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特開2023-177651画像形成装置、端末装置、画像形成システム、制御方法及びプログラム
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  • 特開-画像形成装置、端末装置、画像形成システム、制御方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177651
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】画像形成装置、端末装置、画像形成システム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20231207BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20231207BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20231207BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231207BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231207BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
H04W76/10 130
H04W84/12
H04W74/08
H04N1/00 E
H04N1/00 838
B41J29/00 E
B41J29/38 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090433
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】大西 昭範
(72)【発明者】
【氏名】中谷 裕介
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5K067
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CG02
2C061CG15
2C061HJ08
2C061HN02
2C061HN05
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA32
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AB33
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB46
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC40
5C062AC42
5C062AE02
5C062AE08
5C062AE15
5C062AF01
5C062AF12
5C062BB02
5K067AA34
5K067BB21
5K067DD17
5K067EE02
5K067FF02
5K067HH22
5K067JJ03
(57)【要約】
【課題】端末装置との接続性の問題を解消した画像形成装置等を提供する。
【解決手段】自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、自画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、端末装置から取得する。接続情報に基づいて端末装置と通信を行う。端末装置から通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、パスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、端末装置から取得する取得部と、
前記接続情報に基づいて前記端末装置と通信を行う通信部と、
前記端末装置から前記通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する画像形成部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
無線通信のチャンネルから検出された空きチャンネルを示す空きチャンネル情報を取得する空きチャンネル情報取得部を更に備え、
前記通信部は、前記空きチャンネルを用いて無線通信を確立する
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記空きチャンネル情報取得部は、前記空きチャンネル情報を前記端末装置から取得する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
無線通信のチャンネルから空きチャンネルを検出して、空きチャンネル情報を生成する空きチャンネル情報生成部を更に備え、
前記空きチャンネル情報取得部は、前記空きチャンネル情報生成部によって生成された空きチャンネルを取得する
ことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
二次元コードを光学読み取りする二次元コード読み取り部と、
前記二次元コード読み取り部で読み取った二次元コードを復号する二次元コード復号部とを更に備え、
前記取得部は、前記接続情報を符号化した二次元コードから、前記二次元コード読み取り部及び二次元コード復号部を用いて、前記接続情報を取得する
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
NFC(Near Field Communication)を用いた無線通信を行う近距離無線通信部を更に備え、
前記取得部は、前記近距離無線通信部を用いて前記端末装置と近距離無線通信を行うことにより、前記接続情報を取得する
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記取得部に代わって、または、前記取得部と共に、前記識別情報を生成する識別情報生成部、及び、前記パスワードを生成するパスワード生成部の少なくとも一方を備え、
生成された前記識別情報及び/またはパスワードを前記端末装置に提供する提供部を更に備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置を識別するための識別情報、及び、パスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記画像形成装置に提供する提供部と、
前記接続情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行い、画像の形成に関する指示を前記画像形成装置に送信する通信部と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項9】
無線通信のチャンネルから空きチャンネルを検出して、空きチャンネル情報を生成する空きチャンネル情報生成部を更に備え、
前記通信部は、前記接続情報及び前記空きチャンネル情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行う、
ことを特徴とする、請求項8に記載の端末装置。
【請求項10】
前記空きチャンネル情報を少なくとも含む情報を、二次元コードに符号化する二次元コード符号化部と、
前記二次元コードを表示する表示部と
を更に備えることを特徴とする、請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
画像形成装置及び端末装置を備え、
前記画像形成装置は、
自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、パスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記端末装置から取得する取得部と、
前記接続情報に基づいて前記端末装置と通信を行う第1の通信部と、
前記端末装置から前記通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する画像形成部とを備え、
前記端末装置は、
前記接続情報を前記画像形成装置に提供する提供部と、
前記接続情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行い、画像の形成に関する指示を前記画像形成装置に送信する第2の通信部と
を備える
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項12】
自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、パスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、端末装置から取得する段階と、
前記接続情報に基づいて前記端末装置と通信を行う段階と、
前記端末装置から前記通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する段階と
を含むことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項13】
画像形成装置を識別するための識別情報、及び、パスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記画像形成装置に提供する段階と、
前記接続情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行い、画像の形成に関する指示を前記画像形成装置に送信する段階と
を含むことを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項14】
自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、パスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、端末装置から取得する手段、
前記接続情報に基づいて前記端末装置と通信を行う手段、及び、
前記端末装置から前記通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する手段
として画像形成装置の制御装置を動作させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
画像形成装置を識別するための識別情報、及び、パスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記画像形成装置に提供する手段、及び、
前記接続情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行い、画像の形成に関する指示を前記画像形成装置に送信する手段
として端末装置の制御装置を動作させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は画像形成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の店内に設置される複合機には、印刷サービスを提供するものがある。典型的な例では、印刷サービスの利用者は、スマートフォン等の端末装置をWi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)を介して複合機と接続する。次に、端末装置は、無線LANを介して、自装置の記憶装置またはクラウド等のネットワーク上に記憶されたデータと、そのデータを印刷する命令と共に複合機に送信する。最後に、複合機は命令されたデータを印刷する。
【0003】
本開示に関連して、特許文献1には、印刷データの印刷設定情報を二次元コードに符号化して複合機に読み取らせることが記載されている。複合機は、二次元コードを復号することによって印刷設定情報を取得し、その印刷設定情報に基づいて印刷を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-4039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図14に示すように、複合機3の通信圏11において、登録ユーザ(第1ユーザ)が、端末装置7を用いて印刷サービスを利用しようとしている。その間に、別の登録ユーザ(第2ユーザ)の端末装置13が通信圏11の外(参照符号13A)から中(参照符号13B)に移動したとする。第2ユーザは、例えば、印刷サービスを次に利用するため、複合機3の近くで待っている人である。もしくは、第2ユーザは、例えば、過去に印刷サービスを利用した経験があるが、今は利用するつもりがない人である。このとき、端末装置7、13の両方が、複合機3の通信圏11を検出して、複合機3との無線通信を試みる。その際、端末装置7及び13は、どちらも同じ識別情報及びパスワードを用いる。その結果、複合機3と端末装置7との間の無線通信の確立が困難になる。尚、特許文献1は、このような端末装置と複合機との間の無線通信の確立に関する問題について触れていない。
【0006】
本開示の目的は、端末装置との無線通信の確立が容易な画像形成装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の画像形成装置は、自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、自画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、端末装置から取得する取得部と、前記接続情報に基づいて前記端末装置と通信を行う通信部と、前記端末装置から前記通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本開示の端末装置は、画像形成装置を識別するための識別情報、及び、画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記画像形成装置に提供する提供部と、前記接続情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行い、画像の形成に関する指示を前記画像形成装置に送信する通信部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本開示の画像形成システムは、画像形成装置及び端末装置を備え、前記画像形成装置は、自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、自画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記端末装置から取得する取得部と、前記接続情報に基づいて前記端末装置と通信を行う第1の通信部と、前記端末装置から前記通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する画像形成部とを備え、前記端末装置は、前記画像形成装置を識別するための識別情報、及び、前記画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記画像形成装置に提供する提供部と、前記接続情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行い、画像の形成に関する指示を前記画像形成装置に送信する第2の通信部とを備えることを特徴とする。
【0010】
本開示の画像形成装置の制御方法は、自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、自画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、端末装置から取得する段階と、前記接続情報に基づいて前記端末装置と通信を行う段階と、前記端末装置から前記通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する段階とを含むことを特徴とする。
【0011】
本開示の端末装置の制御方法は、画像形成装置を識別するための識別情報、及び、前記画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記画像形成装置に提供する段階と、前記接続情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行い、画像の形成に関する指示を前記画像形成装置に送信する段階とを含むことを特徴とする。
【0012】
本開示のプログラムは、自画像形成装置を識別するための識別情報、及び、自画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、端末装置から取得する手段、前記接続情報に基づいて前記端末装置と通信を行う手段、及び、前記端末装置から前記通信を介して受信した指示に応じて、画像を形成する手段として画像形成装置の制御装置を動作させることを特徴とする。
【0013】
本開示のプログラムは、画像形成装置を識別するための識別情報、及び、前記画像形成装置との通信を許可するパスワードの少なくとも一方を含む接続情報を、前記画像形成装置に提供する手段、及び、前記接続情報に基づいて前記画像形成装置と通信を行い、画像の形成に関する指示を前記画像形成装置に送信する手段として端末装置の制御装置を動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、端末装置との無線通信の確立が容易な画像形成装置等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の第1実施形態における印刷システム全体について説明するための図である。
図2】第1実施形態における複合機の機能構成を説明するための図である。
図3】第1実施形態における端末装置の機能構成を説明するための図である。
図4】第1実施形態における印刷システムの動作について説明するための図である。
図5】第2実施形態における複合機の機能構成を説明するための図である。
図6】第2実施形態における端末装置の機能構成を説明するための図である。
図7】第2実施形態における印刷システムの動作について説明するための図である。
図8】第3実施形態における複合機の機能構成を説明するための図である。
図9】第3実施形態における端末装置の機能構成を説明するための図である。
図10】第3実施形態における印刷システムの動作について説明するための図である。
図11】第4実施形態における複合機の機能構成を説明するための図である。
図12】第4実施形態における端末装置の機能構成を説明するための図である。
図13】第4実施形態における印刷システムの動作について説明するための図である。
図14】従来の印刷システムについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[1.第1実施形態]
[1.1 システム構成]
図1は、印刷システム1の機能構成を説明するための図である。印刷システム1は、複合機3、端末装置7を備える。複合機3及び端末装置7は、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN機能を備える。複合機3の無線LAN(Local Area Network)機能の通信圏を参照符号11で表す。複合機3と端末装置7が無線LANを介して通信をするには、端末装置7が通信圏11の内側にある必要がある。
【0017】
[1.1.1 複合機]
図2は、複合機3の機能構成を説明するためのブロック図である。複合機3は、画像形成装置の一種であり、画像形成部31、画像入力部33、表示部35、操作部37、無線通信部39、有線通信部40、光学読み取り部41、記憶部43及び制御部45を備える。
【0018】
画像形成部31は、入力されたデータに基づいて画像データを形成する。画像形成部31は、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ等の印刷機構を備える。画像形成部31は、印刷機構を用いて、形成した画像データを、紙等の印刷媒体の上にプリントする。尚、複合機3がファクシミリ装置として動作する場合、画像形成部31が生成した画像データは、無線通信部39または有線通信部40を介して宛先に送信される。複合機3がコピー装置として動作する場合、画像入力部33から入力された画像に基づいて印刷する。
【0019】
画像入力部33は、画像(原稿)を読み取って画像データとして出力する。画像入力部33は、一般的なスキャナ(画像入力装置)により構成されている。また、画像入力部33は、例えばUSBメモリ等の外部の記憶媒体から画像データを入力してもよい。あるいは、画像入力部33は、例えば、ネットワーク経由で画像を受信してもよい。画像入力部33は、光学読み取り部41を兼ねてもよい。
【0020】
表示部35は、画像や文字を表示するための機能部である。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELパネル等により構成されている。表示部35は、単体の表示装置であってもよい。或いは、表示部35は、更に外部に接続された表示装置を含むものであってもよい。
【0021】
操作部37は、ユーザからの操作入力を受け付ける。例えば、操作部37は、ハードウェアキーやソフトウェアキーで構成される。また、操作部37は、例えばFAX送信や、画像読み込みといったタスクを実行するタスクキーや、操作を中止する中止キー等が含まれる。また、操作部37は、タスクキーや、中止キー、電源キー、節電キーといった物理的な操作キーを含んでもよい。表示部35と操作部37は、タッチパネルディスプレイとして一体に構成されてもよい。
【0022】
無線通信部39は、Wi-Fi等の無線通信機能を有する無線LANインタフェースにより構成されている。無線通信部39は、LTEネットワーク、5Gネットワーク等の移動体通信網に接続可能なインタフェースを更に備えてもよい。無線通信部39は、端末装置7の無線通信部71に対応し、無線通信が可能である。
【0023】
有線通信部40は、LANインタフェースにより構成されている。また、有線通信部40は、公衆電話回線網等の電話回線網に接続するためのインタフェースを備えてもよい。
【0024】
光学読み取り部41は、二次元コードを光学読み取りする画像入力装置である。例えば、光学読み取り部41は、イメージスキャナ、バーコードスキャナ、イメージセンサである。イメージセンサの場合、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサでもCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサでもよい。
【0025】
記憶部43は、複合機3の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部43は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の一時的な記憶が可能な記録装置を含む。記憶部43は、例えば、半導体メモリで構成されたSSD(Solid State Drive)や、磁気ディスクで構成されたHDD(Hard Disk Drive)等の非一時的な記録装置を含む。記憶部43は、説明の都合上1つの構成としているが、プログラムの実行に利用される領域(主記憶領域)と、プログラムやデータを保存する領域(補助記憶領域)、キャッシュに利用する領域等、それぞれ用途毎に別の装置として構成してもよい。記憶部43は、特に、接続情報43Aを記憶する。接続情報43Aは、例えば、識別情報43A1及びパスワード43A2を含む。
【0026】
接続情報43Aは、複合機3と端末装置7との無線通信を確立する際に、無線通信部39が用いる情報である。識別情報43A1は、無線LANにおけるアクセスポイントの識別情報である。識別情報43A1は、例えば、SSID(Service Set Identifier)である。識別情報43A1は、BSSID(Basic Service Set Identifier)、ESSID(Extended Service Set Identifier)であってもよい。パスワード43A2は、識別情報43A1が示すアクセスポイントと無線通信するために必要なパスワードである。具体的には、無線通信を暗号化する際に用いる暗号化キーである。
【0027】
制御部45は、記憶部43に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。制御部45は、1又は複数の制御装置や、制御回路で構成されている。制御部45は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、SoC(System on a Chip)等により構成されている。制御部45は、二次元コード読み取り部47、二次元コード復号部49、接続情報取得部51、接続情報更新部53、アクセスポイント部55、データ受信部57及び印刷部59として動作する。
【0028】
二次元コード読み取り部47は、光学読み取り部41を用いて二次元コードを読み取る処理を実行する。二次元コード復号部49は、二次元コード読み取り部47で読み取った二次元コードを復号する処理を実行する。二次元コード復号部49が実行する復号処理の符号化方式は、端末装置7において二次元コード符号化部83Aが実行する符号化処理の符号化方式と同じである。二次元コードの符号化方式は特に問わない。例えば、QRコード(登録商標)、DataMatrix、VeriCodeのようなマトリクス型2次元コードでもよく、PDF417、CODE49のようなスタック型2次元コードでもよい。また、二次元コード読み取り部47は、2次元コードを読み込み、解析してもよい。例えば、ニ次元コードとして暗号化や符号化されている情報を解析し、必要な情報を取得してもよい。
【0029】
接続情報取得部51は、二次元コード復号部49の復号結果から、接続情報を取得する処理を実行する。接続情報更新部53は、接続情報取得部51が取得した接続情報に基づいて、識別情報43A1、パスワード43A2を更新する処理を実行する。アクセスポイント部55は、識別情報43A1、パスワード43A2に基づいて、無線通信部39をアクセスポイントとして動作させる処理を実行する。データ受信部57は、無線通信部39を介して端末装置7からデータを受信する処理を実行する。印刷部59は、端末装置7から受信した印刷データを、画像形成部31を用いて印刷媒体に印刷する処理を実行する。
【0030】
[1.1.2 端末装置]
図3は、端末装置7の機能構成を説明するためのブロック図である。端末装置7は、無線通信部71、表示部73、操作部75、記憶部77及び制御部79を備える。
【0031】
無線通信部71は、Wi-Fi等の無線通信機能を有する無線LANインタフェースにより構成されている。無線通信部71は、LTEネットワーク、5Gネットワーク等の移動体通信網に接続可能なインタフェースを更に備えてもよい。無線通信部71は、複合機3の無線通信部39に対応し、無線通信が可能である。
【0032】
表示部73は、画像や文字を表示するための機能部である。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELパネル等により構成されている。表示部73は、単体の表示装置であってもよいし、更に外部に接続された表示装置を含むものであってもよい。
【0033】
操作部75は、ユーザからの操作入力を受け付ける。例えば、操作部75は、ハードウェアキーやソフトウェアキーで構成される。操作部75は、例えば印刷データの送信、複合機3への印刷、操作の中止等を指示する入力を受け付ける。操作部75は、タスクキーや、中止キー、電源キー、節電キーといった物理的な操作キーを含んでもよい。表示部73と操作部75は、タッチパネルディスプレイとして一体に構成されてもよい。
【0034】
記憶部77は、端末装置7の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶部77は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の一時的な記憶が可能な記録装置や、例えば、半導体メモリで構成されたSSD(Solid State Drive)や、磁気ディスクで構成されたHDD(Hard Disk Drive)等の非一時的な記録装置を含むものである。また、記憶部77は、説明の都合上1つの構成としているが、プログラムの実行に利用される領域(主記憶領域)と、プログラムやデータを保存する領域(補助記憶領域)、キャッシュに利用する領域等、それぞれ用途毎に別の装置として構成してもよい。記憶部77は、特に、出力データ77Aを記憶する。
【0035】
制御部79は、記憶部77に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。制御部79は、1又は複数の制御装置や、制御回路で構成されており、例えば、CPU(Central Processing Unit)や、SoC(System on a Chip)等により構成されている。制御部79は、接続情報生成部81、情報提供部83及びデータ送信部85として動作する。端末装置7がスマートフォンであるとき、接続情報生成部81、情報提供部83及びデータ送信部85は、スマートフォンで動作するアプリケーションとして構成されてよい。
【0036】
接続情報生成部81は、例えば、識別情報生成部81A及びパスワード生成部81Bを含んでもよい。識別情報生成部81Aは、識別情報を生成する。識別情報生成部81Aによって生成される識別情報は、識別情報43A1に対応する。パスワード生成部81Bは、パスワードを生成する。パスワード生成部81Bによって生成されるパスワードは、パスワード43A2に対応する。
【0037】
識別情報生成部81Aは、他の端末装置によって生成された識別情報と異なる識別情報を生成するように構成される。例えば、識別情報生成部81Aは、端末装置7自身、端末装置7の構成要素、または、端末装置7に実装されたソフトウェアに関連付けられたユニークな文字列を識別情報としてもよい。または、そのユニークな文字列に基づいて識別情報を生成してもよい。具体的には、そのユニークな文字列に追加の文字列(例えば日時を示す文字列、連番等)を付加してなる文字列を識別情報として生成することが考えられる。ユニークな文字列としては、例えば、UUID(Universally Unique Identifier)、端末装置7の電話番号、MAC(Media Access Control)アドレス、メールアドレス等がある。
【0038】
また、例えば、識別情報生成部81Aは、予め定められた文字種(英字、大文字、小文字、数字、記号、ひらがな、カタカナ、漢字等)の中から、あらかじめ定められた数の文字をランダムに選択して文字列を生成してもよい。識別情報をなす文字列の文字数が十分に大きければ、識別情報生成部81Aが生成する識別情報と、他の端末装置が生成した識別情報とが事実上重複しないようにすることができる。
【0039】
このようにして識別情報を生成すれば、端末装置7として動作する端末装置が複数存在する場合でも、各端末装置で生成される識別情報は互いに異なる。このため、端末装置7として動作する端末装置が、複合機3の通信圏に複数存在する場合でも、ひとつの端末装置との無線通信を容易に確立することができる。このような識別情報の生成と同様に、パスワード生成部81Bは、生成するパスワードが、他の端末装置が定めるパスワードと重複しないように構成される。
【0040】
情報提供部83は、例えば、二次元コード符号化部83A及び二次元コード表示部83Bを備えてもよい。二次元コード符号化部83Aは、入力されたデータを符号化して二次元コードを生成する。二次元コード符号化部83Aが実行する符号化処理の符号化方式は、複合機3において二次元コード復号部49が実行する復号処理の符号化方式と同じである。二次元コード表示部83Bは、二次元コード符号化部83Aが生成した二次元コードを、表示部73に表示させる。
【0041】
データ送信部85は、無線通信部71を用いて、複合機3の無線通信部39に出力データ77Aを送信する。
【0042】
[1.2 動作]
図4は、印刷システム1において、端末装置7から複合機3に出力データを送信し、複合機3で出力データを印刷するまでの動作を説明するための図である。
【0043】
端末装置7において、接続情報生成部81は、接続情報(識別情報、パスワード)を生成する(ステップS1)。例えば、識別情報生成部81Aが識別情報を生成し、パスワード生成部81Bがパスワードを生成する。情報提供部83において、二次元コード符号化部83Aは、接続情報に基づいて二次元コードを生成する(ステップS2)。また、二次元コード表示部83Bは、表示部73を用いて生成された二次元コードを表示する(ステップS3)。端末装置7のユーザは、表示部73に表示させた二次元コードを、複合機3の光学読み取り部41が読み取り可能な位置に配置する。
【0044】
複合機3において、二次元コード読み取り部47が光学読み取り部41を用いて表示部73に表示された二次元コードを読み取る(ステップS5)。二次元コード復号部49は、その二次元コードを復号する。接続情報取得部51は、その復号結果から接続情報を取得する(ステップS7)。
【0045】
接続情報更新部53は、記憶部43が記憶している接続情報43Aを、二次元コードから取得された接続情報で更新する(ステップS8)。アクセスポイント部55は、更新された接続情報に基づいて無線通信部39をアクセスポイントとして動作させる(ステップS9)。すなわち、無線通信部39は、ステップS3において端末装置7で生成された識別情報を有するアクセスポイントとして動作する。また、無線通信部39は、ステップS3において端末装置7で生成されたパスワードを暗号化キーとして用いるアクセスポイントとして動作する。
【0046】
端末装置7に戻り、データ送信部85は、無線通信部71を用いて、ステップS3で識別情報生成部81Aが生成した接続情報に基づく接続要求を送信させる(ステップS11)。すなわち、無線通信部71は、ステップS3において識別情報生成部81Aが生成した識別情報を有するアクセスポイントに接続要求を送信する。このとき、無線通信部71は、ステップS3においてパスワード生成部81Bが生成したパスワードを暗号化キーとして用いる。
【0047】
複合機3において、アクセスポイント部55は、無線通信部39を用いて、端末装置7が送信した接続要求を受信する(ステップS13)。上述のように、ステップS9で無線通信部39がアクセスポイントとして動作する際に用いた接続情報と、ステップS11で無線通信部71が接続要求を送信する際に用いた接続情報とが同じである。このため、複合機3の無線通信部39は、端末装置7の無線通信部71と無線通信を確立する(ステップS15)。無線通信の確立に応じて、アクセスポイント部55は、端末装置7から接続された旨と、端末装置7の端末名とを示すメッセージを表示部35に表示させる。この表示を行うことにより、接続の成否が明確になり、操作性が向上する。
【0048】
無線通信が確立されると、端末装置7において、データ送信部85は、出力データ77Aと、出力データ77Aの印刷を指示する印刷命令とを複合機3に送信する(ステップS17)。複合機3において、無線通信部39が出力データ77Aと印刷命令とを受信する(ステップS19)と、データ受信部57は、出力データ77Aと印刷命令とを印刷部59に渡す。印刷部59は、印刷命令に従って、画像形成部31を用いて出力データ77Aに基づく印刷イメージを生成する。続いて、印刷部59は、画像形成部31を用いて、印刷媒体に印刷イメージを形成させる(ステップS21)。例えば、端末装置7として動作するスマートフォンで実行されるアプリケーションは、無線通信の確立に応じて出力データ77Aを複合機3に自動送信する。複合機3として動作するコンビニ機種では、自動送信された出力データ77Aに応じて、データ受信部57が表示部35の画面を更新する。この画面の更新により、複合機3は、端末装置7から出力データ77Aを受信したことを、端末装置7のユーザにフィードバックする。
【0049】
[1.3 効果]
本実施形態によれば、複合機3は、端末装置7が指定した接続情報に基づいてアクセスポイントとして動作する。これにより、端末装置7は、当該接続情報を用いて複合機3に接続することができる。他方、端末装置7以外の端末装置は、端末装置7が指定した接続情報を知らされていない。このため、端末装置7以外の端末装置は、複合機3と無線通信を確立することができない。その結果、複合機3の周辺に他の端末装置が存在する状況でも、端末装置7だけが複合機3と通信可能になる。端末装置7は、他の端末装置に邪魔されることなく、通信を確立することができる。
【0050】
また、上述した機能については、アプリケーションにおいて実現することができる。例えば、端末装置7に、接続情報生成部81、情報提供部83、データ送信部85の機能のうち、1又は複数を有するアプリケーション(プログラム)、スマートフォンアプリをインストールする。端末装置7は、当該アプリケーションを実行することで、これらの機能を実現することができる。また、複合機3に、二次元コード読み取り部47、二次元コード復号部49、接続情報取得部51、接続情報更新部53の1又は複数の機能を有するアプリケーション(プログラム)をインストールする。複合機3は、当該アプリケーションを実行することで、これらの機能を実現することができる。これらのアプリケーションは、ネットワークを経由して各装置に提供されてもよい。
【0051】
[2.第2実施形態]
[2.1 システム構成]
図5は、第2実施形態で用いる複合機90の機能構成を説明するための図である。図6は、第2実施形態で用いる端末装置100の機能構成を説明するための図である。第2実施形態では、図1の印刷システム1における複合機3、端末装置7の代わりに、それぞれ複合機90、端末装置100を用いる。
【0052】
[2.1.1 複合機]
第1実施形態の複合機3と比較すると、複合機90は、制御部45の代わりに制御部91を有する点で異なる。制御部45と比較すると、制御部91は、空きチャンネル情報取得部93を有する点で異なる。空きチャンネル情報取得部93は、二次元コード復号部49の復号結果から、空きチャンネル情報を取得して、アクセスポイント部55に渡す。
【0053】
[2.1.2 端末装置]
第1実施形態の端末装置7と比較すると、端末装置100は、制御部79の代わりに制御部101を有する点で異なる。制御部79と比較すると、制御部101は、空きチャンネル情報生成部103を有する点で異なる。
【0054】
空きチャンネル情報生成部103は、無線通信部71を用いて、端末装置100周辺における無線通信のチャンネルを解析し、空いているチャンネルを検出して、空きチャンネル情報を生成する。生成された空きチャンネル情報は、二次元コード符号化部83Aに渡される。二次元コード符号化部83Aは、空きチャンネル情報、識別情報及びパスワードに基づいて、二次元コードを生成する。端末装置100がスマートフォンであるとき、空きチャンネル情報生成部103は、接続情報生成部81、情報提供部83及びデータ送信部85と同様に、スマートフォンで動作するアプリケーションとして構成されてよい。
【0055】
[2.2 動作]
図7は、第2実施形態の印刷システムの動作を説明するための図である。端末装置100において、接続情報生成部81は、識別情報生成部81Aで識別情報を生成し、パスワード生成部81Bでパスワードを生成して、接続情報(識別情報、パスワード)を生成する(ステップS1)。空きチャンネル情報生成部103は、無線通信部71を用いて、端末装置100の周辺における無線通信のチャンネルを解析し、空きチャンネルを検出して、空きチャンネル情報を生成する(ステップS2A)。例えば、スマートフォンで動作するアプリケーションが、近隣のWi-Fiをスキャンし、混雑していないチャンネルを判定する。
【0056】
情報提供部83では、二次元コード符号化部83Aが、接続情報及び空きチャンネル情報に基づいて二次元コードを生成し、二次元コード表示部83Bがその二次元コードを表示部73に表示させる(ステップS3A)。例えば、スマートフォンで動作するアプリケーションが、Wi-FiのSSID、パスワード及び空きチャンネル情報を埋め込んだQRコードを生成し、表示部73に表示させる。端末装置10のユーザは、表示部73に表示された二次元コードが、複合機90の光学読み取り部41が読み取り可能になるように、端末装置10を配置する。
【0057】
複合機90において、二次元コード読み取り部47が光学読み取り部41を用いて表示部73に表示された二次元コードを読み取り(ステップS5A)、二次元コード復号部49がその二次元コードを復号する。接続情報取得部51は、その復号結果から、空きチャンネル情報及び接続情報を取得する(ステップS7A)。例えば、複合機90は、端末装置100であるスマートフォンからかざされたQRコードを読み込み、解析する。
【0058】
接続情報更新部53は、記憶部43が記憶している接続情報43Aを、二次元コードを介して取得された接続情報で更新する(ステップS8A)。アクセスポイント部55は、空きチャンネル情報と、更新された接続情報とに基づいて無線通信部39をアクセスポイントとして動作させる(S9A)。すなわち、無線通信部39は、ステップS1において端末装置100で生成された識別情報を有するアクセスポイントとして動作する。無線通信部39は、ステップS1において端末装置100で生成されたパスワードを暗号化キーとして用いるアクセスポイントとして動作する。例えば、複合機90は、QRコードから得た接続情報を元にWi-Fiを起動する。また、無線通信部39は、ステップS2Aで生成された空きチャンネル情報が示す空きチャンネルでの無線通信を要求する接続要求を待ち受ける。
【0059】
端末装置100に戻り、データ送信部85は、無線通信部71を用いて、ステップS3Aで識別情報生成部81Aが生成した接続情報に基づく接続要求を送信させる(ステップS11)。その際、データ送信部85は、ステップS2Aで検出した空きチャンネルを用いての接続を要求する。例えば、端末装置100として動作するスマートフォンは、複合機90にQRコードとして送信した接続情報に基づいて、検出したWi-Fiの空きチャンネルに接続する。このとき、スマートフォンは、常に新規のWi-Fiに接続することになる。このため、接続性及びセキュリティが向上する。
【0060】
複合機90において、アクセスポイント部55は、端末装置100から送信された接続要求を、無線通信部39で受信する(ステップS13A)。上述のように、ステップS9Aで無線通信部39がアクセスポイントとして動作する際に用いた接続情報と、ステップS11Aで無線通信部71が接続要求を送信する際に用いた接続情報が同じである。このため、複合機90の無線通信部39と、端末装置100の無線通信部71との間に、無線通信が確立される(ステップS15A)。以後のステップS17、S19及びS21は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0061】
[2.3 効果]
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて次のような効果を奏する。即ち、第2実施形態によれば、ステップS2Aで空きチャンネルを検出し、その空きチャンネルを用いて無線通信を確立するので、確実に無線通信を確立することができる。
【0062】
[3.第3実施形態]
[3.1 システム構成]
図8は、第3実施形態で用いる複合機120の機能構成を説明するための図である。図9は、第3実施形態で用いる端末装置140の機能構成を説明するための図である。第3実施形態では、図1の印刷システム1における複合機3、端末装置7の代わりに、それぞれ複合機120、端末装置140を用いる。
【0063】
[3.1.1 複合機]
第2実施形態の複合機90と比較すると、複合機120は、光学読み取り部41及び制御部91の代わりに、近距離無線通信部121及び制御部123をそれぞれ有する。制御部91と比較すると、制御部123は、二次元コード読み取り部47、二次元コード復号部49を備えていない点で異なる。
【0064】
近距離無線通信部121は、10cm程度の近距離で通信を行う通信装置であり、例えば、NFC(Near Field Communication)標準に従って動作する通信装置である。複合機90では、端末装置100から空きチャンネル情報及び接続情報を取得する際に、二次元コードを用いる。これに対して、複合機120では、近距離無線通信部121による近距離無線通信を用いて端末装置140から受信する。
【0065】
[3.1.2 端末装置]
第2実施形態の端末装置100と比較すると、端末装置140は、近距離無線通信部141を備え、情報提供部83の代わりに情報提供部145を備える点で異なる。情報提供部83と比較すると、情報提供部145は、二次元コード符号化部及び二次元コード表示部を備えていない。情報提供部145は、近距離無線通信部141による近距離無線通信を介して、空きチャンネル情報及び接続情報を複合機120に送信する。
【0066】
[3.2 動作]
図10は、第3実施形態に係る印刷システムの動作を説明するための図である。ステップS1、S2Aは第2実施形態と同様である。次に、情報提供部145は、近距離無線通信部141を用いて、接続情報及び空きチャンネル情報を複合機120に送信する(ステップS3B)。
【0067】
複合機120において、近距離無線通信部121が接続情報と空きチャンネル情報とを受信する(ステップS5B)。接続情報更新部127は、記憶部43が記憶している接続情報43Aを、近距離無線通信を介して受信された接続情報で更新する(ステップS8B)。アクセスポイント部55は、受信した空きチャンネル情報と、更新された接続情報とに基づいて無線通信部39をアクセスポイントとして動作させる(S9B)。これにより、無線通信部39は、ステップS1において端末装置140で生成された識別情報を有し、同ステップで生成されたパスワードを用いるアクセスポイントとして動作する。無線通信部39は、ステップS2Aで生成された空きチャンネル情報が示す空きチャンネルでの無線通信の接続要求を待ち受ける。
【0068】
端末装置140に戻り、データ送信部85は、無線通信部71を用いて、ステップS1で識別情報生成部81Aが生成した接続情報に基づく接続要求を送信させる(ステップS11)。その際、データ送信部85は、ステップS2Aで検出した空きチャンネルでの接続を要求する。
【0069】
複合機120において、端末装置140から送信された接続要求を、無線通信部39が受信する(ステップS13B)。上述のように、ステップS9Bで無線通信部39がアクセスポイントとして動作する際に用いた接続情報と、ステップS11Bで無線通信部71が接続要求を送信する際に用いた接続情報が同じである。このため、アクセスポイント部55は接続要求を了承し、端末装置140との無線通信を確立する(ステップS15B)。以後のステップS17、S19及びS21は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0070】
[3.3 効果]
本実施形態によれば、複合機120に接続情報及び空きチャンネル情報を提供するため、端末装置140は、二次元コードではなく近距離無線通信を用いる。このため、本実施形態によれば、二次元コードの符号化、表示、読み取り及び復号に関する機能、具体的には二次元コード符号化部83A、二次元コード表示部83B、二次元コード読み取り部47、二次元コード復号部49が不要になる。その結果、本実施形態によれば、複合機及び端末装置の制御部の構成を簡素にすることができる。
【0071】
[4.第4実施形態]
[4.1 システム構成]
図11は、第4実施形態で用いる複合機160の機能構成を説明するための図である。図12は、第4実施形態で用いる端末装置180の機能構成を説明するための図である。第4実施形態では、図1の印刷システム1における複合機3、端末装置7の代わりに、それぞれ複合機160、端末装置180を用いる。第2実施形態では、空きチャンネル情報及び接続情報の生成を端末装置100が行うのに対して、第4実施形態では複合機160が行う点で異なる。
【0072】
[4.1.1 複合機]
第2実施形態の複合機90と比較すると、複合機160は、制御部91の代わりに制御部161を有する点で異なる。制御部91と比較すると、制御部161は、空きチャンネル情報生成部163、接続情報生成部165及び情報提供部167を備える点で異なる。接続情報生成部165は、識別情報生成部165A及びパスワード生成部165Bを備える。情報提供部167は、二次元コード符号化部167A及び二次元コード表示部167Bを備える。また、接続情報更新部53の代わりに接続情報更新部169を有する点で異なる。
【0073】
空きチャンネル情報生成部163は、無線通信部39を用いて、複合機90周辺における無線通信のチャンネルを解析し、空いているチャンネルを検出して、空きチャンネル情報を生成する。生成された空きチャンネル情報は、二次元コード符号化部167Aに渡される。
【0074】
識別情報生成部165Aは、生成する識別情報が、他の端末装置が生成した識別情報と重複しないように構成される。例えば、端末装置7に関連付けられたユニークな文字列そのもの、または、そのユニークな文字列に追加の文字列(例えば日時を示す文字列、連番等)を付加してなる文字列を識別情報として生成してもよい。ユニークな文字列としては、例えば、端末装置7の電話番号、MACアドレス、メールアドレスがある。複合機3と接続しようとする端末装置がすべてこのようにして識別情報を定めることとすれば、端末装置は互いに異なる識別情報を生成する。また、例えば、識別情報生成部165Aは、予め定められた文字種(半角/全角、大文字/小文字、英字、数字、記号、ひらがな、カタカナ、漢字等)の中から、あらかじめ定められた数の文字をランダムに選択して文字列を生成してもよい。識別情報をなす文字列の文字数が十分に大きければ、識別情報生成部165Aが生成する識別情報と、他の端末装置が生成した識別情報とが事実上重複しないようにすることができる。同様に、パスワード生成部165Bは、生成するパスワードが、他の端末装置が定めるパスワードと重複しないように構成される。
【0075】
二次元コード符号化部167Aは、入力されたデータを符号化して二次元コードを生成する。二次元コード符号化部167Aが実行する符号化処理の符号化方式は、端末装置180において後述する二次元コード復号部183Bが実行する復号処理の符号化方式と同じである。二次元コードの符号化方式は特に問わない。例えば、QRコード(登録商標)、DataMaatrix、VeriCodeのようなマトリクス型2次元コードでもよく、PDF417、CODE49のようなスタック型2次元コードでもよい。二次元コード表示部167Bは、二次元コード符号化部167Aが生成した二次元コードを、表示部35に表示させる。
【0076】
接続情報更新部169は、記憶部43に記憶されている識別情報43A1及びパスワード43A2を、それぞれ、接続情報更新部169で生成された識別情報及びパスワードに更新する。
【0077】
[4.1.2 端末装置]
第2実施形態の端末装置100と比較すると、本実施形態の端末装置180は、空きチャンネル情報生成部、接続情報生成部、情報提供部を備えていない。端末装置180は、光学読み取り部181を備える。また、端末装置180は、制御部101の代わりに制御部183を備える。制御部183は、二次元コード読み取り部185、二次元コード復号部187及び接続情報取得部189を備える。
【0078】
光学読み取り部181は、二次元コードを光学読み取りする画像入力装置である。例えば、光学読み取り部181は、イメージスキャナ、バーコードスキャナ、イメージセンサである。イメージセンサの場合、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサでもCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサでもよい。
【0079】
二次元コード読み取り部185は、光学読み取り部181を用いて、二次元コードを光学読み取りする処理を実行する。二次元コード復号部187は、二次元コード読み取り部185で読み取った二次元コードを復号する処理を実行する。二次元コード復号部49が実行する復号処理の符号化方式は、複合機160において二次元コード符号化部167Aが実行する符号化処理の符号化方式と同じである。接続情報取得部189は、二次元コード復号部187の復号結果から、接続情報を取得する。
【0080】
[4.2 動作]
図13は、本実施の形態の印刷システムの動作を説明するための図である。複合機160において、識別情報生成部165Aは、識別情報を生成し、パスワード生成部165Bはパスワードを生成する(ステップS41)。
【0081】
空きチャンネル情報生成部163は、無線通信部39を用いて、複合機160の周辺における無線通信のチャンネルを解析し、空きチャンネルを検出して、空きチャンネル情報を生成する(ステップS43)。
【0082】
二次元コード符号化部167Aは、接続情報及び空きチャンネル情報に基づいて二次元コードを生成し、二次元コード表示部167Bがその二次元コードを表示部35に表示させる(ステップS45)。端末装置180のユーザは、光学読み取り部181が、表示部35に表示された二次元コードを読み取り可能になるようにして、端末装置180を配置する。
【0083】
端末装置180において、二次元コード読み取り部185が光学読み取り部181を用いて表示部35に表示された二次元コードを読み取り(ステップS47)、二次元コード復号部187がその二次元コードを復号する(ステップS49)。接続情報取得部189は、その復号結果から、空きチャンネル情報及び接続情報を取得する。データ送信部85は、取得された接続情報に基づいて、空きチャンネル情報が示すチャンネルでの無線通信の接続を要求する接続要求を送信する(ステップS51)。
【0084】
一方、複合機160では、接続情報更新部169が、記憶部43に記憶された識別情報43A1及びパスワード43A2を、ステップS41で生成された接続情報に更新する(ステップS53)。アクセスポイント部55は、更新された接続情報に基づいて、無線通信部39をアクセスポイントとして動作させる(S55)。無線通信部39は、ステップS51で送信された接続要求を受信する(ステップS57)。
【0085】
このとき、端末装置180の無線通信部71が、ステップS51で送信した接続要求にて用いた接続情報(識別情報及びパスワード)と、複合機160の無線通信部39が、ステップS55でアクセスポイントとして動作したときに用いた接続情報とは、どちらも、ステップS41で生成された接続情報に由来する。このため、無線通信部71と無線通信部39との間の無線通信が確立される(ステップS59)。
【0086】
無線通信が確立されると、端末装置180において、データ送信部85は、出力データ77Aと、出力データ77Aの印刷を指示する印刷命令とを複合機160に送信する(ステップS61)。複合機160において、無線通信部39が出力データ77Aと印刷命令とを受信する(ステップS63)と、データ受信部57は、出力データ77Aと印刷命令とを印刷部59に渡す。印刷部59は、印刷命令に従って、画像形成部31を用いて出力データ77Aに基づく印刷イメージを生成し、印刷媒体に印刷イメージを形成させる(ステップS65)。
【0087】
[4.3 効果]
本実施形態によれば、空きチャンネル情報及び接続情報の生成を複合機160で行うため、端末装置180の構成を簡素化することができる。
【0088】
[5.変形例]
上述の実施形態では、識別情報とパスワードの両方を生成したが、どちらか一方だけを生成してもよい。具体的には、識別情報のみを生成し、パスワードを生成しないこととしてもよい。この場合、パスワードは所定の固定値を用いてもよいし、無線通信の暗号化を行わないこととして、パスワードを省略してもよい。或いは、識別情報として所定の固定値を用い、パスワードのみを生成することとしてもよい。
【0089】
また、上述の実施形態では、画像形成部31等で形成した画像データを印刷媒体に印刷するものとして説明したが、印刷する代わりに、或いは、印刷すると共に、画像データをファクシミリで送信してもよい。この場合、例えば、ステップS17において、端末装置7のデータ送信部85は、出力データ77Aをファクシミリ送信するファクシミリ送信命令を更に送信する。このとき、無線通信部39を用いて移動体通信網を介して送信してもよいし、有線通信部40を用いて公衆電話回線網を介して送信してもよい。
【0090】
また、上述の実施形態では、出力データ77Aと印刷命令の両方を端末装置から複合機に送信するものとして説明したが、出力データ77Aの送信元は、端末装置以外でもよい。例えば、出力データ77Aをインターネット上の不図示のファイルサーバに格納してもよい。この場合、例えば、ステップS17において、端末装置7は、出力データ77Aそのものを複合機3に送信する代わりに、そのファイルサーバから出力データ77Aをダウンロードするために必要な情報を複合機3に送信する。ここでいう必要な情報とは、出力データ77Aを格納するファイルサーバのアドレス、ファイルサーバにアクセスするためのユーザ識別情報、パスワード等である。ステップS18において、複合機3は、その送信された情報に基づいて、ファイルサーバにアクセスして、出力データ77Aをダウンロードする。
【0091】
また、上述の実施形態では、識別情報生成部81A、165Aは、識別情報を生成する際の制約として、他装置が生成した識別情報と重複しないようにして識別情報を生成するという条件があるものとして説明したが、これに加えて、自装置周辺の他の無線通信装置が利用している識別情報と重複しないようにして識別情報を生成することとしてもよい。このため、例えば、識別情報生成部81Aは、無線通信部39を用いて他装置が利用中の識別情報を取得し、生成した識別情報が、他装置が利用中の識別情報に一致する場合、識別情報を生成しなおすこととしてもよい。このようにすれば、通信圏内に同一の識別情報が複数存在する状態を回避することができるため、無線通信の確立を容易にすることができる。
【0092】
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0093】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、各実施形態を分けて説明しているが、可能な範囲で組み合わせて実行することが可能である。また、明細書に記載したいずれの技術についても、補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。
【0094】
また、各実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
【0095】
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。
【0096】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバ装置の記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【0097】
また、上述したデータは、装置内に記憶されるものではなく、外部の装置に記憶されて、適宜呼び出されてもよい。例えば、データをNAS(Network Attached Storage)に記憶したり、クラウド上に記憶したりしてもよい。
【0098】
なお、本開示の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される技術の組み合わせも、その範囲に含むものである。本開示のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に記載しているが、特許請求の範囲に記載されていないことを理由として技術的範囲から排除する意思ではない。
【0099】
また、上述した明細書において、「~の場合」「~のとき」という記載については、一つの例として説明しているものであり、記載した内容に限られる構成としているものではない。これらの場合やときでない構成についても、当業者であれば自明である範囲についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0100】
また、明細書に記載した処理や、データの流れについて順番を伴った記載について、記載している順番に限られない。例えば、処理の一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有している。
【符号の説明】
【0101】
1 印刷システム
3、90、120、160 複合機
7、100、140、180 端末装置
11 通信圏
31 画像形成部
33 画像入力部
35 表示部
37 操作部
39 無線通信部
41、181 光学読み取り部
43 記憶部
43A 接続情報
43A1 識別情報
43A2 パスワード
45、79、91、101、123、143、161、183 制御部
47、185 二次元コード読み取り部
49、187 二次元コード復号部
51、125、189 接続情報取得部
53、127、169 接続情報更新部
55 アクセスポイント部
57 印刷データ受信部
59 印刷部
61、87 データバス
71 無線通信部
73 表示部
75 操作部
77 記憶部
77A 印刷データ
81、165 接続情報設定部
81A、165A SSID生成部
81B、165B パスワード生成部
83、145、167 情報提供部
83A、167A 二次元コード符号化部
83B、167B 二次元コード表示部
85 印刷データ送信部
93 空きチャンネル情報取得部
103、163 空きチャンネル情報生成部
121、141 近距離無線通信部
図1
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