(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177529
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 29/00 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090256
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】東 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】和田 恵美子
(72)【発明者】
【氏名】和田 悟
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA07
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】機械室内に配置されている高発熱性電装部品から発生する熱を逃がしやすくすることのできる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫1は、断熱箱体50と、断熱箱体50の下方に設けられた機械室30とを備えている。機械室30内には、圧縮機31が配置されている。圧縮機31の横には、制御ユニット20が配置されている。制御ユニット20は、メイン配線基板21と、電装部品(例えば、AC/DCコンバータ回路22)と、この電装部品よりも発熱性の高い高発熱性電装部品(例えば、リアクタ41)とを有している。高発熱性電装部品は、メイン配線基板21よりも機械室30の側壁30a側に配置されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱箱体と、
前記断熱箱体の下方に設けられた機械室と、
前記機械室内に配置されている圧縮機と、
前記圧縮機の横に配置されている制御ユニットと
を備え、
前記制御ユニットは、メイン配線基板と、電装部品と、前記電装部品よりも発熱性のより高い高発熱性電装部品とを有し、
前記高発熱性電装部品は、前記メイン配線基板よりも前記機械室の側壁側に配置されている、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記制御ユニットは、
前記メイン配線基板および前記電装部品を収容しているメイン収容体と、
前記高発熱性電装部品を収容しているサブ収容体と
を有し、
前記サブ収容体は、前記機械室の前記側壁に取り付けられている、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記メイン配線基板は、前記機械室の前後方向に対して傾斜した状態で配置されており、
前記高発熱性電装部品は、前記メイン配線基板と前記機械室の前記側壁との間に存在する空間内に配置されている、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記サブ収容体の一部は導電性を有しており、接地電位となっている、請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記サブ収容体は樹脂ケースを含み、
前記樹脂ケースは、前記機械室の前記側壁に取り付けられている、
請求項4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記樹脂ケースは、突起部を有しており、
前記高発熱性電装部品は、前記突起部に固定されている、
請求項5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記高発熱性電装部品は、前記機械室の底面から浮いた状態で前記側壁に取り付けられている、請求項1から5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械室を備えている冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫には、周囲との断熱を行うために、貯蔵空間の外周を覆うように断熱箱体が設けられている。断熱箱体の背面側の下方には、冷凍サイクルを構成する圧縮機などが配置される機械室が設けられている。
【0003】
また、冷蔵庫は、圧縮機などの構成部品を制御するため制御ユニットを備えている。制御ユニットには、配線基板、および様々な電装部品などが備えられている。これらの電装部品は、発熱性を有しているため、電装部品が搭載された制御ユニットは、断熱箱体の外側に位置する機械室内に配置されることが多い。例えば、特許文献1には、機械室39内にパワー系基板91が配置されている冷蔵庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
配線基板に搭載される様々な電装部品の中には、例えば、EMC対策用のリアクタなどのように、他の電装部品と比較してより発熱性の高いものがある。特許文献1に開示されている冷蔵庫では、パワー系基板91を収容しているケース本体81内に、リアクタ93が配置されている。しかし、このような構成では、リアクタで発生した熱が外部へ放出されにくく、ケース本体内や機械室内に熱がこもってしまう可能性がある。
【0006】
そこで、本発明では、より発熱性の高い電装部品(高発熱性電装部品)から発生する熱を逃がしやすくすることのできる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面にかかる冷蔵庫は、断熱箱体と、前記断熱箱体の下方に設けられた機械室と、前記機械室内に配置されている圧縮機と、前記圧縮機の横に配置されている制御ユニットとを備えている。前記制御ユニットは、メイン配線基板と、電装部品と、前記電装部品よりも発熱性のより高い高発熱性電装部品とを有し、前記高発熱性電装部品は、前記メイン配線基板よりも前記機械室の側壁側に配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一局面にかかる冷蔵庫によれば、機械室内に配置されている高発熱性電装部品から発生する熱を逃がしやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態にかかる冷蔵庫の背面部の構成を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す冷蔵庫の内部構成を示す断面模式図である。
【
図3】
図1に示す冷蔵庫を構成する断熱箱体の上面部の構成を示す平面図である。
【
図4】
図1に示す冷蔵庫の機械室内の構成を示す横断面図である。この図は、
図1に示す冷蔵庫のA-A線における断面構成を示す図である。
【
図5】
図3に示す断熱箱体の機械室内の構成を示す縦断面図である。この図は、
図3に示す断熱箱体のB-B線における断面構成を示す図である。
【
図6】
図1に示す冷蔵庫に備えられている制御ユニット内の回路構成を示す模式図である。
【
図7】冷蔵庫内の制御ユニットを構成するメイン収容体およびサブ収容体を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示すサブ収容体内の構成を示す分解斜視図である。
【
図9】
図1に示す冷蔵庫の機械室内に配置されているサブ収容体を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示すサブ収容体から金属カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示すサブ収容体からリアクタを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図12】
図11に示すサブ収容体にリアクタの一つを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図13】第2の実施形態にかかる冷蔵庫の背面部下方の構成を示す模式図である。
【
図14】第3の実施形態にかかる冷蔵庫の背面部下方の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施形態>
(冷蔵庫の全体構成)
先ず、第1の実施形態にかかる冷蔵庫1の全体構成を説明する。
図1には、冷蔵庫1の背面側の構成を示す。また、
図2には、冷蔵庫1の内部構成を示す。なお、
図2では、圧縮機31以外の機械室30内の構成部材は、図示を省略している。
【0012】
図2に示すように、冷蔵庫1は、上段に第1の冷蔵室11、中段に冷凍室12、および、下段に第2の冷蔵室13などを備えている。第1の冷蔵室11には、冷蔵室扉11aが設けられている。冷凍室12には、冷凍室扉12aが設けられている。第2の冷蔵室13には、冷蔵室扉13aが設けられている。
【0013】
以上のように、本実施の形態にかかる冷蔵庫1は、上段部、中段部、及び下段部に区分けされて、各貯蔵空間が設けられている。各貯蔵空間の間には、仕切り部59が設けられている。但し、各貯蔵空間の配置位置については、これに限定はされない。
【0014】
本実施形態では、扉が設けられている面を冷蔵庫の正面または前面と呼ぶ。そして、前面を基準にして、冷蔵庫1を通常の状態で設置した場合に存在する位置に基づいて、冷蔵庫1の各面を、上面、側面、背面、及び底面とする。
【0015】
冷蔵庫1の内部には、冷凍サイクル60が設けられている。冷凍サイクル60は、冷媒が流通する冷媒管(冷媒流路)を介して、圧縮機31、凝縮器(図示せず)、膨張器(図示せず)、及び、冷却器(蒸発器)32が接続されて構成されている。
【0016】
図2に示すように、圧縮機31は、冷蔵庫1の底部の背面側に設けられた機械室30内に配置されている。冷却器32は、冷蔵庫1の背面側に設けられた冷却室35内に配置されている。冷却室35内には、冷却器32の他に、冷却ファン33などが備えられている。
【0017】
また、冷蔵庫1の内部には、制御部が設けられている。制御部は、例えば、後述する制御ユニット20内に配置されている。この制御部が、冷凍サイクル60の運転の制御を行っている。すなわち、制御部が圧縮機31を駆動させることによって、冷凍サイクルの運転が開始され、サイクル内を冷媒が流通する。
【0018】
(断熱箱体の構成)
冷蔵庫1には、各貯蔵空間を周囲から断熱するための断熱構造として、断熱箱体50が設けられている。断熱箱体50は、冷蔵庫1の外周を覆うように設けられている。
図2に示すように、断熱箱体50は、主として、外箱61と、内箱62と、真空断熱材51と、発泡断熱材56とを備えている。
【0019】
外箱61は、断熱箱体50の外周面を形成する。外箱61は、主として、上面部50a、側面部50b、背面部50c、および底面部50dで構成されている。内箱62は、断熱箱体50の内周面を形成する。また、内箱62は、貯蔵空間(例えば、第1の冷蔵室11、冷凍室12、第2の冷蔵室13)の内壁、及び冷却室35の後壁を形成している。
【0020】
なお、断熱箱体50の下方の背面側には、機械室30を配置するための空間が形成されている。機械室30は、断熱箱体50の外側に配置される。これは、圧縮機31が運転されることにより、機械室30内の温度が上昇するためである。
【0021】
真空断熱材51及び発泡断熱材56は、外箱61と内箱62との間の空間内に設けられている。真空断熱材51は、薄いシート状または板状の断熱材である。真空断熱材51は、例えば、冷蔵庫1の側面、上面、底面、及び、背面などにそれぞれ配置されている。発泡断熱材56は、例えば、発泡ポリウレタン(硬質ウレタンフォームともいう)などで形成することができる。
【0022】
(機械室内部の構成)
続いて、断熱箱体50の背面側下方に設けられた機械室30のより詳細な構成について
図1などを参照しながら説明する。
図1には、断熱箱体50の背面部を示す。
図3には、断熱箱体50の上面部を示す。
図4および
図5には、機械室30内の構成を示す。
図4は、
図1に示す冷蔵庫1のA-A線における断面構成を示す図である。
図5は、
図3に示す断熱箱体50のB-B線における断面構成を示す図である。
図6には、機械室30に配置されている制御ユニット20内の回路構成を模式的に示す。
【0023】
断熱箱体50の背面部50cは、主として外箱61のバックプレートで構成されている。機械室30は、背面部50cの下方に位置している。機械室30は、主に、断熱箱体50の底面部50dを形成している底板63、および外箱61の側面部50bなどで区画されている。
図2などに示すように、底板63は、その後方部分が上方にせり上がっている。底板63の最も後方側は、水平方向に略平坦な形状となっており、この部分が機械室30の天井部63aを形成している。
【0024】
底板63は、機械室30を区画するための領域として、天井部63aおよび立ち上がり部63cを有している(
図2参照)。天井部63aは、機械室30の上面(天井)を形成している。立ち上がり部63cは、機械室30の前面を形成している。また、機械室30の側面(具体的には、側壁30aおよび30b)は、外箱61の側面部50bによって形成されている。また、機械室30の底面30cは、板状部材で形成されている。
【0025】
機械室30内には、主として、圧縮機31、制御ユニット20、および蒸発皿36などが配置されている。圧縮機31は、背面から見て機械室30内のやや右側(正面から見た場合は、左側)に配置されている。すなわち、圧縮機31は、機械室30の側壁30bにより近い側に配置されている。
【0026】
制御ユニット20は、圧縮機31の横に配置されている。
図1に示す例では、制御ユニット20は、圧縮機31の左側(正面から見た場合は、圧縮機31の右側)に配置されている。すなわち、制御ユニット20は、機械室30の側壁30aにより近い側に配置されている。
【0027】
なお、圧縮機31および制御ユニット20は、
図1に示す例とは左右逆に配置されていてもよい。すなわち、側壁30a側に圧縮機31が配置され、側壁30b側に制御ユニット20が配置されていてもよい。
【0028】
制御ユニット20は、圧縮機31などの冷蔵庫1内の各種電気部品を制御するための制御部を含んでいる。制御ユニット20は、メイン収容体25と、サブ収容体40とを備えている。
【0029】
メイン収容体25内には、メイン配線基板21、および各種電装部品などが収容されている。電装部品としては、例えば、IC(具体的には、AC/DCコンバータ回路22など)、コンデンサ、駆動素子、コイルなどが挙げられるがこれに限定はされない。各種電装部品は、メイン配線基板21上に搭載されていてもよいし、メイン収容体25内の任意の位置に配置されていてもよい。
【0030】
本実施形態では、メイン配線基板21は、機械室30の前後方向に対して傾斜した状態で配置されている(
図4参照)。具体的には、メイン配線基板21は、メイン収容体25の傾斜前面部25aに沿うように配置されている(
図4など参照)。
【0031】
サブ収容体40内には、少なくとも一つのリアクタ41が配置されている。リアクタ41は、メイン収容体25内に配置されている他の電装部品と比較して、より高い発熱性を有している。そのため、リアクタ41は、高発熱性電装部品と呼ぶこともできる。なお、リアクタ41以外の高発熱性電装部品としては、例えば、インテリジェントパワーモジュールなどを挙げることができる。
【0032】
本実施形態では、サブ収容体40内には、複数個(具体的には、2個)のリアクタ41・41が備えられている。
図5に示すように、複数個(具体的には、2個)のリアクタ41・41は、縦方向に並んで配置されている。
【0033】
リアクタ41を収容しているサブ収容体40は、メイン配線基板21を収容しているメイン収容体25よりも機械室30の側壁30a側に配置されている。本実施形態では、サブ収容体40は、機械室30の側壁30aに取り付けられている。
【0034】
図5などに示すように、サブ収容体40は、機械室30の底面30cから浮いた状態で側壁30aに取り付けられている。これにより、機械室30内に設置されている蒸発皿36などから液体が漏れ出した場合に、底面30c上を流れる液体がサブ収容体40内に侵入することを抑制することができる。また、圧縮機31周辺からガス状の冷媒が漏れた場合には、空気より重い冷媒ガスは、機械室30内の底面30c側へ流れる。そのため、サブ収容体40が底面30cから浮いた状態で配置されていることで、底面30c上に配置されている場合と比較して、冷媒ガスが内部へ侵入しにくい構成とすることができる。
【0035】
上述したように、メイン配線基板21は、機械室30の前後方向に対して傾斜した状態で配置されている。そして、メイン配線基板21を収容しているメイン収容体25の前方側は、傾斜前面部25aとなっている。
【0036】
そのため、機械室30内において、制御ユニット20が配置されている領域の前方側には、空間Sが形成されている(
図4参照)。この空間Sは、機械室30の側壁30a、機械室30の前面(例えば、底板63の立ち上がり部63c)、機械室30の上面(例えば、天井部63a)、および機械室30の底面30cと、メイン収容体25の傾斜前面部25aで区画されており、概ね閉鎖された空間となっている。言い換えると、空間Sは、機械室30内において、圧縮機31が配置されている側の空間とは隔離されている。
【0037】
サブ収容体40は、この空間S内に配置されている。また、この空間Sには、各種配線を含むハーネス72が配置されていてもよい。例えば、
図6に示すように、ハーネス72は、コネクタ73を介して、電源プラグ71とメイン配線基板21とを接続している。また、ハーネス72は、コネクタ74を介して、リアクタ41とメイン配線基板21とを接続している。
【0038】
本実施形態では、傾斜前面部25aによって空間Sが区画されている。そのため、
図4に示すように、空間Sは、機械室30の側壁30aから中央へ向かうにしたがって、徐々に幅が狭くなる。このような空間Sを設けた状態で機械室30内にメイン収容体25を配置することで、冷蔵庫1の側面部50bとメイン収容体25との間に空間Sを設けながら、機械室30の後端を広く開口させることができる。これにより、機械室30内の放熱性や製造時の作業性を向上させることができる。
【0039】
蒸発皿36は、圧縮機31の上方に配置されている。蒸発皿36には、冷却室35内で発生した結露水(ドレン水とも呼ばれる)が排出される。冷却室35内で発生する結露水には、例えば、冷却器32を除霜したときに発生する除霜水などが含まれる。圧縮機31の上方に蒸発皿36を配置することで、蒸発皿36に貯水されたドレン水を圧縮機31の熱によって効率よく加熱することができ、より短時間でドレン水を蒸発させることができる。
【0040】
(制御ユニットの構成)
続いて、制御ユニット20の詳しい構成について説明する。
図7には、機械室30内に配置されている制御ユニット20の外観構成を示す。
図7では、制御ユニット20を上方側から見た状態を示す。
図8には、サブ収容体40の内部構成を示す。
【0041】
上述したように、制御ユニット20は、メイン配線基板21などを収容しているメイン収容体25と、リアクタ41を収容しているサブ収容体40とを備えている。メイン収容体25内のメイン配線基板21は、機械室30の前後方向に対して傾斜した状態で配置されている。メイン収容体25は、メイン配線基板21の傾斜方向に沿った傾斜前面部25aを有している。
【0042】
サブ収容体40は、機械室30の側壁30aとメイン収容体25の傾斜前面部25aとの間に形成される空間S内に配置されている。
【0043】
図8に示すように、サブ収容体40の外形は、金属カバー42と、樹脂ケース43とで構成されている。金属カバー42は、導電性の金属材料で形成されている。樹脂ケース43は、非導電性の樹脂材料で形成されている。
【0044】
サブ収容体40の内部には、複数個のリアクタ41が配置されている。本実施形態では、2個のリアクタ41・41が配置されている。2個のリアクタ41・41は、サブ収容体40の内部に縦方向(上下方向)に並んで配置されている。
【0045】
リアクタ41は、ノイズ対策(EMC対策)のために配置されている。
図6の回路図に示すように、リアクタ41は、電源プラグ71と、メイン配線基板21に配置されているAC/DCコンバータ回路22との間に、配置されている。このようなリアクタ41が設けられていることで、メイン配線基板21内で発生したノイズが電源プラグ71を通って屋内電源系統に侵入することを抑制することができる。
【0046】
リアクタ41は、メイン収容体25内に配置されている他の電装部品と比較して、より高い発熱性を有している。そのため、リアクタ41は、メイン配線基板21が収容されているメイン収容体25とは別の収容体(すなわち、サブ収容体40)内に配置されている。これにより、リアクタ41で発生した熱がメイン収容体25の方へ伝達されにくい構成とすることができる。
【0047】
図9には、機械室30の側壁30aに取り付けられているサブ収容体40を示す。
図10には、
図9に示すサブ収容体40から金属カバー42を取り外した状態を示す。
図11には、
図10に示すサブ収容体40から2つのリアクタ41・41を取り外した状態を示す。
図12には、
図11に示すサブ収容体40にリアクタ41の一つを取り付けた状態を示す。
【0048】
図11に示すように、サブ収容体40の樹脂ケース43は、機械室30の側壁30aに取り付けられている。具体的には、樹脂ケース43は、一つ以上のネジ46で側壁30aに対して固定されている。樹脂ケース43には、リアクタ41の形状に合わせて形成された凹みが形成されており、凹みの外周には、少なくとも一つの突起部44が設けられている。突起部44には、頂部から内部への延びる孔が形成されている。
【0049】
各リアクタ41は、樹脂ケース43に形成された各凹みに嵌め込まれている(
図12など参照)。リアクタ41の天面の対向する2端辺には、リブ41a・41aがそれぞれ設けられている。各リブ41aには穴が形成されている(
図8参照)。
【0050】
リアクタ41が樹脂ケース43の凹みに嵌め込まれた状態で、各リブ41aは樹脂ケース43の突起部44の頂部と近接した状態となる。この状態で、各リブ41aの穴は、樹脂ケース43の突起部44の孔と重なる。そして、リブ41aの穴および突起部44の孔を通過するようにネジ45が嵌め込まれる。これにより、リアクタ41は、樹脂ケース43の突起部44に対して固定される(
図10参照)。
【0051】
このように、突起部44にネジ45が差し込まれることにより、ネジ45の先端部は、突起部44内に留まった状態とすることができる。そのため、ネジ45が外箱61の側面部50bに接触しない構成とすることができる。一方、リアクタ41は、樹脂ケース43の凹み内に配置されることで、リアクタ41は、外箱61の側面部50bの表面により近い位置に配置されるため、リアクタ41から発生した熱をより外部へ放出しやすくすることができる。したがって、リアクタ41を外箱61とは電気的に絶縁しながら、熱的結合を高めることができる。
【0052】
サブ収容体40の金属カバー42は、箱状の形状を有しており、
図10に示す状態の樹脂ケース43を覆うように配置されている。箱状の金属カバー42の平面部42aには、少なくとも一つの穴49が設けられている。樹脂ケース43を覆うように金属カバー42を取り付けた状態で、金属カバー42の穴49は、樹脂ケース43に設けられている一つの突起部44a(
図8参照)と合致する位置に配置される。そして、金属カバー42の穴49および突起部44aの孔を通過するようにネジ47aが嵌め込まれる。これにより、金属カバー42は、樹脂ケース43に対して固定される。
【0053】
また、箱状の金属カバー42の開口部の任意の位置には、開口面の外側へ張り出すように形成された張り出し部48が設けられている(
図8参照)。サブ収容体40が側壁30aに取り付けられた状態で、金属カバー42の張り出し部48は、側壁30aに接触するように配置される。そして、張り出し部48に設けられている穴48aに対してネジ47bが差し込まれる。これにより、金属カバー42は、機械室30の側壁30aに対して固定される。
【0054】
なお、導電性を有する金属カバー42の一部(すなわち、張り出し部48)が、同じく導電性を有する側壁30aと接触することで、金属カバー42は、接地電位となる。これにより、
図6に示すように、金属カバー42はアースされた状態となるため、金属カバー42内に配置されているリアクタ41から発生す電磁波を遮断することができる。したがって、メイン収容体25内のメイン配線基板21および電装部品などへの電磁波の影響を抑制することができる。
【0055】
(第1の実施形態のまとめ)
以上のように、本実施形態にかかる冷蔵庫1は、断熱箱体50と、断熱箱体50の下方に設けられた機械室30とを備えている。機械室30内には、圧縮機31が配置されている。圧縮機31の上方には、蒸発皿36が設けられている。また、機械室30内には、圧縮機31の横に制御ユニット20が配置されている。
【0056】
制御ユニット20は、メイン配線基板21と、電装部品(例えば、AC/DCコンバータ回路22など)と、この電装部品よりも発熱性のより高い高発熱性電装部品(例えば、リアクタ41)とを有している。高発熱性電装部品は、メイン配線基板21よりも機械室30の側壁30a側に配置されている。
【0057】
具体的には、制御ユニット20は、メイン配線基板(制御基板)21、および各種電装部品などを収容するメイン収容体25と、高発熱性電装部品のリアクタ41を収容するサブ収容体40とで構成されている。サブ収容体40は、機械室30の側壁30aに取り付けられている。
【0058】
機械室30の側壁30aおよび側壁30bは、その表面が外気に曝されるため、機械室30内の中央部と比較して排熱効果が高い。そのため、より発熱性の高いリアクタ41が収容されたサブ収容体40を側壁30aに取り付けることで、リアクタ41から発生する熱をより効率的に外部へ逃がすことができる。
【0059】
そして、他の電装部品と比較してより発熱性の高いリアクタ41を、メイン配線基板21および他の電装部品を収容するメイン収容体25とは別のサブ収容体40内に収容することで、リアクタ41から発生する熱をメイン収容体25内の各部品へ伝わりにくくすることができる。
【0060】
また、側壁30aとは反対側の側壁30bの近傍に圧縮機31を配置することで、メイン配線基板21を間に挟んだ状態で、圧縮機31とリアクタ41とを離れた状態で配置することができる。これにより、ともに発熱性を有するリアクタ41および圧縮機31の放熱性を高めることができる。
【0061】
本実施形態では、メイン収容体25内のメイン配線基板21は、機械室30の前後方向(あるいは、左右方向)に対して傾斜した状態で配置されている。これにより、機械室30内にメイン配線基板21を配置する際に、機械室30内の限られたスペースを有効活用することができる。したがって、より面積の大きなメイン配線基板21を機械室30内に配置することができる。
【0062】
さらに、メイン配線基板21と側壁30aとの間に存在する空間Sに、リアクタ41を収容しているサブ収容体40が配置されている。これにより、傾斜面で囲まれていることでデッドスペースとなりやすい空間Sを有効に利用することができる。
【0063】
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、制御ユニットの構成が第1の実施形態とは異なっている。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
【0064】
図13には、第2の実施形態にかかる冷蔵庫1の断熱箱体50の背面側下方の構成を示す。断熱箱体50の背面側下方には、機械室30が設けられている。機械室30内には、主として、圧縮機31、制御ユニット120、および蒸発皿36(
図13では、図示せず)などが配置されている。圧縮機31および蒸発皿36については、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0065】
圧縮機31は、機械室30の側壁30bにより近い側に配置されている。制御ユニット120は、圧縮機31の横に配置されている。
図13に示す例では、制御ユニット120は、圧縮機31の左側(正面から見た場合は、圧縮機31の右側)に配置されている。すなわち、制御ユニット120は、機械室30の側壁30aにより近い側に配置されている。
【0066】
制御ユニット120の外形は、メイン収容体125で形成されている。メイン収容体125内には、メイン配線基板21、各種電装部品(図示せず)、およびサブ収容体140などが収容されている。
【0067】
サブ収容体140内には、高発熱性電装部品であるリアクタ41が配置されている。第1の実施形態と同様に、サブ収容体140内には、2個のリアクタ41・41が縦方向に並んで配置されている。リアクタ41とメイン配線基板21とは、ハーネス72によって接続されている。
【0068】
このように、本実施形態では、リアクタ41を収容するサブ収容体140が、メイン収容体125内に配置されている点が、第1の実施形態とは異なっている。本実施形態では、リアクタ41は、メイン収容体125内において、メイン配線基板21よりも側壁30a側に配置されている。
【0069】
機械室30の側壁30aおよび側壁30bは、その表面が外気に曝されるため、機械室30内の中央部と比較して排熱効果が高い。そのため、より発熱性の高いリアクタ41を、メイン配線基板21よりも側壁30aに近い側へ配置することで、リアクタ41から発生する熱をより効率的に外部へ逃がすことができる。
【0070】
また、側壁30aとは反対側の側壁30bの近傍に圧縮機31を配置することで、メイン配線基板21を間に挟んだ状態で、圧縮機31とリアクタ41とを離れた状態で配置することができる。これにより、ともに発熱性を有するリアクタ41および圧縮機31の放熱性を高めることができる。
【0071】
また、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、メイン配線基板21は、機械室30の前後方向に対して傾斜した状態で配置されている。そして、メイン配線基板21と側壁30aとの間に存在する空間Sに、リアクタ41を収容しているサブ収容体140が配置されている。これにより、機械室30内の空間を有効に利用することができる。
【0072】
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、制御ユニットの構成が第1の実施形態とは異なっている。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。そこで、第3の実施形態では、第1の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
【0073】
図14には、第3の実施形態にかかる冷蔵庫1の断熱箱体50の背面側下方の構成を示す。断熱箱体50の背面側下方には、機械室30が設けられている。機械室30内には、主として、圧縮機31、制御ユニット220、および蒸発皿36(
図14では、図示せず)などが配置されている。圧縮機31および蒸発皿36については、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0074】
圧縮機31は、機械室30の側壁30bにより近い側に配置されている。制御ユニット220は、圧縮機31の横に配置されている。
図14に示す例では、制御ユニット220は、圧縮機31の左側(正面から見た場合は、圧縮機31の右側)に配置されている。すなわち、制御ユニット220は、機械室30の側壁30aにより近い側に配置されている。
【0075】
制御ユニット220は、メイン配線基板21などを収容しているメイン収容体225と、リアクタ41を収容しているサブ収容体40とを備えている。メイン収容体225内のメイン配線基板21は、機械室30の前後方向に沿った状態(すなわち、側壁30aなどと略平行な状態)で配置されている。この点が、第1の実施形態とは異なっている。
【0076】
サブ収容体40内には、高発熱性電装部品であるリアクタ41が配置されている。第1の実施形態と同様に、サブ収容体40内には、2個のリアクタ41・41が縦方向に並んで配置されている。サブ収容体40内のリアクタ41とメイン収容体225内のメイン配線基板21とは、ハーネス72によって接続されている。
【0077】
第1の実施形態と同様に、サブ収容体40は、機械室30の側壁30aに取り付けられている。サブ収容体40の内部の詳細な構成については、第1の実施形態と同様の構成が適用できる。
【0078】
機械室30の側壁30aおよび側壁30bは、その表面が外気に曝されるため、機械室30内の中央部と比較して排熱効果が高い。そのため、より発熱性の高いリアクタ41を側壁30aに取り付けることで、リアクタ41から発生する熱をより効率的に外部へ逃がすことができる。
【0079】
また、側壁30aとは反対側の側壁30bの近傍に圧縮機31を配置することで、メイン配線基板21を間に挟んだ状態で、圧縮機31とリアクタ41とを離れた状態で配置することができる。これにより、ともに発熱性を有するリアクタ41および圧縮機31の放熱性を高めることができる。
【0080】
(まとめ)
本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)は、断熱箱体(例えば、断熱箱体50)と、前記断熱箱体の下方に設けられた機械室(例えば、機械室30)と、前記機械室内に配置されている圧縮機(例えば、圧縮機31)と、前記圧縮機の横に配置されている制御ユニット(例えば、制御ユニット20,120,220)とを備えている。前記制御ユニットは、メイン配線基板(例えば、メイン配線基板21)と、電装部品(例えば、AC/DCコンバータ回路22)と、前記電装部品よりも発熱性のより高い高発熱性電装部品(例えば、リアクタ41)とを有している。前記高発熱性電装部品は、前記メイン配線基板よりも前記機械室の側壁(例えば、側壁30a)側に配置されている。
【0081】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記制御ユニット(例えば、制御ユニット20)は、前記メイン配線基板(例えば、メイン配線基板21)および前記電装部品(例えば、AC/DCコンバータ回路22)を収容しているメイン収容体(例えば、メイン収容体25、225)と、前記高発熱性電装部品(例えば、リアクタ41)を収容しているサブ収容体(例えば、サブ収容体40)とを有し、前記サブ収容体は、前記機械室(例えば、機械室30)の前記側壁(例えば、側壁30a)に取り付けられていてもよい。
【0082】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記メイン配線基板(例えば、メイン配線基板21)は、前記機械室(例えば、機械室30)の前後方向に対して傾斜した状態で配置されており、前記高発熱性電装部品(例えば、リアクタ41)は、前記メイン配線基板と前記機械室の前記側壁(例えば、側壁30a)との間に存在する空間(例えば、空間S)内に配置されていてもよい。
【0083】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記サブ収容体(例えば、サブ収容体40)の一部は導電性を有しており、接地電位となっていてもよい。導電性を有するサブ収容体の一例としては、例えば、金属カバー42が挙げられる。
【0084】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記サブ収容体(例えば、サブ収容体40)は樹脂ケース(例えば、樹脂ケース43)を含み、前記樹脂ケースは、前記機械室(例えば、機械室30)の前記側壁(例えば、側壁30a)に取り付けられていてもよい。
【0085】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記樹脂ケース(例えば、樹脂ケース43)は、突起部(例えば、突起部44)を有しており、前記高発熱性電装部品(例えば、リアクタ41)は、前記突起部に固定されていてもよい。
【0086】
上記の本発明の一局面にかかる冷蔵庫(例えば、冷蔵庫1)において、前記高発熱性電装部品(例えば、リアクタ41)は、前記機械室(例えば、機械室30)の底面(例えば、底面30c)から浮いた状態で前記側壁(例えば、側壁30a)に取り付けられていてもよい。
【0087】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1 :冷蔵庫
20 :制御ユニット
21 :メイン配線基板
22 :AC/DCコンバータ回路(電装部品)
25 :メイン収容体
30 :機械室
30a :機械室の側壁
30b :機械室の側壁
30c :機械室の底面
31 :圧縮機
40 :サブ収容体
41 :リアクタ(高発熱性電装部品)
42 :金属カバー
43 :樹脂ケース
44 :突起部
48 :張り出し部
50 :断熱箱体
120 :制御ユニット
125 :メイン収容体
140 :サブ収容体
220 :制御ユニット
225 :メイン収容体
S :空間