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特開2023-177595情報処理装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177595
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
G06F3/12 356
G06F3/12 304
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090336
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】粟津 優作
(57)【要約】
【課題】本開示は、画像データが印刷された印刷物を裁断して、印刷物の一部を対象物に貼り付ける場合に、印刷物の裁断箇所をユーザに把握させることを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像データを取得し、取得した前記画像データが示す画像内の裁断対象となる裁断対象物の形状と、前記画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる貼付対象物の形状とを特定し、前記貼付対象物に前記裁断対象物を重ねて表示し、前記貼付対象物及び前記裁断対象物が重なった重畳状態における前記裁断対象物の形状と前記貼付対象物の形状との関係から定まる、前記印刷物の裁断箇所を付加して前記画像データを印刷する制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画像データを取得し、
取得した前記画像データが示す画像内の裁断対象となる裁断対象物の形状と、前記画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる貼付対象物の形状とを特定し、
前記貼付対象物に前記裁断対象物を重ねて表示し、
前記貼付対象物及び前記裁断対象物が重なった重畳状態における前記裁断対象物の形状と前記貼付対象物の形状との関係から定まる、前記印刷物の裁断箇所を付加して前記画像データを印刷する制御を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記関係として、前記重畳状態において、前記貼付対象物の形状内に前記裁断対象物の形状が収まる第1関係、前記裁断対象物の形状内に前記貼付対象物の形状が収まる第2関係、又は、前記貼付対象物の形状内に前記裁断対象物が収まる部分と収まらない部分とを有する第3関係のそれぞれから定まる前記裁断箇所を付加する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記関係が前記第1関係である場合、前記裁断箇所として、前記裁断対象物の形状に沿った1つの切り取り線を前記画像データに付加する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記関係が前記第2関係である場合、前記裁断箇所として、前記貼付対象物の形状に沿った1つの切り取り線を前記画像データに付加する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記関係が前記第3関係である場合、前記裁断箇所として、前記裁断対象物又は前記貼付対象物の形状に沿った1つの切り取り線、又は前記裁断対象物及び前記貼付対象物のそれぞれの形状に沿った2つの切り取り線を前記画像データに付加する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
2つの切り取り線を前記画像データに付加する場合、それぞれの切り取り線の表示態様を異ならせる、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
取得した前記画像データから前記裁断対象物の候補となる裁断対象候補を複数提示し、
提示した複数の前記裁断対象候補の中からユーザによる前記裁断対象物の選択を受付ける、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記裁断対象候補は、前記画像データが示す画像全体、及び前記画像データが示す画像から抽出された物体を含んで構成される、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータに、
画像データを取得し、
取得した前記画像データが示す画像内の裁断対象となる裁断対象物の形状と、前記画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる貼付対象物の形状とを特定し、
前記貼付対象物に前記裁断対象物を重ねて表示し、
前記貼付対象物及び前記裁断対象物が重なった重畳状態における前記裁断対象物の形状と前記貼付対象物の形状との関係から定まる、前記印刷物の裁断箇所を付加して前記画像データを印刷する制御を行う、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、物体に貼り付けるための印刷物など、物体の表面に載せられる候補画像を編集する操作の操作性を向上させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6207211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像データが印刷された印刷物を裁断して、印刷物の一部を対象物に貼り付けたい場合がある。従来、対象物に画像データを重ねて表示し、印刷物の一部を対象物に貼り付けた場合の完成イメージをユーザに把握させる技術がある。しかし、この技術では、画像データが印刷された印刷物については考慮されておらず、完成イメージ通りに当該印刷物をユーザが裁断することは難しく、改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、画像データが印刷された印刷物を裁断して、印刷物の一部を対象物に貼り付ける場合に、印刷物の裁断箇所をユーザに把握させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、画像データを取得し、取得した前記画像データが示す画像内の裁断対象となる裁断対象物の形状と、前記画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる貼付対象物の形状とを特定し、前記貼付対象物に前記裁断対象物を重ねて表示し、前記貼付対象物及び前記裁断対象物が重なった重畳状態における前記裁断対象物の形状と前記貼付対象物の形状との関係から定まる、前記印刷物の裁断箇所を付加して前記画像データを印刷する制御を行う。
【0007】
第2の態様の情報処理装置は、第1の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記関係として、前記重畳状態において、前記貼付対象物の形状内に前記裁断対象物の形状が収まる第1関係、前記裁断対象物の形状内に前記貼付対象物の形状が収まる第2関係、又は、前記貼付対象物の形状内に前記裁断対象物が収まる部分と収まらない部分とを有する第3関係のそれぞれから定まる前記裁断箇所を付加する。
【0008】
第3の態様の情報処理装置は、第2の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記関係が前記第1関係である場合、前記裁断箇所として、前記裁断対象物の形状に沿った1つの切り取り線を前記画像データに付加する。
【0009】
第4の態様の情報処理装置は、第2の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記関係が前記第2関係である場合、前記裁断箇所として、前記貼付対象物の形状に沿った1つの切り取り線を前記画像データに付加する。
【0010】
第5の態様の情報処理装置は、第2の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、前記関係が前記第3関係である場合、前記裁断箇所として、前記裁断対象物又は前記貼付対象物の形状に沿った1つの切り取り線、又は前記裁断対象物及び前記貼付対象物のそれぞれの形状に沿った2つの切り取り線を前記画像データに付加する。
【0011】
第6の態様の情報処理装置は、第5の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、2つの切り取り線を前記画像データに付加する場合、それぞれの切り取り線の表示態様を異ならせる。
【0012】
第7の態様の情報処理装置は、第1の態様の情報処理装置であって、前記プロセッサは、取得した前記画像データから前記裁断対象物の候補となる裁断対象候補を複数提示し、提示した複数の前記裁断対象候補の中からユーザによる前記裁断対象物の選択を受付ける。
【0013】
第8の態様の情報処理装置は、第7の態様の情報処理装置であって、前記裁断対象候補は、前記画像データが示す画像全体、及び前記画像データが示す画像から抽出された物体を含んで構成される。
【0014】
第9の態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、画像データを取得し、取得した前記画像データが示す画像内の裁断対象となる裁断対象物の形状と、前記画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる貼付対象物の形状とを特定し、前記貼付対象物に前記裁断対象物を重ねて表示し、前記貼付対象物及び前記裁断対象物が重なった重畳状態における前記裁断対象物の形状と前記貼付対象物の形状との関係から定まる、前記印刷物の裁断箇所を付加して前記画像データを印刷する制御を行う、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
第1及び第9の態様によれば、画像データが印刷された印刷物を裁断して、印刷物の一部を対象物に貼り付ける場合に、印刷物の裁断箇所をユーザに把握させることができる。
【0016】
第2の態様によれば、重畳状態における貼付対象物の形状と裁断対象物の形状との位置関係に応じた裁断箇所が付加された画像データを印刷することができる。
【0017】
第3の態様によれば、裁断対象物の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0018】
第4の態様によれば、貼付対象物の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0019】
第5の態様によれば、裁断対象物及び貼付対象物の双方の形状に沿って、又は、裁断対象物若しくは貼付対象物の一方の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0020】
第6の態様によれば、2つの切り取り線の表示態様が共通する場合に比べて、それぞれの切り取り線をユーザが容易に把握することができる。
【0021】
第7の態様によれば、画像データから裁断対象物をユーザが決定することができる。
【0022】
第8の態様によれば、裁断対象物を、画像データが示す画像の全体又は一部に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】情報処理装置の外観の一例を示す図である。
図2】情報処理装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】情報処理装置による印刷処理の流れを示すフローチャートである。
図4】情報処理装置の表示部に表示される第1の表示例である。
図5】情報処理装置の表示部に表示される第2の表示例である。
図6】重畳表示の第1の表示例である。
図7】情報処理装置の表示部に表示される第3の表示例である。
図8】重畳表示の第2の表示例である。
図9】情報処理装置の表示部に表示される第4の表示例である。
図10】重畳表示の第3の表示例である。
図11】情報処理装置の表示部に表示される第5の表示例である。
図12】情報処理装置の表示部に表示される第6の表示例である。
図13】情報処理装置の表示部に表示される第7の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本実施形態に係る情報処理装置10について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置10の外観の一例を示す図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、撮影部18と、投影部19と、印刷部20と、を備えている。撮影部18及び投影部19は、印刷部20の上方に一体的に設けられている。印刷部20には、情報処理装置10の制御装置(図示省略)が内蔵されている。印刷部20の上面には載置面(ステージ)30が設けられている。載置面30は、貼付対象物40を載置するための台である。ここでいう貼付対象物40とは、画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる実空間における物体を意味し、仮想空間における物体は除外される。また、貼付対象物40は、平面を有しており、当該平面部分に印刷物を貼り付けることができる構成である。図1の貼付対象物40は、一例として、「うちわ」である。
【0026】
撮影部18は、例えば、カメラ、好ましくは、書画カメラであり、載置面30上に載置された貼付対象物40を連続的に撮影する。また、撮影部18は、載置面30上にかざされたユーザの手を連続的に撮影する。
【0027】
投影部19は、例えば、プロジェクタ、好ましくは、単焦点プロジェクタであり、載置面30上に載置された貼付対象物40に対してユーザにより選択された画像データを投影する。
【0028】
印刷部20は、例えば、インクジェット方式、又は電子写真方式等のプリンタであり、貼付対象物40に投影した画像データを用紙等の記録媒体に印刷する。なお、情報処理装置10は、上記のプリント機能に加えて、スキャン機能及びコピー機能等を有していてもよい。
【0029】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インタフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、外部インタフェース(外部I/F)17と、撮影部18と、投影部19と、印刷部20と、近距離通信部21と、を備えている。CPU11は、プロセッサの一例である。
【0030】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、外部I/F17と、撮影部18と、投影部19と、印刷部20と、近距離通信部21と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされている。
【0031】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって、上記した情報処理装置10の制御装置が構成される。当該制御装置は、情報処理装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、情報処理装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。当該制御装置の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御装置の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0032】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る印刷処理を少なくとも実行するための情報処理プログラム15Aが記憶される。なお、この情報処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。
【0033】
情報処理プログラム15Aは、例えば、情報処理装置10に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、情報処理装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、又はメモリカード等が想定される。
【0034】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有している。表示部16は、例えば、載置面30の一部に設けられる。表示部16は、操作パネルとして、情報処理装置10のユーザから各種の指示を受け付ける。また、表示部16は、ユーザから受け付けた指示に応じて実行された処理の結果や、処理に対する通知等の各種の情報を表示する。
【0035】
外部I/F17は、ユーザが持参するUSB(Universal Serial Bus)メモリ又はメモリカード等の可搬型記憶媒体と接続し、この可搬型記憶媒体に記憶されている画像データを情報処理装置10に入力する。
【0036】
撮影部18は、上述したように、例えば、カメラ、好ましくは、書画カメラであり、載置面30上に載置された貼付対象物40を連続的に撮影する。また、撮影部18は、載置面30上にかざされたユーザの手を連続的に撮影する。
【0037】
投影部19は、上述したように、例えば、プロジェクタ、好ましくは、単焦点プロジェクタであり、載置面30上に載置された貼付対象物40に対してユーザにより選択された画像データを投影する。
【0038】
印刷部20は、上述したように、例えば、インクジェット方式、電子写真方式等のプリンタであり、貼付対象物40に投影した画像データを記録媒体に印刷する。
【0039】
画像を形成する方式が電子写真方式の場合、印刷部20は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置を含んでいる。帯電装置は、感光体ドラムに電圧を印加して感光体ドラムの表面を帯電させる。露光装置は、帯電装置で帯電された感光体ドラムを画像データに応じた光で露光することにより感光体ドラムに静電潜像を形成する。現像装置は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像することで感光体ドラムにトナー像を形成する。転写装置は、感光体ドラムに形成されたトナー像を用紙に転写する。定着装置は、用紙に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる。
【0040】
近距離通信部21は、ユーザが持参する携帯端末(例えば、スマートフォン等)との間で近距離無線通信を行い、この携帯端末に記憶されている画像データを情報処理装置10に入力する。近距離通信部21には、例えば、NFC(Near Field Communication)、又はBluetooth(登録商標)等が適用される。NFCとは、13.56MHzの周波数を利用する通信距離10cm程度の近距離無線通信技術である。
【0041】
ここで、本実施形態に係る情報処理装置10は、貼付対象物40に貼り付ける印刷物の裁断箇所をユーザに把握させる機能を備えている。以下、図3に示すフローチャートを用いて、情報処理装置10の当該機能について説明する。
【0042】
図3は、情報処理装置10による印刷物の裁断箇所を付加して画像データを印刷する印刷処理の流れを示すフローチャートである。CPU11が記憶部15から情報処理プログラム15Aを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、印刷処理が行われる。
【0043】
図3に示すステップS10において、CPU11は、ユーザが持参した可搬型記憶媒体又は携帯端末から入力された画像データを取得する。CPU11は、取得した画像データを表示部16に表示する。そして、ステップS11に進む。
【0044】
ステップS11において、CPU11は、ステップS10で表示部16に表示した画像データの中からユーザにより選択された画像データを解析する。CPU11は、画像データの解析として、公知のオブジェクト抽出処理及び輪郭線抽出処理等を実行して画像データが示す画像内の物体を抽出する。その後、CPU11は、画像データが示す画像全体及び当該画像から抽出された物体を表示部16に表示する。そして、ステップS12に進む。
【0045】
ここで、CPU11は、ユーザの操作に従った画像データを選択する。CPU11は、ユーザの操作として、載置面30上にかざされたユーザの手を撮影部18が撮影した画像を解析することで、ユーザの手によるジェスチャ操作を検出する。本実施形態では、ジェスチャ操作のパターンが複数設けられており、CPU11が検出したパターンに応じた処理が実行される。なお、ジェスチャ操作のパターンと情報処理装置10の処理内容との組合せは、記憶部15に記憶されている。そして、CPU11は、ステップS11において、予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、当該ジェスチャ操作に基づく画像データを選択し、解析する。
【0046】
ステップS12において、CPU11は、ステップS11で表示部16に表示した画像データが示す画像全体及び当該画像から抽出された物体の中から、裁断対象となる裁断対象物のユーザによる選択を受付ける。CPU11は、ステップS12において、予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、当該ジェスチャ操作に基づく裁断対象物を選択する。ユーザにより裁断対象物が選択されることで、裁断対象物の形状が、画像データが示す画像の全体であるか一部であるかが特定される。そして、ステップS13に進む。なお、裁断対象物の形状は「裁断対象物の輪郭」ともいえる。
【0047】
ステップS13において、CPU11は、載置面30上に載置された貼付対象物40を検出したか否かを判定し、貼付対象物40を検出したと判定した場合(ステップS13:YES)はステップS14に進む。一方、CPU11により貼付対象物40を検出したと判定されない場合(ステップS13:NO)は、貼付対象物40を検出するまで待機する。一例として、CPU11は、予め用意しておいた載置面30上に何も載置されていない状態の画像と、ステップS12で裁断対象物の選択を受付けた後に撮影部18が撮影した画像とを比較し、差分があった場合に貼付対象物40を検出したと判定する。なお、これに代えて又は加えて、CPU11は、撮影部18が撮影した画像に対して公知のオブジェクト抽出処理を実行し、1以上の物体が抽出された場合に貼付対象物40を検出したと判定してもよい。
【0048】
また、CPU11は、ステップS13の前提として、載置面30上に貼付対象物40を載置することを、表示部16への表示又は音声出力等を用いてユーザに指示してもよい。このとき、CPU11は、載置面30上における貼付対象物40の載置位置(例:中央)を併せてユーザに指示してもよい。
【0049】
ステップS14において、CPU11は、ステップS13で検出した貼付対象物40の画像を解析する。CPU11は、画像の解析として、公知のオブジェクト抽出処理及び輪郭線抽出処理等を実行して貼付対象物40の形状を特定する。そして、ステップS15に進む。なお、貼付対象物40の形状は「貼付対象物40の輪郭」ともいえる。
【0050】
ステップS15において、CPU11は、載置面30上に載置された貼付対象物40に、ステップS12で選択された裁断対象物を重ねて表示(以下、「重畳表示」)する。一例として、CPU11は、投影部19を制御し、載置面30上に載置された貼付対象物40に対して、ステップS12で選択された裁断対象物の画像データを投影する。この場合、CPU11により投影される画像データの寸法は、印刷物に印刷される寸法と等しい。そして、ステップS16に進む。なお、投影部19は、予め定めた投影位置(例:載置面30の中央)に裁断対象物の画像データを投影してもよいし、載置面30上における貼付対象物40の載置位置に合わせて裁断対象物の画像データを投影してもよい。
【0051】
ステップS16において、CPU11は、ステップS15で貼付対象物40に投影した裁断対象物の画像データに対する編集処理を受け付ける。そして、ステップS17に進む。当該編集処理は、既存の技術が適用され、CPU11が検出したジェスチャ操作のパターンに従って、例えば、裁断対象物の画像データの拡大、縮小、移動、回転、位置調整、明度調整、彩度調整、又は当該画像データに対するテキストの付加等の編集が実行される。
【0052】
ステップS17において、CPU11は、裁断対象物の画像データに対する編集があるか否かを判定し、編集があると判定した場合(ステップS17:YES)はステップS18に進む。一方、CPU11により裁断対象物の画像データに対する編集がないと判定された場合(ステップS17:NO)は、ステップS19に進む。一例として、CPU11は、予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、裁断対象物の画像データに対する編集があると判定し、当該ジェスチャ操作に従って画像データに対する編集処理を実行する。
【0053】
ステップS18において、CPU11は、ステップS17で実行した編集処理に従って、貼付対象物40及び裁断対象物の重畳表示における表示内容を更新する。そして、ステップS19に進む。ここでは、貼付対象物40に対して投影されている裁断対象物の画像データが編集処理後の内容に更新される。
【0054】
ステップS19において、CPU11は、裁断対象物の画像データに対する編集が終了したか否かを判定し、編集が終了したと判定した場合(ステップS19:YES)はステップS20に進む。一方、CPU11により裁断対象物の画像データに対する編集が終了していないと判定された場合(ステップS19:NO)は、ステップS17に戻る。一例として、CPU11は、予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、裁断対象物の画像データに対する編集が終了したと判定する。
【0055】
ステップS20において、CPU11は、裁断対象物の画像データに対して、当該裁断対象物の形状と貼付対象物40の形状との関係から定まる印刷物の裁断箇所を付加する。そして、ステップS21に進む。
【0056】
ステップS21において、CPU11は、印刷部20を制御し、ステップS20で裁断箇所を付加した裁断対象物の画像データを、指定された用紙サイズ(例えば、A4、B5、はがき等)及び用紙種類(例えば、普通紙、厚紙、ラベル紙、シール紙等)に従って印刷する。そして、印刷処理を終了する。
【0057】
なお、上記の印刷処理における各ステップの順序は一例であり、各ステップの順序を適宜入れ替えてもよい。例えば、印刷処理において、ステップS13及びステップS14をステップS10の前に実行してもよい。
【0058】
次に、CPU11が実行する上記の印刷処理について、具体例を交えながら説明する。
図4は、情報処理装置10の表示部16に表示される第1の表示例である。CPU11は、ユーザが持参した可搬型記憶媒体又は携帯端末に記憶されている画像データを取得した場合に、図4に示す表示例を表示部16に表示させる。なお、CPU11は、図4に示す表示例を表示部16に表示させる前に、可搬型記憶媒体又は携帯端末による画像データの入力方法又は情報処理装置10の操作手順等を表示部16に表示させてもよい。
【0059】
図4に示す表示部16には、ユーザが持参した可搬型記憶媒体又は携帯端末に記憶されている複数の画像データが表示されている。一例として、当該表示部16には、複数の画像データとして、画像データd1、画像データd2、画像データd3、及び画像データd4が表示されている。そして、CPU11は、予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、当該ジェスチャ操作に基づく画像データを選択する。その後、CPU11は、当該画像データを解析して、解析結果を表示部16に表示させる。
【0060】
なお、図4に示すように、複数の画像データを表示部16に表示して所望の画像データをユーザに選択させることに限らず、音声案内で複数の画像データをユーザに把握させて所望の画像データを選択させてもよい。
【0061】
図5は、情報処理装置10の表示部16に表示される第2の表示例である。一例として、図5は、ユーザの操作により、図4に示す画像データd1が選択された場合の表示例とする。
【0062】
図5に示す表示部16には、メッセージ情報42と、裁断対象候補44と、が表示されている。
【0063】
メッセージ情報42は、ユーザに対する種々のメッセージを示している。一例として、図4では、メッセージ情報42として「選択された画像から物体を抽出しました。以下から裁断対象物を選択ください。」と表示されている。
【0064】
裁断対象候補44は、画像データが示す画像内の裁断対象物の候補を示している。本実施形態では、裁断対象候補44は、画像データが示す画像全体である裁断対象候補44A及び画像データが示す画像から抽出された物体である裁断対象候補44Bを含んで構成されている。そして、CPU11は、予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、裁断対象候補44の中から当該ジェスチャ操作に基づく裁断対象物を選択する。
【0065】
なお、ユーザが選択した画像データが示す画像から複数の物体が抽出された場合は、当該複数の物体のそれぞれが裁断対象候補44として表示部16に表示される。
【0066】
図6は、重畳表示の第1の表示例である。一例として、図6は、ユーザの操作により、図5に示す裁断対象候補44Bを裁断対象物として受付けた場合の表示例とする。
【0067】
図6に示す載置面30には、貼付対象物40が載置されている。また、当該載置面30では、貼付対象物40に裁断対象物50として受付けた「三角形の物体」が投影され、貼付対象物40に裁断対象物50が重畳表示されている。
【0068】
なお、図6に示す状態においては、CPU11は、ユーザによる編集処理を受付ける。編集処理は、貼付対象物40に投影中の裁断対象物50の画像データを見ながら直接編集可能であってもよいし、裁断対象物50の画像データを編集する編集画面で編集可能であってもよい。
【0069】
ここで、図6においては、貼付対象物40及び裁断対象物50が重なった重畳状態における貼付対象物40の形状と裁断対象物50の形状との位置関係が、貼付対象物40の形状内に裁断対象物50の形状が収まる第1関係となっている。なお、図6に示す状態においては、裁断対象物50の形状、すなわち、輪郭は三角形状である。
【0070】
図7は、情報処理装置10の表示部16に表示される第3の表示例である。CPU11は、図6に示す状態で裁断対象物50の画像データに対する編集を終了する予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、図7に示す表示例を表示部16に表示させる。
【0071】
図7に示す表示部16には、メッセージ情報42と、印刷イメージ60と、完成イメージ70と、が表示されている。
【0072】
一例として、図7では、メッセージ情報42として「裁断対象物の形状に沿って切り取り線を付加しました。」と表示されている。
【0073】
印刷イメージ60は、画像データを印刷した場合における印刷物の印刷結果のイメージを示している。当該印刷イメージ60では、画像データd1に対して、当該画像データd1が示す画像内において裁断対象物50となった「三角形の物体」の形状に沿った1つの切り取り線Lが付加されている。
【0074】
完成イメージ70は、印刷イメージ60に示す切り取り線Lに沿って裁断した裁断対象物50を貼付対象物40に貼り付けた場合のイメージを示している。当該完成イメージ70における貼付対象物40は、一例として、貼り付けた裁断対象物50の三角形の部分は白色でそれ以外の部分が黒色となっている。
【0075】
続いて、ユーザの操作により、図5に示す裁断対象候補44Aを裁断対象物として受付けた場合について説明する。
【0076】
図8は、重畳表示の第2の表示例である。一例として、図8は、ユーザの操作により、図5に示す裁断対象候補44Aを裁断対象物として受付けた場合の表示例とする。
【0077】
図8に示す載置面30には、貼付対象物40が載置されている。また、当該載置面30では、貼付対象物40に裁断対象物50として受付けた「画像データd1が示す画像全体」が投影され、貼付対象物40に裁断対象物50が重畳表示されている。
なお、図8に示す状態においては、CPU11は、ユーザによる編集処理を受付ける。
【0078】
ここで、図8においては、重畳状態における貼付対象物40の形状と裁断対象物50の形状との位置関係が、裁断対象物50の形状内に貼付対象物40の形状が収まる第2関係となっている。なお、図8に示す状態においては、裁断対象物50の形状、すなわち、輪郭は矩形状である。
【0079】
図9は、情報処理装置10の表示部16に表示される第4の表示例である。CPU11は、図8に示す状態で裁断対象物50の画像データに対する編集を終了する予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、図9に示す表示例を表示部16に表示させる。
【0080】
図9に示す表示部16には、メッセージ情報42と、印刷イメージ60と、完成イメージ70と、が表示されている。
【0081】
一例として、図9では、メッセージ情報42として「貼付対象物の形状に沿って切り取り線を付加しました。」と表示されている。
【0082】
図9に示す印刷イメージ60では、画像データd1に対して、図8に示す位置関係における貼付対象物40の形状に沿った1つの切り取り線Lが付加されている。
【0083】
図9に示す完成イメージ70における貼付対象物40は、一例として、貼り付けた裁断対象物50の三角形の部分は白色でそれ以外の部分がドット模様となっている。
【0084】
再び、ユーザの操作により、図5に示す裁断対象候補44Bを裁断対象物として受付けた場合について説明する。
【0085】
図10は、重畳表示の第3の表示例である。一例として、図10は、ユーザの操作により、図6に示す状態から裁断対象物50が拡大された場合の表示例とする。
【0086】
図10に示す載置面30には、貼付対象物40が載置されている。また、当該載置面30では、貼付対象物40に裁断対象物50として受付けた「三角形の物体」が投影され、貼付対象物40に裁断対象物50が重畳表示されている。
なお、図10に示す状態においては、CPU11は、ユーザによる編集処理を受付ける。
【0087】
ここで、図10においては、重畳状態における貼付対象物40の形状と裁断対象物50の形状との位置関係が、貼付対象物40の形状内に裁断対象物50が収まる部分と収まらない部分とを有する第3関係となっている。
【0088】
図11は、情報処理装置10の表示部16に表示される第5の表示例である。CPU11は、図10に示す状態で裁断対象物50の画像データに対する編集を終了する予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、図11に示す表示例を表示部16に表示させる。
【0089】
図11に示す表示部16には、メッセージ情報42と、印刷イメージ60と、完成イメージ70と、が表示されている。
【0090】
一例として、図11では、メッセージ情報42として「裁断対象物及び貼付対象物の形状に沿って切り取り線を付加しました。」と表示されている。
【0091】
図11に示す印刷イメージ60では、画像データd1に対して、図10に示す位置関係における貼付対象物40の形状に沿った切り取り線L1及び当該画像データd1が示す画像内において裁断対象物50となった「三角形の物体」の形状に沿った切り取り線L2が付加されている。ここで、CPU11は、2つの切り取り線を画像データに付加する場合、それぞれの切り取り線の表示態様を異ならせる。一例として、CPU11は、切り取り線L1と切り取り線L2とで線種を異ならせている。なお、それぞれの切り取り線の表示態様を異ならせることは、線種を異ならせることに限らず、これに代えて又は加えて、線の色の相違、線の形状の相違、線に付加するアイコンの有無、及びアイコンの相違等であってもよい。
【0092】
図11に示す完成イメージ70における貼付対象物40は、一例として、貼り付けた裁断対象物50の部分は白色でそれ以外の部分が黒色となっている。
【0093】
なお、上記では、第3関係を有する場合に裁断対象物50及び貼付対象物40のそれぞれの形状に沿った2つの切り取り線を画像データに付加したが、これに限られない。例えば、第3関係を有する場合に裁断対象物50又は貼付対象物40の形状に沿った1つの切り取り線を画像データに付加してもよい。以下、この例について説明する。
【0094】
図12は、情報処理装置10の表示部16に表示される第6の表示例である。CPU11は、図10に示す状態で裁断対象物50の画像データに対する編集を終了する予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、図12に示す表示例を表示部16に表示させる。
【0095】
図12に示す表示部16には、メッセージ情報42と、印刷イメージ60と、完成イメージ70と、が表示されている。
【0096】
一例として、図12では、メッセージ情報42として「裁断対象物又は貼付対象物の形状に沿って切り取り線を付加しました。」と表示されている。
【0097】
図12に示す印刷イメージ60では、画像データd1に対して、図10に示す位置関係における貼付対象物40の形状又は当該画像データd1が示す画像内において裁断対象物50となった「三角形の物体」の形状に沿った1つの切り取り線Lが付加されている。当該切り取り線Lは、貼付対象物40の形状内に裁断対象物50が収まる部分は裁断対象物50の形状に沿い、その他の部分は貼付対象物40の形状に沿っている。
【0098】
図12に示す完成イメージ70における貼付対象物40は、一例として、貼り付けた裁断対象物50の部分は白色でそれ以外の部分が黒色又はドット模様となっている。
【0099】
なお、第3関係を有する場合に2つの切り取り線を画像データに付加するか、1つの切り取り線を画像データに付加するかは、情報処理装置10側で決定してもよいし、ユーザによる選択で決定してもよい。
【0100】
以上説明したように、情報処理装置10では、CPU11は、画像データを取得する。また、CPU11は、取得した画像データが示す画像内の裁断対象物50の形状と、画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる貼付対象物40の形状とを特定する。また、CPU11は、貼付対象物40に裁断対象物50を重畳表示する。そして、CPU11は、重畳状態における裁断対象物50の形状と貼付対象物40の形状との関係から定まる、印刷物の裁断箇所を付加して画像データを印刷する制御を行う。これにより、当該情報処理装置10によれば、画像データが印刷された印刷物を裁断して、印刷物の一部を貼付対象物40に貼り付ける場合に、印刷物の裁断箇所をユーザに把握させることができる。
【0101】
また、情報処理装置10では、CPU11は、上記の関係として、重畳状態において、貼付対象物40の形状内に裁断対象物50の形状が収まる第1関係、裁断対象物50の形状内に貼付対象物40の形状が収まる第2関係、又は、貼付対象物40の形状内に裁断対象物50が収まる部分と収まらない部分とを有する第3関係のそれぞれから定まる裁断箇所を付加する。これにより、当該情報処理装置10によれば、重畳状態における貼付対象物40の形状と裁断対象物50の形状との位置関係に応じた裁断箇所が付加された画像データを印刷することができる。
【0102】
また、情報処理装置10では、CPU11は、上記の関係が第1関係である場合、裁断箇所として、裁断対象物50の形状に沿った1つの切り取り線を画像データに付加する。これにより、当該情報処理装置10によれば、裁断対象物50の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0103】
また、情報処理装置10では、CPU11は、上記の関係が第2関係である場合、裁断箇所として、貼付対象物40の形状に沿った1つの切り取り線を画像データに付加する。これにより、当該情報処理装置10によれば、貼付対象物40の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0104】
また、情報処理装置10では、CPU11は、上記の関係が第3関係である場合、裁断箇所として、裁断対象物50又は貼付対象物40の形状に沿った1つの切り取り線、又は裁断対象物50及び貼付対象物40のそれぞれの形状に沿った2つの切り取り線を画像データに付加する。これにより、当該情報処理装置10によれば、裁断対象物50及び貼付対象物40の双方の形状に沿って、又は、裁断対象物50若しくは貼付対象物40の一方の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0105】
また、情報処理装置10では、CPU11は、2つの切り取り線を画像データに付加する場合、それぞれの切り取り線の表示態様を異ならせる。これにより、当該情報処理装置10によれば、2つの切り取り線の表示態様が共通する場合に比べて、それぞれの切り取り線をユーザが容易に把握することができる。
【0106】
また、情報処理装置10では、CPU11は、取得した画像データから裁断対象候補44を複数提示する。そして、CPU11は、提示した複数の裁断対象候補44の中からユーザによる裁断対象物50の選択を受付ける。これにより、当該情報処理装置10によれば、画像データから裁断対象物50をユーザが決定することができる。
【0107】
また、情報処理装置10では、裁断対象候補44は、画像データが示す画像全体、及び画像データが示す画像から抽出された物体を含んで構成される。これにより、当該情報処理装置10によれば、裁断対象物50を、画像データが示す画像の全体又は一部に決定することができる。
【0108】
(その他)
上記実施形態では、貼付対象物40を「うちわ」としたが、これに限られない。例えば、貼付対象物40は、スマートフォンケース又はユーザの爪等の他の物体であってもよい。
【0109】
上記実施形態では、重畳表示として、載置面30上に載置された貼付対象物40に対して裁断対象物の画像データを投影したが、これに限られない。例えば、重畳表示は、表示部16において、貼付対象物40の画像データに対して裁断対象物の画像データを合成して表示することであってもよい。
【0110】
上記実施形態では、印刷物の裁断箇所を切り取り線で示したが、これに加えてハサミを示すアイコン等を画像データに付加して、切り取り線及びアイコンで印刷物の裁断箇所を示してもよい。また、印刷物の裁断箇所を切り取り線で示すことに代えて、画像データが示す画像内において裁断対象物となった部分のみを印刷することで、印刷物の裁断箇所を間接的に示してもよい。以下、図13を用いて、この例について説明する。
【0111】
図13は、情報処理装置10の表示部16に表示される第7の表示例である。CPU11は、図6に示す状態で裁断対象物50の画像データに対する編集を終了する予め定めたジェスチャ操作のパターンを検出した場合に、図13に示す表示例を表示部16に表示させる。
【0112】
図13に示す表示部16には、メッセージ情報42と、印刷イメージ60と、完成イメージ70と、が表示されている。
【0113】
一例として、図13では、メッセージ情報42として「裁断対象物のみ印刷します。」と表示されている。
【0114】
図13に示す印刷イメージ60では、背景のドット模様を除いた画像データd1が示されている。つまり、当該印刷イメージ60では、当該画像データd1が示す画像内において裁断対象物50となった「三角形の物体」のみが示されている。
【0115】
上記実施形態において、投影部19は、載置面30に対して、ユーザからの操作入力を受け付けるためのUI(User Interface)画面を投影してもよい。
【0116】
上記実施形態では、CPU11が検出するユーザの操作を「ジェスチャ操作」としたが、これに限られない。例えば、当該ユーザの操作は、載置面30上に投影された若しくは表示部16に表示されたボタン操作、ユーザの音声による操作、又はユーザの視線による操作等の他の操作であってもよい。
【0117】
上記実施形態では、CPU11は、ユーザが持参した可搬型記憶媒体又は携帯端末から入力された画像データを取得したが、画像データの取得方法はこれに限られない。例えば、CPU11は、ネットワークを介して外部サーバに接続して、当該外部サーバから画像データを取得してもよい。
【0118】
上記実施形態では、CPU11は、複数の裁断対象候補44の中から一の裁断対象物の選択を受付けたが、これに限らず、複数の裁断対象物の選択を受付けてもよい。この場合、編集処理において、それぞれの裁断対象物の編集を個別に行えることが望ましい。また、この場合、印刷物に印刷されるそれぞれの裁断対象物のいずれを前景として扱うか等の前後関係が指定可能であってもよい。
【0119】
上記実施形態では、一例として、撮影部18は、載置面30上を常時連続的に撮影していたが、撮影部18による撮影タイミングはこれに限られない。例えば、CPU11は、ユーザによる撮影開始指示を受付けた場合に撮影部18を制御して、撮影部18による撮影を開始してもよい。
【0120】
上記実施形態では、載置面30上に一の貼付対象物40が載置された場合について説明したが、これに限らず、複数の貼付対象物40を載置面30上に載置してもよい。この場合、図3に示すステップS13においてCPU11が複数の貼付対象物40を検出したときには、裁断対象物をいずれの貼付対象物40に貼り付けるのかをユーザに選択可能な構成にすることが望ましい。また、複数の貼付対象物40それぞれの形状に沿った切り取り線を画像データに付加した場合は、貼付対象物40毎に一の記録媒体に印刷してもよいし、複数の貼付対象物40の形状に沿った切り取り線が付加された画像データを一の記録媒体に纏めて印刷してもよい。
【0121】
上記実施形態において、ユーザが印刷物の裁断箇所を付加することを希望している場合にのみ、当該裁断箇所を画像データに付加してもよい。例えば、図3に示す印刷処理において、当該裁断箇所を画像データに付加するか否かの選択を受付けるステップを設け、当該ステップで当該裁断箇所を画像データに付加する選択を受付けた場合のみ、当該裁断箇所が画像データに付加されるフローチャートとしてもよい。
【0122】
上記実施形態では、画像データが示す画像から抽出された物体である裁断対象候補44Bを裁断対象物50として受付けた場合、当該画像データが示す画像全体を印刷対象とした。しかし、これに限らず、裁断対象候補44Bを裁断対象物50として受付けた場合は、当該画像データにおいて裁断対象物50として受付けた部分のみを印刷対象としてもよい。
【0123】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0124】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0125】
本開示は、以下の態様を採用してもよい。
(((1)))
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画像データを取得し、
取得した前記画像データが示す画像内の裁断対象となる裁断対象物の形状と、前記画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる貼付対象物の形状とを特定し、
前記貼付対象物に前記裁断対象物を重ねて表示し、
前記貼付対象物及び前記裁断対象物が重なった重畳状態における前記裁断対象物の形状と前記貼付対象物の形状との関係から定まる、前記印刷物の裁断箇所を付加して前記画像データを印刷する制御を行う、
情報処理装置。
【0126】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記関係として、前記重畳状態において、前記貼付対象物の形状内に前記裁断対象物の形状が収まる第1関係、前記裁断対象物の形状内に前記貼付対象物の形状が収まる第2関係、又は、前記貼付対象物の形状内に前記裁断対象物が収まる部分と収まらない部分とを有する第3関係のそれぞれから定まる前記裁断箇所を付加する、
(((1)))に記載の情報処理装置。
【0127】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記関係が前記第1関係である場合、前記裁断箇所として、前記裁断対象物の形状に沿った1つの切り取り線を前記画像データに付加する、
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0128】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記関係が前記第2関係である場合、前記裁断箇所として、前記貼付対象物の形状に沿った1つの切り取り線を前記画像データに付加する、
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0129】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記関係が前記第3関係である場合、前記裁断箇所として、前記裁断対象物又は前記貼付対象物の形状に沿った1つの切り取り線、又は前記裁断対象物及び前記貼付対象物のそれぞれの形状に沿った2つの切り取り線を前記画像データに付加する、
(((2)))に記載の情報処理装置。
【0130】
(((6)))
前記プロセッサは、
2つの切り取り線を前記画像データに付加する場合、それぞれの切り取り線の表示態様を異ならせる、
(((5)))に記載の情報処理装置。
【0131】
(((7)))
前記プロセッサは、
取得した前記画像データから前記裁断対象物の候補となる裁断対象候補を複数提示し、
提示した複数の前記裁断対象候補の中からユーザによる前記裁断対象物の選択を受付ける、
(((1)))から(((6)))の何れか1つに記載の情報処理装置。
【0132】
(((8)))
前記裁断対象候補は、前記画像データが示す画像全体、及び前記画像データが示す画像から抽出された物体を含んで構成される、
(((7)))に記載の情報処理装置。
【0133】
(((9)))
コンピュータに、
画像データを取得し、
取得した前記画像データが示す画像内の裁断対象となる裁断対象物の形状と、前記画像データが印刷された印刷物の貼り付け対象となる貼付対象物の形状とを特定し、
前記貼付対象物に前記裁断対象物を重ねて表示し、
前記貼付対象物及び前記裁断対象物が重なった重畳状態における前記裁断対象物の形状と前記貼付対象物の形状との関係から定まる、前記印刷物の裁断箇所を付加して前記画像データを印刷する制御を行う、
処理を実行させるための情報処理プログラム。
【0134】
(((1)))及び(((9)))によれば、画像データが印刷された印刷物を裁断して、印刷物の一部を対象物に貼り付ける場合に、印刷物の裁断箇所をユーザに把握させることができる。
【0135】
(((2)))によれば、重畳状態における貼付対象物の形状と裁断対象物の形状との位置関係に応じた裁断箇所が付加された画像データを印刷することができる。
【0136】
(((3)))によれば、裁断対象物の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0137】
(((4)))によれば、貼付対象物の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0138】
(((5)))によれば、裁断対象物及び貼付対象物の双方の形状に沿って、又は、裁断対象物若しくは貼付対象物の一方の形状に沿って印刷物を裁断させることができる。
【0139】
(((6)))によれば、2つの切り取り線の表示態様が共通する場合に比べて、それぞれの切り取り線をユーザが容易に把握することができる。
【0140】
(((7)))によれば、画像データから裁断対象物をユーザが決定することができる。
【0141】
(((8)))によれば、裁断対象物を、画像データが示す画像の全体又は一部に決定することができる。
【符号の説明】
【0142】
10 情報処理装置
11 CPU(プロセッサの一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13