(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177552
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】記録装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 11/42 20060101AFI20231207BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20231207BHJP
B65H 26/02 20060101ALI20231207BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B41J11/42
B65H7/14
B65H26/02
B41J2/01 305
B41J2/01 451
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090284
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保園 健嗣
【テーマコード(参考)】
2C056
2C058
3F048
3F105
【Fターム(参考)】
2C056EB12
2C056EB13
2C056EC12
2C058AB16
2C058AB23
2C058AC07
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2C058AE04
2C058AE08
2C058AF19
2C058AF22
2C058AF31
2C058GB04
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2C058GB17
2C058GB22
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2C058GB33
2C058GB47
2C058GB54
3F048AA01
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3F048BA05
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3F048EB38
3F105AA01
3F105AB04
3F105BA20
3F105BA37
3F105DA22
3F105DA29
3F105DA51
3F105DA53
3F105DA62
3F105DB11
3F105DC13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】記録媒体を検知するための検知部の出力のばらつきの影響を低減すること。
【解決手段】記録媒体を搬送する搬送手段と、記録媒体と対向する位置にあり、搬送された記録媒体に記録を行う記録手段と、搬送された記録媒体における記録手段と対向する面とは反対の面を支持する支持部材と、支持部材における記録媒体を支持する面の方向に光を照射して、反射された光の光量を表す情報を出力する検知手段と、検知手段の出力に係る設定をして、設定がされた検知手段の出力に基づき搬送された記録媒体の端部に係る所定の処理を実行する制御手段と、を有する記録装置であって、制御手段は、支持部材から反射された光を検知した場合における検知手段の出力を示す値と、搬送された記録媒体から反射された光を検知した場合における検知手段の出力を示す値と、の差が所定の大きさ以上となるように検知手段の出力に係る設定をした状態において、所定の処理を実行する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送された記録媒体と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体に記録を行う記録手段と、
前記記録手段と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体における前記記録手段と対向する面とは反対の面を支持する支持部材と、
前記支持部材における記録媒体を支持する面の方向に光を照射して、反射された光の光量を表す情報を出力する検知手段と、
前記検知手段の出力に係る設定をして、前記設定がされた前記検知手段の出力に基づき前記搬送された記録媒体の端部に係る所定の処理を実行する制御手段と、
を有する記録装置であって、
前記制御手段は、
前記支持部材から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、前記搬送された記録媒体から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、の差が所定の大きさ以上となるように前記検知手段の出力に係る設定をした状態において、前記所定の処理を実行する
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記検知手段から照射される光の発光量を調整することで、前記検知手段の出力に係る設定をする
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
記録媒体が前記搬送手段によって搬送される前に、該記録媒体の端部が通過する位置で前記検知手段に検知を開始させ、
前記搬送手段によって記録媒体の搬送が開始された後に前記検知手段の出力を示す値が第1の閾値を超えた場合は前記搬送手段によって記録媒体が正常に搬送されたと決定し、前記検知手段の出力を示す値が前記第1の閾値を超えない場合は前記搬送手段によって記録媒体が正常に搬送されなかったと決定する第1の処理を前記所定の処理として行う
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記搬送手段が所定量、記録媒体を搬送する処理を実行しており、かつ、前記検知手段の出力を示す値が前記第1の閾値を超えない場合、前記搬送手段によって記録媒体が正常に搬送されなかったと決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第1の処理を行うための第1の設定として、前記支持部材に光を照射した場合における前記検知手段の出力を示す値が第1の値となるように設定を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
前記第1の閾値は、前記第1の値に基づく値である
ことを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記搬送された記録媒体に対して相対的に前記検知手段を移動させながら前記検知手段に検知を実行させ、前記検知手段の出力を示す値と第2の閾値とを比較することで前記搬送された記録媒体の端部を決定する第2の処理を前記所定の処理として行う
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記搬送方向と直交する走査方向へ前記検知手段を移動させながら前記検知手段に検知を実行させ、前記検知手段の出力を示す値が前記第2の閾値となるような位置を前記搬送された記録媒体における前記走査方向の端部として決定する前記第2の処理を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記制御手段は、
前記搬送方向と直交する走査方向へ前記検知手段を移動させながら前記検知手段に検知を実行させ、前記検知手段の出力を示す値と前記第2の閾値と比較することで前記搬送された記録媒体における前記走査方向の一方の端部と他方の端部とを検出して、前記搬送された記録媒体の幅の長さを決定する前記第2の処理を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項10】
前記制御手段は、
前記搬送された記録媒体の位置で前記検知手段に検知を開始させてから、前記搬送手段に前記搬送方向とは反対の方向に記録媒体を搬送させ、前記検知手段の出力を示す値が前記第2の閾値以下になったときの前記検知手段の位置を、前記搬送された記録媒体の前記搬送方向の端部とする前記第2の処理を行う
ことを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項11】
前記制御手段は、
前記第2の処理を行うための第2の設定として、前記搬送された記録媒体に光を照射した場合における前記検知手段の出力を示す値が第2の値となるように設定を行う
ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記検知手段が前記第2の設定がされた状態で前記支持部材に光を照射した場合における前記検知手段の出力を示す第3の値を取得し、
前記第2の閾値は、前記第2の値および前記第3の値に基づく値である
ことを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
【請求項13】
前記検知手段として、複数の検知手段が配されている
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項14】
前記制御手段は、
前記複数の検知手段のうちの少なくとも2つの検知手段それぞれに対して、前記支持部材から反射された光を検知した場合における出力を示す値と、記録媒体から反射された光を検知した場合における出力を示す値と、の差が前記所定の大きさ以上となるように設定し、前記設定がされた前記2つの検知手段の出力に基づき、前記搬送された記録媒体における前記搬送方向と直交する走査方向の一方の端部と他方の端部とを検出する
ことを特徴とする請求項13に記載の記録装置。
【請求項15】
前記搬送手段によって搬送される記録媒体は、普通紙、および普通紙よりも反射率が低い記録媒体を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項16】
前記支持部材は、前記搬送手段によって搬送される記録媒体よりも反射率が低い
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項17】
前記所定の大きさは、電気的ノイズの影響を受けない大きさである
ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項18】
記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送された記録媒体と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体に記録を行う記録手段と、
前記記録手段と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体における前記記録手段と対向する面とは反対の面を支持する支持部材と、
前記支持部材における記録媒体を支持する面の方向に光を照射して、反射された光の光量を表す情報を出力する検知手段と、
を有する記録装置の制御方法であって、
前記支持部材から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、前記搬送された記録媒体から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、の差が所定の大きさ以上となるように前記検知手段の出力に係る設定をする設定工程と、
前記設定工程で設定された前記検知手段の出力に基づき所定の処理を実行する処理工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項19】
コンピュータに請求項18に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、記録装置、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体に画像を記録する記録装置では、支持部材上の記録媒体の幅方向の端部または搬送方向の端部の位置を検出するものがある。支持部材上の記録媒体の位置を検出することで記録媒体以外の領域へ画像が記録されることを防ぐことができる。
【0003】
特許文献1には、記録媒体が搬送されたプラテンから反射された光の検出量に基づく値が閾値を超えた位置を、プラテン上における記録媒体がある位置として検出する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、普通紙よりも反射率の低いトレーシングペーパーが搬送された場合でもトレーシングペーパーの位置が検出できるように、記録媒体の位置を判定するための閾値が低く設定されている。しかしながら、閾値を低く設定すると、記録媒体が搬送されていないプラテン(支持部材)から反射された光の検出量に基づく値が電気的ノイズの影響で閾値を超えてしまうことがある。このため、プラテン上に記録媒体があると誤って判定してしまう虞がある。
【0006】
本開示では、記録媒体を検知するための検知部の出力のばらつきの影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された記録媒体と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体に記録を行う記録手段と、前記記録手段と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体における前記記録手段と対向する面とは反対の面を支持する支持部材と、前記支持部材における記録媒体を支持する面の方向に光を照射して、反射された光の光量を表す情報を出力する検知手段と、前記検知手段の出力に係る設定をして、前記設定がされた前記検知手段の出力に基づき前記搬送された記録媒体の端部に係る所定の処理を実行する制御手段と、を有する記録装置であって、前記制御手段は、前記支持部材から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、前記搬送された記録媒体から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、の差が所定の大きさ以上となるように前記検知手段の出力に係る設定をした状態において、前記所定の処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、記録媒体を検知するための検知部の出力のばらつきの影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】比較例における記録媒体の搬送を説明するための模式図。
【
図6】検知部の出力値に基づき記録媒体を検出する比較例の方法を説明するための図。
【
図7】検知部の出力値に基づき記録媒体を検出する方法を説明するための図。
【
図9】第1のキャリブレーションを説明するためのフローチャート。
【
図10】検知部の出力値に基づき記録媒体を検出する方法を説明するための図。
【
図11】搬送処理を説明するためのフローチャート。
【
図12】第2のキャリブレーションを説明するためのフローチャート。
【
図13】搬送処理を説明するためのフローチャート。
【
図14】搬送処理を説明するためのフローチャート。
【
図16】搬送処理を説明するためのフローチャート。
【
図17】搬送処理を説明するためのフローチャート。
【
図18】搬送処理を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示の技術の実施形態の説明をする。以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る技術を限定するものではない。以下の実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが本開示の技術に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせてもよい。なお、同一または同様の構成については、同一の符号を付して説明し、重複した説明は省略する場合がある。
【0011】
<実施形態1>
[記録装置の構成]
図1は、本実施形態に係る記録装置100の構成を説明するためのブロック図である。記録装置100は、被記録媒体(以下、記録媒体という)へ画像の記録を行う記録部101、記録媒体を検知する検知部102、記録媒体を搬送する搬送部103、記録装置100の各部を制御する制御部104を有する。制御部104は、例えば、CPU、ROM、およびRAMを備えている。
【0012】
図2は、本実施形態の記録装置100の内部構成を表す斜視図である。記録部101は、例えば、インクを記録媒体へ付与する記録ヘッド、および記録ヘッドを保持して走査方向(
図2のX方向)に走査(移動)するキャリッジで構成される。記録ヘッドは例えばインクを吐出するインクジェットの記録ヘッドである。キャリッジが記録ヘッドを保持したまま走査方向に移動(走査)して、走査しながら記録ヘッドからインクを吐出することによって記録部101は記録媒体200に対して画像の記録を行う。
【0013】
搬送部103は、例えば、搬送ローラおよびピンチローラを有している。記録媒体200は搬送ローラおよびピンチローラによって挟持され、搬送ローラが回転することで記録媒体200は走査方向と直交する搬送方向(
図2の+Y方向)に搬送されて、記録部101が走査する位置まで搬送される。搬送ローラが逆回転することで、記録媒体200を搬送方向とは反対の方向である巻き戻し方向(
図2の-Y方向)に搬送することもできる。排紙部205は、記録媒体200を装置外部に排紙するために構成されている。記録部101が走査し記録媒体200に記録を行った後、搬送部103は記録媒体200を搬送し、再び記録部101が記録媒体200上を走査し記録を行う。このように、記録と搬送とを繰り返すことで全画像の記録が完成する。
【0014】
記録部101の記録を行う面に対向する位置には、搬送された記録媒体を支持する支持部材204が配されている。
【0015】
検知部102は、反射型のセンサであり、支持部材204のある下方に向けて光源を照射し、その反射光を検知して反射光の光量を表す情報(物理量)を出力する。検知部102は記録部101を構成するキャリッジに搭載されているので、検知部102は、記録媒体200の走査方向の任意の位置において記録媒体があるかを検出するために用いることができる。
【0016】
[検知部の構成について]
図3は、検知部102の構成の一例を示す図である。検知部102は、LED光源301および光電変換部302を有する。
【0017】
制御部104は、制御信号に基づき、LED光源301を駆動するためのPWM設定値を電流制御回路303に設定する。電流制御回路303はPWM設定値に基づきLED光源301を制御することでLED光源301に点灯を実行させる。このときのLED光源301の発光量はPWM設定値によって制御される。LED光源301からの照射光304は、支持部材204または記録媒体200で反射され、その反射光306が光電変換部302で受光される。光電変換部302では、反射光が光電変換されて反射光の光量を示す出力307が得られる。出力307として電圧の値を示すAD値が得られるものとして説明する。制御部104は、出力307として所望の値が得られるように電流制御回路303を制御し発光量を調整することができる。出力の調整については後述する。
【0018】
例えば、支持部材204は記録媒体200よりも反射率が低い部材で構成されている。支持部材204と記録媒体200との反射率が異なるので、検知部102の下方には、支持部材204があるのか記録媒体200があるのかを出力307を用いて検出することができる。
【0019】
[搬送部による記録媒体の搬送について]
図4は、記録媒体を搬送する際の動作の比較例の方法を説明するための模式図である。
図4(a)、(b)における(1)の図は、記録装置100の上面を表す模式図である。また、
図4(a)(b)における(2)の図は、記録装置100の側面を表す模式図である。
【0020】
図4(a)は、搬送部103によって記録媒体200が正常に搬送された場合の記録装置100を表す図である。
図4(a)における搬送路406に示すように、記録媒体200が正常に搬送された場合、記録媒体200は記録部101と支持部材204との間を通過するように搬送される。そして記録部101が走査方向408に走査して記録媒体200へ画像の記録を行う。画像の記録が実行された後、記録媒体200は排紙部205によって装置外に搬送される。
【0021】
図4(b)は、搬送部103によって記録媒体200が正常に搬送さなかった場合の比較例を説明するための図である。
図4(b)では、記録媒体200がユーザーの誤操作などにより正しく供給されずジャムが発生しているようすを表している。このようにジャムが発生した状態で、画像の記録を行うために記録部101が走査方向408に走査すると、記録媒体200と記録部101とが接触411し記録部101にダメージを与えてしまう虞がある。
【0022】
図5は、記録媒体を搬送する際の本実施形態の動作を説明するための模式図である。
図5(a)、(b)における(1)の図は、記録装置100の上面を表す模式図である。また、
図5(a)、(b)における(2)の図は、記録装置100の側面を表す模式図である。
【0023】
本実施形態の記録装置100では、
図5(a)に示すように、検知部102は、記録媒体200が正常に搬送された場合に記録媒体200が通過する所定の位置(搬送検出位置という)に移動されて検知を行っている。
図5(a)に示すように搬送検出位置は記録媒体200の走査方向における端部のある位置である。このように、本実施形態では、搬送部103によって搬送が開始される前に、検知部102を搬送検出位置まで移動させておく。そして、記録媒体200の搬送が開始され、記録媒体200が検知部102の下を通過して検知部102の出力値に基づき記録媒体200が検出された場合は、正常に搬送が実行されたと判定することができる。このため、本実施形態の記録装置100では適切に記録部101を走査方向408に走査することができる。
【0024】
図5(b)は、ジャムが発生し、搬送部103によって記録媒体200が正常に搬送さなかった場合の本実施形態の動作を表す図である。ジャムが発生した場合、記録媒体200は検知部102の下を通過しないか、または、記録媒体200は異常な状態で通過することになる。このため、検知部102の出力値に基づき記録媒体200は検出されないことから、検知部102の出力に基づき記録媒体200を検出されない場合は記録媒体200が正常に搬送されていないと判定することができる。従って、記録部101がダメージを受けないように記録部101が走査方向408に走査しないように停止することができる。
【0025】
[検知部からの出力に基づく記録媒体の検知方法について]
図6は、検知部102の出力値に基づき記録媒体が正常に搬送されたかを判定する方法の比較例を説明するための図である。
図6(a)~(c)の下の図は、検知部102が搬送検出位置で固定された状態で、記録媒体が搬送されたときの検知部102と記録媒体との時刻ごとの位置関係を模式的に図示している。
図6(a)~(c)の上の図(グラフ)は、各時刻における検知部102の出力値を示すグラフである。検知部102の出力値は電圧の値であり、出力値が大きいほど検知された反射光の光量が大きいことを示している。
図6(a)~(c)において、最小電圧603から最大電圧604の間の値が検知部102から出力される。
【0026】
図6(a)は、搬送される記録媒体が普通紙600の場合の図である。時刻t1および時刻t2では普通紙600は検知部102の下の位置まで搬送されておらず、検知部102の出力値は、支持部材204から反射された光の光量を示す値となる。そして時刻t3において普通紙600が検知部102の下に正常に搬送されたものとする。このときの検知部102の出力値は閾値605と略同じになる。そして、普通紙600の先端が検知部102の下を完全に通過した時刻t4では、検知部102の出力値は閾値605を超える値となる。このため、検知部102の出力値が閾値605を超えたかを判定することにより、記録媒体が正常に搬送されたかを判定することができる。
【0027】
図6(b)は、ジャムが発生し、搬送部103によって普通紙600が正常に搬送さなかった場合について説明するための図である。正常であれば検知部102の下に普通紙600の先端が完全に通過する時刻t4になっても、ジャムが発生した場合は検知部102の出力値607が閾値605を超えない。このため、搬送検出位置に到達する搬送量だけ記録媒体を搬送しても検知部102の出力値が閾値605を超えない場合、搬送部103によって普通紙600が正常に搬送さなかったことを検出できる。
【0028】
図6(c)は、トレーシングペーパーまたは半透明フィルムのように普通紙600よりも反射率が低く、検知部102が検知する反射光量が少なくなる記録媒体608が搬送された場合の比較例を説明するための図である。
【0029】
トレーシングペーパーまたは半透明フィルムのような反射率の低い記録媒体608の先端が検知部102の下を完全に通過している時刻t4になっても、反射光の光量が小さいため検知部102の出力値609は閾値605を超えない。このため、反射率の低い記録媒体608からの反射光でも閾値を超えるように、比較例の方法では、反射率の低い記録媒体608に合わせて、閾値605より小さな閾値610を設定している。
【0030】
しかしながら、検知部102の出力値には、電気的ノイズ611の影響が含まれてしまうことがある。このため、記録媒体が正常に搬送されたかを判定するための閾値を低く設定すると、検知部102の位置まで記録媒体が搬送されていないときのノイズの影響を含む出力値612が閾値610を超えてしまうことがある。よって、ジャムが発生しているにも関わらず誤検出により反射率の低い記録媒体608が正常に搬送されたと検出してしまう虞がある。このように比較例の方法では、ジャムが発生しているにもかかわらず記録部101が走査されてしまうことがあるため、前述したとおり、記録部101にダメージを与えてしまう虞がある。このため、トレーシングペーパーまたは半透明フィルムのような反射率の低い記録媒体608が搬送される場合でも誤検出を抑制することが求められる。
【0031】
図7は、記録媒体が正常に搬送されたかを検出する本実施形態の方法を説明するための図である。
図7の構成は、
図6(c)と同じである。
【0032】
本実施形態では、支持部材204から反射された光の光量を示す検知部102の出力値(時刻t1またはt2における出力値)が第1の目標値705に近づくように、LED光源301の発光量を調整する。この調整に基づく設定を第1の設定または第1のキャリブレーションという。これにより、支持部材204から反射された光を検知した場合の出力値(第1の目標値705)と記録媒体608から反射された光を検知した場合の出力値703との差がノイズの影響を受けない所定の大きさ以上となるようにすることができる。このため第1の目標値はノイズの影響を考慮して設定すればよい。
【0033】
本実施形態における記録媒体が正常に搬送されたかを検出するための閾値である第1の閾値706は、支持部材204から反射された光を検知した場合の出力値(第1の目標値705)に所定の値を加算した値である。例えば所定の値は、最大出力電圧の10%の値である。このように支持部材204の反射光の光量を示す出力値が第1の目標値になるように設定された後に記録媒体を搬送することで、ノイズを含む出力値708が第1の閾値706を超えて誤検出することを抑制することができる。
【0034】
なお、普通紙600を搬送した場合に
図6(a)の曲線606のように出力値が推移した場合でも、第1の目標値705を用いた第1のキャリブレーションを行うことで、支持部材204から反射された光を検知した場合の出力値は第1の目標値705に近づく。また、普通紙600から反射された光を検知した場合は最大電圧に近い値となるため、曲線606であった出力値は、第1の目標値705を用いた第1のキャリブレーションを行うことで
図7の曲線707のように推移することになる。このため、第1の目標値は、搬送される記録媒体の種類に応じて変えなくてもよい。
【0035】
[搬送制御について]
図8は本実施形態における搬送に係る処理を説明するためのフローチャートである。
図8のフローチャートで示される一連の処理は、制御部104のCPUがROMに記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われるものとしてフローチャートの説明を行う。他にも、
図8におけるステップの一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウェアで実現してもよい。なお、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味し、以後のフローチャートにおいても同様とする。
図8のフローチャートは搬送シーケンスが開始されることに応じて開始される。
【0036】
S801において制御部104は、第1のキャリブレーションを行い、検知部102の出力値が第1の目標値となるような光量を発光させるための第1のPWM設定値および前述した第1の閾値を決定する。第1のキャリブレーションについての詳細は後述する。
【0037】
S802において制御部104は、検知部102を搬送検出位置に移動させる。搬送検出位置は、
図5(a)に示すように、例えば、搬送される記録媒体の走査方向の端部が通過する位置である。そして検知部102に搬送検出位置で検知を開始させる。検知部102は、第1のキャリブレーションで設定された第1のPWM設定値に基づき点灯されたLED光源301を用いて検知を行うことになる。
【0038】
S803において制御部104は、搬送部103に記録媒体の搬送を開始させる。
【0039】
S804において制御部104は、検知部102から出力されたAD値を取得して、取得したAD値を現在の出力値AD_OUTとする。AD値は、検知部102のLED光源301が下方に光を照射することで反射された光を検知部102の光電変換部302が検知して得られた値である。
【0040】
S805において制御部104は、検知部102の現在の出力値AD_OUTと第1の閾値Vth1とを比較して、現在の出力値AD_OUTが第1の閾値Vth1を超えたか判定する。現在の出力値AD_OUTが第1の閾値Vth1を超えたと制御部104が判定した場合(S805がYES)、S806の処理が実行される。
【0041】
S806において制御部104は、記録媒体を定位置まで搬送部103に搬送させる。そしてS807において制御部104は、搬送部103に搬送を停止させて、搬送は正常に実行されるたもとして搬送シーケンスを終了する。
【0042】
一方、現在の出力値AD_OUTが第1の閾値以下であると制御部104が判定した場合(S805がNO)、S808の処理が実行される。
【0043】
S808において制御部104は、搬送が開始されてからの搬送部103の搬送量が所定量以上となったかが判定される。所定量は、正常であれば記録媒体の先端が検知部102へ到達する搬送量以上の量である。搬送量が所定量以上と制御部104が判定した場合(S808がYES)、搬送不具合が発生したと考えらえるため、S809の処理が実行される。S809において制御部104は、搬送部103に記録媒体の搬送を停止させる。そして、S810において制御部104は、搬送の不具合を検出する。
【0044】
一方、搬送量が所定量未満と制御部104が判定した場合(S808がNO)、処理はS804に戻り、再度、検知部102から現在出力されたAD値を取得して現在の出力値AD_OUTを更新する。そしてS805以降の処理を繰り返す。
【0045】
[第1のキャリブレーションについて]
図9は、第1のキャリブレーションの詳細を説明するためのフローチャートである。
図9を用いてS801の処理の詳細を説明する。
【0046】
S901において制御部104は、第1のキャリブレーション位置に検知部102を移動させる。第1のキャリブレーション位置は、支持部材204の上方の位置である。
【0047】
S902において制御部104は、後述する第1のPWM設定値PWM_SETを算出するための値であるPWM_MINおよびPWM_MAXに対して初期値の設定を行う。例えば、PWM_MIN=1、PWM_MAX1023と設定する。
【0048】
S903において制御部104は、LED光源301の点灯をPWM制御するための設定値である第1のPWM設定値PWM_SETを、PWM_MINおよびPWM_MAXに基づき算出する。第1のPWM設定値PWM_SETは、例えば、式(1)によって算出される。
PWM_SET=(PWM_MAX+PWM_MIN)/2 式(1)
【0049】
S904においてLED光源301は、設定された第1のPWM設定値PWM_SETに基づく点灯を行う。第1のキャリブレーションは、記録媒体が搬送される前に行われるため、LED光源301からの光は、記録媒体を支持していない支持部材204に対して照射されることになる。
【0050】
S905では、検知部102は、LED光源301によって照射された光が支持部材204で反射して光電変換部302が検知した反射光の光量を示すAD値を出力する。制御部104は、出力されたAD値を取得し、その値を、検知部102の現在の出力値AD_OUTとする。即ち、現在の第1のPWM設定値PWM_SETに基づく発光量に対応する支持部材204からの反射光の光量を示す値として、出力値AD_OUTが取得される。
【0051】
S906において制御部104は、取得した現在の出力値AD_OUTが、前述した第1の目標値を基準とする範囲に含まれるかを判定する。具体的には、制御部104は、|AD_OUT-第1の目標値|がAD収束判定値α以下かを判定する。|AD_OUT-第1の目標値|がAD収束判定値α以下と制御部104が判定した場合(S906がYES)、S907の処理が実行される。
【0052】
S906でYESと判定された場合、現在の出力値AD_OUTは、第1の目標値に十分近づいたことになる。このため、
図8の搬送検出処理における検知部102の検知では、現在の第1のPWM設定値PWM_SETによってLED光源301が点灯される。
【0053】
S907において制御部104は、現在の出力値AD_OUTを、第1の閾値Vth1の算出用の値AD_CAL1_OUTとして、S908に進む。
【0054】
S908において制御部104は、値AD_CAL1_OUTに基づきVth1を算出して、算出したVth1を第1の閾値として格納し、第1のキャリブレーションを終了する。
【0055】
第1の閾値Vth1は、式(2)によって算出される。式(2)におけるAD_Vは、最大出力電圧の10%の値である。
Vth1=AD_CAL1_OUT+AD_V 式(2)
【0056】
一方、|AD_OUT-第1の目標値|がAD収束判定値αより大きいと制御部104が判定した場合(S906がNO)、S909の処理が実行される。
【0057】
S909において制御部104は、現在の第1のPWM設定値PWM_SETが収束しているかを判定するために、現在のPWM_MAXから現在のPWM_MINを引いた値(PWM_MAX-PWM_MIN)がPWM収束判定値β以下であるかを判定する。(PWM_MAX-PWM_MIN)がPWM収束判定値β以下と制御部104が判定した場合(S909がYES)、S907に進み、前述したS907~S908の処理が実行される。即ち、現在の出力値AD_OUTを、値AD_CAL1_OUTとして第1の閾値Vth1を算出するためにS907に移行する。
【0058】
一方、(PWM_MAX-PWM_MIN)がPWM収束判定値βより大きいと制御部104が判定した場合(S909がNO)、S910の処理が実行される。
【0059】
S910において制御部104は、現在の出力値AD_OUTが第1の目標値以下かを判定する。現在の出力値AD_OUTが第1の目標値以下と制御部104が判定した場合(S910がYES)、S912の処理が実行される。
【0060】
S912において制御部104は、PWM_MINの値が、現在の第1のPWM設定値PWM_SETの値となるように更新し、S903に戻る。S903において制御部104は、更新されたPWM_MINに基づき式(1)を算出して、第1のPWM設定値PWM_SETを更新する。
【0061】
S912でPWM_MINが更新されたことにより、LED光源301の発光量が増加して照射されるように第1のPWM設定値PWM_SETは更新される。このため、次のS905で取得される出力値AD_OUTを第1の目標値に近づけることができる。
【0062】
一方、現在の出力値AD_OUTが目標値より大きいと制御部104が判定した場合(S910がNO)、S911の処理が実行される。S911において制御部104は、PWM_MAXの値が、現在の第1のPWM設定値PWM_SETの値となるように更新する。そして、S903に戻り、更新されたPWM_MAXに基づき式(1)を算出して、第1のPWM設定値PWM_SETを更新する。
【0063】
S911でPWM_MAXが更新されたことにより、LED光源301の発光量が減少して照射されるように第1のPWM設定値PWM_SETは更新される。このため、次のS905で取得される出力値AD_OUTを第1の目標値に近づけることができる。
【0064】
以上説明したよう本実施形態によれば、トレーシングペーパーまたは半透明フィルムのような反射率の低い記録媒体が搬送された場合でも、ノイズの影響による検知部102の出力のばらつきによる誤検出を抑制することができる。さらに、記録媒体の種類によって発生する検知部102の出力ばらつきの影響を低減することができる。このため、記録媒体が異常なく支持部材まで搬送されたかを適切に検出することができる。
【0065】
<実施形態2>
実施形態1では、記録媒体が行われる前から検知部102で検知を開始させて、搬送された記録媒体にジャムなどの異常が発生しないか検出する方法を説明した。本実施形態では、搬送された記録媒体に対して相対的に検知部102を移動させながら検知を行うことで、記録媒体の端部を検出する方法を説明する。本実施形態では、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。
【0066】
図10は、検知部102の出力値に基づき記録媒体の端部の位置を検出する方法を説明するための図である。
図10(a)(b)の下の図は、記録媒体の位置が固定された状態で、検知部102が走査方向に走査したときの、検知部102と記録媒体との時刻ごとの位置関係を模式的に図示している。
図10(a)(b)の上の図は各時刻における検知部102の出力値を示すグラフである。検知部102の出力値は、最小電圧1003から最大電圧1004の間の値となる。
【0067】
図10(a)の曲線1008は、第1のキャリブレーションによって、支持部材204の反射光を示す出力値1005を第1の目標値1006まで近づけるようにPWM設定値を設定した場合の出力値の推移を示している。また、第1の閾値1007は、第1の目標値1006に対して所定値を加算した値である。このように、第1の閾値1007は、記録媒体の反射光を検知した出力値が考慮されずに設定されている。
【0068】
第1のキャリブレーションの設定に基づき、曲線1008と第1の閾値1007とを比較して、出力値が第1の閾値1007となった時刻における検知部102の位置を記録媒体の端部として検出するものとする。この場合、
図10(a)に示すとおり、時刻t4において出力値1010が第1の閾値1007と一致しているが、時刻t4における検知部102の位置は、記録媒体608の端部からずれた位置にある。このため、第1のキャリブレーションの設定によって端部を検出すると、異なる位置を端部と検出してしまうことがある。
【0069】
図10(b)は、記録媒体の端部の位置を検出する本実施形態の方法を説明するための図である。本実施形態では、記録媒体608から反射された光の光量を示す検知部102の出力値1015(時刻t1の出力値)が第2の目標値1011に近づくように、第2のPWM設定値を調整してLED光源301の発光量を調整する。この調整に基づく設定を第2の設定または第2のキャリブレーションという。曲線1012は、第2の設定をした場合の出力値の推移を示している。
【0070】
そして、第2の設定がされた状態で検知部102によって支持部材204を検知したときの出力値1014と、記録媒体608を検知したときの出力値(第2の目標値1011)を足して2で割った値を第2の閾値1013とする。本実施形態では、出力値が第2の閾値1013となった時刻における検知部102の位置を記録媒体608の端部の位置として検出する。このため、第1のキャリブレーションにおいて決定された第1のPWM設定値および第1の閾値で端部を検出する場合よりも、適切に記録媒体の端部を検出することができる。
【0071】
[搬送された記録媒体の端部検出について]
図11は、記録媒体の搬送に係る本実施形態の処理を説明するためのフローチャートである。
【0072】
S1101では第1のキャリブレーションを実行する。第1のキャリブレーションは、S801と同じであるため説明を省略する。
【0073】
S1102において搬送検出処理が実行される。搬送検出処理は、
図8のS802~S810の処理であるため説明を省略する。なお、搬送検出処理において、搬送不具合の発生を検出した場合は、
図11のフローチャートは終了となる。
【0074】
S1103では、第2のキャリブレーションを行い、出力値を前述した第2の目標値とするための第2のPWM設定値、および前述した第2の閾値を設定する。第2のキャリブレーションについての詳細は後述する。以降のステップでは、第2のキャリブレーションで設定された第2のPWM設定値に基づき点灯されたLED光源301を用いて検知部102の検知が行われることになる。
【0075】
S1104において制御部104は、検知部102に走査開始位置から検知を開始させ、検知部102は走査開始位置から端部のある方向に走査しながら検知を行う。走査開始位置は、
図10(b)の時刻t1における検知部102の位置のように、記録媒体の端部よりも内側の記録媒体のある位置である。先に実行されたS1102の搬送検出処理では、搬送される記録媒体の端部を読み取ることが可能な位置に移動して検知を行っている。このため、S1104では、検知部102は、現在の位置を走査開始位置として走査方向(+X方向)または走査方向とは反対の方向(-X方向)に移動しながら検知を行えばよい。
【0076】
S1105において制御部104は、検知部102から出力されたAD値を取得して、取得したAD値を現在の出力値AD_OUTとする。前のS1104では、検知部102は記録媒体がある位置から検知を開始している。このため、最初に取得される出力値AD_OUTは、第2の閾値Vth2を超えることになる。
【0077】
S1106において制御部104は、現在の出力値AD_OUTと第2の閾値Vth2とを比較して、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2以下かを判定する。現在の出力値AD_OUTが第2の閾値以下と制御部104が判定した場合(S1106がYES)、S1107の処理が実行される。
【0078】
S1107において制御部104は、出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2以下になったときの検知部102の位置を、基準端部位置として決定する。
【0079】
基準端部位置は、例えば、斜行検出、またはプレカット検出等を実行する際に用いられる。斜行検出は、本フローチャートが終了した後、記録媒体を搬送方向とは反対の方向へ所定量搬送させ、再度、基準端部位置検出を行い、基準端部位置の変化量が所定量よりも大きい場合に記録媒体が斜行して搬送されていると検出する処理である。
【0080】
また、プレカット検出は、記録媒体の非先端領域の幅の長さと先端領域の幅の長さをそろえるために記録媒体を走査方向にカット(プレカット)をするかを検出する処理である。例えば、非先端領域の幅の長さよりも短い幅の長さとなっている先端領域があるかを、搬送方向のそれぞれの基準端部位置を比べることで検出する。非先端領域よりも短い幅であることを示す基準端部位置が検出されたときは先端領域が斜めに切られているとしてプレカットを行う。
【0081】
一方、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値より大きいと制御部104が判定した場合(S1106がNO)、S1108の処理が実行される。
【0082】
S1108において制御部104は、検知部102の走査が開始されてからの移動量が所定量以上となったかが判定される。所定量は、例えば、正常であれば記録媒体の端部に達する移動量以上の量である。移動量が所定量以上と制御部104が判定した場合(S1108がYES)、基準端部位置検出に不具合が発生したと考えらえるため、S1109の処理が実行される。S1109において制御部104は、基準端部位置検出に異常が発生したと決定する。
【0083】
また、移動量が所定量未満と制御部104が判定した場合(S1108がNO)、処理はS1105に戻り、再度、現在の検知部102から出力されたAD値を取得して、現在の出力値AD_OUTを更新して、S1106以降の処理を繰り返す。
【0084】
S1107またはS1109が終了した場合にS1110に進み、S1110において制御部104は、検知部102の走査を停止して検知を終了させる。そして搬送シーケンスを終了する。
【0085】
なお、本実施形態では、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2以下になったときの検知部102の位置を端部として検出するものとして説明した。他にも、検知部102の走査開始位置を記録媒体の端部よりも外側の位置にして、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2を超えたときの検知部102の位置を端部として検出してもよい。
【0086】
[第2のキャリブレーションについて]
図12は、第2のキャリブレーションの詳細を説明するためのフローチャートである。
図12を用いてS1103の詳細を説明する。
【0087】
S1201において制御部104は、第2のキャリブレーション位置に検知部102を移動させる。第2のキャリブレーション位置は、搬送された記録媒体を検知することができる位置である。
【0088】
S1202において制御部104は、後述する第2のPWM設定値PWM_SETを算出するための値であるPWM_MINおよびPWM_MAXに対して初期値の設定を行う。例えば、PWM_MIN=1、PWM_MAX1023と設定する。
【0089】
S1203において制御部104は、LED光源301の点灯をPWM制御するための設定値である第2のPWM設定値PWM_SETを、PWM_MINおよびPWM_MAXに基づき算出する。第2のPWM設定値PWM_SETは、前述した式(1)によって算出される。
【0090】
S1204においてLED光源301は、設定された第2のPWM設定値PWM_SETに基づく点灯を行う。LED光源301は、搬送された記録媒体に対して光を照射することになる。
【0091】
S1205では、検知部102は、LED光源301によって照射された光が搬送された記録媒体から反射された光の光量を示すAD値を出力する。制御部104は、出力されたAD値を取得し現在の出力値AD_OUTとする。即ち、現在の第2のPWM設定値PWM_SETに基づく発光量に対応する、搬送された記録媒体からの反射光の光量を示す値として出力値AD_OUTが取得される。
【0092】
S1206において制御部104は、取得した現在の出力値AD_OUTが前述した第2の目標値を基準とする範囲に含まれるかを判定する。具体的には、制御部104は、|AD_OUT-第2の目標値|がAD収束判定値α以下かを判定する。|AD_OUT-第2の目標値|がAD収束判定値α以下と制御部104が判定した場合(S1206がYES)、S1207の処理が実行される。
【0093】
S1206でYESと判定された場合、現在の出力値AD_OUTは、第2の目標値に十分近づいたことになる。このため、
図11のS1104における基準端部位置検出における検知部102の検知では、現在の第2のPWM設定値PWM_SETによってLED光源301が点灯される。
【0094】
S1207において制御部104は、現在の出力値AD_OUTを、検知部102が搬送された記録媒体を検知した場合の出力値AD_CAL2WとしてS1208に進む。
【0095】
S1208において制御部104は、検知部102を、支持部材204における記録媒体を支持していない位置に移動させる。
【0096】
S1209では、検知部102は支持部材204から反射された光の光量を示すAD値を出力する。制御部104は、出力されたAD値を取得し、その値を検知部102が支持部材204を検知した場合の出力値AD_CAL2Bとする。即ち、現在の第2のPWM設定値PWM_SETに基づく発光量に対応する支持部材204からの反射光の光量を示す値として出力値AD_CAL2Bが取得される。
【0097】
S1208において制御部104は、出力値AD_CAL2Wおよび出力値AD_CAL2Bに基づきVth2を算出して、算出したVth2を第2の閾値として格納して第2のキャリブレーションを終了する。Vth2は、式(3)によって算出される。
Vth2=(AD_CAL2W+AD_CAL2B)/2 式(3)
【0098】
一方、|AD_OUT-第2の目標値|がAD収束判定値αより大きいと制御部104が判定した場合(S1206がNO)、S1211~S1214の処理が実行される。
【0099】
S1211~S1214の処理は、第1のキャリブレーションのS909~S912と同じである。S909~S912において、第1のPWM設定値とあるのを第2の設定値と、第1の閾値とあるのを第2の閾値と、第1の目標値とあるのを第2の目標値と、読み替えた処理が実行される。
【0100】
S1211~S1214の処理が実行されるとS1203に戻る。S1203において制御部104は、更新したPWM_MINまたはPWW_MAXに基づき式(1)を再度、算出して、第2のPWM設定値PWM_SETを更新する。例えば、S1212でPWM_MINが更新されることにより、光源の発光量が増加して照射されるように第2のPWM設定値PWM_SETは更新される。このため、次のS1205で取得される出力値AD_OUTを目標値に近づけることができる。
【0101】
以上説明したよう本実施形態によれば、検知部102の出力のばらつきを抑制しながら、端部検出のための閾値を適切に設定することができる。
【0102】
<実施形態3>
本実施形態では、搬送された記録媒体に対して検知部102を移動させながら検知を行うことで、記録媒体の他の端部を検出する方法を説明する。本実施形態では、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。
【0103】
[記録媒体の幅の長さを検出する処理について]
第2のキャリブレーションによって設定された第2のPWM設定値および第2の閾値に基づき、搬送された記録媒体の幅の長さを検出する方法を説明する。
【0104】
図13は、本実施形態の搬送に係る処理を説明するためのフローチャートである。
【0105】
S1301~S1303は、S1101~S1103と同様の処理であるため説明を省略する。
【0106】
S1304では基準端部位置検出が実行される。基準端部位置検出は、
図11のS1104~S1110の処理であるため説明を省略する。なお、基準端部位置検出において、検出不具合の発生を決定した場合は、本フローチャートは終了となる。
【0107】
次のS1305~S1311は、搬送された記録媒体の走査方向の長さ(幅の長さ)を検出する幅検出処理である。幅検出では、第2のキャリブレーションで設定された第2のPWM設定値に基づき点灯されたLED光源301を用いて検知部102の検知が行われる。
【0108】
S1305において制御部104は、検知部102を走査開始位置に移動させて走査開始位置から非基準端部の方向へ移動させながらLED光源301を発光させて検知を開始させる。S1305の走査開始位置は、S1304の基準端部位置検出の場合の走査開始位置と同様に、搬送された記録媒体の内側の位置である。ただし、S1304の基準端部位置検出の場合の走査開始位置と異なる位置でもよい。
【0109】
また、S1305における検知部102が走査する方向は、S1304の基準端部位置検出の場合における検知部102が走査した方向とは反対の方向である。幅検出処理では、搬送された記録媒体の走査方向の両端のうちS1304で決定した基準端部位置ではないもう一方の端部の位置(非基準端部位置という)を検出するためである。
【0110】
S1306において制御部104は、検知部102から出力されたAD値を取得して、取得したAD値を現在の出力値AD_OUTとする。
【0111】
S1307において制御部104は、現在の出力値AD_OUTと第2の閾値Vth2とを比較して、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2以下となったかを判定する。現在の出力値AD_OUTが第2の閾値以下になったと制御部104が判定した場合(S1307がYES)、S1308の処理が実行される。
【0112】
S1308において制御部104は、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2以下になったときの検知部102の位置を、非基準端部位置として決定する。そして、制御部104は、基準端部位置から非基準端部位置までの距離を求めることで、搬送された記録媒体の走査方向の長さ(幅の長さ)を検出することができる。
【0113】
一方、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2を上回っていると制御部104が判定した場合(S1307がNO)、S1309の処理が実行される。
【0114】
S1309において制御部104は、検知部102の走査が開始されてからの検知部102の移動量が所定量以上となったかが判定される。移動量が所定量以上と制御部104が判定した場合(S1309がYES)、幅検出処理に不具合が発生したと考えらえるため、S1310の処理が実行される。S1310において制御部104は、幅検出に異常が発生したと決定する。
【0115】
また、移動量が所定量未満と制御部104が判定した場合(S1309がNO)、処理はS1306に戻り、再度、現在の検知部102から出力されたAD値を取得して出力値AD_OUTを更新して、S1307以降の処理を繰り返す。
【0116】
S1308またはS1310が終了した場合にS1311に進み、S1311において制御部104は、検知部102の走査を停止して検知を終了させる。そして搬送シーケンスを終了する。
【0117】
なお、S1305における走査開始位置は、記録媒体の内側から開始するものとして説明したが、基準端部位置検出と同様に記録媒体の外側を走査開始位置としてもよい。
【0118】
[記録媒体の先端位置を検出する処理について]
第2のキャリブレーションによって設定された第2のPWM設定値および第2の閾値に基づき、搬送された記録媒体の搬送方向の端部を検出する方法を説明する。
【0119】
図14は、本実施形態の搬送に係る処理を説明するためのフローチャートである。
【0120】
S1401~S1404は、S1301~S1304と同様の処理であるため説明を省略する。
【0121】
S1405では幅検出が実行される。幅検出は、
図13のS1305~S1311の処理であるため説明を省略する。なお、幅検出において、幅検出不具合が発生したと決定された場合は、本フローチャートは終了となる。
【0122】
次のS1406~S1412は、搬送された記録媒体の搬送方法の端部(先端)を検出する先端検出処理である。先端検出では、第2のキャリブレーションで設定された第2のPWM設定値に基づき点灯されたLED光源301を用いて検知部102の検知が行われる。
【0123】
S1406において制御部104は、搬送された記録媒体上の先端検知位置に検知部102を移動させる。S1405の幅検出によって搬送された記録媒体の走査方向の両端が検出されているため、検出された記録媒体の両端の位置である基準端部位置と非基準端部位置の間の位置を先端検知位置とすればよい。
【0124】
S1407において制御部104は、搬送部103に記録媒体を、搬送方向とは反対の方向である巻き戻し方向への搬送を開始させる。
【0125】
S1408において制御部104は、検知部102から出力されたAD値を取得して、取得したAD値を現在の出力値AD_OUTとする。なお、S1402の搬送検出において記録媒体の先端は、検知部102が走査する位置に達するように搬送されている。このため、最初に取得される出力値AD_OUTは、第2の閾値Vth2を超えることになる。
【0126】
S1409において制御部104は、現在の出力値AD_OUTと第2の閾値Vth2とを比較して、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2以下となったか判定する。現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2以下になったと制御部104が判定した場合(S1409がYES)、S1410の処理が実行される。
【0127】
S1410において制御部104は、出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2以下になったとき、記録媒体の搬送方向の先端は検知部102の位置にあることになる。このため、このときの搬送量などの情報を格納する。また、このタイミングで、搬送部103が搬送を停止すると、記録媒体の搬送方向の先端は検知部102の位置にあることになる。検知部102は記録ヘッドが含まれる記録部101に配されている。このため、記録部101が記録を開始することで、記録媒体の先端から記録を開始するこができる。
【0128】
一方、現在の出力値AD_OUTが第2の閾値Vth2より大きいと制御部104が判定した場合(S1409がNO)、S1411の処理が実行される。
【0129】
S1411において制御部104は、巻き戻し方向への搬送が開始されてからの搬送部103の搬送量が所定量以上となったかが判定される。搬送量が所定量以上と制御部104が判定した場合(S1411がYES)、先端位置検出の不具合が発生したと考えらえるため、S1412に進み、制御部104は、異常が発生したと決定する。
【0130】
一方、搬送量が所定量未満と制御部104が判定した場合(S1411がNO)、処理はS1408に戻り、再度、現在の検知部102から出力されたAD値を取得して、現在の出力値AD_OUTを更新する。そしてS1409以降の処理を繰り返す。
【0131】
S1410またはS1412の終了した場合、S1413に進み、S1413において制御部104は、搬送部103に記録媒体の搬送を終了させる。そして搬送シーケンスを終了する。
【0132】
なお、本実施形態では、搬送検出、基準端部位置検出、幅検出、および先端位置検出が全て実行されるものとして説明した。他にも、搬送シーケンスにおいて搬送検出、基準端部位置検出、幅検出、および先端位置検出のうち少なくとも1つが行われるだけでもよい。
【0133】
<実施形態4>
実施形態1では、検知部が1つ配されている記録装置について説明した。本実施形態では、検知部が複数配されている記録装置について説明する。本実施形態では、実施形態1からの差分を中心に説明する。特に明記しない部分については実施形態1と同じ構成および処理である。
【0134】
図15は、本実施形態の記録装置1500の構成を説明するためのブロック図である。実施形態1の記録装置100と同じ構成については、同じ符号を用いて説明を省略する。記録装置100は、記録部101、搬送部103、制御部104、および記録媒体を検知するための複数の検知部1502を有する。複数の検知部1502には、実施形態1で説明した検知部102が複数含まれる。
【0135】
例えば、上述した実施形態では、搬送検出および先端位置検出を行うために、検知部102は、それぞれの検知を行う前に検知位置に移動して検知を行った。本実施形態の複数の検知部1502に含まれる検知部には、搬送検出および先端位置検出を実行するためのそれぞれの検知位置に固定されている検知部が含まれていてもよい。この場合、検知部102が移動する時間を削減することができる。
【0136】
次に、複数の検知部1502を有する記録装置100における搬送制御の方法の一例を説明する。
【0137】
図16は、
図8の搬送シーケンスを本実施形態の記録装置1500が行う場合のフローチャートである。S1601では第1のキャリブレーションが実行される。第1のキャリブレーションにでは、複数の検知部1502に含まれる検知部のうち、次の搬送検出で用いられる検知部を1つ選択して、選択された検知部(第1の検知部という)を用いて第1のPMW設定値および第1の閾値を決定する。S1602では、第1のキャリブレーションによって設定が行われた第1の検知部を用いて搬送検出(S802~S810の処理)を行えばよい。
【0138】
図17は、
図13の搬送シーケンスを本実施形態の記録装置1500が行う場合のフローチャートである。S1701~S1702はS1601~S1602と同じであるため説明は省略する。次のS1703では第2のキャリブレーションが実行される。制御部104は、第2のキャリブレーションにおいて、複数の検知部1502に含まれる検知部のうち、基準端部位置を検出するための検知部(第2の検知部という)と、非基準端部位置を検出するための検知部(第3の検知部という)と、を選択する。なお、前述したとおり、走査方向の端部を検出するために検知部は走査方向または走査方向と反対方向に走査しながら反射光の検知を行うため、走査方向または反対方向に移動可能な検知部が第2の検知部および第3の検知部として選択される。そして、制御部104は、選択された第2の検知部および第3の検知部それぞれを用いて第2のキャリブレーションを実行する。そして、選択された第2の検知部で検知を行うための第2のPMW設定値および第2の閾値、および第3の検知部で検知を行うための第2のPMW設定値および第2の閾値が設定される。
【0139】
S1704では、第2のキャリブレーションで設定が行われた第2の検知部および第3の検知部のうちの一方の検知部を用いて基準端部位置の検出が行われる。S1705では、第2のキャリブレーションで設定が行われた第2の検知部および第3の検知部のうち、S1704で用いられなかった他方の検知部を用いて非基準端部位置の検出が行われる。そして基準端部位置および非基準端部位置から記録媒体の幅の長さが検出される。なお、基準端部位置の検出および非基準端部位置の検出を並行処理で行ってもよい。並行処理を行うことで幅検出が完了するまでの時間を短縮することができる。また、第2の検知部および第3の検知部の何れかは第1の検知部と同じでもよい。
【0140】
図18は、
図14の搬送シーケンスを本実施形態の記録装置1500が行う場合のフローチャートである。S1801~S1802はS1701~S1702と同じであるため説明は省略する。次のS1803では第2のキャリブレーションが実行される。制御部104は、第2のキャリブレーションにおいて、複数の検知部1502に含まれる検知部のうち、基準端部位置を検出するための第2の検知部と非基準端部位置を検出するための第3の検知部とを選択して第2のキャリブレーションを実行する。この処理は、S1703と同様である。S1803ではさらに制御部104は、複数の検知部1502に含まれる検知部のうち、先端検出するための検知部(第4の検知部という)を1つ選択して、選択された第4の検知部を用いて第2のキャリブレーションを実行する。そして、選択された第4の検知部で検知を行うための第2のPMW設定値および第2の閾値が設定される。
【0141】
S1804~S1805は、S1704~S1805と同じ処理であるため説明を省略する。
【0142】
S1806では先端検出処理が行われる。S1806では、第2のキャリブレーションで設定が行われた第4の検知部を用いてS1406~1413の先端検出を行えばよい。なお、第4の検知部は、第1の検知部、第2の検知部、および第3の検知部のいずれかと同じでもよい。
【0143】
<その他の実施形態>
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0144】
<その他>
上述した実施形態の開示は、以下の構成を含む。
【0145】
(構成1)
記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送された記録媒体と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体に記録を行う記録手段と、
前記記録手段と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体における前記記録手段と対向する面とは反対の面を支持する支持部材と、
前記支持部材における記録媒体を支持する面の方向に光を照射して、反射された光の光量を表す情報を出力する検知手段と、
前記検知手段の出力に係る設定をして、前記設定がされた前記検知手段の出力に基づき前記搬送された記録媒体の端部に係る所定の処理を実行する制御手段と、
を有する記録装置であって、
前記制御手段は、
前記支持部材から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、前記搬送された記録媒体から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、の差が所定の大きさ以上となるように
前記検知手段の出力に係る設定をした状態において、前記所定の処理を実行する
ことを特徴とする記録装置。
【0146】
(構成2)
前記制御手段は、
前記検知手段から照射される光の発光量を調整することで、前記検知手段の出力に係る設定をする
ことを特徴とする構成1に記載の記録装置。
【0147】
(構成3)
前記制御手段は、
記録媒体が前記搬送手段によって搬送される前に、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の端部が通過する位置で前記検知手段に検知を開始させ、
前記搬送手段によって記録媒体の搬送が開始された後に前記検知手段の出力を示す値が第1の閾値を超えた場合は前記搬送手段によって記録媒体が正常に搬送されたと決定し、
前記検知手段の出力を示す値が前記第1の閾値を超えない場合は前記搬送手段によって記録媒体が正常に搬送されなかったと決定する第1の処理を前記所定の処理として行う
ことを特徴とする構成1に記載の記録装置。
【0148】
(構成4)
前記制御手段は、
前記搬送手段が所定量、記録媒体を搬送する処理を実行しており、かつ、前記検知手段の出力を示す値が前記第1の閾値を超えない場合、前記搬送手段によって記録媒体が正常に搬送されなかったと決定する
ことを特徴とする構成3に記載の記録装置。
【0149】
(構成5)
前記制御手段は、
前記第1の処理を行うための第1の設定として、前記支持部材に光を照射した場合における前記検知手段の出力を示す値が第1の値となるように設定を行う
ことを特徴とする構成3または4に記載の記録装置。
【0150】
(構成6)
前記第1の閾値は、前記第1の値に基づく値である
ことを特徴とする構成5に記載の記録装置。
【0151】
(構成7)
前記制御手段は、
前記搬送された記録媒体に対して相対的に前記検知手段を移動させながら前記検知手段に検知を実行させ、前記検知手段の出力を示す値と第2の閾値とを比較することで前記搬送された記録媒体の端部を決定する第2の処理を前記所定の処理として行う
ことを特徴とする構成1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
【0152】
(構成8)
前記制御手段は、
前記搬送方向と直交する走査方向へ前記検知手段を移動させながら前記検知手段に検知を実行させ、前記検知手段の出力を示す値が前記第2の閾値となるような位置を前記搬送された記録媒体における前記走査方向の端部として決定する前記第2の処理を行う
ことを特徴とする構成7に記載の記録装置。
【0153】
(構成9)
前記制御手段は、
前記搬送方向と直交する走査方向へ前記検知手段を移動させながら前記検知手段に検知を実行させ、前記検知手段の出力を示す値と前記第2の閾値と比較することで前記搬送された記録媒体における前記走査方向の一方の端部と他方の端部とを検出して、
前記搬送された記録媒体の幅の長さを決定する前記第2の処理を行う
ことを特徴とする構成7に記載の記録装置。
【0154】
(構成10)
前記制御手段は、
前記搬送された記録媒体の位置で前記検知手段に検知を開始させてから、前記搬送手段に前記搬送方向とは反対の方向に記録媒体を搬送させ、
前記検知手段の出力を示す値が前記第2の閾値以下になったときの前記検知手段の位置を、前記搬送された記録媒体の前記搬送方向の端部とする前記第2の処理を行う
ことを特徴とする構成7に記載の記録装置。
【0155】
(構成11)
前記制御手段は、
前記第2の処理を行うための第2の設定として、前記搬送された記録媒体に光を照射した場合における前記検知手段の出力を示す値が第2の値となるように設定を行う
ことを特徴とする構成7から10のいずれか1項に記載の記録装置。
【0156】
(構成12)
前記制御手段は、
前記検知手段が前記第2の設定がされた状態で前記支持部材に光を照射した場合における前記検知手段の出力を示す第3の値を取得し、
前記第2の閾値は、前記第2の値および前記第3の値に基づく値である
ことを特徴とする構成11に記載の記録装置。
【0157】
(構成13)
前記検知手段として、複数の検知手段が配されている
ことを特徴とする構成1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
【0158】
(構成14)
制御手段は、
前記複数の検知手段のうちの少なくとも2つの検知手段それぞれに対して、前記支持部材から反射された光を検知した場合における出力を示す値と、記録媒体から反射された光を検知した場合における出力を示す値と、の差が
所定の大きさ以上となるように設定し、前記設定がされた前記2つの検知手段の出力に基づき、前記搬送された記録媒体における前記搬送方向と直交する走査方向の一方の端部と他方の端部とを検出する
ことを特徴とする構成13に記載の記録装置。
【0159】
(構成15)
前記搬送手段によって搬送される記録媒体は、普通紙、および普通紙よりも反射率が低い記録媒体を含む
ことを特徴とする構成1から14のいずれか1項に記載の記録装置。
【0160】
(構成16)
前記支持部材は、前記搬送手段に搬送される記録媒体よりも反射率が低い
ことを特徴とする構成1から15のいずれか1項に記載の記録装置。
【0161】
(構成17)
前記所定の大きさは、電気的ノイズの影響を受けない大きさである
ことを特徴とする構成1から16のいずれか1項に記載の記録装置。
【0162】
(構成18)
記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送された記録媒体と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体に記録を行う記録手段と、
前記記録手段と対向する位置にあり、前記搬送された記録媒体における前記記録手段と対向する面とは反対の面を支持する支持部材と、
前記支持部材における記録媒体を支持する面の方向に光を照射して、反射された光の光量を表す情報を出力する検知手段と、
を有する記録装置の制御方法であって、
前記支持部材から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、前記搬送された記録媒体から反射された光を検知した場合における前記検知手段の出力を示す値と、
の差が所定の大きさ以上となるように前記検知手段の出力に係る設定をする設定工程と、
前記設定工程で設定された前記検知手段の出力に基づき所定の処理を実行する処理工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【0163】
(構成19)
コンピュータに構成18に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0164】
101 記録部
102 検知部
103 搬送部
104 制御部