(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177537
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20231207BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20231207BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20231207BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231207BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20231207BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20231207BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231207BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20231207BHJP
H01G 11/12 20130101ALI20231207BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20231207BHJP
【FI】
H01M50/289
H01M50/211
H01M50/271 S
H01M10/613
H01M10/6557
H01M10/647
H01M10/625
H01M50/262 Z
H01G11/12
H01G11/78
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090264
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加茂 吉朗
【テーマコード(参考)】
5E078
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5E078AA10
5E078AB01
5E078HA05
5E078HA22
5E078JA02
5E078JA06
5E078JA07
5E078JA08
5E078JA09
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA14
5H040AA28
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT04
5H040AY05
5H040AY06
5H040CC01
5H040CC20
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】外部から衝撃が入力された際に、蓄電スタックの破損を抑制できる蓄電装置を提供する。
【解決手段】蓄電装置100は、第1方向に配列された複数の蓄電モジュール21を含む蓄電スタック20と、第1方向に蓄電スタック20を挟み込む一対の拘束板11,13と、互いの間に蓄電スタック20が位置するように、第1方向に直交する第2方向に相対する一対の側壁部14,15と、第2方向における蓄電スタックの両外側において、蓄電スタック20と一対の側壁部14,15との間にそれぞれ配置される複数のストッパと、を備え、一対の拘束板14,15の外側主面の各々には、第1方向および第2方向に直交する第3方向に並ぶように複数の補強部が設けられており、複数のストッパの各々は、複数の補強部のうち対応する補強部と第1方向に重なる位置に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に配列された複数の蓄電モジュールを含む蓄電スタックと、
前記第1方向に前記蓄電スタックを挟み込む一対の拘束板と、
互いの間に前記蓄電スタックが位置するように、前記第1方向に直交する第2方向に相対する一対の側壁部と、
前記第2方向における前記蓄電スタックの両外側において、前記蓄電スタックと前記一対の側壁部との間にそれぞれ配置される複数のストッパと、を備え、
前記一対の拘束板の各々は、前記蓄電スタックが位置する側とは反対側に位置する外側主面を有し、
前記一対の拘束板の前記外側主面の各々には、前記第2方向に沿って延在し、かつ、前記第1方向および前記第2方向に直交する第3方向に並ぶように複数の補強部が設けられており、
前記複数のストッパの各々は、前記複数の補強部のうち対応する補強部が有する前記第2方向の両端部側で、前記対応する補強部と前記第1方向に重なる位置に配置されている、蓄電装置。
【請求項2】
前記蓄電スタックは、互いに隣り合う蓄電モジュールの間に配置される冷却器と、前記第1方向の最も一方側に配置された蓄電モジュールの前記第1方向の一方側に積層された第1集電板と、前記第1方向の最も他方側に配置された蓄電モジュールの前記第1方向の他方側に積層された第2集電板とを含み、
前記複数のストッパの各々は、前記複数の蓄電モジュールに接触し、前記冷却器、前記第1集電板、および前記第2集電板に接触しないように設けられている、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記複数のストッパの各々は、前記蓄電スタック側を向く内側表面を有し、
前記内側表面には、断熱部材が設けられている、請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第1方向から見た場合に、前記第3方向における前記ストッパの両端は、前記第3方向における前記補強部の両端よりも内側に位置する、請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記複数の補強部の各々は、前記第2方向に沿って延在し、かつ、前記第3方向に間隔をあけて前記外側主面上に配置された一対のフランジ部と、前記第3方向における前記一対のフランジ部の内側端部から起立する一対の立壁部と、前記一対の立壁部を接続する接続壁部とを有する、請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記複数のストッパの各々は、前記複数の補強部のうち対応する補強部に締結固定されている、請求項5に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に搭載される蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、ビデオカメラ等に用いられる蓄電装置として、特開2008-235170号公報(特許文献1)には、リチウムイオン二次電池からなる組電池(蓄電スタック)をケースに収容し、組電池とケースの間のうち側面を部分的に弾性体で覆い、側面の角部に発泡性充填剤を配置した構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電装置を車両に搭載する場合には、側突等の衝突により衝撃が蓄電装置に伝達された場合であっても、ケース内に収容された組電池(蓄電スタック)が破損されにくい構成であることが要求される。
【0005】
特許文献1の構成を車両に搭載する蓄電装置に適用した場合には、収容ケースと組電池との間の一部に弾性体と発泡性充填剤とを配置することにより耐震性を向上させることが可能となる。しかしながら、収容ケースに衝撃が伝達された際に、発泡性充填剤が充填された部分において収容ケースが内側に押し込まれた場合には、収容ケースに押し込まれた発泡性充填剤が組電池を押し込んでしまう虞がある。この場合には、組電池が破損することが起こり得る。
【0006】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、外部から衝撃が入力された際に、蓄電スタックの破損を抑制できる蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づく蓄電装置は、第1方向に配列された複数の蓄電モジュールを含む蓄電スタックと、上記第1方向に上記蓄電スタックを挟み込む一対の拘束板と、互いの間に上記蓄電スタックが位置するように、上記第1方向に直交する第2方向に相対する一対の側壁部と、上記第2方向における上記蓄電スタックの両外側において上記蓄電スタックと、上記一対の側壁部との間にそれぞれ配置される複数のストッパと、を備える。上記一対の拘束板の各々は、上記蓄電スタックが位置する側とは反対側に位置する外側主面を有する。上記一対の拘束板の上記外側主面の各々には、上記第2方向に沿って延在し、かつ、上記第1方向および上記第2方向に直交する第3方向に並ぶように複数の補強部が設けられている。上記複数のストッパの各々は、上記複数の補強部のうち対応する補強部が有する上記第2方向の両端部側で、前記対応する補強部と上記第1方向に重なる位置に配置されている。
【0008】
上記構成によれば、拘束板のうち複数の補強部が設けられている部分は、剛性が高くなっており、第2方向から衝撃が入力された場合に変形しにくい。このため、複数の補強部のうち対応する補強部と第1方向に重なる位置にストッパを設けることで、第2方向から衝撃が入力された場合に、蓄電スタックと一対の側壁部との間に配置されたストッパが、蓄電スタックを直接押し込むことを抑制できる。これにより、蓄電スタックの破損を抑制することができる。
【0009】
上記本開示に基づく蓄電装置にあっては、上記蓄電スタックは、互いに隣り合う蓄電モジュールの間に配置される冷却器と、上記第1方向の最も一方側に配置された蓄電モジュールの上記第1方向の一方側に積層された第1集電板と、上記第1方向の最も他方側に配置された蓄電モジュールの上記第1方向の他方側に積層された第2集電板とを含んでいてもよい。この場合には、上記複数のストッパの各々は、上記複数の蓄電モジュールに接触し、上記冷却器、上記第1集電板、および上記第2集電板に接触しないように設けられていることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、電位を持つ冷却器、第1集電板、および第2集電板にストッパが接触しないことにより、蓄電スタックが短絡することを抑制することができる。
【0011】
上記本開示に基づく蓄電装置にあっては、上記複数のストッパの各々は、上記蓄電スタック側を向く内側表面を有する。この場合には、上記内側表面には、断熱部材が設けられていてもよい。
【0012】
上記構成によれば、断熱部材が設けられることにより、ストッパの内側表面側が結露することを抑制することができる。
【0013】
上記本開示に基づく蓄電装置にあっては、上記第1方向から見た場合に、上記第3方向における上記ストッパの両端は、上記第3方向における上記補強部の両端よりも内側に位置していてもよい。
【0014】
上記構成によれば、第2方向から衝撃が入力された場合に、側壁部によってストッパが内側に押されることが抑制される。これにより、蓄電スタックと側壁部との間に配置されたストッパが、蓄電スタックを直接押し込むことをさらに抑制できる。
【0015】
上記本開示に基づく蓄電装置にあっては、上記複数の補強部の各々は、上記第2方向に沿って延在し、かつ、上記第3方向に間隔をあけて上記外側主面上に配置された一対のフランジ部と、上記第3方向における上記一対のフランジ部の内側端部から起立する一対の立壁部と、上記一対の立壁部を接続する接続壁部とを有する。
【0016】
上記構成によれば、拘束板が広範囲となる場合であっても簡素な構成で拘束板を補強することができ、製造コストを抑制できる。
【0017】
上記本開示に基づく蓄電装置にあっては、上記複数のストッパの各々は、上記複数の補強部のうち対応する補強部に締結固定されていてもよい。
【0018】
上記構成によれば、補強部と第1方向に重なるようにストッパの位置決めを容易に行なうことができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、外部から衝撃が入力された際に、蓄電スタックの破損を抑制できる蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施の形態1に係る蓄電装置の分解斜視図である。
【
図2】
図1に示すII-II線に沿った断面図である。
【
図3】
図1に示すIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】実施の形態1に係る蓄電装置における補強部とストッパとの位置関係を示す平面図である。
【
図5】実施の形態2に係る蓄電装置における補強部とストッパとの位置関係を示す平面図である。
【
図6】実施の形態3に係る蓄電装置における補強部とストッパとの位置関係を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る蓄電装置の分解斜視図である。
図2は、
図1に示すII-II線に沿った断面図である。
図3は、
図1に示すIII-III線に沿った断面図である。
図1から
図3を参照して、実施の形態1に係る蓄電装置100について説明する。
【0023】
蓄電装置100は、モータとエンジンとの少なくとも一方の動力を用いて走行可能なハイブリッド車両、または、電気エネルギによって得られた駆動力で走行する電動車両等の車両に搭載される。
【0024】
蓄電装置100は、収容ケース10、蓄電スタック20、および複数のストッパ50,60(
図4参照)を備える。
【0025】
蓄電スタック20は、複数の蓄電モジュール21と、複数の冷却器22と、第1集電板23および第2集電板24と、絶縁シート25,27と、弾性シート26,28とを含む。
【0026】
複数の蓄電モジュール21は、第1方向(DR1方向)に配列されている。なお、第1方向は、蓄電装置100が車両に搭載された搭載状態において、車両の上下方向と平行となる。
【0027】
複数の蓄電モジュール21は、たとえば、いわゆるバイポーラ電池である。より具体的には、蓄電モジュール21は、ラミネート型の水系電池であり、リチウムイオン電池等の二次電池である。なお、蓄電モジュール21は、上記に限定されず、全固体電池、キャパシタ等で構成されていてもよい。
【0028】
複数の冷却器22は、互いに隣り合う蓄電モジュール21の間に配置されている。複数の冷却器22には、冷媒が流動可能な冷媒流路が設けられている。冷却器22は、蓄電モジュール21を冷却する。
【0029】
第1集電板23は、第1方向の最も一方側に位置する蓄電モジュール21の第1方向の一方側に積層されている。第1集電板23は、たとえば正極用の集電板である。第1集電板23は、不図示の正極端子に接続されている。
【0030】
第2集電板24は、第1方向の最も他方側に位置する蓄電モジュール21の第1方向の他方側に積層されている。第2集電板24は、たとえば負極用の集電板である。第2集電板24は、不図示の負極端子に接続されている。当該負極端子と上述の正極端子とを用いて、蓄電スタック20の充放電が行われる。
【0031】
第1集電板23の第1方向の一方側には、絶縁シート25が配置されている。絶縁シート25の第1方向の一方側には、弾性シート26が配置されている。
【0032】
第2集電板24の第1方向の他方側には、絶縁シート27が配置されている。絶縁シート27の第1方向の他方側には、弾性シート28が配置されている。
【0033】
収容ケース10は、内部に、蓄電スタック20、および複数のストッパ50,60を収容する。収容ケース10は、天井部を構成する拘束板11と、ロアケース12とを含む。
【0034】
拘束板11は、広範囲に亘って延在する板状形状を有する。たとえば、第1方向に直交する第2方向(DR2方向)における拘束板11の長さは、略1210mmであってもよく、第1方向および第2方向に直交する第3方向(DR3方向)における拘束板11の長さは、略1535mmであってもよい。
【0035】
なお、第2方向は、上記搭載状態において、車両の左右方向と平行となる。また、第3方向は、上記搭載状態において、車両の前後方向と平行となる。
【0036】
拘束板11は、たとえば、SUS等の金属部材によって構成されていてもよい。拘束板11は、後述するロアケース12の側壁部16,17にボルト等の締結部材を用いて締結固定される。
【0037】
拘束板11は、蓄電スタック20が位置する側とは反対側に位置する外側主面11aを有する。外側主面11aには、複数の補強部30が設けられている。
【0038】
複数の補強部30の各々は、第2方向に沿って延在するように設けられている。複数の補強部30は、第2方向における拘束板11の一端から第2方向における拘束板11の他端に到達するように延在している。複数の補強部30は、第3方向に並んで配置されている。複数の補強部30は、溶接等によって拘束板11に溶着されていてもよいし、締結部材によって拘束板11に固定されていてもよい。複数の補強部30は、SUS等の金属部材によって構成されていてもよい。
【0039】
補強部30は、一対のフランジ部31、一対の立壁部32、および接続壁部33を含む。一対のフランジ部31は、外側主面11a上に配置されている。一対のフランジ部31は、第2方向に沿って延在し、かつ、第3方向に間隔をあけて配置されている。
【0040】
一対の立壁部32は、第3方向における一対のフランジ部31の内側端部から起立する。接続壁部33は、一対の立壁部32を接続する。
【0041】
ロアケース12は、第1方向の一方側に向けて開口する略箱形形状を有する。ロアケース12は、たとえば、SUS等の金属部材によって構成されていてもよい。ロアケース12は、底部としての拘束板13と、複数の側壁部14~17とを含む。
【0042】
拘束板13は、拘束板11同様に、広範囲に亘って延在する板状形状を有する。拘束板13は、第1方向に拘束板11と対向する。拘束板11と拘束板13とによって蓄電スタック20を挟み込むことにより、蓄電スタック20が拘束される。
【0043】
拘束板13は、蓄電スタック20が位置する側とは反対側に位置する外側主面13aを有する。外側主面13aには、複数の補強部40が設けられている。
【0044】
複数の補強部40の各々は、第2方向に沿って延在するように設けられている。複数の補強部30は、第2方向における拘束板13の一端から第2方向における拘束板13の他端に到達するように延在している。複数の補強部40は、第3方向に並んで配置されている。複数の補強部40は、溶接等によって拘束板13に溶着されていてもよいし、締結部材によって拘束板11に固定されていてもよい。複数の補強部40は、SUS等の金属部材によって構成されていてもよい。
【0045】
複数の補強部40は、複数の補強部30と対応する位置に設けられている。具体的には、複数の補強部40は、複数の補強部30と第1方向に対向する位置に設けられている。
【0046】
補強部40は、補強部30とほぼ同様の形状を有する。補強部40は、一対のフランジ部41、一対の立壁部42、および接続壁部43を含む。一対のフランジ部41は、外側主面13a上に配置されている。一対のフランジ部41は、第2方向に沿って延在し、かつ、第3方向に間隔をあけて配置されている。
【0047】
一対の立壁部42は、第3方向における一対のフランジ部41の内側端部から起立する。接続壁部43は、一対の立壁部42を接続する。
【0048】
補強部30,40が上記の形状を有することにより、上述のように、拘束板11,13が広範囲となる場合であっても簡素な構成で拘束板11,13を補強することができ、製造コストを抑制できる。
【0049】
複数の側壁部14~17は、拘束板13の周縁に設けられている。複数の側壁部14~17は、拘束板13の周縁に接続されている。一対の側壁部14,15は、第2方向に相対している。一対の側壁部14,15は、第3方向に沿って延在する。
【0050】
一対の側壁部16,17は、第3方向に相対している。一対の側壁部16,17は、第2方向に沿って延在する。側壁部16は、第3方向の一方側(前方側)に位置する一対の側壁部14,15の端部同士を接続する。側壁部17は、第3方向の他方側(後方側)に位置する一対の側壁部14,15の端部同士を接続する。
【0051】
図4は、実施の形態1に係る蓄電装置における補強部とストッパとの位置関係を示す平面図である。
図3および4を参照して、ストッパ50、60の詳細について説明する。
【0052】
図3および
図4に示すように、複数のストッパ50、60は、第2方向における蓄電スタック20の両外側に配置されている。
【0053】
具体的には、複数のストッパ60は、第2方向の一方側において、蓄電スタック20と側壁部14との間に配置されている。複数のストッパ60は、第3方向に間隔をあけて並んで配置されている。
【0054】
複数のストッパ60は、複数の補強部30,40のうち対応する補強部が有する第2方向の第1端部30c,40c側で当該対応する補強部30,40と第1方向に重なる位置に配置されている。複数のストッパ60の各々は、対応する補強部30の第2方向の第1端部30cと対応する補強部40の第2方向の第1端部40cとの間に配置されている。
【0055】
複数のストッパ60の各々は、たとえば、締結部材70によって対応する補強部30,40に固定されている。より具体的には、ストッパ60は、第1方向に補強部30を貫通する締結部材70、および第1方向に補強部40を貫通する締結部材70によって補強部30、40に締結固定されている。これにより、補強部30、40と第1方向に重なるようにストッパ60の位置決めを容易に行なうことができる。
【0056】
なお、複数のストッパ60の固定態様は、締結固定に限定されず、接着固定、溶接固定等、適宜選択することができる。
【0057】
複数のストッパ60の各々は、蓄電スタック20側を向く内側表面60cを有する。内側表面60cには、断熱部材61が設けられている。これにより、ストッパ60が冷却された場合であっても蓄電スタック20側で結露が発生することを抑制することができる。
【0058】
複数のストッパ50は、複数の補強部30,40のうち対応する補強部が有する第2方向の第2端部30d,40d側で当該対応する補強部30,40と第1方向に重なる位置に配置されている。複数のストッパ50の各々は、対応する補強部30の第2方向の第2端部30dと対応する補強部40の第2方向の第2端部40dとの間に配置されている。なお、第2端部30d,40dは、上記第1端部30c,40cとは第2方向の反対側に位置する端部である。
【0059】
複数のストッパ50の各々は、たとえば、締結部材70によって対応する補強部30,40に固定されている。より具体的には、ストッパ50は、第1方向に補強部30を貫通する締結部材70、および第1方向に補強部40を貫通する締結部材70によって補強部30,40に締結固定されている。これにより、補強部30,40と第1方向に重なるようにストッパ50の位置決めを容易に行なうことができる。
【0060】
なお、複数のストッパ50の固定態様は、締結固定に限定されず、接着固定、溶接固定等、適宜選択することができる。
【0061】
複数のストッパ50の各々は、蓄電スタック20側を向く内側表面50cを有する。内側表面50cには、断熱部材51が設けられている。これにより、ストッパ50が冷却された場合であっても蓄電スタック20側で結露が発生することを抑制することができる。
【0062】
上記複数のストッパ50,60は、第3方向に沿って延在する。複数のストッパ50,60は、複数の蓄電モジュール21に接触し、冷却器22、第1集電板23、および第2集電板24に接触しないように設けられている。具体的には、冷却器22、第1集電板23、および第2集電板24が、第2方向において蓄電モジュール21よりも内側に配置されており、これにより、複数のストッパ50,60と、冷却器22、第1集電板23、および第2集電板24との間に空隙Sが設けられている。この結果、電位を持つ冷却器22、第1集電板23、および第2集電板24が、複数のストッパ50,60を介して短絡することを抑制することができる。
【0063】
複数のストッパ50,60は、絶縁性を有することが好ましい。また、複数のストッパ50,60は、振動に対して動かないように相当程度の剛性を有する樹脂部材であってもい。樹脂部材は、寸法安定性を有し、複数のストッパ50,60を設計しやすい。
【0064】
また、平面視した場合(蓄電装置100を第1方向から見た場合)に、第3方向における複数のストッパ50の各々の両端50a,50b、および第3方向における複数のストッパ60の各々の両端60a,60bは、第3方向における対応する補強部30の両端30a,30bよりも外側に位置していてもよい。
【0065】
以上のように、実施の形態1に係る蓄電装置100にあっては、複数のストッパの各々は、複数の補強部30,40のうち対応する補強部30,40が有する第2方向の両端部側で、対応する補強部30,40と第1方向に重なる位置に配置されている。
【0066】
拘束板11,13のうち複数の補強部30、40が設けられている部分は、剛性が高くなっており、第2方向から衝撃が入力された場合に変形しにくい。このため、複数の補強部30,40のうち対応する補強部30,40の第2方向両端側で、当該対応する補強部30、40と第1方向に重なる位置にストッパを設けることで、第2方向から衝撃が入力された場合に、蓄電スタック20と一対の側壁部14,15との間に配置されたストッパ50,60が、蓄電スタック20を直接押し込むことを抑制できる。これにより、蓄電スタック20の破損を抑制することができる。
【0067】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係る蓄電装置における補強部の端部とストッパの端部との位置関係を示す平面図である。
図5を参照して、実施の形態2に係る蓄電装置100Aについて説明する。
【0068】
図5に示すように、実施の形態2に係る蓄電装置100Aは、実施の形態1に係る蓄電装置100と比較した場合に、第3方向におけるストッパ50の両端50a,50bの位置および第3方向におけるストッパ60の両端60a,60bの位置が相違する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0069】
第1方向から見た場合に、第3方向におけるストッパ50の両端50a,50bの位置および第3方向におけるストッパ60の両端60a,60bは、対応する補強部30の第3方向における両端30a,30bよりも内側に位置する。また、
図5では図示されていないが、同様に、第3方向におけるストッパ50の両端50a,50bの位置および第3方向におけるストッパ60の両端60a,60bは、対応する補強部40の第3方向における両端よりも内側に位置する。
【0070】
このように構成される場合であっても、実施の形態2に係る蓄電装置100Aは、実施の形態1に係る蓄電装置100とほぼ同様の効果が得られる。また、第3方向におけるストッパ50の両端50a,50bの位置および第3方向におけるストッパ60の両端60a,60bが、第3方向における対応する補強部30、40の両端よりも内側に位置することにより、第2方向から衝撃が入力された場合に、側壁部14,15によってストッパ50,60が内側に押されることがさらに抑制される。これにより、蓄電スタック20と側壁部14,15との間に配置されたストッパ50,60が、蓄電スタック20を直接押し込むことをさらに抑制できる。
【0071】
(実施の形態3)
図6は、実施の形態3に係る蓄電装置における補強部とストッパとの位置関係を示す平面図である。
図6を参照して、実施の形態3に係る蓄電装置100Bについて説明する。
【0072】
図6に示すように、実施の形態3に係る蓄電装置100Bは、実施の形態2に係る蓄電装置100Aと比較した場合に、複数のストッパ50が、連結部51で連結されており、複数のストッバ60が、連結部61で連結されている点が相異する。その他の構成については、ほぼ同様である。
【0073】
連結部51は、第3方向に互いに隣り合うストッパ50を連結する。連結部51は、ストッパ50が有する第2方向の外側表面50dよりも内側表面50c側に位置する。これにより、連結部51と側壁部15との間に隙間が形成されている。
【0074】
連結部61は、第3方向に互いに隣り合うストッパ60を連結する。連結部61は、ストッパ60が有する第2方向の外側表面60dよりも内側表面60c側に位置する。これにより、連結部61と側壁部14との間に隙間が形成されている。
【0075】
以上のように構成される場合であっても、実施の形態3に係る蓄電装置100Bは、実施の形態2に係る蓄電装置100Aとほぼ同様の効果が得られる。
【0076】
また、複数のストッパ50,60を連結部51,61で連結することにより、複数のストッパ50,60の位置合わせを容易に行なうことができる。
【0077】
さらに、上述のように連結部51と側壁部15との間、および連結部61と側壁部14との間に隙間が形成されていることにより、第3方向に互いに隣り合う補強部の間で、第2方向から衝撃が入力された場合であっても連結部51,61が側壁部15,14に直接押圧されることを回避できる。
【0078】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10 収容ケース、11 拘束板、11a 外側主面、12 ロアケース、13 拘束板、13a 外側主面、14,15,16,17 側壁部、20 蓄電スタック、21 蓄電モジュール、22 冷却器、23 第1集電板、24 第2集電板、25 絶縁シート、26 弾性シート、27 絶縁シート、28 弾性シート、30 補強部、30a,30b 両端、30c 第1端部、30d 第2端部、31 フランジ部、32 立壁部、33 接続壁部、40 補強部、40c 第1端部、40d 第2端部、41 フランジ部、42 立壁部、43 接続壁部、50 ストッパ、50a,50b 両端、50c 内側表面、50d 外側表面、51 断熱部材、60 ストッパ、60a,60b 両端、60c 内側表面、60d 外側表面、61 断熱部材、70 締結部材、100,100A 蓄電装置、S 空隙。