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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177659
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/42 20060101AFI20231207BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20231207BHJP
   B65D 5/468 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
B65D5/42 Z
B65D5/44 H
B65D5/468 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090447
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(72)【発明者】
【氏名】米丸 武
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 貴史
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060CA01
3E060CA12
3E060CA23
3E060CD03
3E060CD20
3E060DA12
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】内容物に圧縮荷重を適切に受け持たせることが可能な包装箱を提供する。
【解決手段】包装箱1は、互いに対向する底板20bおよび天板20aと、底板20bおよび天板20aに横折目線b1、b2を介して連接されると共に、縦折目線aによって両側端が規定される側板11、12と、を有し、側板11、12の底板20b側または天板20a側の両隅部側には、横折目線b1、b2および縦折目線a以外の補助折目線f、複数の切れ目が設けられた切れ目領域31および段潰し加工が施された段潰し領域の少なくともいずれか一つを有する変形誘起部30が設けられる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する底板および天板と、
前記底板および前記天板に横折目線を介して連接されると共に、縦折目線によって両側端が規定される側板と、を有する包装箱であって、
前記側板の前記底板側または前記天板側の両隅部側には、前記横折目線および前記縦折目線以外の補助折目線、複数の切れ目が設けられた切れ目領域および段潰し加工が施された段潰し領域の少なくともいずれか一つを有する変形誘起部が設けられることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1に記載の包装箱において、
前記側板には、前記底板側または前記天板側における2つの前記変形誘起部を繋ぐ線に沿って中間折目線が設けられることを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項2に記載の包装箱において、
前記変形誘起部は、前記補助折目線を有し、
前記補助折目線は、前記中間折目線の一端から近傍の前記横折目線側が凸となるように曲折した後に近傍の縦折目線側に向けて延びる線に沿って設けられることを特徴とする包装箱。
【請求項4】
請求項3に記載の包装箱において、
前記補助折目線は、前記中間折目線側から近傍の前記縦折目線側に向けて近傍の前記横折目線から漸次離隔する線に沿って設けられ、
前記中間折目線は、近傍の前記横折目線側が凹となる線に沿って設けられることを特徴とする包装箱。
【請求項5】
請求項4に記載の包装箱において、
前記変形誘起部は、前記補助折目線と近傍の前記横折目線との間に設けられた前記切れ目領域または前記段潰し領域を有することを特徴とする包装箱。
【請求項6】
請求項2に記載の包装箱において、
前記変形誘起部は、前記切れ目領域または前記段潰し領域を有し、
近傍の前記横折目線とは反対側の前記切れ目領域または前記段潰し領域の境界線は、前記中間折目線の一端から近傍の前記横折目線側が凸となるように曲折した後に近傍の縦折目線側に向けて延びる線に沿って設けられることを特徴とする包装箱。
【請求項7】
請求項6に記載の包装箱において、
前記境界線は、前記中間折目線側から近傍の前記縦折目線側に向けて近傍の前記横折目線から漸次離隔する線に沿って設けられ、
前記中間折目線は、近傍の前記横折目線側が凹となる線に沿って設けられることを特徴とする包装箱。
【請求項8】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の包装箱において、
前記変形誘起部は、前記側板の前記底板側または前記天板側のいずれか一側に設けられ、
他側の前記横折目線は、前記一側に向けて変位した変位部を有することを特徴とする包装箱。
【請求項9】
請求項8に記載の包装箱において、
前記側板の前記変位部側には、手穴が設けられ、
前記変位部は、前記手穴の前記横折目線方向における幅よりも大きい範囲に設けられることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種物品を収容する包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種物品を収容する包装箱として、段ボール等からなる一枚のブランクシートを折り曲げて製函される包装箱が普及している。一般に、このような包装箱は、矩形状の天板、底板および4つの側板からなる直方体状に構成されており、保管時や輸送時に床上に並べて配置するだけでなく、上下に積み重ねることも可能に構成されている。
【0003】
但し、包装箱を上下に積み重ねて配置した場合、下側の包装箱は上側の包装箱およびその内容物の重量により上下方向の圧縮荷重を受けることとなるため、内容物によっては包装箱が大きく変形または破損し、包装箱の外観が損なわれるだけでなく内容物の商品性まで低下してしまうときがある。
【0004】
従って、この圧縮荷重に対する包装箱の強度を高めるための手法が種々提案されている。また、包装箱の強度を高めるのではなく、側板が変形することで圧縮荷重の一部を内容物である容器に受け持たせ、これにより包装箱の破損を防止する手法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6595367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の包装箱は、上下方向の圧縮荷重が加わった場合に側板を折り曲げるための折目線である補助罫線を、上下方向の折目線である第三罫線に対して間隔を空けて設けているため、内容物に圧縮荷重を適切に受け持たせることができないという問題があった。
【0007】
すなわち、内容物に圧縮荷重を適切に受け持たせるためには、天板が内容物の頂面に対して略均等に接触するように、包装箱の上下方向寸法を短縮させる必要がある。しかしながら、上記特許文献1に記載の包装箱では、上下方向の圧縮荷重に対する強度が本来的に高い部分である第三罫線およびその近傍の変形が考慮されていないため、4か所の第三罫線およびその近傍の上下方向寸法が短縮し難く、天板が部分的に窪む等して天板と内容物が適切に接触しないという問題があった。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑み、内容物に圧縮荷重を適切に受け持たせることが可能な包装箱を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の包装箱は、互いに対向する底板および天板と、前記底板および前記天板に横折目線を介して連接されると共に、縦折目線によって両側端が規定される側板と、を有する包装箱であって、前記側板の前記底板側または前記天板側の両隅部側には、前記横折目線および前記縦折目線以外の補助折目線、複数の切れ目が設けられた切れ目領域および段潰し加工が施された段潰し領域の少なくともいずれか一つを有する変形誘起部が設けられることを特徴とする。
【0010】
本発明の包装箱によれば、縦折目線方向、すなわち縦方向の圧縮荷重を受けた場合に、変形誘起部の変形によって変形し難い縦折目線およびその近傍における変形を誘起することが可能となるため、側板の縦方向寸法を全体的に短縮させて天板を内容物に略均等に接触させ、内容物に圧縮荷重を適切に受け持たせることができる。
【0011】
そして、これにより包装箱に過大な圧縮荷重が加わるのを防止することが可能となるため、外観を損ねるような包装箱の変形や破損を防止することができる。また、変形誘起部は、底板側または天板側の両隅部側に設けられるため、縦折目線およびその近傍における変形を目立たない位置に誘起することができる。
【0012】
また、本発明の包装箱において、前記側板には、前記底板側または前記天板側における2つの前記変形誘起部を繋ぐ線に沿って中間折目線が設けられることが好ましい。
【0013】
これによれば、側板における縦折目線およびその近傍以外の部分の変形を、中間折目線の位置において安定的に発生させることが可能となるため、より適切に側板を変形させて、より適切に圧縮荷重を内容物に受け持たせることができる。また、側板の変形を底板側または天板側の目立たない位置に集中させることができる。
【0014】
また、本発明の包装箱において、前記変形誘起部は、前記補助折目線を有し、前記補助折目線は、前記中間折目線の一端から近傍の前記横折目線側が凸となるように曲折した後に近傍の縦折目線側に向けて延びる線に沿って設けられることが好ましい。
【0015】
これによれば、変形誘起部の補助折目線における折れ曲がり方向と中間折目線における折れ曲がり方向を異ならせることが可能となるため、中間折目線における変形を変形誘起部における変形に相乗的に作用させ、縦折目線およびその近傍をより変形し易くすることができる。
【0016】
また、本発明の包装箱において、前記補助折目線は、前記中間折目線側から近傍の前記縦折目線側に向けて近傍の前記横折目線から漸次離隔する線に沿って設けられ、前記中間折目線は、近傍の前記横折目線側が凹となる線に沿って設けられることが好ましい。
【0017】
これによれば、側板が補助折目線および中間折目線で山折りに(表側が凸となるように)折れ曲がる際に、補助折目線の中間折目線側の端部における外側への突出を中間折目線の端部で押さえ、補助折目線の縦折目線側の端部を、より包装箱の外側に突出させることが可能となる。この結果、例えば変形誘起部を底板側に設けた場合には、補助折目線よりも底板側の縦折目線およびその近傍が包装箱の内側に引き込まれ易くなるため、縦折目線およびその近傍をより変形し易くすることができる。
【0018】
また、本発明の包装箱において、前記変形誘起部は、前記補助折目線と近傍の前記横折目線との間に設けられた前記切れ目領域または前記段潰し領域を有することが好ましい。
【0019】
これによれば、変形誘起部をより変形し易くし、縦折目線およびその近傍をより変形し易くすることができる。
【0020】
また、本発明の包装箱において、前記変形誘起部は、前記切れ目領域または前記段潰し領域を有し、近傍の前記横折目線とは反対側の前記切れ目領域または前記段潰し領域の境界線は、前記中間折目線の一端から近傍の前記横折目線側が凸となるように曲折した後に近傍の縦折目線側に向けて延びる線に沿って設けられることが好ましい。
【0021】
これによれば、変形誘起部の切れ目領域または段潰し領域の境界線における折れ曲がり方向と中間折目線における折れ曲がり方向を異ならせることが可能となるため、中間折目線における変形を変形誘起部における変形に相乗的に作用させ、縦折目線およびその近傍をより変形し易くすることができる。
【0022】
また、本発明の包装箱において、前記境界線は、前記中間折目線側から近傍の前記縦折目線側に向けて近傍の前記横折目線から漸次離隔する線に沿って設けられ、前記中間折目線は、近傍の前記横折目線側が凹となる線に沿って設けられることを特徴とする包装箱。
【0023】
これによれば、側板が境界線および中間折目線で山折りに折れ曲がる際に、境界線の中間折目線側の端部における外側への突出を中間折目線の端部で押さえ、境界線の縦折目線側の端部を、より包装箱の外側に突出させることが可能となる。この結果、例えば変形誘起部を底板側に設けた場合には、境界線よりも底板側の縦折目線およびその近傍が包装箱の内側に引き込まれ易くなるため、縦折目線およびその近傍をより変形し易くすることができる。
【0024】
また、本発明の包装箱において、前記変形誘起部は、前記側板の前記底板側または前記天板側のいずれか一側に設けられ、他側の前記横折目線は、前記一側に向けて変位した変位部を有することが好ましい。
【0025】
複数の包装箱を横方向にも並べて配置する場合、隣り合う側板同士が密着することで、互いに変形を阻害し合うこととなるが、例えば底板側に変形誘起部を設けた場合に天板側の横折目線に変位部を設けることで、側板の天板側を予め外側に張り出させ、隣り合う側板同士の間で、底板側に隙間を形成することができる。すなわち、変形誘起部を設けた底板側に変形のためのスペースを確保することが可能となるため、側板を適切に変形させて内容物に圧縮荷重を適切に受け持たせることができる。
【0026】
また、本発明の包装箱において、前記側板の前記変位部側には、手穴が設けられ、前記変位部は、前記手穴の前記横折目線方向における幅よりも大きい範囲に設けられることが好ましい。
【0027】
側板に手穴を設けた場合、手穴近傍は変形しやすくなるが、変位部の幅を手穴よりも大きくすることで、手穴近傍を外側に張り出させて変形し難くすることができる。すなわち、変位部を有効活用して手穴近傍の変形を防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の包装箱によれば、内容物に圧縮荷重を適切に受け持たせることが可能という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係る包装箱の概略斜視図である。
図2】包装箱の展開図である。
図3】変形誘起部および中間折目線の作用を示した図である。
図4】AおよびBは、包装箱に圧縮荷重が加わる前後の状態を側方から見た概略図である。
図5】AおよびBは、包装箱に圧縮荷重が加わる前後の状態を側方から見た概略図である。
図6】A~Dは、包装箱の変形例を示した概略図である。
図7】A~Cは、包装箱の変形例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る包装箱1の概略斜視図であり、図2は、包装箱1の展開図であり、包装箱1の製函前のブランクシート1xの表面を示している。
【0031】
本実施形態の包装箱1は、A式やA-1式とも呼ばれる溝切り形のものであり、表ライナ、裏ライナおよび中芯からなる両面段ボールを素材としている。包装箱1は、両面段ボールに溝切りおよび罫線入れを行って形成した平板状のブランクシート1xを折り曲げることで箱状に製函される。
【0032】
図1に示されるように、包装箱1は、四角筒状の胴部10と、胴部10の軸方向(図1における上下方向)両端における2つの開放端10aを閉塞する2つの閉塞部20と、から構成されている。なお、本実施形態では、通常の溝切り形と同様に、胴部10の軸方向を上下方向としているため、2つの閉塞部20は、包装箱1の天板20aおよび底板20bをそれぞれ構成している。
【0033】
胴部10は、互いに対向する一対の第1側板11、および一対の第1側板11の対向方向と略直交する方向で互いに対向する一対の第2側板12から構成されている。従って、一対の第2側板12は一対の第1側板11を周方向の両端において繋いでおり、一対の第1側板11は一対の第2側板12を周方向の両端において繋いでいる。第1側板11および第2側板12は、それぞれ胴部10の周方向における寸法が異なる矩形板状に構成されており、本実施形態では、周方向の寸法が長い方を第1側板11としている。
【0034】
第1側板11および第2側板12は、軸方向(縦方向)に延びる縦折目線aを介して互いに連接され、胴部10は、4つの縦折目線aにおいて約90°に折り曲げられることで、四角筒状となっている。従って、第1側板11および第2側板12の周方向(横方向)の両側端は、縦折目線aによって規定されている。
【0035】
閉塞部20は、一対の第1フラップ21、および一対の第1フラップ21の内側に重ねられた一対の第2フラップ22から構成されている。第1フラップ21および第2フラップ22は、それぞれ胴部10の周方向における寸法が異なる矩形板状に構成され、本実施形態では、周方向の寸法が長い方を第1フラップ21とし、短い方を第2フラップ22としている。
【0036】
閉塞部20aおよび20bは、一対の第1フラップ21を先端21a同士が当接した(突き合わされた)状態で閉じることで、開放端10aの全域が閉塞されるように構成されている。また、本実施形態では、通常の溝切り形と同様に第2フラップ22の先端22a(図2参照)同士は当接していないが、当接させるようにしてもよい。
【0037】
第1フラップ21は、周方向(横方向)に延びる第1横折目線b1を介して第1側板11に連接されており、第1横折目線b1で内方に約90°折り曲げられている。同様に、第2フラップ22は、周方向に延びる第2横折目線b2を介して第2側板12に連接されており、第2横折目線b2で内方に約90°折り曲げられている。
【0038】
天板20a側の第1横折目線b1の中間部には、第1側板11側(底板20b側)に変位した弧状の側板側変位部b1aと、第1フラップ21側に変位した弧状のフラップ側変位部b1bが設けられている。同様に、天板20a側の第2横折目線b2の中間部には、第2側板12側(底板20b側)に変位した弧状の側板側変位部b2aと、第2フラップ22側に変位した弧状のフラップ側変位部b2bが設けられている。
【0039】
本実施形態では、天板20a側の第1横折目線b1に側板側変位部b1aおよびフラップ側変位部b1bを設けることで、第1フラップ21を折り曲げた場合に、第1側板11および第1フラップ21の間に紡錘形状の第1傾斜面13が部分的に形成されるようにしている。また、天板20a側の第2横折目線b2に側板側変位部b2aおよびフラップ側変位部b2bを設けることで、第2フラップ22を折り曲げた場合に、第2側板12および第2フラップ22の間に紡錘形状の第2傾斜面14が部分的に形成されるようにしている。
【0040】
なお、縦折目線a、第1横折目線b1および第2横折目線b2は、素材の裏ライナ側(包装箱1の内側)に設けられた押罫線から構成されている。また、第1横折目線b1の側板側変位部b1aおよびフラップ側変位部b1b、ならびに第2横折目線b2に側板側変位部b2aおよびフラップ側変位部b2bは、ミシン目状の全切線(素材を厚み方向に貫通する切目線)を押罫線に重ねて設けることで、折れ曲がり易くしている。
【0041】
胴部10の軸方向における中間位置よりやや下側には、互いに平行な2つの破断可能線c1が全周に亘って設けられている。この破断可能線c1は、裏ライナのみを貫通するミシン目状の半切線(素材を厚み方向に貫通しない切目線)から構成されており、2つの破断可能線c1の間は、胴部10から切り取り可能な帯状の切取部15となっている。
【0042】
すなわち、本実施形態の包装箱1は、切取部15を破断可能線c1に沿って切り取ることで開梱可能であり、また、底板20b側の部分をトレーとして使用することも可能となっている。切取部15の切り取りを開始する部分である開始片15aは、1対の第1側板11にそれぞれ設けられており、横向きH字状の全切線c2によって矩形状に画定されている。
【0043】
第2側板12の天板20a側には、手穴16が設けられている。この手穴16は、逆T字状の全切線d1によって画定された2つの曲折片16aを、手穴折目線d2で内方に折り曲げることで五角形状に開口するように構成されている。なお、本実施形態では、手穴折目線d2を素材の裏ライナ側に設けた押罫線から構成している。
【0044】
第1側板11の底板20b側の両隅部側には、台形状の変形誘起部30がそれぞれ設けられており、この2つの変形誘起部30の間には、中間折目線eが設けられている。同様に、第2側板12の底板20b側の両隅部側には、台形状の変形誘起部30がそれぞれ設けられており、2つの変形誘起部30の間には、中間折目線eが設けられている。
【0045】
この変形誘起部30および中間折目線eは、上下に積み重ねられる等して包装箱1に軸方向の圧縮荷重が加わった場合に、第1側板11および第2側板12の軸方向寸法を短縮させて包装箱1の内容物にも圧縮荷重が加わるようにし、これにより内容物に圧縮荷重の一部を受け持たせるようにするための部分である。変形誘起部30および中間折目線eの詳細については後述する。
【0046】
図2に示されるように、ブランクシート1xにおいて第1側板11および第2側板12は、胴部10の周方向となるX方向(図2における左右方向)において交互に配列されている。本実施形態では、第1側板11および第2側板12を、図2における左側から第1側板11、第2側板12、第1側板11、第2側板12の順に配置し、最も左側の第1側板11の左側に、台形状の継ぎ代17を配置している。
【0047】
第1フラップ21は、ブランクシート1xにおいて、第1側板11に対してX方向に直交するY方向(図2における上下方向)の両側(図2における上側および下側)に配置されている。また、第2フラップ22は、ブランクシート1xにおいて、第2側板12に対してY方向の両側に配置されている。従って、ブランクシート1xのy方向の一側(図2では上側)には天板20aを構成する一対の第1フラップ21および一対の第2フラップ22が配置され、他側(図2では下側)には底板20bを構成する一対の第1フラップ21および一対の第2フラップ22が配置されている。
【0048】
なお、本実施形態では、継ぎ代17を天板20a側に延長し、右端の第2側板12と共に、天板20a側の右端の第2フラップ22にも接着することで、内容物を収容する際の引っ掛かり等を防止するようにしている。このため、継ぎ代17の第2横折目線b2に対応する位置には、素材の裏ライナ側に設けられた押罫線からなる第3横折目線b3が設けられている。本実施形態ではまた、継ぎ代17が連接された左端の第1側板11の左下側の隅部を継ぎ代17の下側端縁の延長線に沿って切り欠くことで、変形誘起部30における変形が継ぎ代17によって阻害されないようにしている。
【0049】
第1側板11、第2側板12および継ぎ代17は、隣り合うもの同士が縦折目線aを介して互いに連接されている。また、第1フラップ21は、第1横折目線b1を介して第1側板11に連接され、第2フラップ22は、第2横折目線b2を介して第2側板12に連接されている。第1フラップ21および第2フラップ22はまた、ブランクシート1xのy方向両端の3か所からy方向に延びるように切り込まれたスリット状の溝23により、X方向において互いに分割されている。同様に、継ぎ代17の天板20a側の部分も、スリット状の溝23によって第1フラップ21から分割されている。
【0050】
換言すると、第1側板11、第2側板12、継ぎ代17、第1フラップ21および第2フラップ22は、ブランクシート1xに設けられた縦折目線a、第1横折目線b1、第2横折目線b2、および溝23によって画定されている。
【0051】
縦折目線aは、Y方向に隣り合う溝23の奥端同士を繋ぐようにY方向に延びる直線上に設けられている。また、第1横折目線b1、第2横折目線b2および第3横折目線b3は、X方向に隣り合う溝23の奥端同士を繋ぐようにX方向に延びる同一直線上に設けられている。
【0052】
本実施形態では、第1横折目線b1および第2横折目線b2の中間部を2つに分岐させて、側板側変位部b1aおよびb2aならびにフラップ側変位部b1bおよびb2bを設けるのではなく、直線状の第1横折目線b1および第2横折目線b2に、これらを追加して設けるようにすることで、ブランクシート1xの製造工程を簡略化し、コストを低減している。
【0053】
切取部15を画定する破断可能線c1は、ブランクシート1xのY方向の所定の位置においてX方向に延びる直線上に設けられており、継ぎ代17を含むX方向の全範囲に亘って設けられている。また、切取部15の開始片15aを画定する全切線c2は、2つの第1側板11における所定の位置にそれぞれ設けられ、手穴16を画定する全切線d1および手穴折目線d2は、2つの第2側板12における所定の位置にそれぞれ設けられている。
【0054】
次に、変形誘起部30および中間折目線eの詳細について説明する。図2に示されるように、本実施形態の変形誘起部30は、補助折目線fおよび切れ目領域31から構成されている。
【0055】
補助折目線fは、素材の裏ライナ側に設けられた押罫線から構成され、中間折目線e側から近傍の縦折目線a側に向けて近傍(図の下側)の第1横折目線b1または第2横折目線b2から漸次離隔する直線に沿って設けられている。本実施形態では、補助折目線fは中間折目線eの一端と近傍の縦折目線aを繋いでいる。また、継ぎ代17の対応する位置にも補助折目線fを設けることで、変形誘起部30における変形が継ぎ代17によって阻害されないようにしている。
【0056】
切れ目領域31は、補助折目線fと近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2の間の領域に複数の切れ目31aを設けることで構成されている。これにより、切れ目領域31は、外形が台形状となっている。また、近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2とは反対側(図の上側)の切れ目領域31の境界線31bは、補助折目線fと一致している。切れ目31aは、全切線から構成され、縦折目線aと略平行な直線に沿って設けられている。本実施形態では、第1側板11においては6本、第2側板12においては4本の切れ目31aを切れ目領域31内に設けている。
【0057】
第1側板11および第2側板12において、変形誘起部30がX方向に占める範囲は、両側の縦折目線a間の距離の約20%に設定されている。また、補助折目線fおよび境界線31bと近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2の間の距離は、中間折目線e側の端における最短距離が素材の厚みの約1.67倍に設定され、縦折目線a側の端における最長距離が最短距離の約2倍に設定されている。
【0058】
図2に示されるように、中間折目線eは、補助折目線fと同様に、素材の裏ライナ側に設けられた押罫線から構成され、両側の変形誘起部30を繋ぐ線に沿って設けられている。本実施形態では、中間折目線eは、近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2側(図の下側)が凹となる弧状の線に沿って設けられると共に、中間折目線eの両端は補助折目線fに接続されている。そして、補助折目線fと中間折目線eの接続部分は、近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2側が凸となるように曲折している。
【0059】
第1側板11および第2側板12において、中間折目線eがX方向に占める範囲は、両側の縦折目線a間の距離の約60%に設定されている。また、中間折目線eと近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2の間の距離は、両端における最短距離が素材の厚みの約1.67倍に設定され、中間位置における最長距離が最短距離の約2.6倍に設定されている。
【0060】
本実施形態では、このように変形誘起部30を中間折目線eと共に設けることで、軸方向の圧縮荷重に対して本来的に変形し難い縦折目線aおよびその近傍を変形し易くしている。図3は、変形誘起部30および中間折目線eの作用を示した図であり、縦折目線a近傍の底板20b側を拡大して示した概略斜視図である。
【0061】
中間折目線eおよび補助折目線fは、縦折目線a等と同様に、素材の裏ライナ側に設けられた押罫線から構成されている。従って、包装箱1に軸方向の圧縮荷重が加わった場合、第1側板11および第2側板12は、図3に示されるように、中間折目線eおよび補助折目線fにおいて表側が凸となるように山折りに折り曲げられることとなる。
【0062】
縦折目線aに近接して設けられた補助折目線fが山折りに折り曲げられることで、補助折目線fよりも底板20b側の縦折目線aおよびその近傍に内側向きの力が生じるため、圧潰や座屈等の軸方向寸法を短縮する変形を誘起することができる。本実施形態では、補助折目線fの底板20b側に切れ目領域31を設けることで、このような変形をより生じ易くしている。
【0063】
さらに、本実施形態では、補助折目線fと中間折目線eの接続部分を近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2側が凸となるように曲折させることで、中間折目線eにおける折り曲げの影響が縦折目線aの近傍まで有効に及ぼされるようにし、座屈等の変形をより生じ易くしている。
【0064】
具体的には、中間折目線eが山折りに折り曲げられた場合、中間折目線eの延長線ex(図3における一点鎖線)に沿う部分においても山折りになろうとする力が生じることとなる。従って、中間折目線eの延長線exが補助折目線fよりも底板20b側を通過させることで、補助折目線fと延長線exの間に生じる内側向きの力を強化し、座屈等の変形をより生じ易くすることができる。
【0065】
さらに、本実施形態では、近傍の縦折目線aに向けて近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2から漸次離隔する線に沿って補助折目線fを設けると共に、近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2側が凹となる線に沿って中間折目線eを設けることで、補助折目線fよりも底板20b側の縦折目線aが内側に引き込まれ易くし、座屈等の変形をより生じ易くしている。
【0066】
具体的には、補助折目線fが山折りに折り曲げられた場合、原則的に近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2に対して離隔した縦折目線a側が、近接した中間折目線e側よりも大きく外側に突出し、これにより補助折目線fよりも底板20b側の縦折目線aが相対的に内側に引き込まれ易くなる。但し、補助折目線fの縦折目線a側の端部は、縦折目線aによって折れ曲がり難くなっているため、折れ曲がり易い中間折目線e側の部分のみが折れ曲がる等して、このような作用が弱められることとなる。
【0067】
そこで、本実施形態では、近傍の第1横折目線b1または第2横折目線b2に対して中間位置が最も離隔し、両端が最も近接するように中間折目線eを構成し、中間折目線eの両端(すなわち、突出し難い部分)を補助折目線fに接続することで、補助折目線fの中間折目線e側における過度な折れ曲がりおよび突出を抑制するようにしている。これにより、補助折目線fの縦折目線a側の折れ曲がりおよび突出を相対的に促進することが可能となるため、補助折目線fよりも底板20b側の縦折目線aが相対的に内側に引き込まれ易くなり、座屈等の変形を生じ易くすることができる。
【0068】
なお、圧潰や座屈等の変形は、縦折目線aに近い位置ほど生じ難くなるが、本実施形態では、補助折目線fと境界線31bを一致させることで、近傍の縦折目線aに向けて切れ目領域31の軸方向の範囲を漸次拡大し、縦折目線aに近い部分においても圧潰や座屈等の変形を生じ易くしている。
【0069】
図4AおよびBならびに図5AおよびBは、包装箱1に圧縮荷重が加わる前後の状態を側方から見た概略図である。なお、図4AおよびBは、第1側板11側から見た場合を示しており、図5AおよびBは、第2側板12側から見た場合を示している。また、図4Aおよび図5Aは、圧縮荷重が加わる前の状態を示しており、図4Bおよび図5Bは、圧縮荷重が加わった後の状態を示している。
【0070】
図4Aおよび図5Aに示されるように、包装箱1は、例えば飲料容器等の内容物100を所定の個数だけ収容した状態で製函される。包装箱1の製函手順は、一般的な溝切り形の包装箱と同一であるため説明は省略する。
【0071】
包装箱1に軸方向の圧縮力が加わっていない状態では、内要物100の頂面と天板20aの裏面の間には適宜の隙間が生じている。また、包装箱1の天板20a側に第1傾斜面13および第2傾斜面14が形成されることで、第1側板11および第2側板12の天板20a側は、中間部分が外側に僅かに張り出している。これにより、本実施形態では、複数の包装箱1を横方向に密接させた場合にも、隣り合う第1側板11同士または第2側板12同士の間で底板20b側に隙間が生じるようにし、圧縮荷重が加わった場合の中間折目線eにおける折れ曲がりに起因して、第1側板11および第2側板12が張り出すためのスペースを確保している。
【0072】
包装箱1が上下に積み重ねられる等して包装箱1に軸方向の圧縮荷重が加わった場合、図4Bおよび図5Bに示されるように、底板20b側が変形することで第1側板11および第2側板12の軸方向寸法が短縮し、内要物100の頂面と天板20aの裏面が接触して圧縮荷重の一部を内容物100が受け持つこととなる。これにより包装箱1に過大な圧縮荷重が加わるのを防止することが可能となるため、外観を損ねるような包装箱1の変形や破損を防止することができる。
【0073】
上述のように本実施形態では、中間折目線eと共に変形誘起部30を設けることで、本来的に変形し難い縦折目線aおよびその近傍を底板20b側において変形し易くしているため、縦折目線aおよびその近傍は、中間折目線eにおける折れ曲がりに追随してスムーズに、補助折目線fよりも底板20b側の部分が変形するようになっている。従って、縦折目線aおよびその近傍が圧縮荷重に対して突っ張るようなことはなく、天板20aを略均等に内容物100に接触させて、内容物100に圧縮荷重を適切に受け持たせることが可能となっている。
【0074】
また、内容物100が例えばクッション部を有する等、軸方向の圧縮荷重が加わった際に比較的大きく圧縮変形するように構成されている場合にも、内容物100の圧縮変形に追随して、縦折目線aおよびその近傍における補助折目線fよりも底板20b側の部分がスムーズに変形するため、内容物100に圧縮荷重を適切に受け持たせることが可能となっている。
【0075】
また、第1側板11および第2側板12の変形は、底板20b側の目立たない位置に集中して生じ、縦折目線aおよびその近傍が変形せずに突っ張ることで第1側板11または第2側板12の目立つ位置に座屈等が生じるようなこともないため、内容物100に圧縮荷重を受け持たせながらも良好な外観が維持されるようになっている。
【0076】
なお、本実施形態では、第2側板12に手穴16が設けられているため、圧縮荷重が加わった場合に手穴16を起点とする座屈が生じ易くなっている。このため、本実施形態では、第2横折目線b2の側板側変位部b2aおよびフラップ側変位部b2bの横方向(第2横折目線b2方向)の範囲を手穴16の横幅よりも大きくし、手穴16が設けられた部分を全体的に張り出させることで、このような座屈の発生を防止している。すなわち、本実施形態では、底板20b側における変形のスペースを確保するための構成を有効活用して、手穴16に起因する座屈を防止している。
【0077】
次に、包装箱1の変形例について説明する。図6A~Dおよび図7A~Cは、包装箱1の変形例を示した概略図であり、ブランクシート1xにおける第1側板11の底板20b側の表面を示している。
【0078】
図6Aに示されるように、変形誘起部30は、補助折目線fのみから構成されるものであってもよい。また、図6Bに示されるように、変形誘起部30は、切れ目領域31のみから構成されるものであってもよい。また、切れ目領域31における切れ目31aの方向は、特に限定されるものではなく、任意の方向を採用することができる。
【0079】
また、補助折目線fの延びる方向は、特に限定されるものではなく、例えば図6Cに示されるように、第1横折目線b1または第2横折目線b2と平行な線に沿って設けられるものであってもよい。また、補助折目線fは、適宜の曲線に沿って設けられるものであってもよい。
【0080】
また、図6Dに示されるように、変形誘起部30は、切れ目領域31に代えて、中芯を潰す段潰し加工が施された段潰し領域32を有するものであってもよいし、この段潰し領域32のみから構成されるものであってもよい。なお、図6Dでは、近傍の第1横折目線b1とは反対側の段潰し領域32の境界線に符号32aを付している。
【0081】
また、中間折目線eは、弧状に湾曲した線に沿って設けられるものに限定されず、例えば図7Aに示されるように、複数の直線または曲線を組み合わせて構成された線に沿って設けられるものであってもよい。また、中間折目線eは、図7Bに示されるように、第1横折目線b1または第2横折目線b2と平行な直線に沿って設けられるものであってもよい。
【0082】
また、包装箱1の外観の点からは、縦折目線aおよびその近傍以外の部分の変形を中間折目線eにおける折り曲げに画一化することが好ましいが、例えば変形誘起部30の角部を起点として自然に折目が生じることが期待されるような場合には、図7Cに示されるように、中間折目線eを省略するようにしてもよい。
【0083】
また、図示は省略するが、変形誘起部30および中間折目線eは、天板20a側に設けられるものであってもよいし、天板20a側および底板20b側の両方に設けられるものであってもよい。
【0084】
また、変形誘起部30および中間折目線eは、一対の第1側板11および一対の第2側板12の全てに設けられるもの限定されず、例えば段違い罫線を採用した場合には、第1側板11のみに変形誘起部30および中間折目線eを設けるようにしてもよい。また、例えば第1側板11に変形誘起部30および中間折目線eを設け、第2側板12には変形誘起部30のみを設ける等、一部の側板において変形誘起部30および中間折目線eのいずれかを省略するようにしてもよい。
【0085】
また、中間折目線eおよび補助折目線fは、例えば半切線や全切線等の押罫線以外のものから構成されるものであってもよく、この場合に中間折目線eおよび補助折目線fは、基準となる線に沿って適宜の形状および向きの切れ目を断続的に配置して構成されるものであってもよい。また、中間折目線eおよび補助折目線fは、押罫線に半切線等を重ねて設けたものから構成されるものであってもよい。
【0086】
また、第1横折目線b1および第2横折目線b2は、底板20b側が凸となる線に沿って設けられるものであってもよい。すなわち、第1横折目線b1は、側板側変位部b1aのみを有するものであってもよく、第2横折目線b2は、側板側変位部b2aのみを有するものであってもよい。
【0087】
また、包装箱1は、例えば六角筒状や八角筒状等の胴部10を有するものであってもよいし、ラップアラウンドタイプのものであってもよい。また、軸方向の圧縮荷重に応じて内要物100が比較的大きく圧縮変形するような場合には、天板20aの裏面を予め内容物100の頂面に接触させておくようにしてもよい。
【0088】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の包装箱は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、包装箱の各部の寸法および寸法比は、特に限定されるものではない。また、包装箱の素材は、特に限定されるものではなく、両面段ボール以外の各種段ボール、厚紙、各種樹脂段ボールまたは樹脂板等であってもよい。
【0089】
また、上述の実施形態において示した作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したものに過ぎず、本発明による作用および効果は、これらに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0090】
1 包装箱
11 第1側板
12 第2側板
16 手穴
20a 天板
20b 底板
30 変形誘起部
31 切れ目領域
31b 境界線
32 段潰し領域
32a 境界線
a 縦折目線
b1 第1横折目線
b1a 側板側変位部
b2 第2横折目線
b2a 側板側変位部
e 中間折目線
f 補助折目線

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7