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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177565
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】入力表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20231207BHJP
   G09F 13/00 20060101ALI20231207BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20231207BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G09F13/18 D
G09F13/00 R
G06F3/041 580
G06F3/044 122
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090299
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(71)【出願人】
【識別番号】591178517
【氏名又は名称】株式会社三和スクリーン銘板
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井ノ口 智章
(72)【発明者】
【氏名】高市 卓磨
(72)【発明者】
【氏名】後藤 佳秀
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA27
5C096BA01
5C096CA04
5C096CA13
5C096CA28
5C096CB01
5C096CC06
5C096CD05
5C096CD22
5C096CD37
5C096CD52
5C096FA03
5C096FA05
5C096FA11
5C096FA12
5C096FA17
5C096FA18
(57)【要約】
【課題】簡易な構成の照光表示可能な入力表示装置を得る。
【解決手段】入力表示装置10は、加飾体32が設けられたフィルム20と、フィルム20の裏面側に設けられ、フィルム20への身体の近接を検知するセンサ電極36Aと、を有し、少なくとも一部が板厚方向に透明に形成された透明部16を有する被覆体22と、被覆体22の透明部16の裏面側に設けられ、光源50を含む透明な透明樹脂44と、を備える。身体がフィルム20に触れると、身体の近接が検知される。光源50の光によって、透明樹脂44を介して、被覆体22の透明部16を光らせることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加飾体が設けられた基材と、前記基材の裏面側に設けられ、前記基材への身体の近接を検知する近接検知部と、を有し、少なくとも一部が板厚方向に透明に形成された透明部を有する被覆体と、
前記被覆体の前記透明部の裏面側に設けられ、光源を含む透明な透明樹脂と、
を備える入力表示装置。
【請求項2】
前記被覆体の裏面側から前記被覆体の板厚方向に延在した不透明な不透明樹脂を有する
請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項3】
前記不透明樹脂は、白色系で形成されている
請求項2に記載の入力表示装置。
【請求項4】
前記不透明樹脂は、少なくとも前記透明樹脂の周囲を囲うように配置されている
請求項2項に記載の入力表示装置。
【請求項5】
前記不透明樹脂は、前記透明樹脂の前記被覆体が設けられた側と反対側を覆っている
請求項2に記載の入力表示装置。
【請求項6】
前記近接検知部のセンサ電極と、前記光源の配線とは、同一部材で形成されている
請求項1に記載の入力表示装置。
【請求項7】
前記近接検知部は、前記被覆体の前記透明部の裏面側に配置された透明電極又はメッシュ電極である
請求項1に記載の入力表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加飾体が設けられた樹脂パネルを光源によって光らせる表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、光源を含む光透過樹脂と、加飾体と、照光表示可能な表示箇所を有する不透明樹脂とが一体に形成されている照光表示パネルが開示されている。
【0004】
ところで、照光表示可能な入力表示装置では、簡易な構成とすることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-67816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、簡易な構成の照光表示可能な入力表示装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様の入力表示装置は、加飾体が設けられた基材と、前記基材の裏面側に設けられ、前記基材への身体の近接を検知する近接検知部と、を有し、少なくとも一部が板厚方向に透明に形成された透明部を有する被覆体と、前記被覆体の前記透明部の裏面側に設けられ、光源を含む透明な透明樹脂と、を備える。
【0008】
本発明の第2態様の入力表示装置では、本発明の第1態様の入力表示装置において、前記被覆体の裏面側から前記被覆体の板厚方向に延在した不透明な不透明樹脂を有する。
【0009】
本発明の第3態様の入力表示装置では、本発明の第2態様の入力表示装置において、前記不透明樹脂は、白色系で形成されている。
【0010】
本発明の第4態様の入力表示装置では、本発明の第2態様又は第3態様の入力表示装置において、前記不透明樹脂は、少なくとも前記透明樹脂の周囲を囲うように配置されている。
【0011】
本発明の第5態様の入力表示装置では、本発明の第2態様から第4態様のいずれか1つの入力表示装置において、前記不透明樹脂は、前記透明樹脂の前記被覆体が設けられた側と反対側を覆っている。
【0012】
本発明の第6態様の入力表示装置では、本発明の第1態様から第5態様のいずれか1つの入力表示装置において、前記近接検知部のセンサ電極と、前記光源の配線とは、同一部材で形成されている。
【0013】
本発明の第7態様の入力表示装置では、本発明の第1態様から第6態様のいずれか1つの入力表示装置において、前記近接検知部は、前記被覆体の前記透明部の裏面側に配置された透明電極又はメッシュ電極である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1態様の入力表示装置では、基材への身体の近接を検知する近接検知部を有する被覆体を備えることで、身体が基材に近接すると、身体の近接が検知される。また、被覆体の透明部の裏面側に設けられ、光源を含む透明な透明樹脂を備えることで、光源の光によって、透明樹脂を介して、被覆体の透明部を光らせることができる。そのため、簡易な構成の照光表示可能な入力表示装置とすることができる。
【0015】
本発明の第2態様の入力表示装置では、被覆体の裏面側から被覆体の板厚方向に延在した不透明な不透明樹脂を有することで、不透明樹脂によって、光源からの光が遮光される。そのため、光源からの光によって、狙いの透明部を光らせ、他の場所を光らせないようにすることができる。その結果、簡易な構成で、光漏れを抑制することができる。
【0016】
本発明の第3態様の入力表示装置では、不透明樹脂は、白色系で形成されることで、黒色で形成される場合と比較して、光源からの光が反射される。そのため、光源からの光によって、被覆体の透明部をより光らせることができる。
【0017】
本発明の第4態様の入力表示装置では、不透明樹脂は、透明樹脂の周囲を囲うように配置されていることで、不透明樹脂によって、光源の周囲が囲まれる。そのため、不透明樹脂によって、光源からの光が遮光される。その結果、簡易な構成で、光漏れを抑制することができる。
【0018】
本発明の第5態様の入力表示装置では、不透明樹脂は、透明樹脂の被覆体が設けられた側と反対側を覆っていることで、不透明樹脂によって、光源からの光が透明樹脂の被覆体が設けられた側と反対側に漏れることが抑制される。そのため、簡易な構成で、光漏れをより抑制することができる。
【0019】
本発明の第6態様の入力表示装置では、近接検知部のセンサ電極と、光源の配線とは、同一部材で形成されていることで、製造時に同一の工程で近接検知部のセンサ電極と、光源の配線とが製造される。そのため、工程を短縮して製造することができる。
【0020】
本発明の第7態様の入力表示装置では、近接検知部は、透明電極又はメッシュ電極とすることで、被覆体の透明部の裏面側に配置しても、光源からの光によって透明部を光らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る入力表示装置を示す平面図である。
図2】第1実施形態に係る入力表示装置を示す背面図である。
図3】第1実施形態に係る入力表示装置を示す断面図であり、図2のA-A断面を示す。
図4】第1実施形態に係る入力表示装置の配線層を示す平面図である。
図5】第1実施形態に係る入力表示装置の製造工程を説明する図であり、図5(A)は、被覆体を示す断面図であり、図5(B)は、1次成形品を示す断面図である。
図6】第1実施形態に係る入力表示装置の製造工程を説明する図であり、図6(A)は、電子部品取付品を示す断面図であり、図6(B)は、2次成形品を示す断面図である。
図7】別の実施形態に係る入力表示装置を示す断面図である。
図8】別の実施形態に係る入力表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔第1実施形態〕
以下、第1実施形態に係る入力表示装置10について、図面を参照して説明する。第1実施形態では、入力表示装置10を、車室内に設けられる内装部品としてのヒータコントロールパネルとする例について説明する。
【0023】
なお、各図において、矢印Dは、入力表示装置10の厚さ方向Dを示している。厚さ方向Dの一方側は、入力表示装置10の表面側(意匠面側)を示し、他方側は、入力表示装置10の裏面側を示している。
【0024】
[入力表示装置の構成]
第1実施形態に係る入力表示装置10は、車室内の内装部品としてのインストルメントパネルの車両幅方向中央に設けられている。図1に示すように、入力表示装置10は、装置本体14と、装置本体14の車両幅方向両側に設けられたダイヤル操作部12と、を備えている。
【0025】
装置本体14の表面には、複数(第1実施形態では、4つ)の表示部としての透明部16が形成されている。透明部16は、空調装置の操作を示すマークとして形成され、例えば、空調装置の風量調整操作を示す風量調整マークや、コンプレッサの駆動・停止操作を示すA/Cマークとすることができる。
【0026】
図2及び図3に示すように、装置本体14は、樹脂体40と、樹脂体40の表面側を覆う被覆体22と、電子部品としての光源50と、電子部品としてのFPC(Flexible printed circuits)54と、を備えている。
【0027】
<被覆体22>
図3に示すように、被覆体22は、基材としてのフィルム20と、印刷体30と、を備えている。
【0028】
(フィルム20)
フィルム20は、例えば、透明なポリカーボネートとすることができる。フィルム20の表面は、入力表示装置10の意匠面10Aを構成する。
【0029】
(印刷体30)
印刷体30は、フィルム20の裏面に印刷されることで配置されている。印刷体30は、加飾体32と、アンダー層34と、配線層36と、バインダ層38と、を備えている。
【0030】
加飾体32は、印刷体30の表面を構成している。加飾体32は、色彩、図形、写真等の公知の技術による加飾とすることができる。
【0031】
アンダー層34は、加飾体32の裏面に配置される接着層である。アンダー層34は、加飾体32と配線層36との間に介在されて、加飾体32と配線層36とを接着する。
【0032】
配線層36は、アンダー層34の裏面に配置されている。配線層36には、導電性ペースト(例えば、銀粒子)によって所定の配線パターンが形成された微細配線とすることができる。
【0033】
図4に示すように、配線層36の各透明部16に対応する位置に、センサ電極36Aと、グランド電極36Bと、が導電性ペーストによって形成されている。また、配線層36には、光源50の配線36Cと、センサ電極36Aの配線36Dと、グランド電極36Bの配線36Eと、が導電性ペーストによって形成されている。
【0034】
センサ電極36Aは、各透明部16の周囲を囲うように配置されている。センサ電極36Aは、メッシュ状に形成されても、ベタ状に形成されてもよい。センサ電極36Aは、身体の接近を静電容量の変化に基づいて検出するようになっている。すなわち、センサ電極36Aは、各透明部16への身体の接近を検知する近接検知部を構成する。センサ電極36Aの検知情報に基づいて、空調装置に対して操作指示が与えられるようになっている。
【0035】
グランド電極36Bは、センサ電極36Aの周囲に配置されている。グランド電極36Bは、メッシュ状に形成されても、ベタ状に形成されてもよい。グランド電極36Bがセンサ電極36Aの周囲に配置されることで、センサ電極36Aの検知する静電容量のノイズを抑制することができる。
【0036】
光源50の配線36Cと、センサ電極36Aの配線36Dと、グランド電極36Bの配線36Eとは、FPC54に接続されている。
【0037】
図3に示すように、バインダ層38は、配線層36の裏面に配置される接着層である。バインダ層38は、配線層36と不透明樹脂42との間に介在されて、配線層36と不透明樹脂42とを接着する。透明部16においては、バインダ層38は、アンダー層34と透明樹脂44との間に介在されて、フィルム20と透明樹脂44とを接着する。
【0038】
被覆体22は、透明部16において、加飾体32及び配線層36が形成されておらず、厚さ方向(板厚方向)Dに透明に形成されている。
【0039】
<樹脂体40>
図3に示すように、樹脂体40は、不透明樹脂42と、透明樹脂44と、を備えている。
【0040】
(不透明樹脂42)
不透明樹脂42は、被覆体22の裏面側から厚さ方向Dに延在し、不透明な樹脂で形成されている。
【0041】
図2及び図3に示すように、不透明樹脂42は、透明部16に対応する位置と、装置本体14の幅方向中央部と、に開口42Aを備えている。開口42Aは、板厚方向(厚さ方向D)に貫通して形成されている。言い換えると、不透明樹脂42は、厚さ方向Dに直交する方向において、透明樹脂44の周囲を囲うように配置されている。不透明樹脂42は、黒色と比較して高い光反射率の白色系の樹脂とすることができる。
【0042】
不透明樹脂42は、被覆体22をインサート品として、インサート成形することで、被覆体22と一体に形成される樹脂である。被覆体22と不透明樹脂42とが一体となって形成された成形品は、1次成形品14Aを構成する(図5(B)参照)。
【0043】
(透明樹脂44)
透明樹脂44は、透明な樹脂で形成されている。図3に示すように、透明樹脂44は、透明部16に対応する位置と、装置本体14の幅方向中央部と、に設けられている。透明樹脂44は、1次成形品14Aの開口42Aを埋めるように形成されている。透明樹脂44には、光源50が埋設されている。また、透明樹脂44には、FPC54の一端部が埋設されている。FPC54の一端部が透明樹脂44に埋設されることで、FPC54の接続強度を高くすることができる。
【0044】
透明樹脂44は、後述する電子部品取付品14B(図6(A)参照)をインサート品として、インサート成形することで、電子部品取付品14Bと一体に形成される樹脂である。電子部品取付品14Bと透明樹脂44とが一体となって形成された成形品は、2次成形品である装置本体14を構成する。
【0045】
<光源50>
図3に示すように、光源50は、透明樹脂44の内部に配置されている。光源50は、例えば、LED(Light Emitting Diode)とすることができる。光源50は、導電性接着剤52によって、配線層36に取り付けられている。
【0046】
光源50は、厚さ方向Dに直交する幅方向において、透明部16と異なる位置に配置されている。光源50は、厚さ方向Dにおいて、被覆体22の透明部16と重ならない位置に配置されている。光源50は、厚さ方向Dに直交する幅方向に向けて発光するようになっている。
【0047】
<FPC54>
図2及び図4に示すように、FPC54の一端部は、不透明樹脂42の、装置本体14の幅方向中央部に設けられた開口42Aを介して、配線層36に接続されている。FPC54は、開口42Aに挿入されて、FPC54の一端部が、導電性接着剤によって、配線層36に取り付けられている。FPC54の他端部は、外部の電子部品に接続されている。
【0048】
[装置本体の成形方法]
装置本体14は、印刷工程と、1次成形工程と、電子部品取付工程と、2次成形工程と、を経て成形される。
【0049】
(印刷工程)
図5(A)に示すように、印刷工程では、フィルム20に印刷体30を印刷して、被覆体22を形成する。なお、必要に応じて、被覆体22を、金型にインサート可能な立体形状に賦形(加工)してもよい。また、必要に応じて、被覆体22の不要部分を切り取ってもよい。
【0050】
(1次成形工程)
図5(B)に示すように、1次成形工程では、被覆体22を金型にセットして、インサート成形して、1次成形品14Aを形成する。
【0051】
(電子部品取付工程)
図6(A)に示すように、電子部品取付工程では、1次成形品14Aに光源50及びFPC54を取り付けて電子部品取付品14Bを形成する。
【0052】
(2次成形工程)
図6(B)に示すように、2次成形工程では、電子部品取付品14Bを金型にセットして、インサート成形して、2次成形品である装置本体14を形成する。これにより、光源50とFPC54の一端部とが透明樹脂44に同じタイミングで埋設される。
【0053】
[第1実施形態の作用]
第1実施形態の入力表示装置10は、加飾体32が設けられたフィルム20と、フィルム20の裏面側に設けられ、フィルム20への身体の近接を検知するセンサ電極36Aと、を有し、少なくとも一部が板厚方向に透明に形成された透明部16を有する被覆体22と、被覆体22の透明部16の裏面側に設けられ、光源50を含む透明な透明樹脂44と、を備える(図3参照)。
【0054】
フィルム20への身体の近接を検知するセンサ電極36Aを有する被覆体22を備えることで、身体がフィルム20に近接すると、身体の近接が検知される。また、被覆体22の透明部16の裏面側に設けられ、光源50を含む透明な透明樹脂44を備えることで、光源50の光によって、透明樹脂44を介して、被覆体22の透明部16を光らせることができる。そのため、簡易な構成の照光表示可能な入力表示装置10とすることができる。
【0055】
第1実施形態の入力表示装置10では、被覆体22の裏面側から被覆体22の板厚方向に延在した不透明な不透明樹脂42を有する(図3参照)。
【0056】
被覆体22の裏面側から被覆体22の板厚方向に延在した不透明な不透明樹脂42を有することで、不透明樹脂42によって、光源50からの光が遮光される。そのため、光源50からの光によって、狙いの透明部16を光らせ、他の場所を光らせないようにすることができる。その結果、簡易な構成で、光漏れを抑制することができる。
【0057】
第1実施形態の入力表示装置10では、不透明樹脂42は、白色系で形成されている。
【0058】
不透明樹脂42は、白色系で形成されることで、黒色で形成されている場合と比較して、光源50からの光が反射される。そのため、光源50からの光によって、被覆体22の透明部16をより光らせることができるとともに、入力表示装置10が高温化することが抑制される。
【0059】
第1実施形態の入力表示装置10では、不透明樹脂42は、少なくとも透明樹脂44の周囲を囲うように配置されている(図3参照)。
【0060】
不透明樹脂42は、透明樹脂44の周囲を囲うように配置されていることで、不透明樹脂42によって、光源50の周囲が囲まれる。そのため、不透明樹脂42によって、光源50からの光が遮光される。その結果、簡易な構成で、光漏れを抑制することができる。
【0061】
第1実施形態の入力表示装置10では、センサ電極36Aと、光源50の配線36Cとは、同一部材で形成されている(図4参照)。
【0062】
センサ電極36Aと、光源50の配線36Cとは、同一部材で形成されていることで、製造時に同一の工程でセンサ電極36Aと、光源50の配線36Cとが製造される。そのため、工程を短縮して製造することができる。また、センサ電極36Aと、光源50の配線36Cとを同一の配線層に形成することで、装置の薄型化を図ることができる。
【0063】
〔第2実施形態〕
第2実施形態の入力表示装置は、不透明樹脂の構成が異なる点で、第1実施形態の入力表示装置と相違する。なお、第1実施形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同様の用語又は同様の符号を用いて説明する。
【0064】
[構成]
図7(A)に示すように、第2実施形態の入力表示装置の装置本体114の樹脂体140は、不透明な樹脂で形成された不透明樹脂142と、透明な樹脂で形成された透明樹脂144と、を備えている。
【0065】
不透明樹脂142は、厚さ方向Dに直交する方向において、透明樹脂144の周囲を囲うと共に、透明樹脂144の被覆体22が設けられた側と反対側を覆っている。言い換えると、不透明樹脂142は、透明樹脂144の側面と下面を覆っている。
【0066】
被覆体22に光源50及びFPC54を取り付けた電子部品取付品をインサート品として、インサート成形(1次成形)することで、透明樹脂144が被覆体22及び電子部品に一体に形成される。次に、透明樹脂144、被覆体22及び電子部品とが一体に成形された1次成形品をインサート品として、インサート成形(2次成形)することで、不透明樹脂142が、透明樹脂144、被覆体22及び電子部品に一体に形成され、装置本体114が成形される。
【0067】
[作用]
第2実施形態の入力表示装置では、不透明樹脂142は、透明樹脂144の被覆体22が設けられた側と反対側を覆っている。
【0068】
不透明樹脂142は、透明樹脂144の被覆体22が設けられた側と反対側を覆っていることで、不透明樹脂142によって、光源50からの光が透明樹脂144の被覆体22が設けられた側と反対側に漏れることが抑制される。そのため、簡易な構成で、光漏れをより抑制することができる。しかも、不透明樹脂142によって、光源からの光が反射される。そのため、光源50の光によって、被覆体22の透明部16をより光らせることができる。
【0069】
なお、他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0070】
〔第3実施形態〕
第3実施形態の入力表示装置は、近接検知部の構成が異なる点で、第1実施形態の入力表示装置と相違する。なお、第1実施形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同様の用語又は同様の符号を用いて説明する。
【0071】
[構成]
図7(B)に示すように、第3実施形態の入力表示装置の装置本体214は、透明電極236を備えている。透明電極236は、被覆体22の透明部16の裏面側に設けられている。透明電極236は、透明な電極であり、光を透過する。
【0072】
光源50は、導電性接着剤52によって、透明電極236の裏面側に取り付けられている。光源50は、厚さ方向Dの表面側に向けて発光するように設けることができる。なお、光源は、厚さ方向Dに直交する幅方向に向けて発光するようにしてもよいし、厚さ方向Dの裏面側に向けて発光するようにしてもよい。
【0073】
[作用]
第3実施形態の入力表示装置では、被覆体22の透明部16の裏面側に配置された透明電極236を備える(図7(B)参照)。
【0074】
ところで、センサ電極が不透明な電極である場合、光源50からの光によって透明部16を光らせるために、透明部16を避けるようにセンサ電極を配置する必要がある。
【0075】
透明電極236とすることで、透明電極236を被覆体22の透明部16の裏面側に配置しても、光源50からの光によって透明部16を光らせることができる。
【0076】
しかも、被覆体22の透明部16に身体が近接した際に、身体が透明電極236により接近する。そのため、透明電極236による検知精度を向上させることができる。
【0077】
なお、透明電極236に代えて、微細な配線で形成されたメッシュ電極とすることもできる。この場合、メッシュ電極を被覆体22の透明部16の裏面側に配置しても、光源50からの光によって透明部16を光らせることができる。
【0078】
なお、他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0079】
〔第4実施形態〕
第4実施形態の入力表示装置は、被覆体の構成が異なる点で、第1実施形態の入力表示装置と相違する。なお、第1実施形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同様の用語又は同様の符号を用いて説明する。
【0080】
図8に示すように、第4実施形態の入力表示装置の装置本体314では、被覆体322は、基材としてのフィルム20と、第1印刷体330Aと、第2印刷体330Bと、を備えている。
【0081】
第1印刷体330Aは、フィルム20の裏面に印刷されることで配置されている。第1印刷体330Aは、フィルム20の裏面に設けられたアンダー層34と、アンダー層34の裏面に設けられた配線層36と、配線層36の裏面に設けられたバインダ層38と、を備えている。
【0082】
第2印刷体330Bは、フィルム20の表面に印刷されることで配置されている。第2印刷体330Bは、フィルムの表面に設けられた加飾体32と、加飾体32の表面に設けられたトップコート層39と、を備えている。
【0083】
このような構成であっても、簡易な構成の照光表示可能な入力表示装置とすることができる。また、簡易な構成で、光漏れを抑制することができる。なお、他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0084】
以上、本発明の入力表示装置を、第1実施形態から第4実施形態に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更などは許容される。
【0085】
第1実施形態から第4実施形態では、光源50を各透明部16に1つ設ける例を示した。しかし、光源は、各透明部に2つ以上設けてもよい。
【0086】
第1実施形態から第4実施形態では、不透明樹脂を白色系とする例を示した。しかし、不透明樹脂としては、白色系に限定されるものではない。
【0087】
第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態では、センサ電極36Aと、光源50の配線36Cとは、同じ配線層36に設けられる例を示した。しかし、センサ電極と、光源50の配線36Cとは、異なる配線層に設けられてもよい。
【0088】
第1実施形態から第4実施形態では、不透明樹脂は、内壁が矩形に形成されて、光源50の周囲を囲うように形成される例を示した。しかし、不透明樹脂の形状は、この態様に限定されず、内壁が円形であっても多角形であってもよい。
【0089】
第1実施形態から第4実施形態では、被覆体は、透明部16において、加飾体32及び配線層36が形成されておらず、厚さ方向(板厚方向)Dに透明に形成されている例を示した。しかし、被覆体は、透明部において、加飾体を設けてもよい。この場合、透明部における加飾体は、微細な孔を複数形成した透過加飾とすることができる。
【0090】
第1実施形態から第4実施形態では、透明樹脂は、透明部16に対応する位置と、装置本体14の幅方向中央部とに設けられる例を示した。しかし、装置本体の幅方向中央部には、不透明樹脂が設けられてもよい。
【0091】
第1実施形態から第4実施形態では、樹脂体は、透明樹脂と不透明樹脂とを有する例を示した。しかし、樹脂体は、不透明樹脂を有していなくてもよい。
【0092】
第1実施形態から第4実施形態では、基材は、フィルム20として形成される例を示した。しかし、基材は、フィルムに限定されるものではなく、他の部品(例えば、樹脂や表皮)とすることができる。
【0093】
第1実施形態から第4実施形態では、入力表示装置は、車室内に設けられる内装部品としてのヒータコントロールパネルとする例を示した。しかし、入力表示装置は、他の内装部品としてもよいし、車両用部品(例えば、エンブレム)としてもよいし、家電製品としてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10・・・入力表示装置、16・・・透明部、22・・・被覆体、20・・・フィルム(基材の一例)、32・・・加飾体、36A・・・センサ電極(近接検知部の一例)、42・・・不透明樹脂、44・・・透明樹脂、236・・・透明電極
図1
図2
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図7
図8