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2023-177527要員管理システム、方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177527
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】要員管理システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20231207BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090253
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャスワル サティシュ クマル
(72)【発明者】
【氏名】増田 峰義
(72)【発明者】
【氏名】水野 潤
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】職務に必要なスキルを備えた要員を確保する管理を可能にする。
【解決手段】
要員管理システムであって、管理情報およびソフトウェアプログラムを格納する記憶装置と、管理情報を参照し、ソフトウェアプログラムを実行するプロセッサと、を有する。管理情報は、職務毎に当該職務を実施すべき日時および当該職務に要するスキルを表す職務情報と、職務毎に当該職務を実際に実施した日時および当該職務の実施結果を記録した職務実績情報と、スキル毎に当該スキルを持った要員の必要な人数を表すスキル情報と、要員毎に当該要員が持っているスキルを表す要員情報とを含む。プロセッサは、管理情報に基づいて、要員が不足しているスキルである不足スキルを特定し、当該不足スキルのOJT計画を作成し、不足スキルに関する職務の実施結果および/または不足スキルを持った要員の人数を、OJTを実施する前と後とで比較する。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキルを要する職務を実施する要員を管理する要員管理システムであって、
管理情報およびソフトウェアプログラムを格納する記憶装置と、
前記管理情報を参照し、前記ソフトウェアプログラムを実行するプロセッサと、を有し、
前記管理情報は、職務毎に当該職務を実施すべき日時および当該職務に要するスキルを表す職務情報と、職務毎に当該職務を実際に実施した日時および当該職務の実施結果を記録した職務実績情報と、スキル毎に当該スキルを持った要員の必要な人数を表すスキル情報と、要員毎に当該要員が持っているスキルを表す要員情報とを含み、
前記プロセッサは、前記管理情報に基づいて、要員が不足しているスキルである不足スキルを特定し、トレーニーとトレーナーと職務とを定め該トレーナーと該トレーニーとで該職務を実施することにより該トレーニーに前記不足スキルを身に付けさせるOJTを定めたOJT計画を作成し、前記不足スキルに関する職務の実施結果および/または前記不足スキルを持った要員の人数を、前記OJTを実施する前と後とで比較する、
要員管理システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
スキル毎に、前記要員情報における当該スキルを持った要員の人数と前記職務情報における当該スキルを要する職務の数とに基づく職務に対する要員の不足の度合いと、前記職務情報における当該スキルを要する職務を実施すべき日時と前記職務実績情報における前記職務を実際に実施した日時とに基づく実施が遅れた割当の度合いと、前記要員情報における当該スキルを持った要員の不足の度合いと、当該スキルを要する職務に要員により実施されてからの経過期間と、の少なくとも1つに基づいて、前記不足スキルを特定する、
請求項1に記載の要員管理システム。
【請求項3】
前記要員情報は、要員が持っているスキルの種類およびレベルを判断可能にする情報であり、
前記職務情報は、職務に要するスキルの種類およびレベルを判断可能にする情報であり、
前記プロセッサは、前記要員情報および前記職務情報を参照し、前記不足スキルと同じ種類のスキルを持つが、該スキルのレベルが職務に要するレベルよりも低い要員を前記トレーニーとする、
請求項1に記載の要員管理システム。
【請求項4】
前記職務情報は、当該職務が手動で実施される職務か否かと、当該職務が定期的に繰り返し実施される職務か否かと、当該職務が繰り返し実施される周期と、を判断可能な情報であり、
前記プロセッサは、手動で実施され定期的に繰り返し実施される職務を前記OJTの対象とし、該対象のうち前記周期が短い方から優先的に前記OJTに割り当てる、
請求項1に記載の要員管理システム。
【請求項5】
前記職務情報は、当該職務に要する所要時間を判断可能な情報であり、
前記プロセッサは、前記OJTの職務について当該職務の所要時間に所定のマージン時間を加算した時間を前記OJTに割り当てる、
請求項1に記載の要員管理システム。
【請求項6】
前記管理情報は、職務毎に当該職務を実施する要員および日時を表す割当情報を更に有し、
前記プロセッサは、前記要員情報および前記割当情報を参照し、前記OJTの職務に要するスキルを当該職務に要するレベルで有し、前記OJTに割り当てた時間に他の職務が割り当てられていない要員を前記OJTのトレーナーに定める、
請求項5に記載の要員管理システム。
【請求項7】
前記不足スキルに関する職務の実施結果には、前記職務を実際に実施した日時が前記不足スキルを要する職務を実施すべき日時よりも遅れた割当ミスマッチと、前記職務の実施に要した職務完了時間と、前記職務の実施にて発生したオペレーションミス回数と、の少なくとも1つが含まれる、
請求項1に記載の要員管理システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記不足スキルに関する職務の実施結果および/または前記不足スキルを持った要員の人数について、前記OJTを実施する前と後とで比較を可能にする画面を表示する、
請求項1に記載の要員管理システム。
【請求項9】
スキルを要する職務を実施する要員を管理する要員管理システムであって、管理情報およびソフトウェアプログラムを格納する記憶装置と、前記管理情報を参照し、前記ソフトウェアプログラムを実行するプロセッサと、を有し、前記管理情報は、職務毎に当該職務を実施すべき日時および当該職務に要するスキルを表す職務情報と、職務毎に当該職務を実際に実施した日時および当該職務の実施結果を記録した職務実績情報と、スキル毎に当該スキルを持った要員の必要な人数を表すスキル情報と、要員毎に当該要員が持っているスキルを表す要員情報とを含む、コンピュータにおける、前記プロセッサが、
前記管理情報に基づいて、要員が不足しているスキルである不足スキルを特定し、
トレーニーとトレーナーと職務とを定め該トレーナーと該トレーニーとで該職務を実施することにより該トレーニーに前記不足スキルを身に付けさせるOJTを定めたOJT計画を作成し、
前記不足スキルに関する職務の実施結果および/または前記不足スキルを持った要員の人数を、前記OJTを実施する前と後とで比較する、
ことを実行する要員管理方法。
【請求項10】
スキルを要する職務を実施する要員を管理する要員管理システムであって、管理情報およびソフトウェアプログラムを格納する記憶装置と、前記管理情報を参照し、前記ソフトウェアプログラムを実行するプロセッサと、を有し、前記管理情報は、職務毎に当該職務を実施すべき日時および当該職務に要するスキルを表す職務情報と、職務毎に当該職務を実際に実施した日時および当該職務の実施結果を記録した職務実績情報と、スキル毎に当該スキルを持った要員の必要な人数を表すスキル情報と、要員毎に当該要員が持っているスキルを表す要員情報とを含む、コンピュータにおける、前記プロセッサに、
前記管理情報に基づいて、要員が不足しているスキルである不足スキルを特定し、
トレーニーとトレーナーと職務とを定め該トレーナーと該トレーニーとで該職務を実施することにより該トレーニーに前記不足スキルを身に付けさせるOJTを定めたOJT計画を作成し、
前記不足スキルに関する職務の実施結果および/または前記不足スキルを持った要員の人数を、前記OJTを実施する前と後とで比較する、
ことを実行させるための要員管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、職務を遂行する要員を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、職務を要するイベントに要員を割り当てるとともに、その職務に必要なスキルを持った要員を育成するシステムが開示されている。特許文献1の担当者割当装置は、情報システムにて職務を要するイベントが発生したときに、そのイベントに対応するための必要なスキルの高い要員と、そのスキルを向上させるべき要員とを、そのイベントに対応する要員として割り当てる。必要なスキルの高い要員を教育者とし、必要なスキルを向上させるべき要員を教育対象者として、イベントに対応する中で教育対象者のスキルの向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-302571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手法では、各要員の個々のスキル向上のために有益と考えられるが、組織全体として、各職務に必要なスキルを備えている要員が十分足りているのか不足しているか分からない。また、様々な職務に様々なスキルが求められるが、どのスキルを教育の対象とするのが適切であるかを知ることができない。そのため、適切なスキルを有する十分な人数の要員を維持することが容易でなかった。
【0005】
本開示に含まれるひとつの目的は、職務に必要なスキルを備えた要員を確保するような管理を可能にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に含まれるひとつの態様による要員管理システムは、スキルを要する職務を実施する要員を管理する要員管理システムであって、管理情報およびソフトウェアプログラムを格納する記憶装置と、管理情報を参照し、ソフトウェアプログラムを実行するプロセッサと、を有する。管理情報は、職務毎に当該職務を実施すべき日時および当該職務に要するスキルを表す職務情報と、職務毎に当該職務を実際に実施した日時および当該職務の実施結果を記録した職務実績情報と、スキル毎に当該スキルを持った要員の必要な人数を表すスキル情報と、要員毎に当該要員が持っているスキルを表す要員情報とを含む。プロセッサは、管理情報に基づいて、要員が不足しているスキルである不足スキルを特定し、トレーニーとトレーナーと職務とを定めそのトレーナーとそのトレーニーとでその職務を実施することによりトレーニーに不足スキルを身に付けさせるOJTを定めたOJT計画を作成し、不足スキルに関する職務の実施結果および/または不足スキルを持った要員の人数を、OJTを実施する前と後とで比較する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のひとつの態様によれば、職務に必要なスキルを備えた要員を確保するような管理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態による全体システムを示すブロック図である。
図2】OJT職務割当サーバのブロック図である。
図3】職務テーブルを示す図である。
図4】スキルテーブルを示す図である。
図5】要員テーブルを示す図である。
図6】シフトテーブルを示す図である。
図7】割当テーブルを示す図である。
図8】職務実績テーブルを示す図である。
図9】不足スキルテーブルを示す図である。
図10】スキル選択GUIを示す図である。
図11】OJT計画作成GUIを示す図である。
図12】OJT計画テーブルを示す図である。
図13】OJT割当テーブルを示す図である。
図14】OJT計画確認GUIを示す図である。
図15】OJT評価テーブルを示す図である。
図16】OJT評価GUIを示す図である。
図17】職務割当プログラムによる処理のフローチャートである。
図18】OJT計画プログラムによる処理のフローチャートである。
図19】不足スキル決定モジュールの処理のフローチャートである。
図20】OJT職務割当モジュールの処理のフローチャートである。
図21】トレーニー選択モジュールの処理のフローチャートである。
図22】OJT職務割当モジュール2の処理のフローチャートである。
図23】OJT評価モジュールの処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では企業において業務および従業員を管理するための全体システムを例示する。企業の業務には様々な職務が含まれる。
【0010】
図1は、本実施形態による全体システムを示すブロック図である。図1を参照すると、情報システム101、情報システム管理サーバ102、OJT職務割当サーバ103、および端末装置105がネットワーク103経由で相互に接続されている。ネットワーク103は、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)などの有線あるいは無線の通信ネットワークである。
【0011】
情報システム101は、業務を実行するためコンピュータシステムである。企業の業務には様々な職務がある。企業には、各職務を分担して実施する要員を含む多数の従業員がいる。各要員はそれぞれに有するスキルおよびそのレベルに応じた職務を担当する。
【0012】
情報システム管理サーバ102は、情報システム101を管理するためのサーバ装置である。情報システム管理サーバ102には、情報システム101のハードウェアおよびソフトウェアの構成情報が格納されている。情報システム101の管理者は、情報システム管理サーバ102を用いて情報システム101の運用および保守を行う。情報システム管理サーバ102には情報システム101の運用および保守のログが蓄積される。
【0013】
OJT職務割当サーバ103は、必要なスキルを持った要員を必要な人数確保するために、要員が不足しているスキル(以下「不足スキル」ともいう)を特定し、不足スキルを持った要員を育成するためのOJT(On the Job Training)を計画し、実施されたOJTの結果を評価するためのコンピュータシステムである。OJT職務割当サーバ103の構成および動作の詳細は後述する。
【0014】
端末装置105は、従業員が業務に用いるコンピュータである。職務を割り当てられた要員はこの端末装置105を用いて職務を実施する。また、情報システム101の管理者は端末装置105から情報システム管理サーバ102を利用して情報システム101の運用および保守を行う。また、職務および要員を管理する管理者は端末装置105からOJT職務割当サーバ104を利用して、職務への要員の割り当て、不足スキルを持った要員を育成するためのOJTの計画および評価を行う。
【0015】
図2は、OJT職務割当サーバのブロック図である。OJT職務割当サーバ104は、ネットワークインタフェース201、プロセッサ202、入出力装置インタフェース203、メモリ204、およびローカルディスク205を備えたコンピュータで構成されている。ローカルディスク205には、管理情報として、職務テーブル20501、スキルテーブル20502、要員テーブル20503、シフトテーブル20504、割当テーブル20505、職務実績テーブル20506、不足スキルテーブル20507、OJT計画テーブル2058、OJT割当テーブル20509、およびOJT評価テーブル20510が格納される。また、ローカルディスク205には、ソフトウェアプログラムとして、職務割当プログラム20512、およびOJT計画プログラム20513が格納される。
【0016】
ネットワークインタフェース201は、OJT職務割当サーバ104がネットワーク103経由で他のコンピュータとデータの送受信を行うためのインタフェース装置である。プロセッサ202は、メモリ204を利用してソフトウェアプログラムを実行する処理装置である。入出力装置インタフェース203は、キーボード、マウス、ディスプレイなどの入出力装置と接続し、データの入出力を可能にするインタフェース装置である。
【0017】
プロセッサ202がローカルディスク205上の管理情報を用いてソフトウェアプログラムを実行することによりOJT職務割当サーバ104の各種処理が実現される。OJT職務割当サーバ104の各種処理の詳細は後述する。
【0018】
図3は、職務テーブルを示す図である。
【0019】
職務テーブル20501は、職務毎に当該職務に関する情報が格納されるテーブルである。職務テーブル20501には、各行のレコードに、職務ID、職務モード、職務パターン、職務名、期限、所要時間(分)、希望開始日時、スキルセット、およびOJTフラグが互いに対応づけて記録される。
【0020】
職務IDは、当該職務を識別するための識別情報である。
【0021】
職務モードは、当該職務が要員が手動で操作して実施する職務か、情報システム101が自動で実行する職務かを示す情報である。
【0022】
職務パターンは、当該職務が定期的に繰り返し実施される職務か、不定期に実施される職務かを示す情報である。
【0023】
職務名は、当該職務の名称である。
【0024】
期限は、当該職務を実施する期限を示す情報である。一例として、定期的に実施される職務の期限は初回日時と周期を含むCRONタブにより表される。また一例として、不定期に実施される職務の期限は日時により表される。
【0025】
所要時間(分)は、当該職務の所要時間を分で示す情報である。一例として、標準的な所要時間と、その時間の前後に許容される時間幅とにより示される。
【0026】
希望開始日時は、当該職務を開始すべき日時を示す情報である。一例として、定期的に実施される職務の希望開始日時は初回日時と周期を含むCRONタブにより表される。また一例として、不定期に実施される職務の希望開始日時は日時により表される。
【0027】
スキルセットは、当該職務に要するスキルを示す情報である。当該職務に要するスキルは1つであってもよいし、複数であってもよい。スキルはスキルの識別情報により表される。当該職務に要するスキルは、スキルの種類とレベルとにより示されてもよい。自動で実施される職務は、要員を要しないのでそのスキルも要しない。
【0028】
OJTフラグは、当該職務がOJTに割り当ててよい職務か否かを示す情報である。TrueはOJTに割り当ててよいことを意味し、FalseはOJTに割り当ててはいけないことを意味する。例えば、重要な職務はOJTに割り当てないことにしてもよい。図3の例では、職務IDがTMI10002の職務は、セキュリティパッチを適用する重要な職務なので、OJTを割り当てないものとされている。また、NAは、OJTが実施できない職務を意味する。自動で実施される職務はOJTが実施できないのでNAとされる。
【0029】
図4は、スキルテーブルを示す図である。
【0030】
スキルテーブル20502は、スキル毎に当該スキルに関する情報を示すテーブルである。スキルテーブル20502には、各行のレコードに、スキルID、スキル名、スキルレベル、必要最小限要員数、および能力詳細が互いに対応づけて記録される。
【0031】
スキルIDは、当該スキルを識別するための識別情報である。
【0032】
スキル名は、当該スキルの名称であり、スキルの種類を示す。
【0033】
スキルレベルは、当該スキルのレベルを示す情報である。
【0034】
必要最小限要員数は、当該スキルを持った要員の必要最小限の人数を示す情報である。
【0035】
能力詳細は、当該スキルの詳細を示す情報である。
【0036】
図5は、要員テーブルを示す図である。
【0037】
要員テーブル20503は、要員毎に当該要員に関する情報を示すテーブルである。要員テーブル20503には、各行のレコードに、要員ID、氏名、およびスキルセットが互いに対応づけて記録される。
【0038】
要員IDは、当該要員を識別するための識別情報である。
【0039】
氏名は、当該要員の氏名である。
【0040】
スキルセットは、当該要員の有するスキルを示す情報である。当該要員の有するスキルは1つであってもよいし、複数であってもよい。スキルはスキルの識別情報により表される。当該要員の有するスキルは、スキルの種類とレベルとにより示されてもよい。
【0041】
図6は、シフトテーブルを示す図である。
【0042】
シフトテーブル20504は、各要員が勤務する時間帯を示す情報である。シフトテーブル20504には、各行のレコードに、シフトID、要員ID、シフト開始日時、およびシフト終了日時が互いに対応づけて格納されている。
【0043】
シフトIDは、勤務の開始から終了までに単位毎に当該単位を識別するための識別情報である。当該単位をシフトという場合がある。
【0044】
要員IDは、当該シフトに勤務する要員を識別するための識別情報である。
【0045】
シフト開始日時は、当該シフトにおける勤務を開始する日時を示す情報である。
【0046】
シフト終了日時は、当該シフトにおける勤務を終了する日時を示す情報である。
【0047】
図7は、割当テーブルを示す図である。
【0048】
割当テーブル20505は、これから実施される職務について、職務の実施予定毎に当該職務の実施予定に関する情報を記録するテーブルである。割当テーブル20505には、各行のレコードに、当該職務の実施予定について、割当ID、職務ID、要員IDリスト、OJTフラグ、開始日時、および終了日時が互いに対応づけて格納されている。
【0049】
割当IDは、当該職務の実施予定を識別するための識別情報である。
【0050】
職務IDは、当該職務を識別するための識別情報である。
【0051】
要員IDリストは、当該職務を実施する要員を識別するための識別情報である。
【0052】
OJTフラグは、当該職務の実施予定がOJTに割り当てられているか否かを示すフラグである。TrueはOJTに割り当てられていることを意味し、FalseはOJTに割り当られていないことを意味する。
【0053】
開始日時は、当該職務を開始する予定の日時を示す情報である。
【0054】
終了日時は、当該職務を終了する予定の日時を示す情報である。
【0055】
図8は、職務実績テーブルを示す図である。
【0056】
職務実績テーブル20506は、実施された職務について、職務の実施毎に当該職務の実施の結果に関する情報を記録したテーブルである。職務実績テーブル20506には、各行のレコードに、職務記録ID、割当ID、開始日時、終了日時、所要時間(分)、およびオペレーションミス数が互いに対応づけて記録される。
【0057】
職務記録IDは、職務の実施実績を識別するための識別情報である。
【0058】
割当IDは、当該職務の実施実績に対応する職務の実施予定に付与されていた割当IDを示す情報である。
【0059】
開始日時は、当該職務を開始した実績の日時を示す情報である。
【0060】
終了日時は、当該職務を終了した実績の日時を示す情報である。
【0061】
所要時間(分)は、当該職務の実施に要した実績の時間を分で示す情報である。
【0062】
オペレーションミス数は、当該職務のじっしにおいて発生したオペレーションミスの個数を示す情報である。
【0063】
図9は、不足スキルテーブルを示す図である。
【0064】
不足スキルテーブル20507は、不足スキル毎に当該不足スキルに関する情報を記録したテーブルである。不足スキルテーブル20507には、各行のレコードに、スキルID、要員数、職務数、不足率(職務数/要員数)、割当ミスマッチ数、割当ミスマッチ遅延時間合計(分)、必要最小限要員数、および直近割当(…日前)が互いに対応づけて記録されている。
【0065】
スキルIDは、当該不足スキルを識別するための識別情報である。
【0066】
要員数は、当該不足スキルを持った要員の人数を示す情報である。
【0067】
職務数は、当該不足スキルを要する職務の個数である。
【0068】
不足率(職務数/要員数)は、当該不足スキルにおいてどの程度要員が不足しているかを示す情報である。不足率(職務数/要員数)は上記職務数を上記要員数で除算することにより算出される。不足率の値が大きいほど、要員の不足の度合いが高いことを示す。
【0069】
割当ミスマッチ数は、当該不足スキルを要する職務において、職務テーブル20501に設定された希望開始日時を、割当テーブル20505における開始日時とする職務の実施予定が作成できなかった回数を示す情報である。以下、希望開始日時を開始日時とする職務の実施予定が作成できなかったことを割当ミスマッチという場合がある。
【0070】
割当ミスマッチ遅延時間合計(分)は、当該不足スキルについての割当ミスマッチにより開始日時が遅れた時間の合計値を分で示す情報である。
【0071】
必要最小限要員数は、当該不足スキルを有する要員の必要最小限の人数である。
【0072】
直近割当(…日前)は、当該不足スキルを要する職務が要員に割り当てられ実施された直近の日の日付が本日から遡って何日目であるかを示す情報である。例えば、職務が自動化され、要員に割り当てられる頻度が低下すると、その職務に要するスキルの直近割当(…日前)の値が大きくなる。
【0073】
図10は、スキル選択GUIを示す図である。GUIはGraphical User Interfaceに略である。
【0074】
スキル選択GUI UI01は、管理者がOJTにより要員を育成するスキルを選択するための画面である。
【0075】
本実施形態では、OJT職務割当サーバ103はスキル選択GUI UI01によって管理者に提示し、OJTにより要員を育成するスキルの決定を促す。管理者がいずれか1つ以上の不足スキルのチェックボックスにチェックを入力し、OKボタンを押下すると、その不足スキルがOJTの対象として確定される。
【0076】
図11は、OJT計画作成GUIを示す図である。
【0077】
OJT計画作成GUI UI02は、管理者がOJTのパラメータを入力するための画面である。パラメータには、一例として、育成すべきトレーニーの人数、トレーニーに経験させる職務の個数、トレーニーに職務を経験させる回数、が含まれる。
【0078】
図12は、OJT計画テーブルを示す図である。
【0079】
OJT計画テーブルを示す図である。
【0080】
OJT計画テーブル20508は、OJT計画に関する情報が登録されるテーブルである。OJT計画テーブル20508には、各行のレコードに、OJT計画ID、スキルID、トレーニー数、職務数、回数、登録日時、開始日時、終了日時、およびステータスが互いに対応づけて登録される。
【0081】
OJT計画IDは、OJT計画を識別するための識別情報である。
【0082】
スキルIDは、当該OJT計画において要員を育成するスキルを識別するための識別情報である。
【0083】
トレーニー数は、当該OJT計画において、スキルを持った要員として育成するトレーニーの人数を示す情報である。
【0084】
職務数は、当該OJT計画のOJTにおいてトレーニーに経験させる職務の個数を示す情報である。
【0085】
回数は、当該OJT計画のOJTにおいてトレーニーに各職務を経験させる回数を示す情報である。
【0086】
登録日時は、当該OJT計画が登録された日時を示す情報である。
【0087】
開始日時は、当該OJT計画によるOJTを開始する日時を示す情報である。
【0088】
終了日時は、当該OJT計画によるOJTを終了する日時を示す情報である。
【0089】
ステータスは、当該OJT計画によるOJTの状態を示す情報である。ステータスには、登録済み、進行中、完了、評価済みの各状態がある。登録済みは、OJT計画が登録されOJTが開始されていない状態である。進行中は、当該OJT計画のOJTが開始され終了していない状態である。完了は、当該OJT計画のOJTが終了し結果が評価されていない状態である。評価済みは、当該OJT計画のOJTの結果が評価された状態である。
【0090】
図13は、OJT割当テーブルを示す図である。
【0091】
OJT割当テーブル20509は、OJT計画に含まれる各OJTに関する情報が登録されるテーブルである。トレーニーおよび職務毎に1つの単位のOJTが定められる。すなわち、1人のトレーニーに1つの職務を必要な回数だけ経験させることが1単位のOJTとなる。OJT割当テーブル20509には、OJT毎に、OJT割当ID、OJT計画ID、スキルID、トレーニーID、職務ID、および割当が互いに対応づけて登録される。
【0092】
OJT割当IDは、当該OJTを識別するための識別情報である。
【0093】
OJT計画IDは、当該OJTを含むOJT計画を識別するための識別情報である。
【0094】
スキルIDは、当該OJTにて要員を育成するスキルを識別するための識別情報である。
【0095】
トレーニーIDは、当該OJTにて育成するトレーニーを識別するための識別情報である。
【0096】
職務IDは、当該OJTにてトレーニーに経験させる職務を識別するための識別情報である。
【0097】
割当は、当該OJTにおける職務の開始日時、終了日時、およびトレーナーの割当情報である。例えば、1人のトレーニーに同じ職務を2回経験させるOJTの場合、開始日時、終了日時、およびトレーナーの割当情報が2セット登録される。
【0098】
図14は、OJT計画確認GUIを示す図である。
【0099】
OJT計画確認GUI UI03は、管理者が作成したOJT計画を確認するための画面である。
【0100】
本実施形態では、管理者がOJT計画確認GUI UI03上でOJT計画に含まれる各OJTの内容を確認し、OKボタンを押下すると、OJTの職務に対するトレーナーおよびトレーニーの割当が確定される。
【0101】
図15は、OJT評価テーブルを示す図である。
【0102】
OJT評価テーブル20510は、OJT計画によるOJTの評価が記録されるテーブルである。OJT評価テーブル20510には、各行のレコードに、OJT計画およびスキル毎に、OJT計画ID、スキルID、OJT前と後の割当ミスマッチ、OJT前と後の要員数、OJT前と後の職務完了時間(分)、およびOJT前と後のオペレーションミス数が互いに対応づけて記録されている。
【0103】
OJT計画IDは、当該OJT計画を識別するための識別情報である。
【0104】
スキルIDは、当該スキルを識別するための識別情報である。
【0105】
OJT前と後の割当ミスマッチは、当該OJTおよび当該スキルについてOJTを実施する前と後の割当ミスマッチの回数を示す情報である。
【0106】
OJT前と後の要員数は、当該OJTおよび当該スキルについてOJTを実施する前と後の要員数を示す情報である。
【0107】
OJT前と後の職務完了時間(分)は、当該OJTおよび当該スキルについてOJTを実施する前と後の職務完了時間の平均値および標準偏差を分で示す情報である。
【0108】
OJT前と後のオペレーションミス数は、当該OJTおよび当該スキルについてOJTを実施する前と後のオペレーションミスの回数を示す情報である。
【0109】
図16は、OJT評価GUIを示す図である。
【0110】
OJT評価GUI UI04は、管理者が作成したOJT計画のOJTの結果を評価するための画面である。本実施形態では、管理者が選択したOJTに関する、OJT前と後の割当ミスマッチ、OJT前と後の要員数、OJT前と後の職務完了時間(分)、およびOJT前と後のオペレーションミス数がグラフで表示される。
【0111】
図17は、職務割当プログラムによる処理のフローチャートである。図18~23は、OJT計画プログラムによる処理のフローチャートである。OJT計画プログラム20513による処理にはOJT計画を作成する処理とOJTの結果を評価する処理とが含まれている。OJT計画プログラム20513によるOJT計画を作成する処理の後に職務割当プログラム20512による職務を割り当てる処理が行われる。そして実際にOJTが実施された後にOJT計画プログラム20513によるOJTの結果を評価するプログラムによる処理が行われる。
【0112】
上述したように、図17に示す職務割当プログラム20512の処理の前にOJT計画が作成されているので、職務割当プログラム20512の処理では、まずOJT計画にて定められた職務への要員等の割り当てを反映した後に、残りの職務に要員の割り当てを行うことになる。
【0113】
図17を参照すると、ステップS101にて、プロセッサ202は、管理者による操作に基づいて、職務の割り当てを行うスケジューリング期間の開始日時Sと終了日時Eを入力する。次に、ステップS102にて、プロセッサ202は、職務テーブル20501から期限が期間[S,E]の間にある全ての手動の職務を取得し、取得した職務のリストL1を作成する。次に、ステップS103にて、プロセッサ202は、OJT計画テーブル20508およびOJT割当テーブル20509を参照することにより、ステータスが「進行中」である全てのOJT計画の職務および割当を取得し、それらのリストL2を作成する。次に、ステップS103にて、プロセッサ202は、リストL2から、「開始日時」≧Sかつ「終了日時」≦Eである割当のみを選択し、選択された割当のリストL3を作成する。
【0114】
続いて、プロセッサ202は、以下のステップS106~S108の処理をリストL3の全ての割り当ての分だけ繰り返す(ステップS105)。
【0115】
ステップS106にて、プロセッサ202は、割当テーブル20505にエントリを作成し、OJTフラグを「true」に設定する。更に、プロセッサ202は、OJT割当テーブル20509を参照し、OJTのトレーニーとトレーナーの要員IDを当該エントリの「要員IDリスト」に設定する。このOJTの割当によりトレーナーおよびトレーニーは利用不可となるので、ステップS107にて、プロセッサ202は、その利用不可の制約を設定する。更に、ステップS108にて、プロセッサ202は、当該職務をリストL1から削除する。
【0116】
ステップS106~S108の処理がリストL3の全ての割り当てに対して終了すると、ステップS109にて、プロセッサ202は、OJTの割り当てにより設定された制約を考慮しつつ、リストL1の残りの全ての職務に対して要員を割り当てを行う。
【0117】
図18は、OJT計画プログラムによる処理のフローチャートである。
【0118】
ステップS201にて、プロセッサ202は、OJT計画の開始画面(不図示)を表示し、管理者からの入力を受け付ける。開始画面には、OJT計画を開始するための「P」ボタン、OJT計画の評価を開始するための「E」ボタン、作業を終了するための「X」ボタンがある。
【0119】
ステップS202にて、プロセッサ202は、「P」が押下されたか否か判定する。「P」が押下されたら、ステップS205にて、プロセッサ202は、不足スキル決定モジュールの処理を実行する。不足スキル決定モジュールの処理は不足スキルテーブル20507を作成する処理である。
【0120】
図19は、不足スキル決定モジュールの処理のフローチャートである。
【0121】
ステップS301にて、プロセッサ202は、スキルテーブル20502から、スキルIDのリストL11を取得する。続いて、プロセッサ202は、以下のステップS303~S312の処理をリストL11の全てのスキルIDの分だけ繰り返す(ステップS302)。
【0122】
ステップS303にて、プロセッサ202は、要員テーブル20503において当該スキルを持った要員の数をカウントし、その数を不足スキルテーブル20507の「要員数」に設定する。
【0123】
次に、ステップS304にて、プロセッサ202は、割当テーブル20505において、開始日時が期間[now()-56日,now()]にあり、職務のスキルセットにOJTのスキルが含まれており、OJTフラグが「false」であるユニークな職務を持つ割当の数をカウントする。now()は現在の日時である。ここで、56日すなわち8週間は一例であり、他の期間を用いてもよい。ここでは当該スキルを要する職務の数をカウントしていることになる。そして、プロセッサ202は、カウント結果である職務の割当の数を不足スキルテーブル20507の「職務数」に設定する。
【0124】
次に、ステップS305にて、プロセッサ202は、職務数/要員数を算出し、不足スキルテーブル20507の不足率として設定する。
【0125】
次に、ステップS306にて、プロセッサ202は、割当テーブル20505を参照し、開始日時が期間[now()-56日,now()]にあり、職務のスキルセットにOJTの対象の当該スキルが含まれ、OJTフラグが「false」である全ての割当を取得し、それらのリストL12を作成する。
【0126】
次に、ステップS307にて、プロセッサ202は、リストL12から、割当テーブル20505の開始日時が職務テーブル20501の希望開始日時よりも遅い割当のみを選択し、それらのリストL13を作成する。ここで作成されるリストL13は、割当ミスマッチの生じた割当のリストである。次に、ステップS308にて、プロセッサ202は、不足スキルテーブル20507における「割当ミスマッチ数」をリストL13のサイズに設定する。
【0127】
次に、ステップS309にて、プロセッサ202は、リストL13にあるの割当の(割当テーブル20505の開始日時-職務テーブル20501の希望開始日時)の合計値を算出する。そして、プロセッサ202は、算出した合計値を不足スキルテーブル20507の「割当ミスマッチ遅延時間合計(分)」に設定する。
【0128】
次に、ステップS310にて、プロセッサ202は、スキルテーブル20502の「必要最小限要員数」を参照することにより、不足スキルテーブル20507の「必要最小限要員数」を設定する。
【0129】
次に、ステップS311にて、プロセッサ202は、割当テーブル20505から、職務のスキルセットにOJTの当該スキルが含まれている直近の割当Aを取得する。さらに、ステップS312にて、プロセッサ202は、(now()-割当Aの開始日時)を日数で計算し、その日数を不足スキルテーブル20507の「直近割当(日前)」に設定する。
【0130】
図18に戻り、次に、ステップS206にて、プロセッサ202は、不足スキルテーブル20507から、「不足率」>1または「割当ミスマッチ数」>0または「直近割当(日前)」>35または「要員数」<「必要最小限要員数」である全てのスキルを選択することにより、スキルのリストL2を作成する。
【0131】
次に、ステップS207にて、プロセッサ202は、スキル選択GUI UI01を用いてリストL2を管理者に表示し、OJTに含めるスキルの選択を促す。図10に示したように、管理者は、スキル選択GUIUI01に表示された各種の測定値に基づいてOJTに含めるスキルのチェックボックスにチェックを入れて、「OK」ボタンを押下する。
【0132】
図10の例では、4つのスキルが表示されている。スキルIDがS000102のスキルは、割り当てミスマッチ数が4であるため表示されている。スキルIDがS000203のスキルは、不足率が1.33であるため表示されている。スキルIDがS000302のスキルは、要員数が20人で必要最小限要員数の25人よりも少ないため表示されている。スキルIDがS000402のスキルは、直近割当が40日前で基準の35日よりも長く、長期間にわたり当該スキルを要する職務を実施した要員がいないため表示されている。なお、基準の35日は一例であり、他の日数であってもよい。ここではスキルIDがS000102のスキルがOJTの対象として選択されている。
【0133】
次に、ステップS208にて、プロセッサ202は、OJT計画生成GUI UI02を用いて、ステップS207で選択されたスキル毎に「トレーニー数」、「職務数」、および「回数」を入力するように管理者に依頼する。図11に示したように、OJT計画生成GUI UI02には、「トレーニー数」、「職務数」、および「回数」のそれぞれに入力欄がある。ここでは、トレーニー数、職務数、および回数にそれぞれ2が入力されている。
【0134】
次に、ステップS209にて、プロセッサ202は、ステップS208にて正常な値が入力されているかどうか確認する。具体的には、1≦「トレーニー数」≦「不足スキルテーブル20507の要員数」であり、1≦「職務数」≦「スキルセットに選択されたスキルを有し職務テーブル20501においてOJTフラグが「true」に設定された手動で定期の職務の数」であれば正常と判断する。異常な値が入力されていれば、プロセッサ202は、ステップS208に戻る。
【0135】
ステップS209にて正常な値が入力されたと判定すると、次に、ステップS210にて、プロセッサ202は、管理者による確認の経て、データをOJT計画テーブル20508に、新たなOJT計画IDを付与したエントリを作成し、当該エントリのスキルIDにS000102を設定し、トレーニー数に2を設定し、職務数に2を設定し、回数に2を設定し、登録日時に現在の日時を設定し、ステータスに「登録済」を設定する。
【0136】
次に、ステップS211にて、プロセッサ202は、OJT職務割当モジュールの処理を実行する。OJT職務割当モジュールの処理は、OJTで育成対象となるトレーニー、OJTに利用する職務、OJTで指導者となるトレーナーを決定する処理である。言い換えると、OJT職務割当モジュールの処理は、図13に示したOJT割当テーブル20509を作成する処理である。
【0137】
図20は、OJT職務割当モジュールの処理のフローチャートである。
【0138】
ステップS401にて、プロセッサ202は、OJT計画テーブル20508から、ステータスが「登録済み」のOJT計画のリストL31を取得する。
【0139】
続いて、プロセッサ202は、以下のステップS403~S415の処理をリストL31の全てのOJT計画の分だけ繰り返す(ステップS402)。
【0140】
ステップS403にて、プロセッサ202は、リストL31から未処理のOJT計画を1つ抽出する。次に、ステップS404にて、プロセッサ202は、トレーニー選択モジュールの処理を実行する。トレーニー選択モジュールの処理は、OJTによって育成するトレーニーを選択する処理である。
【0141】
図21は、トレーニー選択モジュールの処理のフローチャートである。
【0142】
ステップS601にて、プロセッサ202は、要員テーブル20503から、当該OJT計画の対象のスキルと同じスキルを持つがそのスキルのレベルが当該OJT計画で育成すべきレベルより低い要員のリストL321を取得する。次に、ステップS602にて、プロセッサ202は、リストL321の要員をスキルのレベルの降順でソートする。
【0143】
次に、ステップS603にて、プロセッサ202は、リストL321内の要員数がOJT計画のトレーニー数以上であるか否か判定する。リストL321内の要員数がOJT計画のトレーニー数以上であれば、ステップS604にて、プロセッサ202は、リストL321の先頭から「OJT計画のトレーニー数」分の要員をOJTの対象として選択して処理を終了する。
【0144】
リストL321内の要員数がOJT計画のトレーニー数よりも少なければ、ステップS605にて、プロセッサ202は、要員テーブル20503から当該OJT計画で育成すべきスキルを持たない要員を(「OJT計画のトレーニー数」-「リストL321の要員数」)の分だけ選択することにより、要員のリストL322を作成する。このとき要員の選択方法は特に限定されず、例えばランダムに選択してもよい。
【0145】
次に、ステップS606にて、プロセッサ202は、ソートされたリストL321にリストL322を追加することにより、OJTの対象とする要員を決定する。
【0146】
上述したように、トレーニー選択モジュールの処理においては、当該OJT計画の対象のスキルと同じスキルを持つがそのスキルのレベルが当該OJT計画で育成すべきレベルより低い要員を優先し、その中でもレベルの高い要員を優先して、OJTで育成するトレーニーとして選択している。これは当該OJT計画における所望のスキルを所望のレベルまで早期に達する要員を優先し、所望のスキルを所望のレベルで持った要員を迅速に育成することが可能となる。
【0147】
図20に戻り、ステップS405にて、プロセッサ202は、職務テーブル20501から、OJTフラグが「true」に設定されておりスキルセットに当該OJT計画のスキルが含まれている手動で定期の職務を抽出することにより、職務のリストL33を作成する。次に、ステップS406にて、プロセッサ202は、リストL33内の職務をその職務が繰り返される実施周期の昇順でソートする。
【0148】
次に、ステップS407にて、プロセッサ202は、リストL33が空か否か判定する。リストL33が空であれば、プロセッサ202は、ステップS403に戻る。
【0149】
リストL33が空でなければ、プロセッサ202は、次に、ステップS408にて、プロセッサ202は、リストL33内の職務数が、n(n=OJT計画のトレーニー数×OJT計画の職務数)以上であるか否か判定する。
【0150】
リストL33内の職務数がnよりも小さければ、次に、ステップS409にて、プロセッサ202は、職務テーブル20501から、OJTフラグが「true」に設定されておりスキルセットにOJT計画のスキルが含まれている手動で不定期の職務を選択して、リストL33に追加することにより、リストL33の職務数をnにする。
【0151】
続いて、プロセッサ202は、以下のステップS411~S414の処理を、リストL321のすべてのトレーニーの分だけ繰り返す(ステップS402)。
【0152】
ステップS411にて、プロセッサ202は、リストL33から次の「OJT計画の職務数」の個数の職務を順番に取得し、リストL34とする。
【0153】
続いて、プロセッサ202は、ステップS414の処理を、リストL34の各職務について当該OJT計画の「回数」の分だけ繰り返す。
【0154】
ステップS414は、OJT職務割当モジュールの処理である。OJT職務割当モジュールの処理は、OJTのトレーナーを決定する処理である。
【0155】
図22は、OJT職務割当モジュール2の処理のフローチャートである。
【0156】
ステップS701にて、プロセッサ202は、当該職務の次の開始日時を取得し、その日時を「Start」に設定する。次に、ステップS702にて、プロセッサ202は、「End」に、「Start」+当該職務の「所要時間(分)」+60分の日時をに設定し、(「Start」,「End」)を期間Iとする。
【0157】
次に、ステップS703にて、プロセッサ202は、トレーニーが既に期間Iに職務を割り当てられているか否か判定する。トレーニーが既に期間Iになんらかの職務を割り当てられていれば、当該トレーニーは期間IのOJTに参加できないので、プロセッサ202は、ステップS701戻り、更に次の開始日時を取得する。
【0158】
トレーニーが未だ期間Iに職務を割り当てられていなければ、ステップS704にて、プロセッサ202は、トレーニーについて、期間Iに割り当て可能または期間Iに対応するシフトが未立案か否かを確認する。トレーニーが期間Iに割り当て可能でも、期間Iに対応するシフトが未立案でもなければ、当該トレーニーは期間IのOJTに参加できないので、プロセッサ202は、ステップS701に戻り、当該職務の次の開始日時を取得する。
【0159】
トレーニーが期間Iに割り当て可能か、期間Iに対応するトレーニーのシフトが未立案であれば、次に、ステップS705にて、プロセッサ202は、(1)当該職務に要する全てのスキルを当該職務に要するレベルと同等以上のレベルで持ち、(2)期間Iに職務が割り当てられていない要員のリストL351を取得する。このリストL351の要員がトレーナーとなるスキルを持った要員である。次に、ステップS706にて、プロセッサ202はリストL351が空か否か判定する。リストL351が空であれば、プロセッサ202は、ステップS701に戻る。
【0160】
リストL351が空でなければ、次に、ステップS707にて、プロセッサ202は、リストL351から、期間Iに職務を割当可能であるか、または、期間Iに対応するシフトが未立案の要員を選択し、リストL352を作成する。このリストL352の要員が、期間IのOJTにトレーナーとして参加できる要員である。次に、ステップS706にて、プロセッサ202はリストL352が空か否か判定する。リストL352が空であれば、プロセッサ202は、ステップS701に戻る。
【0161】
リストL352が空でなければ、次に、ステップS709にて、プロセッサ202は、リストL352のいずれかの要員を当該OJTの「トレーナー」として選択する。つぎに、ステップS710にて、プロセッサ202は、当該職務を、当該トレーニーおよびと該トレーナーに、「Start」から「End」までの期間に割り当てたOJTのレコードを、OJT割当テーブル20509に追加する。
【0162】
図20に戻り、当該OJT計画についてのOJTの職務、トレーニー、およびトレーナーが決まったら、ステップS415にて、プロセッサ202は、OJT計画テーブル20508において、当該OJT計画の開始日と終了日に、それぞれ当該OJT計画による全てのOJTの割当の中で最も早い日付と最も遅い日付を設定し、ステータスを「進行中」に設定する。
【0163】
図18に戻り、ステップS211のOJT職務割当モジュールの処理が終了したので、次に、ステップS212にて、プロセッサ202は、OJT計画確認GUI UI03を用いて、管理者にOJT割当を表示する。図14に示したOJT計画確認GUI UI03の例では、2人のトレーニーに対して2つの職務を2回ずつ経験するような割当が行われている。
【0164】
以上でOJT計画の一連の処理が完了する。
【0165】
次に、OJTが行われた後の評価の処理について説明する。
【0166】
ステップS202にて、「P」が押下されていなければ、ステップS203にて、プロセッサ202は、「E」が押下されたか否か判定する。「E」が押下されたら、ステップS213にて、プロセッサ202は、OJT計画テーブル20508から、ステータスが「進行中」のOJT計画のリストL4を取得する。
【0167】
続いて、プロセッサ202は、ステップS215の処理をリストL4の全てのOJT計画について繰り返す(ステップS214)。
【0168】
ステップS215にて、プロセッサ202は、当該OJT計画のOJT計画テーブル20508におけるステータスを「完了」に設定する。更に、OJT割当テーブル20509の全ての割当が既に割当テーブル20505にあって終了している場合、トレーニーは、OJT計画で予定されたOJTを全て経験したので、所望のスキルを所望のレベルまで取得している。そこで、プロセッサ202は、要員テーブル20503の全てのトレーニーのスキルセットを更新する。
【0169】
次に、ステップS216にて、プロセッサ202は、OJT計画テーブル20508から、ステータスが「完了」となっているOJT計画のリストL5を取得する。
【0170】
続いて、プロセッサ202は、ステップS218のOJT評価モジュールの処理を、リストL5の全てのOJT計画について繰り返す(ステップS217)。
【0171】
図23は、OJT評価モジュールの処理のフローチャートである。
【0172】
ステップS501にて、プロセッサ202は、OJT計画テーブル20508から当該OJT計画の終了日Eを取得する。
【0173】
次に、ステップS502にて、プロセッサ202は、割当テーブル20505を参照し、終了日が期間[(E-56日),E]にあり、職務のスキルセットにOJTのスキルが含まれ、OJTフラグが「false」である全ての割り当てのリストL61を取得する。また、ステップS503にて、プロセッサ202は、割当テーブル20505を参照して、終了日が期間[E,(E+56日)]にあり、職務のスキルセットにOJTのスキルが含まれ、OJTフラグが「false」である全ての割り当てのリストL62を取得する。なお、ここで、56日すなわち8週間は、評価対象期間の一例であり、他の期間を用いてもよい。
【0174】
次に、ステップS504にて、プロセッサ202は、リストL61とL62のそれぞれから、割当テーブル20505の開始日時が職務テーブル20501の希望開始日時よりも遅い割り当てのみを選択し、それぞれリストL63とL64を取得する。
【0175】
次に、ステップS505にて、プロセッサ202は、OJT評価テーブル20510におけるOJT前とOJT後の割当ミスマッチに、それぞれリストL63とL64のサイズの値を設定する。
【0176】
次に、ステップS506にて、プロセッサ202は、当該OJT計画によるOJTのスキルを持っている要員の数(評価を実施している時点の人数)をpとしてカウントし、OJT評価テーブル20510における「OJT後要員数」をpの値に設定する。
【0177】
次に、ステップS507にて、プロセッサ202は、OJT計画テーブル20508から、OJTの「トレーニー数」をxとして取得し、OJT評価テーブル20510における「OJT前要員数」に、(p-x)の値を設定する。
【0178】
次に、ステップS508にて、プロセッサ202は、職務実績テーブル20506を参照し、リストL61およびリストL62内の職務のうち、実績の情報が得られている職務のリストL65およびL66をそれぞれ取得する。
【0179】
次に、ステップS509にて、プロセッサ202は、リストL65とリストL66のそれぞれについて職務の「所要時間(分)」の平均値を計算し、それらの結果をOJT評価テーブル20510の「職務完了時間(分)-OJT前」と「職務完了時間(分)-OJT後」にそれぞれ設定する。
【0180】
次に、ステップS510にて、プロセッサ202は、リストL65とリストL66のそれぞれについて職務の「オペレーションミス数」の平均値を計算し、それらの結果をOJT評価テーブル20510の「オペレーションミス数-OJT前」と「オペレーションミス数-OJT後」にそれぞれ設定する。
【0181】
図18に戻り、リストL5上の全てのOJT計画に対するOJT評価モジュールの処理が完了すると、次に、ステップS219にて、プロセッサ202は、OJT評価GUI UI04を用いて、OJT計画の評価を管理者に提示する。そして、OJT計画の評価を算出し、管理者に提示すると、プロセッサ202は、OJT計画テーブル20508における当該OJT計画のステータスを「評価済み」に設定する。
【0182】
図16に示したOJT評価GUI UI04の例では、管理者は、ドロップダウンを用いてOJTあるいはスキルを選択し、OJTの前と後の状態を比較することによりOJTの効果を評価することができる。
【0183】
本実施形態は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【0184】
本時実施形態には以下に示す事項が含まれている。ただし、本実施形態に含まれる事項が以下に示すものに限定されることはない。
【0185】
(事項1)
スキルを要する職務を実施する要員を管理する要員管理システムであって、
管理情報およびソフトウェアプログラムを格納する記憶装置と、
前記管理情報を参照し、前記ソフトウェアプログラムを実行するプロセッサと、を有し、
前記管理情報は、職務毎に当該職務を実施すべき日時および当該職務に要するスキルを表す職務情報と、職務毎に当該職務を実際に実施した日時および当該職務の実施結果を記録した職務実績情報と、スキル毎に当該スキルを持った要員の必要な人数を表すスキル情報と、要員毎に当該要員が持っているスキルを表す要員情報とを含み、
前記プロセッサは、前記管理情報に基づいて、要員が不足しているスキルである不足スキルを特定し、トレーニーとトレーナーと職務とを定め該トレーナーと該トレーニーとで該職務を実施することにより該トレーニーに前記不足スキルを身に付けさせるOJTを定めたOJT計画を作成し、前記不足スキルに関する職務の実施結果および/または前記不足スキルを持った要員の人数を、前記OJTを実施する前と後とで比較する。
【0186】
これによれば、職務に必要なスキルを備えた要員を確保するような管理が可能となる。
【0187】
(事項2)
事項1に記載の要員管理システムにおいて、
前記プロセッサは、
スキル毎に、前記要員情報における当該スキルを持った要員の人数と前記職務情報における当該スキルを要する職務の数とに基づく職務に対する要員の不足の度合いと、前記職務情報における当該スキルを要する職務を実施すべき日時と前記職務実績情報における前記職務を実際に実施した日時とに基づく実施が遅れた割当の度合いと、前記要員情報における当該スキルを持った要員の不足の度合いと、当該スキルを要する職務に要員により実施されてからの経過期間と、の少なくとも1つに基づいて、前記不足スキルを特定する。
【0188】
これによれば、職務が自動化され要員が手動で実施する機会が減ると要員のスキルの低下が懸念されるが、要員を割り当てての実施がされていない期間が長くなったスキルを不足スキルとして抽出するので、自動化によるスキルの低下を含め、要員が不足したスキルを特定することができる。
【0189】
(事項3)
事項1に記載の要員管理システムにおいて、
前記要員情報は、要員が持っているスキルの種類およびレベルを判断可能にする情報であり、
前記職務情報は、職務に要するスキルの種類およびレベルを判断可能にする情報であり、
前記プロセッサは、前記要員情報および前記職務情報を参照し、前記不足スキルと同じ種類のスキルを持つが、該スキルのレベルが職務に要するレベルよりも低い要員を前記トレーニーとする。
【0190】
これによれば、不足スキルと同じ種類のスキルを持つが必要なレベルに達していない要員を優先的にトレーニーに選択することにより、所望のスキルを所望のレベルで持った要員を迅速に育成することが可能となる。
【0191】
(事項4)
事項1に記載の要員管理システムにおいて、
前記職務情報は、当該職務が手動で実施される職務か否かと、当該職務が定期的に繰り返し実施される職務か否かと、当該職務が繰り返し実施される周期と、を判断可能な情報であり、
前記プロセッサは、手動で実施され定期的に繰り返し実施される職務を前記OJTの対象とし、該対象のうち前記周期が短い方から優先的に前記OJTに割り当てる。
【0192】
これによれば、手動で実施する職務のうち定期的に繰り返し実施される職務を優先的にOJTに用いる職務として選択することにより、OJTを早期に実施して要員を迅速に育成することが可能となる。
【0193】
(事項5)
事項1に記載の要員管理システムにおいて、
前記職務情報は、当該職務に要する所要時間を判断可能な情報であり、
前記プロセッサは、前記OJTの職務について当該職務の所要時間に所定のマージン時間を加算した時間を前記OJTに割り当てる。
【0194】
(事項6)
事項5に記載の要員管理システムにおいて、
前記管理情報は、職務毎に当該職務を実施する要員および日時を表す割当情報を更に有し、
前記プロセッサは、前記要員情報および前記割当情報を参照し、前記OJTの職務に要するスキルを当該職務に要するレベルで有し、前記OJTに割り当てた時間に他の職務が割り当てられていない要員を前記OJTのトレーナーに定める。
【0195】
(事項7)
事項1に記載の要員管理システムにおいて、
前記不足スキルに関する職務の実施結果には、前記職務を実際に実施した日時が前記不足スキルを要する職務を実施すべき日時よりも遅れた割当ミスマッチと、前記職務の実施に要した職務完了時間と、前記職務の実施にて発生したオペレーションミス回数と、の少なくとも1つが含まれる。
【0196】
(事項8)
事項1に記載の要員管理システムにおいて、
前記プロセッサは、前記不足スキルに関する職務の実施結果および/または前記不足スキルを持った要員の人数について、前記OJTを実施する前と後とで比較を可能にする画面を表示する。
【符号の説明】
【0197】
101…情報システム、102…情報システム管理サーバ、103…OJT職務割当サーバ、103…ネットワーク、104…OJT職務割当サーバ、105…端末装置、201…ネットワークインタフェース、202…プロセッサ、203…入出力装置インタフェース、204…メモリ、205…ローカルディスク
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