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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177632
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】効果算出装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090404
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100142918
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 貴志
(72)【発明者】
【氏名】南條 弘行
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB08
5H181BB15
5H181FF01
5H181FF03
5H181FF10
5H181FF32
5H181MC12
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】車両の走行状態に応じた適切な燃費低減に貢献すること。
【解決手段】効果算出装置2は、車両の車速変動パターンを生成する車速パターン生成部(52)と、車両において消費される消費エネルギーを節約する省エネ手段を特定する省エネ設定部(51)と、車速変動パターンに省エネ手段を適用した場合の消費エネルギーを示す適用効果と、車速変動パターンに省エネ手段を適用しない場合の前記消費エネルギーを示す非適用効果と、をそれぞれ算出するエネルギー計算部(55)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
効果算出装置であって、
車両の車速変動パターンを生成する車速パターン生成部(52)と、
前記車両において消費される消費エネルギーを節約する省エネ手段を特定する省エネ設定部(51)と、
前記車速変動パターンに前記省エネ手段を適用した場合の前記消費エネルギーを示す適用効果と、前記車速変動パターンに前記省エネ手段を適用しない場合の前記消費エネルギーを示す非適用効果と、をそれぞれ算出するエネルギー計算部(55)と、を備える効果算出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の効果算出装置であって、
前記車速パターン生成部は、走行経路情報で特定される走行経路における車両の車速変動パターンを生成する、効果算出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の効果算出装置であって、
前記車速パターン生成部は、
前記走行経路情報と、前記走行経路情報で特定される走行経路における交通情報と、に基づいて推測することで前記車速変動パターンを生成し、
前記エネルギー計算部は、
前記車速変動パターンに前記省エネ手段を適用した場合の適用パターンを用いて前記適用効果を算出するとともに、前記車速変動パターンに前記省エネ手段を適用しない場合の非適用パターンを用いて前記非適用効果を算出する、効果算出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の効果算出装置であって、
前記車速パターン生成部は、複数の車速変動パターン候補から選択することで前記車速変動パターンを生成し、
前記エネルギー計算部は、
前記車速変動パターンに前記省エネ手段を適用した場合の適用パターンを用いて前記適用効果を算出するとともに、前記車速変動パターンに前記省エネ手段を適用しない場合の非適用パターンを用いて前記非適用効果を算出する、効果算出装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の効果算出装置であって、
前記省エネ手段は、前記車両のアクセル開度を抑制するアクセル開度調整であり、
前記エネルギー計算部は、
前記車速変動パターンに前記アクセル開度調整を適用した場合の適用パターンを用いて前記適用効果を算出するとともに、前記車速変動パターンに前記アクセル開度調整を適用しない場合の非適用パターンを用いて前記非適用効果を算出する、効果算出装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の効果算出装置であって、
前記省エネ手段は、前記車両の空調強度を抑制する空調調整であり、
前記エネルギー計算部は、
前記車速変動パターンによる消費エネルギーに前記空調調整を適用した場合の消費エネルギーを加えて前記適用効果を算出するとともに、前記車速変動パターンによる消費エネルギーに前記空調調整を適用しない場合の消費エネルギーを加えて前記非適用効果を算出する、効果算出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、効果算出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
低燃費走行を行うための方法を運転者に報知する運転支援装置として、下記特許文献1に記載の装置が提案されている。下記特許文献1に記載の運転支援装置は、センサ群からの車両情報の履歴に基づいて高燃費走行状態であるか否かを判定する。運転支援装置は、高燃費走行状態であると判定した場合、車両情報の履歴に基づいて低燃費走行状態となるための教示情報である低燃費走行教示情報を生成する。運転支援装置は、生成した低燃費走行教示情報を運転者へ報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-210084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、車両の走行態様によらず、一律の基準で高燃費走行状態であるか否かを判定している。例えば、車両の加速度が一定以上である場合に高燃費走行状態であると判断する場合には、全走行行程に対して加減速の頻度が多い街中走行の場合も、全走行行程に対して加減速の頻度が少ない高速道路走行の場合も、一律に高燃費走行状態であると判断する。しかしながら、街中走行の場合には車両の加速を抑制することは燃費改善への貢献度が高いものの、高速道路走行の場合には車両の加速を抑制することは燃費改善への貢献度は低い。
【0005】
従って、特許文献1に記載の発明では、実際には貢献度の低い低燃費走行を運転者に強いる可能性があり、必ずしも効果的な燃費低減を実現することができない。また、特許文献1に記載の発明では、データの蓄積が進まないと有効な判断をすることができないので、例えば使用開始前に燃費抑制効果を知ることができない。
【0006】
本開示は、車両の走行状態に応じた適切な燃費低減を行うことに貢献できる効果算出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、効果算出装置であって、走行経路情報で特定される走行経路における車両の車速変動パターンを生成する車速パターン生成部(52)と、車両において消費される消費エネルギーを節約する省エネ手段を特定する省エネ設定部(51)と、車速変動パターンに省エネ手段を適用した場合の消費エネルギーを示す適用効果と、車速変動パターンに省エネ手段を適用しない場合の消費エネルギーを示す非適用効果と、をそれぞれ算出するエネルギー計算部(55)と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、車両の走行状態に応じた適切な燃費低減を行うことに貢献できる効果算出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係る効果算出装置を説明するためのブロック構成図である。
図2図2は、図1に示される効果算出装置を用いた情報処理フローを説明するためのフローチャートである。
図3図3は、省エネ手段を適用した車速変動パターンの一例を説明するための図である。
図4図4は、省エネ手段を適用した車速変動パターンの一例を説明するための図である。
図5図5は、エネルギー算出の一例を説明するための図である。
図6図6は、電気自動車におけるエネルギー算出について説明するための図である。
図7図7は、エネルギー算出における電気系効率の一例を示す図である。
図8図8は、エンジン自動車のエネルギー算出におけるエンジン効率の一例を示す図である。
図9図9は、エネルギー算出におけるエンジン効率の一例を示す図である。
図10図10は、図1に示される効果算出装置を用いた情報処理フローであって、走行経路情報から車速変動パターンを算出する処理を含む情報処理フローを説明するためのフローチャートである。
図11図11は、加速度情報の一例を示す図である。
図12図12は、減速度情報の一例を示す図である。
図13図13は、走行データの一例を示す図である。
図14図14は、停車データの一例を示す図である。
図15図15は、車速変動パターンデータの一例を示す図である。
図16図16は、省エネ手段を適用した車速変動パターンの一例を説明するための図である。
図17図17は、車速と距離との関係を車速と時間との関係に変換する一例を示す図である。
図18図18は、図1に示される効果算出装置を用いた情報処理フローであって、車速変動パターンを選択する処理を含む情報処理フローを説明するためのフローチャートである。
図19図19は、選択する車速変動パターンの一例を示す図である。
図20図20は、選択する車速変動パターンの一例を示す図である。
図21図21は、選択する車速変動パターンの一例を示す図である。
図22図22は、選択する車速変動パターンの一例を示す図である。
図23図23は、算出した効果を表示する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0011】
図1は、本実施形態における効果算出装置2の機能的な構成要素を説明するための図である。図1に示されるように、効果算出装置2は、車速特性情報格納部41と、走行経路情報格納部42と、経路交通情報格納部43と、走行負荷情報格納部45と、省エネ設定部51と、車速パターン生成部52と、走行負荷算出部54と、エネルギー計算部55と、情報表示部57と、を備えている。効果算出装置2は、ハードウェア構成としては、CPU、メモリ、通信インターフェイス等を備えたコンピュータシステムである。効果算出装置2は、車両とネットワークを介して情報授受が可能なように構成されている。
【0012】
車速特性情報格納部41は、車速変動パターンを車速特性情報として格納する部分である。車速特性情報は車種ごとに設定されていてもよく、複数車種に共通の情報として設定されていてもよい。例えば、図3に示されるように、時間経過と車速との関係を示す車速変動パターンVP1として格納する。例えば、図9に示されるように、車速と加速度との関係を特定する情報を車速変動パターンとして格納する。また、図10に示されるように、車速と減速度との関係を特定する情報を車速変動パターンとして格納する。車速特性情報格納部41が格納する車速変動パターンはこれらに限られるものではない。加速度又は減速度が固定値であってもよい。車速特性情報は、予め格納してあってもよく、都度サーバーから取得してもよく、ユーザーが設定してもよい。
【0013】
走行経路情報格納部42は、車両が走行する走行経路の経路情報を格納する部分である。ここで、経路情報とは、例えば、車両が走行を予定している走行経路において、現在地から目的地までの道のりに沿った緯度情報、経度情報、標高情報、及び地点種別情報を含む情報である。緯度情報は、ある地点の緯度を示す情報である。経度情報は、ある地点の経度を示す情報である。標高情報は、ある地点の標高を示す情報である。
【0014】
地点種別情報は、ある地点の種別を示す情報である。地点の種別とは、車両の車速変化に影響を与える要素を特定するものである。例えば、種別タイプ「0」が「走行通過」を示し、種別タイプ「1」が「停車ポイント」を示している。
【0015】
経路交通情報格納部43は、車両が走行する走行経路の交通情報を格納する部分である。ここで、交通情報とは、例えば、走行経路における渋滞情報、工事情報、事故情報、及び交差点や信号の有無など車両の走行速度に影響する走行条件を表す。交通情報は、法定速度に関する情報も含む。
【0016】
走行負荷情報格納部45は、走行負荷の推定に必要となる走行負荷情報を格納する部分である。走行負荷は、加速抵抗、空気抵抗、勾配抵抗、及び転がり抵抗を用いて算出するので、これらの情報が走行負荷情報として格納されている。
【0017】
車速特性情報格納部41、走行経路情報格納部42、経路交通情報格納部43、及び走行負荷情報格納部45は、物理的に異なるメモリ装置に設けられていてもよく、例えば単一のメモリ装置に集積して設けられていてもよい。
【0018】
省エネ設定部51は、車両において消費される消費エネルギーを節約する省エネ手段を特定する部分である。省エネ手段は、車両のアクセル開度を抑制するアクセル開度調整である。省エネ手段は、車両の空調強度を抑制する空調調整である。省エネ設定部51は、ユーザーからの入力情報に基づいて省エネ手段を特定してもよい。
【0019】
車速パターン生成部52は、車両の車速変動パターンを生成する部分である。車速パターン生成部52は、車速パターン生成部52は、走行経路情報で特定される走行経路における車両の車速変動パターンを生成する。車速パターン生成部52は、走行経路情報と、走行経路情報で特定される走行経路における交通情報と、に基づいて推測することで車速変動パターンを生成する。車速パターン生成部52は、複数の車速変動パターン候補から選択することで車速変動パターンを生成する。車速パターン生成部52は、距離と車速との関連性のパターンに、車速を維持する時間を考慮して車速と時間との関連性のパターンを生成する。
【0020】
走行負荷算出部54は、車速パターン生成部52が生成した距離と車速の関連性のパターン及び走行負荷情報格納部45に格納されている走行負荷情報に基づいて、走行負荷を算出する部分である。エネルギー計算部55は、走行負荷算出部54が算出した走行負荷に基づいて、走行に必要となるエネルギーを算出する部分である。情報表示部57は、エネルギー計算部55が計算した結果をユーザーに報知する部分である。
【0021】
続いて、図2を参照しながら、効果算出装置2を用いた情報処理フローについて説明する。ステップS101では、車速パターン生成部52が車種を選択する。車種の選択にあたっては、ユーザーからの入力情報に基づいてもよく、予め設定されていてもよい。車種は、乗用車、大型トラック、中型トラックといったカテゴリでもよく、固有の車種名でもよい。
【0022】
ステップS101に続くステップS102では、省エネ設定部51が、省エネ手段を設定する。省エネ手段は、車両のアクセル開度を抑制するアクセル開度調整であってもよい。例えば、標準の車速変動パターンが車速0となる10秒前からアクセルオフとするのに対し、省エネ手段では車速変動パターンが車速0となる15秒前からアクセルオフとして比較してもよい。
【0023】
省エネ手段は、車両の空調強度を抑制する空調調整であってもよい。例えば、外気温が5℃の場合に、標準のエアコン温度設定が25℃であるのに対し、省エネ手段ではエアコンの温度設定を20℃としてもよい。
【0024】
ステップS102に続くステップS103では、車速パターン生成部52がベースとなる車速変動パターンを読み込む。ベースとなる車速変動パターンは、車速特性情報格納部41に格納されている。ベースとなる車速変動パターンの一例は、図3に例示した時間経過と車速との関係を示す車速変動パターンVP1である。
【0025】
ステップS103に続くステップS104では、車速パターン生成部52が、省エネ手段を適用する前の車速変動パターンを生成する。車速パターン生成部52は、ステップS103で読み込んだ車速変動パターンをそのまま使ってもよく、読み込んだ複数の車速変動パターンを組み合わせて使ってもよい。
【0026】
ステップS104に続くステップS105では、車速パターン生成部52が省エネ手段を適用した後の車速変動パターンを生成する。例えば、選択した省エネ手段が車両のアクセル開度を抑制するアクセル開度調整である場合、図4に例示するように車速変動パターンを生成する。図4の例では、実線が省エネ手段を適用する前の車速変動パターンである。省エネ手段を適用する前の車速変動パターンでは、停止する10秒前からアクセルオフにしている。省エネ手段としては、アクセルオフのタイミングを5秒早め、省エネ手段を適用する前の車速変動パターンで停止する時点の15秒前からアクセルオフにしている。その結果、省エネ手段を提供した後の車速変動パターンは破線のようになる。図3の例では、車速変動パターンVP1が省エネ手段を適用する前の車速変動パターンである。図4を参照しながら説明したようにアクセルオフのタイミングを早める省エネ手段を適用すると、車速変動パターンVP2となる。
【0027】
ステップS105に続くステップS106では、エネルギー計算部55が、省エネ手段を適用する前の消費エネルギーを算出する。エネルギー計算部55が消費エネルギーを算出するためには図5に例示するような車速変動パターンV(t)と走行馬力Pdrv(t)とが必要となる。車速変動パターンV(t)は、ステップS104及びステップS105で生成したものとなる。走行馬力Pdrv(t)の算出には、走行負荷が必要となるので、走行負荷算出部54が走行負荷を算出する。走行負荷は、加速抵抗、空気抵抗、勾配抵抗、転がり抵抗から推定することができる。走行負荷は、走行抵抗及び走行馬力によって示すことができる。走行抵抗は、車両総重量、空気抵抗係数、前面投影面積、転がり抵抗係数といったパラメータを用いて算出することができる。これらパラメータは、ステップS101で選択された車種ごとに走行負荷情報格納部45に格納されている。
【0028】
以降の添え字は、省エネ手段を適用する前を「1」、省エネ手段を適用した後を「2」としている。走行抵抗Fdrv_1(t)は、次式(f01)を用いて算出される。
drv_1(t)=Wa(t)+0.5*ρ*Cd*Av(t)+μWg+Wgsinθ(t) ・・・(f01)
t:時刻
W:車両総重量
a(t):時刻tにおける加速度
ρ:空気密度
Cd:空気抵抗係数
A:前面投影面積
v(t):時刻tにおける速度
μ:転がり抵抗係数
g:重力加速度
θ(t):時刻tにいる地点と時刻t-1にいる地点間の勾配
【0029】
空気密度ρは、固定値1.293kg/mとしてもよい。空気密度ρは、気温から算出してもよい。重力加速度gは、固定値9.8m/sとしてもよい。勾配θ(t)は、予め設定されていてもよく、走行経路情報の緯度経度情報及び標高情報から求めることができる。
【0030】
走行馬力Pdrv_1(t)は、次式(f02)を用いて算出される。
drv_1(t)=Fdrv_1(t)*v(t) ・・・(f02)
【0031】
図6に、電気自動車の場合のシステム例を示す。図6に例示されているシステムでは、電気系(MG-INV)のシステム効率をRelecとし、機械系の効率をRmechとしている。機械系の効率Rmechは、70%といった固定値を用いることができる。機械系の効率Rmechは、機械系に入力されるエネルギーが効率Rmechで駆動輪に伝達され、走行馬力Pdrv(t)を発生することを示している。従って、機械系に入力されるエネルギーP´drv_1(t)は、次式(f03)で算出することができる。
P´drv_1(t)=Pdrv_1(t)/Rmech ・・・(f03)
【0032】
電気系の効率Relecは、電気系から機械系に入力されるエネルギーとの関数で、例えば図7に例示するように定められる。電気系の効率Relec_1は、機械系に入力されるエネルギーP´drv_1(t)の関数であり、次式(f04)で算出することができる。
elec_1=f(P´drv_1(t)) ・・・(f04)
【0033】
電気系に供給される走行用のエネルギーP´´drv_1(t)は、次式(f05)で算出することができる。
P´´drv_1(t)=P´drv_1(t)/Relec_1・・・(f05)
【0034】
エアコンや補機類の駆動に必要となるエネルギーをPother_1(t)とする。Pother_1(t)は、5kWといった固定値としてもよい。エアコンに関する設定値を省エネ手段として用いる場合には、固定値ではなく外気温と目標温度との差分に対応する仕事率Pac_1を利用することができる。仕事率Pac_1は、外気温と目標昇温との関係で定められるようにマップとして保持されている。例えば、外気温5℃に対してエアコンの設定温度が25℃の場合には、目標昇温は20℃となる。外気温5℃と目標昇温20℃との関係から仕事率Pac_1を算出することができる。仕事率Pac_1は、Pother_1(t)に織り込まれる。仕事率Pac_1をそのままPother_1(t)としてもよく、仕事率Pac_1に他の補器類の駆動に必要なエネルギーを加えてPother_1(t)としてもよい。
【0035】
必要電力Psum_1(t)を次式(f06)で算出する。
sum_1(t)=P´´drv_1(t)+Pother_1(t) ・・・(f06)
【0036】
sum_1(t)<0のときは、回生エネルギーとして電池に蓄電する。エネルギー計算部55は、Psum_1(t)を時間積算し、必要エネルギー量Esum_1を次式(f07)で算出する。
sum_1=Σ(Psum_1(t)*(t―(t-1))) ・・・(f07)
【0037】
本実施形態は、電気自動車だけではなくエンジン自動車でも対応することができる。図8にエンジン自動車の場合のシステム例を示す。図8に例示されているシステムでは、エンジン効率をRengとし、機械系の効率をRmechとしている。機械系の効率Rmechは、70%といった固定値を用いることができる。機械系の効率Rmechは、機械系に入力されるエネルギーが効率Rmechで駆動輪に伝達され、走行馬力Pdrv(t)を発生することを示している。従って、機械系に入力されるエネルギーP´drv_1(t)は、次式(f08)で算出することができる。
P´drv_1(t)=Pdrv_1(t)/Rmech ・・・(f08)
【0038】
エンジンからは走行用のエネルギーに加えて、エアコンや補機類を駆動するエネルギーも供給されている。エアコンや補機類の駆動に必要となるエネルギーをPother_1(t)とする。Pother_1(t)は、5kWといった固定値としてもよい。エアコンに関する設定値を省エネ手段として用いる場合には、固定値ではなく外気温と目標温度との差分に対応する仕事率Pac_1を利用することができる。仕事率Pac_1は、外気温と目標昇温との関係で定められるようにマップとして保持されている。例えば、外気温5℃に対してエアコンの設定温度が25℃の場合には、目標昇温は20℃となる。外気温5℃と目標昇温20℃との関係から仕事率Pac_1を算出することができる。仕事率Pac_1は、Pother_1(t)に織り込まれる。仕事率Pac_1をそのままPother_1(t)としてもよく、仕事率Pac_1に他の補器類の駆動に必要なエネルギーを加えてPother_1(t)としてもよい。
【0039】
エンジン効率Rengは、エンジンから機械系に入力されるエネルギー及び補機駆動のエネルギーとの関数で、例えば図9に例示するように定められる。エンジン効率Reng_1は、Psum(t)の関数であり、次式(f09)で算出することができる。
eng_1=g(Psum(t)) ・・・(f09)
【0040】
仕事率P´sum_1(t)を次式(f10)(f11)で算出する。
sum_1(t)=P´drv_1(t)+Pother_1(t) ・・・(f10)
P´sum_1(t)=Psum_1(t)/Reng_1 ・・・(f11)
【0041】
エンジン自動車では回生エネルギーの蓄電を行わないので、正の数値のみを対象とする。
P´´sum_1(t)=P´sum_1(t)(P´sum_1(t)>0) ・・・(f12)
【0042】
エネルギー計算部55は、P´´sum_1(t)を時間積算し、必要エネルギー量Esum_1を次式(f13)で算出する。
sum_1=Σ(P´´sum_1(t)*(t―(t-1))) ・・・(f13)
【0043】
ステップS106に続くステップS107では、エネルギー計算部55が、省エネ手段を適用した後の消費エネルギーを算出する。走行抵抗Fdrv_2(t)は、次式(f14)を用いて算出される。
drv_2(t)=Wa(t)+0.5*ρ*Cd*Av(t)+μWg+Wgsinθ(t) ・・・(f14)
t:時刻
W:車両総重量
a(t):時刻tにおける加速度
ρ:空気密度
Cd:空気抵抗係数
A:前面投影面積
v(t):時刻tにおける速度
μ:転がり抵抗係数
g:重力加速度
θ(t):時刻tにいる地点と時刻t-1にいる地点間の勾配
【0044】
空気密度ρは、固定値1.293kg/mとしてもよい。空気密度ρは、気温から算出してもよい。重力加速度gは、固定値9.8m/sとしてもよい。勾配θ(t)は、予め設定されていてもよく、走行経路情報の緯度経度情報及び標高情報から求めることができる。
【0045】
走行馬力Pdrv_2(t)は、次式(f15)を用いて算出される。
drv_2(t)=Fdrv_2(t)*v(t) ・・・(f15)
【0046】
機械系に入力されるエネルギーP´drv_2(t)は、上記説明したエネルギーP´drv_1(t)と同様に次式(f16)で算出することができる。
P´drv_2(t)=Pdrv_2(t)/Rmech ・・・(f16)
【0047】
電気系の効率Relec_2は、機械系に入力されるエネルギーP´drv_2(t)の関数であり、次式(f17)で算出することができる。
elec_2=f(P´drv_2(t)) ・・・(f17)
【0048】
電気系に供給される走行用のエネルギーP´´drv_2(t)は、次式(f18)で算出することができる。
P´´drv_2(t)=P´drv_2(t)/Relec_2・・・(f18)
【0049】
エアコンや補機類の駆動に必要となるエネルギーをPother_2(t)とする。Pother_2(t)は、5kWといった固定値としてもよい。エアコンに関する設定値を省エネ手段として用いる場合には、固定値ではなく外気温と目標温度との差分に対応する仕事率Pac_2を利用することができる。仕事率Pac_2は、外気温と目標昇温との関係で定められるようにマップとして保持されている。例えば、外気温5℃に対してエアコンの設定温度が20℃の場合には、目標昇温は15℃となる。外気温5℃と目標昇温15℃との関係から仕事率Pac_2を算出することができる。仕事率Pac_2は、Pother_2(t)に織り込まれる。仕事率Pac_2をそのままPother_2(t)としてもよく、仕事率Pac_2に他の補器類の駆動に必要なエネルギーを加えてPother_2(t)としてもよい。
【0050】
必要電力Psum_2(t)を次式(f19)で算出する。
sum_2(t)=P´´drv_2(t)+Pother_2(t) ・・・(f19)
【0051】
sum_2(t)<0のときは、回生エネルギーとして電池に蓄電する。エネルギー計算部55は、Psum_2(t)を時間積算し、必要エネルギー量Esum_2を次式(f20)で算出する。
sum_2=Σ(Psum_2(t)*(t―(t-1))) ・・・(f20)
【0052】
上記したように本実施形態は、電気自動車だけではなくエンジン自動車でも対応することができる。機械系に入力されるエネルギーP´drv_2(t)は、次式(f21)で算出することができる。
P´drv_2(t)=Pdrv_2(t)/Rmech ・・・(f21)
【0053】
エンジンからは走行用のエネルギーに加えて、エアコンや補機類を駆動するエネルギーも供給されている。エアコンや補機類の駆動に必要となるエネルギーをPother_2(t)とする。Pother_2(t)は、5kWといった固定値としてもよい。エアコンに関する設定値を省エネ手段として用いる場合には、固定値ではなく外気温と目標温度との差分に対応する仕事率Pac_2を利用することができる。仕事率Pac_2は、外気温と目標昇温との関係で定められるようにマップとして保持されている。例えば、外気温5℃に対してエアコンの設定温度が20℃の場合には、目標昇温は15℃となる。外気温5℃と目標昇温15℃との関係から仕事率Pac_2を算出することができる。仕事率Pac_2は、Pother_2(t)に織り込まれる。仕事率Pac_2をそのままPother_2(t)としてもよく、仕事率Pac_2に他の補器類の駆動に必要なエネルギーを加えてPother_2(t)としてもよい。
【0054】
エンジン効率Reng_1と同様に、エンジン効率Reng_2はPsum_2(t)の関数であり、次式(f22)で算出することができる。
eng_2=g(Psum_2(t)) ・・・(f22)
【0055】
仕事率P´sum_2(t)を次式(f23)(f24)で算出する。
sum_2(t)=P´drv_2(t)+Pother_2(t) ・・・(f23)
P´sum_2(t)=Psum_2(t)/Reng_2 ・・・(f24)
【0056】
エンジン自動車では回生エネルギーの蓄電を行わないので、正の数値のみを対象とする。
P´´sum_2(t)=P´sum_2(t)(P´sum_2(t)>0) ・・・(f25)
【0057】
エネルギー計算部55は、P´´sum_2(t)を時間積算し、必要エネルギー量Esum_2を次式(f26)で算出する。
sum_2=Σ(P´´sum_2(t)*(t―(t-1))) ・・・(f26)
【0058】
ステップS107に続くステップS108では、エネルギー計算部55が省エネ手段を適用した場合の効果を算定する。エネルギー計算部55は、次式(f27)で省エネ適用効果Xを算出する。
X=(1-Esum_2/Esum_1)*100 ・・・(f27)
【0059】
ステップS108に続くステップS109では、ステップS108で算定した省エネ適用効果Xをユーザーに通知する。
【0060】
図10を参照しながら、走行経路情報に基づいて車速変動パターンを生成する手法について説明する。ステップS101及びステップS102の処理は、図2を参照しながら説明したのでその説明を省略する。
【0061】
ステップS102に続くステップS201では、車速パターン生成部52が、車速変動パターンについての基本特性を設定する。より具体的には、車速パターン生成部52が、車速変動パターンの加速度及び減速度に関する情報を取得し設定する。車速パターン生成部52は、車速特性情報格納部41に格納されている情報から加速度及び減速度に関する情報を取得する。
【0062】
車速パターン生成部52は、他のサーバーに格納されている情報から加速度及び減速度に関する情報を取得してもよい。車速パターン生成部52は、ユーザーによる手動設定情報から加速度及び減速度に関する情報を取得してもよい。加速度及び減速度は固定値でもよく、図11及び図12に例示されるような車速に相関する関数で定義してもよい。車速パターン生成部52は、設定した車速変動パターンの基本特性を走行負荷算出部54に出力する。
【0063】
ステップS201に続くステップS202では、車速パターン生成部52が走行経路情報を取得する。走行経路情報は走行経路情報格納部42に格納されている。ステップS202に続くステップS203では、車速パターン生成部52が交通情報を取得する。交通情報は経路交通情報格納部43に格納されている。
【0064】
図13及び図14を参照しながら、車速パターン生成部52が取得する走行経路情報及び交通情報の一例について説明する。図13は、走行経路情報の一例である。地点i=1,2,3,4,5,6,7,8,9の9つの地点について、緯度情報と経度情報とが設定されている。
【0065】
図14は、図13に例示した各地点の走行経路情報及び交通情報の一例である。地点i=1は、緯度(1)、経度(1)、標高(1)、種別タイプ1、法定速度50km/hである。種別タイプ1は、「停車ポイント」である。地点i=2は、緯度(2)、経度(2)、標高(2)、種別タイプ0、法定速度50km/hである。種別タイプ0は、「走行通過」である。地点i=3は、緯度(3)、経度(3)、標高(3)、種別タイプ0、法定速度50km/hである。
【0066】
地点i=4は、緯度(4)、経度(4)、標高(4)、種別タイプ1、法定速度50km/hである。地点i=5は、緯度(5)、経度(5)、標高(5)、種別タイプ0、法定速度40km/hである。地点i=6は、緯度(6)、経度(6)、標高(6)、種別タイプ1、法定速度40km/hである。
【0067】
地点i=7は、緯度(7)、経度(7)、標高(7)、種別タイプ1、法定速度50km/hである。地点i=8は、緯度(8)、経度(8)、標高(8)、種別タイプ0、法定速度50km/hである。地点i=9は、緯度(9)、経度(9)、標高(9)、種別タイプ1、法定速度50km/hである。
【0068】
図10を参照しながら説明を続ける。ステップS203に続くステップS204では、車速パターン生成部52が省エネ手段を適用する前の車速変動パターンを生成する。車速パターン生成部52は、ステップS201で設定した基本特性と、ステップS202,S203で取得した走行経路情報及び交通情報停車確率と、に基づいて車速変動パターンを生成する。
【0069】
図15を参照しながら、車速パターン生成部52が生成する省エネ手段適用前の車速変動パターンについて説明する。図15に示される車速変動パターンは、図13及び図14に例示した走行経路情報及び交通情報に基づいて車速パターン生成部52が生成するものである。地点i=1を出発した車両は、法定速度50km/hまで加速する。加速度は、ステップS201で設定した加速度となる。地点i=2,3は、停車せずに通過する。
【0070】
地点i=4は、停車する。地点i=4に向かう車両は、法定速度50km/hから減速する。減速度は、ステップS201で設定した減速度となる。地点i=4で一旦停車した車両は、法定速度40km/hまで加速する。加速度は、ステップS201で設定した加速度となる。
【0071】
地点i=5は、通過する。地点i=6は、停車する。地点i=6に向かう車両は、法定速度40km/hから減速する。減速度は、ステップS201で設定した減速度となる。地点i=6で一旦停車した車両は、法定速度50km/hまで加速する。加速度は、ステップS201で設定した加速度となる。
【0072】
地点i=7は、停車する。地点i=7に向かう車両は、法定速度50km/hから減速する。減速度は、ステップS201で設定した減速度となる。地点i=7で一旦停車した車両は、法定速度50km/hまで加速する。加速度は、ステップS201で設定した加速度となる。地点i=8は、通過する。地点i=9は、停車する。地点i=9に向かう車両は、法定速度50km/hから減速する。減速度は、ステップS201で設定した減速度となる。
【0073】
図15に示されるような位置に対する車速変動パターンを生成した後、車速パターン生成部52は、時間軸に対する車速変動パターンに変換する。車速パターン生成部52は、地点の停車タイプに応じて停車時間を変えることができる。停車時間を変える例について、図17を参照しながら説明する。図17(A)は、位置に対する車速変動パターンを例示している。図17(A)に示される例では、最初の停車地点が停車タイプ1で、次の停車地点が停車タイプ2である。停車タイプ1は「信号停車」なので、停車時間として40秒を設定する。停車タイプ2は「バス停停車」なので、停車時間として30秒を設定する。この停車時間を反映すると、図17(B)に示される時間軸に対する車速変動パターンを生成することができる。このように生成した車速変動パターンは、図5に例示する車速変動パターンと同様に取り扱われる。
【0074】
ステップS204に続くステップS205では、車速パターン生成部52が省エネ手段を適用した後の車速変動パターンを生成する。車速パターン生成部52は、図15を参照しながら説明した車速変動パターンを生成した後、例えば図4を参照しながら説明したアクセルオフタイミングの早期化による車速変化を織り込んで、省エネ手段を提供した後の車速変動パターンを生成する。このように生成した省エネ手段適用後の車速変動パターンの一例を図16に示す。車速パターン生成部52は、図16に示されるような位置に対する車速変動パターンを生成した後、時間軸に対する車速変動パターンに変換する。このように生成した車速変動パターンは、図5に例示する車速変動パターンと同様に取り扱われる。
【0075】
ステップS205の処理が終了すると、図2のステップS106の処理に進む。ステップS106以降の処理は既に説明した通りであるのでその説明を省略する。
【0076】
図18を参照しながら、予め定められた複数の車速変動パターン候補から選択する手法について説明する。ステップS101及びステップS102の処理は、図2を参照しながら説明したのでその説明を省略する。
【0077】
ステップS102に続くステップS301では、車速パターン生成部52が、複数の車速変動パターン候補から選択することで車速変動パターンを生成する。
【0078】
一例として、図19に示されるように、車速変動パターンA、車速変動パターンB、車速変動パターンCからユーザーが選択した車速変動パターンBを省エネ手段適用前の車速変動パターンとして生成する。
【0079】
車速パターン生成部52は、複数の車速変動パターン候補を組み合わせて車速変動パターンを生成することができる。一例として、図20は、法定速度50km/hの一般道を10km走行する車速変動パターンである。図21は、法定速度80km/hの高速道路を30km走行する車速変動パターンである。これらを組み合わせて、図22に示されるような車速変動パターンを生成することができる。
【0080】
ステップS301の処理が終了すると、図2のステップS105の処理に進む。ステップS105以降の処理は既に説明した通りであるのでその説明を省略する。
【0081】
図23に、効果算出装置2が算定した省エネ適用効果Xの通知態様の一例を示す。図23に示されるように、車速変動パターンを生成する際に用いた情報や、生成した車速変動パターンに加え、省エネ適用効果Xが10%である旨の情報が含まれている。図23に例示される画面では、車種選定やルート情報読込や省エネ設定のボタンが設定されている。ユーザーは、これらのボタンを押すことでそれぞれの情報を入力することができる。
【0082】
本実施形態に係る効果算出装置2は、車速パターン生成部52と、省エネ設定部51と、エネルギー計算部55と、を備える。車速パターン生成部52は、車両の車速変動パターンを生成する。省エネ設定部51は、車両において消費される消費エネルギーを節約する省エネ手段を特定する。エネルギー計算部55は、車速変動パターンに省エネ手段を適用した場合の消費エネルギーを示す適用効果と、車速変動パターンに前記省エネ手段を適用しない場合の前記消費エネルギーを示す非適用効果と、をそれぞれ算出する。
【0083】
本実施形態では、車速変動パターンに省エネ手段を適用した場合の消費エネルギーと、車速変動パターンに省エネ手段を適用しない場合の消費エネルギーとが比較可能となるので、車両の走行状態に応じた省エネ手段を選ぶことができる。また、データの蓄積によらずに省エネ効果を算出することができるので、例えば使用開始前に燃費抑制効果を知ることができる。
【0084】
本実施形態において、車速パターン生成部52は、走行経路情報で特定される走行経路における車両の車速変動パターンを生成する。車速パターン生成部52が走行経路から車速変動パターンを生成するので、予め決められた走行経路のみならず、実際の走行経路やこれから走行する予定の走行経路など、様々な走行経路における車速変動パターンを生成することができる。エネルギー計算部55は、このように多様に生成される車速変動パターンに対して消費エネルギーを算出するので、適切な省エネ手段を選択することができる。
【0085】
本実施形態では、車速パターン生成部52は、走行経路情報と、走行経路情報で特定される走行経路における交通情報と、に基づいて推測することで車速変動パターンを生成する。エネルギー計算部55は、車速変動パターンに省エネ手段を適用した場合の適用パターンを用いて適用効果を算出するとともに、車速変動パターンに省エネ手段を適用しない場合の非適用パターンを用いて非適用効果を算出する。
【0086】
車速パターン生成部52が走行経路及び交通情報に基づいて車速変動パターンを生成するので、走行経路における速度制限や一時停止といった消費エネルギーに影響を与える因子を勘案した車速変動パターンを生成することができる。
【0087】
本実施形態では、車速パターン生成部52は、複数の車速変動パターン候補から選択することで車速変動パターンを生成する。エネルギー計算部55は、車速変動パターンに省エネ手段を適用した場合の適用パターンを用いて適用効果を算出するとともに、車速変動パターンに省エネ手段を適用しない場合の非適用パターンを用いて非適用効果を算出する。
【0088】
車速パターン生成部52が、複数の車速変動パターン候補から選択することで車速変動パターンを生成するので、例えば、ユーザーに複数の車速変動パターン候補を提示し、選択された車速変動パターン候補を車速変動パターンとすることができる。また、複数の車速変動パターン候補から2以上の車速変動パターン候補を選択し、それらを組み合わせて車速変動パターンとすることも可能となる。予め準備された複数の車速変動パターンを用いることで、多様な車速変動パターン生成が可能となる。
【0089】
本実施形態では、省エネ手段は、車両のアクセル開度を抑制するアクセル開度調整とすることができる。この場合、エネルギー計算部55は、車速変動パターンにアクセル開度調整を適用した場合の適用パターンを用いて適用効果を算出するとともに、車速変動パターンにアクセル開度調整を適用しない場合の非適用パターンを用いて非適用効果を算出する。車速パターンにアクセル開度調整を反映させることで、エネルギー計算部55はより的確な省エネ効果を算出することができる。
【0090】
本実施形態では、省エネ手段は、車両の空調強度を抑制する空調調整とすることができる。この場合、エネルギー計算部55は、車速変動パターンによる消費エネルギーに空調調整を適用した場合の消費エネルギーを加えて適用効果を算出するとともに、車速変動パターンによる消費エネルギーに空調調整を適用しない場合の消費エネルギーを加えて非適用効果を算出する。車速パターンによる消費エネルギーに空調調整による消費エネルギーを勘案することで、エネルギー計算部55はより的確な省エネ効果を算出することができる。
【0091】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0092】
2:効果算出装置
51:省エネ設定部
52:車速パターン生成部
54:走行負荷算出部
55:エネルギー計算部
57:情報表示部
図1
図2
図3
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図6
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図10
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