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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177532
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】誘導システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 5/00 20060101AFI20231207BHJP
   G05D 1/00 20060101ALI20231207BHJP
   G05D 1/10 20060101ALI20231207BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20231207BHJP
【FI】
G08G5/00 A
G05D1/00 Z
G05D1/10
G05D1/02 F
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090259
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】弁理士法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】卯路 彰
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA07
5H181AA26
5H181AA27
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC17
5H181FF01
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF11
5H181FF13
5H181FF33
5H301AA06
5H301BB07
5H301CC10
5H301KK02
(57)【要約】
【課題】有人搬送車を誘導するための無人飛行体を複数台使用して、有人搬送車を操作するオペレータが荷役位置までの距離及び方向等を直感的に認識できるようにする。
【解決手段】誘導システムSは、オペレータOが操作する有人搬送車1と、空中停止可能な複数台の無人飛行体2と、無人飛行体2を制御する管理装置3と、を備える。無人飛行体2は、誘導画像200を投影する投影部23と、路面側を撮影する路面撮影部25と、を備える。管理装置3は、有人搬送車1の車両位置D1と荷役位置D2との間に誘導路4を生成する誘導路生成部31と、誘導路4上で複数台の無人飛行体2が空中停止する位置を決定する配置決定部32と、路面撮影部25による撮影画像に基づいて、誘導画像が投影される方向を投影部23に指示する投影指示部33と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータが操作する有人搬送車と、
空中停止可能な複数台の無人飛行体と、
前記無人飛行体を制御する管理装置と、を備える誘導システムであって、
前記無人飛行体は、
誘導画像を投影する投影部と、
路面側を撮影する路面撮影部と、を備え、
前記管理装置は、
前記有人搬送車の車両位置と荷役位置との間に誘導路を生成する誘導路生成部と、
前記誘導路上で前記複数台の無人飛行体が空中停止する位置を決定する配置決定部と、
前記路面撮影部による撮影画像に基づいて、前記誘導画像が投影される方向を前記投影部に指示する投影指示部と、を備える
ことを特徴とする誘導システム。
【請求項2】
前記投影指示部は、
前記撮影画像の色に関する色データ及び照度に関する照度データと、前記オペレータの視認性を示す視認性スコアとの間の関係に基づく教師データを収集する収集部と、
前記収集部に収集された前記教師データから機械学習を行い、前記機械学習により学習モデルを生成および記憶する学習モデル生成部と、
現時点の前記色データ及び前記照度データを所定時間ごとに取得する取得部と、
前記学習モデル生成部で生成された前記学習モデルに、前記取得部から取得される現時点の前記色データ及び前記照度データを入力することで、前記視認性スコアを前記学習モデルから取得する予測部と、
前記予測部によって取得される前記視認性スコアに基づいて、前記誘導画像が投影される方向を決定する決定部と、を備える
ことを特徴する請求項1に記載の誘導システム。
【請求項3】
前記誘導画像が投影される方向は、前記路面側、棚側および天井側を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導システム。
【請求項4】
前記棚は、前記誘導画像が投影される被投影面を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の誘導システム。
【請求項5】
前記被投影面は、前記棚に設けられた投影パネルの平坦面、又は、前記棚に収納された荷物の平坦面である
ことを特徴とする請求項4に記載の誘導システム。
【請求項6】
前記無人飛行体は、さらに、
前記棚側を撮影する棚撮影部と、
前記天井側を撮影する天井撮影部と、を備え、
前記投影指示部は、
前記路面撮影部、前記棚撮影部及び前記天井撮影部による各撮影画像に基づいて、前記誘導画像が投影される方向を前記投影部に指示する
ことを特徴とする請求項3に記載の誘導システム。
【請求項7】
前記投影指示部は、
前記各撮影画像の色に関する色データ及び照度に関する照度データと、前記オペレータの視認性を示す視認性スコアとの間の関係に基づく教師データを収集する収集部と、
前記収集部に収集された前記教師データから機械学習を行い、前記機械学習により学習モデルを生成および記憶する学習モデル生成部と、
現時点の前記色データ及び前記照度データを所定時間ごとに取得する取得部と、
前記学習モデル生成部で生成された前記学習モデルに、前記取得部から取得される現時点の前記色データ及び前記照度データを入力することで、前記視認性スコアを前記学習モデルから取得する予測部と、
前記予測部によって取得される前記視認性スコアに基づいて、前記誘導画像が投影される方向を決定する決定部と、を備える
ことを特徴する請求項6に記載の誘導システム。
【請求項8】
前記配置決定部は、前記無人飛行体が前記荷役位置の高さに配置されるよう前記無人飛行体の空中停止位置を決定する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の誘導システム。
【請求項9】
前記管理装置は、前記荷役位置の高さが棚の最下段の高さに相当するとき、前記無人飛行体が発光するように制御する
ことを特徴とする請求項8に記載の誘導システム。
【請求項10】
前記管理装置は、前記荷役位置の高さが棚の最下段の高さに相当するとき、前記無人飛行体が天井に向けて誘導画像を投影するように制御する投影指示部を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の誘導システム。
【請求項11】
前記配置決定部は、前記有人搬送車を操作するオペレータの目に相当する高さと前記荷役位置の高さとを結ぶ直線上に前記無人飛行体の空中停止位置を決定する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の誘導システム。
【請求項12】
前記管理装置は、前記無人飛行体が路面に向けて誘導画像を投影するように制御する投影指示部を備える
ことを特徴とする請求項11に記載の誘導システム。
【請求項13】
前記管理装置は、前記無人飛行体が天井に向けて誘導画像を投影するように制御する投影指示部を備え、
前記配置決定部は、前記有人搬送車と、前記有人搬送車に最も近い前記無人飛行体との間の距離が所定長さになるように前記無人飛行体を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導システム。
【請求項14】
前記管理装置は、前記無人飛行体が路面又は天井に向けて誘導画像を投影するように制御する投影指示部を備え、
前記無人飛行体の高さに応じて前記誘導画像のピントを調整するフォーカス調整を行うように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の誘導システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有人搬送車と無人飛行体とを備えた誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場や倉庫等の施設内で使用される有人搬送車(例えば、フォークリフト)は、オペレータが搭乗及び操作することで動作するように構成されている。フォークリフトは、フォークを使って荷物を荷取り及び荷置きする荷役を行うように構成されている。
【0003】
ところで、オペレータが操作する有人搬送車と、空中停止可能な一台の無人飛行体と、無人飛行体を制御する管理装置と、を備える誘導システムが知られている(特許文献1等参照)。
【0004】
誘導システムにおいて、無人飛行体は、路面に対して誘導画像を投影するプロジェクタを備えている。誘導画像は、例えば、特定した方向を指し示す矢印が表示されており、有人搬送車の前方の路面に投影される。これにより、有人搬送車を操作中のオペレータは、誘導画像を確認することで、荷役位置に誘導されるように構成されている。
【0005】
ところで、従来の誘導システムでは、一台の無人飛行体が投影する1つの誘導画像に基づいて有人搬送車を誘導するので、有人搬送車を操作するオペレータが荷役位置までの距離及び方向等を直感的に認識することが難しいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-52629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、有人搬送車を誘導するための無人飛行体を複数台使用して、有人搬送車を操作するオペレータが荷役位置までの距離及び方向等を直感的に認識することができる誘導システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る誘導システムは、オペレータが操作する有人搬送車と、空中停止可能な複数台の無人飛行体と、無人飛行体を制御する管理装置と、を備えている。無人飛行体は、誘導画像を投影する投影部と、路面側を撮影する路面撮影部と、を備えている。さらに、管理装置は、有人搬送車の車両位置と荷役位置との間に誘導路を生成する誘導路生成部と、誘導路上で複数台の無人飛行体が空中停止する位置を決定する配置決定部と、路面撮影部による撮影画像に基づいて、誘導画像が投影される方向を投影部に指示する投影指示部と、を備えている。
【0009】
好ましくは、投影指示部は、撮影画像の色に関する色データ及び照度に関する照度データと、オペレータの視認性を示す視認性スコアとの間の関係に基づく教師データを収集する収集部を備えている。また、投影指示部は、収集部に収集された教師データから機械学習を行い、機械学習により学習モデルを生成および記憶する学習モデル生成部と、現時点の色データ及び照度データを所定時間ごとに取得する取得部と、学習モデル生成部で生成された学習モデルに、取得部から取得される現時点の色データ及び照度データを入力することで、視認性スコアを学習モデルから取得する予測部と、予測部によって取得される視認性スコアに基づいて、誘導画像が投影される方向を決定する決定部と、を備えている。
【0010】
誘導画像が投影される方向は、路面側、棚側および天井側を含むことが望ましい。
【0011】
また、好ましくは、棚は、誘導画像が投影される被投影面を備える。
【0012】
そして、被投影面は、棚に設けられた投影パネルの平坦面、又は、棚に収納された荷物の平坦面であってもよい。
【0013】
無人飛行体は、さらに、棚側を撮影する棚撮影部と、天井側を撮影する天井撮影部と、を備えていてもよい。投影指示部は、路面撮影部、棚撮影部及び天井撮影部による各撮影画像に基づいて、誘導画像が投影される方向を投影部に指示する。
【0014】
好ましくは、投影指示部は、各撮影画像の色に関する色データ及び照度に関する照度データと、オペレータの視認性を示す視認性スコアとの間の関係に基づく教師データを収集する収集部を備えている。また、収集部に収集された教師データから機械学習を行い、機械学習により学習モデルを生成および記憶する学習モデル生成部と、現時点の色データ及び照度データを所定時間ごとに取得する取得部と、学習モデル生成部で生成された学習モデルに、取得部から取得される現時点の色データ及び照度データを入力することで、視認性スコアを学習モデルから取得する予測部と、予測部によって取得される視認性スコアに基づいて、誘導画像が投影される方向を決定する決定部と、を備えている。
【0015】
また、配置決定部は、無人飛行体が荷役位置の高さに配置されるよう無人飛行体の空中停止位置を決定してもよい。
【0016】
好ましくは、配置決定部は、無人飛行体が荷役位置の高さに配置されるよう無人飛行体の空中停止位置を決定する。また、管理装置は、荷役位置の高さが棚の最下段の高さに相当するとき、無人飛行体が発光するように制御する。
【0017】
好ましくは、配置決定部は、無人飛行体が荷役位置の高さに配置されるよう無人飛行体の空中停止位置を決定する。また、管理装置は、荷役位置の高さが棚の最下段の高さに相当するとき、無人飛行体が天井に向けて誘導画像を投影するように制御する投影指示部を備える。
【0018】
配置決定部は、有人搬送車を操作するオペレータの目の高さと荷役位置の高さとを結ぶ直線上に無人飛行体の空中停止位置を決定することが望ましい。
【0019】
配置決定部は、有人搬送車を操作するオペレータの目に相当する高さと荷役位置の高さとを結ぶ直線上に無人飛行体の空中停止位置を決定してもよい。さらに、管理装置は、無人飛行体が路面に向けて誘導画像を投影するように制御する投影指示部を備える。
【0020】
好ましくは、管理装置は、無人飛行体が天井に向けて誘導画像を投影するように制御する投影指示部を備えている。さらに、配置決定部は、有人搬送車と、有人搬送車に最も近い無人飛行体との間の距離が所定長さになるように無人飛行体を制御する。
【0021】
また、管理装置は、無人飛行体が路面又は天井に向けて誘導画像を投影するように制御する投影指示部を備えており、無人飛行体の高さに応じて誘導画像のピントを調整するフォーカス調整を行うように制御してもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る誘導システムは、有人搬送車の車両位置と荷役位置との間で生成された誘導路上に複数台の無人飛行体を空中停止することによって、有人搬送車を操作するオペレータが荷役位置までの距離、位置及び方向等を直感的に認識することができる。
【0023】
さらに、投影指示部は、路面の汚れや剥がれなどの状態に応じて、誘導画像が投影される方向を指示するようになっているので、路面に誘導画像を綺麗に投影できない場合であっても、棚や天井等に誘導画像を綺麗に投影することで、有人搬送車を操作するオペレータが誘導画像を認識しやすいようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】誘導システムを示す斜視図。
図2】誘導システムを示す平面図。
図3】誘導システムを示す側面図であって、(A)は誘導画像が路面に投影された状態、(B)は誘導画像が天井に投影された状態。
図4】誘導システムを示す側面図であって、(A)は誘導画像が棚の投影パネルに投影された状態、(B)は誘導画像が棚に収納された荷物に投影された状態。
図5】誘導システムを示すブロック図。
図6】投影指示部を説明するためのブロック図。
図7】他の実施形態1の誘導システムを示す側面図。
図8】他の実施形態2の誘導システムを示す側面図。
図9】他の実施形態3の誘導システムを示す側面図。
図10】他の実施形態4の誘導システムを示す側面図。
図11】他の実施形態5の誘導システムを示す側面図。
図12】他の実施形態6の誘導システムを示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて、本発明に係る誘導システムの実施形態を説明する。
【0026】
<第1実施形態>
図1図6のとおり、誘導システムSは、オペレータOが操作する有人搬送車1を備える。有人搬送車1は、オペレータOが操作することで動作するように構成されている。本実施形態では、有人搬送車1は、カウンタバランス式のフォークリフトであって、オペレータOが操作することで、車体の走行、及びフォークの昇降を行うことができるように構成されている。
【0027】
誘導システムSは、工場や倉庫等の施設内に設置された複数の棚Rを備えている。棚Rは、高さ方向に複数の段部を備えており、段部の所定位置に荷物Lを収納できるように構成されている。有人搬送車1は、棚Rの所定位置に対して荷物Lを荷置き及び荷取りして荷役を行う。棚Rは、有人搬送車1が走行及び荷役を行うことができるように、所定幅の間隔を置いて配置されており、対向する棚Rの間に通路Pが形成されている(図2)。
【0028】
誘導システムSは、空中停止可能な複数台の無人飛行体2を備える。無人飛行体2は、ドローンと呼ばれており、複数本のアームの各先端側に設けられた回転翼の回転によって、所定の空中停止位置まで飛行すると共に、所定の空中停止位置でホバリング可能なように構成されている。
【0029】
誘導システムSは、無人飛行体2を制御するための管理装置3を備える(図5)。管理装置3は、記憶部30を備えている。記憶部30は、施設内に設置された棚R及び通路P、施設内に配置された荷物L等によって構成されるマップMが記憶されている。
【0030】
さらに、記憶部30は、有人搬送車1によって行われる単数または複数の荷役タスクTが荷役スケジュールJとして記憶されている。即ち、荷役スケジュールJは、所定の棚Rの所定場所から荷物Lを荷取りする荷役タスクT1、所定の棚Rの所定場所に荷物Lを荷置きする荷役タスクT2、出荷場所に荷物Lを荷置きする荷役タスクT3、入荷場所から荷物Lを荷取りする荷役タスクT4等の単数または複数の荷役タスクTが、所定の順序に従って設定されている。また、荷役タスクTは、荷物Lの位置情報、荷物Lに対する荷役(荷取り又は荷置き)情報が含まれている。
【0031】
管理装置3は、荷役指示部34を備えており、荷役指示部34が、記憶部30から送信される荷役スケジュールJの荷役タスクTを有人搬送車1の運転席に設けられた表示部11に表示するように構成されている。
【0032】
表示部11は、例えば、タッチパネルディスプレイで構成されており、荷役指示部34は、有人搬送車1が行うべき荷役タスクTを表示部11に表示する。オペレータOは、表示部11に表示された荷役タスクTに従って、有人搬送車1を操作して荷役を行う。荷役タスクTが終了すると、オペレータOは、表示部11に表示された終了ボタン(不図示)を押して、終了信号が荷役指示部34に送信される。荷役指示部34は、終了信号を受信すると、荷役スケジュールJに基づいて、次に有人搬送車1が行うべき荷役タスク(次の荷役タスク)Tを表示部11に表示するように構成されている。
【0033】
有人搬送車1は、位置検出部10を備えている。位置検出部10は、レーザーセンサ、GPSセンサ、電磁誘導センサ等で構成されている。位置検出部10は、有人搬送車1の車両位置D1を検出するように構成されている。
【0034】
管理装置3は、誘導路生成部31を備えている。誘導路生成部31は、位置検出部10から送信される有人搬送車1の車両位置D1の情報と、記憶部30から送信される施設マップMと、記憶部30から送信される荷役スケジュールJの荷役タスクTとに基づいて、有人搬送車1の車両位置D1と荷役位置D2との間の誘導路4を生成する。荷役位置D2は、荷役タスクTにおいて有人搬送車1が荷取り及び荷置きする通路P上の位置である(図2)。
【0035】
図2のとおり、誘導路生成部31は、例えば、車両位置D1と荷役位置D2とを通路P上で結ぶ誘導路4を生成するように構成されている。誘導路4は、例えば、有人搬送車1の走行距離が最短となるよう設定される。本実施形態では、図2のとおり、誘導路4は、第1直線部41、屈曲部40、第2直線部42で構成されている。
【0036】
無人飛行体2は、位置検出部20を備えている(図5)。位置検出部20は、GPSセンサ、ジャイロセンサ、超音波センサ、レーザーセンサ、気圧センサ、コンパス、加速度センサ等で構成されており、無人飛行体2の位置を検出することができる。
【0037】
無人飛行体2は、飛行制御部21を備えている。飛行制御部21は、回転翼の回転を制御するように構成されている。無人飛行体2は、位置検出部20の検出結果と飛行制御部21の制御とに基づいて、誘導路4上の所定の空中停止位置まで飛行して、空中停止位置で空中停止するようにホバリングすることができる。
【0038】
管理装置3は、配置決定部32を備えている。配置決定部32は、無人飛行体2の台数を誘導路4の距離に応じて決定するように構成されている。
【0039】
配置決定部32は、例えば、無人飛行体2が誘導路4上に等間隔に配置されるようにする場合、誘導路4が長距離のときは、多数の無人飛行体2が配置されるように決定する一方、誘導路4が短距離のときは、少数の無人飛行体2が配置されるように決定する。
【0040】
配置決定部32は、さらに、誘導路4上で無人飛行体2がホバリングする空中停止位置を決定するよう構成されている。図2のとおり、本実施形態では、無人飛行体2は、誘導路4の第1直線部41及び第2直線部42上で等間隔に空中停止してホバリングすると共に、誘導路4の屈曲部40上に配置される屈曲位置D3、誘導路4上に配置される荷役位置D2で空中停止してホバリングする。
【0041】
誘導路4上の屈曲位置D3は、有人搬送車1が曲がる重要な位置であることから、屈曲位置D3に無人飛行体2が空中停止してホバリングすることで、オペレータOは、重要な位置である屈曲位置D3を素早く把握することができる。また、誘導路4上の荷役位置D2は、有人搬送車1が荷役作業を行う重要な位置であることから、荷役位置D2に無人飛行体2が空中停止してホバリングすることで、オペレータOは、重要な位置である荷役位置D2を素早く把握することができる。
【0042】
無人飛行体2は、記憶部22を備えている。記憶部22は、誘導画像200を記憶している。誘導画像200は、例えば、有人搬送車1を荷役位置D2に誘導するための矢印等で構成されており、荷役位置D2に応じて矢印の向きが変化するように表示される(図2)。
【0043】
無人飛行体2は、投影部23を備えている。投影部23は、例えば、プロジェクタ等で構成されており、施設の通路Pの路面に、記憶部22に記憶された誘導画像200を投影することができるようになっている(図1及び図2)。
【0044】
管理装置3は、投影指示部33を備えている。投影指示部33は、誘導路生成部31による誘導路4に応じて、通路Pに投影すべき誘導画像200を決定して、無人飛行体2の投影部23に投影の指示を送るよう構成されている。
【0045】
図1及び図2の通り、通常では、投影部23は、通路Pの路面に誘導画像200を投影するように構成されている。
【0046】
また、無人飛行体2は、路面撮影部25を備えており、路面撮影部25は、通路Pの路面を撮影するよう構成されている。路面撮影部25は、例えば、CCDセンサ、CMOSセンサ、イメージプロセッサ等を有するカメラでよく、撮影画像を取得するよう構成されている。
【0047】
無人飛行体2は、誘導画像200を投影する投影部23を備えているが、投影部23は、例えば、1つのプロジェクタが誘導画像200を投影する方向を変更するか、複数のプロジェクタが異なる方向に誘導画像200を投影するよう構成されており、通路P側、棚R側、天井C側等に誘導画像200を投影することができる。投影部23は、例えば、プロジェクタがモータで回転可能に構成されるか、誘導画像200を反射する反射鏡がモータで回転可能に構成されていて、誘導画像200が投影される方向を変更してもよい。
【0048】
また、投影指示部33は、路面撮影部25による撮影画像に基づいて、誘導画像200が投影される方向を投影部23に指示するよう構成されている。投影指示部33は、通路Pの路面の色を記憶しており、撮影画像の全体のうち所定の割合が通路Pの路面の色と異なる色であるときに、路面が汚れていたり剥がれていたりしており、誘導画像200を綺麗に投影できないことから、誘導画像200を通路Pではなく、棚R側や天井C側等に投影するように投影部23に指示してもよい(図3及び図4)。
【0049】
また、図6の通り、投影指示部33は、機械学習によって、誘導画像200が投影される方向を投影部23に指示してもよい。このとき、投影指示部33は、教師データ46を収集する収集部40を備えている。教師データ46は、通路Pの路面の色に関する色データD1と、通路Pの路面の照度に関する照度データD2とを含む。
【0050】
投影指示部33は、収集部40に収集された教師データ46(色データD1、照度データD2)から機械学習を行い、機械学習により学習モデルを生成および記憶する学習モデル生成部41を備える。本実施の形態の学習モデル生成部41は、教師あり学習を実施する。教師あり学習では、教師データ46、すなわち、入力データIDと出力データODとの組を大量に学習モデル生成部41に入力する。
【0051】
入力データIDは、通路Pの路面の色及び照度を含む。出力データODは、視認性スコアである。オペレータが誘導画像200を視認できるか否かの可能性を示す視認性スコアとして、入力データIDを評価し、0から10までの数値パラメータが設定される。
【0052】
例えば、視認性スコアの数値パラメータが高い、すなわち、オペレータが誘導画像200を視認できる可能性が高いと判断される場合として、例えば、通路Pの路面の色が、当初の色と同じ色の割合が高いか、同じ色の割合が低かったとしても当初の色に近い色の割合が高くて、照度が高い場合などは、視認性がよいことが多い。
【0053】
一方、視認性スコアの数値パラメータが低い、すなわち、オペレータが誘導画像200を認識できる可能性が低いと判断される場合として、例えば、通路Pの路面の色が、当初の色と異なる色の割合が高いか、異なる色の割合が低かったとしても当初の色から遠い色の割合が高くて、照度が低い場合などは、視認性が悪いことが多い。
【0054】
視認性スコアは、通路Pの路面の色及び照度のいずれかの数値パラメータで設定されてもよいし、重み付け係数により加重平均された数値パラメータで設定されてもよい。
【0055】
なお、実際に、オペレータが誘導画像200を視認するときに、通路Pの路面の色及び照度によって視認性が異なるので、通路Pの路面の色及び照度と、オペレータが誘導画像200を視認できることとの間に相関関係等の一定の関係が存在することは推認できる。
【0056】
学習モデル生成部41は、一般的なニューラルネットワーク等の機械学習アルゴリズムを用いる。学習モデル生成部41は、相関関係を有する入力データIDと出力データODを教師データ46として機械学習を行うことにより、入力から出力を推定するモデル(学習モデル)、すなわち、入力データIDを入力すると、視認性スコアを出力するモデルを生成する。
【0057】
投影指示部33は、現時点の入力データIDを所定時間ごとに取得する取得部45を備える。本実施形態では、取得部45は、路面撮影部25である。上記の通り、入力データIDは、通路Pの路面の色及び照度である。入力データIDは、所定時間(例えば1分)ごとに取得される。
【0058】
投影指示部33は、学習モデル生成部41で生成された学習モデルを、取得部45から取得される現時点の入力データIDに適用することで、オペレータが誘導画像200を視認できるか否かを予測する予測部42を備える。
【0059】
所定時間ごとに予測部42に現時点の入力データIDが入力されたときに、通路Pの路面の色及び照度を解析して視認性スコアが取得される。取得された視認性スコアが予め設定された所定の数値パラメータ以上という条件を満たせば、オペレータが誘導画像200を視認できる可能性が高いと予測される。
【0060】
決定部43は、視認性が低いときに、投影部23に対して、誘導画像200が投影される方向を通路Pの路面ではなく、棚R側や天井C側等の方向にするよう決定する。これにより、オペレータが誘導画像200を視認しやすくなるよう構成されている。
【0061】
また、無人飛行体2は、路面撮影部25に加えて、棚撮影部26及び天井撮影部27を備えていてもよい。棚撮影部26は、棚Rを撮影するよう構成されている。天井撮影部27は、天井Cを撮影するよう構成されている。各撮影部25,26,27は、例えば、CCDセンサ、CMOSセンサ、イメージプロセッサ等を有するカメラでよく、撮影画像のデータを取得するよう構成されている。各撮影部25,26,27は、それぞれ異なる複数のカメラで構成されてもよいし、単一のカメラで構成されてもよい。
【0062】
図4(A)の通り、棚Rは、荷物Lが収納される収納部ごとに設けられた投影パネル210を備えていてもよい。投影パネル210は、通路P側の平坦面である被投影面201に誘導画像200が投影されるようになっている。また、図4(B)の通り、棚Rに収納された荷物Lの通路P側を被投影面201として、誘導画像200が投影されてもよい。
【0063】
投影指示部33は、路面撮影部25で撮影された通路Pの路面が汚れていたり剥がれていたりする場合や、棚撮影部26で撮影された棚Rに、投影パネル210や荷物Lの被投影面201がなかったり、被投影面201が汚れていたりする場合に、図3(B)の通り、天井Cに誘導画像200が投影されてもよい。
【0064】
投影指示部33は、被投影面201の色を記憶しており、撮影画像の全体のうち所定の割合が通常の色と異なる色であるときに、汚れていたり剥がれていたりしており、誘導画像200を綺麗に投影できないことから、誘導画像200を棚R側ではなく、天井C側に投影するように投影部23に指示してもよい。また、投影指示部33は、棚Rに荷物Lが収納されていないと認識した場合、被投影面201がないことから、誘導画像200を棚R側ではなく、天井C側に投影するように投影部23に指示してもよい。
【0065】
また、投影指示部33の収集部40は、通路Pの路面の色及び照度に加えて、被投影面201及び天井Cの色に関する色データD1と、被投影面201及び天井Cの照度に関する照度データD2とを含んでもよい。
【0066】
そして、投影指示部33の学習モデル生成部41は、通路Pの路面の色及び照度と同様に、収集部40に収集された教師データ46から機械学習を行い、機械学習により学習モデルを生成および記憶して、棚撮影部26及び天井撮影部27である取得部45による入力データIDに基づいて、予測部42が、オペレータが誘導画像200を視認できるか否かを予測する。
【0067】
決定部43は、通路Pの路面の視認性が低いときに、投影部23に対して、誘導画像200が投影される方向を棚R側ではなく天井C側の方向にしたり、天井C側ではなく棚R側の方向にしたりするよう決定する。これにより、オペレータが誘導画像200を視認しやすくなるよう構成されている。
【0068】
オペレータOは、通路P側、棚R側又は天井C側に投影された誘導画像200を目視し、誘導画像200に沿って有人搬送車1を荷役位置D2まで走行して、表示部11に表示された荷役タスクTに従って有人搬送車1を操作して荷物Lに対して荷役作業を行うことができる。
【0069】
誘導システムSでは、有人搬送車1の車両位置D1と荷役位置D2との間で生成された誘導路4上に複数台の無人飛行体2を空中停止してホバリングすることによって、有人搬送車1を操作するオペレータOは、荷役位置D2までの距離及び方向等を直感的に認識することができる。
【0070】
<他の実施例>
図7図12に基づいて、誘導システムSにおける他の実施例を説明する。
なお、上記第1実施形態と同様の構成については、重複説明を避けるために省略することがある。
【0071】
(他の実施例1)
図7のとおり、管理装置3の配置決定部32は、無人飛行体2が荷役位置D2の高さに配置されるよう無人飛行体2の空中停止位置を決定するよう構成されてもよい。即ち、管理装置3の記憶部30は、荷役スケジュールJの各荷役タスクTの荷役位置D2の高さ位置が記憶されている。荷役位置D2の高さ位置とは、各荷役タスクTで荷役される荷物Lの高さである。有人搬送車1によって、荷役位置D2の高さ位置で荷物Lに対して荷取り・荷置きの荷役が行われる。配置決定部32は、各荷役タスクTの荷役位置D2の高さ位置に相当する高さで無人飛行体2がホバリングして空中停止するように構成されている。
【0072】
有人搬送車1を操作するオペレータOは、無人飛行体2から通路P上に投影される誘導画像200に沿って有人搬送車1を走行するが、無人飛行体2の空中停止位置を目視で確認するだけで、荷役を行うべき荷物Lの高さを直感的に認識することができる。
【0073】
(他の実施例2)
図8のとおり、管理装置3の配置決定部32は、無人飛行体2が荷役位置D2の高さ位置に配置されるよう無人飛行体2の空中停止位置を決定するよう構成されてもよい。そして、無人飛行体2は、発光装置(不図示)を備えており、オペレータOが無人飛行体2の位置を容易に認識できるように発光するよう構成されている。
【0074】
管理装置3の配置決定部32は、荷役位置D2の高さ位置が棚Rの最下段の高さに相当するとき、無人飛行体2が棚Rの最下段の高さに配置されるよう無人飛行体2の空中停止位置を決定する。従って、無人飛行体2は通路Pに近接する低い位置で空中停止しているため、通路P上に誘導画像200が投影されても、オペレータOが認識することが難しいことから、無人飛行体2が発光して、その結果、オペレータOが誘導路4を確実に認識することができる。
【0075】
有人搬送車1が走行して無人飛行体2に接近すると、無人飛行体2は、有人搬送車1に衝突しないよう回避飛行するよう構成されている。
【0076】
有人搬送車1を操作するオペレータOは、無人飛行体2に沿って有人搬送車1を走行することで荷役位置D2に到達できるが、無人飛行体2の空中停止位置を目視で確認するだけで、荷役を行うべき荷物Lの高さを直感的に認識することができる。
【0077】
(他の実施例3)
図9のとおり、管理装置3の配置決定部32は、無人飛行体2が荷役位置D2の高さ位置に配置されるよう無人飛行体2の空中停止位置を決定するよう構成されてもよい。そして、無人飛行体2は、投影部23を備えており、投影部23は、施設の天井Cに誘導画像200を投影することができるよう構成されている。
【0078】
管理装置3の配置決定部32は、荷役位置D2の高さ位置が棚Rの最下段の高さに相当するとき、無人飛行体2が棚Rの最下段の高さに配置されるよう無人飛行体2の空中停止位置を決定する。従って、無人飛行体2は通路Pに近接して低い位置で空中停止しているため、通路P上に誘導画像200が投影されても、オペレータOは認識することが難しいことから、無人飛行体2が天井C上に誘導画像200を投影することで、オペレータOが誘導路4を確実に認識することができる。
【0079】
有人搬送車1が走行して無人飛行体2に接近すると、無人飛行体2は、有人搬送車1に衝突しないよう回避飛行するよう構成されている。
【0080】
有人搬送車1を操作するオペレータOは、無人飛行体2から天井C上に投影される誘導画像200に沿って有人搬送車1を走行することで荷役位置D2に到達できるが、無人飛行体2の空中停止位置を目視で確認するだけで、荷役を行うべき荷物Lの高さを直感的に認識することができる。
【0081】
(他の実施例4)
図10のとおり、管理装置3の配置決定部32は、有人搬送車1を操作するオペレータOの目の高さと荷役位置D2の高さ位置とを結ぶ直線OS上に無人飛行体2の空中停止位置を決定するよう構成されてもよい。そして、無人飛行体2は、発光装置(不図示)を備えており、オペレータOが無人飛行体2の位置を容易に認識できるように発光するよう構成されている。
【0082】
有人搬送車1を操作するオペレータOは、無人飛行体2に沿って有人搬送車1を走行することで荷役位置D2に到達できるが、無人飛行体2の空中停止位置を目視で確認するだけで、荷役を行うべき荷物Lの高さを直感的に認識することができる。
【0083】
(他の実施例5)
図11のとおり、管理装置3の配置決定部32は、有人搬送車1を操作するオペレータOの目の高さと荷役位置D2の高さ位置とを結ぶ直線OS上に無人飛行体2の空中停止位置を決定するよう構成されてもよい。そして、無人飛行体2は、投影部23を備えており、投影部23は、施設の通路Pに誘導画像200を投影することができるよう構成されている。
【0084】
有人搬送車1を操作するオペレータOは、無人飛行体2に沿って有人搬送車1を走行することで荷役位置D2に到達できるが、無人飛行体2の空中停止位置を目視で確認するだけで、荷役を行うべき荷物Lの高さを直感的に認識することができる。
【0085】
また、オペレータOは、無人飛行体2に沿って有人搬送車1を走行することができるので、誘導画像200は、荷役位置D2の方向を指す矢印で構成する必要がなく、その他の、例えば、荷役されるべき荷物Lの種類等を表示することができる。従って、オペレータOは、荷物Lの種類等に応じて、荷取り及び荷置きを行うための準備ができる。
【0086】
(他の実施例6)
図12のとおり、管理装置3の配置決定部32は、無人飛行体2が荷役位置D2の高さ位置に配置されるよう無人飛行体2の空中停止位置を決定するよう構成されてもよい。そして、無人飛行体2は、投影部23を備えており、投影部23は、施設の天井Cに誘導画像200を投影することができるよう構成されている。
【0087】
管理装置3の配置決定部32は、荷役位置D2の高さ位置が棚Rの最下段の高さに相当するとき、無人飛行体2が棚Rの最下段の高さに配置されるよう無人飛行体2の空中停止位置を決定する。従って、無人飛行体2は通路Pに近接した低い位置であるため、通路P上に誘導画像200が投影されても、オペレータOが認識することが難しいことから、投影指示部33は、無人飛行体2が天井C上に誘導画像200を投影するように制御する。
【0088】
さらに、有人搬送車1と、有人搬送車1に最も近い誘導画像200との間の距離Xが短いと、有人搬送車1を操作するオペレータOの視線が大きな角度で上方に向いて危険であることから、配置決定部32は、有人搬送車1と、有人搬送車1に最も近い誘導画像200との間の距離Xが所定長さとなって、オペレータOの視線が大きな角度で上方を向かないよう制御する。
【0089】
距離Xは、予め設定された一定長さでも良く、例えば、有人搬送車1の速度が所定速度より速いときは長くなり、所定速度より遅いときは短くなる等、有人搬送車1の速度に応じて変更されても良い。それによって、有人搬送車1を操作するオペレータOの視線が小さな角度で上方に向くので、有人搬送車1を安全に走行することができる。
【0090】
有人搬送車1が走行して無人飛行体2に接近すると、無人飛行体2は、有人搬送車1に衝突しないよう回避飛行するよう構成されている。
【0091】
有人搬送車1を操作するオペレータOは、無人飛行体2から天井C上に投影される誘導画像200に沿って有人搬送車1を走行するが、無人飛行体2の空中停止位置を目視で確認するだけで、荷役を行うべき荷物Lの高さを直感的に認識することができる。
【0092】
(他の実施例7)
管理装置3の投影指示部33は、無人飛行体2が通路Pの路面又は天井Cに向けて誘導画像200を投影するときに、無人飛行体2の空中停止位置の高さに応じて、誘導画像200が通路Pの路面又は天井Cに鮮明に投影されるようピントを調整するフォーカス調整を行うように制御してもよい。
【0093】
フォーカス調整によって誘導画像200が通路Pの路面又は天井Cに鮮明に投影されることで、オペレータOは、誘導画像200を確実に認識することでき、それにより、有人搬送車1を適切に走行及び操作することができる。
【0094】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されない。例えば、以下のように変更することもできる。
【0095】
上記実施形態では、無人飛行体2は、通路P又は天井C上に誘導画像200を投影したり、自機を発光したりして、オペレータOの視覚によって誘導路4が認識されるように構成されているが、音声、ブザー、チャイム等の音を発する音声発生部(不図示)を備えており、オペレータOの聴覚によって誘導路4が認識されるように構成されてもよい。音声発生部は、例えば、「15m先を左折です」、「30m先、目的地です」、「この先、障害物あり。ご注意ください」等の音声を発するよう構成されている。
【0096】
本発明の効果について説明する。
【0097】
誘導システムSでは、有人搬送車1の車両位置D1と荷役位置D2との間で生成された誘導路4上に複数台の無人飛行体2を空中停止することによって、有人搬送車1を操作するオペレータOが荷役位置D2までの距離、位置及び方向等を直感的に認識することができる。
【0098】
さらに、投影指示部33は、路面撮影部25による撮影画像に基づいて、通路Pの路面の汚れや剥がれなどの状態に応じて誘導画像200が投影される方向を指示するようになっているので、通路Pの路面に誘導画像200を綺麗に投影できない場合であっても、他の部分に誘導画像200を綺麗に投影することで、有人搬送車1を操作するオペレータOが誘導画像200を認識しやすいようにすることができる。
【符号の説明】
【0099】
1 有人搬送車
2 無人飛行体
3 管理装置
4 誘導路
25 路面撮影部
26 棚撮影部
27 天井撮影部
31 誘導路生成部
32 配置決定部
33 撮影指示部
40 収集部
41 学習モデル生成部
42 予測部
43 決定部
45 取得部
200 誘導画像
201 被投影面
210 投影パネル
D1 車両位置
D2 荷役位置
S 誘導システム
R 棚
P 路面
C 天井
O オペレータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12