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特開2023-177627マイクロ波照射装置、マイクロ波照射装置搭載体、及びマイクロ波照射方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177627
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】マイクロ波照射装置、マイクロ波照射装置搭載体、及びマイクロ波照射方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/20 20060101AFI20231207BHJP
   H01Q 19/10 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H01Q3/20
H01Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090390
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】服部 渉
(72)【発明者】
【氏名】安部 達哉
(72)【発明者】
【氏名】柴田 有吾
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大樹
(72)【発明者】
【氏名】宇治 潤一
(72)【発明者】
【氏名】阿部 隆行
(72)【発明者】
【氏名】飛田 正仁
【テーマコード(参考)】
5J020
5J021
【Fターム(参考)】
5J020AA03
5J020BA06
5J020BC04
5J020BC06
5J020CA01
5J020CA02
5J021AA01
5J021AA05
5J021AA09
5J021AB07
5J021BA01
5J021DA03
5J021DA04
5J021DA07
5J021GA02
5J021HA03
(57)【要約】
【課題】マイクロ波照射装置の全体を動かす場合と比較して大型化及び重量化を抑止でき、マイクロ波の照射方向を変更可能なマイクロ波照射装置、マイクロ波照射装置搭載体、及びマイクロ波照射方法を提供する。
【解決手段】マイクロ波照射装置であって、マイクロ波を所定方向へ放射すると共に基体に搭載される出力装置と、前記出力装置から放射された前記マイクロ波と交差する位置にて前記基体に設けられて前記マイクロ波を反射するリフレクタと、前記出力装置からの前記マイクロ波の放射方向に対する前記リフレクタの角度を調整するリフレクタ角度調整機構と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を所定方向へ放射すると共に基体に搭載される出力装置と、
前記出力装置から放射された前記マイクロ波と交差する位置にて前記基体に設けられて前記マイクロ波を反射するリフレクタと、
前記出力装置からの前記マイクロ波の放射方向に対する前記リフレクタの角度を調整するリフレクタ角度調整機構と、
を有する、
マイクロ波照射装置。
【請求項2】
前記リフレクタを前記出力装置の周囲の所定領域にて、前記基体に対して移動させるリフレクタ移動機構を備える、
請求項1記載のマイクロ波照射装置。
【請求項3】
前記リフレクタ移動機構は、前記出力装置の周囲を作動範囲とする移動テーブルであり、
前記リフレクタ角度調整機構は、前記移動テーブルに搭載されている、
請求項2記載のマイクロ波照射装置。
【請求項4】
前記移動テーブルは、前記出力装置の周囲を回転する回転テーブルである、請求項3記載のマイクロ波照射装置。
【請求項5】
前記リフレクタ移動機構は、
前記出力装置を囲んで設けられたレールと、
前記レールに沿って移動可能であると共に前記リフレクタが接続された移動子と、
を備える、
請求項2記載のマイクロ波照射装置。
【請求項6】
前記放射方向における前記リフレクタと前記出力装置との距離を調整する距離調整機構を備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロ波照射装置。
【請求項7】
前記距離調整機構は、前記リフレクタが前記マイクロ波を反射する反射位置よりも、前記リフレクタを前記出力装置に近接可能である、
請求項6記載のマイクロ波照射装置。
【請求項8】
前記出力装置は、前記マイクロ波を所定方向へ放射するホーンアンテナを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロ波照射装置。
【請求項9】
前記出力装置は、前記マイクロ波を放射するアンテナ素子が複数配列されたフェーズドアレイアンテナを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロ波照射装置。
【請求項10】
請求項1~5いずれか一項に記載のマイクロ波照射装置と、
前記マイクロ波照射装置を搭載する基体と、
を備える、
マイクロ波照射装置搭載体。
【請求項11】
前記基体は、地面を走行可能な車両である、請求項10記載のマイクロ波照射装置搭載体。
【請求項12】
前記基体は、飛行可能な飛行体である、請求項10記載のマイクロ波照射装置搭載体。
【請求項13】
前記基体は、水上を移動可能な船である、請求項10記載のマイクロ波照射装置搭載体。
【請求項14】
基体に搭載された出力装置から所定方向に放射されたマイクロ波を、角度を調整可能なリフレクタで反射する、マイクロ波照射方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波照射装置、マイクロ波照射装置搭載体、及びマイクロ波照射方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、妨害モードで使用可能なレーダ装置が開示されている。特許文献1の妨害モードは、比較的高い出力のマイクロ波を照射して相手の電子機器の誤動作または故障を発生させるモードである。例えば、特許文献1における妨害モードは、例えば、発射されたミサイルへ高出力のマイクロ波を照射して、ミサイルを無効化することが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-195156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、さらに高出力のマイクロ波を目標に対して照射可能なマイクロ波照射装置を無人走行車等の車両やドローン等の飛行体に搭載することが検討されており、装置の大型化と高重量化が進んでいる。ところが、高出力マイクロ波は、指向性を有するビームである。このため、照射方向を変更するためには、大型で高重量のマイクロ波照射装置を動かす機構(高重量のローテータやジンバル機構)を車両や飛行体等の移動体に搭載する必要があり、移動体の大型化及び高重量化を招くことになる。
【0005】
また、フェーズドアレイアンテナを用いることで、電子的にビームの照射方向を変更することも考えられる。しかしながら、高出力マイクロ波を放射する場合には、冷却機構を設けるためにアンテナ素子間隔を狭めることが困難であり、照射角度の変更範囲が狭い。このため、照射方向を広い範囲で変更するためには、上述のような大型で高重量のマイクロ波照射装置を動かす機構が必要となる。
【0006】
また、ホーンアンテナやパラボラアンテナ等のアンテナを、ロータリジョイントを介して本体部に接続し、ロータリジョイントを動かして照射方向を変更することも考えられる。しかしながら、高出力マイクロ波を放射する場合には、ロータリジョイントの内部を高出力マイクロ波が伝搬することになる。このため、ロータリジョイントの内部は、高真空状態としたり、絶縁ガスを封入したりする必要がある。この結果、ロータリジョイントに可動性と気密性の両者が必要とされ、高出力マイクロ波の放射への対応が困難となる。また、SFといった絶縁ガスは温室効果ガスであり、漏洩や廃棄への特別な配慮が必要となる。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、主としてマイクロ波照射装置の全体を動かす場合と比較して大型化及び重量化を抑止でき、マイクロ波の照射方向を変更可能なマイクロ波照射装置、マイクロ波照射装置搭載体、及びマイクロ波照射方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0009】
本発明の第1の態様は、マイクロ波照射装置であって、マイクロ波を所定方向へ放射すると共に基体に搭載される出力装置と、上記出力装置から放射された上記マイクロ波と交差する位置にて上記基体に設けられて上記マイクロ波を反射するリフレクタと、上記出力装置からの上記マイクロ波の放射方向に対する上記リフレクタの角度を調整するリフレクタ角度調整機構と、を有する、という構成を採用する。
【0010】
本発明の第2の態様は、マイクロ波照射方法であって、基体に搭載された出力装置から所定方向に放射されたマイクロ波を、角度を調整可能なリフレクタで反射する、という構成を採用する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、マイクロ波照射装置の全体を動かす場合と比較して大型化及び重量化を抑止でき、マイクロ波の照射方向を変更可能なマイクロ波照射装置、マイクロ波照射装置搭載体、及びマイクロ波照射方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態におけるマイクロ波照射装置搭載車両の模式図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるマイクロ波照射装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な側面図である。
図4】本発明の第1実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な平面図である。
図5】本発明の第1実施形態におけるマイクロ波照射装置が備えるリフレクタの角度変化を説明するための模式図である。
図6】本発明の第1実施形態におけるマイクロ波照射装置が備えるリフレクタの鉛直軸周りの回転を説明するための模式図である。
図7】本発明の第2実施形態のマイクロ波照射装置の概略構成を示すブロック図である。
図8】本発明の第2実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な側面図である。
図9】本発明の第2実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な平面図である。
図10】本発明の第3実施形態のマイクロ波照射装置の概略構成を示すブロック図である。
図11】本発明の第3実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な斜視図である。
図12】本発明の第4実施形態のマイクロ波照射装置の概略構成を示すブロック図である。
図13】本発明の第4実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な側面図である。
図14】本発明の第4実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な平面図である。
図15】本発明の第5実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な側面図である。
図16】本発明の第5実施形態におけるマイクロ波照射装置が備える楕円形リフレクタの正面図である。
図17】本発明の第6実施形態におけるマイクロ波照射装置の一部を示す模式的な側面図である。
図18】本発明の第6実施形態におけるマイクロ波照射装置が備えるパラボラ型リフレクタの正面図である。
図19】本発明の第7実施形態におけるマイクロ波照射装置搭載飛行体の模式図である。
図20】本発明の第8実施形態におけるマイクロ波照射装置搭載船の模式図である。
図21】本発明の第9実施形態におけるマイクロ波照射装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明に係るマイクロ波の照射方向を変更可能なマイクロ波照射装置、マイクロ波照射装置搭載体、及びマイクロ波照射方法の一実施形態について説明する。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のマイクロ波照射装置搭載車両100(マイクロ波照射装置搭載体)の模式図である。図1に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置搭載車両100は、車両101(基体)と、マイクロ波照射装置102とを備えている。
【0015】
車両101は、地面を走行可能な移動体である。車両101は、例えば、無人で走行可能なUGV(Unmanned Ground Vehicle)である。ただし、車両101は、乗員を乗せて走行可能であってもよい。車両101の大きさは、マイクロ波照射装置102が搭載可能であれば特に限定されてない。本実施形態のマイクロ波照射装置102は、小型かつ軽量である。このため、車両101は、小型かつ軽量にできる。
【0016】
なお、図1においては、車両101は複数の車輪を備えている。車輪の数は変更可能である。ただし、車両101は、車輪を用いて走行する構成に限定されるものではない。例えば、車両101は、キャタピラ等の車輪以外の構造を用いて走行する構成であってもよい。
【0017】
また、車両101は、内燃機関やモータ等の動力源を備えており、動力源で生成される動力を用いて走行可能である。ただし、車両101は動力源を備える構成に限定されるものではない。例えば、車両101は、外部から与えられる動力を用いて走行可能であってもよい。
【0018】
マイクロ波照射装置102は、車両101に搭載されており、目標に対してビーム状の高出力マイクロ波パルスP(高出力マイクロ波)を照射可能である。なお、ここで照射とは、目標に対して高出力マイクロ波パルスPを照らし当てることを意味する。高出力マイクロ波パルスPは、目標が電子機器である場合に、目標の電子機器を故障あるいは破壊可能な高出力マイクロ波である。高出力マイクロ波パルスPの電界強度は、例えば0.1kV/m~50kV/mである。
【0019】
ただし、高出力マイクロ波パルスPの電界強度は、上述の数値範囲に限定されない。例えば、暴動鎮圧や鳥獣除去のためにマイクロ波照射装置102を用いることも可能である。このような場合には、高出力マイクロ波パルスPの電界強度を変更してもよい。これにより、例えば、人体や害となる鳥獣の皮膚に致死性や外傷性のない刺激効果を与えることができる。また、高出力マイクロ波パルスPに対する防御対策が施された目標に対しては、高出力マイクロ波パルスPを上述の数値範囲より電界強度を高めてもよい。例えば、高出力マイクロ波パルスPの電界強度は、100kV/m級とすることも可能である。
【0020】
図2は、マイクロ波照射装置102の概略構成を示すブロック図である。図1あるいは図2に示すように、マイクロ波照射装置102は、出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ支持部3と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5(リフレクタ移動機構)と、照射方向制御装置6とを備える。
【0021】
出力装置1は、車両101の内部に収容されており、高出力マイクロ波パルスPを生成すると共に高出力マイクロ波パルスPを所定方向(本実施形態では上方)に向けて放射する。なお、ここで放射とは、出力装置1等の物体から高出力マイクロ波パルスPを射出することを意味する。本実施形態の出力装置1は、高出力マイクロ波パルスPを上方に向けて放射するホーンアンテナ1aを備えている。図1に示すように、ホーンアンテナ1aは、車両101の天井部に配置されており、開口面が本実施形態では上方を向くように配置されている。なお、図1においては、ホーンアンテナ1aの開口面は、円形に示されている。しかしながら、ホーンアンテナ1aの開口面の形状は円形に限定されない。ホーンアンテナ1aの開口面の形状は、例えば矩形等の円形以外の形状であってもよい。また、ホーンアンテナ1aの開口面は必ずしも上方を向いていなくてもよい。ホーンアンテナ1aの開口面が向く方向は変更可能である。
【0022】
図1及び図2においては省略されているが、出力装置1は、ホーンアンテナ1aの他に、電力を保持する電源部、複数のマイクロ波パワーモジュールを備えるモジュール部、マイクロ波をシールドするシールド部、モジュール部や電源部等を制御する制御部等を備えている。例えば、これらの電源部、モジュール部、シールド部及び制御部は、ホーンアンテナ1aの下方に配置されており、車両101の内部に収容されている。
【0023】
なお、図1においては出力装置1の設置位置は車両101の後上部である。ただし、図1における出力装置1の設置位置は一例である。出力装置1の設置位置は、車両101の走行を阻害しない位置であれば、特に限定されない。例えば、出力装置1は、車両101の側部や前部であってもよい。さらに、出力装置1の高出力マイクロ波パルスPの放射方向は、上方に限定されない。出力装置1の設置位置に応じて、出力装置1の高出力マイクロ波パルスPの放射方向を側方や下方にすることも可能である。
【0024】
リフレクタ2は、車両101に設けられており、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPを反射する。本実施形態のリフレクタ2は、一方側の面が平板状の反射面2aである円板状に形成されている。リフレクタ2は、反射面2aを出力装置1側に向けた状態で、リフレクタ支持部3に回転可能に支持されている。
【0025】
図3は、マイクロ波照射装置102の出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ支持部3と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5とを含む模式的な側面図である。また、図4は、マイクロ波照射装置102の出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ支持部3と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5とを含む模式的な平面図である。
【0026】
図3に示すように、リフレクタ2は、リフレクタ支持部3に支持されることで、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPと交差する位置に配置されている。本実施形態では、ホーンアンテナ1aの開口面から上方に向けて高出力マイクロ波パルスPが放射されるため、リフレクタ2は、ホーンアンテナ1aの開口面の上方に配置されている。
【0027】
リフレクタ2は、図3に示すように、リフレクタ2の中心Oを通る水平軸L1を中心として回転可能に支持されている。リフレクタ2は、水平軸L1を中心として回転することで、高出力マイクロ波パルスPの放射方向(垂直方向)に対する角度が変更される。しかしながら、水平軸L1の位置はリフレクタ2の中心Oを通る位置に限定されない。水平軸L1の位置は、リフレクタ2がホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことができる限り、例えば中心Oからオフセットした位置を通ってもよい。
【0028】
図5は、リフレクタ2の角度変化を説明するための模式図である。なお、出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向(本実施形態では真上)に対する反射面2aの角度を傾斜角度と称する。また、反射面2aを真下に向けた状態(図5において実線で示す状態)を0°とし、反射面2aを図5における右側に向けるように水平軸L1を中心として回転する方向を+方向、反射面2aを図5における左側に向けるように水平軸L1を中心として回転する方向を-方向とする。さらに、反射面2aに反射された後の高出力マイクロ波パルスPの放射方向の水平方向に対する角度を照射角度と称する。また、反射面2aに反射された後の高出力マイクロ波パルスPの放射方向が水平方向である場合を0°とし、反射面2aに反射された後の高出力マイクロ波パルスPの放射方向が上向く方向を+方向、反射面2aに反射された後の高出力マイクロ波パルスPの放射方向が下向く方向を-方向とする。このような場合に、例えば、照射角度が-20°~+60°の範囲となるように、リフレクタ2の傾斜角度範囲を定めることができる。ただし、この傾斜角度の範囲は、変更可能である。
【0029】
リフレクタ2の傾斜角度の範囲は、任意の範囲にすることができるが、出力装置1から放射される高出力マイクロ波パルスPの放射方向から見て、リフレクタ2がホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことができる範囲とするとよい。常にリフレクタ2がホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことで、高出力マイクロ波パルスPの一部がリフレクタ2に反射されずに漏出することを抑制できる。
【0030】
例えば、図5に示すように、リフレクタ2が+方向に回転されている場合には、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、図5の右側に向けて反射される。一方、例えば、リフレクタ2が-方向に回転されている場合には、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、図5の左側に向けて反射される。さらに、リフレクタ2の傾斜角度の値が大きくなるにしたがって、リフレクタ2に反射された高出力マイクロ波パルスPは、図5における上側に向けて放射される。
【0031】
リフレクタ支持部3は、リフレクタ2を、水平軸L1を中心として回転可能に支持する支持体である。リフレクタ支持部3は、水平方向におけるリフレクタ2の一端と他端とに接続されている。また、本実施形態においてリフレクタ支持部3は、リフレクタ回転テーブル5上に立設されている。つまり、リフレクタ2は、リフレクタ支持部3を介してリフレクタ回転テーブル5に支持されている。
【0032】
リフレクタ角度調整機構4は、出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向に対するリフレクタ2の角度(傾斜角度)を調整する。リフレクタ角度調整機構4は、例えば、リフレクタ2とリフレクタ支持部3との接続箇所に配置されるモータを備える。図2に示すように、リフレクタ角度調整機構4は、照射方向制御装置6と接続されている。リフレクタ角度調整機構4は、照射方向制御装置6の制御に基づいて、モータにてリフレクタ2を、水平軸L1を中心とする周方向に回転させる動力を生成する。この動力がリフレクタ2に伝達されることで、リフレクタ2が水平軸L1を中心として回転される。
【0033】
なお、リフレクタ角度調整機構4は、モータを備える構成に限定されるものではない。例えば、リフレクタ角度調整機構4は、シリンダ等のモータ以外の駆動部を備える構成であってもよい。
【0034】
リフレクタ回転テーブル5は、出力装置1の周囲を作動領域とする移動テーブルである。図4に示すように、リフレクタ回転テーブル5は、鉛直軸L2を中心として回転可能な環状テーブル5aと、環状テーブル5aを回転させる駆動部5bとを備えている。環状テーブル5aは、中央部が開口された環状形状のテーブルである。環状テーブル5aは、出力装置1のホーンアンテナ1aの開口面を囲うように配置されており、駆動部5bから動力を伝達されることでホーンアンテナ1aの周りを回転する。
【0035】
また、環状テーブル5aは、リフレクタ支持部3を下方から支持する。つまり、環状テーブル5aが鉛直軸L2を中心として回転されることで、リフレクタ支持部3も鉛直軸L2を中心として回転される。さらに、環状テーブル5aが鉛直軸L2を中心として回転されることで、リフレクタ2も鉛直軸L2を中心として回転される。
【0036】
駆動部5bは、例えば、環状テーブル5aを回転される動力を生成するモータを備えている。図2に示すように、リフレクタ回転テーブル5は、照射方向制御装置6と接続されている。リフレクタ回転テーブル5は、照射方向制御装置6の制御に基づいて、モータにてリフレクタ2を、鉛直軸L2を中心とする周方向に回転させる動力を生成する。この動力が環状テーブル5aに伝達されることで、リフレクタ2が鉛直軸L2を中心として回転される。
【0037】
本実施形態において鉛直軸L2は、リフレクタ2の中心Oを通る。このため、リフレクタ2は、出力装置1の高出力マイクロ波パルスPの放射方向から見て、中心Oを中心とする周方向に回転可能である。
【0038】
図6は、リフレクタ2の鉛直軸L2周りの回転を説明するための模式図である。例えば、環状テーブル5aの回転位置が基準位置である場合(図6において実線で示す状態)を回転角度が0°であるとし、図6において鉛直軸L2を中心とする右回り方向を+方向、鉛直軸L2を中心とする鉛直軸L2を中心とする左回り方向を-方向とする。このような場合に、回転角度が例えば-180°~+180°の範囲となるように、リフレクタ2を回転可能とできる。ただし、この回転角度の範囲は、変更可能である。例えば、車両101の一部に対して高出力マイクロ波パルスPが照射されることを抑止するように、リフレクタ2の回転角度を制限するようにしてもよい。
【0039】
例えば、回転角度が0°である状態で、リフレクタ2は、水平軸L1が車両101の左右方向と平行となり、傾斜角度を+値とすることで反射面2aが車両101の後方に向けられるとする。このような場合に、リフレクタ2の傾斜角度を+値として回転角度を0°とすると、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、リフレクタ2に反射されることで車両101の後方に向けて放射される。また、リフレクタ2の傾斜角度を-値として回転角度を0°とすると、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、リフレクタ2に反射されることで車両101の前方に向けて放射される。
【0040】
また、リフレクタ2の傾斜角度を+値として回転角度を+90°とすると、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、リフレクタ2に反射されることで車両101の左側に向けて放射される。また、リフレクタ2の傾斜角度を-値として回転角度を+90°とすると、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、リフレクタ2に反射されることで車両101の右側に向けて放射される。
【0041】
また、リフレクタ2の傾斜角度を+値として回転角度を+180°あるいは-180°とすると、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、リフレクタ2に反射されることで車両101の前方に向けて放射される。また、リフレクタ2の傾斜角度を-値として回転角度を+180°あるいは-180°とすると、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、リフレクタ2に反射されることで車両101の後方に向けて放射される。
【0042】
また、リフレクタ2の傾斜角度を+値として回転角度を-90°とすると、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、リフレクタ2に反射されることで車両101の右側に向けて放射される。また、リフレクタ2の傾斜角度を-値として回転角度を-90°とすると、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、リフレクタ2に反射されることで車両101の左側に向けて放射される。
【0043】
なお、上述のように照射角度(反射面2aに反射された後の高出力マイクロ波パルスPの放射方向の水平方向に対する角度)を-20°~+60°とする場合には、リフレクタ2の傾斜角度が-値となるようにリフレクタ2を傾斜させる必要はない。
【0044】
なお、本実施形態においては、リフレクタ2を出力装置1の周囲の所定領域にて、車両101に対して移動させるリフレクタ移動機構として、リフレクタ回転テーブル5が用いられている。しかしながら、リフレクタ移動機構は、リフレクタ回転テーブル5に限定されない。例えば、リフレクタ2を車両101の前後方向に直線状に移動させる移動テーブルをリフレクタ移動機構として備えてもよい。また、リフレクタ2を車両101の左右方向に直線状に移動させる移動テーブルをリフレクタ移動機構として備えてもよい。さらに、リフレクタ移動機構は、移動テーブルに限られるものでもなく、シリンダ等を用いてリフレクタ2を直線状に水平移動させるような機構であってもよい。
【0045】
照射方向制御装置6は、図2に示すように、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5とに接続されている。照射方向制御装置6は、外部から入力される指令に基づいて、高出力マイクロ波パルスPの照射方向を調整する。照射方向制御装置6は、リフレクタ角度調整機構4を制御することで、リフレクタ2の傾斜角度を調整する。また、照射方向制御装置6は、リフレクタ回転テーブル5を制御することで、リフレクタ2の回転角度を調整する。
【0046】
例えば、照射方向制御装置6は、高出力マイクロ波パルスPの照射方向が車両101の後方である場合には、リフレクタ角度調整機構4に対して、リフレクタ2の傾斜角度を+値に調整させる。また、照射方向制御装置6は、リフレクタ回転テーブル5に対して、リフレクタ2の回転角度を0°に調整させる。このようにリフレクタ2の傾斜角度及び回転角度が調整されることで、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の後方の目標に対して照射される。なお、照射方向制御装置6が、リフレクタ2の傾斜角度を-値に調整させ、回転角度を+180°あるいは-180°に調整させた場合にも、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の後方の目標に対して照射される。
【0047】
また、例えば、照射方向制御装置6は、高出力マイクロ波パルスPの照射方向が車両101の左側である場合には、リフレクタ角度調整機構4に対して、リフレクタ2の傾斜角度を+値に調整させる。また、照射方向制御装置6は、リフレクタ回転テーブル5に対して、リフレクタ2の回転角度を+90°に調整させる。このようにリフレクタ2の傾斜角度及び回転角度が調整されることで、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の左側の目標に対して照射される。なお、照射方向制御装置6が、リフレクタ2の傾斜角度を-値に調整させ、回転角度を-90°に調整させた場合にも、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の左側の目標に対して照射される。
【0048】
また、例えば、照射方向制御装置6は、高出力マイクロ波パルスPの照射方向が車両101の前方である場合には、リフレクタ角度調整機構4に対して、リフレクタ2の傾斜角度を+値に調整させる。また、照射方向制御装置6は、リフレクタ回転テーブル5に対して、リフレクタ2の回転角度を+180°あるいは-180°に調整させる。このようにリフレクタ2の傾斜角度及び回転角度が調整されることで、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の前方の目標に対して照射される。なお、照射方向制御装置6が、リフレクタ2の傾斜角度を-値に調整させ、回転角度を0°に調整させた場合にも、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の前方の目標に対して照射される。
【0049】
また、例えば、照射方向制御装置6は、高出力マイクロ波パルスPの照射方向が車両101の右側である場合には、リフレクタ角度調整機構4に対して、リフレクタ2の傾斜角度を+値に調整させる。また、照射方向制御装置6は、リフレクタ回転テーブル5に対して、リフレクタ2の回転角度を-90°に調整させる。このようにリフレクタ2の傾斜角度及び回転角度が調整されることで、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の右側の目標に対して照射される。なお、照射方向制御装置6が、リフレクタ2の傾斜角度を-値に調整させ、回転角度を+90°に調整させた場合にも、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の右側の目標に対して照射される。
【0050】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置102は、車両101に搭載された出力装置1から上方に放射された高出力マイクロ波パルスPを、傾斜角度を調整可能なリフレクタ2で反射する。つまり、本実施形態におけるマイクロ波照射方法では、車両101に搭載された出力装置1から上方に放射された高出力マイクロ波パルスPを、傾斜角度を調整可能なリフレクタ2で反射する。
【0051】
以上のような本実施形態のマイクロ波照射装置102は、出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4とを有する。出力装置1は、高出力マイクロ波パルスPを上方へ放射すると共に車両101に搭載される。リフレクタ2は、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPと交差する位置にて車両101に設けられて高出力マイクロ波パルスPを反射する。リフレクタ角度調整機構4は、出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向に対するリフレクタ2の角度を調整する。
【0052】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置102は、リフレクタ角度調整機構4を用いてリフレクタ2の角度を調整することで、高出力マイクロ波パルスPの照射方向を変更できる。したがって、本実施形態のマイクロ波照射装置102では、マイクロ波照射装置102の全体や出力装置1を動かすことなく、高出力マイクロ波パルスPの照射方向を変更できる。したがって、本実施形態のマイクロ波照射装置102によれば、高出力マイクロ波パルスPの照射方向を変更でき、マイクロ波照射装置102の全体を動かす場合と比較してマイクロ波照射装置102の大型化及び重量化を抑止できる。
【0053】
このようなマイクロ波照射装置102では、高出力マイクロ波パルスPの放射方向を変更するために姿勢変更や移動する部分は、リフレクタ2となる。このため、出力装置1やマイクロ波照射装置102を姿勢変更や移動する場合と比較して、姿勢変更や移動する部分が軽量なものとなる。したがって、容易かつ高速に高出力マイクロ波パルスPの放射方向を変更できる。
【0054】
また、マイクロ波照射装置102の大型化及び重量化を抑止することで、マイクロ波照射装置搭載車両100の大型化及び重量化も抑止できる。また、マイクロ波照射装置102が搭載される車両101の負荷を低減することができる。したがって、マイクロ波照射装置搭載車両100の高い機動性を確保することができる。
【0055】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置102では、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPは、空気中を伝搬してリフレクタ2に到達する。このため、出力装置1とリフレクタ2との間の気密性を確保する必要がない。したがって、本実施形態のマイクロ波照射装置102によれば、気密性を確保したロータリジョイント等を設ける必要がなくなる。さらに、気密性確保のための温室効果ガスを用いる必要がなくなり、環境負荷を小さくすることができる。
【0056】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置102は、リフレクタ移動機構としてリフレクタ回転テーブル5を備えている。リフレクタ回転テーブル5、リフレクタ2を出力装置1の周囲の所定領域にて、車両101に対して移動させる。このような本実施形態によれば、リフレクタ2の傾斜角度に加えて、リフレクタ2の回転角度を変動させることができる。したがって、高出力マイクロ波パルスPの放射方向をより広範囲に変化させることができる。
【0057】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置102は、リフレクタ移動機構が出力装置1の周囲を作動範囲とする移動テーブル(リフレクタ回転テーブル5)である。さらに、リフレクタ角度調整機構4は、移動テーブルに搭載されている。このため、リフレクタ角度調整機構4を移動させることでリフレクタ2を同時に移動させることができる。したがって、リフレクタ角度調整機構4を移動させる機構を別に設ける必要がなく、マイクロ波照射装置102を小型かつ軽量化することができる。
【0058】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置102では、移動テーブルが、出力装置1の周囲を回転するリフレクタ回転テーブル5である。このため、リフレクタ回転テーブル5を回転させることで、高出力マイクロ波パルスPの放射方向が容易に鉛直軸L2を中心とする周方向に変更できる。
【0059】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置102では、出力装置1は、高出力マイクロ波パルスPを所定方向へ放射するホーンアンテナ1aを有する。このため、簡易な構成の出力装置1で高出力マイクロ波パルスPを放射することができる。
【0060】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置搭載車両100は、移動体として、地面を走行可能な車両101を備える。このため、マイクロ波照射装置搭載車両100は、地面を走行して容易に移動することができる。
【0061】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図7図9を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0062】
図7は、本実施形態のマイクロ波照射装置200の概略構成を示すブロック図である。図8は、本実施形態のマイクロ波照射装置200の出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5と、昇降機構7とを含む模式的な側面図である。図9は、本実施形態のマイクロ波照射装置200の出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5と、昇降機構7とを含む模式的な平面図である。
【0063】
これらの図に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置200は、出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5と、照射方向制御装置6と、昇降機構7とを備えている。このような本実施形態のマイクロ波照射装置200は、上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102のリフレクタ支持部3に換えて昇降機構7(距離調整機構)を備えている。
【0064】
昇降機構7は、リフレクタ2を、水平軸L1を中心とする周方向に回転可能にかつ上下方向に移動可能に支持する。本実施形態において出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向は、上記第1実施形態と同様に、上方である。つまり、昇降機構7は、出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向にリフレクタ2を移動可能である。このような昇降機構7は、リフレクタ2を移動させることで、リフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。なお、上記第1実施形態と同様に、出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向は、限定されない。出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向が上方でない場合には、昇降機構7のリフレクタ2の移動方向も変更される。
【0065】
このような昇降機構7は、例えば、上下方向に伸縮するように変形可能なリンク機構と、リンク機構を変形させるための動力を生成するアクチュエータ等を備えている。昇降機構7は、照射方向制御装置6と接続されており、照射方向制御装置6の制御に基づいて、リフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。
【0066】
また、本実施形態において昇降機構7は、リフレクタ2の位置を反射位置と収納位置とに位置変更可能である。反射位置は、リフレクタ2と出力装置1との距離が、リフレクタ2が高出力マイクロ波パルスPの反射に適した位置である。この反射位置は、リフレクタ2が水平軸L1を中心とする周方向に回転した場合に出力装置1に干渉しない位置である。
【0067】
収納位置は、反射位置よりもリフレクタ2が出力装置1に近接した位置である。この収納位置は、マイクロ波照射装置200が高出力マイクロ波パルスPの照射を行わない場合にリフレクタ2が収納される位置である。
【0068】
例えば、リフレクタ2の反射面2aを出力装置1に向けた状態でリフレクタ2を収納位置とすることで、リフレクタ2は出力装置1のホーンアンテナ1aの開口面に近接して対向配置される。このようにリフレクタ2を収納することで、車両101等の移動体が移動する場合にリフレクタ2が抵抗となることを防止できる。
【0069】
さらに、リフレクタ2を収納位置とすることで、ホーンアンテナ1aの開口面を覆うように配置される。このため、リフレクタ2の反射面2aとホーンアンテナ1aを保護することができる。
【0070】
また、本実施形態においてリフレクタ角度調整機構4は、例えば、リフレクタ2と昇降機構7との接続箇所に配置されるモータを備える。リフレクタ角度調整機構4は、照射方向制御装置6の制御に基づいて、モータにてリフレクタ2を、水平軸L1を中心とする周方向に回転させる動力を生成する。この動力がリフレクタ2に伝達されることで、リフレクタ2が水平軸L1を中心として回転される。
【0071】
また、本実施形態においてリフレクタ回転テーブル5は、昇降機構7を下方から支持する。つまり、環状テーブル5aが鉛直軸L2を中心として回転されることで、昇降機構7も鉛直軸L2を中心として回転される。さらに、環状テーブル5aが鉛直軸L2を中心として回転されることで、リフレクタ2も鉛直軸L2を中心として回転される。
【0072】
また、本実施形態において照射方向制御装置6は、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5と、昇降機構7とに接続されている。照射方向制御装置6は、上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102と同様に、外部から入力される指令に基づいて、高出力マイクロ波パルスPの照射方向を調整する。
【0073】
さらに、照射方向制御装置6は、外部から入力される指令に基づいて、昇降機構7を制御することでリフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。例えば、照射方向制御装置6は、マイクロ波照射装置200が高出力マイクロ波パルスPを照射する場合には、リフレクタ2が反射位置となるように、リフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。なお、照射方向制御装置6は、リフレクタ2が反射位置を補正するように、リフレクタ2と出力装置1との距離を調整してもよい。
【0074】
また、照射方向制御装置6は、マイクロ波照射装置200が高出力マイクロ波パルスPを照射しない場合には、リフレクタ2が収納位置となるように、リフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。
【0075】
なお、リフレクタ2を収納位置とする場合には、照射方向制御装置6の制御により、リフレクタ角度調整機構4にリフレクタ2の傾斜角度を0°に調整させるとよい。傾斜角度が0°の状態でリフレクタ2が収納位置されることで、リフレクタ2で出力装置1のホーンアンテナ1aを覆うことができる。
【0076】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置200は、距離調整機構として昇降機構7を備える。昇降機構7は、出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向におけるリフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。このような本実施形態のマイクロ波照射装置200によれば、例えば高出力マイクロ波パルスPの反射位置を補正することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置200において、昇降機構7は、リフレクタ2が高出力マイクロ波パルスPを反射する反射位置よりも、リフレクタ2を出力装置1に近接可能である。このような本実施形態のマイクロ波照射装置200によれば、例えば、高出力マイクロ波パルスPを放射しない場合に、リフレクタ2を収納することが可能となる。
【0078】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態については、図10及び図11を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0079】
図10は、本実施形態のマイクロ波照射装置300の概略構成を示すブロック図である。図11は、本実施形態のマイクロ波照射装置300の出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4と、回転機構8とを含む模式的な斜視図である。
【0080】
これらの図に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置300は、出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4と、照射方向制御装置6と、回転機構8(リフレクタ移動機構)とを備えている。このような本実施形態のマイクロ波照射装置300は、リフレクタ回転テーブル5に換えて回転機構8を備えている。
【0081】
図11に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置300において、出力装置1は、上記第1実施形態のホーンアンテナ1aに換えて、フェーズドアレイアンテナ1bを備えている。フェーズドアレイアンテナ1bは、アレイ状に配列されて高出力マイクロ波パルスPを放射する複数のアンテナ素子1cを備えている。
【0082】
フェーズドアレイアンテナ1bは、各々のアンテナ素子1cの位相を調整することで、高出力マイクロ波パルスPの放射方向を変更可能である。例えば、フェーズドアレイアンテナ1bは、リフレクタ角度調整機構4によるリフレクタ2の傾斜角度の変更と比較すると、変更範囲が狭いが、変更速度及び変更精度が高い。このため、フェーズドアレイアンテナ1bを併用することで、高出力マイクロ波パルスPの放射方向を素早くかつ正確に調整することができる。
【0083】
また、フェーズドアレイアンテナ1bの特徴を生かして、単一のリフレクタ2の傾斜角度等を固定したまま複数目標へ同時に高出力マイクロ波パルスPを照射できる。その場合、アレイのアーキテクチャをフルアレイとすることにより、サブアレイ方式と比較して同一の目標数であっても、より高出力でビーム幅を絞った高出力マイクロ波Pを各目標に照射できる。その場合、デジタルビームフォーマーを使用したり、バトラーマトリックスを使用したりすることにより、複数目標へ同時に高出力マイクロ波パルスPを照射可能となる。
【0084】
また、本実施形態において、リフレクタ支持部3は、回転機構8に支持されている。より詳細には、図11に示すように、リフレクタ支持部3の下端が回転機構8に接続されている。
【0085】
回転機構8は、リフレクタ2を出力装置1の周囲の領域にて移動させるリフレクタ移動機構である。本実施形態において回転機構8は、図11に示すように、レール8aと、移動子8bと、駆動部8cとを備えている。
【0086】
レール8aは、出力装置1のフェーズドアレイアンテナ1bを囲むように環状に敷設されている。レール8aは、移動子8bをレール8aに沿って移動可能に支持する。移動子8bは、リフレクタ支持部3の下端部が固定される部位である。移動子8bは、リフレクタ支持部3の設置数に合わせて2つ設けられている。これらの移動子8bをこれらの移動子8bがレール8aに沿って移動されることで、リフレクタ支持部3がフェーズドアレイアンテナ1bの周りを、鉛直軸L2を中心として移動される。さらに、リフレクタ支持部3が鉛直軸L2を中心として移動されることで、リフレクタ2が鉛直軸L2を中心として回転される。
【0087】
駆動部8cは、例えば、移動子8bを移動させる動力を生成するモータを備えている。図10に示すように、回転機構8は、照射方向制御装置6と接続されている。回転機構8は、照射方向制御装置6の制御に基づいて、モータにてリフレクタ2を、鉛直軸L2を中心とする周方向に回転させる動力を生成する。この動力が移動子8bに伝達されることで、リフレクタ2が鉛直軸L2を中心として回転される。
【0088】
また、本実施形態において照射方向制御装置6は、図10に示すように、リフレクタ角度調整機構4と、回転機構8とに接続されている。照射方向制御装置6は、回転機構8を制御することで、リフレクタ2の回転角度を調整する。
【0089】
例えば、本実施形態のマイクロ波照射装置300が上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102と同様に車両101に搭載されているものとする。照射方向制御装置6は、高出力マイクロ波パルスPの照射方向が車両101の後方である場合には、リフレクタ角度調整機構4に対して、リフレクタ2の傾斜角度を+値に調整させる。また、照射方向制御装置6は、回転機構8に対して、リフレクタ2の回転角度を0°に調整させる。このようにリフレクタ2の傾斜角度及び回転角度が調整されることで、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の後方の目標に対して照射される。なお、照射方向制御装置6が、リフレクタ2の傾斜角度を-値に調整させ、回転角度を+180°あるいは-180°に調整させた場合にも、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の後方の目標に対して照射される。
【0090】
また、例えば、照射方向制御装置6は、高出力マイクロ波パルスPの照射方向が車両101の左側である場合には、リフレクタ角度調整機構4に対して、リフレクタ2の傾斜角度を+値に調整させる。また、照射方向制御装置6は、回転機構8に対して、リフレクタ2の回転角度を+90°に調整させる。このようにリフレクタ2の傾斜角度及び回転角度が調整されることで、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の左側の目標に対して照射される。なお、照射方向制御装置6が、リフレクタ2の傾斜角度を-値に調整させ、回転角度を-90°に調整させた場合にも、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の左側の目標に対して照射される。
【0091】
また、例えば、照射方向制御装置6は、高出力マイクロ波パルスPの照射方向が車両101の前方である場合には、リフレクタ角度調整機構4に対して、リフレクタ2の傾斜角度を+値に調整させる。また、照射方向制御装置6は、回転機構8に対して、リフレクタ2の回転角度を+180°あるいは-180°に調整させる。このようにリフレクタ2の傾斜角度及び回転角度が調整されることで、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の前方の目標に対して照射される。なお、照射方向制御装置6が、リフレクタ2の傾斜角度を-値に調整させ、回転角度を0°に調整させた場合にも、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の前方の目標に対して照射される。
【0092】
また、例えば、照射方向制御装置6は、高出力マイクロ波パルスPの照射方向が車両101の右側である場合には、リフレクタ角度調整機構4に対して、リフレクタ2の傾斜角度を+値に調整させる。また、照射方向制御装置6は、回転機構8に対して、リフレクタ2の回転角度を-90°に調整させる。このようにリフレクタ2の傾斜角度及び回転角度が調整されることで、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の右側の目標に対して照射される。なお、照射方向制御装置6が、リフレクタ2の傾斜角度を-値に調整させ、回転角度を+90°に調整させた場合にも、出力装置1から放射されてリフレクタ2に反射した高出力マイクロ波パルスPは、車両101の右側の目標に対して照射される。
【0093】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置300は、出力装置1が、高出力マイクロ波パルスPを放射するアンテナ素子1cが複数配列されたフェーズドアレイアンテナ1bを有する。このため、本実施形態のマイクロ波照射装置300によれば、フェーズドアレイアンテナ1bで高出力マイクロ波パルスPの放射方向を変更可能な範囲であれば、リフレクタ2の傾斜角度や回転角度を変更することなく、高出力マイクロ波パルスPの放射方向を素早くかつ正確に変更できる。
【0094】
また、フェーズドアレイアンテナ1bを用いることで、高出力マイクロ波パルスPの放射方向を変更するのみではなく、高出力マイクロ波パルスPの焦点距離を変化させることで、特定の目標に対して高出力マイクロ波パルスPを集中させることも可能である。
【0095】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置300は、リフレクタ移動機構として回転機構8を備えている。回転機構8は、レール8aと、移動子8bとを備えている。レール8aは、出力装置1を囲んで設けられている。移動子8bは、レール8aに沿って移動可能であると共にリフレクタ2が接続されている。このようなマイクロ波照射装置300によれば、リフレクタ2の傾斜角度に加えて、リフレクタ2の回転角度を変動させることができる。したがって、高出力マイクロ波パルスPの放射方向をより広範囲に変化させることができる。
【0096】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図12図14を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1~第3実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0097】
図12は、本実施形態のマイクロ波照射装置400の概略構成を示すブロック図である。図13は、本実施形態のマイクロ波照射装置400の出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4と、昇降機構7と、回転機構8とを含む模式的な側面図である。図14は、本実施形態のマイクロ波照射装置400の出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4と、昇降機構7と、回転機構8とを含む模式的な平面図である。
【0098】
これらの図に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置400は、出力装置1と、リフレクタ2と、リフレクタ角度調整機構4と、照射方向制御装置6と、昇降機構7と、回転機構8とを備えている。このような本実施形態のマイクロ波照射装置400は、上記第3実施形態のマイクロ波照射装置300のリフレクタ支持部3に換えて上記第2実施形態の昇降機構7(距離調整機構)を備えている。
【0099】
昇降機構7は、リフレクタ2の位置を反射位置と収納位置とに位置変更可能である。例えば、リフレクタ2の反射面2aを出力装置1に向けた状態でリフレクタ2を収納位置とすることで、リフレクタ2は出力装置1のフェーズドアレイアンテナ1bに近接して対向配置される。このようにリフレクタ2を収納することで、車両101等の移動体が移動する場合にリフレクタ2が抵抗となることを防止できる。
【0100】
さらに、リフレクタ2を収納位置とすることで、フェーズドアレイアンテナ1bを覆うように配置される。このため、リフレクタ2の反射面2aとフェーズドアレイアンテナ1bを保護することができる。
【0101】
また、本実施形態において回転機構8は、昇降機構7を下方から支持する。つまり、移動子8bがレール8aに沿って移動されることで、昇降機構7も鉛直軸L2を中心として回転される。さらに、昇降機構7が鉛直軸L2を中心として回転されることで、リフレクタ2も鉛直軸L2を中心として回転される。
【0102】
また、本実施形態において照射方向制御装置6は、リフレクタ角度調整機構4と、昇降機構7と、回転機構8とに接続されている。照射方向制御装置6は、外部から入力される指令に基づいて、昇降機構7を制御することでリフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。例えば、照射方向制御装置6は、マイクロ波照射装置400が高出力マイクロ波パルスPを照射する場合には、リフレクタ2が反射位置となるように、リフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。なお、照射方向制御装置6は、リフレクタ2が反射位置を補正するように、リフレクタ2と出力装置1との距離を調整してもよい。
【0103】
また、照射方向制御装置6は、マイクロ波照射装置400が高出力マイクロ波パルスPを照射しない場合には、リフレクタ2が収納位置となるように、リフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。
【0104】
なお、リフレクタ2を収納位置とする場合には、照射方向制御装置6の制御により、リフレクタ角度調整機構4にリフレクタ2の傾斜角度を0°に調整させるとよい。傾斜角度が0°の状態でリフレクタ2が収納位置されることで、リフレクタ2で出力装置1のフェーズドアレイアンテナ1bを覆うことができる。
【0105】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置400は、距離調整機構として昇降機構7を備える。昇降機構7は、出力装置1からの高出力マイクロ波パルスPの放射方向におけるリフレクタ2と出力装置1との距離を調整する。このような本実施形態のマイクロ波照射装置400によれば、例えば高出力マイクロ波パルスPの反射位置を補正することが可能となる。
【0106】
また、本実施形態のマイクロ波照射装置400において、昇降機構7は、リフレクタ2が高出力マイクロ波パルスPを反射する反射位置よりも、リフレクタ2を出力装置1に近接可能である。このような本実施形態のマイクロ波照射装置400によれば、例えば、高出力マイクロ波パルスPを放射しない場合に、リフレクタ2を収納することが可能となる。
【0107】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について、図15及び図16を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0108】
図15は、本実施形態のマイクロ波照射装置500の出力装置1と、リフレクタ支持部3と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5と、楕円形リフレクタ9とを含む模式的な側面図である。図16は、楕円形リフレクタ9の正面図である。
【0109】
図15に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置500は、出力装置1と、リフレクタ支持部3と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5と、照射方向制御装置6と、楕円形リフレクタ9とを備えている。このような本実施形態のマイクロ波照射装置500は、上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102のリフレクタ2に換えて楕円形リフレクタ9を備えている。
【0110】
楕円形リフレクタ9は、図16に示すように、楕円形の板状に形成されたリフレクタである。楕円形リフレクタ9は、リフレクタ支持部3に支持されることで、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPと交差する位置に配置されている。このような楕円形リフレクタ9は、反射面9aにて出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPを反射する。
【0111】
楕円形リフレクタ9は、水平軸L1が短軸と重なるように配置されており、水平軸L1を中心として回転可能に支持されている。楕円形リフレクタ9は、水平軸L1を中心として回転することで、高出力マイクロ波パルスPの放射方向(垂直方向)に対する角度が変更される。
【0112】
例えば、反射面9aを真下に向けた状態を傾斜角度0°とし、反射面9aを図15における右側に向けるように水平軸L1を中心として回転する方向を+方向、反射面9aを図15における左側に向けるように水平軸L1を中心として回転する方向を-方向とする。このような場合に、例えば、照射角度(反射面9aに反射された後の高出力マイクロ波パルスPの放射方向の水平方向に対する角度)が-20°~+60°の範囲となるように、リフレクタ2の傾斜角度範囲を定めることができる。ただし、この傾斜角度の範囲は、変更可能である。
【0113】
楕円形リフレクタ9の傾斜角度の範囲は、任意の範囲にすることができるが、出力装置1から放射される高出力マイクロ波パルスPの放射方向から見て、楕円形リフレクタ9がホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことができる範囲とするとよい。常に楕円形リフレクタ9がホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことで、高出力マイクロ波パルスPの一部が楕円形リフレクタ9に反射されずに漏出することを抑制できる。
【0114】
例えば、楕円形リフレクタ9の短軸長が上記第1実施形態のリフレクタ2の直径と同じである場合には、楕円形リフレクタ9の長軸長は、上記第1実施形態のリフレクタ2の直径よりも大きくなる。本実施形態において楕円形リフレクタ9は、短軸が水平軸L1と重なるように配置されている。このため、楕円形リフレクタ9の長軸長が、上記第1実施形態のリフレクタ2の直径よりも大きくなることで、楕円形リフレクタ9がホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことができる傾斜角度の範囲を上記第1実施形態よりも拡大できる。
【0115】
本実施形態においてリフレクタ支持部3は、楕円形リフレクタ9を、水平軸L1を中心として回転可能に支持する支持体である。リフレクタ支持部3は、水平方向における楕円形リフレクタ9の一端と他端とに接続されている。また、本実施形態においてリフレクタ支持部3は、リフレクタ回転テーブル5上に立設されている。つまり、楕円形リフレクタ9は、リフレクタ支持部3を介してリフレクタ回転テーブル5に支持されている。
【0116】
本実施形態においてリフレクタ角度調整機構4は、例えば、楕円形リフレクタ9とリフレクタ支持部3との接続箇所に配置されるモータを備える。リフレクタ角度調整機構4は、照射方向制御装置6の制御に基づいて、モータにて楕円形リフレクタ9を、水平軸L1を中心とする周方向に回転させる動力を生成する。この動力が楕円形リフレクタ9に伝達されることで、楕円形リフレクタ9が水平軸L1を中心として回転される。
【0117】
なお、リフレクタ角度調整機構4は、モータを備える構成に限定されるものではない。例えば、リフレクタ角度調整機構4は、シリンダ等のモータ以外の駆動部を備える構成であってもよい。
【0118】
本実施形態においてリフレクタ回転テーブル5は、鉛直軸L2を中心として回転される環状テーブル5aを備えている。本実施形態では、リフレクタ回転テーブル5の環状テーブル5aが鉛直軸L2を中心として回転されることで、楕円形リフレクタ9が鉛直軸L2を中心として回転される。
【0119】
リフレクタ回転テーブル5は、照射方向制御装置6の制御に基づいて、モータにて楕円形リフレクタ9を、鉛直軸L2を中心とする周方向に回転させる動力を生成する。この動力が環状テーブル5aに伝達されることで、楕円形リフレクタ9が鉛直軸L2を中心として回転される。
【0120】
本実施形態において鉛直軸L2は、楕円形リフレクタ9の中心Oを通る。このため、楕円形リフレクタ9は、出力装置1の高出力マイクロ波パルスPの放射方向から見て、中心Oを中心とする周方向に回転可能である。
【0121】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置500は、楕円形リフレクタ9を備える。このため、例えば、ホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことができる傾斜角度の範囲を上記第1実施形態よりも拡大できる。したがって、楕円形リフレクタ9の傾斜角度の範囲を上記第1実施形態のリフレクタ2の傾斜角度の範囲よりも拡大することが可能となる。
【0122】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について、図17及び図18を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0123】
図17は、本実施形態のマイクロ波照射装置600の出力装置1と、リフレクタ支持部3と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5と、パラボラ型リフレクタ10とを含む模式的な側面図である。図17は、パラボラ型リフレクタ10の斜視図である。
【0124】
図17に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置600は、出力装置1と、リフレクタ支持部3と、リフレクタ角度調整機構4と、リフレクタ回転テーブル5と、照射方向制御装置6と、パラボラ型リフレクタ10とを備えている。このような本実施形態のマイクロ波照射装置600は、上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102のリフレクタ2に換えてパラボラ型リフレクタ10を備えている。
【0125】
パラボラ型リフレクタ10は、図16に示すように、反射面10aが放物曲面であるリフレクタである。パラボラ型リフレクタ10は、リフレクタ支持部3に支持されることで、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPと交差する位置に配置されている。このようなパラボラ型リフレクタ10は、反射面9aにて出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPを反射する。
【0126】
パラボラ型リフレクタ10は、水平軸L1を中心として回転可能に支持されている。パラボラ型リフレクタ10は、水平軸L1を中心として回転することで、高出力マイクロ波パルスPの放射方向(垂直方向)に対する角度が変更される。
【0127】
パラボラ型リフレクタ10の傾斜角度の範囲は、任意の範囲にすることができるが、出力装置1から放射される高出力マイクロ波パルスPの放射方向から見て、パラボラ型リフレクタ10がホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことができる範囲とするとよい。常にパラボラ型リフレクタ10がホーンアンテナ1aの開口面の全体を覆うことで、高出力マイクロ波パルスPの一部がパラボラ型リフレクタ10に反射されずに漏出することを抑制できる。
【0128】
このようなパラボラ型リフレクタ10は、出力装置1から放射された高出力マイクロ波パルスPを一か所に集中させるように反射する。このため、上記第1実施形態のリフレクタ2と比較して、目標に対して照射される高出力マイクロ波パルスPのエネルギ強度を高めることができる。
【0129】
本実施形態においてリフレクタ支持部3は、パラボラ型リフレクタ10を、水平軸L1を中心として回転可能に支持する支持体である。リフレクタ支持部3は、水平方向におけるパラボラ型リフレクタ10の一端と他端とに接続されている。また、本実施形態においてリフレクタ支持部3は、リフレクタ回転テーブル5上に立設されている。つまり、パラボラ型リフレクタ10は、リフレクタ支持部3を介してリフレクタ回転テーブル5に支持されている。
【0130】
本実施形態においてリフレクタ角度調整機構4は、例えば、パラボラ型リフレクタ10とリフレクタ支持部3との接続箇所に配置されるモータを備える。リフレクタ角度調整機構4は、照射方向制御装置6の制御に基づいて、モータにてパラボラ型リフレクタ10を、水平軸L1を中心とする周方向に回転させる動力を生成する。この動力がパラボラ型リフレクタ10に伝達されることで、パラボラ型リフレクタ10が水平軸L1を中心として回転される。
【0131】
なお、リフレクタ角度調整機構4は、モータを備える構成に限定されるものではない。例えば、リフレクタ角度調整機構4は、シリンダ等のモータ以外の駆動部を備える構成であってもよい。
【0132】
本実施形態においてリフレクタ回転テーブル5は、鉛直軸L2を中心として回転される環状テーブル5aを備えている。本実施形態では、リフレクタ回転テーブル5の環状テーブル5aが鉛直軸L2を中心として回転されることで、パラボラ型リフレクタ10が鉛直軸L2を中心として回転される。
【0133】
リフレクタ回転テーブル5は、照射方向制御装置6の制御に基づいて、モータにてパラボラ型リフレクタ10を、鉛直軸L2を中心とする周方向に回転させる動力を生成する。この動力が環状テーブル5aに伝達されることで、パラボラ型リフレクタ10が鉛直軸L2を中心として回転される。
【0134】
本実施形態において鉛直軸L2は、パラボラ型リフレクタ10の中心Oを通る。このため、パラボラ型リフレクタ10は、出力装置1の高出力マイクロ波パルスPの放射方向から見て、中心Oを中心とする周方向に回転可能である。
【0135】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置600は、パラボラ型リフレクタ10を備える。このため、目標に対して照射される高出力マイクロ波パルスPのエネルギ強度を高めることができ、上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102と比較して、出力装置1からの出力強度を抑制することができる。
【0136】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について、図19を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0137】
図19は、本実施形態のマイクロ波照射装置搭載飛行体700(マイクロ波照射装置搭載体)の模式図である。図19に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置搭載飛行体700は、飛行体701(基体)と、マイクロ波照射装置102とを備えている。
【0138】
飛行体701は、飛行可能な移動体である。飛行体701は、例えば、無人で飛行可能なUAV(Unmanned Aerial Vehicle)である。ただし、飛行体701は、乗員を乗せて飛行可能であってもよい。飛行体701の大きさは、マイクロ波照射装置102が搭載可能であれば特に限定されてない。本実施形態のマイクロ波照射装置102は、小型かつ軽量である。このため、飛行体701は、小型かつ軽量にできる。車両と異なり、飛行可能な移動体の場合は重量制限が厳しい場合が多く、本実施形態のようにマイクロ波照射装置102を軽量化できるメリットは大きい。
【0139】
なお、図19においては、大気中を飛行可能な飛行体701を図示している。ただし、飛行体701は、大気中を飛行可能な構成に限定されるものではない。例えば、飛行体701は、宇宙空間等を飛行可能な構成であってもよい。
【0140】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置搭載飛行体700は、移動体として、飛行可能な飛行体701を備える。このため、マイクロ波照射装置搭載飛行体700は、空中を飛行して容易に移動することができる。
【0141】
なお、例えば、飛行体701が高速で旋回できる場合等には、マイクロ波照射装置102がリフレクタ回転テーブル5を備えない構成とすることも可能である。
【0142】
また、本実施形態においては、マイクロ波照射装置搭載飛行体700が上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102を備える構成について説明した。しかしながら、マイクロ波照射装置搭載飛行体700が搭載するマイクロ波照射装置は、上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102に限定されない。例えば、マイクロ波照射装置搭載飛行体700は、上記第2実施形態のマイクロ波照射装置200、上記第3実施形態のマイクロ波照射装置300、上記第4実施形態のマイクロ波照射装置400、上記第5実施形態のマイクロ波照射装置500、あるいは上記第6実施形態のマイクロ波照射装置600を備えてもよい。
【0143】
また、図19においては、飛行体701の上部にマイクロ波照射装置102が設けられている。しかしながら、マイクロ波照射装置102の設置位置は、飛行体701の上部に限定されず、例えば飛行体701の下部に設けてもよい。
【0144】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について、図20を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0145】
図20は、本実施形態のマイクロ波照射装置搭載船800(マイクロ波照射装置搭載体)の模式図である。図20に示すように、本実施形態のマイクロ波照射装置搭載船800は、船801(基体)と、マイクロ波照射装置102とを備えている。
【0146】
船801は、少なくとも水上を移動可能な移動体である。船801は、例えば、無人で飛行可能なUSV(Unmanned Surface Vehicle)である。ただし、船801は、乗員を乗せて飛行可能であってもよい。船801の大きさは、マイクロ波照射装置102が搭載可能であれば特に限定されてない。本実施形態のマイクロ波照射装置102は、小型かつ軽量である。このため、船801は、小型かつ軽量にできる。
【0147】
なお、図20においては、水上を移動可能な船801を図示している。ただし、船801は、水上のみを移動可能な構成に限定されるものではない。例えば、船801は、水中を移動可能であってもよい。
【0148】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置搭載船800は、移動体として、水上を移動可能な船801を備える。このため、マイクロ波照射装置搭載船800は、水上を容易に移動することができる。
【0149】
また、本実施形態においては、マイクロ波照射装置搭載船800が上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102を備える構成について説明した。しかしながら、マイクロ波照射装置搭載船800が搭載するマイクロ波照射装置は、上記第1実施形態のマイクロ波照射装置102に限定されない。例えば、マイクロ波照射装置搭載船800は、上記第2実施形態のマイクロ波照射装置200、上記第3実施形態のマイクロ波照射装置300、上記第4実施形態のマイクロ波照射装置400、上記第5実施形態のマイクロ波照射装置500、あるいは上記第6実施形態のマイクロ波照射装置600を備えてもよい。
【0150】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について、図21を参照して説明する。図21は、本実施形態のマイクロ波照射装置900の概略構成図である。本実施形態のマイクロ波照射装置900は、マイクロ波を所定方向へ放射すると共に基体910に搭載される出力装置901と、出力装置901から放射されたマイクロ波と交差する位置にて基体910に設けられてマイクロ波を反射するリフレクタ902と、出力装置901からのマイクロ波の放射方向に対するリフレクタ902の角度を調整するリフレクタ角度調整機構903と、を有する。
【0151】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置900は、基体910に搭載された出力装置901から上方に放射されたマイクロ波を、傾斜角度を調整可能なリフレクタ902で反射する。つまり、本実施形態におけるマイクロ波照射方法では、基体910に搭載された出力装置901から上方に放射されたマイクロ波を、傾斜角度を調整可能なリフレクタ902で反射する。
【0152】
以上のような本実施形態のマイクロ波照射装置900は、出力装置901と、リフレクタ902と、リフレクタ角度調整機構903とを有する。出力装置901は、マイクロ波を上方へ放射すると共に基体910に搭載される。リフレクタ902は、出力装置901から放射されたマイクロ波と交差する位置にて基体910に設けられてマイクロ波を反射する。リフレクタ角度調整機構903は、出力装置901からのマイクロ波の放射方向に対するリフレクタ902の角度を調整する。
【0153】
このような本実施形態のマイクロ波照射装置900は、リフレクタ角度調整機構903を用いてリフレクタ2の角度を調整することで、マイクロ波の照射方向を変更できる。したがって、本実施形態のマイクロ波照射装置900では、マイクロ波照射装置900の全体や出力装置901を動かすことなく、マイクロ波の照射方向を変更できる。したがって、本実施形態のマイクロ波照射装置900によれば、マイクロ波の照射方向を変更でき、マイクロ波照射装置900の全体を動かす場合と比較してマイクロ波照射装置900の大型化及び重量化を抑止できる。
【0154】
このようなマイクロ波照射装置900では、マイクロ波の放射方向を変更するために姿勢変更や移動する部分は、リフレクタ902となる。このため、出力装置901やマイクロ波照射装置900を姿勢変更や移動する場合と比較して、姿勢変更や移動する部分が軽量なものとなる。したがって、容易かつ高速にマイクロ波の放射方向を変更できる。
【0155】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0156】
例えば、上記実施形態においては、移動体にマイクロ波照射装置が搭載された例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、移動しない基体に対してマイクロ波照射装置を搭載することも可能である。
【0157】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0158】
(付記1)
マイクロ波を所定方向へ放射すると共に基体に搭載される出力装置と、
上記出力装置から放射された上記マイクロ波と交差する位置にて上記基体に設けられて上記マイクロ波を反射するリフレクタと、
上記出力装置からの上記マイクロ波の放射方向に対する上記リフレクタの角度を調整するリフレクタ角度調整機構と、
を有する、
マイクロ波照射装置。
【0159】
(付記2)
上記リフレクタを上記出力装置の周囲の所定領域にて、上記基体に対して移動させるリフレクタ移動機構を備える、
付記1記載のマイクロ波照射装置。
【0160】
(付記3)
上記リフレクタ移動機構は、上記出力装置の周囲を作動範囲とする移動テーブルであり、
上記リフレクタ角度調整機構は、上記移動テーブルに搭載されている、
付記2記載のマイクロ波照射装置。
【0161】
(付記4)
上記移動テーブルは、上記出力装置の周囲を回転する回転テーブルである、付記3記載のマイクロ波照射装置。
【0162】
(付記5)
上記リフレクタ移動機構は、
上記出力装置を囲んで設けられたレールと、
上記レールに沿って移動可能であると共に上記リフレクタが接続された移動子と、
を備える、
付記2記載のマイクロ波照射装置。
【0163】
(付記6)
上記放射方向における上記リフレクタと上記出力装置との距離を調整する距離調整機構を備える、
付記1~5のいずれか一つに記載のマイクロ波照射装置。
【0164】
(付記7)
上記距離調整機構は、上記リフレクタが上記マイクロ波を反射する反射位置よりも、上記リフレクタを上記出力装置に近接可能である、
付記6記載のマイクロ波照射装置。
【0165】
(付記8)
上記出力装置は、上記マイクロ波を所定方向へ放射するホーンアンテナを有する、付記1~7のいずれか一つに記載のマイクロ波照射装置。
【0166】
(付記9)
上記出力装置は、上記マイクロ波を放射するアンテナ素子が複数配列されたフェーズドアレイアンテナを有する、付記1~7のいずれか一つに記載のマイクロ波照射装置。
【0167】
(付記10)
付記1~9いずれか一つに記載のマイクロ波照射装置と、
上記マイクロ波照射装置を搭載する基体と、
を備える、
マイクロ波照射装置搭載体。
【0168】
(付記11)
上記基体は、地面を走行可能な車両である、付記10記載のマイクロ波照射装置搭載体。
【0169】
(付記12)
上記基体は、飛行可能な飛行体である、付記10記載のマイクロ波照射装置搭載体。
【0170】
(付記13)
上記基体は、水上を移動可能な船である、付記10記載のマイクロ波照射装置搭載体。
【0171】
(付記14)
基体に搭載された出力装置から所定方向に放射されたマイクロ波を、角度を調整可能なリフレクタで反射する、マイクロ波照射方法。
【符号の説明】
【0172】
1 出力装置
1a ホーンアンテナ
1b フェーズドアレイアンテナ
1c アンテナ素子
2 リフレクタ
2a 反射面
3 リフレクタ支持部
4 リフレクタ角度調整機構
5 リフレクタ回転テーブル(リフレクタ移動機構、移動テーブル、回転テーブル)
5a 環状テーブル
5b 駆動部
6 照射方向制御装置
7 昇降機構(距離調整機構)
8 回転機構(リフレクタ移動機構)
8a レール
8b 移動子
8c 駆動部
9 楕円形リフレクタ(リフレクタ)
9a 反射面
10 パラボラ型リフレクタ(リフレクタ)
10a 反射面
100 マイクロ波照射装置搭載車両(マイクロ波照射装置搭載体)
101 車両(基体)
102 マイクロ波照射装置
200 マイクロ波照射装置
300 マイクロ波照射装置
400 マイクロ波照射装置
500 マイクロ波照射装置
600 マイクロ波照射装置
700 マイクロ波照射装置搭載飛行体(マイクロ波照射装置搭載体)
701 飛行体(基体)
800 マイクロ波照射装置搭載船(マイクロ波照射装置搭載体)
801 船(基体)
900 マイクロ波照射装置
901 出力装置
902 リフレクタ
903 リフレクタ角度調整機構
910 基体
L1 水平軸
L2 鉛直軸
O 中心
P 高出力マイクロ波パルス(マイクロ波)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21