IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177542
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20231207BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20231207BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20231207BHJP
   H01L 21/60 20060101ALN20231207BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L25/08 C
H01L21/60 311Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090273
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 博之
(72)【発明者】
【氏名】田上 政由
【テーマコード(参考)】
5F044
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F044KK05
5F044LL00
5F044QQ06
5F044RR03
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA32
5F083JA37
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA05
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR40
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH15
5F101BH23
(57)【要約】
【課題】一つの実施形態は、複数のチップの間で導電膜を適切に接続することに適した半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【解決手段】第1のチップと第2のチップと第3のチップとを有する半導体記憶装置が提供される。第3のチップにおいて、第1の導電膜は、第1の積層体の上方に配される。第1の導電膜は、積層方向から透視した場合に第1の積層体を横切って延びる。第1のプラグは、積層方向に延びて第1の導電膜及び第2の導電膜を接続する。第1の電極は、第2の導電膜に接続される。第2のチップにおいて、第3の導電膜は、第2の積層体の上方に配される。第2のプラグは、積層方向に延びて第3の導電膜及び第4の導電膜を接続する。第2の電極は、第4の導電膜に接続される。第1のチップは、第1の配線構造を有する。第1の配線構造は、第2の電極に接続される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のチップと、
前記第1のチップに接合される第2のチップと、
前記第1のチップと反対側で前記第2のチップに接合される第3のチップと、
を備え、
前記第3のチップは、
複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して積層された第1の積層体と、
前記第1の積層体内を積層方向にそれぞれ延びる複数の第1の半導体膜と、
前記第1の積層体の上方に配され、積層方向から透視した場合に前記第1の積層体を横切って延びる第1の導電膜と、
前記第1の積層体から平面方向に離間し且つ前記第1の導電膜より深い位置に配される第2の導電膜と、
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜の間に配され、積層方向に延びて前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を接続する第1のプラグと、
前記第2のチップ及び前記第3のチップの接合面に配され、前記第2の導電膜に接続される第1の電極と、
を有し、
前記第2のチップは、
複数の第2の導電層が第2の絶縁層を介して積層された第2の積層体と、
前記第2の積層体内を積層方向にそれぞれ延びる複数の第2の半導体膜と、
前記第2の積層体の上方に配される第3の導電膜と、
前記第2の積層体から平面方向に離間し且つ前記第3の導電膜より深い位置に配される第4の導電膜と、
前記第3の導電膜及び前記第4の導電膜の間に配され、積層方向に延びて前記第3の導電膜及び前記第4の導電膜を接続する第2のプラグと、
前記第2のチップ及び前記第3のチップの接合面に配され、前記第1の電極及び前記第3の導電膜に接続される第2の電極と、
前記第1のチップ及び前記第2のチップの接合面に配され、前記第4の導電膜に接続される第3の電極と、
を有し、
前記第1のチップは、
前記第3の電極に接続される第1の配線構造を有する
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第3のチップは、
前記第1の積層体から平面方向に前記第2の導電膜と反対側へ離間し且つ前記第1の導電膜より深い位置に配される第5の導電膜と、
前記第1の導電膜及び前記第5の導電膜の間に配され、積層方向に延びて前記第1の導電膜及び前記第5の導電膜を接続する第3のプラグと、
前記第2のチップ及び前記第3のチップの接合面に配され、前記第5の導電膜に接続される第4の電極と、
をさらに有し、
前記第3の導電膜は、積層方向から透視した場合に前記第2の積層体を横切って延び、
前記第2のチップは、
前記第2のチップ及び前記第3のチップの接合面に配され、前記第4の電極と前記第3の導電膜とに接続される第5の電極をさらに有する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第2のチップは、
前記第2の積層体の上方に配され、積層方向から透視した場合に前記第2の積層体を横切って延びる第6の導電膜と、
前記第2の積層体から平面方向に離間し且つ前記第6の導電膜より深い位置に配される第7の導電膜と、
前記第6の導電膜及び前記第7の導電膜の間に配され、積層方向に延びて前記第6の導電膜及び前記第7の導電膜を接続する第4のプラグと、
前記第1のチップ及び前記第2のチップの接合面に配され、前記第7の導電膜に接続される第6の電極と、
をさらに有し、
前記第1のチップは、
前記第6の電極に接続される第2の配線構造をさらに有する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第3のチップは、一端が前記第1の導電層に達する前記第1の半導体膜の他端が接続される第8の導電膜をさらに有し、
前記第1の導電膜の短手方向の幅は、前記第8の導電膜の短手方向の幅より広く、
前記第2のチップは、一端が前記第2の導電層に達する前記第2の半導体膜の他端が接続される第9の導電膜をさらに有し、
前記第2の導電膜の短手方向の幅は、前記第9の導電膜の短手方向の幅より広い
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第3のチップは、一端が前記第1の導電層に達する前記第1の半導体膜の他端が接続される第8の導電膜をさらに有し、
前記第1の導電膜の厚さは、前記第8の導電膜の厚さより厚く、
前記第2のチップは、一端が前記第2の導電層に達する前記第2の半導体膜の他端が接続される第9の導電膜をさらに有し、
前記第2の導電膜の厚さは、前記第9の導電膜の厚さより厚い
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第3のチップは、それぞれが積層方向に延びる複数の前記第1のプラグを有し、
前記複数の第1のプラグは、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を並列接続し、
前記第2のチップは、それぞれが積層方向に延びる複数の前記第2のプラグを有し、
前記複数の第2のプラグは、前記第3の導電膜及び前記第4の導電膜を並列接続する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第3のチップは、それぞれが積層方向に延びる複数の前記第1のプラグとそれぞれが積層方向に延びる複数の前記第3のプラグとを有し、
前記複数の第1のプラグは、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を並列接続し、
前記複数の第3のプラグは、前記第1の導電膜及び前記第5の導電膜を並列接続し、
前記第2のチップは、それぞれが積層方向に延びる複数の前記第2のプラグを有し、
前記複数の第2のプラグは、前記第3の導電膜及び前記第4の導電膜を並列接続する
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第3のチップは、
前記第1の導電膜と前記複数の第1の導電層のうち前記第1の半導体膜の一端が達する第1の導電層との間に配され、積層方向に延びて前記第1の導電膜と前記第1の半導体膜の一端が達する第1の導電層とを接続する第1のパッドをさらに有し、
前記第2のチップは、
前記第2の積層体の上方に配され、積層方向から透視した場合に前記第2の積層体を横切って延びる第6の導電膜と、
前記第6の導電膜と前記複数の第2の導電層のうち前記第2の半導体膜の先端が達する第2の導電層との間に配され、積層方向に延びて前記第6の導電膜と前記第2の半導体膜の先端が達する第2の導電層とを接続する第2のパッドと、
前記第2の積層体から平面方向に離間し且つ前記第6の導電膜より深い位置に配される第7の導電膜と、
前記第6の導電膜及び前記第7の導電膜の間に配され、積層方向に延びて前記第6の導電膜及び前記第7の導電膜を接続する第4のプラグと、
前記第1のチップ及び前記第2のチップの接合面に配され、前記第7の導電膜に接続される第6の電極と、
をさらに有し、
前記第1のチップは、
前記第6の電極に接続される第2の配線構造をさらに有する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
第1のチップと、
前記第1のチップに接合される第2のチップと、
前記第1のチップと反対側で前記第2のチップに接合される第3のチップと、
を備え、
前記第3のチップは、
第1の導電膜と、
前記第1の導電膜より深い位置に配される第2の導電膜と、
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜の間に配され、積層方向に延びて前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜を接続する第1のプラグと、
前記第2のチップ及び前記第3のチップの接合面に配され、前記第2の導電膜に接続される第1の電極と、
前記第2の導電膜から平面方向に離間し且つ前記第1の導電膜より深い位置に配される第5の導電膜と、
前記第1の導電膜及び前記第5の導電膜の間に配され、積層方向に延びて前記第1の導電膜及び前記第5の導電膜を接続する第3のプラグと、
前記第2のチップ及び前記第3のチップの接合面に配され、前記第5の導電膜に接続される第4の電極と、
を有し、
前記第2のチップは、
第3の導電膜と、
前記第3の導電膜より深い位置に配される第4の導電膜と、
前記第3の導電膜及び前記第4の導電膜の間に配され、積層方向に延びて前記第3の導電膜及び前記第4の導電膜を接続する第2のプラグと、
前記第2のチップ及び前記第3のチップの接合面に配され、前記第1の電極及び前記第3の導電膜に接続される第2の電極と、
前記第1のチップ及び前記第2のチップの接合面に配され、前記第4の導電膜に接続される第3の電極と、
前記第2のチップ及び前記第3のチップの接合面に配され、前記第4の電極と前記第3の導電膜とに接続される第5の電極と、
を有し、
前記第1のチップは、
前記第3の電極に接続される第1の配線構造を有する
半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置は、複数のチップが接合されて構成されることがある。半導体記憶装置では、複数のチップの間で導電膜を適切に接続することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-148071号公報
【特許文献2】特開2020-141100号公報
【特許文献3】特開2022-050956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、複数のチップの間で導電膜を適切に接続することに適した半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、第1のチップと第2のチップと第3のチップとを有する半導体記憶装置が提供される。第2のチップは、第1のチップに接合される。第3のチップは、第1のチップと反対側で第2のチップに接合される。第3のチップは、第1の積層体と複数の第1の半導体膜と第1の導電膜と第2の導電膜と第1のプラグと第1の電極とを有する。第1の積層体では、複数の第1の導電層が第1の絶縁層を介して積層される。複数の第1の半導体膜は、それぞれが第1の積層体内を積層方向に延びる。第1の導電膜は、第1の積層体の上方に配される。第1の導電膜は、積層方向から透視した場合に第1の積層体を横切って延びる。第2の導電膜は、第1の積層体から平面方向に離間し且つ第1の導電膜より深い位置に配される。第1のプラグは、第1の導電膜及び第2の導電膜の間に配される。第1のプラグは、積層方向に延びて第1の導電膜及び第2の導電膜を接続する。第1の電極は、第2のチップ及び第3のチップの接合面に配される。第1の電極は、第2の導電膜に接続される。第2のチップは、第2の積層体と複数の第2の半導体膜と第3の導電膜と第4の導電膜と第2のプラグと第2の電極とを有する。第2の積層体では、複数の第2の導電層が第2の絶縁層を介して積層される。複数の第2の半導体膜は、それぞれが第2の積層体内を積層方向に延びる。第3の導電膜は、第2の積層体の上方に配される。第4の導電膜は、第2の積層体から平面方向に離間し且つ第3の導電膜より深い位置に配される。第2のプラグは、第3の導電膜及び第4の導電膜の間に配される。第2のプラグは、積層方向に延びて第3の導電膜及び第4の導電膜を接続する。第2の電極は、第1のチップ及び第2のチップの接合面に配される。第2の電極は、第4の導電膜に接続される。第1のチップは、第1の配線構造を有する。第1の配線構造は、第2の電極に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示すブロック図。
図2】第1の実施形態におけるブロックの構成を示す回路図。
図3】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す平面図。
図4】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図5】第1の実施形態におけるメモリセルの構成を示す断面図。
図6】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図7】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図8】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図9】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図10】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図11】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図12】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図13】第1の実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法を示す断面図。
図14】第1の実施形態の第1の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図15】第1の実施形態の第2の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図16】第1の実施形態の第3の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図17】第1の実施形態の第4の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図18】第1の実施形態の第5の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図19】第2の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す平面図。
図20】第2の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図21】第2の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図22】第2の実施形態の第1の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図23】第2の実施形態の第2の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図24】第2の実施形態の第3の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図25】第2の実施形態の第4の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図26】第2の実施形態の第5の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図27】第2の実施形態の第6の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図28】第2の実施形態の第7の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図29】第3の実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図30】第3の実施形態の第1の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
図31】第3の実施形態の第2の変形例にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体記憶装置を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる半導体記憶装置は、複数のチップが接合されて構成されるが、複数のチップの間で導電膜を適切に接続するための工夫が施される。例えば、半導体記憶装置1は、図1に示すように構成され得る。図1は、半導体記憶装置1の構成を示すブロック図である。
【0009】
半導体記憶装置1は、複数のチップ10,20_1,20_2を有する。チップ20_1,20_2は、メモリセルアレイ21_1,21_2を含み、アレイチップとも呼ばれる。チップ10は、メモリセルアレイ21_1,21_2を制御するための回路を含み、回路チップとも呼ばれる。
【0010】
なお、チップ20_1,20_2は、互いに区別しない場合、チップ20と表記する。メモリセルアレイ21_1,21_2は、互いに区別しない場合、メモリセルアレイ21と表記する。また、図1では、半導体記憶装置1が2個のチップ(アレイチップ)20_1,20_2を含む構成が例示されるが、半導体記憶装置1は3個以上のアレイチップを含んでもよい。
【0011】
半導体記憶装置1は、データを不揮発に記憶する不揮発性メモリであってもよく、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等のメモリシステム1003に適用され得る。メモリシステム1003は、半導体記憶装置1及びメモリコントローラ1002を有する。
【0012】
半導体記憶装置1は、メモリコントローラ1002から電源Vss、電源Vcc、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号WEn、リードイネーブル信号REn、レディビジー信号RBn、および入出力信号I/O等を受ける。これらの信号等を介して、半導体記憶装置1は、メモリコントローラ1002により制御される。
【0013】
入出力信号I/Oは、コマンドCMD、アドレス情報ADD、データ信号DATを含み得る。電源Vssは、基準電位(例えば、グランド電位)を有する。電源Vccは、所定電位(例えば、電源電位)を有する。コマンドラッチイネーブル信号CLEは、入出力信号I/OがコマンドCMDであることを示す。アドレスラッチイネーブル信号ALEは、出力信号I/Oがアドレス情報ADDであることを示す。ライトイネーブル信号WEnは、ライト動作をイネーブルする際に用いられ得る。リードイネーブル信号REnは、リード動作をイネーブルする際に用いられ得る。レディビジー信号RBnは、半導体記憶装置1がレディー状態・ビジー状態にあることを示す。
【0014】
チップ20_1は、電源線22_1,23_1を有する。チップ20_2は、電源線22_2,23_2を有する。電源Vssは、電源線22_2及び電源線22_1経由でチップ10へ伝達される。電源Vccは、電源線23_2及び電源線23_1経由でチップ10へ伝達される。
【0015】
チップ20_1は、メモリセルアレイ21_1をさらに含む。メモリセルアレイ21_1では、メモリセルトランジスタ(以下、単にメモリセル)が3次元的に複数配列される。チップ10_2は、メモリセルアレイ21_2をさらに含む。メモリセルアレイ21_2では、メモリセルが3次元的に複数配列される。各メモリセルアレイ21は、複数のブロックBKを含む。
【0016】
各ブロックBKは、ワード線WLが共通接続される複数のメモリセルトランジスタの集合に相当し、図2に示すように構成され得る。図2は、ブロックBKの構成を示す回路図である。
【0017】
ブロックBKは、例えば4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。各ストリングユニットSUは、複数のメモリストリングMSを含む。複数のメモリストリングMSは、複数のビット線BL0~BL(m-1)に対応する(mは、任意の2以上の整数)。各メモリストリングMSは、対応するビット線BLに接続される。各メモリストリングMSは、メモリセルトランジスタ(以下、メモリセルとする)MT0~MT3及び選択トランジスタST1,ST2を含む。
【0018】
各メモリストリングMSにおいて、選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースと、選択トランジスタST2のドレインとの間に、メモリセルトランジスタMT0~MT3が直列接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0019】
ストリングユニットSUに含まれる各メモリストリングMSの選択トランジスタST1のゲートは、セレクトゲート線SGDに共通して接続される。ブロックBKに含まれる各メモリストリングMSの選択トランジスタST2のゲートは、セレクトゲート線SGSに共通して接続される。ブロックBKに含まれる各メモリストリングMSのメモリセルトランジスタMTのゲートは、ワード線WLに共通して接続される。
【0020】
1つのストリングユニットSU内で、1つのワード線WLに接続される複数のメモリセルMCの集合は、セルユニットCUと称される。例えば、メモリセルMCがpビットデータ(pは1以上の整数)を記憶する場合、セルユニットCUの記憶容量はpページデータとして定義される。
【0021】
各ビット線BLは、ブロックBKの各ストリングユニットSUの対応するメモリストリングMSの選択トランジスタST1のドレインに接続される。ソース線SLは、ブロックBKに含まれる各メモリストリングMSの選択トランジスタST2のソースに共通して接続され、ブロックBKのストリングユニットSU間で共有される。ソース線SLは、ブロックBK間で共有されてもよい。
【0022】
図1に示すチップ10(回路チップ)は、ロウデコーダ1012、センスアンプ1013、シーケンサ1014、電圧発生回路1015及び電源回路1016を有する。
【0023】
電源回路1016は、電源線22,23を介して受ける電源Vss,Vccを各部へ供給する。例えば、電源回路1016は、電源Vss,Vccを電圧発生回路1015へ供給する。
【0024】
シーケンサ1014は、コマンドCMDに応じて、各部を統括的に制御する。例えば、シーケンサ1014は、ライトコマンドCMDに応じて、ライト動作を制御する。シーケンサ1014は、ライト動作の制御において、メモリセルアレイ21におけるアドレス指定されたメモリセルMCにデータDATをライトし、ライト完了通知をメモリコントローラ1002へ返す。シーケンサ1014は、リードコマンドCMDに応じて、リード動作を制御する。シーケンサ1014は、リード動作の制御において、メモリセルアレイ21におけるアドレス指定されたメモリセルMCからデータDATをリードし、リードデータDATをメモリコントローラ1002へ返す。
【0025】
電圧発生回路1015は、電源Vss,Vccを用いて、シーケンサ1014の制御に応じた電圧を発生させロウデコーダ1012及びセンスアンプ1013へ供給する。
【0026】
ロウデコーダ1012は、アドレス情報ADDをデコードし、デコード結果に応じてメモリセルアレイ21におけるライト・リードすべきメモリセルに対応するワード線WLを選択し、選択ワード線WLに電圧を供給する。
【0027】
センスアンプ1013は、アドレス情報ADDをデコードし、デコード結果に応じてメモリセルアレイ21におけるライト・リードすべきメモリセルに対応するビット線BLを選択する。センスアンプ1013は、ライト処理において、選択ビット線BLに電圧を供給する。センスアンプ1013は、リード処理において、選択ビット線BLの電圧を供給し、選択ビット線BLの電位をセンスする。
【0028】
図1に示す電源線22,23は、例えば図3及び図4に示すような配線MA1,MA2により実現され得る。以下では、基板2の表面に垂直な方向をZ方向とし、Z方向に垂直な面内で互いに直交する2方向をX方向及びY方向とする。図3は、半導体記憶装置1の構成を示すXY平面図である。図4は、半導体記憶装置1の構成を示すXZ断面図である。図4は、図3をA-A線で切った場合の断面を例示する。
【0029】
半導体記憶装置1は、XY平面視で略矩形状を有し、例えばX方向を長手方向とする。半導体記憶装置1は、複数のチップ10,20_1,20_2の積層で構成され得る。
【0030】
図3では、各チップ10,20_1,20_2の概略的なレイアウト構成が例示される。チップ20_1において、複数の積層体SST1が配される。複数の積層体SST1は、XY方向に2次元的に配列されてもよい。各積層体SST1は、XY平面視で略矩形状を有し、例えばX方向を長手方向とする。各積層体SST1は、メモリセルアレイ21_1の一部として機能する。複数の配線MA1は、積層体SST1の+Z側に配される。複数の配線MA1は、X方向に互いに並ぶ。各配線MA1は、Y方向に延びる。各配線MA1は、Z方向から透視した場合、積層体SST1を横切るようにY方向に延びる。各配線MA1は、電源線22,23として機能し、伝達すべき電力量と延びる長さとに応じて、幅及び厚さが決められ得る。
【0031】
同様に、チップ20_2において、複数の積層体SST2が配される。複数の積層体SST2は、XY方向に2次元的に配列されてもよい。各積層体SST2は、XY平面視で略矩形状を有し、例えばX方向を長手方向とする。各積層体SST2は、メモリセルアレイ21_2の一部として機能する。複数の配線MA2は、積層体SST2の+Z側に配される。複数の配線MA2は、X方向に互いに並ぶ。各配線MA2は、Y方向に延びる。各配線MA2は、Z方向から透視した場合、積層体SST2を横切るようにY方向に延びる。各配線MA2は、電源線22,23として機能し、伝達すべき電力量と延びる長さとに応じて、幅及び厚さが決められ得る。各配線MA2は、その大部分が絶縁膜DL3で覆われているが、-Y側端付近が開口TVで部分的に露出される。これにより、各配線MA2は、開口TVを介してワイヤボンディング実装におけるワイヤ等が接合され得る。
【0032】
チップ10,20_1,20_2に共有される構造として、エッジシールESが設けられる。エッジシールESは、Z方向から透視した場合、複数の積層体SST1,SST2をXY方向外側から囲む。これにより、エッジシールESは、メモリセルアレイ21_1,21_2及びそれらを制御するための回路(ロウデコーダ1012、センスアンプ1013、シーケンサ1014、電圧発生回路1015及び電源回路1016など)を外来静電ノイズ等から保護する。
【0033】
なお、簡略化のため、チップ10におけるエッジシールESの内側の構成の図示は省略される。
【0034】
図4に示すように、チップ10の+Z側に、チップ20_1が配される。チップ20_1の+Z側に、チップ20_2が配される。チップ20_2の+Z側に、チップ30が配される。すなわち、チップ10の+Z側に、チップ20_1,20_2が順に積層される。チップ10の+Z側にチップ20_1,20_2が順に接合される構造は、メモリセルアレイ21_1,21_2が順に積層され、マルチスタックアレイとも呼ばれる。
【0035】
なお、マルチスタックアレイにおける積層されるチップ(アレイチップ)20の個数は、2個に限定されず、3個以上であってもよい。
【0036】
チップ10の+Z側の面に、チップ20_1が接合される。チップ20_1は、直接接合で接合されてもよい。チップ10は、+Z側に絶縁膜(例えば、酸化膜)DL1と電極PD1とを有する。チップ20_1は、-Z側に絶縁膜(例えば、酸化膜)DL2と電極PD2とを有する。チップ10,20_1の接合面BF1では、チップ10の絶縁膜DL1とチップ20_1の絶縁膜DL2とが接合され、チップ10の電極PD1とチップ20_1の電極PD2とが接合される。
【0037】
チップ20_1の+Z側の面に、チップ20_2が接合される。チップ20_2は、チップ10の反対側でチップ20_1に接合される。チップ20_2は、直接接合で接合されてもよい。チップ20_1は、+Z側に絶縁膜(例えば、酸化膜)DL2と電極PD3とを有する。チップ20_2は、-Z側に絶縁膜(例えば、酸化膜)DL3と電極PD4とを有する。チップ20_1,20_2の接合面BF2では、チップ20_1の絶縁膜DL2とチップ20_2の絶縁膜DL3とが接合され、チップ20_1の電極PD3とチップ20_2の電極PD4とが接合される。
【0038】
チップ10は、基板2、トランジスタTr、電極PD1、配線構造WS、絶縁膜DL1を有する。基板2は、チップ10における-Z側に配され、XY方向に板状延びる。基板2は、半導体基板であってもよく、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成され得る。基板2は、+Z側の表面2aを有する。トランジスタTrは、メモリセルアレイ21を制御するための回路(ロウデコーダ1012、センスアンプ1013、シーケンサ1014、電圧発生回路1015及び電源回路1016など)の回路素子として機能する。トランジスタTrは、基板2の表面2aに導電膜として配されるゲート電極、基板2内の表面2a近傍に半導体領域として配されるソース電極・ドレイン電極などを含む。電極PD1は、前述のように、チップ10,20_1の接合面BF1にその表面が露出するように配される。配線構造WSは、主としてZ方向に延びて、トランジスタTrのゲート電極、ソース電極・ドレイン電極などを電極PD1へ接続する。
【0039】
チップ20_1は、積層体SST1、導電層5、複数の柱状体CL、複数のプラグCP1、複数のプラグCP2、複数の導電膜BL、複数の配線MA1、電極PD2、電極PD3、絶縁膜DL2を有する。積層体SST1では、複数の導電層3が絶縁層4を介してZ方向に積層される。複数の導電層3は、-Z側から+Z側へ順に、選択ゲート線SGD、ワード線WL3、ワード線WL2、ワード線WL1、ワード線WL0、選択ゲート線SGSとして機能する。
【0040】
各導電層3は、XY方向に板状に延びる。各柱状体CLは、複数の導電層3を通ってZ方向に延びる。各柱状体CLは、積層体SST1をZ方向に貫通してもよい。各柱状体CLは、Z方向に柱状に延びる。各柱状体CLは、チャネル領域として機能する半導体膜CH(図5参照)を含む。半導体膜CHは、Z方向に沿った軸を有する柱状に(例えば、柱形状又は筒形状で)延びる。複数の導電層3と複数の柱状体CLとが交差する複数の交差位置、すなわち複数の導電層3と複数の半導体膜CHとが交差する複数の交差位置に、複数のメモリセルMCが形成される。
【0041】
各柱状体CLは、図5(a)、図5(b)に示すように、絶縁膜CR、半導体膜CH、絶縁膜TNL、電荷蓄積膜CT、絶縁膜BLK1、絶縁膜BLK2を含む。図5(a)は、メモリセルMTの構成を示すXZ断面図であり、図4のC部分の拡大断面図である。図5(b)は、メモリセルMTの構成を示すXY断面図であり、図5(a)をD-D線に沿って切った場合の断面を示す。絶縁膜CRは、Z方向に延び、Z方向に沿った軸を有する柱形状を構成する。絶縁膜CRは、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。半導体膜CHは、絶縁膜CRをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。半導体膜CHは、ポリシリコン等の半導体で形成され得る。絶縁膜TNLは、半導体膜CHをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。絶縁膜TNLは、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。電荷蓄積膜CTは、絶縁膜TNLをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。電荷蓄積膜CTは、シリコン窒化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜BLK1は、電荷蓄積膜CTをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。絶縁膜BLK1は、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜BLK2は、絶縁膜BLK1をXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。絶縁膜BLK2は、アルミニウム酸化物等の絶縁物で形成され得る。図5(a)、図5(b)に点線で囲って示す部分がメモリセルMTとして機能する。
【0042】
柱状体CLにおける半導体膜CHは、図4に示すように、先端が導電層5に達する。半導体膜CHは、+Z側端で導電層5に接続され、-Z側端でプラグを介して導電膜BLに接続される。導電膜BLは、ビット線BL(図2参照)として機能する。導電層5は、導電性を付与された半導体(例えば、ポリシリコン)で形成され得る。導電層5は、ソース線SL(図2参照)におけるセルソース部CSLとして機能する。半導体膜CHは、メモリストリングMS(図2参照)におけるチャネル領域として機能する。
【0043】
また、各導電層3は、Y方向幅が互いに均等であってもよい。複数の導電層3は、-Z側から+Z側にかけて、X方向幅が段階的に大きくなっている。複数の導電層3は、-Z側から+Z側にかけて、X方向端が徐々に外側に位置するように構成される。これにより、メモリセルアレイ11_1におけるプラグ接続部に、-Z側から+Z側へ順に、選択ゲート線SGD、複数のワード線WL、選択ゲート線SGSが階段状に引き出された階段構造が構成される。
【0044】
複数のプラグCP1は、複数の導電層3に対応する。各プラグCP1は、Z方向における電極PD2及び対応する導電層3の間に配され、-Z側端が電極PD2に電気的に接続され、Z方向に延び、+Z側端が対応する導電層3に電気的に接続される。これにより、プラグCP1は、電極PD2及び対応する導電層3を電気的に接続する。
【0045】
複数のプラグCP2は、複数の電極PD2に対応し、複数の電極PD3に対応する。各プラグCP2は、Z方向における対応する電極PD2及び対応する電極PD3の間に配され、-Z側端が電極PD2に電気的に接続され、Z方向に延び、+Z側端が対応する電極PD3に電気的に接続される。これにより、プラグCP2は、対応する電極PD2及び対応する電極PD3を電気的に接続する。
【0046】
複数の導電膜BLは、積層体SST1の-Z側に配される。複数の導電膜BLは、互いにX方向に配列される。各導電膜BLは、Y方向に延びる。複数の導電膜BLは、複数の柱状体CLに対応する。各導電膜BLは、対応する柱状体CLの-Z側端に電気的に接続され、ビット線BLとして機能する。導電膜BLは、電極PD2に電気的に接続される。これにより、ビット線BLが電極PD2、電極PD1、配線構造WS経由でチップ10のトランジスタTrに接続され得る。
【0047】
複数の配線MA1は、積層体SST1の+Z側に配される。複数の配線MA1は、X方向に互いに並ぶ。各配線MA1は、Y方向に延びる。各配線MA1は、Z方向から透視した場合、積層体SST1を横切るようにY方向に延びる。各配線MA1は、電源線22,23として機能し、伝達すべき電力量と延びる長さとに応じて、幅及び厚さが決められ得る。配線MA1に関する詳細な構成は、後述する。
【0048】
電極PD2は、その表面がチップ10,20_1の接合面BF1に露出するように配される。電極PD3は、その表面がチップ20_1,20_2の接合面BF2に露出するように配される。
【0049】
チップ20_2は、積層体SST2、導電層5、複数の柱状体CL、複数のプラグCP3、複数のプラグCP4、複数の導電膜BL、配線MA2、電極PD4、電極PD5、絶縁膜DL3を有する。積層体SST2では、複数の導電層3が絶縁層4を介してZ方向に積層される。複数の導電層3は、-Z側から+Z側へ順に、選択ゲート線SGD、ワード線WL3、ワード線WL2、ワード線WL1、ワード線WL0、選択ゲート線SGSとして機能する。
【0050】
各導電層3は、XY方向に板状に延びる。各柱状体CLは、複数の導電層3を通ってZ方向に延びる。各柱状体CLは、積層体SST2をZ方向に貫通してもよい。各柱状体CLは、Z方向に柱状に延びる。各柱状体CLは、チャネル領域として機能する半導体膜CH(図5参照)を含む。半導体膜CHは、Z方向に沿った軸を有する柱状に(例えば、柱形状又は筒形状で)延びる。複数の導電層3と複数の柱状体CLとが交差する複数の交差位置、すなわち複数の導電層3と複数の半導体膜CHとが交差する複数の交差位置に、複数のメモリセルMCが形成される。
【0051】
各柱状体CLは、図5(a)、図5(b)に示すように、絶縁膜CR、半導体膜CH、絶縁膜TNL、電荷蓄積膜CT、絶縁膜BLK1、絶縁膜BLK2を含む。絶縁膜CRは、Z方向に延び、Z方向に沿った軸を有する柱形状を構成する。絶縁膜CRは、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。半導体膜CHは、絶縁膜CRをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。半導体膜CHは、ポリシリコン等の半導体で形成され得る。絶縁膜TNLは、半導体膜CHをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。絶縁膜TNLは、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。電荷蓄積膜CTは、絶縁膜TNLをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。電荷蓄積膜CTは、シリコン窒化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜BLK1は、電荷蓄積膜CTをXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。絶縁膜BLK1は、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜BLK2は、絶縁膜BLK1をXY方向外側から覆うようにZ方向に延び、Z方向に沿った軸を有する筒形状を構成する。絶縁膜BLK2は、アルミニウム酸化物等の絶縁物で形成され得る。図5(a)、図5(b)に点線で囲って示す部分がメモリセルMTとして機能する。
【0052】
柱状体CLにおける半導体膜CHは、図4に示すように、+Z側端で導電層5に接続され、-Z側端でプラグを介して導電膜BLに接続される。導電膜BLは、ビット線BL(図2参照)として機能する。導電層5は、導電性を付与された半導体(例えば、ポリシリコン)で形成され得る。導電層5は、ソース線SL(図2参照)におけるセルソース部CSLとして機能する。半導体膜CHは、メモリストリングMS(図2参照)におけるチャネル領域として機能する。
【0053】
また、各導電層5は、Y方向幅が互いに均等であってもよい。複数の導電層5は、-Z側から+Z側にかけて、X方向幅が段階的に大きくなっている。複数の導電層5は、-Z側から+Z側にかけて、X方向端が徐々に外側に位置するように構成される。これにより、メモリセルアレイ11_2におけるプラグ接続部に、-Z側から+Z側へ順に、選択ゲート線SGD、複数のワード線WL、選択ゲート線SGSが階段状に引き出された階段構造が構成される。
【0054】
複数のプラグCP3は、複数の導電層3に対応する。各プラグCP3は、Z方向における電極PD4及び対応する導電層3の間に配され、-Z側端が電極PD4に電気的に接続され、Z方向に延び、+Z側端が対応する導電層3に電気的に接続される。これにより、プラグCP3は、電極PD4及び対応する導電層3を電気的に接続する。
【0055】
複数のプラグCP4は、複数の電極PD4に対応し、複数の電極PD5に対応する。各プラグCP4は、Z方向における対応する電極PD4及び対応する電極PD5の間に配され、-Z側端が電極PD4に電気的に接続され、Z方向に延び、+Z側端が対応する電極PD5に電気的に接続される。これにより、プラグCP4は、対応する電極PD4及び対応する電極PD5を電気的に接続する。
【0056】
複数の導電膜BLは、積層体SST2の-Z側に配される。複数の導電膜BLは、互いにX方向に配列される。各導電膜BLは、Y方向に延びる。複数の導電膜BLは、複数の柱状体CLに対応する。各導電膜BLは、対応する柱状体CLの-Z側端に電気的に接続され、ビット線BLとして機能する。導電膜BLは、電極PD4に電気的に接続される。これにより、ビット線BLがプラグ(図示せず)、電極PD4、電極PD3、プラグ(図示せず)、電極PD2、電極PD1、配線構造WS経由でチップ10のトランジスタTrに接続され得る。
【0057】
複数の配線MA2は、積層体SST2の+Z側に配される。複数の配線MA2は、X方向に互いに並ぶ。各配線MA2は、Y方向に延びる。各配線MA2は、Z方向から透視した場合、積層体SST2を横切るようにY方向に延びる。各配線MA2は、電源線22,23として機能し、伝達すべき電力量と延びる長さとに応じて、幅及び厚さが決められ得る。配線MA2に関する詳細な構成は、後述する。
【0058】
電極PD4は、その表面がチップ10,20_2の接合面BF1に露出するように配される。電極PD5は、その表面がチップ20_2の+Z側の面に露出するように配される。
【0059】
次に、配線MA1,MA2に関する詳細な構成について図6を用いて説明する。図6は、半導体記憶装置1の構成を示すYZ断面図であり、図3をB-B線で切った場合のYZ断面を例示する。
【0060】
チップ10は、トランジスタTr、配線構造WS、電極PD1-1を有する。電極PD1-1は、チップ10及びチップ20_1の接合面BF1に配される。電極PD1-1は、その+Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD1-1は、-Z側端が配線構造WSを介してトランジスタTrに接続される。
【0061】
チップ20_1は、積層体SST1、導電膜MA1、導電膜CF1-1、複数のプラグCC1-1~CC1-3、電極PD2-1、電極PD3-1、電極PD3-2、バリア膜BM-1、バリア膜BM-2、絶縁膜DL2を有する。
【0062】
導電膜MA1は、積層体SST1の+Z側に配される。導電膜MA1は、配線MA1(図3参照)として機能する。導電膜MA1は、XY平面視でライン状のパターンを有する。導電膜MA1は、Z方向から透視した場合に積層体SST1を横切って概ねY方向に延びる。導電膜MA1は、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。第1の金属は、アルミニウム等を含む。導電膜MA1は、引き回し部8及びプラグ接続部9-1を有する。
【0063】
プラグ接続部9-1は、積層体SST1からXY方向に離間して配される。プラグ接続部9-1は、積層体SST1からY方向にシフトした位置に配される。
【0064】
引き回し部8は、プラグ接続部9-1のY方向両側に配され、例えば積層体SST1に対応する位置に配される。引き回し部8は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0065】
プラグ接続部9-1は、引き回し部8に+Y側又は-Y側で隣接して接続され、引き回し部8よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部9-1は、平坦部9a、傾斜部9b、傾斜部9cを有する。
【0066】
プラグ接続部9-1において、平坦部9aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部9aのZ高さは、引き回し部8のZ高さより低い。平坦部9aは、プラグCC1-1~CC1-3の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0067】
傾斜部9bは、平坦部9aの-Y側に配される。傾斜部9bは、-Y側端が引き回し部8に接続され、+Y側端が平坦部9aに接続される。傾斜部9bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部8のZ高さから平坦部9aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0068】
傾斜部9cは、平坦部9aの+Y側に配される。傾斜部9cは、+Y側端が引き回し部8に接続され、-Y側端が平坦部9aに接続される。傾斜部9cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部8のZ高さから平坦部9aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0069】
導電膜CF1-1は、積層体SST1からXY方向に離間して配される。導電膜CF1-1は、積層体SST1からY方向にシフトした位置に配される。導電膜CF1-1は、プラグ接続部9-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF1-1は、導電膜MA1より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF1-1は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第2の金属は、銅等を含む。
【0070】
複数のプラグCC1-1~CC1-3は、Z方向における導電膜MA1と導電膜CF1-1との間に配される。複数のプラグCC1-1~CC1-3は、プラグ接続部9-1の-Z側に配され、導電膜CF1-1の+Z側に配される。各プラグCC1-1~CC1-3は、Z方向に延びて導電膜MA1及び導電膜CF1-1を接続する。各プラグCC1-1~CC1-3は、+Z側端がプラグ接続部9-1に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF1-1に電気的に接続される。各プラグCC1は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。第3の金属は、第1の金属より抵抗率が高い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第3の金属は、タングステン等を含む。
【0071】
電極PD2-1は、チップ10及びチップ20_1の接合面BF1に配される。電極PD2-1は、導電膜CF1-1及び電極PD1-1に電気的に接続される。電極PD2-1は、+Z側の面が導電膜CF1-1に接触し、-Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD2-1は、-Z側の面が電極PD1-1に接触する。電極PD2-1は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0072】
電極PD3-1は、チップ20_1及びチップ20_2の接合面BF2に配される。電極PD3-1は、導電膜MA1における引き回し部8に対応したXY位置に配される。電極PD3-1は、積層体SST1から+Y方向にシフトした位置に配されてもよい。
【0073】
電極PD3-1は、バリア膜BM-1を介して導電膜MA1に電気的に接続され、電極PD4-1に電気的に接続される。電極PD3-1は、-Z側の面がバリア膜BM-1に接触し、+Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD3-1は、+Z側の面が電極PD4-1に接触する。電極PD3-1は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0074】
電極PD3-2は、チップ20_1及びチップ20_2の接合面BF2に配される。電極PD3-2は、導電膜MA1における引き回し部8に対応したXY位置に配される。電極PD3-1は、積層体SST1から-Y方向にシフトした位置に配されてもよい。
【0075】
電極PD3-2は、バリア膜BM-2を介して導電膜MA1に電気的に接続され、電極PD4-2に電気的に接続される。電極PD3-2は、-Z側の面がバリア膜BM-2に接触し、+Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD3-2は、+Z側の面が電極PD4-2に接触する。電極PD3-2は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0076】
バリア膜BM-1は、Z方向における電極PD3-1及び導電膜MA1の間に配される。バリア膜BM-1は、+Z側の面が電極PD3-1に接触し、-Z側の面が導電膜MA1に接触する。バリア膜BM-1は、第4の金属を主成分とする材料で形成され得る。第4の金属は、第1の金属の拡散に対するバリア性を有し第2の金属の拡散に対するバリア性を有する。第4の金属は、例えば、窒化チタンを含む。これにより、電極PD3-1に含まれる第2の金属の元素が導電膜MA1側へ拡散することを抑制でき、導電膜MA1に含まれる第1の金属の元素が電極PD3-1側へ拡散することを抑制できる。
【0077】
バリア膜BM-2は、Z方向における電極PD3-2及び導電膜MA1の間に配される。バリア膜BM-2は、+Z側の面が電極PD3-2に接触し、-Z側の面が導電膜MA1に接触する。バリア膜BM-2は、第4の金属を主成分とする材料で形成され得る。第4の金属は、第1の金属の拡散に対するバリア性を有し第2の金属の拡散に対するバリア性を有する。第4の金属は、例えば、窒化チタンを含む。これにより、電極PD3-2に含まれる第2の金属の元素が導電膜MA1側へ拡散することを抑制でき、導電膜MA1に含まれる第1の金属の元素が電極PD3-2側へ拡散することを抑制できる。
【0078】
チップ20_2は、積層体SST2、導電膜MA2、導電膜CF2-1、複数のプラグCC2-1~CC2-3、導電膜CF2-2、複数のプラグCC3-1~CC3-3、電極PD4-1、電極PD4-2、絶縁膜DL3を有する。
【0079】
導電膜MA2は、積層体SST2の+Z側に配される。導電膜MA2は、配線MA2(図3参照)として機能する。導電膜MA2は、XY平面視でライン状のパターンを有する。導電膜MA2は、Z方向から透視した場合に積層体SST2を横切って概ねY方向に延びる。導電膜MA2は、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。第1の金属は、アルミニウム等を含む。導電膜MA2は、引き回し部6及びプラグ接続部7-1,7-2を有する。
【0080】
プラグ接続部7-1,7-2は、それぞれ、積層体SST2からXY方向に離間して配される。プラグ接続部7-1は、積層体SST2から+Y方向にシフトした位置に配される。プラグ接続部7-2は、積層体SST2から-Y方向にシフトした位置に配される。
【0081】
引き回し部6は、プラグ接続部7-1のY方向両側に配され、プラグ接続部7-2のY方向両側に配され、例えば積層体SST2に対応する位置に配される。引き回し部6は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0082】
プラグ接続部7-1は、Y方向両側で引き回し部6に隣接して接続され、引き回し部6よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部7-1は、平坦部7a、傾斜部7b、傾斜部7cを有する。
【0083】
プラグ接続部7-1において、平坦部7aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部7aのZ高さは、引き回し部6のZ高さより低い。平坦部7aは、プラグCC2-1~CC2-3の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0084】
傾斜部7bは、平坦部7aの-Y側に配される。傾斜部7bは、-Y側端が引き回し部6に接続され、+Y側端が平坦部7aに接続される。傾斜部7bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部6のZ高さから平坦部7aのZ高さへ連なる段差を平坦部7aの-Y側に形成する。
【0085】
傾斜部7cは、平坦部7aの+Y側に配される。傾斜部7cは、+Y側端が引き回し部6に接続され、-Y側端が平坦部7aに接続される。傾斜部7cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部6のZ高さから平坦部7aのZ高さへ連なる段差を平坦部7aの+Y側に形成する。
【0086】
プラグ接続部7-2は、Y方向両側で引き回し部6に隣接して接続され、引き回し部6よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部7-2は、平坦部7a、傾斜部7b、傾斜部7cを有する。
【0087】
プラグ接続部7-2において、平坦部7aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部7aのZ高さは、引き回し部6のZ高さより低い。平坦部7aは、プラグCC3-1~CC3-3の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0088】
傾斜部7bは、平坦部7aの-Y側に配される。傾斜部7bは、-Y側端が引き回し部6に接続され、+Y側端が平坦部7aに接続される。傾斜部7bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部6のZ高さから平坦部7aのZ高さへ連なる段差を平坦部7aの-Y側に形成する。
【0089】
傾斜部7cは、平坦部7aの+Y側に配される。傾斜部7cは、+Y側端が引き回し部6に接続され、-Y側端が平坦部7aに接続される。傾斜部7cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部6のZ高さから平坦部7aのZ高さへ連なる段差を平坦部7aの+Y側に形成する。
【0090】
引き回し部6におけるプラグ接続部7-2の傾斜部7cに隣接するXY位置の部分6aは、+Z側の面が開口TVで露出され、電極部分として機能する。電極部分6aの+Z側の面は、開口TVを介して、ワイヤボンディング実装のワイヤが接合され得る。
【0091】
導電膜CF2-1は、積層体SST2からXY方向に離間して配される。導電膜CF2-1は、積層体SST2から+Y方向にシフトした位置に配される。導電膜CF2-1は、プラグ接続部7-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF2-1は、導電膜MA2より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF2-1は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0092】
複数のプラグCC2-1~CC2-3は、Z方向における導電膜MA2と導電膜CF2-1との間に配される。複数のプラグCC2-1~CC2-3は、プラグ接続部7-1の-Z側に配され、導電膜CF2-1の+Z側に配される。各プラグCC2-1~CC2-3は、Z方向に延びて導電膜MA2及び導電膜CF2-1を接続する。各プラグCC2-1~CC2-3は、+Z側端がプラグ接続部7-1に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF2-1に電気的に接続される。各プラグCC2は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0093】
導電膜CF2-2は、積層体SST2からXY方向に離間して配される。導電膜CF2-2は、積層体SST2から-Y方向にシフトした位置に配される。導電膜CF2-2は、プラグ接続部7-2に対応したXY位置に配される。導電膜CF2-2は、導電膜MA2より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF2-2は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0094】
複数のプラグCC3-1~CC3-3は、Z方向における導電膜MA2と導電膜CF2-2との間に配される。複数のプラグCC3-1~CC3-3は、プラグ接続部7-2の-Z側に配され、導電膜CF2-2の+Z側に配される。各プラグCC3-1~CC3-3は、Z方向に延びて導電膜MA2及び導電膜CF2-2を接続する。各プラグCC3-1~CC3-3は、+Z側端がプラグ接続部7-2に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF2-2に電気的に接続される。各プラグCC3は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0095】
電極PD4-1は、チップ20_1及びチップ20_2の接合面BF2に配される。電極PD4-1は、導電膜CF2-1に対応したXY位置に配される。電極PD4-1は、積層体SST2から+Y方向にシフトした位置に配される。
【0096】
電極PD4-1は、導電膜CF2-1及び電極PD3-1に電気的に接続される。電極PD4-1は、+Z側の面が導電膜CF2-1に接触し、-Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD4-1は、-Z側の面が電極PD3-1に接触する。電極PD4-1は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0097】
電極PD4-2は、チップ20_1及びチップ20_2の接合面BF2に配される。電極PD4-2は、導電膜CF2-2に対応したXY位置に配される。電極PD4-2は、積層体SST2から-Y方向にシフトした位置に配される。
【0098】
電極PD4-2は、導電膜CF2-2及び電極PD3-2に電気的に接続される。電極PD4-2は、+Z側の面が導電膜CF2-2に接触し、-Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD4-2は、-Z側の面が電極PD3-2に接触する。電極PD4-2は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0099】
図6に示す開口TV(電極部分6a)からトランジスタTrに至る接続構成において、チップ20_2の導電膜MA2とチップ20_1の導電膜MA1とが並列接続される。電極部分6aとトランジスタTrとの間に共通接続経路が接続される。電極部分6aと共通接続経路との間に、第1の接続経路と第2の接続経路とが並列に接続される。
【0100】
第1の接続経路は、電極部分6a→引き回し部6→プラグ接続部7-1→プラグCC2-1~CC2-3→導電膜CF2-1→電極PD4-1→電極PD3-1→バリア膜BM-1→引き回し部8を含む。第2の接続経路は、電極部分6a→プラグ接続部7-2→プラグCC3-1~CC3-3→導電膜CF2-2→電極PD4-2→電極PD3-2→バリア膜BM-2→引き回し部8を含む。共通接続経路は、プラグ接続部9-1→プラグCC1-1~CC1-3→導電膜CF1-1→電極PD2-1→電極PD1-1→配線構造WSを含む。第1の接続経路と第2の接続経路とは、プラグ接続部9-1で合流し共通接続経路を介してチップ10のトランジスタTrに接続される。これにより、電極部分6aと共通接続経路との間で、導電膜MA1と導電膜MA2とが並列に接続される。
【0101】
ここで、導電膜MA1は配線MA1として機能し、導電膜MA2は配線MA2として機能する。前述のように、配線MA1及び配線MA2は、それぞれ、電源線22,23として機能し、伝達すべき電力量と延びる長さとに応じて、幅及び厚さが決められ得る。第1の接続経路と第2の接続経路とが並列になっていることにより、開口TV(電極部分6a)からトランジスタTrに至る接続構成を容易に低抵抗化できる。これにより、配線MA1及び配線MA2は、それぞれ、延びる長さを同じにしたまま、伝達すべき電力量に応じて決められる厚さを例えば半分程度に低減できる。すなわち、要求される特性を満たしながら配線MA1及び配線MA2をそれぞれ薄膜化できる。
【0102】
あるいは、第1の接続経路と第2の接続経路とが並列になっていることにより、開口TV(電極部分6a)からトランジスタTrに至る接続構成を容易に低抵抗化できる。これにより、配線MA1及び配線MA2は、それぞれ、伝達すべき電力量に応じて決められる厚さを同じにしたまま、延びる長さを約2倍に延長することができる。すなわち、要求される特性を満たしながら配線MA1及び配線MA2をそれぞれ長尺化できる。
【0103】
次に、半導体記憶装置1の製造方法について図7図13を用いて説明する。図7(a)~図7(d)、図8(a)~図8(c)、図9(a)~図9(e)、図10(a)~図10(b)、図11(a)~図11(b)、図12(a)~図12(d)、図13は、半導体記憶装置1の製造方法を示す断面図である。図7(a)~図7(d)、図8(a)~図8(c)、図10(a)~図10(b)、図11(a)~図11(b)、図13は、図4に対応するXZ断面を示す。図9(a)~図9(e)、図12(a)~図12(d)は、図6に対応するYZ断面を示す。図9(a)~図9(e)では、簡略化のため、チップ20_1の部分を選択的に示す。図12(a)~図12(d)では、簡略化のため、チップ20_2の部分を選択的に示す。
【0104】
図7(a)の工程では、基板110を用意する。基板110は、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成され得る。基板110は、-Z側の主面110aを有する。基板110の主面110aにおける凸部101を形成すべき領域を選択的に覆うレジストパターンRP1を形成する。レジストパターンRP1をマスクとしてエッチングを行う。これにより、基板110の主面110aに凸部101を形成する。
【0105】
図7(b)の工程では、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法等により、基板110の主面110aに絶縁膜103を堆積する。絶縁膜103は、シリコン窒化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜103は、-Z側に主面103aを有する。
【0106】
図7(c)の工程では、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、絶縁膜103の主面103aに絶縁膜105を堆積する。絶縁膜105は、シリコン窒化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜105は、-Z側に主面105aを有する。
【0107】
図7(d)の工程では、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により、絶縁膜105の主面105aを平坦化する。平坦化は、絶縁膜103の主面103aが露出されるまで行われる。
【0108】
図8(a)の工程では、CVD法等により、絶縁膜103の露出された主面103aと絶縁膜105の主面105aとに絶縁膜107を堆積する。絶縁膜107は、シリコン窒化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜107は、-Z側に主面107aを有する。続いて、絶縁膜107の主面107aにおける凸部101に対応する領域に開口を有するレジストパターンRP2を形成する。レジストパターンRP2をマスクとして凸部101の主面110aが露出されるまでエッチングを行う。これにより、絶縁膜107の開口が形成される。この開口に導電物(例えば、タングステン等の金属を主成分とする材料)を埋め込む。これにより、絶縁膜107の主面107aから凸部101の主面110aに至るプラグ111を形成する。
【0109】
図8(b)の工程では、絶縁膜107の主面107aに絶縁膜109を堆積する。絶縁膜109は、シリコン窒化物等の絶縁物で形成され得る。絶縁膜109は、-Z側に主面109aを有する。続いて、絶縁膜109の主面109aにおけるプラグ111に対応する領域に開口を有するレジストパターンRP3を形成する。レジストパターンRP3をマスクとしてプラグ111が露出されるまでエッチングを行う。これにより、絶縁膜109の開口が形成される。この開口に導電物(例えば、タングステン等の金属を主成分とする材料)を埋め込む。これにより、プラグ111の主面に接触する導電膜115を形成する。
【0110】
図8(c)の工程では、絶縁膜109の主面109aにメモリセルアレイ21_1の構造を形成する。メモリセルアレイ21_1では、主面109aに導電層5が積層され、導電層5に積層体SST1が積層される。積層体SST1では、絶縁層4と導電層3とがZ方向に交互に複数回積層される。また、積層体SST1は、それぞれがZ方向に延びXY方向に配列される複数の柱状体CLで貫通される。柱状体CLは、積層体SST1を貫通するメモリホールが形成され、メモリホール内に図5に示す絶縁膜BLK2、絶縁膜BLK1、電荷蓄積膜CT、絶縁膜TNL、半導体膜CH、絶縁膜CRが順に埋め込まれることなどにより形成される。図8(c)に示すように、メモリセルアレイ21_1の周囲には、絶縁膜DL2が堆積される。絶縁膜DL2にホールが形成され、導電物(例えば、銅等の金属を主成分とする材料)が埋め込まれる。これにより、Z方向に延びて導電層3に達するプラグ51とZ方向に延びて導電膜115に達するプラグ53とがそれぞれ形成される。
【0111】
このとき、図9(a)に示すように、積層体SST1からY方向にシフトした位置において、絶縁膜DL2にホールが形成され、第3の金属(例えば、タングステン等)を主成分とする材料が埋め込まれる。これにより、Z方向に延びる複数のプラグCC1-1~CC1-3が形成される。そして、絶縁膜DL2の-Z側に、第2の金属(例えば、銅等)を主成分とする材料で導電膜が堆積される。複数のプラグCC1-1~CC1-3に重なる領域にパターニングされ、導電膜CF1-1が形成される。
【0112】
図10(a)の工程では、メモリセルアレイ21_1の-Z側に絶縁膜121を堆積する。絶縁膜121は、シリコン酸化物等の絶縁物で形成され得る。続いて、絶縁膜121の-Z側に、プラグ53に対応する領域に開口を有するレジストパターンRP4を形成する。レジストパターンRP4をマスクとしてプラグ53が露出されるまでエッチングを行う。これにより、絶縁膜121の開口が形成される。この開口に導電物(例えば、銅等の金属を主成分とする材料)を埋め込む。これにより、プラグ53に電気的に接続される電極PD2を形成する。これにより、複数のチップ20_1を含む基板WF_20_1が形成される。
【0113】
このとき、図9(a)に示す導電膜CF1-1に対応した領域で絶縁膜DL2の開口が形成され、この開口に第2の金属(例えば、銅等)を主成分とする材料を埋め込む。これにより、導電膜CF1-1に電気的に接続される電極PD2-1を形成する。
【0114】
図10(b)の工程では、複数のチップ10を含む基板WF_10を形成する。基板WF_10における各チップ10では、トランジスタTrのゲート電極が基板2の表面2aに形成され、ソース電極・ドレイン電極が基板2内の表面2a近傍に半導体領域として形成され、絶縁膜DL1が堆積され、配線構造WSが形成される。絶縁膜DL1の-Z側に、配線構造WSに対応する領域に開口を有するレジストパターンRP5を形成する。レジストパターンRP5をマスクとして配線構造WSが露出されるまでエッチングを行う。これにより、絶縁膜DL1の開口が形成される。この開口に導電物(例えば、銅等の金属を主成分とする材料)を埋め込む。これにより、配線構造WSに電気的に接続される電極PD1を形成する。これにより、複数のチップ10を含む基板WF_10が形成される。
【0115】
その後、基板WF_20_1の-Z側の面と基板WF_10の+Z側の面とをそれぞれプラズマ処理で活性化させてもよい。基板WF_20_1の-Z側の面と基板WF_10の+Z側の面とを対向させる。このとき、電極PD2のXY位置と電極PD1のXY位置とが合うように、基板WF_20_1及び基板WF_10を対向配置させる。基板WF_20_1及び基板WF_10をZ方向に互いに近付けて、基板WF_20_1と基板WF_10とを接合する。このとき、基板WF_20_1と基板WF_10とを加熱・加圧してもよい。
【0116】
図11(a)の工程では、基板110を除去する。基板110の除去は、+Z側から基板110が研磨され、その後ウェットエッチングすることで行われてもよい。これにより、絶縁膜103が露出され、凸部101が除去された後に、凹部131が形成される。凹部131の底面には、プラグ111の+Z側の面が露出する。
【0117】
このとき、図9(a)に示すように、絶縁膜DL2の+Z側の面において、積層体SST1からY方向にシフトした位置に凹部201が形成される。
【0118】
図11(b)の工程では、凹部131に導電物(例えば、銅等の金属を主成分とする材料)を埋め込む。これにより、プラグ111に電気的に接続される電極PD3を形成する。
【0119】
このとき、図9(b)に示すように、積層体SST1からY方向にシフトした位置では、凹部201に絶縁膜DL2が埋め込まれ、平坦化された後、複数のプラグCC1-1~CC1-3に対した領域で+Z側の端部が露出されるまで選択的にエッチングが行われ、凹部202が形成される。
【0120】
そして、図9(c)に示すように、第1の金属(例えば、アルミニウム等)を主成分とする材料が堆積され、Y方向に延びるライン状にパターニングされ、配線MA1として機能する導電膜MA1が形成される。配線MA1の+Z側では、複数のプラグCC1-1~CC1-3に対した領域に凹部203が形成される。
【0121】
その後、図9(d)に示すように、絶縁膜DL2が凹部203に埋め込まれるとともに導電膜MA1を覆って堆積される。絶縁膜DL2における積層体SST1のY方向両側に対応する位置で導電膜MA1を露出する開口VA3-1,VA3-2が形成される。
【0122】
さらに、図9(e)に示すように、開口VA3-1,VA3-2の底部にバリア膜BM-1,BM-2が堆積される。バリア膜BM-1,BM-2は、第4の金属を主成分とする材料で形成され得る。第4の金属は、第1の金属の拡散に対するバリア性を有し第2の金属の拡散に対するバリア性を有する。第4の金属は、例えば、窒化チタンを含む。さらに、開口VA3-1,VA3-2に、第2の金属(例えば、銅等)を主成分とする材料が埋め込まれる。これにより、導電膜MA1に電気的にそれぞれ接続される電極PD3-1,PD3-2を形成する。
【0123】
その後、図7(a)~図7(d)、図8(a)~図8(c)、図10(a)の工程と同様にして、絶縁層4と導電層3とがZ方向に交互に複数回積層された積層体SST2が複数の柱状体CLでZ方向に貫通されるメモリセルアレイ11_2の構造とその周辺の構造とが形成される。+Z側の面に電極PD5(図13参照)が形成される。これにより、複数のチップ20_2を含む基板WF_20_2を形成する。
【0124】
このとき、図12(a)に示すように、積層体SST2からY方向両側にシフトした位置において、それぞれ、絶縁膜DL3にホールが形成され、第3の金属(例えば、タングステン等)を主成分とする材料が埋め込まれる。これにより、積層体SST2に対してY方向両側の側方に、Z方向に延びる複数のプラグCC2-1~CC2-3と複数のプラグCC3-1~CC3-3とが形成される。そして、絶縁膜DL3の-Z側に、第2の金属(例えば、銅等)を主成分とする材料で導電膜が堆積される。複数のプラグCC2-1~CC2-3に重なる領域と複数のプラグCC3-1~CC3-3に重なる領域とにそれぞれパターニングされる。これにより、導電膜CF2-1と導電膜CF2-2とがそれぞれ形成される。
【0125】
導電膜CF2-1に対応した領域と導電膜CF2-1に対応した領域とでそれぞれ絶縁膜DL3の開口が形成され、開口に第2の金属(例えば、銅等)を主成分とする材料を埋め込む。これにより、導電膜CF2-1に電気的に接続される電極PD2-1と導電膜CF2-2に電気的に接続される電極PD2-2とをそれぞれ形成する。
【0126】
その後、絶縁膜DL3の+Z側の面において、積層体SST2からY方向両側にシフトした位置にそれぞれ凹部204が形成される。
【0127】
図12(b)に示すように、積層体SST2からY方向両側にシフトした位置では、凹部204に絶縁膜DL3が埋め込まれ、平坦化される。その後、複数のプラグCC2-1~CC2-3に対した領域で+Z側の端部が露出されるまで選択的にエッチングが行われ、複数のプラグCC3-1~CC3-3に対した領域で+Z側の端部が露出されるまで選択的にエッチングが行われる。これにより、積層体SST2のY方向両側で凹部205が形成される。
【0128】
そして、図12(c)に示すように、第1の金属(例えば、アルミニウム等)を主成分とする材料が堆積され、Y方向に延びるライン状にパターニングされ、配線MA2として機能する導電膜MA2が形成される。配線MA2の+Z側では、複数のプラグCC2-1~CC2-3に対した領域と複数のプラグCC3-1~CC3-3に対した領域とにそれぞれ凹部206が形成される。
【0129】
その後、図12(d)に示すように、絶縁膜DL3が積層体SST2のY方向両側の凹部206にそれぞれ埋め込まれるとともに導電膜MA2を覆って堆積される。絶縁膜DL3における積層体SST2の-Y側に対応する位置で導電膜MA2を露出する開口TVが形成される。
【0130】
図13の工程では、基板WF_20_2の-Z側の面と基板WF_20_1の+Z側の面とをそれぞれプラズマ処理で活性化させてもよい。基板WF_20_2の-Z側の面と基板WF_20_1の+Z側の面とを対向させる。このとき、電極PD4のXY位置と電極PD3のXY位置とが合うように、基板WF_20_2及び基板WF_20_1を対向配置させる。基板WF_20_2及び基板WF_20_1をZ方向に互いに近付けて、基板WF_20_2と基板WF_20_1とを接合する。このとき、基板WF_20_2と基板WF_20_1とを加熱・加圧してもよい。
【0131】
これにより、基板WF_10、基板WF_20_1、基板WF_20_2が順にZ方向に積層された積層基板WFが得られる。積層基板WFは、複数のチップ領域を含む。各チップ領域では、チップ10,20_1,20_2が積層された構造を有する。積層基板WFを複数のチップ領域の境界でダイシングすることで、複数のチップ領域を個片化する。これにより、チップ領域を含む半導体記憶装置1が得られる。
【0132】
以上のように、第1の実施形態では、半導体記憶装置1における開口TV(電極部分6a)からトランジスタTrに至る接続構成において、チップ20_2の導電膜MA2とチップ20_1の導電膜MA1とが並列接続される。導電膜MA1は配線MA1として機能し、導電膜MA2は配線MA2として機能する。このため、配線MA1及び配線MA2を用いた接続構成を容易に低抵抗化できる。これにより、配線MA1及び配線MA2は、それぞれ、延びる長さを同じにしたまま、伝達すべき電力量に応じて決められる厚さを例えば半分程度に低減できる。すなわち、要求される特性を満たしながら配線MA1及び配線MA2をそれぞれ薄膜化できる。
【0133】
また、第1の実施形態では、配線MA1及び配線MA2を用いた接続構成を容易に低抵抗化できる。これにより、配線MA1及び配線MA2は、それぞれ、伝達すべき電力量に応じて決められる厚さを同じにしたまま、延びる長さを約2倍に延長することができる。すなわち、要求される特性を満たしながら配線MA1及び配線MA2をそれぞれ厚膜化せずに長尺化できる。
【0134】
例えば、要求される平面構成の変更に応じて配線MA1及び配線MA2が長尺化されることがある。
【0135】
長尺化に伴い低抵抗化するために配線MA1(導電膜MA1)及び配線MA2(導電膜MA2)が厚膜化される場合、積層基板WFをダイシングする際に、導電膜MA1と導電膜MA2とがダイシングブレードから受ける応力が大きくなりやすい。これにより、導電膜MA1、導電膜MA2がチップ20_1,20_2のエッジ近傍ではがれることがあり、チップ20_1,20_2の実装の信頼性が低下する可能性がある。
【0136】
それに対して、第1の実施形態では、要求される特性を満たしながら配線MA1及び配線MA2をそれぞれ薄膜化できるので、ダイシング時の導電膜MA1、導電膜MA2の剥がれを抑制でき、実装の信頼性の低下を抑制できる。
【0137】
また、長尺化に伴い低抵抗化するために配線MA2が厚膜化される場合、開口TVを介してワイヤが配線MA2の電極部分6aにボンディングされる際にボイドが形成されやすい。これにより、ボンディング不良が発生する可能性がある。
【0138】
それに対して、第1の実施形態では、要求される特性を満たしながら配線MA2を薄膜化できるので、電極部分6aにおけるボンディング時のボイドの発生を抑制でき、ボンディング不良を低減できる。
【0139】
また、長尺化に伴い低抵抗化するために配線MA2が厚膜化される場合、絶縁膜DL3の上面の段差が大きくなりやすい。これにより、その後に絶縁膜DL3の上面に堆積する保護膜の量が増えることなどにより保護膜の加工コストが増大する可能性がある。
【0140】
それに対して、第1の実施形態では、要求される特性を満たしながら配線MA2を薄膜化できるので、保護膜の堆積量を低減できることなどにより保護膜の加工コストの増大を抑制できる。
【0141】
なお、第1の実施形態の第1の変形例として、半導体記憶装置1iは、図14に示すように、配線MA1i,MA2iの+Z側の面が平坦になるように工夫されていてもよい。図14は、第1の実施形態の第1の変形例にかかる半導体記憶装置1iの構成を示すYZ断面図であり、図3をB-B線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0142】
半導体記憶装置1iは、チップ20_1,20_2(図6参照)に代えてチップ20_1i,20_2iを有する。
【0143】
チップ20_1iは、導電膜MA1(図6参照)に代えて導電膜MA1iを有する。導電膜MA1iは、配線MA1iとして機能する。導電膜MA1iは、プラグ接続部9-1(図6参照)に代えてプラグ接続部9-1iを有する。
【0144】
プラグ接続部9-1iは、平坦部9d、凸部9eを有する。
【0145】
プラグ接続部9-1iにおいて、平坦部9dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部9dのZ高さは、引き回し部8のZ高さと均等である。平坦部9dは、Y方向端部で引き回し部8に連続する。これにより、導電膜MA1iの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0146】
凸部9eは、平坦部9dの-Z側に配され、平坦部9dから-Z側に凸の形状を有する。凸部9eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部9eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部8のZ高さから凸部9eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0147】
平坦部9dは、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部9eは、第2の金属又は第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第3の金属は、第1の金属より抵抗率が高い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第2の金属は、銅等を含み、第3の金属は、タングステン等を含む。
【0148】
チップ20_2iは、導電膜MA2(図6参照)に代えて導電膜MA2iを有する。導電膜MA2iは、配線MA2iとして機能する。導電膜MA2iは、プラグ接続部7-1,7-2(図6参照)に代えてプラグ接続部7-1i,7-2iを有する。
【0149】
プラグ接続部7-1iは、平坦部7d、凸部7eを有する。
【0150】
プラグ接続部7-1iにおいて、平坦部7dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部7dのZ高さは、引き回し部6のZ高さと均等である。平坦部7dは、Y方向端部で引き回し部6に連続する。これにより、導電膜MA2iの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0151】
凸部7eは、平坦部7dの-Z側に配され、平坦部7dから-Z側に凸の形状を有する。凸部7eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部7eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部8のZ高さから凸部7eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。凸部7eは、プラグCC2-1~CC2-3の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0152】
平坦部7dは、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部7eは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第2の金属は、銅等を含む。
【0153】
プラグ接続部7-2iは、平坦部7d、凸部7eを有する。
【0154】
プラグ接続部7-2iにおいて、平坦部7dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部7dのZ高さは、引き回し部6のZ高さと均等である。平坦部7dは、Y方向端部で引き回し部6に連続する。これにより、導電膜MA2iの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0155】
凸部7eは、平坦部7dの-Z側に配され、平坦部7dから-Z側に凸の形状を有する。凸部7eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部7eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部8のZ高さから凸部7eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。凸部7eは、プラグCC3-1~CC3-3の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0156】
平坦部7dは、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部7eは、第2の金属又は第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第3の金属は、第1の金属より抵抗率が高い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第2の金属は、銅等を含み、第3の金属は、タングステン等を含む。
【0157】
このような半導体記憶装置1iにおいても、開口TV(電極部分6a)からトランジスタTrに至る接続構成を導電膜MA2i(配線MA2i)と導電膜MA1i(配線MA1i)との並列接続により容易に低抵抗化できる。これにより、配線MA1i及び配線MA2iは、それぞれ、延びる長さを同じにしたまま、伝達すべき電力量に応じて決められる厚さを例えば半分程度に低減できる。すなわち、要求される特性を満たしながら配線MA1i及び配線MA2iをそれぞれ薄膜化できる。
【0158】
また、半導体記憶装置1iにおいて、接続構成を容易に低抵抗化できるので、配線MA1i及び配線MA2iは、それぞれ、伝達すべき電力量に応じて決められる厚さを同じにしたまま、延びる長さを約2倍に延長することができる。すなわち、要求される特性を満たしながら配線MA1i及び配線MA2iをそれぞれ厚膜化せずに長尺化できる。
【0159】
また、第1の実施形態の第2の変形例として、半導体記憶装置1jは、図15に示すように、配線MA1i,MA2iがより抵抗率の低い材料で形成されてもよい。図15は、第1の実施形態の第2の変形例にかかる半導体記憶装置1jの構成を示すYZ断面図であり、図3をB-B線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0160】
半導体記憶装置1jは、チップ20_1i,20_2i(図14参照)に代えてチップ20_1j,20_2jを有する。
【0161】
チップ20_1jは、導電膜MA1i(図14参照)に代えて導電膜MA1jを有する。導電膜MA1jは、配線MA1jとして機能する。導電膜MA1jは、引き回し部8及びプラグ接続部9-1(図14参照)に代えて引き回し部8j及びプラグ接続部9-1jを有する。
【0162】
引き回し部8jは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第2の金属は、銅等を含む。
【0163】
プラグ接続部9-1jは、平坦部9d(図14参照)に代えて平坦部9djを有する。平坦部9djは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0164】
チップ20_2jは、導電膜MA2i(図14参照)に代えて導電膜MA2jを有する。導電膜MA2jは、配線MA2jとして機能する。導電膜MA2jは、引き回し部6及びプラグ接続部7-1,7-2(図14参照)に代えて引き回し部6j及びプラグ接続部7-1j,7-2jを有する。
【0165】
引き回し部6jは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0166】
プラグ接続部7-1jは、平坦部7d(図14参照)に代えて平坦部7djを有する。平坦部7djは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0167】
プラグ接続部7-2jは、平坦部7d(図14参照)に代えて平坦部7djを有する。平坦部7djは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0168】
このような半導体記憶装置1jにおいても、開口TV(電極部分6a)からトランジスタTrに至る接続構成を導電膜MA2j(配線MA2j)と導電膜MA1j(配線MA1j)との並列接続により容易に低抵抗化できる。これにより、配線MA1j及び配線MA2jは、それぞれ、延びる長さを同じにしたまま、伝達すべき電力量に応じて決められる厚さを例えば半分程度に低減できる。すなわち、要求される特性を満たしながら配線MA1j及び配線MA2jをそれぞれ薄膜化できる。
【0169】
また、半導体記憶装置1jにおいて、接続構成を容易に低抵抗化できるので、配線MA1j及び配線MA2jは、それぞれ、伝達すべき電力量に応じて決められる厚さを同じにしたまま、延びる長さを約2倍に延長することができる。すなわち、要求される特性を満たしながら配線MA1j及び配線MA2jをそれぞれ厚膜化せずに長尺化できる。
【0170】
また、第1の実施形態の第3の変形例として、半導体記憶装置1kは、図16に示すように、配線MA1kと配線MA2とがチップ10kに独立して接続されてもよい。図16は、第1の実施形態の第3の変形例にかかる半導体記憶装置1kの構成を示す断面図である。
【0171】
チップ10kは、トランジスタTr-1,Tr-2、配線構造WS-1,WS-2、電極PD1-1,PD1-2を有する。電極PD1-1,PD1-2は、それぞれ、チップ10k及びチップ20_1kの接合面BF1に配される。電極PD1-1,PD1-2は、それぞれ、その+Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD1-1は、-Z側端が配線構造WS-1を介してトランジスタTr-1に接続される。電極PD1-2は、-Z側端が配線構造WS-2を介してトランジスタTr-2に接続される。
【0172】
チップ20_1kは、電極PD3-1、電極PD3-2、バリア膜BM-1、バリア膜BM-2(図6参照)が省略される。チップ20_1kは、導電膜MA1(図6参照)に代えて導電膜MA1kを有する。チップ20_1kは、導電膜CF1-2、複数のプラグCC4-1~CC4-2、電極PD2-2、電極PD3-3をさらに有する。
【0173】
導電膜MA1kは、配線MA1kとして機能する。導電膜MA1kは、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。第1の金属は、アルミニウム等を含む。導電膜MA1kは、引き回し部8-1,8-2及びプラグ接続部9-1,9-2を有する。
【0174】
引き回し部8-1は、プラグ接続部9-1の-Y側に配され、+Y側端がプラグ接続部9-1に接続される。引き回し部8-1は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。プラグ接続部9-1は、第1の実施形態と同様である。
【0175】
引き回し部8-2は、プラグ接続部9-2の-Y側に配され、+Y側端がプラグ接続部9-2に接続される。引き回し部8-2は、プラグ接続部9-1の+Y側に配され、-Y側端が絶縁膜DL2を介してプラグ接続部9-2から離間している。引き回し部8-2は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0176】
プラグ接続部9-2は、引き回し部8-2に+Y側で隣接して接続される。プラグ接続部9-2は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。プラグ接続部9-2は、プラグCC4-1~CC4-2の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0177】
導電膜CF1-2は、積層体SST1及び導電膜CF1-1からXY方向に離間して配される。導電膜CF1-2は、導電膜CF1-1から積層体SST1とY方向反対側にシフトした位置に配される。導電膜CF1-2は、プラグ接続部9-2に対応したXY位置に配される。導電膜CF1-2は、導電膜MA1kより-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF1-2は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第2の金属は、銅等を含む。
【0178】
複数のプラグCC4-1~CC4-2は、Z方向における導電膜MA1kと導電膜CF1-2との間に配される。複数のプラグCC4-1~CC4-2は、プラグ接続部9-2の-Z側に配され、導電膜CF1-2の+Z側に配される。各プラグCC4-1~CC4-2は、Z方向に延びて導電膜MA1k及び導電膜CF1-2を接続する。各プラグCC4-1~CC4-2は、+Z側端がプラグ接続部9-2に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF1-2に電気的に接続される。各プラグCC4は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。第3の金属は、第1の金属より抵抗率が高い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第3の金属は、タングステン等を含む。
【0179】
電極PD2-2は、チップ10k及びチップ20_1kの接合面BF1に配される。電極PD2-2は、導電膜CF1-2及び電極PD1-2に電気的に接続される。電極PD2-2は、+Z側の面が導電膜CF1-2に接触し、-Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD2-2は、-Z側の面が電極PD1-2に接触する。電極PD2-2は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0180】
電極PD3-3は、チップ20_1k及びチップ20_2kの接合面BF2に配される。電極PD3-3は、導電膜MA1kにおける引き回し部8-2に対応したXY位置に配される。電極PD3-3は、積層体SST1から+Y方向にシフトした位置に配されてもよい。
【0181】
電極PD3-3は、導電膜MA1kの引き回し部8-2に電気的に接続され、電極PD4-1に電気的に接続される。電極PD3-3は、-Z側の面が引き回し部8-2に接触し、+Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD3-3は、+Z側の面が電極PD4-1に接触する。電極PD3-3は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0182】
チップ20_2kは、電極PD4-2(図6参照)が省略される。電極PD4-1の接続先が電極PD3-1(図6参照)に代えて電極PD3-3になっている。
【0183】
図16に示すトランジスタTr-1,Tr-2に至る接続構成において、チップ20_2の導電膜MA2とチップ20_1の導電膜MA1とが互いに独立して接続される。電極部分6aとトランジスタTr-1との間に第3の接続経路が接続され、他の電極部分(図示せず)とトランジスタTr-2との間に第4の接続経路が接続される。第3の接続経路と第4の接続経路とは、互いに絶縁されている。
【0184】
第3の接続経路は、電極部分6a→引き回し部6→プラグ接続部7-1→プラグCC2-1~CC2-3→導電膜CF2-1→電極PD4-1→電極PD3-3→引き回し部8-2→プラグ接続部9-2→プラグCC4-1~CC4-2→導電膜CF1-2→電極PD2-2→電極PD1-2→配線構造WS-2を含む。第4の接続経路は、他の電極部分→プラグ接続部9-1→プラグCC1-1~CC1-3→導電膜CF1-1→電極PD2-1→電極PD1-1→配線構造WS-1を含む。これにより、導電膜MA1kと導電膜MA2とがチップ10kに独立して接続される。
【0185】
ここで、導電膜MA1kは配線MA1kとして機能し、導電膜MA2は配線MA2として機能する。配線MA1と配線MA2とがチップ10kに独立して接続される場合、配線MA1と配線MA2とで異なるレベルの電源を送電させることができる。例えば、配線MA1kを電源線22として機能させ、配線MA1kで電源Vssを送電させることができる。配線MA2を電源線23として機能させ、配線MA2で電源Vccを送電させることができる。あるいは、配線MA1kを電源線23として機能させ、配線MA1kで電源Vccを送電させることができる。配線MA2を電源線22として機能させ、配線MA2で電源Vssを送電させることができる。
【0186】
このように、半導体記憶装置1kにおいて、配線MA1kと配線MA2とがチップ10に独立して接続される。配線MA1kと配線MA2とにより、Z方向に積層されたチップ20_1k,20_2k間で異なる電源を並行してチップ10へ送電できる。これにより、チップ10へ効率的に電源の電力を送電できる。
【0187】
また、第1の実施形態の第4の変形例として、半導体記憶装置1nは、図17に示すように、配線MA1nにおけるプラグ接続部9-1,9-2nが互いに同様な構成を有してもよい。図17は、第1の実施形態の第4の変形例にかかる半導体記憶装置1nの構成を示す断面図である。
【0188】
チップ20_1nは、導電膜MA1k(図16参照)に代えて導電膜MA1nを有する。導電膜MA1nは、プラグ接続部9-2(図16参照)に代えてプラグ接続部9-2nを有する。
【0189】
引き回し部8-2は、プラグ接続部9-2nのY方向両側に配される。引き回し部8-2は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0190】
プラグ接続部9-2nは、引き回し部8-2に+Y側又は-Y側で隣接して接続され、引き回し部8-2よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部9-2nは、平坦部9a、傾斜部9b、傾斜部9cを有する。
【0191】
プラグ接続部9-2nにおいて、平坦部9aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部9aのZ高さは、引き回し部8-2のZ高さより低い。平坦部9aは、プラグCC4-1~CC4-2の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0192】
傾斜部9bは、平坦部9aの-Y側に配される。傾斜部9bは、-Y側端が引き回し部8-2に接続され、+Y側端が平坦部9aに接続される。傾斜部9bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部8-2のZ高さから平坦部9aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0193】
傾斜部9cは、平坦部9aの+Y側に配される。傾斜部9cは、+Y側端が引き回し部8-2に接続され、-Y側端が平坦部9aに接続される。傾斜部9cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部8-2のZ高さから平坦部9aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0194】
このような半導体記憶装置1nにおいても、配線MA1nと配線MA2とがチップ10に独立して接続される。配線MA1nと配線MA2とにより、Z方向に積層されたチップ20_1n,20_2k間で異なる電源を並行してチップ10へ送電できる。これにより、チップ10へ効率的に電源の電力を送電できる。
【0195】
また、第1の実施形態の第5の変形例として、半導体記憶装置1pは、図18に示すように、配線MA1p,MA2pがより抵抗率の低い材料で形成されてもよい。図18は、実施形態の第5の変形例にかかる半導体記憶装置1pの構成を示すYZ断面図であり、図3をB-B線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0196】
半導体記憶装置1pは、チップ20_1k,20_2k(図16参照)に代えてチップ20_1p,20_2pを有する。
【0197】
チップ20_1pは、導電膜MA1k(図16参照)に代えて導電膜MA1pを有する。導電膜MA1pは、配線MA1pとして機能する。導電膜MA1pは、引き回し部8-1,8-2及びプラグ接続部9-1,9-2(図16参照)に代えて引き回し部8-1p,8-2p及びプラグ接続部9-1p,9-2pを有する。
【0198】
引き回し部8-1pは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。
【0199】
プラグ接続部9-1pは、平坦部9dj、凸部9eを有する。
【0200】
プラグ接続部9-1pにおいて、平坦部9djは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部9djのZ高さは、引き回し部8-1pのZ高さと均等である。平坦部9djは、Y方向端部で引き回し部8-1pに連続する。これにより、導電膜MA1pの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0201】
凸部9eは、平坦部9djの-Z側に配され、平坦部9djから-Z側に凸の形状を有する。凸部9eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部9eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部8-1pのZ高さから凸部9eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0202】
平坦部9djは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部9eは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0203】
引き回し部8-2pは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0204】
プラグ接続部9-2pは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0205】
チップ20_2pは、導電膜MA2k(図16参照)に代えて導電膜MA2pを有する。導電膜MA2pは、配線MA2pとして機能する。導電膜MA2pは、引き回し部6及びプラグ接続部7-1,7-2(図16参照)に代えて引き回し部6p及びプラグ接続部7-1p,7-2pを有する。
【0206】
引き回し部6pは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0207】
プラグ接続部7-1pは、平坦部7dj、凸部7eを有する。
【0208】
プラグ接続部7-1iにおいて、平坦部7djは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部7djのZ高さは、引き回し部6pのZ高さと均等である。平坦部7djは、Y方向端部で引き回し部6pに連続する。これにより、導電膜MA1pの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0209】
凸部7eは、平坦部7djの-Z側に配され、平坦部7djから-Z側に凸の形状を有する。凸部7eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部7eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部6pのZ高さから凸部7eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0210】
平坦部7djは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部7eは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0211】
プラグ接続部7-2pは、平坦部7dj、凸部7eを有する。
【0212】
プラグ接続部7-2pにおいて、平坦部7djは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部7djのZ高さは、引き回し部6pのZ高さと均等である。平坦部7djは、Y方向端部で引き回し部6pに連続する。これにより、導電膜MA1pの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0213】
凸部7eは、平坦部7djの-Z側に配され、平坦部7djから-Z側に凸の形状を有する。凸部7eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部7eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部6pのZ高さから凸部7eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0214】
平坦部7djは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部7eは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0215】
このような半導体記憶装置1pにおいても、配線MA1pと配線MA2pとがチップ10に独立して接続される。配線MA1pと配線MA2pとにより、Z方向に積層されたチップ20_1p,20_2p間で異なる電源を並行してチップ10へ送電できる。これにより、チップ10へ効率的に電源の電力を送電できる。
【0216】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる半導体記憶装置1mについて説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0217】
第1の実施形態では、電源線に適用され得る配線MA1,MA2の構成が例示されるが、第2の実施形態では、ソース線に適用され得る配線MA101,MA102の構成が例示される。
【0218】
図1に示すソース線SLは、例えば図19及び図20に示すような配線MA101,MA102により実現され得る。図19は、半導体記憶装置1mの構成を示すXY平面図である。図20は、半導体記憶装置1mの構成を示すXZ断面図である。図20は、図19をE-E線で切った場合の断面を例示する。
【0219】
図19及び図20に示すように、チップ20_1mにおいて、複数の配線MA101は、積層体SST1の+Z側に配される。配線MA101は、図19に一点鎖線で示される。複数の配線MA101は、X方向に互いに並ぶ。複数の配線MA101の間に、配線MA1(図3参照)が配されてもよい。各配線MA101は、Y方向に延びる。各配線MA101は、Z方向から透視した場合、積層体SST1を横切るようにY方向に延びる。Z方向における各配線MA101と積層体SST1との間には導電層5が配される。導電層5は、Z方向から透視した場合、積層体SST1に重なるように、XY方向に板状に延びる。導電層5の-Z側の面には、柱状体CLにおける半導体膜CHの+Z側端(先端)が達する。導電層5は、セルソース部CSLとして機能する。配線MA101は、導電層5に電気的に接続され得る。各配線MA101は、ソース線SLとして機能し、要求される電位特性(例えば、メモリセルアレイ21_1のセルソース部CSLの電位安定化)に応じて、幅及び厚さが決められ得る。
【0220】
同様に、チップ20_2mにおいて、複数の配線MA102は、積層体SST2の+Z側に配される。配線MA102は、図19に一点鎖線で示される。複数の配線MA102は、X方向に互いに並ぶ。複数の配線MA102の間に、配線MA2(図3参照)が配されてもよい。各配線MA102は、Y方向に延びる。各配線MA102は、Z方向から透視した場合、積層体SST2を横切るようにY方向に延びる。Z方向における各配線MA102と積層体SST2との間には導電層5が配される。導電層5は、Z方向から透視した場合、積層体SST1に重なるように、XY方向に板状に延びる。導電層5の-Z側の面には、柱状体CLにおける半導体膜CHの+Z側端(先端)が達する。導電層5は、セルソース部CSLとして機能する。配線MA102は、導電層5に電気的に接続され得る。各配線MA102は、ソース線SLとして機能し、要求される電位特性(例えば、メモリセルアレイ21_1のセルソース部CSLの電位安定化)に応じて、幅及び厚さが決められ得る。
【0221】
次に、配線MA101,MA102に関する詳細な構成について図21を用いて説明する。図21は、半導体記憶装置1mの構成を示すYZ断面図であり、図19をF-F線で切った場合のYZ断面を例示する。
【0222】
チップ10mは、トランジスタTr-11,Tr-12、配線構造WS-11,WS-12、電極PD1-11,PD1-12を有する。電極PD1-11,PD1-12は、それぞれ、チップ10m及びチップ20_1mの接合面BF1に配される。電極PD1-11,PD1-12は、それぞれ、その+Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD1-11は、-Z側端が配線構造WS-11を介してトランジスタTr-11に接続される。電極PD1-12は、-Z側端が配線構造WS-12を介してトランジスタTr-12に接続される。
【0223】
チップ20_1mは、積層体SST1、導電膜MA101、導電膜CF1-11、複数のプラグCC11-1~CC11-3、電極PD2-11、電極PD2-12、電極PD3-11を有する。
【0224】
導電膜MA101は、積層体SST1の+Z側に配される。導電膜MA101は、配線MA101(図19参照)として機能する。導電膜MA101は、XY平面視でライン状のパターンを有する。導電膜MA101は、Z方向から透視した場合に積層体SST1を横切って概ねY方向に延びる。Z方向における導電膜MA101と積層体SST1との間に導電層5が配される。導電層5は、セルソース部CSLとして機能する。導電膜MA101は、+Z側から導電層5に接続される。導電膜MA101は、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。第1の金属は、アルミニウム等を含む。導電膜MA101は、引き回し部18、パッド部15、及びプラグ接続部19-1,19-2を有する。
【0225】
プラグ接続部19-1は、積層体SST1からXY方向に離間して配される。プラグ接続部19-1は、積層体SST1からY方向にシフトした位置に配される。
【0226】
引き回し部18は、プラグ接続部19-1の+Y側に配され、例えば積層体SST1に対応する位置に配される。引き回し部18は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0227】
パッド部15は、Z方向における引き回し部18と導電層5との間に配される。パッド部15は、Z方向に延びて引き回し部18と導電層5とを接続する。パッド部15は、Z方向を軸とする略柱形状を有し、例えば+Z側端の面積が-Z側端の面積より大きい略円錐台形状であってもよい。パッド部15は、+Z側端が引き回し部18に電気的に接続され、-Z側端が導電層5に電気的に接続される。パッド部15は、導電層5における積層体SST1と反対側の面に接続されるパッドとして機能し、裏打ちパッド部とも呼ばれる。
【0228】
プラグ接続部19-1は、引き回し部18に-Y側で隣接して接続され、引き回し部18よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部19-1は、平坦部19a、傾斜部19b、傾斜部19cを有する。
【0229】
プラグ接続部19-1において、平坦部19aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部19aのZ高さは、引き回し部18のZ高さより低い。平坦部19aは、プラグCC11-1~CC11-3の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0230】
傾斜部19bは、平坦部19aの-Y側に配される。傾斜部19bは、-Y側端が引き回し部18に接続され、+Y側端が平坦部19aに接続される。傾斜部19bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部18のZ高さから平坦部19aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0231】
傾斜部19cは、平坦部19aの+Y側に配される。傾斜部19cは、+Y側端が引き回し部18に接続され、-Y側端が平坦部19aに接続される。傾斜部19cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部18のZ高さから平坦部19aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0232】
導電膜CF1-11は、積層体SST1からXY方向に離間して配される。導電膜CF1-11は、積層体SST1からY方向にシフトした位置に配される。導電膜CF1-11は、プラグ接続部19-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF1-11は、導電膜MA101より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF1-11は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第2の金属は、銅等を含む。
【0233】
プラグ接続部19-2は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。プラグ接続部19-2は、+Z側の面が電極PD3-11に接続され、-Z側の面にプラグCC14-1~CC14-2の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0234】
導電膜CF1-12は、積層体SST1及び導電膜CF1-11からXY方向に離間して配される。導電膜CF1-12は、導電膜CF1-11から積層体SST1とY方向反対側にシフトした位置に配される。導電膜CF1-12は、プラグ接続部19-2に対応したXY位置に配される。導電膜CF1-12は、導電膜MA101より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF1-12は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0235】
複数のプラグCC11-1~CC11-3は、Z方向における導電膜MA101と導電膜CF1-11との間に配される。複数のプラグCC11-1~CC11-3は、プラグ接続部19-1の-Z側に配され、導電膜CF1-11の+Z側に配される。各プラグCC11-1~CC11-3は、Z方向に延びて導電膜MA101及び導電膜CF1-11を接続する。各プラグCC11-1~CC11-3は、+Z側端がプラグ接続部19-1に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF1-11に電気的に接続される。各プラグCC11は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。第3の金属は、第1の金属より抵抗率が高い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第3の金属は、タングステン等を含む。
【0236】
複数のプラグCC14-1~CC14-2は、Z方向における導電膜MA101と導電膜CF1-12との間に配される。複数のプラグCC14-1~CC14-2は、プラグ接続部19-2の-Z側に配され、導電膜CF1-12の+Z側に配される。各プラグCC14-1~CC14-2は、Z方向に延びて導電膜MA101及び導電膜CF1-12を接続する。各プラグCC14-1~CC14-2は、+Z側端がプラグ接続部19-2に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF1-12に電気的に接続される。各プラグCC14は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0237】
電極PD2-11は、チップ10m及びチップ20_1mの接合面BF1に配される。電極PD2-11は、導電膜CF1-11及び電極PD1-11に電気的に接続される。電極PD2-11は、+Z側の面が導電膜CF1-11に接触し、-Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD2-11は、-Z側の面が電極PD1-11に接触する。電極PD2-11は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0238】
電極PD2-12は、チップ10m及びチップ20_1mの接合面BF1に配される。電極PD2-12は、導電膜CF1-12及び電極PD1-12に電気的に接続される。電極PD2-12は、+Z側の面が導電膜CF1-12に接触し、-Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD2-12は、-Z側の面が電極PD1-12に接触する。電極PD2-12は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0239】
電極PD3-11は、チップ20_1m及びチップ20_2mの接合面BF2に配される。電極PD3-11は、導電膜MA101におけるプラグ接続部19-2に対応したXY位置に配される。電極PD3-11は、積層体SST1から-Y方向にシフトした位置に配されてもよい。
【0240】
電極PD3-11は、導電膜MA101に電気的に接続され、電極PD4-11に電気的に接続される。電極PD3-11は、-Z側の面がプラグ接続部19-2に接触し、+Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD3-11は、+Z側の面が電極PD4-2に接触する。電極PD3-11は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0241】
チップ20_2mは、積層体SST2、導電膜MA102、導電膜CF2-11、複数のプラグCC12-1~CC12-3、電極PD4-11を有する。
【0242】
導電膜MA102は、積層体SST2の+Z側に配される。導電膜MA102は、配線MA102(図19参照)として機能する。導電膜MA102は、XY平面視でライン状のパターンを有する。導電膜MA102は、Z方向から透視した場合に積層体SST2を横切って概ねY方向に延びる。Z方向における導電膜MA102と積層体SST2との間に導電層5が配される。導電層5は、セルソース部CSLとして機能する。導電膜MA102は、+Z側から導電層5に接続される。導電膜MA102は、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。導電膜MA102は、引き回し部16、パッド部14、及びプラグ接続部17-1を有する。
【0243】
プラグ接続部17-1は、積層体SST2からXY方向に離間して配される。プラグ接続部17-1は、積層体SST2からY方向にシフトした位置に配される。
【0244】
引き回し部16は、プラグ接続部17-1のY方向両側に配され、例えば積層体SST2に対応する位置に配される。引き回し部16は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0245】
パッド部14は、Z方向における引き回し部16と導電層5との間に配される。パッド部14は、Z方向に延びて引き回し部16と導電層5とを接続する。パッド部14は、Z方向を軸とする略柱形状を有し、例えば+Z側端の面積が-Z側端の面積より大きい略円錐台形状であってもよい。パッド部14は、+Z側端が引き回し部16に電気的に接続され、-Z側端が導電層5に電気的に接続される。パッド部14は、導電層5における積層体SST2と反対側の面に接続されるパッドとして機能し、裏打ちパッド部とも呼ばれる。
【0246】
プラグ接続部17-1は、引き回し部16に-Y側又は+Y側で隣接して接続され、引き回し部16よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部17-1は、平坦部17a、傾斜部17b、傾斜部17cを有する。
【0247】
プラグ接続部17-1において、平坦部17aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部17aのZ高さは、引き回し部16のZ高さより低い。平坦部17aは、プラグCC12-1~CC12-3の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0248】
傾斜部17bは、平坦部17aの-Y側に配される。傾斜部17bは、-Y側端が引き回し部16に接続され、+Y側端が平坦部17aに接続される。傾斜部17bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部16のZ高さから平坦部17aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0249】
傾斜部17cは、平坦部17aの+Y側に配される。傾斜部17cは、+Y側端が引き回し部16に接続され、-Y側端が平坦部17aに接続される。傾斜部17cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部16のZ高さから平坦部17aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0250】
導電膜CF2-11は、積層体SST2からXY方向に離間して配される。導電膜CF2-11は、積層体SST2からY方向にシフトした位置に配される。導電膜CF2-11は、プラグ接続部17-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF2-11は、導電膜MA102より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF2-11は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0251】
導電膜CF2-11は、積層体SST2からXY方向に離間して配される。導電膜CF2-11は、積層体SST2からY方向にシフトした位置に配される。導電膜CF2-11は、プラグ接続部17-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF2-11は、導電膜MA102より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF2-11は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0252】
複数のプラグCC12-1~CC12-3は、Z方向における導電膜MA102と導電膜CF2-11との間に配される。複数のプラグCC12-1~CC12-3は、プラグ接続部17-1の-Z側に配され、導電膜CF2-11の+Z側に配される。各プラグCC12-1~CC12-3は、Z方向に延びて導電膜MA102及び導電膜CF2-11を接続する。各プラグCC12-1~CC12-3は、+Z側端がプラグ接続部17-1に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF2-11に電気的に接続される。各プラグCC12は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0253】
電極PD4-11は、チップ10m及びチップ20_2mの接合面BF1に配される。電極PD4-11は、導電膜CF2-11及び電極PD1-11に電気的に接続される。電極PD4-11は、+Z側の面が導電膜CF2-11に接触し、-Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD4-11は、-Z側の面が電極PD1-11に接触する。電極PD4-11は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0254】
図21に示す各チップ(アレイチップ)20の導電層5からトランジスタTr-11,Tr-12に至る接続構成において、チップ20_2mの導電膜MA102とチップ20_1mの導電膜MA101とが互いに独立して接続される。チップ20_1mの導電層5とトランジスタTr-11との間に第5の接続経路が接続され、チップ20_2mの導電層5からトランジスタTr-12との間に第6の接続経路が接続される。第5の接続経路と第6の接続経路とは、互いに絶縁されている。
【0255】
第5の接続経路は、導電層5(セルソース部CSL)→パッド部15→引き回し部18→プラグ接続部19-1→プラグCC11-1~CC11-3→導電膜CF1-11→電極PD2-11→電極PD1-11→配線構造WS-11を含む。第6の接続経路は、導電層5(セルソース部CSL)→パッド部14→引き回し部16→プラグ接続部17-1→プラグCC12-1~CC12-3→導電膜CF2-11→電極PD4-11→電極PD3-11→プラグ接続部19-2→プラグCC14-1~CC14-2→導電膜CF1-12→電極PD2-12→電極PD1-12→配線構造WS-12を含む。これにより、導電膜MA101と導電膜MA102とがチップ10mに独立して接続される。
【0256】
ここで、導電膜MA101は配線MA101として機能し、導電膜MA102は配線MA102として機能する。配線MA101と配線MA102とがチップ10mに独立して接続される場合、配線MA101と配線MA102とで各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電位をそれぞれ安定化させることができる。例えば、配線MA101をチップ20_1m用のソース線SLとして機能させ、配線MA101でソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ20_1mのセルソース部CSLへ安定的に供給できる。配線MA102をチップ20_2m用のソース線SLとして機能させ、配線MA102でソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ20_2mのセルソース部CSLへ安定的に供給できる。
【0257】
以上のように、第2の実施形態では、半導体記憶装置1mにおいて、配線MA101と配線MA102とがチップ10mに独立して接続される。配線MA101と配線MA102とにより、ソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ10mからZ方向に積層されたチップ20_1m,20_2mへ並行して供給できる。これにより、各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電圧を効率的に安定化できる。
【0258】
なお、第2の実施形態の第1の変形例として、半導体記憶装置1qは、図22に示すように、配線MA101qにおけるプラグ接続部19-1,19-2nが互いに同様な構成を有してもよい。図22は、第2の実施形態の第1の変形例にかかる半導体記憶装置1qの構成を示す断面図である。
【0259】
チップ20_1qは、導電膜MA101(図21参照)に代えて導電膜MA101qを有しする。導電膜MA101qは、プラグ接続部19-2(図21参照)に代えてプラグ接続部19-2qを有し、引き回し部18-2をさらに有する。
【0260】
引き回し部18-2は、プラグ接続部19-2qのY方向両側に配される。引き回し部18-2は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0261】
プラグ接続部19-2qは、引き回し部18-2に+Y側又は-Y側で隣接して接続され、引き回し部18-2よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部19-2qは、平坦部19a、傾斜部19b、傾斜部19cを有する。
【0262】
プラグ接続部19-2qにおいて、平坦部19aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部19aのZ高さは、引き回し部18-2のZ高さより低い。平坦部19aは、プラグCC14-1~CC14-2の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0263】
傾斜部19bは、平坦部19aの-Y側に配される。傾斜部19bは、-Y側端が引き回し部18-2に接続され、+Y側端が平坦部19aに接続される。傾斜部19bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部18-2のZ高さから平坦部19aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0264】
傾斜部19cは、平坦部19aの+Y側に配される。傾斜部19cは、+Y側端が引き回し部18-2に接続され、-Y側端が平坦部19aに接続される。傾斜部19cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部18-2のZ高さから平坦部19aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0265】
このような半導体記憶装置1qにおいても、配線MA101qと配線MA102とがチップ10mに独立して接続される。配線MA101qと配線MA102とにより、ソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ10mからZ方向に積層されたチップ20_1m,20_2mへ並行して供給できる。これにより、各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電圧を効率的に安定化できる。
【0266】
また、第2の実施形態の第2の変形例として、半導体記憶装置1rは、図23に示すように、配線MA101rがより抵抗率の低い材料で形成されてもよい。図23は、第2の実施形態の第2の変形例にかかる半導体記憶装置1rの構成を示すYZ断面図であり、図19をF-F線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0267】
半導体記憶装置1rは、チップ20_1m(図21参照)に代えてチップ20_1rを有する。
【0268】
チップ20_1rは、導電膜MA101(図21参照)に代えて導電膜MA101rを有する。導電膜MA101rは、配線MA101rとして機能する。導電膜MA101rは、引き回し部18、パッド部15、及びプラグ接続部19-1,19-2(図16参照)に代えて引き回し部18r、パッド部15r、及びプラグ接続部19-1r,19-2rを有する。
【0269】
引き回し部18rは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。
【0270】
プラグ接続部19-1pは、平坦部19d、凸部19eを有する。
【0271】
プラグ接続部19-1pにおいて、平坦部19dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部19dのZ高さは、引き回し部18rのZ高さと均等である。平坦部19dは、Y方向端部で引き回し部18rに連続する。これにより、導電膜MA101rの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0272】
凸部19eは、平坦部19dの-Z側に配され、平坦部19dから-Z側に凸の形状を有する。凸部19eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部19eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部18rのZ高さから凸部19eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0273】
平坦部19dは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部19eは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0274】
引き回し部18rは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0275】
プラグ接続部19-2rは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0276】
このような半導体記憶装置1rにおいても、配線MA101rと配線MA102とがチップ10mに独立して接続される。配線MA101rと配線MA102とにより、ソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ10mからZ方向に積層されたチップ20_1m,20_2mへ並行して供給できる。これにより、各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電圧を効率的に安定化できる。
【0277】
また、第2の実施形態の第3の変形例として、半導体記憶装置1sは、図24に示すように、配線MA101sにおけるプラグ接続部19-1r,19-2sが互いに同様な構成を有してもよい。図24は、第2の実施形態の第3の変形例にかかる半導体記憶装置1sの構成を示す断面図である。
【0278】
チップ20_1sは、導電膜MA101r(図23参照)に代えて導電膜MA101sを有しする。導電膜MA101sは、プラグ接続部19-2r(図23参照)に代えてプラグ接続部19-2sを有し、引き回し部18r-2をさらに有する。
【0279】
引き回し部18r-2は、プラグ接続部19-2sのY方向両側に配される。引き回し部18r-2は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0280】
プラグ接続部19-2sは、引き回し部18r-2に+Y側又は-Y側で隣接して接続され、引き回し部18r-2よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部19-1sは、平坦部19d、凸部19eを有する。
【0281】
プラグ接続部19-1sにおいて、平坦部19dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部19dのZ高さは、引き回し部18r-2のZ高さと均等である。平坦部19dは、Y方向端部で引き回し部18r-2に連続する。これにより、導電膜MA101sの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0282】
凸部19eは、平坦部19dの-Z側に配され、平坦部19dから-Z側に凸の形状を有する。凸部19eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部19eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部18rのZ高さから凸部19eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0283】
平坦部19dは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部19eは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0284】
このような半導体記憶装置1sにおいても、配線MA101sと配線MA102とがチップ10mに独立して接続される。配線MA101sと配線MA102とにより、ソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ10mからZ方向に積層されたチップ20_1m,20_2mへ並行して供給できる。これにより、各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電圧を効率的に安定化できる。
【0285】
また、第2の実施形態の第4の変形例として、半導体記憶装置1tは、図25に示すように、セルソース部CSLの電圧をさらに安定化させるための工夫が施されてもよい。図25は、第2の実施形態の第4の変形例にかかる半導体記憶装置1tの構成を示す断面図である。
【0286】
チップ20_1tは、チップ20_1s(図24参照)に対して、導電層31をさらに有する。導電層31は、Z方向におけるパッド部15rと導電層5との間に配される。導電層31は、Z方向から透視した場合、導電層5に重なるようにXY方向に板状に延びる。導電層31は、導電層5の+Z側の面(裏面)を覆う。導電層31は、ソース部SLとして機能する。導電層31の抵抗率は、導電層5の抵抗率より低い。導電層31は、第4の金属(例えば、窒化チタン等)を主成分とする材料で形成され得る。
【0287】
ここで、導電層31の抵抗率が導電層5の抵抗率より低い場合、導電層31が導電層5(セルソース部CSL)をXY方向に平面的に覆うため、導電層5(セルソース部CSL)の電位をさらに安定化できる。
【0288】
チップ20_2tは、チップ20_2m(図24参照)に対して、導電層31をさらに有する。導電層31は、Z方向におけるパッド部14と導電層5との間に配される。導電層31は、Z方向から透視した場合、導電層5に重なるようにXY方向に板状に延びる。導電層31は、導電層5の+Z側の面(裏面)を覆う。導電層31は、ソース部SLとして機能する。導電層31の抵抗率は、導電層5の抵抗率より低い。導電層31は、第4の金属(例えば、窒化チタン等)を主成分とする材料で形成され得る。
【0289】
ここで、導電層31の抵抗率が導電層5の抵抗率より低い場合、導電層31が導電層5(セルソース部CSL)をXY方向に平面的に覆うため、導電層5(セルソース部CSL)の電位をさらに安定化できる。
【0290】
このような半導体記憶装置1tにおいても、配線MA101sと配線MA102とがチップ10mに独立して接続される。配線MA101sと配線MA102とにより、ソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ10mからZ方向に積層されたチップ20_1t,20_2tへ並行して供給できる。また、配線MA101s,MA102と導電層5(セルソース部CSL)との間に配される導電層31が導電層5XY方向に平面的に覆う。これにより、各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電圧を効率的に安定化できる。
【0291】
また、第2の実施形態の第5の変形例として、半導体記憶装置1uは、図26に示すように、配線MA101rに加えて配線MA102uがより抵抗率の低い材料で形成されてもよい。図26は、第2の実施形態の第5の変形例にかかる半導体記憶装置1uの構成を示すYZ断面図であり、図19をF-F線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0292】
半導体記憶装置1uは、チップ20_2m(図23参照)に代えてチップ20_2uを有する。
【0293】
チップ20_2uは、導電膜MA102(図23参照)に代えて導電膜MA102uを有する。導電膜MA102uは、配線MA102uとして機能する。導電膜MA102uは、引き回し部16、パッド部15、及びプラグ接続部17-1(図23参照)に代えて引き回し部16u、パッド部15u、及びプラグ接続部17-1uを有する。
【0294】
引き回し部16uは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。
【0295】
プラグ接続部17-1uは、平坦部17d、凸部17eを有する。
【0296】
プラグ接続部17-1uにおいて、平坦部17dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部17dのZ高さは、引き回し部16uのZ高さと均等である。平坦部17dは、Y方向端部で引き回し部16uに連続する。これにより、導電膜MA101rの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0297】
凸部17eは、平坦部17dの-Z側に配され、平坦部17dから-Z側に凸の形状を有する。凸部17eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部17eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部16uのZ高さから凸部17eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0298】
平坦部17dは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部17eは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0299】
引き回し部16uは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0300】
このような半導体記憶装置1uにおいても、配線MA101rと配線MA102uとがチップ10mに独立して接続される。配線MA101rと配線MA102uとにより、ソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ10mからZ方向に積層されたチップ20_1r,20_2uへ並行して供給できる。これにより、各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電圧を効率的に安定化できる。
【0301】
また、第2の実施形態の第6の変形例として、半導体記憶装置1vは、図27に示すように、配線MA101sに加えて配線MA102uがより抵抗率の低い材料で形成されてもよい。図27は、第2の実施形態の第6の変形例にかかる半導体記憶装置1vの構成を示すYZ断面図であり、図19をF-F線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0302】
半導体記憶装置1vは、チップ20_2m(図24参照)に代えてチップ20_2vを有する。
【0303】
チップ20_2vは、導電膜MA102(図23参照)に代えて導電膜MA102uを有する。導電膜MA102uは、配線MA102uとして機能する。導電膜MA102uは、引き回し部16、パッド部15、及びプラグ接続部17-1(図24参照)に代えて引き回し部16u、パッド部15u、及びプラグ接続部17-1uを有する。
【0304】
引き回し部16uは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。
【0305】
プラグ接続部17-1uは、平坦部17d、凸部17eを有する。
【0306】
プラグ接続部17-1uにおいて、平坦部17dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部17dのZ高さは、引き回し部16uのZ高さと均等である。平坦部17dは、Y方向端部で引き回し部16uに連続する。これにより、導電膜MA101rの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0307】
凸部17eは、平坦部17dの-Z側に配され、平坦部17dから-Z側に凸の形状を有する。凸部17eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部17eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部16uのZ高さから凸部17eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0308】
平坦部17dは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部17eは、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0309】
引き回し部16uは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0310】
このような半導体記憶装置1vにおいても、配線MA101sと配線MA102uとがチップ10mに独立して接続される。配線MA101sと配線MA102uとにより、ソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ10mからZ方向に積層されたチップ20_1s,20_2vへ並行して供給できる。これにより、各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電圧を効率的に安定化できる。
【0311】
また、第2の実施形態の第7の変形例として、半導体記憶装置1wは、図28に示すように、セルソース部CSLの電圧をさらに安定化させるための工夫が施されてもよい。図28は、第2の実施形態の第7の変形例にかかる半導体記憶装置1wの構成を示す断面図である。
【0312】
チップ20_1wは、チップ20_1s(図27参照)に対して、導電層31をさらに有する。導電層31は、Z方向におけるパッド部15rと導電層5との間に配される。導電層31は、Z方向から透視した場合、導電層5に重なるようにXY方向に板状に延びる。導電層31は、導電層5の+Z側の面(裏面)を覆う。導電層31は、ソース部SLとして機能する。導電層31の抵抗率は、導電層5の抵抗率より低い。導電層31は、第4の金属(例えば、窒化チタン等)を主成分とする材料で形成され得る。
【0313】
ここで、導電層31の抵抗率が導電層5の抵抗率より低い場合、導電層31が導電層5(セルソース部CSL)をXY方向に平面的に覆うため、導電層5(セルソース部CSL)の電位をさらに安定化できる。
【0314】
チップ20_2wは、チップ20_2v(図27参照)に対して、導電層31をさらに有する。導電層31は、Z方向におけるパッド部14uと導電層5との間に配される。導電層31は、Z方向から透視した場合、導電層5に重なるようにXY方向に板状に延びる。導電層31は、導電層5の+Z側の面(裏面)を覆う。導電層31は、ソース部SLとして機能する。導電層31の抵抗率は、導電層5の抵抗率より低い。導電層31は、第4の金属(例えば、窒化チタン等)を主成分とする材料で形成され得る。
【0315】
ここで、導電層31の抵抗率が導電層5の抵抗率より低い場合、導電層31が導電層5(セルソース部CSL)をXY方向に平面的に覆うため、導電層5(セルソース部CSL)の電位をさらに安定化できる。
【0316】
このような半導体記憶装置1wにおいても、配線MA101sと配線MA102とがチップ10mに独立して接続される。配線MA101sと配線MA102とにより、ソース線電圧(例えば、グランド電圧)をチップ10mからZ方向に積層されたチップ20_1t,20_2tへ並行して供給できる。また、配線MA101s,MA102と導電層5(セルソース部CSL)との間に配される導電層31が導電層5XY方向に平面的に覆う。これにより、各チップ(アレイチップ)20のセルソース部CSLの電圧を効率的に安定化できる。
【0317】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかる半導体記憶装置1xについて説明する。以下では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0318】
第1の実施形態では、電源線に適用され得る配線MA1,MA2の構成が例示され、第2の実施形態では、ソース線に適用され得る配線MA101,MA102の構成が例示されるが、第3の実施形態では、エッジシールに適用され得る配線MA201,MA202の構成が例示される。
【0319】
図3及び図19に示すように、エッジシールESは、Z方向から透視した場合、複数の積層体SST1,SST2をXY方向外側から囲む。これにより、エッジシールESは、メモリセルアレイ21_1,21_2及びそれらを制御するための回路(ロウデコーダ1012、センスアンプ1013、シーケンサ1014、電圧発生回路1015及び電源回路1016など)を外来静電ノイズ等から保護する。
【0320】
図3及び図19に示すエッジシールESは、図29に示すような配線MA201,202により実現され得る。図29は、半導体記憶装置1xの構成を示すYZ断面図であり、図19をG-G線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0321】
チップ10xは、配線構造WS-21,WS-22、電極PD1-21,PD1-22、絶縁膜DL1を有する。電極PD1-21,PD1-22は、それぞれ、チップ10x及びチップ20_1xの接合面BF1に配される。電極PD1-21,PD1-22は、それぞれ、その+Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD1-21は、-Z側端が配線構造WS-21を介して基板2に接続される。電極PD1-22は、-Z側端が配線構造WS-22を介して基板2に接続される。
【0322】
チップ20_1xは、積層体SST1(図3及び図19参照)、導電膜MA201、導電膜CF1-21、導電膜CF1-22、複数のプラグCC21-1~CC21-3、複数のプラグCC23-1~CC23-3、電極PD2-21、電極PD2-22、電極PD3-21、電極PD3-21、バリア膜BM-21、バリア膜BM-22、絶縁膜DL2を有する。
【0323】
導電膜MA201は、積層体SST1のXY方向外側に配される。導電膜MA201は、エッジシールESの一部となる配線MA201として機能する。導電膜MA201は、XY平面視でライン状のパターンを有する。導電膜MA201は、Z方向から透視した場合に積層体SST1のXY方向外側から積層体SST1に近付くようにXY方向に延びる。導電膜MA201は、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。第1の金属は、アルミニウム等を含む。導電膜MA201は、引き回し部28及びプラグ接続部29-1を有する。
【0324】
引き回し部28は、プラグ接続部29-1のY方向両側に配される。引き回し部28は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0325】
プラグ接続部29-1は、引き回し部28に+Y側又は-Y側で隣接して接続され、引き回し部28よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部29-1は、平坦部29a、傾斜部29b、傾斜部29cを有する。
【0326】
プラグ接続部29-1において、平坦部29aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部29aのZ高さは、引き回し部28のZ高さより低い。平坦部29aは、プラグCC21-1~CC21-2の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0327】
傾斜部29bは、平坦部29aの-Y側に配される。傾斜部29bは、-Y側端が引き回し部28に接続され、+Y側端が平坦部29aに接続される。傾斜部29bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部28のZ高さから平坦部29aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0328】
傾斜部29cは、平坦部29aの+Y側に配される。傾斜部29cは、+Y側端が引き回し部28に接続され、-Y側端が平坦部29aに接続される。傾斜部29cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部28のZ高さから平坦部29aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0329】
導電膜CF1-21は、導電膜CF1-22からY方向にシフトした位置に配される。導電膜CF1-21は、プラグ接続部29-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF1-21は、プラグCC21-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF1-21は、導電膜MA201より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF1-21は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。
【0330】
導電膜CF1-22は、導電膜CF1-21からY方向にシフトした位置に配される。導電膜CF1-22は、プラグ接続部29-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF1-21は、プラグCC21-2に対応したXY位置に配される。導電膜CF1-22は、導電膜MA201より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF1-22は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。
【0331】
プラグCC21-1は、Z方向における導電膜MA201と導電膜CF1-21との間に配される。プラグCC21-1は、プラグ接続部29-1の-Z側に配され、導電膜CF1-21の+Z側に配される。プラグCC21-1は、Z方向に延びて導電膜MA201及び導電膜CF1-21を接続する。プラグCC21-1は、+Z側端がプラグ接続部29-1に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF1-21に電気的に接続される。プラグCC21-1は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。第3の金属は、第1の金属より抵抗率が高い。
【0332】
プラグCC21-2は、Z方向における導電膜MA201と導電膜CF1-22との間に配される。プラグCC21-2は、プラグ接続部29-1の-Z側に配され、導電膜CF1-22の+Z側に配される。プラグCC21-2は、Z方向に延びて導電膜MA201及び導電膜CF1-22を接続する。プラグCC21-2は、+Z側端がプラグ接続部29-1に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF1-22に電気的に接続される。プラグCC21-2は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0333】
プラグCC23-1は、Z方向における導電膜CF1-21と電極PD2-21との間に配される。プラグCC23-1は、導電膜CF1-21の-Z側に配され、電極PD2-21の+Z側に配される。プラグCC23-1は、Z方向に延びて導電膜CF1-21及び電極PD2-21を接続する。プラグCC23-1は、+Z側端が導電膜CF1-21に電気的に接続され、-Z側端が電極PD2-21に電気的に接続される。プラグCC23-1は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0334】
プラグCC23-2は、Z方向における導電膜CF1-22と電極PD2-22との間に配される。プラグCC23-2は、導電膜CF1-22の-Z側に配され、電極PD2-22の+Z側に配される。プラグCC23-2は、Z方向に延びて導電膜CF1-22及び電極PD2-22を接続する。プラグCC23-2は、+Z側端が導電膜CF1-22に電気的に接続され、-Z側端が電極PD2-22に電気的に接続される。プラグCC23-2は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0335】
電極PD2-21は、チップ10x及びチップ20_1xの接合面BF1に配される。電極PD2-21は、プラグCC23-1及び電極PD1-21に電気的に接続される。電極PD2-21は、+Z側の面がプラグCC23-1に接触し、-Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD2-21は、-Z側の面が電極PD1-21に接触する。電極PD2-21は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0336】
電極PD2-22は、チップ10x及びチップ20_1xの接合面BF1に配される。電極PD2-22は、プラグCC23-2及び電極PD1-22に電気的に接続される。電極PD2-22は、+Z側の面がプラグCC23-2に接触し、-Z側の面が接合面BF1に露出される。電極PD2-22は、-Z側の面が電極PD1-22に接触する。電極PD2-22は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0337】
電極PD3-21は、チップ20_1x及びチップ20_2xの接合面BF2に配される。電極PD3-21は、導電膜MA201における引き回し部28に対応したXY位置に配される。
【0338】
電極PD3-21は、バリア膜BM-21を介して導電膜MA201に電気的に接続され、電極PD4-21に電気的に接続される。電極PD3-21は、-Z側の面がバリア膜BM-21に接触し、+Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD3-21は、+Z側の面が電極PD4-21に接触する。電極PD3-21は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0339】
電極PD3-22は、チップ20_1x及びチップ20_2xの接合面BF2に配される。電極PD3-22は、導電膜MA201における引き回し部28に対応したXY位置に配される。電極PD3-22は、プラグ接続部29-1を間にして電極PD3-21と反対側のXY位置に配される。
【0340】
電極PD3-22は、バリア膜BM-22を介して導電膜MA201に電気的に接続され、電極PD4-22に電気的に接続される。電極PD3-22は、-Z側の面がバリア膜BM-22に接触し、+Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD3-22は、+Z側の面が電極PD4-22に接触する。電極PD3-22は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0341】
バリア膜BM-21は、Z方向における電極PD3-21及び導電膜MA201の間に配される。バリア膜BM-21は、+Z側の面が電極PD3-21に接触し、-Z側の面が導電膜MA201に接触する。バリア膜BM-21は、第1の金属の拡散に対するバリア性を有し第2の金属の拡散に対するバリア性を有する導電物で形成され、例えば、窒化チタンを主成分とする材料で形成され得る。これにより、電極PD3-21に含まれる第2の金属の元素が導電膜MA201側へ拡散することを抑制でき、導電膜MA201に含まれる第1の金属の元素が電極PD3-21側へ拡散することを抑制できる。
【0342】
バリア膜BM-22は、Z方向における電極PD3-22及び導電膜MA201の間に配される。バリア膜BM-22は、+Z側の面が電極PD3-22に接触し、-Z側の面が導電膜MA201に接触する。バリア膜BM-22は、第1の金属の拡散に対するバリア性を有し第2の金属の拡散に対するバリア性を有する導電物で形成され、例えば、窒化チタンを主成分とする材料で形成され得る。これにより、電極PD3-22に含まれる第2の金属の元素が導電膜MA201側へ拡散することを抑制でき、導電膜MA201に含まれる第1の金属の元素が電極PD3-22側へ拡散することを抑制できる。
【0343】
チップ20_2xは、積層体SST2(図3及び図19参照)、導電膜MA202、導電膜CF2-21、導電膜CF2-22、複数のプラグCC22-1~CC22-2、電極PD4-21、電極PD4-22、絶縁膜DL3を有する。
【0344】
導電膜MA202は、積層体SST2のXY方向外側に配される。導電膜MA202は、エッジシールESの一部となる配線MA202として機能する。導電膜MA202は、XY平面視でライン状のパターンを有する。導電膜MA202は、Z方向から透視した場合に積層体SST2のXY方向外側から積層体SST2に近付くようにXY方向に延びる。導電膜MA202は、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。第1の金属は、アルミニウム等を含む。導電膜MA202は、引き回し部26及びプラグ接続部27-1を有する。
【0345】
引き回し部26は、プラグ接続部27-1のY方向両側に配される。引き回し部26は、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。
【0346】
プラグ接続部27-1は、引き回し部26に+Y側又は-Y側で隣接して接続され、引き回し部26よりZ高さが低くなる段差を有する。プラグ接続部27-1は、平坦部27a、傾斜部27b、傾斜部27cを有する。
【0347】
プラグ接続部27-1において、平坦部27aは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部27aのZ高さは、引き回し部26のZ高さより低い。平坦部27aは、プラグCC22-1~CC22-2の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0348】
傾斜部27bは、平坦部27aの-Y側に配される。傾斜部27bは、-Y側端が引き回し部26に接続され、+Y側端が平坦部27aに接続される。傾斜部27bは、-Y側から+Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部26のZ高さから平坦部27aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0349】
傾斜部27cは、平坦部27aの+Y側に配される。傾斜部27cは、+Y側端が引き回し部26に接続され、-Y側端が平坦部27aに接続される。傾斜部27cは、+Y側から-Y側へ向かうにしたがってZ高さに低くなるように傾斜して延びる。これにより、引き回し部26のZ高さから平坦部27aのZ高さへ連なる段差を形成する。
【0350】
導電膜CF2-21は、導電膜CF2-22からY方向にシフトした位置に配される。導電膜CF2-21は、プラグ接続部27-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF2-21は、プラグCC22-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF2-21は、導電膜MA202より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF2-21は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。
【0351】
導電膜CF2-22は、導電膜CF2-21からY方向にシフトした位置に配される。導電膜CF2-22は、プラグ接続部27-1に対応したXY位置に配される。導電膜CF2-21は、プラグCC22-2に対応したXY位置に配される。導電膜CF2-22は、導電膜MA202より-Z側の位置(深い位置)に配される。導電膜CF2-22は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0352】
プラグCC22-1は、Z方向における導電膜MA202と導電膜CF2-21との間に配される。プラグCC22-1は、プラグ接続部27-1の-Z側に配され、導電膜CF2-21の+Z側に配される。プラグCC22-1は、Z方向に延びて導電膜MA202及び導電膜CF2-21を接続する。プラグCC22-1は、+Z側端がプラグ接続部27-1に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF2-21に電気的に接続される。プラグCC22-1は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0353】
プラグCC22-2は、Z方向における導電膜MA202と導電膜CF2-22との間に配される。プラグCC22-2は、プラグ接続部27-1の-Z側に配され、導電膜CF2-22の+Z側に配される。プラグCC22-2は、Z方向に延びて導電膜MA202及び導電膜CF2-22を接続する。プラグCC22-2は、+Z側端がプラグ接続部27-1に電気的に接続され、-Z側端が導電膜CF2-22に電気的に接続される。プラグCC22-2は、第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0354】
電極PD4-21は、チップ20_1x及びチップ20_2xの接合面BF2に配される。電極PD4-21は、導電膜CF2-21及び電極PD3-21に電気的に接続される。電極PD4-21は、+Z側の面が導電膜CF2-21に接触し、-Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD4-21は、-Z側の面が電極PD3-21に接触する。電極PD4-21は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0355】
電極PD4-22は、チップ20_1x及びチップ20_2xの接合面BF2に配される。電極PD4-22は、導電膜CF2-22及び電極PD3-22に電気的に接続される。電極PD4-22は、+Z側の面が導電膜CF2-22に接触し、-Z側の面が接合面BF2に露出される。電極PD4-22は、-Z側の面が電極PD3-22に接触する。電極PD4-22は、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0356】
図29に示す導電膜MA202から基板2に至る接続構成において、チップ20_2xの導電膜MA202とチップ20_1xの導電膜MA201とが並列接続される。引き回し部26と基板2との間に第1の共通接続経路と第2の共通接続経路とがそれぞれ接続される。引き回し部26と第1の共通接続経路との間に、第7の接続経路と第8の接続経路とが並列に接続される。引き回し部26と第2の共通接続経路との間に、第7の接続経路と第8の接続経路とが並列に接続される。
【0357】
第7の接続経路は、引き回し部26→プラグ接続部27-1→プラグCC22-1→導電膜CF2-21→電極PD4-21→電極PD3-21→バリア膜BM-21→引き回し部28を含む。第8の接続経路は、引き回し部26→プラグ接続部27-1→プラグCC22-2→導電膜CF2-22→電極PD4-22→電極PD3-22→バリア膜BM-22→引き回し部28を含む。第1の共通接続経路は、プラグ接続部29-1→プラグCC21-1→導電膜CF1-21→プラグCC23-1→電極PD2-21→電極PD1-21→配線構造WS-21を含む。第2の共通接続経路は、プラグ接続部29-1→プラグCC21-2→導電膜CF1-22→プラグCC23-2→電極PD2-22→電極PD1-22→配線構造WS-22を含む。
【0358】
第7の接続経路と第8の接続経路とは、プラグ接続部29-1で合流し第1の共通接続経路を介してチップ10xの基板2に接続される。これにより、引き回し部26と第1の共通接続経路との間で、導電膜MA201と導電膜MA202とが並列に接続される。これにより、外来静電ノイズを引き回し部26から基板2へ逃がすことができる。
【0359】
第7の接続経路と第8の接続経路とは、プラグ接続部29-1で合流し第2の共通接続経路を介してチップ10xの基板2に接続される。これにより、引き回し部26と第2の共通接続経路との間で、導電膜MA201と導電膜MA202とが並列に接続される。これにより、外来静電ノイズを引き回し部26から基板2へ逃がすことができる。
【0360】
ここで、導電膜MA201は、半導体記憶装置1xの製造時に、導電膜MA1(図6参照)及び/又は導電膜MA101(図6参照)の形成工程と同じ工程で形成できる。このとき、導電膜MA201のZ方向厚さが導電膜MA1のZ方向厚さ及び/又は導電膜MA101のZ方向厚さと同様にされることで、チップ20_1の+Z側の面がXY方向内側から外側にかけて概ね平坦にされ得る。これにより、チップ20_1及びチップ20_2の接合時に、チップ20_1の+Z側の面がXY方向内側から外側にかけて、電極PD3及び電極PD4が良好に接合され得る。
【0361】
以上のように、第3の実施形態では、半導体記憶装置1xにおける引き回し部26から基板2に至る接続構成において、チップ20_2xの導電膜MA202とチップ20_1xの導電膜MA201とが並列接続される。これにより、要求される特性を満たしながら配線MA201及び配線MA202をそれぞれ薄膜化できる。
【0362】
なお、第3の実施形態の第1の変形例として、半導体記憶装置1yは、図30に示すように、配線MA201y,MA202yの+Z側の面が平坦になるように工夫されていてもよい。図30は、第3の実施形態の第1の変形例にかかる半導体記憶装置1yの構成を示すYZ断面図であり、図19をG-G線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0363】
半導体記憶装置1yは、チップ20_1x,20_2x(図29参照)に代えてチップ20_1y,20_2yを有する。
【0364】
チップ20_1yは、導電膜MA201(図29参照)に代えて導電膜MA201yを有する。導電膜MA201yは、配線MA201yとして機能する。導電膜MA201yは、プラグ接続部29-1(図6参照)に代えてプラグ接続部29-1yを有する。
【0365】
プラグ接続部29-1yは、平坦部29d、凸部29eを有する。
【0366】
プラグ接続部29-1yにおいて、平坦部29dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部29dのZ高さは、引き回し部28のZ高さと均等である。平坦部29dは、Y方向端部で引き回し部28に連続する。これにより、導電膜MA201yの+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0367】
凸部29eは、平坦部29dの-Z側に配され、平坦部29dから-Z側に凸の形状を有する。凸部29eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部29eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部28のZ高さから凸部29eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。
【0368】
平坦部29dは、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部29eは、第2の金属又は第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第3の金属は、第1の金属より抵抗率が高い。第1の金属がアルミニウム等を含む場合、第2の金属は、銅等を含み、第3の金属は、タングステン等を含む。
【0369】
チップ20_2yは、導電膜MA202(図6参照)に代えて導電膜MA202yを有する。導電膜MA202yは、配線MA202yとして機能する。導電膜MA202yは、プラグ接続部27-1,27-2(図6参照)に代えてプラグ接続部27-1y,27-2iを有する。
【0370】
プラグ接続部27-1yは、平坦部27d、凸部27eを有する。
【0371】
プラグ接続部27-1yにおいて、平坦部27dは、概ね平坦であり、略同じZ高さを維持しながらY方向に延びる。平坦部27dのZ高さは、引き回し部26のZ高さと均等である。平坦部27dは、Y方向端部で引き回し部26に連続する。これにより、導電膜MA2の+Z側の面が概ね平坦に構成され得る。
【0372】
凸部27eは、平坦部27dの-Z側に配され、平坦部27dから-Z側に凸の形状を有する。凸部27eは、YZ断面視で略等脚台形状を有する。略等脚台形状は、上底が下底より長い。凸部27eは、Y方向両側に傾斜した側面を有する。これにより、引き回し部28のZ高さから凸部27eの底辺のZ高さへ連なる段差を形成する。凸部27eは、プラグCC22-1~CC22-2の+Z側端がそれぞれ接続される。
【0373】
平坦部27dは、第1の金属を主成分とする材料で形成され得る。凸部27eは、第2の金属又は第3の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。第3の金属は、第1の金属より抵抗率が高い。
【0374】
このような半導体記憶装置1yにおいても、引き回し部26から基板2に至る接続構成において、チップ20_2yの導電膜MA202yとチップ20_1yの導電膜MA201yとが並列接続される。これにより、要求される特性を満たしながら配線MA201y及び配線MA202yをそれぞれ薄膜化できる。
【0375】
また、第3の実施形態の第2の変形例として、半導体記憶装置1zは、図31に示すように、配線MA201z,MA202zがより抵抗率の低い材料で形成されてもよい。図31は、第3の実施形態の第2の変形例にかかる半導体記憶装置1zの構成を示すYZ断面図であり、図19をG-G線で切った場合のYZ断面に相当する。
【0376】
半導体記憶装置1zは、チップ20_1y,20_2y(図30参照)に代えてチップ20_1z,20_2zを有する。
【0377】
チップ20_1zは、導電膜MA201y(図30参照)に代えて導電膜MA201zを有する。導電膜MA201zは、配線MA201zとして機能する。導電膜MA201zは、引き回し部28及びプラグ接続部29-1y(図30参照)に代えて引き回し部28z及びプラグ接続部29-1zを有する。
【0378】
引き回し部28zは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。第2の金属は、第1の金属より抵抗率が低い。
【0379】
プラグ接続部29-1zは、平坦部29d(図30参照)に代えて平坦部29dzを有する。平坦部29dzは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0380】
チップ20_2zは、導電膜MA202z(図30参照)に代えて導電膜MA202zを有する。導電膜MA202zは、配線MA202zとして機能する。導電膜MA202zは、引き回し部26及びプラグ接続部27-1y(図30参照)に代えて引き回し部26z及びプラグ接続部27-1z,27-2jを有する。
【0381】
引き回し部26zは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0382】
プラグ接続部27-1zは、平坦部27d(図30参照)に代えて平坦部27dzを有する。平坦部27dzは、第1の金属を主成分とする材料に代えて、第2の金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0383】
このような半導体記憶装置1zにおいても、引き回し部26から基板2に至る接続構成において、チップ20_2zの導電膜MA202zとチップ20_1zの導電膜MA201zとが並列接続される。これにより、要求される特性を満たしながら配線MA201z及び配線MA202zをそれぞれ薄膜化できる。
【0384】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0385】
1,1i,1j,1k,1n,1p,1m,1q,1r,1s,1t,1u,1v,1w,1x,1y,1z 半導体記憶装置、10,10m,10x,20,20_1,20_1i,20_1j,20_1k,20_1n,20_1p,20_1m,20_1q,20_1r,20_1s,20_1t,20_1w,20_1x,20_1y,20_1z,20_2,20_2i,20_2j,20_2k,20_2p,20_2m,20_2t,20_2u,20_2v,20_2w,20_2x,20_2y,20_2z チップ、CC1-1~CC1-3,CC2-1~CC2-3,CC3-1~CC3-3,CC4-1~CC4-2,CC11-1~CC11-3,CC12-1~CC12-3,CC14-1~CC14-2,CC21-1~CC21-2,CC22-1~CC22-2,CC23-1~CC23-2 プラグ、CF1-1,CF1-11,CF1-12,CF1-21,CF1-22,CF2-1,CF2-2,CF2-11,CF2-21,CF2-22 導電膜、CH 半導体膜、MA1,MA1i,MA1j,MA1k,MA1n,MA1p,MA2,MA2i,MA2j,MA2p,MA101,MA101q,MA101r,MA101s,MA102,MA102u,MA201,MA201y,MA201z,MA202,MA202y,MA202z 導電膜、PD1-1,PD1-11,PD1-12,PD1-21,PD1-22,PD2-1,PD2-2,PD2-11,PD2-12,PD2-21,PD2-22,PD3-1,PD3-2,PD3-3,PD3-11,PD3-21,PD3-22,PD4-1,PD4-2,PD4-11,PD4-21,PD4-22 電極、SST1,SST2 積層体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31