部43は、被係合部32を構成する第2孔38に抜脱可能に挿通される軸部44と、軸部44を第2孔38に抜脱可能に支持し外部から力を受けると撓む弾性ヒンジ部45と、を含んで構成されている(
図3、
図4参照)。弾性ヒンジ部45には、ユーザが弾性ヒンジ部45を撓ませる際に指等で押圧可能な被押圧面46が設けられている。弾性ヒンジ部45が外部から力を受けて撓むと、軸部44が第2孔38から抜脱される。
【0029】
軸部44が第2孔38に挿通されることで、係合部43が被係合部32と係合する(
図4参照)。一方で、弾性ヒンジ部45が撓んで軸部44が第2孔38から抜脱されることで、係合部43及び被係合部32の係合が解除される(
図5参照)。係合部43及び被係合部32が上記のような構成とされたことにより、シンプルな構造でホルダ3とリントフィルタ4のフレーム41とを係合させることができる。
【0030】
上記説明したリントフィルタ4をホルダ3に取り付けるには、先ずフレーム41の支持軸部42をホルダ3の支持部31を構成する第1孔37に挿通させ、リントフィルタ4を、支持部31を支点として立たせるように回転させるとともに弾性ヒンジ部45を撓ませて、フレーム41の係合部43を被係合部32と係合させる。
【0031】
一方で、リントフィルタ4をホルダ3から取り外すには、弾性ヒンジ部45を撓ませて係合部43及び被係合部32の係合を解除しながら、リントフィルタ4を、支持部31を支点として手前に回転させて引き出す。本実施形態において、手前とは、洗濯槽15の径方向の中央に向かう方向と略同じ方向のことを指す。リントフィルタ4を手前に引き出して取り外す作業の容易性を向上させるために、ホルダ3には、以下説明するガイド部5が設けられている(
図3~
図5参照)。
【0032】
ガイド部5は、被係合部32から離脱する係合部43と摺動することで係合部43を被係合部32に対して手前側へ導くものである。ガイド部5は、凹部30において開口部33に臨む凹底面36側に配された傾斜面50を含んで構成されている。本実施形態において、傾斜面50は、被係合部32から離脱方向Wに離脱する係合部43と対峙するように配され、被係合部32側から、手前側であるホルダ3の外表面3a側へ向かって傾斜する。本実施形態において、離脱方向Wは、係合部43における軸部44が、被係合部32を構成する第2孔38から抜脱する方向である。係合部43は、被係合部32から離脱する際に傾斜面50に摺動することで、傾斜面50の傾斜に沿って手前側へ導かれる。
【0033】
係合部43が被係合部32に対して手前側へ導かれることにより、リントフィルタ4が手前に傾くことから、リントフィルタ4を容易に手前に引き出すことができ、ひいては、リントフィルタ4の取り外し作業の容易性を向上させることができる。
【0034】
また、ガイド部5が上記のような傾斜面50を含んで構成されたことにより、シンプルな構造で被係合部32から離脱する係合部43を被係合部32に対して手前側へ導くことができる。
【0035】
なお、ガイド部5の構成は上記に限られず、要は、被係合部32から離脱する係合部43を被係合部32に対して手前側へ導くことができればよく、例えば、被係合部32からの係合部43の離脱方向Wが手前側に向くように、被係合部32を構成する第2孔38が手前側に向かって穿設されることでガイド部5が構成されていてもよい。
【0036】
なお、リントフィルタ4の係合部43の構成は上記に限られず、例えば、ホルダ3の被係合部32にフックして係合するように構成されていてもよい。
【0037】
(実施形態2)
以下、実施形態2について、上記実施形態1とは異なる点についてのみ説明する。
【0038】
図6は、実施形態2におけるリントフィルタユニット2の内部構造の一部を示す概略図である。
図7は、回転体61を示す斜視図である。図において、矢符Rは、回転体61の回転方向Rを概念的に示すものである。
【0039】
実施形態2において、ホルダ3は、フレーム41の係合部43を被係合部32からの離脱方向Wに押圧する押圧部6をさらに備えている(
図6参照)。
【0040】
押圧部6は、ホルダ3の上面3bに設けられユーザが指等で押し込み可能な押釦部60と、離脱方向Wと交差する回転軸方向δに延びる回転軸62を中心に回転自在に設けられた回転体61と、を含んで構成されている(
図6参照)。回転軸62は、ホルダ3の外表面3aの内面に添設された軸支部3cによって軸支されている。
【0041】
押釦部60は、ホルダ3の上面3bに形成された切込63及び半切込64によって片持ち梁状に形成されている。
【0042】
回転体61は、ホルダ3の上面3bの下側に形成された内部空間β内に配されており、回転軸62から径方向の外方に延びる第1レバー65及び第2レバー66を有している(
図6、
図7参照)。第1レバー65は、回転軸62から押釦部60側へ延びており、第2レバー66は、回転軸62から係合部43における軸部44側へ延びている。
【0043】
第1レバー65の先端部には、外部からの押圧を受ける被押圧片67が形成されている。本実施形態において、回転軸62の径方向における第1レバー65の長さD1は、回転軸62の径方向における第2レバー66の長さD2よりも長く設定されている。
【0044】
回転体61は、第1レバー65で押釦部60を介して外部からの押圧力を受けた際に回転方向Rに回転して第2レバー66で係合部43を離脱方向Wに押圧する。換言すると、押圧部6は、押釦部60が押し込まれると、回転体61で係合部43を離脱方向Wに押圧する。押圧部6の押釦部60を押し込むことにより、係合部43及び被係合部32の係合を解除してリントフィルタ4をホルダ3から取り外すことができる。
【0045】
ホルダ3が上記のような押圧部6を備えたことにより、ユーザはホルダ3の上面3bに面した押釦部60を押すことでリントフィルタ4をホルダ3から取り外すことができる。したがって、上記実施形態1で説明した弾性ヒンジ部45を撓ませて係合部43及び被係合部32の係合を解除する場合と比較して、係合部43及び被係合部32の係合を押し込み動作で容易に解除することができ、ひいては、リントフィルタ4の取り外し作業の容易性を向上させることができる。
【0046】
また、押圧部6が上記のような押釦部60と回転体61とを含んで構成されたことより、シンプルな構造で、ユーザによる押し込みの力を、係合部43を離脱方向Wに押圧する力に変換することができる。
【0047】
さらに、回転軸62の径方向における第1レバー65の長さD1が回転軸62の径方向における第2レバー66の長さD2よりも長いことにより、てこの原理で、より軽い力で係合部43及び被係合部32の係合を解除することができ、ひいては、リントフィルタ4の取り外し作業の容易性を向上させることができる。
【0048】
(実施形態3)
以下、実施形態3について、上記実施形態1とは異なる点についてのみ説明する。
【0049】
図8は、実施形態3における補助具7を示す斜視図である。図において、矢符Fは、補助具7の使用時の倒伏方向Fを概念的に示すものである。
【0050】
実施形態3において、リントフィルタユニット2は、ユーザが係合部43を被係合部32からの離脱方向Wに押圧して被係合部32から離脱させることを補助する補助具7をさらに備えている。
【0051】
補助具7は、先端部70と、中間部71と、把持部72と、が順に並んで構成されている。補助具7は、合成樹脂等から形成されている(
図8参照)。
【0052】
先端部70は、補助具7の使用時に弾性ヒンジ部45と当接して作用点部7aを構成する。先端部70の外周面73は、係合部43における弾性ヒンジ部45に当接する円筒状に形成されている。外周面73には、ローレット加工等の滑り止め加工が施されている。
【0053】
中間部71は、補助具7の使用時にホルダ3と当接して支点部7bを構成する。中間部71は、棒状に形成されている。
【0054】
把持部72は、補助具7の使用時にユーザが把持して力を加える力点部7cを構成する。把持部72は、中間部71と同軸の棒状に形成されている。
【0055】
図9は、
図8の補助具7の使用例を示す第1の図である。
図10は、
図8の補助具7の使用例を示す第2の図である。
【0056】
上記説明した補助具7を用いて係合部43を押圧して被係合部32から離脱させるには、先ず、
図9に示すように、補助具7の先端部70をホルダ3とリントフィルタ4との間に差し込み、弾性ヒンジ部45における被押圧面46に当接させる。続いて、
図10に示すように、先端部70を弾性ヒンジ部45に当接させた状態で、把持部72をホルダ3の外表面3aに沿わすように補助具7を倒伏方向Fに倒伏させる。このとき、先端部70において弾性ヒンジ部45と当接する部分が作用点部7aを構成する。また、中間部71において、ホルダ3における上部内面35及び外表面3aがなす角部3dと当接する部分が支点部7bを構成し、把持部72においてユーザが把持して力を加える部分が力点部7cを構成する。補助具7は、てこの原理で、ユーザが把持部72に加える力を用いて、作用点部7aで係合部43を離脱方向Wに押圧して被係合部32から離脱させる。
【0057】
リントフィルタユニット2が上記のような補助具7を備えたことにより、上記実施形態1で説明した弾性ヒンジ部45を撓ませて係合部43及び被係合部32の係合を解除する場合と比較して、係合部43及び被係合部32の係合を補助具7の回動動作で容易に解除することができ、ひいては、リントフィルタ4の取り外し作業の容易性を向上させることができる。
【0058】
【0059】
なお、
図11A及び
図11Bに示すように、補助具7の把持部72は、中間部71に対して手前側に傾いていてもよい。これにより、
図12に示すように、ユーザが把持部72を把持して力を加える際に、
図10に示した場合と比較してより自然な角度で把持部72を把持して無理なく力を加えることができる。
【0060】
図13は、実施形態3の他の変形例における補助具7を示す側面図である。
【0061】
また、
図13に示すように、中間部71の側部に、フック部74が設けられていてもよい。これにより、洗濯機1の筐体12等にフック部74を引っ掛け可能な箇所を設けておけば、補助具7を手近な場所に保管することができる。
【0062】
なお、補助具7の材質は上記に限られず、例えば、滑り止めのために先端部70がゴム等で形成され、中間部71及び把持部72が合成樹脂等で形成されていてもよい。
【0063】
上記の実施形態及び実施例はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本開示の技術的範囲は、上記の実施形態及び実施例のみにより解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1 洗濯機
15 洗濯槽
16 内壁面
2 リントフィルタユニット
3 ホルダ
30 凹部
31 支持部
32 被係合部
33 開口部
34 下部内面
35 上部内面
36 凹底面
37 第1孔
38 第2孔
4 リントフィルタ
40 フィルタネット
41 フレーム
42 支持軸部
43 係合部
44 軸部
45 弾性ヒンジ部
46 被押圧面
5 ガイド部
50 傾斜面
6 押圧部
60 押釦部
61 回転体
62 回転軸
65 第1レバー
66 第2レバー
67 被押圧片
7 補助具
7a 作用点部
7b 支点部
7c 力点部
70 先端部
71 中間部
72 把持部
73 外周面
74 フック部
F 倒伏方向
W 離脱方向
α 収容空間
β 内部空間
δ 回転軸方向