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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177674
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】汎用コンバインの脱穀装置
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/22 20060101AFI20231207BHJP
【FI】
A01F12/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090467
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】大原 一志
(72)【発明者】
【氏名】栗原 大器
(72)【発明者】
【氏名】玉田 晋太郎
【テーマコード(参考)】
2B094
【Fターム(参考)】
2B094AA03
2B094AB09
2B094CA02
2B094EB12
2B094EB20
2B094FA04
(57)【要約】
【課題】本発明は、脱穀装置に設けられている扱胴を簡単に改造することで米・麦やトウモロコシを収穫出来る汎用コンバインにすることが課題である。
【解決手段】脱穀装置4の扱室10内にツース58を突設した扱胴11を軸架した汎用コンバインにおいて、突出高さ変更手段Hで扱胴11にツース58を取り付けたことを特徴とする汎用コンバインの脱穀装置とする。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀装置(4)の扱室(10)内にツース(58)を突設した扱胴(11)を軸架した汎用コンバインにおいて、突出高さ変更手段(H)で扱胴(11)にツース(58)を取り付けたことを特徴とする汎用コンバインの脱穀装置。
【請求項2】
ツース(58)の突出高さ変更手段(H)がスペーサ(16)を介して扱胴(11)にツース(58)を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀装置。
【請求項3】
ツース(58)の突出高さ変更手段(H)がツース(58)を扱胴(11)に枢支して突出角度を変更することを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀装置。
【請求項4】
扱胴(11)に設ける複数ツース(58)の一部を突出高さ変更手段(H)で突出高さを変更可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀装置。
【請求項5】
扱胴(11)の外周面を六角筒状に形成し、その内の三周面に突出高さ変更手段(H)でツース(58)を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米・麦やトウモロコシ等の穀粒収穫に使用される汎用コンバインの脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用コンバインは、特開2020-48474号公報に記載されているように、穀稈の先端部を刈り取って、脱穀装置の扱室に投入して扱室に軸架した扱胴で穀粒を扱いだり円錐状のトウモロコシ塊を分離したりして収穫し、排桿を圃場に排出するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-48474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
米や麦の場合は、穀粒が小さいので扱室に軸架する扱胴の扱歯の先端が扱室内の扱網に接近して回転しても良いが、トウモロコシの場合は、円錐状トウモロコシ塊が大きいために、扱胴の扱歯を低くしてトウモロコシ塊が扱胴と扱網の間を通過し易くする必要があり、同じ汎用コンバインでトウモロコシを収穫する場合にはトウモロコシ用扱胴に交換しなければならず、米・麦用汎用コンバインからトウモロコシ用汎用コンバインへの変更作業に手間取っている。
【0005】
本発明は、脱穀装置に設けられている扱胴を簡単に改造することで米・麦やトウモロコシを収穫出来る汎用コンバインにすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
【0007】
請求項1の発明は、脱穀装置4の扱室10内にツース58を突設した扱胴11を軸架した汎用コンバインにおいて、突出高さ変更手段Hで扱胴11にツース58を取り付けたことを特徴とする汎用コンバインの脱穀装置とする。
【0008】
請求項2の発明は、ツース58の突出高さ変更手段Hがスペーサ16を介して扱胴11にツース58を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀装置とする。
【0009】
請求項3の発明は、ツース58の突出高さ変更手段Hがツース58を扱胴11に枢支して突出角度を変更することを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀装置とする。
請求項4の発明は、扱胴11に設ける複数ツース58の一部を突出高さ変更手段Hで突出高さを変更可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀装置とする。
【0010】
請求項5の発明は、扱胴11の外周面を六角筒状に形成し、その内の三周面に突出高さ変更手段Hでツース58を取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインの脱穀装置とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明で、扱室10内へ送り込まれる穀稈は、扱胴11に設けるツース58で扱胴11と扱網との間を後方へ送られながら米や麦やトウモロコシ塊が穀稈から分離されて収穫されるが、ツース58が突出高さ変更手段Hで低くされていると塊であるトウモロコシ塊が通過可能でトウモロコシの収穫が可能になるが、この扱胴11への変更が扱胴11全体を取り換えることなく突出高さ変更手段Hでツース58の突出高さを変えて行えるので、米や麦用からトウモロコシ用の汎用コンバインに変更することが容易である。
【0012】
請求項2の発明で、スペーサ16を外して扱胴11に取り付けることで突出高さの低いツース58を取り付けた扱胴11となるので、扱胴11全体を取り換えることなく、ツース58の高さ変更が容易で、米・麦やトウモロコシ用の汎用コンバインとして使用出来る。
【0013】
請求項3の発明で、ツース58の突出角度を倒すことでツース58の突出高さを低く変更できるので、扱胴11全体を取り換えることなく、ツース58の突出高さ変更が容易であって、扱胴11全体を取り換えることなく、米・麦やトウモロコシ用の汎用コンバインとして使用出来る。
【0014】
請求項4の発明で、扱胴11に設ける複数ツース58の一部を突出高さ変更手段Hで突出高さを変更すると、米や麦専用からトウモロコシ用の扱胴11に変更出来て広範囲に使用可能な汎用コンバインとなる。
【0015】
請求項5の発明で、外周面が六角面の扱胴11は、その三周面のみのツース58を突出高さ変更手段Hで突出高さを変更すれば米・麦やトウモロコシ用の汎用コンバインとなるので、扱胴11の変更操作が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態にかかるコンバインの正面図である。
図2】同上コンバインの右側面図である。
図3】同上コンバインの平面図である。
図4】同上コンバインの脱穀装置の前後方向の縦断面図である。
図5】同上脱穀装置の扱胴の斜視図である。
図6】同上扱胴の右側面図である。
図7】同上扱胴のロータの前部の背面図である。
図8】同上インペラとローラの拡大側面図である。
図9】同上インペラとローラの部分拡大側面図である。
図10】同上脱穀装置のリングフレームの(a)は背面図であり、(b)は径方向視の展開図であり、(c)は上手前後フレームの周方向視の側面図であり、(d)は下手前後フレームの周方向視の側面図である。
図11】同上リングフレームのツースと扱胴カバーの送塵板の拡大平面図である。
図12】同上扱胴のツース取付を示す正断面図である。
図13】同上脱穀装置の突出高さ変更手段の一例を示す部分拡大正面図である。
図14】同上突出高さ変更手段の別例を示す部分拡大正面図である。
図15】同上コンバインのグレンタンクの側下部カバーの折り畳み手順を示す斜視図である。(A)の取付状態から(D)のグレンタンク側面に折り畳んだ状態になる。
図16】同上グレンタンクを機体から取り外した左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1~3に示すように、米や麦用の汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置3が設けられ、刈取前処理装置3の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取前処理装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0018】
操縦部5の下側にエンジンを内装するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する排出オーガ8が設けられている。
【0019】
図16に示す如く、操縦部5の後側に設けるグレンタンク7の底部は背面視で左右から下方に向けてシュート状に形成されて、右側底部にバッテリー62を載せるバッテリー台60を設け、エンジンルーム6の後にモータ61を搭載して排出螺旋9を駆動している。
【0020】
グレンタンク7の側底部は図15の如く二枚の下側カバー7C1,7C2で囲われ、下側カバー7C1,7C2はヒンジ22で折り曲げ可能にされ、グレンタンク7を側方へ展開する際に折り曲げ重ねられてグレンタンク7の右側面に沿わせて保持するようにしている。
【0021】
なお、モータ61はグレンタンク7の後側に接地しても良く、バッテリー62はグレンタンク7の左側の脱穀装置4側でも良い。
【0022】
刈取前処理装置3は、圃場の穀稈を起立させながら後側に搬送する搬送装置3Aと、搬送装置3Aの後側下部に搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置3Bと、搬送装置3Aの後側に搬送された穀稈を左側に寄せ集めるオーガ装置3Cと、寄せ集められた穀稈を脱穀装置4に搬送するフィーダハウス3Dから構成されている。
【0023】
図4に示すように、脱穀装置4は、穀稈を脱穀する扱室10と、脱穀された穀粒を選別する選別室20から形成されている。
【0024】
扱室10の前後壁には、フィーダハウス3Dから搬送されてくる穀稈を脱穀する扱胴11が架設され、扱胴11の下側には、扱胴11の外周下部に沿って半円弧形状に形成された受網12が設けられている。また、扱胴11の上部は、開閉可能な扱胴カバー13で覆われており、扱胴カバー13の内周部には、穀稈を扱室10の後部に案内する送塵板14(図11参照)が設けられている。
【0025】
選別室20の上部には、扱室10から漏下してくる穀粒を選別処理する揺動選別装置21が設けられている。揺動選別装置21の下部には、前側から順に、揺動選別装置21に選別風を送風する唐箕25と、唐箕25の後方に選別風の送風方向を変更する風割26と、揺動選別装置21から漏下してくる穀粒をグレンタンク7に搬送する1番螺旋27と、揺動選別装置21の後部から漏下してくる枝梗等が付着した穀粒を揺動選別装置21の前部の選別棚に再搬送する2番螺旋28が設けられている。
【0026】
図5,6に示すように、扱胴11は、扱室10の前後壁に回転自在に架設される回転軸30と、回転軸30の前部に支持された円錐台形状のインペラ31とロータ32から形成されている。
【0027】
インペラ31は、円形状の前板40と、前板40よりも径が大きい円形状の後板41と、前板40と後板41の外周部を連結する側板42から形成されている。
【0028】
側板42の外周面には、インペラ31の前部に搬送された穀稈をインペラ31の後部に搬送する上下一対の搬送螺旋43が立設されている。これにより、インペラ31に移送されてきた穀稈をインペラ31の前部から後部に効率よく搬送してロータ32に移送することができる。
【0029】
搬送螺旋43の前面には、円周方向に所定角度を隔てて側板42と搬送螺旋43の前面下部を連結する略三角形状の補強リブ44が設けられている。これにより、搬送螺旋43の剛性を高めて、穀稈から搬送螺旋43に加わる負荷による搬送螺旋43の変形を抑制することができる。
【0030】
ロータ32は、前後方向に二分割されてインペラ31の後側に設けられた前ロータ32Aと、前ロータ32Aの後側に設けられた後ロータ32Bから形成されている。なお、前後方向に二分割せず一体として形成することもできる。
【0031】
前ロータ32Aは、インペラ31の後板41と回転軸30の中間部に設けられた中間板35の間に設けられ、後ロータ32Bは、回転軸30の中間板35と回転軸30の後板36の間に設けられている。なお、中間板35は、回転軸30の前後方向の中間部に設けられた左右方向の縦断面が六角形状の中間支持部材34の外周面に立設している。
【0032】
前ロータ32Aは、前後方向に延在する6本のバーフレーム50と、前後方向に延在する3本の前後フレーム51と、前後フレーム51に前後方向に所定の間隔を隔てて支持されたリングフレーム52から形成されている。
【0033】
同様に、後ロータ32Bは、前後方向に延在する6本のバーフレーム50と、前後方向に延在する3本の前後フレーム51と、前後フレーム51に前後方向に所定の間隔を隔てて支持されたリングフレーム52から形成されている。
【0034】
前ロータ32Aと後ロータ32Bは同一構造なので、以下では前ロータ32Aを例に取って説明する。図7に示すように、前ロータ32Aの前後フレーム51の前部は、周方向に三分割された分割プレート53を介してインペラ31の後板41の後面に装着され、前後フレーム51の後部は、周方向に三分割された分割プレート54を介して回転軸30の中間板35の前面に装着されている。なお、矢印は回転方向を示している。
【0035】
分割プレート53の外周部は、後板41の外周部に沿うように円弧状に形成され、分割
プレート53の内周部は、中間支持部材34の外周部に沿うように頂角が120度に形成
された三角形状の切欠き部が形成されている。
【0036】
分割プレート53の外周部には、周方向に所定の間隔を隔ててバーフレーム50を挿通させる外周部が開口された円状の開口部53Aが2個形成されている。これにより、分割プレート53とバーフレーム50の連結を強固に行うことができ、分割プレート53の外周部の外側にバーフレーム50が延出するのを抑制することができる。
【0037】
同様に、分割プレート54の外周部は、中間板35の外周部に沿うように円弧状に形成され、分割プレート54の内周部は、中間支持部材34の外周部に沿うように頂角が120度に形成された三角形状の切欠き部が形成されている。
【0038】
分割プレート54の外周部には、周方向に所定の間隔を隔ててバーフレーム50を挿通させる外周部が開口された円状の開口部54Aが2個形成されている。これにより、分割プレート54とバーフレーム50の連結を強固に行うことができ、分割プレート54の外周部の外側にバーフレーム50が延出するのを抑制することができる。
【0039】
分割プレート53と分割プレート54の回転方向の上手部には前後方向に延在する上手前後フレーム55が架設され、分割プレート53と分割プレート54の回転方向の下手部には前後方向に延在する下手前後フレーム56が架設連結されている。
【0040】
上手前後フレーム55の左右方向の縦断面形状はL字状に形成され、上手前後フレーム55の外周部は回転方向の上手方向に延在して形成されている。また、下手前後フレーム56の左右方向の縦断面形状はL字状に形成され、下手前後フレーム56の外周部は回転方向の上手方向に延在して形成されている。
【0041】
前後フレーム51は、分割プレート53と分割プレート54の下手側に架設された下手前後フレーム56と、この分割プレート53と分割プレート54の回転方向の下手側に隣接する分割プレート53と分割プレート54の上手側に架設された上手前後フレーム55をボルト等の締結部材によって連結して形成し、下手前後フレーム56の外周部の外周面に上手前後フレーム55の外周部の内周面を重ね合わせて形成している。これにより、上手前後フレーム55と下手前後フレーム56の連結部に穀稈が絡み付くのを抑制することができる。
【0042】
図8に示すように、前後フレーム51の外周部における前部は、後上がり傾斜に形成されている。側面視において、前後フレーム51の前部は、インペラ31の側板42と同一傾斜角度に形成され、前後フレーム51の前端部をインペラ31の側板42の後端部と同一位置に形成するのが好ましい。これにより、インペラ31から前ロータ32Aに搬送された穀稈が前後フレーム51の前部に絡み付くのを抑制することができる。
【0043】
図9に示すように、前側から1番目に位置するリングフレーム52の外周部は、インペラ31の側板42の後端部よりも径方向の外側に位置している。これにより、ツース58の背丈を短く形成することができツース58の破損を抑制することができる。また、前側から1番目に位置するリングフレーム52の外周部は、インペラ31の側板42を後方に延出した仮想線L1よりも径方向の内側に位置している。これにより、インペラ31から前ロータ32Aに搬送された穀稈が前側から1番目に位置するリングフレーム52に絡み付くのを抑制することができる。
【0044】
図10に示すように、上手前後フレーム55には、径方向の所定の位置に前後方向に所定の間隔を隔ててリングフレーム52を挿通する穴55Aが8個形成され、前側から1番目の穴55Aと8番目の穴55Aの内周部は開口して形成されている。また、上手前後フレーム55には、径方向の穴55Aよりも内周側の位置に前後方向に所定の間隔を隔てて締結部材を挿通する穴55Bが3個形成されている。
【0045】
下手前後フレーム56には、径方向の所定の位置に前後方向に所定の間隔を隔ててリングフレーム52を挿通する穴56Aが8個形成され、前側から1番目の穴56Aと8番目の穴55Aの内周部は開口して形成されている。なお、穴55Aと穴56Aは径方向と前後方向の同一位置に形成されている。また、下手前後フレーム56には、径方向の穴56Aよりも内周側の位置に前後方向に所定の間隔を隔てて締結部材を係合するウエルドナット等の係合部が3個形成されている。なお、穴55Bと係合部56Bは径方向と前後方向の同一位置に形成されている。これにより、リングフレーム52を上手前後フレーム55の穴55Aと下手前後フレーム56の穴56Aに容易に挿通することができ、上手前後フレーム55と下手前後フレーム56を締結部材で容易に連結することができる。
【0046】
図10では、リングフレーム52とこれに隣接するリングフレーム52の前後方向の間隔を同一間隔に形成しているが、広い間隔と狭い間隔を交互に形成しても良く、前側から7番目のリングフレーム52と8番目のリングフレーム52の間隔を他の、例えば前側から7番目のリングフレーム52と8番目のリングフレーム52の間隔等よりも広く形成することができる。これにより、リングフレーム52とリングフレーム52の間から内周部に入込んだ穀稈をリングフレーム52の外周部に効率良く排出することができる。
【0047】
リングフレーム52は、丸鋼、角鋼で形成することができるが、丸鋼で形成するのが好ましい。これにより、穀稈がリングフレーム52に絡まり付くのを防止することができる。
【0048】
リングフレーム52の外周部には、周方向に所定の間隔を隔てて、ツース58が外周部に向けて立設している。また、図11に示すように、平面視において、後方左側に向けて延在して設けられた送塵板14と、リングフレーム52とこれに隣接するリングフレーム52のツース58の中心部を結んだ仮想線L2の交差角度を90度に形成されている。これにより、穀稈をツース58で送塵板14に沿って後方左側に効率良く搬送することができる。
【0049】
図12は、扱胴11をリングフレーム52に代えて六角筒状体とした構成で、図13の如く扱胴11の平面部にツース58の突出高さ変更手段Hであるスペーサ16を介してツース58を立設するツースブラケット15をボルト18で取り付けてロータ32を構成している。このスペーサ16を介してツースブラケット16を取り付けた状態がツース58を大きく突出させて米・麦用の汎用コンバインとして使用する場合であり、スペーサ16を外してツースブラケット16を直接扱胴11に取り付けた状態がトウモロコシ用の汎用コンバインとして使用する場合で、扱胴カバー13を開いて直接スペーサ16の着脱が可能である。
【0050】
なお、ツース58の全てを突出高さ変更手段Hで突出高さ変更可能にすることなく、六面の内の三面を突出高さ変更手段Hで扱胴11に取り付けることで、トウモロコシ収穫の扱胴11に変更するようにしても良い。
【0051】
図14は、ツース58の別の突出高さ変更手段Hを示し、ツース58をツースブラケット15に枢軸17で枢支し、ロックビス19でツース58の突出角度を変更可能にしている。ツース58を倒すとツース58の突出高さが低くなってトウモロコシ用汎用コンバインの扱胴11として使用が可能になる。
【0052】
前記のリングフレーム52にスペーサ16を介してツースブラケット16を取り付けた扱胴11の構成でも突出高さ変更手段Hで米・麦用の汎用コンバインやトウモロコシ用の汎用コンバインとして使用出来る。
【符号の説明】
【0053】
H 突出高さ変更手段
4 脱穀装置
10 扱室
11 扱胴
16 スペーサ
58 ツース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16