(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177540
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】車両の室内照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/80 20170101AFI20231207BHJP
B60Q 3/74 20170101ALI20231207BHJP
B60Q 3/208 20170101ALI20231207BHJP
【FI】
B60Q3/80
B60Q3/74
B60Q3/208
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090271
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】吉内 秀人
(72)【発明者】
【氏名】岡 義友
(72)【発明者】
【氏名】太田 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡田 将和
(72)【発明者】
【氏名】長澤 麻依
(72)【発明者】
【氏名】二川目 友世
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智
(72)【発明者】
【氏名】今泉 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 美樹
【テーマコード(参考)】
3K040
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040CA05
3K040DB12
3K040EA01
3K040EA03
3K040EA04
3K040EA05
3K040EB02
3K040GA01
3K040GC01
(57)【要約】
【課題】直接照明灯体及び間接照明灯体の2種の照明灯体を部品点数の増加を抑えた状態で支持でき、さらに運転者や他の乗員および周囲の車両に車両の状態を認識させるなどに有効活用できる車両の室内照明装置を提供する。
【解決手段】室内照明装置10は、灯体支持ベース13と、直接照明灯体22と、間接照明灯体24と、車両状態判定部16と、照明制御部17と、を備える。直接照明灯体及び間接照明灯体は、灯体支持ベースに支持される。照明制御部は、直接照明モード、間接照明モード、全灯照明モード、点滅照明モードのうちから選択したモードに切り替える。照明制御部は、車両状態判定部が判定した車両の状態に応じて選択したモードに切り替える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられた灯体支持ベースと、
前記灯体支持ベースに支持されて、直接光を車室内に照射する直接照明灯体と、
前記灯体支持ベースに支持されて、反射光を車室内に照射する間接照明灯体と、
前記車両の状態を判定する車両状態判定部と、
前記直接照明灯体を点灯させる直接照明モード、前記間接照明灯体を点灯させる間接照明モード、前記直接照明灯体及び前記間接照明灯体を点灯させる全灯照明モード、前記直接照明灯体及び前記間接照明灯体の少なくとも一方を点滅させる点滅照明モードのうちからモードを選択し、選択したモードに切り替える照明制御部と、を備え、
前記照明制御部は、前記車両状態判定部が判定した前記車両の状態に応じて、前記選択したモードに切り替えることを特徴とする車両の室内照明装置。
【請求項2】
前記照明制御部は、
前記直接照明灯体及び前記間接照明灯体の少なくとも一方から照射する照射光の照度を調整する第一調整手段と、
前記直接照明灯体及び前記間接照明灯体の少なくとも一方から照射する照射光の発光色を調整するせる第二調整手段と、を備え、
前記照明制御部は、前記車両の状態に応じて前記第一調整手段を制御することにより前記照度を調整し、前記第二調整手段を制御することにより前記発光色を調整することを特徴とする請求項1に記載の車両の室内照明装置。
【請求項3】
前記直接照明灯体と前記間接照明灯体とを有する車両用室内灯を備え、
前記車両用室内灯は、車室内に臨む天井部材において車幅方向外側の側部にそれぞれ配置され、
前記車両状態判定部は、前記車両に備えたウィンカーの点灯状態を判定するウィンカー判定部を備え、
前記照明制御部は、前記ウィンカー判定部で判定した前記ウィンカーの点灯状態に基づいて、前記車両用室内灯を前記選択したモードに切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の室内照明装置。
【請求項4】
前記直接照明灯体と前記間接照明灯体とを有する車両用室内灯を備え、
前記車両状態判定部は、前記車両に備えたシフトレバー部のシフト状態を判定するシフト判定部を備え、
前記照明制御部は、前記シフト判定部で判定したシフト状態に基づいて、前記車両用室内灯を前記選択したモードに切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の室内照明装置。
【請求項5】
前記直接照明灯体と前記間接照明灯体とを有する車両用室内灯を備え、
前記車両状態判定部は、前記車両に備えた動力源の状態を判定する動力源判定部を備え、
前記照明制御部は、前記動力源判定部で判定した前記動力源の状態に基づいて、前記車両用室内灯を前記選択したモードに切り替えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両の室内照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の室内照明装置として、例えば、車室内の意匠性や居心地を向上させるために、車両の構造物に光を照射させ、構造物から反射した光を利用して車室内を照射する間接照明灯体を備えたものが知られている。さらに、この室内照明装置は、車両のドア周辺部分を直接光で照射する直接照明灯体としてスポットランプを間接照明灯体とは個別にドアの数だけ備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の室内照明装置によれば、間接照明灯体及び直接照明灯体の発光パターン、点灯パターン、移動パターン、移動方向、移動速度、周回パターン、周回方向、周回速度、発光領域、照度、発光色等を制御装置により制御できる。制御装置は、車内外の種々の状況を検知するセンサからの信号に基づいて間接照明灯体及び直接照明灯体を自動的に制御できる。このように、間接照明灯体及び直接照明灯体を制御装置により制御することにより、車両の状態を乗員が認識できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の室内照明装置は、直接照明灯体を間接照明灯体とは個別に備えている。よって、直接照明灯体の灯体支持ベースと、間接照明灯体の灯体支持ベースとを個別に備える必要があり、灯体支持ベースの数が多くなる。このため、直接照明灯体と間接照明灯体とを設けるための部品点数が増加し、組付け工数も増大する。加えて、部品点数が増加することにより車両の重量が増すおそれがある。
【0006】
本発明は、直接照明灯体及び間接照明灯体の2種の照明灯体を部品点数の増加を抑えた状態で支持でき、さらに運転者や他の乗員および周囲の車両に車両の状態を認識させるなどに有効活用できる車両の室内照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る車両の室内照明装置は、車両(例えば、実施形態の車両1)に設けられた灯体支持ベース(例えば、実施形態の灯体支持ベース13)と、前記灯体支持ベースに支持されて、直接光を車室内に照射する直接照明灯体(例えば、実施形態の直接照明灯体22)と、前記灯体支持ベースに支持されて、反射光を車室内に照射する間接照明灯体(例えば、実施形態の間接照明灯体24)と、前記車両の状態を判定する車両状態判定部(例えば、実施形態の車両状態判定部16)と、前記直接照明灯体を点灯させる直接照明モード、前記間接照明灯体を点灯させる間接照明モード、前記直接照明灯体及び前記間接照明灯体を点灯させる全灯照明モード、前記直接照明灯体及び前記間接照明灯体の少なくとも一方を点滅させる点滅照明モードのうちからモードを選択し、選択したモードに切り替える照明制御部(例えば、実施形態の照明制御部17)と、を備え、前記照明制御部は、前記車両状態判定部が判定した前記車両の状態に応じて、前記選択したモードに切り替える。
【0008】
この構成によれば、直接照明灯体及び間接照明灯体の2種の照明灯体を同一の灯体支持ベースにより支持できる。これにより、直接照明灯体及び間接照明灯体の2種の照明灯体を部品点数の増加を抑えた状態で支持でき、車両の軽量化を図ることができる。
【0009】
また、車両の状態に応じて直接照明灯体、間接照明灯体(すなわち、車両用室内灯)の照射を、直接照明モード、間接照明モード、全灯照明モード、点滅照明モードのうちから選択したモードに切り替えることができる。これにより、運転者は、直接照明灯体、間接照明灯体の照射状態に基づいて車両の状態を認識でき、室内照明装置を有効活用できる。
【0010】
また、運転者以外の乗員も直接照明灯体、間接照明灯体の照射状態に基づいて車両の状態を認識できる。これにより、従来は運転者にしかわからなかった車両の状態を運転者以外の乗員にも直接照明灯体、間接照明灯体の照射状態により認識させることができる。
すなわち、このように構成することで、直接照明灯体及び間接照明灯体の2種の照明灯体を部品点数の増加を抑えた状態で支持でき、さらに運転者や他の乗員および周囲の車両に車両の状態を認識させるなどに有効活用できる。
【0011】
(2)上記態様において、前記照明制御部は、前記直接照明灯体及び前記間接照明灯体の少なくとも一方から照射する照射光の照度を調整する第一調整手段(例えば、実施形態の第一調整手段45)と、前記直接照明灯体及び前記間接照明灯体の少なくとも一方から照射する照射光の発光色を調整するせる第二調整手段(例えば、実施形態の第二調整手段46)と、を備え、前記照明制御部は、前記車両の状態に応じて前記第一調整手段を制御することにより前記照度を調整し、前記第二調整手段を制御することにより前記発光色を調整してもよい。
【0012】
この構成によれば、車両の状態に応じて直接照明灯体及び間接照明灯体の少なくとも一方から照射する照度を第一調整手段により調整できる。よって、例えば、車両の手動運転や自動運転による走行中において、直接照明灯体及び間接照明灯体の少なくとも一方から照射される照射光の照度を下げることができる。これにより、車室内を車両の走行に適する明るさ(暗さ)に抑えることができる。したがって、車両の走行中において、直接照明灯体及び間接照明灯体の照射が車両の走行に影響を与えること防止でき、さらに、乗員に与える車室内の質感を向上させることができる。
【0013】
ここで、例えば、車両の自動運転による走行中において乗員はリラックスしている。よって、この車両の状態に応じて直接照明灯体及び間接照明灯体の少なくとも一方から照射する発光色を第二調整手段により、例えば緑色等の柔らかい色に変化させる。これにより、乗員のリラックス感を一層高めることができ、さらに、乗員に与える車室内の質感を一層向上させることができる。
【0014】
(3)上記態様において、前記直接照明灯体と前記間接照明灯体とを有する車両用室内灯(例えば、実施形態の車両用室内灯15)を備え、前記車両用室内灯は、車室内に臨む天井部材(例えば、実施形態のルーフライニング11)において車幅方向外側の側部にそれぞれ配置され、前記車両状態判定部は、前記車両に備えたウィンカーの点灯状態を判定するウィンカー判定部(例えば、実施形態のウィンカー判定部41)を備え、前記照明制御部は、前記ウィンカー判定部で判定した前記ウィンカーの点灯状態に基づいて、前記車両用室内灯を前記選択したモードに切り替えてもよい。
【0015】
この構成によれば、天井部材に対して車幅方向外側の側部(すなわち、左右のルーフ側部)に車両用室内灯を配置した。また、車両状態判定部にウィンカー判定部を備え、ウィンカー判定部によりウィンカーの点灯状態を判定できる。よって、ウィンカー判定部で判定したウィンカーの点灯状態に基づいて、左右のルーフ側部に配置した車両用室内灯を照明制御部により制御できる。
これにより、例えば、車両が右折又は左折する際に、照明制御部17により、右折又は左折に対応する側の車両用室内灯を点滅させる点滅照明モードに切り替えることができる。したがって、運転者以外の乗員も車両用室内灯の点滅状態に基づいて車両が曲がる方向を視覚的に認識できる。
【0016】
(4)上記態様において、前記直接照明灯体と前記間接照明灯体とを有する車両用室内灯(例えば、実施形態の車両用室内灯15)を備え、前記車両状態判定部は、前記車両に備えたシフトレバー部のシフト状態を判定するシフト判定部(例えば、実施形態のシフト判定部42)を備え、前記照明制御部は、前記シフト判定部で判定したシフト状態に基づいて、前記車両用室内灯を前記選択したモードに切り替えてもよい。
【0017】
この構成によれば、車両状態判定部にシフト判定部を備え、シフト判定部によりシフトレバー部のシフト状態を切り替える際にシフト状態を判定できる。よって、シフト判定部で判定したシフト状態に基づいて、車両用室内灯を照明制御部により選択したモードに切り替えることができる。これにより、運転者はシフトレバーの位置(すなわち、シフト状態)を車両用室内灯により視覚的に認識できる。
さらに、運転者以外の乗員もシフトレバーによるシフト状態を車両用室内灯により視覚的に認識できる。加えて、車両の後方以外の周囲に位置する車両にも、シフトレバーによるシフト状態を車両用室内灯により視覚的に認識させることができる。
【0018】
(5)上記態様において、前記直接照明灯体と前記間接照明灯体とを有する車両用室内灯(例えば、実施形態の車両用室内灯15)を備え、前記車両状態判定部は、前記車両に備えた動力源の状態を判定する動力源判定部(例えば、実施形態の動力源判定部43)を備え、前記照明制御部は、前記動力源判定部で判定した前記動力源の状態に基づいて、前記車両用室内灯を前記選択したモードに切り替えてもよい。
【0019】
ここで、近年の車両のなかには動力源を起動する場合や停止する場合などにおいて、動力源を電気で起動するものが知られている。この車両の場合、起動状態において音量が内燃機関を備えた車両に比べて低く抑えられている。このため、乗員は動力源を起動した状態や、動力源を停止した状態などを認識し難い。
そこで、この構成において、車両状態判定部に動力源判定部を有し、動力源判定部により動力源の状態を判定するようにした。動力源判定部で判定した動力源状態に基づいて、車両用室内灯を照明制御部により選択したモードに切り替えることができる。これにより、乗員は動力源を起動した状態や、動力源を停止した状態などを車両用室内灯により視覚的に認識できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、直接照明灯体及び間接照明灯体の2種の照明灯体を部品点数の増加を抑えた状態で支持でき、さらに運転者や他の乗員および周囲の車両に車両の状態を認識させるなどに有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係る実施形態の室内照明装置を備えた車両を右後部上方から見た斜視図である。
【
図2】
図1の車両1をII-II線に沿って破断した断面図である。
【
図3】実施形態の照明制御部で切り替える直接照明モードを説明する断面図である。
【
図4】実施形態の照明制御部で切り替える間接照明モードを説明する断面図である。
【
図5】実施形態の照明制御部で切り替える全灯照明モードを説明する断面図である。
【
図6】実施形態の照明制御部で切り替える点滅照明モードを説明する断面図である。
【
図7】実施形態の車両用室内灯のうち車幅方向左側の車両用室内灯をウィンカーの点灯状態に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図8】実施形態の車両用室内灯のうち車幅方向右側の車両用室内灯をウィンカーの点灯状態に応じて点滅照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図9】実施形態の車両用室内灯をシフトレバー部のシフト状態に応じて全灯照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図10】実施形態の車両用室内灯をシフトレバー部のシフト状態に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図11】実施形態の車両用室内灯をシフトレバー部のシフト状態に応じて直接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図12】実施形態の車両用室内灯をシフトレバー部のシフト状態に応じて点滅照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図13】実施形態の車両用室内灯を動力源の状態に応じて全灯照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図14】実施形態の車両用室内灯を動力源の状態に応じて直接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図15】実施形態の車両用室内灯の照度を車両の状態に応じて照明制御部の第一調整手段で調整する例を説明する断面図である。
【
図16】実施形態の車両用室内灯の発光色を車両の状態に応じて照明制御部の第二調整手段で調整する例を説明する断面図である。
【
図17】実施形態の車両用室内灯をドアのロック解除状態に応じて直接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図18】実施形態の車両用室内灯をドアのロック状態に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図19】実施形態の車両用室内灯を動力源の起動状態に応じて全灯照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図20】実施形態の車両用室内灯をシフトレバー部のD位置に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図21】実施形態の車両用室内灯をシフトレバー部のR位置と車両の右折状態とに応じて点滅照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図22】実施形態の車両用室内灯をシフトレバー部のP位置に応じて全灯照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図23】実施形態の車両用室内灯を動力源の停止状態に応じて直接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図24】実施形態の車両用室内灯をドアのロック状態に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【
図25】変形例の車両を右後部上方から見た斜視図である。
【
図26】
図25の変形例の車両をXXVI-XXVI線に沿って破断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明において、前後や上下、左右については、特別に断らない限り、車両についての前後や上下、左右を意味するものとする。また、図面の適所には、車両の上方を指す矢印UP、車両の前方を指す矢印FR、車両の左側方を指す矢印LHが記されている。さらに、以下で説明する実施形態と変形例では、共通部分に同一符号が付されている。
【0023】
<車両>
図1は、実施形態の車両1を右後部上方から見た斜視図である。
図2は、
図1の車両1のII-II線に沿って破断した断面図である。
図1、
図2に示すように、符号2は、車外側の天井部材であるルーフパネルであり、符号3は、車両1の天井部の左右において車両前後方向に延びるルーフサイドレールである。ルーフパネル2の前部寄りの中央領域には、略矩形状のサンルーフ用開口4が設けられている。サンルーフ用開口4には、ルーフガラス50が取り付けられている。
【0024】
車室内の天井部には、車室内に臨む車内側の天井部材であるルーフライニング11が取り付けられている。また、車室内側のサンルーフ用開口4の下方位置には、前後移動可能なルーフシェード6を案内するためシェード案内枠7が設置されている。シェード案内枠7は、サンルーフ用開口4よりも一回り小さい矩形状の枠部材である。
シェード案内枠7の内側の矩形状の開口7aの左右の側縁部には、開口7aの内側に向かって略水平に延びるフランジ部8が設けられている。フランジ部8を含むシェード案内枠7の左右の側縁部の下面には、シート状の内装部材9(反射部材)が接合されている。
【0025】
ルーフライニング11は、シェード案内枠7の開口7aに対応する位置に、ほぼ同形状の開口11aが形成されている。ルーフライニング11の車幅方向外側の側縁部は天井部の側方の骨格部材に支持され、開口11aの側縁部は、車幅方向内側に向かって上方に傾斜しつつ、端末部11aeがシェード案内枠7のフランジ部8の下面側に重ねられている。本実施形態の場合は、端末部11aeは、内装部材9を間に挟んでフランジ部8の下面に重ねられている。フランジ部8と内装部材9と、ルーフライニング11の端末部11aeとは、車両前後方向に沿う長尺な樹脂モール18によって覆われている。
【0026】
樹脂モール18は、フランジ部8と内装部材9とルーフライニング11の端末部11aeを挟持する挟持溝18aを有し、挟持溝18aの外側には挟持溝18a部分に反力を付与するための芯金19が埋設されている。ルーフライニング11の端末部11aeは、フランジ部8及び内装部材9とともに樹脂モール18の挟持溝18aに挟持されることにより、シェード案内枠7に固定されている。
【0027】
<室内照明装置>
ルーフライニング11の開口11aの側縁部には、灯体支持ベース13を介して直接照明灯体22と間接照明灯体24が取り付けられている。本実施形態の車両1の室内照明装置10は、ルーフライニング11、灯体支持ベース13、車両用室内灯15、車両状態判定部16、及び照明制御部17を主な要素として構成されている。以下、車両1の室内照明装置10を「室内照明装置10」と略記することもある。
【0028】
<灯体支持ベース>
灯体支持ベース13は、ハット形の断面形状が長手方向に連続する樹脂若しくは金属からなる長尺な部材であり、車両1に設けられている。より具体的には、灯体支持ベース13は、例えば、下向きに開口する断面コ字状のベース本体部13aの下端に外向きに張り出す一対のフランジ部13bが延設されている。灯体支持ベース13は、この断面形状が長手方向に連続している。フランジ部13bは、ルーフライニング11の上面に重ねられ、接着、若しくは、ボルト20b及びナット20nによってルーフライニング11の上面に固定されている。ベース本体部13aは、ルーフライニング11に固定されたフランジ部13bに対して上方に突出している。
【0029】
灯体支持ベース13は、車室内の天井部の車幅方向の両側部において、車両前後に沿って延在するようにルーフライニング11の上面にそれぞれ固定されている。すなわち、灯体支持ベース13は、ルーフライニング11において車幅方向外側の側部(外側部)にそれぞれ配置されている。
本実施形態では、フランジ部13bが灯体支持ベース13の固定部を構成し、ベース本体部13aが灯体支持ベース13の凸形状部を構成している。灯体支持ベース13には車両用室内灯15が支持されている。
【0030】
<車両用室内灯>
車両用室内灯15は、灯体支持ベース13に支持されることにより、ルーフライニング11において車幅方向外側の側部(外側部)にそれぞれ配置されている。車両用室内灯15は、直接照明灯体22と、間接照明灯体24と、を有する。すなわち、直接照明灯体22及び間接照明灯体24は、車幅方向においてルーフライニング11の左右の外側部にそれぞれ配置されている。以下、直接照明灯体22及び間接照明灯体24について具体的に説明する。
【0031】
直接照明灯体22は、ルーフライニング11の下面に重ねられ、ルーフライニング11を間に挟み込むようにしてルーフライニング11の上面側の灯体支持ベース13にボルト20b及びナット20nによって固定されている。より具体的には、直接照明灯体22は、例えば、当該直接照明灯体22よりも外形が一回り大きい支持プレート30に接着等によって一体に固定され、支持プレート30の上面側がルーフライニング11の下面に直接重ねられている。そして、支持プレート30は、この状態において外周縁部がボルト20b及びナット20nによってルーフライニング11上の灯体支持ベース13に固定(支持)されている。
【0032】
また、直接照明灯体22は、例えば、複数のLEDチップによって構成されている。直接照明灯体22は、照光部が下方に向くようにルーフライニング11の下面に配置されている。これにより、直接照明灯体22の直接光が、例えば、車室内の乗員乗降部の床面上等に照射される。
なお、直接照明灯体22の照光部は、灯体支持ベース13の延在領域の全域に配置しても、灯体支持ベース13の延在領域の一部にスポット的に配置しても良い。
【0033】
間接照明灯体24は、ルーフライニング11の上方側において、灯体支持ベース13の頂部面13atに接着やねじ止め等によって固定(支持)されている。間接照明灯体24は、例えば、複数のLEDチップによって構成されている。間接照明灯体24は、照光部が上方の内装部材9と対向するように配置されている。間接照明灯体24の照光部は、灯体支持ベース13の延在領域のほぼ全域に配置されている。
【0034】
ルーフライニング11のうちの、灯体支持ベース13の設置部と開口11aの側縁部との間には、間接照明灯体24からの間接光を車室内に配光するための開口部25が設けられている。開口部25は、ルーフライニング11のうちの車幅方向内側に向かって上方に傾斜する傾斜領域に形成されている。間接照明灯体24の照光部から発された光は内装部材9に照射され、内装部材9に当たった光が間接光(反射光)として開口部25から車室内に照射される。
【0035】
また、本実施形態の車両1は、ルーフライニング11の開口11aの左右の側縁部だけでなく、開口11aの前後の側縁部にも、同様に直接照明灯体22と間接照明灯体24が灯体支持ベース13を介して取り付けられている。開口11aの前後の側縁部に取り付けられる灯体支持ベース13は、車幅方向に沿って延在している。開口11aの前後の側縁部に取り付けられる灯体支持ベース13には、上述した側縁部と同様にして直接照明灯体22と間接照明灯体24が支持されている。
【0036】
<車両状態判定部>
ここで、例えば、ルーフライニング11の左右の外側部に配置された車両用室内灯15は、車両状態判定部16、及び照明制御部17により車両1の状態に応じて点灯、点滅が制御される。
車両状態判定部16は、例えば、車両1の状態(状況)をセンサで検知して車両の状態を判定(判断)し、判定した車両1の状態を照明制御部17に伝える。具体的には、車両状態判定部16は、例えば、ウィンカー判定部41、シフト判定部42、及び動力源判定部43等を備える。
【0037】
ウィンカー判定部41は、車両1に備えたウィンカー(図示せず)の点灯状態を判定する。シフト判定部42は、車両1に備えたシフトレバー部(図示せず)のシフト状態を判定する。動力源判定部43は、車両1に備えた動力源(図示せず)の状態を判定する。また、車両状態判定部16は、車両1のドア(図示せず)がロックされた状態、ドアのロックが解除された状態等を判定する。
【0038】
<照明制御部>
照明制御部17は、例えば、直接照明モード、間接照明モード、全灯照明モード、点滅照明モードのうちから任意のモードを選択し、選択したモードに切り替える。照明制御部17により選択したモードに切り替えることにより、車両用室内灯15(すなわち、直接照明灯体22及び間接照明灯体24)の点灯、点滅が制御される。
【0039】
つぎに、照明制御部17の直接照明モード、間接照明モード、全灯照明モード、点滅照明モードを
図3から
図6に基づいて説明する。
図3は、照明制御部17で切り替える直接照明モードを説明する断面図である。
図3に示すように、直接照明モードは、直接照明灯体22をオンに制御して点灯させ、間接照明灯体24をオフに制御して消灯させる。
図4は、照明制御部17で切り替える間接照明モードを説明する断面図である。
図4に示すように、間接照明モードは、間接照明灯体24をオンに制御して点灯させ、直接照明灯体22をオフに制御して消灯させる。間接照明モードは、例えば、車両1の運転時に適用される。
【0040】
図5は、照明制御部17で切り替える全灯照明モードを説明する断面図である。
図5に示すように、全灯照明モードは、直接照明灯体22及び間接照明灯体24をそれぞれオンに制御して点灯させる。
図6は、照明制御部17で切り替える点滅照明モードを説明する断面図である。
図6に示すように、点滅照明モードは、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の少なくとも一方を点滅状態に制御して点滅させる。すなわち、点滅照明モードは、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の両方を点滅、直接照明灯体22のみを点滅、間接照明灯体24のみを点滅させる3モードを選択できる。
図6においては、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の両方を点滅させた状態を示す。以下、点滅照明モードの代表例として、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の両方を点滅させる場合を説明する。
【0041】
ここで、照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられた車両1の状態に応じて(基づいて)、直接照明モード、間接照明モード、全灯照明モード、点滅照明モードのうちから任意のモードを選択し、選択したモードに切り替える。よって、直接照明灯体22及び間接照明灯体24は、車両状態判定部16及び照明制御部17により車両1の状態に応じて点灯、点滅が制御される。
以下、「直接照明モード、間接照明モード、全灯照明モード、点滅照明モード」をまとめて「各種照明モード」と略記することがある。
【0042】
つぎに、車両状態判定部16及び照明制御部17により車両1の状態に応じて車両用室内灯15の点灯、点滅を制御する具体例を
図7から
図16に基づいて説明する。
図7は、車両用室内灯15のうち車幅方向左側の車両用室内灯15をウィンカーの点灯状態に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図8は、車両用室内灯15のうち車幅方向右側の車両用室内灯15をウィンカーの点灯状態に応じて点滅照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【0043】
図7、
図8に示すように、照明制御部17は、例えば、車両1の運転時にウィンカー判定部41(
図2参照)で判定したウィンカーの点灯状態に基づいて、車両用室内灯15を各種照明モードのうちから選択したモードに切り替える。
具体的には、車両1の運転時に右折をする際に、車両状態判定部16のウィンカー判定部41(双方
図2参照)が車幅方向右側のウィンカーの点灯状態を判定する。ウィンカー判定部41により判定したウィンカーの点灯情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたウィンカーの点灯情報に基づいて、車幅方向左側の車両用室内灯15を間接照明モードに切り替え、車幅方向右側の車両用室内灯15を点滅照明モードに切り替える。
【0044】
車幅方向左側の車両用室内灯15は、間接照明モードに保たれることにより、間接照明灯体24が点灯され、直接照明灯体22が消灯された状態に保たれる。一方、車幅方向右側の車両用室内灯15は、点滅照明モードに切り替えられることにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24がそれぞれ点滅する。よって、乗員は車両1が右折することを確認できる。
【0045】
また、車両1の運転時に左折をする際には、車幅方向右側の車両用室内灯15が間接照明モードに保たれることにより、車幅方向右側の間接照明灯体24が点灯され、直接照明灯体22が消灯された状態に保たれる。一方、車幅方向左側の車両用室内灯15が点滅照明モードに切り替えられることにより、車幅方向左側の直接照明灯体22及び間接照明灯体24がそれぞれ点滅する。
【0046】
図9は、車両用室内灯15をシフトレバー部のシフト状態に応じて全灯照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図10は、車両用室内灯15をシフトレバー部のシフト状態に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図11は、車両用室内灯15をシフトレバー部のシフト状態に応じて直接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図12は、車両用室内灯15をシフトレバー部のシフト状態に応じて点滅照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【0047】
図9から
図12に示すように、照明制御部17は、例えば、車両1の運転時にシフト判定部42(
図2参照)で判定したシフトレバー部によるシフト状態に基づいて、車両用室内灯15を各種照明モードのうちから選択したモードに切り替える。
具体的には、
図9に示すように、車両1の運転時にシフトレバー部をパーキング位置(以下、P位置ということもある)に移動することにより、車両状態判定部16のシフト判定部42(双方
図2参照)によりシフトレバー部がP位置に移動された状態を判定する。シフト判定部42により判定したP位置の情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたP位置の情報に基づいて、車両用室内灯15を全灯照明モードに切り替える。
【0048】
車両用室内灯15が全灯照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24がそれぞれ点灯する。よって、乗員はシフトレバー部がP位置に移動されたことを確認できる。
また、車両1の運転が夜間時の場合には、直接照明灯体22及び間接照明灯体24がそれぞれ点灯されることにより車室内を明るく保つことができる。
【0049】
また、
図10に示すように、車両1の運転時にシフトレバー部をドライブ位置(以下、D位置ということもある)に移動することにより、車両状態判定部16のシフト判定部42(双方
図2参照)によりシフトレバー部がD位置に移動された状態を判定する。シフト判定部42により判定したD位置の情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたD位置の情報に基づいて、車両用室内灯15を間接照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が間接照明モードに切り替わることにより、間接照明灯体24が点灯する。よって、乗員はシフトレバー部がD位置に移動されたことを確認できる。
すなわち、車両1の運転時には、間接照明灯体24が点灯された状態に保たれる。
【0050】
さらに、
図11に示すように、車両1の運転時にシフトレバー部をニュートラル位置(以下、N位置ということもある)に移動することにより、車両状態判定部16のシフト判定部42(双方
図2参照)によりシフトレバー部がN位置に移動された状態を判定する。シフト判定部42により判定したN位置の情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたN位置の情報に基づいて、車両用室内灯15を直接照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が直接照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22が点灯する。よって、乗員はシフトレバー部がN位置に移動されたことを確認できる。
【0051】
加えて、
図12に示すように、車両1の運転時にシフトレバー部をリバース位置(以下、R位置ということもある)に移動することにより、車両状態判定部16のシフト判定部42(双方
図2参照)によりシフトレバー部がR位置に移動された状態を判定する。シフト判定部42により判定したR位置の情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたR位置の情報に基づいて、車両用室内灯15を点滅照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が点滅照明モードに切り替わることにより、例えば、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の両方の照明灯体が点滅する。よって、乗員はシフトレバー部がR位置に移動されたことを確認できる。
【0052】
ここで、シフトレバー部がR位置に移動された際には、車両1のバックランプを点灯させることにより後方の車両にシフトレバー部がR位置に移動したことを知らせることができる。しかし、後方以外の周囲の車両にシフトレバー部がR位置に移動したことを知らせることは難しい。
そこで、車両用室内灯15の直接照明灯体22及び間接照明灯体24を点滅させることにより、後方以外の周囲の車両にシフトレバー部がR位置に移動したことを知らせることができる。
【0053】
図13は、車両用室内灯15を動力源の状態に応じて全灯照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図14は、車両用室内灯15を動力源の状態に応じて直接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図13、
図14に示すように、照明制御部17は、例えば、車両1の動力源を動力源判定部43(
図2参照)で判定した状態に基づいて、車両用室内灯15を各種照明モードのうちから選択したモードに切り替える。
【0054】
具体的には、
図13に示すように、動力源を起動(駆動)することにより、車両状態判定部16の動力源判定部43(双方
図2参照)により動力源が起動された状態を判定する。動力源判定部43により判定した動力源の起動情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられた動力源の起動情報に基づいて、車両用室内灯15を全灯照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が全灯照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24がそれぞれ点灯する。よって、乗員は動力源が起動されたことを確認できる。
【0055】
特に、車両1が低速時に走行用モータでEV(Electric Vehicle)走行する場合、低速時に動力源が起動しているか否かを乗員が判断し難い。この場合においても、直接照明灯体22及び間接照明灯体24がそれぞれ点灯することにより、乗員は動力源が起動していることを容易に認識できる。
【0056】
また、
図14に示すように、動力源を停止することにより、車両状態判定部16の動力源判定部43(双方
図2参照)により動力源が停止された状態を判定する。動力源判定部43により判定した動力源の停止情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられた動力源の停止情報に基づいて、車両用室内灯15を直接照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が直接照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22が点灯する。よって、乗員は動力源が停止されたことを確認できる。
【0057】
特に、車両1が低速時に走行用モータでEV(Electric Vehicle)走行する場合、低速時に動力源が停止しているか否かを乗員が判断し難い。この場合においても、直接照明灯体22が点灯することにより、乗員は動力源が停止されたことを容易に認識できる。
【0058】
図15は、車両用室内灯15の照度を車両1の状態に応じて照明制御部17の第一調整手段45で調整する例を説明する断面図である。
図16は、車両用室内灯15の発光色を車両1の状態に応じて照明制御部17の第二調整手段46で調整する例を説明する断面図である。
【0059】
図15、
図16に示すように、照明制御部17は、第一調整手段45と、第二調整手段46と、を備える。第一調整手段45は、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の少なくとも一方から照射する照射光の照度(明るさ)を調整する。第二調整手段46は、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の少なくとも一方から照射する照射光の発光色を調整する(変化させる、異ならせる)。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられた車両の状態に応じて第一調整手段45と第二調整手段46を制御する。
【0060】
具体的には、
図15に示すように、照明制御部17の第一調整手段45が制御されることにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24から照射される照射光の照度が調整される。具体的には、例えば、車両1の手動運転や自動運転による走行中において、間接照明モードが適用されている。この状態において、照明制御部17の第一調整手段45を制御することにより間接照明灯体24から照射される照射光の照度を下げるように調整する。
これにより、車室内を車両1の走行に適する明るさ(暗さ)に抑えることができる。
【0061】
また、
図16に示すように、照明制御部17の第二調整手段46が制御されることにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24から照射される照射光の発光色が調整される。具体的には、例えば、車両1の走行中において手動運転から自動運転に移行した際に、照明制御部17の第二調整手段46を制御することにより間接照明灯体24から照射される照射光の発光色を白色から緑色に調整する。
これにより、自動運転の際に、乗員のリラックス感を高めることができる。
【0062】
このように、照明制御部17は、第一調整手段45、第二調整手段46を制御させることにより、車両1の状態に応じて直接照明灯体22及び間接照明灯体24から照射される照射光の照度、発光色を調整できる。
【0063】
<室内照明装置を車両の操作手順に応じて点灯、点滅させる具体例>
つぎに、車両1を一般的な操作手順で運転する際において車両1の状態に応じて室内照明装置10を点灯、点滅させる例を
図17から
図24に基づいて説明する。
図17は、車両用室内灯15をドアのロック解除状態に応じて直接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図18は、車両用室内灯15をドアのロック状態に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図19は、車両用室内灯15を動力源の起動状態に応じて全灯照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図20は、車両用室内灯15をシフトレバー部のD位置に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図21は、車両用室内灯15をシフトレバー部のR位置と車両1の右折状態とに応じて点滅照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図22は、車両用室内灯15をシフトレバー部のP位置に応じて全灯照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図23は、車両用室内灯15を動力源の停止状態に応じて直接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
図24は、車両用室内灯15をドアのロック状態に応じて間接照明モードに制御する例を説明する断面図である。
【0064】
図17に示すように、車両1のドア(図示せず)のロックを解除する。ドアのロックを解除することにより、車両状態判定部16(
図2参照)によりロックの解除状態を判定する。車両状態判定部16により判定したロックの解除情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたロックの解除情報に基づいて、車両用室内灯15を直接照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が直接照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22が点灯する。よって、ドアのロックが解除されたことを確認できる。
【0065】
図18に示すように、車両1のドアをロックする。ドアをロックすることにより、車両状態判定部16(
図2参照)によりドアのロック状態を判定する。車両状態判定部16により判定したドアのロック情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたドアのロック情報に基づいて、車両用室内灯15を間接照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が間接照明モードに切り替わることにより、間接照明灯体24が点灯する。よって、ドアがロックされたことを確認できる。
【0066】
図19に示すように、車両1の動力源を起動する。動力源を起動することにより、車両状態判定部16の動力源判定部43(双方
図2参照)により動力源の起動状態を判定する。動力源判定部43により判定した動力源の起動情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられた動力源の起動情報に基づいて、車両用室内灯15を全灯照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が全灯照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24がそれぞれ点灯する。よって、動力源が起動されたことを確認できる。
【0067】
図20に示すように、車両1のシフトレバー部をD位置に移動する。シフトレバー部をD位置に移動することにより、車両状態判定部16のシフト判定部42(双方
図2参照)によりシフトレバー部がD位置に移動された状態を判定する。シフト判定部42により判定したD位置の情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたD位置の情報に基づいて、車両用室内灯15を間接照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が間接照明モードに切り替わることにより、間接照明灯体24が点灯する。よって、乗員はシフトレバー部がD位置に移動されたことを確認できる。
【0068】
図21に示すように、車両1のシフトレバー部をR位置に移動する、あるいは車両1を右折させる。シフトレバー部をR位置に移動することにより、車両状態判定部16のシフト判定部42(双方
図2参照)によりシフトレバー部がR位置に移動された状態を判定する。シフト判定部42により判定したR位置の情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたR位置の情報に基づいて、車両用室内灯15を点滅照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が点滅照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の両方の照明灯体が点滅する。よって、乗員はシフトレバー部がR位置に移動されたことを確認できる。
【0069】
また、車両1を右折させる際に、車両状態判定部16のウィンカー判定部41(双方
図2参照)が車幅方向右側のウィンカーの点灯状態を判定する。ウィンカー判定部41により判定したウィンカーの点灯情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたウィンカーの点灯情報に基づいて、車幅方向左側の車両用室内灯15を間接照明モードに切り替え、車幅方向右側の車両用室内灯15を点滅照明モードに切り替える。
車幅方向左側の車両用室内灯15が間接照明モードに保たれることにより、車幅方向左側の間接照明灯体24が点灯され、直接照明灯体22が消灯された状態に保たれる。また、車幅方向右側の車両用室内灯15が点滅照明モードに切り替えられることにより、車幅方向右側の直接照明灯体22及び間接照明灯体24が点滅する。よって、乗員は車両1が右折することを確認できる。
【0070】
図22に示すように、車両1のシフトレバー部をP位置に移動する。シフトレバー部をP位置に移動することにより、車両状態判定部16のシフト判定部42(双方
図2参照)によりシフトレバー部がP位置に移動された状態を判定する。シフト判定部42により判定したP位置の情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたP位置の情報に基づいて、車両用室内灯15を全灯照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が全灯照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24がそれぞれ点灯する。よって、乗員はシフトレバー部がP位置に移動されたことを確認できる。
【0071】
図23に示すように、車両1の動力源を停止する。動力源を停止することにより、車両状態判定部16の動力源判定部43(双方
図2参照)により動力源が停止された状態を判定する。動力源判定部43により判定した動力源の停止情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられた動力源の停止情報に基づいて、車両用室内灯15を直接照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が直接照明モードに切り替わることにより、直接照明灯体22が点灯する。よって、乗員は動力源が停止されたことを確認できる。
【0072】
図24に示すように、車両1のドアをロックする。ドアをロックすることにより、車両状態判定部16(双方
図2参照)によりドアのロック状態を判定する。車両状態判定部16により判定したドアのロック情報が車両状態判定部16から照明制御部17に伝えられる。照明制御部17は、車両状態判定部16から伝えられたドアのロック情報に基づいて、車両用室内灯15を間接照明モードに切り替える。
車両用室内灯15が間接照明モードに切り替わることにより、間接照明灯体24が点灯する。よって、ドアがロックされたことを確認できる。
【0073】
以上説明したように、実施形態の車両の室内照明装置10によれば、
図1、
図2に示すように、車両用室内灯15を構成する直接照明灯体22及び間接照明灯体24の2種の照明灯体を同一の灯体支持ベース13により支持できる。これにより、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の2種の照明灯体を部品点数の増加を抑えた状態で支持でき、車両の軽量化を図ることができる。
【0074】
また、車両1の状態に応じて直接照明灯体22、間接照明灯体24(すなわち、車両用室内灯15)の照射を、直接照明モード、間接照明モード、全灯照明モード、点滅照明モードのうちから選択したモードに切り替えることができる。これにより、運転者は、直接照明灯体22、間接照明灯体24の照射状態に基づいて車両1の状態を認識でき、室内照明装置10を有効活用できる。
また、運転者以外の乗員も直接照明灯体22、間接照明灯体24の照射状態に基づいて車両1の状態を認識できる。これにより、従来は運転者にしかわからなかった車両1の状態を運転者以外の乗員にも直接照明灯体22、間接照明灯体24の照射状態により認識させることができる。
すなわち、車両の室内照明装置10によれば、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の2種の照明灯体を部品点数の増加を抑えた状態で支持でき、さらに運転者や他の乗員および周囲の車両に車両1の状態を認識させるなどに有効活用できる。
【0075】
また、車両1の状態に応じて直接照明灯体22及び間接照明灯体24から照射する照度を第一調整手段45により調整できる。よって、例えば、車両1の手動運転や自動運転による走行中において、直接照明灯体22及び間接照明灯体24の少なくとも一方(実施形態では間接照明灯体24を例示する)から照射される照射光の照度を下げることができる。これにより、車室内を車両1の走行に適する明るさ(暗さ)に抑えることができる。したがって、車両1の走行中において、間接照明灯体24の照射が車両1の走行に影響を与えること防止でき、さらに、乗員に与える車室内の質感を向上させることができる。
【0076】
ここで、例えば、車両1の自動運転による走行中において乗員はリラックスしている。よって、車両1の状態に応じて直接照明灯体22及び間接照明灯体24の少なくとも一方(実施形態では間接照明灯体24を例示する)から照射する発光色を第二調整手段46により、例えば緑色等の柔らかい色に変化させる。これにより、乗員のリラックス感を一層高めることができ、さらに、乗員に与える車室内の質感を一層向上させることができる。
【0077】
さらに、ルーフライニング11に対して車幅方向外側の側部(すなわち、左右のルーフ側部)に車両用室内灯15を配置した。また、車両状態判定部16にウィンカー判定部41を備え、ウィンカー判定部41によりウィンカーの点灯状態を判定できる。よって、ウィンカー判定部41で判定したウィンカーの点灯状態に基づいて、左右のルーフ側部に配置した車両用室内灯15を照明制御部17により制御できる。
【0078】
これにより、例えば、車両1が右折又は左折する際に、照明制御部17により、右折又は左折に対応する側の車両用室内灯15の直接照明灯体22及び間接照明灯体24を点滅させる点滅照明モードに切り替えることができる。したがって、運転者以外の乗員も車両用室内灯15の点滅状態に基づいて車両1が曲がる方向を視覚的に認識できる。
【0079】
加えて、車両状態判定部16にシフト判定部42を備え、シフト判定部42によりシフトレバー部のシフト状態を切り替える際にシフト状態を判定できる。よって、シフト判定部42で判定したシフト状態に基づいて、車両用室内灯15を照明制御部17により各種照明モードのうちから選択したモードに切り替えることができる。これにより、運転者はシフトレバーの位置(すなわち、シフト状態)を車両用室内灯15により視覚的に認識できる。
さらに、運転者以外の乗員もシフトレバーによるシフト状態を車両用室内灯15により視覚的に認識できる。加えて、車両1の後方以外の周囲に位置する車両にも、シフトレバーによるシフト状態を車両用室内灯15により視覚的に認識させることができる。
【0080】
ここで、近年の車両1のなかには動力源を起動する場合や停止する場合などにおいて、動力源を電気で起動するものが知られている。この車両1の場合、起動状態において音量が内燃機関を備えた車両1に比べて低く抑えられている。このため、乗員は動力源を起動した状態や、動力源を停止した状態などを認識し難い。
【0081】
そこで、車両状態判定部16に動力源判定部43を備え、動力源判定部43により動力源の状態を判定するようにした。動力源判定部43で判定した動力源状態に基づいて、車両用室内灯15を照明制御部17により各種照明モードのうちから選択したモードに切り替えることができる。これにより、乗員は動力源を起動した状態や、動力源を停止した状態などを車両用室内灯15により視覚的に認識できる。
【0082】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施形態では、車両のルーフパネル2にサンルーフ用開口4が設けられ、そのサンルーフ用開口4にルーフガラス50が取り付けられているが、本発明に係る室内照明装置10はこのようなサンルーフを備えない車両にも適用することができる。
【0083】
図25は、変形例の車両101を右後部上方から見た斜視図である。
図26は、
図25の車両101をXXVI-XXVI線に沿って破断した断面図である。
図25は、サンルーフを備えない車両101に室内照明装置10を適用した変形例を示す
図1と同様の斜視図であり、
図26は、
図25のXXVI-XXVI線に沿う断面図である。
【0084】
図25、
図26に示すように、変形例の車両101は、車室内側にシェード案内枠等のサンルーフ構成部品が配置されていない点が実施形態の車両1と異なるだけで、他の構成は実施形態の車両1と同様である。すなわち、車両101は、実施形態の車両1と同様に、ルーフライニング111の上面側に灯体支持ベース13が取り付けられている。さらに、車両101は、実施形態の車両1と同様に、直接照明灯体22がルーフライニング111の下面側から灯体支持ベース13に固定され、間接照明灯体24が灯体支持ベース13の頂部面13atに固定されている。
【0085】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 車両
10 室内照明装置(車両の室内照明装置)
11 ルーフライニング(天井部材)
13 灯体支持ベース
15 車両用室内灯
16 車両状態判定部
17 照明制御部
22 直接照明灯体
24 間接照明灯体
41 ウィンカー判定部
42 シフト判定部
43 動力源判定部
45 第一調整手段
46 第二調整手段