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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023177680
(43)【公開日】2023-12-14
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231207BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231207BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231207BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
G03G21/00 386
G03G21/00 510
B41J29/42 F
B41J29/38 301
B41J29/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022090476
(22)【出願日】2022-06-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】中井 康博
(72)【発明者】
【氏名】村上 光一
(72)【発明者】
【氏名】早野 康友
(72)【発明者】
【氏名】松尾 恵美子
(72)【発明者】
【氏名】高尾 愛実
(72)【発明者】
【氏名】佐枝 政夫
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK11
2H270LD04
2H270QA03
2H270QA13
2H270QA31
2H270QA40
2H270QA44
2H270QA55
2H270QA64
2H270QA65
2H270QA66
2H270QA67
2H270QB07
2H270QB09
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一般のユーザーとスタッフ/サービスマンの位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの操作画面とスタッフ/サービスマン向けの操作画面を一つの表示パネルにデュアルビュー表示する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像データに基づき画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部のエラーの発生を検知するエラー検知センサと、第1視野角方向に第1画面を表示し、さらに第2視野角方向に第2画面を表示させ2画面表示を可能とするデュアルビュー表示可能な表示パネルと、前記画像形成部、前記エラー検知センサおよび前記表示パネルを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記表示パネルが前記第1画面を表示しているときに前記エラー検知センサが前記画像形成部のエラーの発生を検知し、前記エラーを解消するための操作画面を表示すべき指令を受け付けた場合、前記表示パネルに前記第2画面を表示させ2画面表示に切り替える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づき画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部のエラーの発生を検知するエラー検知センサと、
第1視野角方向に第1画面を表示し、さらに第2視野角方向に第2画面を表示させ2画面表示を可能とするデュアルビュー表示可能な表示パネルと、
前記画像形成部、前記エラー検知センサおよび前記表示パネルを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記表示パネルが前記第1画面を表示しているときに前記エラー検知センサが前記画像形成部のエラーの発生を検知し、前記エラーを解消するための操作画面を表示すべき指令を受け付けた場合、前記表示パネルに前記第2画面を表示させ2画面表示に切り替えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記表示パネルは予め定められた傾斜角度の範囲内に角度調整可能に設けられ、
前記表示パネルの傾斜状態を検知する表示パネル角度検知センサをさらに備え、
前記制御部は、前記表示パネルが予め定められた傾斜角度の範囲内に角度調整されたことを前記表示パネル角度検知センサが検知し、かつ、前記エラーを解消するための操作画面を表示すべき指令を受け付けた場合、前記表示パネルに前記デュアルビュー表示に切り替えて表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示パネルは、ユーザーのタッチ操作による操作入力可能な操作領域を有し、
前記操作領域は、前記第1画面のタッチ操作を受け付ける第1操作領域と、前記第2画面のタッチ操作を受け付ける第2操作領域とからなり、前記第1操作領域および前記第2操作領域は、前記表示パネルの異なる領域に設けられた請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、ユーザーのタッチ操作による操作入力可能な操作領域を有し、
前記第1視野角方向および前記第2視野角方向を含む範囲を撮影して画像を取得するカメラと、前記画像から前記第1視野角方向および前記第2視野角方向の範囲にいるユーザーを認識するユーザー認識部とをさらに備え、
ユーザーのタッチ操作を受け付けたとき、前記タッチ操作が、前記第1視野角方向の範囲にいるユーザーのタッチ操作であるものと認識した場合、当該タッチ操作を前記第1画面に反映させ、一方、前記第2視野角方向の範囲にいるユーザーのタッチ操作であるものと認識した場合、当該タッチ操作を前記第2画面に反映させる請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記エラーに係る消耗品の交換用のドアおよび前記ドアの開閉状態を検知するドア開閉検知センサをさらに備え、
前記ドア開閉検知センサによって検知された前記ドアの開閉状態に応じて、前記第1視野角および前記第2視野角が決定される請求項1または2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアの店舗や役所等の公共の施設に設置された複合機等の画像形成装置において、消耗品の交換の際に表示パネルに店舗のスタッフ/サービスマン向けの交換作業ガイド等のガイダンス動画を表示することがある。
【0003】
このようなスタッフ/サービスマン向けのガイダンス動画は、いたずら防止の観点からガイダンス動画を一般のユーザーに見せることは望ましくない。
【0004】
サービス時間中に画像形成装置の用紙やトナー等の消耗品の交換エラーが発生した場合、印刷やコピー等のジョブができなくなるが、消耗品の種類によっては、交換に5~15分ほど時間がかかることもある。
【0005】
それゆえ、一般のユーザーが交換作業に待ちきれず、サービスを利用することなく帰ってしまうおそれがあった。
【0006】
しかしながら、一般のユーザーへのサービスを優先するために消耗品の交換作業を中断する場合、いったんサービス画面に戻してから終了させなければならないため、手間がかかるという問題があった。
【0007】
ところで、ディスプレイパネルにデュアルビュー液晶やトリプルビュー液晶等を採用し、当該ディスプレイパネルを見る利用者の立ち位置によって、複数の異なる画面を表示可能なディスプレイが知られている。
【0008】
このようなデュアルビュー液晶を採用したディスプレイにおいて、設定操作画面等をデュアルビュー表示させることで、画面の視認性、操作性を向上させた表示パネルの表示装置や、当該表示パネルの表示装置を備えた画像形成装置も開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008‐256910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、消耗品の交換の際に画面をデュアルビュー表示させる方法も考えられるが、従来のように、表示パネルに対して左右方向にデュアルビュー表示させた場合、一般のユーザーの立ち位置によっては、スタッフ/サービスマン向けのガイダンス動画を一般ユーザーも見てしまうおそれがある。
【0011】
また、一般のユーザーがサービスを利用している場合、交換作業中のスタッフ/サービスマンによって見られてしまうおそれもある。
【0012】
このように、コンビニエンスストアの店舗や役所等の公共の場において、デュアルビュー表示を行う画像形成装置をそのまま設置しても、上記のように互いの操作画面が見られてしまうという問題があった。
【0013】
この開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、一般のユーザーとスタッフ/サービスマンの位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの操作画面とスタッフ/サービスマン向けの操作画面を一つの表示パネルにデュアルビュー表示することにより、視野角方向によって互いの操作画面を従来よりも見えにくくする画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この開示による画像形成装置は、画像データに基づき画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部のエラーの発生を検知するエラー検知センサと、第1視野角方向に第1画面を表示し、さらに第2視野角方向に第2画面を表示させ2画面表示を可能とするデュアルビュー表示可能な表示パネルと、前記画像形成部、前記エラー検知センサおよび前記表示パネルを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記表示パネルが前記第1画面を表示しているときに前記エラー検知センサが前記画像形成部のエラーの発生を検知し、前記エラーを解消するための操作画面を表示すべき指令を受け付けた場合、前記表示パネルに前記第2画面を表示させ2画面表示に切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この開示によれば、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの操作画面とスタッフ/サービスマン向けの操作画面を一つの表示パネルにデュアルビュー表示する画像形成装置を実現できる。
【0016】
特に、画像形成装置の消耗品の交換用のドアは、本体の下方部分に設けられていることが多いことから、当該交換用のドアの前に座った姿勢のスタッフ/サービスマンに向けて第2視野角方向を下方に設定することで、本体の前に立った姿勢の一般ユーザーから視認される可能性が低くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この開示の実施形態1に係るデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
図2図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図3図1のデジタル複合機の表示パネルの操作ガイド表示処理の流れを示すフローチャートである。
図4図1のデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときの第1/第2視野角の範囲の一例を示す説明図である。
図5図1のデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときの第1/第2視野角の範囲と一般ユーザー/スタッフ/サービスマンの立ち位置との関係の一例を示す説明図である。
図6図1のデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときの第1視野角の画面1の操作領域1と、第2視野角の画面2の操作領域2との関係の一例を示す説明図である。図6(A)は、第1視野角の画面1の操作領域1の一例を示し、図6(B)は、第2視野角の画面2の操作領域2の一例を示す。
図7図1のデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときの第1視野角の画面1の操作領域1を操作する一般ユーザーの一例を示す説明図である。
図8図1のデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときの第2視野角の画面2の操作領域2を操作するスタッフ/サービスマンの一例を示す説明図である。
図9】この開示の実施形態2のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図10】この開示の実施形態2のデジタル複合機において、表示パネルが角度調整されて垂直に立てられたときの外観を示す斜視図である。
図11】この開示の実施形態2のデジタル複合機の表示パネルの操作ガイド表示処理の流れを示すフローチャートである。
図12】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
図13】この開示の実施形態3のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図14】この開示の実施形態3のデジタル複合機の表示パネルの操作ガイド表示処理の流れを示すフローチャートである。
図15】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときの第1/第2視野角の範囲と一般ユーザー/スタッフ/サービスマンの立ち位置との関係の一例を示す説明図である。
図16】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときの第1視野角の画面1の操作領域1を操作する一般ユーザーの一例を示す説明図である。
図17】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときの第2視野角の画面2の操作領域2を操作するスタッフ/サービスマンの一例を示す説明図である。
図18】この開示の実施形態4のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図19】この開示の実施形態4のデジタル複合機の表示パネルの操作ガイド表示処理の流れを示すフローチャートである。
図20】この開示の実施形態4のデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときのドアの開閉状態と第1/第2視野角の範囲との関係の一例を示す説明図である。
図21】この開示の実施形態4のデジタル複合機の表示パネルをデュアルビュー表示させたときのドアの開閉状態と第1/第2視野角の範囲との関係の別の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この開示において、「エラー検知センサ」は、画像形成部のトナー切れや用紙切れ、紙詰まり等のエラーの発生を検知するセンサである。
「第1視野角方向から見たときに第1画面」は、例えば、サービスを利用中の一般ユーザー向けの操作画面である。
「第2視野角方向から見たときに第2画面」は、例えば、エラーを解消すべく画像形成装置本体のドアを開けて作業を行っているスタッフ/サービスマン向けの操作ガイドを表示する画面である。
「前記エラーを解消するための操作画面を表示すべき指令を受け付けた場合」は、例えば、表示パネルに表示された操作ガイド表示ボタンが押された場合である。
「前記第1視野角方向は、前記画像の形成に係るサービスを利用する一般ユーザーの予め定められた想定利用位置の範囲」は、例えば、サービスがコピーサービスの場合、原稿台および排紙トレイ、表示パネルおよびコインベンダーに手の届く位置から想定される一般ユーザーの立ち位置の範囲である。
「前記第2視野角方向は、前記エラーの解消のための作業を行う作業ユーザーの予め定められた想定作業位置の範囲」は、例えば、発生したエラーがトナー切れの場合、トナーの交換作業のためのドアの位置から想定されるスタッフ/サービスマンの作業位置の範囲である。
【0019】
さらに、この開示の好ましい態様について説明する。
【0020】
この開示による画像形成装置において、前記表示パネルは予め定められた傾斜角度の範囲内に角度調整可能に設けられ、前記表示パネルの傾斜状態を検知する表示パネル角度検知センサをさらに備え、前記制御部は、前記表示パネルが予め定められた傾斜角度の範囲内に角度調整されたことを前記表示パネル角度検知センサが検知し、かつ、前記エラーを解消するための操作画面を表示すべき指令を受け付けた場合、前記表示パネルに前記デュアルビュー表示に切り替えて表示させるものであってもよい。
【0021】
「前記表示パネルが予め定められた傾斜角度の範囲内に角度調整」とは、例えば、表示パネルが略垂直に立てられた場合などがあげられる。
【0022】
このようにすれば、デュアルビュー表示操作として、表示パネルを所定の角度の範囲内に角度調整された上で操作ガイド表示操作が受け付けられた場合にのみデュアルビュー表示させることにより、デュアルビュー表示とシングルビュー表示を状況に応じて切り換えて操作ガイドを表示することが可能な画像形成装置を実現できる。
【0023】
この開示による画像形成装置において、前記表示パネルは、ユーザーのタッチ操作による操作入力可能な操作領域を有し、前記操作領域は、前記第1画面のタッチ操作を受け付ける第1操作領域と、前記第2画面のタッチ操作を受け付ける第2操作領域とからなり、前記第1操作領域および前記第2操作領域は、前記表示パネルの異なる領域に設けられたものであってもよい。
【0024】
このようにすれば、第1操作領域1と第2操作領域2が表示パネルの異なる領域に設けられるため、第1画面の操作と第2画面の操作が混同されず、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの操作画面とスタッフ/サービスマン向けの操作画面を一つの表示パネルにデュアルビュー表示する画像形成装置を実現できる。
【0025】
この開示による画像形成装置において、前記表示パネルは、ユーザーのタッチ操作による操作入力可能な操作領域を有し、前記第1視野角方向および前記第2視野角方向を含む範囲を撮影して画像を取得するカメラと、前記画像から前記第1視野角方向および前記第2視野角方向の範囲にいるユーザーを認識するユーザー認識部とをさらに備え、ユーザーのタッチ操作を受け付けたとき、前記タッチ操作が、前記第1視野角方向の範囲にいるユーザーのタッチ操作であるものと認識した場合、当該タッチ操作を前記第1画面に反映させ、一方、前記第2視野角方向の範囲にいるユーザーのタッチ操作であるものと認識した場合、当該タッチ操作を前記第2画面に反映させるものであってもよい。
【0026】
「ユーザー認識部」は、カメラの撮影範囲内にいるユーザーの画像に基づいて顔認識等の解析を行い、予め登録された登録ユーザーの情報と照合することにより、ユーザーを認識・特定する部分である。
【0027】
このようにすれば、第1操作領域と第2操作領域が重なり合っていたとしても、いずれの操作によるものか特定できるため、第1操作領域と第2操作領域を自由に設定しつつ、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの操作画面とスタッフ/サービスマン向けの操作画面を一つの表示パネルにデュアルビュー表示する画像形成装置を実現できる。
【0028】
この開示による画像形成装置において、前記エラーに係る消耗品の交換用のドアおよび前記ドアの開閉状態を検知するドア開閉検知センサをさらに備え、前記ドア開閉検知センサによって検知された前記ドアの開閉状態に応じて、前記第1視野角および前記第2視野角が決定されるものであってもよい。
【0029】
このようにすれば、エラー発生後のドアの開閉状態に基づき、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの操作画面とスタッフ/サービスマン向けの操作画面を一つの表示パネルにデュアルビュー表示する画像形成装置を実現できる。
【0030】
以下、図面を用いてこの開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この開示を限定するものと解されるべきではない。
【0031】
〔実施形態1〕
<デジタル複合機1の概略構成>
図1および図2に基づき、この開示の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機1について説明する。
図1は、この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。
図2は、図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1は、本体の横に表示パネル17を備える。
【0033】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有するMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0034】
デジタル複合機1は、本体パネル16または表示パネル17を介して受付けたユーザーからの指示に基づき、スキャナ、印刷、コピーまたは画像送信等のジョブを実行する。
【0035】
<デジタル複合機1の概略構成>
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像データ取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、本体パネル16、表示パネル17およびエラー検知センサ18を備える。
【0036】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0037】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、各種のインターフェース回路等からなる。
【0038】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、本体パネル16、表示パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0039】
画像データ取得部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
また、画像データ取得部11は、USB等に記録された画像データや通信部15を介して外部の端末から画像データを取得するものであってもよい。
【0040】
画像形成部12は、画像データ取得部11によって取得され、画像処理部14によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0041】
また、画像形成部12は、銀塩写真用の用紙に似た光沢のある厚紙など、通常の用紙とは異なるメディアに印刷できる昇華型プリンタを備えるものであってもよい。
この場合、後述するエラー検知センサ18は、厚紙の詰まり等のエラーを検知するものであってもよい。
【0042】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体が用いられる。
【0043】
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0044】
画像処理部14は、画像データ取得部11によって読み取られた原稿画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成し、画像データ取得部11から入力された画像データを本体パネル16や表示パネル17からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0045】
通信部15は、有線または無線のネットワークを介して、外部の機器と通信を行い、必要なデータを送受信する部分である。
【0046】
本体パネル16は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成される。
本体パネル16は、ユーザーに各種情報の表示を行い、ユーザーからの指令を受け付ける。
【0047】
表示パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0048】
表示部171は、ユーザーに各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0049】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0050】
エラー検知センサ18は、画像形成部12のトナー切れや用紙切れ、紙詰まり等のエラーの発生を検知するセンサである。
【0051】
なお、デジタル複合機1は、貨幣すなわち硬貨または紙幣を投入し、印刷ジョブ数や用紙サイズ等に応じて課金を行うコインベンダーを備えるものであってもよい。
この場合、エラー検知センサ18は、硬貨や紙幣の詰まり等のエラーを検知するものであってもよい。
【0052】
<この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1のデュアルビュー表示処理>
次に、図3図8に基づき、この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1のユーザー通知処理について説明する。
【0053】
図3は、図1のデジタル複合機1の表示パネル17のデュアルビュー表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
図3の例では、デジタル複合機1が印刷やコピー等のサービスを実行中に用紙やトナー等の消耗品の交換エラーが発生した場合を想定する。
【0055】
図3のステップS1において、デジタル複合機1の制御部10は、エラーが発生したか否かを判定する(ステップS1)。
【0056】
エラーが発生した場合(ステップS1の判定がYesの場合)、ステップS2において、制御部10は、表示部171にエラー画面を表示させる(ステップS2)。
【0057】
次に、ステップS3において、操作ガイドの表示操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS3)。
【0058】
操作ガイドの表示操作を受け付けた場合(ステップS3の判定がYesの場合)、ステップS4において、制御部10は、表示部171に予め定められた第1/第2視野角の範囲内のユーザーに対してそれぞれ予め定められた2種類の画面1/画面2をデュアルビュー表示させる(ステップS4)。
【0059】
図4は、図1のデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときの第1/第2視野角の範囲の一例を示す説明図である。
図5は、図1のデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときの第1/第2視野角の範囲と一般ユーザー/スタッフ/サービスマンの立ち位置との関係の一例を示す説明図である。
【0060】
図4および図5に示すように、デジタル複合機1の本体の前に立つ一般ユーザーに向けて、表示パネル17の上方の第1視野角の範囲に画面1を表示する。
一方、デジタル複合機1の本体の横に座るスタッフ/サービスマンに向けて、表示パネル17の下方の第2視野角の範囲に画面2を表示する。
【0061】
次に、図3のステップS5において、制御部10は、ユーザーの操作を操作部172が受け付けたか否かを判定する(ステップS5)。
【0062】
図6は、図1のデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときの第1視野角の画面1の操作領域1と、第2視野角の画面2の操作領域2との関係の一例を示す説明図である。
図6(A)は、第1視野角の画面1の操作領域1の一例を示し、図6(B)は、第2視野角の画面2の操作領域2の一例を示す。
【0063】
図6(A)の例において、画面1の右斜め上の三角形の操作領域1には、設定ボタン1として「領収証の印刷」「しない」「する」が表示されている。
【0064】
一方、図6(B)の例において、画面2の左斜め下の三角形の操作領域2には、設定ボタン2として「処理方法を見る」が表示されている。
【0065】
図6(A)(B)に示すように、ユーザーが誤って自分の操作対象外の設定ボタンを押下してしまわないように、操作領域1および2は、表示部171の互いに重なり合わない領域に表示されている。
【0066】
図7は、図1のデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときの第1視野角の画面1の操作領域1を操作する一般ユーザーの一例を示す説明図である。
図8は、図1のデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときの第2視野角の画面2の操作領域2を操作するスタッフ/サービスマンの一例を示す説明図である。
【0067】
図7および図8に示すように、一般ユーザー向けの操作領域1と、スタッフ/サービスマン向けの操作領域2は表示パネル17の別々の領域に設けられているため、一般ユーザーの操作とスタッフ/サービスマンの操作が混同することはない。
【0068】
また、一般ユーザーとスタッフ/サービスマンが同時に1つの表示パネル17を操作することもできるため、互いの操作の妨げになることもない。
【0069】
次に、図3のステップS5において、画面1の操作領域1のボタン操作を操作部172が受け付けた場合、ステップS6において、制御部10は、当該ボタン操作の結果を画面1に反映させる(ステップS6)。
【0070】
一方、画面2の操作領域2のボタン操作を操作部172が受け付けた場合、ステップS7において、制御部10は、当該ボタン操作の結果を画面2に反映させる(ステップS7)。
【0071】
一方、画面2の操作領域2のボタン操作を操作部172が受け付けた場合、ステップS7において、制御部10は、当該ボタン操作の結果を画面2に反映させる(ステップS7)。
【0072】
次に、ステップS8において、制御部10は、エラーが解除されたか否かを判定する(ステップS8)。
【0073】
エラーが解除された場合(ステップS8の判定がYesの場合)、ステップS9において、制御部10は、画像形成部12にジョブを再開させる(ステップS9)。
【0074】
一方、エラーが解除されていない場合(ステップS8の判定がNoの場合)、制御部10は、処理をステップS3に戻す。
【0075】
このようにして、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの画面1とスタッフ/サービスマン向けの画面2を一つの表示パネル17にデュアルビュー表示することにより、視野角方向によって互いの操作画面を従来よりも見えにくくする一方で、それぞれの操作を混同せずに受付可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0076】
特に、デジタル複合機1の消耗品の交換用のドアは、本体の下方部分に設けられていることが多いことから、当該交換用のドアの前に座った姿勢のスタッフ/サービスマンに向けて第2視野角方向を下方に設定することで、本体の前に立った姿勢の一般ユーザーからスタッフ/サービスマン向けの画面2が視認される可能性が低くなる。
【0077】
(実施形態2)
<この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のデュアルビュー表示処理>
次に、図9図11に基づき、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のユーザー通知処理について説明する。
【0078】
実施形態1では、操作ガイドの表示操作を受け付けた場合、第1/第2視野角の範囲内のユーザーに対してそれぞれ予め定められた2種類の画面1/画面2をデュアルビュー表示するデジタル複合機1について説明した。
【0079】
実施形態2では、予め定められたデュアルビュー表示操作を受け付けた場合にデュアルビュー表示する一方で、操作ガイドの表示操作のみを受け付けた場合は、従来どおりシングルビュー表示で操作ガイドを表示して操作を受け付けるデジタル複合機1について説明する。
【0080】
図9は、この開示の実施形態2のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0081】
図9に示すように、実施形態2のデジタル複合機1の構成は、表示パネル角度検知センサ19を備える他は、実施形態1(図2)と同じである。
【0082】
表示パネル角度検知センサ19は、表示パネル17の傾斜状態を検知する部分である。
【0083】
図10は、この開示の実施形態2のデジタル複合機1において、表示パネル17が角度調整されて垂直に立てられたときの外観を示す斜視図である。
【0084】
図10に示すように、表示パネル17が角度調整されて垂直に立てられたとき、表示パネル角度検知センサ19は、表示パネル17が垂直になったことを検知する。
【0085】
図11は、この開示の実施形態2のデジタル複合機1の表示パネル17の操作ガイド表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0086】
図11のステップS11,S12およびS14~S19の処理は、図3(実施形態1)のステップS1,S2およびS4~S9の処理に対応するため、説明を省略する。
【0087】
ここでは、図11のステップS13の処理について説明する。
【0088】
図11のステップS13において、表示部171にエラー画面を表示させた後(ステップS13)、制御部10は、ステップS13において、予め定められたデュアルビュー表示操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS13)。
【0089】
例えば、図10に示すように、表示パネル17を垂直に立て、かつ、表示部171に表示された予め定められた操作ガイド表示ボタンが押下されたとき、デュアルビュー表示操作が受け付けられたものとする。
【0090】
予め定められたデュアルビュー表示操作を受け付けた場合(ステップS13の判定がYesの場合)、ステップS14において、制御部10は、表示部171に予め定められた第1/第2視野角の範囲内のユーザーに対してそれぞれ予め定められた2種類の画面1/画面2をデュアルビュー表示させる(ステップS14)。
【0091】
一方、操作部172が通常の操作ガイドの表示操作のみを受け付けた場合、ステップS20において、制御部10は、表示部171に操作ガイドをシングルビュー表示させ、操作部172にユーザーの操作を受け付けさせる処理を行う(ステップS20)。
【0092】
その後、ステップS18において、制御部10は、エラーが解消されたか否かの判定を行う(ステップS18)。
【0093】
このように、デュアルビュー表示操作として、表示パネル17を垂直に立てた状態で操作ガイド表示操作が受け付けられた場合にのみデュアルビュー表示させることにより、デュアルビュー表示とシングルビュー表示を状況に応じて切り換えて操作ガイドを表示することが可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0094】
また、表示パネル17を垂直に立てた状態でデュアルビュー表示することで、第1/第2視野角の範囲を確定させることができるため、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの画面1とスタッフ/サービスマン向けの画面2を一つの表示パネル17にデュアルビュー表示し、それぞれの操作も別々に受付可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0095】
(実施形態3)
<この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のデュアルビュー表示処理>
次に、図12図14に基づき、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のユーザー通知処理について説明する。
【0096】
実施形態1および2では、予め定められた第1/第2視野角の範囲内のユーザーに対してそれぞれ予め定められた2種類の画面1/画面2をデュアルビュー表示するデジタル複合機1について説明した。
【0097】
しかしながら、この場合、表示パネル17において一般ユーザーとスタッフ/サービスマンのいずれの操作によるものか判別できないため、第1視野角の画面1の操作領域1と、第2視野角の画面2の操作領域2を別々に区別して操作を受け付ける必要があり、設定ボタンの位置を自由にレイアウトできないという問題がある。
【0098】
そこで、実施形態3においては、カメラ20によってユーザーを撮影してユーザー認識することで、表示パネル17において一般ユーザーとスタッフ/サービスマンのいずれの操作によるものか判別可能なデジタル複合機1について説明する。
【0099】
図12は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。
【0100】
図12に示すように、デジタル複合機1の表示パネル17の上部にカメラ20が装着され、予め定められた撮影範囲内に入ってきたユーザーを撮影して画像を取得する。
【0101】
図13は、この開示の実施形態3のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0102】
図13に示すように、実施形態3のデジタル複合機1の構成は、カメラ20およびユーザー認識部21を備える他は、実施形態1(図2)と同じである。
【0103】
カメラ20は、予め定められた撮影範囲内を撮影して画像を取得する。
【0104】
ユーザー認識部21は、カメラ20の撮影範囲内にいるユーザーの画像に基づいて顔認識等の解析を行い、予め登録された登録ユーザーの情報と照合することにより、ユーザーを認識・特定する部分である。
【0105】
ユーザー認識部21は、顔認識に限らず、ビーコンなど、予め登録された登録ユーザーを特定するための情報に基づいてデジタル複合機1の本体から所定の範囲内にいる人物を特定することができるものであれば何でもよい。
【0106】
なお、ユーザー認識部21は、デジタル複合機1とは独立した構成としてもよい。
例えば、顔認識を行う場合、部屋の監視カメラシステムと連携し、監視カメラシステムが認識したデジタル複合機1の本体から所定の範囲内にいるユーザーの画像を取得するようにしてもよい。
【0107】
図14は、この開示の実施形態3のデジタル複合機1の表示パネル17の操作ガイド表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0108】
図14のステップS21~S25およびS28~S29の処理は、図3(実施形態1)のステップS1~S5およびS8~S9の処理に対応するため、説明を省略する。
【0109】
ここでは、図14のステップS26およびS27の処理について説明する。
【0110】
ステップS25において、ユーザーの操作を操作部172が受け付けた場合(ステップS25の判定がYesの場合)、視野角1の方向の範囲のユーザーのボタン操作を受け付けたことをカメラ20で撮影した画像からユーザー認識部21が認識した場合、ステップS26において、制御部10は、当該ボタン操作の結果を画面1に反映させる(ステップS26)。
【0111】
一方、視野角2の方向の範囲のユーザーのボタン操作を受け付けたことをカメラ20で撮影した画像からユーザー認識部21が認識した場合、ステップS27において、制御部10は、当該ボタン操作の結果を画面2に反映させる(ステップS27)。
【0112】
図15は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときの第1/第2視野角の範囲と一般ユーザー/スタッフ/サービスマンの立ち位置との関係の一例を示す説明図である。
【0113】
図15の例において、カメラ20の撮影範囲は、第1視野角の範囲および第2視野角の範囲を含むものとする。
【0114】
ユーザー認識部21は、カメラ20の撮影によって得られた画像を解析して、第1視野角の範囲内にいる一般ユーザーか、第2視野角の範囲内にいるスタッフ/サービスマンのいずれが表示パネル17を操作したのかを認識・特定する。
【0115】
図16は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときの第1視野角の画面1の操作領域1を操作する一般ユーザーの一例を示す説明図である。
【0116】
図16の例に示すように、第1視野角の範囲内にいるユーザーが表示パネル17の中央の設定ボタンを押下したことが認識・特定された場合、制御部10は、一般ユーザーの操作によるものとして、当該設定ボタンの操作の結果を第1視野角の画面1に反映させる。
【0117】
図17は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときの第2視野角の画面2の操作領域2を操作するスタッフ/サービスマンの一例を示す説明図である。
【0118】
図17の例に示すように、第2視野角の範囲内にいるユーザーが表示パネル17の中央の設定ボタンを押下したことが認識・特定された場合、制御部10は、スタッフ/サービスマンの操作によるものとして、当該設定ボタンの操作の結果を第2視野角の画面2に反映させる。
【0119】
このようにすることで、一般ユーザー向けの操作領域1と、スタッフ/サービスマン向けの操作領域2が重なり合っていたとしても、いずれの操作によるものか特定できる。
それゆえ、操作領域1および2を自由に設定しつつ、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの画面1とスタッフ/サービスマン向けの画面2を一つの表示パネル17にデュアルビュー表示し、それぞれの操作も別々に受付可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0120】
(実施形態4)
<この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のデュアルビュー表示処理>
次に、図18図21に基づき、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のユーザー通知処理について説明する。
【0121】
実施形態1では、予め定められた第1/第2視野角の範囲内のユーザーに対してそれぞれ予め定められた2種類の画面1/画面2をデュアルビュー表示するデジタル複合機1について説明した。
【0122】
実施形態4においては、エラーが発生した後のデジタル複合機1の本体のドアの開閉状態に基づき、第1/第2視野角の範囲を切替可能なデジタル複合機1について説明する。
【0123】
図18は、この開示の実施形態4のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0124】
図18に示すように、実施形態4のデジタル複合機1の構成は、ドア開閉検知センサ22を備える他は、実施形態1(図2)と同じである。
【0125】
ドア開閉検知センサ22は、デジタル複合機1の本体に設けられた複数のドアの開閉状態を検知するセンサである。
【0126】
図19は、この開示の実施形態4のデジタル複合機1の表示パネル17の操作ガイド表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0127】
図19のステップS31~S33およびS35~S39の処理は、図3(実施形態1)のステップS1~S3およびS5~S9の処理に対応するため、説明を省略する。
【0128】
ここでは、図19のステップS34の処理について説明する。
【0129】
ステップS33において、操作ガイドの表示操作を受け付けた場合(ステップS33の判定がYesの場合)、ステップS34において、制御部10は、ドア開閉検知センサ22によって検知された本体のドアの開閉状態に基づき、第1/第2視野角の範囲を決定し、それぞれ予め定められた2種類の画面1/画面2を表示部171にデュアルビュー表示させる(ステップS34)。
【0130】
図20は、この開示の実施形態4のデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときのドアの開閉状態と第1/第2視野角の範囲との関係の一例を示す説明図である。
【0131】
図20の例において、エラーの発生後に、スタッフ/サービスマンが表示パネル17の下方に設けられたドアを開いている。
そこで、当該ドアの付近にスタッフ/サービスマンがいることが想定されるため、制御部10は、第2視野角の範囲を当該ドアの付近に設定する。
【0132】
図21は、この開示の実施形態4のデジタル複合機1の表示パネル17をデュアルビュー表示させたときのドアの開閉状態と第1/第2視野角の範囲との関係の別の一例を示す説明図である。
【0133】
図21の例において、エラーの発生後に、スタッフ/サービスマンがデジタル複合機1の手差トレイの下方に設けられたドアを開いている。
そこで、当該ドアの付近にスタッフ/サービスマンがいることが想定されるため、制御部10は、第2視野角の範囲を当該ドアの付近に設定する。
【0134】
なお、図20および図21の例において、第1視野角の範囲は、第2視野角の範囲と重複しない範囲において、デジタル複合機1の周囲の適当な範囲に設定される。
【0135】
このようにすることで、エラー発生後のドアの開閉状態に基づき、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの画面1とスタッフ/サービスマン向けの画面2を一つの表示パネル17にデュアルビュー表示し、それぞれの操作も別々に受付可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0136】
(実施形態4の変形例1)
実施形態4の変形例1として、エラー発生後のドアの開閉状態に基づき、一般ユーザー向けの操作領域1と、スタッフ/サービスマン向けの操作領域2の表示パネル17の相対位置を適切に変化させるようにしてもよい。
【0137】
このようにすることで、エラー発生後のドアの開閉状態に基づき、一般ユーザーとスタッフ/サービスマンの立ち位置から操作しやすい位置に操作領域1と2が設けられるため、ユーザーの利便性の高いデジタル複合機1を実現することができる。
【0138】
(実施形態4の変形例2)
実施形態4の変形例2として、エラー検知センサ18によって特定されたエラーの検知位置に基づき、第1/第2視野角の範囲を決定し、それぞれ予め定められた2種類の画面1/画面2を表示部171にデュアルビュー表示させるようにしてもよい。
【0139】
このようにすることで、エラーの検知位置に基づき、画像形成装置に係るサービスを利用する一般のユーザーの立ち位置と、エラーを解消するスタッフ/サービスマンの作業位置を適切に区別して、一般のユーザー向けの画面1とスタッフ/サービスマン向けの画面2を一つの表示パネル17にデュアルビュー表示し、それぞれの操作も別々に受付可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0140】
この開示の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、この開示について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。この開示には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0141】
1:デジタル複合機、 10:制御部、 11:画像データ取得部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:本体パネル、 17:表示パネル、 18:エラー検知センサ、 19:表示パネル角度検知センサ、 20:カメラ、 21:ユーザー認識部、 22:ドア開閉検知センサ、 171:表示部、 172:操作部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21