(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177562
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】車両用シートのフレーム構造及び車両用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/68 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
B60N2/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090296
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保 克成
(72)【発明者】
【氏名】竹井 啓起
(72)【発明者】
【氏名】松山 浩二
(72)【発明者】
【氏名】岡井 哲治
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BD03
3B087DB02
3B087DB04
(57)【要約】
【課題】車両の乗員等が一の骨格部材と他の骨格部材との接合部の端に触れることを抑制する。
【解決手段】車両用シート10のフレーム構造は、着座乗員の臀部をシート下方側から支持するシートクッション12及び着座乗員の背部をシート後方側から支持するシートバック14を有するシート本体16の骨格を構成するアッパフレーム部26を備えている。また、車両用シート10のフレーム構造は、シート本体16の骨格を構成するサイドフレーム部28を備えている。サイドフレーム部28は、アッパフレーム部26に重ねられた状態で接合される接合端部38を有している。また、アッパフレーム部26とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビード44が接合端部38の端(上端50)に沿って形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座乗員の臀部をシート下方側から支持するシートクッション及び着座乗員の背部をシート後方側から支持するシートバックを有するシート本体の骨格を構成する一の骨格部材と、
前記シート本体の骨格を構成し、前記一の骨格部材に重ねられた状態で接合される接合端部を有し、前記一の骨格部材とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビードが前記接合端部の端に沿って形成された他の骨格部材と、
を備えた車両用シートのフレーム構造。
【請求項2】
前記凸ビードの一部が、前記接合端部の端となっている請求項1に記載の車両用シートのフレーム構造。
【請求項3】
前記一の骨格部材は、前記シートバックの骨格のシート上方側の部分を構成するアッパフレーム部とされ、
前記他の骨格部材は、前記シートバックの骨格の左右方向の両側部分を構成する左右一対のサイドフレーム部とされ、
左右一対の前記サイドフレーム部のシート上方側の端部が前記接合端部となっている請求項1に記載の車両用シートのフレーム構造。
【請求項4】
前記接合端部のシート前方側の端及びシート後方側の端は、前記アッパフレーム部に溶接で接合され、
前記凸ビードは、前記接合端部のシート上方側の端に沿って形成されている請求項3に記載の車両用シートのフレーム構造。
【請求項5】
着座乗員の臀部をシート下方側から支持するシートクッション及び着座乗員の背部をシート後方側から支持するシートバックを有するシート本体と、
前記シート本体の骨格を構成する一の骨格部材と、
前記シート本体の骨格を構成し、前記一の骨格部材に重ねられた状態で接合される接合端部を有し、前記一の骨格部材とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビードが前記接合端部の端に沿って形成された他の骨格部材と、
を備えた車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートのフレーム構造及び車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両用シートのシートバックが開示されている。この文献に記載されたシートバックは、当該シートバックの骨格を成すシートバックフレーム本体と、アシストグリップの両端が取り付けられる一対のブラケットと、シートバックの背面を成すバックボードを引掛けるワイヤーと、を備えている。また、一対のブラケットは、アシストグリップを取り付ける頂面部と、頂面部と連なる少なくとも二つの側面部と、少なくとも二つの側面部に連なる基底部と、を備えている。さらに、一対のブラケットが、シートバックフレーム本体の背面に基底部で取り付けられ、ワイヤーの両端部は、少なくとも二つの側面部のうち、いずれか一面に固定されることによって、一対のブラケットにワイヤーが横架されている。そして、ワイヤーの両端部の位置を側面部の奥まった位置とすることで、車両の内部突起の要件を満たすことが可能となっている。すななち、車両の乗員がワイヤーの両端部に触れることが抑制されている。なお、車両の内部突起の要件とは、欧州統一車両法規(ECE:ECONOMIC COMMISSION FOR EUROPE REGULATIONS)No.21における要件のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両用シートの骨格を構成する一の骨格部材と他の骨格部材とが重ね合わされて接合される接合部においては、車両の乗員等が接合部の端に触れることを抑制できることが望ましいが、上記特許文献1に記載された構成はこの点を考慮していない。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、車両の乗員等が一の骨格部材と他の骨格部材との接合部の端に触れることを抑制することができる車両用シートのフレーム構造及び車両用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の車両用シートのフレーム構造は、着座乗員の臀部をシート下方側から支持するシートクッション及び着座乗員の背部をシート後方側から支持するシートバックを有するシート本体の骨格を構成する一の骨格部材と、前記シート本体の骨格を構成し、前記一の骨格部材に重ねられた状態で接合される接合端部を有し、前記一の骨格部材とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビードが前記接合端部の端に沿って形成された他の骨格部材と、を備えている。
【0007】
第1の態様の車両用シートのフレーム構造によれば、他の骨格部材の接合端部が、一の骨格部材に重ねられた状態で当該一の骨格部材に接合されている。ここで、他の骨格部材には、一の骨格部材とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビードが接合端部の端に沿って形成されている。これにより、車両の乗員等が接合端部の端に触れることが、凸ビードによって妨げられる。このように、第1の態様の車両用シートのフレーム構造では、車両の乗員等が一の骨格部材と他の骨格部材との接合部の端に触れることを抑制することができる。
【0008】
第2の態様の車両用シートのフレーム構造は、第1の態様の車両用シートのフレーム構造において、前記凸ビードの一部が、前記接合端部の端となっている。
【0009】
第2の態様の車両用シートのフレーム構造によれば、凸ビードの一部が、接合端部の端となっている。これにより、車両の乗員等が接合端部の端に触れることをより一層抑制することができる。
【0010】
第3の態様の車両用シートのフレーム構造は、第1の態様の車両用シートのフレーム構造において、前記一の骨格部材は、前記シートバックの骨格のシート上方側の部分を構成するアッパフレーム部とされ、前記他の骨格部材は、前記シートバックの骨格の左右方向の両側部分を構成する左右一対のサイドフレーム部とされ、左右一対の前記サイドフレーム部のシート上方側の端部が前記接合端部となっている。
【0011】
第3の態様の車両用シートのフレーム構造によれば、サイドフレーム部の接合端部が、アッパフレーム部に重ねられた状態で当該アッパフレーム部に接合されている。ここで、サイドフレーム部には、アッパフレーム部とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビードが接合端部の端に沿って形成されている。これにより、車両の乗員等が接合端部の端に触れることが、凸ビードによって妨げられる。このように、第3の態様の車両用シートのフレーム構造では、車両の乗員等がアッパフレーム部とサイドフレーム部との接合部の端に触れることを抑制することができる。
【0012】
第4の態様の車両用シートのフレーム構造は、第3の態様の車両用シートのフレーム構造において、前記接合端部のシート前方側の端及びシート後方側の端は、前記アッパフレーム部に溶接で接合され、前記凸ビードは、前記接合端部のシート上方側の端に沿って形成されている。
【0013】
第4の態様の車両用シートのフレーム構造によれば、接合端部のシート前方側の端及びシート後方側の端が、アッパフレーム部に溶接で接合されている。これにより、接合端部のシート前方側の端及びシート後方側の端を溶接部分によって覆うことができる。また、凸ビードは、接合端部のシート上方側の端に沿って形成されている。これにより、車両の乗員等が接合端部のシート上方側の端に触れることを抑制することができる。
【0014】
第5の態様の車両用シートは、着座乗員の臀部をシート下方側から支持するシートクッション及び着座乗員の背部をシート後方側から支持するシートバックを有するシート本体と、前記シート本体の骨格を構成する一の骨格部材と、前記シート本体の骨格を構成し、前記一の骨格部材に重ねられた状態で接合される接合端部を有し、前記一の骨格部材とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビードが前記接合端部の端に沿って形成された他の骨格部材と、を備えている。
【0015】
第5の態様の車両用シートによれば、他の骨格部材の接合端部が、一の骨格部材に重ねられた状態で当該一の骨格部材に接合されている。ここで、他の骨格部材には、一の骨格部材とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビードが接合端部の端に沿って形成されている。これにより、車両の乗員等が接合端部の端に触れることが、凸ビードによって妨げられる。このように、第5の態様の車両用シートでは、車両の乗員等が一の骨格部材と他の骨格部材との接合部の端に触れることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る車両用シートのフレーム構造及び車両用シートは、車両の乗員等が一の骨格部材と他の骨格部材との接合部の端に触れることを抑制することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態の車両用シートを模式的に示す側面図である。
【
図2】シートバックフレームを前方側から見た正面図である。
【
図3】シートバックフレームにおけるアッパフレーム部とサイドフレーム部との接合部を拡大して示す正面図である。
【
図4】シートバックフレームにおけるアッパフレーム部とサイドフレーム部との接合部を上下方向及び左右方向に沿って切断した断面を示す断面図である。
【
図5】第2実施形態の車両用シートのシートバックフレームにおけるアッパフレーム部とサイドフレーム部との接合部を上下方向及び左右方向に沿って切断した断面を示す断面図である。
【
図6】第3実施形態の車両用シートのシートバックフレームにおけるアッパフレーム部とサイドフレーム部との接合部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1~
図4を用いて、本発明の実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、図中に示す矢印FR、矢印UP、矢印RH及び矢印LHは、車両用シート10に着座した乗員から見たシート前方側、上方側、右側及び左側をそれぞれ示している。以下、単に前後、上下、左右の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート上下方向の上下、シート左右方向の左右を示すものとする。また、シート左右方向は、シート幅方向と一致している。
【0019】
図1に示されるように、本実施形態の車両用シート10は、着座乗員の臀部を下方側から支持するシートクッション12と、着座乗員の背部を後方側から支持するシートバック14と、を備えている。ここで、シートクッション12及びシートバック14は、シート本体16を構成している。
【0020】
シートクッション12は、表皮材に覆われたクッションパッド18がシートクッション12の骨格を構成するクッションフレーム20に取付けられた構成となっている。このシートクッション12は、一例として車体のフロア等に固定されている。
【0021】
シートバック14は、表皮材に覆われたバックパッド22がシートバック14の骨格を構成するバックフレーム24に取付けられた構成となっている。このシートバック14は、シートクッション12の後端部(クッションフレーム20の後端部)に支持されている。シートバック14とシートクッション12との間には、図示しないリクライニング機構が設けられている。これにより、シートバック14をシートクッション12に対して傾動させることが可能となっている。
【0022】
図2に示されるように、シートバック14の骨格を構成するバックフレーム24は、当該バックフレーム24のシート上方側の部分を構成する一の骨格部材としてのアッパフレーム部26を備えている。また、バックフレーム24は、当該バックフレーム24の左右方向の両側部分を構成する左右一対のサイドフレーム部28を備えている。
【0023】
アッパフレーム部26は、鋼製の丸パイプ材に曲げ加工等が施されることにより形成されている。このアッパフレーム部26は、左右方向に伸びる第1パイプ部30を備えている。また、アッパフレーム部26は、第1パイプ部30の左右方向の両端から下方側へ向けてそれぞれ伸びると共に下方側へ向かうにつれてシート幅方向外側へ向けて傾斜している左右一対の第2パイプ部32を備えている。さらに、アッパフレーム部26は、左右一対の第2パイプ部32の下端からそれぞれ下方側へ向けて伸びる左右一対の第3パイプ部34を備えている。なお、本実施形態では、右側の第3パイプ部34の上下方向への寸法が、左側の第3パイプ部34の上下方向への寸法よりも大きな寸法となっている。
【0024】
左右一対のサイドフレーム部28は、定められた形状に切断された鋼鈑材にプレス加工等が施されることによって形成されている。ここで、右側のサイドフレーム部28と左側のサイドフレーム部28とは、上下方向への寸法が異なることを除いては互いに同様の構成となっている。また、本実施形態では、右側のサイドフレーム部28の上下方向への寸法が、左側のサイドフレーム部28の上下方向への寸法よりも小さな寸法となっている。ここで、以下においては、左側のサイドフレーム部28の構成について説明し、右側のサイドフレーム部28の構成についての説明は省略する。また、右側のサイドフレーム部28において左側のサイドフレーム部28と対応する部位には、左側のサイドフレーム部28と同じ符号を付すことにする。
【0025】
サイドフレーム部28は、上下方向に延在すると共に前後方向への寸法が上方側へ向かうにつれて次第に小さくなっている基部36を備えている。また、サイドフレーム部28は、基部36の上端におけるシート幅方向外側部分から上方側へ向けて延出している舌片状の接合端部38を備えている。
【0026】
図3に示されるように、接合端部38は、アッパフレーム部26の第3パイプ部34のシート幅方向外側の面に沿って配置されている。また、接合端部38の大部分は、アッパフレーム部26の第3パイプ部34のシート幅方向外側の面に沿って湾曲した形状となっている。そして、接合端部38は、アッパフレーム部26の第3パイプ部34のシート幅方向外側の面に重ねられた状態で第3パイプ部34のシート幅方向外側の面に溶接で接合されている。
【0027】
図3には、第3パイプ部34と接合端部38とを接合するための溶接部分40が二点鎖線で示されている。なお、溶接部分40は、溶接ビードと呼ばれる部分のことである。本実施形態では、溶接部分40は、接合端部38の前端42と第3パイプ部34との境界部分に沿って形成されている。また、図示は省略するが、溶接部分40は、接合端部38の後端と第3パイプ部34との境界部分に沿って形成されている。これらの溶接部分40の上方側の部分は、後述する凸ビード44と上下方向の同じ位置に位置している。
【0028】
ここで、接合端部38の上部46には、第3パイプ部34とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビード44が形成されている。凸ビード44における第3パイプ部34とは反対側の面は凸状に湾曲しており、凸ビード44における第3パイプ部34側の面は凹状に湾曲している。
図3及び
図4に示されるように、本実施形態では、接合端部38の上部46における前後方向の両端部46Aを除く前後方向の中間部46Bに凸ビード44が形成されている。換言すると、接合端部38の上部46における前後方向の中間部46Bのみに凸ビード44が形成され、接合端部38の上部46における前後方向の両端部46Aには凸ビード44が形成されていない構成となっている。
【0029】
ここで、接合端部38においてアッパフレーム部26の第3パイプ部34のシート幅方向外側の面と接するように配置される部分を接合端部本体48と呼ぶことにする。この場合、凸ビード44は、接合端部本体48に対して第3パイプ部34とは反対側へ向けて突出している構成といえる。
【0030】
また、本実施形態では、凸ビード44の一部が、接合端部38の上端50となっている。また、凸ビード44において接合端部38の上端50となっている部分50Aは、第3パイプ部34と離間している。
【0031】
図4には、乗員の頭部を想定したヘッドフォーム52が二点鎖線で示されている。なお、ヘッドフォーム52の直径D1は、165mmとなっている。このヘッドフォーム52を接合端部38付近に押し当てた際に、当該ヘッドフォーム52が接合端部38の上端50に当たらないように、凸ビード44の接合端部本体48からの最大突出高さH1が設定されている。なお、
図4において二点鎖線で示されたアッパフレーム部26は、ヘッドフォーム52からの荷重が入力されて変形している状態を示している。
【0032】
(本実施形態の作用並びに効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
【0033】
図3及び
図4に示されるように、本実施形態では、サイドフレーム部28の接合端部38が、アッパフレーム部26の第3パイプ部34に重ねられた状態で当該アッパフレーム部26に溶接で接合されている。ここで、サイドフレーム部28には、アッパフレーム部26とは反対側へ向けて凸状となっている凸ビード44が接合端部38の上端50に沿って形成されている。これにより、車両の乗員等が接合端部38の上端50に触れることが、凸ビード44によって妨げられる。このように、本実施形態では、車両の乗員等が接合端部38の上端50に触れることを抑制することができる。
【0034】
また、本実施形態では、接合端部38の上部46における前後方向の中間部46Bのみに凸ビード44が形成され、接合端部38の上部46における前後方向の両端部46Aには凸ビード44が形成されていない構成となっている。これにより、接合端部38の前端42と第3パイプ部34とを接合する溶接部分40の一部及び接合端部38の後端と第3パイプ部34とを接合する溶接部分40の一部を凸ビード44とを上下方向の同じ位置にすることができる。
【0035】
また、本実施形態では、凸ビード44の一部が、接合端部38の上端50となっている。これにより、車両の乗員等が接合端部38の上端50に触れることをより一層抑制することができる。また、本実施形態では、凸ビード44において接合端部38の上端50となっている部分50Aが、第3パイプ部34と離間している。この構成では、当該部分50Aを第3パイプ部34と接触する形状に形成することが不要となる。その結果、凸ビード44を有する接合端部38の成形性を良好にすることができる。
【0036】
また、本実施形態では、接合端部38の前端42及び後端が、アッパフレーム部26の第3パイプ部34に溶接で接合されている。これにより、接合端部38の前端42及び後端を溶接部分40によって覆うことができる。
【0037】
なお、本実施形態では、凸ビード44の一部が接合端部38の上端50となっていると共に、凸ビード44において接合端部38の上端50となっている部分50Aが第3パイプ部34と離間している例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図5に示された第2実施形態のように、凸ビード44が接合端部38の上端50の下方側に形成されていると共に、接合端部38の上端50付近の全体が第3パイプ部34と接触している構成としてもよい。なお、第2実施形態において前述の第1実施形態と対応する部材及び部分には、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0038】
また、本実施形態では、接合端部38の上部46における前後方向の中間部46Bのみに凸ビード44が形成され、接合端部38の上部46における前後方向の両端部46Aには凸ビード44が形成されていない構成となっている例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図6に示された第3実施形態のように、接合端部38の上部46における前後方向の全範囲に凸ビード44が形成された構成としてもよい。なお、第3実施形態において前述の第1実施形態と対応する部材及び部分には、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0039】
また、以上説明した各実施形態では、バックフレーム24のアッパフレーム部26とサイドフレーム部28との接合部分に前述の構成を適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の構成は、シート本体16の各部分における一の骨格部材と他の骨格部材との接合部分に適用することができる。
【0040】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0041】
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
16 シート本体
26 アッパフレーム部(一の骨格部材)
28 サイドフレーム部(他の骨格部材)
38 接合端部
44 凸ビード
50 接合端部の上端(接合端部の端)