(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177524
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】管理装置、電子商取引システム、管理方法、及び、管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231207BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090250
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小関 峻介
(72)【発明者】
【氏名】河合 優佑
(72)【発明者】
【氏名】長岡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】中野 公伸
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】電子商取引システムの多くのユーザに対して正確かつ簡単に、各ユーザの権限に応じたデータの取り扱い制御を可能とする。
【解決手段】通信制御部が、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御し、ユーザ種別判別部が、ログインしたユーザが、電子商取引システムの運営会社のユーザであるか、又は、電子商取引システムを利用する取引先のユーザであるかを判別する。表示画面生成部は、判別結果が取引先のユーザである場合、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更不可な固定値とした表示画面を生成し、運営会社のユーザである場合、運営会社のユーザに入力された、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更可能な可変値とした表示画面を生成する。
【選択図】
図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、
ログインしたユーザが、前記電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、前記電子商取引のシステムを利用する前記取引先のユーザであるかを判別するユーザ種別判別部と、
前記取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、前記取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる前記取引先の固有情報を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成し、前記運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、前記取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる前記取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する表示画面生成部と、
を有する管理装置。
【請求項2】
前記表示画面生成部は、前記取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、前記検索キーとなる所望の取引先の前記固有情報の入力欄を非表示とした前記表示画面を生成し、前記運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、前記検索キーとなる所望の取引先の前記固有情報の入力欄を表示した前記表示画面を生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記取引先の前記固有情報に関連付けされて記憶されているデータを前記記憶部から検索する検索部を、さらに備え、
前記表示画面生成部は、検索されたデータを含む前記表示画面を生成すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記検索部は、前記取引先の前記固有情報に関連付けされている注文履歴、納入先、取扱商品又は取扱役務、在庫商品、倉庫の各データうち、少なくとも一つのデータを検索し、
前記表示画面生成部は、検索されたデータを含む前記表示画面を生成すること、
を特徴とする請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
第1の記憶部を備え、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置との間の通信、及び、前記電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザの端末装置との間の前記ネットワークを介した通信を行う第1の通信装置と、
第2の記憶部を備え、前記ネットワークを介して前記運営会社のユーザの前記端末装置との間の通信を行う第2の通信装置と、
所定のタイミングで、前記第1の記憶部に記憶されているデータ、及び、前記第2の記憶部に記憶されているデータの同期を図る連携装置と、を有し、
前記第1の通信装置は、
ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、
ログインしたユーザが、前記電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、前記電子商取引のシステムを利用する前記取引先のユーザであるかを判別するユーザ種別判別部と、
前記取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、前記取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる前記取引先の固有情報を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成し、前記運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、前記取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる前記取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する表示画面生成部と、
を有することを特徴とする電子商取引システム。
【請求項6】
通信制御部が、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御ステップと、
ユーザ種別判別部が、ログインしたユーザが、前記電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、前記電子商取引のシステムを利用する前記取引先のユーザであるかを判別するユーザ種別判別ステップと、
表示画面生成部が、前記取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、前記取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる前記取引先の固有情報を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成し、前記運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、前記取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる前記取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する表示画面生成ステップと、
を有する管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、
ログインしたユーザが、前記電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、前記電子商取引のシステムを利用する前記取引先のユーザであるかを判別するユーザ種別判別部と、
前記取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、前記取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる前記取引先の固有情報を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成し、前記運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、前記取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる前記取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する表示画面生成部として機能させること、
を特徴とする管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、電子商取引システム、管理方法、及び、管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、Web(World Wide Web)上のサーバ装置に電子商取引システムを構築し、各取引先は端末装置のウェブブラウザを介してデータを送受信して電子商取引を行うWebEDIシステム(EDI:Electronic Data Interchange)が知られている。
【0003】
このようなWebEDIシステムに関する背景技術としては、特許文献1(特開2003-091658号公報)に買い手と売り手の間の取引を効率的に実現することを目的とした電子商取引システムが開示されている。
【0004】
この電子商取引システムは、一の取引主体に、オーナーとして取引の場を設立させ、オーナーの要求に沿うように、取引の場に複数の取引主体の参加を認める。この取引の場において、特定の商品を取引するためのグループ又は特定の取引主体で構成するグループの設定を受け付け、グループ内のメンバー同士だけで、グループの設定目的に沿った取引を行わせる環境を形成する。
【0005】
これにより、販売型市場、購買型市場、商社型市場、一般市場などの場を、取引主体が、希望により自由に設立することができ、また、特定の商品についてのグループを柔軟に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、電子商取引システムは、電子商取引システムを運営する運営会社の管理者及び担当者の他、電子商取引システムを介して電子商取引を行う各取引先の管理者及び担当者等の、非常に多くのユーザに対する、各ユーザの権限に応じたデータの取り扱い制御が必要となる。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、電子商取引システムの多くのユーザに対して正確かつ簡単に、各ユーザの権限に応じたデータの取り扱い制御を可能とした管理装置、電子商取引システム、管理方法、及び、管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る管理装置は、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、ログインしたユーザが、電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、電子商取引のシステムを利用する取引先のユーザであるかを判別するユーザ種別判別部と、取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成し、運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する表示画面生成部と、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子商取引システムは、第1の記憶部を備え、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置との間の通信、及び、電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザの端末装置との間のネットワークを介した通信を行う第1の通信装置と、第2の記憶部を備え、ネットワークを介して運営会社のユーザの端末装置との間の通信を行う第2の通信装置と、所定のタイミングで、第1の記憶部に記憶されているデータ、及び、第2の記憶部に記憶されているデータの同期を図る連携装置と、を有し、第1の通信装置は、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、ログインしたユーザが、電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、電子商取引のシステムを利用する取引先のユーザであるかを判別するユーザ種別判別部と、取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成し、運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する表示画面生成部と、を有する。
【0011】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る管理方法は、通信制御部が、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御ステップと、ユーザ種別判別部が、ログインしたユーザが、電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、電子商取引のシステムを利用する取引先のユーザであるかを判別するユーザ種別判別ステップと、表示画面生成部が、取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成し、運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する表示画面生成ステップと、を有する。
【0012】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る管理プログラムは、コンピュータを、ネットワークを介して電子商取引を行う各取引先の端末装置の間における各種データの送受信を仲介するように通信部を制御する通信制御部と、ログインしたユーザが、電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、電子商取引のシステムを利用する取引先のユーザであるかを判別するユーザ種別判別部と、取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成し、運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する表示画面生成部として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、電子商取引システムの多くのユーザに対して正確かつ簡単に、各ユーザの権限に応じたデータの取り扱い制御を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施の形態の管理装置が電子商取引の仲介を行う電子商取引システム(EDIシステム)のシステム構成図である。
【
図2】
図2は、管理装置を備えた運営会社のシステム構成図である。
【
図3】
図3は、実施の形態の管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、WebEDI取引先分類マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、WebEDI取引先マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、WebEDIユーザグループマスタの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、WebEDIユーザマスタの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ユーザグループの各管理者又は担当者に対して表示される画面を説明するための図である。
【
図9】
図9は、取引先マスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、得意先管理者ユーザが起動した場合に表示される取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面、及び、仕入先管理者ユーザが起動した場合に表示される取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、運営会社管理者が運営会社ユーザを新規登録する場合の登録動作の流れを示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、ログイン画面の一例、及び、WebEDIユーザマスタで参照されるデータを示す図である。
【
図15】
図15は、WebEDIユーザグループマスタで参照されるデータ、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面の一例、及び、WebEDIユーザマスタに追加登録されるレコードを示す図である。
【
図16】
図16は、運営会社管理者が仕入先担当者ユーザを新規登録する場合の登録動作の流れを示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、ユーザの新規登録時における運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の選択例及び入力例を示す図である。
【
図18】
図18は、WebEDI取引先マスタで参照されるデータ、WebEDIユーザマスタで参照されるデータ、及び、WebEDIユーザマスタに追加登録されるレコードを示す図である。
【
図19】
図19は、取引先管理者が自社のユーザを新規登録する場合の登録動作の流れを示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、ログイン画面の一例、及び、WebEDIユーザマスタで参照されるデータを示す図である。
【
図21】
図21は、WebEDI取引先マスタで参照されるデータ、WebEDIユーザグループマスタで参照されるデータ、及び、取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、WebEDI取引先マスタで参照されるデータ、及び、WebEDIユーザマスタで参照されるデータを示す図である。
【
図23】
図23は、登録可能な上限数を超えてユーザ登録を行おうとした場合に、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面又は取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に表示されるエラーメッセージの一例、及び、WebEDIユーザマスタに追加登録されるレコードを示す図である。
【
図24】
図24は、運営会社管理者が取引先に対する取引のステータスを無効にすることで、その取引先のユーザがEDIシステムを利用する権限を一括して無効にする一括無効動作の流れを示すフローチャートである。
【
図25】
図25は、運営会社管理者により取引のステータスが無効とされた取引先、及び、取引が無効とされた取引先の各ユーザのユーザID有効期限が有効期限切れに更新された様子を示す図である。
【
図26】
図26は、商品マスタ、商品構成マスタ、得意先商品構成マスタ、及び、得意先マスタの各データが関連付けされている様子を示す図である。
【
図27】
図27は、得意先マスタ、得意先別対象倉庫マスタ、及び、倉庫マスタが関連付けされている様子を示す図である。
【
図28】
図28は、得意先マスタ、得意先納入先マスタ、及び、納入先マスタが関連付けされている様子を示す図である。
【
図29】
図29は、取引区分マスタ、及び、表示対象取引区分マスタが関連付けされている様子を示す図である。
【
図30】
図30は、取引先のユーザに対して提供される注文履歴一覧画面の一例を示す図である。
【
図31】
図31は、取引先のユーザに対して提供される納入先検索画面の一例を示す図である。
【
図32】
図32は、運営会社の管理者のユーザが得意先を指定した場合に提供される注文履歴一覧画面の一例を示す図である。
【
図33】
図33は、運営会社の管理者のユーザに対して提供される納入先検索画面の一例を示す図である。
【
図34】
図34は、運営会社の管理者のユーザが得意先を指定しない場合に提供される注文履歴一覧画面の一例を示す図である。
【
図35】
図35は、運営会社の管理者のユーザに対して提供される納入先検索画面の一例を示す図である。
【
図36】
図36は、取引先のユーザが、自社で取り扱っていない商品の商品コードを入力した際に表示されるエラー表示の一例を示す図である。
【
図37】
図37は、取引先のユーザが、商品を指定せずに在庫照会を行った場合に表示される在庫照会画面の一例を示す図である。
【
図38】
図38は、取引先のユーザの取引先コードに基づいて検索されて表示される商品検索画面の一例を示す図である。
【
図39】
図39は、他の取引先のユーザの取引先コードに基づいて検索されて表示される在庫照会画面の一例を示す図である。
【
図40】
図40は、運営会社の管理者のユーザに提供される商品検索画面の一例を示す図である。
【
図41】
図41は、運営会社の管理者のユーザに提供される在庫照会画面の一例を示す図である。
【
図42】
図42は、取引先のユーザが、自社で使用している倉庫以外の倉庫を指定した場合に表示されるエラー表示の一例を示す図である。
【
図43】
図43は、取引先のユーザが、倉庫を指定せずに在庫照会を行った場合に表示される在庫照会画面の一例を示す図である。
【
図44】
図44は、他の取引先のユーザに対する倉庫検索ダイアログを説明するための図である。
【
図45】
図45は、他の取引先のユーザが、倉庫を指定せずに在庫照会を行った場合に表示される在庫照会画面の一例を示す図である。
【
図46】
図46は、運営会社の管理者のユーザに対する倉庫検索ダイアログを説明するための図である。
【
図47】
図47は、運営会社の管理者のユーザに対して提供される、全倉庫の全商品が一覧表示された在庫照会画面の一例を示す図である。
【
図48】
図48は、取引先のユーザが、自社の納入先以外の納入先を指定した場合に表示されるエラー表示の一例を示す図である。
【
図49】
図49は、他の取引先のユーザが、納入先を指定せずに納入先検索を行った場合に表示される納入先検索画面の一例を示す図である。
【
図50】
図50は、運営会社の管理者のユーザに対して提供される、納入先検索画面の一例を示す図である。
【
図51】
図51は、取引先のユーザに対して提供される、注文履歴一覧画面の一例を示す図である。
【
図52】
図52は、運営会社の管理者のユーザに対して提供される、注文履歴一覧画面の一例を示す図である。
【
図53】
図53は、実施の形態の管理装置1における、ユーザ権限に応じた表示制御動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した実施の形態を説明する。なお、このような実施の形態はあくまでも本発明の一例であり、これらの実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0016】
[システム構成]
図1は、実施の形態の管理装置1で電子商取引の仲介及び管理が行われる電子商取引システム(EDIシステム、EDI:Electronic Data Interchange)のシステム構成を示す図である。この
図1に示すように、EDIシステムは、実施の形態の管理装置1を含む運営会社の管理システム、商取引を行う得意先の得意先端末装置100、及び、仕入先の仕入先端末装置200を含んで構成されている。この
図1に例示するように、運営会社の管理システムは、実施の形態の管理装置1等により、得意先端末装置100からの在庫確認、発注入力、及び、仕入先端末装置200からの発注、注文請等を仲介するようになっている。なお、得意先及び仕入先は、取引先の一例である。
【0017】
(運営会社のシステム構成)
図2は、運営会社の管理システムの構成図である。この
図2に示すように、運営会社の管理システムは、実施の形態の管理装置1で構成されるフロント環境(第1の通信装置の一例)、運営会社の管理用の端末装置80で構成されるバックヤード環境(第2の通信装置の一例)、及び、フロント環境とバックヤード環境を連携する端末装置である連携ツール90とを備えている。
【0018】
フロント環境は、インターネット8等の広域網を介して、運営会社のユーザの端末装置の他、得意先及び仕入先の各ユーザの端末装置に接続されている。このフロント環境は、取引先(得意先及び仕入先)のユーザ、及び、運営会社のユーザがログインして使用する環境となっている。
【0019】
また、フロント環境は、インターネット上に公開され、運営会社のユーザ及び運営会社と取引先関係にあるユーザが接続して利用可能となっている。具体的には、運営会社のフロント環境に含まれる実施の形態の管理装置1の記憶部2には、運営会社のユーザ、商品又は役務等の提供先(得意先)のユーザ、及び、商品又は役務等の調達先(仕入先)のユーザのユーザ情報が記憶されている。また、記憶部2には、得意先及び仕入先間の商取引による業務データが一時保管されている。運営会社のユーザ及び運営会社と取引先関係にあるユーザは、管理装置1にアクセスして、記憶部2のユーザデータ(名前及びメールアドレス等)及び一時保管されている業務データ(=商取引データ)を利用可能となっている。
【0020】
なお、取引先数が少ない場合は、接続元を制限してフロント環境を公開してもよい。これにより、より高いセキュリティの下、フロント環境を公開できる。
【0021】
バックヤード環境は、取引先の外部会社等の接続は許可されておらず、運営会社の権限のあるユーザのみがログインして利用可能な端末装置80で構成された環境となっている。このため、このバックヤード環境の端末装置80は、例えばインターネット等の広域網には接続されていないプライベート網等のネットワーク9又は専用回線を介して、運営会社の権限のあるユーザの端末装置と接続されることが好ましい。
【0022】
運営会社の権限のあるユーザは、このバックヤード環境の端末装置80の通信インターフェース部81を介して、データ管理用の業務データ(商取引データ)が記憶された記憶部(商取引業務データ管理データベース)82にアクセス可能となっている。
【0023】
連携ツール90は、定期的又は不定期にフロント環境の記憶部2及びバックヤード環境の記憶部82にアクセスし、フロント環境の記憶部2に記憶された一時保管用の業務データと、バックヤード環境の記憶部82に記憶されたデータ管理用の業務データとの同期を図っている。換言すると、連携ツール90は、記憶部2の一時保管用の業務データ、及び、記憶部82のデータ管理用の業務データが同じデータとなるように、定期的又は不定期に両者の連携を図っている。
【0024】
このようにフロント環境とバックヤード環境を分離することで、いずれか一方の環境がダウンしても、他方の環境で業務を継続することができる。また、例えばフロント環境は利用人数が多いため、高スペックの端末装置で構築し、バックヤード環境は、限られたユーザがアクセスできれば良いため、低スペックの端末装置で構築する等のように、想定される各環境の利用人数に応じたスペックで、それぞれの環境を構築でき、リソースを最適化することができる。
【0025】
また、例えばフロント環境の記憶部2(データベース)には、各取引先のユーザの個人情報が登録されるため、特殊な暗号化処理を施して登録する等のように、各環境のデータベース(記憶部2又は記憶部82)に保存されるデータの性質に応じた運用とすることができる。
【0026】
また、連携ツール90による、特定通信のみ(上述のデータの同期)を許可することで、フロント環境及びバックヤード環境の間にインフラ的な境界を設けて分断でき、セキュリティを強化することができる。
【0027】
(管理装置のハードウェア構成)
次に、
図3に、運営会社の管理装置1のハードウェア構成を示す。上述のように、この管理装置1は、例えばインターネット8等の広域網を介して得意先端末装置100及び仕入先端末装置200に接続されている。このような管理装置1は、記憶部2、制御部3、及び通信インターフェース部4を備えている。通信インターフェース部4は、ネットワーク8を介して、得意先端末装置100及び仕入先端末装置200に接続されている。また、通信インターフェース部4は、ネットワーク8及び連携ツール90を介してバックヤード環境の端末装置80に接続されている。
【0028】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、WebEDI取引先分類マスタ11、WebEDI取引先マスタ12、WebEDIユーザグループマスタ13及びWebEDIユーザマスタ14が記憶されている。また、記憶部2には、得意先マスタ15、商品マスタ16、商品構成マスタ17、得意先商品構成マスタ18、得意先別対象倉庫マスタ19、及び、倉庫マスタ20が記憶されている。
【0029】
また、記憶部2には、得意先納入先マスタ55、納入先マスタ56、取引区分マスタ57、及び、表示対象取引区分マスタ58が記憶されている。また、記憶部2には、電子商取引管理を行うための管理プログラムの他、上述のユーザデータ、及び、一時保管用の業務データ(商取引データ)が記憶されている。また、記憶部2には、各取引先の注文データが記憶される注文データ記憶領域59が設けられている。
【0030】
図4は、WebEDI取引先分類マスタ11の一例を示す図である。この
図4に示すように、WebEDI取引先分類マスタ11は、取引先の一例である「得意先」及び「仕入先」が取引先分類として記憶されている。また、図示はしていないが、WebEDI取引先分類マスタ11には、「請求先」及び「支払先」が取引先分類として記憶されている。
【0031】
図5は、WebEDI取引先マスタ12の一例を示す図である。この
図5に示すように、WebEDI取引先マスタ12には、取引先分類及び取引先となる会社毎に、ユーザ登録可能なユーザ数の上限値、及び、取引先となる会社がEDIシステムを利用可能であるか否かを示すステータス情報が記憶されている。この
図5の例は、得意先となるA会社は、登録可能なユーザ数の上限値が「3人」で、EDIシステムの利用の可否を示すステータス情報が「有効」に設定された例を示している。
【0032】
また、この
図5の例は、仕入先となるX会社は、登録可能なユーザ数の上限値が「8人」で、EDIシステムの利用の可否を示すステータス情報が「無効」に設定された例を示している。後述するが、実施の形態の管理装置1は、ステータス情報が「無効」とされた会社の各ユーザのユーザID有効期限を、有効期限切れの日付に更新する。これにより、会社の対するステータス情報を「無効」とすることで、その会社の各ユーザのEDIシステムの利用を、一括して利用不可に制限可能となっている。
【0033】
図6は、WebEDIユーザグループマスタ13の一例を示す図である。取引先分類、ユーザグループ、運営会社管理可否情報、及び、取引先管理可否情報が記憶されている。
【0034】
このうち、ユーザグループは、運営会社、得意先及び仕入先の業務(職務)の各ユーザを示している。すなわち、「運営会社管理者」のユーザグループは、運営会社で管理業務を行っている各ユーザで構成されるグループを示している。また、「得意先担当者」のユーザグループは、得意先で担当者となっている各ユーザで構成されるグループを示している。
【0035】
また、「仕入先見積担当者」のユーザグループは、仕入先で見積業務を担当する各ユーザで構成されるグループを示している。また、「仕入先実作業担当者」のユーザグループは、仕入先で実作業を担当する各ユーザで構成されるグループを示している。
【0036】
運営会社管理可否情報は、運営会社側でユーザ登録の管理を行うことが可能なユーザグループを示す情報である。この
図6の例の場合、運営会社は、運営会社自身、得意先及び仕入先の全てのユーザグループに対するユーザ登録の管理(ユーザ登録の権限)が可能となっている。
【0037】
また、実施の形態の管理装置1では、ユーザ登録の権限を、得意先及び仕入先の所望のユーザグループに対して委託可能(設定可能)となっている。このユーザ登録の権限の委託の有無を示す情報が、取引先管理可否情報である。
図6の例は、運営会社側が管理装置1を介して、得意先の「得意先管理者」及び「得意先担当者」の各ユーザグループに対する、ユーザ登録の権限を委託(設定)した例を示している。すなわち、この場合の登録権限を有するユーザは得意先管理者で、「得意先管理者」及び「得意先担当者」の各ユーザグループに対してのみ、ユーザ登録が可能であることを示している。
【0038】
また、
図6の例は、運営会社側が仕入先の仕入先管理者に対して、仕入先の「仕入先実作業担当者」のユーザグループに対するユーザ登録の権限を委託(設定)した例を示している。すなわち、この場合の登録権限を有するユーザは仕入先管理者で、この仕入先管理者は、「仕入先実作業担当者」のユーザグループに対してのみ、ユーザ登録が可能であることを示している。
【0039】
なお、この例では、ユーザ登録の権限は、取引先のユーザグループ毎に設定されていることとして説明を行うが、取引先単位でユーザ登録の権限を設定してもよい。
【0040】
図7は、上述のユーザデータが登録されたWebEDIユーザマスタ14の一例を示す図である。この
図7に示すように、WebEDIユーザマスタ14には、運営会社及び各取引先のユーザグループに所属する各ユーザのユーザ識別情報(ユーザID)、ユーザ名、及び、ユーザID有効期限が記憶されている。ユーザID有効期限は、EDIシステムを利用可能な日付を示す情報である。
【0041】
この
図7の例は、運営会社の「運営会社管理者」のユーザグループに所属するユーザIDが「UK01」の「運営会社管理者UK1」のユーザ、及び、ユーザIDが「UK02」の「運営会社管理者UK2」のユーザのユーザID有効期限は、それぞれ「2030年3月31日」であることを示している。また、この
図7の例は、A会社の「得意先担当者」のユーザグループに所属するユーザIDが「AT01」の「A会社担当者AT1」のユーザ、及び、ユーザIDが「AT03」の「A会社担当者AT3」のユーザのユーザID有効期限は、それぞれ「2030年3月31日」であるが、ユーザIDが「AT02」の「A会社担当者AT2」のユーザのユーザID有効期限は、「2010年1月1日」で有効期限切れとなっていることを示している。
【0042】
同様に、この
図7の例は、X会社の「X会社管理者XK1」及び「X会社見積担当者XMT1」のユーザのユーザID有効期限は、共に「2022年3月1日」で有効期限切れとなっていることを示している。
【0043】
次に、
図8は、運営会社及び各取引先のユーザグループのユーザに対して管理装置1から提供される各種画面を一覧的に示す図である。この
図8に示すように、「運営会社管理者」のユーザグループの各ユーザに対しては、「取引先マスタメンテナンス画面」、「運営会社ユーザマスタメンテナンス画面」及び「運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」が管理装置1から提供される。また、「運営会社担当者」のユーザグループの各ユーザに対しては、「運営会社業務画面」が管理装置1から提供される。
【0044】
また、「得意先管理者」のユーザグループのユーザに対しては、「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」が、得意先担当者のユーザグループのユーザに対しては、「得意先業務画面」が、それぞれ管理装置1から提供される。
【0045】
また、「仕入先管理者」のユーザグループのユーザに対しては、「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」が、「仕入先見積担当者」のユーザに対しては、「仕入先の見積業務画面」が、「仕入先実作業担当者」のユーザに対しては、「仕入先の実作業画面」が、それぞれ管理装置1から提供される。
【0046】
さらに具体的に説明すると、
図9は、「運営会社管理者」のユーザグループの各ユーザに対して提供される「取引先マスタメンテナンス画面」の画面例を示す図である。この
図9に示す「取引先マスタメンテナンス画面」は、EDIシステムを利用する取引先の登録を行う画面である。運営会社側は、この「取引先マスタメンテナンス画面」を介して、取引先分類、取引先名、ユーザ数上限、及び、ステータスを登録する。
【0047】
取引先分類としては、「仕入先」又は「得意先」が選択されて登録される。取引先名は、例えば「X会社」等の取引先名が登録される。ユーザ数上限としては、EDIシステムの利用を可能とするユーザ数の上限値を登録する。ステータスは、EDIシステムの利用を可能とするか否か(有効又は無効)を示すステータス情報を登録する。この
図9の例は、X会社のステータス情報が「無効」とされ、X会社はEDIシステムの利用が不可とされた例である。
【0048】
図10は、「運営会社管理者」のユーザグループの各ユーザに対して提供される「運営会社ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例を示す図である。この
図10に示すように、「運営会社ユーザマスタメンテナンス画面」は、「運営会社側のユーザ」をユーザグループに分類してユーザ情報の登録を行う画面である。運営会社側のユーザは、この「運営会社ユーザマスタメンテナンス画面」を介して、ユーザグループ(運営会社管理者又は運営会社担当者)、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、ユーザID有効期限の登録を行う。
【0049】
図11は、「運営会社管理者」のユーザグループの各ユーザに対して提供される「運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例を示す図である。この
図11に示すように、「運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」は、「運営会社側で取引先のユーザ」をユーザグループに分類してユーザ情報の登録を行う画面である。運営会社側のユーザは、この「運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」を介して、取引先分類、取引先名、ユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、ユーザID有効期限の登録を行う。取引先分類は、仕入先又は得意先が選択される。取引先名は、例えば「X会社」又は「Y会社」等の取引先名が選択される。ユーザグループは、例えば「仕入先担当者」又は「得意先管理者」等の上述のユーザグループが選択される。
【0050】
図12は、「得意先管理者」又は「仕入先管理者」のユーザグループの各ユーザに対して提供される「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例を示す図である。このうち、
図12(a)は、「得意先管理者」に対して提供される「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例であり、
図12(b)は、「仕入先管理者」に対して提供される「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」の画面例である。
【0051】
「得意先管理者」は、
図12(a)に示すように、「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」を介して、自社のユーザを所属させるユーザグループを選択し、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を登録する。
【0052】
同様に、「仕入先管理者」は、
図12(b)に示すように、「取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面」を介して、自社のユーザを所属させるユーザグループを選択し、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を登録する。なお、この
図12(b)の例は、ユーザグループとして「仕入先実作業担当者」のユーザグループが選択された例である。
【0053】
(管理装置の機能構成)
次に、
図3に示す管理装置1の制御部3は、記憶部2に記憶されている管理プログラムを実行することで、通信制御部21、ユーザ管理権限設定部22、データ生成部23、判別部24(ユーザ種別判別部の一例)、記憶制御部25、表示画面生成部26及びステータス設定部27として機能する。
【0054】
通信制御部21は、ネットワーク8を介して電子商取引を行う各取引先の端末装置100、200の間における各種商取引データの送受信を仲介するように通信部の一例となる通信インターフェース部4を制御する。ユーザ管理権限設定部22は、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含む所定のユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、前記取引先に設定する。「編集」は、ユーザ情報の修正及び削除等のデータの内容の変更及び削除等を行う行為を含む概念である。
【0055】
表示画面生成部26は、取引先の端末装置100、200を介してユーザの新規登録又は編集(削除を含む)が要求された際に、ユーザの新規登録等を要求した取引先の端末装置に、通信インターフェース部4を介して送信される、ユーザの新規登録等を行うためのユーザ登録画面(
図12(a)及び
図12(b)に示す取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面)を生成する。
【0056】
判別部24は、ユーザの新規登録等の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であるか否かを判別する。記憶制御部25は、ユーザの新規登録等の要求を行った取引先が、ユーザ管理権限が設定された取引先であることを示す判別結果が判別部24から得られた場合に、取引先毎に設定された、各ユーザの有効期限情報(ユーザID有効期限情報)を含むユーザ情報が記憶された記憶部2のWebEDIユーザマスタ14に対して、新規登録等が行われたユーザのユーザID有効期限情報を含むユーザ情報を記憶させる。
【0057】
なお、ユーザ管理権限設定部22は、各取引先の管理者又は担当者で構成されるユーザグループ毎にユーザ管理権限を設定する。また、ユーザ管理権限設定部22は、登録可能なユーザ数の上限数を取引先毎に設定する。
【0058】
また、ステータス設定部27は、各取引先に対する取引の有効又は無効を示すステータスを設定する。記憶制御部25は、各取引先のユーザのユーザ情報及びユーザID有効期限情報と共に、取引先毎に、ステータス設定部27により設定されたステータスを示すステータス情報を付加して記憶部2のWebEDI取引先マスタ12に記憶する。
【0059】
また、記憶制御部25は、ステータス設定部27により、取引先に対して「無効」のステータスが設定された場合、WebEDI取引先マスタ12に記憶されている、取引が無効とされた取引先のステータス情報を、「無効」のステータス情報に更新処理する。また、これと共に、記憶制御部25は、WebEDIユーザマスタ14に記憶されている、取引が「無効」とされた取引先のユーザのユーザID有効期限情報を、有効期限切れの日付に更新処理する。
【0060】
データ生成部23は、
図8~
図12を用いて説明した各種画面を介して入力されたユーザグループ、ユーザID、初期パスワード、ユーザID有効期限等を含むユーザデータを生成する。
【0061】
また、判別部24は、ユーザ種別判別部としても機能し、ログインしたユーザが、電子商取引を行うシステムを運営する運営会社のユーザであるか、又は、電子商取引のシステムを利用する取引先のユーザであるかを、ログイン時に入力されたユーザIDに基づいて判別する。
【0062】
表示画面生成部26は、取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、取引先に関連する情報を記憶部2から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報(例えば得意先コード及び得意先名)を、変更不可な固定値として表示した表示画面を生成する。また、表示画面生成部26は、運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、運営会社のユーザに入力された、取引先に関連する情報を記憶部から検索する検索キーとして用いられる取引先の固有情報を、変更可能な可変値として表示した表示画面を生成する。
【0063】
また、表示画面生成部26は、取引先のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、検索キーとなる所望の取引先の固有情報の入力欄(例えば、得意先コードの入力欄)を非表示とした表示画面を生成する。また、表示画面生成部26は、運営会社のユーザであることを示す判別結果が得られた場合、検索キーとなる所望の取引先の固有情報の入力欄(例えば、得意先コードの入力欄)を表示した表示画面を生成する。
【0064】
検索部28は、取引先の固有情報(例えば、得意先コード等)に関連付けされて記憶されているデータ(例えば、商品コード、倉庫コード、納入先コード、注文データ等)を記憶部2から検索する。表示画面生成部26は、検索されたデータを含む表示画面を生成する。
【0065】
また、検索部28は、取引先の固有情報に関連付けされている注文履歴、納入先、取扱商品又は取扱役務、在庫商品、倉庫の各データうち、少なくとも一つのデータを検索する。表示画面生成部26は、検索されたデータを含む表示画面を生成する。
【0066】
(運営会社による自社の新規ユーザの登録動作)
次に、このような運営会社の管理装置1における、運営会社による自社の新規ユーザの登録動作を
図13のフローチャートを用いて説明する。なお、以下、新規ユーザの「登録」を例に説明を行うが、ユーザ情報の修正又は削除等の「編集」を行う場合も、下記と同様の動作となる。このため、ユーザ情報の修正又は削除等の編集時の動作も、下記の説明を参照されたい。この
図13のフローチャートの各処理は、管理装置1の制御部3により、記憶部2に記憶されている管理プログラムに基づいて実行される。すなわち、運営会社の新規ユーザの登録を行うユーザは、管理者端末装置を介して管理装置1にログイン要求を行う。これにより、
図13のフローチャートがスタートとなり、ステップS1から順に処理が実行される。
【0067】
ステップS1では、管理装置1の表示画面生成部26が、
図14(a)に例示するログイン画面を生成する。通信制御部21は、このログイン画面を、ログイン要求が行われた運営会社のユーザの管理者端末装置に送信する。ログイン要求を行った運営会社のユーザは、管理者端末装置の表示画面に表示されるログイン画面に対して、ユーザID及びパスワードを入力する。この入力されたユーザID及びパスワードは、管理装置1に送信される。
【0068】
管理装置1の判別部24は、ログイン画面を介して入力されたユーザIDに基づいて、
図14(b)に例示するWebEDIユーザマスタ14のユーザID有効期限を参照する(ステップS2)。そして、判別部24は、本日の日付が、ユーザID有効期限として設定されている日付を超過しているか否かを判別することで、入力されたユーザIDが有効期限切れであるか否かを判別する(ステップS3)。判別部24により、入力されたユーザIDが有効期限切れであると判別された場合(ステップS3:Yes)、そのユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図13のフローチャートの処理が終了となる。
【0069】
これに対して、入力されたユーザIDが有効期限内であると判別された場合(ステップS3:No)、判別部24は、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求の有無を判別する(ステップS4)。そして、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求を検出した場合(ステップS4:Yes)、判別部24は、ステップS5において、ユーザIDに基づいて
図14(c)に示すWebEDIユーザマスタ14を参照することで、そのユーザが、新規ユーザの登録権限を有する「運営会社管理者」のユーザグループのユーザであるか否かを判別する。「運営会社管理者」のユーザグループのユーザではない場合(ステップS5:No)、そのユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図13のフローチャートの処理が終了となる。
【0070】
「運営会社管理者」のユーザグループのユーザである場合(ステップS5:Yes)、ステップS6に処理が進む。ステップS6では、判別部24が
図15(a)に示すようにWebEDIユーザグループマスタ13を参照し、取引先分類が未設定で運営会社が管理可能なユーザグループを特定する。
【0071】
すなわち、取引先分類が未設定のユーザグループは、得意先又は仕入先のいずれかのユーザグループではなく、運営会社のユーザグループであることを意味する。このため、判別部24は、取引先分類が未設定となっている運営会社のユーザグループを検出する。そして、判別部24は、WebEDIユーザグループマスタ13の運営会社管理可否情報を参照することで、取引先分類が未設定となっている運営会社のユーザグループのうち、ユーザ登録を行うことが可能なユーザグループ(運営会社内におけるユーザ管理が可能なユーザグループ)を特定する。
図15(a)の例は、「運営会社管理者」及び「運営会社担当者」の各ユーザグループに対して、新規ユーザの登録が許可されている例である。
【0072】
次に、ステップS7では、表示画面生成部26は、
図15(b)に例示する運営会社ユーザマスタメンテナンス画面を生成し、通信制御部21が、この運営会社ユーザマスタメンテナンス画面を管理者端末装置に送信する。
【0073】
管理者端末装置のユーザは、
図15(b)に例示する運営会社ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、ユーザ登録が許可されているユーザグループである、「運営会社管理者」又は「運営会社担当者」のいずれかのユーザグループを選択する。また、管理者端末装置のユーザは、
図15(b)に例示する運営会社ユーザマスタメンテナンス画面に対して、新規にユーザ登録を行うユーザのユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を入力して登録操作を行う。
【0074】
これにより、運営会社ユーザマスタメンテナンス画面を介して入力されたユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限の各情報が、管理者端末装置から管理装置1に送信され登録要求が行われる。この登録要求が管理装置1で受信されると、管理装置1のデータ生成部23は、登録操作が行われたものと判別し(ステップS8:Yes)、管理者端末装置から受信したユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を含む、WebEDIユーザマスタ14の明細データ(レコード)を生成する。
【0075】
記憶制御部25は、ステップS9において、データ生成部23により生成された明細データ(レコード)を、
図15(c)に示すようにWebEDIユーザマスタ14に追加して記憶させる。これにより、例えば運営会社の「運営会社担当者」のユーザグループに、ユーザIDが「UT99」でユーザ名が「運営会社担当者UT99」のユーザが、「2030年12月31日」をユーザID有効期限として新たに登録される。
【0076】
(運営会社のユーザによる、仕入先の新規ユーザの登録動作)
次に、このような運営会社の管理装置1における、運営会社のユーザによる仕入先の新規ユーザの登録動作を
図16のフローチャートを用いて説明する。この
図16のフローチャートの各処理は、管理装置1の制御部3により、記憶部2に記憶されている管理プログラムに基づいて実行される。
【0077】
すなわち、仕入先の新規ユーザの登録を行う運営会社のユーザは、管理者端末装置を介して管理装置1にログイン要求を行う。これにより、
図16のフローチャートがスタートとなるが、ログイン画面に入力されたユーザIDに基づいてユーザ有効期限の超過の有無を判別するまでの、ステップS1~ステップS3の動作は、
図13のフローチャートのステップS1~ステップS3の動作と同じ動作である。このため、ステップS1~ステップS3の詳細な動作の説明は、
図13のフローチャートのステップS1~ステップS3の動作の説明を参照されたい。
【0078】
次に、ステップS3でユーザID有効期限切れではないものと判別されると(ステップS3:No)、
図16のフローチャートのステップS11に処理が進む。ステップS11では、判別部24が、運営会社のユーザからの、
図17(a)に例示する運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求の有無を判別する。
【0079】
運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求を検出すると(ステップS11:Yes)、判別部24は、ステップS5において、ユーザIDに基づいてWebEDIユーザマスタ14を参照し、そのユーザが、新規ユーザの登録権限を有する「運営会社管理者」のユーザグループのユーザであるか否かを判別する。「運営会社管理者」のユーザグループのユーザではない場合(ステップS5:No)、そのユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図16のフローチャートの処理が終了となる。
【0080】
「運営会社管理者」のユーザグループのユーザである場合(ステップS5:Yes)、ステップS12に処理が進む。ステップS12では、表示画面生成部26が、
図17(a)に例示する運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を生成し、通信制御部21が、この運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を管理者端末装置に送信する。
【0081】
管理者端末装置のユーザは、
図17(b)に示すように、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、「仕入先」等の取引先分類を選択する。また、管理者端末装置のユーザは、
図17(c)に示すように、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、「Y会社」等の取引先名を入力する。また、管理者端末装置のユーザは、
図17(d)に示すように、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、ユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を入力し、登録操作を行う。
【0082】
これにより、運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を介して入力された取引先分類、取引先、ユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限の各情報が、管理者端末装置から管理装置1に送信され、登録要求が行われる。この登録要求が管理装置1で受信されると、管理装置1の判別部24は、登録操作を行われたものと判別する(ステップS13:Yes)。そして、判別部24は、ステップS14において、
図18(a)に示すWebEDI取引先マスタ12を参照し、入力された取引先に対するユーザ数の上限値を検出する。この
図18(a)の例の場合、ユーザ数の上限値は「10人」に設定されている。
【0083】
また、判別部24は、
図18(b)に示すWebEDIユーザマスタ14を参照することで、現在、新規ユーザのユーザ登録を行おうとしている取引先の、現在の有効ユーザ数を検出する。この
図18(b)の例は、現在、新規ユーザのユーザ登録を行おうとしている取引先はY会社であり、このY会社の現在の有効ユーザ数は「3人」であることを示している。
【0084】
そして、この例の場合、Y会社のユーザ数の上限値は「10人」であり、現在の有効ユーザ数は「3人」であるため、新規のユーザを登録しても、Y会社のユーザ数の上限値を超過することはない。このため、判別部24は、ユーザ数の上限値は超過しないと判別する(ステップS14:No)。これにより、データ生成部23は、管理者端末装置から受信した取引先分類、取引先、ユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を含む、WebEDIユーザマスタ14の明細データ(レコード)を生成する。
【0085】
なお、後述するが、新規のユーザを登録することで、取引先に対して設定されているユーザ数の上限値を超過する場合(ステップS14:Yes)、表示画面生成部26は、
図23(a)に示すように、例えば「ユーザ数上限を超えてユーザを追加できません」等のエラーメッセージを表示した運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を生成する。そして、通信制御部21が、このエラーメッセージを表示した運営会社用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を、運営管理者端末装置に送信する。これにより、運営管理者端末装置のユーザは、これ以上の新規なユーザのユーザ登録はできないことを認識し、不要なユーザの削除、又は、ユーザ数の上限値の追加拡大操作等を行うこととなる。
【0086】
次に、ステップS9において、記憶制御部25は、データ生成部23により生成された明細データ(レコード)を、
図18(c)に示すようにWebEDIユーザマスタ14に追加して記憶させる。これにより、例えばY会社の「仕入先実作業担当者」のユーザグループに、ユーザIDが「YJT99」でユーザ名が「Y会社実作業担当者YJT99」のユーザが、「2030年12月31日」をユーザID有効期限として新たに登録される。
【0087】
(取引先による自社の新規ユーザの登録動作)
次に、取引先の一例である仕入先の会社が自社の新規ユーザの登録を行う際の管理装置1の動作を
図19のフローチャートを用いて説明する。この
図19のフローチャートの各処理は、管理装置1の制御部3により、記憶部2に記憶されている管理プログラムに基づいて実行される。すなわち、新規ユーザの登録を行う仕入先の会社のユーザは、仕入先端末装置200を介して管理装置1にログイン要求を行う。これにより、
図19のフローチャートがスタートとなり、ステップS21から順に処理が実行される。
【0088】
ステップS21では、管理装置1の表示画面生成部26が、
図20(a)に例示するログイン画面を生成する。通信制御部21は、このログイン画面を、ログイン要求が行われた仕入先の会社のユーザの仕入先端末装置200に送信する。ログイン要求を行った仕入先の会社のユーザは、仕入先端末装置200の表示画面に表示されるログイン画面に対して、ユーザID及びパスワードを入力する。この入力されたユーザID及びパスワードは、管理装置1に送信される。
【0089】
管理装置1の判別部24は、ログイン画面を介して入力されたユーザIDに基づいて、
図20(b)に例示するWebEDIユーザマスタ14のユーザID有効期限を参照する(ステップS22)。そして、判別部24は、本日の日付が、ユーザID有効期限として設定されている日付を超過しているか否かを判別することで、入力された仕入先の会社のユーザのユーザIDが有効期限切れであるか否かを判別する(ステップS23)。判別部24により、入力されたユーザIDが有効期限切れであると判別された場合(ステップS23:Yes)、その仕入先の会社のユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図19のフローチャートの処理が終了となる。
【0090】
これに対して、入力されたユーザIDが有効期限内であると判別された場合(ステップS23:No)、判別部24は、取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求の有無を判別する(ステップS24)。そして、取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面の起動要求を検出した場合(ステップS24:Yes)、判別部24は、ステップS25において、ユーザIDに基づいて
図20(c)に示すWebEDIユーザマスタ14を参照することで、その仕入先の会社のユーザが、新規ユーザの登録権限を有する「仕入先管理者」のユーザグループのユーザであるか否かを判別する。「仕入先管理者」のユーザグループのユーザではない場合(ステップS25:No)、その仕入先の会社のユーザはユーザ登録を行う権限は無いため、そのまま
図19のフローチャートの処理が終了となる。
【0091】
「仕入先管理者」のユーザグループのユーザである場合(ステップS25:Yes)、ステップS26に処理が進む。ステップS26では、判別部24が
図21(a)に示すWebEDI取引先マスタ12を参照し、その仕入先のY会社のステータス情報が「有効」であることを確認する。また、判別部24は、
図21(b)に示すWebEDIユーザグループマスタ13を参照することで、取引先分類がログインユーザと同じ「仕入先」で、取引先が管理可能なユーザグループを特定する。この
図21(b)の例の場合、判別部24は、「仕入先実作業担当者」のユーザグループを、ユーザ登録が可能なユーザグループとして特定する。
【0092】
次に、ステップS27では、表示画面生成部26は、
図21(c)に例示する取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を生成し、通信制御部21が、この取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を仕入先端末装置200に送信する。
【0093】
仕入先端末装置200の仕入先管理者は、
図21(c)に例示する取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に基づいて、ユーザ登録が許可されている「仕入先実作業担当者」のユーザグループを選択する。また、仕入先端末装置200の仕入先管理者は、
図21(c)に例示する取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面に対して、新規にユーザ登録を行うユーザのユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を入力して登録操作を行う。
【0094】
これにより、取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を介して入力されたユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限の各情報が、仕入先端末装置200から管理装置1に送信され登録要求が行われる。この登録要求が管理装置1で受信されると、管理装置1の判別部24は、登録操作を行われたものと判別し(ステップS28:Yes)、ステップS29に処理が進む。
【0095】
ステップS29では、判別部24が、
図22(a)に示すWebEDIマスタ12を参照し、現在、ユーザ登録の対象となっている会社の「ユーザ数上限」を検出する。この例の場合、判別部24は、
図22(a)に示すように、新規ユーザ登録の対象となっている仕入先であるY会社のユーザ数上限を「10人」として検出する。
【0096】
また、判別部24は、
図22(b)に示すWebEDIユーザマスタを参照し、新規ユーザ登録の対象となっている仕入先における、現在、有効ユーザ数を検出する。
図22(b)の例の場合、判別部24は、新規ユーザ登録の対象となっている仕入先であるY会社における現在の有効ユーザ数として「3人」の有効ユーザ数を検出する。
【0097】
そして、判別部24は、ステップS29において、新規にユーザ登録を行った場合に、有効ユーザ数がユーザ上限値を超過するか否かを判別する。新規にユーザ登録を行うことで、有効ユーザ数がユーザ数上限を超過することとなる場合は(ステップS29:Yes)、ユーザ登録数が規定数を超過することとなるため、表示画面生成部26が、
図23(a)に示すように、例えば「ユーザ数上限を超えてユーザを追加できません」等のエラーメッセージを表示した取引先用取引先ユーザマスタメンテナンス画面を生成し、仕入先端末装置200に送信して、
図19のフローチャートの処理を終了する。これにより、仕入先端末装置200の仕入先担当者は、これ以上の新規なユーザのユーザ登録はできないことを認識し、不要なユーザの削除、又は、ユーザ数上限の追加拡大操作等を行うこととなる。
【0098】
これに対して、有効ユーザ数がユーザ上限値を超過しない場合(ステップS29:No)管理装置1のデータ生成部23は、仕入先端末装置200から受信したユーザグループ、ユーザID、ユーザ名、初期パスワード、及び、ユーザID有効期限を含む、WebEDIユーザマスタ14の明細データ(レコード)を生成する。
【0099】
記憶制御部25は、ステップS30において、データ生成部23により生成された明細データ(レコード)を、
図23(b)に示すようにWebEDIユーザマスタ14に追加して記憶させる。これにより、例えば仕入先となるY会社の「仕入先実作業担当者」のユーザグループに、ユーザIDが「YJT99」でユーザ名が「Y会社実作業担当者YJT99」のユーザが、「2030年12月31日」をユーザID有効期限として新たに登録される。
【0100】
(取引先の無効動作)
次に、運営会社管理者が取引先のステータスを「無効」にすることで、その取引先のユーザを一括して無効にする動作を、
図24のフローチャートを用いて説明する。この
図24のフローチャートの各処理は、管理装置1の制御部3により、記憶部2に記憶されている管理プログラムに基づいて実行される。
【0101】
すなわち、取引先のステータスを「無効」にするユーザは、管理者端末装置を介して管理装置1にログイン要求を行う。これにより、
図24のフローチャートがスタートとなるが、ログイン画面に入力されたユーザIDに基づいてユーザ有効期限の超過の有無を判別するまでの、ステップS1~ステップS3の動作は、
図13のフローチャートのステップS1~ステップS3の動作と同じ動作である。このため、ステップS1~ステップS3の詳細な動作の説明は、
図13のフローチャートのステップS1~ステップS3の動作の説明を参照されたい。
【0102】
次に、ユーザID有効期限が有効期限内であると判別されることで(ステップS3:No)、ステップS11に処理が進むと、表示画面生成部26は、管理者端末装置からの、
図9に例示した取引先マスタメンテナンス画面の起動要求の有無を判別する。そして、管理者端末装置から、取引先マスタメンテナンス画面の起動要求が行われると(ステップS11:Yes)、判別部24は、ステップS5において、ログイン要求時のユーザIDに基づいて、現在、取引先マスタメンテナンス画面の起動要求を行っているユーザは、「運営会社管理者」のユーザグループのユーザであるか否かを判別する。
【0103】
現在、取引先マスタメンテナンス画面の起動要求を行っているユーザが、「運営会社管理者」のユーザグループのユーザではない場合(ステップS5:No)、取引先のステータスを「無効」にする権限を有するユーザではないため、そのまま
図24のフローチャートの処理が終了となる。
【0104】
これに対して、現在、取引先マスタメンテナンス画面の起動要求を行っているユーザが、「運営会社管理者」のユーザグループのユーザである場合(ステップS5:Yes)、表示画面生成部26が、
図9に例示した取引先マスタメンテナンス画面を生成し、通信制御部21が、この取引先マスタメンテナンス画面を管理者端末装置に送信する(ステップS12)。
【0105】
「運営会社管理者」のユーザは、
図9に例示する取引先マスタメンテナンス画面に基づいて、取引先分類、取引先名及びユーザ上限を指定し、ステータスを「無効」とする。
図24のフローチャートのステップS41では、ステータス設定部27が、このような無効操作の有無を判別する。そして、ステータス設定部27は、無効操作を検出すると(ステップS41:Yes)、ステップS42において、取引先マスタメンテナンス画面で指定された取引先のステータスを「無効」とするステータス情報を生成する(=取引先のステータスを「無効」に設定する)。
【0106】
記憶制御部25は、「無効」のステータス情報が生成されると、
図25(a)に示すように例えば仕入先となっていたX会社のステータス情報を「無効」に更新処理する。これにより、X会社は、EDIシステムの利用が制限される。
【0107】
また、これと共に、ステータス設定部27は、ステップS43において、ステータス情報が「無効」とされた取引先であるX会社の全ユーザグループに所属する全ユーザに対するユーザID有効期限として、有効期限切れの日付のユーザID有効期限を生成する。記憶制御部25は、生成された有効期限切れの日付のユーザID有効期限を、
図25(b)に示すように、X会社の全ユーザグループの全ユーザのユーザID有効期限として入力する。
【0108】
これにより、ステータスを「無効」としたX会社の全ユーザグループの全ユーザのユーザID有効期限を、一括して有効期限切れに更新してEDIシステムの利用を制限できる。運営会社が取引先に対する取引を無効にしても、取引先に所属する各ユーザが無効化されない場合、本来、EDIシステムを利用できないはずのユーザが、引き続き利用可能となる不都合を生ずる。しかし、実施の形態の管理装置1は、このような不都合を防止して、「無効」とされた取引先の各ユーザによりEDIシステムの利用を制限できる。
【0109】
(ユーザの権限に応じたデータの取り扱い制御)
ここで、電子商取引システムは、複数の取引先がログインして操作を行う。また、フロント環境導入企業である運営会社の管理者も同様にログインを行い、取引先の監視又は調査を行う。このため、非常に多くのユーザに対する、各ユーザの権限に応じたデータの取り扱い制御が必要となる。また、管理者権限を持つユーザを取引先毎に配置すると、ユーザID及びパスワードの管理コストが高くなる。
【0110】
このため、実施の形態のEDIシステムの管理装置1は、ログインユーザが運営会社のユーザか取引先のユーザかを、上述のWebEDIユーザマスタ14から判断し、運営会社の管理者及び取引先で入力項目の制御又は取得可能とするデータの制御を行う。すなわち、管理装置1は、ログインユーザが取引先のユーザである場合、フロント環境のジョブで使用している入力項目を入力不可又は非表示にすることで、各取引先に割り当てた権限設定により、各種マスタの使用を可能とする。また、管理装置1は、ログインユーザが運営会社の管理者である場合、フロント環境のジョブで使用している入力項目を自由に入力可能とし又は表示して自由に入力可能とする。これにより、横断的な業務が可能(システムの全ての業務が可能)となる。
【0111】
(各マスタのデータの関連付け)
実施の形態の管理装置1の場合、
図26~
図29に例示するように、各マスタのデータがそれぞれ関連付けされている。
図26は、商品マスタ16、商品構成マスタ17、得意先商品構成マスタ18、及び、得意先マスタ15の各データが関連付けされている様子を示す図である。すなわち、
図26(a)に示すように、商品マスタ16には、商品コード(商品CD)及び商品名等のデータが記憶されている。これに対応して、
図26(b)に示す商品構成マスタ17には、商品マスタ16の商品コードに関連付けされて、各商品コードに対応する構成品コード(構成PTコード)が記憶されている。これにより、各商品と各商品の構成PTCDが関連付けされる。
【0112】
同様に、
図26(c)に示す得意先商品構成マスタ18には、各得意先コード(得意先CD)に対して、商品構成マスタ17の各構成PTCDが関連付けされて記憶されている。これにより、各商品の構成品と各得意先が関連付けされる。
【0113】
同様に、
図26(d)に示す得意先マスタ15には、各得意先コード及び得意先名が記憶されている。これにより、得意先マスタ15の「得意先コード及び得意先名」と、得意先商品構成マスタ18の各構成PTCDが、それぞれ関連付けされる。
【0114】
図27は、得意先マスタ15、得意先別対象倉庫マスタ19、及び、倉庫マスタ20が関連付けされている様子を示す図である。
図27(a)に示す得意先マスタ15の各得意先コードは、
図27(b)に示すように得意先別対象倉庫マスタ19において、各倉庫コードに関連付けされている。これにより、各得意先と各倉庫が関連付けされる。また、得意先別対象倉庫マスタ19の各倉庫コードは、
図27(c)に示す倉庫マスタ20の倉庫名と関連付けされている。これにより、各得意先、各倉庫コード及び倉庫名が関連付けされる。
【0115】
図28は、得意先マスタ15、得意先納入先マスタ55、及び、納入先マスタ56が関連付けされている様子を示す図である。
図28(a)に示す得意先マスタ15の各得意先コードは、
図28(b)に示すように得意先納入先マスタ55において、各納入先コードに関連付けされている。また、得意先納入先マスタ55の各倉庫コードは、
図28(c)に示す納入先マスタ56の納入先名と関連付けされている。これにより、各得意先、各納入先コード及び納入先名が関連付けされる。
【0116】
図29は、取引区分マスタ57、及び、表示対象取引区分マスタ58が関連付けされている様子を示す図である。
図29(a)に示すように、取引区分マスタ57には、例えば倉出受注、値引き、及び、売上等の取引区分に対応するデータ区分、及び、ユーザ取引区分が記憶されている。
図29(b)に示す表示対象取引区分マスタ58は、取引先として表示する取引区分を記憶するマスタであり、取引区分マスタ57のデータ区分及びユーザ取引区分が記憶されている。
【0117】
(画面制御)
(取引先ユーザに対する注文履歴一覧画面の表示制御)
次に、実施の形態の管理装置1は、このようにそれぞれ関連付けされた各マスタ、及び、ログインしたユーザの権限に応じて、操作画面の表示態様等を制御する。
図30(a)は、ユーザIDが「U001」の取引先ユーザがログインし、注文履歴の表示を指定した場合に表示される注文履歴一覧画面の一例を示す図である。この場合、表示画面生成部26は、
図30(a)に示すように、得意先コード、得意先名、注文日、及び、出荷日の入力欄と共に、注文履歴の一覧を表示するデータグリッドを含む注文履歴一覧画面を生成する。
【0118】
また、検索部28は、ログイン時に入力された「U001」等のユーザIDに基づいて
図30(b)に示すWebEDIユーザマスタ14を参照し、「FALSE」又は「TRUE」の運営会社ユーザフラグ、及び、「T001」等の取引先コードを検出する。また、検索部28は、検出した取引先コードに基づいて得意先マスタ15を参照し、「T001」の取引先コードに関連付けされている「得意先1」等の得意先名を検出する。
【0119】
この場合、「U001」のユーザIDのユーザに対する運営会社ユーザフラグは、「FALSE」であり、このユーザは、運営会社のユーザではなく、取引先のユーザであることを意味する。このため、表示画面生成部26は、注文履歴一覧画面の得意先コードの入力欄に、ログインしたユーザの「T001」の得意先コードを自動的に入力すると共に、得意先名の入力欄に「得意先1」の得意先名を自動的に入力する。そして、表示画面生成部26は、得意先コード及び得意先名を、変更不可な固定値とする。換言すると、表示画面生成部26は、得意先コード及び得意先名の入力操作を不可とする。
【0120】
この状態で、検索部28は、「T001」の得意先コードを検索キーとして、記憶部2の注文データ記憶領域59に記憶されている、
図30(c)に示す注文データを検索し、「T001」の得意先コードに対応する注文データを検出する。表示画面生成部26は、検出された注文データをデータグリッドに一覧表示する。このように、得意先を変更できないように固定値として、この固定値とした得意先に対応する注文データのみを抽出して表示することで、「U001」の取引先のユーザのユーザ権限に対応する注文データのみを表示でき(ユーザ権限に応じた表示態様の制限)、EDIシステムのセキュリティを維持できる。
【0121】
このように生成された注文履歴一覧画面は、通信制御部21により、「U001」の取引先のユーザの端末装置に送信されて表示される。なお、以降、表示画面生成部26で生成された画面が、通信制御部21により取引先のユーザの端末装置又は運営会社のユーザの端末装置に送信されて表示される、との動作説明の記載は省略する。「表示画面生成部26が画面を生成して表示する」との記載は、「表示画面生成部26に生成された画面が所定の端末装置に送信されて表示される」との意味として理解されたい。
【0122】
(取引先ユーザに対する納入先検索画面の表示制御)
図31(a)は、ユーザIDが「U001」の取引先のユーザがログインし、納入先の検索を指定した場合に表示される納入先検索画面の一例を示す図である。納入先検索画面には、検索を行う得意先の得意先コードの入力欄、納入先コードの入力欄、納入先名の入力欄、納入先カナ名の入力欄、及び、納入先の一覧が表示されるデータグリッドが表示される。しかし、表示画面生成部26は、
図30(b)を用いて説明したように、納入先の検索を指定したユーザが取引先のユーザである場合(=運営会社ユーザフラグがFALSE)、得意先コードを入力する入力欄を非表示制御する。これにより、得意先コードの入力を不可とすることができ、ユーザIDが「U001」のユーザの得意先以外の得意先の納入先を、検索不可とすることができる。
【0123】
この場合、検索部28は、ログイン時に入力された「U001」等のユーザIDに基づいてWebEDIユーザマスタ14を参照して「T001」等の取引先コードを検出する。また、検索部28は、検出した得意先コードに基づいて、
図31(b)に示す得意先マスタ15及び
図31(c)に示す得意先納入先マスタ55、及び、
図31(d)に示す納入先マスタ56を参照し、「T001」の得意先コードに関連付けされている納入先の「N001」等の納入先コード及び「納入先1」等の納入先名を検出する。
【0124】
表示画面生成部26は、この場合、「T001」の得意先コードに基づいて検出された納入先名が「納入先1」で納入先コードが「N001」の納入先を、
図31(a)に示すように、納入先検索画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0125】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する注文履歴一覧画面の表示制御)
次に、
図32(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者権限を有するユーザがログインし、注文履歴の表示を指定した場合に表示される注文履歴一覧画面の一例を示す図である。検索部28は、ログイン時に入力された「U004」等のユーザIDに基づいて
図32(b)に示すWebEDIユーザマスタ14を参照し、運営会社ユーザフラグを参照する。この場合、「U004」のユーザIDに対する運営会社ユーザフラグは「TRUE」である。このため、表示画面生成部26は、このユーザを、運営会社のユーザとして認識し、
図32(a)に示す注文履歴一覧画面の得意先コード、得意先名、注文日及び出荷日の各入力欄を、自由に所望の値を入力可能な入力欄とした注文履歴一覧画面を生成する。
【0126】
このような注文履歴一覧画面に対して、「U004」のユーザIDの運営会社のユーザにより、例えば「T001」の得意先が入力されたとする。この場合、検索部28は、「T001」の得意先コードを検索キーとして、記憶部2の注文データ記憶領域59に記憶されている、
図32(c)に示す注文データ記憶領域59を検索し、「T001」の得意先コードに対応する注文データを検出する。表示画面生成部26は、検出された注文データを、
図32(a)に示すようにデータグリッドに一覧表示する。
【0127】
このように、ログインしたユーザが運営会社のユーザである場合。表示画面生成部26は、得意先等の入力欄を、所望の得意先等を自由に入力及び変更が可能な可変値の入力欄として表示する。これにより、運営会社のユーザは、取引先の監視又は調査等を自由に行うことができる。
【0128】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する納入先検索画面の表示制御)
図33(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者のユーザがログインし、納入先の検索を指定した場合に表示される納入先検索画面の一例を示す図である。ログインしたユーザが取引先のユーザである場合、上述のように納入先検索画面の得意先コードの入力欄を非表示として、入力不可の状態に制限した。しかし、ログインしたユーザが運営会社のユーザである場合、表示画面生成部26は、納入先検索画面の全ての入力欄である、得意先コードの入力欄、納入先コードの入力欄、納入先名の入力欄、及び、納入先カナ名の入力欄を全て表示し、かつ、各入力欄に対して所望の値を自由に入力可能とする。これにより、運営会社のユーザは、所望の得意先コード等を自由に入力でき、入力した得意先コードに対応する納入先の一覧を得て、取引先の監視又は調査等を行うことができる。
【0129】
例えば、
図33(a)に示すように、得意先コードの「以上≧」の入力欄に「T001」の得意先コードが入力され、得意先コードの「以下≦」の入力欄に「T002」の得意先コードが入力されたとする。この場合、検索部28は、
図33(b)に示す得意先マスタ15、
図33(c)に示す得意先納入先マスタ55、及び、
図33(d)に示す得意先マスタ56を参照し、「T001」の得意先コードに対応する、納入先コードが「N001」で納入先名が「納入先1」の納入先、及び、「T002」の得意先コードに対応する、納入先コードが「N002」で納入先名が「納入先2」の納入先を検出する。表示画面生成部26は、検出された納入先の納入先データを、
図33(a)に示すようにデータグリッドに一覧表示する。
【0130】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する、得意先未入力時の注文履歴一覧画面の表示制御)
図34(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者のユーザがログインし、注文履歴の表示を希望する得意先が入力されない場合に表示される注文履歴一覧画面の一例を示す図である。運営会社の管理者のユーザであるか否かは、
図34(b)に示すように、WebEDIユーザマスタ14の運営会社ユーザフラグに基づいて検索部28により判別される。
【0131】
運営会社の管理者のユーザにより、注文履歴一覧画面の表示が指定され、得意先が入力されない場合、検索部28は、
図34(c)に示すように、全ての得意先の注文データを注文データ記憶領域59から検出する。表示画面生成部26は、検出された全ての得意先の注文データを
図34(a)に示すように、注文履歴一覧画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0132】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する、得意先未入力時の納入先検索画面の表示制御)
図35(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者のユーザがログインし、納入先の検索対象となる得意先が入力されない場合に表示される納入先検索画面の一例を示す図である。運営会社の管理者のユーザであるか否かは、
図34(b)を用いて説明したように、WebEDIユーザマスタ14の運営会社ユーザフラグに基づいて検索部28により判別される。
【0133】
運営会社の管理者のユーザにより、納入先検索画面の表示が指定され、納入先の検索対象となる得意先が入力されない場合、検索部28は、
図35(b)に示す得意先マスタ15、
図35(c)に示す得意先納入先マスタ55、及び、
図35(d)に示す納入先マスタ56を参照し、全ての得意先の納入先コード及び納入先名等の納入先データを記憶部2から検出する。表示画面生成部26は、検出された全ての納入先の納入先データを
図35(a)に示すように、納入先検索画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0134】
(取引先ユーザに対する注文登録時の注文登録画面及び商品検索画面の表示制御)
図36(a)は、ユーザIDが「U001」の取引先のユーザがログインし、注文する商品の登録を指定した場合に表示される注文登録画面の一例を示す図である。注文登録画面には、得意先の得意先コードの入力欄、納入先コードの入力欄、商品が格納されている倉庫の倉庫コードの入力欄、商品コード及び商品名の入力欄が表示される。この場合、ユーザIDが「U001」のユーザは、取引先のユーザであるため、表示画面生成部26は、WebEDIユーザマスタ14に記憶されている「T001」の取引先コード及び「得意先1」の得意先名を、注文登録画面の得意先の入力欄に固定値として自動的に入力して表示する。これにより、取引先のユーザによる得意先コード等の変更は不可となり、注文登録を行う商品を、「T001」の取引先コードの得意先で取り扱っている商品に限定(制限)することができる。
【0135】
この状態で、取引先のユーザは、注文登録画面に対して、注文登録を行う商品の商品コードを入力する。
図36(a)の例は、「S003」の商品コードが入力された例である。ここで、検索部28は、入力された商品コードに対応する商品を、
図36(c)に示す商品マスタ16、
図36(d)に示す商品構成マスタ17、
図36(e)に示す得意先商品構成マスタ18、及び、
図36(f)に示す得意先マスタ15を参照して検出する。
【0136】
しかし、
図36(a)に示す「S003」の商品コード及び「T001」の得意先コードに基づいて各マスタ15~18を参照すると、「S003」の商品コードの商品は、主に、
図36(d)及び
図36(e)に示すように「T002」の得意先コードの得意先で取り扱われる商品である。このため、検索部28は、「S003」の商品コードの商品が検索できない旨の通知(未登録通知)を、表示画面生成部26に行う。表示画面生成部26は、この未登録通知が行われると、
図36(a)に示すように、例えば「商品マスタに未登録です」等のエラーメッセージを表示した注文登録画面を生成する。この場合、取引先のユーザは、例えば「S001」等の商品コードを、再度、入力し直すこととなる。
【0137】
これに対して、取引先のユーザにより、例えば「S001」及び「S002」の商品コードが入力された場合、検索部28は、
図36(d)に示す商品構成マスタ17、
図36(e)に示す得意先商品構成マスタ18及び
図36(f)に示す得意先マスタ15を参照する。そして、検索部28は、「S001」及び「S002」の商品コードの商品が、「T001」の得意先コードの得意先で取り扱われている商品(=商品マスタ16に登録されている商品)であることを判別する。表示画面生成部26は、得意先で取り扱われている商品であることを示す判別結果が検索部28から得られた場合、
図36(c)に示す商品マスタ16から、「S001」及び「S002」の商品コード及び商品名を読み出し、
図36(b)に示すように、商品検索画面に一覧表示する。
【0138】
(取引先ユーザに対する在庫照会画面の表示制御)
図37(a)は、ユーザIDが「U001」の取引先のユーザがログインし、倉庫の在庫照会を指定した場合に表示される在庫照会画面の一例を示す図である。在庫照会画面には、在庫照会を行う倉庫の倉庫コードの入力欄、倉庫に格納されている商品の商品コード、商品名及び商品カナ名の入力欄、及び、検索された在庫データが一覧表示されるデータグリッドが表示される。
【0139】
この場合、在庫照会を行うユーザは、ユーザIDが「U001」で取引先コードが「T001」の取引先のユーザである。このため、検索部28は、
図37(e)に示す得意先マスタ15、
図37(d)に示す得意先商品構成マスタ18、
図37(c)に示す商品構成マスタ17、及び、
図37(b)に示す商品マスタ16を順に参照して、「T001」の取引先コードに対応する商品コード及び商品名を検出する。この例の場合、「T001」の取引先が取り扱う商品として、商品コードが「S001」で商品名が「商品1」の商品、及び、商品コードが「S002」で商品名が「商品2」の商品が検出される。
【0140】
また、検索部28は、取引先の「T001」の取引先コードに基づいて、
図27(b)に示した得意先別対象倉庫マスタ19を介して倉庫マスタ20を参照し、「T001」の取引先コードの取引先の倉庫の倉庫コード及び倉庫名を検出する。
【0141】
表示画面生成部26は、検索部28で検出された倉庫コード、倉庫名、商品コード及び商品名を、
図37(a)に示す在庫照会画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0142】
(他の取引先ユーザに対する注文登録時の注文登録画面及び商品検索画面の表示制御)
図38(a)は、ユーザIDが「U003」の取引先のユーザがログインし、注文する商品の登録を指定した場合に表示される注文登録画面の一例を示す図である。この場合、ユーザIDが「U003」のユーザは、取引先のユーザであるため、表示画面生成部26は、WebEDIユーザマスタ14に記憶されている「T003」の取引先コード及び「得意先3」の得意先名を、注文登録画面の得意先の入力欄に固定値として自動的に入力して表示する。これにより、取引先のユーザによる得意先コード等の変更は不可となり、注文登録を行う商品を、「T003」の取引先コードの得意先で取り扱っている商品に限定(制限)することができる。
【0143】
この状態で、取引先のユーザは、注文登録画面に対して、注文登録を行う商品の商品コードを入力するが、商品コードの入力が行われなかった場合、検索部28は、「T003」の得意先コードに基づいて、
図38(f)に示す得意先マスタ15、
図38(e)に示す得意先商品構成マスタ18、
図38(d)に示す商品構成マスタ17、及び、
図38(c)に示す商品マスタ16を順に参照する。そして、検索部28は、「T003」の得意先コードの取引先で取り扱う商品の商品コード及び商品名を検出する。
【0144】
表示画面生成部26は、検出された商品コード及び商品名を、「T003」の得意先コードの取引先で取り扱う商品として、
図38(b)に示すように、商品検索画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0145】
(他の取引先ユーザに対する在庫照会画面の表示制御)
図39(a)は、ユーザIDが「U003」の取引先のユーザがログインし、倉庫の在庫照会を指定し、かつ、検索する倉庫の倉庫コード及び検索する商品の商品コードが指定されなかった場合に表示される在庫照会画面の一例を示す図である。
【0146】
この場合、在庫照会を行うユーザは、ユーザIDが「U003」で取引先コードが「T003」の取引先のユーザである。このため、検索部28は、
図39(e)に示す得意先マスタ15、
図39(d)に示す得意先商品構成マスタ18、
図39(c)に示す商品構成マスタ17、及び、
図39(b)に示す商品マスタ16を順に参照して、「T003」の取引先コードに対応する商品コード及び商品名を検出する。この例の場合、「T003」の取引先が取り扱う商品として、商品コードが「S001」で商品名が「商品1」の商品、商品コードが「S002」で商品名が「商品2」の商品、商品コードが「S003」で商品名が「商品3」の商品、及び、商品コードが「S004」で商品名が「商品4」の商品が、それぞれ検出される。
【0147】
また、検索部28は、取引先の「T003」の取引先コードに基づいて、
図27(b)に示した得意先別対象倉庫マスタ19を介して倉庫マスタ20を参照し、「T003」の取引先コードの取引先の倉庫の倉庫コード及び倉庫名を検出する。この場合、「T003」の取引先コードの取引先の倉庫として、「SO001」の倉庫コード及び「倉庫1」の倉庫名が検出される。
【0148】
表示画面生成部26は、検索部28で検出された倉庫コード、倉庫名、商品コード及び商品名を、
図39(a)に示す在庫照会画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0149】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する注文登録画面及び商品検索画面の表示制御)
図40(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者のユーザがログインし、商品の注文登録を指定した場合に表示される注文登録画面の一例を示す図である。ログインしたユーザが運営会社のユーザである場合において、
図40(a)に示すように、注文登録画面に、注文登録を行う商品の商品コード及び商品名が入力されなかった場合、検索部28は、
図40(c)に示す商品マスタ16に登録されている全商品を検出する。
【0150】
そして、表示画面生成部26は、検出された全商品の商品コード及び商品名を、
図40(b)に示す商品検索画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0151】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する在庫照会画面の表示制御)
図41(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者のユーザがログインし、各倉庫に格納されている商品を示す在庫照会を指定した場合に表示される在庫照会画面の一例を示す図である。ログインしたユーザが運営会社のユーザである場合において、
図41(a)に示すように、在庫照会画面に、在庫照会を行う倉庫及び商品の商品コードが入力されなかった場合、検索部28は、
図41(b)に示す商品マスタ16に登録されている全商品を検出する。また、検索部28は、
図27(c)に示した倉庫マスタ20を参照し、各商品が格納されている倉庫の倉庫コード及び倉庫名を検出する。
【0152】
そして、表示画面生成部26は、検出された全商品の商品コード及び商品名を、各商品が格納されている倉庫の倉庫コード及び倉庫名と共に、
図41(a)に示す在庫照会画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0153】
(取引先ユーザに対する注文登録時の倉庫検索ダイアログの表示制御)
図42(a)は、ユーザIDが「U001」の取引先のユーザがログインし、商品の注文登録を指定することで、表示画面生成部26により生成され表示された注文登録画面を示す図である。この場合、表示画面生成部26は、ログインしたユーザが取引先のユーザであるため、例えば「T001」の取引先コード及び「得意先1」の得意先名を、変更不可な固定値として、注文登録画面に対して自動的に入力して表示する。
【0154】
また、
図42(a)において、「T001」の取引先コードの取引先のユーザにより、「SO003」の倉庫コードが入力されたとする。これにより、検索部28は、「T001」の取引先コードに基づいて、
図42(c)に示す得意先マスタ15、
図42(b)に示す得意先別対象倉庫マスタ19、及び、
図42(c)に示す倉庫マスタ20を参照する。そして、検索部28は、「T001」の取引先コードに対応する倉庫コード及び倉庫名として、「SO001」の倉庫コード及び「倉庫1」の倉庫名を検出すると共に、「SO002」の倉庫コード及び「倉庫2」の倉庫名を検出する。
【0155】
ここで、
図42(a)に示したように、この場合、「T001」の取引先コードの取引先のユーザにより入力された倉庫コードは「SO003」であるが、検索部28により検索された「T001」の取引先コードに対応する倉庫コードは、「SO001」及び「SO002」である。すなわち、入力された「SO003」の倉庫コードの倉庫は、「T001」の取引先コードの取引先で取り扱う商品が格納されている倉庫ではない。このため、表示画面生成部26は、
図42(a)に示すように、注文登録画面に対して、例えば「倉庫マスタが未登録です。」等のエラーメッセージを表示する。
【0156】
また、これと共に、表示画面生成部26は、
図42(b)に示すように、注文登録画面の倉庫コードの入力欄に、倉庫検索ダイアログを表示する。この例の場合、検索部28により検出された「T001」の取引先コードに対応する倉庫コードは、「SO001」及び「SO002」である。このため、表示画面生成部26は、「SO001」及び「SO002」の倉庫検索ダイアログを表示する。取引先のユーザは、この「SO001」及び「SO002」の倉庫コードのうち、所望の倉庫コードを選択入力する。これにより、表示画面生成部26は、
図36(b)に例示したように、選択された倉庫コードの倉庫に格納される商品の一覧を表示する。
【0157】
(取引先のユーザに対する在庫照会画面の表示制御)
図43(a)は、ユーザIDが「U001」の取引先のユーザがログインし、各倉庫に格納されている商品を示す在庫照会を指定した場合に表示される在庫照会画面の一例を示す図である。ログインしたユーザが取引先のユーザである場合において、
図43(a)に示すように、在庫照会画面に、在庫照会を行う倉庫及び商品の商品コードが入力されなかった場合、検索部28は、ユーザIDが「U001」のユーザの取引先の「T001」の取引先コードに基づいて、
図43(b)に示す得意先マスタ15、得意先別対象倉庫マスタ19、及び、倉庫マスタ20を参照する。そして、検索部28は、「T001」の取引先コードに対応する、「SO001」の倉庫コード及び「倉庫1」の倉庫名を検出すると共に、「SO002」の倉庫コード及び「倉庫2」の倉庫名を検出する。
【0158】
また、検索部28は、
図39を用いて説明したように、
図39(e)に示す得意先マスタ15、
図39(d)に示す得意先商品構成マスタ18、
図39(c)に示す商品構成マスタ17、及び、
図39(b)に示す商品マスタ16を順に参照して、「T001」の取引先コードに対応する商品コード及び商品名を検出する。この例の場合、「T001」の取引先が取り扱う商品として、商品コードが「S001」で商品名が「商品1」の商品、商品コードが「S002」で商品名が「商品2」の商品が、それぞれ検出される。
【0159】
表示画面生成部26は、検索部28で検出された倉庫コード、倉庫名、商品コード及び商品名を、
図43(a)に示す在庫照会画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0160】
(他の取引先ユーザに対する注文登録時の倉庫検索ダイアログの表示制御)
図44(a)は、ユーザIDが「U003」の取引先のユーザがログインし、商品の注文登録を指定することで、表示画面生成部26により生成され表示された注文登録画面を示す図である。この場合、表示画面生成部26は、ログインしたユーザが取引先のユーザであるため、例えば「T003」の取引先コード及び「得意先3」の得意先名を、変更不可な固定値として、注文登録画面に対して自動的に入力して表示する。
【0161】
また、この
図44(a)に示す注文登録画面において、「T003」の取引先コードの取引先のユーザにより、所望の倉庫の倉庫コード、及び、所望の商品コードの入力が、行われなかったこととする。この場合、検索部28は、「T003」の取引先コードに基づいて、
図44(c)に示す得意先マスタ15、
図44(b)に示す得意先別対象倉庫マスタ19、及び、
図44(c)に示す倉庫マスタ20を参照する。そして、検索部28は、「T003」の取引先コードに対応する倉庫コード及び倉庫名として、「SO001」の倉庫コード及び「倉庫1」の倉庫名を検出する。
【0162】
また、これと共に、表示画面生成部26は、
図44(b)に示すように、注文登録画面の倉庫コードの入力欄に、検索部28により検索された「SO001」の倉庫コード及び「倉庫1」の倉庫名の倉庫検索ダイアログを表示する。表示画面生成部26は、この「SO001」の倉庫コード及び「倉庫1」の倉庫名の倉庫検索ダイアログが、ユーザにより選択操作された場合、
図36(b)に例示したように、選択された倉庫コードの倉庫に格納される商品の一覧を表示する。
【0163】
(他の取引先のユーザに対する在庫照会画面の表示制御)
図45(a)は、ユーザIDが「U003」の取引先のユーザがログインし、各倉庫に格納されている商品を示す在庫照会を指定した場合に表示される在庫照会画面の一例を示す図である。ログインしたユーザが取引先のユーザである場合において、
図45(a)に示すように、在庫照会画面に、在庫照会を行う倉庫及び商品の商品コードが入力されなかった場合、検索部28は、ユーザIDが「U003」のユーザの取引先の「T003」の取引先コードに基づいて、
図45(b)に示す得意先マスタ15、得意先別対象倉庫マスタ19、及び、倉庫マスタ20を参照する。そして、検索部28は、「T003」の取引先コードに対応する、「SO001」の倉庫コード及び「倉庫1」の倉庫名を検出する。
【0164】
また、検索部28は、
図39を用いて説明したように、
図39(e)に示す得意先マスタ15、
図39(d)に示す得意先商品構成マスタ18、
図39(c)に示す商品構成マスタ17、及び、
図39(b)に示す商品マスタ16を順に参照して、「T003」の取引先コードに対応する商品コード及び商品名を検出する。
【0165】
表示画面生成部26は、検索部28で検出された倉庫コード、倉庫名、商品コード及び商品名を、
図45(a)に示す在庫照会画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0166】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する注文登録時の倉庫検索ダイアログの表示制御)
図46(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者のユーザがログインし、商品の注文登録を指定することで、表示画面生成部26により生成され表示された注文登録画面を示す図である。また、
図46(a)の例は、運営会社の管理者のユーザにより、所望の倉庫の倉庫コード及び所望の商品の商品コードが未入力とされた場合を示している。
【0167】
この場合、表示画面生成部26は、
図46(c)に示す倉庫マスタ20を参照し、
図46(b)に示すように、「SO001(倉庫1)」~「SO005(倉庫5)」の全倉庫の倉庫検索ダイアログを注文登録画面に表示する。そして、表示画面生成部26は、この倉庫検索ダイアログに基づいて選択された倉庫コードの倉庫に格納される商品の一覧を表示する。
【0168】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する在庫照会画面の他の表示制御)
図47(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者のユーザがログインし、各倉庫に格納されている商品を示す在庫照会を指定した場合に表示される在庫照会画面の他の例を示す図である。ログインしたユーザが運営会社のユーザである場合において、
図47(a)に示すように、在庫照会画面に、在庫照会を行う倉庫及び商品の商品コードが入力されなかった場合、検索部28は、
図47(b)に示す倉庫マスタ20に登録されている全倉庫の倉庫コード及び倉庫名を検出する。
【0169】
また、検索部28は、
図39を用いて説明したように、
図39(e)に示す得意先マスタ15、
図39(d)に示す得意先商品構成マスタ18、
図39(c)に示す商品構成マスタ17、及び、
図39(b)に示す商品マスタ16を順に参照して、全商品の商品コード及び商品名を検出する。
【0170】
表示画面生成部26は、検索部28で検出された倉庫コード、倉庫名、商品コード及び商品名を、
図47(a)に示す在庫照会画面のデータグリッドに一覧表示する。
【0171】
(取引先のユーザに対する納入先検索画面の表示制御)
図48(a)は、ユーザIDが「U001」の取引先のユーザがログインし、検索を希望する納入先が入力された状態の注文登録画面を示す図である。ログインしたユーザが取引先のユーザであるため、表示画面生成部26は、上述のように例えば「T001」の取引先コードを固定値として注文登録画面に表示する。
【0172】
この状態で、「T001」の取引先コードのユーザにより、例えば「N002」の納入先コードが入力されたとする。検索部28は、「T001」の取引先コードに基づいて、
図48(c)に示す得意先マスタ15、
図48(d)に示す得意先納入先マスタ55、及び、
図48(e)に示す納入先マスタ56を参照する。そして、検索部28は、「T001」の取引先コードに対応する納入先を検出する。
【0173】
ここで、
図48(d)及び
図48(e)に示すように、「T001」の取引先コードに対応する納入先は、納入先コードが「N001」の「納入先1」である。しかし、
図48(a)に示すように、検索を希望する納入先として注文登録画面に入力された納入先の納入先コードは「N002」である。このため、表示画面生成部26は、
図48(a)に示すように、例えば「納入先マスタが未登録です。」等のエラーメッセージを表示し、取引先のユーザに対して公開するデータを制限する。これにより、取引先のユーザに対して、他の取引先の納入先を公開する不都合を防止でき、EDIシステムのセキュリティを維持できる。
【0174】
このようなエラーメッセージが表示された取引先のユーザは、自己の納入先である、例えば「N001」等の納入先コードを入力し直す。これにより、検索部28が、
図48(c)に示す得意先マスタ15、
図48(d)に示す得意先納入先マスタ55、及び、
図48(e)に示す納入先マスタ56を参照し、「N001」の納入先コード及び「納入先1」の納入先名を検出する。表示画面生成部26は、
図48(b)に示す納入先検索画面のデータグリッドに、検索部28により検出された納入先の納入先コード及び納入先名を一覧表示する。
【0175】
(他の取引先のユーザに対する納入先検索画面の表示制御)
図49(a)は、ユーザIDが「U003」の取引先のユーザがログインし、検索を希望する納入先を入力しない状態の注文登録画面を示す図である。ログインしたユーザが取引先のユーザであるため、表示画面生成部26は、上述のように例えば「T003」の取引先コードを固定値として注文登録画面に表示する。
【0176】
この場合、検索を希望する納入先が入力されないため、検索部28は、ユーザIDが「U003」のユーザの取引先コードである、「T003」の取引先コードに基づいて、
図49(c)に示す得意先マスタ15、
図49(d)に示す得意先納入先マスタ55、及び、
図49(e)に示す納入先マスタ56を参照する。そして、検索部28は、「T003」の取引先コードに対応する納入先として、納入先コードが「N003」で、納入先名が「納入先3」の納入先を検出する。
【0177】
表示画面生成部26は、
図49(b)に示す納入先検索画面のデータグリッドに、検索部28により検出された納入先の納入先コード及び納入先名を一覧表示する。
【0178】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する納入先検索画面の表示制御)
図50(a)は、ユーザIDが「U004」の運営会社の管理者権限を有するユーザがログインし、検索を希望する納入先を入力しない状態の注文登録画面を示す図である。ログインしたユーザが運営会社の管理者権限を有するユーザであるため、表示画面生成部26は、上述のように注文登録画面の取引先コードの入力欄を、所望の取引先コードを入力可能な状態で表示する。
【0179】
この場合、ログインしたユーザが運営会社の管理者権限を有するユーザであり、また、検索を希望する納入先が入力されないため、検索部28は、
図49(c)に示した得意先マスタ15を参照し、全ての得意先コード及び得意先名を検出すると共に、
図50(c)に示す得意先納入先マスタ55を参照し、各得意先に対応する納入先をそれぞれ検出する。表示画面生成部26は、
図50(b)に示す納入先検索画面のデータグリッドに、検索部28により検出された得意先コード、得意先名、納入先コード及び納入先名を一覧表示する。
【0180】
(取引先のユーザに対する注文履歴一覧画面の表示制御)
次に、取引先のユーザに対する注文履歴一覧画面の表示制御を説明する。まず、
図51(a)に、記憶部2の注文データ記憶領域59に記憶されている注文データの一例を示す。この
図51(a)に示すように、注文データ記憶領域59には、伝票番号、データ区分、ユーザ取引区分及び取引区分名を含む注文データが記憶されている。また、
図51(b)に、表示対象取引区分マスタ58の一例を示す。この
図51(b)に示すように、表示対象取引区分マスタ58には、データ区分及びユーザ取引区分が記憶されている。
【0181】
この取引区分マスタ57及び注文データに付加されているデータ区分及び取引先区分は、注文データの表示及び使用の可否を示している。例えば、取引先のユーザに対しては、データ区分が「10」及びユーザ取引区分が「10」の注文データ、及び、データ区分が「20」及びユーザ取引区分が「10」の注文データの表示及び使用が許可されている。また、取引先のユーザに対しては、データ区分が「10」及びユーザ取引区分が「20」の注文データの表示及び使用は不許可となっている。
【0182】
このため、検索部28は、例えばユーザIDが「U003」の取引先のユーザがログインし、注文履歴の表示を指定した場合、
図51(a)の注文データ記憶領域59を参照し、データ区分が「10」及びユーザ取引区分が「10」で、取引先区分名が「倉出受注」の「D001」の伝票番号の注文データ、及び、データ区分が「20」及びユーザ取引区分が「10」で、取引先区分名が「売上」の「D003」の伝票番号の注文データを検出する。表示画面生成部26は、
図51(c)に示す注文履歴一覧画面のデータグリッドに、検索部28により検出された「D001」及び「D003」の伝票番号の注文データを一覧表示する。
【0183】
(運営会社の管理者権限を有するユーザに対する注文履歴一覧画面の表示制御)
これに対して、例えばユーザIDが「U004」の運営会社の管理者権限を有するユーザがログインし、注文履歴の表示を指定した場合、検索部28は、
図52(b)の表示対象取引区分マスタ58及び
図52(a)の注文データ記憶領域59を参照し、全ての伝票番号の注文データを検出する。表示画面生成部26は、
図52(c)に示す注文履歴一覧画面のデータグリッドに、検索部28により検出された「D001」~「D003」の伝票番号の全ての注文データを一覧表示する。
【0184】
(ユーザ権限に応じた表示制御)
次に、実施の形態の管理装置1における、上述のユーザ権限に応じた表示制御の流れを説明する。
図53~
図57のフローチャートは、一連のフローチャートであり、実施の形態の管理装置1における、上述のユーザ権限に応じた表示制御の流れを示している。まず、
図53のステップS51では、制御部3が、ログインしたユーザのユーザID及びパスワードに基づいてユーザ認証処理を行い、運営会社の管理者権限を有するユーザ又は取引先のユーザ等の正規のユーザであることが認証された際に、ステップS52に処理が進む。
【0185】
ステップS52では、検索部28が、ログインしたユーザのユーザIDに基づいて
図30(b)等に示したWebEDIユーザマスタ14の運営会社ユーザフラグを参照し、ログインしたユーザが、運営会社の管理者のユーザであるか否かを判別する。ログインしたユーザが、運営会社の管理者のユーザであると判別された場合(ステップS52:Yes(TRUE))、処理が
図54のフローチャートのステップS54に進む。
【0186】
これに対して、ログインしたユーザが、取引先のユーザであると判別された場合(ステップS52:No(FALSE))、処理がステップS53に進む。ステップS53では、検索部28が、WebEDIユーザマスタ14の取引先コードを取得する。これにより、
図55のフローチャートのステップS60に処理が進む。
【0187】
次に、検索部28は、
図54のフローチャートのステップS54において、起動画面及び処理内容に対応する管理目的で使用するキー及びマスタを決定する。すなわち、検索部28は、商品管理目的(商品制御に伴う設定)の場合、ステップS55に処理を進め、使用するキー及びマスタを決定する。
【0188】
ステップS55で決定される、使用するキー及びマスタ
<許可対象キー>
商品の構成PTコード/商品コード
<検索ダイアログ対象>
<許可制御対象のマスタ>
商品マスタ16
【0189】
また、検索部28は、倉庫管理目的(倉庫制御に伴う設定)の場合、ステップS56に処理を進め、使用するキー及びマスタを決定する。
【0190】
ステップS56で決定される、使用するキー及びマスタ
<許可対象キー>
倉庫コード
<検索ダイアログ対象>
<許可制御対象のマスタ>
倉庫マスタ20
【0191】
また、検索部28は、納入先管理目的(納入先制御に伴う設定)の場合、ステップS57に処理を進め、使用するキー及びマスタを決定する。
【0192】
ステップS57で決定される、使用するキー及びマスタ
<許可対象キー>
納入先コード
<検索ダイアログ対象>
<許可制御対象のマスタ>
納入先マスタ56
【0193】
また、検索部28は、取引内容管理目的(取引区分制御に伴う設定)の場合、ステップS58に処理を進め、使用するキー及びマスタを決定する。
【0194】
ステップS58で決定される、使用するキー及びマスタ
<許可対象キー>
データ区分+ユーザ取引区分
<検索ダイアログ対象>
<許可制御対象のマスタ>
取引区分マスタ59
【0195】
次に、ステップS59では、この場合、ログインしているユーザが運営会社の管理者のユーザであるため、検索部28は、全ての「許可対象キー」を許可と判定し、処理を
図56のフローチャートのステップS70に進める。
【0196】
一方、ログインしたユーザが、取引先のユーザであると判別されることで、ステップS53で取引先コードが取得され
図55のフローチャートのステップS60に処理が進むと、検索部28は、起動画面に対応する取引先の取引関係でステップS61又はステップS62に処理を分岐させる。
【0197】
すなわち、起動画面に対応する取引先の取引関係が、商品(又は役務)の販売関係である場合、検索部28は、ステップS61に処理を進め、取引先コードを得意先コードとして認識する。これに対して、起動画面に対応する取引先の取引関係が、商品(又は役務)の調達関係である場合、検索部28は、ステップS62に処理を進め、取引先コードを仕入先コードとして認識する。
【0198】
次に、ステップS63では、検索部28が、起動画面及び処理内容に対応する管理目的で処理を分岐させる。すなわち、検索部28は、商品管理目的(商品制御に伴う設定)の場合、ステップS64に処理を進め、使用するキー及びマスタを決定する。
【0199】
ステップS64で決定される、使用するキー及びマスタ
<許可対象キー>
商品の構成PTコード/商品コード
<取引先別許可対象キーマスタ>
得意先商品構成マスタ18
<検索ダイアログ対象>
<許可制御対象のマスタ>
商品マスタ16
【0200】
また、検索部28は、倉庫管理目的(倉庫制御に伴う設定)の場合、ステップS65に処理を進め、使用するキー及びマスタを決定する。
【0201】
ステップS65で決定される、使用するキー及びマスタ
<許可対象キー>
倉庫コード
<取引先別許可対象キーマスタ>
得意先別対象倉庫マスタ19
<検索ダイアログ対象>
<許可制御対象のマスタ>
倉庫マスタ20
【0202】
また、検索部28は、納入先管理目的(納入先制御に伴う設定)の場合、ステップS66に処理を進め、使用するキー及びマスタを決定する。
【0203】
ステップS66で決定される、使用するキー及びマスタ
<許可対象キー>
納入先コード
<取引先別許可対象キーマスタ>
得意先納入先マスタ55
<検索ダイアログ対象>
<許可制御対象のマスタ>
納入先マスタ56
【0204】
また、検索部28は、取引内容管理目的(取引区分制御に伴う設定)の場合、ステップS67に処理を進め、使用するキー及びマスタを決定する。
【0205】
ステップS67で決定される、使用するキー及びマスタ
<許可対象キー>
データ区分+ユーザ取引区分
<取引先別許可対象キーマスタ>
表示対象取引区分マスタ58
<検索ダイアログ対象>
<許可制御対象のマスタ>
取引区分マスタ59
【0206】
次に、ステップS68において、検索部28は、上述の得意先商品構成マスタ18又は得意先別対象倉庫マスタ19等の「取引先別許可対象キーマスタ」から、取引先コードに基づいて、例えば商品の構成PTコード/商品コード、倉庫コード又は納入先コード等の「許可対象キー」の一覧を取得する。そして、検索部28は、ステップS69において、取得した「許可対象キー」を許可と判定する。これにより、
図57のフローチャートのステップS81に処理が進む。
【0207】
次に、ログインしたユーザが運営会社の管理者のユーザである場合において、
図54のフローチャートのステップS59から、
図56のフローチャートのステップS70に処理が進むと、検索部28は、ステップS70において、全ての「許可対象キー」を許可と判定して、ステップS71に処理を進める。
【0208】
ステップS71では、検索部28が、画面に取引先コードに対応するコードの抽出条件項目が存在するか否かを判別する。画面に取引先コードに対応するコードの抽出条件項目が存在する場合(ステップS71:Yes)、検索部28は、ステップS72に処理を進め、画面の「取引先コードに対応するコード」の条件が指定されたか否かを判別する。
【0209】
画面の「取引先コードに対応するコード」の条件が指定された場合(ステップS72:Yes)、ステップS73に処理が進み、検索部28が、対象データを取得条件として「取引先コードに対応するコード」に、指定した取引先コードを追加する。
【0210】
これに対して、ステップS71で、画面に「取引先コードに対応するコード」の抽出条件項目が存在しないと判別され(ステップS71:No)、また、ステップS72で、画面の「取引先コードに対応するコード」の条件が指定されないと判別されると(ステップS72:No)、ステップS78に処理が進む。ステップS78では、検索部28が、対象データの取得条件として、「取引先コードに対応するコード」は「条件なし」として、ステップS74に処理を進める。
【0211】
ステップS74では、検索部28が、画面に「許可制御対象のマスタ」に対する「許可対象キー」の抽出条件項目が存在するか否かを判別する。画面に「許可制御対象のマスタ」に対する「許可対象キー」の抽出条件項目が存在する場合(ステップS74:Yes)、検索部28は、ステップS75において、「許可対象キー」の指定方法に応じて処理を分岐させる。すなわち、「許可対象キー」の指定方法が「直接入力」であった場合、検索部28は、ステップS76に処理を進め、対象データの取得条件として、指定した「許可対象キー」の条件を追加する。そして、ステップS77において、検索部28は、取得条件として設定された「取引先コードに対応するコード」及び「許可対象キー」の条件に応じて対象データを抽出して、一連のフローチャートの処理を終了する。
【0212】
また、ステップS75において、「許可対象キー」の指定方法が「検索ダイアログ」であった場合、検索部28は、ステップS80に処理を進め、検索ダイアログ対象のデータの取得条件として、全件表示及び指定可能として、処理をステップS76に進める。ステップS76では、検索部28が、上述のように対象データの取得条件として、指定した「許可対象キー」の条件を追加する。そして、ステップS77において、検索部28は、取得条件として設定された「取引先コードに対応するコード」及び「許可対象キー」の条件に応じて対象データを抽出して、一連のフローチャートの処理を終了する。
【0213】
一方、上述のステップS74において、画面に「許可制御対象のマスタ」に対する「許可対象キー」の抽出条件項目が存在しないと判別した場合(ステップS74:No)、検索部28は、ステップS79に処理を進める。ステップS79では、検索部28が、対象データの取得条件として、「許可対象キー」は「条件なし」として、ステップS77に処理進める。そして、検索部28は、ステップS77において、取得条件として設定された「取引先コードに対応するコード」及び「許可対象キー」の条件に応じて対象データを抽出して、一連のフローチャートの処理を終了する。
【0214】
次に、
図55のフローチャートのステップS69において、取得した「許可対象キー」を許可と判定すると、検索部28は、
図57のフローチャートのステップS81を介してステップS82に処理を進める。ステップS82では、検索部28が、画面に取引先コードに対応するコードの抽出条件項目が存在するか否かを判別する。画面に取引先コードに対応するコードの抽出条件項目が存在する場合(ステップS82:Yes)、検索部28は、ステップS83に処理を進め、画面の取引先コードの表示を継続するか否かを判別する。また、画面に取引先コードに対応するコードの抽出条件項目が存在しない場合(ステップS82:No)、検索部28は、ステップS85に処理を進める。
【0215】
画面の取引先コードの表示が継続して行われる場合(ステップS83:Yes)、検索部28は、ステップS84において、画面に「取引先コードに対応するコード」に、ステップS53で取得した取引先コードをセットして変更不可とし、ステップS85に処理を進める。
【0216】
画面の取引先コードの表示が継続して行われない場合(ステップS83:No)、検索部28は、ステップS91において、画面の「取引先コードに対応するコード」を非表示にして、ステップS85に処理を進める。
【0217】
ステップS85では、検索部28が、対象データの取得条件として「取引先コードに対応するコード」に、ステップS53で取得した取引先コードを追加して、ステップS86に処理を進める。
【0218】
ステップS86では、検索部28が、画面に「許可制御対象のマスタ」に対する「許可対象キー」の抽出条件項目が存在するか否かを判別する。画面に「許可制御対象のマスタ」に対する「許可対象キー」の抽出条件項目が存在する場合(ステップS86:Yes)、検索部28は、ステップS87に処理を進め、「許可対象キー」の指定方法に応じて、処理を分岐させる。これに対して、画面に「許可制御対象のマスタ」に対する「許可対象キー」の抽出条件項目が存在しない場合(ステップS86:No)、検索部28は、ステップS94に処理を進め、対象データの取得条件としてステップS69で取得した「許可対象キー」を追加して処理をステップS90に進める。そして、検索部28は、ステップS90において、取得条件として設定された「取引先コードに対応するコード」及び「許可対象キー」の条件に応じて対象データを抽出し、一連のフローチャートの処理を終了する。
【0219】
すなわち、「許可対象キー」の指定方法が「直接入力」であった場合、検索部28は、ステップS88に処理を進め、ステップS69で取得した「許可対象キー」に含まれる内容であるか否かを判別する。ステップS69で取得した「許可対象キー」に含まれる内容である場合(ステップS88:Yes)、検索部28は、ステップS89において、対象データの取得条件として指定した「許可対象キー」の条件を追加し、ステップS90において、取得条件として設定された「取引先コードに対応するコード」及び「許可対象キー」の条件に応じて対象データを抽出し、一連のフローチャートの処理を終了する。
【0220】
これに対して、ステップS88で、ステップS69で取得した「許可対象キー」に含まれる内容ではないと判別した場合(ステップS88:No)、
図42(a)等を用いて説明したように、表示画面生成部26が所定のエラー表示を行い(ステップS93)、一連のフローチャートを終了する。
【0221】
次に、上述のステップS87において、「許可対象キー」の指定方法が「検索ダイアログ」であると判別された場合、検索部28は、ステップS92に処理を進め、「検索ダイアログ対象」のデータの取得条件として、ステップS69で取得した「許可対象キー」のみの表示又は指定を可能とする。この後、検索部28は、ステップS89に処理を進め、対象データの取得条件として指定した「許可対象キー」の条件を追加する。そして、検索部28は、ステップS90において、取得条件として設定された「取引先コードに対応するコード」及び「許可対象キー」の条件に応じて対象データを抽出し、一連のフローチャートの処理を終了する。
【0222】
(実施の形態の効果)
管理装置1を介してEDIシステムを提供する運営会社は、取引先の管理と同時に取引先に所属するユーザの管理も行う必要があり、運営会社の管理コストが非常に大きい。また、取引先は、ユーザの追加、修正、削除を行う場合、これを運営会社に依頼する必要があり、ユーザ設定の正確性及びリアルタイム性に問題がある。
【0223】
また、運営会社が取引先のステータスを無効にしても、取引先に所属する各ユーザが無効化されない場合、本来、EDIシステムを利用できないはずのユーザが、引き続き利用可能となる不都合を生ずる。また、運営会社の設定ミスで、本来登録するはずの取引先とは異なる取引先に関連づけてユーザ登録を行った場合、このユーザは、自分が所属していない取引先の取引先情報の閲覧等が可能となる不都合を生ずる。
【0224】
ここで、運営会社が1社で管理を行うことが困難であるため、各取引先にもユーザ管理権限を委託することを考える。しかし、ユーザ管理権限を無条件で取引先に委託すると、委託された取引先はユーザ管理権限に制限がないため、他の取引先のユーザまで管理が可能となる不都合を生ずる。また、委託された取引先は、無制限にユーザを登録できるため、年月の経過と共に在籍しないユーザが多く登録されている状態となり、セキュリティリスクが高くなる不都合を生ずる。このため、取引先に対して制限的なユーザ管理権限の委託を行う必要がある。
【0225】
このようなことから、実施の形態の管理装置1は、正規のユーザ権限を有する有効期限を示す有効期限情報を含むユーザ情報の登録又は編集を行うユーザ管理権限を、取引先に設定する。これにより、取引先毎にユーザ管理権限を委託することができ、管理装置1の運営会社が管理する電子商取引システムの管理コストを軽減できる。また、信用のある取引先に対してユーザ管理権限を委託できるため、管理コストの分散を安全に行うことができる。また、ユーザ管理権限を委託された取引先は、取引先自身でユーザ管理を行うことができるため、正確かつリアルタイムにユーザ管理を行うことができる。
【0226】
また、ユーザ管理権限は、各取引先の所望のユーザグループの管理者毎又は担当者毎に設定できる。これにより、所望のユーザグループの管理者又は担当者に対してユーザ管理権限を委託することができ、管理コストの細かな分散設定、及び、さらなる安全性の向上を図ることができる。
【0227】
また、新規に登録可能なユーザの登録数の上限を取引先毎に設定できるため、例えば取引先が無制限にユーザ登録を行うことで、年月の経過と共に在籍しないユーザが多く登録されている状態となり、セキュリティリスクが高くなる不都合を防止できる。
【0228】
また、取引先単位で、EDIシステムを利用する権限の「有効」又は「無効」を示すステータスを付して管理している。そして、取引先のステータスを「無効」とした場合には、この取引先に所属する各ユーザのユーザID有効期限を「有効期限切れ」に更新してEDIシステムを利用する権限を無効化する。これにより、取引先のステータスを「無効」とすることで、この取引先に所属する各ユーザの、EDIシステムを利用する権限も一括して無効化でき、管理コストをさらに軽減できる。また、運営会社のユーザ管理ミスが生じた場合でも、セキュリティリスクを軽減できる。
【0229】
また、実施の形態の管理装置1は、ログイン時のユーザIDに基づいて、EDIシステムにログインしたユーザがフロント環境導入企業である運営会社か取引先かをWebEDIユーザマスタ14から判断する(ユーザ権限を判断する)。そして、このユーザ権限に基づいて、入力項目の制御又は取得可能とするデータを制御する。これにより、EDIシステムを利用する多くのユーザに対して、正確かつ簡単に、各ユーザの権限に応じたデータの取り扱い制御を可能として、管理コストを軽減できる。
【0230】
具体的には、ログインしたユーザが取引先のユーザである場合、フロント環境のジョブで使用している入力項目を入力不可または非表示にする。これにより、各取引先に割り当てられた権限設定に応じて、データの開示等を制御できる。また、ログインしたユーザが運営会社の管理者のユーザである場合、フロント環境のジョブで使用している入力項目を自由に入力可能とし、又は、表示する。これにより、取引先の権限に限定されず、横断的に業務を可能とすることができる(全ての業務を可能とすることができる)。
【0231】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0232】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0233】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0234】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0235】
例えば、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0236】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0237】
また、管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0238】
例えば、管理装置1が備える処理機能、特に制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、各実施の形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3又は制御部43を構成する。
【0239】
また、この管理装置1の管理プログラムは、管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0240】
また、各実施の形態で説明した処理を実行するための管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0241】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0242】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0243】
また、管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0244】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0245】
本発明は、ネットワークを介して電子商取引を行う業種であれば、どのような業種にも適用可能である。
【符号の説明】
【0246】
1 運営会社の管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
8 ネットワーク
9 ネットワーク
11 WebEDI取引先分類マスタ
12 WebEDI取引先マスタ
13 WebEDIユーザグループマスタ
14 WebEDIユーザマスタ
15 得意先マスタ
16 商品マスタ
17 商品構成マスタ
18 得意先商品構成マスタ
19 得意先別対象倉庫マスタ
20 倉庫マスタ
21 通信制御部
22 ユーザ管理権限設定部
23 データ生成部
24 判別部
25 記憶制御部
26 表示画面生成部
27 ステータス設定部
28 検索部
55 得意先納入先マスタ
56 納入先マスタ
57 取引区分マスタ
58 表示対象取引区分マスタ
59 注文データ記憶領域
80 運営会社のバックヤード環境を構成する端末装置
81 通信インターフェース部
82 データ管理用の業務データの記憶部
90 運営会社のフロント環境とバックヤード環境を接続する連携ツール
100 得意先の端末装置
200 仕入先の端末装置