(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177555
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】ポンプ装置および管理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 8/65 20180101AFI20231207BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090288
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】横山 広大
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 裕大
(72)【発明者】
【氏名】豊田 耕司
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA05
5B376CA43
5B376CA58
(57)【要約】
【課題】ポンプ装置のソフトウェアの更新管理を効率化すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、ポンプ装置は、保持部と、設定部とを含む。保持部は、ポンプに関連する1以上の制御機器に関するソフトウェアを、外部機器からの通信により更新するか否かを示す更新可否情報を保持する。設定部は、前記更新可否情報に示される更新の可否を変更可能とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプに関連する1以上の制御機器に関するソフトウェアを、外部機器からの通信により更新するか否かを示す更新可否情報を保持する保持部と、
前記更新可否情報に示される更新の可否を変更可能な設定部と、
を具備するポンプ装置。
【請求項2】
前記更新可否情報は、作業員からの入力に応じて切り替え可能であり、
前記更新可否情報が変更された場合、変更後の更新可否情報を前記外部機器に通知する通信部をさらに具備する、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
前記外部機器との通信環境を判定する判定部をさらに具備し、
前記設定部は、前記通信環境に応じて前記更新可否情報を変更する、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記設定部は、異常が発生した箇所および異常の内容に応じて前記更新可否情報を変更する、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記ソフトウェアの更新方法を切り替える、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記更新方法は、管理サーバから遠距離無線通信により前記ソフトウェアを更新する第1方法、端末から近距離無線通信により前記ソフトウェアを更新する第2方法、または前記外部機器と自装置とを有線接続して前記ソフトウェアを更新する第3方法を含む、請求項5に記載のポンプ装置。
【請求項7】
前記更新可否情報は、前記第1方法、前記第2方法および前記第3方法の少なくとも1つを実施するか否かを示す情報を含む、請求項6に記載のポンプ装置。
【請求項8】
ポンプ装置と管理サーバとを含む管理システムであって、
前記ポンプ装置は、
ポンプに関連する1以上の制御機器に関するソフトウェアを、外部機器からの通信により更新するか否かを示す更新可否情報を保持する保持部と、
前記更新可否情報を前記管理サーバに送信する第1通信部と、を具備し、
前記管理サーバは、
前記ポンプ装置から前記更新可否情報を受信する第2通信部と、
前記更新可否情報が前記外部機器からの通信により前記ソフトウェアを更新する旨を示す場合、前記ポンプ装置へ更新プログラムを送信し、前記更新可否情報が前記外部機器からの通信により前記ソフトウェアを更新しない旨を示す場合、前記ポンプ装置へ前記更新プログラムを送信しない更新制御部と、を具備する、
管理システム。
【請求項9】
前記管理サーバは、
前記ポンプ装置へ前記更新プログラムを送信したか否かを示す情報を格納する格納部をさらに具備する、請求項8に記載の管理システム。
【請求項10】
前記ポンプ装置において、
前記第1通信部は、前記更新プログラムに基づき前記ソフトウェアを更新した場合、更新が完了したことを示す更新完了通知を前記管理サーバに送信する、請求項8に記載の管理システム。
【請求項11】
前記ポンプ装置は、
前記更新可否情報に示される更新の可否を変更可能な設定部をさらに具備し、
第1通信部は、前記更新可否情報が変更された場合、変更後の更新可否情報を前記管理サーバに通知し、
前記管理サーバは、
前記ポンプ装置の識別情報と前記変更後の更新可否情報とを対応付けて格納する格納部をさらに具備する、請求項8に記載の管理システム。
【請求項12】
前記管理サーバにおいて、
前記更新制御部は、前記ポンプ装置へ前記更新プログラムを所定回数以上再送し、かつ前記ポンプ装置から前記ソフトウェアの更新が完了したことを示す更新完了通知が受信できない場合、端末から前記ポンプ装置に前記更新プログラムを通信するよう前記端末に指示する、請求項8に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置の管理の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置を制御するためのソフトウェアの更新は、作業員が現地に赴き、PCとポンプ装置とをケーブルにより有線接続して実行することが一般的であるが、ポンプ装置に無線通信機能が搭載されることで、遠距離または近距離での無線通信によりソフトウェアを更新できるようになってきている。これにより、例えば管理サーバから複数のポンプ装置に対して一括でソフトウェアの更新を実行することも想定される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ソフトウェアの更新時には一時的に運転停止などの処置が必要となることがあるが、ポンプ装置によっては、当該処置が許容できない場合もある。この場合は、管理サーバからの更新指示により自動で更新するのではなく、任意のタイミングまたは手動で更新することが要求される。そのため、ソフトウェア更新の際に、管理サーバ側で各所に設置されたポンプ装置からソフトウェアを更新しない個体だけを抽出し、自動更新しないものとして設定することは煩雑である。
【0005】
本発明は、ポンプ装置のソフトウェアの更新管理を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、ポンプ装置は、保持部と、設定部とを含む。保持部は、ポンプに関連する1以上の制御機器に関するソフトウェアを、外部機器からの通信により更新するか否かを示す更新可否情報を保持する。設定部は、前記更新可否情報に示される更新の可否を変更可能とする。
【0007】
本発明の別の態様によれば、管理システムは、ポンプ装置と管理サーバとを含む。ポンプ装置は、保持部と、第1通信部とを含む。保持部は、ポンプに関連する1以上の制御機器に関するソフトウェアを、外部機器からの通信により更新するか否かを示す更新可否情報を保持する。第1通信部は、前記更新可否情報を前記管理サーバに送信する。管理サーバは、第2通信部と、更新制御部とを含む。第2通信部は、前記ポンプ装置から前記更新可否情報を受信する。更新制御部は、前記更新可否情報が前記外部機器からの通信により前記ソフトウェアを更新する旨を示す場合、前記ポンプ装置へ更新プログラムを送信し、前記更新可否情報が前記外部機器からの通信により前記ソフトウェアを更新しない旨を示す場合、前記ポンプ装置へ前記更新プログラムを送信しない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポンプ装置のソフトウェアの更新管理を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る管理システムを示すブロック図。
【
図2】本実施形態に係るポンプ装置を示すブロック図。
【
図3】本実施形態に係る管理サーバを示すブロック図。
【
図4】本実施形態に係る管理テーブルの一例を示す図。
【
図5】本実施形態に係る管理システムのソフトウェア更新処理の一例を示すシーケンス図。
【
図6】本実施形態に係るポンプ装置におけるソフトウェア更新処理の詳細例を示すフローチャート。
【
図7】本実施形態に係る管理サーバの更新処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施形態に係るポンプ装置および管理システムについて説明する。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0011】
図1は、本実施形態に係る管理システムを例示するブロック図である。
図1に示すように、管理システムは、管理サーバ1、複数の端末5-nおよび複数のポンプ装置3-n(nはインデックス)を含む。
図1では、nが2である場合の構成を示しているが、これに限定する必要はなく、nは1以上であれば幾つでもよい。以下、特に区別しないときは単に端末5およびポンプ装置3と記載することとする。管理システムは、ポンプ装置3に関して測定されるポンプ情報などを管理サーバ1で用いて管理するコンピュータシステムである。
【0012】
図1に示すように、管理サーバ1と端末5とポンプ装置3とはそれぞれ、ネットワークNWを介して、4G、5Gといった携帯通信網や、Wimaxなどの比較的遠距離の無線通信回線を介して接続される。また、ポンプ装置3と端末5とは、上述した無線通信回線に加え、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Filed Communication)、赤外線通信といった比較的近距離の無線通信手段により接続されることを想定する。なお、端末5とポンプ装置3とは、USB(Universal Serial Bus)やケーブルによるLAN(Local Area Network)接続といった有線通信回線を介して接続されてもよい。
【0013】
管理サーバ1は、ポンプ装置3に関する各種データをデータベースに記憶し、ポンプ装置3の稼働状況を管理する。なお、管理サーバ1は、オンプレミスサーバに限らず、クラウドサーバであってもよい。
【0014】
端末5は、点検作業員等のユーザが持ち運び可能な通信端末であり、例えば、ノートPC、モバイル端末(スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット)が挙げられる。なお、端末5は、ポンプ装置3の管理専用に構成された通信デバイスであってもよい。端末5から、ポンプ装置3を制御可能としてもよく、例えば、ポンプ装置3を制御するためのアプリケーション(以下、制御アプリケーションともいう)が搭載されてもよいし、Webブラウザからポンプ装置3を制御可能としてもよい。
【0015】
ポンプ装置3は、例えば、建物に給水する機械装置(給水装置)である。ポンプ装置3は、例えば、水道本管に直結され、水道本管を流れる水を直接増圧し、建物に設けられた蛇口やシャワーヘッド等の供給先に給水する、いわゆる直結増圧型給水装置であるとする。なお、本実施形態に係るポンプ装置3の型は直結増圧型のみに限定されず、直結直圧型でもよいし、貯水槽給水型でもよい。
【0016】
次に、本実施形態に係るポンプ装置3について
図2のブロック図を参照して説明する。
ポンプ装置3は、制御盤30とポンプ部60とを含む。ポンプ装置3は、他に、図示しない吸込配管と吐出配管とを含んでもよい。ポンプ装置3は、ポンプ部60により、吸込配管を介して一次側にある水を取り込み、吐出配管を介して二次側へ給水する。吸込配管は、例えば、水道本管から分岐された水道分管およびポンプ部60を接続する。吐出配管は、ポンプ部60とその二次側の給水先とを接続する。ポンプ装置3は、複数台のポンプ部60を含んでいてもよい。この場合に、ポンプ装置3は、複数台のポンプ部60を交互に駆動する交互運転、複数台のポンプ部60を同時に駆動する並列運転などを行うことができる。
【0017】
図2に示すように、制御盤30は、互いにバスを介して接続された近距離無線通信器31と、遠距離無線通信器32と、通信機器プロセッサ33と、入力機器34と、インバータ35と、インタフェース36と、表示機器37と、記憶装置38と、制御盤プロセッサ39とを含む。
なお、複数台のポンプ部60を含む場合、対応する複数台の制御盤プロセッサ39が制御盤30に含まれ、さらに複数の制御盤プロセッサ39を制御する上位プロセッサ(図示せず)が制御盤30に含まれてもよい。この場合、複数の制御盤プロセッサ39が上位プロセッサとデータを送受信し、上位プロセッサが各制御盤プロセッサ39から受信したデータを表示機器37に表示してもよい。また、上位プロセッサが記憶装置38にデータを記録または記憶装置38からデータを読み出してもよい。
【0018】
近距離無線通信器31は、Bluetooth、Wi-FiまたはNFC等の無線通信の規格に準拠した無線通信モジュールを搭載し、近距離無線通信を行なう。近距離無線通信器31は、USB等の有線通信の規格を用いた近距離通信を行なってもよい。近距離無線通信器31は、端末5との間で、近距離通信回線を介して、ポンプ装置3の運転モードの設定および各種データの送受信などを行なう。
【0019】
遠距離無線通信器32は、携帯通信網、WimaxおよびWi-Fi等の無線通信の規格を用いた遠距離通信を行なう。遠距離無線通信器32は、管理サーバ1または端末5との間で、遠距離通信回線を介して各種データの送受信を行なう。
【0020】
近距離無線通信器31および遠距離無線通信器32による無線接続の確立については、例えば、Bluetoothであれば、一般的なペアリング接続により無線接続が確立されればよく、Wi-Fiであれば、Wi-Fiのアクセスポイントに予め設定されたSSIDおよびパスワードを入力することで、無線接続が確立されればよい。なお、一度、ポンプ装置3と端末5との無線接続が確立していれば、端末5の無線機能をオンにしてポンプ装置3と接近することで、自動的に無線接続が確立されるものとする。
【0021】
通信機器プロセッサ33は、CPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算装置であり、通信機器プロセッサ33は、ASICやFPGA等の専用の回路により構成されてもよい。通信機器プロセッサ33は、近距離無線通信器31および遠距離無線通信器32の動作を制御する。具体的には、通信機器プロセッサ33は、ポンプに関連する制御機器であって、近距離無線通信器31および遠距離無線通信器32の動作を制御するためのソフトウェアの実行および更新を実行する。以下、通信機器とは、近距離無線通信器31および遠距離無線通信器32の少なくともどちらか一方を示す。
【0022】
入力機器34は、ユーザの指示を電気信号に変換する。入力機器34としては、例えば、操作パネルやタッチパネル、キーボード、マウス、各種スイッチ等が用いられればよい。なお、入力機器34としては、音声入力装置が用いられてもよい。入力機器34からの電気信号はバスを介して制御盤プロセッサ39に供給される。
【0023】
インバータ35は、ポンプ部60を作動する動力を発生する。具体的には、インバータ35は、ポンプ部60(のモータ)に所定周波数の交流電力を供給する。また、インバータ35は、制御盤プロセッサ39からインバータ制御信号を受け取る。インバータ35は、インバータ制御信号に応じて動作する。例えば、インバータ35は、運転停止信号または運転開始信号に相当するインバータ制御信号に応じて運転を停止または開始する。また、インバータ35は、回転数制御信号に相当するインバータ制御信号に応じてモータの回転数を制御する。
【0024】
具体的には、インバータ35は、図示しないコンバータ回路、平滑コンデンサ及びインバータ回路を含む。コンバータ回路は、交流電源から交流電力を取り込み整流することで直流電力に変換する。平滑コンデンサは、コンバータ回路によって出力される直流電力の電圧を平滑化し、略一定電圧の直流電力を得る。そして、インバータ回路は、平滑コンデンサによって得られた直流電力を制御盤30からのインバータ制御信号(回転数制御信号に相当)に応じた所定周波数の交流電力へと変換してモータに供給する。
【0025】
インタフェース36は、例えば、ポート等の入出力インタフェースである。インタフェース36は、例えば、制御盤30とポンプ部60に取り付けられるセンサとの間で、各種信号を送受信する。
【0026】
表示機器37は、各種データを表示する。表示機器37としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ等の任意のディスプレイが用いられればよい。なお、表示機器37として、プロジェクタが用いられてもよい。
【0027】
記憶装置38は、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等のメモリ装置である。記憶装置38は、物理的に一つのメモリ装置により実現されてもよいし、ポンプ装置3内に物理的に分離された複数のメモリ装置により実現されてもよい。以下、記憶装置38を単にメモリと呼ぶことにする。
【0028】
制御盤プロセッサ39は、ポンプに関連する制御機器であり、CPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算装置である。制御盤プロセッサ39は、ASICやFPGA等の専用の回路により構成されてもよい。制御盤プロセッサ39は、記憶装置38に保存された各種プログラムを実行することで、保持部391と、設定部392と、判定部393と、通信部394との各機能を実現する。
なお、ここでは、近距離無線通信器31、遠距離無線通信器32、制御盤プロセッサ39を制御機器とも呼ぶ。
【0029】
保持部391は、1以上の制御部に関するソフトウェアを、外部機器からの通信により更新するか否かを示す更新可否情報を保持する。ソフトウェアは、例えば各器、各回路を動作させるファームウェア、およびOS(Operation System)、OS上で動作するアプリケーションソフトを含む。また、ソフトウェアは、例えば、制御盤プロセッサ39、通信機器プロセッサ33に関する各ソフトウェアが想定され、ソフトウェアごとに更新可否情報を保持することを想定するが、ポンプ装置全体としてすべてのソフトウェアを更新するか否かを示す一括した更新可否情報であってもよい。外部機器は、管理サーバ1、端末5を含む。更新可否情報は、例えば、外部機器からの通信により更新する場合を「1」、外部機器からの通信により更新しない場合を「0」とした1ビットフラグでもよいし、「する」「しない」、「許可」「不許可」といったテキスト情報でもよい。
【0030】
設定部392は、更新可否情報に示される更新の可否を変更できる。例えば、更新可否情報が「更新しない」旨を示す場合、設定部392により「更新する」と変更できる。なお、更新する場合において、さらにソフトウェアの更新方法を切り替えてもよい。すなわち、設定部392は、管理サーバ1から遠距離無線通信によりソフトウェアを更新する第1方法、端末5から近距離無線通信によりソフトウェアを更新する第2方法、または外部機器と自装置とを有線接続してソフトウェアを更新する第3方法のいずれかを選択して切り替えてもよい。
設定部392は、異常が発生した箇所および異常の内容に応じて更新可否情報を変更してもよい。例えば、制御盤に異常が発生し、ソフトウェアの更新が急務であれば、更新可否情報を「不許可」から「許可」に変更すればよい。
【0031】
判定部393は、外部機器との通信環境を判定する。また、判定部393は、ソフトウェアを更新するための更新プログラムの緊急度が閾値以上であるか否かを判定する。更新プログラムは、例えばソフトウェアのバージョンアップに関する現在のソフトウェアとの差分情報など、ソフトウェアの更新に関するプログラムを想定する。
【0032】
通信部394は、外部機器に自装置に関する情報を送信し、外部機器からソフトウェアの更新指示および更新プログラムなどを受信する。通信部394は、更新可否情報が変更された場合、変更後の更新可否情報を外部機器に通知する。
【0033】
次に、管理サーバ1について
図3のブロック図を参照して説明する。
管理サーバ1は、通信部101と、更新制御部102と、格納部103とを含む。
【0034】
通信部101は、ポンプ装置3または端末5との間でデータを通信する。例えば、通信部101は、ポンプ装置3から更新可否情報を受信する。
更新制御部102は、更新可否情報が外部機器からの通信によりソフトウェアを更新する旨を示す場合、ポンプ装置3へ更新プログラムを送信し、更新可否情報が外部機器からの通信によりソフトウェアを更新しない旨を示す場合、ポンプ装置3へ更新プログラムを送信しない。
格納部103は、ポンプ装置3ごとに、識別情報と更新可否情報とを対応付けた管理テーブルを格納する。格納部103は、ポンプ装置3へ更新プログラムを送信したか否かを示す情報を格納してもよい。
【0035】
なお、図示しないが、例えば通信部101は、通信機器のハードウェアを用いて実現され、更新制御部102は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサなどのハードウェアを用いて実現され、格納部103は複数のポンプ装置3に関する各種データを管理するため、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)および集積回路記憶装置等の大容量記憶装置等のメモリを用いて実現される。管理サーバ1は、さらに表示機器および入力機器を含んでもよい。
【0036】
次に、管理サーバに格納される管理テーブルについて
図4を参照して説明する。
図4に示すテーブルは、識別番号と、更新可否情報と、バージョン情報と、更新状況と、再送回数とがそれぞれ対応付けられて格納される。
【0037】
識別番号は、ポンプ装置の一意に識別するための識別番号であり、例えば製造番号である。更新可否情報は、
図4の例では、数値で識別することを想定し、「0」が外部機器からの通信により更新しないことを示し、「1」が第1方法、つまり管理サーバからの遠距離無線通信により更新することを示し、「2」が第2方法、つまり端末から近距離無線通信により更新することを示し、「3」が第3方法、つまり外部機器と有線接続して更新することを示す。バージョン情報は、更新すべきソフトウェア(通信機器のソフトウェアであるか制御盤のソフトウェアであるか)とそのバージョンに関する情報を示す。更新状況は、ポンプ装置におけるソフトウェアの更新状況を示す。具体的には、例えば、ソフトウェアの更新が完了した状態、更新待機状態でありかつ更新プログラムが入手済みの状態、更新待機状態であるが更新プログラムが未入手の状態を示す。再送回数は、ソフトウェアの更新に失敗した場合、再度更新プログラムを送信するが、この際の遠距離無線通信または近距離無線通信を介してソフトウェアの更新を試みた回数を示す。
【0038】
なお、ソフトウェアのバージョン情報ごとに更新可否情報が設定されてもよい。つまり、今回の更新プログラムのバージョンでは、ポンプ装置3の制御盤のソフトウェアを更新せず、次にリリースされた更新プログラムでは当該ソフトウェアを更新したい、といった場合に対応することができる。
このように管理テーブルによれば、ポンプ装置3ごとにソフトウェアの更新に関する情報を一元管理できる。
【0039】
次に、本実施形態に係る管理システムのソフトウェア更新処理の一例について、
図5のシーケンス図を参照して説明する。なお、管理サーバ1の格納部103が、各ポンプ装置3に関して、予め出荷時のポンプ装置3の更新可否情報の初期値を管理テーブルに格納しているものとする。出荷時の初期値は、更新可否情報が「許可」であることを想定する。
【0040】
ステップSA1では、管理サーバ1の通信部101が、更新プログラムを外部から取得する。
ステップSA2では、管理サーバ1の更新制御部102が、格納部103に格納される更新可否情報を参照し、更新対象となるソフトウェアを有し、かつ更新可否情報が「許可」である(
図4の例では、1~3のいずれかの値を有する場合、以下同様)ポンプ装置3を選択する。
【0041】
ステップSA3では、管理サーバ1の更新制御部102が、ステップSA2で選択されたポンプ装置3に対して、通信部101を介して更新要求を送信する。一方、更新対象となるソフトウェアを有しないポンプ装置3、または、更新可否情報が「不許可」を示すポンプ装置3については、更新制御部102が、更新の対象外として判定する。このとき、対象外とした旨の情報を管理テーブルに追加してもよい。
【0042】
ステップSA4では、ポンプ装置3が、更新要求を受けて更新待機状態へと移行する。更新待機状態とは、更新プログラムを用いて、任意のタイミングで更新が可能である状態を示す。
ステップSA5では、ポンプ装置3の通信部394が、更新待機状態に移行したことを示す情報を管理サーバ1に送信する。
【0043】
ステップSA6では、管理サーバ1の通信部101が、更新待機状態に移行したことを示す情報を受信し、ステップSA2で選択されたポンプ装置3に対して、通信部101を介して更新プログラムを送信する。
ステップSA7では、ポンプ装置3の通信機器プロセッサ33または制御盤プロセッサ39が、更新プログラムに基づきソフトウェアを更新する。例えば、ポンプ装置の起動頻度が低い時間帯、またはポンプ装置が稼働しない時間帯に更新することで、ソフトウェア更新に起因するポンプ停止の影響を小さくすることができる。
ステップSA8では、ポンプ装置3の通信部394が、ソフトウェアの更新が完了したことを示す更新完了通知を管理サーバ1に送信する。
【0044】
なお、上述のシーケンスでは、管理サーバ1が更新要求を送信し、ポンプ装置3の更新待機状態へ移行したことを示す情報を受信してから更新プログラムをポンプ装置3へ送信する例を示すが、これに限らない。例えば、管理サーバ1が更新要求を送信するかわりに更新プログラムを送信してもよい。
【0045】
また、ステップSA2では、更新対象となるポンプ装置3を選択していたが、これに限らず、管理テーブルで管理される全てのポンプ装置3に対して更新プログラムを送信、すなわちブロードキャスト送信してもよい。この場合、ポンプ装置3側で更新可否情報を確認し、自装置のソフトウェアのうち更新対象のソフトウェアが存在すれば、受信した更新プログラムにより更新を実行すればよい。一方、更新対象となるソフトウェアが存在しなければ、ポンプ装置3側で更新プログラムを破棄すればよい。
【0046】
次に、ポンプ装置3におけるソフトウェア更新処理の詳細例について
図6のフローチャートを参照して説明する。
図6に示す更新要求には、更新対象が、通信機器のソフトウェアであるか制御盤のソフトウェアであるかを示す情報が含まれることを想定する。
【0047】
ステップSB1では、通信部394が、管理サーバ1から更新要求を受信する。
ステップSB2では、通信機器プロセッサ33が、更新要求が通信機器のソフトウェアに対する更新か、制御盤のソフトウェアに対する更新であるかを判定する。更新要求が通信機器のソフトウェアに対する更新であればステップSB3に進み、制御盤のソフトウェアに対する更新であればステップSB7に進む。
【0048】
ステップSB3では、通信機器プロセッサ33が、通信機器に関する更新可否情報が「許可」であるか「不許可」であるかを判定する。「許可」であればステップSB4に進み、「不許可」であればステップSB11に進む。
【0049】
ステップSB4では、通信機器プロセッサ33が、通常の動作状態から更新待機状態に移行するように自身を設定し、更新待機状態に移行したことを管理サーバに送信する(ステップSA4に対応)。
【0050】
ステップSB5では、通信部394が、更新プログラムを受信し、通信機器プロセッサ33が、自身のソフトウェアを更新する。なお、通信機器プロセッサ33は、自身がソフトウェアの更新処理を実行する場合、通信機能が利用できない場合があるため、制御盤プロセッサ39に対して、更新処理を実行する旨を通知してもよい。また、制御盤30の表示機器37において、通信機器のソフトウェアが更新中である旨が表示されてもよい。さらに、制御盤30側で通信機器に対して送信すべきデータが発生した場合は、通信機器プロセッサから更新完了通知を受信するまで、当該送信すべきデータを保持していてもよい。
【0051】
ステップSB6では、通信機器のソフトウェアを再起動し、通信機器プロセッサ33が、制御盤プロセッサ39と管理サーバ1とに更新完了通知を通知する。
【0052】
一方、ステップSB7では、制御盤プロセッサ39が、制御盤30に関する更新可否情報が「許可」であるか「不許可」であるかを判定する。「許可」であればステップSB8に進み、「不許可」であればステップSB11に進む。
【0053】
ステップSB8では、制御盤プロセッサ39が、通常の動作状態から更新待機状態に移行するように自身を設定し、通信機器プロセッサ33に更新待機状態に移行した旨を通知する。通信機器プロセッサ33では、制御盤プロセッサ39から更新待機状態に移行したことを示す情報を受け取って、近距離無線通信器31または遠距離無線通信器32を介して、制御盤30が更新待機状態に移行したことを示す情報が管理サーバ1に送信される。
【0054】
ステップSB9では、制御盤プロセッサ39が、通信機器を介して更新プログラムを受信し、自身のソフトウェアを更新する。制御盤プロセッサ39が、制御盤30のソフトウェアを更新する場合は、制御しているポンプ部60を停止する必要があるため、ソフトウェアの更新タイミングは、ポンプ部60の稼働頻度が低い時間帯に実行することが望ましい。例えば、ポンプ装置3の過去の運転状況を参照することで、例えば深夜帯など、1日または一週間のうちでもっとも稼働率が低い曜日及び時間帯でソフトウェアの更新を実行すればよい。更新の際は、ポンプ部60を強制停止状態とし、制御盤30の表示機器37において、制御盤30のソフトウェアが更新中である旨が表示されてもよい。
【0055】
ステップSB10では、制御盤30のソフトウェアを再起動し、強制停止状態を解除し、通信機器プロセッサ33に更新完了通知を通知する。通信機器プロセッサ33は、更新完了通知を管理サーバ1に送信する。
【0056】
ステップSB11では、通信部394が、更新可否情報が「不許可」であることを管理サーバ1に送信する。この場合、管理サーバ1では、管理テーブルに格納される情報が間違っていたことがわかるため、ポンプ装置3から通知された最新の更新可否情報で管理テーブルを更新すればよい。
【0057】
なお、ステップSB9のソフトウェア更新処理において、ポンプ装置の運転モードに応じて更新タイミングを決定してもよい。例えば、運転モードが交互運転モードである場合、運転していない号機についての制御盤プロセッサ39のソフトウェアを更新し、更新中は当該号機のポンプを停止状態とすればよい。これにより、安定してソフトウェアを更新できる。
一方、運転モードが交互並列運転モードである場合、例えばポンプが2台であれば、上述のステップSB9に示したように、2台同時に稼働することが少ないと想定される深夜帯や、都心のビルであれば人手の少ない休日に、運転していない号機についての制御盤プロセッサ39のソフトウェアを更新すればよい。また、ポンプ部60は、一度動作するとインタロックがかかり、最低運転時間は稼働することになるが、例えばポンプの動作として最低運転時間しか動作しない時間帯の統計を取ることで、当該時間帯はソフトウェアを更新してもよい。
【0058】
なお、ソフトウェアの更新に要する時間は、極力短いことが望ましいため、管理サーバ1から近距離無線通信器31または遠距離無線通信器32を介して通信機器プロセッサ33が更新プログラムを受信し、更新先のプロセッサ(通信機器プロセッサ33または制御盤プロセッサ39)が更新データをチェックする。更新データが正常である場合にポンプ部60の運転を停止してソフトウェアを更新すればよい。これにより、ポンプの停止時間を最小限にできる。
【0059】
次に、管理サーバ1の更新処理の一例について
図7のフローチャートを参照して説明する。
ステップSC1では、更新制御部102が、更新完了通知を送信してこないポンプ装置3に対し、ポンプ装置3のステータスを確認するための確認要求を送信する。例えば、管理テーブルの更新状況を参照し、更新が完了した状態となっていないポンプ装置3を選択し、該当するポンプ装置に対して確認要求を送信すればよい。
【0060】
ステップSC2では、更新制御部102が、ポンプ装置3から送信された更新状況が、更新待機状態ではないポンプ装置3を選択する。これは、ポンプ装置3が、更新待機状態でも更新を完了した状態でもない、例えば通常運転中という状態情報を送信してきた場合、予期せぬ強制終了などで更新が完了せずに、通常運転を再開してしまった可能性がある。よって、管理サーバ1では、このようなポンプ装置3はソフトウェアが更新されていないと判定する。
【0061】
ステップSC3では、更新制御部102が、同一のポンプ装置3に対する更新プログラムの送信回数が所定回数以上であるか否か、つまり再送回数が所定回数以上であるか否かを判定する。所定回数未満であれば、ステップSC4に進み、所定回数以上であれば、ステップSC5に進む。
ステップSC4では、更新制御部102が、更新プログラムを再送する。
ステップSC5では、更新制御部102が、該当するポンプ装置3は何度もソフトウェアの更新に失敗しているため、管理サーバ1からの遠距離無線通信によるソフトウェアの更新を中断する。管理サーバ1は、該当するポンプ装置3に巡回可能であり、更新プログラムを既に保持する端末5が当該ポンプ装置3のソフトウェアを更新するように、当該端末5に指示する。なお、端末5が更新プログラムを保持していない場合は、管理サーバ1が、該当するポンプ装置3に巡回可能な端末5に更新プログラムを送信する。当該端末5を持つ作業員が該当するポンプ装置に赴き、当該端末5からの近距離無線通信によりソフトウェアを更新すればよい。これにより、ソフトウェアの更新成功確率を向上させることができる。
【0062】
なお、ステップSC5において、管理サーバからの遠距離無線通信によるソフトウェアの更新が所定回数以上失敗した場合は、ソフトウェアの更新を中止してもよい。または、例えば管理者に、該当するポンプ装置3のソフトウェアが更新できない旨を通知してもよい。
【0063】
また、
図7の例では、管理サーバ1が、更新完了通知を送信してこないポンプ装置3のステータスを確認するための確認要求を送信することをトリガとして、ソフトウェアの更新処理が実行されるが、ポンプ装置3側から確認要求を送信することをトリガとしてもよい。
例えば、ポンプ装置3が、定期的に送信するポンプ情報に、自身の制御機器の現在のソフトウェアのバージョン情報を含めた確認要求を管理サーバ1に送信する。管理サーバ1では、ポンプ装置3から送信された制御機器のソフトウェアについて、送信されたバージョン情報と最新のバージョン情報とを比較する。ポンプ装置3から送信されたソフトウェアのバージョン情報が最新でない場合、管理サーバ1は、最新のソフトウェアに関する更新プログラムを当該ポンプ装置3に送信すればよい。なお、管理サーバ1では、
図7のステップSC3以降に示すように、更新プログラムの再送回数を判定し、同様に処理してもよい。
【0064】
更新可否情報に変更があった場合は、ポンプ装置3から管理サーバ1にその都度送信されることを想定する。よって、上述の管理テーブルに格納される情報は、所定の間隔、例えば1日に1回程度で更新されてもよい。また、更新可否情報の変更は、ポンプ装置3の制御盤30における入力機器34を介して行われてもよいし、端末5がポンプ装置3と近距離通信することにより行われてもよいし、管理サーバ1がポンプ装置3と遠距離通信することにより行われてもよい。また、物理スイッチにより切り替えられてもよい。
制御盤30の入力機器34を介して行う場合、通常更新可否情報は「不許可」であるが、定期メンテナンスの一環としてポンプ装置の付近に作業員がおり、かつ断水作業で他の作業を行っている間に「許可」に変更してソフトウェアを更新してもよい。
【0065】
管理サーバ1とポンプ装置3との遠距離無線通信によりソフトウェアを更新する場合、ポンプ装置3の設置当時は無線通信環境が良好だったが、周辺に高層マンションが建設されるなど、その後の周囲の環境の変化により無線通信環境が劣悪になる可能性がある。よって、ポンプ装置3は、例えば通信機器プロセッサ33が、管理サーバ1と自装置との間の無線通信環境を計測し、無線通信環境が所定の品質基準を下回る場合は、設定部392が、更新可否情報を管理サーバによる遠距離無線通信により更新しないように、「不許可」に変更すればよい。無線通信環境が所定の品質基準を下回る場合とは、例えば受信信号強度(RSSI)が閾値以下である場合、またはネットワークの切断回数が所定回数以上である場合、が想定されるが、これらに限らず、無線通信環境を計測し評価できる指標であれば、どのような基準を用いて判定してもよい。
なお、管理サーバ1側で、無線通信環境を同様に計測し、ポンプ装置の更新可否情報を変更してもよい。
【0066】
また、更新プログラムの緊急度を考慮して、更新の可否が決定されてもよい。例えば、ソフトウェアにおいてポンプの稼働に関する致命的なバグが発見された場合は、基本的にソフトウェアを更新すべきである。よって、緊急度が高い更新プログラムは、たとえ更新可否情報が「不許可」となっている場合にもソフトウェアを更新するようにする。
具体的には、管理サーバが保持する更新プログラムの緊急度が閾値以上である場合、管理サーバは、更新可否情報に示される許可または不許可の情報にかかわらず、当該更新プログラムを管理テーブルで管理されるポンプ装置にブロードキャストする。
更新可否情報が不許可のポンプ装置では、判定部が、更新プログラムの緊急度が閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、更新プログラムの緊急度が閾値以上であるため、更新可否情報にかかわらず、更新プログラムによりソフトウェアを更新する。
【0067】
以上に示した本実施形態によれば、ポンプ装置側で更新可否情報を変更可能とし、更新した場合には、ポンプ装置から管理サーバに変更後の更新可否情報を送信する。これにより、管理サーバでは、ポンプ装置からのアクションにより、更新された最新の情報を管理することができ、ポンプ装置のソフトウェアの更新管理を効率化することができる。
【0068】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD、Blu-ray(登録商標)Disc等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0070】
1・・・管理サーバ、3・・・ポンプ装置、5・・・端末、30・・・制御盤、31・・・近距離無線通信器、32・・・遠距離無線通信器、33・・・通信機器プロセッサ、34・・・入力機器、35・・・インバータ、36・・・インタフェース、37・・・表示機器、38・・・記憶装置、39・・・制御盤プロセッサ、60・・・ポンプ部、101・・・通信部、102・・・更新制御部、103・・・格納部、391・・・保持部、392・・・設定部、393・・・判定部、394・・・通信部