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特開2023-177604放射線検出器及び放射線検出器の製造方法
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  • 特開-放射線検出器及び放射線検出器の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177604
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】放射線検出器及び放射線検出器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/20 20060101AFI20231207BHJP
   H01L 31/08 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G01T1/20 L
G01T1/20 E
G01T1/20 G
H01L31/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090351
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】503382542
【氏名又は名称】キヤノン電子管デバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】會田 博之
(72)【発明者】
【氏名】榛葉 勇一
【テーマコード(参考)】
2G188
5F149
5F849
【Fターム(参考)】
2G188AA03
2G188BB02
2G188BB04
2G188CC17
2G188CC19
2G188CC22
2G188DD05
2G188DD12
2G188DD34
2G188DD36
2G188DD42
2G188DD44
5F149BA18
5F149BA21
5F149BA28
5F149FA07
5F149FA12
5F149FA20
5F149HA17
5F149LA07
5F149XB01
5F849BA18
5F849BA21
5F849BA28
5F849FA07
5F849FA12
5F849FA20
5F849HA17
5F849LA07
5F849XB01
(57)【要約】
【課題】放射線検出器及び放射線検出器の製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態の放射線検出器は、受けた入射放射線を蛍光に変換する蛍光変換部と、基板の一面にマトリックス状に形成され、受けた蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を有する光電変換部と、基板の一面で、その周囲部分に設けられ、複数の光電変換素子に電気的に接続された電極パッドと、複数の電極パッドと電気的に接続されるフレキシブル配線帯と、複数の電極パッドとフレキシブル配線帯とを電気的に接続すると共に接着固定する接着材を備える放射線検出器において、
接着材は、基板の一面において、電極パッドの外周側で基板の前記一面の縁を越えて基板の外周面に到達している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受けた入射放射線を蛍光に変換する蛍光変換部と、
基板の一面にマトリックス状に形成され、受けた蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を有する光電変換部と、
前記基板の前記一面で、その周囲部分に設けられ、前記複数の光電変換素子に電気的に接続された電極パッドと、
前記複数の電極パッドと電気的に接続されるフレキシブル配線帯と、
前記複数の電極パッドと前記フレキシブル配線帯とを電気的に接続すると共に接着固定する接着材を備える放射線検出器において、
前記接着材は、前記基板の前記一面において、前記電極パッドの外周側で前記基板の前記一面の縁を越えて前記基板の外周面に到達している放射線検出器。
【請求項2】
前記接着材は、前記基板の前記一面において、前記複数の電極パッドよりも内周側で、前記フレキシブル配線帯の先端面と前記基板の前記一面とを接着している請求項1記載の放射線検出器。
【請求項3】
前記接着材は、異方性導電接着材であり、前記複数の電極パッドと前記フレキシブ配線帯の前記金属配線との間に金属粒子が噛みこむことで電気的導通をする請求項2に記載の放射線検出器。
【請求項4】
請求項3に記載の放射線検出器の製造方法であって、
フレキシブル配線帯の金属配線に異方性導電フィルムを貼り付ける貼り付け工程と、
前記貼り付け工程の後に前記異方性導電フィルムを複数の電極パッドに貼り付けて、前記複数の電極パッドと前記フレキシブル配線帯の金属配線を仮接着する仮接着工程と、
前記仮接着工程の後に、前記異方性導電フィルムを加圧・加熱する加熱・加圧工程と、を備え、
前記異方性導電フィルムは、前記基板の一面に対して、前記電極パッドの前記内周側と前記外周側を越える寸法を有し、加熱・加圧工程において、溶融した接着材が、前記電極パッドの外周側で前記基板の前記一面の縁を越えて前記基板の外周面に溶け広がると共に前記電極パッドの前記内周側で、前記フレキシブル配線帯の先端面に溶け広がる放射線検出器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線検出器及び放射線検出器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線検出器には、放射線を可視光(蛍光)に変換する蛍光変換部と、その光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を基板に有する光電変換部とを備えるものがある。係る放射線検出器として、X線画像を検出するX線画像検出器がある。
従来のX線画像検出器は、人体等を透過したX線画像をX線画像検出器内部の蛍光変換部にて可視光(蛍光)に変換し、変換された可視光像は光電変換部上にマトリックス状に敷き詰めた光電変換素子によって電気信号に変換され、変換された電気信号を基板に形成された電極パッドにフレキシブルプリント配線帯を接続して外部に出力している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-156204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電極パッドとフレキシブル配線帯との接続部分の近傍では、フレキシブル配線帯が基板の縁に擦れて断線するおそれがあった。
このような断線を防止するめに、基板とフレキシブル配線帯との間にシリコーン樹脂を塗布して絶縁防湿被膜を形成することが行われることもあるが、シリコーン樹脂の塗布は、製造工程や製造部材が増えると共に、フレキシブル配線帯の接続をし直すリワークの際には、シリコーン樹脂が邪魔になるという問題がある。
【0005】
本実施形態の目的は、簡易な構成でフレキシブル配線帯の断線を防止できる放射線検出器及び放射線検出器の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、受けた入射放射線を蛍光に変換する蛍光変換部と、基板の一面にマトリックス状に形成され、受けた蛍光を電気信号に変換する複数の光電変換素子を有する光電変換部と、前記基板の前記一面で、その周囲部分に設けられ、前記複数の光電変換素子に電気的に接続された電極パッドと、前記複数の電極パッドと電気的に接続されるフレキシブル配線帯と、前記複数の電極パッドと前記フレキシブル配線帯とを電気的に接続すると共に接着固定する接着材を備える放射線検出器において、前記接着材は、前記基板の前記一面において、前記電極パッドの外周側で前記基板の前記一面の縁を越えて前記基板の外周面に到達している放射線検出器である。
【0007】
他の実施形態は、フレキシブル配線帯の金属配線に異方性導電フィルムを貼り付ける貼り付け工程と、前記貼り付け工程の後に前記異方性導電フィルムを複数の電極パッドに貼り付けて、前記複数の電極パッドと前記フレキシブル配線帯の金属配線を仮接着する仮接着工程と、前記仮接着工程の後に、前記異方性導電フィルムを加圧・加熱する加熱・加圧工程と、を備え、前記異方性導電フィルムは、前記基板の一面に対して、前記電極パッドの前記内周側と前記外周側を越える寸法を有し、加熱・加圧工程において、溶融した接着材が、前記電極パッドの外周側で前記基板の前記一面の縁を越えて前記基板の外周面に溶け広がると共に前記電極パッドの前記内周側で、前記フレキシブル配線帯の先端面に溶け広がる放射線検出器の製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る放射線検出器の電極パッドとフレキシブル配線帯との接続部分及びその周囲の断面図である。
図2図2は、図1に示す放射線検出器の製造工程を説明する図であり、電極パッドとフレキシブル配線帯との間に設けた異方性導電樹脂フィルムを加熱・加圧前の状態を示す縦断面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る放射線検出器の概略構成を示す分解斜視図である。
図4図4は、第2実施形態に係る放射線検出器の電極パッドとフレキシブル配線帯との接続部分及びその周囲の断面図である。
図5図5は、比較例であって、図1に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本実施形態においては、放射線検出器の一例として、X線検出器について説明する。なお、本実施形態にて開示する主要な構成要素は、X線の他にもγ線などの各種放射線を検出するための放射線検出器にも適用可能である。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
【0011】
放射線検出器は、例えば、一般医療などに用いることができる。ただし、放射線検出器の用途は、一般医療に限定されるわけではない。
【0012】
図1図3は、第1実施形態に係る放射線検出器1を示す図である。
図3に示すように、放射線検出器1は、蛍光変換部3と、光電変換部5と、電極パッド7と、フレキシブル配線帯9と、回路基板10とを備えている。
【0013】
蛍光変換部3は、受けた入射放射線(X線)Xを蛍光に変換するものである。
図1に示すように、蛍光変換部3は、光電変換部5の上に設けてあり、蛍光変換膜(シンチレータ層)11と、防湿部13とを備えており、防湿部13はその周縁を接着材15で光電変換部5に接着されている。
入射放射線Xは蛍光変換膜11の内部に吸収され、入射放射線Xの強度に比例した蛍光に変換される。
蛍光変換膜11は、例えば、タリウム賦活ヨウ化セシウムを真空蒸着により、光電変換部5上に柱状に形成している。
【0014】
図3に示すように、光電変換部5は、基板17の一面(放射線の入射側面)にマトリックス状に複数の光電変換素子(画素)19が形成されたものであり、光電変換素子19は蛍光を電気信号に変換する。
基板17は、ガラス基板であり、所定の厚みに形成されている。この実施形態では、平面視四角形状に形成されている。
電極パッド7は、基板17において、光電変換素子19が形成された面(一面)の周囲部分に設けられており、本実施形態では、平面視四角形状の基板17の2辺に沿って形成されている。電極パッド7は配線21(図1参照)を介して各光電変換素子19に接続されている。
【0015】
電極パッド7には、フレキシブル配線帯9が接続されており、光電変換部5がこのフレキシブル配線帯9を介して回路基板10に接続されている。回路基板10は、光電変換部5からの出力信号を電気的に処理して、画像信号に変換する。尚、図3では、基板17の四角形の一辺に設けてられた電極パッド7のみにフレキシブル配線帯9を接続している様子を示しており、他の一辺の電極パッド7に接続されているフレキシブル配線帯9は省略している。
【0016】
図1に示すように、フレキシブル配線帯9は、金属配線23を絶縁膜25で被覆して形成されており、電極パッド7との接続部では、絶縁膜25を除去して金属配線23を露出している。
フレキシブル配線帯9は、電極パッド7にOLB(アウター リード ボンディング)実装されている。
【0017】
次に、フレキシブル配線帯9と電極パッド7との接続について説明する。
図1に示すように、フレキシブル配線帯9と電極パッド7とは、熱硬化樹脂製の接着材27により接着されている。
接着材27は、異方性導電接着材であり、例えば、Ni(ニッケル)系金属粒子27aとエポキシ系樹脂27bとから構成されている。
接着材27は、電極パッド7とフレキシブル配線帯9との間に設けてあり、基板17の一面17aにおいて、電極パッド7の外周側では、基板17の縁17bを越えて、外周面17cに達する領域に設けている。換言すると、接着材15は、基板17の縁17bを覆った状態で、電極パッド7とフレキシブル配線帯9とを接着している。
【0018】
基板17の一面17aにおいて、電極パッド7の内周側では、接着材27はフレキシブル配線帯9の先端面9aから基板17の一面17aに渡る領域に設けている。換言すると、接着材27は、フレキシブル配線帯9の先端に位置する基板17側の角9bを覆った状態で、電極パッド7とフレキシブル配線帯9とを接着している。
電極パッド7とフレキシブル配線帯9の金属配線23との間は、接着材15の金属粒子27aが噛み込んで電気的導通がされている。
【0019】
ここで、図2を参照して、電極パッド7とフレキシブル配線帯9との接続方法について説明する。以下の1~3にその工程を示す。
1.フレキシブル配線帯9の金属配線23にフィルム状の接着材(異方性導電接着材)27を貼り付ける(貼り付け工程)。
【0020】
2.貼り付け工程の後に、フィルム状の接着材(異方性導電接着材)27が貼り付けられたフレキシブル配線帯9の金属配線23を基板17に形成されている電極パッド7に載せて仮接着する(仮接着工程)。
【0021】
3.仮接着工程の後に、基板17における電極パッド7とは反対側の面と、フレキシブル配線帯9における金属配線23の露出側と反対の面とにそれぞれ加熱圧着部材31、31を配置し、加熱圧着部材31、31で、フィルム27条の接着材27を挟んだ基板17とフレキシブル配線帯9を加圧・加熱する(加熱・加圧工程)。加圧・加熱後のフィルム状の接着材27は、電極パッド7の内周側と外周側を越える寸法を有しており、電極パッド7の内周側と外周側とにそれぞれ食み出して設けている。
【0022】
図1に示すように、この加熱・加圧工程により、溶融した接着材27が、電極パッド7の外周側で基板17の一面の縁17bを越えて基板17の外周面17cに溶け広がると共に電極パッド7の内周側で、フレキシブル配線帯9の先端面9aに溶け広がる。
同時に、電極パッド7とフレキシブル配線帯9の金属配線23との間に金属粒子27aが挟み込まれて、電気的導通がされる。尚、金属粒子27aは金属配線23及び電極パッド7よりも微小サイズのため、隣り合う金属配線23、23間及び電極パッド7、7間の絶縁状態が確保される。
【0023】
放射線検出器1の製造工程において、フレキシブル配線帯9を基板17の電極パッド7にOLB実装した後の画像検査で画像異常が見つかった場合、以下の工程で、OLB実装のリワーク作業を行う。
1.画像異常のあった電極パッド7からフレキシブル配線帯9を剥がす。
このときに電極パッド7上に接着材27の残差が残るのを低減させるために、電極パッド7とフレキシブル配線帯9について各接続部分をコテで加熱しながら、フレキシブル配線帯9を剥がす。
2.電極パッド7に残った接着材27の残差をアセトンで払拭しながら除去する。
3.電極パッド7に対して再度OLB実装を行い、新しいフレキシブル配線帯9を接続する。
4.再度画像検査を行い、異常がなければ次工程に進む。
【0024】
次に、第1実施形態に係る放射線検出器1の作用効果について説明する。
第1実施形態に係る放射線検出器1では、図3に示すように、入射放射線Xは、蛍光変換部3で可視光である蛍光に変換される。蛍光変換部3で変換された蛍光は、光電変換部5の光電変換素子19で受光され、画像信号としての電気信号に変換される。
光電変換素子19の電気信号は配線21を介して電極パッド7に送られ、電極パッド7に接続されたフレキシブル配線帯9を介して回路基板10に送信されて画像処理される。
【0025】
本実施形態では、図1に示すように、接着材27は電極パッド7の外周側で基板17の一面17aの縁17bを越えて基板17の外周面17cに渡っていると共に、電極パッド7の内周側では、フレキシブル配線帯9の先端面9aに渡って設けているので、図1に二点鎖線で示すように、フレキブル配線帯9や基板17が曲げられた場合でも、基板17の縁17bやフレキシブル配線帯9の角9bに接触して損傷するのを防止できる。
即ち、図5に比較例を示すように、接着材27が基板17の電極パッド7とフレキブル配線帯9の金属配線23の間にのみ設けている場合には、図5に二点鎖線で示すように、フレキブル配線帯9や基板17が曲げられた場合に、基板17の縁17bやフレキシブル配線帯9の角9bに当たって、フレキブル配線帯9や基板17が損傷するおそれがある。
【0026】
これに対して、本実施形態では、図1に示すように、接着材27は電極パッド7の外周側で基板17の一面17aの縁17bを越えて基板17の外周面に渡っていると共に、電極パッド7の内周側では、フレキシブル配線帯9の先端面9aに渡って設けているので、図1に二点鎖線で示しているよう、フレキブル配線帯9や基板17が曲げられた場合でも、基板17の縁17bやフレキシブル配線帯9の角9bに接触して損傷するのを防止できる。
また、接着材27は、基板17の縁17bを覆っているので、基板17の欠け(チッピング)の発生の防止や、基板17の欠けとフレキシブル配線帯9との接触による断線を防止できる。
さらに、接着材27は、電極パッド7と金属配線23を覆っているので、これら金属配線の水分による腐食を防止することができる。
【0027】
更に、基板17の縁17bやフレキシブル配線帯9の角9bに当たってフレキブル配線帯9や基板17が損傷するのを防止するため、電極パッド7とフレキシブル配線帯9の接続部分に周囲にシリコーン樹脂で絶縁防湿膜を形成する従来技術と比較して、上述したOLB実装のリワーク作業時に、シリコーン樹脂を除去する作業や、シリコーン樹脂による絶縁防湿膜形成工程及びシリコーン樹脂が不要であるから、製造工数や使用材料を少なくできる。
【0028】
以下に他の実施形態について説明するが、以下に説明する実施形態において、上述した第1実施形態と同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付して、その部分の詳細な説明を省略する。
図4を参照して、第2実施形態について説明する。
図4に示すように、この第2実施形態では、接着材27は、電極パッド7とフレキシブル配線帯9との間に設けてあると共に、電極パッド7の外周側では、基板17の縁17bを越えて、外周面17cに達する領域に設けている点は第1実施形態と同様であるが、
電極パッド7の内周側では、接着材15がフレキシブル配線帯9の先端面9aを覆っていないことが第1実施形態と異なっている。
換言すると、接着材15は、電極パッド7の外周側で、基板17の縁17bを覆った状態のみで、電極パッド7とフレキシブル配線帯9とを接着している。
【0029】
この第2実施形態によれば、少なくとも、フレキシブル配線帯9が図中二点鎖線で示すように、曲がったときに基板17側の角17bに当たることで生じる損傷を防止できる。
【0030】
更に、接着材27は、基板17の縁17bを覆っているので、基板17の欠け(チッピング)の発生の防止や、基板17の欠けとフレキシブル配線帯9との接触による断線を防止できる。
また、第1実施形態と同様に、シリコーン樹脂で絶縁防湿膜している従来技術と比較して、上述したOLB実装のリワーク作業時に、シリコーン樹脂を除去する作業や、シリコーン樹脂による絶縁防湿膜形成工程及びシリコーン樹脂が不要であるから、製造工数や使用材料を少なくできる効果を奏することができる。
【0031】
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1…放射線検出器、3…蛍光変換部、5…光電変換部、
7…電極パッド、9…フレキブル配線帯、9a…先端面、9b…角、 17…基板、
17a…一面、17b…縁、23…金属配線、27…接着材(異方性導電接着材)、27a…金属粒子。
図1
図2
図3
図4
図5